2017年11月22日
アイデアよもやま話 No.3867 黒潮を利用した海流発電!

8月20日(日)放送のニュース(NHK総合テレビ)で黒潮を利用した海流発電について取り上げていたのでご紹介します。

 

今までにない新しいエネルギー源になる可能性のある実験に成功しました。

それは、黒潮、日本の近海の海流が新たなエネルギー源になるのではないかというのです。

専門家は国内の全電力の5%分、現在の水力発電の約70%に匹敵する発電を行うことも可能ではないかと試算しています。

 

この黒潮を利用する発電の世界初の本格的な実証実験が8月に鹿児島県のトカラ列島沖で行われ、発電に成功しました。

この海流発電の実験機は国立の研究機関や大手機械メーカーなどで作るグループが開発しました。

これを実際の黒潮の流れに入れて発電出来るか挑戦する実験が8月に鹿児島県の沖合で行われました。

 

なぜ海流での発電に挑戦するのか、それは安定して発電を続けられる可能性があるからです。

東日本大震災以降、大きな関心が集まった再生可能エネルギーですが、太陽光や風力は日が沈んだり、風が止んだりすれば発電が止まり、安定した発電が出来ないことが普及を進めるうえでの課題となっています。

 

そこで、目が向けられたのが黒潮です。

流れの向きや速さが一定で安定して電力を生み出すと期待されています。

海流発電は、実験機を海中で凧揚げのように浮遊させて発電します。

しかし、速い水の流れの中では機体がバランスを崩しやすくなります。

そこで、グループでは実験機の真ん中にもう1本空気を入れた筒を取り付けました。

この筒が浮き輪の役割を果たし、機体がバランスを保てるようにしています。

なお、実験機の開発には6年を要しました。

 

こうして8月の世界初の黒潮を利用した本格的な実証実験には成功しましたが、一方で課題も浮かびました。

今回発電出来たのは30kwと、発電能力のおよそ3分の1に止まりました。

発電機を入れた海域の潮の流れが時速2kmほどと比較的遅かったことが原因と見られています。

グループでは今後さらに実験を重ねてどの海域に投入すればより多くの発電量を得られるか、研究していきたいとしています。

今回の発電機を発明した東京大学大学院の高木 健教授は、黒潮のエネルギーをうまく活用すれば、国内の全電力量の約5%を発電出来ると試算しています。

高木教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「海にはいろんなものがあるぞと。」

「利用されていないものがあると。」

「それを利用していくということが日本の一つの生き方かなと思っています。」

 

期待が高まる海流発電、研究グループでは3年後の2020年には実用化を目指しています。

今回の実験機には実験費用なども含め、およそ40億円かかっていますが、グループでは今後の普及につなげるために、1機当たりの発電力を今の20倍ほどに高めたうえで費用をおよそ10億円に下げることを目標にしているということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

東日本大震災に伴う福島第一原発事故以来、太陽光や風力を利用した再生可能エネルギーによる発電へのシフト、すなわち“脱原発”を目指す動きが注目されるようになりました。

今回ご紹介した海流発電もその一環と言えます。

 

さて、こうした再生可能エネルギーによる発電は持続可能ですが、石炭や石油などの化石燃料による火力発電は持続可能ではありません。

なぜならば、化石燃料はいずれ枯渇してしまうからです。

ところが、現在はまだまだ化石燃料による火力発電が大きな比重を占めています。

そこで望むべきは、アイデアよもやま話 No.2025 私のイメージする究極の発電装置とは・・・の要件を満たすような発電装置の実用化ですが、残念ながら今のところこうした発電装置は“夢物語”のようです。

ですから、個々の化石燃料の枯渇時期をにらみながら、太陽光、風力、海流、あるいは地熱などの再生可能エネルギーを組み合わせた発電で全ての電力を賄うという計画を進めることが求められるのです。


 
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2017年11月21日
アイデアよもやま話 No.3866 紙も燃えなくする”魔法の塗料”!

8月18日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で紙も燃えなくする”魔法の塗料”について取り上げていました。

そこで関連ネット記事(こちらを参照)と合わせてご紹介します。

 

大日技研工業株式会社(東京都中央区)は、帝人株式会社(大阪市北区)および大丸興業株式会社(大阪市中央区)と共同で、リン系難燃剤「FCX−210」を使用した水性透明難燃塗料「ランデックスコート 難燃クリア」を開発しました。

 

番組では実際に普通の新聞紙を使った実験を行っていました。

新聞紙の右半分だけにこの”魔法の塗料”、すなわち「ランデックスコート 難燃クリア」を塗り、新聞紙に火を点けてみると、左半分のみが燃えてしまうという結果になりました。

大日技研工業の佐藤 康弘さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「塗料を塗ることによって、燃焼に必要な可燃物と酸素の結びつきを抑えることから得られます。」

 

「集合住宅などで大火事があった際に、逃げる時間を稼げる。」

「もしくは火を食い止められる。」

「そういったことで、人命が少しでも助かれば幸いに思います。」

 

更に、塗料の膜が出来るので、水が染み込むということもありません。

また、においもしないといいます。

 

同製品は、世界で初めてノンハロゲンアクリル系 水性透明難燃塗料として、紙だけでなく、木材、繊維、ゴム、プラスチックなど幅広い可燃物の表面に塗布するだけで、自然の風合いを維持しながら、高い透明性と高い難燃性の両立を実現しました。

なお、大丸興業株式会社は防災の日の9月1日より総代理店となって販売を開始しています。

ちなみに、価格は1kg当たり8000円(税別)です。

 

このように燃えにくく透明性が高いので、古民家や文化財などで火災を防止するためにこの”魔法の塗料”を塗ることも出来るといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した“魔法の塗料”を全てのモノに塗れば、火災はなくなるはずです。

しかし、そのためにはそれ相応のコストがかかります。

では、コストとの兼ね合いでどのようなモノをこの塗料で塗ればいいかというと、古民家や文化財など以外に住宅の壁紙や絶対に燃えて欲しくないモノが候補として挙げられます。

 

ということで、もし今回ご紹介した“魔法の塗料”の価格が火災保険料よりも安くなり、しかも法律でこのような塗料の使用を義務付ければ、火災による被害を最小限に止めることが出来ると思われます。

ですから、メーカーには是非“魔法の塗料”のコスト削減に取り組んでいただきたいと思います。


 
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2017年11月20日
アイデアよもやま話 No.3861 現代版ヒッチハイク!

ドライブをしていて、ごくたまにサービスエリアなどでヒッチハイクの人を見かけることがあります。

そうした中、8月15日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で現代版ヒッチハイクについて取り上げていたのでご紹介します。

 

自動車を使った新しい移動のかたちが始まっています。

それが次世代型ヒッチハイクです。

8月15日、茨城県取手市の駅に1台の自動車がロータリーに停まっていました。

そこへ大きな荷物を運ぶ男性が来て、この自動車に荷物を積み込むと、挨拶もそこそこに出発しました。

ドライバーのSさんはひな人形の販売をしていて、この日は茨城から東京・渋谷へ向かいます。

一方、この自動車に乗り込んだMさんはタイで働いています。

SさんとMさんは話がかみ合いませんが、実はこの二人は初対面なのです。

 

初対面の二人が同じ自動車に乗っていた理由は「ノリーナ(nori−na)」というアプリです。

ある目的地に行くドライバーと同じ方向に行きたい人をアプリ上でマッチングさせます。

さながら現代版のヒッチハイクです。

先ほどのヒッチハイカーのMさんが日本へ帰省中で渋谷へ向かうために「ノリーナ」を使ったのです。

Mさんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「荷物が多くて大変だと思って、都内まで行こうと思うと乗り換えもかなり多いので・・・」

 

一方ドライバーのSさんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「一人で行ってしまうと眠たくなってしまいますけど、二人で行ってしまえば会話が出来るし、隣に人が乗ってる緊張感で眠たくなることもないです。」

 

Sさんが運転して渋谷を目指す途中の料金所では、Sさんが高速代を支払います。

同乗者のMさんは支払うそぶりを見せません。

実はMさんは事前にガソリン代と高速代を割り勘した1721円を「ノリーナ」を通して支払い済なのです。

茨城県にある藤代駅から目的地の東京・渋谷駅まで電車では906円、一方タクシーの場合は約2万円(高速代を含む)かかります。

およそ1時間半で渋谷へ到着しました。

電車と比べると時間はかかりましたが、タクシーと比べると大幅にお金を節約することが出来ました。

Mさんは、渋谷に到着後次のようにおっしゃっています。

「ストレスもなくスムーズに行けて非常に快適でしたね。」

「特に荷物も沢山あるので非常に楽して来れたなっていう感じですね。」

 

一方、Sさんは次のようにおっしゃっています。

「楽しいし、金銭的な面も半分になるんで喜ぶっていうか。」

 

さて、「ノリーナ」を開発したのは横浜市にある株式会社ゼロトゥワン(ZERO TO ONE)社長の河野 映彦さんで、本業は自動車の中古部品をインターネットで販売することです。

河野社長は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「車が大好きなユーザーを非常に抱えておりますので、そういった方々の車に乗ってもらう機会を提供することで新しい車好きユーザーを増やせるのではないかということで始めたのが「ノリーナ」というアプリになります。」

 

「(ユーザーの傾向について)、やはり共通の目的に行く人が多いのかなと思っておりまして、同じスポーツを観戦に行くとか、観戦した後で帰る時に使われるとかというのが多いかなと思っています。」

「スポーツのイベントホルダーや(音楽などの)コンテンツホルダーと提携関係を結ぶことによって、そういったイベントにどんどん集客することで(ユーザーの)人数を増やしていきたいと考えております。」

 

そこで「ノリーナ」のアプリのトップには自動車レースや音楽フェスティバルの予定を表示、まずは同じイベントを好む人どうしの交通手段として定着させる戦略です。

 

こうして去年、2016年10月に「ノリーナ」のサービスを開始、今年7月には約800件の相乗りが成立するまでに成長しました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

従来のヒッチハイクは、いつ自分の行きたい場所に行く自動車が来るか、ひたすら待つというものでした。

しかし、「ノリーナ」を使うことによって、事前に予約することが出来るようになったので、あてもなく待つ必要はありません。

しかも、目的地に到着するまでにかかるガソリン代などの料金もあらかじめ分かっているので両者でもめることもありません。

また、特定のコンサートなどに行くことを目的としたドライバーとヒッチハイカーが往復で「ノリーナ」を利用した場合には、同じミュージシャンのファンとしてドライブの途中の話も盛り上がると思います。

更に、こうした縁で友達つき合いに発展することもあると思います。

ですから、河野社長の考える、まずは同じイベントを好む人どうしの交通手段として定着させる戦略はとても理に適っていると思います。

しかし一方で、こうしたサービスは見ず知らずの人どうしがドライブすることになるので、犯罪に結びつくリスクがあることも忘れてはならないと思います。


 
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2017年11月19日
No.3864 ちょっと一休み その620 『医師、日野原 重明さんの残された貴重な言葉 その1 日野原さんは現実的な人でもあった!』

ご存知のように聖路加国際病院名誉院長で100歳を超えても現役の医師として現場に立ち続けられた日野原 重明さんが7月18日に105歳でお亡くなりになりました。

日野原さんの生前の活動については、これまでいろいろと報道されてきましたが、9月23日(土)放送の「あの人に会いたい」(NHK総合テレビ)でも日野原さんについて取り上げていました。

そこで番組を通して日野原さんの残された貴重な言葉について3回にわたってご紹介します。

1回目は、日野原さんは現実的な人でもあったことについてです。

 

日野原さんは1911年(明治44年)、牧師だった父親の次男として生まれました。

医師を志したのは10歳の時、倒れた母を救ってくれた医師の熱意に感動したことがきっかけでした。

医師になって間もなく太平洋戦争が始まり、おびただしい人々の死を目の当たりにした日野原さん、終戦後はアメリカで最新の医学を学び、世界に遅れていた日本の医療の改革に取り組みました。

40歳代の若さで病院の運営を担うようになると、医療現場に競争やコスト管理の概念を導入、民間の病院では初めての人間ドックも取り入れました。

日野原さんは当時について番組の中で次のようにおっしゃっています。

「健康を商品として考えたらどうかということを最近思うようになった。」

「そうすると予防医療をやる、これを商品とする、人間ドックを商品にすると、あそこは相当お金が高いんだけれどもその割に内容的にはいいといえば、高くても(患者は)入るでしょ。」

「商品を売るような気持ちになるとサービス精神が出てくるんじゃないかと思うんですね。」

「だからヒューマニズムだけではやはり弱いというところがあってね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

どんな物事を進めるにあたっても、持続可能性の条件を満たさなければ物事を進め続けることは出来ません。

ですから、どんなにヒューマニズムに溢れる事業といえども、事業を進めるうえで必要な

ヒト・モノ・カネが調達出来なければ継続させることは出来ないのです。

日野原さんは、この原理・原則を十分にご理解されていたのだと思います。

そして、日野原さんの素晴らしいところは、健康を商品として捉えたところです。

健康を商品として捉えることにより、健康を売るためには、健康を買う人たちが得られるメリットと支払う料金を天秤にかけて買うかどうかを判断します。

ですから、提供する病院側としては、少しでも魅力的な商品づくり、より多くのコスト削減に取り組むような意識改革、そして組織の活性化が図られるのです。

 

ということで、日野原さんはヒューマニズムに溢れた一面、とても現実的な考え方をお持ちの方だったのです。

こうした考え方が日野原さんが105歳まで現役の医師であるのみならず、子ども向けのミュージカルの演出までこなすバイタリティの源泉だったと思うのです。

これから日本は本格的な高齢化時代を迎えますが、日野原さんの生き方は健康で元気な人生を全うするうえでとても参考になるはずです。


 
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2017年11月18日
プロジェクト管理と日常生活 No.515 『社外取締役がいても企業の不正は防げない!?』

前々回、プロジェクト管理と日常生活 No.513 『日産自動車の不正な完成検査から見えてくること』で第三者による監査の必要性についてお伝えしました。

そうした中、10月20日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で社外取締役は不正防止に機能しているのかについて取り上げていたのでご紹介します。

 

毎日のように報道されている日本企業の不正ですが、2015年からみてみると以下の通りです。

2015年 3月 東洋ゴム(製品データ偽装)

 4月 東芝(不適切会計)

     10月 旭化成建材(杭打ちデータ改ざん)

2016年 4月 三菱自動車(燃費データ不正)

 5月 スズキ(燃費データ不正)

 6月 神戸製鋼所(強度試験値改ざん)

2017年 4月 フジフィルムHD(不適切会計)

      9月 日産自動車(無資格検査)

     10月 神戸製鋼所(製品データ改ざん)

 

こうしてみると、日本を代表する企業の不祥事が後を絶ちません。

今、こうした問題は、日本のものづくりに対する信頼を大きく揺るがしています。

 

なぜこうした不祥事は絶えないのか、番組では神戸製鋼所の問題から考えていきます。

10月20日に開いた会見の中で、以下の新たな不正が明らかにされました。

・会社が問題を把握した後の自主点検に対して、管理職を含む従業員が不正の隠ぺいを図っていたこと

・JIS(日本工業規格)の法令違反に相当すると認められる銅管製品のデータ改ざんがあったこと

 

しかし、会見を開いたものの、事実確認が出来ていないことがほとんどでした。

 

不正が行われた現場の一つ、真岡製造所(栃木県真岡市)で番組がインタビューした結果では、多くの従業員が今回の不正を知らされておらず、今回の報道で初めて知ったという声も多いのです。

しかし、社員による匿名の口コミサイトでは以下のような声があります。

「非常に体育会系であり、基本は上の人の言うことには逆らえない風土がある。」(回答日 2016年12月12日)

「製品に問題が起こりやすく、技術レベルは過去に比べて低迷しているものと思われる。」(回答日 2017年1月5日)

「何か問題が起こっても、見て見ぬふりをしてしまう風習がある。」(回答日 2017年2月6日)

 

現場の声からは、不正を招いた要因も垣間見えます。

 

また、10月20日に神戸にある本社の目と鼻の先ではOB会が開かれていました。

今回のような不正が十数年前から続いていたとされる点について番組が聞いてみると、皆一様に「昔は不正はなかった」という答えでした。

 

今回の不正の背景には、高い商品規格のプレッシャーがあったのではないかという指摘もあります。

あるOBは次のようにおっしゃっています。

「JIS規格があります。」

「で、その上にまた“ユーザー規格”があるわけですね。」

「“ユーザー規格”が一番厳しい。」

「一つ(の商品)がダメだと、他が仕様を満たしていても全部ダメになる。」

「高品質のものをジャスト・イン・タイムで(納品するのは)ものすごくハードルがあるわけですね。」

「だから、そういうことが背景にあって、あんなことが起こったかなと。」

 

神戸製鋼所の会見を受け、経済産業省も緊急記者会見を開きました。

会見では、神戸製鋼所の自主点検に隠ぺい工作があったことについて、信頼性を損なうものだと厳しく非難しました。

その上で、神戸製鋼所に対し、2週間程度で安全性の検証をし、その結果を公表することや、外部の専門家で構成される調査委員会を速やかに立ち上げ、事実調査、原因究明、再発防止を行うことを指示したと述べました。

 

