2018年12月16日
No.4200 ちょっと一休み その677 『ゴーン日産自動車前会長騒動から見えてきたこと その1 高額報酬の是非!』

プロジェクト管理と日常生活 No.571 『今回のゴーン日産自動車前会長騒動にみる内部告発制度の重要性!』では内部告発制度の重要性についてお伝えしました。

そうした中、11月25日(日)放送の「報道プライムサンデー」(フジテレビ)でゴーン日産自動車前会長(以下、ゴーン前会長)の素顔について取り上げていました。

そこで番組を通して3回にわたって、私の思うところについてご紹介します。

1回目は、高額報酬の是非についてです。

 

ゴーン前会長は2010年の日産株主総会で次のようにおっしゃっています。

「日産はグローバルな経営を行う日本の会社だ。」

「だから(報酬も)グルーバルスタンダードに準ずることが大事だ。」

 

かつてスキンケア・化粧品通販を手掛ける株式会社ドクターシーラボで社長を務め、年商3億円から120億円にした実績を持つプロ経営者で、現在はコンサルティング事業などを手掛ける株式会社パジャ・ポス代表の池本 克之さんはゴーン前会長の報酬について次のようにおっしゃっています。

「低いと思います。」

「なぜなら外国人の方はその方の本国の基準がありますから。」

「そうでなければ仕事を受けないと思いますね。」

「フランスで超一流企業の代表者となれば、このくらいの相場だよねというのがあると思うんですよ。」

 

ちなみに、ソフトバンクグループの孫 正義代表取締役兼社長の報酬は1億3700円、そしてユニクロの柳井 正代表取締役会長兼社長の報酬は2億900万円と、二人とも5億円に満たないです。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

巷ではゴーン前会長の並外れた高額年収とそれを隠そうとした行為、すなわち有価証券報告書への虚偽記載による金融商品取引法違反に非難が集中しました。

確かにゴーン前会長が法律に触れる行為をしたという容疑は悪いですが、高額年収はそんなに悪いことなのかという疑問が湧いてきました。

というのは、立場を変えて、例えば日本の企業に勤める従業員が海外勤務になると、当然ながら日本で勤務していた時の年収に準じた給与にプラスして海外勤務手当などが支払われます。

途上国での勤務になれば、当然現地の従業員に比べればはるかに高額になることもあります。

そして、海外勤務先の従業員からすれば、同じような仕事をしているのになぜこんなに自分たちと収入格差が生じているのかという不満が起きても不思議ではありません。

また、この従業員は日本の従業員からは当然のこととして非難されることはありません。

一方、欧米の代表的な企業の経営者の中には年収10億円単位という高額者もおります。

また、自動車メーカーのCEOの平均年収は20億円弱といいます。

そうした中、ゴーン前会長もコストカッターとして名をはせた有名な経営者の一人なのですから、グローバルな視点で見れば、とんでもなく高額とは言えません。

ちなみにゴーン前会長の役員報酬は以下の通りです。

 

ルノー   9億5000万円

日産自動車 7億3500万円(8年間で約80億円の不正な報酬隠し分は除く)

三菱自動車 2億2700万円

(総額)  約19億円

 

なお、日産自動車からの報酬が10億円以内に計上されている背景には、ある日産幹部から「日本では年間報酬が10億円を超えない方がいい」というようなアドバスがあったといいます。

 

ですから、今回の騒動において、ゴーン前会長がご自身の高額年収について社内外に向けてきちんとその妥当性を説明し、法に則った処理を正々堂々としていれば、このような結末にはなっていなかったと思います。

こうした状況における“落としどころ”として考えられるのは、ゴーン前会長以下、経営陣の年収の一部返納です。

しかし、残念ながらゴーン前会長には、次回お伝えするご自身の野望もあってか、年収の一部返納という考えはなかったと思います。

 

確かに、全社的なリストラにより何万人という規模で退職させられた方々の気持ちを考えれば、日本人としては心情的に腑に落ちない、あるいは理不尽な気持ちになります。

しかし、冷静に考えれば、もしゴーン前会長が果断にリストラを進めなければ日産自動車という企業自体の存続が危ぶまれたのです。

ですから、最も責められるべきは、こうした事態まで適切な対策を打ち出せなかった、ゴーン前会長以前の経営陣だと思います。


 
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2018年12月15日
プロジェクト管理と日常生活 No.571 『今回のゴーン日産自動車前会長騒動にみる内部告発制度の重要性!』

日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が有価証券報告書で報酬額を過少に申告していたとして11月19日に逮捕されました。

報道によれば、有価証券報告書への虚偽記載があり、これは金融商品取引法違反になります。

今回の逮捕のきっかけは社内告発制度で不正の情報がもたらされ、日産が検察当局に報告し、全面的に協力した上で内部調査も実施したといいます。

 

こうした不正が発覚するたびにコンプライアンス(regulatory compliance)という言葉が飛び交います。

企業コンプライアンスとは、 「コーポレートガバナンスの基本原理の一つで、企業が法律や内規などのごく基本的なルールに従って活動すること、またはそうした概念」を指します。(Wikipediaより)

 

さて、プロジェクト管理において、具体的な作業プロセスを標準化し、それを文書化した「標準マニュアル」を作成し、実際にそれぞれのプロセスの関係者が「標準マニュアル」に沿ってきちんとそれぞれの職務を全うすることが求められます。

しかし、理解不足や意図的などの理由で「標準マニュアル」通りに作業が行われない場合が発生するのが現実です。

そこで、こうしたことが発生しないように、あるいは発生してもタイムリーに発見して是正する仕組みがあります。

具体的には、ピアレビュー(仲間内の検査)と第三者による検査の2つがあります。

この2つの検査の使い分けですが、ピアレビューは一般的なプロセスや成果物を対象とし、第三者による検査は小規模でも特に重要なプロジェクトであったり、大規模プロジェクトを対象とします。

こうした検査の仕組みも企業コンプライアンスの一環を言えます。

しかし、こうした「標準マニュアル」や検査の仕組みがあれば、全てうまくいくかというと残念ながらそうではありません。

そこで、プロジェクト管理ではコミュニケーション管理という方法を取り入れています。

要するに、「標準マニュアル」の理解を深めるために、定期的に関係者向けの説明会を実施したりします。

また関係者間の情報共有を図るために、文書化して関係者が誰でも参照出来るようにしたり、必要に応じて説明会などの会議を開催します。

 

さて、先日ゴーン日産自動車前会長騒動が起きてしまいましたが、少なくとも日産自動車のような大企業には、しっかりした「標準社内規定」のようなものがあるはずです。

しかし、今回の騒動に限らず、日産自動車ばかりでなく同業他社でも完成品の不正検査が発覚してきました。

また自動車業界ばかりでなく他の業界でも次々に不正に関する報道がされています。

 

このような企業トップ自らが不正に係わるようなケースは中々表面化に結に付きにくいのが現状です。

また売上や利益重視で、例えば納期厳守で上層部からの締め付けが厳しく、製造現場で検査工程の不正が行われるようなことが現実に起きています。

こうした不正は時には人命にかかわるような事故をもたらすリスクがあります。

こうしたリスクや問題を“見える化”させる手段の1つとして内部告発制度があるのです。

こうした制度もコミュニケーション管理の一環と言えます。

そして、大々的に報道される企業内の不正の発覚は多くの場合が内部告発です。

今回のゴーン日産自動車前会長の騒動もそうです。

なお、これまでプロジェクト管理と日常生活 No.556 『劣化する官僚機構 その4 汚職がはびこる官僚組織!』などで企業内の不正対応策として内部告発制度の重要性をお伝えしてきましたが、今回の騒動であらためてこうした外部からは非常に見つけにくいような構造的な不正については、内部告発制度という仕組みが威力を発揮することを認識しました。

 

ただし、この内部告発制度は告発者の止むに止まれぬ正義感に依存しています。

報道で知る限り、告発者の多くは他の部署に飛ばされて閑職扱いされたり、会社に居ずらくなって退社したりというケースが見受けられます。

 

しかし、内部告発される案件の中には、そのまま放置していれば、いずれ公にあり、その企業に大きな痛手を負わせたり、企業イメージを大きく落としかねないケースが少なからずあります。

ですから、客観的に見れば、また願い目で見れば、内部告発者はその企業にとってだけでなく社会的にも大きな貢献をしていると言えます。

こうした勇気のある内部告発者が閑職に追いやられたり、退職に追い込まれたりというのは理不尽と言わざるを得ません。

 

そこで、大切なことは以前にもお伝えしたように、内部告発者の保護です。

具体的には、内部告発者が閑職に追いやられないような歯止めをかけたり、退職せざるを得ないような状況になった場合には例えば3年分の年収分を企業が負担するというような内容を法律で規定することです。

 

いずれにしても最も大切なことは、企業のトップ自らが不正を憎み、不正が起きないような仕組みを設け、それに従わない場合には厳罰で臨むと同時に、個々の組織、あるいは従業員との間のコミュニケーションを密にして、現場の労働環境などの問題に目を配ることなのです。

そういう意味で、今回のゴーン日産自動車前会長騒動から見る限り、ゴーン前会長の振る舞いは反面教師と言わざると得ません。

 

ゴーン前会長は“コストカッター”と呼ばれたカリスマ経営者でした。

そして1999年にルノーから送り込まれて日産自動車の経営危機を救い、救世主的な存在であると言われ、長期にわたり日産自動車を支えてきました。

ですから、今回の騒動との格差にとても驚き、とても残念に思います。

やはり“権力は腐敗する”運命にあるのでしょうか。


 
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2018年12月14日
アイデアよもやま話 No.4199 「0円タクシー」、年内まで都内全域が無料!

12月6日(木)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で「0円タクシー」、およびネットニュース(こちらを参照)について取り上げていたのでご紹介します。

 

東京都内に「0円タクシー」が登場です。

IT大手のDeNAが次世代タクシー配車アプリ「MOV」(モブ)の始動に伴い、12月5日から始めたのは東京都内23区内の移動でれば、乗客のタクシー代が無料になる「0円タクシー」です。

タクシーの契約スポンサーが車体のラッピングなどに払う広告宣伝費によって乗客の利用料金を無料にするサービスです。

ちなみに、「0円タクシー」の初回スポンサーは、日清食品の人気インスタント麺ブランド「日清のどん兵衛」です。

乗客は都内の一部の配車可能エリアからDeNAのアプリを使うことで「0円タクシー」を配車することが出来ます。

12月31日までの期間限定で1日に50台のタクシーが運行するということです。

なお、このタクシーに乗れたラッキーな方には、12月26日(水)から12月31日(月)までの期間に乗車した場合はスポンサーより「日清のどん兵衛 天ぷらそば」が一つサービスされるといいます。

 

以上、番組、およびネットニュースの内容をご紹介してきました。

 

これまでもバスやタクシーなどの車体を利用した広告宣伝はありました。

しかし、期間や台数が限定されているものの、これまでにない「0円タクシー」という方式はまさに“コロンブスの卵”的なアイデアだと思います。

 

思えば、どのような素晴らしい商品やサービスもその購入者にその存在が知られなければ売り上げにつながりません。

ですから、メーカーや販売会社はいかにして自社の商品を出来るだけ多くの潜在的な購入者に伝えるかに知恵を絞っているのです。

その媒体として、これまで新聞や雑誌、テレビやラジオの番組、そして今やSNSやユーチューブなどの動画配信まで拡大しています。

そして、ユーチューバー(参照:No.4068 ちょっと一休み その655 『ネット社会の功罪!)と呼ばれる人たちのように商品の魅力をうまく引き出して紹介する人たちの中から高額の収入を得る人たちも出て来ているのです。

 

そうした中、今回ご紹介した「0円タクシー」は多くの人たちの関心を引き付ける宣伝効果があると思います。

これまで無賃乗車でもしないかぎり、タダでタクシーに乗れるなんて考える人はいなかったからです。

ですから、「0円タクシー」は多くの報道機関で取り上げられ、SNSでも面白いニュースとして広く拡散していると思われます。

こうしたことから、「0円タクシー」でコストはかかっても、それ以上の宣伝効果として十分に機能していると思います。

この延長線上でタクシー会社には、車体に広告宣伝を取り入れることにより、コスト削減だけでなく、低賃金で乗れるタクシーのサービスを恒常的に取り入れて欲しいと思います。

 

その他にもタクシーの車内に設置したタブレット端末で、乗客が見ていて飽きないようなコンテンツを提供し、それに連動した広告宣伝をするのも効果的ではないかと思いました。


 
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2018年12月13日
アイデアよもやま話 No.4198 1日100食限定で残業ゼロのステーキ丼店!

今、働き方改革、一方ではブラック企業が話題になっていますが、そうした中、8月15日(水)、および11月30日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で1日100食限定で残業ゼロのステーキ丼店について取り上げていたのでご紹介します。

 

まず、8月15日放送分からです。

飲食店(居酒屋)では1年間の従業員の離職率が30%と高く、人手不足が問題となっています。

その主な離職理由は以下の通りです。(出典:リクルートジョブズ ジョブリサーチセンター)

・仕事内容が体力的にきつい

・休日が少ない

・残業が多い

・給与・収入が上がらない

 

そうした中、残業ゼロという働き方改革を実現した飲食店があります。

そのキーワードは“100食限定”でした。

真夏の京都、繁華街から少々離れた場所にある佰食屋(ひゃくしょくや)、お昼にはちょっと早い午前11時に既に店内は席に座れず順番待ちの列ができていました。

お客のお目当ては国産牛100%のステーキ丼(1080円)です。

このステーキ丼にお客が殺到していました。

お客の中には、京都から姉妹で4回目に来たり、食べログで検索して高得点ということで大阪から来たお客がおります。

 

佰食屋のオーナーは中村 朱美さん(34歳)です。

元々調理学校で広報の仕事をしていましたが、2012年にこのお店を開業しました。

中村さんは次のようにおっしゃっています。

「私はお肉がすっごく好きで、今から6年くらい前にはお肉というと安い牛丼屋さんか高い焼肉屋さんしかなかったんです。」

「どっちかというとランチだったら1000円ぐらいで食べたいなという、本当に庶民的な感覚で(そういうお店を)自分が作ろうかなと思って、女性の行きやすいお店というコンセプトで作りました。」

 

佰食屋は現在京都市内に3店舗を展開、すき焼き専門店では国産牛すき焼き定食(1188円)、また肉寿司専科では肉茶漬けと肉寿司のおすすめ定食(1188円)をそれぞれ提供しています。

更に、ジェイアール京都伊勢丹でも佰食屋の肉寿司三種盛合わせ弁当(1188円)が販売されています。(月曜・金曜の11時より販売)

 

この佰食屋には、ある特徴があります。

中村さんは店内で何かを数えて、その数字をこっそり従業員に見せて回ります。

番組で取材したある日の店内の様子について、中村さんは次のようにおっしゃっています。

「今、お昼の1時ですが、76食までいってますという、(100食まで)あと24食というかたちで・・・」

 

実はこのお店はランチのみで100食限定なのです。

100食売り切れた時点で閉店するというのです。

そして、2時半に最後のお客を見送ると100食が完売、閉店の看板を出します。

 

従業員に笑顔が広がります。

中村さんがランチのみ100食限定のお店にしたのには、ある理由がありました。

中村さんは次のようにおっしゃっています。

「(飲食店は)世間ではブラックと言われたりとか、働き方が大変だったりというのを見て、私は食べるの好きやのに、そこで働いている人がしんどいって何か嫌やなとすごく思ったんです。」

「それで思い付いたのが「100食限定」で売り切って終了するっていうスタイル。」

 

現在、佰食屋では3店舗で正社員14名、アルバイト16名、合計30名の従業員が働いています。

なぜ100食限定にすると、働き方が変わるのでしょうか。

 

朝9時20分、出勤して来たのは入社して半年の社員、西村 美香さん(38歳)、西村さんは3歳と1歳の二人の子どもを持つ主婦、以前は別の飲食店で働いていました。

西村さんはその当時について次のようにおっしゃっています。

「お客さんがいらっしゃるのに忙しい状態では、やっぱり帰れなかったりとかというのがあるんですね。」

「子どもがいるので、お父さんだけに任せるのも中々心苦しいところもあったので・・・」

 

子どもの保育園の迎えは夫に任せっきり、そんな状態を変えたいと佰食屋に転職したのです。

午前9時半、まずはお店の看板を出します。

すると開店前だというのに既にお客の姿があり、予約券を渡します。

そして11時、配膳するとすぐに満席になります。

やがて午後2時頃になると、中村さんが83という数字を従業員に見せて回りました。

西村さんは次のようにおっしゃっています。

「「やっぱりあとどれぐらい?」みたいな感じで頑張れる感じがします。」

 

100食というゴールが見えているのでモチベーションをキープ出来るといいます。

そして午後3時、100食が完売、佰食屋の正規の勤務時間は午前9時〜午後5時45分ですが、西村さんは午前9時30分〜午後5時です。

保育園は午後6時までに迎えに行く必要がありますが、それが可能になりました。

西村さんは次のようにおっしゃっています。

「(給料について、)ちゃんと社会保障もしっかりしていただいているので、保険の面とか安心かなとかと思っています。」

 

佰食屋では他にもシングルマザーの方や妊娠7ヵ月の女性社員も働いています。

妊娠7ヵ月の女性社員は次のようにおっしゃっています。

「世間でいうマタニティハラスメントとかそういったことは一切無くて、すごく良くしていただいて働かせてもらっています。」

 

オーナーの中村さんも4歳と2歳の子どもを持つ主婦ですが、子育てと主婦を両立出来ているそうです。

しかし、100食限定で本当に儲かっているのでしょうか。

佰食屋の1日の売上は3店舗合計で約36万円、月間の売上は約1000万円、そのうち約30%が人件費は充てられ、従業員の給料は一般的な飲食店と同水準だといいます。

中村さんの給料や全ての経費を差し引いても利益は出ているといいます。

中村さんは次のようにおっしゃっています。

「めちゃくちゃ儲けたりはしないですよ。」

「ただ何とかやっていける数字なので、やっていけるんやったらやっぱり幸せな働き方でやっていきたいなって私は思うんです。」

 

中村さんの取り組みは今大きな注目を集めています。

関西圏の女性起業家を発掘・育成する国家プロジェクトのセミナー(7月31日、大阪府北区で開催)で中村さんは講演をし、次のようにおっしゃっています。

「私たちは飲食店の常識を翻したら、新しい働き方が出来上がりました。」

 

中村さんは女性起業家たちへのアドバイスや支援もしており、次のようにおっしゃっています。

「出来れば全国いろんな各地でこの働き方を広げられたらいいなとすごく思っています。」

 

