2018年04月25日
アイデアよもやま話 No.3999 アイデア方程式 ヨーグルトのフタ×?=くっつかないフタ!

これまでアイデアよもやま話 No.1726 ネイチャー・テクノロジーで究極のエコ社会が実現!?アイデアよもやま話 No.3929 アイデア方程式 タイル×?=汚れにくい外壁!で自然界の生き物が生き抜くために持っている優れた知恵を私たちの生活に生かす研究、すなわちネイチャー・テクノロジー(Nature Technology)についてご紹介してきました。

そうした中、1月25日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)でくっつかないフタについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

ヨーグルトのフタをはがしてみると、裏側にヨーグルトがべったりついていることがほとんどです。

ところがくっつかないフタが発明されたのです。

 

フタの裏に付き易いヨーグルト、当たり前だったこの光景が劇的に変わったのです。

斬新なアイデアで生まれた新技術によって、運んでいる途中に何度揺れたとしてもフタにヨーグルトがくっつかないのです。

長年、乳製品メーカーにとって悩みの種だったヨーグルトのフタ問題、開発者のこの悩みを解決するヒントは意外な植物にありました。

それはハスの葉でした。

水をはじく秘密、それは葉の表面の小さな凹凸、これが水や汚れを付きにくくしていたのです。

その構造を応用したのがとろみの液体でもはじく、くっつかないフタです。

ナノテクノロジーでハスの葉の再現に成功したのです。

 

小さな不便も見逃さない、これぞジャパンクオリティです。

今後様々なモノへの応用も期待される新素材はハスの葉から生まれていたのです。

不便を解消したい、そんな一途な想いがハスの葉の“気付き”を生み出したのです。

この開発者はその源泉であるハスの葉を今でも机のそばに置いているそうです。

 

ということで、今回のアイデア方程式はヨーグルトのフタ×ハスの葉=くっつかないフタでした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

考えてみれば、植物に限らず動物など他の生物も種類によってかたちや大きさ、あるいは生息する地域など様々です。

そうした中において、少しでも生存し易いように今回ご紹介したハスの葉のようにそれぞれ独自に進化しているのです。

ですから、これまで何度かご紹介してきたように、様々な生物の持つ優れた知恵を私たち人類は応用することによってより多くの便利さを手に入れることが出来るのです。

 

さて、ヨーグルトのフタに限らず、液状のものを入れた瓶のフタには内容物がくっついていることがよくあります。

そこで、今回ご紹介した“くっつかないフタ”があれば、こうしたささやかなロスをなくすことが出来ます。

更に、瓶そのものも同様にハスの葉の知恵を応用すれば、無駄なくきれいに食べることが出来ます。

そればかりでなく、食べた後の片付けもとても楽になります。

 

そこで、他にどんなところに応用出来るかを考えてみたら、以下のようなものを思い付きました。

・建物の外装

・自動車などのガラスやボディ

 

こうしたところに応用出来れば、いつも綺麗な状態に出来、汚れを落とす手間も不要になるので、是非実用化していただきたいと思います。


 
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2018年04月24日
アイデアよもやま話 No.3998 飛んで光るLEDホタル!

1月24日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で飛んで光るLEDホタルについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

まるでホタルのようにふわふあと飛びながら光る小さなLEDを東京大学の高宮 真准教授が開発しました。

なぜ浮くのか、その秘密は四角いフレーム状の装置の上下に敷いてある黒いマットにあります。

ここから超音波を出して浮かせているのです。

高宮さんは次のようにおっしゃっています。

「ICチップを作ることによりまして、小さく軽い、空中に浮くLEDが出来ました。」

 

高宮さんはものすごく軽いICチップを独自に開発したのです。

このICチップは電子回路を積んでも直径4ミリ、重さ0.01グラムに抑えました。

このICチップで中央のコイルから電力を受けて、光りながら宙に浮かぶホタルのようなLEDが出来たのです。

更にこのLEDは超音波を操作することで、自由に動かすことも出来ます。

ちなみに、このLEDは「Luciola(ルシオラ)」と命名されました。

高宮さんは次のようにおっしゃっています。

「一つの粒を浮かせて光らせるだけですが、将来的には個数を10個、100個に増やして空間に映像を表示するような“空中ディスプレー”に使いたいと思っています。」

 

例えば、このLEDにセンサーを付けると、無数に飛んでる中で手を近づけると一斉に飛散していったり、かたちを変えたりするような“空中ディスプレー”が出来ると期待されています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

私たちは沢山のホタルが飛んでいる光景を目にすると、とても幻想的な雰囲気に浸ることが出来ますが、ホタルの飛ぶ時期は6月頃と季節のうえでは限定されます。

しかし、今回ご紹介したようなLEDを使った照明は、装置さえあればどこでも同じような雰囲気を味わうことが出来ます。

更にLEDはいろいろな色を発するようにコントロールすることも出来ます。

ですから、高宮さんのおっしゃるようにこの小さなLEDを複数浮かせていろいろな動きをさせれば“空中ディスプレー”として活用出来ます。

従来の照明では、“空中ディスプレー”のような使い方は出来ませんでしたが、LEDにはこうした活用方法もあるのです。

しかも、これまでよりもはるかに省エネですので、やはりLEDは“照明革命”をもたらしたと言えそうです。


 
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2018年04月23日
アイデアよもやま話 No.3997 今だかからこそ”不便益”!?

1月24日(水)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で耳慣れない言葉、”不便益”について取り上げていたので、関連するネット情報と併せてご紹介します。

 

夕方から雨が降りそうなので乾燥までした方がいいのでは、とアドバイスまでしてくれる洗濯機、お客さんを案内するロボット、こうして便利になるのはいいのですが、私たちは本当に豊かになっているのでしょうか。

そんな疑問を持った研究者たちが京都に集まりました。

彼らが打ち出したのは”不便益”、不便にすることでメリットが生まれるという考え方です。

京都大学デザイン学ユニット特定教授の川上 浩司さんは次のようにおっしゃっています。

「何でも便利にすればいいじゃダメだと。」

 

NHKではインターネット会員の皆さんに便利過ぎて逆に不便になることをアンケート調査しました。

その結果の主なものは以下の通りです。

・スマホを忘れると、電話番号を思い出せず電話出来ない

・家電の機能が多すぎて使いこなせない

・子どもが通信販売で何でも買うため、宅配便がよく来てかえって面倒

・タブレットに入力するのに余計に時間がかかる

 

こうした中で登場してきたのがあえて不便にすることでメリットを生み出すという”不便益”のなです。

今この”不便益”が様々な現場で実験され始めています。

今や、街を歩けばスマホだらけです。

しかし、株式会社岩田製作所(岐阜県関市)では社員の半分近くがガラケーです。

スマホを持っていないと月に5千円の奨励金がもらえます。

この会社は従業員107人の機械部品メーカーです。

このちょっと変わった制度を始めたのは、岩田 修造社長(67歳)です。

きっかけは社員同士の会話が少なくなったことだといいます。

以前、ほとんどの社員は仕事が空いた時間にスマホばかり見ていました。

顔を合わせた会話が少なくなって、社員同士の関係が希薄になっていったのです。

そこに危機感を覚えた岩田社長は次のようにおっしゃっています。

「デジタルの時代だからこそ、アナログ的な能力をどう維持するか、それを真剣に考えなければいけない時代ではないかと。」

「これを何とかしたいと。」

 

この制度のお蔭で、今では昼休みにスマホを見ずにみんなでおしゃべり、社内の情報交換や日常会話など社員同士のコミュニケーションも活発になりました。

研究のアイデアなどが次々と生まれるようになり、会社の業績もアップしました。

こうしたメリットについて、岩田社長は次のようにおっしゃっています。

「アナログ的な能力も大事だよ。」

「うちの社員がそういう能力を失わなかったら、これは絶対に競争力になると。」

 

一方、ジュエリーを販売するフェスタリアビジュソフィア銀座本店では、手間がかかる不便な方法でお客さんの心をつかんでいます。

店員さんが接客の合間に取り出したのは、自分で選んで買ってきた便箋です。

来店してくれたお客さんには手紙を書いています。

お客さんのことを思い浮かべながらお店に来てくれた感謝の気持ちなどを一文字一文字丁寧に綴っていきます。

15分かけてようやく完成、心を込めた言葉にイラストや絵文字を添えて華やかなものになっています。

お客さんからも大好評で、お客さんからの手書きの感謝の手紙も届いています。

時間をかけて手紙を書くことがお客さんの獲得につながっています。

こちらの店員の石川 茜さんは次のようにおっしゃっています。

「一生懸命書いていれば、それが伝わると思うんですよね。」

「「あなたが勧めるならそれにするわ」と言っていただいたりとか、その効果はあると思います。」

 

介護の現場でも“不便益”の考え方が取り入れられています。

介護施設はバリアフリーが普通ですが、夢のみずうみ村(山口県)の藤原 茂代表は次のようにおっしゃっています。

「うちの施設は“バリアアリー”です。」

 

こちらは介護施設なのに廊下に手すりがありません。

この施設ではお年寄りたちが手すりに頼らずに歩いています。

更に2階に行くには急な階段、あえて不便にすることで、日々の生活の中でリハビリになるようにしているのです。

でも症状が重い人はスタッフがサポートしてくれるので心配ありません。

ある男性は脳梗塞になり、その後遺症で車椅子でしたけど、今では自分の足で歩けるまで回復しました。

 

とっても不便な“バリアアリー”ですが、身体の機能が回復するお年寄りも出て来て全国的に注目を集めているといいます。

藤原代表は次のようにおっしゃっています。

「不便だったら不便なように克服していく方法を自分なりに体験して、気が付いたら知らず知らずのうちに克服出来ている。」

 

不便は手間ですが役に立っているのです。

 

人と人とのコミュニケーションなど、大切なものが失われていくことがないように、本当に便利になっていくことだけでいいのかなと今一度ここで立ち止まってみるタイミングに今あるのかもしれません。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

仕事でもスポーツでも何でも、人は完全に自分一人だけで成し遂げることはまず不可能です。

仕事であれば同僚や上司、あるいはお客様、そしてスポーツであればチームメイト、あるいは監督やコーチなど、必ず自分以外の誰かとの係わりのある中で自分の望みを成し遂げられるのです。

 

こうした観点から考えると、スマホはとても便利なツールではありますが、あまりこれに集中し過ぎると本来やるべきことやこれまで他の人とのコミュニケーションに費やしてきた時間が削がれてしまいます。

 

一方、自動車や電車は移動手段としてとても便利ですが、これに頼り切っていると運動不足に陥ってしまいます。

中にはちょっと近くに買い物に行くにもクルマを使うという人もおります。

 

このように便利さばかりを追求し過ぎると弊害が生じてしまうというというのが現実なのです。

ではどのように対処すべきかですが、昔から言われているように“何事もほどほどに”という考え方があります。

あえて不便にすることでメリットを生み出すという”不便益”はこうした考え方に通じると思います。

例えば、あえてエスカレーターを使わずに階段を上ったり、電車やバスを使わずに歩いたりというのは一見不便ですが、健康維持のためにはとても良いことです。

 

また、人ならではの心のこもったコミュニケーションは今のAIやロボットには出来ないものです。

ですから、多少時間をかけても手書きによる感謝の手紙はお客さんの心を少なからず動かすことが出来るのです。

何でもかんでもパソコンやスマホなどツールにだけ依存するのは得策とは言えないのです。

また、介護施設の“バリアアリー”の方針も実はとても理に適っているのです。

 

“不便益”の本質は、一見すると不便に思われるような行動が本来の目的を達成するためには、より効果的、効率的な手段である場合があり、時にはあえて不便な方法を選択することが望ましいということにあるのです。

ですから、何かを達成するための手段として、テクノロジーに過大に依存するのではなく、人に依存することも検討の対象にすることはとても重要なのです。


 
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2018年04月22日
No.3996 ちょっと一休み その643『揺らぐ世界 その3 現在に至る経済システムの歩み!』

これまで世界の富の集中については、以下のように何度となくお伝えしてきました。

アイデアよもやま話 No.2696 世界の富裕層の上位1%の総資産が全世界の下位半分の資産を占めている!

アイデアよもやま話 No.3614 格差社会アメリカの実態 その2 アメリカは格差社会先進国!?

アイデアよもやま話 No.3616 格差社会アメリカの実態 その4 富裕層への富の集中による弊害!

 

そうした中、1月7日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)で「揺らぐ世界 〜この時代の変わり目に〜」をテーマに取り上げていました。

そこで7回にわたってご紹介します。

3回目は現在に至る経済システムの歩みについてです。

 

1回目、2回目と世界、および日本における富の集中についてお伝えしてきましたが、なぜこれほどまでに富が偏ってしまったのでしょうか。

現在に至る経済システムの歩みを遡ると、そのスタートは18世紀にイギリスから始まった大転換、産業革命です。

蒸気機関という画期的なエネルギーを推進力に織物業などの機械化が進み、それまでの手工業から産業の姿が一変しました。

大量に生み出される製品は、機関車でより速く、より遠くへ運ばれ、日常生活の利便性や快適さが格段に向上、豊かな税収で道路やダムが整備されるなど、恩恵を人々にもたらしました。

 

この産業革命の動きはフランス、ドイツ、そしてアメリカなどに波及し、19世紀後半にはロシア、更に明治維新で姿を大きく変えた日本にも及びました。

その明治維新から150年、日本は着々と近代化の歩みを進めてきました。

富の拡大を望む先進国は、安い原料や労働力、そして新たな市場を求め、植民地獲得を目指し、海外に触手を伸ばしました。

アジアでは、イギリス、フランスなどヨーロッパの列強やアメリカが植民地化を進め、後を追うように日本もまた朝鮮半島などに進出しました。

また、アフリカ大陸でも列強による植民地支配が過熱、国家間の激しい対立を招きました。

20世紀初頭、モロッコでの権益を巡って始まったドイツとフランスの対立がヨーロッパ諸国を巻き込み、オーストリア皇位継承者の暗殺を契機に未曾有の大戦争を引き起こしました。

第一次世界大戦です。

史上初の世界規模で行われた第一次世界大戦は一般市民が戦線に駆り出される総力戦となったうえに、毒ガスなどの新兵器も使用され、約9百万人という膨大な戦死者を出しました。

かつてない犠牲者を出した世界戦争、その反省から1920年に設立されたのが戦争回避の仕組み、国際連盟です。

しかし、世界は突如思わぬ危機に見舞われます。

ニューヨーク市場の株価大暴落をきっかけに起きた世界大恐慌、多くの国の人々がその日の食事さえ事欠く事態になったのです。

 

そうした中、第一次世界大戦の敗戦による、莫大な賠償金と激しいインフレに見舞われたドイツでは、ヒットラー率いるナチスが誕生、ナチスドイツは国民の不満のはけ口を求め、ユダヤ人を迫害し、他国への侵略を開始しました。

一方、世界恐慌で苦境に立たされた日本も1931年に満州事変を引き起こし、満州国を建国しました。

その後、ドイツ、イタリヤと軍事同盟を結びました。

日独伊三国同盟です。

こうした動きに対し、欧米の連合国は武力で対抗、世界は再び世界大戦の泥沼に踏み込んだのです。

戦闘機、航空母艦など、近代的武力を使った第二次世界大戦では、市民を巻き込む無差別攻撃の応酬で世界の多くの都市が壊滅、遂には日本への二度の原子爆弾投下という最悪の悲劇までもたらしました。

この戦争による死者は約6000万人に上りました。

二度の大戦がもたらした戦争の悲惨さから平和の尊さを学んだ世界各国は1945年にあらためて国際連合を設立しました。

国連憲章には次のような理念が掲げられています。

・基本的人権

・自由

・寛容

・平和

・武力を用いない

 

