2020年09月19日
プロジェクト管理と日常生活 No.659 『新型コロナウイルス封じ込めで強気に転じる中国の脅威!』

5月15日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルス封じ込めで強気に転じる中国の脅威について取り上げていたのでご紹介します。

 

アメリカは中国に対してかなり強硬な姿勢を示していますが、それ以外でも中国との摩擦は世界各地で起きています。

こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。

「各国との関係を整理すると非常に注目されることは多いと思うんですね。」

「まずオーストラリアとの関係では、オーストラリアはコロナの問題の独立調査のチームを派遣したいという要望をしていますが、それに対して中国は「そんなこと言うんだったら牛肉の輸入を制限するぞ」と言っているわけですね。」

 

「ニュージーランドについては、WHOの総会に台湾をオブザーバー参加したらどうだと言っていることに対して、中国は猛烈に非難しているわけです。」

 

「更に南シナ海や尖閣諸島を巡っても相当中国との間で今“波高し”のような状況になっていると思います。」

 

「(これだけ中国が各国との間で軋轢を生んでいる背景についてどのように分析しているかという問いに対して、)一言で言えば、コロナの収束に成功したんだと、言わば自信がちょっと高飛車な態度、姿勢の背景として見逃せないと思うんですね。」

「で、典型的な例はニュージーランドとの関係なんですけど、昨年の末にニュージーランドと中国の間でFTA、自由貿易協定を改定して非常に関係が接近していたんですけども、あまりに高飛車な態度を中国が取ったことで関係がこじれているわけですね。」

「本当はこういう状況にソフト路線を取れば中国の株が恐らく上がるんでしょうけど、残念ながらそのベクトルは逆ですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

また6月19日(金)付けネットニュースでも同様のテーマを更に詳しく取り上げていたので以下にその要旨をまとめてみました。

 

(習政権の存続は経済次第である)

・中国の習近平政権が20204月で発足8年目に入り、大きな試練に直面している。新型コロナウイルスの感染拡大で、政権基盤の支えでもあった経済が急減速しているからだ。

・中国の政治指導者は選挙で選ばれていないため、その政権の正統性を立証することはできない。唯一の根拠は、経済発展を維持し、人民を幸せにすることである。

・経済成長が減速したのは中国国内の構造的な要因のほか、米中貿易戦争によって輸出が阻まれていることがある。

・これに加え、目下の新型コロナ危機で経済の供給網(サプライチェーン)が寸断され、中小企業の経営破綻で雇用が悪化、国内需要も弱くなった。

 

(不確実性に満ちた政治情勢)

・いつの時代も専制政治がベールに包まれて、その中で何が起きているかは分かりにくい。

1991年、あれほど強固にみえたソビエト連邦はどこの国にも侵略されないまま、突如として雪崩を打つように崩壊してしまった。

・ソ連崩壊の例から今の中国が崩壊することを類推するにはあまりにも材料不足である。ただし、中国社会に問題が山積しているのは確かなことである。

・これまでの7年間、習政権は250万人の腐敗幹部を追放した。腐敗幹部の追放は人民からの支持を広く集めているが、共産党幹部の腐敗を根絶できない現行政治体制を改革しなければ、人民からの支持を失うことになる。

・習政権は共産党高級幹部から草の根の民まで全ての国民に対する監視体制を強化している。

・しかし、人民から自由を奪う習政権の政治理想は簡単に実現しない。なぜならば、これまでの40年間、中国人はいったん自由のすばらしさを味わったからである。

・その自由が奪われることに対して、計り知れないほど強烈な抵抗が予想され、そのマグニチュードいかんによって習政権そのものがひっくり返されてしまう可能性がある。自由のない社会は幸せな社会になり得ない。

・ 中国の古典「荀子」には、「水能載舟、亦能覆舟」との教えがある。すなわち、水(民)は舟を浮かべることができるが、舟を転覆させることもできるということである。人民を幸せにすることができない君子はいずれ人民によって倒されるということである。この「荀子」の教えから習政権は存亡の危機に直面しているといえる。