100食限定が生み出す新たな働き方は飲食業界に広がっていくのでしょうか。

中村さんは、100食限定というシステムやレシピ、ノウハウ、こういったビジネスモデルをパッケージにして地方の飲食店に販売していくことも考えているといいます。

中村さんは、このことを働き方のフランチャイズと呼んでおり、日本の飲食店の働き方を変えていきたいと考えているそうです。

 

次は11月30日放送分からです。

中村さんは、ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019に選ばれ、授賞式のスピーチで次のようにおっしゃっています。

「私が働きたいと思う働き方を実現したら、今の働き方が出来上がりました。」

「この仕組みだったら絶対残業なんて生まれないんです。」

「絶対休みも取れる。」

「だから、この働き方をもっと日本に広めたい・・・」

 

お店の従業員は働く時間を1時間単位で選べ、育児や介護などの事情を抱えた人が正社員として活躍出来る新たな事業モデルとして高く評価されました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそも居酒屋では1年間の従業員の離職率が30%と高く、その結果人手不足が問題となっているという事実が大きな問題です。

こうした状況下で、外国人労働者を大量に受け入れるようになれば、この問題は何ら解決されないまま、居酒屋に限らずどの業界もこれまで以上に過酷な労働環境の状態が続くと容易に想像されます。

同時に、一方で外国人労働者と一緒に働く日本人労働者の待遇もこれまでより悪くなる可能性が高くなります。

こうした状況に対して、国は最低賃金を定めたり、残業時間の上限を設定したりと制度面で従業員の労働条件を保護しています。

しかし、従来の事業の進め方が続く限り、従業員は制度面でギリギリ、あるいは制度の上限を超えて働かされるところが後を絶たない状況が続くと見込まれます。

そして、今問題になっている人手不足がこうした状況に拍車をかけているのです。

 

飲食店に限らず、事業を始める際にオーナーはその事業を通して儲けたいということは誰でも考えます。

そして、消費者やユーザーに対して少しでも安くて優れた商品やサービスを提供したいとも考える経営者も少なからずいると思います。

あるいは、高価でも購入者が欲しいと思うような商品やサービスを目指す経営者もいると思います。

しかし、経営者の中には賃金や労働時間など従業員の働き方についての対応は後回しにして自分の取り分を多くすることを優先させるケースが少なからずあると思います。

このように考えると、従業員の労働環境の是非はひとえにその経営者の考え方1つで決まってしまうということになります。

 

そうした中、中村さんの展開している1日100食限定のお店はまさに“目から鱗(うろこ)”です。

「(飲食店は)世間ではブラックと言われたりとか、働き方が大変だったりというのを見て、私は食べるの好きやのに、そこで働いている人がしんどいって何か嫌やなとすごく思ったんです。」

という言葉に象徴されるように、中村さんは従業員の労働環境問題に注目したのです。

このことに対する中村さんの強い想いこそが“1日100食限定のお店”の誕生につながったと思います。

そして、番組から伝わってくるのは中村さんの考える以下のお店の運用方針です。

・会社、あるいは経営者としての利潤を重視せず、従業員の労働環境とのバランスを維持すること

・従業員の賃金は同じ業界内で平均以上を維持すること

・労働時間は1時間単位で選べること

・残業ゼロにすること

・1日の売り上げ目標を掲げ、その目標を達成したらその日の販売を終えること

・目標達成の経過を随時従業員に伝えること

・この目標を達成出来るような商品やサービスを実現させること

 

こうしたお店の運用方針は現政権の掲げる働き方改革の1つの理想パターンだと思います。

しかし、この理想パターンを現実に実現出来るかどうかはアイデア次第なのです。

なぜならば、お店の運用方針の最後に掲げたように、魅力的な商品やサービスでなければそもそも成り立たないからです。

また、飲食店に限らずどのような事業においても需要と供給の関係から、常に競争状態にあります。

そうした中、常にこの競争に打ち勝つような商品やサービスを提供し続けなければ一時的に成功を収めてもいずれ廃業に追い込まれてしまいます。

ですから、中村さんには今後とも常に業界をリードするような商品開発を続けると同時に“働き方のフランチャイズ”の展開により、日本の飲食店の働き方を変えていただきたいと思います。

また、業界によっていろいろな制約はありますが、あらゆる業界において、出来るだけ先ほど掲げたお店の運用方針に沿った経営を目指していただきたいと思います。

そうすれば、ブラック企業の撲滅、あるいは離職率の改善に大いに貢献出来るはずです。

同時に、外国人労働者の受け入れについてもスムーズに進むと期待出来ます。

 

なお、こうした働き方は以前言われていた日本の経営の特徴である“家族経営”とはちょっと違うと思います。

家族というよりも、従業員一人ひとりのライフスタイルを尊重した働き方を可能にする新たな働き方改革だと思います。

また、利潤追求を第一にはしないので、当然経営層と従業員との間の賃金格差もそれほど多くならないと思われます。

 

しかし一方で、芸術家や経営者、あるいは企画を考えたりするアイデア勝負の職種の人たちには時間的にこうした働き方は当てはまらないと思います。

こうした人たちにとっては、アイデアが生まれやすい時間こそが勝負なのです。

ですから、極端に言えば、仕事とプライベートの時間がはっきりと区別出来ない、文字通り24時間いつでも戦闘態勢にあるわけです。

 

ということで、働き方のスタイルについては、大きくこうした2つの流れがあると思うので、それぞれに即したよりよい労働環境の整備、そしてワークライブバランス(仕事と生活の調和)が求められると思うのです。


 
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2018年12月12日
アイデアよもやま話 No.4197 宙に浮く電動サーフボード!

今や、サーフィンは1年中あちこちの浜辺で見られる光景となりましたが、8月13日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で宙に浮く電動サーフボードについて取り上げていたのでご紹介します。

 

世界屈指のマリンリゾート、カリブ海に浮かぶアメリカ自治領のプエルトリコで生まれたのが宙に浮く電動サーフボードです。

プエルトリコはサーファーにとってあこがれのスポットなのですが、残念ながら波がない時があります。

ところが、4歳からサーフィンを始めたニック・リーズンさんは波がなくても乗れる次世代のサーフボードを開発しました。

ニックさんは次のようにおっしゃっています。

「サーフィンというスポーツは何十年も進化してこなかった。」

「まさに大きな進化を目の当たりにしていると言えるね。」

 

波がなくても楽しめるだけでなく、スピードが出ると浮き、まるで水の上を飛んでいるようです。

最高時速40kmでカーブも自在です。

その秘密は、サーフボードの下に電動モーターと特殊な板が付いているのです。

スピードは手元のリモコンで操作、ブルートゥースでつながっていてモーターが回転します。

スピードが出ると、飛行機の翼のような板によって浮力が生まれ、ボードが浮き上がる仕組みです。

練習すれば誰でも簡単に乗りこなせて海を満喫出来るといいます。

ボードが宙に浮くと、まるで魔法のじゅうたんで空を飛んでいるような気分を味わえるといいます。

 

世界初というこの宙に浮く電動サーフボード、開発で苦労したのは小型電動モーターでも安定して浮くための構造づくりだったといいます。

翼の部分はアルミやカーボンファイバーなどありとあらゆる素材を使って試作、部品もほぼ独自開発で徹底した防水機能を実現しました。

ニックさんは次のようにおっしゃっています。

「大きな電流と電力を流すための防水性の電源コネクターがなかったし、部品も自分で設計しなければならなかったよ。」

 

この宙に浮く電動サーフボード、商品名は「eフォイル(Foil)」(動画はこちらを参照)で価格は約132万円とかなり高価ですが、日本をはじめ世界中から注文が入り、現在(放送時)4ヵ月待ちといいます。

 

現在、サーフィンの競技人口は世界で約2300万人といい、2020年開催の東京オリンピックで初の正式種目になったこともあり、市場の拡大が期待されています。

ちなみに年間5000台売れることを目標にしているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

サーフィンといえば、自然の大きな波に乗ったり、波の中をかいくぐったりするのが醍醐味だと思います。

私も以前ボディボートに乗っていた時に、波に乗る楽しさにちょっとだけ触れることが出来ました。

しかし、その波は天候により大きく左右されます。

ですから、今回ご紹介した電動サーフボード「eフォイル」は波がなくてもサーフィンの気分を存分に味わえるという点で画期的なサーフボードだと思います。

そこで、気になるのは航続距離です。

もし動力源がバッテリーで、沖合でバッテリー切れになってしまったらどうするのでしょうか。

また実際に国内で乗るとなると、電動なので免許が必要なのかどうかも気になります。

こうした疑問はありますが、もし最寄りの浜辺で「eフォイル」教室などが開催されたら試しに乗ってみたいと思います。


 
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2018年12月11日
アイデアよもやま話 No.4196 燃えないバッテリーが地球を救う!?

8月9日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で燃えないバッテリーについて取り上げていたのでご紹介します。

 

オフロードバイクで日本最高峰のレース、全日本モトクロス選手権(7月 岩手県一関市で開催)、1秒を争うこのレースは今電気の力でエンジンをかけるセルスタートです。

今までは足でキックペダルを踏み、エンジンをかけるキックスタートだったのです。

激しいモトクロスのレースでは転倒は当たり前、そのたびに100kgある車体を起こしてからキックでエンジンをかけるのはタイムロスが大きかったのです。

そんな中、ホンダは昨年導入したセルスタートが好成績を収め、一気に普及しました。

 

これを実現させたのが小型軽量のリチウムイオンバッテリー(電池)です。

しかし、リチウムイオンバッテリーというと、衝撃に弱く、発火の危険性があります。

それを克服したのがあるベンチャー企業が開発したリチウムイオンバッテリーです。

釘を刺しても、ライフル銃で撃ち抜いても燃えません。

大企業からアメリカ軍までその実力を買うベンチャーとはエリーパワー株式会社ELIIY Power)です。

社長の吉田 博一さん(80歳)は健康維持のために毎日ストレッチを続けています。

そこまでして実現したかった“燃えないバッテリー”、その工場(神奈川県川崎市)は全自動です。

バッテリーは湿度を嫌うため、人が発する汗などは大敵、湿度が変われば品質の悪いバッテリーができ、発火の可能性が生じます。

そのリスクを徹底的に無くそうとして無人に行き着いたのです。

吉田さんは次のようにおっしゃっています。

「(なぜ安全性に徹底してこだわっているのかという問いに対して、)やはりバッテリーはエネルギーなので安全でなければいけない。」

「これ(1つのバッテリー)は手榴弾1個分のエネルギーと言われている。」

 

大きなエネルギーを蓄えるバッテリー、一つ間違えれば命に係わるのです。

一般的なバッテリーでは部材を巻いて作るため、プラスとマイナスが触れてショートが起こると熱が逃げずに膨張し、爆発に至ります。

一方、エリーパワーのバッテリーは部材を積み上げて作るため、熱が逃げ易いのです。

更に燃えにくい材料を使うことでショートを起こしても燃えないといいます。

 

総工費200億円をかけたというこの工場、ベンチャー企業がなぜそこまで出来たのでしょうか。

旧住友銀行の副頭取まで上り詰めた吉田さんが起業したのはある偶然からでした。

それは吉田さんがたまたま慶応大学のEV(電気自動車)開発プロジェクトに参加した時、吉田さんはEVの試作車の加速に心を打たれたのです。

そして、「いつかEVの時代が来る」と確信しました。

早速、吉田さんは大企業に協業を働きかけました。

しかし、ガソリンエンジンを守りたい自動車メーカーからは拒否されました。

更に三洋電機、パナソニック、ソニーといったほとんどのバッテリーメーカーのトップにも会いましたが、「あんな危ないものを大きく出来ないよ」と言われました。

そんな中、大学の別の研究室でリチウムイオンバッテリーが爆発しました。

そこで吉田さんは「だからどこの会社も作りたがらなかったのか」と気づきました。

しかし、吉田さんには「このまま終わっていいのか? だったら俺が作ってやる」という想いがありました。

この時、吉田さんは69歳、起業を決意しました。

吉田さんの考えに、新たな事業分野の開拓を目指す大和ハウス、国際石油開発帝石、大日本印刷などの大企業が賛同して出資、資本金315億円の巨大ベンチャーが誕生しました。

 

こうして出来たバッテリーは現在大和ハウスなどの住宅で太陽光で発電した電気を溜めるバッテリーとして使われています。

吉田さんは次のようにおっしゃっています。

「将来的には大和ハウスさんの住宅で電力事業が必ず出来ると思っています。」

 

なお、エリーパワーのバッテリーは通信システムを搭載しており、遠隔で充電・放電のコントロールも出来ます。

街全体のバッテリーを一元管理することで、今後街の中で電気を融通したり、電気を別のエリアに売ることも可能になります。

燃えないバッテリーが生活を大きく変えようとしているのです。

吉田さんは次のようにおっしゃっています。

「太陽光もある、風力もある、バイオもある、地熱もあるという、いろいろな発電はあるけど、これを本当に同質のエネルギーにするにはバッテリーしかない。」

「バッテリーというのはこれから地球も救っていくことになるんだろうなと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

将来的に全てのエネルギーを太陽光などの再生可能エネルギーで賄うようにするためには吉田さんのおっしゃるように、またプロジェクト管理と日常生活 No.570 『太陽光発電存続の危機とその対応策!」でもお伝えしたように、発電した電気を蓄えておくためのバッテリーがなくてはならないのです。

しかもこのバッテリーを普及させるためには、低価格で小型、しかも安全性を兼ね備えていなければなりません。

しかし、現状ではバッテリーはとても高価格です。

ですから、低価格で小型、しかも安全性を兼ね備えたバッテリーの実現こそが再生可能エネルギーの世界実現の大きなカギなのです。

ということで、エリーパワーのみならず全てのバッテリーメーカーには是非低価格で安全なバッテリーを出来るだけ早く開発していただきたいと思います。


 
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2018年12月10日
アイデアよもやま話 No.4195 危機的な状況にある廃プラスチックのリサイクルの実態!

8月8日(水)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で危機的な状況にある廃プラスチックのリサイクルの実態について取り上げていたのでご紹介します。 

 

家庭から出されるペットボトルは分別されて国内できちんとリサイクルされているんですが、職場やコンビニなどから出るペットボトルは中に飲料が残っていたり、お弁当の容器と一緒に捨てられていたりするので、国内のリサイクルには回すことが出来ないものもあるといいます。

それらは廃プラスチックとして中国に輸出しています。

ただ、その中国が昨年の暮れに突然廃プラスチックの受け入れを禁止しました。

 

果たして国内で廃プラスチックの処理が出来るのか、現場にカメラを入れると驚くべきリサイクルの危うさが浮かび上がってきました。

廃プラスチックを輸出してきた日本、その約8割は中国に送られ、リサイクルされてきました。

その量は年間約130万トンに上ります。

ペットボトルやポリタンクのプラスチックは中国の業者がきれいに洗浄し、細かく分解、再びプラスチック製品にするための素材、ペレットに作り替えます。

廃プラスチックの中には汚れたままのものも多く、洗浄液を使って出た排水はそのまま川に流されていました。

このため環境汚染や健康被害が懸念されるようになりました。

中国政府は昨年12月末に廃プラスチックの輸入禁止に踏み切りました。

中国に輸出出来なくなったことで、日本のリサイクルの現場には混乱が広がっています。

都内大田区にある廃棄物処理会社では、オフィスや小売店などから出たプラスチックを集め、月に200トンほどを洗浄しないまま中国に輸出してきました。

行き場を失った汚れたままの200トンほどのプラスチック、洗浄する設備を自社で整えることは資金面で難しく、この会社に残されたリサイクルの選択肢はほとんどありません。

まず始めたのが袋や包装フィルムなど、軽くて燃えやすいプラスチックだけを選び、セメント工場などで燃料として使うリサイクルです。

しかし、持ち込める工場が少ないため処理出来るのは200トンほどのうちの5%に止まります。

残りの95%はリサイクルを諦め焼却施設に持ち込むことにしました。

しかし、そこで新たな問題が発生しました。

同業者から持ち込みの依頼が殺到し、今後全ては引き受けてもらえない恐れが出て来たのです。

焼却施設は焼却炉の性能から1日に処理出来る量を厳密に定めているからです。

焼却も出来なければ、最後は埋め立て処分場に持ち込むしかありません。

しかし、ゴミとして埋め立てれば環境汚染の懸念が残るため、出来れば避けたいと廃棄物処理会社、東港金属の社長、福田 隆さんは考えており、次のようにおっしゃっています。

「もうこれ以上になると、受けきれないレベルにもうなってきます。」

「もうまさに今、瀬戸際のところまで来ているというような状況です。」

「非常にじくじたる思いというのか、我々の本意ではないですね。」

 

不適切な処理だと指摘されるケースも出てきました。

福島県南部の町、山間の土地で昨年建設資材とみられる大量のプラスチックが粉砕された状態で見つかりました。

発見した福島県が廃棄物と見られる大量のプラスチックを持ち込んだことは不適切だとして、業者に対し行政指導しました。

県によると業者も不適切だったと認め、撤去を始めました。

町は不審な動きがあれば、警察に通報するため、町内11ヵ所に監視カメラを設置し、警戒を続けています。

 

先が見通せない国内での廃プラスチックのリサイクル、環境省は8月に輸出出来なくなった廃プラスチック処理の実態調査に乗り出しました。

国内のリサイクル市場を拡大させるためには何が必要か、検討することにしています。

環境省廃棄物規制課の成田 浩司課長は次のようにおっしゃっています。

「今回、間違いなく危機にあると思いますので、廃プラスチックの処理能力を増やすための施設の新設・増設、そういった点を調べたいと考えております。」

 

もはや個人がペットボトルの分別を頑張ったとしてもこれでは限界があります。

欧米ではこれまでのところ、プラスチック製のストローを止めようといった“脱プラスチック”の動きが広がっている他、企業が自らこれ以上は新たなプラスチックを増やさないという取り組みも始めています。

アメリカに本社がある大手飲料メーカーでは、自社のペットボトルを自ら回収し、再びペットボトルにしています。

コストをかけてでもこうした取り組みをする背景には、“環境に優しい”というブランドイメージを上げるだけではなく、投資家の評価が得やすいということもあって、自社だけでなく他社のペットボトルまで回収してペットボトルにしているといいます。

 

もはや中国頼みのリサイクルが限界となった今、持続可能な仕組みに作り替えるには、私たちを含めて社会全体の意識を変える必要がありそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

いずれ枯渇する化石燃料を使用する火力発電は稼働出来なくなり、世界的に原発事故の危険性が認識されている中、そして環境破壊や地球温暖化が進んでいる中、エネルギーや環境、およびCO2排出量削減に係わる課題は今や世界的に大きなものとなっています。

そして目指すべき方向は明らかで“持続可能な社会”の実現です。

 