神戸製鋼所だけではなく、冒頭にお伝えしたように日本の大企業の不祥事が後を絶ちません。

こうした不祥事が起きないように、2015年から適用開始されたのが「企業統治の指針(コーポレートガバナンス・コード)」です。

この指針により、社内の取締役だけで経営の全てを決めるのは止めて、社内外の多くの視点を入れて、企業経営の規律を高めていこうということです。

では、具体的にどのような目が必要なのかというと以下のようなものです。

・従業員

・社外取締役

・株主

・債権者

・取引先

・顧客

 

社内の従業員については、内部告発が出来る体制を整えるべきであるとしています。

最も重要なのが、企業に厳しい意見を言える独立した社外取締役を最低2人置くこととしています。

神戸製鋼所の場合、社外取締役の一人が企業統治の指針の旗振り役でもあった経済産業省の元次官だったのです。

神戸製鋼所のように不正が発覚した時に一番の責めを負うのは言うまでもなく経営陣ということになりますが、目を光らせるはずの社外取締役がなぜうまく機能することが出来ないのでしょうか。

その実態を番組で取材しました。

 

神戸製鋼所の川崎 博也会長兼社長は、10月13日の会見で以下のようにおっしゃっていました。

「取締役会でも取り上げられ、当社のコンプライアンス委員会でもご報告された案件でございます。」

「隠していたわけではございません。」

 

13日の記者会見でこう語った川崎社長ですが、前日には「不正はない」と断言していた鉄鋼製品でも不正が明らかになりました。

問題を把握しながら再発を防止出来なかったことに対して、取締役会は機能していたのかという懐疑的な声も上がっています。

 

こうした事態に、世耕経産大臣は、次のように会見で述べています。

「企業のガバナンスに問題があるのか、あるいは経営陣の現場の掌握に問題があるのか、そういったことを一つ一つ明らかにしていって、こういったことが二度と起こらないように取り組むことが重要だと思っています。」

 

では、実際に取締役会で社外取締役は不正行為の防止として機能しているのか、東芝の元副社長で、これまで国外合わせて10社以上で社外取締役を務めてきた川西 剛さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「日本の場合は、取締役会というのはかたちなんですよ。」

「実際の運営は常務会や他のいろんな会議で根回しが終わっちゃっているんですよ。」

「反対意見を言う人もいるんだけども、中々言いづらいと。」

 

「(社外取締役の役割は、)企業の人がいろいろと隠そうとしても、それを明るみに出すというのが仕事の一つですので。」

 

ただ、現状では多くの社外取締役がその仕事を全う出来ていないという専門家もおります。

プロネッドの酒井 功社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今の多くの社外取締役は、お忙しいというのが一番の理由ですけども、主体的に、積極的に役割を果たすところまでいってない方が多いと思います。」

「特に、4社、5社と兼任している方も結構いらっしゃいますので、そういった方ですと、ほとんど取締役会に出ることが出来ない。」

 

実際に、東証一部の2021社で、社外取締役の兼任状況を調べると、およそ7人に1人が2社以上を兼任、4社以上を兼任するという社外取締役も62人います。

酒井社長は、社外取締役が現場と係わることが不祥事の早期発見につながると、次のようにおっしゃっています。

「長年にわたって不祥事がずっと起きているっていう、これが何十年もやっていて最近発覚したという事例についていうと、恐らくどこかに端緒があったはずなんですね。」

「で、そういった端緒については社外取締役、あるいは社外監査役が取締役会以外の場で現場と係わる。」

「こういったもの(機会)をつくっておけば、もっと早い時期に端緒がつかめたということはあるかもしれません。」

 

さて、東芝も今同じような問題意識を持っています。

東芝が10月20日に公表した、2015年に発覚した不適切会計以降のガバナンス体制の改善策をまとめた報告書があります。

この中には、いろんな項目が載っていますが、社外取締役に関して触れられている部分もあります。

その内容は以下の通りです。

 

従来の取締役会は、過半数を大幅に上回る社内取締役と少数の社外取締役で構成され、会長が議長となって議事を進行しており、社外取締役に対する十分な情報提供も行われていませんでした。従って、社内取締役による議論が中心となり、社外取締役による議論が活発に行われている状況ではありませんでした。

また、社外取締役の選任において専門性の観点から多様化されておらず、経営トップに対して批判的・忌憚のない意見を述べられる人物を積極的に選定しようとする姿勢がありませんでした。

 

さて、番組コメンテーターで2社の社外取締役でもあるA.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんは、その経験も踏まえて、社外取締役に大切なポイントについて以下のようにおっしゃっています。

「社外取締役の質がこれから問われてくると思うんですけど、事業の経営を経験したことがある人、同業・類似業種のある人ならなおさら良しと。」

「今まではどちらかというと、学者とか官僚とか、あるいは取引先の金融機関から派遣されて来た社外取締役が割と多かったんですけど、こういう人たちがいるとよりリアルな経営方針の議論が進むのかなと思います。」

 

「それからもう一つが空気を読まない人、あるいはKY(空気を読まない人)の振りをしてズバッと切り込める人、やはりこういう人がいないと社外取締役の数だけそろっても中々社長の顔色を見ながら、遠くから少しずつ議論しているみたいな話になりがち。」

「(梅澤さんも空気を読んでないのかという問いに対して、)読んでないですね。」

 

「それからもう一つ、取締役会で何をそもそも議論するかで、これも多くの会社で起こっていることは、各本部が業績の推移と来年の計画を持ってきて、それに基づいて質問を受けて、議論をするみたいな、割と現状延長の話が起こりがちなんですが、本当に大事なのはこの会社の中長期の経営を考えた時に、何を未来の中核事業にして、そのためにそれを一気に育てるためにどのくらい資源を配分するのか、あるいはM&Aをしないとダメなんじゃないか、みたいな突っ込んだ中長期の議論をちゃんとやることが大事だと思います。」

「で、こういう耳に痛いことを言えるような人を揃えて突っ込んだ議論をしてもらうためには、何といっても経営トップが社外取締役を使う本気度が前提条件になります。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して得られた情報をもとに、企業を取り巻く現状、問題点、不正の発生リスク、リスク対応策について、社外取締役も含めた社内組織全般の枠内で以下にまとめてみました。

 

現状:

・業界の競争激化

 

問題点:

・品質よりも納期、効率、収益を重視

・上の人の言うことには逆らえない風土

・見て見ぬふりをしてしまう風習

・不十分な社内の情報共有

・問題発生時の事実確認の遅さ

・取締役会の形骸化

・技術レベルの低迷

 

不正の発生リスク:

・管理職も含めた組織的な不正

・個人の単発的な不正

 

リスク対応策:

・経営トップの意識改革

  どのような不正も中長期的にみて企業経営を危うくするという認識を持つこと

・社内の情報共有の徹底

・不正防止のための定期的な社内研修

・実効性の期待出来る社外取締役の選択

・第三者による内部監査の導入

・誰が何を言っても許されるような組織風土

・実効性のある内部告発制度

内部告発者への報奨金、および人事考課のポイントアップなど

 

以上、まとめてみましたが、不正の起きない健全な経営にとって何よりも重要なのは経営トップの健全な経営への高い意欲だと思います。

どんなに素晴らしい制度を構築しても、その制度に関係する全ての組織や個人が本来の目的を果たすという意識が希薄では“宝の持ち腐れ”で、逆にやることだけが増えて生産性が落ちてしまい、不正が起きるリスクはなくならないのです。


 
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2017年11月17日
アイデアよもやま話 No.3863 中東ドバイが「未来都市」に変貌中 その5 国全体を「未来技術の博物館」に!

8月14日(月)付けネット記事(こちらを参照)で「未来都市」に変貌中の中東のドバイについて取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

 

アラブ首長国連邦(UAE)の商都ドバイでSFの世界のような驚きのプロジェクトが進行中です。

世界のスタートアップ企業からアイデアを募り、そのパイロット事業をドバイで実施することでイノベーションを加速する狙いです。

輸送、建設、医療など7つの分野で将来のビジョンを描き、ポスト石油時代の「未来都市」を他国に先駆けて実現しようとしているのです。

そこで5回目にご紹介するのは国全体を「未来技術の博物館」として目指すドバイについてです。

 

ドバイ政府は2016年7月に立ち上げた未来プロジェクト支援プログラムの対象にこれまでご紹介した「ハイパーループ」や「ネクスト」を選んでいます。

「ドバイ・フューチャー・アクセラレーター(DFA)」というプログラムで、世界中のスタートアップ企業から最先端のアイデアを募集して、ドバイで支援し技術の実用化を目指します。

一般的に「アクセラレーター」とはスタートアップ企業に経営指導をしたり、アイデアのコンペなどを通じて事業計画を洗練したりするプログラムです。

企業に少額出資してベンチャーキャピタル的な役割も担います。

DFAは経営指導もアイデア・コンペもしません。

「都市スケールの課題」を解決するため、世界で最も革新的な企業と政府機関を結びつけるという内容で、プロトタイプをドバイに導入・設置することを前提としています。

投資額も向こう5年間で10億ディルハム(約300億円)と規模が大きいです。

DFAが支援するのは輸送、医療、教育などの7分野で、RTAのほか保健庁、知識人材開発庁など7機関が政府側のパートナーとなります。

第一弾は9月から3ヶ月間実施され、世界73ヵ国から2千を超える応募があったといいます。

選抜されたのは30社で、更に19社がドバイでの実証実験やプロトタイプ開発のステージに移行し、総額3300万ドルの支援を受けることが決まりました。

2月からは通信会社2社や外務省など5つの機関が新たに参加し第2弾が始まりました。DFAはドバイという都市国家をまるごと未来技術の実験場、展示場にしてしまう考え方で、政府調達によるイノベーション支援の一種とも言えます。

DFAを運営するのは「ドバイ・フューチャー・ファウンデーション(未来財団)」と呼ばれる組織です。

ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム首長(UAE副大統領も兼務)の指示で、2015年に設立された組織で、政府の主要機関のトップが理事会のメンバーとなっています。

未来財団は2018年12月開業を目指して「未来の博物館)」という施設も建設中です。

 

さて、ドバイでは具体的なプロジェクトを進めると同時に未来がどうなるかといったビジョンについても語ります。

それが2017年1月、スイス・ダボスの「世界経済フォーラム」で発表した「ステイト・オブ・フューチャー(未来の状態)」レポートです。

向こう40年先までの未来について、エネルギー、輸送、医療、教育など7つの分野に分けて予測したものです。

マサチューセッツ工科大学(MIT)、米航空宇宙局(NASA)などの21人の専門家が112の予測をしました。

未来財団のイニシアティブの一つである教育機関「ドバイ・フューチャー・アカデミー」が取りまとめました。

DFAが推進する7分野にはない「宇宙」といった分野もありますが、概ねDFAが目指す方向性と一致します。

例えば「2020年、ハイパーループが初めて実用化」「2025年、米国で個人による自動車所有がなくなる」「2027年、石油の需要がピークに達する」「2030年、脳がクラウドに接続して記憶を保存」「2035年、道路は工場で製造されるようになる」「2035年、電気自動車が市場の9割を占め、道路自体が(振動エネルギーを使って)電力を供給し始める」「2036年、あらゆる人が(パーソナル・アシスタントとして)ロボットを保有する」「2040年、心臓血管系の病気が消滅する」といった具合です。

 

ドバイは大英帝国の貿易中継地として栄え、シンガポールと立ち位置が似ており、ドバイの面積は4千平方kmでシンガポールの約6倍です。

その中に同国の約半分の280万人の人が住んでいます。

石油の発見を機に発達しましたが、アブダビなどに比べると埋蔵量が少なく、物流や金融サービスを中心に経済成長をしてきました。

石油価格が高騰した時期には周辺国の石油マネーを集め、世界一高い高層ビル「ブルジュ・ハリファ」やヤシの木のような形状の人工リゾート島「パール・アイランド」の建設が進められ、観光地としても人気が高まりました。

しかしリーマン・ショック後、不動産バブルがはじけ、政府系投資会社ドバイワールドが債務の支払い猶予を発表したことから世界的な信用不安「ドバイ・ショック」を引き起こしました。

しかし、それもUAEの潤沢な石油マネーで救われ、再び経済成長路線に回帰しています。

「未来は可能性や数字の上に作られるのではない。ビジョンの明確さ、計画、行動、そして実行の上に作られるのだ」とムハンマド・ドバイ首長は語っています。

ドバイは2020年10月に万国博覧会を開催する予定で、国全体で未来の姿を提示してくれるはずです。

ドバイから目が離せません。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

これまで5回にわたって「未来都市」に変貌中の中東のドバイについてご紹介してきましたが、そのパワーの源泉はムハンマド・ドバイ首長の語っている次の言葉に尽きます。

 

「未来は可能性や数字の上に作られるのではない。ビジョンの明確さ、計画、行動、そして実行の上に作られるのだ」

 

個人にしても企業や国にしても、こうありたいというビジョンによってそれぞれの活動の核組が規定されます。

ですから、国の定めるビジョンがその国の未来の姿を決定付けるのです。

しかもいかにビジョンが素晴らしくても、そのビジョンを実現するまでの実行計画や進捗管理などのプロセスがしっかりしていなければ、ビジョンを実現することはおぼつかないのです。

 

こうした観点からすると、ドバイは原産国としてオイルマネーという資金力に恵まれるメリットを生かすだけでなく、ビジョンを実現するために世界中のスタートアップ企業からアイデアを募り、世界最高水準の人・モノを結集しています。

そして、その成果を国全体に展開し、「未来技術の博物館」として位置付けることを目指しているのです。

こうしたドバイの取り組みは具体的で誰にでも分かり易く、従って国民の共感を得やすいです。

そればかりでなく、参加する企業にとってもとてもやりがいを感じ、素晴らしい成果を達成させる可能性が高まります。


 
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2017年11月16日
アイデアよもやま話 No.3862 中東ドバイが「未来都市」に変貌中 その4 目指すは3Dプリンティング産業の中心地!

8月14日(月)付けネット記事(こちらを参照)で「未来都市」に変貌中の中東のドバイについて取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

 

アラブ首長国連邦(UAE)の商都ドバイでSFの世界のような驚きのプロジェクトが進行中です。

世界のスタートアップ企業からアイデアを募り、そのパイロット事業をドバイで実施することでイノベーションを加速する狙いです。

輸送、建設、医療など7つの分野で将来のビジョンを描き、ポスト石油時代の「未来都市」を他国に先駆けて実現しようとしているのです。

そこで4回目にご紹介するのは3Dプリンティング産業の中心地を目指すドバイについてです。

 

次回、詳しくご紹介しますが、ドバイ政府は2016年7月に未来プロジェクト支援プログラム、「ドバイ・フューチャー・アクセラレーター(DFA)」を立ち上げました。

そのDFAを運営するのは「ドバイ・フューチャー・ファウンデーション(未来財団)」と呼ばれる組織です。

 

この未来財団が入居するのは、なんと世界で初めて3Dプリンターを使って建設されたオフィスです。

1階立て250屬糧型のオフィスで、壁面などの部材はセメント・プリンターを使って工場で作り、それらを現地で組み立てました。

部材のプリントに17日、組み立てに2日、内装などに3ヵ月を要し、2016年5月にオープンしました。

同様の広さのオフィスを従来の手法で建設するよりも労働コストが半分以下になるとしています。

 

ドバイは「3Dプリンティング戦略」を打ち出し、2030年までにドバイを3Dプリンティング産業の中心地にする構想を抱いています。

2019年にはドバイの新規建設案件の2%を3Dプリンターを使って建設し、その割合を徐々に引き上げ2025年には25%にするといいます。

3Dプリンティングの対象は建設だけではなく、人工骨・歯などの医療、生活用品などの一般消費財も含みます。

各セクターで人員を7割、費用を9割、時間を8割削減することを狙っています。

3Dプリンティング市場は2030年までに3千億ドルに達すると政府は予測しています。

 

DFAでもドバイ政庁が3Dプリンター向けジオポリマーセメントを製造するロシア系レンカと提携しました。

ジオポリマーは石炭火力発電所や製鉄所などから出る産業廃棄物を原料としており、従来のセメントよりも安価に製造出来ます。

しかも添加物を入れなくても、3Dプリンター用に使える流動性が得られるといいます。ドバイ保険庁は米メダティフと、人体の臓器などのレプリカを3Dプリンターで作り、手術の練習などを効率よく出来るようにするプロジェクトを進めるといいます。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

まず、2016年に実際のオフィスを3Dプリンターで建設してしまったという事実にビックリです。

安全性や耐用年数などが気になりますが、こうした課題は実績を積み重ねていくことによりいずれ解消されると思います。

また、3Dプリンティングの対象は建設だけではなく、人工骨・歯などの医療、生活用品などの一般消費財も含んでおり、各セクターで人員を7割、費用を9割、時間を8割削減することを狙っているといいます。

結果として、3Dプリンティング市場は2030年までに3千億ドルに達すると予測されています。

ですから、この3Dプリンティング計画が狙い通りに実現されれば、私たちの暮らしや経済活動は驚くほどの短期間のうちに大変な変化に遭遇することになります。

そして、こうした大きな変革において、ドバイは2030年までにドバイを3Dプリンティング産業の中心地にする構想を抱いているのです。

まさに、“ドバイ恐るべし”で今後のドバイの動きから目が離せません。


 
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2017年11月15日
アイデアよもやま話 No.3861 中東ドバイが「未来都市」に変貌中 その3 自動運転EVによる次世代交通システム!