世界はこうした理念を共有し、新たな時代に向け再び歩み出したのです。

しかし、対立は消え去ったわけではありませんでした。

戦後、世界は“鉄のカーテン”により、ソ連をリーダーとする東側共産圏が作られる一方で、アメリカを中心とする西側資本主義圏とに分断、一触即発の緊張を伴う東西冷戦に入りました。

その後、ソ連は政治システムの矛盾や経済の不振などにより衰退、1989年12月開催のマルタ会議でソ連のゴルバチョフ書記長(当時)は冷戦時代の終わりを告げ、やがて1991年12月にはソ連が崩壊しました。

ソ連が解体されたことにより、世界はアメリカを中心にした資本主義、民主主義を基本とする体制でまとまっていくかに見えました。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

こうして18世紀の産業革命から20世紀までの世界の経済システムを俯瞰してきましたが、以下のようにまとめてみました。

・人類は生産技術の進歩による商品の供給力の増加に伴い、それに見合う市場を世界的な規模で常に求めてきたこと

・その過程で、人類は豊かさを手に入れてきたが、一方で市場の奪い合いが起こり、それが時には戦争につながったこと

・技術の発達は兵器の殺傷能力を高め、今や人類はおろか、地球を崩壊させてしまうほどの核兵器を人類は手に入れてしまったこと

・こうした戦争を回避するべく、国際的な機関、国際連盟、あるいは国際連合が設立されたこと

・東西冷戦を経て、ソ連の解体により、世界はアメリカを中心にした資本主義、民主主義を基本とする体制が主流になる流れが出来たかに見えたこと

 

ところが、今このシステムが様々な矛盾を生み出し、厳しく問われ始めたのです。


 
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2018年04月21日
プロジェクト管理と日常生活 No.537 『世界的に危うさを増す民主主義!』

3月22日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で世界的に危うさを増す民主主義について取り上げていたのでご紹介します。

 

一人一人が自由に発言し、話し合って物事を決める民主主義、しかし、この民主主義の大原則が今揺らぎ始めています。

いったい世界で何が起きているのでしょうか。

3月18日に行われたロシア大統領選挙は76%を超える得票率でプーチン大統領が圧勝しました。

就任演説で強調したのは、民主的な選挙によって多くの国民の支持を受けたことでした。

しかし、その選挙の裏側で若者を中心に人気を集める野党勢力の指導者を拘束、更に政権側は支持する若者たちまで弾圧したのです。

拘束された若者の一人は次のようにおっしゃっています。

「自分の意見を表明するために集会に参加しただけだ。」

「ロシアがソビエト時代に戻ったようだ。」

 

また政権批判をしていた野党側の指導者が銃で撃たれ死亡する事件も起きています。

野党勢力はプーチン政権の関与を疑っています。

野党議員の一人は次のようにおっしゃっています。

「政治活動家への弾圧は殺人にまで及んでいる。」

「秘密警察出身の大統領は警察国家しかつくれない。」

 

このロシアの大統領選挙とともに3月にもう一つ注目された選挙がありました。

香港の議会選挙です。

この2つの選挙、共通しているのは民主主義が危うくなっている現実です。

香港の議会選挙の裏側では何が起きていたのでしょうか。

一国二制度のもと、民主主義が重んじられてきたはずの香港、ここでも民主主義が揺らぎ始めています。

今月行われた議会の補欠選挙では、民主化の拡大を求める民主派の候補が当初の予想に反して選挙区で初めて落選しました。

議席を増やしたのは中国の組織的な支援を受けたとされる親中派でした。

背景にあるのは、権力の集中を進める中国の習近平国家主席です。

香港では法律を遵守させることで中国の影響力を強めようとしています。

今回の選挙では、「香港は中国の不可分の一部」と定める香港基本法が民主派の候補にこれまで以上に厳しく適用されました。

4年前の民主化運動で活躍し、知名度が高い女性、周庭さん(アグネス・チョウさん 21歳)は立候補すれば当選が有力視されていました。

しかし立候補の届け出が認められませんでした。

理由は、“香港の将来は香港の住民が決めるべきだ”と主張したことが“法律に抵触する”と判断されたためでした。

 

更に当選した民主派の議員にも、過去に遡って厳しく法律が適用されようとしています。

ある議員は過去に中国に批判的な態度を取ったことが選挙中に親中派の候補に暴露され、法律に抵触していたという指摘が相次ぎ、失職の恐れも出ているのです。

こうした状況について、アグネスさんは次のようにおっしゃっています。

「中国や香港政府は法律の内容を自分に有利なように解釈し、意にそぐわない者を排除している。」

 

“合法的なかたちで香港の民主主義を骨抜きにしよう”としている中国ですが、香港市民の間では政治に対する無力感が広がっています。

これまで民主派に投票してきたある男性は、今回の選挙では投票に行っても意味がないと考え、棄権したといいます。

今回の選挙の投票率は43%と、前回より15ポイントもダウンしました。

以前高まりを見せていた民主化を求める機運はすっかり影を潜めています。

ある香港市民の男性は次のようにおっしゃっています。

「中国の香港への干渉が強まっている現実を受け入れざるを得ない。」

「香港は中国の一部だから。」

 

香港市民が民主的な社会を求めることを諦め、強権的な姿勢になびいていく現実について、北海道大学の吉田 徹教授は、そこに“民主主義の危うさ”が見えると指摘しています。

「リベラルなんてうち捨てて、強いリーダーが物事をきちんと決めてくれる、そっちの方が効率がいいんじゃないか、そういったところが非常に注意、用心すべきところだと思いますね。」

「自由民主主義というのは理念としてはいいんだけれども、果たしてそれで人々は豊かになれるんだろうか、それで食えるんですか、っていう状況に今追い込まれているわけですね。」

「それを見ると、あっち(強権的な姿勢)の方がいいんじゃないかなっていうふうなかたちで“民主主義”の転換が今起きていて、そのあり方が大きく問われている。」

 

更にこうした傾向は、経済成長が鈍り、社会不安も抱えるアメリカやヨーロッパなどでも強まりつつあると警鐘を鳴らしています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

ロシア大統領選挙については、別のテレビニュースで選挙日に投票所に有権者がいない時に選挙管理委員会のメンバーが投票用紙を大量に投票箱に入れている様子をとらえた映像を報じていました。

このような不正がまかり通っていては選挙は形式的なものとなり、公正な選挙とは言えません。

この点だけでも、日本やアメリカだったら、あちこちで選挙は無効で選挙のやり直しが叫ばれるはずです。

そもそもここまで酷い露骨な不正はあり得ないと思います。

 

一方、中国でも習近平政権の長期化が言われ、今後とも習近平国家主席による独裁化が強まると見られています。

なお、日本との関連では、中国は尖閣列島の領有権を主張しており、更には沖縄をも領有化しようと目論んでいると言われています。

 

また、ロシアや中国ほどでなくとも、吉田教授のおっしゃるようにアメリカやヨーロッパアでもこうした民主主義を危うくする傾向が見受けられます。

 

さて、日本においても最近、気になるニュースがあります。

一つは森友学園に関する財務省の公文書改ざん問題です。

そして、森友学園や加計学園における許認可の決定プロセスが明らかでない問題です。

安倍首相が縁故者に便宜を図ったのではないかという疑念がいまだに払拭されていません。

更に、森友学園問題の関連文書と陸上自衛隊のイラク派遣での日報については文科省や防衛省がその存在を否定していたのが、突然見つかったというような報告が上げられてきました。

そしてもう一つは、文部科学省の前川喜平前事務次官が名古屋市立中の授業で語った内容の報告を文科省が名古屋市教育委員会に求めた問題です。

こうした授業の内容の報告を省庁が求めたのは前代未聞といいます。

このような報道がなされただけでも、今後の講演に際して多少なりとも委縮してしまう方々が出てくるのではと危惧されます。

 

こうした問題が現政権の指示により関係省庁が従った結果なのか、それとも現政権の意向を忖度するなどして関係省庁が独断で行ったのかは今のところ明らかではありません。

しかし、官僚側による単独の判断だけでこうした問題が起きたとはとても考えにくいです。

 

こうした一つ一つの問題の放置は政権の暴走を許し、日本の民主主義を危うくするものです。

ですから、誰の指示でなぜ行われたのかを徹底的に解明し、再発防止策に取り組まなければなりません。

 

プロジェクト管理においては問題やリスクを放置しておけば、時間が経過するにつれてそれだけ解決に時間やコストがかかるというのが原則です。

同様に、今回ご紹介した問題も早急に手を打つことが求められるのです。

今国会ではこうした問題に対する審議に時間が割かれ、本来予定されていた重要な審議が滞っている状況です。

こうした状況を早急に打開するために、徹底的な原因の解明が急務なのです。


 
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2018年04月20日
アイデアよもやま話 No.3995 丸の内をベンチャーの”聖地”に!

1月22日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新たなベンチャーの街を目指す丸の内について取り上げていたのでご紹介します。

 

国内でベンチャー企業が集まる街というと、渋谷と六本木が有名です。

アメリカのシリコンバレーにちなんで、渋谷はかつてはビットバレーとも呼ばれました。

この渋谷には、現在もサイバーエージェント、ミクシィ、ディーエヌエーなどが本社を置いています。

こうした有力企業と仕事をするために、ベンチャー企業も続々と渋谷に集まってきているのです。

一方、六本木ではヒルズ族という言葉も生まれた六本木ヒルズにはアップルジャパンやグーグルジャパン、メルカリなどが本社を置いていますが、この周辺にも多くのベンチャー企業が集まってきています。

 

こうした中、新たなベンチャーの街として名乗りを上げたのが日本最大のオフィス街、丸の内です。

大企業や銀行のイメージが強い丸の内地域ですが、ベンチャーの新たな“聖地”として生まれ変わることが出来るのでしょうか。

東京駅前にある新丸の内ビルディングでは、天井に取り付けたカメラを使った実証実験が1月22日から始まっています。

三菱地所と綜合警備保障が始めた実証実験に欠かせないもう一つの企業があります。

AIベンチャーの株式会社パークシャ テクノロジーです。

こちらのAIはビルの監視カメラ映像を画像解析し、人間の様子を把握するというものです。

例えば、緑色だときょろきょろしている人、オレンジだとうずくまる人です。

AIがうずくまっている人を認識すると、近くにいる警備員にメールで知らせます。

そして警備員はAEDを持って、倒れている人のもとへ駆けつけます。

また不審者などの検知もAIが行うといいます。

パークシャ テクノロジーの山田 尚史取締役は次のようにおっしゃっています。

「怪しい人か怪しくない人かのデータを沢山準備出来れば、その共通の特徴を人間が設計するのではなく、機械のアルゴリズムが抽出して、それに対する学習を行うと。」

 

大規模ビルの警備を行う警備会社も最新のITとスピード感を持ったベンチャー企業が今後必要不可欠になって来るといいます。

綜合警備保障の執行役員待遇、桑原 栄治さんは次のようにおっしゃっています。

「カメラの数はどんどん増え、(警備員がモニターを)見つめているものも限界がありますので、東京オリンピックを迎えると、全然警備員が足りないと分かっておりますので、人の目の代わりにAIが予知、予兆を検知するということを目指していきたいと思います。」

 

一方、新丸ビルのすぐ近くにある複合商業ビル、丸の内オアゾの地下4階でも2月にベンチャー企業とのある実証実験が行われます。

人一人が通れる程度の細い通路、いくつものパイプが通っています。

三菱地所・街ブランド推進部の奥山 博之さんは次のようにおっしゃっています。

「(パイプには)蒸気と冷水が通っており、冷房や暖房のエネルギーになっております。」

「配管のつなぎ目に不具合があった時に、水や水蒸気が漏れたりするんですけど、そういった異常個所がないかをドローンで確認する実験になります。」

 

三菱地所のグループ会社、丸の内熱供給が管理する地下空間、通常は人の手で配管の点検をしていますが、2月6日に小型のドローンを使った無人点検の実証実験をするのです。

実験にはベンチャー企業、ブルーイノベーション株式会社が開発したドローンを使用します。

 

実は、三菱地所は自社の施設が多く建つ東京・丸の内地域での実証実験を支援しています。

昨年9月にはNTTドコモとベンチャー企業のハタプロが無線通信の実証実験を実施、そして昨年12月にはソフトバンクグループがフランスのベンチャー企業のナビヤと自動運転バスの実証実験を実施しました。

丸の内地域は多くの大企業が拠点を構えている他、メガバンクが本社を置いていてベンチャー企業がビジネス拡大の足掛かりを得やすい場所なのです。

三菱地所は丸の内をベンチャー企業の実証実験場にしようと考えているのです。

三菱地所・街ブランド推進部の奥山 博之さんは次のようにおっしゃっています。

「丸の内で実証実験をやるとなると、大企業からの注目が高まってきますので、結果的には例えばベンチャーさんと大企業さんとで一緒に実証実験をやるというケースも増えてくると考えております。」

 

一方、丸の内に隣接する大手町にある築60年の大手町ビル、この4階にあるフィノラボ(FINOLAB)は金融とITを組み合わせたフィンテック関連のベンチャー企業が集まる拠点です。

こちらも物件を持つ三菱地所が整備しました。

ここに入居するベンチャー企業の1社、リキッドは指紋や静脈を使って決済や本人確認を行うシステムを手掛けています。

リキッドジャパンの保科 秀之社長は次のようにおっしゃっています。

「当初から入らせていただいておりまして、フィノラボが大きくなると同時に我々も育てていただいて、大きくなってきました。」

 

実はリキッドはフィノラボが移転した昨年からフィノラボのゲートに指紋認証技術を提供し、フィノラボを文字通りの実験場として実証実験を進めてきました。

技術力の高さが認められ、リキッドのシステムは今年移転した三菱地所の新本社にも導入されています。

ベンチャー企業にとって、営業や人材採用の面で丸の内周辺にオフィスを持つ利点は大きいといいます。

カウリスの塩濱 剛治取締役は次のようにおっしゃっています。

「(丸の内は)金融街のど真ん中にあるということで、我々がお客様にアプローチする時にも非常にし易いですし、何かお客様にお越しいただく時にも非常にアクセスがいいと。」

 

また、MF KESSAIの冨山 直道社長は次のようにおっしゃっています。

「エンジニアの採用が重要になってくるんですけども、(好立地が)非常に有利に働いている状況かなと思います。」

 

ある日、三菱地所の担当者からオフィスが手狭になったベンチャー企業に同じビル内の他の階で広めの部屋の提案をしていました。

目指すのは大企業だけでなく、有力なベンチャー企業も数多く集まるオフィス街、丸の内地域のブランド価値を一層高める狙いです。

三菱地所の西地 達也さんは次のようにおっしゃっています。

「集積をとにかく進めていくことが我々のやらなきゃいけないところだと思っていますし、(丸の内の)「大企業しかいない」みたいなイメージをどれだけ変えられるか、みたいなところはあるかなと思っています。」

 

こうした取材を通して、番組のサブキャスターの大浜 平太郎さんは次のようにおっしゃっています。

「大企業とベンチャー企業が単に名刺交換するだけではなくて、実証実験も一緒にやって問題をあぶりだして、なおかつ解決まで持っていけるというのは相当大きいみたいなんですよね。」

「で、三菱地所にしても当然付加価値の高いビルづくりにつながってきますからWinWinなんじゃないですか。」

 

