2008年09月13日
プロジェクト管理と日常生活 No.36 『環境の変化への耐えざる順応が出来なければ・・・』
前回、プロジェクト管理と日常生活 No.35 『目的は何か 〜女子ソフト・金メダルのヒミツ〜』で強烈な目的意識を持つことこそ目的を達成するために最も大切である、とお伝えしました。
ところで、目的を達成するための期間は、オリンピックのように何年もの長期間になる場合が多いと思います。
そうすると、その間にビジネスや技術など、いろいろと環境が変化してきます。
そこで、今回は環境の変化への耐えざる順応の大切さについてお伝えします。
8月30日(土)放送のNHKスペシャルで「日本柔道を救った男 〜石井慧 金メダルへの執念〜 」をテーマに取り上げていました。
石井選手については、アイデアよもやま話 No.886 ヨーロッパ生まれのJUDOから貪欲に学ぶ柔道!でもご紹介しましたが、今回の内容はほとんど同様のものでした。
今回、番組を観てあらためて印象的だったのは、次の石井選手の言葉です。
「本当に勝つ人というのは、力が強かったり才能があったり努力したりする人が勝つのではなく、いち早く環境に順応する人が勝つ」
プロジェクト管理の世界では有名な、米カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が公表したソフトウェア開発プロセスの改善モデルとアセスメント手法であるCMMI(Capability Maturity Model Integration 能力成熟度モデル統合)があります。
このCMMIでは、組織の成熟度を以下に示すように5つの段階に分けて評価します。
レベル1 : 初期状態 (混沌とした、いきあたりばったりで、一部の英雄的なメンバー依存の状態)。
レベル2 : 管理された状態 (反復できる状態、プロジェクトレベルで管理・プロセスの規則が存在)
レベル3 : 定義された状態 (組織の標準プロセスがあり、組織横断的に実施されるプロセスの首尾一貫性が保たれている状態)
レベル4 : 定量的に管理された状態 (蓄積された過去のデータを統計的に分析しており、定量的な予測ができる状態)
レベル5 : 最適化している状態 (継続的に自らのプロセスを最適化し、プロセスを改善する状態)
まさに、最も成熟したレベル5は、継続的なプロセスの改善なのです。
ということは、プロジェクト管理に限らず、どのような世界にあっても、状況の変化に合わせて常にいち早く改善して新しい状況に順応していく、というのは普遍的な原理と言えるのではないかと思うのです。

 
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