8月14日(月)付けネット記事(こちらを参照)で「未来都市」に変貌中の中東のドバイについて取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

 

アラブ首長国連邦(UAE)の商都ドバイでSFの世界のような驚きのプロジェクトが進行中です。

世界のスタートアップ企業からアイデアを募り、そのパイロット事業をドバイで実施することでイノベーションを加速する狙いです。

輸送、建設、医療など7つの分野で将来のビジョンを描き、ポスト石油時代の「未来都市」を他国に先駆けて実現しようとしているのです。

そこで3回目にご紹介するのは自動運転電気自動車「ネクスト」という次世代交通システムについてです。

 

イタリアのネクスト・フューチャー・トランスポーテーションが提案する構想で、ミニバスのような6〜10人乗れる四角い車両(ポッド)を利用者がスマホで呼び、目的地に向けて走行中に、別の車両と連結して走ることで交通渋滞を緩和します。

連結すると大型バスのようになり、車両間を人が移動することも可能です。

カフェ車両やレストラン車両などもあり、移動の時間を効率よく楽しめるようにします。

バッテリーを運ぶ車両と連結することで、移動中に停車することなく電源の交換も出来ます。

 

なお、アメリカのハイパーループ・ワンもドバイのシステムを紹介した映像で、似たような移動ポッドを提案しています。

会議室そのものが移動ポッドとなりターミナルに向かい、そこで他のポッドと連結して真空チューブの中を高速で別の都市に向かいます。

目的の都市に着くと連結していたポッドが分離し、それぞれ別の最終目的地に向かう仕組みです。

未来では一度、移動ポッドに乗ったら乗り換えの心配をすることもなく、会議をしながら、お茶をしながら目的地に到達出来るというわけです。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

まず、今回ご紹介した自動運転EVによる次世代交通システムの基本コンセプトの素晴らしさに驚きました。

少人数のポッドを最小単位に、必要に応じてカフェ車両やレストラン車両、あるいは会議車両、更には充電車両などと連結することによって、楽しみながら、あるいは会議をしながら乗り換えなしに目的地に行くことが出来るというのは、まさに究極の交通システムと言えるのではないでしょうか。

当然、こうした交通システムは2回目でご紹介した「ハイパーループ」と結びついてくると思われます。


 
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2017年11月14日
アイデアよもやま話 No.3860 中東ドバイが「未来都市」に変貌中 その2 最高時速が新幹線の4倍の「ハイパーループ」!

8月14日(月)付けネット記事(こちらを参照)で「未来都市」に変貌中の中東のドバイについて取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

 

アラブ首長国連邦(UAE)の商都ドバイでSFの世界のような驚きのプロジェクトが進行中です。

世界のスタートアップ企業からアイデアを募り、そのパイロット事業をドバイで実施することでイノベーションを加速する狙いです。

輸送、建設、医療など7つの分野で将来のビジョンを描き、ポスト石油時代の「未来都市」を他国に先駆けて実現しようとしているのです。

そこで2回目にご紹介するのは最高時速が新幹線の4倍の「ハイパーループ」についてです。

 

ドバイが進める次世代交通システムは「空飛ぶタクシー」だけではありません。

「ハイパーループ」という高速大量輸送プロジェクトにも取り組んでいます。

列車が鉄のレールの上ではなく、真空にした鉄管の中を移動する仕組みです。

列車を磁気で浮上させ、空気抵抗のない状態で動かすため、旅客機以上の速度、時速1200kmが出せるといいます。

新幹線の4倍、リニアモーターカーの2.4倍のスピードです。

しかも建設費は既存の高速鉄道の10分の1に抑えられるとしています。

車で2時間かかるドバイ〜アブダビ間が12分で結べるといいます。

 

なお、「ハイパーループ」は電気自動車メーカー、テスラの最高経営責任者(CEO)で、宇宙輸送システムを手がけるスペースXの創業者でもあるイーロン・マスクさんが2013年に構想を打ち出し、注目されました。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

1回目でお伝えしたように「空飛ぶタクシー」の実際の導入には安全上のさまざまな規制という高いハードルがあります。

しかし、今回ご紹介した「ハイパーループ」は地下のトンネル内を走行するので安全上の課題や規制などのハードルはそれほど高くないと思われます。

また、そのスピードはリニアモーターカーの2.4倍のスピードといいますから、実現すれば世界最高の超高速大量輸送システムとなります。

しかも、地下であれば既存の鉄道網やリニアモーターカーのように用地買収などの手間がかからないので建設期間が大幅に短縮出来ます。

ということで、「ハイパーループ」は未来の大量輸送交通網の一つとして大いに期待出来そうです。

ちなみに、「ハイパーループ」の研究・開発は着々と進んでいるようです。(詳細はこちらを参照)


 
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2017年11月13日
アイデアよもやま話 No.3859 中東ドバイが「未来都市」に変貌中 その1 ドバイの空を飛行するタクシー!

8月14日(月)付けネット記事(こちらを参照)で「未来都市」に変貌中の中東のドバイについて取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

 

アラブ首長国連邦(UAE)の商都ドバイでSFの世界のような驚きのプロジェクトが進行中です。

世界のスタートアップ企業からアイデアを募り、そのパイロット事業をドバイで実施することでイノベーションを加速する狙いです。

輸送、建設、医療など7つの分野で将来のビジョンを描き、ポスト石油時代の「未来都市」を他国に先駆けて実現しようとしているのです。

そこで1回目にご紹介するのはドバイの空を飛行するタクシーについてです。

ちなみに、“空飛ぶ自動車”については、これまでもアイデアよもやま話 No.3706 自動車をめぐる新たな動き(2) その4 現実味を帯びてきた「空飛ぶ自動車」の実用化!アイデアよもやま話 No.3760 日本でも開発が進む”空飛ぶクルマ”でご紹介してきました。

 

7月、ドバイの空をタクシーが飛行します。

ドバイの空を飛行するタクシーは、空撮などに使われているドローンを一人乗りに改良した車両で、「自律航空車両(AAV)」とドバイ政府は呼んでいます。

8つのプロペラで空中での姿勢を制御するとともに、推進力を得る仕組みです。

乗客は車内に設置されたタッチスクリーンを見て、表示された地図で行き先を指定すると、自動で離陸して目的地まで飛んで行きます。

ですから運転手はいません。

 

ドバイが飛ばす「AAV」は中国広州市に本社を置くドローンメーカー、広州億航智能技術(イーハン)が開発中の「EHang 184 」という機種です。

大きさは長さ4m、幅4m、高さ1.6mで、重さは250kgです。

最高時速160kmで30分のフライトが可能としているので、80kmは飛べる計算です。

90m以下の高さを飛ぶことを想定しており、動力源は電池で、充電に要する時間は1〜2時間です。

 

ドバイ政府は2030年までに個人の移動の25%を自動運転にするという目標を掲げています。

ドバイは交通渋滞がひどいことでも知られ、自動運転による移動の効率化への関心が高いのです。

 

以上、ネット記事の内容をご紹介してきました。

 

この記事に接し、その後の動きが知りたくなり、ネット検索した結果、こちらのネット記事より以下のようなことが分かりました。

9月25日、ドバイは、空飛ぶタクシーに使用するドローンの試験飛行を開始しました。

このドローンはドイツのボロコプター社が開発しました。

2人乗りのヘリコプターに似た形状で、屋根部分の大きなリングに18基のプロペラが付いています。

試験飛行は無人で行われました。

ドローンの最大飛行時間は30分です。

予備バッテリーなどのほか、最悪の事態に備えてパラシュート2個が積まれるなど、安全対策も講じています。

ボロコプター社は5年以内の運用開始を目指しているといいます。

 

このように、ドバイでは一人乗りの「EHang 184 」と二人乗りの「Volocopter 2X」の2機のドローンが同時に開発中なのです。

現在、自動車業界は世界的にEV(電気自動車)シフトが話題になっていますが、一方では同時進行で空飛ぶドローンタクシーの開発がドバイで進められているのです。

しかも、同じような時期での実用化が計画されており、どちらも自動運転を目指しています。

 

さて、ここで大きな課題は一般道路や空での安全規制です。

空での安全規制は陸上に比べて格段にハードルが高いと思われます。

ですから、安全機能を備えた自動運転のEVの方が一足先に実際の導入が始まり、その後しばらくして当初は安全を考慮して限定地域での空飛ぶタクシーの導入が始まると思われます。

 

いずれにしても、2030年頃には陸や空の移動手段は現在とはがらりと変わっていると見込まれます。

その結果、私たちは移動手段に関してはこれまでとは格段に便利になっているはずです。


 
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2017年11月12日
No.3858 ちょっと一休み その620 『杉本 苑子さん(作家)が戦争体験から得たこと』

8月26日(土)放送の「あの人に会いたい」(NHK総合テレビ)のゲストは作家の杉本 苑子さんでした。

今回は、番組を通して杉本さんが戦争体験から得たことについてご紹介します。

 

作家、杉本 苑子さん(2017年 91歳没)は、大河ドラマ「春の波濤」の原作となった「マダム偵奴」などの歴史小説で知られます。

古代から近世まで歴史の表舞台には現れない人間ドラマを生き生きと描き、2002年には文化勲章を受章しました。

杉本さんは、生前番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ずっと日本の歴史をみてみますと、やはり「このことは小説化しておくべきだ」と思う、私なりにですよ、思う事柄もあります。」

「それがあったからこそ書いてきたんですから。」

 

1943年(昭和18年)、明治神宮外苑で行われた学徒出陣壮行会に参加していた杉本さんは終生忘れることの出来ない体験をし、後に次のようにおっしゃっています。

「今でも目に焼き付いているのは、学徒たちが壮行会が終わりまして宮城に向けて行進を開始し出した時です。」

「次々に学校別に歩き出した学徒たちを見ました時に、私どもの隊列を乱しまして、思わず駆け寄ってしまいまして、そして泣きながら手を振ったんですけども、同情とか可哀想だとかという感じではなくて、何か私たちも遠からず死ぬんだと。」

「やがて死ぬ者が先に死ぬ人たちを送るんだという切実な、そういった気持ちでした。」

 

学徒たちの多くは戦場で命を落とし、二度と戻っては来ませんでした。

1945年(昭和20年)8月、終戦、多くの都市が焼き尽くされ、300万人を超える命が失われました。

この当時のことについて、杉本さんは後に次のようにおっしゃっています。

「この巨大な消耗、巨大な損失、巨大な犠牲を払いながら何を得たのか。」

「家を焼かれ、肉親を原爆の一瞬で地獄に突き落とされて殺される。」

「そういった大きな犠牲を払うということ、これを足場にして再出発するということを私などはやはり「歴史小説を書くんだ」という根底になりました。」

 

小説家になる決意を固めた杉本さんは、1952年(昭和27年)、27歳の時に時代小説の大家、吉川英治に弟子入りしました。

そして1962年(昭和37年)、杉本さんは長編小説「孤愁の岸」を書き上げました。

この小説で杉本さんは翌年に直木賞を受賞しました。

受賞の翌年、1964年(昭和39年)、杉本さんは自らの原点を再び思い起こします。

東京オリンピック、場所は学徒出陣を見送った明治神宮外苑です。

この当時のことについて、杉本さんは後に次のようにおっしゃっています。

「同じ、私たちが泣きながら学徒を送った場所ですよ。」

「スタンドにはカラフルな観客たちがぎっしり詰めて、あの時には鬼畜米英と言ったアメリカ、イギリスの選手たちも愉快に我々に手を振りながら並んだ、みんなが愉快にオリンピックの開会を祝う、そのあまりの相違、差。」

「あの学徒出陣の場にびしょ濡れになって泣きながら立った一人として私は大きな衝撃を受けましたね。」

「時代によって、国の考え方によって同じ若者がどのように違う存在として同じ場所に立つかということですよ。」

「これがやはり両方を見た者としては大きいショックを受けたし、考えざるを得ない問題として私の中に残りましたね。」

 

時代に翻弄され、歴史の中に埋もれていった人たち、やがて杉本さんのまなざしは日本史全体に広がっていきます。

激動する奈良の都、大仏建立の舞台裏を描いた「穢土荘厳」など、歴史を陰で支えた人々に焦点を当て、小説家としての地位を確立していきました。

杉本さんは、生前次のようにおっしゃっています。

「戦争から得たもの、巨大な虚無だったし、巨大な失望だったし、巨大な嘆きだったけれど、失望でも庶務でも嘆きでもやはりそれなりに私の戦後を支えて、現在今なお私を支えていますよね。」

「だから皆さんもそうだったんじゃないかと思いますね。」

「そうやって戦後というものは、体験者のそれぞれの力によって支えられてきた。」

 

杉本 苑子さん、戦争体験を原点に歴史の背景にある人間ドラマを描き続けた91年の生涯でした。

 

番組の最後に、杉本さんは次のようにおっしゃっています。

「日本という小さな国の過去を振り返ってみますと、やっぱり非常に世紀末的な現象の起こった波というものがあって、やっぱり歴史の中で声もなく埋もれていってしまった人たちの声が無数にあるんじゃないかな。」

「その声が耳の底に鳴ってくる。」

 

以上、番組の一部をご紹介してきました。

 

番組を通して、まず印象的だったのは杉本さんの以下の言葉です。

「時代によって、国の考え方によって同じ若者がどのように違う存在として同じ場所に立つかということですよ。」

 

現在も私たち一般庶民の暮らしは国の制度や国際的な環境によりとても大きな影響を受けています。

国内においては、少子高齢化問題や格差問題による影響は国の政策により大きく左右されます。

一方、対外的には特に北朝鮮問題ではアメリカ、および北朝鮮両国の首脳の決断一つで戦争状態に突入し、アメリカの同盟国である日本も甚大な被害を被る大変大きなリスクを抱えています。

更に北朝鮮との間には未だにとても理不尽な拉致問題が存在しています。

 

こうした状況下において、杉本さんのおっしゃるように“声もなく埋もれてしまう人たち一人一人の声”は存在するのです。

そして、小説家の中には、杉本さんのようにこうした“声なき声”を拾い上げて小説の題材とされている方もいらっしゃるのです。

どのような時代にあっても、報道機関やジャーナリストとは別に小説などの表現方法で“声なき声”を拾い上げて私たちに提供していただけることは、歴史や現実を理解するうえでとても貴重だと思うのです。


 
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2017年11月11日
プロジェクト管理と日常生活 No.514 『侮れないサイバー攻撃リスク!』

9月13日(水)放送のニュース(NHK総合テレビ)でサイバー攻撃のリスクについて取り上げていたのでご紹介します。

 

今年5月、世界を衝撃的なニュースが駆け巡りました。

イギリス各地の病院で突如コンピューターシステムが動かなくなる障害が発生し、救急患者を受け入れられない事態に陥ったのです。

同じ頃、インドネシアの病院では診察を管理するシステムがマヒし、多くの患者が足止めになりました。

ウクライナでは原子力発電所の放射線計測システムなどにトラブルが発生しました。

ウイルスはいずれも同じタイプで、攻撃対象のデータを勝手に暗号化し、元に戻す見返りに金銭を求める身代金要求型でした。

被害は国内でもありました。

自動車工場の操業がストップ、外食チェーンでは電子マネーが使えなくなるなど、600ヵ所以上に及びました。

これらは全てコンピューターウイルスを使ったサイバー攻撃によるものでした。

 

影響はなぜここまで広がったのでしょうか。

被害を受けた企業の一つ、日立製作所がNHKの取材に応じました。

日立は鉄道や発電所など、全国でインフラのシステムを手掛けています。

日本を代表するメーカーでさえもウイルスの侵入を許し、一部の製品の取り引きが出来なくなりました。

サイバー攻撃への対応にあたったIT事業本部の中島 透さんは、ウイルスの広がり方は日立にとっても想定外だったといいます。

中島さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「対策もとっていたわけですけども、脅威のかたちが従前とは随分変化しておりますので・・・」

 

日立の最初の感染源はドイツのグループ会社の工場内にありました。

コンピューターではなく、外部のインターネットからは隔離された検査機器でした。

社内のネットワークを経由してウイルスに感染してしまったのです。

更に、一度侵入したウイルスは周りのコンピューターの弱点を探して次々に増殖し、日立の国内外のネットワーク全体に広がっていきました。

今回の被害でセキュリティ対策の不十分さを思い知らされたといいます。

中島さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「新しいもの(ウイルス)がどんどん出てくる、攻撃も新しくなる、認識を新たにしたのが正直な感想でございます。」

 

専門家は“ウイルスの侵入を完全に防ぐことは出来ない”ことを前提に対策を進めることが日本企業の喫緊の課題だと指摘しています。

情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所の井上 大介さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「日本の組織の場合、セキュリティ対策技術を導入して、そこで安心してしまうことが多いんですけども、事故が起こった時にどう対処すればいいか、どういう動き方をすればいいのかというような実践的な演習が更に必要になってくると思います。」

 

世界各地から日本に向かってくるサイバー攻撃と見られる通信は、昨年1年間で約1280億件といいます。(2016年 情報通信研究機構調べ)

3年後の東京オリンピックに向けて、更に増えることが懸念されています。

 

サイバー攻撃への備えを急がなければならない日本の企業が今イスラエルに急接近を図っています。

パソコンを乗っ取り、機密情報を盗み出したり、システムの誤作動を引き起こしたりするコンピューターウイルス、中東イスラエルからサイバー攻撃への対策用に提供されたものを使って行われる企業向けの訓練、大手印刷会社、大日本印刷が新たな事業として乗り出しています。

企業にアドバイスする講師たちはイスラエルで学び、専門の資格を取得しています。

常務執行役員の竹本 守弘さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「最新の攻撃に対しての対応策という意味で、イスラエルの技術、仕組みは非常に競争力があると判断しました。」