 

(世界を敵に回す習政権の外交)

・習政権は強国復権の夢を人民に唱え、中国が世界のリーダーになるべく、「一帯一路」イニシアティブの巨大なプロジェクトを遂行している。習政権の国際戦略は、既存の国際秩序は先進国に利するものばかりであり、それを新興国にとってより公平な新たなものに改めなければならないということである。

・この問題意識は間違っていないが、新しいルールが確立されるまで既存のルールに従わないといけないと自覚すべきである。

・習政権になってから、既存の国際ルールの変更を待たずに、次から次へと既存の国際ルールにチャレンジしている。一つは、領土領海の帰属問題である。もともと歴史的な背景が複雑に絡み、簡単に白か黒かと決めることができない問題が多い。だからこそ国際裁判所に仲裁を仰ぐことが慣例である。

・中国は国土の広い国であり、12カ国と国境を接している。

・近年、中国の経済力が強化されたことから、陸に続いて海への拡張も行われている。しかも、対話よりも既成事実を作ることを優先にしているようだ。東アジア域内の不安定性は中国自身を困らせている。

・中国政府はかねて台湾問題を核心的な利益と位置付け、台湾統一に武力行使を辞さない姿勢を貫いている。また、香港に対しても、国家安全法を制定するなど、実質的に一国一制度への転換が図られている。

・問題は、中国から人心が離れていけば、台湾を統一しても、香港に対するコントロールを強化しても、北京との心の距離が離れて行っては、何のメリットもないはずである。

・新型コロナ危機をきっかけに、もともとぎくしゃくしていたアメリカとの関係はさらに悪化している。

・ウイルスの発生源を調査すべきと主張するオーストラリアなどに対して、中国は経済制裁を実施している。こうした言動はいずれも国際社会で反感を買うものである。

・国際政治学者の一部は米中が新冷戦に突入することを予言している。その予言が的中するかどうかは別として、米国の中国からの離反(デカップリング)が現実味を帯びてきた。

 

(中国経済の展望)

中国経済は経験したことのない苦境に陥っている。522日に開かれた全人代で李克強首相は政府活動報告を読み上げたが、異例なことに今年は経済成長率目標を掲げなかった。

その代わりに、「就業」、すなわち、雇用の安定維持が39回も繰り返して強調された。

・中国経済が急減速しているのは、新型コロナ危機によるところが大きいが、同時に対米貿易戦争によって輸出が阻まれているため、外需が弱くなっている。

・一方、内需については、短期的に見ると、家計貯蓄率が30%もあり、景気回復を下支えする重要な材料として注目される。

・ただし、雇用が悪化しているため、V字型回復は期待できない。

・何よりも、中国には、日本の中小企業信用保証制度のような仕組みがないため、民営企業は国有銀行からお金を借りることができない。これも失業率の高騰を助長する要因となる。

・現在、中国政府は外国企業の対中直接投資の誘致に力を入れている。しかし、多国籍企業を中心に中国にある輸出製造拠点をベトナムなどへ移転させる計画が表面化している。

・グローバルサプライチェーンが再編されるなかで中国は「世界の工場」としての地位が大きく揺らぐことになろう。

・中国は米国との関係悪化を乗り切るために、日本との関係改善に取り組もうとしている。

・もともと、習国家主席は20204月の初旬に国賓として訪日する予定だったが、コロナ危機によって延期となった。しかし香港情勢や米中関係の一段の悪化などを受け、年内の訪日実現は難しくなったと見られている。

・これで日中関係が急速に悪化することは考えにくいが、中国を取り巻くグローバル環境は一段と不安定化し、東アジアの地政学リスクがさらに高まるものと思われる。

・グローバル社会、とりわけ東アジア諸国にとり、チャイナリスクをきちんと管理することが今まで以上に重要な課題となっている。

 

以上、ネット記事の要旨をまとめてみました。

 

