2017年08月22日
アイデアよもやま話 No.3788 AIの活用事例 (4) その7 AIは雇用を奪うのか!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第4弾として今回も8回にわたってご紹介します。

7回目は、AIは雇用を奪うのかについてです。

 

6月8日(木)放送のスーパープレゼンテーション」(NHKEテレ東京)で「人工知能は雇用を奪うのか」をテーマに取り上げていたのでご紹介します。

 

今回のプレゼンテーター、マサチューセッツ工科大学(MIT)のデビッド・オーター教授は、次のようにおっしゃっています。

「驚くべき事実があります。」

「現金の振り込み、預金、引き出しを自動で行うATMの導入から45年、アメリカで雇用される銀行の窓口係の数は、実は2倍に増えているんです。」

「1970年には25万人でしたが、現在ではおよそ50万人に増えています。」

「ボストン大学の経済学者、ジェームズ・ベッセンが明らかにしたこの事実は、ある疑問を投げかけています。」

「窓口係の仕事は、なぜ自動化によってなくならなかったのか。」

「人類は過去200年の間に人間の労働を肩代わりさせる多くのものを発明しました。」

「トラクターやコンピューターが発明されたおかげで、人類は手作業から解放されたのです。」

「ところが、アメリカの労働市場における成人雇用者の割合は120年以上前の1890年より現在の方が高くなっているんです。」

「ほぼ10年ごとに上がり続けています。」

「矛盾してますよね。」

「機械が人間の仕事をどんどん肩代わりしているのに、なぜ人間の仕事は無くならずに依然として多くの仕事が存在しているのでしょう。」

 

こうした中で、AIが進化してもなぜ人間の仕事は無くならないのか、オーター教授はこの理由を明確に説明していました。

「これには2つの原理が関わっている。」

「1つは人間の才能と創造性、もう一つは人間の欲望です。」

 

1つ目の理由の人間の才能と創造性を説明するために例に出されたのがオーリングです。

オーリングとはゴムなどで作られた機械部品、洗面台からスペースシャトルまで幅広く使われる、なくてはならない存在です。

機械が進歩すればするほど、オーリングの品質が増々重要になります。

このように機械や仕事が高度になるほど1つの部品の重要性が増すことをオーリング理論といいます。

オーター教授は、次のようにおっしゃっています。

「ほとんどの仕事において、オーリングは人間です。」

「人間が持つ専門知識、判断力、創造性がより重要になってくる。」

 

仕事が無くならない2つ目の理由が人間の欲望、絵文字やスマホや薄型テレビなどの新しい電子機器のように、人間の欲望から生み出されるものは尽きることがありません。

新しい仕事は常に生まれるのです。

こうした人間特有の創造力や欲望がある限り、仕事は無くならないというわけです。

 

こうした状況の中で、MITメディアラボ助教で現代アーティストのスプツニ子さんは次のようにおっしゃっています。

「人工知能がこれまで人間がやってきた暗記とか計算とかを全部出来るようになるんだったら、本当に知性のある人間って一体何なんだろうって、教育する側がしっかり考える良いチャンスと捉えるべきなのかも知れないですよね。」

 

また、進行役でMITメディアラボ所長の伊藤 穣一さんは次のようにおっしゃっています。

「知識とかそういう機械が出来るようなものが測り易いんだよね、試験とか成績で。」

「クリエイティビティとか熱意とかはなかなかテストで測ることが出来ないんで、人間を測って出世させる今までのシステムを根本的に変えないとクリエイティブ人間をつくれないんで、それを変えていかなきゃいけないと思うんだよね。」

「だから、多分一番職業の未来とか失業率というのもすごく重要なポイントだと思うんだけども、そこ(社会)に送り込む人間をどうやって育てるかが人工知能に対する一番重要な我々が変えていかなきゃいけないことだと思うんだけども。」

 

オーター教授は、次のようにおっしゃっています。

「100年後に人々がどんな仕事をするかなんて誰にも分からないし、未来は誰かの想像で決まるわけじゃない。」

「“運命だから”と決めつけるのも駄目、運命を決めるのは機械ではなく私たちです。」

 

「過去200年間で学者たちは何度も機械化によって人間の仕事は無くなると警鐘を鳴らしてきました。」

「しかし、その予測は私には傲慢に見えます。」

「彼らはこう言っているようなものです、「人々が将来どんな仕事をするのか、私が思いつかないんだから他の人間が思いつくわけがない」」。

「それは人間の創造性を見くびった考えです。」

「100年後に人々がどんな仕事をするかなんて誰にも分からないし、未来は誰かの想像で決まるわけじゃない。」

「私が100年以上前の農業従事者だったとして、21世紀からタイムスリップしてきた経済学者にこう言われたとします、「今後100年で生産性が上がり、全雇用者の40%を占めていた農業従事者は2%に激減する。残りの38%は何の仕事をすることに思う?」」

「100年前にこう答えると思いますか、「アプリの開発とかかな、絵文字のスタンプを作ったりするんじゃない。そんなこと言うはずがない」。」

「でも、きっとこう言います、「農業雇用が95%減少しても食糧不足にならないなんてすごいな、人類はその知恵と技術で何か素晴らしい仕事を見つけ出していくんじゃない」。」

「実際、そうなっていると思いませんか。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

オーター教授のおっしゃる「人間特有の創造力や欲望がある限り、仕事は無くならない」には全く同感です。

単純に考えれば、人がこれまでやって来た仕事がAIに置き換われば、その分人のやる仕事は減ってしまい、雇用機会が奪われてしまうと思いがちです。

しかし、現実にはその時代その時代のテクノロジーの進化に伴い、それまでの時代に人がやっていた仕事の雇用機会が失われても、一方で新たな雇用機会が生まれているのです。

また、人はああしたい、こうしたい、あるいはああなりたい、こうなりたいという欲望を常に持っており、その欲望がある限り、多くの場合それが経済活動につながります。

そして、人類の持つこうした創造力や欲望が人類を進化させてきた原動力と言えます。

逆に言えば、人類は想像力や欲望を失った時点で人類の退化が始まると言えます。

しかし、人類の長い歴史の中で、例外的にある時点でこうした退化があったとしても、想像力や欲望を持ち合わせていたからこそ、人類はここまで進化してきたと思うのです。

 

さて、シンギュラリティ(参照:No.3156 ちょっと一休み その502 『IoT、AI、スマートロボットの3つが今後の成長分野!?』)という言葉が話題になるほど、人類は近い将来AIによるこれまでとは異次元のパワーを手に入れている時代を迎えるかもしれません。

そこで、人類が更なる進化を遂げるか、それともAIに依存する脳の退化の時代に突入するかの分岐点がシンギュラリティという解釈もあるのではないかと思うのです。

そして、前者の更なる進化を可能にする重要な要素が伊藤所長の考えているようにこうした時代に沿った教育だと考えます。

 

ということで、AIが雇用を奪うかどうかは今後の教育のあり方如何にかかっていると思うのです。


 
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2017年08月21日
アイデアよもやま話 No.3787 AIの活用事例 (4) その6 AIで写真の風景を修正!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第4弾として今回も8回にわたってご紹介します。

6回目は、AIによる写真の風景の修正についてです。

 

美しい風景やかけがえのない人たちとのショットをカメラに収めようとすると、人並みが途切れるまでしばらく待つというような風景をたまに目にします。

そうした中、6月8日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIによる写真の風景の修正について取り上げていたのでご紹介します。

 

早稲田大学・石川研究室の飯塚 里志研究員助教は、AI技術を用いて大量の画像をコンピューターに学習させて、学習したものから自然な画像を作り出す研究を進めています。

例えば、カメラで撮ったある風景に写っている人物をこの風景から消そうとする場合、カーソルでこの人物を白く消すと、AIが白く消した部分の周りや学習させておいたこの風景の情報から新しい画像をつくり、白く消した部分を埋めてくれるのです。

 

更に、この技術を応用すると、顔写真の一部を消すだけでなく、例えば顔の目の部分が欠けた写真を復元することが出来ます。

ただし、学習させているのが現在は海外の有名人が多く写っているデータだけなので、外人っぽい目をした顔に復元されてしまいます。

こうした限界はあるものの、昔の写真で傷がついて一部分欠けているのを自然に修復出来るといいます。

 

この技術のすごいところは、同じ画像に復元するのではなく、AIが欠けている部分に何が写っていたのか考えて、人なのかあるモノなのかを想像して復元するところだといいます。

ただし、課題もあります。

高画質には対応していないのです。

なので、スマホなどで撮った写真は一度画像を荒くしてこのアプリを使わなければならないという制約があるのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したAIによる写真の風景の修正を通して、あらためてAIの活用におけるエッセンスについて私なりに以下のように解釈しました。

・ビッグデータ、あるいはセンサー、およびIoT(モノのインターネット)の活用による様々なデータの入手

・過去のあらゆる関連データの蓄積

・集積された膨大な過去のデータ、および現在把握しているデータを元にしたディープラーニングディープ(深層学習)による問題や課題の解決、および未来予想

・複数のAIの成果を競い合わせることによる、より優れた成果の達成

 

このようにまとめてみると、AIは人間の様々な活動そのものを複数のテクノロジーを駆使してなぞり、質、量、スピードなどの観点で人間とは異次元のレベルでの成果を達成するツール(道具)と言えます。

ですから、AIの基本原理そのものは真新しいものではなく、人工の知能という名のとおり人間の活動そのものを真似たものなのです。


 
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2017年08月20日
No.3786 ちょっと一休み その608 『ピコ太郎の同時通訳者に見るAIでは出来そうにない人の優れた能力!』

6月4日(日)放送の「情熱大陸」(TBSテレビ)で通訳者、橋本 美穂さんについて取り上げていました。

そこで番組を通して、AIではまだ当分出来そうにない橋本さんの優れた同時通訳ぶりをご紹介します。

 

コミュニケーションの基本は笑顔だという橋本さんですが、武器は笑顔だけではありません。

例えば、海外メディア向けの外国特派員協会でのピコ太郎の記者会見、ピコ太郎による発言、「急にこうなって驚き、桃の木、20世紀でございます」は「I’m so surprised like a peach tree.」、そして「世界中の人に言いたいのは、ありがたまきこうじということです」は、「So all I want to say to everybody in the world is Arigato or Ariga-Tamaki-Koji.」という具合で、臨機応変の通訳が注目されました。

他にもふなっしーの会見でも同時通訳ぶりが冴えわたります。

 

仕事には確固たる哲学を貫いている橋本さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「お客さん(話し手)の代弁をしに行っているわけだから、なりきらなきゃいけない。」

「ということは、お客さんの価値観を瞬時に吸収して、それを言葉に反映していかなきゃいけないからね。」

 

本領が発揮されるのは、日本語と英語が飛び交うビジネス会議です。

海外に拠点を持つIT企業のある日の社内会議では7人が相手でした。

日本語から英語、そして英語から日本語への翻訳が瞬時に行われました。

この会議の参加者の一人は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「彼女の英語は分かり易いので、聞いていると全く間違いなくしゃべってくれているんで、安心して彼女に任せるという感じですかね。」

「ですから、彼女といるとストレスが全くかからないですよ。」

「「今本当にちゃんと伝わった?」というのがないんで、天才通訳者だと思うよ。」

「どういう頭の構造してたら出来るのかなっていつも思う。」

 

今年3月、橋本さんは通訳者人生でかつて経験したことのない仕事を引き受けました。

ピコ太郎が初めて挑む武道館ライブを同時通訳するというのです。

ピコ太郎はYoutubeを通じて世界的な人気者になりました。

今回のライブもリアルタイムでインターネットに配信されます。

単なる通訳では面白さを伝えきれません。

自分がピコ太郎になり切れるかどうか、そこが勝負でした。

出来る限りの予習はしてきましたが、ライブでは何が飛び出すか分かりません。

ステージは2時間に迫る長丁場、午後7時開演、橋本さんはまるで声優のようにしゃべり方を変化させました。

更に、ピコ太郎のダジャレを瞬時に英語に言い換えました。

同時通訳に悩む時間はありません。

 

その後日、東京の大手町、外資系企業が主催するイベントで橋本さんは通訳を任されました。

フリーランスの橋本さんは多くの場合一人で現場に立ちます。

参加者に配る無線機も自分でセットしなければなりません。

イギリスの企業による動画広告のマーケティングに関するセミナーなので、予め専門的な知識を身に付けておくことも必要です。

報酬は、拘束が半日か1日かで決まります。

勿論、橋本さんは最高ランクです。

プレゼン担当者はイギリス人なので、特殊な用語などを確認しながらイギリス英語のアクセントにも耳を慣らします。

この相手とは2度目の仕事だったので、雑談で相手をリラックスさせるのも仕事を円滑に運ぶコツです。

セミナーは東京オリンピックの公式スポンサーを対象にしていました。

このようなプレゼンテーションでは、プレゼンターの表情を見ながら協調するべきポイントを判断します。

一瞬のアイコンタクト、信頼関係が見て取れました。

 

橋本さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「通訳は一人でやってる仕事だから、お客さんが「良かったよ」って言って下さったり、「ここがダメだったね」って言って下さったりすることはあるんですけど、基本的には誰も何も言ってくれない。」

「自己批判精神を保つことがすごい大事で、「やったー」みたいな自己満足が一番危険だなと思います。」

 

現場に出ない日は、もっぱら仕事の準備に費やされます。

息子の音楽教室に付き添って難解そうな文献を広げます。

資料を読み込むのに場所は問わないようです。

橋本さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「実際には、通訳者にとってはすごくいろんな動作を瞬時に行わなきゃいけなくて、「リスニング」した音を「理解」しないと意味がないですよね。」

「で、ここでイメージをして記憶するんですよ。」

「日本語と英語は語順が逆で、それが故に聞こえてきた順番にそのまま文字を変換すれば訳せるのかというとそうではなくて、この(頭の中の)英語と日本語の世界の間に非言語地帯がある。」

「「反対派が多い」って言われると、「プンプン」みたいなイメージが強いんだなとか、そういうふうに覚えておきます。」

 

基本は言葉をイメージに置き換えることだと言います。

相手が口にする英語を文法にも語順にも囚われず、イメージの流れとして記憶し、その映像を瞬時に日本語にしているのです。

相手の言葉をいちいち日本語にして覚えようとすると、とても追いつけなくなってしまうというのです。

 

1ヵ月の仕事は平均30本から40本、しかも内容は多岐に渡ります。

的確な言葉選びには深い理解が必要です。

テーマや場所に応じてファッションにも気を配っています。

通訳者は黒子、どちらかといえばおとなしい服が多いです。

けれど、着心地には拘っています。

理想は、存在を感じさせない通訳のようです。

 

高いスキルを見込まれ、講師として通訳会社の勉強会に招かれました。

 

