2008年09月06日
プロジェクト管理と日常生活 No.35 『目的は何か 〜女子ソフト・金メダルのヒミツ〜』
8月25日(月)放送のテレビ番組NHKスペシャルのテーマは「熱投413球 〜女子ソフト・金メダルへの軌跡〜」でした。
プロジェクト管理の観点からご紹介したいと思います。
世界最速の110キロのボールを投げる上野由岐子投手は、今までその速球の威力に頼り、自分が速球で抑えすればチームは勝てる、という考えだったようです。
ところが、速球にばかり頼りすぎるとそのタイミングに合わせて打たれてしまったのです。
投手は速球でバタバタと三振に討ち取れればカッコもよく、それに越したことはありません。
でも、速球ばかりでは世界の強力打者にはタイミングを合わせられてしまい通用しないのです。
ですから、相手打者を討ち取って勝利するには、速球と変化球の組み合わせによりタイミングをはずす必要があるのです。
そこで、今回のオリンピックに合わせて変化球のシュートボールをマスターして、直球と変化球をうまく組み合わせることにより投球の威力を十分に発揮でしたのです。
もちろん、その他に相手打者に合わせて投球コースを変えたり、いろいろな戦術はありました。
それから、アメリカとの優勝戦では、相手投手の投球の癖を見つけたのも勝利への大きな力になったのです。
アメリカのエース投手は、高めのコースと低めのコースとで投げる時に、腕の高さでフォームが違うのです。
そこで、打者に対して、次の打者が相手投手の癖から高めのボールか低めのボールかを大声で伝えていたのです。
それによって、打者は格段にボールを打ちやすくなるのです。
このことから、何事に対しても目的は何かをはっきりと意識することがとても大切なことがわかります。
投手の目的は、速球で打者を三振に討ち取ることではなく、相手に点数を与えないことなのです。
また、孫子の兵法のごとく、相手投手の癖を調べたように敵を知ることなのです。
ここまで書いてきて、このような話はアイデアよもやま話 No.886 ヨーロッパ生まれのJUDOから貪欲に学ぶ柔道!にもつながると思いました。
ということで、プロジェクト管理同様に、やり遂げることが困難な目的ほど強烈な目的意識を持って、そのためには何が必要かを追求し、最後まであきらめずにやりぬく、という姿勢こそ最も大切なのです。
管理技術などは全てその後についてくるものなのです。
そういう意味で、今回の福田総理の退陣表明は、最後までやりぬくという姿勢が見られなかったので一国民としてとても残念に思わざるを得ません。

 
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