2017年05月25日
アイデアよもやま話 No.3712 幻想的な光る洗面器!

2月20日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で光る洗面器について取り上げていたのでご紹介します。

 

信楽焼の陶器でできた洗面器ですが、中に仕込まれたLEDが黄金色となって光を放つ、とても幻想的な洗面器が開発されました。

開発したのは、滋賀県甲賀市にある艸方窯(そうほうがま)です。

 

光を通さないはずの陶器が光る秘密は意外なものでした。

代表の奥田 芳久さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「光ファイバーを製造する過程で産業廃棄物が出るんです。」

「それを微粉砕に砕いたものを粘土の中に入れていると。」

 

その産業廃棄物とは、ガラスの粉のような溶融シリカです。

ガラスの成分が多いので、粘土と混ぜると光を通すようになるといいます。

番組で紹介された実際の光る洗面器は、青白いLEDの光が陶器を通すと波長が変わって黄金色に変わり、とても幻想的な雰囲気を醸し出していました。

 

最新技術と伝統技術が融合したこの光る洗面器、気になるお値段ですが12万円からで、4月より日本とフランスで同時販売されています。

奥田さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「新しいものの提案、そういうものの中からいいものだけが伝統として残っていくというふうに私は考えております。」

「新しいものにどんどんどんどん挑戦して、ようやくかたちになりそうかなという気がします。」

 

なお、滋賀県の信楽焼の窯元は今どんどん1軒休業してはまた2軒廃業というような現状があるそうですが、この新しい陶器の技術をどんどん若い世代にも包み隠さず教えていって、そこから新たな愉快な発想で、今まで見た事ないような陶器を洗面器以外にも作って欲しいと奥田さんは考えているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそも光を通す陶器というアイデアがとても画期的だと思います。

テレビの画面からも光る洗面器の醸し出す幻想的な雰囲気が感じられました。

しかも、光ファイバーを製造する過程で出る産業廃棄物が原料というのも好感が持てます。

 

最新技術と伝統技術の融合により伝統工芸品に新たな付加価値を見出した滋賀県の信楽焼の窯元の取り組み、是非若い世代に引き継ぎ、積極的に売り込んでいって欲しいと思います。

光る洗面器は、海外からも引き合いがあると大いに期待出来ます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月24日
アイデアよもやま話 No.3709 VRを活用した日本初のバイクエクササイズ!

これまで何度かVR(仮想現実)関連についてご紹介してきました。

そうした中、2月17日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でVRを活用した日本初のバイクエクササイズについて取り上げていたのでご紹介します。

 

今回ご紹介するバイクエクササイズはフィットネスに革命を起こすかも知れません。

ルネサンスでは、フィットネスクラブとしては日本初のVRを体験出来る新感覚のバイクエクササイズを導入しています。

映像に合わせて急な下り坂や上り坂などをリアル感覚で体験出来ます。

 

その仕組みですが、VRの映像が流れる横幅12mの巨大画面が横の視野を覆っているためにゴーグルなしでも没入感が生まれるといいます。

動作を映像に合わせることで、脳が錯覚を起こすのです。

 

ルネサンスでは、フィットネスプログラムを提供するニュージーランド企業と提携し、導入しました。

ルネサンスの新業態推進部部長の荻田 雅彦さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(フィットネス業界は)若い方々の参加が課題になっているんですね。」

「「エクサテインメント」、エクササイズとエンタメを掛け合わせた、楽しみながら運動が出来る環境を作り出そうと。」

 

新感覚のバイクエクササイズ、「THE TRIP」は渋谷の専用スタジオで3月19日から開始されています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

VRを利用することにより、エンターテインメント感覚でエクササイズを楽しむことが出来るというのは、若い方々の参加という課題解決に大いに役立つと思います。

更に、今回ご紹介したバイクエクササイズに限らず、VRを活用したエクササイズはスマホゲームなどに慣れ親しんでいる小さい子どもたちも新たな顧客として取り込める可能性を秘めていると思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月23日
アイデアよもやま話 No.3710 佐賀県で進む画期的な取り組み その2 CO2を活用した佐賀市の町おこし!

CO2といえば、地球温暖化の元凶として悪いイメージが世界的に定着しています。

そうした中、2月4日(土)放送の「夢の鍵」(BS―TBSテレビ)で佐賀県で進むCO2を宝に変える取り組みについて取り上げていました。

そこで、2回にわたってご紹介します。

2回目は、CO2を活用した佐賀市の町おこしについてです。

 

前回、ご紹介したように、佐賀市環境部バイオマス産業都市推進課の井口 浩樹さん(52歳)たちは、大手企業3社の協力により、2016年8月、日本で初めて清掃工場の排ガスからCO2を回収する設備を稼働し始めました。

そして、井口さんたちは次なる変化を求め、その先を見つめていました。

CO2を活用する企業を誘致し、佐賀市を活性化させる町おこしです。

そのキーワードは“エコ”です。

井口さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「CO2を売るのが目的ではなくて、CO2を活用して町づくりをやろうっていうのが目的ですから、余計なコストをかけないで出来るだけ安くCO2を供給したいということですね。」

 

様々な企業に佐賀市のCO2の活用を働きかけ、それに応えて活用したいといち早く手を挙げたのは藻類を培養し、有用な成分をつくる企業です。

アンチエイジングや眼精疲労に効果のあるアスタサンチン、この成分をつくる藻類、ヘマコッカスの培養を行っているアルビータ社です。

清掃工場の近くにある培養施設で、直接パイプラインを引いてCO2を送っています。

企業誘致に成功した第1号です。

こうして、2016年10月、CO2を使った藻の培養がスタートしました。

地球環境を壊すはずのCO2が町おこしの起爆剤になったのです。

 

こうして第一歩を踏み出した井口さん、次なる一手はなんとミドリムシでした。

下水処理場では、水処理の過程で生まれる汚泥を使い、安くて質の高い肥料を製造しています。

また、下水処理で発生するCO2の回収も計画中です。

そんな佐賀市の取り組みに賛同したのがミドリムシを使った商品で知られるベンチャー企業、ユーグレナ(東京・田町)(参照:アイデアよもやま話 No. 1916 ミドリムシからバイオ燃料!)で、今まさに共同研究が続いています。

ユーグレナの出雲 充社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「直接市長が市民を代表してね、ミドリムシを誘致する気持ちをお話したいと。」

「私どももそんな市役所から連絡いただくのは初めてですから、これはもう佐賀でやるしかないと。」

 

6社が参加する大事業、未来産業の拠点になるかもしれません。

井口さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「下水処理場の中からもいろんな資源が生まれてまして、水処理の過程で出てくるCO2ですとか窒素やリンを取り出してミドリムシの培養に生かせる。」

 

下水を処理した水には窒素やリンなどの養分が含まれています。

ミドリムシはそれを吸収し、水を浄化するのです。

下水処理場のイメージがガラリと変わります。

出雲社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「大前提として、下水処理場というのは迷惑施設じゃないんですよ。」

「宝の山なんですよね。」

「他の都市ではこんなに熱心に全部使い切ろうという発想には中々ならない。」

「佐賀の皆さんのアイデアが本当に素晴らしい。」

 

一方、佐賀市では、他にも様々な取り組みが行われています。

清掃工場のゴミ焼却の廃熱で発電し、小中学校や図書館など公共施設の電気代、1億2900億円分を賄っています。

 

廃棄物が資源となる町づくり、井口さんたちは大学とも連携し、新たな産業の可能性を今も模索しています。

生物資源を生かす町と評価され、国のバイオマス産業都市に選ばれています。

地元の高校生たちも佐賀市を応援しています。

高校生たちはバイオマス産業都市さが(佐賀)のゆるキャラ「ばいおますお」の着ぐるみを作って、様々なイベントに参加しています。

あるイベントで、地元の高校生たちは藻類の健康食品やハンドクリームの販売を買って出ました。

 

清掃工場はもう迷惑施設ではありません。

嫌われ者だったCO2も有用な資源です。

それでも井口さんたちの夢はまだ始まったばかりです。

井口さんは、若者が希望が持てる町を目指しています。

番組の最後に、井口さんは次のようにおっしゃっています。

「まず第一は佐賀市民のためにならなければいけないですね。」

「それが広がって、最終的には日本のため、世界のためになればいいなということですね。」

 

なお、井口さんが番組に送ったメッセージは「机上の判断よりも覚悟ある決断」でした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

少子高齢化、人口減少の進む日本においては、多くの地域での生き残り対策が求められています。

そうした中、今回ご紹介した佐賀県の取り組みは、町おこしの事例としてとても理に適っていると思います。

それぞれの地域特性を生かした町おこしも考えられますが、CO2の活用という佐賀県の取り組みはどの地域においても適用出来る素晴らしい内容です。

 

この佐賀県の取り組みを全国展開、更には世界的に普及させていけば、地球温暖化問題の解決に大きく貢献出来るだけでなく、いろいろな分野でのCO2の活用が期待出来ます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月22日
アイデアよもやま話 No.3709 佐賀県で進む画期的な取り組み その1 日本初の清掃工場で発生するCO2を回収・活用する取り組み!

CO2といえば、地球温暖化の元凶として悪いイメージが世界的に定着しています。

そうした中、2月4日(土)放送の「夢の鍵」(BS―TBSテレビ)で佐賀県で進むCO2を宝に変える取り組みについて取り上げていました。

そこで、2回にわたってご紹介します。

1回目は、日本初の清掃工場で発生するCO2を回収・活用する取り組みについてです。

 

今、地球温暖化に歯止めがかかりません。

氷に覆われた南極大陸で、昨年12月にラーセンC棚氷の割れ目が数週間で約18kmに拡大しました。

千葉県とほぼ同じ大きさの巨大な氷、海に落ちたら海面上昇の恐れもあります。

20年前、京都議定書が締結され、日本はCO2を削減する方針でしたが、世界のCO2濃度は上がる一方です。

CO2をどう減らしたらいいか、その答えが九州佐賀市にあります。

米どころ、佐賀平野に広がる人口23万人の町です。

 

舞台となるのは佐賀市で唯一の清掃工場です。

こちらの清掃工場では、日本で初めて清掃工場で発生するCO2を回収し、活用する取り組みを始めました。

24時間ゴミを燃やし、1日におよそ200トンのCO2を排出しています。

このやっかいなCO2を活用しようというのです。

この清掃工場の一画に佐賀市環境部バイオマス産業都市推進課の井口 浩樹さん(52歳)が働く場所があります。

井口さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「清掃工場の中では、ゴミを燃やす時に生まれてくる熱を利用してプールの加温に使ったり、その熱で発電したりということを行っていますけども、更に佐賀市はここから出てくるCO2を資源として活用しようと考えています。」

 

煙突から吐き出される排ガスには約11%のCO2が含まれています。

そこで井口さん自慢のCO2貯蔵タンクにはほぼ100%のCO2が保管されています。

清掃工場の排ガスから濃度ほぼ100%のCO2の回収に成功したのです。

現在、回収出来るのは1日に約10トン、最初の一歩としてはまずまずの成果です。

 

ではその活用法ですが、以下のようなものがあります。

普通の水に回収したCO2を入れて、佐賀市産の炭酸水を製造するのです。

なお、このCO2は食品添加物として使用出来る基準を満たしているといいます。

 

さて、製鉄所や石油化学プラントで発生するガスから純度の高いCO2が生成され、世の中に出回っています。

その量は年間約100万トン、ドライアイスは固体にしたCO2です。

その用途は以下のように様々です。

・食品分野では、ビールなど炭酸飲料の発泡剤として使用

・医療現場では、腹腔鏡下手術でダメージの少ない手術を可能にするために患者の腹部を膨らませるために使用

・農業分野では、空気中のCO2濃度を高くすると作物は早く大きく育つために植物の栽培促進に使用

 

では、具体的に清掃工場からどのような方法でCO2を回収するのでしょうか。

清掃工場の裏手には高さおよそ40mの巨大なCCU設備があり、ここでCO2を分離・回収するのです。

ちなみに、CCUとはCO2分離回収活用システムを意味しています。

このような設備は佐賀市以外にはありません。

 

CO2を回収するには、まず清掃工場とつながっているパイプラインを使って、排ガスをプラントへ流していきます。

吸収塔と再生塔の2本が設備の要で最先端技術のかたまりといいます。

その原理は以下の通りです。

まず、清掃工場の排ガスを吸収塔へ送り、特別な液体を使ってCO2だけを取り出し、他の気体と分離します。

次に、その液体を再生塔に移します。

ここで熱を加えると液体からCO2が分離、これが簡単そうで難しい技術なのです。

日本で初めて、世界でも稀な清掃工場なのです。

CO2を活用することで空気中に排出するCO2を減らす、まさに逆転の発想です。

 

きっかけは、2005年、2007年の2回にわたる8都市の合併でした。

行政の効率化を推進するため、4つあった清掃工場を1つにまとめることになったのです。

すると反対の声が出ました。

全てのゴミを一箇所で燃やせば、これまでよりも周辺の環境が悪くなるのではないかという懸念があったのです。

そこで清掃工場のイメージアップの方法はないか、その時、佐賀市の秀島 敏行市長は閃きました。

秀島市長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「地元(の住民)は、一極集中的にゴミの処理施設をまとめてもらっては環境的に困るというような嫌な思いをされた部分もございますので、それの見返りじゃないけども何か地域に貢献出来ること、CO2を今利用してないから農業に使えないだろうか。」

 

清掃工場から排出されるCO2を地域に役立てることが出来ないかと考えたのです。

そこでCO2の回収を託されたのは、当時の井口さんの上司、竹下 泰彦さんでした。

当時、部長だった竹下さんは部下の井口さんが適任だと考えました。

竹下さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「彼が朝会の時の挨拶で言ったのが「生き残れる人は強い人でも賢い人でもない。変化出来る人だ。」。」

「どんどん変化しているんだから、その変化に付いていかなくちゃいけないということを言ったもんで、この人やってくれるんじゃないかという想いがあって彼に行ってもらったということです。」

 

清掃工場のCO2の活用、日本には前例がありませんでした。

変化出来ることがモットーの井口さん、この時ばかりは何をどうやるのか分からず、また何から手をつければいいのか分からず、苦しみました。

しかも当初のメンバーは3人だけでした。

その一人、前田 修二さんは技術職、一般企業のエンジニアからの転職組です。

前田さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(当時は、)本当に用語集を作ってっていうところから(始めました)。」

「これはこういう意味です、みたいなのを全部作って、これ分かってないと説明出来ないんで。」

「説明してもらうのは井口さんで。」

 

決断する上司に理解してもらわないと自分たちの進みたい方向に進めないと井口さんは考えていたのです。

井口さんは、専門用語を誰でも理解出来る分かり易い言葉に置き換え、関係各署の了解を取り付けていきました。

そして、事業の骨子を取りまとめると、市役所の多くの部署に説明して回りました。

新たな道を見出し、見事に変化に対応したのです。

井口さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(市役所には)縦割りの部署があるわけですけども、この縦割りの部署にバイオマスという横軸を刺して連携して町づくりを進めていこうということですね。」

「そこにまず最初に気を配りました。」

「(無謀な調整ではないかという問いに対して、)そうかもしれませんが、我々はCO2を分離・回収する仕組みを勉強する必要はないわけじゃないですか。」

「そこは企業さんにお願いすればいいことであって、要するに組み立て屋なんですよね。」

「つなぎ役っていうか。」

 

