2009年05月02日
プロジェクト管理と日常生活 No.69 『今こそ最もプロセス改善の真価が問われる時』
プロジェクト管理の世界ではソフトウェア開発プロセスの改善モデルとアセスメント手法であるCMMI(Capability Maturity Model Integration 能力成熟度モデル統合)があります。
このCMMIでは、組織の成熟度を5つの段階に分けて評価します。
そして、最も成熟したレベル5は、最適化している状態 (継続的に自らのプロセスを最適化し、プロセスを改善する状態)です。
これは、文字通り、組織的に常にプロセスを見直して継続的に改善をしていく、という意味です。
では、継続的に改善をしていくためのきっかけは何でしょうか。
それは、外部環境も含めて、プロセスに影響を与える現状をきちんと把握することです。
次に、その現状把握に基づいてそれに対する改善策をいろいろと検討します。
そして、いくつかの検討案の中から適切な案を選んで、それを実施します。
最後に、実施してみて期待通りの結果が得られたかどうかを評価して、必要であれば別な改善策を検討し直します。
この一連のサイクルを実施することがプロセス改善なのです。
 実は、地球上の生物生存の歴史もまさにこのことを物語っているのです。
「強い生物が生存し続けるのではなく、環境の変化に順応出来る生物が生存し続けるのだ。」と言うようなことをどなたかがおっしゃっていたことにも通じるのです。
さて、今は大きな変化の時代、と言えます。
人類のレベルでみれば、地球温暖化が人類の生存をも左右します。
企業のレベルでみれば、100年に一度と言われる世界的な大不況で、企業の生存さえ危ぶまれる状況です。
個人レベルでみれば、政府の政策によるところもあって、非正規社員の割合が多くなっており、また今回の不況突入で正規社員でさえ安泰とは言えない状況になってきました。
このような大きな変化の時代こそ、最もプロセス改善の真価が問われる時なのです。
そして、一般企業にとっては、組織のあり方などいろいろな改革を思い切って出来るチャンスなのです。
ちなみに、改革とは飛躍的な改善を意味しています。
また、今まで弱い立場であった企業、新たなベンチャー企業や個人にとっては、アイデア次第で千載一遇の飛躍のチャンスでもあるのです。

 
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