さて、海外投資家が様々な日本企業に直接向き合い、将来性を見て投資先を判断する「海外投資家と日本企業の投資コンファレンス」(Japan Opportunities 2017)では1千億円規模の商談につながることもあります。

橋本さんが担当するのは、日本の医療機器メーカーで、極細のステンレス製縫合針が主力商品です。

早速、台湾の投資家が訪ねて来ました。

ビジネスの最前線に曖昧なやり取りは許されません。

商品の魅力を伝えるため、さりげなく実感も言い添えます。

情報は飽くまでも正確に訳します。

台湾の投資家は、橋本さんの通訳に対する感想を次のようにおっしゃっています。

「通訳は完璧で、訳のスピードも良く、理解し易かった。」

「コンパクトに通訳してくれたので、考える時間もあった。」

「私は英語が母国語じゃないが、彼女は私の意図を分かってくれた。」

 

この日は、入れ代わり立ち代わり4ヵ国の投資家が説明を聞きにやってきました。

疲労困憊の毎日が続きます。

どんな現場も全力投球、とっておきの笑顔にはメンテナンスも必要です。

酷使し続けている耳と口、周辺の筋肉をほぐすメンテナンスは欠かせません。

毎月2回は行きつけの鍼灸院に通っています。

このメンテナンスの後でやっと顔に力が入るようになるというくらい顔の筋肉が酷使されているのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

橋本さんの同時通訳ぶりを番組で見て、まず驚いたことがあります。

それは、通訳時間の長さです。

私はよくエネルギーや環境関連の講演会に出かけますが、講演者が海外の方の場合、同時通訳が用意されます。

そして、だいたい20分ほどで通訳者は交代されます。

そのたびに、通訳の方はとても集中力が必要だからこのくらいの時間で交替が必要なのかなと思っていました。

ところが、橋本さんは一人で通訳しにくいピコ太郎のライブや1千億円規模の商談につながることもあるような投資コンファレンスを一人でこなし、しかも顧客から高い満足度を得ているのです。

一方、こうした疲労困憊の毎日が続くのですから、橋本さんが毎月2回は行きつけの鍼灸院に通っていることは頷けます。

 

さて、話し手になりきるということは、確かに通訳者にとってとても大切なことだと思います。

しかし、話し手になりきるためには、話し手についていろいろと事前調査をしておくことが求められます。

ですから、より一層話し手に寄り添った通訳への道はかなり険しいと感じました。


また、通訳とは言葉をイメージとして記憶し、その映像を瞬時に日本語に変換することだという橋本さんの言葉に、同時通訳の極意が多少分かったような気がしました。


ということで、AIはどんどん進化していますが、それでもAIが橋本さんレベルの同時通訳が出来るまでにはまだまだかなり先のことではないかと思った次第です。


 
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2017年08月19日
プロジェクト管理と日常生活 No.502 『世界各国が対応すべき最重要課題の一つは格差是正!』

最近マスコミで報じられている世界的な状況を見ていると、世界各国が対応すべき最重要課題として2つの項目が挙げられると強く感じます。

一つは、特に今夏の世界的な異常気象による豪雨などの大災害をもたらしている地球温暖化対策です。

そしてもう一つは、過激派が政権を握らないような健全な社会の維持を目指すこと(参照:No.3654 ちょっと一休み その586 『健全な社会では過激派は政権を握らない』

)です。

アメリカのトランプ大統領誕生の背景は、明らかにアメリカの格差社会化の進行です。

しかも、格差社会化の流れは、日本も含め先進国で起きています。

ここで救いなのは、格差社会は地球温暖化と同様に人為的な原因に因るということです。

要するに、政府の所得再配分政策如何で解決出来るのです。

しかし、所得再配分するにしても、その財源は税金です。

その税収を一定規模恒常的に確保するためには、経済が安定的に成長していなければなりません。

しかし、特に先進国においては、高い経済成長は見込まれません。

 

そこで、格差是正という課題の対応策としては以下の2つが考えられます。

・富裕層の所得税率アップによる税収増

・シェアリングエコノミーの拡大による生活レベルの格差是正(参照:アイデアよもやま話 No.3423 進化するシェアリングエコノミー その1 個人間のマッチングサービス!

 

特に、シェアリングエコノミーは、いろいろなモノやサービスを新たに購入しなくてもお互いにシェアすることによりとても安く、あるいはタダで利用出来る社会を実現することが出来ます。

シェアリングエコノミーの拡大により、所得が少なくても日々の生活レベルの格差を縮めることが出来るのです。

しかも、シェアリングエコノミーは、モノやサービスをシェアすることから省資源による省エネ効果ももたらします。

 

ということで、国や自治体においては、シェアリングエコノミーの拡大を目指すべく、様々な取り組みの検討を進めていただきたいと思います。


 
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2017年08月18日
アイデアよもやま話 No.3785 AIの活用事例 (4) その5 AIによる資産運用!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第4弾として今回も8回にわたってご紹介します。

5回目は、AIによる資産運用についてです。

 

5月29日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIによる資産運用について取り上げていたのでご紹介します。

 

AIは金融の分野でも活用が広がって来ています。

こうした状況について、番組コメンテーターで大和総研チーフエコノミストの熊谷 亮丸さんは、次のようにコメントされております。

「今年、産学連携で大和証券グループと東京大学が未来金融フォーラムを立ち上げて、ここでいろいろと研究しているんです。」

「その中で大きなテーマとして、AIをどれくらい資産運用で活用出来るか、その限界は何かと。」

「そこが大きな議論の的なんですね。」

「(見えてきた課題について、)一つは他の投資家の行動を理解してAIが行動するかどうかということが非常に大きな課題なんですね。」

「市場というのは、ケインズが言っているように美人投票である。」

「自分が美人だと思う人に投票するんではなくて、多くの人が美人であると思うであろう人に投票する。」

「要するに、勝ち馬に乗らなくてはいけないわけですね。」

「ですから、AIがお互いに市場で対戦をして、他の人のトレード戦略を勉強することが必要だということが1点目。」

「もう一つは、短期はまずまずなんですが、相場の潮目が変わる時ですね。」

「ここは、やはり創造性が必要になりますから、新たなストーリーをつくったりだとか、大局観を持ってみたりだとか、閃きだとか、このあたりがこれからのAIについては課題になるということです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

既に、チェスや将棋、囲碁などゲームの世界ではAIがプロのプレイヤーを相手に対等以上の実力を発揮するまでに至っています。

そうした中、資産運用の世界でもアイデアよもやま話 No.3679 AIが運用する投資信託の個人向け販売開始!などでご紹介したように既にいろいろな動きが出て来ています。

ですから、いずれ資金運用の世界においても、株式や金など様々な投資先をその時々の情勢を元に最適な組み合わせで選択して投資するAIが登場してくることは間違いありません。

そうしたAIの活躍の元になるのはディープラーニング(参照:アイデアよもやま話 No.3076 人工知能進化のカギ ディープラーニング!)です。

こうした膨大なデータの分析の結果、導き出されるAIの判断結果は投資の専門家と言えども理解することはとても困難です。

ですから、こうしたAIの活用にあたっては、AIの決定を私たちが理解不能というリスクが常に付きまとうことを忘れてはならないのです。


 
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2017年08月17日
アイデアよもやま話 No.3784 AIの活用事例 (4) その4 AIによる日本初のヘッドハンティングサービス!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第4弾として今回も8回にわたってご紹介します。

4回目は、AIによる日本初のヘッドハンティングサービスについてです。

 

5月29日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIによるヘッドハンティングサービスについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ベンチャー企業、株式会社scouty(スカウティ)(東京都渋谷区)では、AIを使って日本初のヘッドハンティングサービス、“スカウティ”を始めました。

“スカウティ”は、ソフトウェアを開発するエンジニアに特化したサービスです。

エンジニアは、自分が書いたプログラムやソースコード、連絡先のメールアドレスなどをSNSやブログで公開していることが多いといいます。

“スカウティ”はこれらのデータをネット上で収集、能力に応じてスコア付けするなどしてデータベースを作ります。

企業が求めるスキルや専門分野を選ぶと、AIが適した人物を紹介、それを元に企業の担当者がスカウトのメールを送ります。

利用者側からは登録の必要はありません。

本人さえ気づいていない潜在能力や最適な転職先をAIが見つけてくれるのです。

スカウティの代表取締役、島田 寛基さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「転職というのは自分では発見出来ないものがほとんどだと思うので、そういう気付きを自分が普段残しているものから提案出来る・・・」

 

実際に、“スカウティ”を使って転職した人もおります。

4月にクラウド会計ソフトのfreee株式会社に入社した清水 陽一郎さんの前職はメーカーの子会社で、freeeについては社名も知りませんでした。

清水さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「普段から何通か転職のスカウトメールなどはいただいてたんですけども、“スカウティ”経由で来たメールに関しては、私が公開しているプログラムとかを読んだ上で送ってもらえたという丁寧な内容だったので、すぐ返信しましたという感じです。」

 

人の心を読み解くAI、私たちの気付かないところで暮らしを変えていくかもしれません。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず、今現在、SNSやブログなどネット上のデータを集めて加工するだけでヘッドハンティングをビジネスとして成立させるレベルの情報を提供出来るという事実に驚きます。

しかも、対象となる当事者が“スカウティ”に登録する必要がないというところがこれまでの同様のサービスにはない特徴だと思います。

 

“スカウティ”は現在ソフトウェア・エンジニアに特化したサービスですが、いずれ他の業種の人材の雇用においてもこうしたサービスは展開されている可能性を秘めています。

今回ご紹介したサービスからは、新しい時代のビジネスの匂いが感じ取れます。


 
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2017年08月16日
アイデアよもやま話 No.3783 AIの活用事例 (4) その3 AIが”無意識”を見破る!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第4弾として今回も8回にわたってご紹介します。

3回目は、”無意識”を見破るAIについてです。

 

5月29日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”無意識”を見破るAIについて取り上げていたのでご紹介します。

 

今やAIで人の心を読み解く研究も進められています。

NTTコミュニケーション科学基礎研究所では、運転している場面を想定し、目の動きをカメラで撮影して分析する実験を進めています。

前方を走るトラックが急ブレーキをかけたら足元のブレーキを踏んで衝突を回避します。

分析した結果を見ると、眼球の様子から推定された注意レベルがグラフ表示されます。

カメラが認識していたのはマイクロサッカードと呼ばれる100分の1秒に満たないほどの間に起きる細かい眼球の動きです。

本人も自覚していない僅かな目の動きをAIが解析します。

マイクロサッカードの発生頻度が多いのは、注意レベル、すなわち集中力の低下として反映されるのです。

この研究は、自動車を運転する時の注意喚起だけでなく、学校の授業やプレゼンなどにも使えるといいます。

NTTコミュニケーション科学基礎研究所では、無意識の心を読み取ることが出来るAIの研究を更に進めていく考えです。

前田 英作所長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(心が丸裸になる恐怖について、)使い方と同時に危険性もよく考えながら進めていきます。」

「(将来的にどこまで心の中が見えるかについて、)それはやってみないと分からないですね。」

「(心の中が丸裸になる可能性について、)ありますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

現在、あらゆるモノがIoT(モノのインターネット)により“見える化”に向けて動き出しています。

そうした中、マイクロサッカードは人の“無意識”の“見える化”と言えます。

確かに、学校の授業やプレゼンなどで、受ける側の集中力の度合いが分かれば、授業やプレゼンの改善に向けた取り組みにとても参考になります。

 

しかし一方で、前田所長も指摘されているように、こうした技術は人の心をガラス張りにしてしまうリスクを秘めています。

ですから、こうした技術の実用化に向けては、常に個人情報の保護という観点が考慮されなければならないのです。


 
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2017年08月15日
アイデアよもやま話 No.3782 AIの活用事例 (4) その2 AIが過疎化を救う!?

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第4弾として今回も8回にわたってご紹介します。

2回目は、過疎化を救うAIについてです。

 

5月17日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で過疎化を救うAIについて取り上げていたのでご紹介します。

 

過疎や過疎と見なされる過疎関係市町村は797あるといいます。

全国の市町村の数が1718ですので、日本の46%、半分近くが過疎地域ということになります。

そこには、高齢化に伴い交通難民や買い物弱者など様々な問題が起きていますが、それをAIを使って解決しようと新たな試みが始まっています。

 

京都府南部に位置する南山城村、人口はおよそ2800人、京都唯一の村でスーパーマーケットもコンビニもありません。

その村が運営する1日3便しかないワゴンバス、全国の過疎地域が抱える買い物弱者、交通難民の問題をどう解決していくのか、南山城村ではAIを使った実証実験を始めています。

村の総務課の関口 翔平さんとAIベンチャー、株式会社エルブズの冨永 善視さんはある日一人暮らしの高齢女性宅を訪れて、タブレットを取り出しました。

そして、アプリを立ち上げると5人のキャラクターと会話が出来るようになっています。

指でキャラクターを下げると、そのキャラクターが登場、早速自分の名前を入力していくと、キャラクターが話しかけてきます。

このAIが目指すのは人間らしい会話です。

更に、例えば出かける際にワゴンバスの時刻表が見たいと入力すると、時刻表を表示してくれるだけでなく、料金やリアルタイムのバスの位置まで教えてくれます。

このように、AIが一人暮らしなどの高齢者の良き話し相手になるのです。

それだけではありません。

村の役場では、タブレットの使用状況が見られるので安否確認にもつながるのです。

南山城村は約20人の高齢者にこのタブレットを配り、実証実験を行っています。

 

2次元のキャラクターと親しみが湧いて来る理由には、ある仕掛けがありました。

アンドロイド研究の第一人者で、人間との対話について研究している大阪大学(大阪・豊中市)の石黒 浩教授がこのAIの監修を引き受けていたのです。

キャラクターを実在の人物に近づければ、その場所に行った気分にもなり、会話も増えていくのではないかとエルブズの担当者との会議で指摘しています。

石黒教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「アンドロイドを作る意味は、「対話とは何か」とか、「対話のエッセンスは何か」を調べるためなんですよね。」

「アンドロイドの研究から生まれたいろいろなアイデアを実用化に結びつけている・・・」

 

南山城村役場では、AIの使い方を進めていました。

村が期待しているのが、御用聞きとしての役目です。

例えば、道の駅で売っている弁当を配達してもらいたい場合、タブレットでAIに注文すると、すぐさま道の駅に送られます。

AIが御用聞きとなり、情報を前さばきしてくれるので、計画的に弁当を作ることが可能になります。

将来的には弁当だけでなく、野菜や日用品を配達することを検討しています。

南山城村の手仲村長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「これ(AI)をうまく使えば、買い物難民だけでなくて、医療の点、交通アクセスの問題も含め山間へき地には便利な手段になってくるかな・・・」

 

エルブズの田中 英樹社長は、過疎で苦しむ地域をAIが解決していくと信じており、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「AIを通じて物を発注する方は間違いなく増えると。」