こうしていよいよ井口さんのプランが動き出しました。

2013年から東芝、荏原環境プラント、九州電力など大手企業3社がCO2分離回収の共同研究に参加、2年間にわたった実証実験、そして2016年8月、佐賀市は日本で初めて清掃工場の排ガスからCO2を回収する設備を稼働し始めたのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

以前、火力発電所などから排出されたCO2を回収し、地中に閉じ込めるCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)技術(参照:アイデアよもやま話 No.1334 CO2を地中に閉じ込める技術CCSに注目!)についてご紹介しましたが、今回ご紹介した佐賀県で進められている取り組みは、これとは全く逆でCO2を邪魔扱いではなく積極的に有効利用するという、まさに発想の転換です。

そして、こうした発想を実現させるためにCO2を分離・回収・活用するための装置を独自に作り上げたという実行力がとても素晴らしいと思います。

 

以前、日本海で大量発生したエチゼンクラゲが漁業に大きな影響を与えている一方で、その対策としてエチゼンクラゲの活用事例(参照:アイデアよもやま話 No.2120 エチゼンクラゲで山の再生!)をご紹介しましたが、迷惑な人や他の生物、あるいはモノでもただ邪魔者扱いして排除するのではなく、活用法を検討することによって、邪魔者を宝の山に変えることが出来るのです。

 

地球温暖化対策として、私たちはCO2排出量削減のために、石油などの化石燃料から太陽光などの再生可能エネルギーへの転換、あるいはCCSによるCO2の地中への閉じ込めといった対策に目を奪われてきましたが、CO2の有効活用はCCSよりはるかに素晴らしい対策だと思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月21日
No.3708 ちょっと一休み その594 『人間は料理することで人間になった!?』

毎日食事をするという行為は、当たり前すぎて普段その意味について深く考える人はほとんどいないと思います。

そうした中、2月7日(火)放送の「視点・論点」(NHK総合テレビ)で「料理する意味」をテーマに取り上げていたのでご紹介します。

なお、今回の論者は料理研究家の土井 善晴さんでした。

 

私たちは日頃、「食べること」の大切さを語ることはありますが、食べ物を作る「料理する」という行為については、あまり深く意味を考えたことがないように思います。

私たちの身体を養う料理は、つい健康や栄養的観点を考えがちですが、私たちは栄養のみを食べているわけではありません。

もし、そうであれば、健康食品やサプリメントで済ませばよいことになります。

中食と言われる手作りのおそうざいや加工食品、外食は空腹が満たされ便利さや楽しさがあってたまには良いですが、それが毎日では問題もあり、こればかりでよいとは思いません。

不思議なことですが、言うまでもなく、私たちは「手作りの家庭料理が一番いい」ということをなぜか知っているのです。

そして、それはけして間違いではありません。

 

我が家は一階を仕事場にしています。

料理の仕事をしていますから、なにかしら、うちには食べるものがあるのです。

仕事で作った料理は、撮影が終わってから、みんなで食べたり、お客様に全部持って帰ってもらいます。

クラブ活動から、お腹をすかして帰ってきた娘の晩ごはん。

私など、仕事の料理を適当に盛り合わせて食べさせればいいと、思っていたのです。

でも妻は、娘の『ただいまー』の声を聞いてから、いつも料理をしたのです。

仕事で作ったご馳走と妻がその場で作った料理は、同じものでしょうか。

まったく違うものですね。

娘は、着替えながら、台所で料理する音を聞いて、お料理ができる匂いをかいで、母親が料理をしている気配を感じていたことでしょう。

まさに、料理は愛情です。

彼女は、どれほど帰ってきてホッとしたことでしょう。

どれだけ安心できたことでしょう。

今、私は遅ればせながら、その意味を理解して、妻に感謝しています。

妻は料理することで、[ 子供の居場所 ] を作っていたのです。

私と一緒に仕事をしながら、すごく忙しいのに、なぜそうしたのか、現代の合理精神では説明しにくいところです。

無条件で料理を作ってやりたかった、としか言えないところに、「料理する意味」の本質があるように思います。

だから、若い夫婦がよい家庭を築きたいと願えば、多くの女性はしっかり料理をがんばって作ろうと決心するし、一人暮らしであっても、料理すれば正しく生きていると自信が持てるのです。

 

「人間は料理することで人間になった」とハーバード大学のリチャードランガム博士は、「火の賜物」という著書で語っています。

だとすれば、料理するという行為はすでに人間として人間らしく生きることに含まれていることになります。

調理は外部消化と言われるのですが、食べ物を柔らかくして噛みやすく、消化しやすくします。

それによって、人間の顎や消化器は小さくなり、効率よく合理化したおかげで、余ったエネルギーで、脳を発達させ、また、「余暇」という動物にはない特別な時間を持ったのです。

自由な時間を持った時、人間は何をしたのかと考えています。

人間の命の働きが愛情である以上、人間は自分以外の人のためになることを何かしたのだろうと思うのです。

愛情を持って家族が喜ぶことをする時間が出来たのです。

「料理することはすでに愛している。食べることはすでに愛されている」。余暇を持つことで料理するという行為に情緒的な潤いが出来たのです。

 

私は、「料理する」、「料理を食べる」という行為の周辺にあるさまざまな心地良さを「原生的幸福感」と言っています。

ちなみに、現代社会のお金と交換される幸せは「人工的幸福感」です。

どこの家族にでも普通にあるべき「原生的幸福感」がともなわないと、いくらお金があっても幸福にはなれないものでしょう。

すべての生物が動くのは食べものを得るためです。

食事には生きるための大切な要素が含まれていることは間違いありません。

ものを食べるとなると必ず一定の行動が伴います。

そんな食べるための行為の全てを「食事」といいます。

生きるためには身体を動かし、立ち上がり、手を働かせ、肉体を使って食べなければなりません。

ゆえに、生きることの原点となる食事的行動には様々な知能や技術を養う学習機能が組み込まれているのです。

それは人間の根源的な生きる力となるものです。

 

食を中心に考えますと、人生とは、食べるために人と関わり、働き、料理して、食べさせ、伝え、教育して、家族を育て、命をつなぐことです。

料理することは人間として生きるためには欠かせないものですが、今、私たちのいる現代の日本では必ずしも料理しなくてもよくなりました。

出来上がった料理を手軽に買い求めて食べることで、「料理する」を省略出来るからです。

となると、人間は食べるために必然であった行動を捨てることになります。

「行動」と「食べる」の連動性がなくなれば、生きるための 学習機能を失うことになります。

行動して食べることが心を育てると考えれば、大いに心の発達やバランスを崩すことになってしまいます。

 

「このお芋、なんかおいしいねー」といつもは黙っている子供が言うのです。

「あんたよう分かるねー。おばあちゃんが「掘り立てや」言うて、送ってきてくれたんよ。おいしいやろ。」と、なんでもない親子の会話。

家庭には、こういった日常のやり取りの中に、とても大切な情報の交換があるのです。

親が料理することで、子供は多くのことを見聞きしています。

 

家庭料理は、自然や季節とつながる食材、調理する余裕、時間、作り手の気持ちの有り様、家族の状況など、さまざまな事情を原因にして作られます。

家族は、出来上がったお料理を食べるにしても、料理の向こう側にあるものを感じながら食べているのです。

目には見えないものも無意識のうちに感じ、経験しているのです。

正しい原因によって日々繰り返される家庭料理は生きる経験です。

その経験によって、本質を見て 判断する基準 「定数の一という経験値」を身に付けていくのです。

子供達は大人になって社会に出れば、あらゆることを判断しなければならないのです。

しかし、初めてのことでも身につけた無限大の「定数の一」を基準にして正しい判断が出来るのです。

それが直観力です。

 

カンのいい人がいます。

なんとなくこっちのお店の方が美味しそうだとわかるのです。

同じ一枚の写真を見ても、そこには写ってないものまで気づく人がいます。

料理屋では、小さなことに気づいて喜んでくれるお客様を、「もの喜び出来る人」と言いました。

とても素敵な人です。

相手の気持ちがわかる人は、思いやりがある人です。

気づくことは閃きに通じ、幸せになる力です。

また、それは人を幸せにする力となることでしょう。

家庭料理は大人の責任です。

毎日ご馳走である必要などありません。

家庭料理は自分の都合で「今日はお休み」とは言えないのです。

だから、「毎日食べても飽きないもの」、また、「持続可能なもの」でなければなりません。

ですから、毎日一汁一菜、ご飯と具沢山の味噌汁で大丈夫です。

「簡単なことをていねいに」手作りすることが一番大切なことと考えています。

毎日の営みである食事には、人間の根源的な生きる力を養う力があるのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した番組には、料理に関連した素晴らしい言葉が散りばめられていると感じたので以下に羅列してみました。

◇料理は愛情であること

・無条件で料理を作ってあげたいところに「料理する意味」の本質があること

・愛情を持って家族が喜ぶことをする時間が出来たこと

◇人間は料理することで人間になったこと

・調理は外部消化と言われており、食べ物を柔らかくして噛みやすく、消化しやすくしていること

・それによって、人間の顎や消化器は小さくなり、効率よく合理化したおかげで、余ったエネルギーで脳を発達させ、「余暇」という動物にはない特別な時間を持ったこと

・毎日の営みである食事には、人間の根源的な生きる力を養う力があること

・生きることの原点となる食事的行動には、様々な知能や技術を養う学習機能が組み込まれていること

 

更に、私なりの解釈で以下のようにまとめてみました。

人は何らかのきっかけから料理をするようになりました。

そこには、料理を作る側の愛情と料理をいただく側の感謝の気持ちが入り混じっています。

そして、料理をする延長線上で、料理以外のかたちでも自分以外の人に何かしてあげたい気持ちが芽生えました。

また、生きることの原点となる食事的行動には、様々な知能や技術を養う学習機能が組み込まれているのです。

ですから、毎日の営みである食事には、人間の根源的な生きる力を養う力があるのです。

 

また、人間は調理することにより、顎や消化器が小さくなり、食べるという行為を効率よくし、余ったエネルギーで脳を発達させ、「余暇」という動物にはない特別な時間を持てるようになりました。

その結果、私たち人間の顔のかたちなど身体に変化が生まれ、同時に科学技術、あるいは文化、芸術など他の生物にはない人間独自の活動を広げられるようになったのです。

 

こうしたことから、“人間は料理することで人間になった“という考え方は根源的に正しいと思うのです。

 

そして今や、人間は料理のみならず、モノづくりや移動手段などあらゆる人間の活動分野において効率化を図り、なおも追求し続けています。

その延長線上に見えるのは、私たち一人一人がどんなことであれ自分のやりたいことに重点的に時間を使える時代、すなわち自己実現指向時代の到来です。

そうした時代においても、家族など身近な人たちとのコミュニケーションのベースは料理であって欲しい、と番組を通して強く思うようになりました。

やはり料理は人間の根源的な生きる力だと思うからです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月20日
プロジェクト管理と日常生活 No.489 『アメリカで広がる”ネットいじめ”対策アプリ!』

ネット社会化に伴うSNSの普及する中で“ネットいじめ”が社会問題化しています。

そうした中、4月28日(金)放送のニュース(NHK総合テレビ)でアメリカで広がる”ネットいじめ”対策アプリについて取り上げていたのでご紹介します。

 

子どもたちの間でもスマホなどの利用が急速に広がる中、深刻になっているのがSNSなどを通じた“ネットいじめ”です。

アメリカではおよそ7%の子どもたちが“ネットいじめ”を経験しているという統計もあり、大きな社会問題になっています。

 

こうした中、子どもの“ネットいじめ”をITを活用することで防ごうという取り組みがアメリカで広がり始めています。

インターネット上に書き込まれる暴言、ツイッターなどに投稿された中傷する書き込みや写真は瞬く間に拡散し、簡単に消し去ることが出来ません。

 

“ネットいじめ”を苦にした子どもたちの自殺が相次ぎ、深刻な影を落とす中、立ち上がった人がいます。

アメリカのIT企業のCEO、トッド・ショベルさんです。

きっかけは、ラジオで聞いたあるニュースでした。

ショベルさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ある少女が“ネットいじめ”に2年も苦しんだ末、自ら命を絶ったのです。」

「部屋の隅で一人きりで苦しむ姿を思うと、いてもたってもいられなくなりました。」

 

スマホを使ったいじめにはスマホで対抗するしかないと、ショベルさんは“ネットいじめ”対策の専用アプリを開発しました。

“ネットいじめ”の被害者や“ネットいじめ”を目撃した生徒が“ネットいじめ”を匿名で学校に通報出来る仕組みです。

ちなみに、証拠写真を添付することも出来るといいます。

 

ある学校では3年前にこのアプリを導入しました。

通報は直接校長に届き、閉ざされたSNS上でのいじめも把握出来るようになりました。

校長は、通報をもとにアプリ上のメッセージ機能を使って、いじめの内容を直接生徒から聞き取ります。

情報はスクールカウンセラーらとも共有し、いじめた側の生徒指導に役立てることが出来、アプリの導入後、いじめの件数は半数以下になったといいます。

こちらの校長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「問題が起きてから対応するのではなく、起こり得る問題を防ぐことが出来るのです。」

 

一方、ある生徒は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「名前も明かさなくていいし、学校が把握してくれるだけで安心だと思います。」

 

このアプリは全米で約6000校が導入し、日本にも広がっています。

奈良市にある小学校では多くの児童がインターネットを利用するため、アプリ導入に踏み切りました。

保護者がスマホにアプリをダウンロードし、子どもから聞き取ったいじめの被害や情報を匿名で学校側に通報出来るようにしました。

校長は、このアプリはいじめの抑止力にもなり、非常に優れたシステムと評価しており、保護者の間にも期待が広がっているようです。

 

急速に広がる子どもの“ネットいじめ”、その被害を防ぐ手段としてITの活用が広がっています。

アメリカではITを使ったこうした取り組みが学校だけでなく企業の間にも広がっていて、ハラスメントに悩む社員の対策などにも生かされているということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

いじめは今に始まったことではなく、以前から社会問題化されていました。

ただ、以前と違うのはSNSなどの普及により、気軽に書き込み出来るようになったことが問題をより大きくしていると思われます。

 

そもそもいじめはなぜ起きるのでしょうか。

いじめをする側からすれば、何らかの不満のはけ口を求めていること、あるいはいじめをする対象者に対して気に入らないところがあるというようなことが背景にあると思います。

一方、いじめを受ける側からすれば、いじめを受けてもほとんど抵抗しないようなおとなしいタイプの人物像がイメージされます。

いじめをする側は、自分よりも弱い相手に対していじめをすることが一般的だからです。

 

いずれにしても、いじめの有無は、いじめをしようとする側を少しでも減らすこと、およびいじめを受ける側が“自分はいじめを受けている”と実感しないような状況を作り出せるかどうかにかかっていると思います。

ですから、いじめをなくすためには、以下のようなリスク対応策が考えられます。

・学校教育の一環としていじめについてきちんと児童や生徒を指導すること

・児童や生徒、一人一人が日頃どんな不満や悩みを抱えているかを把握し、そうした問題を解消してあげること

 

同時に、実際にいじめに遭った場合のコンティンジェンシープランとしては以下のようなことが考えられます。

・多少のいじめに遭っても、それを跳ね返せるくらいの対応力を持った児童や生徒を養うこと

・いじめが起きた場合に備えて、いじめの事実が早期に学校側やいじめの双方の家庭に伝わり、適切にいじめを止めさせられるような仕組みを構築しておくこと

 

更に、いじめが起きた場合、その都度再発防止策を検討することがいじめ対策として学校側に求められるのです。

勿論、こうした場合、児童や生徒の家族も巻き込んだ枠組みで検討することが必要です。

 

さて、こうしてリスク対応策の観点からいじめ対策を考えてくると、今回ご紹介したアプリはいじめが表面化した場合のコンティンジェンシープランの一つと位置付けられます。

また、このアプリにいじめに限らず児童や生徒の悩みも受付けられるようなサービスを追加することによって、更にいじめそのものを防止出来る可能性が高まると思われます。

 

同時に、学校以外の企業などの組織においても、こうしたアプリの導入によってハラスメントに悩む社員を減らすことが出来るはずです。

また、こうしたアプリの導入そのものがいじめのリスク対応策になると期待出来るのです。

 

いじめは、被害に遭った児童や生徒を不登校にさせてしまったり、あるいは被害に遭った社員をうつ病や通勤拒否にさせてしまったり、最悪の場合には自殺にまで追い込んでしまうリスクをはらんでいます。

ですから、こうした一連のいじめ対策を決しておろそかにしてはならないのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月19日
アイデアよもやま話 No.3707 6坪のミュージックショップで年商5千万円!