 

“サイバー攻撃対策をイスラエルに学べ”、今日本企業の動きが加速しています。

イスラエルは敵対する周辺国や武装組織と衝突を繰り返してきました。

戦闘の領域は今やサイバー空間にも広がり、発電所などのインフラ施設は日常的にサイバー攻撃にさらされています。

そこで世界有数の技術が培われたのです。

日本の大手印刷会社が提携しているIAI社は、軍需製品分野でイスラエル最大の企業です。

軍に収めているのは、戦闘機やミサイルなどの装備品、更にサイバー攻撃から防御するためのシステムも開発、軍事技術を転用し、海外への輸出に乗り出しているのです。

IAI社のエスティ・ペシン副社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「イスラエルは常に攻撃にさらされる中、問題解決を迫られてきました。」

「我々は日本にも非常に良い環境を提供出来ると思っています。」

 

イスラエル政府によると、国内には軍や諜報機関の出身者が設立したサイバーセキュリティ企業が400社を数えます。

その一つ、サイバージム社では企業向けにサイバー攻撃対策の訓練を行っています。

攻撃を仕掛けるハッカー役はサイバー空間での多くの実践経験があります。

こうしたハッカー役の中には、イスラエル軍と連携して機密性の高い仕事も行っている人もいるといいます。

 

サイバー攻撃で被害を受けた日立では、ここでの訓練に社員を次々に派遣しています。

ある日行われたのは発電所へのサイバー攻撃を想定した訓点です。

特徴は、実際にコンピューターウイルスを使うことです。

日本のように訓練用に作った模擬的なウイルスではありません。

停電した後、給水システムが混乱、水が溢れ出し、ボイラーは空焚き状態に、そして装置は緊急停止、参加者にはシナリオを伝えません。

ウイルス侵入への臨機応変の対処を学んでもらうためです。

この訓練に参加した一人は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「実環境に本当に模した環境を作っています。」

「組織的に対応する方法を学ぶことが出来たことが非常に有効な点だったと思います。」

 

イスラエルで得たノウハウを日立では国内に持ち込もうとしています。

日立は重要インフラ向けのサイバーセキュリティの訓練施設を茨城県に造ったのです。

イスラエルの企業のアドバイスも参考に、8月末に開設し、社員向け訓練を始めています。

日本中のインフラシステムを担う日立、今後は訓練を国内の他の企業にも広げていきたいと考えています。

制御セキュリティ戦略部の花見 英樹さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「我々も経験を積んでいきたいと思っていますし、それを日本の重要インフラのお客さんにきちっと提供するということをやっていきたいと思っています。」

 

この番組を取材したNHK経済部の野上 大輔記者は、番組の最後に次のようにおっしゃっています。

「イスラエルは国の存亡を賭けた厳しい情勢によって、結果的にサイバー先進国になりましたが、こうした危機は中東に限った話ではありません。」

「アメリカ政府は北朝鮮政府のハッカー集団が世界各地で金融機関や重要なインフラなどを狙ってサイバー攻撃を仕掛けていると警告しています。」

「周辺国が国家の軍事的、戦略的な目標のためにサイバー攻撃を続けることを想定して、日本も身近な脅威として捉えることが重要です。」

「(発電所や病院などへの被害を見ると、実際に私たちの生活にも影響が出てきそうだが、こうしたサイバー攻撃に日本はどのように対処すれはいいかという問いに対して、)サイバーセキュリティの世界では、“攻撃側の成功率は100%”、つまり防ぐことは出来ないと考えるべきだというのが今や常識になっています。」

「日本の企業は、ITに関する技術はあってもサイバー攻撃への対策についてはコストと捉えがちで、経営問題に直結する投資だという意識が低いという国の調査もあるのです。」

「国もサイバー人材の育成を掲げていますが、知識や技術だけではない、マニュアル対応からの脱却がキーワードとなりそうです。」

「今回日立が学んだように、サイバー攻撃を自らの危機と捉えていかに実践的な対応が出来る人材を育成していけるかが企業の競争力やひいては私たちの暮らしに大きく係わってくると思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず、番組を通して感じられることは、サイバー攻撃は今や陸海空に新たに加わった戦闘領域と言えることです。

ちなみに、もう一つの新しい戦闘領域は宇宙空間です。

そして、サイバー攻撃が他の戦闘領域と異なるのは、戦闘時のみならず日常生活においても常に危険にさらされており、実際に個人や企業、あるいは政府機関などが被害に遭っても攻撃者の特定が非常に難しいことです。

実際に北朝鮮のサイバー攻撃部隊と思われる組織がサイバー攻撃により核・ミサイル開発用の資金集めをしているという報道がなされていますが、はっきりとした証拠はつかめていないようです。

ですから、サイバー攻撃は“見えない戦争”と言えなくもないと思います。

更に、サイバー攻撃は陸海空、あるいは宇宙での戦闘能力を大幅に削ぐだけのパワーを持っていることです。

なぜならば、現在の兵器や部隊間の連絡網など、兵力のインフラの多くはコンピューターなどの電子機器に依存しているからです。

 

更に、“攻撃側の成功率は100%”、“ウイルスの侵入を完全に防ぐことは出来ない”との専門家の指摘が重くのしかかってきます。

ですから、特に政府機関や企業のトップに求められるのは“サイバー攻撃への対策はコストではなくる投資と捉える”という意識変革です。

勿論、一般ユーザーも例外ではありません。

サイバー攻撃により、パソコンやスマホが使えなくなったり、個人データが盗まれたりというリスクに常にさらされています。

 

では、サイバー攻撃へのリスク対応策として、どのようなことを実施すればいいのでしょうか。

大きく分けて2つ考えられます。

一つ目は、完全にサイバー攻撃を防ぐことは出来ないまでも、被害を最小限に食い止めるための最新のセキュリティソフトのインストールなどサイバー攻撃対策を継続的に実施することです。

そうはいってもやりサイバー攻撃の被害に遭ってしまうことが考えられます。

そこで実際に発生した被害対策として必要なのが二つ目のコンティンジェンシープランです。

具体的には、重要データのバックアップなどが挙げられます。

こうした2つの対応策を継続的にしっかりと実施していくことがあらゆる組織や個人において求められる時代になってしまったのです。

 

コンピューターやAI、ロボットなど、ITの進化は私たちの暮らしをとても便利にしてくれたり、企業の生産性向上に大きく寄与していますが、残念ながらサイバー攻撃という副作用ももたらしているのです。

そして、サイバー攻撃も一般的な犯罪がなくならないように、今後ともなくなることはないのです。


 
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2017年11月10日
アイデアよもやま話 No.3859 世界初の自動運転型ルアー!

8月14日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で世界初の自動運転型ルアーについて取り上げていたのでご紹介します。

 

今年建国150周年を迎えたカナダでイギリス文化を色濃く残す港町、ブリティッシュコロンビア州ビクトリアはカナダの中でも年間を通してサーモンなど海や川の幸が豊富に捕れる釣り人に人気の地域です。

 

このビクトリアで夢のような釣り具を開発したのは、eMinnowのスティーブ・タイCEOです。

起業家のスティーブさんが3年かけて開発したのは世界初の自動運転型ルアー(擬餌針)

「ロボルアー」です。

水深約2.5mまで潜ることが出来るといいます。

「ロボルアー」は水の中に入れると自動的に泳ぎ出し、小魚を食べるサーモンやブラックバスなどを誘います。

“カチカチ”という音が好きな魚が多く、この音で魚を引き寄せます。

また水面に浮くタイプは死にかけた魚に見せかける演技派の「ロボルアー」です。

ボタン電池2個で最大5時間全自動で泳ぎ続けます。

この「ロボルアー」の開発のきっかけはについて、スティーブさんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「実は生きた小魚を餌として使う釣りが欧州やカナダで禁止されている。」

「アメリカでも禁止する地域が拡大している。」

 

開発者のスティーブさんのもとには「ロボルアー」で「大物が釣れた」という便りが続々と寄せられているといいます。

スティーブさんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「これは全く新しい21世紀のルアーです。」

「釣り人なら一度は試す価値がある。」

「道具入れに最低一つは入れて欲しい。」

 

「ロボルアー」の価格は22ドル〜(約2400円〜)で世界31ヵ国から問い合わせが来ているそうです。

一つ一つ手塗りでリアルに仕上げているといいます。

 

なお、スティーブさんは他にも開発中だそうで、深海で使える大型の「ロボルアー」を来年発売予定ということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

以前、“鑑賞魚ロボット”についてご紹介したことがありますが、(No.3780 ちょっと一休み その607 『まるで生きているような”鑑賞魚ロボット”!』を参照)

こちらはちょっと高額でしかも泳げるだけのスペースも必要なので、それほどの普及は期待出来ません。

ところが、今回ご紹介した「ロボルアー」はほとんど釣りの経験がなくても誰でも魚を容易に釣ることが出来そうです。

しかも価格もそれほど高くないので誰でも購入しやすいです。

また、かたちも比較的小さいので自宅に置けるような小さい水槽でも“鑑賞魚ロボット”としての楽しみも期待出来そうです。

更に、生きた小魚を餌として使う釣りの代わりにもなるので、その分お金がかかりません。

ということで、今回ご紹介した「ロボルアー」が日本でも発売されれば、かなりの引き合いが期待出来そうです。


 
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2017年11月09日
アイデアよもやま話 No.3856 新たな輸出産業 ー 体育授業!

前回は韓国の企業が開発した、遊びながら学べる電子ブロックについてご紹介しましたが日本の企業も負けてはいません。

8月14日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で体育授業という新たな輸出産業について取り上げていたのでご紹介します。

 

日本でアジアの新興国などに向けた新たな輸出産業が興りつつあります。

それが教育です。

スポーツ用品大手のミズノが独自に開発したプログラムが今ベトナム全国の公立小学校で正式に採用される可能性が高まっています。

およそ1万5000校が対象となる巨大ビジネス、日本企業はチャンスを生かせるのでしょうか。

 

ベトナム中部の都市、ダナンは経済の発展が著しいベトナム第三の都市で、ビーチリゾートとしても人気で今開発ラッシュに沸いています。

そんなダナン市にある公立のチャン バン オン小学校ではロケット型の風船を投げて遊んでいる生徒たちがいます。

一方、ハードルのようなもので遊んでいる生徒たちもいます。

子どもたちを夢中にさせるこの道具は全てミズノで開発したものです。

遊ぶ子どもの傍らにはミズノでアジア営業を8年担当している森井 征五さんがおります。

ベトナムでのビジネス拡大を目指しています。

森井さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ミズノが独自に開発した運動遊びプログラムです。」

「手狭な場所でも簡単な安全性のある用具を使って子どもたちが笑いながら運動遊びを覚えられる。」

 

これらはミズノが5年前の2012年に開発した小学生向け体育プログラム「ヘキサスロン」で、スポーツの基本的な動きが身につくといいます。

例えばエアロケットが育てるのは「投げる」動き、またハードルは「走る」と「跳ぶ」、そしてエアロディスクは身体全体を「回す」運動です。

この「ヘキサスロン」をミズノは今ベトナムで広めようとしているのです。

 

その背景は子どもたちの運動不足です。

子どもの肥満が深刻化しているベトナムでは食生活の変化もあり、首都ハノイでは小学生の約4割が「やや肥満」以上のデータもあります。(ベトナム保健省 2011年調べ)

しかし、ほとんどの小学校には運動場がありません。

体育をするのは石畳の上などです。

なので授業の内容は柔軟体操のようなものやその場で走る動きをする程度で運動不足は深刻な問題なのです。

なので限られた空間でも運動が出来る「ヘキサスロン」ならベトナムで売れると考えたのです。

これまでの実験ではベトナムの体育の授業と比べて運動量が約2倍になるという結果が出ました。

「ヘキサスロン」での授業を観ていたある男性教師は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ベトナムで普段やっている体育の授業より運動量が多いね。」

 

また、別の女性教師は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「興味を沸かせてくれる内容だし、なにより道具が斬新で面白いわ。」

 

道具だけではありません。

「ヘキサスロン」の指導者向け説明書もあります。

道具と授業の進め方をセットで売り込もうと考えています。

森井さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「来年にベトナムで改定される学習指導要領に正式に導入していただいて、その上で義務教育に「ヘキサスロン」を導入してベトナム全土に広げていくと。」

「行政のトップから全国の小学校の教師の方々にまで全ての方に共鳴いただいてこれを進めていきたいと。」

 

ベトナム全国の公立小学校約1万5000校に「ヘキサスロン」を採用してもらおうというのです。

ある日、「ヘキサスロン」の効果を現地教師たちに実感してもらうための講習会が開かれました。

ロケット型の風船「エアロケット」はいい加減な投げ方だとうまく飛びません。

まっすぐ飛ばすには正しい投げ方が必要なのです。

教師たちもそれを実感出来たようです。

森井さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「必ず正式導入すると。」

「ラストスパートしたいと思います。」

 

ベトナムへの売り込みは勝負の時を迎えていました。

舞台は日本、バスから降りてきたのはミズノの森井さん、そしてベトナム政府の関係者です。

森井さんが「ヘキサスロン」を導入した奈良県の香久山小学校を見てもらおうと日本に招いたのです。

授業を見に来たベトナム教育訓練省のチャン・ディン・トワン局長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「とにかく運動をさせたいんだ。」

 

「生徒たちが受け身ではなく主体的に取り組んでいて効果的な授業だと思いました。」

「個人的には(ベトナムの義務教育に)採用する可能性は高いと思います。」

 

仮にこの「ヘキサスロン」がベトナム全国で導入されれば、売り上げは数十億円規模、更に「ミズノ」というブランドをベトナムに浸透させる効果もあります。

森井さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「初等教育で「ヘキサスロン」を導入させていただいて、そしてスポーツ、サッカーとかバトミントンが盛んなんですよ。」

「これを一気通貫でミズノとしてベトナムで商売をやりたいと。」

 

教育コンテンツは日本企業に新たなチャンスをもたらすのでしょうか。

 

番組コメンテーターでみずほ総研のチーフエコノミスト、高田 創さんは、次のようにおっしゃっています。

「(ミズノがベトナムに狙いを定める理由について、)一つはベトナムが経済発展で中間層が非常に増えているところだと思うんですよね。」

「それに加えてベトナムが非常に教育に熱心だという国民性があることだと思うんですね。」

「(アジアにおける消費支出の占める教育費の割合でベトナムが一番高いというように)それだけ教育熱心だっていう部分があるんだろうと思うんですよね。」

「そうなりますと、そういったところに需要を見つけてっていうことは当然出てくると思うんですよね。」

「(日本におけるベトナム留学生数でも中国がずっと多かったのですが、ベトナムは2014年から)急速に増え今や(中国に次いで)2位になっていますよね。」

「ですから非常に親日っていうこともありますし、また日本からベトナムに戻って日本の文化を伝えていこうかとか、そういう意味での循環というのでしょうか、また日本語熱も強いですよね。」

「(課題はあるかという問いに対して、)まだまだ外資の受け入れには慎重な部分てあると思うんですよね」

「そうしますと、政府の受け入れを得られるような努力が必要になってくるということじゃないでしょうかね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

先進国、日本には今回ご紹介した体育授業のようにまだまだ途上国にとってとても有意義なツールやサービスを提供している企業があるのです。

ですから、こうしたツールやサービスについて海外諸国の政府関係者に知ってもらうためのワンストップ窓口を設けることは日本の企業の活動の場を広げる意味でとても重要だと思います。

また、こうした動きが広がり、その実績が企業に知れ渡れば、新たに途上国向けの商品開発に乗り出す企業も現れてくると期待出来ます。

 

最近、インバウンド(海外からの観光客)を対象とした観光事業が新たな成長産業として注目されていますが、国内の優れた商品を海外に効率的に売り込む動きも日本経済の活性化にとってとても効果的だと思います。

 

そういう意味で、今回ご紹介したミズノがベトナムで売り込んでいる体育授業のように、まず途上国の政府や自治体をターゲットとした商品の売り込みを一企業だけでなく、国が積極的に支援するかたちで進めることはとても有効だと思うのです。

その場合、勿論日本国内の学校でも有効と思われるものについては実際に学校で試行して効果を確認することは言うまでもありません。


 
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2017年11月08日
アイデアよもやま話 No.3855 ブロックで遊びながら勉強!