「南山城村もAIで進化をしていくわけなんですが、私どもエルブズとしては他の地域でもこの知見を広げていきたいと。」

 

今回ご紹介したAIシステムは導入コストが安く、ソフトとタブレットがあれば出来るので、小さな過疎の村でも導入し易いのではないかということです。

こうした取り組みについて、番組コメンテーターでレオス・キャピタルワークス社長の藤野 英人さんは、次のようにおっしゃっています。

「この実験が成功したら、沢山過疎の村がありますから日本の大きな課題解決になるんじゃないかなと思いました。」

「これから少ない人口の若者が高齢者を支えなければいけない時代になるわけですけども、今後目指すのは多世代共生時代じゃないかなと思ってまして、多くの人たちが混在して生きる社会になると思うんですね。」

「そこで必要なのは、“IT”と“愛嬌”というふうに思います。」

「今回のようなAIとか監視カメラのようなITを使って、省力化、少人化をしていくと同時に人間らしいサービスですね。」

「人間が行う人間らしいサービスでいう“愛嬌”が必要ではないかなと。」

「(具体的には、)御用聞きのようなサービスですね。」

「省人化、省力化によって空いた手間によって、人による温かいサービスが出来るようになるんじゃないかなと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

全国的に過疎化が進み、一方で少子高齢化も進んでいます。

こうした中、AIを含め、IT全般を総動員して過疎地域での暮らしをサポートする体制の整備が求められます。

そういう意味で、南山城村とエルブズとのAIを活用した取り組みは、今後の過疎地域対策の先駆けと言えます。

一方、番組コメンテーターの藤野さんの指摘されている“愛嬌”もとても大切だと思います。

人はモノではありませんから、ただ必要なモノやサービスを提供するだけでは無味乾燥した、ただ生きているだけの暮らしになってしまいます。

人として豊かな暮らしをするためには、親しい人や同じ趣味を持つ人などとのコミュニケーションが欠かせません。

そこで、遠く離れた家族や同じ村の親しい人たち、あるいは擬人化したAIとのコミュニケーションの環境整備が求められるのです。

幸いなことに、こうした環境を可能にするほとんどの技術は既に実用化されています。

ですから、各自治体がその気になって動き出せば、過疎地域の抱える問題の多くは解決出来るはずなのです。


 
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2017年08月14日
アイデアよもやま話 No.3781 AIの活用事例 (4) その1 監査にも活用されるAI!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第4弾として今回も8回にわたってご紹介します。

1回目は、監査にも活用されるAIについてです。

 

これまでプロジェクト管理と日常生活 No.413 『東芝の不正会計にみるプロセス管理の重要性』プロジェクト管理と日常生活 No.422 『東芝の不正会計にみる監査法人の定期検査運用のあり方』で企業の不正会計への対応策についてお伝えしてきました。

そうした中、4月11日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で監査にも活用されるAIについて取り上げていたのでご紹介します。

 

各企業は四半期報告書を作成しますが、これは企業業績を判断するうえで非常に重要ですので、内容が正しいかどうか第三者の証明が必要になります。

それを証明するのが監査法人です。

企業は四半期報告書を作成しますと、監査法人に監査してもらうという義務があります。

監査法人は、内容に不備がなければ適正意見という、言わば“お墨付き”を与えます。

そして、企業はこの“お墨付き”をもらった四半期報告書を金融庁の財務局に提出し、決算会見を開くというのが一般的な流れになります。

 

この監査法人ですが、複雑化する企業の財務データなどをチェックするため、その仕事は多忙を極めており、企業の不正を見逃してしまうこともあるという指摘もあります。

そこで、不正防止につながる技術の開発も進んでいます。

大手監査法人の一つ、監査法人トーマツには3000人以上の公認会計士がおよそ3400社の監査を手掛けています。

監査法人が手がける上場企業の決算調査は年々厳しさを増しており、監査法人トーマツの矢部 誠パートナーは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「企業の活動はどんどんグローバル化していく部分もありますし、海外、国内含めて様々な取引が膨大に発生される。」

「(そうした中で、)会計士も急激に増えるというような見通しも立ちません。」

「多くの領域を人工知能、ないしデータの処理と分析で補助していく。」

「より精度の高い監査、品質の高い監査が実現されて行くという・・・」

 

企業のグローバル化などでチェックしなければいけない書類は膨大になり、人手による監査には限界もあるといいます。

そこでトーマツが導入を始めたのはAIです。

 

実は、これまでの人手による監査は、通常企業が持つ資料の一部を抜粋して使うサンプル調査でした。

これに対し、AIによるデータ分析では全ての資料をチェック出来るようになります。

例えば、売り上げ全体が下落傾向の中で一つの商品だけ突出して売り上げが伸びている場合などに、それをAIが検知して異常があると警告を出すなど、細かいチェックが自動的に出来るのです。

財務データのチェックを自動化することで、公認会計士は経営者などとの対話に時間を使うことが出来るようになります。

数字には表れない経営判断などの問題を見抜く体制も整え易くなるといいます。

矢部パートナーは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「企業が重要な経営上の判断をする中において、その背景や合理性の判断をしていくのはまさに会計士が今後も必要とされる領域だと考えております。」

「企業と向き合っていくことで監査人が本来果たせる役割が発揮されていく。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組でも指摘しているように、一般的に監査といっても監査人、あるいは時間的な制約からサンプル調査を行い、全ての関連資料をチェックすることはまずありません。

しかも、企業のグローバル化などでチェックしなければいけない書類は膨大になっているといいます。

こうしたことから、AIの活用により全ての関連資料をチェック出来るようにすることはとても良いことだと思います。

しかも、AIが検知して異常があると警告を出すようになれば、監査の質的な向上も期待出来ます。

このように、監査におけるAIの活用は、監査法人にとっても監査される企業にとってもメリットがあるので、今後とも多くの監査法人によるAIの導入が進められると思います。


 
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2017年08月13日
No.3780 ちょっと一休み その607 『まるで生きているような”鑑賞魚ロボット”!』

7月5日(水)、「再生可能エネルギー世界フェア2017」(パシフィコ横浜で開催)に行ってきました。

そこで、一瞬本物のコイが泳いでいるのかと間違える程の“鑑賞魚ロボット”を見かけたのでご紹介します。

 

この魚ロボットの商品名は「マイロ(MIRO)」(動画はこちらを参照)ですが、水槽の中でランダムな動きをしており、お互いにぶつかりそうになると避けて泳いでいました。

こうした自然な動きに、私だけでなく何人かの人たちがしばらくの間見入っていました。

ちなみに、記憶は定かでありませんが、説明員によるとフル充電で8時間ほど泳ぎ、価格は40万〜60万円ほどということでした。

こうした自然な動きにより、以前ご紹介したロボットホテル(参照:アイデアよもやま話 No.3160 世界初のロボットが働くホテル!)などでも導入されているといいます。

 

こうしたロボット技術の進歩により、いずれロボット水族館やロボット動物園、更にはロボット恐竜館のようなイベント施設がオープンするのではないと想像されます。

ちなみに、ロボットであればエサやりは不要で、水槽の清掃なども本物に比べればとても楽だと思います。


 
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2017年08月12日
プロジェクト管理と日常生活 No.501 『平和憲法下の日本が取るべき究極の戦争リスク対応策 その2 平和国家における究極の兵器とは・・・』

平和憲法下の日本は、どこかの国に軍事的に攻め込むことは憲法で禁止されております。

しかし、現在この日本国憲法の見直しの動きがあります。

その背景には北朝鮮の核兵器開発、および中国の南シナ海での強引な領土拡大、あるいは尖閣諸島への度重なる挑発的な行動などがあります。

こうした動きのある中で、国際社会において、平和国家、日本の発言力を高め、あるいはいざ日本が他国による軍事行動にさらされた場合に備えたしっかりとしたリスク対応策を検討しておくことは日本国民の安全な暮らしの維持を確実なものにしておく上でとても大切です。

そこで、2回にわたって平和憲法下の日本が取るべき究極の戦争リスク対応策について、私の思うところをお伝えします。

2回目は、平和国家における究極の兵器についてです。

 

いくら日本は平和国家であるとか、戦争反対を唱えても、どこかの国が明確な侵略の意図を持って日本に対して軍事行動を起こした場合、何らかの軍事的な対応をしなければ、相手国の意のままに占領されてしまいます。

また、ほぼ全ての国民はこうした占領は望んでいないと思います。

そこまでいかなくとも、他国により強力な軍事的圧力を背景に外交政策を展開された場合、国民感情として多少相手国に妥協しても戦争回避を望むと思われます。

 

このようなことを勘案して、平和憲法下の日本が国としての生存権を賭けた究極の兵器は何かについて考えてみました。

そして、思いついた究極の兵器は2つあります。

まず一つ目は、サイバー兵器です。

その機能は、2つあります。

1つは、相手国のあらゆる軍事情報の把握です。

もう一つは、相手国の軍事行動や兵器操作のかく乱です。

この2つの機能により、相手の動きを察知し、軍事行動、あるいは兵器の使用を無効にしてしまうのです。

 

2つ目の究極の兵器は、レーザー兵器を搭載した軍事衛星です。

この軍事衛星には2つの機能を持たせます。

一つは、高精細カメラなどによるセンサー技術を駆使した相手国のあらゆる物的な兵器の動きの把握です。

もう一つは、軍事衛星から放出される強力なレーザー光線による兵器の破壊、あるいは発射された核弾頭などの撃破です。

ちなみに、こうしたレーザー兵器の研究開発は既にアメリカで進められています。(こちらを参照)

 

以上、2回にわたってお伝えした究極の戦争リスク対応策によって、平和憲法下の日本国民は他国からの脅威にさらされることなく安心して暮らしていけると思うのです。

そのためには、他国に比べてこうした兵器に関する圧倒的な技術力を常に有することが求められます。

そして、そのためには大学などの研究機関のレベルアップが必須なのです。

ところが、研究者の中には、研究開発はあくまでも軍事関連を除いた平和目的に限るべきであり、国の兵器開発については協力すべきでないと唱えている方々もおられます。

ですから、政府はまず平和国家における国家安全保障のあり方をきちんと国民に説明し、十分な国民の理解を得ることがまず必要なのです。

 

確かに、他国を侵略する手段としての兵器開発は国として避けるべきだと思います。

しかし、他国から侵略された場合のリスク対応策、すなわちコンティンジェンシープランとして、平和憲法下で自衛隊や兵器を要すことは、国家安全保障の観点から必須だと思うのです。

多くの国民は、他国からの侵略に対して、侵略国のなすがままで自国が占領されても構わない、とは思っていないはずです。

こうしたコンティンジェンシープランの発動をしないためにも、より多くの国々と平和的な関係を常日頃築いておくことが求められるのです。

そのためには、前回お伝えしたように、途上国への経済支援や先進国や新興国との経済的なWinWinの関係を築いておくことがとても大切なのです。


 
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2017年08月11日
アイデアよもやま話 No.3779 液状化する砂場の持つ可能性!

砂場がどろどろした液体のようになるなんて想像する人はあまりいないと思います。

ところが、液状化する砂場を作った人がいるのです。

6月14日(水)放送の「はやドキ!」(TBSテレビ)で液状化する砂場の持つ可能性について取り上げていたのでご紹介します。

 

液状化する砂場と開発したものつくり大学の開発者、的場 やすしさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「これ(液状化する砂場)は、流動床インターフェースという研究でして、下から空気をバーッと出すと液体みたいになります。」

「(その結果、)水みたいに負荷がかかりますので、この中で運動すれば、トレーニングですとかリハビリとか、そういう用途に使えると思います。」

「中で溺れちゃいそうになったら止めればいいので、安全性は高いかなと思います。」

 

なお、番組のレポーターは、砂のお風呂やサーフィンを楽しんでいました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

砂場の液状化を考えてみると、固体と液体の違いの本質が見えてきます。

ですから、こうした本質から物事を考えると、砂場の液状化の実現も当然のことと思えるようになります。

そういう意味で、今回ご紹介した砂場の液状化から物事の本質を見極めること、そしてそこから生まれるイマジネーションの大切さをあらためて思いました。

 

さて、この液状化した砂場は、番組でも取り上げていたように、サーフィンなどのスポーツ、そしてリハビリ、あるいは砂のお風呂など子どもだけでなく大人にとってもちょっとしたレジャー施設としていろいろな用途がりそうです。


 
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2017年08月10日
アイデアよもやま話 No.3778 2020年には空飛ぶタクシーの試験飛行開始!?

6月12日(月)付けネットニュース(こちらを参照)で2020年には空飛ぶタクシーの試験飛行が開始されるという記事を見つけたのでその要点をご紹介します。

 

アメリカのライドシェア(相乗り)大手のウーバーテクノロジーズは4月下旬、「空飛ぶタクシー」の開発計画を発表しました。(ウーバーについてはアイデアよもやま話 No.3382 ウーバーによるタクシー革命!を参照)

ウーバーは本気で空飛ぶタクシーを実現しようとしています。

狙いは、ユーザーにより良いモビリティー・サービスを提供するためだといいます。

これまでウーバーは、A地点(出発地)からB地点(目的地)まで移動したいユーザーに対し、一般の人が運転する自動車を配車するサービスを展開してきました。

一方、空飛ぶタクシーを使った新サービスは、顧客をA地点からB地点まで、ほぼ直線に近い最短ルートで届けられる点に最大のメリットがあります。

機体の開発では既にブラジルの旅客機メーカーなどとの提携が決まっており、2020年までに試験飛行を実現させるとしています。

 

ウーバーだけではありません。

航空機大手の欧州エアバスや、米グーグル共同創業者のラリー・ペイジ氏が出資するシリコンバレーのベンチャー企業、キティホークなども、空飛ぶクルマ(ただしキティホークは「個人向け飛行機」という位置付け)の開発を目論んでいます。

 

クルマは基本的に、陸の上でも道路が敷かれている場所でないと走れません。

ですが、空飛ぶクルマは違います。

もちろん、あまりにも空飛ぶクルマの数が増えたら渋滞はすると思いますが、自動運転であれば最大限、回避はできるはずです。

もし近い将来、世界のデフォルトが空飛ぶクルマになるとしたら、今ある以上の道路を地上に造る必要はなくなります。

インフラにかけるコストを大幅に圧縮出来るのです。

日本でこそ、あらゆる地域に道路インフラが整っていますが、世界を見ればそんな地域の方が少ないのです。

ところが、そんな場所にも人は住んでいます。

これまでは歩くか、牛や馬を使わなければ思うように移動できなかった人たちも、空飛ぶタクシーを使えば、いつでも望む場所に行けるようになります。

急病人が出た場合などは特に役に立つはずです。

 

人の移動だけではありません。

物資の調達も圧倒的に容易になります。

インターネット通販を利用すれば、山岳地だろうと離島だろうとあらゆるモノが手に入ります。

もしかしたら、離島に全く店がなくなっても、誰も困らないかもしれません。

空飛ぶクルマに届けてもらえばいいからです。

 