こうした中、廃プラスチックを輸出してきた日本、その約8割は中国に送られ、リサイクルされてきました。

しかし、その中国が環境汚染や健康被害が懸念されるようになり、中国政府は昨年12月末に廃プラスチックの輸入禁止に踏み切ったのです。

そして中国に輸出出来なくなったことで、日本のリサイクルの現場には混乱が広がっているというのが現状です。

 

そもそも“持続可能な社会”の要件の1つは、“地産地消”、あるは“国産国消”が原則であり、同時に消費した後の廃棄物の処理も含めた対応が求められます。

ところが、現状では廃プラスチックの処理については、国内で処理するよりも人件費の安い中国に輸出していたことから、今回のような問題が起きているのです。

 

“持続可能な社会”においては、個々の製品の製造から加工、物流、消費、およびその後の廃棄まで含めたプロダクトサイクル全体のプロセスにおいて、3R、すなわちReduce、Reuse、Recycleが徹底されなければならないのです。

ですから、そもそも廃プラスチックに限らず、廃棄物の処理を中国など他国に依存すること自体が間違いだったのです。

 

ではどのような対応策を実施すべきかですが、企業の中には率先して個別に対応策を実施しているところも出て来ています。

また、環境省もようやく8月に輸出出来なくなった廃プラスチック処理の実態調査に乗り出しました。

しかし、根本的な対応策は現行のプラスチックに替わる素材を使用した、環境に負荷のかからないストローやペットボトルなどの実用化です。

そこで思い出されるのは、アイデアよもやま話 No.4118 “脱プラスチック”の新素材を開発した日本のベンチャー企業に商機!でご紹介した、株式会社TBMにより開発された「LIMEX(ライメックス)」という新素材です。

ちなみに、この新しい「LIMEX」は既にEUから注目を集めているといいます。

ですから、この「LIMEX」の実用化に向けて、国も積極的に支援するかたちで早急に実用化に向けて取り組み、世界展開を図っていただきたいと思います。


 
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2018年12月09日
No.4194 ちょっと一休み その676 『ユーザー目線が欠如している消費増税に伴う軽減税率の指針!』

現行の8%から10%への増税の時期は2019年10月となり、そうした中、11月18日(日)放送の「報道プライムサンデー」(フジテレビ)で消費増税について取り上げていました。

そこで番組を通して、ユーザー目線が欠如している消費増税に伴う軽減税率の指針についてお伝えします。

 

11月に来年10月に予定されている消費増税で導入する予定の軽減税率の指針が示されました。

食品などは持ち帰れば消費税は8%、今人気のイートインで食べると10%、スーパーの怒りはこの確認方法の指針です。

指針には以下の記述があります。

店内飲食か持ち帰るかの意思確認を行うなどの方法で判定していただくことになります。

営業の実態に応じた方法により意思確認を行うこととして差し支えありません。

 

今回の増税について、東京都足立区にあるスーパー、「生鮮市場 さんよう」の取締役、阿部 芳邦さんは次のようにおっしゃっています。

「実際はどう対応していいか分からない。」

「制度を作ってよろしくなだったら、もう少し細かなところまで決めてからやって頂きたい。」

 

会計が複雑になると心配しているのです。

番組では軽減税率導入後のスーパーのレジを想定して、実際のレジでの店員とお客のやり取りを再現していました。

設定は3人家族の父親で、何かイートインコーナーで食べて帰ろうと考えています。

生鮮食品に海鮮丼、ヨーグルトなど商品16点をカゴに入れました。

生鮮食品以外はどれもイートインコーナーで食べられそうです。

これらの商品をスーパーのレジ歴10年以上の大ベテランにいつも通りに会計してもらうと、手際よくバーコードを読み込ませ、わずか20秒でした。

では、同じ商品で軽減税率導入後を試験してみると、イートイン出来そうな商品については、店員がいちいちお客にイートインを使うかどうかを確認しています。

会計終了、その間1分50秒でした。

カゴもイートイン用と持ち帰り用に分け、確認しなければトラブルの元になります。

会計したレジ担当者は次のようにおっしゃっています。

「面倒くさいです。」

「他のお客様にご迷惑をお掛けしてしまうことになると思います。」

 

なお、消費増税の悩みはお店だけではありません。

増税後に様々な優遇政策が予定されているのです。

ですから、増税前、それとも増税後、いつ買えばいいのか迷ってしまうのです。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

そもそも政府は「働き方改革」で働き方の生産性向上を目指しているのに、番組でのスーパーのレジの再現でも分かるように、スーパーのレジ担当者の軽減税率導入後の生産性はグンと落ちてしまいますから「働き方改革」の狙いとは真逆の結果をもたらします。

そればかりでなく、買い物客もこれまで以上にレジでの待ち時間が増えることになってしまいます。

その結果、買い物客のストレスが溜まり、レジ係との間の無用のトラブル発生が予想されます。

こうしたことから、言えるのは政府の考える軽減税率には、買い物客、およびスーパーなどユーザー目線が欠如しているということです。

軽減税率の導入そのものは、既に海外でも導入されているといいますが、問題は購入した商品をイートインで食べるかどうかによって消費税率が異なるというところです。

このまま政府の指針通りに消費増税が実施されれば、買い物客やスーパーなどにそのしわ寄せが行き、国民全体から不満の声が高まり、政府の推し進める軽減税率は破たんしてしまう可能性が高いと思われます。

ですから、政府には少なくともイートインで食べるかどうかによって消費税率が異なるような方法は取らず、ユーザー目線に立った方法を取っていただきたいと思います。

 

なお、消費増税の負担軽減策に関して、11月21日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で番組コメンテーターでA.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんが次のようにおっしゃっています。

「増税のための減税みたいな話が沢山あって、政策総動員ですけど、税制がどんどん複雑化してちょっとスジが悪いなというふうに見えます、特に軽減税率に関して。」

「で、軽減税率で一番恩恵を受けるのは大量に高額食料品を買う富裕層ですし、そもそも貧困層への生活支援ということであれば、いかにも中途半端で、給付対象を絞って直接給付にした方がはるかに効果的だと思います。」

 

全くおっしゃる通りだと思います。


 
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2018年12月08日
プロジェクト管理と日常生活 No.570 『太陽光発電存続の危機とその対応策!」

前回は大規模な太陽光発電の普及の弊害とその課題対応策についてお伝えしました。

そうした中、10月23日(火)放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で太陽光発電存続の危機について取り上げていいました。

そこで、番組を通して太陽光発電存続の危機とその対応策についてご紹介します。

 

大規模な太陽光発電事業を展開する事業者(メガソーラー事業者)がありますが、大きな問題が立ちはだかっています。

例えば東京電力が公開している茨城県の地図では全域がピンク色です。

実はこの色、送電線の「空き」がないことを示しています。

送電線が使えないと太陽光パネルで発電してもその電気をどこにも送れません。

ですから事業にならないのです。

平らな土地が安く手に入り、太陽光発電には絶好な条件が揃う茨城県、しかしその全域がピンクで埋め尽くされています。

しかし、福島原発から首都圏へ電気を送る巨大な送電線がありますが、原発が動いていない今、空いているのではないかと思われています。

 

首都圏の送電線を管理する東京電力パワーグリッド株式会社(東京都千代田区)の劉 伸行系統計画室長はこうした状況について、次のようにおっしゃっています。

「福島第一原発の廃炉等々がございましたので、従前に比べれば「福島幹線」の容量の空きは十分にあると思っております。」

「再生可能エネルギーにご活用いただけるようには、必要となる連携の変電所とか、そういうものが必要になってまいりますけども、・・・」

 

設備を増強する必要はありますが、空いている送電線は太陽光発電のために使えるといいます。

更に送電線を増やす計画もありますが、その工期は約9年かかり、建設の準備を進めているという状況なのです。

一方で、劉さんは次のようにおっしゃっています。

(メガソーラー事業者が)「認定」だけ取って、発電をやっていないという話になるんであれば、その分当然送電線の「空き」は出来るということになります。

 

「認定」とは、国が与える送電線を使う権利のことです。

「認定」が増えていくと、送電線が埋まっていきます。

いっぱいになると、それ以上は受け付けられません。

再生可能エネルギーを使った発電では、全国で約8500万kw分の送電線が「認定」されています。

しかし、実際には約4100万kw分しか使われていません。(資源エネルギー庁 まとめ 2012年7月〜2018年3月)

つまり「認定」を取った事業者のほぼ半分が発電をしないまま、権利だけを抑えているのです。

 

この制度をつくった経済産業省の電力基盤整備課の曳野 潔課長は次のようにおっしゃっています。

「そういう方(「認定」を受けた方)が、例えば事業を断念するようなことがあれば、新しく再生可能エネルギー発電をやりたいと思っている方にその枠が振り向けられるということも可能だと思います。」

「(国として断念してもらうことについて、)国が個別の事業者の意志に介入して「やめろ」とか「やれ」とかそういうことは非常に不適切だと思っています。」

 

本当に発電したい事業者が発電出来ない実態を国は知っていますが、何も出来ないというのです。

 

さて、太陽光発電事業を全国に展開する株式会社エンブルー(東京都千代田区)の社長、三浦 浩之さん(35歳)は野村證券の出身で、当時のお客に太陽光について相談を受けたのがこの業界に飛び込むきっかけでした。

最初はビジネスばかりを考えていましたが、次第に変化が出てきました。

三浦さんは次のようにおっしゃっています。

「結局、民間企業が頑張らないと原子力・火力・再エネ(再生可能エネルギー)の中で、民間が出来なかったら火力と原子力しかなくなっちゃうんですよね。」

「で、私自身やっぱり原子力と火力に依存する国がこれから何十年も続いていく姿はあまり想定したくないので、まさにこの正念場となったこの時期だからこそもっとアクセルを踏んでやっていくべきだと思っています。」

 

送電線の問題に直面する三浦さん、それでも何とか太陽光発電を拡大したいと考えていました。

その意外な一手とは、送電線を使う権利を持つ認定を受けた企業を調べ上げたリストの活用です。

送電線に空きがないなら、権利を持つところから土地を買い取るという作戦です。

当たってみると、意外に手ごたえがありました。

10月上旬、認定を持つ事業者と約束を取り付けた三浦さんが向かったのは送電線がいっぱいだった茨城県常陸大宮市です。

この開発業者は、三浦さんを案内した土地に商業施設をつくり、太陽光発電を設置するための認定は取りましたが、設備を自分たちで管理出来ないというのです。

三浦さんは、自分たちなら太陽光発電をうまく運営出来るとアピールしました。

開発業者は次のようにおっしゃっています。

「将来的にも可能性のある物件を保有しているので、いろいろなことで相談させていただいてチャンスがあればと思っています。」

 

こうして三浦さん、何とか契約の見通しが立ちました。

しかし、そんな時、また新たなハードルが現れました。

それは九州電力からの書類、「今秋の九州本土における再生可能エネルギー出力制御実施の見通しのお知らせ」でした。

出力制御とは、太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が買い取らず、そのまま捨ててしまうということです。

発電量が多過ぎると消費する電力量とのバランスが崩れて、電気の状態が不安定になり、これが停電の原因になります。

そこで電力会社は発電量が多過ぎる時に太陽光発電などを切り捨ててバランスを保つのです。

出力制御が続くとビジネスが成り立たなくなります。

しかし、なぜ今なのか、今年に入って九州電力は玄海原発2基を再稼働、合わせて約240万kwの出力で電力供給量が大幅にアップしたのです。

その分出力制御の可能性が高まります。

こうした状況について、三浦さんは次のようにおっしゃっています。

「(出力制御は)再エネの事業者としては、大きな逆風になりますので、見通しが立てられない、事業計画が立てられないので、じゃあ来年、再来年、太陽光発電者の開発って続けられるのかって分かりません。」

 

原発の再稼働が出力制御にどれほど影響するのか、番組が九州電力に取材を申し込むと回答が文書で寄せられました。

以下はその回答の内容の一部です。

 

原子力発電所の再稼働如何に関わらず、今後、電力需要が低く推移する春秋の休日等には、以下のような需給状況の変動要因によって九州全体の発電量が需要量を上回る可能性があります。

  1. 予想以上の需要の減少

  2. 太陽光、風力の接続量の大幅な増加

  3. 想定以上の降雨による水力発電所の供給力増

  4. 揚水発電所の想定外のトラブル

 

供給力が電力需要を上回る状況になった場合には、あらかじめ定められた国のルール(優先給電ルール)によって、九州エリア内の火力発電の出力制御、揚水発電の活用(上ダムへの水の汲み上げ)、関門連係線を活用した他エリアへの送電(長周期広域周波数調整)等、運用上の対応を行いますが、それでも厳しい場合には電力の安定供給維持のため、ややむを得ず再生可能エネルギーの出力制御を行う必要があります。

 

九州本土では、今春昼間には太陽光出力が最大となった時点で電力需要の8割程度となり、その後も太陽光の接続は増加しているため、火力発電などの調整による需要と供給のバランスの維持が困難な状況になりつつあります。

 

というように、再生可能エネルギーの出力制御については国の手順に従ったという回答でした。

一方で、太陽光発電はピーク時には需要の8割程度を満たし、太陽光発電が今や大きな役割を果たしつつあることも明らかにしました。

この状況について、専門家の東京理科大学大学院の橘川 武郎教授は次のようにおっしゃっています。

「九州電力は、1基も原発が動いていないとしたら、このタイミングで出力制御はしていないかもしれません。」

「優先順位は原子力発電がまずあって、太陽光発電より上だったことが示されたと。」

 

政府の方針とは裏腹に現場では太陽光発電より原子力発電が優先されていると指摘したのです。

更に次のようにおっしゃっています。

「一つ大きく九州電力にも他の電力会社にも見落としている論点があるんですよね。」

「それは、原子力発電は不安定な電源だっていうことなんです。」

「例えば自分の会社が問題なく運転してたとしても、他社が問題を起こして事故やトラブルがあったら現実に「3.11」後に起きましたが、いつ止まるか分からないですよね。」

「残念ながら「3.11」前と変わらない発想だと思います。」

 

九州電力は10月20日と21日、約50万kwから90万kwを出力制御、1日に原発約1基分に当たる太陽光による発電量が捨てられました。

こうした状況について、三浦さんは次のようにおっしゃっています。

「逆風の中で一民間企業として工夫と努力でやれることは引き続き最大限やっていって、何とか汗をかいて知恵を絞れば出来る案件は是非全部取り込んでいきたいと考えています。」

「それだけでもまだチャンスは残っていると思うんで・・・」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

番組を通して、まず驚いたのは、九州本土では今春昼間には太陽光出力が最大となった時点で電力需要の8割程度となり、その後も太陽光の接続は増加しているという事実です。

国内でも地域によってはここまで太陽光発電の導入が既に進んでいるのです。

そして再生可能エネルギーを使った発電では、全国で約8500万kw分の送電線が「認定」されているということです。

一般的に原発1基の発電出力はほぼ100万kwと言われていますから、認定されている再生可能エネルギーによる発電の出力はほぼ原発85基分に相当します。

勿論再生可能エネルギーによる発電量は発電効率や天候などに左右されますから、実際の発電量は原発に比べてかなり少なくなります。

一方で、「認定」を取った事業者のほぼ半分が発電をしないまま、権利だけを抑えているという事実は事業者のビジネスに対するシビアさを物語っています。

こうした事業者の中には、設置場所の当てもなく太陽光発電システムの価格が下がるのを待ってから設置を考えたり、その権利を転売して儲ける事業者が出て来たとの報道もあります。

 

さて、番組の内容を参考に太陽光発電存続の危機の具体的な内容について以下にまとめてみました。

・上記のように、「認定」を取った事業者のほぼ半分が発電をしないまま、権利だけを抑えているために、本当に発電したい事業者が発電出来ない実態を国は承知しているが、何も対応出来ない状態であること

・太陽光発電より原子力発電が優先されたかたちで出力制御が実施されていること

・再生可能エネルギーにより発電した電力を系統電力に送る送電線の対応が不十分であること

 

では、こうした問題の対応策ですが、まず「認定」関連については、そもそも国が「認定」制度を実施する際に、権利だけを抑える事業者が出てくるというような想定をするフィージビリティスタディ(事前調査)をしっかりとしてこなかったことが大きな理由だと思います。

常識的に考えても、太陽光発電の設置を推進するうえで、未だに具体的な計画がない事業者については設置期限を決めて、それまでに設置出来ないと回答した事業者には「認定」の取り消しを行い、他の事業者が新たに「認定」出来るように速やかに制度を変更すべきです。

 

また出力制御については、火力発電にしても原発にしてもすぐに稼働させたり、稼働を停止させたりすることは出来ません。

こうした背景や太陽光発電のような再生可能エネルギーによる発電の不安定さもあって、出力制御が必要になった場合にまず再生可能エネルギーが対象になってしまうと考えられます。

では、火力発電、原発、そして再生可能エネルギーにより発電された電力をどのようにバランスして供給すべきかですが、その対応策は2つ、再生可能エネルギーにより発電された電力を一時的に蓄えるためのバッテリーの導入、および電力における“地産地消”政策、すなわちスマートグリッドの推進だと考えます。

バッテリーの導入により、再生可能エネルギーで発電した電力を溜めるダムのようにバッテリーを位置付けるのです。

また、再生可能エネルギーによる発電は、個々の設置面積としては火力発電や原発ほど広大な土地を必要としないので“地産地消”に適しています。

そしてこの“地産地消”は自ずから発電した電力を系統電力に送る送電線の負荷を最小限にすることが出来るのです。

 

ということで、早急に余剰電力を溜めるための、低価格で小型、しかも安全なバッテリーの実用化、およびスマートグリッド政策の具体化が求められるのです。


 
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2018年12月07日
アイデアよもやま話 No.4193 洋食器メーカー、ノリタケに見る企業の存続要件 その3 食器をルーツとした卓越した商品力!