8月11日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でブロックで遊びながらの勉強について取り上げていたのでご紹介します。

 

ブロックといえばレゴを連想しますが、「キューブロイド」と名付けられた韓国の電子ブロックは組み立てるといろいろな動きが出来ます。

アプリと連動していて、あらかじめその動きを決めれば、その指示通りに動きます。

どれくらい簡単なのか、実際に車輪2つを使ったクルマを番組スタッフがアプリで作ってみることにしました。

アプリで直進して左折するなどの動きをプログラミングします。

「キューブロイド」を開発した申 在光(シン ジュグァン)社長、開発のきっかけはロボット好きの娘の要望で配線がいらない簡単なロボットを作ろうとしたことでした。

その結果、ブロック同士が指示を出したり受けたりしながら動く電子ブロックの開発に至り、特許も取得しました。

 

なお、ブロックには以下のような種類があります。

マスターブロックは動きを制御し、ITを搭載した頭脳ともいえます。

また、モーターが付いたモーターブロックやセンサーを内蔵するセンサーブロックなどがあります。

申社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「センサーが、障害物があるとデータを送る、それをマスターブロックが分析してモーターブロックに指示し、後ろに進むなどする。」

 

プログラミング出来る電子ブロックは子供でも簡単に使えるようにと開発されたのです。

狙いは小学校への売り込みです。

実は、韓国では来年度から小中学校や高校でプログラミングの授業が必修化され、これはビジネスチャンスとにらんでいるのです。

「キューブロイド」を体験したある男子小学生は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今までプログラミングは難しいと思っていた。」

「やってみるとブロックだから分かりやすい。」

 

「キューブロイド」は12個のブロックがセットで価格は約1万3000円といいます。

韓国国内の教育現場の他、来年以降は大きな展開を狙っています。

申社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「日本、アメリカ、イギリス、中国などの市場を開拓したい。」

「レゴのようにワールドトイにするのが夢。」

 

なお、ディズニー映画の「ベイマックス」を観ていた申社長の娘が磁石でくっついて合体して動くようなロボットを観て「これ欲しい」と言ったのがきっかけで作り始めたといいます。

 

アプリでの動きは単純なもので小学生向けとなっていますが、パソコン上でも同じようにプログラム出来て、これは難易度が高く学習レベルに合わせて中学生や高校生向けに変えられるといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これからは製造業やサービス業などあらゆる産業がAIやロボット、あるいはIoTなどの活用を前提としたものへと間違いなく変わっていきます。

そして、こうしたITはプログラムがベースで成り立っているのです。

ですから、子どもの頃の基礎教育でITを学んでおくことはとても大切になります。

こうした意味で、今回ご紹介した「キューブロイド」のように小さい子どもでも遊びながらプログラムの基礎を学べる電子ブロックは子供のうちからプログラムの基礎を身に付ける上でとても重要です。

 

また、技術革新のとても速い現在においては、必要とされるITもどんどん変化していきます。

ですから、プログラムに限らずこうしたITの変化を踏まえたAIやロボットなどの基礎技術や創造的な能力を小さい頃から遊びながら学べるおもちゃは将来の国の産業を支えるうえでとても重要な存在となり得るのです。


 
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2017年11月07日
アイデアよもやま話 No.3854 MITメディアラボのトップが語る“反専門分野主義”の重要性!

8月11日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でMITメディアラボのトップへのインタビューについて取り上げていました。

そこで、番組を通してMITメディアラボのトップが語る“反専門分野主義”の重要性についてご紹介します。

 

白熱電球を開発したことで知られる世界的発明家のトーマス・エジソンは今から100年前に蓄音機も発明しました。

当初、エジソンは蓄音機を人の声を録音する装置として想定していたそうです。

ところが、エルドリッチ・ジョンソンは蓄音機で音楽を録音して人々に聴かせることをビジネスにしようと思いつきました。

成功したジョンソンはその後ビクターレコードの前身となる会社を立ち上げるまでに至りました。

つまり、蓄音機を発明したエジソンはそれが巨大な音楽産業を生み出すとは想像もしていなかったのです。

このように最新の技術をどうやってビジネスに生かすかは昔から非常に難しい課題でした。

 

そうした課題に取り組んでいる施設がアメリカにあります。

マサチューセッツ工科大学にあるMITメディアラボという世界最高峰の研究所です。

MITメディアラボには、企業から来た研究者や学生など約700人が所属し、最先端の研究に没頭しています。

こちらの研究所のトップを務めているのが伊藤 穣一さん(51歳)です。

伊藤さんは1993年頃、自宅の風呂場に日本初のインターネットプロバイダーを作り上げました。

インターネット初期の頃からその可能性に注目してきたのです。

伊藤さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「企業もそうなんですが、みんな自分の分野が決まっていて、その分野の範囲内で研究を行うんですけども、メディアラボというのは一緒にコラボレーション出来ないような人たちをコラボレートさせるというのが研究のテーマの特徴だと思います。」

 

MITメディアラボは、異なる分野の専門家たちに共同で研究させているのが特徴なのです。

例えば、半導体の研究者と脳科学の専門家、あるいは生物学とエレクトロニクス、デザイナーと科学者の組み合わせなど、通常では交わらない分野の専門家が一緒に研究をしています。

 

今日本企業が最も注目するMITメディアラボの所長、伊藤さんに番組は単独インタビューをしました。

以下はその内容です。

「(いろんなつながりをアレンジするのがMITメディアラボの狙いなのかという問いに対して、)うちは英語でanti-disciplinary(反専門分野主義)と呼んでいるんだけども、“分野にはまらないこと”を常にやっているんで大体は自分の分野にフォーカスすると。」

「そうするとそこの中で答えが出るようなイノベーションは起きるけれどもつながるようなものは出てこない。」

「「カギを無くした時には必ず電灯の下を探す」と言うんだけど、要は明るい所しか探さない。」

「でもほとんど暗いんだよね。」

「で、その暗闇の中に実はカギはいっぱい落ちていて、僕たちはその間(暗闇)の所を探す。」

「そうすると結構簡単に役に立つものが見つかるんですよね。」

 

「(東芝メモリーから来ている方が脳の神経細胞の研究をなさっていますが、半導体メモリーを作っている方がどうしてそんな研究をしているのかという問いに対して、)インターネットもそうだったんだけども、すごい光ファイバーが出てきた時に「何に使うの?」と言われて、一生懸命その使い道を探して歩いていたのと同じで「こんなメモリー使って誰が使うの?」と言われて、いや脳の研究には必要なのだというのでコラボレーションを始めて。」

「その技術を見たことによって、自分の事業はこんなに変わるんだろうなというヒントになるものも結構ある。」

 

伊藤さんは7月に出版した著書「9プリンシプルズ」の中で、「ある技術に一番近いところにいる人々こそその最終的な用途を一番予測出来ないらしい」と記しています。

「(このことについて、)作っている本人も(使い道を)理解出来ない話も沢山あると思うし、昔なら自分の分野にだけ集中していれば良かったんだけど、今だったら世の中がどうなっているのかとか環境問題とかそういう自分の専門分野以外も少し理解しながら・・・」

 

「(ご自身はどういうふうに新しいものと接しようとしているのかという問いに対して、)例えば、先週アメリカインディアンのおばあちゃんと話をしていて、“違う意見を持つ人”とか“会ったことがないタイプの人たち”と会って、世界の原住民の文化やしきたりの中にいろんな環境問題の重要なヒントがあるので。」

「例えば、アメリカインディアンはサーモンの捕り過ぎにどうやって昔からやってきただとか、そういう人たちからもいろんな先端ではないけれども我々の社会のデザインに必要なヒントは沢山あるので、なるべくいろんな人と話すのはとても楽しいです。」

 

「(人間のこれからの生活をガラリと変えるものは何かという問いに対して、)僕はバイオだと思います。」

「例えば、目が悪かったらロボットの目を入れるのか、遺伝子治療で目に新しい細胞を入れるのか、いろんな治療の仕方とかプロダクトの作り方が出来てくると思うんで、デザイナーというのはバイオも知らなくてはいけないし、デジタルも知らなくてはいけない。」

 

「(イノベーションするにあたって、日本に必要なものは何かという問いに対して、)日本の文化とかデザインというのはすごく優れていて「数字で測れれるものはつまらないもの」と僕らは思っていて、結局一番楽しいものは数字で測れないもの、喜びだとかクリエイティビティ(創造性)とかで、自然と上手に平和な社会を作るソーシャルシステムと美学が何となく日本で生まれるような気がして。」

「これは必ず他の国でも必要になってくると思うので、(日本は)それのリーダーになれるかなと。」

 

なお、MITメディアラボのスポンサー企業は世界で80社以上、企業から提供される資金は年間約70億円に上ります。

 

番組コメンテーターでA.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんは、伊藤さんのことをよくご存じで次のようにおっしゃっています。

「(伊藤さんは、)起業家であったり、ベンチャーキャピタリスト(投資家)であると同時にナイトクラブを立ち上げてそのDJをやられていたこともあると。」

「だから超幅が広くて、本当にチャーミングな方ですよね。」

「(まさに反専門分野主義を体現なさっている方ではという問いに対して、)その通りですね。」

「で、経済学者のシュンペーターがイノベーションのことを“新結合”って呼んでいたんですね。」

「一見関連なさそうな複数の事象を重ね合わせて思考するという話です。」

「一方、科学はどんどん専門分化が進んでいて、深くはなっていくんだけども狭くなっていくんですよね。」

「で、狭いサイロの中で“新結合”の余地ってどんどん小さくなっていくとも言える。」

「だからこそこの反専門分野主義はとても大きな威力を発揮するということだと思います。」

「なのでこのイノベーションを誘発する環境づくりということで、いろんな方がいろんなことをトライをしているんですけど、共通して言われているのは、一つはやっぱり研究者に高い自由度を与えると同時に共同を促すような双発の環境を作るとか、あるいはそこにいる人たちの多様性を高めていくとか。」

「それから、伊藤さんも言っていますけどラボの中で足りないノウハウはどんどん外のネットワークとつながって外から引っ張ってくるとか、まずということを自由自在に出来るところがイノベーションのパワーが大きくなると。」

「で、そうは言うもののもう一つとても大事だなと思うのは、伊藤さんのような、あるいは創設者のネグロ・ポンテさんのような本当に高いアンテナと広い視野を持っていて、次にどんなテーマが来るのか、あるいはどんな才能が現れるのかっていうのをちゃんと捕まえてそれを引っ張り込むというような目利きの出来るディレクターがいるかどうか、これはやはり決定的かなという気はします。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通してまず感じたことは、世界的な大発明家、エジソンと言えども自身の発明した蓄音機の持つビジネスとしての大きな可能性についてまでは気づくことがなかったということです。

もし、エジソンが蓄音機というモノとそれの持つビジネスの可能性について徹底的に検討していれば、きっと音楽を録音して人々に聴かせるレコードのようなモノも発明家、エジソンの手によって商品化されていたはずです。

そこで思い出されるのは、これまで何度も繰り返しお伝えしてきた「アイデアは既存の要素の組み合わせてある」という言葉です。

そして、経済学者のシュンペーターがイノベーションのことを“新結合”と呼んでいたことを番組で初めて知りましたが、この言葉はまさにこの“新結合”、すなわちイノベーションに通じると思います

 

では、イノベーションをより多く生み出すためにはどのような要件が必要かと言うと、一言で言えばそれは“多様性”だと思います。

具体的には以下のような内容です。

・国家機密など一部の例外を除いたあらゆる情報の公開

・そうした情報に基づいた個人、あるいは組織の思考の自由

・個人間、あるいは組織間、企業間、あるいはこうした全ての組み合わせによるコラボレーション

 

なお、こうした要件に加えて、今後の方向性を見定めて、その方向性に沿った目標を設定し、こうした“多様性”を十分に生かした最適な組み合わせのチームを編成し、その目標を達成出来るような優れたディレクターの存在もとても重要になってくると思われます。

そして、こうしたディレクターの頂点こそ国家の最高指導者、すなわち日本で言えば内閣総理大臣であるべきだと思うのです。


 
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2017年11月06日
アイデアよもやま話 No.3848 画期的なフィンテックサービス「VALU」!

フィンテックについては以前アイデアよもやま話 No.3554 フィンテックで変わる私たちの暮らし!などでご紹介したことがあります。

そうした中、8月21日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で画期的なフィンテックサービスについて取り上げていたのでご紹介します。

 

個人が企業と同じように株式のようなものを発行して資金を集めることが出来るという新しいサービス「VALU」には既に1万5000人以上が上場しているといいます。

中には有名人もいて、例えばライブドアの元社長、堀江 貴文さんも上場しており、その時価総額は26億円以上といいます。

今年7月に堀江さんが出資する観測用の宇宙ロケットの打ち上げが発表されると、時価総額はおよそ2倍に急上昇、しかしロケットの打ち上げに失敗すると価格は2割ほど下がりました。

画家など資金が必要な個人は自身のVALUを売ることで、簡単にビットコインのかたちで資金調達が出来ます。

一方、VALUを買った人もその人物が有名になればVALUの価格が上がり、利益を得られます。

VALUはビットコインを使って他のユーザーと自由に売買することが出来ます。

VALUの売り出し価格や発行数はフェイスブックなどの“友達数”によって自動で算出されます。

 

更に、VALUには別な楽しみ方があるといいます。

例えば、将来有望と思われる画家のVALUを購入すると、株主優待のように画家の作業場を訪問して、直接その画家から作品の説明を受けられたり、オリジナルのポストカードをもらえたりするケースがあるのです。

こうした優待を設けるかは自由ですが、VALUの人気に直結するため、多くの発行者が活用しています。

 

さて、この「VALU」を今年6月にスタートした株式会社VALUの代表、小川 晃平さんは、「VALU」を始める前はフリーのエンジニアだったといいます。

どうしてこのようなサービスを始めたのかについて、小川さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「僕自身が元々あるIT企業で働いていたんですね。」

「その会社を辞めてフリーランスになったんですよ。」

「その瞬間に社会的保障とか社会的ステータスというのが下がってしまった。」

「例えば、クレジットカードの限度額は学生並みに戻ってしまったりとか、そういったものをどうにか解決出来ないかなと思って、こういったサービスを始めさせていただきました。」

 

また、「VALU」の立ち上げにも係わったという堀江さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(先ほどのロケットの打ち上げに関連して価格が上下したことついて)マスコミにすごい僕が取り上げられると、多分VALUの価格も上がるんですよ。」

「面白いでしょ。」

「値動きは株式市場とすごく似てますね。」

「「VALU」みたいなサービスが始まることによって多分実感したと思うんですよね。」

「本来あなたたち(個人)はこれぐらいの資金調達能力があったにもかかわらず、規制とか一部の既得権を持っている人たちがそれを牛耳っていたわけですよ。」

「テクノロジーがそこから解放してくれてるっていう。」

「僕らの界隈のIT業界の人たちは本当に「インターネットの黎明期を感じるよね」ってみんな口をそろえて言ってますね。」

「だからある意味、全ての仕組みが変わるんじゃないですか。」

 

堀江さんは、「VALU」の登場で今後個人の資金調達に大きな変化が生じると強調します。

 

一方、この仮想株式「VALU」にはある欠点があります。

番組放送の1週間前にある大問題が起きて議論を呼んでいます。

人気ユーチューバーの集団が大騒動を起こしました。

VALUを発行したばかりのユーチューバーがツイッターで「面白いことを企画している」などと発言したところ、何か特別な優待が付くのではとファンなどの期待が高まり、VALUの価格が急上昇しました。

しかし、このユーチューバーたちはそこで自身が所有するVALUを全て売り抜き、価格が大暴落しました。

含み損を抱えた多くのユーザーからは「何もかも消し飛んだ」という声や「他人の信用を踏みにじった卑劣な行為」だという強い非難が相次ぎました。

今回の騒動で数千万円の利益を得たというユーチューバーたちは払い戻しに応じると発表しましたが、全額返金出来るかは不透明です。

実はVALUの取引は現金ではなく全てビットコインのため、金融商品取引法などの対象とならず、相場操縦やインサイダー取引などの被害からユーザーを保護する規制がありません。

 

「VALU」は今回の騒動を受け、「利用者保護を最優先に考え、新たなルール作りを進める」と発表しました。

「VALU」の広がりについて、麻生財務兼金融担当大臣は8月15日に総理官邸で次のように見解を述べております。

「ファイナンシャルテクノロジーの一商品として育てるべきなのか、ちゃんと育っていくのか、投機の対象となるのか、とかいろいろなことを考えなけりゃいかんですから、これは「消費者保護」と「新しいものを育てる」というところと両方考えにゃいかんと。」

 

日本初のサービスですが、個人を救うのか、それとも時代のあだ花か、真価が問われるのはこれからです。

 

番組のサブキャスター、大浜 平太郎さんは、次のようにおっしゃっています。

「まさに今までの常識とはちょっと違うことが始まっているということなんですけども、決定的に違うのは購入者が例えば議決権を持っているわけでもないし、配当をもらえるわけでもない。」

「いろんな意味で何らかの保護は必要だろうということなんですけども、現状では買う場合も売る場合も本名を公表して展開しているので、いろんな人のチェックが入るのでそれなりに抑止力もあるという面もあるということで、どの程度の仕組みにしていくかというのがルールを含めて。」

 

また、番組コメンテーターで学習院大学の伊藤 元重教授は、次のようにおっしゃっています。

「(賛否両論がある「VALU」の登場について、)ポイントは、テクノロジーが進んでくると、やはり今まで考えられない商品が出てくるのは事実なんですよ。」

「ですから、そういうことが社会を変えていくという意味ではこれ(「VALU」)にも可能性が随分あると。」

「ただ、10出て10全部良くなるかというと、残念ながらその中でちょっといろんな社会の中で荒波にもまれてみると問題が出てくるケースもあると。」

「ですから今の段階ではこれが持っている社会的価値と社会的なリスク、あるいは問題などをどのように判断していくかということだろうと思いますね。」

 

「(今後「VALU」が成長していくポイントは、ルール作りと納得感だという伊藤教授ですが、)マーケットが広がっていくためには、今1万人ぐらいですか、これがやっぱり10万人とか100万人とか、場合によっては国境を越えて広がっていかなきゃいけないわけですから、そうするとより多くの人が納得出来るようなルールが、誰が作るかという問題はあるんですけども、最終的に出来てくることが重要だと思うんですよね。」