以上、記事の一部をご紹介してきました。

 

それにしても、ウーバーが本気で空飛ぶタクシーを実現しようとしており、2020年までに試験飛行を計画していることには驚きます。

驚きの理由は、ベンチャー企業であるウーバーが究極のモビリティー・サービスを目指して真剣に取り組んでいること、そして2020年までという短期間のうちに試験飛行を計画していることです。

 

もし、本当に2020年に空飛ぶタクシーの試験飛行が成功し、2025年くらいに実際にサービスの運用が開始されたら、と思うと既存の自動車業界はどうなってしまうのかとても気になります。

 

また、空飛ぶタクシーが実用化されるということは、自家用車も空飛ぶクルマに徐々に移行することになりそうです。

その際、運転免許がどうなるか心配ですが、自動運転で国からの許可が出れば運転免許が不要でも乗ることが出来ます。

 

また、空飛ぶタクシーが実際に空を飛べるようになるには十分な落下事故対策が必須です。

そして、この安全対策をクリアするためにはかなりの期間を要すと思われます。

ですから、こうした観点からすると、特に道路網が発達し、建物の密集地域の多い先進国での空飛ぶタクシーの実運用は予想以上に時間がかかると思われます。

一方、交通網の整備されていない途上国においては、道路を整備しなくても、あるいは免許不要で誰でも利用出来る空飛ぶタクシーは素早く普及していくと思われます。

 

さて、空飛ぶタクシーには、もう一つハードルがあります。

それは、電気自動車(EV)としての制約です。

既に普及しつつあるEVですが、普及の大きなネックはバッテリーのフル充電での走行距離です。

道路を走行するEVですらこうしたネックがあるのに、空飛ぶタクシーのフル充電での飛行距離はどのくらいなのかとても気になります。

ですから、このことが空飛ぶクルマの普及の大きなカギになっていると思います。

現行のEVとは違う、何か画期的な動力源を並行して開発しているのか気になるところです。

 

ところで、なぜウーバーは空飛ぶクルマを製作し、一般の空飛ぶクルマとして販売するのではなく、タクシーに特化した空飛ぶタクシーとしてサービスを開始するのでしょうか。

その理由について、私なりに考えてみました。

その結果は以下の通りです。

・空飛ぶタクシーのサービスに特化することにより、一切乗客に事故責任が及ばないようにすること

・自動運転による空飛ぶタクシーでは、ウーバーがあらゆる面でタクシー全体の動きをコントロール出来ること

・更に、このことによって安全面の強化を一層し易く出来るようにしたこと

 

このように、空飛ぶタクシーでの運用実績を積み重ねることによって、運用面、および安全面での十分な成果を元に、タクシー以外の一般的な空飛ぶクルマや宅配サービスなどにも展開していくのではないかと想像されます。

ですから、運輸サービス業界の人手不足問題は、空飛ぶタクシーの成功如何によっては解決される可能性があります。

 

また、今話題のドローンとの住み分けについては、少量の荷物についてはドローンが、そして大量の荷物は空飛ぶクルマが受け持つというようになるか、あるいは将来的には“空飛ぶxxx”というように統合化されたネーミングになるのではないかとも思われます。

 

いずれにしても、インターネットやロボット、AIなど先進技術で世界をリードしてきたアメリカが空飛ぶクルマでも先行していることにアメリカのダイナミックな底力を感じます。

 

日本においてもこうありたいという強い想いを抱いて、それを達成するために真っ向から立ち向かっていくようなベンチャー精神の旺盛な若い人たちの登場を期待したいと思います。

同時に、こうした若い人たちに活動資金を提供する、冒険心の旺盛なベンチャーキャピタルの登場も願いたいです。


 
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2017年08月09日
アイデアよもやま話 No.3777 100%汚染水のアイスキャンディ!

7月24日(月)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で100%汚染水のアイスキャンディについて取り上げていたのでご紹介します。

 

台湾の芸術大学の学生たちが100%汚染水のアイスキャンディを制作しましたが、それは水質汚染の危機的状況を訴えようというアート作品なのです。

ちなみに、この大学近辺の川の水で作ったアイスキャンディは紫色です。

また、別な場所の水で作ったアイスキャンディの色は一見透明に近いのですが、よく見るとプラスチックのゴミなどが入っています。

 

いつか、これらのアイスキャンディが透明になる日は来るのでしょうか。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

それにしても、川の水の色が紫というのは、どれほど水質汚染が進んでいるのかとても気になります。

日本もかつては水俣病など水質汚染問題に直面していた時代がありました。(参照:アイデアよもやま話 No.3079 かつての日本は公害先進国だった!

こうした問題は主にマスコミやジャーナリストなどによりそれぞれの方法で指摘されてきました。

そうした中で、今回ご紹介したように私たちの身近なアイスキャンディを使ったアートで表現する方法は、視覚的に訴える、そして誰にでも分かり易いストレートな表現方法で、あらためてアートの持つパワーを感じました。


 
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2017年08月08日
アイデアよもやま話 No.3776 成長戦略の起爆剤として期待される「サンドボックス」制度!

6月9日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で成長戦略の起爆剤として期待される「サンドボックス」制度について取り上げていたのでご紹介します。

 

前回、危うい日本の財政健全化目標の達成についてご紹介しました。

 

安倍政権が閣議決定した新戦略の中身は以下の通りです。

(骨太の方針)

・幼児教育の無償化

(成長戦略)

・AI(人工知能)を活用した診察

・トラックの「無人隊列走行」

・ドローンによる配送

・「サンドボックス」制度

 

こうした内容の背景には人口減少があります。

新技術を活用することで深刻な労働力不足を解消しようという狙いがあります。

中でも注目すべきは「サンドボックス」制度です。

「サンドボックス」は砂場という意味ですが、公園では親に見守られながら砂場で子どもたちが山を作ってみたり、すぐに壊してみたり、ルールに縛られずに自由に遊んでいます。

今回盛り込まれた「サンドボックス」制度は、この砂場の遊びと同じように政府の許可を得た企業が法律に縛られずに自由に新しいサービスを試すことが出来るという制度なのです。

 

ところで、似たような制度として「特区」がありますが、地域を限定する「特区」と比べると、全国規模での規制緩和が可能になると言われています。

更に、国があらかじめ決める「特区」と違って、企業側からの提案で緩和を決められるためにスピード感を持って新しい技術の開発が出来ると期待されています。

 

この「サンドボックス」制度を待ち望んでいた企業があります。

「割り勘」アプリを開発した株式会社Kyash(東京都港区)です。

この会社の“ワリカンアプリ”は、4人でランチに行き、代表者がまとめて支払った時にスマホ内で代表者は3人に対して請求出来、その3人は代表者に対して送金するというシステムです。

しかし、現状では代表者に送金されたお金は現金化出来ません。

現状の法律や規制によるもので、それは商品開発におけるテストさえ出来ない状況だといいます。

社長の鷹取 真一さんは、こうした状況について番組の中で次のようにおっしゃっています。

「免許や認可がないと実施できない種類のサービスになりますので、小さい規模でも検証がかなり難しいかなと。」

「最初のテストをするまでのハードルが高く、期間も長期化してしまうというところがあるので・・・」

 

今回の政府の成長戦略、企業が自由に新しいサービスを試すことを認める「サンドボックス」制度が始まることで、どのようなサービスが考えられるのでしょうか。

鷹取社長は、新サービスについて次のようにおっしゃっています。

「例えば大きなイベントの入り口などで、QRコードを読み取ることによって簡単に主催者やイベントに対して送金していくことが可能になります。」

「全額現金化するのは難しいにしても、一定の金額までは現金化することが出来れば、ユーザーとしてももう少し利便性が高まるのかなと。」

 

現在の“ワリカンアプリ”は、大人数で大きな金額を集めた場合、現金化出来ないので利用に適していません。

結婚式の二次会や大きなイベントなどで使えるようになれば、サービスも多様化していくと鷹取社長は考えています。

 

フィンテック協会の丸山 弘毅理事は、「サンドボックス」制度はイギリスやシンガポールで既に始まっているものの、まだ成果は出ていないといいます。

そして、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「海外ではこういう制度がある国もあって、そうすると(その国が)先に試してみて成功して広まっていくと、どうしても日本が後手後手になって海外で生まれたサービスを徐々に真似ていくようになってしまうと。」

「フィンテック業界としては、「ようやく」であり、「一番いい」タイミングでもある。」

 

 

番組コメンテーターでA.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんは、次のようにおっしゃっています。

「(「サンドボックス」制度について、フィンテック業界以外にも利用価値があるのではないかという問いに対して、)特に威力を発揮するケースは2つだと思っています。」

「一つ目は、フィンテックもそうなんですが包括的な情報があって、広すぎる規制があって、そのごく一部をやりたいんだけれども、広すぎる規制を全部守んなきゃいけないというケースで、まさにキャッシュが今回のケースでいうと現金化しようと思ったら銀行法を守らなきゃいけないという話になって、とてもたまったもんじゃないと。」

「それから2つ目のケースは、ある一つのサービスを展開しようと思った時に、実に様々な法律にひっかかって、複数の規制官庁と折衝を同時にしないとサービスが成立しない。」

「例えば、自動走行は典型例ですけど、道路法、道路交通法、事故が起こった時には憲法、民法とあって、それぞれ官庁が違うわけですね。」

「そうすると、今回のような「サンドボックス」(制度)を使えば、関連する省庁全部集まってもらって、事務局になる内閣府が仕切って、どこからどこまでの規制をどういう時間軸で1回解除しましょうというワンストップの仕切りが出来ると。」

「(これから対象になる企業を選ぶ作業になってくるが、時節柄選ぶ時の透明性が重要になってくるのではという問いに対して、)どういう基準をクリアしたらこの実験を認めますという、これはなるべく透明化した方がいいと思うんですけど、大事なのはどれだけ沢山の実験をなるべくスピーディに出来るかだと思うんです。」

「なので、あんまり細かくというか、うるさく、厳しくチェックし過ぎて、沢山申請があったのにその10分の1しか実験しませんでしたとしたらもったいない。」

「沢山失敗していいので、とにかく早く大量の実験をするというつもりで臨むのがこの新しいビジネスの種を探すという意味で有効だと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した“ワリカンアプリ”のように新しいITを駆使したサービスは既存の法律や規制が想定していないようなケースが対象となる場合が多いのです。

ですから、国や自治体は過去の事例の延長線上で考えるのではなく、新しいビジネスの芽を育てるという観点で、それに沿った目線での様々な支援を行うべきなのです。

そういう意味で、今回ご紹介した「サンドボックス」制度は、一つのとっかかりだと思います。

 

なお、新戦略の中身の骨太の方針について、とても気になります。

幼児教育の無償化を掲げていますが、子育ては幼児教育だけで終わるわけではなりません。

少子化対策としては、子どもが生まれる前から大学を卒業するまで、要するに子どもが社会に出て独り立ち出来るまでの全てのプロセスを支援すること、すなわち大学卒業までの無償化を目指すべきなのです。

そして、そのための実現可能な制度を検討することこそ、国や自治体の役割だと思うのです。


 
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2017年08月07日
アイデアよもやま話 No.3775 危うい日本の財政健全化目標の達成!

少子高齢化の進む中、世代間の人口のアンバランスから多くの国民は日本の財政状況について大なり小なり不安を感じていると思います。

そうした中、7月18日(火)放送のニュース(NHK総合テレビ)で日本の財政健全化目標について取り上げていたのでご紹介します。

 

膨れ上がる国の借金にいかに歯止めをかけるのか、そのために政府が掲げている財政健全化の目標ですが、「基礎的財政収支」と言われる財政指標の黒字化について、内閣府は2020年度時点で8兆2000億円程度の赤字が続き、今のままでは目標の達成は厳しいという見通しを公表しました。

 

政府は先進国最悪の水準に膨らんだ借金に歯止めをかけるため、2020年度までに国と地方を合わせて「基礎的財政収支」を赤字から黒字に転換し、政策の実行に必要な費用は借金に当る国債の発行に頼らず、税収などで賄えるようにする目標を掲げています。

 

これについて、内閣府は7月18日、昨年度の国の決算などを反映させた最新の試算を公表しました。

それによると、今後名目3%程度の高い経済成長が続き、2019年10月に消費税率を10%に引き上げた場合でも2020年度の「基礎的財政収支」は8兆2000億円程度の赤字が見込まれるということです。

試算は、この日開かれた政府の経済財政諮問会議で示され、安倍総理は支出改革とともに「人づくり革命」などを通じ、持続的な成長を目指す考えを示しました。

政府や与党の一部には、「基礎的財政収支」を黒字化する今の目標そのものを見直すべきだという意見が出る一方、健全化の取り組みが後退したと受け止められれば、日本の信認が損なわれかねないという意見もあり、今後議論が活発になる見通しです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

一方、同日放送の「ニュースウォッチ」(NHK総合テレビ)で国の財政状況について家計を例に分かり易く解説されていたので以下にご紹介します。

 

ある家庭では、5397万円の借金(住宅ローン)を抱えています。

これに対し、月収33万円、そして生活費(ローンを除く)38万円です。

ですから、ローンの支払いを除いても毎月5万円のマイナスで、借金は増える一方ということになります。

この借金を減らすために、毎月の収支を黒字にしなくてはなりません。

それが政府が目標にしている「基礎的財政収支」の黒字化なのです。

 

では具体的にどうするかですが、方法は2つしかありません。

収入を増やすのか、支出を切り詰めるのかです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

2つの番組を通して思うのは、過去の延長線上での対策を施しても、遅かれ早かれ日本の財政は破綻してしまうということです。

そもそも具体的な根拠もなく今後名目3%程度の高い経済成長が続くという大前提が現実離れしています。

過去の常識に囚われた考え方から脱皮した思い切った政策を打ち出すことが求められるのです。

その際の基本的な考え方は、番組でも指摘されていたように、収入増と支出減という2つの観点に立った政策です。

しかし、収入増はそれほど期待出来ませんから、支出減の観点からの徹底的な見直しが求められます。

 

ここで、とても気になるのは、持続可能な社会の実現に向けた日本の政治家の姿勢です。

例えば、太陽光や風力による再生可能エネルギー発電や電気自動車(EV)の普及に向けた海外の動きに比べた日本の政策の保守的な目標設定です。

例えばEVの普及政策においては、No.3732 ちょっと一休み その599 『2030年までにEVの販売のみを目指すインド』でインドの動きをご紹介しましたが、EUのいくつかの国でも同様の方針を打ち出しています。

海外の動きの後追いや既存の業界の保護に重点を置くのではなく、日本を、あるいは世界をどのような方向に変えていくべきなのかを真剣に考え、その上で実効性のある現実的な政策を打ち出し、研究機関や企業を巻き込んで目標達成に邁進させるような、強力なリーダーシップを持った政治家の出現が待たれます。