一方、番組コメンテーターであるモルガン・スタンレーMUFG証券シニアアドバイザーのロバート・A・フェルドマンさんは次のようにおっしゃっています。

「(丸の内エリアがベンチャー企業の聖地になるためには何がこの先必要かという問いに対して、)やはり結合だと思いますね。」

「ただ、結合は2種類ありまして、(一つは)アイデアの結合ですね。」

「もう一つは人間の結合ですね。」

「で、人間の結合は科学者、工学者、営業の方、経理の方、一緒になって“背水の陣”の気持ちで新しい商品を作って売り込むということですね。」

「今の話は売り込もうというところが多いんですけども、この丸の内の新しい構想の壁となるのは何かというと、私は“働き方改革”だと思いますよ。」

「というのは、新しい会社を作っていくことは時間の制限はもう役に立たないんですね。」

「むしろ時間の制限とイノベーションはもう水と油の関係ですよ。」

「どの企業もそうですけども、イノベーションを一生懸命やろうとすると、時間がかかっちゃうんですね。」

「そうすると“働き方改革”が邪魔になっちゃうという可能性もあるので、今の国会で進めようとしているかたちの“働き方改革”を白紙撤回にして最初からやり直さなきゃいけないと思いますね。」

「そうしないとイノベーションは起こらないと。」

「人間が動けるような“働き方改革”をしないと新しい企業は出来ないという問題ですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

大企業は資金力があり、人材も豊富ですが、大組織であるがゆえの動きがスローであったり、新しいビジネス分野への参入に対しては慎重であったりという弊害を抱えています。

一方、ベンチャー企業は、新しいビジネスに素早く取り組み、その動きは常にスピーディなのですが、一般的に資金や人材は不足がちです。

ですから、大企業とベンチャー企業がお互いのメリットを生かすかたかたちで新事業に取り組めば、それぞれが単独で取り組むよりも大きなパワーを発揮することが出来ます。

しかし、逆に大企業とベンチャー企業がお互いに悪いところを前面に出してくれば、むしろ単独で取り組むよりもパワーを発揮出来なくなってしまいます。

しかし、現実のビジネス界は技術革新のスピードが速く、今後とも次々と新しい局面を迎えていきます。

ですから、グローバル化したビジネス界で主導権を握り、生き残こり続けていくためには、否応なく企業の規模や国籍に関係なく自社のビジネス展開においてメリットのある企業と手を組むことが求められるのです。

現実の世界では、実際に毎日のように提携やM&Aを通したこうした企業の動きが報じられております。

同時に、人の動きも今後増々転職が盛んになり、従来のように生涯同じ会社で定年まで働き続けるようなことは少なくなってくると思われます。

こうした働く環境下においては、技術の変革に沿った生涯学習が必須になります。

ですから、学ぶ意欲のある方々にとってはその翼を羽ばたける機会が増えていきます。

一方、学ぶ意欲のない方々にとっては居心地の悪い社会になってしまいます。

今、“格差社会化”が問題になっていますが、こうした観点からも“格差社会”はなくならないと思います。


 
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2018年04月19日
アイデアよもやま話 No.3994 中国、PM2.5改善の裏側!

1月22日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で中国における環境対策の現状について取り上げていたのでご紹介します。

 

中国では大気汚染の問題を今年の最重要課題の一つと位置づけ、環境対策に力を入れ始めました。

しかし、急激な政策変更は経済をも揺るがしかねない異常事態を引き起こしています。

中国の首都、北京では今ある異変が起きています。

冬なのに青空が広がっているのです。

2015年には大気汚染が深刻で、自動車は昼でもライトを点けて走るなど汚染が進み、外出の際にはマスクをつけるのが当たり前でした。

ところが今年はその様子が一変、公園では運動を楽しむ人も多く目にします。

昨年12月の北京のPM2.5の濃度は1年前に比べ66.9%も低下しました。

その理由ですが、昨年10月開催の中国の全てを決める最重要会議、中国共産党大会で習近平国家主席は次のように宣言しました。

「大気汚染対策を実施し続け、青空を守る戦いに勝利する。」

「美しい自然を回復させないといけない。」

 

国家指導者の大号令に政府は対策実施のスピードを上げています。

特に汚染がひどい北部の28の都市ではPM2.5が出易いとされる石炭の使用を禁止し、天然ガスへの切り替えを急いでいます。

しかし、あまりに急ピッチで進む政策についていけない地域もあります。

石炭から天然ガスに切り替えるよう政府に命じられた北京の南部に位置する保定市では、外壁には真新しい天然ガスの管が設置されていました。

しかし、よく見ると管はつながっていません。

広範囲にわたる天然ガスの改修工事に地方政府の手が回っていないのが実情です。

庭の片隅には使ってはいけないはずの石炭が置かれています。

マイナス10℃近くまで下がるこの地域で1日に3回石炭を燃やして暖を取っているのです。

苦渋の選択、村ではこっそり石炭を使っていました。

石炭の使用を禁止する強引な政策に市民から不満が噴出、政府は昨年12月に緊急通達を出しました。

ガス工事が終わっていない地域に限り、石炭で暖を取ることを認めたのです。

 

青空を守るための政策のひずみは他にもあります。

中国北部の石家荘市では、夜9時、自動車を走らせているとタクシーの長い行列を目にします。

40台を超える列の先にあったのは圧縮天然ガスと書かれた看板です。

実は多くの地域で石炭から天然ガスに切り替えたために、天然ガスが不足しているのです。

この地域のタクシーのほとんどは天然ガス車で、入荷したとの情報があると夜でも自動車が列をつくるのです。

 

市内から自動車で1時間、この地域は中国国内有数の陶磁器の生産地です。

瓦などの陶磁器を作るためには、長時間安定した火力が必要で、燃料となる天然ガスを大量に使うのです。

ところが、中国国内の天然ガスの卸価格は昨年の秋以降上昇の一途をたどっています。

ある工場を訪ねると、そこの経営者は次のようにおっしゃっています。

「影響は大きい。」

「この辺りの工場は全て止まっている。」

「天然ガスが高すぎるんだ。」

「炉に火を入れるにも1日数十万円はかかる。」

「工場を動かす勇気なんてない。」

「沢山いた作業員も皆職を失った。」

「工場は開かないのに何をすればいい、失業だよ。」

 

工場を停止したのは昨年10月、かつて300人が働いていた作業場には誰一人いませんでした。

この工場で働いていたという作業員の女性は次のようにおっしゃっています。

「今は家で休んでいる。」

「(収入は)ないわ。」

「天然ガスは高いし、いろいろ費用も上がった。」

「収入はないし、生活に影響が出ている。」

 

「環境政策は悪くない。」

「空を見上げれば良くなった。」

「でも私たちは収入がなくなった。」

「政府が仕事の方も工面してくれれば一番良いのに。」

 

月収3万5000円が手に入らなくなりました。

家には天然ガスが来ていますが、高いので使っていないといいます。

二人の子どもも家の中でコートなしではいられません。

 

この地域には陶磁器をつくる企業が24ありますが、天然ガスの高騰を受け、ほとんどが生産を停止しているといいます。

 

民間と企業における天然ガス不足の問題に政府が打った手ですが、昨年12月に開催した中国国家発展改革委員会での会見で次のように説明しています。

「民間用と企業用の天然ガスの需要を同時に満たすのは難しい状況です。」

「民間用を第一に考えます。」

 

政府はエネルギー大手企業に対し、企業向けの天然ガスの供給を減らし、住宅の暖房など人々の生活に回すように通達を出しました。

 

このような状況に、SMBC日興証券・中国担当シニアエコノミストの肖さんは次のようにおっしゃっています。

「短期的には景気を減速させる一つの原因となるでしょう。」

「今回、環境規制を強化したことで、鉄鋼、化学、レアアースなど全ての業種で影響を受けて、中国経済の悪化につながると私は見ています。」

 

こうした中国の動きで、天然ガスの国際価格も今後高騰して日本などにも悪影響があるのではないかという指摘もあります。

 

こうした急激な政策変更による影響について、番組コメンテーターでモルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミストのロバート・A・フェルドマンさんは次のようにおっしゃっています。

「混乱はこういう状況ですから仕方がないという面もありますけど、一方私は建設的な面もあると思います。」

「というのは、やっぱり困ることは“発明の母”ですね。」

「日本が(東日本)大震災の後、いろいろ工夫してエネルギー節約をやったんですね。」

「奇跡ですね。」

「だから今度中国も同じことが起こるかもしれませんけども、日本は何が出来るかというとすぐに創意工夫をやっているところを紹介するということですね。」

「これ商売になります。」

「中国国民はこの政策は正しいと思っていますけども、日本は技術を持っていますから、これを売り込めばいいじゃないかと思います。」

「で、中国だけじゃない。」

「インドの環境問題が中国よりも深刻です。」

「だから他の国にも売れる、そういうチャンスがあると思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

中国における環境対策の現状についてご紹介してきましたが、あらためて中国の共産党による一党独裁の半ば強引な政策の進め方を垣間見た気がします。

PM2.5改善は中国にとって課題と言われてきましたが、それを短期間のうちに改善させたことは、一党独裁だからこその実現だと思います。

しかし、その裏には企業や国民へのしわ寄せがあったのです。

 

そこであらためて思うのは、以前お伝えしたように、地球環境問題を解決するにあたっての、エネルギーおよび経済とのバランスの必要性です。

この3つをうまくバランスさせながら3つに関連した問題や課題をクリアしていくことが世界各国に求められているのです。

中でもリーマンショックのような経済問題、およびオイルショックのようなエネルギー問題は社会不安をもたらし、国際平和の阻害要因となり得ます。

そうした中で、特に消費、および生産の両面、あるいはCO2排出量で世界のおよそ半分を占めるアメリカ、中国という2大大国の動きは無視出来ません。

こうした中にあって、地球環境、あるいはエネルギー関連問題の改善に役立つ様々な技術を有する日本は、フェルドマンさんのおっしゃるようにアメリカや中国、あるいは他の途上国に積極的に技術支援を通じて国際貢献を図ることに取り組むべきだと思います。

こうした日本の活動が日本の世界的な地位の向上、あるいは世界平和への貢献にもつながると思うのです。


 
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2018年04月18日
アイデアよもやま話 No.3993 企業で進むAIの活用!

1月22日(月)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で企業で進むAIの活用について取り上げていたのでご紹介します。 

 

そもそもAI(人工知能)とは何かについて、専門家によると明確な定義はないといいます。

ただ、大きくはコンピューターを使って作られた人間のような知能のことだそうです。

 

春闘で大きなテーマとなりそうな“働き方改革”ですが、仕事を効率的なものにするために、今企業が次々と活用に乗り出しているのがAIです。

AIを活用し、次々と人間の代わりをする技術が生まれています。

 

そこで今、金融や製造業を中心に、これまで人間が行ってきた仕事をAIが代わりに行い始めています。

大手生命保険会社、富国生命(千葉県印西)の保険の支払いを査定する部署では、医師が書いた診断書を読み込み、給付金の支払いの可否やその額を審査しています。

オフィスから離れ、厳重に管理されたフロアに昨年導入したAIが搭載されたコンピューターがあります。

アメリカのIBMが開発したAI、複雑な文章や難解な単語を瞬時に読み込む高い能力を備えています。

富国生命では、過去の診断書データ5年分、およそ40万件を読み込ませ、学習させました。

そして今、人間に代わって診断書など給付金の申請データを分析し、査定する業務を行っています。

その結果、部署で行う業務の3割をAIが担うまでになりました。

八田 高保険金部長は次のようにおっしゃっています。

「コンピューターが優秀な「人間」として働いている。」

「単調な作業、単調な判断業務が徐々にAIに置き換わっていくのかなと思います。」

 

更に今、中小企業の現場でもAIの活用が広がっています。

シタラ興産(埼玉県深谷)では産業廃棄物の中間処理を行っています。

昨年2月から本格稼働しているのがAIとつながった自動選別ロボットです。

フィンランドの企業が開発したものです。

ロボットがカメラとセンサーで廃材のかたち、大きさ、色などの情報を読み込みます。

肝となるのがロボットとつながったAIです。

読み込んだ廃材を木材、コンクリート、そしてプラスチックなどに分類します。

そして、アームが自動で動き、廃材が振り分けられていきます。

この作業はこれまではかなりの人手をかけて行ってきました。

一つ一つ同じものがない廃材の中から素材を瞬時に認識して振り分けなければならず、機械化は不可能と見られていました。

会社では3ヵ月にわたり、様々な素材の廃材をベルトコンベヤーに流して観察させ、AI自らがそれぞれの素材の特徴をつかめるように学習させました。

学習の結果、認識や分析の精度はみるみる上昇し、ミスは大幅に少なくなりました。

シタラ興産・技術部リーダーの松崎 大地さんは次のようにおっしゃっています。

「産業廃棄物は、流れている種類が一つとして同じものはないので、(従来の機械ではなく)AIじゃないと出来ないのかなと思います。」

 

人手不足が深刻にある中、AIの導入により当初18人と考えていた作業員の数は2人に減らすことが出来ました。

シタラ興産の設楽 竜也社長は次のようにおっしゃっています。

「人と機械とAIが融合して一つのものをやり遂げられるのか、AI化導入はこれからの世の中で必須じゃないかなと。」

 

番組ゲストでAI研究のスペシャリスト、東京大学大学院特任准教授の松尾 豊さんは次のようにおっしゃっています。

「(なぜAIの活用が急激に広がってきたのかについて、)1990年代からコンピューターの能力がだんだん上がってきて、同時に企業の中、あるいはインターネット上でのデータが増えてきたということが背景にあります。」

「同時に2012年にディープラーニング(深層学習)と呼ばれる、特に画像認識で非常に力を発揮する技術が出てきた。」

「で、日本の中では少子高齢化、人手不足ということでニーズも大きいですから、ここ数年急激にAIという技術が注目されて来たということになります。」

「(技術の進歩と需要がマッチしたことなのかという問いに対して、)そうですね。」

 

こうしたAIの広がりによって、実際に私たちの仕事がどうなるのかについて、“AIなどの技術の発達により2030年までに国内の雇用が240万人減少する”と言われています。(三菱総合研究所 試算)

そしてアナウンサーの仕事でもAIの活用が始まっています。

NHKの放送技術研究所が開発した、AIを活用したアイスホッケーの実況中継では、いつ誰が得点したかなど配信されるデータを瞬時に解析して音声を自動生成して実況しています。

今年2月開催の平壌オリンピックでこうした実況による動画がインターネットで配信する予定になっていました。

こうした状況について、松尾さんは次のようにおっしゃっています。

「(アナウンサーの仕事はなくなってしまうのかという問いに対して、)今のAIですと、人の気持ちを汲み取って読むとか、そういったことは出来ませんから、そこは人の重要な仕事だと思います。」

「そういう仕事は例えて言うと、自動車が出来て、これから自動車産業が広がって来るという時に、人には歩く素晴らしさがあるっていうのを一生懸命言っているような気がするんですね。」

「やっぱり自動車は一大産業になるということを受け止めて、その中でグローバルな戦いに勝っていかないといけないと。」

「勿論、人の良さはあるわけですけども、AIをいかに活用していくかも同時に非常に重要ではないかと思います。」

「(私たちは今後AIとどう向き合っていけばいいのかという問いに対して、)先ほどの廃材をうまく選別するようなロボットは非常に良い例だったと思いますけども、ああいった活用が進み、人がやっていた仕事が楽になる一方で、それをサポートする人も必要なわけですね。」

「この人と機械、ロボット、AIというのがうまく連携しながら仕事をしていくというふうになっていくんじゃないかと思います。」

「あと、先ほどVTRの中にもありましたけども、アメリカ、あるいはフィンランドの技術が紹介されていましたけども、同時に日本企業にも頑張って欲しいなという想いもあります。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

最近よく人の仕事はAIによって取って代わられるという悲観的な見方が見受けられますが、確かに単純作業など比較的簡単な判断のもとに進められる作業においては、ロボットやAIに取って代わられていくと思われます。

しかし、完全にロボットやAIに任せられない業務については、当分これまで通り人の手が必要なのです。

ですから、これまで人が行ってきた作業が一挙にロボットやAIに取って代わられることはありません。

しかし、ロボットやAIの技術が進化していくとともに、やがてほとんどの作業は人の手を離れていくという大きな流れを止めることは出来ません。

 

そうした果てに残される私たち人類のやるべきことは何でしょうか。

それは何をすべきかを最終判断すること、あるいは文化や芸術など創造的な活動だと思います。

言葉を変えれば、いよいよ人類は自由と創造性に満ちた“自己実現”を実現しやすい時代を迎えられるということなのです。

そうした時代を迎えるにあたって、これから増々重要になってくるのは子どもの頃からの創造力の育成を重視した教育です。

そして、創造性の世界は無限で尽きることはないのです。


 
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2018年04月17日
アイデアよもやま話 No.3992 遠く離れた場所にもう一人の自分を作れる!?

