2009年02月05日
アイデアよもやま話 No.1114 ガソリンスタンドで低料金レンタカー!
1月29日(火)放送のワールドビジネスサテライト (テレビ東京)で「中古車ビジネス」をテーマに取り上げていましたのでご紹介します。
中古車登録台数は去年およそ423万台と、23年ぶりに低水準だったそうです。
このような状況のなかで、番組では中古車販売仲介業のホームネットカーズ(株)と中古車を使った新ビジネスを始める(株)レンタスとの協業の模様が紹介されていました。
その内容は、自分で調達できないガソリンスタンドに対して車を準備する、というものです。
そして、ガソリンスタンドが通常の給油・洗車業務とは別に、レンタカービジネスをする、というビジネス・モデルのニコニコレンタカーです。
具体的に、あるガソリンスタンドの立て看板が映し出されていました。
「レンタカー革命 ニコニコレンタカー マーチクラス 12時間乗り放題2,525円」
また、24時間では3,360円で相場のおよそ半額だそうです。
ただし、この料金には保険料は含まれていません。
ニコニコレンタカーでは、現在月に200件の利用があるそうです。
ちなみに、導入コスト(1台あたり)は新車約80万円に対して、中古車10万〜20万円だそうです。
レンタスの坂見鹿郎社長は、番組のなかで次のようにおっしゃっていました。
「今は、新車も売れない、中古車も売れないので中古価格も下がっている状況ですが、まさにこの時代だからこそ追い風になる業種である。」
ガソリンスタンドは新たに事務所を構える必要がなく、受付は給油スタッフが兼任、家賃や人件費がかからない、そして、余剰スペースを駐車用に使えるのです。
この結果、一般的なレンタカー店と較べて一月のコストがおよそ100万円安くなるのです。
ニコニコレンタカーでは、今年の春から約2,000台の中古車を利用して200店舗のフランチャイズ展開を目指すそうです。
実際にニコニコレンタカーのホームページを見ると、既に全国展開が進められているようです。
また、サービスには宅配レンタカーもあり、価格は片道1,300円 往復2,500円(税込)です。
私も以前、レンタカーのサービスを受けたことがありますが、最寄のサービス店まで行くのが面倒に感じました。
でも、この価格であれば、通常のレンタカー料金で宅配レンタカーのサービスが受けられます。
ということで、ニコニコレンタカーは、とても素晴らしいビジネス・モデルだと思います。
アイデアの観点から、なぜかを以下にまとめてみました。
・サービスが現在のお客様の低価格、という強い要求を反映している
・車を所有出来ない人たちにも運転する機会を提供出来る
・レンタカーの既存サービス料金を意識して、ほぼ半額の料金設定をしている
・異業種企業(*)がそれぞれの強みを持ち寄り、新たな投資をほとんどせずに既存の遊休資産を有効活用している
 * 中古車の新ビジネスの企画企業、中古車を提供する中古車販売仲介業、サービスを展開する場を提供出来るガソリンスタンド
・ガソリンスタンドはニコニコレンタカーのサービスにより新たなガソリン需要が期待出来る
・スピーディにサービスを展開出来るので、短期間にレンタカー・ビジネスの主導的立場を確保出来る可能性が高い
・低価格により、お客様の潜在的要求であるレンタカーの宅配サービスをも可能にしている
ニコニコレンタカーの命名がマーチクラス 12時間乗り放題2,525円の語呂合わせで、サービスの安さを象徴している
 (これは私の推測です。)
・今後、更に他のサービスとの協業の可能性がある
 (例えば、高級車の低価格での試乗、他のいろいろな宅配サービスなどの広告の配布 など)
・更に、サービス規模の拡大により、より低価格が期待でき、車は乗りたい時に借りるもの、というレンタカー革命の可能性を秘めている
・このビジネス・モデルは日本国内だけに止まらず、海外展開も可能であり、それは生活費に余裕のない人たちにも車を運転する機会を与えることが出来る

 
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