その際、私たち国民もただ待つだけでなく、こうした流れの中で私たち一人一人が自分の立場で何が出来るのかを考え、実行に移すことが求められるのです。

 

今は、まさに地球温暖化やエネルギー、経済、そして国際政治の不安定、核兵器の拡散など、様々な危機に人類は直面しています。

こうした大きな危機こそ、世の中をがらりと変える変革のチャンスなのです。


 
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2017年08月06日
No.3774 ちょっと一休み その606 『 G7サミットから見えてきた日本外交のあり方!』

6月2日(金)放送の「国際報道2017」(NHKBS1)でG7サミットにおける安倍総理の果たした役割について取り上げていました。

そこで、番組を通して今後の日本外交のあり方についてご紹介します。

 

5月26日、27日とイタリアのタオルミーナで開催されたG7サミットの取材に当たった岩田 明子NHK解説委員は、次のようにおっしゃっています。

「これまで何度もサミットは取材したんですけども、今回最もハラハラしましたね。」

「最大の注目はトランプ大統領でした。」

「(日本はどういう姿勢で今回のG7サミットに臨んだのかという問いに対して、)一言でいいますと“仲介役”。」

「G8だった頃にG7とロシアが対立する場面があったんですけども、今回は欧州の首脳たちとトランプ大統領の対立でした。」

「つまり、価値観を共有するG7の中での対立なんですね。」

「安倍総理大臣が間に入って仲介しました。」

「最も激しい対立となったのが最大の焦点だった貿易です。」

「公正でない貿易でアメリカが不利益を被っているとして、トランプ大統領は保護主義を掲げていますが、それに対して反保護主義の欧州と日本という対立構図です。」

「トランプ大統領がどの国との貿易も相互に互恵的でなければならないと述べ、暗にドイツとの貿易不均衡は許さないと主張しました。」

「すると、(ドイツの)メルケル首相は「なぜ保護主義を主張するのか分からない、あり得ない。」と一喝。」

「議論が白熱する中、トランプ大統領がメルケル首相を睨みつける一幕もありました。」

「ここで安倍総理が間に入ります。」

「トランプ大統領に対し、「保護と保護主義は意味が違う、例えば著作権などを保護するのは保護主義ではない。国が守りたい重要品目に関税をかけて保護するのも保護主義ではない。アメリカは最も開かれた市場の一つであり、その国のリーダーが保護主義を主張すべきではない。」ととりなすと、トランプ大統領も納得した様子を示したということなんですね。」

「結果、首脳宣言は「不公正な貿易慣行に断固たる立場を取りつつ、開かれた市場を維持するとともに保護主義と戦う。」こういうかたちに落ち着いたのです。」

「そして、もう一つ議論が紛糾したのはパリ協定に関してです。」

「欧州各国がアメリカに協定への残留を迫ると、トランプ大統領はマイクをオフにしたままヤジを飛ばして断固として脱退の意志を覗かせていました。」

「そこで安倍総理は「気候変動問題に取り組むと雇用を奪ってしまうと懸念する声もある。しかし、それは違う。むしろ、取り組みによってビジネスチャンスが広がる。アメリカはイノベーションで世界の最先端にいるんだからドナルドにはリーダーシップを発揮して欲しい。」と発言しました。」

「つまり、アメリカなら雇用と地球温暖化防止、これらを両立可能だと説得しますと、トランプ大統領は頷いて聞いていたということなんですね。」

「しかし、結局これに対しては折り合いがつかず、首脳宣言では「アメリカの立場に留意しつつ、他の首脳はパリ協定を迅速に実施する」として、一部の国が参加しない合意が明記される、極めて異例なかたちの首脳宣言になったんです。」

「実際、冒頭でお伝えしましたように、脱退を表明しましたね。」

「G7はそもそも民主主義の基本的価値の旗頭で世界の平和と繁栄を主導する存在だったはずです。」

「ところが新興国の台頭で国際情勢が変わる中、同じ価値観を持つG7が分裂すればG7の存在意義が問われかねません。」

「安倍総理は今回仲介役を務めることで参加国の主張の言わば最大公約数を宣言することに腐心していたようです。」

「来年以降G7の結束を維持することが出来るのか、日本の役割は大きく、安倍総理の外交手腕と胆力が問われる時と言えそうです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

安倍総理は、最近の報道でNo.3750 ちょっと一休み その602 『最近の政界の不祥事などに見る再発防止策の必要性!でもお伝えしたように、あるいは稲田防衛相の辞任騒動などにより、説明責任や任命責任を追及されています。

 

確かに、安倍総理には、事実がどうかはともかく公私混同と世間に疑われかねないような行動が見受けられます。

また、憲法改正に積極的で右派傾向が強過ぎるといった見方もされています。

しかし、つい最近までは戦後歴代1位も見えてくるほどの長期安定政権と期待されるほど国民の支持を得てきました。

また、精力的に海外の首脳との外交に力を入れ、あるいは今回ご紹介したように、先のG7の場ではアメリカのトランプ大統領とEUの首脳陣との仲介を真っ当なかたちで取り持っておられたのです。

 

ということで、安倍総理、あるいはその後を次ぐ総理には、国民の声によく耳を傾け、あるいは国民への説明責任を果たしつつ、日本を平和で豊かな国へと導いていただきたいと思います。


 
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2017年08月05日
プロジェクト管理と日常生活 No.500 『平和憲法下の日本が取るべき究極の戦争リスク対応策 その1 経済的な対応策!』

平和憲法下の日本は、どこかの国に軍事的に攻め込むことは憲法で禁止されております。

しかし、現在この日本国憲法の見直しの動きがあります。

その背景には北朝鮮の核兵器開発、および中国の南シナ海での強引な領土拡大、あるいは尖閣諸島への度重なる挑発的な行動などがあります。

こうした動きのある中で、国際社会において、平和国家、日本の発言力を高め、あるいはいざ日本が他国による軍事行動にさらされた場合に備えたしっかりとしたリスク対応策を検討しておくことは日本国民の安全な暮らしの維持を確実なものにしておく上でとても重要です。

そこで、2回にわたって平和憲法下の日本が取るべき究極の戦争リスク対応策について、私の思うところをお伝えします。

1回目は、経済的な対応策についてです。

 

それそれの国においては、憲法で国の理念、あるいはあるべき姿を規定しています。

しかし、実際にはその時々の政治家、中でも一国を代表する総理大臣、あるいは首相の決断で国の道筋が決まります。

そして、その時の主な決断要因は国民の期待利益です。

その際たるものは、アメリカのトランプ大統領の掲げる「アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)」です。

世界各国の共通課題である地球温暖化の解決よりもアメリカの国内経済や雇用を優先する政策を掲げているのです。

他にもあります。

アイデアよもやま話 No.3770 東南アジア諸国の中国寄り政策への転換に見る今後の日本の外交政策のあり方!でもお伝えしたように、フィリピンのドゥテルテ大統領は、中国からの経済支援を優先し、中国の主張は国際法違反だとして申し立てていた仲裁裁判で昨年その主張が全面的に認められ、歓喜に沸き立っていましたが、今年5月には中国との直接協議をスタートさせました。

 

ということで、相手国に与える経済的に大きなメリットが外交交渉の切り札であると言えます。

ですから、平和憲法下の日本の取るべき究極の戦争リスク対応策は、より多くの途上国への経済協力、あるいは途上国、先進国を問わずより多くの国々との経済的なWinWinの関係を築くことだと思うのです。


 
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2017年08月04日
アイデアよもやま話 No.3773 いい香りがするごみ収集車!

6月6日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でいい香りがするごみ収集車について取り上げていたのでご紹介します。

 

業界トップシェアを誇るごみ収集車のメーカーが労働環境を改善するある技術を生み出しました。

目指すのは人手不足の解消です。

新明和工業株式会社は、生ごみの臭いをフルーティな香りに変える収集車を開発しました。

その秘密は、ごみの取り込み口にあります。

ごみの取り込み口にノズルが3つあり、ここから特殊な液体が出て、生ごみの臭いと一緒になることで香水のような香りに変えることが出来るというのです。

 

この技術は香水からヒントを得たといいます。

実は、香水には糞尿のような臭いがわずかに含まれています。

その状態を私たちはいい香りと感じているといいます。

一方、今回の特殊な液体はあらかじめ臭い臭いを取り除いた、言わば“気の抜けた香水”のようなもので、ここに生ごみの臭い臭いを足すことで“香水のような香り”が出来るのです。

新明和工業の横瀬 秀人さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(生ごみの臭いを)消臭するものはあったんですけど、一緒になって生ごみの臭いを原料として使って更に良い匂いにするのは初めての・・・」

 

「女性の進出とか人手不足を何とか私どもの方でお力添え出来たらという・・・」

 

このごみ収集車で業界が抱える悩みを解消したいと意気込みます。

商品名「噴霧装置付きG−PX」で、車体価格約900万円〜、噴霧装置13万5000円で7月上旬から発売予定といいます。

 

番組の取材では、ノズルから噴射された液体だけで匂いをかぐと、芳香剤のような人工的な感じの香りなのですが、そこに生ごみの臭いを加えると自然な完熟マンゴーのような匂いになるというのです。

なお、家庭用のスプレータイプの商品も販売されているそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

確かに生ごみの嫌な臭いのする中での作業では、特に若い女性に限らず多くの人たちから敬遠される傾向があると思います。

そういう意味で、今回ご紹介したいい香りのするごみ収集車は人手不足を解消する一つの方策として理に適っていると思います。

 

しかし、この方策だけではあまり大きな効果は期待出来ないと思います。

一部の労働環境だけを良くするのではなく、清潔感のある制服や清掃の行き届いた職場など、労働環境全体を改善することを目指すべきだと思うのです。

そして、個々の従業員が自分の働く会社に対して誇りを持てるようになることこそがゴミ収集業に限らずどの企業にとっても、そして社会にとっても望ましいと思うのです。

 

ここまで書いてきて、思い出したのはプロジェクト管理と日常生活 No.435 企業活動におけるプロセス管理の重要性!』でご紹介した株式会社真田ジャパン(栃木県那須塩原市)の取り組みです。

様々なメーカーはそれぞれの強みを生かした製品やサービスを商品として提供しています。

ですから、個々の企業は目指すべき職場環境や福利厚生を検討し、それに照らして必要とする商品を取り込んで、全体として従業員も顧客もより高い満足感を得られ、そうしたうえで会社の継続した収益向上につなげることが大切だと思うのです。


 
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2017年08月03日
アイデアよもやま話 No.3772 サンゴ礁を救う希望の星!

これまでアイデアよもやま話 No.3700 高水温でも白化しないサンゴ!などでサンゴの白化対策についてご紹介してきました。

そうした中、6月2日(金)放送の「国際報道2017」(NHKBS1)でサンゴ礁を救う希望の星について取り上げていたのでご紹介します。

 

ハワイの沖合に希望の星が現れました。

地球温暖化に適応するスーパーサンゴの養殖が始まりました。

世界の魚の25%が生息するサンゴ礁、しかし、オーストラリアの沖合に長さ1400マイル(約2300km)にわたって連なるグレートバリアリーフでは海水温の上昇でサンゴが白く変色する白化現象が広がっています。

ハワイの研究者たちが見つけたのは下水が流れ込んだ湾で生き延びた強いサンゴ、これを進化させ、更に強いサンゴを生み出そうと考えました。

スーパーアスリート同士が結婚し、超スーパーアスリートが生まれる入り口です。

研究者の一人は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「自然が進化する過程を手助けしてスピードアップさせているのです。」

 

この研究者は、このままでは2050年までにサンゴ礁の90%は死滅してしまうと警告しています。

ハワイでの試みが他の海でも活用出来るのか世界的に注目されています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそも下水が流れ込んだ湾で生き延びた強いサンゴの存在は、生物が自己の生存を賭けて周りの環境に順応していこうという生物の強烈な生存本能を感じます。

一方、こうしたサンゴの白化現象をもたらしている原因とされているのが私たち人類が豊かさを追求するあまりCO2排出量の増加に伴う地球温暖化なのです。

ですから、以前から思っていたことですが、私たちは自分で地球温暖化の原因を作りながら、問題が表面化すると何とかしなければと大騒ぎしているのです。

 

こうした矛盾を感じながらも、だからと言って何も手を下さないわけにはいきません。

今回ご紹介しているサンゴの白化については、とりあえず白化しない強いサンゴを見つけてより強いサンゴを生み出すしかありません。

そうしないと、サンゴ礁に依存している多くの生物が死滅してしまいます。

 

そのうえで、やはりCO2排出量の削減対策を速やかに実施することが求められます。

サンゴの白化、海水面の上昇、あるいは最近の世界的な異常気象などは今手を尽くしてもしばらくは続くと専門家は指摘しています。

それでも、地球温暖化対策を進めなければ、取り返しのつかない事態をもたらしてしまうのです。

ですから、本来であれば、世界をリードすべきアメリカの大統領が今こそその手腕を発揮すべき時なのです。

そういう意味で、地球温暖化対策よりも“アメリカ第一主義”を掲げ、雇用の創出、あるいは経済優先を唱えるトランプ大統領の存在は悪夢としか言いようがありません。


 
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2017年08月02日
アイデアよもやま話 No.3771 世界最大の航空機の最大の任務とは・・・

6月2日(金)放送の「国際報道2017」(NHKBS1)で世界最大の航空機の最大の任務について取り上げていたのでご紹介します。

 

アメリカの宇宙ベンチャー企業、ストラトローンチ・システムズが開発した、ジェット機を2機合体させたような「ストラトローンチ」、その両翼117mは世界最長です。

ちなみに、一般的なジェット旅客機が60mほどなので、2機横につながっているような状態です。

 

さて、宇宙ロケットは通常なら地上の発射台から打ち上げられます。

ところが、このアメリカで公開された世界最大とされる規格外の航空機の最大の任務は宇宙ロケットを機体中央に搭載して離陸、高度1万mあたりで宇宙ロケットを切り離し、宇宙空間に向けて発射し、航空機は再び地上に戻り、次の発射に備えるという計画です。

 

この計画には次のようにメリットが沢山あります。

・大規模な発射台が不要であること

・飛行場と整備場があればいいこと

・航空機の再利用が可能であること

・天候に左右されずに打ち上げが可能であること

・上空で発射した方が軌道投入が容易であること

 

この航空機、早ければ2019年の実現を目指しているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそも従来の規格外の大きさの航空機に宇宙ロケットを搭載し、高高度で宇宙ロケットを切り離し、宇宙空間に向けて発射するという発想がいかにもアメリカ的だと思います。

しかも、この航空機は再利用出来るのですから、経済的だと思います。

ひょっとしたら、この基本的な考え方が将来的な宇宙ロケット発射の標準型になるかもしれません。

 

また、最大の任務とは別に、ちょっとした宇宙旅行を体験出来るほどの高度まで飛び、乗客も乗せられるようにすれば、観光ビジネスとしても活用出来るのではないかと思います。


 
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2017年08月01日
アイデアよもやま話 No.3770 東南アジア諸国の中国寄り政策への転換に見る今後の日本の外交政策のあり方!