1月21日(日)放送の「未来の起源」(TBSテレビ)で遠く離れた場所にもう一人の自分を作れる研究について取り上げていたのでご紹介します。

 

埼玉大学工学部、ここでもう一人の自分を作るという夢のような研究に取り組んでいるのは助教の境野 翔さん(34歳)です。

二人並んで、左側の操作者が肘を動かすと、右の人も同じように動きます。

目隠しをしているので相手の動きを見ることは出来ません。

人間の筋肉を直接電気を流して刺激すると、相手の筋肉自体を直接制御することが出来るのです。

センサーで肘の動きを計測し、パットからの電気刺激により動きを再現するのです。

操作者が代わっても反対側の人を操れます。

これまでの装置は一方通行でしたが、境野さんは双方向で操作することを可能にしました。

この装置を使えば、スポーツの技術を言葉ではなく、文字通り体で教えることが可能になります。

 

なお、境野さんは次のようにおっしゃっています。

「知らないものをとにかく知りたい、未知への興味、それが研究の原動力です。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

私も太極拳を始めてかれこれ数年になります。

しかし、動画を見ての独学が主なやり方なので、常にこれが本来の動きなのかと疑問を持つことが多いです。

そうした中、今回ご紹介したような研究が実用化されれば、非常に優れた方の全身の筋肉の動かし方を伝授してもらえるとても有効な方法となります。

勿論、一人一人個別の伝授方法となるので、かなり高額なサービスになると思われますが、それでも非常に短期間で技術をマスターする方法としてはとても優れた方法になると期待出来ます。

 

ここまで書いてきて、これはというアイデアを思い付きました。

それは、オリンピック級の第一線で活躍されている選手などの筋肉の動きを記憶させて、それをこの装置を通して再現させて伝授して欲しい人につなげるのです。

こうしたやり方であれば、伝授する側の方がいちいち時間を費やさなくてもこの装置さえあれば、いつでもどこでも同時にいくらでもこのサービスを提供することが出来ます。

ですから、当然サービス料も安く済むはずです。

更に、この装置はスポーツに限らず他のいろいろな分野においても応用出来ると思います。


 
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2018年04月16日
アイデアよもやま話 No.3991 「廃棄ロス」対策の実証実験!

これまで何度か「食品ロス」についてお伝えしてきましたが、1月19日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「廃棄ロス」対策の実証実験について取り上げていたのでご紹介します。 

 

621万トン、これは日本のスーパーなどで1年間に発生する、まだ食べられるのに捨てられてしまう商品(食品ロス)の量です。

一人当たりで計算すると、毎日茶碗1杯分のご飯の量を捨てていることになるのです。

 

この捨てられてしまう食品を減らそうと、NTTドコモが新たな取り組みを始めました。

東京都中央区のスーパー、miniピアゴの店内の一画に集められたのは、賞味期限が残りわずかとなった食品です。

これらの商品の廃棄を防ぐため、NTTドコモは1月19日から新たなサービス、「eco buy(エコ バイ)」の実証実験を始めました。

サービスの利用方法は、まず専用アプリで対象商品を購入した際のレシートと賞味期限を撮影し、この画像をアプリ上からNTTドコモのポイントセンターに送ると商品の定価の20%相当分のdポイントが受け取れます。

現在、対象商品は30品目、賞味期限は長いもので10日前から対象で、これまでこちらのお店では賞味期限が近づいた商品は従業員が一つ一つ値引き作業を行ってきました。

miniピアゴを展開する株式会社99イチバの伊藤 輝志社長は次のようにおっしゃっています。

「最初2割(引き)、続いて5割(引き)、こういう2段階の見切りを行っています。」

「単品管理をしながら廃棄するので非常に煩雑な作業が・・・」

 

このサービスが浸透すれば、食品廃棄をなくすだけでなく、従業員の作業効率が大幅に上がるということです。

miniピアゴの廃棄品合計額は1日1万円、グループ全店舗を合わせると年間4億円にものぼり、金銭面でも削減の期待が大きいのです。

NTTドコモの第二法人営業部長、櫻井 俊明さんは次のようにおっしゃっています。

「食品ロス(廃棄)を減らすと同時に、私どものポイントサービスを活用していただく。」

「そうすることによって、お店様、お店のご利用者様、両方に喜んでいただくようなかたちでのソリューションをご提案したいと。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したような取り組みは確かに店員の手間を省きながら、食品ロスを減らす効果が見込まれます。

しかし、一方で以下のような課題があります。

・全ての消費者がスマホを持っているとは限らないこと

・消費者がスマホで対象商品の撮影をするなどの手間がかかること

・与えられるdポイントはNTTドコモという特定の業者の提供するものでポイントサービスに汎用性がないこと

 

ということで、目指す方向性としては良いのですが、こうした課題をクリアすることがより一層普及させるための要件になると思います。


 
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2018年04月15日
No.3990 ちょっと一休み その642 『揺らぐ世界 その2 日本で年収300万円以下の人の割合は約40%!』

これまで世界の富の集中については、以下のように何度となくお伝えしてきました。

アイデアよもやま話 No.2696 世界の富裕層の上位1%の総資産が全世界の下位半分の資産を占めている!

アイデアよもやま話 No.3614 格差社会アメリカの実態 その2 アメリカは格差社会先進国!?

アイデアよもやま話 No.3616 格差社会アメリカの実態 その4 富裕層への富の集中による弊害!

 

そうした中、1月7日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)で「揺らぐ世界 〜この時代の変わり目に〜」をテーマに取り上げていました。

そこで7回にわたってご紹介します。

1回目は世界的な富の集中についてでしたが、2回目は日本国内でも進む格差社会化についてです。 

 

番組パネリストの一人、涌井 雅之さんは次のようにおっしゃっています。

「日本の場合、恐ろしいことに、なんと年収300万円以下という人たちが実は40%ぐらい。」

「で、しかもなおかつOECD(経済協力開発機構)加盟国の中では、実は貧困率が4番目だと。」

 

「モノづくりからカネづくりになったとたんにあっという間で。」

「実は週刊誌の報道で恐縮ですけども、資産100億円以上の35歳未満の起業者が13人もいるっていうのは凄いですよね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

日本はOECD加盟国の中で貧困率4位ということなので、ネット検索したら1位はメキシコ、2位はトルコ、3位はアメリカでした。(詳細はこちらを参照)

アメリカ、および日本は世界的には経済大国の部類に入りますが、OECD加盟国の中で貧困率は3位、4位という状況はともに社会のあり方として健全とは言えません。

 

ちなみに、2016年度の日本の平均年収は、男性で521万円(前年より3万円増加)、女性で280万円です。

また正規487万円、非正規172万円です。(国税庁「民間給与実態統計調査」調べ)(詳細はこちらを参照)

 

一方、資産100億円以上の35歳未満の起業者が13人もいるという現状は、前回もお伝えしたように、日本も世界的な富の集中、および格差の拡大という大きな流れの中にいると言えます。


 
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2018年04月14日
プロジェクト管理と日常生活 No.536 『福島第一原発事故を巡る経営トップの責任!』

4月11日(水)、4月12日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で 福島第一原発事故を巡る裁判について取り上げていたのでご紹介します。 

 

福島第一原発事故を巡り、東京電力の元副社長など旧経営陣3人が業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴されています。

裁判では事故の9年前、政府の地震踏査研究推進本部が福島県沖で巨大な地震が起きる可能性を示していたことから、事故を予測出来たかどうかが争われています。

 

4月10日に東京地方裁判所で開かれた5回目の審議で、当時東京電力で津波対策を担当していた社員が証言しました。

事故の9年前の2002年には、政府の地震踏査研究推進本部が福島県沖で巨大な津波を伴う地震が起きる可能性を公表していて、社員は“権威のある組織の評価結果であることなどから想定の見直しに取り入れるべきだと思った”と証言しました。

そして、この見解をもとに巨大な津波が来るという想定を事故の3年ほど前の2008年6月に武藤元副社長に報告したものの、7月になって“更に時間をかけて専門の学会に検討依頼する”という方針を元副社長から告げられたと説明しました。

この時の心境について、社員は“津波対策を進めていくと思っていたので予想外で力が抜けた”と証言しました。

 

4月11日の法廷では、津波への対応が保留になったことを外部の専門家に説明したところ、複数の専門家から“「推進本部の見解を無視するなら証拠を示す必要がある」などと厳しい指摘を受けた”と証言しました。

その一方で、東日本大震災で実際に巨大な津波が起きたを問われると、“あの日の津波は更に大きいもので、自分たちが想定していた津波と違っていた”と述べました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそも万一原発事故が起きた場合の影響は計り知れないほどの大きさになるということは、広島や長崎での原爆投下による想像を絶するような甚大な被害からも容易に想像出来ます。

ですから、原発を稼働させる電力会社の経営陣は、原発事故リスクについてどのような原因が考えられるか、そして万一事故が起きた場合の影響範囲、あるいはコンティンジェンシープランなどについて十分な検討を重ね、必要な対応策をしっかりと実施しておくことが求められるのです。

ところが、番組によれば、事故の9年前、政府の地震踏査研究推進本部が福島県沖で巨大な地震が起きる可能性を示していたことに十分な関心を示さず、更には事故の3年前の社員の報告に対しても保留していたという事実は、まさに原発の“安全神話”を信じていたとしか思えません。

福島第一原発事故の被害については、一つ間違えば首都圏全域にも被害を及ぼしかねなかったという専門家の指摘もありました。

 

もし、当時の経営陣がこうした地震や津波と原発事故との関連情報に真摯に向き合い、原発事故のリスク対応策に取り組んでいれば、東日本大震災での巨大津波による福島第一原発事故の被害は実際の被害よりもかなり低く抑えられたはずです。

 

更に、アイデアよもやま話 No.2595 小泉元総理発言にもあるように日本は”脱原発”しかあり得ない!などでもお伝えしたように、原発周辺住民の反対、核廃棄物の保管場所が未定であること、あるいは事故リスクを考慮した場合の投資対効果などの理由から“脱原発”を推進すべきだという声が以前から出ています。

一方、再生可能エネルギーの中でも太陽光発電のコストは劇的に下がってきています。

こうした状況を踏まえて、政府は今後のエネルギー政策を十分に検討していただきたいと思います。


 
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2018年04月13日
アイデアよもやま話 No.3989 ”働き方改革”での残業の問題!

前回は1月22日(月)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)を通して、3%の賃上げの妥当性に焦点を当ててお伝えしましたが、今回は”働き方改革”での残業に係わる問題に焦点を当ててご紹介します。

 

今年の春闘は昨年に引き続いて“働き方改革”も非常に重要なテーマになりますが、注目したいのは“残業代”の問題です。

確かに“働き方改革”で長時間労働の是正については取り組みが進んできましたが、その分残業が減って、受け取る時間外手当、手取りの収入が少なくなってしまったという声もあります。

経団連は、時間外手当が減少すると個人消費に悪影響を与える恐れがあるということで、実際に対策に乗り出す企業も出て来ています。

 

広島や岡山で57店舗を展開しているスーパーのFRESTAで、昨年秋から始めたのが残業が少ない社員にボーナスを上乗せするという制度です。

ほとんど残業しない場合は20万円がボーナスに加算されます。

この結果、社員の労働時間は以前に比べて最大で3割削減されたといいます。

残業を減らした人にボーナスを上乗せすることで“やる気”を高めて、生産性向上につなげようというわけです。

 

なお、多くの企業で賃上げがここ数年実施されてきましたが、年金や医療に充てる社会保険料の負担も増えており、実際の手取り収入は思うように増えていないと状況があります。

ですから、“働き方改革”によって生産性をアップして、なおかつ収入が上がったと思えるような賃上げが出来るのかどうか、それが今年の春闘で問われると思います。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

特に日本企業の場合、能率よく自分の与えられた業務を就業時間内にこなしても、周りの人たちが残業していると何となく帰りづらい雰囲気があるようです。

また、与えられた業務を素早くこなすと、更に他の業務を与えられるという傾向もあるようです。

こうした状況から、どうせ早く自分の担当分を早く終わらせても帰宅出来ないのならばという想いからダラダラとスローペースで仕事に取り組みがちになるのは否めません。

一方、能力的にこなしきれない人の場合は、どうしても業務を完了するまでの時間がかかり、残業が多くなってしまう傾向があります。

ですから、そもそも個々の従業員の能力やスキルレベルに応じた業務の割り当てが必要なのです。

そのためには、客観的な観点での個々の従業員の定量的な能力やスキルレベルを把握することがとても重要になります。

こうした精度が向上するにつれて、個々の従業員に対するより適切な業務の割り当てが出来るようになるのです。

同時にAIやロボット、IoTなどITの活用によって生産性の向上が図られ、その分従業員の労働時間を削減出来るようになり、その結果として残業時間も削減出来ます。

 

さて、アイデアよもやま話 No.3963 北欧の豊かな暮らしを参考にすべき「働き方改革」 その2 参考にすべきデンマークのライフスタイル”ヒュッゲ(Hygge)“!で、人は前向きな気持ちの方が生産性が2割アップするという研究データもあり、労働時間が減っても生産性が上がるとお伝えしました。

ですから、働く意義や自社の活動がどのように、あるいはどれだけ社会に貢献出来るかを従業員に理解してもらえるか、あるいは誰にでも自由に意見が言えるような開かれた企業風土の度合いによって、従業員はやりがいを感じて前向きに与えられた業務に取り組むことが出来るようになります。

こうしたことからも全体の生産性は向上するのです。

 

一方、中には残業代に関係なく、与えられた業務が自分の趣味のようになるほど大好きで残業が少しも苦にならない従業員がいたり、あるいは家庭の事情などで少しでも残業代を稼ぎたいという従業員もいると思います。

逆に、幼児の面倒を看るために、正規の就業時間以下の労働時間を希望される従業員もいると思います。

ですから、個々の従業員の立場を尊重した業務の割り当てこそが理想的な労働につながると思うのです。

 

ということで、残業に関する問題に真正面から取り組むのではなく、こうしたトータルな枠組みの中で、個々の企業による“働き方改革”は勧められるべきだと思うのです。


 
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2018年04月12日
アイデアよもやま話 No.3988 3%の賃上げは妥当か?