まず、共産党による一党独裁、すなわち専制政治国家、中国において、その政権の正統性を立証する唯一の根拠は経済発展を維持し、人民を幸せにすることであるという指摘はなるほどという思いです。

なお、自由主義国家においても、政権与党が政権を維持し続けるうえで経済発展は大きな要素です。

そして、専制政治国家と自由主義国家の大きな違いは、自由主義国家においては選挙により政権交代が可能ですが、専制政治国家においては政権交代の仕組みがなく、中国であれば共産党内での権力の転換が行われるか現政権の反対勢力による革命しかないのです。

 

さて、現在、中国国内の構造的な要因のほか、米中貿易戦争によって輸出が阻まれていることから中国の経済成長が減速しています。

更に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で多国籍企業を中心に中国にある輸出製造拠点をベトナムなどへ移転させる計画が表面化しています。

グローバルサプライチェーンが再編されるなかで中国は「世界の工場」としての地位が大きく揺らぐ可能性が出てきています。

 

そうした中、習政権は共産党高級幹部から草の根の民まで全ての国民に対する監視体制を強化しているのです。

しかし、人民から自由を奪う習政権の政治理想は簡単に実現しないといいます。

なぜならば、これまでの40年間、中国人はいったん自由のすばらしさを味わったからです。

ですから、その自由が奪われることに対して、計り知れないほど強烈な抵抗が予想され、習政権そのものがひっくり返されてしまう可能性があるといいます。

 

そこで、習政権は強国復権の夢を人民に唱え、中国が世界のリーダーになるべく、「一帯一路」イニシアティブの巨大なプロジェクトを遂行しているというわけです。

習政権の国際戦略は、既存の国際秩序は先進国に利するものばかりであり、それを新興国にとってより公平な新たなものに改めなければならないということなのです。

 

習政権になってから、既存の国際ルールの変更を待たずに、次から次へと既存の国際ルールにチャレンジしています。

一つは、領土領海の帰属問題です。

中国は国土の広い国であり、12ヵ国と国境を接しています。

近年、中国の経済力が強化されたことから、陸に続いて海への拡張も行われています。

しかも、対話よりも既成事実を作ることを優先しているようで、東アジア域内の不安定性は中国自身を困らせています。

中国政府はかねて台湾問題を核心的な利益と位置付け、台湾統一に武力行使を辞さない姿勢を貫いています。

香港に対しても、国家安全維持法を制定するなど、実質的に一国一制度への転換が図られています。

また、新型コロナ危機をきっかけに、もともとぎくしゃくしていたアメリカとの関係はさらに悪化しています。

ウイルスの発生源を調査すべきと主張するオーストラリアなどに対して、中国は経済制裁を実施しています。

こうした言動はいずれも国際社会で反感を買うものです。

国際政治学者の一部は米中が新冷戦に突入することを予言しています。

 

こうして見てくると、米中の新たな冷戦の様相が見えてきます。

(中国からの視点)

・習近平国家主席はもともと中国を覇権国家にし、アメリカに代わる世界制覇を目論んでいる

・新型コロナウイルスの感染拡大により、自国の経済成長が鈍化している

・そうした国民の不満を他に向けることも目的に、新型コロナウイルスの感染拡大への取り組みで、いち早く収束させた自信を背景に既存の国際ルールを自国に有利なように変えようとしている

 

(アメリカからの視点)

・トランプ政権のみならず、国全体が経済や軍事面での中国の追い上げに対し、世界的なリーダーシップを中国に奪われるのではないかという危機感が増している

・そこで習政権の弱点である経済成長の更なる鈍化、および中国の孤立化に狙いを定めて様々な手を打ち出している

 

(米中以外の国の視点)

・中国という独裁政権による監視国家の実像が自由主義国家とは大きく異なることを実感し始めた

・覇権国家、中国による行き過ぎた国際秩序の変更の取り組みに対して、自国に与える影響を危惧して危機感を持ち始めている

 