6月2日(金)放送の「国際報道2017」(NHKBS1)で東南アジア諸国の中国寄り政策への転換について取り上げていました。

そこで、番組を通して、その背景や日本の外交政策のあり方についてお伝えします。

 

南シナ海をめぐり、激しく対立してきたアメリカと中国、今アメリカと歩調を合わせてきたはずの東南アジアの国々がその態度を大きく変え始めています。

 

中国が南シナ海の南沙諸島で急速に埋め立てを始めたのは2013年暮れ頃と見られています。

当時のアメリカはオバマ大統領、中国に対して厳しい対応を十分とらずに埋め立てが進み、その対応は弱腰とも指摘されました。

オバマ政権がようやく具体的な行動をしたのは2015年、「航行の自由作戦」として軍の艦艇を南シナ海に派遣したのです。

 

一方、トランプ大統領は就任前から中国にかなり批判的でした。

南シナ海に巨大な要塞を築くことでアメリカに大いにつけ込んでいると述べるなど、中国の行動をたびたび批判してきました。

ティラーソン国務長官も就任前、中国に対して人工島に近づくことも許さないという明確なメッセージを送ることが必要だという考えを示していました。

 

ところが2017年、政権発足後ふたを開けてみると北朝鮮の核ミサイル開発の抑止には中国の協力が不可欠であるという立場を示し、南シナ海での厳しい姿勢は影を潜めます。

「航行の自由作戦」も最近まで行われない“圧力の空白”ともいうべき状況が続いたのです。

 

アメリカによる圧力が十分でない間に中国は着々と足場を固めています。

南シナ海問題は新たな段階に入ろうとしています。

中国の大連港にある造船所で中国初の国産空母の建造が進められています。

“海洋強国の建設”に向けた要と位置付けられています。

今年4月に進水した全長300m余りの初の国産空母、ウクライナから購入した空母の技術を取り込んで急ピッチで建造を進めています。

別の国産空母の建造も上海で進められているといい、少なくとも4、5隻の空母の保有を目指していると見られます。

 

更に、南シナ海では南沙諸島の人工島を撮影した最新の衛星写真では、3つの人工島に造られた3000m級の滑走路、そこに整備されているのは最新の地対空ミサイルを格納出来る施設、そして広範囲にわたりカバーするレーダー施設、20機以上の戦闘機を運用出来るほどにまで整備が進んでいることがアメリカの研究機関の分析で分かりました。

 

着々と軍事力の増強を続ける中国ですが、反発を強めてきたはずの周辺諸国はここへきて態度を変えつつあります。

領有権を争う東南アジアの国々が中国との対立を避け、むしろ関係強化に動いているのです。

その一つ、フィリピン、中国の主張は国際法違反だとして申し立てていた仲裁裁判で昨年その主張が全面的に認められ、歓喜に沸き立っていましたが、5月には中国との直接協議をスタートさせました。

この協議に際し、フィリピンのドゥテルテ大統領は次のようにおっしゃっています。

「中国に圧力なんて、あんたたち夢でも見ているのか。」

 

また、サンタロマナ駐中国大使は、次のようにおっしゃっています。

「仲裁裁判やスカボロー礁にも言及したが、要求を押し付けたりはしない。」

 

更に、ベトナムも同様の動きがあります。

3年前には中国への大規模な抗議デモが巻き起こり、死傷者まで出しましたが、5月には沿岸警備隊を中国に派遣、中国の国営メディアではスポーツ大会で親睦を深める様子まで紹介されました、

 

なぜ周辺国は突然態度を変え始めたのか、背景にあるのは中国による巨額の経済支援です。

5月に行われた中国の今年最大の外交イベント、「一帯一路ファーラム」で、習近平国家主席はこの場に東南アジアの国々のリーダーを招待し、30余りの経済協定を締結、友好を演出し、外交攻勢を強めています。

 

中国は5月に更なる手を打ちました。

ASEAN各国との間で、南シナ海におけるルールの枠組みについて合意に達したと発表したのです。

ただ、その内容については“域外の国に妨害されたくない”などとして公表を避けました。

今回NHKは公表されなかった枠組みの草案を入手しました。

その内容は、わずか1ページあまり、目立つのは“内政不干渉”、“領土保全”といった中国が好んで使う表現です。

ASEAN側が求める法律としての拘束力については明記されていませんでした。

軍事施設の建設を急ピッチで進める一方で、経済支援を武器に周辺諸国の取り込みを図る中国、南シナ海における立場の正当化を着々と進めているように見えます。

 

こうした中国の動きに対して、そもそもアメリカは北朝鮮への対応の見返りに南シナ海の問題での圧力を弱めるのは間違いだという声がアメリカ国内で強まっています。

また、オバマ政権での大統領補佐官は次のようにおっしゃっていたといいます。

「東南アジアで経済面での成功がなければ、21世紀の(アメリカの)繁栄を維持出来ない。」

「世界のリーダーの地位を失うことになる。」

 

これがオバマ政権でいうアジアシフトの本質なのです。

中東からアジアへのシフト、更にアジアの中でも東南アジアが大事だという考え方なのです。

それで、東南アジアでアメリカは中国に影響力の面で後れをとっている、そのアメリカが南シナ海問題で東南アジアの側に立つことで影響力を増す絶好のチャンスになっています。

この問題でアメリカが安易に中国に譲ってしまえば、影響力を失う、大きな戦略的ミスになると番組では見ています。

それでなくとも、TPPからの離脱という戦略的な間違いを犯しているのがトランプ大統領です。

トランプ大統領の南シナ海での対応は、将来の世界のリーダーをも左右する重要なポイントとなります。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組内容の要点を以下にまとめてみました。

・中国は南シナ海での軍事施設の建設を急ピッチで進めていること

・同時に、中国は少なくとも4、5隻の空母の保有を目指していること

・中国はASEAN諸国に対して巨額の経済支援を行い、これらの国々の自国側への取り込みを図ろうとしていること

・フィリピンやベトナムは中国の軍事的脅威よりも自国への経済支援を重視した外交政策を展開していること

・こうした中国の動きに対して、アメリカのトランプ大統領はTPPからの離脱など、「アメリカ第一主義」を掲げ、結果として東南アジアにおける中国の覇権主義を助長するような動きをしていること

・こうしたトランプ大統領の政策は、オバマ政権での大統領補佐官による、「東南アジアで経済面での成功がなければ、21世紀の(アメリカの)繁栄を維持出来ない。」という提言を無視したものであること

 

このような状況を前提に、今後の日本の外交政策のあり方について以下にまとめてみました。

・トランプ大統領は、戦略的な観点からの政策よりも、目先の利益を追求するタイプなので、これまでのようにアメリカ依存型の外交政策から脱皮し、アメリカと一定の距離を保ちつつ日本独自の自主外交の道を歩むべきであること

・東南アジア諸国だけでなく途上国は一般的に先進国に対して経済支援を強く求めていることを前提に、どの国よりも経済的、および技術的支援に力を注ぎ、国際的な日本の存在価値を高め、外交面で有利な立場を確保すること

・軍事面では、国際的な枠組みにおいて、中国のような強力な軍事力を背景とした覇権主義に対抗出来るような体制を外交的に推し進めること


 
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2017年07月31日
アイデアよもやま話 No.3769 世界初のヒトになり得る受精卵でのゲノム編集!

5月25日(木)放送のニュース(NHK総合テレビ)で世界初のヒトになり得る受精卵でのゲノム編集について取り上げていたのでご紹介します。

 

人の受精卵に対しては、慎重に進めていくべきなどと懸念の出る中、中国の研究グループは人になり得る正常な受精卵で世界初とされる、生命の設計図にあたる遺伝情報を自在に書き換えるゲノム編集を行ったと発表し、研究者たちを驚かせました。

 

この研究チームのリーダーである広州医科大学附属第三病院の 見橋教授は、今年3月に世界初とされる研究結果を発表しました。

遺伝子の異常を持った人の受精卵に特殊な酵素を注入、狙った遺伝子を切り離して修復します。

その結果、6つの受精卵のうち1つは遺伝子の異常が完全に修復され、2つは部分的に修復されたといいます。

受精卵のゲノム編集の研究発表はこれまで中国で2例ありましたが、いずれも使用していたのは人に育つ可能性のない受精卵でした。

劉教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「将来、遺伝性の病気の予防にゲノム編集の技術を応用するならば、(正常な受精卵で)研究すべきだ。」

 

「技術が完全に安全になり、遺伝性の病気を持つ夫婦が子どもに引き継ぐことなく出産出来るのが私の夢です。」

 

劉教授の研究に期待しているのは、遺伝性の難病を持つ患者やその親族たちです。

 

一方、受精卵のゲノム編集は遺伝子の改変に失敗し、先天異常を持つ子どもが生まれるリスクもあります。

技術が更に高まれば、能力や外見が親の望むように遺伝子操作された、いわゆる“デザイナー・ベイビー”がつくられる可能性も指摘されています。

劉教授の大学病院では、倫理学者や弁護士などでつくる倫理委員会を設置し、2年にわたり審査しました。

そして、ドナーから同意を得ることや研究に使った受精卵をその後母体に戻さないことを条件に研究を認めたということです。

 

一方、日本ではヒトの受精卵のゲノム編集について法的な規制はなく、議論が始まったところです。

 

今年4月、日本の科学者を代表する機関「日本学術会議」が主催し、シンポジウムが開催されました。

ゲノム編集に詳しい専門家は、研究を進めていくためには“厳格なルール”づくりが必要だと指摘しています。

北海道大学安全衛生本部の石井 哲也教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「まさにパンドラの箱だと思います。」

「こういう技術は使わない方がいいのか、使うべきなのか、もし使うならどんな目的で使うべきなのか、使うならどれだけ限局された厳しい規制のもとで使うのか。あるいは厳しい規制で禁止するのか、そこらへんを決める必要があると思うんですよね。」

 

人の受精卵のゲノム編集についての基礎研究をどのように進めていくべきか、政府は生命倫理や医学などの専門家や難病患者の関係者による作業部会を近く設置する予定で年内を目処に結論を出す方針です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

ゲノム編集関連の技術がどんどん進化するにつれて安全性が高まり、劉教授のおっしゃるように、遺伝性の病気を持つ夫婦が子どもに引き継ぐことなく出産出来るようになります。

その反面、より機能の細分化された“デザイナー・ベイビー”を作れるようになります。

ですから、例えば北朝鮮のような独裁国家は、ゲノム編集の失敗のリスクを覚悟で国家にとって有益な才能を持った人材を計画的に作り出すことを目指す可能性があります。

あるいは、資産家は高額な費用を払ってでも、規制の緩やかな国で自分の家族のゲノム編集をしてもらうようになるはずです。

 

一方、いくら安全性が高まっても万一ゲノム編集に失敗した場合、どのようなリスクがあるのか、完全に把握することはとても難しいと思います。

 

ということで、番組でも指摘しているように、国や科学者など関係する専門家が協業してゲノム編集に関する国際的な規制づくりを進める必要があります。


 
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2017年07月30日
20170730 No.3768 ちょっと一休み その605 『九州北部から始まった日本各地の記録的豪雨 その2 豪雨災害に直面した時の行動のあり方!』

7月5日に発生した九州北部の記録的豪雨以来、日本各地で連日のように豪雨の被害が報道されています。

そこで、今回は7月9日(日)放送の「NHKスペシャル」(NHK総合テレビ)からこうした状況、およびその背景について2回にわたってご紹介します。

2回目は、豪雨災害に直面した時の行動のあり方についてです。

                               

前回、No.3762 ちょっと一休み その604 『九州北部から始まった日本各地の記録的豪雨 その1 豪雨の原因はやはり地球温暖化!』でご紹介したように予測のつかない豪雨は毎年のように発生して大変な被害を及ぼしています。

いつどこで起きるか分からない豪雨災害に直面した時に、いったいどのように行動すればいいのでしょうか。

7月5日に発生した九州北部の記録的豪雨において、避難した人々の行動からその手がかりが見えてきました。

大規模な土砂崩れが発生した福岡県朝倉市の杷木地区で暮らすある夫婦は、雨が小康状態になった7月6日午前、近所の人たちと声をかけあって中学校に避難しました。

こうした住民たちが避難の参考にしたのが自主防災マップでした。

住民たちが2年前に協力して作ったものです。

杷木地区の川の流域で氾濫や土砂災害が起きる可能性の高い地域を色付けして示しています。

朝倉市が作成した「洪水ハザードマップ」は、大きな河川が氾濫した時の浸水域を示していますが、杷木地区を流れる小さな川については書かれていません。

豪雨に襲われた時、杷木地区はどこまで被害を受けるのか正確に知りたいと、住民たちは市と協力して独自に防災マップを作ったのです。

杷木地区では、このマップをもとに勉強会を何度も開き、災害に備えてきました。

 

杷木地区の住民たちが避難した数時間後、土砂が流れ込みました。

今も通行が出来ない状態が続いています。

 

一方、住民それぞれが異変に気付き、避難につなげた地域もあります。

大分県中津市では河川が氾濫寸前まで増水し、4000を超す世帯に避難指示が出ました。

旅館を営む女将、高橋 松子さん(80歳)は、避難指示が出る前に高台の公民館に避難しました。

そのきっかけになったのは、雨どいの音でした。

雨が雨どいから溢れ出るほど降ったので、これはただ事ではないと思ったのです。

この時、高橋さんが思い出したのが5年前に大きな被害をもたらした九州北部豪雨でした。

この地区でも河川が氾濫し、150軒以上が水没しました。

その時の恐怖がまだ忘れられないのです。

 

同じように異変に気付いたのは、地区長の都甲 哲男さん(73歳)です。

この地区では九州北部豪雨の後、高さ4mの堤防が作られました。

しかし、都甲さんは堤防だけでは安心出来ないと川の見回りを続けていました。

そして、今回の豪雨では水がいつもと違い茶色で濁っていることから、都甲さんは上流で激しい雨が降っている可能性が高いと考えました。

更に、川の中央にある岩が水に隠れるまで増水したことから、危機が迫っていると感じました。

そこで、都甲さんは地区の高齢者に非難を呼びかけました。

こうして地区の高齢者全員が呼びかけから1時間半で避難を完了、5年前の記憶が速やかな行動に結びついたのです。

 

こうした住民の対応について、東京大学大学院の片田特任教授は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今回は降り始めからもの凄い雨でしたから、これが中々降りやまないという状況の中で避難のタイミングを取るのが非常に難しかったんだろうと思うんですね。」