2月20日(月)放送の「はやドキ!」(TBSテレビ)で年商5千万円を稼ぎ出す6坪のミュージックショップを取り上げていたのでご紹介します。

 

とある錦糸町のお店の前には人だかりが、そしてお店の前で行われたのは演歌歌手の生ライブ、歌い終わると続いてCDやカセットテープの即席販売会が行われます。

更に演歌歌手との2ショット写真も撮ってもらえます。

 

これがたった6坪のお店、ミュージックショップ セキネの年商5千万円の秘密です。

月平均20回、年間240ステージの演歌歌手によるミニライブがこのミュージックショップで行われるのです。

ライブ後の即席販売会が大きな収入源だったのです。

 

こうしたきっかけは、些細なことからといいます。

新人歌手の頃の森昌子さんが「キャンペーンをやらせて欲しい」といことからこのミニライブが始まったといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

身近に生の歌を聴いてみたい演歌ファンの方々、キャンペーンの場を探している演歌歌手、そして演歌専門のミュージックショップ、こうした三者の意向を満たせる場の誕生のきっかけが実は新人歌手時代の森昌子さんサイドからの依頼によるものだったのです。

 

こうしたビジネスのきっかけは必ずしも優れたアイデアだけでなく、今回ご紹介したようなちょっとしたきっかけであることもあるのです。

ですから、ただ自分の頭の中であれこれ思いを巡らすだけでなく、いろいろな人との出会いや情報収集もビジネスチャンスにつながる可能性があるのでおろそかには出来ないのです。

同時に、こうしたビジネスチャンスに巡り合える運を持つこともとても大切だと思うのです。

そして、やはり運は決して諦めずにやり遂げようと努力を怠らない人のところにやって来るのではないでしょうか。

 

それにしても、たった6坪のお店で年商5千万円という実績は凄いと思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月18日
アイデアよもやま話 No.3706 自動車をめぐる新たな動き(2) その4 現実味を帯びてきた「空飛ぶ自動車」の実用化!

今回も主に電気自動車(EV)を中心に電気自動車をめぐる新たな動きの第2弾として4回にわたってご紹介します。

3回目は、現実味を帯びてきた「空飛ぶ自動車」の実用化についてです。

 

2月26日付け配信ネットニュース(こちらを参照)で2020年には登場するかもしれない「空飛ぶ自動車」について取り上げていたのでご紹介します。

 

米欧の新興企業が「空飛ぶクルマ」の開発に力を入れています。

配車サービスの米ウーバーテクノロジーズは2月25日、2020年までに空飛ぶタクシーの試験飛行を目指すと発表しました。

スロバキアの企業も同年までに販売する計画を掲げています。

1980年代のハリウッド映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場した空飛ぶクルマが現実のものになるかもしれないのです。

 

ウーバーでは、ブラジルの航空機大手、エンブラエルなどと組み小型の垂直離着陸機を開発し、2020年までにダラスとアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで試験飛行し、2023年までに本格的に飛行する計画です。

ウーバーは昨年10月、新たな交通サービスとして空飛ぶタクシーの構想を発表していたのです。

 

欧州でもベンチャーの動きが活発です。

スロバキアのエアロモービルは2020年までに空飛ぶクルマを売り出す計画です。

価格は100万ドル以上で、スイッチを入れ3分以内に飛行モードに切り替わります。

ユニークな形状で、道路では翼を折り畳んで走行することも可能です。

 

一方、ドイツに拠点を置くリリウムは5人乗りの空飛ぶタクシーの開発を進めています。

試験飛行では2人乗りの試作機が空中で静止するホバリングなどを実施しました。

 

エンブラエルがウーバーと組むように、航空機大手が自動運転技術をもつ企業に接近するケースも広がっています。

 

欧州エアバスは4月中旬、傘下のベンチャーキャピタル(VC)エアバス・ベンチャーズを通じ、自動運転サービスのベストマイル(スイス)に少額出資しました。

ベストマイルは欧州トップクラスの技術系大学、スイス連邦工科大学ローザンヌ校発のベンチャーです。

自動運転車と、周囲の交通情報に関した運行データをクラウドで管理し、スイスでの自動運転バスなどで実績があります。

 

航空機メーカーが陸と空をまたぐプラットフォーム(基盤)づくりに携わる時代がやってくるかもしれません。

 

日本では自動車メーカーなどの動きが報じられていますが、具体的に空飛ぶクルマの実用化の目標年を示した動きは見られません。

一方、ウーバーが試験地に選んだドバイでは、行政が積極的に関与して、ドローン(小型無人機)のような1人乗り小型機を使った空飛ぶタクシー構想があります。

 

日米欧の自動車大手が自動運転車の実用化の目処として示すのが2020〜2021年です。

これはウーバーなどの空飛ぶクルマの目標時期と重なります。

両者の融和が進めば、人の移動(モビリティー)を巡る「陸と空」の垣根は低くなります。

まさにバック・トゥ・ザ・フューチャーに登場した空飛ぶクルマ「デロリアン」の世界です。

 

もっとも実際に公道などを走行するためのルールづくりは未着手なケースが多いのが現状です。

消費者に安全性や利用する利点を理解してもらうことも必要です。

ビジネスとして“離陸”するには、乗り越えるハードルはまだ多いのです。

 

以上、ネットニュースの一部をご紹介してきました。

 

日本では自動運転車の実用化がマスコミをにぎわせておりますが、海外では「空飛ぶ自動車」の実用化まで踏み込んだ動きが活発のようです。

なお、5月15日(月)放送の「はやドキ!」(TBSテレビ)によると、トヨタグループ内外の若手メンバーでつくる団体「カーティベーター」が独自に「空飛ぶクルマ」の開発を進めています。

「空飛ぶクルマ」は、複数のプロペラで機体を安定させる技術を確立出来るかが課題です。

「カーティベーター」は来年末までに有人飛行が可能な試作機を完成させ、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年の実用化を目指すといいます。


考えてみれば、究極の移動手段は陸、海、空をまたいで自由自在に移動出来る乗り物です。

そして、陸での移動手段、すなわち現行の自動車や電車、バスなどには道路や線路、および信号などが不可欠です。

しかし、空や海の移動手段には、原則としてこうした設備は不要です。

相互にぶつからないようなルールさえ決めておけばいいのです。

ただし、一方で空の移動手段の場合には、空から落下した場合の事故リスクを伴いますから、民家などのない移動ルートを決めておく必要があります。

また、強風や台風対策も必要です。

ですから、あらゆる気象条件を考慮すると、やはり状況に応じて空と陸と両方で移動出来るようにしておくことが求められます。

 

このように考えを進めていくと、技術要件よりも運行ルールなど運用上の要件や安全対策などを詰めることの方が難しそうです。

いずれにしても、陸海空をまたがって自在に移動出来る手段を巡る新たな動きはこれから何十年か続きそうです。

ということで、新たな移動手段の時代はすぐそばまで来ているように思えてきます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月17日
アイデアよもやま話 No.3705 自動車をめぐる新たな動き(2) その3 テスラモーターズがいよいよエネルギー業界に本格参入!

今回も主に電気自動車(EV)を中心に電気自動車をめぐる新たな動きの第2弾として4回にわたってご紹介します。

3回目は、テスラモーターズによるエネルギー業界への本格参入についてです。

 

2月22日付け配信ネットニュース(こちらを参照)でテスラモーターズによるエネルギー業界への本格参入について取り上げていたのでご紹介します。

 

テスラモーターズといえば、アメリカのEV関連ベンチャー企業として世界的に有名ですが、ただのEVメーカーではありません。

イーロン・マスクさん率いる同社は、2年ほど前からエネルギー部門にも参入しているのです。

そして今、それを前面に押し出そうとしています。

同社は2月1日、社名を「Tesla Motors」から「Tesla Inc.」に変える内容の書類をアメリカ証券取引委員会に提出しました。

 

この動きは、Teslaがビジネスモデルを転換しようとしている表れと見られています。

マスクさんは2006年に同社を共同設立しました。

当初は高級スポーツカーのEVメーカーとして生まれましたが、徐々にソーラーパネルや家庭用バッテリーなどのエネルギー製品に移行しています。

11月には、やはりマスク氏が共同設立した「SolarCity」の買収に合意しています。

 

Teslaが昨年10月に発表し、今年中には発売される「solar roof」は、ソーラーエネルギーを回収し、家庭やEVに電力を供給します。

 

先日には、家庭用バッテリー「Powerwall」の第2世代も発表しました。

スーツケース大のそのバッテリーは、太陽およびソーラーグリッドの余剰エネルギーを回収し、後で使えるように貯蔵しておくことが出来ます。

ひと回り大型の家庭用バッテリー「Powerpack」は、主に商用ビルに電力を供給します。

あるいは、同時に複数を用いることで、エネルギー貯蔵発電プラントを構成することも出来ます。

同社は1月末には、カリフォルニア州オンタリオの公共グリッドの一部として、初のエネルギー貯蔵発電プラントを開業しました。

 

これらのバッテリーは主に、1月にネバダ州でリチウムイオン電池の大量生産を開始したばかりのGigafactoryで製造される予定です。

マスクさんによると、工場が完成すれば、単独で2013年の全世界のリチウムイオン電池生産量を超えるそうです。

 

エネルギービジネスへの移行は、降ってわいたものではありません。

ソーラーエネルギーに移行するマスクさんの意図は、2006年の創業当初から同社のサイトに明記されていました。

 

以上、ネットニュースの一部をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した記事から社名変更後のテスラの意図が読み取れます。

それは、太陽光発電、バッテリー、EVの組み合わせによる再生可能エネルギーの有効活用による持続可能な社会の実現です。

太陽光で発電し、その電力を一般家庭やオフィスなどで消費し、その余剰電力を一般家庭用バッテリー、あるいはEVのバッテリーに蓄え、夜間など太陽光で発電出来ない時間帯は蓄電されたバッテリーの電力を消費するのです。

そして、究極の狙いは、太陽光、あるいは他の再生可能エネルギーも含めた発電により全ての電力消費量を賄うという持続可能な社会の実現です。

 

さて、ここでちょっと腑に落ちないことがあります。

以前、ある展示会のテスラモーターズ(当時)のブースの説明員から聞いた話では、自社のEVを家庭用電源として利用する意図はないということでした。

しかし、テスラのEVは相対的に大容量バッテリーを搭載しているので、そのバッテリーを家庭用電源として使えるような装置(日産「リーフ」のLeaf to Homeに相当)をEVユーザーに提供すべきだと思うのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月16日
アイデアよもやま話 No.3704 自動車をめぐる新たな動き(2) その2 驚くほど進んでいる中国のEV開発!

今回も主に電気自動車(EV)を中心に電気自動車をめぐる新たな動きの第2弾として4回にわたってご紹介します。

2回目は、驚くほど進んでいる中国のEV開発についてです。

 

2月23日付け配信ネットニュース(こちらを参照)で驚くほど進んでいる中国のEV開発について取り上げていたのでご紹介します。

 

中国ではこの1、2年で、EV製造に乗り出す新規参入企業が相次ぎ登場しました。

12社もあり、そのうちの8社は2017年内にもEVを量産すると発表しています。

これらの企業の大きな特徴としては、もともとインターネット事業に関与していることが挙げられます。

業務の推進スピードが速いという同事業での特徴を生かして、米国など海外メーカーとの共同開発や、最初の車種を海外で製造すると掲げている企業もあります。

しかも、販売手法としてはインターネットを活用するといった従来の自動車メーカーにはなかった特徴を持っています。

このため、これらの企業は「インタ−ネット車づくり」とも呼ばれています。

 

驚くのは、そうしたメーカー群から繰り出される量産EVにはそれぞれ以下のような特徴があることです。

・フル充電での航続距離が700kmであること

・購入者がEVのデザイン段階から、製造の全工程まで体験出来ること

・4台のモーターと4台の独立トランスミッションからなって、合計1000kwの高出力を誇り、0〜200km/hまでの加速時間が7.1秒、最高速度が313km/hにも達すること

・バッテリーシステムは交換可能のカセット式としていること

・販売方式はリース方式を取っていること

・2017年第4四半期に量産するスポーツカーの車体はアルミ合金製、シングルモーターとデュアルモーターの2モデルを提供し、0〜100km/hまでの加速時間は4.6秒、航続距離は460kmであること

・車体にチタン合金を使い、ポンネットなどの外板部品はCFRPで製造し、デュアルモーターを搭載して、最大出力は400kw、最大トルクは1000N・m、0〜100km/hまでの加速時間が3.9秒と速く、航続距離は400kmであること

 

こうした中国のEV事情から見えてくることは、日米など他の先進国のEVメーカーに追い付き追い越せという勢いです。

しかも、メーカーそれぞれに車体の軽量化やバッテリー交換方式の採用など特徴を持った進め方をしています。

また、聞くところによれば、中国の大気汚染状況は共産党政権を悩ます程にひどい状況で、ガソリン車からEVへのシフトを早急にせざるを得ないようなところまで追い込まれているといいます。

こうした状況が追い風となって、中国のEV開発は今後とも加速化していくと思われます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月15日
アイデアよもやま話 No.3703 自動車をめぐる新たな動き(2) その1 日産「リーフ」の次期モデルは9月公開で航続距離が550kmに!?