8月12日(日)放送の「知られざるガリバー〜エクセレントカンパニーファイル〜」(テレビ東京)で洋食器メーカー、ノリタケについて取り上げていました。

そこで、番組を通して3回にわたってご紹介します。

3回目は「食器をルーツとした卓越した商品力についてです。

 

洋食器で世界的な人気を誇る株式会社ノリタケカンパニーリミテド(愛知県名古屋市)は今や世界中に広く知られるブランドへと成長しています。

その一方で食器以外の事業も展開、1939年に工業用砥石の本格的製造を開始、更に1967年から食器製造で培った技術を応用・発展させた電子部品を開発するなど、事業を拡大していきます。

社長の加藤 博さんは次のようにおっしゃっています。

「食器から根っこがあって、そこから派生した商品が沢山あるんですね。」

「切ったり、磨いたり、混ぜたり、焼いたり、そういったものに関しては我々は全ての技術を持っている。」

 

洋食器メーカーとして世界に名をはせるノリタケ、現在では食器作りで培った技術で日本のモノづくりを支えています。

食器作りから派生したという新たな事業、どんな共通点があるのでしょうか。

 

食器以外に展開するノリタケの3つの事業では日本のモノづくりを支える数多くの製品を開発、今や会社を支える大きな柱になっています。

加藤社長は次のようにおっしゃっています。

「まず売上高の半分以上、55%ぐらいを占めるのが工業機材事業です。」

 

作っているのは砥石をはじめ、モノを加工する工具も扱っています。

工業用砥石は高速で回転させて主に金属の部品や素材の表面を削ることにより形を整えたり、表面を磨いたりするための工具です。

自動車エンジンの部品やベアリングなど金属部品に多く使われて、国内トップシェアを誇ります。

砥石の粒度というのは表面の目の粗さ、磨いた後に大きな違いが出ます。

粒度が異なる砥石を使うことで、様々な加工を施すことが出来るのです。

これも食器から派生した技術で作られているのです。

食器とは全く異なる砥石、どこに食器作りの技術が生かされているのでしょうか。

工業機材事業本部の三好工場グループリーダー、早瀬 勝さんは次のようにおっしゃっています。

「今、砥石が積まれた状態です。」

「この後、窯に入れて蓋をして焼成するという工程に入ります。」

「それぞれの砥石に均一に熱が入るような並べ方をすることが重要なポイントです。」

「(砥石は)食器の方から来た技術を取り込んで製造しております。」

 

実は砥石の作り方は絵柄を入れること以外、食器作りと似ているのです。

まず分量を量って容器に入れた材料をよく混ぜていきます。

そしてドーナツ状の型へ流し込みます。

ここでも重要なのは“均一”です。

砥石として使う際に安定して回転するよう、原料を均一に行き渡らせます。

砥石の形になったのはその後大きな窯の中へ、食器作りとの違いは材料に研磨剤となる硬い石の粒を加えることです。

だから食器づくりの技術を応用出来るのです。

 

またノリタケは砥石を焼く窯を製造しました。

砥石は1000℃以上の高温でおよそ1週間焼きます。

高い温度を長時間保つこの窯は食器を焼く窯の経験を生かして開発した自社製です。

今ではノリタケの窯はリチウムイオンバッテリーを作る会社が導入、欠かせない装置として活躍しています。

高い精度が求められるモノづくりの現場で食器づくりの技術は活用されているのです。

食器づくりの技術を生かした事業では、意外な製品もあります。

加藤社長は次のようにおっしゃっています。

「MLCC(コンデンサー)と言われているもので、スマートフォンなどそういったところで沢山使われております。」

 

スマホやノートパソコンに使われるMLCCと呼ばれる電子部品、蓄えた電気をコントロールして電圧を調整するこの小さな部品(電極版)の中に食器づくりで使われている技術が役立っているといいます。

加藤社長は次のようにおっしゃっています。

「(食器の)こういった金も実は24金を塗っているわけですけど、貴金属をペーストにする技術というのを全部持っていまして、絵の具と言えば絵の具ですね。」

「様々なペーストを作って、そういったメーカーに供給していると。」

 

ここで応用されているのは、食器を彩る絵の具づくりの技術です。

特に金加飾という金を使った技法で数多くの食器を作って来たノリタケ、その経験を生かしてペーストと呼ばれる、金属の特性を保ったまま粘液を作ることに成功しました。

それが何に使われているのかですが、開発・技術本部 研究開発センターの青山 貴征さんは次のようにおっしゃっています。

「ペーストの印刷テストをやっております。」

「銀の粉と有機物で出来たペーストになっていて、これに熱を加えることで導電性が出るという、銀の配線になるんですね。」

 

ガラスの板を機械の中に入れると、出て来たガラスにはペーストで描かれた何本もの線が現れます。

「ペーストをライン状に印刷したものになります。」

「回路のパターンのため、印刷という技術が簡便で制作に向いている・・・」

 

印刷するだけで電気の通り道に、この技術が電子部品の製造に役立つのです。

ちなみに、ペーストの印刷に使われていた技術は転写紙を印刷する技術、食器づくりで磨かれてきた2つの技術を新しいテクノロジーに応用しているのです。

加藤社長は次のようにおっしゃっています。

「(番組の中で)ずっと見てもらったものはほとんどの食器から派生しているということで、根っこは一つだったと。」

「そこから大きくなったということがよく分かると思います。」

 

「やっぱり一つの産業というか商品というのは30〜40年くらいしかもたないんですよね。」

「ということで、様々な商品に種を蒔いていると。」

「で、ただ種の蒔き方というのは食器から派生した商品で行けば、種蒔きも早く芽が出るし、良い花が咲くんじゃないかなと。」

 

守って来た伝統を新たな技術へ、ノリタケのパイオニア精神が感じられます。

食器づくりで培った技術で日本のモノづくりを支えるノリタケカンパニーリミテド、より良い製品と技術を提供するために挑戦はまだまだ続きます。

加藤社長は次のようにおっしゃっています。

「世界から必要であるよと思われると言うことを追求したいということですね。」

「それが信頼を勝ち得るし、世間から必要とされるという証だと思います。」

 

明治時代、西洋の技術に独自の改良を加えて大きく飛躍した食器づくり、企業を成長させたその技術をルーツに国境を超える新しい技術力をその先もたゆまず磨き続けます。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

ノリタケと言えば食器、あるいは陶器というイメージがありますが、今や売上高の半分以上、55%ほどは工業機材事業が占めているのです。

そして、ノリタケは砥石を焼く窯を自社で製造し、今ではノリタケの窯はリチウムイオンバッテリーを作る会社が導入、欠かせない装置として活躍していることはあまり知られていないと思います。

更に、スマホやノートパソコンに使われるMLCCと呼ばれる電子部品にも食器づくりで使われている技術が役立っているといいます。

こうした高い精度が求められるモノづくりの現場で食器づくりの技術が活用されているのです。

加藤社長は、一つの商品は30〜40年くらいの寿命だとおっしゃっていますが、実際にノリタケでは食器づくりの技術をベースに次々にその技術を応用した製品づくりに挑戦しています。

その際、長年の食器づくりで培われた技術がその開発スピードを速めるのに役立っているわけです。

 

さて、3回にわたってノリタケの成長をご紹介してきましたが、そこから企業の存続要件が見えてきましたので以下にまとめてみました。

・根幹となる技術を極め、世界的に圧倒的な競争力のある製品づくりを目指すこと

・根幹となる技術を応用してタイムリーな新製品づくりを継続すること

 

ノリタケのこれまでの軌跡をたどると、たまたま食器づくりの技術が時流に乗った製品づくりに応用出来たというラッキーな面もあったと思いますが、いずれにしても根幹となる技術がしっかりしていたからだと思います。

また、経済がグルーバル化した現在、国内トップの技術を有していても、世界的な競争には勝ち残れないのです。

ですから、あくまでも世界でナンバーワンの技術、商品づくりを目指すことが求められるのです。

 

そしてやはりとても大切なのは“良品 輸出 共栄”という経営理念が従業員全体の心の拠り所となり、その時々の経営者がしっかりと心に刻み込み、事業展開したことだと思います。


 
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2018年12月06日
アイデアよもやま話 No.4192 洋食器メーカー、ノリタケに見る企業の存続要件 その2 成長の変遷 、日本の富を取り戻すために!

8月12日(日)放送の「知られざるガリバー〜エクセレントカンパニーファイル〜」(テレビ東京)で洋食器メーカー、ノリタケについて取り上げていました。
そこで、番組を通して3回にわたってご紹介します。
2回目は「成長の変遷 、日本の富を取り戻すために」についてです。


洋食器で世界的な人気を誇る株式会社ノリタケカンパニーリミテド(愛知県名古屋市)には創業時から大事にして来た理念、“良品 輸出 共栄”があります。

その一つ、“輸出”については、なぜ理念の1つとして挙げているのか疑問に残ると前回お伝えしましたが、今回はその疑問に迫ります。

 

ノリタケはなぜ日本で慣れ親しまれた和食器ではなく、洋食器で世界の市場に挑んだのでしょうか。

ノリタケの歴史は幕末に遡ります。

当時の日本は欧米との貨幣交換率が悪かったため、富が海外へ流出していました。

創業者、森村 市左衛門は海外通の知識人に相談していました。

社長の加藤 博さんは次のようにおっしゃっています。

「日本から金銀がどんどん流出しちゃうと。」

「それを取り返すには商業を興して貿易を興してアメリカから金銀を取り返しなさいと。」

 

1876年、弟の豊(とよ)とともに外貨を獲得するためニューヨークへ行き、日本で販売していた雑貨の中で売れ行きのよかった陶磁器に目を付けました。

そしてアメリカで需要が高いディナーセットを作る洋食器製造工場を1904年に日本で建設しました。

加藤社長は次のようにおっしゃっています。

「洋食器を作らないとアメリカでは商売にならないねと。」

「しっかりとしたものを作ってアメリカに輸出したら、爆発的にヒットして当初の目的、アメリカから金を取り返すことに貢献したと。」

 

その後もトレンドの変化などを敏感に取り入れて人気を拡大、洋食器輸出量は増大、順調に業績を伸ばし、世界中に広く知られるブランドへと成長したのです。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず、ノリタケが創業時から大事にして来た理念の一つに“輸出”を入れている背景は、当時の日本が欧米との貨幣交換率が悪かったため、富が海外へ流出してしまい、それを取り返すことにあったというわけです。

ここには国家存亡の危機に一企業の立場から「何とかしなければ」という創業者の切実な想いが伝わってきます。

そして、ノリタケはアメリカで商売するためにアメリカ人に受け入れられるように洋食器づくりを始め、爆発的にヒットして当初の目的であるアメリカから金を取り返すことに貢献したのです。

その後も継続してトレンドの変化などを敏感に取り入れて人気を拡大、今や世界的なブランドへと成長したというのです。

 

今や多くの企業経営は何らかのかたちでグローバル化しています。

ですから、企業理念としてことさら“輸出”を含めずに“良品 共栄”でもいいのではないかと思います。

このように考えると、一見企業理念は不変のように思えますが、時代の流れとともに根本は変わらずともその見直しをしてみることの必要性を感じます。


 
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2018年12月05日
アイデアよもやま話 No.4191 洋食器メーカー、ノリタケに見る企業の存続要件 その1 洋から和、和から洋へ !

8月12日(日)放送の「知られざるガリバー〜エクセレントカンパニーファイル〜」(テレビ東京)で洋食器メーカー、ノリタケについて取り上げていました。

そこで、番組を通して3回にわたってご紹介します。

1回目は「洋から和、和から洋へ」についてです。

 

日本には世界に誇るガリバー企業が数多くあります。

そんな企業を多くの方々に知っていただくことで日本に誇りと活力を与えたい、企業の力は日本の底力、この番組では知られざるガリバーを紹介しています。

 

さて、今回取り上げられたのは洋食器で世界的な人気を誇る株式会社ノリタケカンパニーリミテド(愛知県名古屋市)です。

明治時代に近代的手法で日本初の洋食器を生産して海外に輸出、高い品質、そして流行を塵入れたデザインで人気を博し、その名を広めていきました。

社長の加藤 博さんは次のようにおっしゃっています。

「今我々が作っている商品、工業機材とかセラミック、あるいはエンジニアリングにしても全部食器から来ている。」

 

現在では100年以上にわたって培ってきた食器作りの技術を高揚して事業を拡大、自動車の部品を加工、研磨する工業用砥石は国内シェアトップに、また高温で焼く焼成窯や電子部品なども手掛けて日本のものづくりを支える存在となったノリタケ、番組ではその成長の秘密に迫ります。

 

ノリタケには創業時から大事にして来た理念があります。

加藤社長は次のようにおっしゃっています。

「“良品 輸出 共栄”っていう3つの単語です。」

「“共栄”っていう言葉が入れてあるっていうことがその当時(明治時代)としては凄いなと私は思っていまして、敵に戦って勝てばいいなっていうことではないなと。」

 

100年以上語り継がれて来た3つの言葉“良品 輸出 共栄”、この理念はどのように息づいているのでしょうか。

ガリバー、その実像、洋から和へ、和から洋へ

従業員数5012人、食器事業の他に工業用砥石やエンジニアリング装置などの事業を展開、年商はほぼ右肩上がりで1179億円(2017年度)に上ります。

海外にも20拠点を構え、製品と技術を世界に展開しています。

洋食器ブランドのパイオニア、ノリタケですが、ノリタケの食器は海外の著名人や一流のホテルからも認められています。

ノリタケが世界に羽ばたく足掛かりとなったのがディナーセット「セダン」です。

この日本で最初に作られた洋食器セットがあるノリタケミュージアムの近くにあるノリタケの森の学芸員、中井 宏美さんは次のようにおっしゃっています。

「洋食器というのは揃いの美なので、同じ素材で同じ絵柄で統一をされていて、形も左右対象が美しいという、そういう文化なんですね。」

「(実はそこに思わぬ壁があり、「セダン」は)白い素材を作るのに10年、それから形を整えるのに10年の計20年がかりで完成したディナーセットです。」

 

20年もかかったという量産化、そこには日本人に根付いた美の意識が関係していました。

一つひとつ形が違うことに味わいを見出す和の文化、和食器、かたや洋食器は均一性が重視されます。

均一の実現、価値観が異なる日本で洋食器を作るのは一から新たな技術を取り入れる必要がありました。

加藤社長は次のようにおっしゃっています。

「海外へ行ってグルグル周って日本に(技術を)持って来て同じようにやるんですけど中々出来ない。」

「そうするとまた向こうに行くわけです。」

「中には、そういったところで協力者が出て来るんですね、向こうの方で。」

 

海外の窯元から助言を得つつ、原料の調合や形の改良など試行錯誤を重ねてようやく1914年にディナーセットが完成、ここまで20年の歳月が流れていました。

日本初のディナーセットは翌年に20セットをアメリカに輸出、すると次の年は1万セット、その次の年には3万セット、毎年うなぎ上りの量産化を成功させていきます。

 

では日本で初めて洋食器セットの量産化に成功したノリタケはどんな技術で量産化をなし得たのか、ノリタケの食器作りの技術に迫ります。

洋食器は磁器、石を砕いた粉に粘土を混ぜ合わせて作ります。

まずは形を作る成形作業ですが、お皿など全自動の轆轤(ろくろ)の機械が動いていて、大量生産をします。

複雑な形をしたものは出来ないので、型の中に材料を流し込んで作ります。

現在は趣向を凝らしたデザイン性の高い製品のみ一部手作業が加えられていますが、ほとんどの食器は機械化されたロクロで成形、同じ製品を大量生産するために必要な技術です。

生地は焼くと10%以上縮んでしまうため、それを見込んで形を作って焼きの作業に入ります。

自社製の窯で、成型後の一次焼成は1200℃いじょうの高温で14時間ほど焼きます。

どの製品にも火が均等になるように箱の中に製品を収めて焼きます。

窯の中の温度は必ずしも均一になるというわけではないので、この製品はこの辺りに置いた方が良いというのがあります。

重要なのは均一に焼くこと、食器によりサヤという火に強い箱の中に入れて均一に焼くために置く位置を工夫、焼く食器によってその配置は変わります。

また食器によって焼く温度や時間も変えています。

焼くことで生地が縮むため、温度にムラが出来ると大きさが均一になりません。

均一、これが量産化の大きなポイントです。

 

また、ノリタケは職人の手で描かれていた絵付け作業の効率化を実現し、大量生産に対応しました。

現在でも特別な食器は一つひとつ絵柄を手書きしていますが、ノリタケのスタンダードな食器は転写紙と呼ばれる、パターンやデザインを印刷して形成したシートを貼って絵柄を入れます。

貼り付けた後に窯で焼いて絵の具を生地に定着させるので、その後の色落ちもありません。

転写紙は絵の具を専用のシートに印刷して作ります。

欧米で使われていた技術を取り入れ自社生産、食器の生産量は増加しました。

ノリタケの強みは、洋食器のパイオニアとして100以上積み重ねて来たその技術力です。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず、ノリタケが創業時から大事にして来た理念、“良品 輸出 共栄”ですが、“良品”と共栄”については、品質の良い製品を提供し、お客様に喜んでもらい、自社も利益を得るということで素直に理解出来ます。

しかし、“輸出”については、なぜ理念の1つとして挙げているのか疑問が残りますが、このことについては次回お伝えします。

 

さて、食器の作り方に和洋の文化の違いが反映されているというのはとても興味深く感じます。

一つひとつ形が違うことに味わいを見出すのが和の文化、和食器、かたや洋食器は均一性が重視されるというのです。

西洋の均一性重視という文化からは容易に大量生産に結び付きます。

一方、ひとつ形が違うことに味わいを見出す和の文化からは、大量生産という発想は生まれにくいです。

この和洋の違いを“非合理”と“合理”というように解釈すると、なぜ18世紀に西洋で産業革命が起きたかが理解出来ます。

また、“均一”という価値観を持っていなかったノリタケが日本で洋食器を一から作り出すために新たな技術を取り入れるのは並大抵の努力ではなかったと容易に想像出来ます。

更に、ノリタケは職人の手で描かれていた絵付け作業の効率化を実現し、大量生産に対応したのです。

そしてノリタケの作り出す食器は海外でも高い評価を得て、年商はほぼ右肩上がりという結果に結びついているのです。

 

ということで、ノリタケの企業としての成長はまさに「洋から和、和から洋へ」なのです。


 
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2018年12月04日
アイデアよもやま話 No.4190 便利な曇らない鏡!

8月7日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で曇らない鏡について取り上げていたのでご紹介します。

 

電子部品、接合材料、光学材料などの製造・販売を手掛けるデクセリアルズ株式会社(東京都品川区)が曇らない鏡を開発しました。

デクセリアルズの馬場 幸久さんは次のようにおっしゃっています。

「(曇らない鏡は)特殊なコーティングの構造は小さな網目状になっていて、水蒸気をどんどん吸い込みます。」

 

従来の鏡だと水蒸気は表面に付着して曇ってしまいます。

ところが、開発した鏡は網目状の小さな穴が水蒸気を吸収するので曇りません。

更にこの鏡、曇らないだけではありません。

従来の鏡に水を垂らすと、流れた跡がしっかりと残ってしまいます。

一方、開発中の曇らない鏡では水や油をたらしても、面白いくらいはじくので汚れも簡単に落とせるのです。

曇りにくく汚れにくい鏡はパナソニックの洗面化粧台で発売されることになりました。

ちなみに商品名は、防雲防汚ソリューション「キレイア」です。

馬場さんは次のようにおっしゃっています。

「今回は社長直轄の社内ベンチャーでプロジェクトを進めることが出来ました。」

「社長のプレッシャーを力に変えて、増々伸ばしていきたいと考えております。」

 

「キレイア」は、鏡だけではなく家やクルマの窓だとかメガネなど、いろんなところにコーティングが出来るので社内でも期待されている技術なのです。

なお、今のところ、お風呂場は水蒸気が多すぎて吸収しきれないということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これまでも鏡やクルマの窓ガラスなどの曇り止めグッズはいろいろ市販化されていますが、あまり長い期間機能するグッズは見かけませんでした。

そうした中、今回ご紹介した「キレイア」の持つ防雲防汚機能がどれくらい持続するのか気になります。

もしこれまで以上に機能の維持期間が長く、価格もそれほど高くなければ、多くの引き合いがあると期待出来ます。


 
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2018年12月03日
アイデアよもやま話 No.4189 便利なバッテリー上がり対策グッズ!