「そんな中でも、特にいろんな情報が出るようになっておりますね。」

「例えば気象情報でも特別警報、これも最近のことですね。」

「それから河川の危険情報も出るようになっていますね。」

「それか土砂災害警戒情報だとか、様々な情報が出るようにはなっているんですけども、これをどう生かしていくのかっていうことの難しさがあるように思うんですね。」

「今の2つのケースの場合、いずれも5年前の九州北部豪雨の時の教訓を生かして、例えば地域防災マップを作って、自分たちの地域の危険を自分たちで把握してみんなで逃げようという行動を取っておられること、それからみんなで声を掛け合うということと地域の状況をよく見ていて、もうこれは逃げなきゃということでみんなで声を掛け合っているという特徴があるように思うんですね。」

「私、これまで各地の災害の事例を見てきまして感じることは、様々な情報があっても今まさに自分が当事者なんだって中々思えない。」

「まだ大丈夫だろうとか、もう少し雨がやんでからとか、いろんなことを思いながら中々避難のタイミングを個人でとることに難しさがあるように思うんですね。」

「ただ、今の2つのうまくいったケースは、地域のことをよくみんなで観察し、みんなで防災マップにまとめ、そしてみんなで約束事を決めて、声を掛け合ってみんなで逃げるという、言わば前回の災害経験を地域のみんなで助かるための仕組みに役立てているということ、そしてそれが機能してみんなで声を掛け合ってみんなで逃げるというかたちまで前回の教訓を持ち込んでいることに大きな特徴があるんだろうと思います。」

「これからも様々な情報の中で、我々がその情報をどう生かして自分の安全につなげるかということも重要な課題ではあるんですけども、中々個人ベースでの難しさがあるように思うんですね。」

「どうか、今の事例を見れば分かるように、地域のみんなで前回の教訓だとか各地の教訓を生かして、地域での仕組みを考えていくことが重要じゃないかなと思いますね。」

 

「(避難されている方々の抱えている大きな不安について、)自宅はどうなっているか、地域はどうなっているかと不安の中におられると思います。」

「大変心配なことは、今気をはっておられるという状況ですので体がもっていると思うんですけど、ご高齢の方も多い、そしてこの暑さの中、徐々に疲れが溜まっていくと思うんですね。」

「どうか今の避難生活を少しでも体力を温存し、ご心配でしょうけども何とか健康を保持出来るように努めていただきたいなと思います。」

「それから、今回あまりにも被害が大きい、そして地域が大変な被害に遭っております。」

「いつか復旧出来る、復興出来ることを信じて頑張っていただきたいと思うんですけども、ただ現実も少し直視しなきゃいけない部分もあるように思うんですね。」

「どうやってもこの事態が落ち着いたとしてもすぐに家に帰ることが出来ないと思います。」

「復旧には少し時間がかかると思うんですね。」

「そうした時に、少し避難生活が長期化することを見据えた対策が今求められているんじゃないかなと思います。」

「熊本地震の時もそうでした。」

「地域のことが心配ですから中々離れたくないし、その地を離れてどこかに逃げるということまで被災者の方々は考えが及ばないと思うんですね。」

「ただしばらく戻れないという現実もあり、そして体力がどんどん弱っていく、その中でどうにもならなくなってこの地を離れるのであれば、現段階で少し体を休めるような所に一時的でも離れていただく。」

「そのためには、周辺の広域的な支援の中でしばらく体を休めていただけるようなところに一度退避していただくというようなことが必要じゃないかなと思いますし、今後の復旧・復興に向けてある程度時間がかかるということを見据えた避難計画の策定、対策が必要になっているんじゃないかと思います。」

「熊本地震でもそうですけども、ここ最近の大きな災害を見る時にほぼ避難生活は長期化するということ、そうなりますと借り上げ住宅ですとか、そういった広域的な対策の中で対処していただきたいなと思います。」

 

「(そして、二次災害を出さないということについて、)今まだ非常に危険な状態にあります。」

「そして、避難生活を送る場合に、今回は山間の地域ですので、洪水というよりも土砂災害というかたちなんだろうと思います。」

「避難として身を寄せておられる場所が土砂災害に対して大丈夫なのか、特に土石流というようなものに対して大丈夫なのかということをしっかり見据えた上で安全な場所での避難生活を送っていただきたいなと思います。」

 

「(今回の豪雨のような気象の動きは各地で起こり得るというご指摘があったが、私たちが出来る備えにはどのようなものがあるかという問いに対して、)地球温暖化と言われております。」

「地上にいても暑いと感じることが多いと思うんですけども、海洋気象の方は一足先に温暖化が進んでいて、かなり海水温が高い状態が定常的になってきているということが言われています。」

「今回も膨大な水蒸気が舞い上がり、そしてそれがひとたびつながるともの凄い雨量になってくる。」

「そうしますと、今回のような山間の地域ですと、土砂災害を併発するような、ほとんど洪水なのか土砂災害なのか分からないような状態になってきますね。」

「これからもこういった事態は起こるんだということを認識し、我々は備えていかなきゃいけないんじゃないかなと思います。」

 

なお、豪雨から5日目の7月9日、福岡県と大分県では合わせて1700人以上が避難生活を余儀なくされています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して理解した、豪雨災害に直面した時の行動のあり方について以下にまとめてみました。

・過去の災害時対応から得られた教訓の継承

・現実に即した自主防災マップの作成

・避難生活が長期化すること、あるいは二次災害を見据えた避難計画を検討しておくこと

・正確な災害状況の把握

・近所の人たちとの相互の声掛け

 

このようにまとめてきて、「てんでんこ」という言葉を思い出しました。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.402 『日本各地の記録的な豪雨にみる地球温暖化のリスク管理の必要性』

いつどのような状態で災害に遭うか誰も分かりません。

最後に頼るべきは自分自身の判断なのです。

ですから、日頃から自分の生活空間の中で、どのような災害が起こる可能性があるのか、そして起こる可能性のある災害に応じた避難マップをしっかりと頭に入れておくことが自分の命を守るカギとなるのです。

とりあえず、目の前の災害から避難することが何より求められるのです。


 
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2017年07月29日
プロジェクト管理と日常生活 No.499 『”映りすぎ社会”のリスク その3 既に身近な顔認証システムの“光”と“影”!』

4月5日(水)放送の「クローズアップ現代」(NHK総合テレビ)で“映りすぎ社会”のリスクについて取り上げていました。

そこで、リスク管理の観点から3回にわたってご紹介します。

3回目は、既に身近な存在となっている顔認証システムの”光”と”影”についてです。

 

1回目ではスマホの顔写真が犯罪の決定的証拠となるほど高解像度化が進んでいること、およびピース写真から指紋が盗まれるリスクについてお伝えしましたが、高解像度化が進んでいるのはスマホだけではありません。

そこで、2回目では防犯カメラの運用規定の必要性についてお伝えしました。

 

実は個人を識別する技術を利用した防犯カメラは既に私たちの身近な場所に幅広く導入されています。

深刻な万引き被害に悩むスーパーやコンビニなどの小売業界です。

「万引き対策強化国際会議2017」で、ある大手書店の講演者は次のようにおっしゃっています。

「万引きの被害が深刻になっております。」

「顔認証はものすごく有効です。」

「顔認証カメラもほぼ全店舗に入れていますので、調べていくと(万引き犯が)判明します。」

 

また、ある大手ドラッグストアの講演者は次のようにおっしゃっています。

「特に万引きについては、(犯人の)映像を取り込みまして、それをリアルタイムで早めに各店舗に情報として流すと。」

 

万引き被害に悩み、実際に顔識別システムを導入しているある現場を番組で取材することが出来ました。

大手スーパーや100円ショップなど40の店舗が入る駅前の商業ビルです。

館内の全ての入り口に顔識別用防犯カメラが設置されています。

このシステムが万引き犯を見つけた場合、本人に伝えたうえでシステムに登録、既に200人以上がリストアップされていて、館内に入って来ると警報が作動するといいます。

番組スタッフを万引き犯として登録し、実験を行いました。

年齢や特徴などをシステムに登録しておくと、次に反応した時にこの情報が出てくるのですぐに分かるといいます。

入り口をくぐると全てのお客はいったん録画され、あらかじめ登録されている“万引き犯”と照合されます。

“万引き犯”役の番組スタッフが入り口に入ると、システムが反応しました。

すると、監視ルームからこの番組スタッフの特徴の知らせを受けた店内を巡回中の警備員が番組スタッフを追尾するのです。

なお、地域の警察から依頼を受け、万引き犯以外も指名手配犯を登録しているといいます。

顔という個人情報を撮影する一般客に対しては、掲示板などを通じて顔認証を行っていることを通知し、録画から10日後には顔の画像を消去するなどの対応をしながら運用しているといいます。

こちらの商業ビル顧客部門の長田 泰文部長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「顔認証システムを入れてから、約ロス高(被害額)が半分以下には抑えることが出来ておりますね。」

「今は認証率も上がってきているし、なくてはならないシステムの一つになっていますね。」

 

こうして、顔認証技術は様々な場所で利用されているのです。

しかし、番組では運用を巡って心配なことも見つけました。

ある店舗では、店員による“腹いせ登録”や“巻き添え登録”がなされているケースがあるといいます。

なお、“腹いせ登録”とは、実例としては自分のバイクを触られた店員が腹いせにこの人の顔を万引きリストに登録したことを意味しています。

また、“巻き添え登録”とは、直接関係のない人の顔を万引きリストに登録したことを意味しています。

 

一方、深刻な万引き被害に悩む小売業者の間では、万引き犯の情報をデータベース化し、企業の枠を超えて広く共有するという構想も検討されています。

こうした顔という個人情報を扱う最新技術の導入について、専門家の間では慎重な意見もあります。

新潟大学の鈴木 正朝教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「万引き犯以外の全ての顧客の顔識別情報が蓄積されるわけですから、様々な本人の行動履歴などを追跡出来るようになりますので、極めて使い方によっては危険な情報だなと。」

「かなりオーバースペック(過剰)な技術になると思います、万引きに対してね。」

「これはね、テロ対策だとまた話は別です。」

「で、空港に入れるなら話は別で、このあたりは、この技術に対して皆さんがどう思うか、社会的コンセンサス(合意)を形成いていく途上にある。」

「まさに管理社会の入り口が開いてしまう話ですから、これは極めて慎重に議論していかないとならない問題です。」

 

また、番組ゲストで防犯カメラをめぐる法的議論に詳しい首都大学東京の星 周一郎教授は、次のようにおっしゃっています。

「勿論、こういったようなシステムが入った場合、映像を撮られる側の不安というものも当然あると思います。」

「(防犯カメラに関するルールについて、)これだけ高精細の画像になってきますと、個人を識別することは非常に容易になってきますので、撮られた画像は全部個人情報に原則として当たるんだということで、個人情報保護法の対象ということになってきます。」

「で、個人情報保護法の対象になりますと、本人に対して取得していることを通知しなければならないと。」

「あるいは第三者に提供する場合には(本人の)同意を得て行わなければいけないといったような原則になっています。」

「(お店で顔識別が行われていることについて分からないお客が多いことについて、)一つには犯罪者の情報は、通知をして同意を得て運用するということは出来ないものですので、どうしても“(同意)無し”というかたちになるんですが、他方でこういう技術についてそれほど理解が得られていないということがありますので、店の側もちょっと躊躇してしまっているという現状があるんだと思います。」

「(お店が個人を識別していることをお客に知らせると、お客がお店に対して反感を持ってしまう懸念について、)まだそういったところに対する一般の理解が得られていない新しい技術なんだということだと思います。」

「(変更の効かない顔などの個人情報が誤って登録されたり、流出した場合の対策について、)誤登録されてしまうというのは、登録された側にとっても非常な不利益なんですが、実は登録する側にとっても誤った情報を登録してしまうというのは無用なトラブルを生じてしまうだけだというところがあります。」

「従って、個人情報は内容を常に正確に保たなければいけないという法律上の義務がありますので、それをいかに実効的なものにしていくかと。」

「例えば、第三者機関みたいなものを作ってチェックしてもらうといったような仕組みを考えていく必要があるかと思います。」

 

そして、番組ゲストの元LINE社長でC CHANNEL社長の森川 亮さんは次のようにおっしゃっています。

「(この新しい技術をどう使いこなしていくかについて、)新しい技術というのは必ず“光”と“影”の部分があって、顔認識カメラに関しても“防犯”と“プライバシー保護”、この両面からもっともっと議論を詰めていく必要があるかなと思います。」

「ただ、セキュリティに関しては完璧ということはないので、むしろ問題が起こった時にどう対応するのか準備をしていく必要があるかなと思います。」

「こういった新しい技術全般ですが、やはり人類の進化につながってきたので、画像認識技術に関しても、例えば医療の分野でがんを発見したりとか、農業の分野でドローンを使って農地を改善したりとか、またスポーツの分野でも様々な応用がされているので、こういった技術をいかに賢く使えるのか、教育も含めて議論が必要かなと思います。」

「まだまだ知られていない技術とか、知られていない使い方があるので、いかにそれをシェアして問題解決につなげていくか、これが大事なんじゃないかなと思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組でも取り上げられているように、顔認証技術を用いた防犯カメラはスーパーやコンビニ、あるいは書店など様々な商業施設で既に導入されています。

そして、驚くことにお店によっては、一店員の権限のみで万引きに無関係な人が万引きリストに登録されてしまうという現実があるのです。

番組ゲストの方々がおっしゃっているように、防犯カメラには“光”と“影”があるのです。

そして、今はまだ便利さと個人情報の保護などの安全性の両面からどのような運用が望ましいかが専門家の間で議論されている段階のようです。

こうしたリスクを完璧に防ぐようなリスク対応策はまず不可能です。

ですから、現実的なリスク対応策を実施したうえで、リスクが発生した場合に備えて、有効なコンティンジェンシープランを準備しておくことが求められるのです。

いずれにしても、どんな商業施設においても万引き犯の増加はお店の経営を揺るがすほどの影響があるので、防犯カメラを含めた防犯システムは今後とも普及していくと思われます。

ですから、こうした防犯システムの開発企業には防犯機能を進化させるだけでなく、しっかりしたコンティンジェンシープランも考慮したかたちで開発していただきたいと思います


 
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2017年07月28日
アイデアよもやま話 No.3767 思わず募金したくなる募金箱!