「ちょっと皮肉な話なんですけど、先ほどのユーチューバーの人たちが起こした問題は、この段階で起きて良かった面もあるんだろうと思うんですよ。」

「つまり、早い段階でいろんな問題が外に出ることによってより良いルール作りが出来ると。」

「株式市場も過去何十年、いろんな問題が起きてそれに対応するために今のルールがあるわけですから、そういう意味でまさに社会の荒波にもまれて、これは増やすかどうかということは注目したいと思いますけどね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

個人が企業と同じように株式のようなものを発行して資金を集めることが出来る「VALU」のようなサービスが既に他の国で展開されているのかどうか分かりませんが、いずれにしても「VALU」は個人が何らかの活動をするうえで個人の価値をベースにした資金調達の手段として画期的なサービスだと思います。

 

そこで、「VALU」が今後とも健全に成長していく上での要件について、以下に量的、質的な要件、そして将来的な展望について私の思うところをお伝えします。

(量的な要件)

・現在、VALUの売り出し価格や発行数はフェイスブックなど単純に“友達数”によって自動で算出されているが、AI(人工知能)の活用により、ネット上のあらゆる情報を駆使してその分野での現在の評価や将来性など質的な側面も算出根拠に加えること

・これにより、これまで以上に「VALU」への登録者数の増加が期待出来ること

 

(質的な要件)

・番組でも紹介されていたように、「VALU」のプロバイダーは利用者保護を最優先に考え、新たなルール作りを進めること

・番組でも紹介されていたように、「消費者保護」と「新しいものを育てる」という両面から「VALU」に対する法的な検討を進めること

 

(将来的な展望)

・現在、「VALU」は有能な才能を持っている個人への資金調達というサービスを展開しているが、将来的にはその個人が進めようとしている事業などの対象に必要な人材、あるいは本格的な投資機関とのマッチングサービスを加えることにより、よりスピーディーに事業展開を進めることが出来ること

・こうした「VALU」の世界展開を図ることにより世界的な規模で新たな雇用創出にも貢献出来ること

 

こうしてみると、「VALU」はまだまだサービスが始まったばかりで、様々な問題や課題を抱えています。

しかし、考えてみれば既存の株式市場においてもインサイダー取引などの不正がいまだにマスコミに取り上げられているのが現状です。

そして、こうした不正を防止する取り組みがこれまで長い期間をかけて続けられてきたのです。

ですから、「VALU」も今後こうした改善を地道に図りながら展開していけばいいと思うのです。

 

私は、今回ご紹介した「VALU」が既存の株式市場が企業を資金調達の面で支援したり、あるいは企業のブランド価値を高めてきたように、優秀な、あるいは将来性のある個人の活動を資金調達、あるいは個人のブランド価値を高める上でとても貴重なサービスだと大いに期待しています。


 
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2017年11月05日
No.3852 ちょっと一休み その619 『高校生の開発したEVにみる発想の豊かさ!』

11月2日(木)に「東京モーターショー2017」に行ってきました。

そこで感じたことは、多くの自動車メーカーのEV(電気自動車)シフト、衝突防止などの安全機能を備えた自動運転車、そしてAI(人工知能)の活用です。

また、こうした自動車本体の機能とは別に、日本車のスタイルの進化が目に付きました。

特に、マツダのブースの展示車にはそのスタイルに魅了された多くの人たちが集まっていました。

勿論、私もこうした中の一人でした。

一方、ちょっと残念だったのは、国を挙げてEVの普及にまい進している中国のEVメーカー、およびアメリカのベンチャー企業でEVメーカーとしてとても熱心なテスラの自動車が展示されていなかったことです。

 

さて、今回ご紹介したいのは、こうした中にあって異彩を放っていた、愛知県立愛知総合工科高校(名古屋市千種区)の専攻科に在籍する5人の生徒が開発した超小型EVです。

この超小型EVは「折り畳む」という意味と従来の自動車の常識を壊す意味を込め「Collapse(コラプス)」と命名されました。

なお、このコンセプトは「私たちが思い描く未来の車社会」といいます。

具体的には、2050年を想像して今出来るものを詰め込んだのが「コラプス」なのです。

以下は、会場での開発メンバーの生徒からの説明、およびパンフレットや10月26日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)の情報などから得た「コラプス」の特徴です。

・製品企画から製作まで材料調達や資金調達なども含め、生徒が主体的に進めたこと

・開発期間:約1年半

・開発費用:約50万円(モーターなど企業による無償提供、および人件費を除く)

・車両重量:150kg(炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の車両による軽量化)

・大きさ:全長 2340mm 幅 1550mm 高さ 1300mm

・駐車時などは前後輪の間を起点に折り畳める構造で、全長約1600mmまで小型化可能

・乗車定員:2人

・フル充電までの時間:4時間

・航続距離:時速30kmで約300km

・ゲーム機のコントローラーによる運転操作(ハンドル無し)

 

それにしても、10代の生徒たちが超小型EVの開発をゼロから始めて1年半ほどで完成させたという事実から生徒たちの強烈な熱意が伝わってきます。

また、折りたためる構造の自動車など、既存の自動車メーカーでは考えられないような発想だと思います。

こうして生徒たちが主体的に開発を進めたことで、通常の授業からは得られないとても貴重な経験になったと思います。

 

さて、運転操作にゲーム機のコントローラーを使用している理由についてですが、ゆくゆくは自動運転車の開発を目指しているので運転操作方法にはこだわっていなかったそうです。

ですから、愛知県立愛知総合工科高校専攻科の生徒たちには是非今後とも自動運転車の開発を目指して若者らしい独創的なアイデアを駆使して取り組んでいただきたいと思います。

 

なお、開発チームは単に「コラプス」の開発のみならず、そのビジネスプランも考えました。

それは、自動運転機能を搭載したタクシーです。

タクシーが自分で乗客を探し、会話も出来るというアイデアです。

クルマづくりだけでなく、その活用方法も提案することで、これまで20社以上から合わせて約200万円の支援を受けました。

遅くとも今後5年〜10年以内にはこうしたタクシーが登場してくると思います。

こうしたタクシーの開発に「コラプス」開発メンバーの何人かが携わっているのではないでしょうか。


 
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2017年11月04日
プロジェクト管理と日常生活 No.513 『日産自動車の不正な完成検査から見えてくること』

ご存知のように各種報道記事によると、最近の日産自動車(日産)の自動運転技術や新型の電気自動車(EV)「リーフ」の登場など日産の活躍が目立つ中で、自動車の完成検査を補助検査員に任せていたという信じられないような不正が発覚してしまいました。

この検査は、社内で経験と研修を通った検査員が行わなければならず、日産では完成検査員と呼び、認定されたことを示すバッジを身に付けています。

 

ところが、9月18日、生産拠点の一つである日産車体湘南工場に立ち入った国土交通省(国交省)職員の指摘で、先ほどの不正が発覚したのです。

その後、国内6つの工場全てで行われ、5つの工場で資格を持たない補助検査員が完成検査を行い、検査書類に有資格者の印鑑を押していたことが判明しました。

国交省は、有資格者が検査を行ったかのように検査書類を偽装したとみています。

その結果、OEMの10車種も含め38車種で約116万台のリコール(回収・無償修理)を国交省に届けるまでに至りました。


日産は弁護士など第三者を含むチームをつくり、経緯や原因の解明を急いでいるといいます。

なお、驚くことに日産は問題の発覚後も不適切な検査を行っており、3万8000台余りについて10月25日に国交省にリコールを届け出ました。(10月25日放送のNHKニュースより)

 

さて、なぜこのような事態を招いてしまったのか、プロジェクト管理の観点から考えてみることにいたします。

自動車の生産工程全体をシステムとして捉えると、それぞれのプロセス(工程)の標準化が必要になります。

そして、標準化するためには、まずシステムに対するユーザー要求をまとめること、次にばらばらなユーザー要求をシステム要件としてまとめます。

そして、ユーザー要件をもとに生産プロセスをデザインします。

その上で、実際の生産はこのデザインされたプロセスに基づいて作業されます。

 

こうした一連のプロセスの観点からすると、今回の日産の不正な完成検査の起きた原因がどこにあったかを探ることが出来ます。

以下に原因の発生する可能性のあるプロセスをまとめてみました。

  1. ユーザー要求として完成検査の要件を把握していなかった

  2. ユーザー要求からユーザー要件としてまとめる時に漏らしてしまった

  3. ユーザー要件をもとに生産プロセスのデザイン段階で漏らしてしまった

  4. 生産プロセス標準マニュアルとして文書化する際に、漏らしてしまった

  5. 標準マニュアルに記述はあるが、実際の運用では形骸化されている

 

ここで原因として考えられる最も可能性のあるプロセスはイ世隼廚い泙后

いずれにしても、完成検査における要件、すなわち認定された完成検査員のみが検査を実施することが出来るという要件が生産プロセス全体の中で、組織としてほとんど重きが置かれていなかったことは明らかです。

 

次に、こうした不正を防ぐ最後の砦が第三者による社内監査です。

プロジェクト管理の一つにプロセス、あるいは成果物の品質管理があります。

そして、品質管理には大きく仲間内のピアレビューと第三者による監査があります。

第三者による監査とは、監査の対象と直接係わりがなく、またレビューの専門的知識を有するレビューアーによる監査であり、特に重要なプロセスや成果物を対象に実施されます。

 

そこで、自動車の完成検査はというと、自動車の生産プロセスの最終検査であり、まさに重要プロセスそのものです。

ですから、そもそも第三者の視点からどのようなプロセスで検査が行われるのか、そして何をもって検査完了と見なすのか、といったプロセスと検査完了を示す成果物とが標準マニュアルにきちんと記述されていること、そして検査が実際にこの記述通りに実施されていることをある周期で第三者が検査することが品質管理の常道なのです。

今回の不正の場合、完成検査は誰が実施すべきか、そして実際に誰が実施したのかという観点のチェックが実施されていれば、特別な専門知識がなくても容易に不正を指摘出来たのです。

 

日産の工場がこうした常道からかけ離れたプロセスを何年かにわたって実施してきたことにはとても驚きです。

実際には、世界的にも高品質の自動車が生産されているので、ほとんどのプロセスはきちんとした品質管理がなされていると思います。

しかし、今回ご紹介した不正行為は、例え例外的に発生したとしても百億円単位のリコール費用が発生するばかりか、企業イメージも大きく傷ついてしまいます。

ですから、こうした不正行為は結果的には高くついてしまうのです。

 

ということで、大変おこがましいとは思いなすが、日産にはきちんと品質管理の常道を歩むべく、例外なく全てのプロセスにわたって当たり前のことを当たり前にきちんと実施していただきたいと思います。


 
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2017年11月03日
アイデアよもやま話 No.3851 トランプ大統領を失脚させようとする意外なアイデア!

アメリカのトランプ大統領は、政権発足以前からツイッターなどで物議を醸す多くの情報を発信してきました。

また、その発言はアメリカの国内外を問わず、多くの影響を与えています。

そうした中、10月21日(土)放送の「上田晋也のサタデージャーナル」(TBSテレビ)でトランプ大統領を失脚させる意外なアイデアについて取り上げていたのでご紹介します。

 

なんとトランプ大統領の弾劾・罷免につながる情報には賞金1000万ドル(約11億円)を出す人が現れたのです。

10月15日、そのニュースはワシントンポストの一面広告で世界中に届けられました。

懸賞金を出してまでトランプ大統領を首にしたいのは、アメリカ出版界の大物、ラリー・フリントさんです。

フリントさんは、次のようにおっしゃっているといいます。

「トランプは核戦争を引き起こす可能性がある。」

「私は贅沢品やビジネスに1000万ドル使うことが出来るが、歴史上最もパワフルな馬鹿が世界を荒らしているのにそんなことは出来ない。」

 

フリントさんは、有力な情報が届けばすぐさま公表し、情報提供者に現金で報酬を渡すといいます。

トランプ大統領は全米から、いや全世界から“クビ”を狙われる事態となっているのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

トランプ大統領の実施している政策の全てが間違っているとは思いませんが、パリ協定(気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定)やTPP交渉からの離脱、あるいは白人至上主義の養護はこれまでの政権の努力を無にしてしまう、明らかに時代に逆行した政策だと思われます。

こうした多くの国民の期待を大幅に裏切るような政策を進める大統領など、国の指導者を失脚させ他の指導者に替える手段として以下のようなものがあります。

・次の選挙で他の党に投票する

・国会での弾劾・罷免

・スキャンダルの暴露

・暗殺

 

この中で、次の選挙までは時間がかかります。

また、暗殺は法律無視で言語道断の手段です。

そして、国会での弾劾・罷免も一定数以上の議員の賛同が必要となります。

そこで、スキャンダルの暴露は短期間のうちに決着出来る手段としてとても理にかなっています。

また、スキャンダルの情報提供者への賞金が約11億円と高額であれば、高額賞金につられて多くの情報提供者が出てくると期待出来ます。

ということで、その良し悪しはともかくとして、トランプ大統領を短期間に失脚させる手段として今回ご紹介したアイデアはとても効率的、かつ効果的だと思うのです。

ただし、こうしたスキャンダルの暴露もトランプ大統領に限らず例え政治家としての評価は低くても公私ともに精錬潔白な政治家に対しては功を奏しないことは言うまでもありません。


 
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2017年11月02日
アイデアよもやま話 No.3850 何でもドローン!

8月10日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で何でもドローンにしてしまう機器について取り上げていたのでご紹介します。

 

かたちは椅子ですが、4つのプロペラが付いている空飛ぶ椅子、商品名「なんでもドローン」(発売未定)が開発されました。

仕組みはいたって簡単で椅子にプロペラを装着したドローンなのです。

ですから、プロペラを取り付けられるモノなら何でも飛ばせるのです。

背もたれのある椅子ですと、取り付けるプロペラの高さが違うのでバランスが取れなくてうまく飛ばせないと思いますが、椅子の下に付けた装置でバランスを制御する工夫がなされているのです。

 

この装置を開発した、産業用ドローンの世界一を目指している株式会社プロドローン(PRODRONE)河野 雅一社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「運びたいモノをドローン化してしまおうじゃないかという発想で・・・」

 

今までの輸送手段は人が運んだり車で運んだりと、何かで何かを輸送するというかたちでしたが、それを運びたいモノそのものが飛んでいけば効率的ではないかということで開発されたのです。

現在、この装置は15kgのモノまでしか運べませんが、将来的には建設現場で重い資材を運べるようにしたいということです。

河野社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「人が乗ったら何も操作しないと。」

「行先の地図を指し示すだけで連れて行ってくれると。」

「人が乗れるドローン、パッセンジャードローンも出来るようになる。」

 

なお、人が乗れるドローンのイメージは、ドラえもんのタケコプターのようなもので人がしがみ付いて乗るようなものです。

ボタンを押すと、例えば災害時にこれに乗って避難所に向かうとか空での避難手段として考えられています。

まだ規制により人が乗ることは許可されていませんし、許可に関しては海外勢の方が先に出てしまうといいます。

ただ技術的には2年後の完成を目指すといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

どんなモノでもプロペラを付けるだけでドローンになってしまう「なんでもドローン」のアイデアはとても面白いと思います。

例えば、将来的に一人乗りのミニカーにプロペラを取り付けるだけでドローンになって空を飛べるようになったら、是非体験してみたいと思います。

ただ、課題として思い浮かぶのはドローンの騒音です。

以前、ドローンの操作を体験した時にその騒音の大きさがとても気になりました。

ですから、将来的なドローンの普及を考えると、安全性や操作性と同時にその騒音対策が必須になると思われます。


 
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2017年11月01日
アイデアよもやま話 No.3849 安倍政権の進める「人づくり革命」とは!