クルマのバッテリー上がりでJAFのお世話になるなど、困ったことのある人は少なからずいると思います。

私も現在はEV、日産リーフに乗っていますが、ガソリン車に乗っていた時には何度かバッテリー上がりの経験があります。

そうした中、8月7日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でバッテリー上がり対策グッズについて取り上げていたのでご紹介します。

 

バッテリーが上がった時、別のクルマのバッテリーとつないでエンジンを動かしたりします。

ところが、非常に小さくて薄型で手のひらサイズの持ち運び便利な「ジャンプスターター」(税込み価格 8638円)をエンジンがかからなくなったクルマにつなげるとエンジンがかかるのです。

このままエンジンがかかった状態でカー用品店などにバッテリー交換に行くことが出来ます。

 

自動車ロードサービスで救援理由の1位が上がって動かなくなった過放電バッテリーです。

ちなみに、JAFの調査(2017年度)によれば、救援理由の内訳は以下の通りです。

過放電バッテリー :32% (年間73万8546件)

タイヤのパンクなど:17%

カギの閉じ込め  : 8%

その他      :43%

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これまでバッテリー上がりの時には別のクルマのバッテリーとつないでエンジンを動かすのが当たり前だったと思います。

そしてJAFなどに救援を頼んでもすぐには対応してもらえないケースがあります。

ですから、今回ご紹介した「ジャンプスターター」はバッテリー上がりを気にせずに安心してドライブするうえでとても“優れもの”だと思います。

ただ、それでも最寄りのカー用品ショップなどを探して新しいバッテリーを購入しなければなりません。

 

しかし、日頃から定期的にバッテリーチェックをディーラーなどでしていれば、寿命が来る前にバッテリー交換をし、「ジャンプスターター」のようなグッズのお世話になる必要はないのです。

いずれにしても自動車ロードサービスで救援理由の3割ほどはバッテリー上がりなので、これから本格的な冬を迎えるにあたり要注意です。


 
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2018年12月02日
No.4188 ちょっと一休み その675 『長寿の秘訣は”貯金より貯筋”!?』

最近単なる寿命の長さではなく“健康寿命”に注目が集まっているように、誰もが元気で長生きしたいと思っているのではないでしょうか。

そうした中、9月2日(日)放送の「報道プライムサンデー」(フジテレビ)でテーマの一つとして長寿の秘訣について取り上げていたのでご紹介します。

 

諏訪中央病院名誉院長の鎌田 實さんは、医療の現場から長寿の秘訣について次のようにおっしゃっています。

「”貯金より貯筋”。」

「はじめの貯金はお金の貯金、それよりもっと大事なのは筋肉を貯筋しようと。」

「太ももの筋肉からマイオカインていう筋肉作動性物質が出て、それがどうもがんや認知症、うつ病を減らしたり、少し血圧を下げたり、血糖値も下げるというふうに言われていて、寝たきりにならないで病院にお世話にならないで済むためには、筋肉を普段から、40代くらいから筋肉を強化する、スクワットをしたり、立ち上がってかかとをどんと落とすようなことをしたりして、普段の生活の中から筋肉を強化することをしているって大事ですね。」

「(自分も)実際にやってるんですよ。」

「(体を鍛えることで心もヘルシーになっていくものかという問いに対して、)そうなんです。」

「ですから、野菜を食べて、減塩をして、お肉などタンパク質をしっかり食べて、運動をして、精神の気持ちを出来るだけ強く持って社会と係わって、閉じ込まらないことが大事ですね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

太ももの筋肉からマイオカインという筋肉作動性物質が出ていて、それが健康にとても作用しているということにはちょっと驚きです。

そして、長生きの秘訣は”貯金より貯筋”という鎌田先生の言い回しはとても面白い表現だと思います。

しかし、太ももの筋肉を鍛えるだけが長寿の秘訣の全てではありません。

最後に鎌田先生のおっしゃった以下の3つが健康で長寿の秘訣ではないでしょうか。

・バランスの取れた食事

・運動

・趣味やボランティア、あるいは仕事を通しての社会との係わり


 
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2018年12月01日
プロジェクト管理と日常生活 No.569 『大規模太陽光発電普及の功罪から見えてくる課題とその対応策!』

国は太陽光や風力など再生可能エネルギーによる発電を将来的な主力電源の一つと位置付けています。

従ってその普及のために、一定期間固定価格で買い取る固定価格買い取り制度(FIT)を取り入れています。

しかし、普及を加速させるために当初欧米よりも高い買い取り価格を設定しました。

そこで、これをビジネスチャンスとばかりに多くの業者がメガソーラー(*)など大規模な太陽光発電事業に乗り出しました。

そうした中、8月27日(月)付け読売新聞の朝刊記事、および11月15日付けYOMIURI ONLINEの社説(こちらを参照)でメガソーラー(*)などの大規模な太陽光発電の功罪について取り上げていました。

そこで、この記事を参考に課題とその対応策についてご紹介します。


* 1メガワット(1000キロワット)以上の出力を持つ太陽光発電システムのこと。

  主に自治体、 民間企業の主導により、遊休地・堤防・埋立地・建物屋根などに設置されている。


静岡県伊東市では、東京都内の業者が105ヘクタールの山林を買い取り、うち45ヘクタールに太陽光パネルを設置する計画を進めています。

ダイビング・スポットにも近く、関係者は「土砂が海に流れ込んだら誰も潜りに来なくなる」と懸念しています。

伊東市では太陽光発電所の設置を規制する市条例案が今年6月に施行されました。

太陽光パネルの面積が1.2ヘクタールを超える発電所の建設は認めないことが柱です。

「条例の対象となるため建設出来ない」と主張する市に対し、業者側は「事業着手後に施行された条例なので規制の対象外」と対立しています。

業者は8月に造成作業などを始めました。

 

一方、7月の西日本豪雨では神戸市内の太陽光発電所の敷地が崩落し、近くにある山陽新幹線の架線に太陽光パネルが接触する恐れがあったため、JR西日本は一時、運航を見合わせました。

市は、出力10kw以上の事業用太陽光パネルの設置には届出を義務付ける条例を制定する方針です。

 

また高知県四万十市は、県の四万十川条例に基づき、市内での建設計画について、過去に浸水被害のあった地域との理由で2度にわたって不許可にしました。

 

環境省によると、今年6月現在、32府県と政令市など17市が環境アセスメント条例で太陽光発電所の設置を規制しているといいます。

ただその手法は自治体ごとにばらつきがあり、同省は「統一した評価手法が必要」と判断しています。

有識者会合を8月30日に開いて検討を始めます。

太陽光発電所を建設する場合。現在は電気事業法に基づき、着工の30日前までに経済産業省に発電出力などの計画を提出し、場所によっては森林法や農地法などの規制を受けます。

トラブルは大規模な発電所建設で起きており、新規参入業者が地元に十分な説明をしないまま計画を進めるケースが目立ちます。

新たなアセスメントの対象になれば、環境への影響の詳細な調査や住民への説明が義務付けられます。

 

一方、記録的な猛暑となった今夏、節電要請もなく電力が安定供給されているのは、各地で急増した太陽光発電の電力が大きく貢献しているためです。

ピーク需要の1〜2割は太陽光発電で賄われていると見られます。

太陽光など再生可能エネルギーについて、国が決めた価格で買い取りを電力会社に義務付けた「固定価格買い取り制度」が2012年に導入されたことから、各地で太陽光発電が急増しました。

資源エネルギー庁によると、2012〜2016年度の太陽光発電の導入量は、制度開始前の6倍になりました。

東京電力は、どれくらいの電力を供給出来るかに対して、実際にどれくらい使ったかを使用率として公表しています。

それによると、7月2日の93%が最高で、7月〜8月の他の日は猛暑日も含めて93%未満と余裕のある状態が続いています。

午後2時前後の電力需要のピークと太陽光発電のピークが重なっていることが大きいのです。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

記事を参考に大規模な太陽光発電の普及による弊害と国の対応について以下にまとめてみました。

・環境への悪影響を防ぐため、大規模な太陽光発電の設置を規制するために地方自治体が独自に条例の施行を進めているが、タイミングを逸し、各地で業者との対立が起きていること

・地元と業者とのトラブルは大規模な太陽光発電で起きており、新規参入業者が地元に十分な説明をしないまま計画を進めるケースが目立つこと

・多くの自治体が環境アセスメント条例で太陽光発電所の設置を規制しているが、その手法は自治体ごとにばらつきがあること

・そのため、環境省は「統一した評価手法が必要」と判断し、有識者会合を8月30日に開いて検討を始めていること

・太陽光パネルは2030年以降に寿命を迎え、大量廃棄が予想されており、その対策を今のうちから進めることも求められていること

 

一方で、大規模な太陽光発電の普及には大きなメリットが出ています。

今夏は猛暑が続いたにもかかわらず、各地でピーク需要の1〜2割は太陽光発電で賄われ、ピーク需要時にも電力需給が逼迫するような事態には陥らなかったのです。

 

いずれにしても、将来的に化石燃料は枯渇するし、巨大な地震や津波などの自然災害で大事故を引き起こすリスク持つ原発については多くの国民から“脱原発”の声が上がっています。

だからと言って、やみくもに大規模な太陽光発電の設置を進めれば、自然破壊につながります。

ですから、国の指導で環境アセスメント法を整備して、環境への影響の詳細な調査や住民への説明を義務付けることが求められます。

しかしその結果、大規模な太陽光発電の設置スピードはとても緩やかになると見込まれます。

 

ですから、こうした課題を解決する対応策が求められるのです。

幸いなことに再生可能エネルギー発電には太陽光や風力だけでなく、これまでご紹介してきた水力、地熱、海流、振動、バクテリア、更には宇宙太陽光による発電があり、あるいはユーグレナのバイオ燃料化なども実用化が進みつつあります。

ですから、こうした様々な再生可能エネルギーによる電力供給源を総動員して最適な割合で総合的に実用化を図ることがとても重要なのです。

こうしてみると、いつ誕生するのか、あるいは単なる夢物語で終わるのか分かりませんが、やはり期待したいのはこれまで何度となくお伝えしてきたアイデアよもやま話 No.2025 私のイメージする究極の発電装置とは・・・の要件を満たす発電装置の誕生です。

世界中のより多くの研究者や技術者にはこの究極の発電装置の研究開発にチャレンジしていただきたいと思います。


 
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2018年11月30日
アイデアよもやま話 No.4187 ”奇跡の糸”が世界を変える!? その5 福島第一原発事故の被災地、福島県で新たな雇用機会の創造!

7月31日(火)放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で「銀メッキ繊維」について取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

5回目は福島第一原発事故の被災地、福島県で新たな雇用機会の創造についてです。 

 

繊維メーカー、ミツフジ株式会社(東京都千代田区)の3代目社長、三寺 歩さん(41歳)はある特殊なシャツ、すなわち「シャツ型ウエアラブル端末」を作ろうとしています。

その秘密兵器は銀メッキを施した特殊な繊維、すなわち「銀メッキ繊維」です。

 

前回お伝えした、福島第一原発事故で若者が減少、深刻な高齢化に悩まされている福島県川俣町の山木屋地区で、地元の人々の間で少しずつ理解が深まって来た見守りサービス、三寺さんにはもう一つここで実現させたいプロジェクトがあります。

それは新しい工場の建設です。稼働予定は今年9月です。

将来的には50人の雇用を生み出し、地元に若者を呼び戻す計画です。

三寺さんは次のようにおっしゃっています。

「ここで銀メッキの糸から服になるまでの全ての工程が入って、後は出来上がった服をテストしたりとか、テストしたものを更にすぐに改良するラボとか、いろいろな機能がこの工場の中に存在するかたちになります。」

 

更に地元の企業のためのスペースも用意してあり、次のようにおっしゃっています。

「挑戦したいんだけど、場所もないし、人もいないしということで、お悩みになられたりとか、いろんなお考えがありますけども、その時に私たちがお部屋を提供して「一緒に作りましょう」ということを文字通りここで実現する・・・」

 

かつては絹織物の一大生産地だった川俣町、しかし最盛期に200軒以上あった織物工場は今ではわずか5軒、三寺さんは「銀メッキ繊維」で地域を再生し、再び繊維の街として盛り立てようというのです。

新たな挑戦が始まります。

三寺さんは次のようにおっしゃっています。

「必ずミツフジの工場を造って、ものづくりでもう一度挑戦するとずっと思ってきました。」

「その中で川俣町の織物産業を復興したいという強い想いと私たちの気持ちが相通じるものがあるなということで、この町に来たいと。」

「培ってきた技術を使って、新しい時代に挑戦していきたいと思います。」

 

かつて抗菌などが主な用途だった「銀メッキ繊維」、今ウエアラブル端末という新たな分野での活用が始まっています。

「銀メッキ繊維」を通して健康状態の変化を把握する、それが出来るようになれば病気の前兆を察知するなど、救える命も増えていくかもしれません。

様々な可能性を秘めた「銀メッキ繊維」、今後更に広い分野での活用が期待出来そうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

かつては絹織物の一大生産地だった川俣町、その住民の川俣町の織物産業を復興したいという強い想いと三寺さんが開発中の「銀メッキ繊維」を使用した「シャツ型ウエアラブル端末」を製造する工場の建設は雇用機会の創造を通して地元を再生し、再び繊維の街として再興するうえで見事にマッチします。

ですから、是非この計画を成功させていただきたいと思います。

 

さて、今回ご紹介した地方に工場を建設して地方再生を試みるということは、国のあり方を考えるうえでとても参考になると思います。

極端な例ですが、もし中国やインドのような人口の多い国の人件費がとても安く、世界中の企業がその国にこぞって工場を建設したらどうなるでしょうか。

そこ以外の国々では製造業に係わる多くの人たちが収入の道を絶たれ、消費が減少してしまいます。

すると企業収益のみならず国税にも影響が出て来て、結局国そのものが立ち行かなくなってしまいます。

実際に中国には世界中から多くの国の企業が賃金の安い労働者を求めて進出しています。

そして、中国の人件費の上昇とともに更に他の人件費の安い国を求めて工場移転を検討している企業もあるといいます。

こうしたことから、それぞれの国民がある程度安定した収入のある暮らしを継続していくうえで、地産地消、あるいはそれぞれの国、あるいは地域に適した産業をバランスよく配置したかたちで世界各国の国民がともに豊かになるような方向で世界中の指導者が協力して取り組んでいくことが望ましいという結論に至りました。

そして、AIやロボットなどの技術の進歩は単純労働のみならず頭脳労働の領域の機械化にも及ぼうとしています。

ですから、こうした技術の進歩はやがて自然と国単位、あるいは地域単位での地産地消の流れを促していくと期待出来ます。


 
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2018年11月29日
アイデアよもやま話 No.4186 ”奇跡の糸”が世界を変える!? その4 高齢者の見守りサービスへの応用!

7月31日(火)放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で「銀メッキ繊維」について取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

4回目は高齢者の見守りサービスへの応用についてです。 

 

繊維メーカー、ミツフジ株式会社(東京都千代田区)の3代目社長、三寺 歩さん(41歳)はある特殊なシャツ、すなわち「シャツ型ウエアラブル端末」を作ろうとしています。

その秘密兵器は銀メッキを施した特殊な繊維、すなわち「銀メッキ繊維」です。

 

さて、人口約1万3000人の福島県川俣町では、福島第一原発事故で50km圏内だった一部が避難指示区域に指定されました。

震災から7年経った今も多くの若い世代が戻っていません。

高齢化率は約40%で、お年寄りだけの世帯が多く、見守りが深刻な課題となっています。

 

高齢化などにより増えている高齢者の独り暮らし、離れた場所にいる親が心配という方も多いと思います。

そこで今、様々な見守りサービスが登場しています。

例えば家の中にセンサーを設置、転倒などを察知した場合、すぐさま係員が駆けつけるサービス、専用の通信機器で体調不良などを知らせた場合も駆けつけます。

これはセコムやアルソックが行っています。

またガスや電気などの使用状況から高齢者の様子を家族に知らせるサービスもあります。

どれも毎日使うものなので安否を確認することが出来ます。

更に時計やリストバンドなどから体の状態を読み取る、いわゆるウエアラブル端末、高齢者に身に付けてもらい、その情報を家族のスマホに送るサービスもあります。

この見守り市場は2014年の時点で推計142億円、団塊の世代が後期高齢者になる2025年には227億円規模になると言われています。(シード・プランニング調べ)

 

成長著しい見守りサービス市場、ミツフジがある取り組みを始めていました。

福島県川俣町、福島第一原発事故で若者が減少、深刻な高齢化に悩まされています。

今年5月、そんな川俣町に三寺さんの姿がありました。

訪れたのは山木屋地区、2017年3月にようやく避難指示区域から解除されました。

渡邉さん夫婦(夫の義明さんは81歳、妻のとくいさんは74歳)は二人暮らし、義明さんは体調を崩しがちです。

三寺さんはウエアラブル端末でこの地区の高齢者を見守れないかと考えていました。

渡邉さんの隣の家は震災で引っ越したまま、周囲に住んでいる人はいません。

住民の多くは同じような状況に置かれています。

7月上旬、着用試験が始まりました。

妻のとくいさん、夫が農作業をしている時の心拍数をスマホで見るのは初めてです。

するとあることに気付きました。

とくいさんは次のようにおっしゃっています。

「いつもからみるとちょっと高くなっているから、自分では少し休みたい時間になっているかな。」

 

もうひと家族、廣野さん夫婦(夫の隆俊さんは73歳、妻のミネ子さんは73歳)が実験に参加してくれました。

隆俊さんが趣味の卓球をしながら、ミネ子さんが心拍数を確認します。

スマホを使うのはこの日が初めてだったそうですが、ミネ子さんは割と簡単だったといいます。

 

一方、東京・千代田区の本社では送られて来たデータを三寺さんがチェック、このように遠くに住む家族も確認出来るようにするつもりです。

更に転倒した場合は家族に連絡がいくサービスも盛り込む予定です。

 

7月下旬、再び三寺さんは福島県山木屋地区を訪ねました。

廣野さんのお宅では、次のような会話が交わされました。

(三寺さん)

「私も(親と)離れて暮らしていますので、「元気かな」と思う時があるんですけど、子どもの気持ちで(ウエアラブル端末を)作っているので・・・」

(隆俊さん)

「本当に見守りしてもらっているって感じがするね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

実は、私も高齢の父が実家で独り暮らしをしており、毎週私と弟が交代で様子を見に実家に行くようにしています。

そして、アルソックの“見守り”サービスを受けています。

しかし、こうしたサービスは、例えばセンサーでトイレなどを24時間利用していない場合というように、見守りされる側の動きを把握することによってかなり時間が経ってから異常を把握しようとするものです。

また、ポケベルを身に付けて、本人が異常を感じたら警備会社に連絡が行き、すぐに救急車を呼び出すことも出来ますが、こうしたサービスの提供範囲は基本的に自宅内と限定されます。

 

一方、ミツフジで開発中の「シャツ型ウエアラブル端末」は室内外を問わずどこでも高齢者などの見守りをすることが出来ます。

しかも遠く離れた家族もこの端末から送られてくるデータをスマホなどでリアルタイムで見ることが出来るので、いつでも独り暮らしの親の体調を把握することが出来ます。

ですから、三寺さんには、転倒した場合など、より多くの視点から高齢者などがどこにいても見守ることが出来るように「シャツ型ウエアラブル端末」を改良し、少しでも早く実用化していただきたいと思います。

市販化されてば、私も是非このサービスを受けたいと思います。


 
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2018年11月28日
アイデアよもやま話 No.4185 ”奇跡の糸”が世界を変える!? その3 体調管理への応用!