5月29日(月)放送の「はやドキ!」(TBSテレビ)で思わず募金したくなる募金箱について取り上げていました。

そこでもう少し詳しい情報をネット検索したので(詳しくはこちらを参照)ご紹介します。

なお、動画についてはこちらを参照下さい。

 

千葉県にある「航空科学博物館」で今年1月から導入された募金箱「くるくるコイン」がネット上で話題になっています。

硬貨を投入口に入れると、漏斗(ろうと)のような部分を何度も円を描いて転がりながら、最後は中心部にある穴に回転しながら吸い込まれていく仕組みです。

ちなみに、日本の硬貨の中では500円玉が一番きれいに回るといいます。

その様子が動画つきでツイッターに投稿されると、3日でリツイートは2万5千を超えました。

なお、この思わず募金したくなる装置はアメリカで開発されました。

 

この「くるくるコイン」の導入にかかった費用は送料などを含めて約30万円でしたが、 いざ設置してみると、設置から2ヵ月で総額3万円と予想以上の金額が集まっています。

週末は数千円単位で集まることもあるそうで、このペースで行けば2年かからずに費用を回収できる見込みです。

 

一度試してみると、その仕組みが気になって何度もやりたくなる人が多いという、この装置ですが、航空科学博物館では、もっと楽しんでもらおうと、硬貨が落ちるときに音楽やメッセージを流すことを検討しています。

 

航空科学博物館に「くるくるコイン」を販売したのは、静岡県三島市のイベント業者「ライフデザインプランニング」です。

ホームページでは、メリットとして「おもしろいので話題になり得る」「ランニングコストがかからない」といった点を挙げています。

具体例として、20年以上前に募金箱として設置したアメリカのある博物館では、1度も壊れることなく使われ続け、累積で1億2千万円以上を集めたと紹介されています。

電源も不要で、一度設置すれば特別なメンテナンスはいりませんし、ランニングコストもかかりません。

この販売業者は、次のようにおっしゃっているといいます。

「通常の募金とは発想が180度異なるところです。募金といえば箱を持って頭を下げてお願いするイメージですが、「くるくるコイン」は募金の趣旨に関係なく、子どもたちが『楽しいから募金する』となります。地元のイベントで設置したときには、持っていた小銭がなくなって、家に取りに帰る子もいました。」

 

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した画期的な募金箱「くるくるコイン」から見えてくることは、どんな目的であれ、とても興味を惹く魅力的なものに人々はのめり込む傾向があるということです。

「くるくるコイン」のように募金箱にお金を入れること自体がとても面白いということは、本来の目的である募金することよりも募金箱にお金を入れることに面白さを感じてしまうということから募金のプロモーションとしては大成功だと思います。

ただし、この面白さの魅力にのめり込んで自分の募金出来る限度以上の募金をしてしまうという状況は好ましくありません。

ですから、このような募金箱に限らず、魅力的なゲームなどの商品に対しては自制心が求められます。

このように、何事においても魅力的なものはのめり込み過ぎるリスクを伴いますが、それでも募金による目的達成のためには、募金活動に人々の興味を惹く何かが求められるのです。


 
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2017年07月27日
アイデアよもやま話 No.3766 向かってくる人だけ開ける自動ドア!

5月17日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で向かってくる人だけ開ける自動ドアについて取り上げていたのでご紹介します。

 

私たちがふだん何気なく利用している自動ドアですが、オプテックス株式会社が開発したのは、向かってくる人だけを認識してドアを開ける自動ドアセンサーです。

大勢の人が歩いている時でも、ドアを目がけてくる人だけに対してのみドアが開くのです。

オプテックス・エントランス事業本部の島津 正之さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「センサーの横にカメラが付いておりまして、こちらのカメラ映像から画像処理を行って人のかたちを認識していると。」

 

通常の自動ドアは、赤外線で人が「いる」、「いない」だけを判断しているので、開く必要がないのに反応してドアが開いてしまうのです。

しかし、今回ご紹介している自動ドアは、画像認識で方向を感知し、向かってきた人だけに反応して開くことが出来るのです。

 

また、この自動ドアには画像認識だからこそ出来ることが他にもあるのです。

それは、適切なタイミングでドアが開くことです。

ドアに向かってくる人のスピードを感知出来るため、ちょうどいいタイミングでドアを開けてくれるのです。

島津さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「例えば空調効率、お店の中が冷えていて不要な開閉で冷気が逃げてしまうとか、そういったところが改善出来るのでかなりメリットがあるのではないかなと。」

 

ちなみに、この自動ドアの商品名は「eスムースセンサー」でオープン価格といいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

確かに、街中で利用する自動ドアは、ドアを開けるつもりがなくてもちょっと近づくだけで開いたり、ちょっと動くと閉まったりするケースが多く、省エネの観点から“もったいない”と感じていました。

そうした中、今回ご紹介した「eスムースセンサー」が普及すれば、“塵も積もれば山となる”と諺にもあるように、空調効率が改善され、省エネ効果が大いに期待出来ます。

価格にもよりますが、手始めに高級ホテルや大型商業施設などでの導入が期待出来そうです。


 
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2017年07月26日
アイデアよもやま話 No.3765 日本初”おつり”で資産運用!

5月17日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で日本初”おつり”による資産運用について取り上げていたのでご紹介します。

               

買い物の際に出た“おつり”で資産運用が出来る日本初のスマホアプリサービスが5月末にスタートします。

ITベンチャーのウェルスナビ株式会社が開発したスマホアプリ「マメタス」は、クレジットカードでの利用額を切りのいい金額に切り上げ、その“おつり”にあたる金額を運用します。

”おつり“金額を切り上げる単位は、100円、500円、1000円の中から選択します。

例えば、140円の買い物をした場合、100円を選択すると200円の“おつり”に当たる60円、500円なら360円、1000円なら860円が運用資金になります。

こつこつ貯めた“おつり”は、最適な投資方法を導くロボットアドバイザーによって運用され、世界中にある株式など約1万1000銘柄を対象に分散投資を行います。

ウェルスナビの柴山 和久CEOは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「将来のことを考えると、資産運用を始めたいなと思いながらも、中々その一歩が踏み出せない方にサービスを提供していきたいなと。」

 

なお、このサービスを受けるにあたっては、住信SBIネット銀行での口座開設などが利用条件となりますが、今後はメガバンクや地銀とも連携し、サービスを拡める計画です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

株式による資産運用にこれまで縁のなかった人にとって、その一歩を踏み出すチャンスはあまりありません。

そうした中、今回ご紹介した“おつり”を利用した「マメタス」はこうした人たちにとっても取っ付きやすい資産運用サービスであり、一般的な資産運用に比べて金額的に損するリスクも少ないと思います。

また、こうしたサービスは株式投資の原点のように思われます。


 
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2017年07月25日
アイデアよもやま話 No.3764 進む船の自動運転技術!

5月17日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で実現間近な船の自動運転について取り上げていたのでご紹介します。

 

日本郵船は紙の海図と同じ感覚で電子海図に書き込めるという新型の運行支援装置を発表しました。

将来は、自動車の自動運転同様に船の自立航行も見据えています。

 

海運大手の日本郵船と通信機器メーカーの日本無線が5月17日に発表したのが次世代型運行支援装置「J−Marine NeCST」です。

この装置について、日本郵船の小山 智之常務経営委員は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「これはまさに海運立国、日本がこれだけパワフルなツールを作れることを世界に向けて発信出来る素晴らしいツールだと思っております。」

 

今年の1月から大型客船「飛鳥供廚納他攫存海鮟鼎佑討い董⇒菁から作り始める船舶への搭載を目指しています。

この装置の特徴は、これまで主に手書きで行っていた海図の記入作業が大型のタッチパネル式スクリーンで出来ることです。

日本郵船・海務グループ航海チームの桑原 悟船長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「航海の安全に必要な情報をいろいろと書き込むと。」

「それが手書きで簡単に書き込めると。」

「これを我々が操船の時に見ております電子海図「エグリス」にデータを飛ばすと、画面上に出てきますので簡単に分かります。」

 

今までの海図は紙のため、事故につながる危険な場所など詳しい情報は船内でしか共有出来ませんでした。

今回開発した運行支援装置は情報をクラウド上で共有出来るため、船が陸にある管制センターとやり取り出来るだけでなく、船と船との共有も可能になります。

更に、危険が存在する場所も分かり易くなるといいます。

事故が起こり易い浅瀬などでは、船から見てどんな景色が見えるかを写真で記録しておくことが出来ます。

今まで伝えることが出来なかった視覚による情報も船内や陸、他の船とも簡単に共有出来るため、事故を未然に防げるといいます。

桑原船長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「データを共有出来るといったことを進めることで、我々の労力が削減されて非常に楽になると。」

「楽になって時間が出来ますと、他の作業が出来ますので安全運航、効率運行につながっていくと。」

 

実は、陸や空でIoT(モノのインターネット)化が急速に進む中、海は大きく後れをとっています。

その理由が海上の通信環境です。

例えば、インターネットで15分ほどの動画(125MB)をダウンロードする場合、陸では1秒で完了します。

しかし、海では陸のような基地局はなく、通信料が高い通信衛星を使い、時間は陸のおよそ1000倍、ダウンロード完了までに16分以上もかかります。

今後、通信環境の改善が進めば、自動車の自動運転ならぬ船の自立航行の実現も近づくといいます。

 

国土交通省も自立航行や無人船などの実現に向けた企業の技術開発を推進、補助金を出すなど国内の動きが活発化しつつあります。

日本無線・ソリューション事業部の鈴木 寿一部長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(現場の)ニーズを聞いてものをつくるというところに注力していきたい。」

「日本国内だけではなく、海外に外航船を中心としてとにかく我々は海の安全・安心を守るための機器を提供し、世界に発信していきたいと考えております。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

遅ればせながら、船舶の世界においても自動運転に向けて動き出しているようです。

しかし、そこには通信環境の不備の改善というハードルがあります。

ですから、船舶の自動運転の普及は今後の通信衛星による通信環境の大幅な改善にかかっていると言えます。

 

ちなみに、5月11日付け発信のネットニュース(こちらを参照)によると、ノルウェーの企業が5月10日、世界初となる電気自動貨物船を来年就航させることを計画していると発表しました。

 

計画の責任者によると、この貨物船の航行範囲は65カイリ(約120km)以上で、12〜15ノット(毎時22〜27km)の速さでおよそ100個のコンテナを輸送可能だといいます。

 

就航当初は乗組員が配置されますが、2019年には遠隔操作での航行を開始し、2020年には完全な無人での自動航行に移行する予定だといいます。

 

なお、ノルウェーは主要産油国の一つでありながら、手厚い税制上の優遇措置により電気自動車の導入が進んでいます。

また有名なフィヨルド地帯を航行する電動フェリーの試験なども行っています。

 

このように再生可能エネルギーによる持続可能な社会の実現に関心の高い国、ノルウェーでは、自動運転のみならず船舶の電動化にも力を入れているようです。

 

ですから、日本の船舶・海運業界においても船舶の電動化にもチャンレンジしていただきたいと思います。


 
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2017年07月24日
アイデアよもやま話 No.3763 2050年には製造業が盛り返す!?

5月17日(水)放送のニュース(NHK総合テレビ)で2050年には製造業が盛り返すという予測について取り上げていたのでご紹介します。

                                           

1843年に創刊されたイギリスの歴史ある週刊誌「エコノミスト」は、経済だけでなく国際政治から社会問題まで幅広いテーマを深く掘り下げることに定評があり、世界200ヵ国以上で読まれています。

その「エコノミスト」が未来のテクノロジーを予測する本「どうなる未来の技術」をまとめました。

33年後の1950年の経済や社会はどうなるのでしょうか。

 

東京都内のホテルで4月27日に開かれた「未来のテクノロジーについてのシンポジウム」で「エコノミスト」の編集局長、ダニエル・フランクリンさんが講演しました。

フランクリンさんが企画した「2050年の技術」では、2050年の医療やエネルギー、人工知能(AI)から教育までをどのように変えていくかを予測しています。

フランクリンさんは、番組の取材に対して次のようにおっしゃっています。

「テクノロジーは間違いなくあらゆるものに影響を及ぼす。」

「未来のテクノロジーを予測することで、実現可能なこと、今起きていること、我々の生活やビジネスを形づくるものが見えて、未来に向けてより良い準備を始められる。」

 

「日本の女子高校生は熱心な「ケータイ」ユーザーだった。」

「女子高校生がテクノロジーをどう利用しているか当時注目されていた。」

「アメリカの技術雑誌が「女子高校生ウォッチ」というコラムを掲載していたほどだ。」

 

「今後数十年のうちに新たな素材によって、製造業に新しい可能性が開かれる。」

「製造業は3Dプリンターなどの創意あふれる技術によって変わっていく。」

「既にBMWはセーターのように炭素繊維を編んで自動車を作っている。」

「こうなると安い労働力を求めて海外に発注することは必要ではなく、最も優れた技術者がいる場所に工場を作ればよい。」

 

「大切なのは、何が可能で未来は何処に行き着くのかビジョンを持つことだ。」

 

新しい技術は突然登場するわけではなく、ある特定の集団を注意深く見ると先行事例があり、予測可能だといいます。

一部の専門家は、2000年代前半の日本のガラケー(ガラパゴス携帯電話)でのメールやゲームの使い方を見てその後のスマートホン(スマホ)全盛時代を予感していたといいます。

 

グローバル化の進展に伴い、先進国の多くの製造業は厳しい競争にさらされています。

しかし、フランクリンさんは、3Dプリンターや炭素繊維を加工する技術などの登場によって意外にも2050年には製造業が盛り返すと予測しています。

 

フランクリンさんは、日本の高い技術力を評価していましたが、一方で激しい変化に対応していくためには何よりも柔軟になることが大事だと語っていたのが印象的だったと番組では見ています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

実は、私もロボットやAIなどのテクノロジーの進化とともに、いずれ製造業の無人化が進むことに伴い、現在のような製造業の人件費の安い新興国や途上国への工場施設などのシフトは不要になるはずだと考えておりました。

その結果、フランクリンさんのおっしゃるように、製造業の本国への回帰が始まるのです。

しかし、だからといって製造業はほとんど無人化状態になるのですから、本国での労働市場が拡大するわけではなく、むしろ更に既存の産業の労働市場は縮小されます。

更に、製造業に限らず他の産業でも、例えば運輸では完全自動運転技術の実現によりドライバーの需要は激減します。

その他の既存の産業においても大なり小なり労働市場は縮小していきます。

 

では、一方でどのような変化が見られるのか、私なりに想像した結果を以下にまとめてみました。

・AIやロボット、IoT(モノのインターネット)、あるいは3Dプリンターや再生可能エネルギー、更には宇宙関連など新しいテクノロジーによる産業が拡大し、新たな労働市場が生まれる

・多くの労働がAIやロボットに取って代わるので、週休3日制や長期有給休暇などの導入が進み、労働時間が短縮される

・シェアリングエコノミーが更に普及し、生活費がこれまでよりもかからなくなる

・労働者に求められる技術の変化が速いので、その変化に合わせた生涯教育が重要になる

 

いずれにしても、フランクリンさんのおっしゃるように、企業にとっても私たち一般生活者にとっても社会の変化に柔軟に対応していく適応力が今後とも求められるようになることは確かだと思います。


 
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