1月22日(月)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で今年の春闘について取り上げていましたが、今回は3%賃上げの妥当性に焦点を当ててご紹介します。

 

今年の春闘は1月22日からスタートしましたが、経団連は安倍首相の要請に応じ、今年の春闘で賃上げ水準目標「3%」を初めて打ち出しました。 

番組では賃上げのポイントについて、今、企業の業績は非常に好調なので、ある程度の賃上げは期待出来るが、3%の賃上げ実現のハードルはかなり高いと指摘しています。

賃上げ率の推移(大企業・月給ベース 1994-2018年)を見ると(出典:経団連)、ここ4年間は2%台に留まり、3%台は1994年まで遡り、それ以降は一度もありません。

そこで、専門家は3%の実現には企業と従業員、双方の取り組みが大切だと指摘しています。

日本総合研究所の山田 久主席研究員は次のようにおっしゃっています。

「3%という数字は中々難しいかもしれませんが、賃金の引き上げと生産性の好循環をつくっていけば、向こう数年のうちに3%越えてくることは可能だと思いますね。」

「企業が新しい事業をどうつくっていくのかということもありますしね、働くサイドも新しい技能を身に付けていくことで“生産性の向上に協力していく”ということが大事だと思いますね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

そもそも総じてどのような賃上げが望ましいのでしょうか。

以下に思い付くままに書き出してみました。

・純粋にその期の企業収益だけを反映させず、収益の多い、少ないに限らず、賃上げ率が妥当な範囲内に収まるようにすること

・同業他社に比べてベストを目指し、少なくとも平均以上であること

・妥当な労働分配率を反映すること

・物価上昇に対応して生活レベルが維持出来ること

・家族構成によって、妥当な生活レベルが維持出来ること

 

以上、書き出してみましたが、煎じ詰めると、企業の業績、生産性向上によるコスト削減額、そして物価上昇率の3つが大きな決定要因になると思います。

ですから、どの企業も一律何%という基準はあり得ないのであって、新製品の開発や生産性向上への取り組みなど、それぞれの企業自らの努力の成果が賃上げ率の基本なのです。

なお、家族構成の考慮については、子どもや親など扶養家族の人数によって扶養家族手当を出すのが一般的であり、それは妥当だと思います。

 

ちなみに、今年の春闘は春闘賃上げが市場予想より若干高い2%半ばという結果に終わったと報じられています。


 
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2018年04月11日
アイデアよもやま話 No.3987 アイデア方程式 レーダー×?=電子レンジ!

1月18日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)で電子レンジについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ある研究をしていたら別なものにつながる、こうしたことはアイデアの世界ではよく聞く話です。

電子レンジもその一つです。

便利な調理器具は何をきっかけに生まれたのでしょうか。

 

今や普及率95%以上の便利家電の電子レンジ、誕生のきっかけはある偶然からでした。

1945年のアメリカ、レーダーを研究する技術者がマイクロ波の実験をしている時のこと、ポケットから取り出したチョコレート菓子が溶けていたことがあるひらめきを生みました。

「まさかマイクロ波が作用して溶けたのでは」、推理は見事に的中しました。

試しにマイクロ波発生装置の前にポップコーンの原料を置くと、弾け出しました。

まさに電子レンジの着想が生まれた瞬間でした。

1947年、こうしてマイクロ波を使った世界初の電子レンジが誕生、レーダーレンジと呼ばれ、当時の価格はなんと100万円以上もしました。

時代とともに多機能に進化し続ける電子レンジ、レーダー研究とチョコレート菓子、その関係を見逃さなかったことがキッチンの革命をもたらしたのです。

レーダー研究から生まれた電子レンジ、時に目の前の現象を別のものに生かせないかと考えてみる、そこに思わぬアイデアが見つかるかもしれません。

 

ということで、今回のアイデア方程式はレーダー×チョコレート菓子=電子レンジでした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

それにしても、電子レンジが市販化された当時の価格が100万円以上だったとは驚きです。

思えば、今私たちが使っているスマホだって、この当時に市販化されていれば、とんでもない値段が付いていたはずです。

このように、画期的な商品は市販化される当初は一般の人には手が出ないほどの価格ですが、やがて売り上げが伸びて大量生産や改良が進むとともに低価格化が進み、普及していくのです。

ですから、今はまだ補助金頼みで売れているところもあるEV(電気自動車)も普及が進むにつれて、元々ガソリン車に比べて部品点数が少ないのですから、いずれガソリン車と同等の価格で、フル充電での航続距離も500km程度に伸びた程度で販売されるようになると見込まれます。

 

さて、今回ご紹介した電子レンジのように、アイデアは時に思わぬ偶然から発見されるものです。

これまで繰り返しお伝えしてきたように、アイデアは既存の要素の組み合わせであり、従ってアイデアは存在するのです。

しかし、アイデアを発見するためには柔軟な思考力が求められます。

ある現象に接して、それを何かの用途と結びつける、あるいは既存の商品の技術を別の新たな商品化に結び付ける、といった思考力は常に好奇心や問題意識を持っていなければ身に付かないのです。


 
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2018年04月10日
アイデアよもやま話 No.3986 参考にすべき電子国家、エストニア その2 更に進化するエストニアの電子化!

インターネット電話、スカイプの生まれたIT先進国、エストニア共和国についてはアイデアよもやま話 No.2823 2020年のデータ通信量は現在の1000倍に!などでご紹介してきました。

そうした中、1月15日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で電子国家、エストニアについて取り上げていたので2回にわたってご紹介します。

2回目は更に進化するエストニアの電子化についてです。

 

前回ご紹介したように、行政サービスの99%が電子化されているエストニアですが、この先どのような目的があるのかについて、番組コメンテーターでA.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんは次のようにおっしゃっています。

「住民サービスの話が今日中心だったんですけど、イーレジデンシー(電気居住)の権利は世界中どこからでも見られて、電子居住の権利を得た人はエストニア国籍の企業の設立がオンラインで出来る、しかも20分ほどで出来ると。」

「例えば、ヨーロッパでビジネスがしたかったらEU共同市場にアクセスのあるエストニア籍の企業を日本からオンラインで設立することが出来る。」

「更に法人税も払わなきゃいけないのは配当を出す時だけなので、配当をしないでどんどん投資を続けているような成長企業はエストニアで起業しようかとインセンティブにもなるんですね。」

「だから彼ら(エストニア)にとっての成長戦略でもあると。」

「(世界中から優秀な企業家を集めたいということなのかという問いに対して、)そうです。」

「更にすごいなと思うのは、デジタル国家というビジョンを掲げているんですけども、元々ロシアの隣で、ある意味常に侵略の脅威も感じながらやっている国なわけですね。」

「で、世界中に有力者とつながる、世界中の企業家を電子居住者にするとこと、ステイクホルダー(利害関係者)にする、それから国のデータを世界中のサーバーに分散管理をするということもやっていて、いざ領土が侵略されても国家として存立出来るかもと。」

「なので、国家の3要素ということで、領土、国民、主権というのがあるわけですけども、エストニアの場合、領土を失ってもデータがあれば国として成立するという考え方のもとにデジタル国家を推し進めている。」

「(日本もこの電子化を進めるべきではという問いに対して、)マイナンバーも勿論それを進めるためにやってきたわけですけど。」

「(でもエストニアは人口132万人ほどというコンパクトな規模の国だからこそ出来るのではないかという問いに対して、)例えば法人税の電子申告比率という指標でみると、日本は75%です。」

「で、エストニアは99%なんですけども、お隣の韓国も99%なんです。」

「で、韓国は5000万人の人口ですから、132万人だから出来るというのは言い訳かなと。」

「日本もやはり韓国のように本気で取り組むというのが多分求められていると思います。」

「今、“生産性革命”って言ってますよね。」

「中小企業もみんなIT化を進めると。」

「こういうことをやれば生産性が上がるわけで、それはやっぱりもっと強力に進めるべきだと思います。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

やはり前回もお伝えしたように、単に国家としてやみくもにIT化を推し進めるのではなく、どのような国家づくりをするのか、そしてそのためにはどういう技術や制度が必要かというところからの検討が必要だと思います。

いずれにしても、こうした制度づくり如何によって、国民のみならず各企業のビジネス展開もやり易くなるのです。

更には、こうしたシステム全体を途上国などに海外展開することこそ、日本にとっての最良の成長戦略のみならず国家安全保障政策にもつながると思うのです。

要は、日本という国家が世界中のより多くの国々にとって、なくてはならない存在となることを目指すべきだと思うのです。

こうしたことを目指すうえで同時に必要なことは、世界中から優秀な企業、あるいは優秀な人材が日本に集まるようなオープンな環境づくりです。

幸いにして、日本には四季折々の風景や歴史的な建造物などに恵まれています。

ですから、こうした観光資源もフル活用すれば、単に仕事のためだけでなく、プライベートタイムも海外から来ていただく人たちに楽しんでいただけると思うのです。


 
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2018年04月09日
アイデアよもやま話 No.3985 参考にすべき電子国家、エストニア その1 行政サービスの99%が電子化!

インターネット電話、スカイプの生まれたIT先進国、エストニア共和国についてはアイデアよもやま話 No.2823 2020年のデータ通信量は現在の1000倍に!などでご紹介してきました。

そうした中、1月15日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で電子国家、エストニアについて取り上げていたので2回にわたってご紹介します。

1回目は革新的な行政サービスについてです。

 

エストニアはIT・サイバー分野では世界トップレベルの技術を誇る国で、国全体のIT化を進める世界最先端の電子国家として知られています。

首都、タリンに住むあるご夫婦のお宅では、奥様のマウエル由紀子さんは昨年エストニア人と結婚してエストニアに移住してきたばかりですが、すぐに日本との違いを実感したといいます。

由紀子さんは次のようにおっしゃっています。

「国際結婚した時、日本では市役所で何時間も待たされて、ようやく手続きが終わったんですけど、エストニアでは5〜10分で手続きが終わり、後の残りは家からインターネットで申請出来たのですごく楽でした。」

「日本にいた時は、有給休暇を使ってわざわざ休んで市役所へ行き、いろんな手続きをしなければならなかったんですけども、エストニアでは自宅でインターネットを使って自分の空いた時間に簡単に出来るのですごく良い国だなって思いました。」

 

様々な手続きを楽にしているのは、エストニア政府のサイト「エスティ(EESTI)」です。

住所変更や納税、選挙の投票から年金管理、医療記録の閲覧まであらゆる手続きがパソコンやスマホでいつでもどこからでも出来るのです。

利用は簡単です。

政府が発行する個人IDカードを端末に差し込み、4桁の暗証番号でサイトにログイン、手続きは認証コード(12桁まで設定可能)で行います。

IDカードは免許証や保険証などとしても使える身分証で、15歳以上のエストニア人はほぼ全員が持っています。

タリン市民のある女性は次のようにおっしゃっています。

「このカードは素晴らしい。」

「何でも出来るし、いつも持っている。」

 

また、タリン市民のある男性は次のようにおっしゃっています。

「カードのお蔭で生活は快適でスピーディになった。」

 

このカード、小売店などでは商品が割引されるポイントカードとしても使うことが出来ます。

 

一方、全ての個人情報を一つのカードとサイトで管理されることに不安はないのかが気になるところですが、マウエル由紀子さんの夫、ラグナルさんは次のようにおっしゃっています。

「日本では短い間住みましたが、日本のハンコよりエストニアの2つの暗証番号システムの方が安全と思います。」

 

IDカードと「エスティ」の導入で、エストニアではなんと行政サービスの99%が電子化されています。

その結果、行政の現場のある区役所は、平日の午後に利用している人は全くおりません。

そして、受付の後ろ側には日本の市役所で見かけるような大量の書類などは一切ありません。

区役所を利用する市民は激減し、かつては30人以上いた窓口の職員は今はわずか3人です。

区役所全体のコストも4分の1以下に削減されました。

一方、わずかにバインダーの書類が残されていますが、それらはパソコンを持たない低所得者への対応や、結婚・離婚・不動産取引の3つの手続きのためで、紙はほとんど使われていません。

エストニアでは国全体の電子化で、毎月積み上げるとエッフェル塔と同じ高さ(300m)の紙を節約しているといいます。

エストニア政府の閣議室も通常はデジタル機器のみが持ち込まれ、書類を一切使わずに議論が行われています。

更にエストニア議会では、日本の国会では原則認められていないパソコンなどの使用は完全に自由です。

法案など書類は全てデジタル化されていて、審議はオンラインでも見られるため、議論への参加や投票の時以外は出席する必要もないといいます。

ある女性議員は次のようにおっしゃっています。

「議会での議論はスマホやタブレットで確認出来ます。」

「法案などの情報をタブレットで探すのは非常に楽です。」

 

エストニアのIT技術を生かそうとしているのは、日本の保険大手、東京海上日動火災保険(東京都千代田区)です。

電話会議の相手はエストニアに拠点を持つIT企業、プラネットウェイです。

東京海上日動は、プラネットウェイの技術を使い、保険金の支払い手続きを円滑化する計画です。

現在、事故に遭った場合、保険金の支払いには病院や保険会社との書類のやり取りが必要で、支払いまでに平均で2ヵ月以上かかっています。

今後はプラネットウェイの情報を安全に送る技術で病院と保険会社が電子化された医療情報を直接やり取りし、保険金の支払いは1ヵ月ほど早くなるといいます。

東京海上日動・IT企画部の明道 仙丈さんは次のようにおっしゃっています。

「従来も電子化は検討はしていたんですけども、いろんな病院とそれぞれに対して安全にデータを交換するための仕組みを作るというのが技術的に難しかった。」

「それが今回エストニアの技術を使うことで出来るようになるんじゃないかなと思います。」

 

日本の保険業界にとっては大きな変化ですが、エストニアの技術者からは以下の声が上がっています。

「日本にこのシステムがないことに驚いた。」

「日本は発展しているイメージだったから。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

それにしてもエストニアでは行政サービスの99%が電子化されているという現実には驚きです。

日本でも安倍政権により「働き方改革」が進められていますが、行政が率先してエストニアを見習って行政サービスのIT化に力を入れて欲しいと思います。

実際に行政サービスのIT化が進めば、間違いなく企業においても意識が変わり、様々なIT化により、生産性向上につながると思います。

既にマイナンバーカードの導入はされていますが、私たち国民が恩恵を受けられる実際のサービスにつながる動きはスピーディとは言えません。

 

第二次安倍政権の発足当初から成長戦略を掲げてきましたが、考えてみればエストニアの例にもあるように、AIやロボット、IoTなど様々なITの活用により具体的にすべきことはいろいろと見えてきます。

ですから、成長戦略をお題目のように唱えるのではなく、あるいは抽象的な議論に終始するのではなく、具体的な日本の国家像を掲げ、それに向けて邁進していただきたいと思います。

 

同時に、個々の企業においても東京海上日動火災保険の取り組みに見られるように、IT化により生産性の向上や新たなビジネスへの参入の可能性が広がるのです。

 

ですから、トップの決断如何によって、今はビジネスチャンスをものにすることが出来る絶好のチャンスの時を迎えていると言えます。

一方、従来通りの考え方を踏襲している企業にとっては、凋落の一途をたどる兆候が見え隠れする時にさしかかっていると言えます。


 
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2018年04月08日
No.3978 ちょっと一休み その640『揺らぐ世界 その1 世界のたった8人の大富豪の資産の合計が下位50%の人々の資産とほぼ同じ!』

これまで世界の富の集中については、以下のように何度となくお伝えしてきました。

アイデアよもやま話 No.2696 世界の富裕層の上位1%の総資産が全世界の下位半分の資産を占めている!

アイデアよもやま話 No.3614 格差社会アメリカの実態 その2 アメリカは格差社会先進国!?

アイデアよもやま話 No.3616 格差社会アメリカの実態 その4 富裕層への富の集中による弊害!