7月31日(火)放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で「銀メッキ繊維」について取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

3回目は体調管理への応用についてです。 

 

繊維メーカー、ミツフジ株式会社(東京都千代田区)の3代目社長、三寺 歩さん(41歳)はある特殊なシャツを作ろうとしています。

その秘密兵器は銀メッキを施した特殊な繊維、すなわち「銀メッキ繊維」です。

「銀メッキ繊維」を生かした「シャツ型ウエアラブル端末」には医療の現場も大きな可能性を見出しています。

着るだけでいつでも体のデータが取れることに期待を賭けているのです。

熊本大学医学部付属病院の宇宿 功市郎教授は次のようにおっしゃっています。

「24時間、何日間か(「シャツ型ウエアラブル端末」で)測ってもらうと、どういう時に不整脈が起きてどういうふうなことだったかが分かるわけですよね。」

「これだったら自由にいつでも検査してもらえるので、そういう意味でも有用性は高いと思っています。」

 

そんなミツフジに助けを求めに来た企業があります。

相談に来た前田建設工業の担当者は次のようにミツフジに訴えます。

「現場のニーズとしては、やはり夏場の体調不良、特に熱中症に代表される症状なんですけども、これが一番問題。」

「仕事に支障をきたす体調不良も検知出来るとすごくありがたいなと。」

 

ミツフジのシャツで作業員の体調管理をしたいというのです。

茨城県取手市、350人が働くゼネコン、前田建設工業の建設現場です。

 

他の職種に比べ熱中症による死傷者が多い建設業、炎天下での作業は常に危険と隣り合わせです。

こちらでは様々な熱中症対策を打ってきました。

それでも完全に防ぐことは難しいといいます。

前田建設工業の担当者は次のようにミツフジに訴えます。

「熱中症というのは本当に個人個人の体調のことだなと思いまして、これがやっぱりどうしても聞き取れない。」

「いくら口で言っても抑えられない。」

 

これに対して、三寺さんは次のようにおっしゃっています。

「外から見ても中々分からないというのは、体の状態を見てあげるものがあればより良いですよね。」

 

三寺さんは北九州市にある産業医科大学を訪ねました。

こちらにある人工気候室では、温度や湿度をコントロールし、様々な気候条件を作り出すことが出来ます。

設定したのは熱中症を起こし易い環境です。

この環境で体を動かすと、心臓の動きにどんな変化が起こるか「シャツ型ウエアラブル端末」でデータを取ろうというのです。

併せて体の内部の温度、深部体温も測りながら体調の変化の兆候を探ります。

実験を始めて1時間、深部体温が38℃まで上昇しました。

熱中症になる直前の体の状態、そのデータを取ることが出来ました。

しかし、予期せぬトラブルが起きました。

「シャツ型ウエアラブル端末」のデータが突然大きく乱れてしまったのです。

運動の最中に電極がわずかにずれたのが原因でした。

対策を迫られた三寺さんと父の康廣さんは石川県かほく市にある町工場、竹中繊維を訪ねました。

竹中繊維は父、康廣さんの頃から長年の付き合いがあります。

得意とするのは伸縮性のある生地です。

伸びる電極を一緒に作ってきました。

竹中さんは改善案をイラストで描き始めました。

それは従来の発想を覆す大胆なアイデアでした。

 

その日の夜、東京のミツフジ本社に戻った三寺さんは社員を集め、驚きの提案をしました。

従来のウエア、10万着の生産計画を中止し、改良を施したものに変更しようというのです。

実はこの会議は本来、「量産決定会議」だったのですから、会議の参加者は唖然です。

しかも2週間という短期間で改良版への変更をやりたいと伝えたのです。

三寺さん、ギリギリの決断です。

早速製作をスタート、社員自ら試作品を着て確認を繰り返します。

 

こうして7月下旬、茨城県取手市の建設現場に新しいウエアが届けられました。

熱中症の経験がある作業員も試すことになりました。

新しい改良型ウエアラブル端末では金目の電極部分が替えられていました。

今までは伸縮性がある一方、激しい運動をすると電極がずれてしまうという問題がありましたが、新しいウエアは電極部分だけあえて伸縮性の低い素材に変更しました。

電極を固定させるのが狙いです。

この日の気温は35.8℃、暑さは厳重警戒レベルです。

現場を走り回ることが多いという作業員ですが、三寺さんはデータに乱れがないことを無事確認出来ました。

着心地も問題ないというのが被験者である作業員の評価です。

実は今回スマホの表示に工夫を加えていました。

今までの実験で得た結果をもとにその場で自分の健康状態を確認出来るようにしたのです。

体調指数が高いと調子は良好、一方数値が低くなると赤く変化し、休息を取るよう促します。

現場責任者である関口 孝浩所長の評価は上々、ウエアラブル端末による体調管理に新たな可能性が見えて来たようです。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

どのような問題を解決するうえでも、まず原因の特定から始めます。

ですから、健康管理も個人個人の体調を把握することから、病気の症状が出る前に、あるいは病気の症状が出たとしてもすぐに適切な対応をすることが出来ます。

そういう意味で、「シャツ型ウエアラブル端末」は体調指数を計ることで自分の健康状態を確認出来るのです。

そして、この情報によっては本人が自分の体調を確認出来るだけでなく、IoTにより個々の企業内の健康管理部署や医療管理関係機関に情報が送られることにより、体調に異変があれば、速やかに対応することが出来ます。

ですから、作業環境の厳しい建設関係などの現場で働く作業員だけでなく、猛暑や厳しい寒さの続く冬の季節に限らず、高齢者など一般の人でもこの「シャツ型ウエアラブル端末」を普段から着用するような暮らしになれば、日本のみならず世界中の人たちの健康管理は格段に向上するはずです。

 

ということで、「シャツ型ウエアラブル端末」は健康管理に革命をもたらす可能性を秘めていると思います。

 

同時に、従来のウエア、10万着の生産計画を中止し、短期間で改良を施したものに変更しようと決断した三寺さんは、決断力のある素晴らしい経営者だと思いました。

ですから、三寺さんには是非とも安価で着易いように「シャツ型ウエアラブル端末」の更なる改善を施し、世界展開していただきたいと思います。


 
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2018年11月27日
アイデアよもやま話 No.4184 ”奇跡の糸”が世界を変える!? その2 「銀メッキ繊維」誕生の経緯!

7月31日(火)放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で「銀メッキ繊維」について取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

2回目は「銀メッキ繊維」誕生の経緯についてです。 

 

繊維メーカー、ミツフジ株式会社(東京都千代田区)の3代目社長、三寺 歩さん(41歳)はある特殊なシャツ、すなわち「シャツ型ウエアラブル端末」を作ろうとしています。

その秘密兵器は銀メッキを施した特殊な繊維、すなわち「銀メッキ繊維」です。

 

そのミツフジのルーツは京都にあります。

ミツフジ京都本社には三寺さんが信頼を置く「銀メッキ繊維」の専門家がいます。

2代目社長を務めた父、三寺 康廣さん(70歳)です。

ミツフジは西陣織の帯工場として創業しました。

京都伝統の西陣織、康廣さんは今も時間を見つけては親戚の工場で原点に立ち返ります。

ミツフジは1980年代、繊維産業の生産拠点が海外に移り、苦境に立たされました。

活路を求めた康廣さんはアメリカに渡り、銀メッキ繊維のノウハウを習得、独自に研究を重ねてオリジナルの「銀メッキ繊維」を作り上げたのです。

それは日本で初めて抗菌靴下にも採用されました。

康廣さんは次のようにおっしゃっています。

「「売れないことはない」という思い込みが強いから出来たんだろうと。」

「1年間に(投資が)約5000万円ぐらいですから。」

「約20年続けましたから、財産がみんな飛んじゃいましたよ。」

 

父、康廣さんの執念によりミツフジの財産は生まれました。

ところが、2012年、三寺さんのもとに父、康廣さんから思わぬ知らせがありました。

当時について、三寺さんは次のようにおっしゃっています。

「要は、今月資金面で助けがないと会社が倒産して、当時親族が働いていましたので「親族バラバラになって、実家もなくなるんだ。もうこの糸や仕事はダメだ」とか、そして自分たちが工場や事務所を失ったことに、私が見る分には「悔しい」という気持ちがないんですね。」

「「なんでもう1回挑戦しないんだ」と思って、本当に心から悔しくて涙が止まらないんですね、ずうっと。」

 

三寺さんは、2014年に勤めていたIT企業を辞め、会社を継ぐことを決意、給料もなく、貯金を切り崩す生活が始まりました。

「銀メッキ繊維」を売るには、新たな市場を開拓するしかないと考えました。

そして、父、康廣さんに相談した時のことについて次のようにおっしゃっています。

「「昔ながらのやり方をやれ」って押し付けてくるわけですね。」

「「俺はそれが正しいと思うんや」って言って大喧嘩ですし。」

 

三寺さんは父の反対を押し切ってウエアラブル端末の開発に着手しました。

そして2016年、「シャツ型ウエアラブル端末」を作り上げたのです。

この時のことについて、父、康廣さんは次のようにおっしゃっています。

「「どうやってマーケットを広げるか」、「ものづくりだけじゃダメなんだ」というのが彼(三寺さん)の考え方ですね。」

「仲が悪いですからね、ここ。」

 

しかし今では国内だけでなく、海外からも問い合わせが殺到、売り上げはこの4年間で10倍以上と急成長を遂げています。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

番組を通して知る、三寺さんと父、康廣さんとのやり取りは会社の存続を賭けた壮絶なものだったと想像出来ます。

そして、父、康廣さんの「銀メッキ繊維」づくりに賭ける執念と、三寺さんの新たな市場開拓に必要な「銀メッキ繊維」を生かした「シャツ型ウエアラブル端末」がミツフジのその後の急成長につながったのです。

ですから、結果的に見れば、父親のモノづくりに賭ける執念とその息子の事業に賭ける強い想いという親子2代の絶妙な組み合わせが功を奏したと言えます。

 

多くのベンチャー企業が生まれては消えていく中で、ごく一部の企業だけが成功を収めるというように、ビジネスの世界はとても厳しいです。

しかし、どのような状況になっても成功を信じてモノづくり、そしてどのようにビジネスを展開していくかに執念を燃やして取り組むことが成功を手に入れるとても重要な要件であることは間違いありません。


 
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2018年11月26日
アイデアよもやま話 No.4183 ”奇跡の糸”が世界を変える!? その1 様々な可能性を秘めた 「銀メッキ繊維」!

7月31日(火)放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で「銀メッキ繊維」について取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

1回目は様々な可能性を秘めた 「銀メッキ繊維」についてです。 

 

繊維メーカー、ミツフジ株式会社(東京都千代田区)の3代目社長、三寺 歩さん(41歳)はある特殊なシャツを作ろうとしています。

その秘密兵器は銀メッキを施した特殊な繊維、すなわち「銀メッキ繊維」です。

三寺さんはこの繊維を使って、建築現場など炎天下で体調管理が出来ないかと考えていました。

今夏、熱中症で救急搬送された人は既に4万人を突破(7月22日時点)、昨年の2倍近いペースです。

誰もが無縁ではない熱中症、未然に防ぐにはどうすればいいのでしょうか。

医療の現場も注目、糸が体の情報を捉えます。

「銀メッキ繊維」について三寺さんは次のようにおっしゃっています。

「ナイロンの糸の上に銀をメッキしています。」

「ですから細い糸なんですけど、全てに銀のメッキが施されています。」

 

「(「銀メッキ繊維」の特徴について、「銀メッキ繊維」で作られた)靴下をめくっていただくと、足の裏にあたるところに銀の糸が全部入っています。」

「実は銀は抗菌・防臭効果があると昔から言われていまして、銀イオンが沢山出て、殺菌をすることで抗菌出来る。」

「中々そんな人はいないですけど、1週間くらいこの靴下を履いていただいても臭いがしないので。」

 

「次はサポーターなんですけど、これも裏面に銀が入っています。」

「金属なので熱伝導性があって、体の放熱してくれて、冷やしてくれる。」

 

「次は静電気を防止する。」

「(冬場に)体に電気が溜まるとパチとなりますね。」

「「銀メッキ繊維」の糸が格子状に入っていて、この糸を使って体の電気を放電してくれるんですね。」

 

「銀メッキ繊維」の特徴について、最後に電気が通るところを三寺さんは見せてくれました。

 

「こういった「銀メッキ繊維」は昔から結構あったわけですね。」

「ただ今の時代に合った開発をしようということで、銀メッキの量を昔の2倍ぐらいに盛るような開発をしています。」

「で、高い導電性が出来る。」

「今みたいな電気を通すことが出来るとか、洗濯しても剥がれないような洗濯耐久性を普通に家庭で洗濯出来るところまで加工しています。」

 

「銀メッキ繊維」の製造を手掛けるミツフジは1956年創業、従業員は43人、3代目社長の三寺 歩さんは今年の経済紙の表紙を飾った注目の若手経営者です。

ミツフジは「銀メッキ繊維」の輸出を15ヵ国まで拡大、業績を伸ばしています。

 

「銀メッキ繊維」とは、髪の毛の5分の1ほどのナイロンに銀をコーティングした糸のことです。

ある他社の製品は糸の表面がデコボコしていますが、一方ミツフジのものは1本1本綺麗にコーティングされています。

このため電気を通す性質、導電性に優れているのです。

三寺さんは次のようにおっしゃっています。

「同じ性能値をどの糸のどの部分を使っても出すというのが重要な技術なんですね。」

「銀の量を変えるとか、薬品の量を変えるとか、職人技でノウハウとして持っていますので。」

 

ミツフジではこの「銀メッキ繊維」を使い、ある特殊なシャツを開発しました。

秘密は裏側の色が違う部分にあります。

三寺さんは次のようにおっしゃっています。

「これが「銀メッキ繊維」で作られた電極です。」

「こういった伸びる電極は他では出来ない製品だと思います。」

 

このシャツは電極を通して体の情報が得られる「シャツ型ウエアラブル端末」なのです。

WBA世界ミドル級王者(7月31日時点)、村田 諒太さんは今年4月見事初防衛に成功しました。

次の試合に向け、ミツフジの「シャツ型ウエアラブル端末」を取り入れました。

このシャツを着ても、普段来ている服と全く変わりなく、全然違和感はないといいます。

早速村田さんはこのシャツを着てトレーニングを開始、そのそばで三寺さんはスマホをチェック、見ていたのは村田さんの心拍数です。

全身に血液を送り出す心臓、その収縮は電気信号によって引き起こされます。

 

この電気信号を「銀メッキ繊維」がキャッチ、データはスマホに送られます。

こうして集めた心拍数などの情報から体の状態を捉えることが出来るといいます。

村田さんは次のようにおっしゃっています。

「コンディションとかっていうのは結局目に見えないものなんですね。」

「気分から来る疲れなのかとか、それとも体の疲れなのかというのは可視化出来ないものなんですね。」

「それが可視化出来るようになれば、今は休むべきだとかトレーニングについても全然変わって来るんで。」

 

データを分析した結果で、心拍数は村田さんの練習内容と一致しました。

またストレス指数は心臓の動きを表す心電波形から導き出したもので、心臓が収縮する間隔は体調などによって変化します。

その変動からいつ緊張し、ストレスを感じたかが分かるのだといいます。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

銀にはその性質を生かしたいろいろな用途があるようです。

番組を通して以下にその一部をまとめてみました。

・抗菌・防臭効果がある靴下

・熱伝導性を活かして体を冷やしてくれるサポーター

・静電気を防止してくれる「銀メッキ繊維」

・電極を通して体の情報が得られる「シャツ型ウエアラブル端末」

 

中でも「シャツ型ウエアラブル端末」はスポーツ選手のトレーニングのみならず私たちの健康維持にとって身近でとても役立つ存在になると大いに期待出来ます。


 
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2018年11月25日
No.4182 ちょっと一休み その674 『作家、津本 陽さんの指摘する日本人の長所と弱点!』

8月18日(土)放送の「あの人に会いたい」(NHK総合テレビ)では作家の津本 陽さんを取り上げていました。

そこで、津本さんの指摘する日本人の長所と弱点についてお伝えします。

 

多くの歴史小説で知られる作家、津本 陽さん(2018年89歳没)は膨大な資料をもとに戦国時代の武将や剣豪、幕末の志士たちの人間像に迫りました。

その津本さんは次のようにおっしゃっています。

「日本は戦国時代と幕末と昭和の敗戦後ですね。」

「3つの大きな国運の発展期があったわけですけど、その3つの時期の歴史を調べますとね、だいたい日本人の長所と弱点が分かってくると思うんですよ。」

「長所はですね、自由競争になるとものすごく強いんです。」

「発展力があるんですよ。」

「ところが、組織化されると思考停止の状態になるんです。」

 

「今は刀を使う時代じゃないですけども、やはり男は心に刀を持つ気構えが必要だと思いますね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

津本さんの指摘する日本人の長所として、自由競争になるとものすごく強いとおっしゃっていますが、私は国家や自己の生存が危うくなるほどの困難に遭遇した時に日本人はその潜在能力を最大限に発揮すると思っています。