少子高齢化が進む日本においては、国民一人一人のアイデア力や生産性向上が増々求められる状況になります。

そうした中、8月8日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で安倍政権が進める「人づくり革命」について取り上げていたのでご紹介します。

 

「人づくり革命」を新たな政策の柱に据えると表明した安倍総理、「人づくり革命」に盛り込まれる主な具体策は以下の通りです。

・高等教育の無償化を含む教育機会の確保

・社会人の学び直し

・高齢者の活用を含む採用の多元化

・全世代型の社会保障改革

 

今回の内閣改造で茂木 敏充経済再生担当大臣はアベノミクスの司令塔として政府が目指すデフレ脱却や新たな看板政策である「人づくり革命」を担当します。

番組では、茂木大臣に単独インタービューをしました。

以下は、その内容です。

「(「人づくり革命」とは何なのかという問いに対して、)だんだん日本でも平均寿命が延びていくと、まさに人生100年時代を迎えますと、それに向けて国の仕組みや制度を変えていかなきゃならない、こういったことを担当することになります。」

「チャンスだと皆さんに思ってもらえるような改革をしっかり進めていきたい。」

「「自分にもチャンスが来た」、「自分にも活躍の舞台が出てきた」、「自分にもスポットが当たっている」、こういう社会をつくっていきたいと思っています。」

 

「(なぜ今「人づくり革命」が必要なのかという問いに対して、)例えば日本で今10歳の子どもたちは平均寿命でいいますとだいたい半分の子どもたちが107歳まで生きるということであります。」

「22歳から65歳まで43年間働いて、65歳から107歳までの42年間老後を過ごすと。」

「恐らくそういうライフプランでは成り立たないのではないかな・・・」

 

「(人生設計も変わるのかという問いに対して、)例えば新卒で一括採用して終身雇用で60歳代までその人にだけ働いてもらう、こういうリクルーティングだったりとか人事システムそのものがこういった時代の流れについていけない。」

 

「(解雇にも切り込むのかという問いに対して、)望まざる解雇はあってはいけないと思っておりまして、ただ人材が新しい分野に行けるような、いろんなスムーズな人材の移動が可能になるような仕組みはつくっていきたい。」

 

「(「人づくり革命」に必要な教育に関する支援、保障はどのような財源を考えているのかという問いに対して、)教育無償化などの財源については、一つは財政の効率化、二つ目に税、そして三つ目には新しい保険方式、これらを含めて安定的な財源を確保して進めていくということでありますから・・・」

 

「(「人づくり革命」は突き詰めると社会保障改革なのかという問いに対して、)人への投資というのは最終的に経済のパフォーマンスも上げることになりますから税収増にもつながっていくと。」

「「経済再生なくして財政健全化なし」、これが政府の基本的な方針でありますから。」

 

「(「人づくり革命」は何が結果でどこがゴールなのかという問いに対して、)いい質問なのですが、半年後にもう一度聞いてもらえたらいいお答えが出来るんじゃないかなと思います。」

 

なお、以前より人生100年時代を見据えた議論を進めてきた茂木大臣は、8月8日「人づくり革命」の具体策を検討する会議の名称を「人生100年時代構想会議」にすると発表しました。

 

番組コメンテーターでA.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんは、次のようにおっしゃっています。

「大臣がおっしゃっているとおり、これ(「人づくり革命」)は社会保障改革であると同時に、実は最大の経済成長戦略だと思います。」

「というのは、潜在成長性が低い中で人の生産性を上げていくというのは経済に対してのインパクトは大変大きいので、多くの人がいったい何歳まで働けるのか、それがどのくらい大きな価値をそれぞれの仕事でもたらせるのかっていうのは本当に大事なポイントだと思います。」

「一方、統計を見ると30歳以上(の社会人)で通学をしている人の率をOECD(経済協力開発機構)の踏査でみると、日本はなんと最低なんですね。」

「学位取得のために通学している人の率が1.6%で、これはOECD最低。」

「だからこそリカレント教育(学校を終え就職した後も、必要に応じて教育を受けること)を一気に盛り上げなければいけないということだと思います。」

「で、もう一つ気になるデータが同じ調査の中にあって、「新しいことを学ぶことが好きですか」という問いに対して、これは知的好奇心に対しての質問ですね、日本は韓国と並んで最低の回答なんです。」

「学ぶ意欲はあまりない。」

「実は数学的な思考力に関しては日本人は世界最高レベルなので現在の成績はいいんだが、でも新しいことを学ぶ意欲はとても低いと。」

「(この理由について、)恐らく新卒一括採用で終身雇用が「そういう社会だよね」って思っていた人が多いし、それから学校の教育もどちらかというと正解を求める詰め込み式の教育を小さい頃からやっているから、多分その影響なんじゃないかなと思います。」

「(そうすると国が「学び直しましょう」と言っても“故吹けど踊らず”にならないかという問いに対して、)そうなんです。」

「で、今回のリカレント教育は大人に対しての教育に見えるんですけど、実は学び直す意欲、知的好奇心ていつ養成されるかっていうと8歳くらいまでの幼児期が一番大事だって言われているんですね。」

「なので今回の施策は勿論大事なんだけれども、それと同時に国の教育全体を見直して子どもの頃から知的好奇心をもっともっと高めて一生学び続けられるような人を増やしていく教育を作ることも同じくらい大事なのかなというふうに考えます。」

「(そう考えると「人づくり革命」は人生後半の話だけではなく、人生全般にまたがる話なのではという問いに対して、)その通りです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず、安倍政権の掲げる「人づくり革命」に盛り込まれる主な具体策について異論はありません。

しかし、番組を通して日本においては現実的にはリカレント教育を受ける人の割合、および知的好奇心がとても少ないことが分かりました。

そして、梅澤さんのコメントされた、知的好奇心を養成するうえで一番大事な時期は8歳くらいまでの幼児期であることもとても気になるところです。

ですから少子高齢化を見据えたうえで、梅澤さんのおっしゃるように国の教育全体を見直して子どもの頃から知的好奇心を高めて一生学び続けられるような人を増やしていく教育を作ることも意識した具体策の検討がとても重要だと思います。

番組を通して、「人づくり革命」は人生後半の話だけではなく、人生全般にまたがる話だということが理解出来ました。


 
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2017年10月31日
アイデアよもやま話 No.3848 注文もレジも不要の進化した飲食店支援アプリ!

8月1日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で注文もレジも不要の飲食店支援アプリについて取り上げていたのでご紹介します。

 

お客さんが誰も注文せず、しかもレジで会計を済ませないお店があります。

その仕組みとは、まずお客は来店前に専用アプリでお店と料理を選択します。

料理を選ぶとオンライン決済の画面となり、料理の支払いが出来るのです。

その後は、お店に行き、注文ボタンを押してテーブルの指定された場所にスマホを置くと注文した料理が運ばれてきます。

店員に注文しないで料理が運ばれた秘密について、このシステム「プットメニュー(Putmenu)」を運営しているボクシーズ株式会社の鳥居 暁社長は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「世界初の特殊なシートを開発しておりまして、そのシートがテーブルの裏に貼ってあります。」

「ここに(スマホを)置いて、アプリから厨房に直接料理の注文が入って、店員さんが調理をして届けていただいたっていう仕組みですね。」

「私自身が英語が苦手なのでこういうシステムがあったらいいというところで開発させていただきました。」

 

着席した時点で支払いが終わっているので、食い逃げにはなりません。

更に、このシステムは12言語に対応しているので、外国の方が母国語で注文してもお店には日本語で伝わるので訪日客の集客も実現出来そうです。

 

ご本人の想いもあって、鳥居社長は逆に海外でも展開して日本人が日本語のメニューを見ながら注文も出来るようにしていきたいということです。

お客側のメリットとしては、注文の時の煩わしさやレジでの会計がなくなる、そしてお店側としては人手不足問題の解消やインバウンド(海外からの観光客)対策、そして何を注文したかと会計金額のビッグデータを集積出来るというメリットがあるといいます。

ちなみに、「プットメニュー」に注文を入力してから一定期間過ぎると自動的にキャンセル扱いにすることも出来るといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

前回、”物流版ウーバー”についてご紹介しましたが、今回ご紹介した注文もレジも不要の飲食店支援アプリも同じような流れの中でインターネットを活用した飲食店サービスだと思います。

しかもこのシステムは12言語に対応しているので、訪日客の集客も実現出来るだけでなく、海外展開も容易に出来そうです。

更に、このサービスの基本的な仕組みはフードコートや宿泊施設にも容易に展開出来そうです。

 

ということで、前回もお伝えしたようにあらゆる業界や業種におけるコミュニケーションは必要な組織、あるいは人との間において、インターネットを介して直接情報のやり取りが出来るようなシンプルなものにどんどん変容していくと思われます。

 

さて、一方で人は他人とのコミュニケーションを楽しみたいという欲求もあります。

私の家族の行きつけの横浜中華街のあるお店の方から以前次のようなお話を伺ったことがあります。

「お客様の中には、料理だけでなくお店の主人や女将さんと直接会話をすることを楽しみにいらっしゃる方もおります。」

「ですから、お店の主人や女将さんがお店に出ていることも集客にはとても大事なのです。」

 

ということで、全てがAIやロボットなどに置き換わる、効率的ではあるけれどある面で無味乾燥なサービスとお店の主人などとの会話も楽しめるサービスとの二極分化が特にサービス業界においては進むものと思われます。


 
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2017年10月30日
アイデアよもやま話 No.3847 ”物流版ウーバー”が”宅配の危機”を救う!?

配車サービスのアメリカのウーバー(UBER)についてはこれまで何度となくお伝えしてきました。

そうした中、7月31日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”物流版ウーバー”について取り上げていたのでご紹介します。

 

宅配便の急増で人手不足にあえぎ、このままでは国内の物流業界が立ち行かなくなる不安も出てきました。

現状の物流業界では配送の依頼が入ると大手物流会社から複数の運送会社を経由して空いているドライバーに仕事が割り当てられます。

各運送会社は下請け会社に仕事を紹介する時に中間マージンを取っていて、下に行くほど受け取る額も小さくなるのです。

ですから個人事業主は多くの数をこなさなければ生活していけないといいます。

 

こうした状況に一石を投じるサービス、”物流版ウーバー”と言われる“ピックゴー(PickGo)”が始まっています。

このサービスは、荷主と個人事業主を直接つなぐマッチングサービスです。

このサービスに登録している宅配ドライバーの浦和 友明さん(41歳)は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(“ピックゴー“は)自分の空いている時間で自分で仕事を選んで自分で仕事が出来る・・・」

 

自分の好きな時間で好きな仕事を選べる、それが”物流版ウーバー”と言われる理由です。

“ピックゴー“のシステムを開発したのは、ベンチャー企業のCBクラウド(CBcloud)株式会社(横浜市泉区)です。

CEOの松本 隆一さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「我々が荷主様と契約させていただきまして、そこで二重受け、三重受けを防いでおります。」

 

配達を依頼した荷主側はエントリーしてきたドライバーの顔写真やPRコメントが閲覧出来ます。

この中から荷主側はドライバーの経験や評価を含めて選定します。

当選通知を受け取った宅配ドライバーには、依頼額から“ピックゴー“への手数料一律10%が引かれた収入が得られます。

この収入は実労働に見合ったものといいます。

浦和さんは、このサービスについて番組の中で次のようにおっしゃっています。

「自分の空いている時間に合わせて仕事を獲得出来るので、売り上げが約2倍ほどに伸びました。」

 

更に、この“ピックゴー“のサービスでは荷物のバーコードを読み取るとドライバーが効率よく回れるように配達の道順を地図で表示してくれます。

昨年6月から始めた“ピックゴー“、現在登録ドライバーは全国で約1500人といいます。

松本さんは、荷主側にも営業していて、現在およそ100社と契約、ドライバーの地位向上を目指しており、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ドライバーの仕事を魅力的に変えていくのが私たちのミッション。」

「(ドライバーの)収入アップにつながる道筋を私たちは作ってあげたいと思います。」

 

こうした状況について、番組コメンテーターで大和総研チーフエコノミスト、熊谷 亮丸さんは次のようにおっしゃっています。

「(物流業界は)まだ効率化の余地が残っていますね。」

「例えば、営業用車両の貨物の積載率が最大の積載量に対して何割ぐらい積んでいるかということでいうとだいたい4割ぐらいなんですね。」

「ですから、100%にするのは無理だと思いますが、5割、6割に伸ばすことは十分可能であって、例えば荷主さんがドライバーを見つける時にだいたい30回くらい電話が行きかって、そのことで場合によれば1時間もかかるケースが多い。」

「それから物流拠点で車両が行ったんだけど3時間くらい待たされるケースが多いわけですね。」

「ですから、そこを効率化していけばまだまだプラスの効果が出てくると思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した”物流版ウーバー”の“ピックゴー“のサービスを知り、必要とされる企業と企業、企業と人、あるいは人と人とを時間や空間の制約なく直接結びつけてしまうインターネットのビジネス上のインフラとしての重要性をあらためて感じました。

こうした流れの中でみていくと、いずれほとんどのビジネスはメーカーやサービス業者とアマゾンなどのネット販売サイト、そして購入者が中心の単純な構図に収れんしていくと思われます。

 

更に、今回のテーマでいうと、熊谷さんのおっしゃるようにまだまだ物流業界は貨物の積載率の少なさ、あるいは配送先の物流拠点での長い待ち時間などの課題を抱えています。

こうした課題もAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、あるいは将来的な自動運転車などの活用によりまだまだ改善の余地は沢山ありそうです。

 

ということで、最新テクノロジーをベースとした社会の実現はまだまだスタート地点近くであり、今後とても速いスピードで改善されていくものと期待出来ます。

ですから、日本の企業にはこうした大きな流れに沿って、果断に自らの事業内容を変化させていく勇気を持ってチャレンジしていただきたいと思います。


 
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2017年10月29日
No.3846 ちょっと一休み その618 『台風21号で迎えた恐怖の夜!』

10月21日から23日にかけて日本列島を縦断した超大型の台風21号は各地で大きな被害をもたらしました。

私の実家のある千葉県の外房でも10月22日(日)の深夜から23日(月)の明け方にかけて、最大瞬間風速40m近くの強風が続きました。

ちなみに、私の実家は築100年近くの古い木造住宅です。

私はこの日、実家に来ていたのですが、一時頃トイレのために起きてからは強風による家屋を揺るがすほどの凄まじい音に悩まされ、ほとんど眠れませんでした。

この家屋の揺れと音には、家が壊れてしまうのではという恐怖感さえ覚えました。

ちなみに、朝を迎えてから近所の親戚からも同様の感想を聞きました。

そして、寝付かれず、起き上がって新聞を読んでいたら、いきなり停電になりました。

しかし、しばらくすると電気がついたのですが、やがてまた停電ということが3、4回繰り返され、6時頃に停電になった後は、11時頃まで停電が続きました。

こうした状況から、トイレに行くのに懐中電灯を持って行ったり、据え置き型の照明装置のもとで新聞を読んだり、あるいは朝方風が収まった頃合いに最寄りの病院まで車で行く途中、停電で機能していない信号機の交差点で注意深く車を進めたり、海岸沿いを走っている時に強風にあおられた波の直撃を受けたりと、久しぶりにいろいろな体験をしました。

 

幸いにして家屋の被害はありませんでしたが実家の庭には沢山の小枝や柿の実が散乱しており、その片付けに小一時間ほどかかりました。

また、実家の前の浜では村の何人もの男性が浜辺に打ち上がったゴミの片付けに半日近く取り組んでおりました。

 

さて、今回あらためて感じたのは電気の有りがたさです。

今や、ほとんど全ての食糧はスーパーやコンビニで購入しており、電子レンジでチンすればそのまま簡単に食べることが出来ます。

ですから、停電になり電子レンジが使えなくなると、スーパーで購入する食品も限られてくるのです。

今回はお昼前に停電から回復したのでこうした悩みも解消されました。

こうした悩みから、オール電化の弱点にあらためて気づきました。

オール電化だと、停電になると食材を温める手段がなくなってしまいます。

しかし、電気とガスを併用していれば、停電になってもガスで温めることが出来るのです。

ですから、将来的にオール電化を普及させるうえでは、停電対策として少なくとも1日分の消費電力量を賄えるだけの容量の家庭用バッテリーが必須なのです。

また、今回感じたのは地方にもある停電格差です。

町の中心街、すなわち市役所や病院などの公共施設のある地域は停電になりませんでした。

そして、停電が回復していくのも中心街に近い地域から遠い地域へという順番なのです。

 

さて、このような身近な台風の体験をしてみて、台風などの被害で避難所で何日間も過ごさざるを得なくなってしまった方や家屋を失ってしまった方の苦労や今後の不安などの心労の大きさがいかほどかを垣間見たような気がします。

 

地球温暖化は今後少なくとも何十年かにわたって世界規模で進むと見込まれます。

そうすると、今後世界規模で観測史上最大の台風が次々に到来し、やがて以前お伝えしたフィリピンを襲った瞬間最大風速100m近くの超巨大台風が日本列島に上陸することも大いに考えられます。

そうなると、強風にあおられた津波のような高潮が海辺の地域を襲います。

ですから、私の実家のように海岸近くの地域では、恒常的な高潮の被害リスクから将来的には住めなくなるかもしれません。

当然、世界規模でのこうした被害が世界経済に与える影響も計り知れません。

 

このように考えてくると、やはり目先の経済成長に囚われることなく、世界的に地球温暖化対策を強力に進めることは不可欠だと思うのです。

こうした観点から、中国に次いで世界第2位のCO2排出国、アメリカのトランプ大統領の政策は、明らかに時代の流れに逆行しているとしか思えません。

 

さて、巨大台風が去って翌日24日の早朝、まだ日の出前でしたが、いつものように実家近くの海岸に太極拳をやりに行きました。

海岸に着くと、誰もいない静けさの中で青空に浮かぶ帯状の雲とうっすらと見えるこれから昇ろうとする太陽の光の光景がなんとも言えず、とても美しく見えました。

自然は私たち人類にとって豊かさに必要な様々なモノを提供してくれるだけでなく、こうした素晴らしい景色も楽しませてくれます。

一方で、巨大台風や巨大地震、あるいは巨大津波のように、一瞬のうちに私たちの命を奪ったり、家屋を破壊したりする恐ろしい存在でもあります。

 

こうした中で、少なくとも地球温暖化に伴う災害は私たち人類の知恵や活動次第で食い止めることが出来るのです。

そう考えると、現在の地球温暖化に伴う様々な災害は人災と言えるのです。

このことを私たち一人一人は重く受け止めなければならないと思うのです。


 
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2017年10月28日
プロジェクト管理と日常生活 No.512 『北朝鮮の核・ミサイル実験に見る核兵器廃絶の必要性 その6 『核兵器の新たな脅威“電磁パルス攻撃”!』

最近の北朝鮮による強硬に進める核・ミサイル実験の報道に接して、なぜ北朝鮮はこうした動きをするのか、そして世界や日本はこうした動きについてどのように対応すべきなのかなど、いろいろと疑問が湧いてきました。

そこで、リスク管理の観点から6回にわたってこうしたことについてお伝えしていきます。

6回目は、核兵器の新たな脅威“電磁パルス攻撃”についてです。

 