 

そうした中、1月7日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)で「揺らぐ世界 〜この時代の変わり目に〜」をテーマに取り上げていました。

そこで7回にわたってご紹介します。

1回目は世界的な富の集中についてです。

 

世界中からグローバリズムがもたらす格差への怒りの声が上がります。

国際NGO「オックスファム」の調査によると、2010年には世界の上位388人が持つ資産と下位50%の人々の持つ資産が同じとされていました。

これだけでもひどい格差です。

ところが、国際NGO「オックスファム」の昨年(2017年)の調査により、経済格差が更に拡大していることが分かりました。

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツさん、アマゾン創業者のジェフ・ベゾスさん、フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグさん、そして投資家のウォーレン・バフェットさんなど、これら8人の大富豪の資産の合計が下位50%の人々の資産とほぼ同じという衝撃的な結果が出たのです。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

今現在、世界のたった8人の大富豪の資産の合計がおよそ76億人という人々の下位50%の資産とほぼ同じという現実には驚きで、異常としか言えません。

しかも、このままの経済や社会の仕組みが続けば、このような状況は今後とも増々ひどくなる一方だと考えられます。

要するに、世界的な富の集中、および格差の拡大です。

こうした現状を打破していくためには、世界経済のあり方、資本主義のあり方、あるいは社会のあり方を根本的に見直す必要性に私たちは迫られているのです。

このままの状態が放置されれば、これまでの人類の歴史が示しているように、社会不安が高まり、やがて人々の不満が沸点に達し、世界各地で革命が起きることは間違いありません。


 
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2018年04月07日
プロジェクト管理と日常生活 No.535 『多数のアプリに致命的な脆弱性!』

2月7日(水)付けネットニュース(こちらを参照)で多数のアプリの致命的な脆弱性について取り上げていたのでご紹介します。

 

米マイクロソフトの「Skype for Windows」や米スラックの「Slack」といった多くのアプリに深刻な脆弱性が見つかりました。

1月18日に報告された「CVE-2018-1000006」です。

この脆弱性を悪用すると、ユーザーが特定のURLにアクセスするだけで、攻撃者が指定した任意のプログラムが実行されてしまうのです。

 

なぜ、多くのアプリに同時に脆弱性が発生したのか、その理由はこれらのアプリが共通して「Electron」というフレームワークを利用していたためです。

Electronに脆弱性があり、Electronを利用している複数のアプリにも脆弱性が発生したのです。

 

Electronは、米ギットハブが開発したオープンソースのアプリ開発用フレームワークで、同社がテキストエディタ「Atom」を開発する過程で生まれたものです。

Electronを利用すると、HTMLCSSJavaScriptといったWeb技術を使ってマルチプラットフォームのデスクトップアプリを簡単に開発出来るのです。

このため、最近はデスクトップアプリの開発に幅広く使われているのです。

 

なお、脆弱性が存在するElectronのバージョンは、1.8.2-beta.3以前、1.7.10以前、1.6.15以前で、最新のElectronでは脆弱性が修正されており、SkypeSlackは既に脆弱性を修正したバージョンが公開されています。

 

以上、ネットニュースの一部をご紹介してきました。

 

ここで特にお伝えしたいことは、ネットアプリの脆弱性を悪用すると、ユーザーが特定のURLにアクセスするだけで、攻撃者が指定した任意のプログラムが実行されてしまうケースがあるということです。

そもそも全てのアプリが常に脆弱性を100%カバーしているという状態はあり得ません。

また、こうした脆弱性が見つかっても、すぐに修正が加えられるとは限りません。

ですから、こうしたケースの場合、ほとんどユーザーは悪意のある攻撃者の罠にかかってしまうことになります。

 

では私たち一般ユーザーはこうしたリスクに対してどのように対応すればいいのでしょうか。

大きく3つの対応策があると思います。

一つ目は、むやみに怪しいサイトを参照しないことです。

二つ目は、いつこうした被害に遭っても最小限の被害に食い止めるための自己防衛策です。

具体的には、重要なデータの定期的なバックアックです。

しかもその媒体はパソコン内部ではなく外部記憶装置でなければなりません。

更に、特に重要なデータについては更新の都度のバックアップが必要です。

三つ目は、セキュリティ対策ソフトの導入です。

これくらいしか個人としての対応策はありません。

 

一方、以前お伝えしたように、国による罰則規定もリスク対応策としての効果はあります。

その際の考慮点は、犯行者が不正なソフトで利益を得ようとしても摘発された際に支払う罰金の金額がとても割に合わないと思わせるほどの高額の罰金の設定、および世界各国の協調体制での犯罪防止の取り組みです。


 
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2018年04月06日
アイデアよもやま話 No.3983 驚異的な医療技術の進歩!

1月7日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)で驚異的な遺伝子組み換え技術について取り上げていたのでご紹介します。 

 

映画「ブレードランナー2049」では未来都市を疾走する空飛ぶクルマ、街に溢れる巨大なバーチャルリアリティの広告、そして未来の世界では遺伝子工学の力で人類を脅かすほどの人造人間が登場します。

また映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」では人間は脳以外の全身をサイボーグ化、壊れてもあっという間に修復可能です。

実は今、こうした映画が描く世界のように現実の遺伝子操作が驚くべきスピードで進歩しています。

 

昨年11月、世界で初めて捉えられた衝撃的な瞬間の映像があります。

生命の設計図とも言われるDNAに取り付く黄色い塊はもぞもぞと動き続け、DNAを切断しました。

これが今まで撮影は不可能だとされてきたDNA切断の瞬間です。

そしてDNAを切断した黄色い塊こそが今世界中で研究が進む最先端の遺伝子組み換え技術、“クリスパー・キャス9”なのです。

この映像を提供した東京大学大学院理学系研究科の濡木 理教授は次のようにおっしゃっています。

「今までの遺伝子組み換えというのは、狙うことが出来ないんですね。」

「(遺伝子が)どこに入るか分かんない非常に危険な技術だったんですね。」

「(クリスパー)は正しい位置に正しい遺伝子を入れるということが出来る技術ですね。」

 

現在行われている放射線を利用した遺伝子組み換えでは、切断したい場所に放射線が偶然当たるのを待つしかありません。

しかし、“クリスパー・キャス9”は特定の遺伝子を狙うことが出来る技術なので、偶然に頼ることなく始めから正確な遺伝子組み換えが可能なのです。

今後、更に研究が進み、あらゆる遺伝子を操作出来るようになれば、病気を生み出す遺伝子を切り離し、健康であり続ける体をつくることも可能になるかもしれません。

 

それでも万が一病気になってしまったら、その時は体内に作られる“病院”にお世話になりましょう。

映画「ミクロの決死圏」では、医療チームをミクロ化し、体内に注入、血管を通って患部を目指すと言う驚きの治療法が出てきます。

今、この映画さながらにある研究が進められています。

その名もナノマシン、“体内病院”です。

中心に薬が詰め込まれたカプセルなのですが、驚くべきは1ミリの2万分の1というその小ささです。

勿論、肉眼で見ることは出来ません。

更にすごいのは、意図的にそのサイズを変えられることです。

例えばがん治療ですが、血管には元々小さな穴があり、抗がん剤だけではこの穴を通り抜けてしまうため、正常な細胞にもダメージを与え、体を傷付けてしまいます。

いわゆる薬の副作用です。

一方、ナノマシンの場合はこの穴を通らないようにサイズを調整、がん細胞が開ける比較的大きな穴だけを通り、細胞の核にたどり着いてから薬を放出します。

必要とされる場所に的確に薬を運ぶことが出来るのです。

将来的には医学の常識を変えるかもしれません。

川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンターのセンター長、片岡 一則さんは次のようにおっしゃっています。

「健康な人の体の中にいつも一緒にいて、知らないうちに診断・治療してくれるという。」

「そうなると、本当の“体内病院”ですね。」

 

一方、人体の更なる可能性を求め、研究が進められている分野があります。

株式会社メルティンMMIの代表取締役、粕谷 昌宏さんは次のようにおっしゃっています。

「脳みそさえあったら、何でも出来る世界を作りたい。」

「サイボーグ(改造人間)ですね、完全に。」

 

人間の完全なサイボーグ化、その第一歩として彼らが開発を進めるのがロボットハンドです。

体を動かす際に、脳から筋肉に送られる微弱な電気である生態信号を捉えて動かします。

細かい指の動きまでリアルタイムで忠実に再現します。

事故で右手を失った人が義肢として使用した際の映像では、右腕の肘から先がロボットハンドです。

微弱な生態信号に応え、つかみ難い形状でも持ち上げることに成功しています。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

この番組を通して、まさにFSの世界が現実のものとなるつつあることが実感出来ました。

遺伝子組み換え技術により、近い将来技術的にはあらゆる遺伝子の組み換えが出来るようになります。

そうなると、遺伝子的には健康面のみならず知能や性格などどのようなタイプのヒトも自由自在に誕生させることが出来るようになります。

そうなると、非常に健康な人や知能や芸能などで秀でた人の遺伝子の売買ビジネスが行われるようになると見込まれます。

しかし、健康面はともかく、スポーツや知能、あるいは性格などに関連した遺伝子組み換えについては何らかの規制が必要です。

 

また、ナノサイズの“体内病院”については、本人の自覚症状がなくても、あるいはわざわざ病院に行かなくても、自分の体内にある病院で治療を受けられるようになるのですから、技術的な不備がなければ特に反論はないと思います。

 

同様に身体の一部のサイボーグ化についても、身体の不自由な人にとっては自由に動かせる機能を取り戻せるのですから、実用化がとても待ち遠しいのではないかと思います。

 

なお、サイボーグ化の技術をトータルでみれば、ほとんどアンドロイド(人造人間)の製作につながります。

ですから、サイボーグとアンドロイドに関する技術はとても関連の深く、相互に関連して発展していくと思われます。

 

こうした技術の進歩とともに、いずれ私たち人類の寿命、および健康寿命は半永久的なまでに伸びていくと思われます。

その結果、自分の死は自分で決められる時代が来るのではないかという気がします。

ただし、そのことによって人類が至高の幸福感を得られるとは限りません。


 
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2018年04月05日
アイデアよもやま話 No.3982 急速に進む自動翻訳技術!

1月7日(日)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で急速に進む自動翻訳技術について取り上げていたのでご紹介します。 

 

新しい年を迎え、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまであと2年に迫りました。

東京を訪れる外国人観光客が更に増えると期待されていますが、立ちはだかるのは言葉の壁です。

これを打ち破る自動翻訳の技術が今急速に進んでいます。

今年はそうした自動翻訳の活用が私たちの生活の中で一気に進む年になるそうです。

 

自動翻訳の技術は今世界で急速に発達しています。

グーグルが昨年世界のIT関係者に向けて発表したのはスマホのカメラを使う新たな技術です。

日本語で書かれたメニューにこのカメラをかざすだけで英語に翻訳してくれます。

 

一方、日本でも非常に精度の高い自動翻訳の技術が開発されています。

情報通信研究機構(京都府精華町)は日本版自動翻訳アプリを開発しました。

このアプリをスマホで立ち上げて、日本語で話しかけると少し難しい内容でもすぐに正確に英語に翻訳して音声で伝えてくれます。

 

私たちがスマホのアプリで入力した言葉は全てこちらの施設のサーバーで翻訳されます。

翻訳の精度を高めるために今取り組んでいるのが実際の街中の会話で使われる単語や例文の蓄積です。

例えば「豚肉の味噌焼き」、「白子のソテー」などは対応する英語などと紐づけて登録します。

来年、2019年の秋までに1億例の登録を目標にしています。

情報通信研究機構の隅田 英一郎フェローは次のようにおっしゃっています。

「2020年の東京オリンピック・パラリンピックというゴールがあるので、そこに向けて精度を上げていくと。」

 

この翻訳技術の活用が今沖縄で実験的に始まっています。

通信大手のKDDIなどが昨年12月から沖縄のタクシー50台に自動翻訳の端末を導入しました。

更に、沖縄での実験で取り組んでいるのが「方言」や「地域独特の言葉」への対応です。

そのカギを握るのがGPSの活用です。

その仕組みですが、基本となるのは情報通信研究機構がつくった全国共通の辞書です。

そこに企業独自に各地の方言などを集めて作った、言わば地域の辞書を追加します。

そして、GPSで今沖縄にいることを把握し、全国共通の辞書と沖縄辞書とを組み合わせながら、正確な翻訳につなげるのです。

KDDI技術統括本部の宇佐見 正士理事は次のようにおっしゃっています。

「コミュニケーションが豊かになることで、(日本観光の)リピーターになっていただいて、どんどん訪日外国人を増す、そういった効果につなげていければと思っております。」

 

なお、情報通信研究機構が開発した翻訳アプリは無料で誰でも使うことが出来ます。

アプリの名前は「ボイストラ(VoiceTra)」(音声翻訳)です。

スマホのアプリストアで「ボイストラ」で検索すれば誰でも入手出来ます。

外国人の方に道を聞かれたりした時にも活用出来そうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました

 

確かに東京オリンピック・パラリンピックに向けて、訪日外国人は急増し、そうした方々にとって自動翻訳アプリはとても役立つと思います。

更に、特に観光で訪れる海外の方々に日本での滞在をより一層満喫していただくうえで、各地の方言なども翻訳出来れば、とても感謝されると思います。

 

しかし、今回ご紹介したような、全国共通の辞書と各企業による方言の辞書との組み合わせによる翻訳では、複数の投資になり全体としての効率がよくありません。

しかも、特に若い世代の間では次々に新しい言葉が誕生してきています。

また、誰にとっても海外旅行先での“言葉の壁”は大なり小なり存在します。

更に、同じ国の人の間でも方言という“言葉の壁”があります。

そこで閃いたのは、世界各国の方言も含めた「言葉」のウィキペディア版「翻訳辞書」の作成です。

そして翻訳アプリがこの辞書を活用すれば、世界中で二重、三重の手間をかけなくても世界的に“言葉の壁”から私たちは解放されるのです。

 

ということで、是非どこかの企業や団体でこのウィキペディア版「翻訳辞書」の作成システムにチャレンジしていただきたいと思います。

とりあえず、東京オリンピック・パラリンピックの時期に合わせて、情報通信研究機構の協力を得てある程度の言葉がカバーされれば、世界規模での宣伝になると期待出来ます。


 
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2018年04月04日
アイデアよもやま話 No.3981 世界初、修復可能なガラス!

昨年12月15日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)、および昨年12月15日(金)付け朝日新聞のネットニュース(こちらを参照)で世界初の修復可能なガラスについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

割れても断面を押し付けるだけで元通りに修復出来るというガラス材料の開発に東京大学の研究グループが世界で初めて成功し、昨年12月14日付の米科学誌サイエンスに発表しました。

実際に番組で割れたガラスを30秒ほど押し付けてみるとしっかりくっつきました。

 

割れても修復出来るガラスは東京大学の相田 卓三教授と博士課程の大学院生、柳沢 佑さんらの研究グループが開発しました。

研究グループでは新たな接着剤の開発を進めていましたが、偶然固くさらさらした手触りの半透明の新素材「ポリエーテルチオ尿素」に自然に元通りになる自己修復機能があることを発見しました。

新素材は「水素結合」という結びつきで安定した状態に戻ろうとする分子が多いため、押し当てると自然にくっつくといいます。

この新素材を材料にしてきたガラスは、割れても数十秒間押し付ければ元通りに修復出来、数時間あれば元の強さに戻ることも確認出来たといいます。

こうした室温環境で壊れても自己修復出来る物質は、ゴムのような柔らかい材料では見つかっていましたが、ガラスのような固い材料では実現が難しいとされてきました。

研究グループの柳沢さんは次のようにおっしゃっています。

「作って壊れたら捨てると言うサイクルを違う付き合い方が出来ていけばいいなと・・・」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

既成概念に縛られていると、割れても押し付ければ修復出来るガラスを開発しようというようなアイデアはまず浮かんできません。

そうした中、今回ご紹介した修復可能なガラスも新たな接着剤の開発の過程で偶然発見されたのです。

まさにアイデアは存在し、見つけるものなのです。

アイデアはいつどこで見つかるか分からないのです。

 

さて、修復可能なガラス技術の用途ですが、クルマのフロントガラスのヒビ割れなどが自然に修復出来るようになればありがたいと思います。


 
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2018年04月03日
アイデアよもやま話 No.3980 アイデア方程式 タイヤ×?=スタッドレスタイヤ!