しかし、多少の困難に遭遇した程度では、“長い物には巻かれろ”で組織の一員として“思考停止”状態になり易い国民性を持っているのではないでしょうか。

そういう意味で、国家や企業などの組織のリーダーにとって求められるものの一つとして、組織全体に常に危機意識を持たせることがとても重要だと思います。

そのためには、長期的な視点で物事を把握し、津本さんが番組の中でおっしゃっていたように目的達成のためにはリスクを冒して困難に取り組む“勇気”を持つことも組織のリーダーには求められるのです。


 
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2018年11月24日
プロジェクト管理と日常生活 No.567 『科学技術白書に見る、日本の国際的地位の低下!』

少し古い情報ですが、6月12日(火)付け毎日新聞ネットニュース(既に削除済み)で科学技術における日本の国際的地位の低下に関する記事を取り上げていたのでご紹介します。

 

政府は6月12日、2017年度の科学技術白書を閣議決定しました。

人材力、知の基盤、研究資金といった科学技術・イノベーションの「基盤力」に多くの課題を挙げ「わが国の国際的な地位のすう勢は低下していると言わざるを得ない」と指摘しました。

近年の日本の研究力の低迷ぶりを如実に表す内容になりました。

 

 各国の政府の科学技術関係予算の伸び具合を2000年と比べると、中国が13.48倍(16年)、韓国が5.1倍(同)、米国が1.81倍(17年)になったのに対し、日本は1.15倍(18年)とほぼ横ばいです。

 

博士課程への進学者も2003年度の約1万8000人をピークに減り始め、2016年度に1万5000人を割りました。

海外へ派遣する研究者の数は2000年度(7674人)をピークに2015年度は4415人と減っているほか、国際共著論文の数も伸び悩むなど、国際性の低下も問題になっています。

 

新たな研究分野への挑戦不足も指摘しています。

注目度の高い研究分野への参画度合い(2014年)では、米国91%、英国63%、ドイツ55%に対し、日本は32%と低迷しています。

研究者を対象にしたアンケートでも、挑戦的・探索的研究が減っている、との回答が多かったといいます。

 

以上、ネット記事の内容をご紹介してきました。

 

より良い国家を目指すうえで、それぞれの国家はその国状に応じた課題解決に対応すべくビジョンを掲げ、対策を講じています。

そこで、資源小国、更には少子高齢化の進む日本においては技術立国として揺るぎない国際的な立場を維持することが重要な課題の一つとなります。

そうした中、今回ご紹介した2017年度の科学技術白書の内容は今後の日本の国際的地位の低下を暗示しています。

国民の暮らしの最低保障、健康維持、あるいは国防など、国の進めるべき政策には当然のことながらそれなりの資金が必要になります。

そして、その資金の多さは企業からの法人税、あるいは国民からの税金などに依存しています。

その資金源の中で、科学技術をベースにした企業活動から得られる収益に連動した法人税の占める割合は無視出来ません。

 

ちなみに、以下は7月4日付けのネット記事(こちらを参照)からの情報です。

財務省が7月4日に発表した2017年度の国の決算(一般会計決算)の概要によると、国の税収総額は2016年度に比べて6.0%増の58兆7875億円でした。

1991年度(59.8兆円)に次ぐ過去3番目の大きさでした。

所得税、消費税、法人税の「基幹3税」が3年ぶりにそろって伸びました。

 

税収の内訳をみると、好調な企業業績を背景に法人税が16.1%増の11兆9953億円となりました。

 

以上、ネット記事の一部をご紹介してきました。

 

この記事から見ると、2017年度の法人税の国の税収総額に占める割合は20%ほどです。

そして、国民の納める所得税、消費税は法人税に連動する部分が大きいのです。

なぜならば、企業の治める法人税が多くなるということは、税率が変わらない限り、企業の業績がそれだけ好調で、従業員の給与を押し上げることになり、従業員の納める所得税が増え、一方で消費を後押しし、消費税増につながるからです。

ちなみに、2017年度の国家予算は過去最大の約97兆円ですから、税収だけでは足らず、不足分は新規国債発行などで穴埋めしているのです。

なお、2018年度の国家予算も2017年度とほぼ同額で6年連続で過去最高といいます。

ですから、将来の日本国民の生活レベルを下げないようにするためには、企業の経済活動を活発にし、企業の納める法人税をより増やすという課題を掲げることが国に求められるのです。

 

そこで番組の内容を参考に具体的な課題対応策を以下にまとめてみました。

・科学技術の基礎知識を効果的、かつ効率的に習得出来るような教育内容の整備

・企業がより活動し易い環境の整備

・将来性の期待出来るベンチャー企業の支援

・優れた研究への開発資金支援

・優れた研究者への海外派遣の支援

 

ということで、現政権には“国家100年の計”とも言える科学技術のトップランナーを目指して取り組んでいただきたいと思います。

科学技術の衰退した、借金まみれの日本に未来はないのです。


 
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2018年11月23日
アイデアよもやま話 No.4181 青空や夕焼けを再現出来る照明!

9月27日(木)付けネットニュース(詳細はこちらを参照)で青空や夕焼けを再現出来る照明について取り上げていたのでご紹介します。

 

三菱電機は9月27日、青空のような自然光を室内照明で表現する「青空を模擬するライティング技術」を開発したと発表しました。

薄型青空パネルとフレームを組み合わせた独自の照明構造を採用し、窓のない部屋や地下など、閉鎖的な室内空間への適用を検討します。

 

フレーム部にLED光源を内蔵し、パネル内部に導光させるエッジライト方式を採用しています。

LED光がパネル内部の光散乱体に当たることで、昼間に空が青く見える光の散乱現象「レイリー散乱」を発生させ、“空の青”を再現する仕組みです。

色の異なるLED光源の発光量を自動設定で時間的に変化させることもでき、朝焼けや夕焼けなどを再現することも出来るといいます。

 

以上、ネットニュースの内容の一部をご紹介してきました。

 

記事では、新たに開発したLED光によるライティングシステムにより朝焼けや夕焼けなどを再現出来ると伝えていますが、無限の色の照明が出来ると期待出来ます。

そこで、その用途について思い付くままに以下に書き出してみました。

・その時々の気分に合わせたプライベートルームでの照明

・企業や公共空間での目的に適した照明

・室内スタジオでの映画やテレビドラマなどの撮影に使う照明

・宇宙空間や移住先の他の惑星での地球上での暮らしに近い照明

 

中でも、特に将来的に人類が宇宙で暮らすことが一般的になると、今回ご紹介したような照明システムは地球での暮らしと同様の生活リズムを維持するうえで欠かせないと思います。


 
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2018年11月22日
アイデアよもやま話 No.4180 日本初の有人宇宙飛行計画!

8月1日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で日本初の有人宇宙飛行計画について取り上げていたのでご紹介します。

 

宇宙ベンチャーの株式会社スペースウォーカーは2027年に宇宙旅行の実現を目指すと発表しました。

スペースウォーカーはロケット開発に30年以上の経験を持つ技術者や30代の若手経営者らが昨年12月に設立した会社です。

宇宙ベンチャーとしては後発ですか、確かな技術力と斬新な資金調達などで日本初の有人宇宙飛行を目指します。

スペースウォーカーの大山 よしたかCEOは次のようにおっしゃっています。

「宇宙業界の第一線で活躍してきた方々がうちの会社を支えていただいていて、そういう方々の技術が無くならないようにしっかりと僕らが継承していけたらいいなと。」

 

また、設立者の一人、九州工業大学の米本 浩一教授は次のようにおっしゃっています。

「若い人は若い人で経験値が無い分、知恵と発想とどん欲な勉強する力で挑んでくるわけですね。」

「それがうまく組み合わされば、新しいやり方が生まれて次に進むんじゃないかなと思っていますし、・・・」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

続いて、以下はネット検索した結果についてのご紹介です。こちらを参照)

スペースウォーカーは顔ぶれが豪華でまさにオールジャパンの宇宙開発企業です。

国内でも既に宇宙関連事業に取り組んでいるベンチャー企業はいくつかあるようですが、具体的に有人飛行を目指しているのはスペースウォーカーだけのようです。

翼を持ったロケット、「スペース・プレーン」を開発すると明らかにしました。

「スペース・プレーン」は、米国のスペース・シャトルとは違い、飛行機のような機体が単独で飛行し、宇宙に行って、そして帰ってくるところにあります。

スペースシャトルのように打ち上げのための別のロケットは必要なく、まさに飛行機のように飛べる宇宙船となります。

現在の計画では、まず2021年に宇宙空間まで到達出来る「サブオービタル・プレーン」を開発し、続いて機体を大型化し、更にその背中に小さなロケットを追加で載せ、小型の人工衛星を打ち上げられるようにした機体を開発します。

こちらは2023年頃の試験飛行を狙います。

そして、さらに機体を大型化した有人の「スペース・プレーン」を開発し、2027年頃を目処に、日本初の有人宇宙飛行を目指すというのです。

 

一方、開発には膨大な資金を要します。

なので資金集めが大きな課題です。

アメリカでは1990年代から、数多くの宇宙ベンチャーが立ち上がってきましたが、資金不足を理由に多くが撤退し、いまも生き残っているのはスペースXなど数社にとどまります。

また近年、日本でも宇宙ベンチャーが活発になってきてはいますが、衛星開発やデータ利用などといった分野に比べ、ロケット開発にはあまり資金が集まらない傾向があります。

 

スペースウォーカーもまた、多くの人にとって魅力的な計画であり、技術的にも実現可能かもしれませんが、資金が集まらなければ、結局な絵に描いた餅で終わってしまうだろうということです。

 

以上、ネット検索で得た内容の一部をご紹介してきました。

 

開発資金集めという大きな課題はありますが、有人飛行機の開発には「宇宙旅行」という大きな夢があります。

誰しも生きている間に一度は宇宙旅行をして、はるか宇宙から地球を見てみたいという望みを持っているはずです。

そして、スペースウォーカーは日本版の宇宙旅行を実現させる可能性を秘めているのです。

なお、資金調達ですが、最近注目されている方法としてクラウドファンディング(参照:アイデアよもやま話 No.3568 拡大するクラウドファンディング!)があります。

こうした夢のある事業には多くの人たちが賛同し、資金提供に協力してくれるのではないでしょうか。

 

宇宙関連産業は間違いなく新たな、そして巨大なビジネスのフロンティアです。

ですから、スペースウォーカーのようなベンチャー企業には是非とも事業を成功させていただきたいと思います。


 
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2018年11月21日
アイデアよもやま話 No.4179 ダイナミックプライシングは商業ビジネスを変える!?

以前からスーパーなどでは夕方になると売れ残り商品の一つひとつに「30%引き」などのシールを貼り付けて、少しでも売れ残りを防ぐようにしています。

そうした中、8月1日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でサッカーの試合でのダイナミックプライシングの導入について取り上げていたのでご紹介します。 

 

販売状況や対戦カードなど様々な条件をもとにAI(人工知能)がチケットの価格を提案するダイナミックプライシング、つまり価格変動型のチケットが8月1日にJリーグのチームで初めて導入されました。

スポーツなどエンタテインメントの業界に革命をもたらす新しいシステムの導入は集客につながるのでしょうか。

 

横浜市にあるニッパツ三ツ沢球戯場、Jリーグの横浜F・マリノスがホームに迎えたのは現在(放送時点)首位を独走するサンフレッチェ広島です。

横浜F・マリノスはこの日、観客に販売する約4分の1のチケットにダイナミックプライシングを導入しました。

横浜マリノス マーケティング本部の永井 紘さんは次のようにおっしゃっています。

「稼働率が上がり、スタジアムのお客様が増えると。」

 

これまでチケットの価格は対戦カードや天候などに関係なく同じ価格で販売されてきました。

ダイナミックプライシングは、天候や日程、チームの順位などの基本情報と過去の販売実績の関係をAIが分析し、チケットの最適な価格を導き出す仕組みです。

 

2日前の7月31日(月)、横浜マリノスのオフィスを訪れていたのは三井物産の社員です。

今年、三井物産はヤフーやチケット販売を手掛けるぴあと共同で新会社、ダイナミックプラス株式会社を6月1日に設立しました。

ダイナミックプラスの平田 英人さんは次のようにおっしゃっています。

「欧米では2009年頃からスポーツエンターテインメント市場においても価格は変動するというものが導入されてきています。」

「そういう文化を日本において広めたいと・・・」

 

アメリカから導入したシステムを使い、AIが最適なチケット価格をはじき出しました。

最も高いメイン席の価格のチケットはこの日6900円だった価格を7600円に値上げするように提案、ただ販売枚数は45枚から38枚に減少します。

一方、AIはバックスタンド席の価格を4400円から4100円に下げるように提案、そうすることで125枚から141枚に増加すると分析しました。

席ごとに細かく変動させ、トータルでの収益アップを狙います。

 

アメリカではダイナミックプライシングでチケット全体の売り上げは平均1割から3割アップしているといいます。

そこで8月1日のチケットをダイナミックプライシングで通常より800円安く購入出来たサポーターに話を聞くと、「お得だった」ということでした。

一方でよく試合観戦に来るというサポーターからは「変動制というのは不正な売買などを考えても積極的にやっていくべきだと思う」という意見でした。

適正価格で販売することにより、オークションなどで行われている高額転売を防止することにもつながるダイナミックプライシング、横浜マリノスはスタジアムにより多くの観客を呼び込み、稼働率を上げたい考えです。

永井さんは次のようにおっしゃっています。

「今は一部の席種でのテストトライアルということでやっているんですけども、将来的にはこの実証実験を経た後にエリアを広げて全席種でやるところまで視野に入れて進めていきたいと考えております。」

 

番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄准教授は次のようにおっしゃっています。

「(ダイナミックプライシングは日本でも浸透していくかという問いに対して、)はい。」

「元々市場メカニズムの基本は需給のアンバランスを価格が変化することで調整するというのが基本ですから、今までのように価格が固定されていることの方がおかしいんですね。」

「ですから、そう考えるとある程度ダイナミックプライシングが入って来るのは私は日本のためにもいいことだと思っていまして、例えばコンサートや高速道路、電車に入ると面白いんじゃないかなと。」

「アメリカではテイラー スイフトという歌手がいますけど、その歌手のコンサートにダイナミックプライシングが入ったということで非常に話題になりました。」

「それから高速道路とか電車といった公共サービスに入ると、時間単位、分単位で価格が変わるので、混んでいる時は価格が上がり、混まない時には価格が下がれば、いわゆる渋滞とか混雑の解消になる可能性が高いということですね。」

「(アメリカの鉄道会社、アムトラックではニューヨーク、ワシントン間の乗車料金がララッシュ時には300ドルくらい、夜中とか早朝は100ドルほどと3倍近い差があるが、日本の新幹線で東京、大阪間の乗車料金が3万円と1万円というような差が出ることは許容されるかという問いに対して、)公共サービスは高くても使わざるを得ない人がいるんで、そういう極端な価格差は絶対出すべきではないと思うんですね。」

「ですからそういうバンド、ある程度ゆるいレンジみたいなものを設けてやる必要があって、ただAIがあれば、むしろやり易いわけですね。」

「ですから、そういった緩やかなレンジの中で公共的なものは価格を調整してやると。」

「そうやるとですね、一人ひとりにとっての負担はそんなに大きくないかも知れないけど、考えていただきたいのが、例えば通勤のためのお金を支出する企業からみると、そういったお金が積もっていきますんで、大きな負担になる可能性があるんですよ。」

「ですからダイナミックプライシングが入ると、実は時差通勤みたいなものを企業が積極的にやる可能性もあるということで「働き方改革」なんかにもプラスにかも知れないということですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

入山教授のおっしゃるように、商品やサービスの価値は季節や時間帯、あるいは消費期限などいくつかの条件により変動します。

ですから、既にアナログの世界ではこうした価値の変動に応じた取り組みが断片的になされてきています。

ところが今回ご紹介したダイナミックプライシングの導入は、AIの活用によりこうした需給バランスによって生じる価値の変動を考慮したタイムリーで最適な価格設定を自動的に可能にするのです。

IoT(モノのインターネット化)の普及とともにこのダイナミックプライシングはあらゆるところで適応出来ます。

 

例えば、スーパーやコンビニなどで陳列されているあらゆる商品の数量、あるいは消費期限などのデータがIoTによりデータセンターで集中管理出来れば、状況に応じてタイムリーなダイナミックプライシングが出来ます。

ここで大切なことは、こうした商品の一連のお得情報を来店客がスマホなどで見ることが出来るようにすることです。

いくらダイナミックプライシングを導入しても、肝心の来店客がお得情報を知ることが出来なければ、意味がないからです。

また、こうした商品情報をお店がリアルタイムで把握出来るようになれば、いちいち店員が店内を見回らなくてもよくなり、商品管理の生産性向上が期待出来ます。

更に、「30%引き」などの値下げのためのシールを貼る作業も不要になります。

 

ということで、ダイナミックプライシングは、あらゆる商品やサービスの適正価格を自動設定するだけでなく、関連する作業プロセスの自動化も可能にし、まさに“商業革命”をもたらす可能性を秘めているのです。

一方、ユーザーにとっても季節や時間帯などによって、これまでよりも低価格での商品の購入、あるいはサービスを受けることが出来るようになるのです。

ですから、ダイナミックプライシングの普及をどんどん進めていただきたいと思います。

 

ということで、ダイナミックプライシングは安倍政権の進める「働き方改革」の柱の一つとして大いに期待出来るのです。


 
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2018年11月20日
アイデアよもやま話 No.4178 スマホ決済で進む電子マネー経済!