ということで、米中の冷戦が単なる冷戦で済めばいいのですが、軍事的な衝突に発展すれば、第三次世界大戦の勃発につながりかねません。

ではこのリスク対応策ですが、以下のように考えます。

・世界中の自由主義国家が一丸となって、習政権の覇権主義の誤りを正す取り組みをする

・中国国内の反習政権派との共闘を図る

・中国国民に向けて、個人の自由の大切さを各国が共同して訴える


 
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2020年09月19日
【画期的な発電装置の試作機作りのボランティア募集】

当ブログを発信しております弊社では現在、ある発電装置の開発を進めておりますが、試作機作りの段階で技術力不足により難航しております。

しかし、この発電装置の実用化の暁には再生可能エネルギー発電の一翼を担えると確信しております。

 

つきましては、電子回路関連業務の経験、あるいは知識をお持ちで、試作機づくり、およびデータ検証作業にご協力いただける方をボランティアとして募集いたします。

なお、年齢、性別は問いませんが、勝手ながら首都圏在住の方限定とさせていただきます。

新しいものづくりに対するチャレンジ精神が旺盛で、時間に多少なりとも余裕のある方は是非ご応募いただきたいと存じます。

定年退職された方や学生の方など、エネルギーを持て余しておられる方は大歓迎です。

特に大学や専門学校などで電気工学を専攻されている方には卒業論文のテーマ候補としてご検討いただければ幸いです。

応募される方は、info@e-an.co.jp までメールでご連絡下さい。

 

以上、よろしくお願いいたします。


              (株)BMC社長 屋代 雅邦


 
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2020年09月18日
アイデアよもやま話 No.4751 導入が進むパワーアシストスーツ!

パワーアシストについては、これまでアイデアよもやま話 No.897 進化する農業ロボット!アイデアよもやま話 No.3009人間の脅威的なパワーアップ その1 パワーアップする身体能力!でお伝えしてきました。

そうした中、6月8日(月)放送の「ニュース シブ5時」(NHK総合テレビ)で導入が進むパワーアシストスーツについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

パワーアシストスーツは体の動きの負担を軽減することを目的として、ここ数年でかなり利用が広がってきているのです。

重いモノを扱う様々な分野で導入が進んでいます。

例えば製造業や農業、収穫物を繰り返し持ち上げる時に足腰にかかる負担を大きく軽減してくれます。

そして、体を持ち上げたり支えたりすることの多い介護施設でも、更には昨年の台風19号での被災地の復旧作業に活用されました。

重機の入れない場所で大いに役立ったそうです。

その他にもスポーツのトレーニングの現場に使われていたりとか、将来的には家事にも使われていくのではないかと、そうしたかなり生活に身近なところにも使われていくという予想もあるのです。

 

今回の新型コロナウイルスの影響もあって、このパワーアシストスーツを導入しようという動きが今一気に加速をしています。

徳島県で農家を営む坂東一宏さんは5000屬稜星爐妊潺縫肇泪箸鮑惑櫃靴討い泙后

4月〜6月にかけては収穫の最盛期、しかし新型コロナウイルスの影響で大切な収穫の戦力となるパート従業員の多くが出勤出来ない事態になり、今までの7割ほどの人員で収穫をしなければならなくなりました。

坂東さんは次のようにおっしゃっています。

「1回にコンテナ10kgぐらい収穫するんですが、それが1日100ケースぐらい獲れます。」

「非常に重労働で、女性がコンテナの上げ下げをする作業を見ていると、非常に辛い顔をしています。」

 

そこで坂東さんは負担軽減のために来月(7月)にはパワーアシストスーツを導入したいと考えています。

 

実際に、番組で男性レポーターが床に置かれた2リットルのペットボトルが9本入った箱(約10kg)を自力で持ち上げようとすると持ち上げられませんが、パワーアシストスーツのスイッチオンの状態で持ち上げようとすると容易に持ち上げることが出来ました。

その理由ですが、パワーアシストスーツでモノを持ち上げる際に、腰の負担が最大40%軽減されるというのです。(番組で使用していたパワーアシストスーツの商品名は「HAL」でCYBERDYNE株式会社(サイバーダイン)で開発)