今回も主に電気自動車(EV)を中心に電気自動車をめぐる新たな動きの第2弾として4回にわたってご紹介します。

1回目は、日産「リーフ」の次期モデルの航続距離が550kmであると期待出来ることについてです。

 

以前、EVがエアコン使用時でも実走行での航続距離が300kmを超えるようになれば、すなわち航続距離のカタログ値が500kmほどになれば、タクシーなどの業務にも十分に耐え得るとお伝えしました。

また、初代日産「リーフ」発売から今年で7年経つのでそろそろ「リーフ」のフルモデルチェンジが発表されるのではと思い始めていました。

そして、次期モデルのフル充電での走行距離がどのくらいになるかとても気になっていました。

そうしたところ、3月10日付け配信ネットニュース(こちらを参照)、および3月27日付け配信ネットニュース(こちらを参照)で、日産「リーフ」の次期モデルに関する記事を見かけたのでご紹介します。

 

まず、以下にネットニュースの要点をまとめてみました。

・日産新型「リーフ」は9月公開で、搭載する駆動用バッテリーの容量は60kwh、フル充電での航続距離は550kmに伸びると見込まれること

・駆動用バッテリーの容量が60kwhに増えるのに伴い、200V充電でのフル充電までの時間が8時間から16時間に増えること

・550kmという航続距離は、エネルギー変換効率が非常に高い、水素燃料電池自動車にも匹敵するレベルであること

・次期「リーフ」には最新自動運転技術が搭載され、危険回避・高速道路での複数車線の変更が可能になると予想されること

 

以上の情報から以下のような状況が期待出来ます。

・フル充電での航続距離が550kmというカタログ値から、エアコン使用時でもフル充電での実走行距離は300km近くになると期待出来るのでタクシーなど業務車での使用の可能性が広がること

・駆動用バッテリーの容量が60kwhに増えるのに伴い、電力需要の少ない深夜時間帯に充電し、駆動用バッテリーを昼間駐車している間は一般家庭などの電源として使用することにより、電力需要のピークを下げることに貢献出来ること

・駆動用バッテリーを災害時など緊急時の電源としても十分に活用出来ること

・最新自動運転技術の搭載により、運転時のドライバーの運転のし易さが高まり、更に運転時の安全性が高まり、事故防止に大きく貢献出来ること

 

こうしたことから、フルモデルチェンジの次期「リーフ」の登場は、航続距離の大幅な伸び、およびドライバビリティと安全性の向上からEV普及の起爆剤になると大いに期待出来ます。

ですから、日産自動車にはガソリン車との価格の比較で明らかに新型「リーフ」を購入した方が“お得”と思われるような価格設定を期待したいと思います。

また、バッテリー容量の大幅な増加に伴い、テスラモーターズのEVの加速性能に迫るくらいの加速性能も期待したいと思います。

こうした異次元の加速性能は、間違いなくガソリン車にはないEVの魅力として販売戦略上の魅力となるはずです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月14日
No.3702 ちょっと一休み その594 『心肺停止について その2 突然死を引き起こす意外な原因!』

古い情報ですが、昨年9月21日(水)放送の「ガッテン!」で心肺停止をテーマに取り上げていました。

そこで、2回にわたって番組の内容をご紹介します。

1回目のNo.3696 ちょっと一休み その593 『心肺停止について その1 心臓とロックの不思議な関係!』では心臓とロックの関係についてご紹介しましたが、2回目は突然死を引き起こす意外な原因についてです。

 

番組では心肺停止により突然死を引き起こす意外な原因を2つ取り上げています。

1つ目は、心臓にこびり付く脂肪です。

心臓はこの心臓脂肪をエネルギーにして動いています。

ですから、普通の人にも心臓脂肪はありますが、問題は付き過ぎてしまった時です。

ちなみに、この心臓脂肪、健康な人では3、4ミリですが、心筋梗塞を引き起こすような人は10ミリ以上にもなっています。

この心臓脂肪が必要以上に分厚くなると、そこから心臓の動脈に細い血管が伸びていきます。

この血管から送られるのが毒です。

この毒が動脈の内部を破壊して、そこに血栓ができて詰まってしまうのです。

こうして起こるのが心筋梗塞で、突然死の危機です。

ちなみに、この心筋梗塞は若い人にも見かける病といいます。

 

では、心臓脂肪が分厚くなる原因ですが、他の内臓脂肪の増加と同じです。

ですから、内臓脂肪の多い人は心臓脂肪が多い傾向があるのです。

そして、ダイエットした場合、心臓脂肪は優先的に落ちるといいます。

しかも、心臓は自分を動かすために脂肪を使わないといけないので、とてもいい方法があります。

それは、いつもより少し多めに心臓を動かすことです。

心臓のエネルギーは脂肪、沢山動かせばその分消費されるというわけです。

徳島大学医学部の佐田 正隆教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「少し息がハアハアする、心拍数が普通より30程度上がるものでいいんじゃないかと思いますね。」

 

では、心拍数を普通より30程度上げるには具体的にはどのような動きがあるかというと、

番組で試した結果ではちょっと早歩き、そして階段昇りというように、息が上がるか上がらないかくらいの運動がありました。

いろんな運動を組み合わせて、細切れでもかまわないので、合計で1日30分くらいの運動で心臓脂肪を減らす効果があるといいます。

 

さて、心肺停止により突然死を引き起こす意外な原因の二つ目は、歯周病菌です。

東京大学大学院医学研究科の鈴木 淳一特任准教授は、歯周病菌が心臓や血管に悪さをしていることを突き止めました。

歯茎から侵入した歯周病菌は全身の血管を巡り、心臓や大動脈にくっつきます。

それが心筋梗塞を起こしたり、大動脈を破裂させたりするというのです。

鈴木先生は、ネズミの血管で実験を行いました。

鈴木先生は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「歯の病気と全身の血管の病気が関係あるということを知っていただきたいということです。」

「それが分かっていただければ、例えば歯磨きをしっかりしようとか、定期的に歯医者さんにかかってメインテナンスしてもらうというふうなことにつながっていくと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して、心肺停止による突然死を防止する2つの方法が分かったので以下にまとめてみました。

1.心臓脂肪を減らす方法

・心臓脂肪が必要以上に分厚くなると、そこから心臓の動脈に細い血管が伸びていくこと

・この血管から送られる毒が動脈の内部を破壊し、そこに血栓ができて詰まってしまうこと

・心臓脂肪が分厚くなる原因は他の内臓脂肪の増加と同じであること

・心臓脂肪を落とす身近な方法として、ちょっと早歩きや階段昇りなどいつもより少し多めに心臓を動かす方法があること

2.歯の病気予防法

・歯茎から侵入した歯周病菌は全身の血管を巡り、心臓や大動脈にくっつき、それが心筋梗塞を起こしたり、大動脈を破裂させたりすること

・歯の病気と全身の血管の病気には関係あること

・きちんとした歯磨きや定期的な歯の検査が歯の病気予防になること

 

こうしてみると、日々のちょっとした運動や歯磨きが心筋梗塞の防止に役立つのです。

なので、膨らみ続ける医療費の削減のためにもこうした生活習慣を身に付ける必要がありそうです。

 

それにしても、心臓は自分を動かすために心臓脂肪を使っていること、あるいは歯の病気と全身の血管の病気に関係があるという事実には新鮮な驚きを感じました。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月13日
プロジェクト管理と日常生活 No.488 『リスク管理から見た“テロ等準備罪”法案』

4月6日(木)放送のニュース(NHK総合テレビ)で現在、国会で法案審議が進められている“テロ等準備罪”法案について取り上げていました。

そこで、リスク管理の観点からご紹介します。

 

現在の刑法では、原則として犯罪は実際に起きた後に処罰されるのに対し、“テロ等準備罪”では“犯罪実行前の段階でも処罰可能”としています。

それには以下の要件があります。

テロ組織、暴力団などの「組織的な犯罪集団」が犯罪を計画し、その実行のための準備行為をした時です。

 

以下は暴力団による殺害という具体的なケースについてです。

1.暴力団の組員らが対立する暴力団の組長の殺害を計画

2.資金の用意

3.拳銃の購入

4.組長を撃つ

 

現在の刑法では上記の4の他、3も殺人の予備罪として罪に問われる可能性があります。

今回の“テロ等準備罪”法案はより早い段階、2の資金を用意した段階で処罰される可能性があります。

犯罪の実行前に処罰出来るようになることで、無関係な人物が巻き込まれる恐れが高まる可能性も論点の一つとなっています。

 

一方、法務省は、「組織的犯罪集団」は“一定の犯罪の実行を目的とし、犯罪行為を継続的に繰り返すような団体”を指しているため、一般的な殺人のケースはテロ等準備罪の対象にならず、“犯行計画への合意が明らかでない場合、適用されることはない”としています。

この件について、菅官房長官は以下のように表明しております。

「一般の会社・市民団体・労働組合など、正当な活動を行っている団体が適用対象にならないことは明確にしております。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

現在の状況は、与党はこの法案を来週中の衆議院通過を目指すとしています。

一方、民進党は廃案を目指し、徹底抗戦する構えを見せているといいます。

 

さて、ご存知のように現在、IS(イスラム国)など世界的なテロ組織が海外では多くの一般国民に被害を与えています。

こうした中で、2020年に東京オリンピック/パラリンピックを開催する日本としてもこうしたテロ活動の阻止対策として、今回の“テロ等準備罪”法案が出てきた背景と言われています。

 

そこで、リスク対応策の観点から見ると、この法案における与野党の争点は、テロの動きがあった場合、どの時点から取り締まるかということです。

例えば、「どこそこでテロを起こしたら面白い」、あるいは「あの人はとても嫌な奴だから、殺してやりたい」と言っただけで、逮捕されるような事態になったら、個人の発言の自由に抵触してしまいます。

現実に、普段の会話でも、若い人たちの間では冗談半分に「死ね」というような言葉が飛び交っています。

あるいは、作家が原発やコンサートホールなどへのテロを題材にした作品を発表した場合に、そのことが実際のテロにつながるからと罰せられるようなことがあれば、まともな作家活動は出来ません。

そうした意味からすると、実際にテロ活動を計画するだけでは罰せられませんが、実行に移すために資金を用意した段階で罰するというところまで踏み込んだ議論がなされるのは理に適っていると思います。

拳銃などの武器を入手した時点での逮捕はタイミングを逸してしまうリスクが高まるからです。

 

いずれにしても、一般国民の表現の自由、そしてリスクは出来るだけ早いうちに摘み取るのが得策であるという相反する要件のバランスを考慮したうえで十分に国会の審議をしていただきたいと思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月12日
アイデアよもやま話 No.3701 相次ぐ太陽光発電をめぐるトラブル!

以前、ある講演会でエネルギー政策を進めるうえで、地球環境や経済とのバランスが必要だという話を聴き、なるほどと思いました。

そうした中、4月30日(日)付け産経新聞のネットニュース(こちらを参照)で相次ぐ太陽光発電をめぐるトラブルについて取り上げていたのでご紹介します。

 

太陽光発電は2012年、発電した電気を一定料金で電力会社が買い取る国の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の導入を機に拡大しました。

広い土地や日当たりのいい傾斜地がある郊外、山間部に大型太陽光パネル(メガソーラー)が次々に設置され、投資目的の参入も相次ぎました。

その結果、今、太陽光発電をめぐるトラブルが相次いでいるといいます。

発電パネルなどの機材設置を規制する法令がないことが主な要因で、業者が周辺住民の意向を無視して工事を強行しようとするケースもあるといいます。

こうした状況を無視出来ず、自治体などは設置を規制する条例を整備するなど対応に追われる事態となっているのです。

 

以上、ネットニュースの内容をざっとご紹介してきました。

 

確かに、“脱原発”、あるいは“脱化石燃料”のための再生可能エネルギーへのシフトは

安全なエネルギー供給、あるいは地球温暖化防止のために必要不可欠です。

しかし、今回ご紹介したように、再生可能エネルギーへのシフトを重視するあまり、何の規制もないままの国策の推進により、投資目的の太陽光発電が広がり、新たに環境問題、および周辺住民の不安、あるいは周辺住民との軋轢をもたらしているのです。

冒頭でお伝えしたように、このような状況はエネルギーと環境、経済とのバランスを欠きます。

ですから、遅ればせながら国や自治体による一定の規制が求められるのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月11日
アイデアよもやま話 No.3700 高水温でも白化しないサンゴ!

2月16日(木)放送のニュース(NHK総合テレビ)高水温でもで白化しないサンゴについて取り上げていたのでご紹介します。

 

サンゴの白化は、インド洋のモルディブ、太平洋のフィジーやニューカレドニアでも進んでいます。

海水温の上昇が原因と見られています。

異変は日本の沖縄でも起きています。

今年1月、環境省が衝撃的な調査結果を発表しました。

国内最大のサンゴ礁、石垣島沖の石西礁湖でサンゴの90%以上が白化し、その大部分が死滅したというのです。

 

海の生き物に棲み処や産卵場所を提供するサンゴ礁は言わば命のゆりかごです。

サンゴがなくなると、海の生き物のうち4分の1の種類が生きていけなくなると言われています。

そのサンゴ礁についてWWF(世界自然保護基金)は、温暖化の影響で2050年までに全て消失する恐れがあると警告しています。

こうした中、沖縄で誕生した高い海水温でも“白化しないサンゴ”は、サンゴの保全につながるのではないかと大きな関心が寄せられています。

 

原因と見られているのは、昨年起きた世界的な海水温の上昇です。

夏の間、石垣島周辺の海では30℃を超える異常な高水温が2ヵ月近くにわたって続きました。

この時、サンゴに起きたのでしょうか。

サンゴはイソギンチャクやクラゲの仲間で、生存に欠かせないのが体内にいる植物プランクトン、褐虫藻です。

サンゴは、この褐虫藻が光合成でつくった栄養をもらって生きています。

しかし、海水温の上昇や強い太陽光などのストレスを受けると褐虫藻はサンゴの体内から抜け出てしまいます。

これが白化現象です。

この状態が続くとサンゴは死に至ります。

多くのサンゴが白化した沖縄の海で不思議なサンゴがありました。

白く変色したサンゴの横で、元々の色を留めています。

高い海水温の中でも“白化しないサンゴ”です。

このサンゴは、沖縄の養殖場で育てられました。

サンゴ養殖の第一人者として知られる金城 浩二さんは20年近く前から海への移植事業に取り組んでいます。

白化しないサンゴ、元々は沖縄の海に生息するウスエダミドリムシというごく普通の種類です。

金城さんは年月をかけて厳しい環境に耐えられるよう育て上げました。

 

きっかけは7年前のサンゴの産卵観察会でした。

子どもたちにより近くで産卵を見てもらおうと、金城さんは水槽の深い場所にあったサンゴを浅い場所へ移動させました。

太陽光の影響で多くが白化して死んでしまいましたが、一部回復したものがありました。

生き残った個体を選抜して増やし、更に浅いところに移動させることで少しずつ環境に適応させていきました。

作業を繰り返すこと4年、こうして強い太陽光が注ぐ水面近くでも白化しないサンゴを育てることに成功したのです。

 

金城さんは試しにこのサンゴを海に移植しました。

すると高い海水温にも耐えられることが分かりました。

世界でも類を見ない白化しないサンゴの誕生でした。

金城さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ミラクルが起きたというかね。」

「サンゴの養殖を始めて18年になるけど、初めて、これは。」

「奇跡的な感じでしたね。」

 

白化しないサンゴのメカニズムを解明したいと、昨年12月、金城さんはサンゴの専門家が集まる日本サンゴ礁学会で協力を呼びかけました。

研究者からは期待の声が上がりました。

日本サンゴ礁学会の鈴木 款会長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「将来は間違いなくサンゴの白化をある程度遅らせたり、防ぐことは出来ますよ。」

 

学会から2ヵ月、サンゴが白化しないメカニズムに迫る研究が進められています。

サンゴ礁の研究者で琉球大学熱帯生物圏研究センターの中野 義勝さんたちの研究チームは、白化した通常のサンゴと白化しないサンゴを様々な角度から比較分析してきました。

すると、サンゴ本体と体内にいた褐虫藻に違いはありませんでした。

そうした中、注目したのがあるバクテリアの存在です。

エンドゾイコモナスというバクテリアは白化しないサンゴの体内にだけ特に多いことが分かったのです。

中野さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「菌類(バクテリア)に何かが起こっている、それが白化の強さ弱さに関係がありそうだと今回分かってきました。」