7月30日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でスマホ決済で進む電子マネー経済について取り上げていたのでご紹介します。 

 

QRコードをスマホで読み込んで料金を支払うことが出来る決済が急拡大しそうです。

中国などでは広く普及している決済手段ですが、日本ではまだまだ認知度が低いというのが現状です。

しかし今、スマホ決済を展開する企業が増えてきています。

既に参入している企業は楽天やLINE、ドコモ、ヤフーなど様々な企業が入り乱れて加盟店やユーザーの獲得競争を繰り広げています。

またアマゾンやメガバンクは準備中といいます。

ただ、日本では既に電子マネーやクレジットカードといった決済方法が普及しています。

そうした中で企業の相次ぐ参入によって今後スマホ決済は定着するのでしょうか。

 

スマホ決済を手掛けるLINE Payは加盟店を増やすため店の負担を減らすと宣言しています。

店側は無料のアプリを入れるだけで8月から3年間3.45%かかる決済手数料が無料になります。

更にLINE Payの利用者にはLINEポイント(1ポイント1円)を支払いごとに3%還元、月末の1週間に限っては還元率が最低でも13.5%になります。

こうした施策でLINE Payは現在9万4000ヵ所ある加盟店を今年度中に100万ヵ所まで増やす計画です。

市場が未成熟なうちにグループ全体でシェアを獲得していく考えです。

LINE Payの長福 久弘COOは次のようにおっしゃっています。

「(どのように利益を得るのかについて、)赤字を掘るというようなところになっております。」

「それくらいやらないと、このマーケットでキャッシュレスが進まないと。」

「LINE全体では決済だけをやっている会社ではないことが非常に強みだと思っておりますので、LINE全体のアセット(資産)を使いながら、様々なビジネス展開をしていければと。」

 

こうしたスマホ決済を巡る動きは他にもあります。

ネット通販大手のアマゾンもスマホ決済の実証実験を始めたことを示唆しています。

更にヤフーの川邊 健太郎社長は次のようにおっしゃっています。

「このモバイルペイメント事業、もう1個ヤフーをつくるぐらいの覚悟でやりたいと思っています。」

 

スマホ決済サービス「PayPay(ペイペイ)」を発表しました。

秋からのサービス開始に向け、ヤフーはインドに3億人以上のユーザーを持つというスマホ決済「Paytm」の技術を導入、更に広い影響力を持つソフトバンクと手を組み、スマホ決済の合弁会社PayPayを設立しました。

このサービスを通じて顧客の購入情報を集め、既存事業の拡大や新規事業に活用したい考えです。

「PayPay」でも中小店の手数料の負担を考慮して、サービス開始から3年間無料にします。

また決済のための専用の機械を置く必要がない手軽さも魅力の一つです。

このスマホ決済でヤフーがまず狙うのは加盟店の拡大です。

PayPayの中山 一郎社長は次のようにおっしゃっています。

「日本銀行券と同じようなユーザー体験をご提供申し上げないと中々難しいのかなというのは、事業課題としては感じていますので、どこでも「PayPay」と耳に入って来るような環境を整えるのは事業を進める絶対条件になります。」

 

実際にQRコードを使うスマホ決済の使い勝手はどうなのでしょうか。

クレジットカードや電子マネーなど20種類以上の決済が可能なローソン、電子マネーのモバイルスイカで決済してみると、商品を渡してから支払い完了までにかかった時間は12秒、一方QRコードを読み込むスマホ決済のLINEペイでは決済画面を立ち上げて完了までは16秒、電子マネーよりも4秒長くなりました。

ローソンでは、スマホ決済の利用者はまだ少ないものの今後の利用者増に期待を寄せています。

ローソンの辰巳 太司さんは次のようにおっしゃっています。

「(QRコード決済は)スマホの保有者が増えておりますので、それにアプリをダウンロードするだけで使えると。」

「クレジットカードや電子マネーと比較すると、伸長率としては顕著に伸びていると。」

 

番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄准教授は次のようにおっしゃっています。

「(QRコードを使ったスマホ決済の勝算について、)勝算を考えるうえで、他の決算システムとも比較というのが重要と思うんですね。」

「従来からあるクレジットカードは、まだサインが必要だったり、ちょっと手間取る部分もあるんですが、一方でポイントですとか付帯サービスがすごく充実しているわけですね。」

「それに対して、最近普及してきている電子マネーはそれほどのサービスはないかも知れないけど、圧倒的に早くて手軽なわけです。」

「それと比べるとQRコードはクレジットカードほどサービスは出来ないし、電子マネーと比べると、アプリを立ち上げる分ちょっと時間がかかっちゃうわけですね。」

「ですから、ユーザー目線から見るとちょっとどっちつかずなところがあるんですが、ただ一方でこの決済システムを使う導入する企業からしてみると圧倒的にコストが下げられるわけですね。」

「加入料が今タダですし、それから今ですと機械がいらなくてQRコードもプリントすればそれだけで決済機能が入るわけですね。」

「ですから例えば中国なんかでQRコードがすごく普及しているわけですけど、それもいわゆる屋台とか行商の方などが使うことで中国全土で広がっているわけです。」

「ですから日本も恐らく地方の中小企業ですとか、個人商店とかラーメン屋さんですとか、そういうところまで広がっていくということを考えると商機もあるし、日本の経済にとってもいいことなんじゃないかなと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して、クレジットカードや既存の電子マネー、およびQRコードの拡大につながる競争優位要件について以下にまとめてみました。

(加盟店)

・少ない導入コスト(機器の設置コストや加入料)

・少ない手数料

・付帯サービス(会計処理の自動化や売上向上につながるサービスなど)

 

(ユーザー)

・操作性

・処理時間

・付帯サービス(キャッシュバックやポイント付与など)

・安全性、および不正使用された場合のサプライヤーの納得出来る対応

・加盟店の多さ

 

特にQRコードの拡大がこれから見込まれる日本においては、陣取り合戦の様相を呈しているようです。

そして、より有利になるのはQRコードの拡大が既存のサービスにもメリットをもたらす既存の企業、あるいは資金力のある新規のスマホ決済企業です。

なぜならば、より有利な条件で加盟店を増やせるからです。

また、会計データ処理などの付帯サービスも併せて提供することにより、加盟店との関係をより強固にすることが出来ます。

 

また、キャッシュレス、およびスマホ決済企業の提供する付帯サービスによって、加盟店はお店全体の生産性向上、および売上増を一気に達成出来る可能性を秘めています。

ですから、これまでの日本のサービス業の生産性の低さを一気に挽回出来るチャンス到来と言えます。

 

一方、ユーザーは買い物が全てスマホ決済も含めてキャッシュレスで出来るようになれば、現金やクレジットカード、スイカなどの電子マネーから解放されます。

ですから、財布が過去のものになる可能性を秘めています。

更に、カードを持ち歩く必要がなくなるので、買い物に際してこれまでよりも多くの中からどの決済企業の提供するサービスを使用するか、選択肢が広がります。

 

ということで、今日本は本格的なキャッシュレス社会に向けて動き出そうとしているのです。

そして、この流れは様々な観点で生産性の高い社会の実現につながると大いに期待出来そうです。

 

さて、こうした動きは売り上げデータなどが全てガラス張りのように“見える化”されてしまうので、会計データの改ざんなどが出来にくくなり、有効な脱税防止対策という隠れたメリットがあるのです。


 
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2018年11月19日
アイデアよもやま話 No.4177 普及の遅い霞が関のテレワーク!

7月24日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で経済産業省(経産省)でのテレワークの取り組みについて取り上げていたのでご紹介します。

 

東京オリンピックの開幕まで後2年となった7月24日、東京スカイツリーではカウントダウンのイベントが開かれました。

しかし、オリンピック期間中には交通規制に伴う通勤ラッシュの悪化なども懸念されています。

そこで注目されているのが職場に出勤しないでインターネットを使って自宅などで仕事をするというテレワークです。

政府は企業にこのテレワークを呼びかけていますが、制度がある企業はまだ9%というデータもあります。(国土交通省平成29年度テレワーク人口実態調査より)

そうした中、深夜までの国会答弁書の作成などでテレワークとはほど遠かった霞が関のある省庁が改革に乗り出しました。

はたして旧態依然とした働き方の霞が関でテレワークは普及するのでしょうか。

 

東京渋谷区の住宅街、ここに住む経産省化学物質管理課の西村 栄利子さんは2歳の娘を育てながら働いています。

西村さんが待っていたのは出社している同僚からのビデオ電話、経産省で行われている会議に出席するためです。

西村さんはパソコンなどを活用して、家や社外で仕事をするテレワークを行っています。

会議は離れていても内容を共有出来るように工夫がなされています。

出席者が持ち寄った会議用の電子資料、ここにそれぞれが変更点やアイデアを書き込みます。

すると、その内容が全員の電子資料に反映されます。

出席者が1枚の資料を見ているのと同じ感覚です。

会議はおよそ15分で終わりました。

西村さんは次のようにおっしゃっています。

「(テレワークは)最初はすごく特別な感覚かなと思っていたんですけど、やってみるとあまり職場と変わらない・・・」

 

在宅勤務などのテレワークを推進しようと、経産省は省内のノートパソコンを軽量なタブレットに替え、職員が自宅に持ち帰れるようにしています。

「月に1日は在宅勤務を」と職員に呼びかけています。

国が進める「働き方改革」に足並みを揃えようという狙いです。

西村さんは省内の環境の変わり方に驚いているといいます。

「(家にいながら仕事が出来るということについて考えられたかという問いに対して、)正直全然考えられませんでした。」

「(在宅勤務では)家事とか普段職場にいたら全然出来ないことを隙間時間で出来るので、育児と仕事の両立の上では不可欠な働き方の選択肢の一つと思っていますね。」

 

経産省は民間企業とのやり取りにもテレワークを用いることを始めました。

経産省情報政策局総務課の吉田 泰己さんはイタリアとのウェブ会議を利用しています。

吉田さんがビデオ電話で話しているのは、イタリアに出張中のベンチャー企業の日本人女性です。

これまでは打ち合わせのたびにわざわざ足を運ぶ必要がありました。

テレワークの導入が移動の時間や費用を減らすことにつながると、現場は期待しています。

吉田さんは次のようにおっしゃっています。

「出張しなくていい案件というのもこれ(テレワーク)でカバー出来る部分も増えてくると思うので、労働の質や時間の短縮、出張コストの削減みたいなところで全体的に生産性が上がっていくんじゃないかなと思います。」

 

実は「世界銀行2018ビジネス環境ランキング」によると、日本は起業のし易さで190ヵ国中106位と低迷しています。

それを証明するものが経産省の地下室の倉庫にあります。

経産省情報プロジェクト室長の中野 美夏さんは次のようにおっしゃっています。

「(倉庫の棚いっぱいの書類を指して、)これはごく一部です。」

「見えている限り、およそ会計関係の手続き書類を持っていると。」

「各省庁も同じように持っていると思います。」

「手続きが進むにつれて、計画の変更があると足して足してとやっていくと積み上げると結構な分量になってしまうと。」

 

中小企業の補助金申請などに必要な書類がなんと分厚いことか、行政手続きの煩雑さに加えて時間も相当かかることから日本は世界に後れを取っているのです。

そこで経産省は現在、中小企業の補助金申請を分かり易く簡素化するためのアプリを開発中です。

 

ITを積極的に使うことで役所も企業もより効率的な仕事が出来るというのです。

中野さんは次のようにおっしゃっています。

「こういうインターフェイスを通じて質問をするですとか、遠方の方とかにとってみると役所のハードルが下がってくるので、いろんな方が参加し易いかたちになってくるのかなと。」

 

経産省が働き方の見直しを進める一方で、7月20日(金)の午後11時50分過ぎに厚生労働省(厚労省)ではこうこうと明かりが灯っていました。

財務省でも総務省でも同様でした。

7月24日の会議で、世耕経済産業大臣は次のようにおっしゃっています。

「(取り組みに関して経産省だけでなく、霞が関全体でやらないと効果がないのではという問いに対して、)確かに霞が関はまだまだテレワークは遅れている面があると思いますが、テレワークでも支障なく業務が遂行出来るんだということを他省庁にもしっかりお見せをして、他省庁がそれを真似ていただくことで広がっていくことも期待したい。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通してまず感じたことは、「世界銀行2018ビジネス環境ランキング」での日本は起業のし易さが190ヵ国中106位という現状です。

このことは起業に伴う制度の煩雑さや要する時間、コスト、あるいは支援の仕組みに改善の余地が大いにあることを意味しています。

この問題は、主に国や自治体が主体性を持って解決に取り組むことが求められます。

 

次に、あらためて安倍政権の進める「働き方改革」におけるテレワーク活用の必要性を感じました。

なお、テレワークのメリットについて以下にまとめてみました。

・自宅に限らず、社外のどこでも仕事が出来ること

 ⇒ ・自宅では家事や育児などと仕事との両立が図れること

   ・旅行などプライベートな外出先でも仕事が出来ること

   ・専業主婦にも新たな仕事の道が開けること

   ・電子データ化によるペーパーレスの促進

・通勤や出張などに伴う時間やコストの削減

⇒ ・時間の節約分を様々なプライベートタイムとして活用出来ること

 

一方で、社外のどこでも仕事が出来るテレワークでは機密情報の保護対策が一段と求められるようになります。

 

さて、こうした状況を今回ご紹介した霞が関に当てはめてみるととんでもなくスローなペースに驚かされます。

というのは、私が以前勤務していた外資系IT企業では、今回ご紹介したような経産省の取り組みは既に20年ほど前に始められていたからです。

また、とても残念なのは、中央官庁が率先してITなどの最新技術を取り込んで生産性向上を図ろうという気概が見られないことです。

どちらかというと“石橋を叩いて渡る”という組織風土が感じられます。

 

ということで、「働き方改革」をより有効にそして、より素早く国内に浸透させるうえで重要なことは、中央官庁が率先してテレワークなどを通しての省内のみならず対外的なやり取りにおける業務改革を進めることだと思います。

そして、その改革の結果を企業にも展開するための支援活動を行うことだと思います。

それによって、中央官庁は深夜勤務などから解放され、働き易い職場に変身出来るので優秀な人材が集まって来るはずです。

同時に、企業に対しても「働き方改革」の具体的な姿を提示し、そのメリットを実感させることが出来るのです。

 

日本は以前から一部の企業を除いて、総じて生産性が低いと言われてきましたが、中央官庁が率先して真摯に「働き方改革」を進めれば、日本の企業全体に波及し、日本全体の働き方が変わることが出来るのです。

 

ということで、「働き方改革」を進める安倍総理には「先づ隗より始めよ」の精神で身近な中央官庁でも精力的に取り組んでいただきたいと思います

同時に中央官庁で働く方々にはこうした気概を持って、深夜残業からはかけ離れた働き方でスマートに働ける環境を自ら構築し、国内企業の手本となって欲しいと思います。


 
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2018年11月18日
No.4176 ちょっと一休み その673 『今回のアメリカの中間選挙から見えてくること』

これまでNo.3546 ちょっと一休み その568 『アメリカ大統領選の結果から見えてくること』などでトランプ大統領関連についてお伝えしてきました。

今回は先日行われたアメリカの中間選挙から見えてくることについてお伝えします。

 

大統領の信任選挙とも位置付けられるアメリカの中間選挙は、上院は共和党が、そして下院は民主党がそれぞれ過半数を獲得するという結果になりましたが、どちらもそれほど大きな差はありませんでした。

この意味するところは、アメリカ国民の価値観が大きく2分されているということです。

一つは理想主義と現実主義という価値観の相違、そしてもう一つは富める層と富めざる層という2つの観点での国民によるせめぎ合いです。

理想主義サイドは地球温暖化などの環境問題の解決、あるいは健全な国際社会を目指すうえでの自国のリーダーシップの重要性に重きを置きます。

一方、現実主義サイドは何よりも経済優先で、トランプ大統領の“アメリカファースト”政策を支持し、健全な国際社会の実現や他国の経済には無関心でアメリカの富が潤えばそれで良しとする考え方です。

 

こうした価値観の相違とは別に、富める層と富めざる層とのせめぎ合いがあります。

富める層は減税による恩恵を求め、富めざる層は何よりも働き口など日々の暮らしの向上を求めます。

 

トランプ大統領は、ラストベルト(錆びついた工業地帯)に象徴されるように、アメリカの“経済最優先”によりアメリカ国民の半数近くの気持ちをがっちり捉えて政権を維持しているのです。

 

そして注目すべきは、こうしたトランプ大統領の成功事例に影響を受けて、途上国の中にも“ミニトランプ大統領”が続々と登場して来ている状況です。

 

短期的に見れば、“自国ファースト”は生活にゆとりのない国民が多い国では多くの国民の支持を得るうえで、国の指導者が掲げるスローガンとして有効かもしれません。

しかし、長期的に見れば、国同士の利己主義がぶつかり合えば、ギスギスした国際社会になり、結果として弱肉強食で強国による国際支配が強まってしまいます。

こうした状況は、特に弱肉サイドの国民の不満を高め、やがて国際紛争の火種になりかねません。

 

長い目で見ると、現在は自由主義社会も共産主義社会も長い年月を経て成熟してきた状況だと思います。

そして様々な弊害が浮き彫りになってきました。

こうした弊害の打破を目指すべく、アメリカと中国の指導者は取り組んでいるように思えます。

しかし、どちらも他国と“WinWin”の関係を築くよりも“自国ファースト”を強く押し進めているように見えます。

そして、世界の多くの国々から反発の動きが出て来ています。

日本もこうした米中の動きの中でどう対応すべきか模索しているように見えます。

 

一方で、実現間近の火星移住計画や月旅行に象徴されるように今や人類の活動空間は宇宙まで広がろうとしています。

 

ということで、特にアメリカと中国という2大大国の指導者には、“五方良し”(参照:No.4134 ちょっと一休み その666 『これからの時代のキーワード その4 ”五方良し”』)の精神を持って政権運営に取り組んでいただきたいと強く思うのです。


 
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2018年11月17日
プロジェクト管理と日常生活 No.567 『アメリカが宇宙軍を創設する重大な意味!』

アメリカによる宇宙軍の創設について各種報道されていました。

そこで、今回は8月10日(金)付け読売新聞の夕刊記事を通して、人類が生存するうえでのリスク管理の観点からご紹介します。

 

ペンス米副大統領は8月9日、国防総省で演説し、陸海空などと同格の新たな独立軍種として、宇宙での軍事行動を担う「宇宙軍」を創設する方針を表明しました。

その狙いは、宇宙領域での軍事活動を強化する中国、ロシアに対抗することであり、2020年までの創設を目指すといいます。

なお、新軍種の創設には、議会が法案を可決する必要があり、政権の構想通りに進まない可能性もあります。

 

以上、記事の一部をご紹介してきました。

 

アメリカが宇宙軍を創設する狙いは、宇宙領域での軍事活動を強化する中国、ロシアに対抗することにあるということですが、こうした流れがどんどん進んでいくと、地球そのものを破壊して自国の国民だけを他の惑星に移住させて生存するなんていう途方もない考えを持った指導者が現れないとも限りません。

 

それよりも人類の生存の観点からすると、人類による宇宙開発が進むと、いずれ遠い将来、異星人との遭遇があり得ます。

そうした時に異星人との戦争勃発リスクが生じます。

まさに「スター・ウォーズ」です。

そうした時に備えて、人類の生存を賭けて、あるいは異星人の奴隷となるリスク対応策として、国際レベルでの“宇宙軍”の創設はとても重要なのです。

 

ということで、アメリカや中国、ロシアなどによる“宇宙軍”の創設は、国どうしの戦いの場を宇宙空間にまで広げるリスクもありますが、一方では異星人との戦いの勃発に備えるリスク対応策という重大な意味合いもあるのです。


 
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