9月15日(金)放送の「深層NEWS」(BS日テレ)で核兵器の新たな脅威“電磁パルス攻撃”について取り上げていたのでご紹介します。

 

9月3日、北朝鮮の労働新聞は、新たに開発された水爆については強力な“電磁パルス攻撃”まで加えることが出来る多機能化された核弾頭だと伝えています。

核弾頭を搭載したミサイルを発射し、地上から30km〜400kmの上空で核爆発を起こします。

この電磁パルス攻撃の影響について、東京工業大学の澤田 哲生助教は、あらゆる電子機器が影響を受ける可能性があるといいます。

また、番組コメンテーターの元海上自衛隊海将で自衛艦隊司令官も務めた香田 洋二さん は次のようにおっしゃっています。

「一番の問題は、それぞれの電気・電子製品を構成する基盤が一時的に非常に電圧が高くなる。」

「一瞬ですけども許容電圧よりもはるかに高くなる。」

「それ(基盤)が破壊されることによって機能不全に陥るということです。」

「(人体への影響について、)熱の衝撃は宇宙ですから空気がありませんので全く伝わってきません。」

「ということで、言葉は正確じゃないんですけど非殺傷兵器と言われてるんですね。」

「ただし、二次被害としては、基本的に電子と電気とを使っているものは全て使用不能になるということで、基盤も破壊されますので、全部(携帯電話や自動車など、電子部品を組み込んでいるありとあらゆるものが)直すまでは直らない。」

 

なお、1962年の読売新聞で核爆発による電磁パルスの影響についての記事を掲載しています。

1962年、アメリカが南太平洋の上空320kmで核実験を行った際、周囲で40分間電波障害が起こったといいます。

こうした状況について、香田さんは、次のようにおっしゃっています。

「1500kmほど離れたハワイで停電が起きて、「これは何だ」ということになり、理由が分からないまま調べていくと宇宙の核爆発じゃないかということが端緒なんです。」

「(現在だとどのような影響があるかという問いに対して、)基本的には文明生活が全く駄目で、人によっては19世紀のペリー提督が日本に来た頃のアメリカに戻るということなんです。」

 

この記事後、フィジー島では無線連絡が一斉に途絶したなど、様々な続報がありました。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

今や、ほとんどの破壊兵器は電動化されています。

また、軍隊内のコミュニケーションも電気がなければほとんど不可能です。

ですから、核兵器による“電磁パルス攻撃”はアメリカのような軍事大国と言えども、その戦力をほとんど無力化させてしまうほどの威力を持っていると思われます。

 

しかし、現状では安易に“電磁パルス攻撃”を行えば、自国に対しても影響を及ぼしてしまいます。

ですから、“電磁パルス攻撃”の被害を特定の地域に限定させるための研究開発が進められるものと思われます。

具体的には、核兵器の威力、および爆発させる位置、高度と被害範囲の関係を明らかにすることです。

もし、こうした研究が進み、実用化されれば、対戦国の国民の生命は保護しつつ、長期間にわたって文明生活を不可能にしてしまう状態に陥らせることが可能になります。

 

1962年に最初の“電磁パルス攻撃”実験を行ったアメリカは既にこの実験をかなりの程度進めているのではないかと思われます。

ですから、ひょっとしたらアメリカは北朝鮮への攻撃に際して、最新技術による“電磁パルス攻撃”を実施する可能性は捨て切れません。

しかし、“電磁パルス攻撃”も核兵器の使用により成り立っているのです。

そして、従来のようなかたちで核兵器が使用されれば、甚大な被害をもたらすのです。

 

ということで、やはりどんなに時間がかかろうとも“核兵器廃絶”に向けた取り組みを止めることがあってはならないのです。


 
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2017年10月27日
アイデアよもやま話 No.3845 ベンチャー企業の宇宙ロケット開発 ― 月面探査!

これまでアイデアよもやま話 No.2272 超小型衛星早くもビジネスに!アイデアよもやま話 No.3469 宇宙葬で人生最後の旅は宇宙!超小型衛星による宇宙ビジネスについてご紹介してきました。

そうした中、7月30日(日)放送のニュース(NHK総合テレビ)で最新の超小型衛星による宇宙ビジネスについて取り上げていました。

そこで今回はその中の一つ、月面探査について関連ネット記事も合わせてご紹介します。

 

これまで半世紀、国家が主導してきた宇宙開発ですが、技術の進展とコストの低下によって今、民間レベルでの開発が可能になりつつあります。

日本では今様々なベンチャー企業が工夫を凝らした宇宙ビジネスに挑戦する動きが広がっています。

そうした中の一つ、東京のベンチャー企業などで作るチーム、HAKUTO(ハクト)が目指すのは月面探査です。

世界初の民間の月面探査レース(詳細はこちらを参照)に参加します。

なお、レースはグーグルがスポンサーで、2017年中にロケットを打ち上げて探査車を月面に送り込み、500メートル以上移動させて撮った映像を地球に送ることがミッションです。

一番早く達成したチームに賞金2千万ドル(約23億円)が贈られるといいます。

 

そのため、今年12月HAKUTOの月面探査ローバーはTeamIndusの月着陸船「TeamIndus HHK」に乗り、インド宇宙研究機関(ISRO)のロケット「PSLV」によって宇宙空間へと飛び立ちます。

その後、月への軌道へ投入し、約38万km離れた月へ約1ヶ月間かけて航行し、月の「雨の海」に軟着陸。そして、ローバーが月面へと降り立つといいます。

なお、将来的には月面資源をビジネスにしたいとしています。

 

以上、番組、および関連ネット記事の内容をご紹介してきました。

 

世界初の民間の月面探査レースを通していよいよ民間企業による月面探査時代が到来したのです。

これによって、月は私たちにとってより一層身近な存在となってきます。

そして、将来的には間違いなく様々なビジネスにつながっていくはずです。

資本主義は新たなフロンティアが無くなり、やがて危機を迎えるのではないかという見方が一部にあります。

しかし、以前ご紹介した火星移住計画や今回ご紹介した月面探査レースは将来的な宇宙ビジネスの先駆けとして大いに期待出来そうです。


 
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2017年10月26日
アイデアよもやま話 No.3844 ベンチャー企業の宇宙ロケット開発 ー 人工流れ星!

これまでアイデアよもやま話 No.2272 超小型衛星早くもビジネスに!アイデアよもやま話 No.3469 宇宙葬で人生最後の旅は宇宙!超小型衛星による宇宙ビジネスについてご紹介してきました。

そうした中、7月30日(日)放送のニュース(NHK総合テレビ)で最新の超小型衛星による宇宙ビジネスについて取り上げていました。

そこで今回はその中の一つ、人工流れ星について9月21日(木)付け読売新聞の夕刊記事の内容も合わせてご紹介します。

 

これまで半世紀、国家が主導してきた宇宙開発ですが、技術の進展とコストの低下によって今、民間レベルでの開発が可能になりつつあります。

日本では今様々なベンチャー企業が工夫を凝らした宇宙ビジネスに挑戦する動きが広がっています。

その一つが人工的な流れ星です。

 

東京のベンチャー企業が2019年世界でも初めての試みに挑戦します。

打ち上げるのは金属の球です。

超小型衛星で球を打ち出し、大気圏に突入させ、燃え尽きさせます。

一つの衛星で打ち出す球は数百発、花火大会のように流れ星を楽しむイベントとして売り込むことでビジネスとして成功させたいと考えています。

 

岡島 礼奈さん(38歳)は、2011年に東京・赤坂にある雑居ビルの1室に株式会社ALEという宇宙新興企業を一人で立ち上げました。

 

流れ星は、小さな塵などが宇宙から地球の大気に飛び込み、高温になって光る現象です。

ALEは人工的に流れ星を作る事業に挑戦しています。

上空約400kmの軌道を回る人工衛星から小さな金属球を放出し、地球を3分の1周ほど回ってから、大気圏に突入するという構想です。

 

ALEは複数の大学と共同で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)にある大気圏突入時の環境を再現出来る装置を使い、材質や大きさを変えた金属を発光させる実験を続けてきました。

気になるこの仕組みについて、岡島さんは企業秘密と言います。

 

岡島さんが人工流れ星を思いついたのは、東京大学で天文学を専攻していた2001年11月です。

しし座流星群の大出現を見ようと、友人と千葉県の山間部に出かけました。

感動はしましたが、寒さが身に沁みました。

「温かい時期に見られたら、もっとリラックスして楽しめるのに・・・」

 

卒業すると、起業の志を胸に金融機関に勤め、経営のノウハウを学びました。

ALEの設立後、投資家や技術者の協力を得るため奔走しました。

起業の5年後、ようやく社員第1号のエンジニアを採用し、人工衛星や放出装置の開発を本格化させました。

 

来年末に人工衛星を打ち上げて通信などをテストし、2019年に広島で流れ星を降らせる最初のイベント実現させる計画です。

2020年東京オリンピックに合わせ、夜空を流れ星で彩る夢もあります。

 

岡島さんは、「天文学は役に立たない、と言う人もいる。宇宙とエンターテインメントを結びつけ、ビジネスとサイエンスを両立させたい」と意気込んでいます。

岡島さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「我々が先陣を切っていくという心意気で臨みたいと思っています。」

 

しかし、実現には課題も多いといいます。

球を放出する速度や角度が少し変わっただけで、流れ星が見える時間や場所がずれるのです。

また、実現しても曇りや雨だと見えず、天候に左右される事業のリスクもあります。

 

以上、番組、および記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

人工的に流れ星を作るというアイデアはとても夢があり、ワクワクしてきます。

そもそもこうしたアイデアを思いつくこと自体に、岡島さんの物事に囚われない発想の豊かさを感じます。

 

さて、この人工流れ星がビジネスとして本格稼働したら、ディズニーランドなど多くのレジャー施設や結婚式のイベントとしてなど、世界中から引き合いが来ると大いに期待出来ます。

 

夜空一面にいろいろな色の人工流れ星が降って来る光景をイメージしただけで、夢心地の気分になってきます。

是非、人工流れ星がビジネスとして立ち上がり、1日も早く多くの人たちを楽しませてくれるように岡島さんに頑張っていただきたいと思います。


 
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2017年10月25日
アイデアよもやま話 No.3843 ベッドの無いビジネスホテルが大人気!

7月26(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でベッドの無いビジネスホテルについて取り上げていたのでご紹介します。

 

一般的なビジネスホテルのイメージは、ベッドや机があるという感じですが、今ベッドの無いビジネスホテルが登場して人気を博しているといいます。

埼玉県東部にある幸手市、国道沿いにあるホテル グリーンコアは一見すると普通のビジネスホテルですが、稼働率80%以上を誇る人気のホテルです。

その理由は、シングルルームの宿泊客を訪ねてみるとベッドのないフローリングの部屋(12 6500円)です。

塗装会社勤務の男性(65歳)は毎月利用しているといいます。

ベッドよりフローリングの方が落ち着くのだそうです。

更に、机や布団など自由に配置を換えられるので使い勝手もいいといいます。

 

このホテルの特徴は、全室ベッドが無い部屋だということです。

更に、掘りごたつにすることも出来て、仕事がし易いとビジネスマンから好評なのです。

これまでのベッドの部屋だと少々狭い机で仕事をするしかなかったからです。

またテーブルを動かして掘りごたつにふたをすればスペースを広く使えます。

例えば寝る時に自分の好きな位置にふとんの向きを変えることが出来ます。

 

このホテルを経営するのは、金子 祐子社長です。

そもそもどうして全ての部屋からベッドを無くしたのか、その理由について金子さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「日曜日の稼働がとにかく悪かったですね。」

「3割から4割ぐらいになって。」

 

築30年のこのホテル、老朽化が進み、2005年には平均90%を超えていた稼働率も2010年には平均45%と半減してしまいました。

そこで再生プロジェクトを立ち上げ、スタッフ全員でアイデアを出し合うと、家具を全部取っ払って、スタッフが泊まってみて、「全部取っ払うと部屋が思ったより広かった」とか「ベッドが無くてもいいんじゃないか」とかいろんな意見が出てきたといいます。

 

なんとビジネスホテルの常識だったベッドを無くすことにしたのです。

すると、思わぬ効果が出てきました。

気がつくと、「いつの間こんなにファミリーが泊まっているの」っていう感じになっていたといいます。

休日になると多くの家族連れで賑わうようになりました。

栃木県から旅行に来たという家族の奥様(37歳)は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「子どもがいるので、ベッドだと落ちてしまう心配があるので床のフローリングの蒲団の方がいいですね。」

 

泊まったのは元々ツインルームだったのをフローリングに改装した部屋だったのです。

ちなみに、この部屋(ラージ 20屐砲領繕發蓮家族5人で1泊1万6900円(ファミリープラン)で、普段使う旅館などと比べると安く泊まれるといいます。

休日は30%程度だった稼働率が80%以上になったといいます。

 

しかも、改装費用も安く抑えられました。

その理由はゴミ箱やカラーボックス、テレビボードまでが段ボールで作られたものなのです。

更に、フローリングの木をはがすと段ボールなのです。

段ボールにしたことで、家具などでの改装費用は通常より30%ほど安くすることが出来ました。

ちなみに、なぜ段ボールにしたかというと、金子さんのお兄さんが段ボール会社、創造紙材株式会社(茨城県古河市)を経営していたからだったのです。

 

実はホテル グリーンコアは段ボールメーカーから生まれました。

金子 祐子社長の兄、金子 卓司さんはホテルと段ボールの2つの会社の会長になります。

段ボール箱の売り上げが下がってきたため、オリジナル商品である段ボール家具を開発したのです。

段ボールの棚も簡単に作れるといいます。

まずパソコンから図面を読み込んでカッティングする機械にかけます。

すると、段ボールの部品が出来ます。

その後の組み立て作業は小学生の工作くらいなので、一度覚えれば誰でも出来るといいます。

出来上がったものに薄い木材などを張り付ければ段ボールとは思えないような高級感を出せるのだといいます。

また、宿泊客はこうした段ボールで作られたテーブルなどは軽くて丈夫なので自分で動かし易いのです。

更に、部屋に合わせて段ボール家具のサイズも特別注文することが出来ます。

それが評判となり、今では6社のホテルが導入しています。

 

さて、ホテル グリーンコアはある自治体からホテルの進出を誘致されました。

茨城県坂東市です。

実はここには今までホテルがありませんでした。

その理由は、この町が特別な産物や観光名所、鉄道も無いからだといいます。

そうした場所でもビジネスマンと家族客の取り込みに成功したホテル グリーンコアならやっていけるのではと見込まれたのです。

ビジネスホテルの常識を打ち破ってきた金子社長には地域活性化の期待がかかっていたのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

段ボール箱の売り上げ不振に陥った段ボールメーカーが苦肉の策として段ボール家具のオリジナル商品を開発し、それを売り上げの落ちた傘下のビジネスホテルで考えた末の従来のベッドのある部屋からベッドのない部屋への改修に使用するという取り組みは、まさに絵に描いたような成功事例と言えます。

更に、こうした軽くて安い段ボールのオリジナル商品は、一般家庭で使う家具としても引き合いが期待出来そうです。

 

さて、番組を通してあらためて従来の日本の畳文化の持つ柔軟性の素晴らしさを感じました。

用途に応じて、狭い空間を使い分けるというホテル グリーンコアの基本コンセプトは、国内のみならず海外からの観光客にとってもそのメリットが受け入れられるのではないかと期待出来ます。

そして、今後、既存のホテルの改築に際しても大いに参考になるのではないでしょうか。


 
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2017年10月24日
アイデアよもやま話 No.3842 新技術でリチウムイオンバッテリーの高速充電が可能に!

7月23日(日)放送の「未来の起源」(TBSテレビ)でリチウムイオンバッテリーの高速充電を可能にする新技術について取り上げていたのでご紹介します。

 

東京工業大学物質理工学院で電子機器をより良くするための研究を行っている特任講師の清水 亮太さん(33歳)は、リチウムイオンバッテリーの性能をいかに向上させるか、次世代のバッテリーをどのように作るかということについて興味を持って研究しています。

 

携帯電話やパソコンに使用されている現在のリチウムイオンバッテリーは、内部は液体を使用し、リチウムイオンが移動することで充電を行っています。

しかし、液漏れ、バッテリーの爆発などの問題を抱えています。

そこで、清水さんたちは、それを全部固体で作ることを目指しています。

液体に替えて固体にすることで、安全性が高まります。

しかし、電極と固体の間の移動がスムーズではないのです。

そこで、清水さんたちは接する面を原子レベルで制御し、移動の抵抗を液体の時より5分の1にすることに成功したのです。

これにより、安全で高速充電が可能なバッテリーの開発が期待されます。

 

なお、研究の原動力について、清水さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「実態のあるものを残したい、「面白いものが作れたんです」っていうようなものを常に意識してやっていきたいと思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今後EV(電気自動車)は中国をはじめ世界的に、しかも予想以上に短期間で普及していくと見込まれます。

そうした中、今回ご紹介した、これまでの液体に替えて個体にしたリチウムイオンバッテリーが実用化されれば、安全でしかもこれまでよりも5倍近く高速に充電することが可能になるのです。

更に、バッテリーのコストも安くなれば、バッテリーがEVの価格を押し上げている大きな要因といわれるEVの価格をガソリン車に近づけることが出来るのです。

ですから、今回ご紹介したようなEVの普及に大きく貢献出来るような研究に対しては実用化に向けて国が積極的にいろいろな面で支援して欲しいと思います。


 
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