「小さいですけども貴重な一歩だと考えます。」

 

沖縄で生まれた“白化サンゴ”、金城さんは今後このサンゴの数を更に増やし、故郷のサンゴを再生させたいと考えています。

金城さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「僕が子どもの頃、潜っていた沖縄の海は今で言えばフルカラーハイビジョン。」

「で、最近潜ったらモノクロになっているんだよね。」

「生き物を観察しながらやってきたら、生き物は応えてくれると今回のことで確信出来たというかね。」

「夢だけど、温暖化に勝っちゃいたいよね。」

 

サンゴの白化を食い止める有効な手立てがない中で、今回の白化しないサンゴの誕生、そしてそこから更に白化を左右すると見られるバクテリアが見つかったことはこれまでにない研究成果だと言えます。

サンゴは世界中におよそ800種類いると言われています。

今後この研究を進めることによって、更に多くの種類に応用出来るかも知れません。

なお、元々その場所にいない種類のサンゴを移植すると生態系を壊すことにつながりますが、強い個体が生き残るというのは自然界では当然のことなので大きな問題はないといいます。

 

また、温暖化が急速に進む今、白化対策は時間との闘いで、高水温でも白化しないサンゴを増やしていくことは大きな意味があるといいます。

なお、今後の取り組みとして、地球温暖化の対策に私たち自身が取り組むことが前提ですが、白化を防ぐ研究、そして同時に白化しないサンゴを増やすための体制づくりも必要です。

国や自治体、そして研究機関などが連携することで一刻も早くサンゴ礁の再生や保全につなげていって欲しいと番組の取材記者は伝えています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず、サンゴを巡る以下の状況はとても衝撃的です。

・国内最大のサンゴ礁でサンゴの90%以上が白化し、その大部分が死滅したこと

・サンゴがなくなると、海の生き物の4分の1の種類が生きていけなくなると言われていること

・WWF(世界自然保護基金)は、温暖化の影響で2050年までに全てのサンゴ礁が消失する恐れがあると警告していること

 

こうした中、沖縄で誕生した高い海水温でも“白化しないサンゴ”は、サンゴの保全につながるのではないかと大きな関心が寄せられています。

 

そして、“白化しないサンゴ”発見のきっかけが、7年前のサンゴの産卵観察会で子どもたちにより近くで産卵を見てもらおうと、水槽の深い場所にあったサンゴを浅い場所へ移動させたことだったという事実は、様々な発見のきっかけが偶然であるということを思い起こさせてくれます。

 

ですから、やはり素晴らしいアイデアの誕生には、決して諦めない粘り強い努力が必要なのです。

 

さて、地球温暖化は当分続き、しかも国際的な地球温暖化への取り組みも十分とは言えない状況です。

そうした中、ある程度温暖化が専門家の見込みよりも進んでも、それによる被害を出来るだけ食い止めるための対応策が重要になります。

そういう意味で、高水温でも白化しないサンゴの発見はとても喜ばしいことだと思います。

是非、今後ともこの研究が進められ、世界中のサンゴ礁の白化を食い止めていただきたいと思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月10日
アイデアよもやま話 No.3699 ロングセラー商品、「小型ホッチキス」の秘密!

2月14日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でロングセラー商品、「小型ホッチキス」の秘密について取り上げていたのでご紹介します。

 

1952年、日本初のロングセラー商品、「小型ホッチキス」が生まれました。

今では当たり前に浸透しているホッチキスですが、マックスのホッチキスは国内シェアの7割以上を占め、現在累計4億台も使われています。

発売から65年、番組ではこのロングセラー商品の秘密に迫りました。

 

オフィスや学校で使うことの多い文房具でおなじみの小型ホッチキスのルーツは意外なものが関係していました。

マックスは1942年創業の文具メーカーです。

世界最強と謳われたゼロ戦の尾翼の部品を造っていた会社でした。

マックスのオフィスプロダクツ営業部の佐々木 高行部長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「当時の技術としては、(金属を)打って抜いて曲げる工程はレベルが高い水準にあったのではないかなと。」

 

1946年、高い技術力を生かし、アメリカ生まれのホッチキスの国内製造を始めました。

販売価格は600円(現在の約1万円に相当)、とても高価でほとんど売れませんでした。

どうしたらホッチキスを広められるか、2代目の山田 辰雄社長は頭を悩ませていました。

ある時、山田さんは知人からアメリカ土産をもらいました。

そこには手のひらサイズのホッチキス、あまりの小ささに驚いた山田さんは早速開発を始めました。

そして、尾翼造りで培った金属の加工技術で小型化に成功、価格も200円に抑えました。

日本初の小型ホッチキスの誕生です。

ホッチキスを更に広めるため、学校向けにホッチキスで作る工作のパンフレットを配布したり、テレビCMも打ち出しました。

しかし、ライバル企業も次々に小型ホッチキスを販売、売り上げは伸び悩みました。

 

そんな時に転機がやってきました。

マックスの営業マンが見かけたのは、ホッチキスの針の裏をハンマーで潰している姿でした。

ホッチキスの針のせいで、書類がかさばるためでした。

そして1987年に造られたのが閉じ裏を平らにするフラットクリンチホッチキスです。

書類を閉じて重ねてもかさばらない技術を世界で初めて開発したのです。

 

マックスはこの他にも金属針を使えない食品工場など向けの紙の針のホッチキスや、小型であるにも係わらず紙を40枚留められるホッチキスを開発、こうした新製品は必ず売り場で試せるようにしているといいます。

 

定番の商品だからこそ心がけていることについて、山田さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「お客様のニーズをきちんとつかんで、お客様に驚きを感じてもらえるような商品を開発し、出していきたい。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今やどこの家庭、あるいはオフィスにも欠かせないホッチキスですが、日本におけるそのルーツが世界最強と謳われたゼロ戦の尾翼の部品を造っていた会社というのは意外でした。

この他にも兵器の開発技術が平和的な目的のために使われ、優れた商品につながっているという話をよく耳にします。

 

平和維持のために世界的に兵器開発を全面禁止することは適いませんが、せめて平和的な目的のためにその技術を使って欲しいと思います。

また、世界各国の国民の日々の暮らしへの満足レベルの向上は、“金持ち喧嘩せず”の例えにもあるように世界平和に貢献することは間違いないのです。

 

また、その進化の過程はまさに“ユーザーの要求”に応えるための飽くなき追求です。

どんなヒット商品にもやがて賞味期限がやってきます。

しかし、新たなユーザー要求の掘り起こし、およびそれに応える技術開発により新たな商品が生まれるのです。

こうした各々のユーザーの要求と各々の企業による商品開発のキャッチボールが結果として私たち一人一人のより豊かな暮らしにつながっているのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月09日
アイデアよもやま話 No.3698 知的財産を生かして利益を生み出す取り組み!

2月14日(火)放送のテレビニュース(NHK総合テレビ)で知的財産(知財)を生かして利益を生み出す取り組みについて取り上げていたのでご紹介します。

 

企業にとって市場での競争力を測る物差しとして、特許、意匠、商標といった知的財産の重要性が増しています。

モノづくりが盛んな東海地方の中小企業の間でも知的財産を生かして利益を生み出す取り組みが始まっています。

 

岐阜市の公共施設で使われているシンプルな机は、簡単な操作で移動出来、収納もし易いと好評です。

この机は名古屋市に本社のある施設用家具メーカー、愛知株式会社の製品です。

社長の島本 迪彦さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「多くの場所で使われている椅子を指して、)これ、世の中のスタンダードになった折りたたみ椅子なんですが、50数年前に当社が世の中に出しました。」

 

製品の差別化に欠かせないオリジナルのデザインや機能、そのままでは他社に真似される恐れがあります。

製品の価値を守るために欠かせないのが知的財産です。

執行役員で研究開発部長の熊澤 工さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「早期に模倣品が出てきてしまいますと、非常に権利の価値の部分が損なわれてしまいます。」

「かなり権利化には神経を使ってございます。」

 

製品ごとに知的財産を国に申請するため、開発部門に専任の社員を配置、新製品を作る過程で、常にデザイナーと意見を交わしています。

例えば、椅子の足の部分でこだわったのは収納し易い機能性を備えた足のデザイン、特許や意匠の申請を組み合わせ、模倣を防ぎます。

国内だけでなく海外でも特許や意匠を登録、模倣を防ぐとともに他社の権利を侵害していないことも示し、取引先の信頼を得ています。

熊澤さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「海外取引の中でも(知的財産の)権利を有していることが相手にも安心を与えますし、知的財産を強化することイコール会社自体が強くなる、あるいは権利を持って武装出来るので非常に会社経営の中でも重要な知的財産というかたちで考えております。」

 

一方、知的財産を生かした事業を評価してもらうことで金融機関から融資を引き出し、事業を広げようとしているメーカーもあります。

従業員およそ30人のシリコンメーカー、株式会社タナックです。

手術の訓練に使う模擬血管の製造に関する特許を持っています。

昨年、岐阜県各務原市で新たな工場を稼働、販売先を海外にも広げるため、今後この工場で製品を量産していく計画です。

社長の棚橋 一成さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「海外に展開していくためにも、1個か2個つくるだけでは駄目ですね。」

「1000個、1万個つくれるようなラインもつくっていかないといけない。」

 

計画の実現に向け、手を結んだのが地元の信用金庫です。

知的財産を生かした企業に将来性を見出し、融資する制度を昨年から始めています。

特許をいかにビジネスに展開し、利益につなげるかが評価のポイントです。

メーカーは申請中の特許を使った新製品を紹介、これまで対応出来なかった電気メスが使えることを強調しました。

自社の特殊配合で電気を通せるように配合を作り直したのです。

 

企業の財務力や資産などで融資を判断していた金融機関にとっても技術力やアイデアを評価するこうした融資の仕組みは成長する企業の掘り起こしにつながります。

一方、企業の側も知的財産を盾に作り出した製品を守るだけでなく、攻めの姿勢で戦略的に使うことで競争力が高まります。

棚橋社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「中小企業の場合、知的財産(を生み出すには)なかなかハードルが高いですし、お金もいります、それなりにね。」

「ただモノをつくっているだけでは駄目なんですね。」

「今度、知的財産で攻めていかないといけないということですね。」

「守って攻めるという、この両極端の位置づけが特許としてあるんじゃないかなと考えております。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

言うまでもなく各企業の知的財産の権利を守ることはとても重要です。

そして、番組の中でも指摘されていたように、国内外を問わず、特許や意匠を登録することは模倣を防ぐとともに他社の権利を侵害していないことも示し、自社並びに取引先は安心して取引をすることが出来るのです。

 

ところが、特に中小企業においては、新製品の開発費のみならず国際特許を取得するとなると、かなりの資金負担が生じます。

そうした場合に、助けになるのが金融機関や投資会社による資金の提供です。

ですから、こうした中小企業と投資元との出会いの場をより広くすることが求められます。

同時に、AI(人工知能)などのテクノロジーを活用することにより、特許や意匠の審査過程を効率化し、資金負担を軽くすることが求められます。

更に、将来的には、国別の特許などの知的財産管理を止めて、国際的に一元化した知的財産管理システムの構築が望まれます。

こうしたシステムにより、登録に係わる料金が安くなり、同時に審査期間も大幅に短縮されると期待出来るのです。

こうした状況の実現により、知的財産の登録が加速化し、ビジネスに好影響を与えることは間違いありません


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月08日
アイデアよもやま話 No.3697 1年目から黒字も見込める女性だけの農業法人!

2月14日(火)放送のテレビニュース(NHK総合テレビ)で女性だけの農業法人について取り上げていたのでご紹介します。

 

社長と従業員が全員女性、都合に合わせて勤務する曜日も時間も自由に選択出来るというユニークな農業法人が昨年大分県に設立されました。

1年目から黒字も見込める勢いだという農業法人の秘密について番組が迫りました。

 

大分県国東(クニサキ)市の山間にある農業用ハウス、栽培されているのはリーフレタスです。

養分を含んだ水だけで育てる水耕栽培で生産されています。

土で栽培された場合、収穫は通常年2回ですが、温度や養分の管理をコンピューターで行うこのハウスでは毎月収穫することが出来ます。

去年7月に操業を始めたこの農業法人、社長と従業員合わせて14人は全員女性です。

年代は20代から60代で、このうち6人は子育てをしています。

社長の平山 亜美さん(28歳)はおよそ1億円かけて農業用ハウスを建設、その半分は国からの補助金で賄いました。

 

シングルマザーの平山さんが会社を立ち上げたきっかけの一つは妊娠・出産でした。

県内の大学を卒業後、化粧品販売会社で働いていましたが、仕事と育児の両立は難しいと考え、退職しました。

その頃農家の知り合いから紹介されたリーフレタスの水耕栽培に関心を持ちました。

自らの手で女性が働き易い職場を作ろうと、市内の他の4人の女性からも出資を募り、会社を立ち上げました。

平山さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「新しい風を農業にということで女性だけで立ち上げたら面白いんじゃないかということで、女性が集まってこういった会社を立ち上げることになりました。」

 

このハウスで生産されるリーフレタスの商品名は「やさいまま」、女性だけで生産していることをPRしようと名付けました。

水耕栽培は除草の必要が無いうえ、しゃがまずに収穫出来るため、身体に負担がかかりません。

主な作業は苗の移し替えとパック詰めで柔軟に勤務時間を設定することが出来ます。

ほとんどを占めるパート従業員の勤務は週3日か2日、時間は1日3時間から8時間の4つのパターンの中から選ぶことが出来、原則希望が優先されます。

ですから、子どもが熱を出して急きょ退勤する従業員が出るようなことがあっても、作業は他のメンバーが協力してカバー出来ます。

平山さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「子育てしながら仕事をする苦労を一度味わっている方が多いので、その苦労を助け合いながら出来るところは女性ならではで働いている職場だからこそ出来ることではないかなと思います。」

 

現在の出荷量は首都圏向けを中心に1日約2500パックといいます。

女性だけの農業法人をPRする戦略が効を奏し、1年目の売上高は採算ラインの年間5000万円前後に達する見通しです。

平山さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「いろいろな女性の視点でいろいろな商品企画をしていって、女性が今まで参入してこなかった業種なので女性でも働き易い農業を広めていきたいですね。」

 

女性が働き易い職場を農業の分野で実現しようという平山さんの挑戦は、女性が活躍する新たなモデルとなるか注目されます。

 

なお、大分県によりますと、ハウスを使った水耕栽培は安定した生産が見込める一方、多額の初期投資が必要で、事前に一定の販路を確保しておく必要があるということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

従業員が子育て中も含めた主婦など女性だけの農業法人だからこそ、それぞれの従業員の置かれた立場にきめ細かく対応した労働環境を作ることが出来、その結果従業員は無理なく働くことが出来ていると思います。

また、子育て中でも無理なく働けることから、従業員のモラルも高いと思われます。

 

一方、こうした農業法人の誕生の背景には、以前ご紹介した植物工場というコンセプトが大いに貢献しています。

確かに初期投資は高額ですが、以下のようなメリットがあるからです。

・ハウス栽培、およびLED照明の導入により、天候などに依存することなく、生産量が一定していること

・コンピューターによる温度や養分の管理により、土で栽培し場合に比べて収穫量が大幅に増えること

・作業が比較的単純で、しかも作業の負担が少ないことから、高齢者でも従事し易いこと

 