ですから繰り返しモノを持ったりする人にとってはかなり良いのではないかといいます。

 

「HAL」の仕組みですが、モノを持ち上げようとする時に、脳から筋肉に伝わる信号をセンサーでキャッチしているのです。

使用者の背中にセンサーが貼ってあり、それと「HAL」がつながっています。

だから、脳から筋肉に伝わる信号の自分の意思に沿ったアシストをしてくれるという仕組みなのです。

 

こうしたパワーアシストスーツは作業をする現場だけでなく、体の不自由な人の自立度を高めるトレーニングにも使われています。

特に今、コロナ禍でトレーニングジムに行きづらい状況もあるんですが、そういう人にも今新たな利用の仕方が広まっているのです。

神戸学院大学でスポーツ心理学の講師をしている中村珍晴さん(31歳)は大学1年の時アメリカンフットボールの試合で相手選手と接触し、けい髄を損傷、手術を受けましたが、首から下がマヒする後遺症を負いました。

中村さんは次のようにおっしゃっています。

「もう二度と歩けないと宣告されました。」

「車いすで何とか生活が出来るようにリハビリをしていこうと・・・」

 

医学がもっと発達すれば、いつかけい髄損傷という傷害も直るかもしれない、そんな想いを胸に10年リハビリを続けて来た中村さん、効果的なリハビリ法はないかと調べる中で見つけたのがパワーアシストスーツを使ったリハビリでした。

中村さんは次のようにおっしゃっています。

「なかなか成果が伸びにくいなと思っていた時に装着型ロボットスーツがあることを知って、自分の中でもう1回立って歩くことが諦められなくて・・・」

 

今年3月、中村さんは初めてリハビリを受けましたが、スーツを腰に着け、立ち上がる瞬間の体の動きを繰り返し行ないました。

中村さんの腰を動かそうという脳から筋肉への電気信号をスーツが認識し、意思に沿った体の動きをサポートしました。

中村さんは次のようにおっしゃっています。

「これは何か自分の体にいい効果がありそうだなというのがその時実感としてあったんですね。」

「これを是非継続していきたいなって思っていた矢先に、ちょうど新型コロナウイルスの影響で外出がなかなか出来ない状態になったんですね。」

 

希望が見えた矢先、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で週に1回通う予定だったリハビリ計画はとん挫、しかしこのパワーアシストスーツの会社が急きょ個人へのレンタルサービスを開始したのです。

パワーアシストスーツ開発販売会社の安永好宏さんは次のようにおっしゃっています。

「障害をお持ちの方は1週間体を動かさなかったりすると、また再開しても元の状態に戻るのが非常に難しいと。」

「この新型コロナウイルスを機に前倒しで検討させて、今に至っています。」

 

こうした会社の対応に対して、中村さんは次のようにおっしゃっています。

「純粋にうれしかったですね。」

「というのも今までだったら週に多くても1回くらいしか体験出来ないであろうと思っていたが、自宅で使うことが出来れば毎日トレーニング出来るんですね。」

「自宅で使うことで少しでも良くなる可能性を大きく出来ると思うんですね。」

「今出来ることを一つずつ取り組んでいくことが将来に大きなつながりになるんじゃないかなと思っています。」

 

レンタルで2ヵ月間リハビリを続けて来た中村さん、骨盤回りの可動域が少しずつ広がっていることを実感しているそうです。

 

ご自身も車いす生活を送っている、前回ご紹介した竹内哲哉解説委員は次のようにおっしゃっています。

「体がどうしても固まってしまうんですよね、障害のある方は動かさないと。」

「なので、動かすことによって筋肉もそうなんですけども血流も良くなったりだとか。」

「あと体を起こすことによって、内臓もずっと縮こまっているわけではないので、そういった影響もあると思います。」

「僕なんかも実は足が硬直しちゃって、伸びないんですよ。」

「で、これもずっと動かさずにいたら、筋に石灰が出来てしまって動かないみたいなことが起きてますので、どういうかたちであれ動かす。」

「で、彼(中村さん)、多分すごく運動している気分になっていると思うんで、自分の力でやっているので、アシストしてもらって。」

「なのでそういう効果もあるんじゃないかなという気がします。」

 