昨年12月21日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)でスタッドレスタイヤについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

氷を指でつまむと氷の表面が体温で次第に溶け出し、自動車のタイヤが雪道で滑るのもこちらと同じ原理です。

どうやってタイヤを滑らないようにするか、今回はスタッドレスタイヤの方程式です。

 

1980年代、スパイクタイヤに代わるアスファルトを削らないタイヤとして開発されたスタッドレスタイヤですが、雪道で滑る原因は雪や氷が摩擦熱で溶け、水の膜が路面とタイヤの間に入り込むため、路面をつかんで止めるのではなく、水の膜を吸い取れるか、その時意外なアイデアが閃きました。

液体を吸い上げるものと言えば万年筆だと思い付いたのです。

毛細管現象の原理でインクを吸い上げる万年筆、そのペン先の構造パターンをタイヤの表面に無数に刻むことで水の吸い上げに成功したのです。

更なるグリップ性能を求める開発チームは発泡ゴムに着目しました。

発泡ゴムは、スポンジの原理で気泡の窪みが路面の水を吸い込み、タイヤと路面との密着性を高めます。

こうして苦節7年の末に誕生したスタッドレスタイヤ、その陰にあったのは万年筆の閃きでした。

継続と飽くなき探求心が新しい突破口を生み出す、これぞアイデアの醍醐味です。

 

ということで、今回のアイデア方程式はタイヤ×万年筆=スタッドレスタイヤでした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今や冬用タイヤと言えばスタッドレスタイヤが定番ですが、このタイヤの溝が万年筆のペン先の構造パターンからの応用であるとは意外でした。

思わず、自分のクルマのスタッドレスタイヤの溝をじっくり眺めてしまいました。

今回のアイデアは、更に発泡ゴムの原理も取り入れているのです。

ですから、今回ご紹介したアイデアのように、アイデアは必ずしも他の何か一つとの組み合わせではなく、既存の複数の要素との組み合わせである場合もあるのです。

 

さて、現在は夏用タイヤと冬用タイヤとを季節に応じて取り換えていますが、冬用タイヤを購入する際の出費はバカになりません。

また、タイヤ交換の際に、交換してもらうお店まで交換するタイヤを運ぶ際のクルマへの詰め込み作業も年齢とともにきつくなってきます。

そこで、ユーザーとしては、是非、季節に関係なく使用可能のオールシーズン用タイヤをタイヤメーカーに開発していただきたいと思います。


 
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2018年04月02日
アイデアよもやま話 No.3979 アイデア方程式 (ガラス+木材)×?=強く燃えにくい建築材!

以前、アイデアよもやま話 No.1562 シロアリを寄せ付けない不思議な木材!で画期的な木材についてご紹介しましたが、そうした中、昨年12月14日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)で強く燃えにくい建築材のヒントについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

神社仏閣、お城など日本が誇る木造建造物、そんな貴重な木造建築を何百年、何千年先まで残すという夢をかなえる、ある発明があります。

強く燃えにくい建築材、そのヒントは何だったのでしょうか。

 

今、建築業界で熱い注目を浴びる液体ガラスがあります。

普通のコンクリートはコインで傷つけると削れてしまいますが、液体ガラスを塗るとほとんど傷が付きません。

しかも、木材に塗れば防火性能も向上します。

長年の研究の末、常温でのガラスの液体化に成功した開発者は、「(木材に使う際、)塗る以外にももっと良い使い方があるのではないか?」、更なる研究に没頭していたある日、食卓に並んだ「おかず」に閃きました。

それは味の沁みたおでんでした。

おでんの調理方法をヒントに、木材を煮てから液体ガラスに付け込んでみました。

その結果、耐久性・防水・防火性の他に防腐効果やシロアリにも強い木材が誕生しました。

世界遺産の厳島神社にも使われる液体ガラス、伝統建築を未来に残す発明の陰にあったのはなんとおでんでした。

 

ということで、今回のアイデア方程式は(ガラス+木材)×おでん=強く燃えにくい建築材でした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

この番組を観て、そもそも常温でのガラスの液体化を開発しようとしたきっかけが何だったのかに興味が湧いてきました。

そこでネット検索したら、今回ご紹介した液体ガラスを開発した株式会社ニッコー(東京都杉並区)の塩田 政利社長のブログで以下の記述に出会いました。(詳細はこちらを参照)

 

コンクリートのガラス化という体験を生かして木材のガラス化に挑戦した。地球温暖化問題の一環としての森林育成と木材活用。木材活用のためには、燃える、腐る、白蟻に食われる、変色する、色褪せる、曲がる、反る、割れる、という木材という植物の弱点をカバーしなければならない。

 

そもそも戦後の高度成長期に入り、建築構造物はコンクリート、鉄、化学合成物質を大量に使用している。問題は、施工の簡素化、コスト低減などの理由であろうが、耐久力に欠ける。現在の建築構造物はその耐久力が平均40年以下だと国の統計で出ている。

 

ですから、液体ガラスの開発は、塩田社長の地球温暖化問題、あるいは地球環境問題に対する強い危機感が込められていることが分かります。

 

さて、こうした木材を作るにはとても手間暇がかかるので高価になってしまうと思いますが、一般的な装飾品などにこの液体ガラスを塗れば、光沢が増し、傷付きにくくなると思います。

ですから、今回ご紹介した液体ガラスにはいろいろな用途が考えられます。

また、こうした需要が増えれば、その分低価格での提供が期待出来ます。

それにしても、おでんとの組み合わせによるアイデアは意外でした。

 

ちなみに、私は昨年たまたま厳島神社を訪れる機会がありましたが、もし事前に液体ガラスが使われていることを知っていれば、ととても残念に思いました。


 
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2018年04月01日
No.3978 ちょっと一休み その640 『日本の近代化は3段式ロケット!?』

1月25日(木)付け読売新聞の朝刊記事で日本の近代化は3段式ロケットであると伝えていたのでご紹介します。

 

今年は平成30年と明治維新150周年という二つの節目が重なる年です。

そうした中、日本を代表する社会学者で東大名誉教授の見田 宗介さんは近代日本の歩みと、終幕を迎えている平成時代についての想いを記事の中で語っておられます。

 

明治の「明」には文明開化の意志、「治」にはきちんと治めようという意志が表れています。

そして、文明開化の中身は富国強兵です。

それで日本は近代化し、発展してゆく。

 

しかし、富国強兵は昭和20年(1945年)の敗戦で頓挫します。

近代化の真の目的は富国でした。

強兵は列強による植民地化を免れるために必要でしたが、無理をしてやり過ぎ、アメリカなどにガツンとたたかれ、敗戦で断念させられます。

これが時代状況にもかない、富国が勢いを得ることになる。

20世紀半ば以降、資本主義が新しいものへと変わるからです。

20世紀前半までの資本主義は10年ごとに恐慌に瀕し、それを回避する方法が戦争でした。

ところが今日、株価は戦争の危機が高まると下がり、平和の機運が増すと上がります。

転機は1960年代、新しい資本主義、情報化消費化資本主義が出現したことです。

新しい資本主義は、デザインや広告など情報の力で市場を無限に作り出します。

戦争をしなくても恐慌を回避出来るようになりました。

日本はその恩恵を受けます。

1960年代の資本主義世界の4強は軍備費の対国内総生産(GDP)比の高い順にアメリカ、イギリス、欧州共同体(欧州連合の前身)、日本ですが、その10年間の世界経済のシェア(占有率)の伸びは順位が逆転し、日本が1位、アメリカが4位でした。

 

日本の近代化は2段式ロケットでした。

1段目「強兵」を敗戦で切り離したことで、かえって2段目「富国」がぐんぐん伸びた。

これが戦後の経済成長です。

 

日本経済は1980年代に頂点を迎えます。

昭和は1989年に終わり、平成になります。

株価は平成元年の大納会をピークに暴落します。

そして「1.57」ショックです。

1人の女性が生涯に産む子どもの数を推計する合計特殊出生率は、平成元年調査で戦後最低の1.57を記録、少子化の実態を如実に突き付けました。

 

僕の考えでは、平成の始まりは明治維新と並ぶ、大きな歴史の曲がり角です。

二つは対照的です。

明治は坂を上り始めた時代、平成は坂を上り終えた時代。

ただ消極的に捉える必要はありません。

日本は富国を成し遂げたと考えるべきです。

この先、谷底に下りるのではなく、高原を歩き続けられるようにすることが大切です。

地球環境・資源に限りはありますが、無理をしなければ、今の相当豊かな生活をほぼ保つことが出来るはずです。

どうやって高原の明るい見晴しを切り開くのか、それが日本の課題です。

 

NHK放送文化研究所の調査によると、20歳代で衣食住に満足している人は1973年は6割でしたが、2013年は9割近い。

人間の歴史でも、世界的にも高い満足度です。

一方で、人生全般に満足している20歳代は2013年でも3割弱。

物質的には満たされているが、精神面か人間関係かリアルな生活の充実なのか、何かが欠けているのです。

 

イギリスの哲学者、バートランド・ラッセル(1872〜1970)は「幸福論」で、富者が幸福でないのであれば、全ての人を富者にすることに何の意味があるかと問いました。

まさに平成日本の問題です。

これは経済成長で解決出来る性質のものではなく、別次元の幸福という問題です。

 

明治以来の富国は本当に最終目標だったのでしょうか。

詰まるところ、人間を幸福にする手段だった。

日本が貧しい頃は、「豊かさイコール幸福」でした。

 

日本の近代化ロケットは実は3段式ロケットだったのではないか。

平成開始で2段目「富国」を切り離した次に、今度は垂直ではなく水平に飛ぶ、3段目で「幸福」に向かうことが必要なのです。

 

以上、記事の一部をご紹介してきました。

 

この記事を読んだ結果を要約すると、以下のようにまとめられます。

日本の近代化において、明治維新以降、日本は国を挙げて富国強兵にまい進してきましたが、先の終戦により「強兵」という第1弾ロケットを切り離しました。

次に平成時代の開始とともに「富国」という第2弾ロケットを切り離しました。

そして、私たちは今「幸福」という第3弾ロケットに乗っているところです。

 

しかし、この「幸福」についてはまだまだ道半ばというところです。

安倍政権の進める「働き方改革」はその施策の一つとして位置づけられます。

また、この「幸福」の具体的なイメージについては、アイデアよもやま話 No.3962 北欧の豊かな暮らしを参考にすべき「働き方改革」 その1 国内で“フラリーマン”が増殖中!から7回にわたってお伝えした北欧の豊かな暮らし“ヒュッゲ”を参考にすべきだと思います。

 

なお、見田さんは、新しい資本主義はデザインや広告など情報の力で市場を無限に作り出し、

戦争をしなくても恐慌を回避出来るようになったとおっしゃいますが、特に一通りの生活必需品を手に入れた暮らしの出来る先進国においては、需要は全般的に飽和状態に近くなってきます。

それは先進国と途上国との経済成長率に比較により明らかです。

ですから、市場を無限に作り出せるかどうかはより多くの企業がいかに魅力的な商品を提供し続けるかどうかにかかっていると思います。

更に、地球温暖化や化石燃料の枯渇といったリスクは人類にとって、「幸福」を追求するうえでの大きなハードルになります。

ですから、いかに経済成長や限られた天然資源に依存しない“持続可能な社会”を実現するかを考え、そのうえで豊かな暮らしを私たち一人一人が自ら考えて追及することが求められるのです。

 

また、イギリスの哲学者、バートランド・ラッセルさんのおっしゃる「富者が幸福でないのであれば、全ての人を富者にすることに何の意味があるか」という言葉は本質を突いていると思います。

大富豪と言われる人たちは金銭的には全く不自由することはありませんが、人間関係で悩んだり、老いに伴う様々な不安感を拭い去ることは出来ないのです。

むしろ、守るべき膨大な資産があるだけ、悩みが深いのではと想像されます。


 
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2018年03月31日
プロジェクト管理と日常生活 No.534 『今や私たちのプライバシーは丸裸状態になりつつある!?』

昨年11月19日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)でネット監視システム「XKEYSCORE」について取り上げていたのでご紹介します。

 

今やインターネットや携帯電話などの様々な情報機器を通じて個人のプライバシーが侵害されるケースが発生しています。

例えば、近年話題になったケースでは、元CIA局員のエドワード・スノーデンさんによる内部告発があります。

スノーデンさんは2013年に次のように発言されておりました。

「ポケットの中の携帯電話というセンサーで、どこへ行っても追跡されている。」

「普通の人のプライバシーへの影響を考えてみて下さい。」

 

アメリカのNSA(国家安全保障局)が携帯電話の通信内容などの個人情報を収集している事実をスノーデンさんが暴露したのです。

 

イギリスのガーディアン紙によると、NSAは一般市民らがやり取りする携帯電話のショートメールなどを世界中から1日当たり最大2億件程度を収集し、情報分析に利用していたといいます。

 

また、内部告発サイト「ウィキリークス」によると、アメリカのCIAがインターネットにつながったテレビをウイルス感染させ、電源がオフになっていると見せかけて、周辺の会話を盗聴しようとしていたと暴露しています。

 

国家が無断で個人情報を入手し、利用する懸念は決して他人事ではありません。

日本でも日々急速な進化を遂げるネット社会、その技術を利用して国家が個人情報を勝手に入手して利用する、そうした懸念は増々高まっています。

2017年6月に成立した、いわゆる“共謀罪”法ですが、この法律を巡っては捜査機関が犯罪を未然に防ぐため、電話やメール、SNSの情報を幅広く収集する可能性があると、専修大学文学部の山田 健太教授は指摘し、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「現在、日本や世界中の個人情報、プライバシーがどんどん集められてしまって、私たち一般市民が丸裸になってしまうという状況が起きているわけですね。」

「基本的に共謀罪は重大な犯罪を未然に防ぎましょうというのが目的です。」

「未然に防ぐためには一般市民の個人情報、プライバシー情報を出来る限り広く、そして完全に収集してチェックをするということが可能性が高いと。」

 

個人の思想、信条にまで立ち入る危険性さえ指摘されています。

進む管理社会を前に、我々はどのように対応していけばよいのでしょうか。

 

番組コメンテーターのお一人で法政大学の田中 優子総長は次のようにおっしゃっています。

「スノーデンは国家による個人情報の収集について警告をしたわけですが、「ザ・サークル」という映画は国家ではなくて人々がお互いに個人情報を収集したり、企業が収集したり、つまり全てのところで起こっているのです。」

「国家によるだけではないということを認識しなきゃなんないんですね。」

「そういうふうになった時に、スノーデンは面白いことを言っているんですけど、「民主主義国家で大事なのは、人が国がやっていることを知ることであって逆ではない」って言ってるんです。」

「やっぱり、それを私たちがちゃんと分かって、今政府が何をしているのかということを知るということがとても必要だと思います。」

「そういうふうにそれぞれの個人がお互いにやり取りしながら全世界で起こっていることを、権力が何をしようとしているかという観点で知る、そちらの方に向けるべきではないかと思いますね。」

 