こうした女性だけの農業法人が1年目から黒字も見込めるという状況は、今後様々な立場に置かれた女性の社会進出の可能性を広げる一つの素晴らしいモデルだと思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月07日
No.3696 ちょっと一休み その593 『心肺停止について その1 心臓とロックの不思議な関係!』

古い情報ですが、昨年9月21日(水)放送の「ガッテン!」で心肺停止をテーマに取り上げていました。

そこで、2回にわたって番組の内容をご紹介します。

1回目は、心臓とロックのある曲との不思議な関係についてです。

 

突然死する人の6割は心臓の異変・心肺停止が原因といいます。

そこで、命を救うためにとにかく実行して欲しいのが心臓マッサージです。

そもそも心臓マッサージの目的ですが、救急救命士の今井 良恵さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ドクンドクンという動きを胸骨圧迫(心臓マッサージ)が代わってやってあげます。」

「脳などの重要な臓器への血流を維持することが目的となっています。」

「それにより患者さんの予後が変わってくる重要な手技となっています。」

 

つまり、心臓を押すことで脳に血液を送ってあげるのが目的であり、心臓を復活させるためではないのです。

そして、心臓マッサージはただ押すだけでなく、しっかりと引いて“間”を作ることが重要だといいます。

でもいざという時、やっていいのかどうか勇気が持てないというのが一般的です。

そうした中、京都府立医科大学附属病院救命医療部のベテランドクター、山畑 佳篤さんがその勇気を持てる方法を見つけました。

国からの研究費を受けて歌を使った新たなテーマに挑みました。

それは、どんな素人でも簡単にしかも確実に心臓マッサージが出来るようになる方法です。

100枚以上のCDを聴きまくり、その中から、ある特別な一曲を見つけ出したのです。

それは女性ロックバンド、プリプリ(プリンセスプリンセス)の「ダイヤモンド」という曲です。

この曲には、心臓マッサージをプロ並みに行える秘密が満載といいます。

もし目の前で家族が倒れた時、この曲を口ずさむと誰もが心臓マッサージを上手に出来るようになり、命を救える確率が2倍になるというのです。

救急車が到着するまで心臓の代わりとなってしっかり押してあげることが大事だといいます。

 

では、心臓マッサージの具体的な方法ですが、以下の手順で行います。

  1. 心臓の上ではなく胸の真ん中に手のひらではなく手の付け根の部分を置く

  2. 肘は曲げずに、肩、肘、手の付け根が真っ直ぐになるように約5cm押す

  3. 毎分100回から120回の間のテンポで心臓マッサージを行うのが望ましい

 

心の中でこのメロディが流れれば、正確なリズムで行えるといいます。

 

こうした観点から、「ダイヤモンド」には以下のよう優れた点があります。

  1. 毎分112回のテンポであること

  2. リズムが裏打ちであること(心臓を押すだけでなく、引く動きで血流がアップする)

  3. 心臓マッサージを疲れず、続けられること(押したり引いたりする動きが疲れにくさをもたらす)

 

ちなみに、この条件にピッタリな曲は他にもあります。

例えば、AKB48の「365日の紙飛行機」、橋幸夫の「いつでも夢を」などです。

ですから、こうした曲からいざという時にパッと思い出せる曲を選んでおくことがお勧めなのです。

ベテランドクターの山畑さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(倒れた人をゆすったりしても何も反応が無い場合でも心臓マッサージをやっていいのかという問いに対して、)今はとにかく迷ったら押して下さいというふうに言われています。」

「(心臓マッサージが)遅れれば遅れるほど助かる可能性がなくなっていく、実際には4分、5分経つと倒れた人の脳は助からない可能性がどんどん高まっていく。」

「救急隊が来るまで心臓の代わりに血液を送り込んであげるという役割がこの手というふうに思ってやっていただければ。」

「そういう時には、「そうだ、あの曲だ」と思い出していただければ、勇気の一押しになってくれると思います。」

「もう一つ大事なことがあるのですが、心臓マッサージを身に付けていただいても、自分で自分を助けられないので、この内容(今回紹介した方法)を自分の周りの知り合いや家族、皆さんに広めていただいて、自分が倒れた時でもやってもらえるようにするということが大切じゃないかと思います。」

 

さて、心肺蘇生といえば、最近増えてきたのがAED(自動体外式除細動器)です。

年間7千万人もの人が利用する羽田空港には80台近くもAEDが設置されており、毎年多くの命を救っているといいます。

そもそもAEDが何をするかというと、心室細動という危険な不整脈を起こしている時に、電気ショックで正常な動きに戻してくれるのです。

以下は人が倒れて息をしていなかった場合の具体的な対処法です。

  1. まず救急車を呼ぶこと

  2. 次に「ダイヤモンド」をイメージしながら心臓マッサージを開始すること

  3. 更にもう一人いたらAEDを持って来てもらうこと

    AEDの使い方は、音声の指示通りにする(電気ショックが必要な場合は、AEDがちゃんと教えてくれる)

  4. 電気ショックが終わったら、脳を守るためすぐに心臓マッサージを再開すること

 

ちなみに今は、一般の人が人工呼吸をする必要はないとされています。

大事なのは心臓マッサージなのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

もし目の前で誰かが倒れていた時、プリプリの「ダイヤモンド」を思い出して、毎分100回から120回の間のテンポで心臓マッサージを行うと、命を救える確率がグンと上がるというのは意外でとても面白いと思います。

また、これまでテレビドラマや映画などで心臓マッサージの場面があると、一生懸命心臓を押しているという印象でしたが、実はポンプで水をくみ上げるように心臓を押すだけでなく、引く動きで血流がアップするというのもなるほどと思いました。

 

ということで、いざという時にはプリプリの「ダイヤモンド」という曲を思い出すことが人の命を救うことになるかもしれないのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月06日
プロジェクト管理と日常生活 No.487 『北朝鮮の核兵器開発に見るタイムリーなリスク管理の重要性』

前回、プロジェクト管理と日常生活 No.486 『世界平和は”きれいごと”だけでは実現出来ない!』で世界平和を実現、更には維持していくための基本的な考え方について、リスク管理の観点から私の思うところをお伝えしました。

今回は北朝鮮による止まらない核兵器開発に焦点を当てたリスク対応策についてお伝えします。

 

そもそもリスク管理の最も重要なポイントは以下の3つであると言われています。

  1. リスク対応策を検討する際には、起こり得る最も最悪なケースを想定すること

  2. リスク対応策はリスクが小さいうちにリスクを摘み取ることが要諦であり、リスクが大きくなるにつれてその対応策のかかる費用が増加していくこと

  3. リスクが実際に発生してしまった場合に備えてコンティンジェンシープランをあらかじめ計画しておくこと

 

中でも2番目の、リスクが小さいうちにリスクを摘み取ることがリスク対応策として最も需要だと言われています。

こうしたタイムリーなリスク対応策をおろそかにしていると、どんどんそのツケが大きくなってしまうのです。

このような観点からすると、明らかにこれまでの国連(国際連合)やトランプ政権以前のアメリカの北朝鮮に対する対応は、甘過ぎたと言わざるを得ません。

同様に北朝鮮の石油の供給のほとんどは中国からの輸入に依存しているといいますから、中国の対応の誤りも無視出来ません。

もし、北朝鮮の核兵器開発の早い段階で中国が石油の輸出量の削減をちらつかせた対応をしていれば、北朝鮮問題がここまで大きくなってしまうことはなかったと思います。

 

また、一連の報道によれば、金正恩朝鮮労働党委員長は、自身の生存のためには核兵器開発が必須であると考えております。

更に開発済みの核兵器、およびICBM(大陸間弾道ミサイル)の完成後はいざ戦争になれば、アメリカであろうが甚大な被害を与えることが出来るため、アメリカと言えども簡単には北朝鮮に対して手を出せないと金正恩は考えているのです。

しかも、米軍基地のある韓国同様に日本も、いざ北朝鮮とアメリカが交戦状態になれば、ICBMの完成を待たなくても核兵器の脅威にさらされ、実際に核爆弾が投下されるようなことになれば壊滅状態になってしまうという現状を重く受け止めなければなりません。

 

このように考えていくと、北朝鮮の暴発は何としても食い止めなければならないのです。

この場に及んでは、あらゆる手段を行使して外交的な解決を目指し、北朝鮮の暴発、およびアメリカによる先制攻撃を防ぐことが最優先です。

 

いずれにしても、アメリカを始め、世界各国のリーダーは、以下の3つのことを肝に銘じることが求められるのです。

  1. 理由はどうであれ、武力を武器に世界制覇を企む独裁者、あるいは独裁国家はいつ出現するか分からないことを前提に国際的な枠組みでリスク対応策を構築すること

  2. 世界各国のリーダーは忍耐強さを持ち、あくまでも外交的な解決を心がけること

  3. 核戦争に圧倒的な勝利はあり得ず、双方の多くの国民に多大な犠牲を強いること

  4. 万一交戦リスクが発生した場合に備え、現実的なコンティンジェンシープランを平時に構築しておくこと

 

なお、北朝鮮は化学兵器の開発も非常に進んでいると言われています。

更に、北朝鮮はこうした兵器開発の資金源として、不正貿易や兵器の輸出も進めているといいます。

ですから、北朝鮮の現状を放置しておけば、いずれIS(イスラム国)など過激派組織に核兵器や化学兵器などが不正輸出されることが現実になることも大いにあり得るのです。

万一、核兵器や化学兵器がISなどの過激派組織の手にわたれば、世界は大混乱に陥ってしまいます。

             

ということで、第二の北朝鮮を誕生させないための試金石としても、北朝鮮を正常な国に転換させることは世界各国共通の急務なのです。

そこで、核兵器開発をあくまでも止めようとしない北朝鮮に対する現実の問題対応策を3つ以下にまとめてみました。

  1. アメリカ、中国を中心に北朝鮮に食糧やエネルギーなど、あらゆる物資が流れることを阻止する対策を確実に実施すること

  2. 一方で、北朝鮮とアメリカが交戦状態になった場合、短期間のうちに金正恩朝鮮労働党委員長の命が危うくなることを本人に意識させること

  3. 核兵器、および化学兵器の開発を止めれば、国際機関として金正恩朝鮮労働党委員長の命を保障することを本人に伝えること


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月05日
アイデアよもやま話 No.3695 “世界最強”の有田焼の秘密!

2月13日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で世界最強の磁器、有田焼の秘密について取り上げていたのでご紹介します。

 

日本の磁器発祥の地は佐賀県有田町と言われており、400年の伝統があります。

その有田町で“世界最強”の磁器が誕生しました。

開発したのは、佐賀県窯業技術センターです。

ここは焼き物に関する研究開発や技術指導を行うためにつくられた県の施設です。

 

“世界最強”の磁器を開発したこちらの研究員、蒲地 伸明さんは20年以上にわたって壊れにくい焼き物について研究してきました。

一般の有田焼は立った状態から焼き物を落とすと割れて粉々になってしまいますが、新たに誕生した焼き物は何度落としても割れません。

一般の有田焼に比べて強度はおよそ5倍ですが、その差の秘密は焼き物の中に入っている素材にあります。

 

一般的な有田焼は、陶石と呼ばれる石で作られます。

この石には、骨組みとなる石英などの硬い素材、形を作るための粘土、その隙間を埋めるガラス質、この3つの素材がバランスよく混ざっています。

“世界最強”の磁器もこの3つの素材の組み合わせでできていますが、一番のポイントは特別な“ガラス質”です。

500回以上調合を繰り返してようやく見つけた特別な“ガラス質”なのです。

現在、特許申請中でその詳細は秘密だといいます。

蒲地さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「非常に溶けやすい、接着する力が強い材料になっています。」

 

一般的な有田焼と“世界最強”の有田焼とをその断面図で比べてみると、特別な“ガラス質”によって明らかに後者の方が空洞が少なく、しかも小さくなっているのです。

これが分割れにくい秘密でした。

世界中の磁器と比べても最も強いというこの磁器は、県をあげて開発、今後はそのノウハウを県の業者に提供します。

背景には、有田焼の衰退があります。

売上はピーク時の6分の1という状況下、伝統的な製品に加え、実用的なものにも市場を広げようというのです。

 

この磁器にはもう一つ大きな特徴があります。

既存の設備でこれまでの磁器と同じ窯を使い、同じ製法で作ることが出来るのです。

これが蒲地さんがこの製法で一番こだわったところです。

この産地は非常に小さい企業の集合体となっていて、新しい設備投資をするのが難しいからです。

 

こうした中、有田町ではまだ歴史の浅い創業32年の匠では、既に一般的な有田焼より強い“強化磁器”を製造・販売しています。

現在は主に病院や学校の給食向けに販売をしています。

匠の西山 典秀社長は世界最高の磁器で更に新しい分野に挑戦しようと考えており、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「外食産業関係を目指しております。」

「強度のある素材・食器を使いたいと依頼が今来ております。」

 

セールスに出向いた、国内外で38店舗を展開するオペレーションファクトリーのオイスターバー「ワーフ」(大阪市北区)でも西山社長は確かな手ごたえを感じていました。

今後は従来の病院や学校の給食向けだけでなく、外食関係のみならずホテルやレストランにも十分挑戦出来ると西山社長は考えています。

 

 

一方、有田焼の老舗にも新たな動きがあります。

創業123年の深川製磁でも早速世界最強の磁器の製造に取りかかっていました。

深川製磁の草場 薫さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「当然割れにくかった方が(長く)大事に使ってもらえるかなというのもあるし、是非とも商品になればというふうに思いますね。」

 

“世界最強”の磁器は有田焼の救世主となるのでしょうか。

蒲地さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「有田焼の400年(の歴史)に代わる次の400年を支える素材になってくれればと期待しております。」

 

なお、この“世界最強”の磁器の材料費は従来の有田焼の1.5倍ほどするといいます。

しかし、一般の有田焼に比べて強度はおよそ5倍といいます。

ですから、例えばデザイン性を追求して薄い部分があったとしても、“普段使い”をすることが出来るということからヨーロッパなどからも注目が集まっていて問い合わせが来ているといいます。

 

更に、食器以外にも電子回路の基盤や建築用素材などへの応用も考えているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

価格は従来品の1.5倍ですが、強度は5倍という“世界最強”の有田焼、そこには外食産業のみならず、これまでにないデザインの陶器の製造、あるいは電子回路の基盤や建築用素材などへの応用の可能性もあるといいます。

このように、陶器に限らず、従来品の質や性能を格段に高めることによって、従来のマーケットでの新たな需要の掘り起こしのみならず、新規マーケットの開拓も期待出来るのです。

 

ということで、今回ご紹介した“世界最強”の有田焼の事例は、今後の日本の製造業のあり方として大いに参考になると思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月04日
アイデアよもやま話 No.3694 3D人形が故人を偲ぶ大切な存在に!

2月9日(木)放送の「おやよう日本」(NHK総合テレビ)で故人を偲ぶ3D人形について取り上げていたのでご紹介します。

 

3Dプリンターの技術が発展する中で思い出の写真をもとに、家族の精巧な人形を作る人が増えています。

亡き家族の人形を製作するのは、3Dプリンターで商品サンプルやフィギュアを作っている株式会社ロイスエンタテインメント(大阪)です。

最初に依頼を受けたのは3年前、11歳の娘を亡くした父親からでした。

当初は作ることを迷いましたが、完成した時の父親の反応が忘れられないといいます。

古荘 光一社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「本当に娘がよみがえったかのような表現をされていたので、人形がそういう力を与えるんだというところで初めての気付きもありました。」

 

面影を忠実に再現するため、写真だけでは分からない特徴を家族から聞き取り、2ヵ月をかけて製作します。

これまでに製作したのは100体以上、共感する人が静かに広がり続けています。

 

昨年夫を69歳でがんで亡くした、奈良県桜井に住む女性は夫が亡くなって半年ほどは仲の良さそうな夫婦を見るのは辛いと、家に引きこもりがちでした。

しかし、人形に語りかけながら過ごすうちに気持ちが変わってきたといい、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「“裏の草が伸びてんけどどうしよう”とか、そういう日常会話をずっとしているうちにだんだん亡くなったことも納得するようになってくるし、人形にしゃべることによって割と早く一人の生活に慣れたのかなと。」

 

進行するがんのため死期が迫る中、人形を作ろうと言い出したのは亡くなった夫の方からでした。

妻への想いについて、この夫が最期を過ごしたホスピスの看護師は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(人形に込めた想いについて、)若くして病気になって、これからという時に自分はいなくなるけれど、フィギュア(人形)を作って、それを見て、奥さんに前を向いて辛いこともあったけど楽しいこともあったなというふうに前を向いて欲しいという想いで作られたっておっしゃっていました。」

「奥さんのことをとても想ってくれていましたよ。」

 

亡き家族との新たな絆を紡ぎ出す人形、少しずつ前を向くための力を与えてくれています。

番組の記者は、次のようにおっしゃっています。

「(人形を)作るきっかけや理由は、家族ごとに、そして亡くなった家族との関係によっても様々です。」

「大阪の会社(ロイスエンタテインメント)に寄せられた依頼のうちおよそ8割が子どもを亡くした親からのものでした。」

「このことについて専門家は喪失感の強い遺族にとって人形が果たす役割は小さくないとしています。」

 

遺族の心のケアに詳しい関西学院大学の坂口 幸弘教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「お子さんを亡くされたような場合ですとか突然死の場合は、落ち込みが大きいことがいろんな研究で報告されています。」

「その死を自分なりにどう受け止めていくのか、存在を感じることによってある意味そこを気持ちの拠り所にしながら自分の人生を考えることが出来るのかなというふうに思います。」

 

一方、こうした人形を作ることで、かえって悲しみを思い出して辛くなってしまうリスクが気になります。

これについて、坂口教授はそのリスクが無いとは言えないとしながらも、夫を亡くした女性のように人形に語りかけ、家族のいない日常に時間をかけて適用しながら家族が亡くなった事実を受け止めていく、それが喪失感を癒していくための大切なプロセスだとしています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

確かに2次元の写真よりも3D人形の方がより亡き人のイメージがはっきりして大切な人を亡くした喪失感が和らぎ、新しい生活へと目を向けるうえで役立つと思います。

 

さて、将来的にはそれぞれの人がAI(人工知能)やロボットと身近に接する中でその人の考え方などを記憶し、あるいは脳の記憶域からその人の記憶を取り出したりなどして、その人が亡くなった後もその記憶や考え方を詳細に残すことが可能になるはずです。

こうした技術と3D人形、あるいは亡くなった人そっくりのアンドロイドを組み合わせることによって、私たちは永遠の命を手に入れる時代を迎えることになると想像出来ます。

こうして考えを進めていくと、私たちの寿命の定義も変わってくると思われます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月03日
アイデアよもやま話 No.3693 紙がローソクに変わる!?

2月3日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で紙のローソクについて取り上げていたのでご紹介します。

 

紙のローソクの特徴は、“灰”や“すす”も燃える特殊な紙を使っているので、燃えカスがほとんど残らないというところです。

なぜ紙なのにローソクのように燃えるのかということについて、このローソクを開発し、販売している株式会社大文字洋紙店の中田 靖宏さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「紙に溶けた“ろう”を染み込ませ、紙自体が“ローソク”の芯の役割をしているんですね。」

 

製造の段階で紙に“ろう”を染み込ませ、この“ろう”が燃料となって燃えているということですが、この技術とアイデアで特許も取得しました。

実は大文字洋紙店は創業94年の紙専門店で、その知識を生かした“紙ローソク”だったのです。

そして、紙専門店としてのこだわりは、ローソクにメッセージが書けるところです。

誕生日やクリスマスなどメッセージ付きのローソクは盛り上がりそうです。

ちなみに、このローソクは商品名「ピーキャンドル」で価格は650円(20本入り)です。

 

開発者である田中さんは、その想いについて次のようにおっしゃっています。

「お母さんが子どものためにメッセージを書いて、その大切な想いを子どもに伝えてもらうというのをまず最初に考えたことですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

確かに子どもの誕生日などで、母親などからのメッセージの入ったローソクに火が灯れば、その場の雰囲気はグッと盛り上がると思います。

単に紙のローソクを作るというのではなく、メッセージの書けるローソクというアイデアこそがまさにお客様に楽しんでもらえる“お客様志向”だと思います。

また、こうしたアイデアが創業94年の紙専門店の中から生まれたというところにも魅かれます。

紙の需要も時代の流れとともに変化していきます。

そうした時代の変化に対応した商品づくりが継続されていく企業が何十年、何百年と存続し続けるのです。

このように考えていくと、大文字洋紙店はこれまでもこうしたアイデアによりいくつもの企業存続の危機を乗り越えてきたのではないかと容易に想像されます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月02日
アイデアよもやま話 No.3692 気持ちが伝わるプリン!

2月2日(木)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で気持ちが伝わるプリンについて取り上げていたのでご紹介します。

 

中学生の企業家、高橋 依和(いちか)さん(15歳)が独特の製法でつくるプリンはとても人気があるといいます。

その製法のカギは特注の金型にあります。

これを垂直にプリンに押し当てることでメッセージを刻むのです。

金型を押し当てた部分にカラメルが浸み込むとメッセージが浮かび上がってくる仕組みなのです。

こうした斬新なアイデアはどのように思い付いたのかという問いに対して、依和さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「学校から帰って来て作業している時にふとメッセージが浮かび上がったら面白いよねって思いましたね。」

 

依和さんは材料にもこだわっています。

使っている卵は手でつまんでもつぶれません。

一番コクが出る卵だというのです。

この新鮮な卵は地元、加古川の養鶏場で生産されており、強い弾力があるのが特徴です。

この養鶏場、「オクノのたまご」の奥野 克哉代表は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「よくうちの卵の良さを(依和さんは)引き出しているので、すごいなあと感心してます。」

 

卵に合わせるのは、乳脂肪分が4%近くある淡路島牛乳です。

生クリームっぽいというか濃厚なので、クリーミーなものとかにすごく相性がいいと依和さんは考えています。

これを丁寧にこして一晩寝かせて焼き上げれば、なめらかで濃厚なプリンの出来上がりです。

依和さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「皆さんが一生懸命働いたお金で私のプリンを買って下さるのだから、私もちゃんとやらないといけないなと思います。」

 

依和さんがプリンづくりに目覚めたのは今から7年前といいます。

「小学校2年生の時にお母さんに「私は得意なものが何もない」と言ったら、プリンを教えてくれて・・・」

 

それを機にプリンづくりの奥深さに魅了された依和さん(当時小学校5年生)、趣味が高じて市が主催する青空市などに出店すると飛ぶように売れていったといいます。

その時のことについて、依和さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「「美味しい」と言ってもらったり、リピーターさんがついたりという中で、趣味という軽い感じでは駄目だなと思うようになりました。」

 

そして、一昨年の2015年、中学1年生の時、依和さんは「いっちゃんの手作りSweets」を設立、現在はインターネット販売の他に兵庫、大阪、京都、秋田、愛知など20以上のスーパーで扱われるまでになりました。

 

中には、プリンを使ったアイデア商品もあります。

プリンをころもで包み、油で揚げてつくるプリンコロッケ(3個 380円(税抜き))もあります。

こちらは市内の焼き肉店に卸し、新感覚デザートとして人気となっています。

今、依和さんは新作のいちごムースづくりに取り組んでいます。

使っているのは地元、加古川産のいちご、市内のカフェに協力を依頼し、お客さんに食べてもらうと評判は上々のようです。

依和さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「お客様の生の声が聞けるのが一番うれしいなと思いますね。」

 

依和さんの会社の年商はなんと400万円といいます。

今後の目標について、依和さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「兵庫県内で採れたお野菜や果物、お肉を使ったお料理、スイーツをご提供して、何か温かいカフェがしたいなって、どんどん(会社を)大きくしていきたいなって思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まずメッセージの刻み込まれたプリンというアイデアになるほどと思わされました。

また、まだ中学生で15歳という企業家、高橋 依和さんが番組の中でおっしゃっている言葉に年齢を感じさせない起業家魂を感じました。

そこで、そのエッセンスを以下にまとめてみました。

・お客様が購入価値を考えて購入してくれた気持ちに応える責任感の高さ

・お客様の生の声にしっかりと耳を傾けることの大切さ

・地産地消を考慮した食品づくりをベースとしたビジネスの拡大

 

ということで、依和さんが今後企業家としてどのように成長されていくのかとても楽しみです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年05月01日
アイデアよもやま話 No.3691 既にZEBを達成している企業あり!

徐々に省エネについての関心が高まりつつあり、特に関心の高い個人宅や企業の中には、太陽光など自然エネルギーによる発電や省エネにより実質的なCO2排出量ZERO(ゼロ)を達成しているところが出て来ています。

こうした個人宅はZEH(Zero Emission Home)、そして企業のオフィスビルはZEB(Zero Emission Building)と呼ばれています。

そうした中、少し古い情報ですが、昨年5月30日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で既にZEBを達成している企業について取り上げていたのでご紹介します。

 

2014年に決まった温暖化対策の新たな国際的枠組み、パリ協定に基づき、日本のオフィスビルは2030年までに温室効果ガスを40%削減するという高い目標が定められました。

この取り組みに対し、竹中工務店は営業所を“実用的なZEB”のモデルとして改修しました。

竹中工務店東関東支店(千葉市)でもこうした一環として2003年に完成したオフィスビルをZEB化しました。

オフィスはデスクワークする場所と打ち合わせをする場所を明確に分けられています。

そして、打ち合わせ場所の近くの窓は風を感じて自動制御で開閉するという外気を大胆に取り込む作りで、省エネを目指しながら社員の気分転換にもなるといいます。

また、以前はフロア各所にあった書類棚を1ヵ所にまとめました。

その結果、オフィス全体の15%が空調不要になりました。

このように、ただの改修工事ではあり得ない社員の動きや働き方にも言及するのが竹中工務店のZEB化への提言だといいます。

執行役員の車戸 城二さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「これ(温室効果ガスの40%削減)は今までの新型空調機を導入するとかいった工夫では到底追いつけない。」

「何をしなければいけないか、そういうことをしっかり学び取るために今回我々は実験をしたということになります。」

 

一方、大成建設の研究センター(横浜市戸塚区)では、敷地内に消費電力ゼロを実現するため2014年に建てられたのがZEB実証棟です。

このオフィススペースはデスクや椅子、植木鉢に至るまで全て真っ白で統一されています。

また、このオフィスで働いているのは36人、特に働き方や就業時間に制限はなく、時には深夜残業をこなすといいます。

社員の加藤 美好さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「自然採光システムを取り付けております。」

「室内に入った光が拡散して全体的に効率よく広がるように白で統一したオフィスにしていると。」

「(それでどのように消費電力を抑えるのかについて、ビルで)一番電気を使うのは照明と空調なものですから、この2つを抑えることによって80%以上の電力を削減することが出来ます。」

「(オフィスに)実際に人がいる、いないというユーザー側の情報が分かれば、それに応じて(消費電力を)減らすことが出来る。」

 

例えば、室内に入った光が拡散して全体的に効率よく広がるようにます。

空調は個々のデスクに送風口を設置、センサーにより自動でオン・オフをする他、パソコン上で好みの温度・風量に調節が出来ます。

こうした一人一人のニーズに対応することで3階建てのビルが1日に消費する電力の75%をカット出来るといいます。

社員の一人は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「普通に働いているだけで環境に寄与出来るのは新しいワークスタイルではないかなと感じております。」

 

ただ削減出来るのは消費電力の75%、残りの25%は屋上の太陽光発電パネルと壁面に150ヵ所設置した太陽光発電フィルムによって電気を作り、賄うといいます。

2014年の運用開始から1年間継続したところ、外部からのエネルギー消費量0を達成しました。

先ほどの加藤さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今回の建物(ZEB実証棟)を作ったというのをきっかけに、どんどんトップランナーを走り続けて、業界をリードする立場で普及させていきたいと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

以下に番組の内容を要約してみました。

■省エネだけでも消費電力の75%を削減出来ること

■省エネには以下のような具体策があること

・用途によってオフィスエリアを区分けし、エアコンの効くエリアを制限すること

・LED照明に切り替えること
  ・自然採光システムを取り入れること

・室内に入った光が拡散して全体的に効率よく広がるように、オフィス内を白色で統一すること

・空調は個々のデスクに送風口を設置、センサーにより自動でオン・オフをすること

・パソコン上で好みの温度・風量に調節が出来ること

■残りの25%は太陽光発電によりカバー出来ること

 

実際には、場所によってオフィスビルに太陽光発電を設置するのは難しいところもあります。

しかし、省エネはどんなビルでも出来ることが分かりました。

ですから、消費電力を75%削減することは出来なくても50%くらいはその気になれば出来るのです。

勿論、一般住宅やマンション、あるいはオフィスビルの省エネ構造への改築にはそれ相応の資金が必要です。

しかし、メガソーラーや風力発電などと組み合わせることにより、“脱原発”ばかりでなく化石燃料に依存した火力発電もほとんど不要にすることは実現可能なのです。

そこまで省エネや再生可能エネルギーの関連技術は進化してきているのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年04月30日
No.3690 ちょっと一休み その592 『ある携帯電話会社の委任状に見るユーザー視点の欠如』

先日、千葉県の実家の父からこれまで使っていた携帯電話に不具合が出たので、解約したいという連絡がありました。

そこで、父が契約している携帯電話会社にその旨問い合わせたところ、今解約すると1万2000円ほどかかると言われました。

そうなのです、今問題になっているように携帯電話を無料で解約出来る月は決まっており、それ以外の月に解約すると解約手数料が発生するのです。

しかし、一方で今特定の機種に限っては実質ゼロ円で変更出来ると提案されました。

そこで、機種変更することにしたのですが、実家の近くのはその携帯電話会社のショップはありません。

そこで、私が代理人となって、横浜市内の自宅の最寄りのショップで機種変更の手続きをすることにしました。

ところが、代理人として手続きをするに際しては、当然のことながら委任状が必要です。

そこで、最寄りのショップから委任状を取り寄せましたが、その書き方がよく分かりませんでした。

そこで、本社のお客様相談窓口に書き方について相談し、言われた通りに書いて最寄りのショップに行きました。

そうしたところが、そのショップの窓口の方から書き方に不備があり、このままでは機種変更は出来ないので契約者に書き直してもらって欲しいと言われました。

代理人である私がその場で書き直すことは許されないというのです。

要するに、携帯電話を巡っては今様々な犯罪が発生しているので、委任状の扱いについても厳しい対応が求められているということなのです。

そこで、仕方なく一旦自宅に戻り、あらためてお客様相談窓口に書き方について相談したところ、最終的にショップの窓口の対応が正しいことが分かりました。

そこで、修正して再度ショップに行き、ようやく契約変更に至りました。

この間、私はお客様相談窓口との電話でのやり取り、そして最寄りのショップへの往復、およびショップの窓口、あるいはその責任者とのやり取りで4時間あまりを費やしてしまいました。