また、同じく番組コメンテーターでジャーナリストの青木 理さんは次のようにおっしゃっています。

「スノーデンさんは実はもっと重要な証言をしていて、日本に「XKEYSCORE」というシステムを渡したと言うんですよ。

「どういうシステムかというと、スノーデンによると、NSAが収集した世界中の個人のメールやSNSの情報を検索出来るシステムだというんですよ。」

「ということは、日本の警察なのかどこなのか分からないけれども、ひょっとすると知らないうちにもう使っているんじゃないか。」

「例えば関口とか青木とかというキーワードを入れれば、その人の通信(情報)が見れるっていうんですよ。」

「それを密かに使っているとしたらある種の国家犯罪ですよね、そんな法律ないわけですから。」

「ただこれ残念ながらロボットと同じでどんどん進化していくのは間違いないんですね。」

「防犯カメラなんていうのは全国に数百万台あって、顔認証出来るようになって、場合によってはネットワーク化すれば“神の目”になっちゃうわけですよ。」

「そうなってくると、国民的議論をしてどこかで歯止めをかける。」

「だから、犯罪捜査とか使うべき時は使うけれども、これには絶対に使わないでくれと。」

「プラス、きちんと透明にするっていうような作業、法的規制も含めてガイドラインを作っていくというのを本当に喫緊の課題ですし、何度も言いますけど人類史的課題かなと思っています。」

 

そして、番組の最後には同じく番組コメンテーターの岸井 成格さんが次のようにおっしゃっています。

「(ネット社会について、)これ本当に今世紀で一番大きなテーマだなというふうに思うんですけど、今日は初めて告白しますけど、メディアの世界は本当に深刻なんですよ。」

「青木さんの了解をまだとってないけども、「あなた盗聴対策どうしてる?」って聞いたら、いろいろなことを言われて、私も大体同じことをやってるんですよ。」

「つまり、出来るだけネットは使わない、あるいは使ってもGPSを止めちゃう、オフにしちゃうとかいろんなことをやる。」

「なぜそういうことになってくるかというと、ちょうどネット社会が始まった頃にエライ時代が来たなと我々メディアも思ったわけですね。」

「同時に政府の情報機関のOBから良くいえばアドバイスというか、悪くいえば忠告が来たんですよ。」

「何かというと、「あなた方は必ず盗聴されますよ、よっぽど気を付けて下さいよ」。」

「だから、最初のうちは新聞記者同士でも電話した時に、何かピーッと音がしたり、雑音が入ったりした場合に、「盗聴始まったな、1回止めよう、後でサシで会って話そうよ」と。」

「サシで話すのも今やダメだ、そういう時代になっちゃったっていうことですよね。」

「これをどう止めるかですよね。」

「しかもそれを誰が使って誰が分析してどうするかっていう、恐ろしい話なんですよね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

リスクにも重大なリスクから軽微なリスクまでいろいろあります。

そして今回ご紹介した個人情報の漏えいは、個人の人権を侵害する重大なリスクです。

具体的には以下のようなものが挙げられます。

・スマホや携帯電話のセンサー、あるいは防犯カメラの顔認証技術による個人の場所の特定

・パソコンやスマホ、携帯電話の電子メールの盗み見

・盗聴器やウイルス感染させたテレビを通した周辺の会話の盗聴

 

更に、今回ご紹介した、世界中の個人のメールやSNSの情報を検索出来るシステム「XKEYSCORE」が日本政府に渡されているという事実はとても脅威です。

既に、日本政府は「XKEYSCORE」と活用した特定の国民の情報収集を実施しているかもしれません。

今は実施していなくても、その気になればいつでも実施出来るのです。

ですから今や私たちのプライバシーは丸裸状態になりつつあるのです。

 

更に、2017年6月に成立した“共謀罪”法に則り、捜査機関が犯罪を未然に防ぐため、電話やメール、SNSの情報を幅広く収集する可能性があるとの指摘がありますが、解釈次第でかなり強引な運用も出来そうです。

 

そこでこうしたリスクに対して、国民の立場からどのような対応策が考えられるでしょうか。

スノーデンさんも「民主主義国家で大事なのは、人が国がやっていることを知ることであって逆ではない」とおっしゃっているように、ネットやIoTの時代に相応しい国民の人権を守るための国の施策やサイバー犯罪に対する厳格な法的規制の確立がとても重要だと思います。

同時に、少しでも国がこうしたリスクを犯そうとしたり、犯した場合には声を大にして多くの国民が事の重要性を訴えることもとても重要なのです。


 
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2018年03月30日
アイデアよもやま話 No.3977 一石二鳥の発熱して雪を溶かす太陽光パネル!

ご存知のように、太陽光発電は雪が太陽光パネルを覆ってしまうと全く発電出来ません。

ですから、北海道や東北地方などの雪国ではこうしたネックがあります。

ちなみに私の自宅でも8年ほど前に太陽光発電を導入しましたが、雪の日はいずれも発電量ゼロでした。

そうした中、先日、再生可能エネルギー関連の展示会に出かけた時、発熱して雪を溶かす太陽光パネルを展示しているブースがありました。

そして、こちらでは今年末の市販化を目指しているということでした。

 

冒頭でもお伝えしたように雪国と言われる地域では冬の時期は雪の日が多く、太陽光発電は発電しません。

更に、屋根の雪下ろしは大変な重労働で、特に高齢者のお宅では雪下ろしを専門業者に依頼しているといいます。

そうしたお宅においては、発熱して雪を溶かす太陽光パネルの太陽光発電システムを導入すれば、発電のみならず、雪下ろしもほとんどする必要がなくなります。

ということで、発熱して雪を溶かす太陽光パネルは一石二鳥の太陽光発電システムだと思います。

 

なお、ブースで企業名はあえて聞かなかったのですが、帰宅後ちょっと気になってネット検索してみたら、既に市販化している会社がありました。(詳細はこちらを参照)

やはり、太陽光発電パネルメーカーの中には同じような問題意識を持って、発熱して雪を溶かす太陽光パネルを開発しているところがあるのです。


 
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2018年03月29日
アイデアよもやま話 No.3976 インドで進むミニグリッド事業!

昨年12月12日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でインドで進むミニグリッド事業について取り上げていたのでご紹介します。 

 

世界で電気を使わずに生活している人の数はおよそ12億人もいると言われています。

実はそのうちのおよそ4分の1がインドに住んでいます。

そこに商機を見出してミニグリッドという新しい方法で電力を供給している日本企業があります。

 

インドの首都、ニューデリーから飛行機で1時間、インド北部に位置する街、ラクナウの幹線道路沿いでは連日電気工事が続きます。

街の中心部でも電力供給が不安定で、郊外の農村部では今も電気のない生活をしています。

昨年8月、ここで発電事業に参画したのが三井物産です。

インド企業と組んで手掛けるという発電所は畑に囲まれた狭い敷地、中には太陽光パネルが並んでいます。

三井物産の重枝 和冨マネージャーは次のようにおっしゃっています。

「1000人〜1万人に電気を供給するということで「ミニグリッド(小規模電力網)事業」と呼んでいます。」

 

「ミニグリッド事業」とは、小型の発電所をつくり、半径2.5kmの範囲内だけに電気を供給する、言わば電気の地産地消です。

この小型発電所を沢山つくって、より多くのエリアをカバーしようという取り組みです。

発電所の設備も極めてシンプル、太陽光パネルで発電し、それを夜も含めて24時間安定して供給出来るようにバッテリーに溜めるだけです。

開設コストも1ヵ所あたり約1000万円で済みます。

 

実はこの村には政府系の発電公社の電気も供給されています。

しかし、遠くの大型発電所から電気が送られてくるため、送電ロスが発生し、電力不足による停電が頻発します。

そこで住民たちは安定しているミニグリッドの電気を頼り、村の8割以上の世帯が利用しています。

現在85ヵ所の発電所から約4万5000人に電気を販売していますが、これを5年以内に1000ヵ所、100万人まで増やす計画です。

 

午後6時、日没を過ぎると村は一気に暗くなります。

ミニグリッドの電気を利用する民家では、玄関を入ってすぐの寝室にLED電球が一つ点いています。

この民家に住むシュクラさんは次のようにおっしゃっています。

「夕方5時から11時まで電球2個を使う契約です。」

「この部屋と台所に電気が点く電気代は1ヵ月に160ルピー(約280円)です。」

 

インドの農村部では月収1万円未満の家庭も少なくありません。

料金を支払える範囲で、少量の電気だけ買えるのもミニグリッドが支持される理由です。

シュクラさんの母親は次のようにおっしゃっています。

「以前は台所で火を起こして、その明かりで料理をしてたの。」

「でも今は料理がとても楽になったわ。」

 

近所の子どもがやってきて、ここで勉強することもあります。

村の商店街もミニグリッドの電気の活用で変化が起きていました。

ある青果店の店主は次のようにおっしゃっています。

「以前は6時の日没で閉店でしたが、今は電気があるので夜9時まで営業出来るようになりました。」

 

こちらの青果店では営業時間が伸びたことで、毎月の売り上げは1.5倍に増えました。

商店街全体に活気が出たと皆口を揃えます。

 

三井物産はインドで獲得した「ミニグリッド事業」のノウハウをインド以外の国や地域でも積極的に展開していく方針です。

注目するのが電気のない人口が6億人いると言われるアフリカ、特に東アフリカはインドからの移民が多く、インドでのノウハウが活きるといいます。

三井物産の八木 浩道南西アジア総代表は次のようにおっしゃっています。

「アフリカをにらんだ事業展開をするには、インドはインドで今のうちにしっかりやっておかないと2030年、2050年をにらんだ事業展開という意味では、ここが勝負どころかなと。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して感じるのは、一つのLED電球が人々の夜間の活動の幅を広げるということです。

また、現在も世界でおよそ12億人の人たちが電気のない生活をしているといい、こうした人たちに従来通りの化石燃料依存型の発電で電化生活を提供していけば、化石燃料の枯渇時期は増々早まってしまいます。

こうした観点から、三井物産がインドで太陽光発電による「ミニグリッド事業」を展開し、更にインド以外の国や地域でも積極的に展開していくという方針はとても理に適っていると思います。

なぜならば、「ミニグリッド事業」は火力発電所の建設に比べて、並行して多くの国や地域で進め易いので、短期間のうちに電力供給が可能です。

しかも建設コストもどんどん下がってきております。

更には地産地消なので停電のリスク分散にもなります。

 

今や持続可能な社会実現への取り組みは世界各国共通の大きな課題の一つです。

特に化石燃料の枯渇問題の解決が遅れれば、世界的に資源確保を巡る紛争の火種となることは間違いありません。

ですから、太陽光など持続可能なエネルギーを利用した発電による持続可能な社会の実現は世界平和の維持にとってもとても重要な課題なのです。


 
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2018年03月28日
アイデアよもやま話 No.3975 マツダの車両用新素材!

画期的な素材、ナノセルロースについては以前アイデアよもやま話 No.3238 木からできた新素材!でもご紹介しました。

そうした中、昨年12月7日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でマツダの車両用新素材について取り上げていたのでご紹介します。 

 

ナノセルロースは植物繊維の一種で、原料は木材、鉄と比べて5分の1の軽さですが、5倍以上の強度があり、樹枝などの補強材として利用されます。

現在、多くの企業が夢の素材として開発を進めています。

 

そうした中、マツダは植物が原料のバイオプラスチックを新型の多目的スポーツ車「CR−5」に採用します。

素材そのものに光沢があることから、塗装する必要がなく、工程を省くことが出来ます。

マツダ・車両開発本部の一原 洋平さんは次のようにおっしゃっています。

「お客様には商品性、地球環境に対しては環境性、弊社にとっては経済性、そういった“三方良し”として今後どんどん使っていきたいと考えております。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これまで何度となく繰り返しお伝えして来たように、地球上の化石燃料は有限です。

しかもその可採年数はせいぜい今後200年ほどと見込まれており、化石燃料由来の商品はいずれ作れなくなってしまうのです。

そういう意味で、化石燃料に代わる植物由来の製品化は避けて通れないのです。

そうした中、今回ご紹介したマツダによるバイオプラスチックの新型車への採用は的を射ています。

またナノセルロースについては、現在多くの企業が開発を進めているといいますが、商品化のネックはコストにあると思われます。

しかし、ナノセルロースには鉄に比べて軽さ、強度においてメリットがあるので、是非開発を急いで低価格での製品化を実現して欲しいと思います。

製品化され、自動車のボディに全面採用されれば、燃費も間違いなく格段に良くなるはずです。


 
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2018年03月27日
アイデアよもやま話 No.3974 今が分かる地球儀!

以前、ARを活用したハイテク地球儀についてご紹介したことがありますが(こちらを参照)、昨年12月7日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で今が分かる地球儀について取り上げていたのでご紹介します。

 

地球儀といえば国や都市の場所が分かるというものですが、今回ご紹介する地球儀は地球の今が分かります。

この地球儀を開発した京都造形芸術大学の竹村 眞一教授は次のようにおっしゃっています。

「普通の地球儀って動かないですよね。」

「これは常に雲も動いている。」

「全部リアルタイムで今の地球の様子が見える。」

 

仕組みは、知りたいことをタブレットに向かって言うと、タブレットがそれを認識してドームに付いているプロジェクターから地球の情報を映し出すというものです。

例えば、「昼と夜」と言うと、現在の宇宙から見た地球の姿が地球儀に映し出されます。

この他にも例えば、天気図や船の運航状況も分かります。

更に、分かるのは今のことだけではありません。

国ごとの飢餓人口のパーセンテージが時系列で表示されます。

過去のデータから人口の移り変わりの他、気候変動の歴史も知ることが出来るのです。

竹村教授が80ヵ国以上を旅して、世界各地の苦しい状況を見てきたからこそ、このような地球儀をつくろうと思ったそうです。

この地球儀を学校や図書館、空港などに置くことで、世界に目を向ける機会を増やしたいといいます。

竹村教授は次のようにおっしゃっています。

「地球の裏側の干ばつなどの問題は実は私たちの生活にすごく影響してくるし、そういうものを大変だと言うばかりでなくて、自分たちはすごくいい世界をつくる力を持っている、いろいろ出来ることはあるんだということを感じてもらうために、この地球儀とコミュニケーションして欲しい。」

 

また、番組レポーターの北村 まあささんは次のようにおっしゃっています。

「この地球儀はただ綺麗というだけでなくて、例えばニュースとか、今まで授業で習ったことってどこか遠い場所の話って思ってしまうのは誰しもあると思うんですけど、一体となった地球からその情報を得ると、同じ一つの地球で他人事じゃないというか、これってグローバルなのかなっていう気がします。」

 

ちなみに、この地球儀(商品名「SPHERE(スフィア)」は価格98万円(税別)で販売中です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

グローバルに何かを理解したり、考えたりするうえで、地球儀を媒体として活用することは視覚的にとても有効だと思います。

例えば、気候変動や領土などの世界的な観点での推移がとても理解し易くなり、過去と現在というタテ軸、ヨコ軸の歴史的観点から視覚的にものが考え易くなり、未来についても想像を巡らせ易くなると思います。

 

ということで、今回ご紹介したような地球儀は子どもにとっても大人にとってもとても有意義なものだと思われます。

そして、常に手元にあって欲しいと思います。

ただ、価格が100万円近くではちょっと手が出ません。

そこで、パソコンやスマホ上で二次元で地球儀を表示し、同様の機能を持たせたアプリを開発すれば、かなりの低価格で提供出来るのではないかと思い付きました。

更に、地球儀を視点として、あらゆる情報が紐づいて入手出来るようになれば、常にグローバルな観点で物事を考えることが出来ると大いに期待出来そうです。


 
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