当然、同じようにお客様相談窓口やショップの窓口の方も時間を費やしたのです。

 

そこで、なぜこのようなことが起きてしまったのかをあらためて考えてみました。

分かったことは、こうしたことの根本原因は委任状の記述そのものだったということです。

実質ゼロ円という歌い文句の裏には、携帯電話本体の料金の一括支払いではなく、毎月の分割払いを選択することが必要なのです。

ところが、この携帯電話会社の委任状の記述にはどこにもこうした判断が出来るような記述はないのです。

このことによって、本部のお客様相談窓口の理解不足により、誤ったことが私に伝えられ、それによって私は二度もショップに行くはめになってしまったのです。

ですから、委任状の内容が誰にでも理解出来るような分かり易い記述になっていれば、こうした三者の時間の浪費は防げたのです。

 

ということで、言うまでもありませんが、私は機種変更を済ませて帰宅してすぐに、お客様相談窓口の責任者に今回の経緯を説明し、委任状の記述を分かり易くするように強く求めました。

 

考えてみれば、今回の一件に限らず、私たちが日々の生活の中で接する様々な契約においては、非常に分かり難く、しかも小さな字で事細かに書かれた契約書をよく目にします。

これはひとえに“ユーザー視点の欠如”と言えます。

ユーザーにとっての分かり易さよりも、何か問題が起きた時にサービス提供企業が損害を出来るだけ回避することを優先しているとしか思えないのです。

もし、本当にユーザーの立場を考えているならば、分かり易い記述、そしてもう少し読み易くするように文字を大きくするといった配慮がなされるはずです。

 

こうした点について、出来るだけ多くの企業には改善して欲しいと願います。

また、こうした改善が目に見えないかたちで、ユーザーにとってだけでなく、本社のお客様相談窓口や現場の店員の対応時間の削減につながることは間違いないのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年04月29日
プロジェクト管理と日常生活 No.486 『世界平和は”きれいごと”だけでは実現出来ない!』

ご存知のようにアメリカの相対的な国力の低下に伴い、オバマ政権時代にアメリカは“世界の警察官”の返上を宣言しました。

ところが、こうしたアメリカの政策転換に伴う、会話による領土問題の平和的解決をきっかけに、中国の南シナ海での人工島建設やロシアのクリミア侵攻が行われたと一部の専門家の間では見られています。

一方、北朝鮮は核兵器開発こそが外交の切り札として最も有効であるという国家方針を貫き、国際的な取り決めを無視し、核兵器開発をどんどん進めております。

こうした国家の行き着く先は、武力による世界制覇です。

 

こうした状況は何を意味しているのでしょうか。

これらは、自国の安全保障をより強固なものにすることなどを目的とした、機会があれば領土拡張を目指している国の存在、あるいは軍事力を外交の切り札にする国の存在を意味しています。

 

そもそも国連(国際連合)には、平和を維持するための様々な規約や機関があり、ほとんどの国はそれを守っています。

しかし、中国、あるいは北朝鮮のような独裁政権国家は、往々にしてこうした規約を守るよりも自国の利益を優先させてしまうケースがあります。

そして、こうした国の暴走は国際政治、あるいは軍事的なパワーバランスの崩壊を招き、国際平和を危うくしてしまうばかりでなく、最悪なケースではこうした国家により国際政治が牛耳られてしまうリスクを伴います。

 

ですから、このような国家による暴走を抑制するような仕組みが必要なのです。

それがかつてはアメリカの突出した軍事力、および“世界の警察官”と呼ばれるようなアメリカの政策によって実質的に機能してきたと言えます。

 

ところが、冒頭でもお伝えしたように、オバマ政権時代にアメリカは“世界の警察官”を返上してしまい、これによって実質的な歯止めがなくなってしまったことが北朝鮮、あるいは中国による軍事力を背景とした暴走が国際平和の維持を危うくさせているのです。

そうした中、アメリカ第一主義、および反グローバリズムの方針を掲げて誕生したトランプ大統領は、大統領選で掲げていた内向きの政策から一転してシリアへの軍事介入により北朝鮮の核兵器開発、および中国の覇権主義に対して警告を発しました。

勿論、このアメリカの政策の根底には、自国の安全保障の維持がありますが、国際的なパワーアンバランスを元に戻そうとする副次効果があります。

 

いずれにしても、ただ声高に世界平和を唱えるだけでは世界平和は実現出来ない、あるいは維持出来ないのです。

国際平和は”きれいごと”だけでは済まないのです。

冷徹な思考に基づいた最悪な事態を想定した抑止力、すなわちリスク対応策、更にリスクが発生してしまった場合の対応策、すなわちコンティンジェンシープランが世界平和の実現、および維持には求められるのです。

 

分かり易い例では、誰でもよほどのことがない限り、自分よりも強いと思う相手には喧嘩を売りません。

しかし、自分より弱いと思う相手に対しては、自分のストレス発散のためにいじめをしたり、喧嘩をふっかけたりすることにより自分の思い通りに事を運ぶことが起こり得ます。

こうした場合、弱いと思われていた相手が実は空手などを習っていることを知っていたり、こうした相手にいじめをすればその友人などから逆に痛い目に遭うことを知っていれば、あるいはいじめをすれば厳しい罰則が待っていれば、いじめをすることはないし、もしいじめをしたり、喧嘩をふっかければ逆に痛い目に遭うことになり、その結果二度とにこうした行為はしないようになるはずです。

ただ“いじめはよくありません”、あるいは“暴力行為は犯罪ですよ”と声高に唱えるだけではいじめや暴力行為を防ぐことは出来ないのです。

正義を貫くため、あるいはいじめや暴力から身を守るためには優れた知恵、あるいはいざという時には相手に対抗出来るだけの力が求められるのです。

 

国際政治にもこのような例えがそのまま通用すると思うのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年04月28日
アイデアよもやま話 No.3689 尿一滴で10種類のがん発見!

4月27日(水)放送の「アサチャン」(TBSテレビ)で画期的ながん発見法を取り上げていたのでご紹介します。

 

尿たった1滴だけで10種類のがんが発見出来る検査法が発表されました。

実用化は早ければ2年後の2019年ということですが、手軽で安くてしかもがんを判定出来る感度が93.8%という驚きのがん検査法です。

 

九州大学の広津 崇亮助教授と日立製作所が2019年末の実用化に向け、共同開発を発表した新しいがん検査法、“N−NOSE”です。

検査に用いるのは、体長約1ミリで犬よりも優れた嗅覚を持つ線虫で、がん特有の臭いに集まる習性に注目したのです。

 

以下は、この最新のがん検査法の3つのポイントです。

  1. 簡単

・今あるがん検査の中にはマンモグラフィーみたいに痛いとか、内視鏡みたいに痛かったり、時間がかかったりとかいうのも多いが、尿は簡単に、しかもすぐ採れる

・健康診断で提出する尿でもがん検査が可能になるため、通常の健康診断と一緒にがん検査を受けることが出来る

  1. 低コストで高精度

 ・現在のがん検査では種類で胃がんなら胃がん検診、乳がんなら乳がん検診とそれぞれ検診を受ける必要があり、しかも費用はその都度かかる

 ・総合的な検査になると10万円以上になるものもあるが、この尿検査は尿1滴で胃がん、肺がん、大腸がんをはじめ10種類のがんを一度に発見出来、費用は1万円以下と見込まれている

 ・更にその感度は、腫瘍マーカーの約20%に比べて約93%と非常に高い

 ・しかもステージ0から4まであるがんの進行度のうちステージ0や1といった早期がんも発見出来るという

  1. 検査時間が短いこと

 ・従来の検査法では、受けてから1ヵ月後に結果が返ってくることが多かったが、新しい検査法では1週間ほどで結果が返ってくると見込まれる

 

早ければ2019年末には実用化される見込みの新たしいがん検査法、“N−NOSE”、現在は10種類のがんの有無を判別出来ますが、どのがんか特定出来ません。

2022年には、どのがんの種類か特定出来ることを目指しているといいます。

 

なお、日本のがん検診率は極めて低く、“予防医療の後進国”という言われ方さえされています。

検診率が低い主な理由として、“時間がない”ことが挙げられていますが、今回ご紹介した尿検診が普及すれば、がんが早く見つかり、早く見つかれば早めの治療が出来るので医療費の削減にもつながると番組では期待しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそも尿たった1滴だけで10種類のがんが発見出来る検査法が実用化間近であることに驚かされます。

また、犬よりも優れた嗅覚を持つ線虫ががん特有の臭いに集まる習性を持っていることを利用したところがとてもアナログ的です。

 

ここで思い出されるのは、これまで何度となくお伝えしてきた以下の2つの言葉です。

 アイデアは存在し、見つけるものである

 アイデアは既存の要素の組み合わせである

 

こうしたことから尿検査法は簡単、低コスト、短期間、更に90%以上という高い判定感度を実現出来るわけです。

是非、どのがんの種類か特定出来るように、出来るだけ早く実現させていただきたいと思います。

 

更に、日本人の死亡原因は男女とも1位といいますから、日本人の平均寿命、あるいは健康寿命を伸ばすうえで大きく寄与することは明らかです。

 

日本のがん検診率は極めて低く、“予防医療の後進国”と言われているそうですが、この尿検査法が実用化されれば一気に“予防医療の先進国”になり、海外にも普及させれば世界的に大いに貢献出来ると期待出来ます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年04月27日
アイデアよもやま話 No.3688 AIの活用事例(3) その4 AIが指南するラーメン店!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第3弾として今回も4回にわたってご紹介します。

4回目は、AIが指南するラーメン店についてです。

 

AIの活用はラーメン業界にも広がっています。

2月17日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIが指南するラーメン店について取り上げていたのでご紹介します。

 

都内にあるラーメン店「THANK」では国内で初めてAIを試験的に導入しています。

店内に入ると出迎えてくれたのは店員ではなく小さなロボットです。

お客はあらかじめスマホでニックネームを登録し、顔認証を済ませておくことでAIを使ったサービスを受けることが出来ます。

ロボットに目線を合わせると、以前自分が注文したものと、それを踏まえたうえで新しいサービスの提案もしてくれます。

また、お店が混雑するお昼時、ベテラン店員に代わり、AIがロボットに接客サービスを指示します。

 

更にAIは経営面でもサポートしています。

実はラーメン店は開業して1年以内に閉店する割合が4割と他の外食産業に比べて高いのが現状です。

ちなみに、寿司・焼き肉店では、開業して1年以内に閉店する割合は3割前後といいます。

 

店の年齢別に色分けした注文データを見ると、20代半ばのお客にはまろやかな味のラーメンが人気で、AIはこうしたデータをもとにどういうラーメンを作れば売れるのか、経営者に教えることも出来ます。

 

AIが最適な仕入れや人員配置も指南するこのサービスですが、月額3万円から利用出来ます。

この技術を提供している日本マイクロソフトは、今後AIを使ったビジネスが更に拡大していくと見ています。

日本マイクロソフトの斎藤 泰行さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「居酒屋や会員制のスポーツクラブであるとか、いろいろな業種、業態に展開出来るんじゃないかなと考えています。」

 

こうしたことから、ベテランがいらなくなるということではなくて、新人は育成のために、ベテランはベテランでAIプラスアルファで今までの経験値もプラスされて更に生産性の向上にもつながると番組ではいいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したラーメン店の事例では、実際にどのくらい経費削減や売り上げ増があったのか明らかではありません。

しかし、日本マイクロソフトの提供しているサービスの内容から判断する限り、明らかに経費削減や売り上げ増につながると思います。

しかも、それが月額3万円から利用出来るというのはある程度の売り上げのあるお店にとってはとてもありがたいサービスだと思います。

 

日本のサービス業は生産性が低いと以前から言われていますが、こうしたサービスの普及が様々なサービス業界での生産性向上の起爆剤になるのではないかと思われます。

 

さて、一方でラーメン店は開業して1年以内に閉店する割合が4割という数字が気になります。

このような高い数字から、出店にあたりお店の出店場所、あるいはラーメンの味の競争力などの市場調査を低料金で提供してくれる低料金のサービスの必要性を感じます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2017年04月26日
アイデアよもやま話 No.3687 AIの活用事例(3) その3 AIタクシーの登場間近!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第3弾として今回も4回にわたってご紹介します。

3回目は、AIタクシーについてです。

 

人手不足が深刻な業界は多くありますが、タクシー業界もその例外ではありません。

そうした中、2月17日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIタクシーについて取り上げていたのでご紹介します。

 

タクシー業界は経験とノウハウで稼ぎの差が大きく出てくる業界で、ベテランと新人の差を埋める手段としてAIの活躍が期待され始めています。

 

2月6日、NTTドコモはAIを搭載したAIタクシーを公開しました。

乗車すると目にするのがタブレットの地図、そこに数字が表示されています。

数字は500m四方のエリアに区切られていて、30分後にお客の数がどれくらいいるかをAIが予測、大きい数ほど確率が高くなります。

ドコモの携帯ネットワークで得られる人の動きや気象情報、そしてタクシーの運行データなどを分析し、AIが人の流れを予測します。

このAIタクシーにより、業界の人手不足の解消につなげたい考えです。

NTTドコモIoTビジネス部の谷 直樹部長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「幅広いタクシーのお客様、タクシー会社様にご利用いただければありがたいと。」

「2017年度の下期になんとかしてお客様にご提供出来るようなかたちを目指していきたいと。」

 

では実際にAIタクシーの実力はどれほどなのでしょうか。

AIタクシーを試験的に導入している東京無線タクシーの加盟会社(東京都目黒区)でAIを搭載しないドライバー歴8年のベテランドライバー(62歳)とAIを搭載した入社6ヵ月の新人ドライバー(26歳)とで午前9時から午後5時までの8時間での売上や乗車数の比較検証を行い、以下のような結果になりました。

          売り上げ   乗車数

ベテランドライバー 約3万円   20回

新人ドライバー   約3万2千円 16回

 

甲乙付けがたい結果ですが、AIの力で新人の売り上げがベテランに近づくことが出来ました。

 

NTTドコモによると、1ヵ月の実証実験の結果、通常のタクシーよりもAIタクシーの方が前月からの売り上げの伸びが49%高かったといいます。

新人とベテランの差について、東京無線協同組合の橋本 栄二郎常任理事は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「だんだんその差が縮まっていくところですね。」

「今410円タクシーも動き出しましたし、いろいろな面でタクシーがこれから大きく変わっていくと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したNTTドコモによるAIタクシーの実証実験での結果で見る限り、明らかにAIタクシーは、これまでの経験とノウハウで稼ぎの差が大きく出てくる時代からベテランと新人の差がほとんどなくなる新時代の幕開けを迎える起爆剤となり得ると大いに期待出来ます。

また、こうした動きはタクシーの利用客にとってもタクシーを捕まえやすくなるというメリットがあります。

 

今後、IoT(モノのインターネット)により、より多くの様々な個人情報データが集約され、それらがAIで活用されるようになると、更にAIタクシーの効率化、および売り上げの伸びが期待出来ます。

また更に、クルマの完全自動運転時代を迎えるようになると、文字通りタクシー業界はロボットタクシー一色になる可能性を秘めています。

こうした観点からすると、今回ご紹介したAIタクシーはこうしたタクシー業界の流れの一つの通過点と言えます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
4200件中(1件〜30件を表示しています)   前   |