これまでも法人向けのレンタルは行っていたということなのですが、今回の新型コロナウイルスの状況を受けて、個人向けのレンタルを4月下旬から始めたということです。

で、トレーニングの指導であるとか進捗状況の確認は全てオンラインで出来るということです。

 

気になる料金ですが、中村さんが使っているパワーアシストスーツは月額5万8000円と使い方を指導する講習費が別途かかってくるといいます。

 

なお、障害者だけでなく、足腰の不自由な高齢者の自立度を高めるトレーニングにも今使われています。

埼玉県在住の93歳の女性は昨年末に脳梗塞で入院、自力で歩くことが出来なくなりました。

そこで、この施設ではパワーアシストスーツを使ったリハビリを実施、2ヵ月間かけて女性はスーツを着けた状態で立ち上がることが出来るまで回復したのです。

この女性は次のようにおっしゃっています。

「(これ(自力でその場で立つこと)だけでも出来れば、自信がつきますね。」

「(訓練を続けて)少しでも歩けるようになればうれしいです。」

 

こちらの介護施設の職員は次のようにおっしゃっています。

「訓練することで1人で立てるようになる。」

「(一人で)出来て自信につながっていく姿を見ると私もうれしく感じます。」

 

パワーアシストスーツの個人レンタルの問い合わせも半数はこうした高齢者のトレーニングに使いたいという問い合わせなんだそうです。

ですから活用が広がっているパワーアシストスーツ、この新型コロナウイルスの状況の中でより身近になってくるかもしれません。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組の要旨を以下にまとめてみました。

・パワーアシストスーツは体の動きの負担を軽減することを目的として、ここ数年でかなり利用が広がってきていること

・重いモノを扱う様々な分野で導入が進んでいること

製造業、農業、介護施設、被災復旧作業など

・同様にスポーツや障害者、および高齢者のトレーニングにも活用の幅が広がっていること

・更に将来的には家事のサポートでの活用も期待出来ること

・「HAL」の個人へのレンタルサービスが4月から開始されたことに伴い、自宅でも毎日トレーニング出来るようになったこと

・しかし、個人でのレンタルには料金的なハードルがかなり高いこと

  料金が月額5万8000円と使い方を指導する講習費が別途かかってくること

 

さて、番組を通して感じたことは、パワーアシストスーツと純粋なロボットとの違いです。

将来的には幅広い分野で純粋なロボットの活躍の場が幅広い分野で広がっていくと思われます。

しかし、それでもパワーアシストスーツを身に付けた人による作業も残ると思われます。

また、何でもロボットに依存してしまうと私たちの体力はどんどん退化してしまいます。

そうした中、スポーツやトレーニングなどで日頃体力強化に励み、高齢者や障害を持った場合にもパワーアシストスーツを身に付けてトレーニングに励むことにより筋肉の衰えからの回復を図ることが出来るのです。

また、障害者や高齢者が自力で歩けなくなってもパワーアシストスーツの装着により歩くことが出来れば、筋肉の衰えをある程度抑えることが出来るのです。

ということで、将来的にもパワーアシストスーツと純粋なロボットとの併存が続くはずであるという思いに至りました。


 
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2020年09月17日
アイデアよもやま話 No.4750 テレワークが変える障害者の働き方!

6月8日(月)放送の「ニュース シブ5時」(NHK総合テレビ)でテレワークが変える障害者の働き方について取り上げていたのでご紹介します。

なお、今回のレポーターは竹内哲哉解説委員でした。

竹内さんは福祉現場を取材して20年のベテランで、ご自身も車椅子生活をされています。

 

テレワークは働くことが難しいと言われていた障害のある人、特に重度の障害のある人にとって働き方や雇用を大きく変えるといいます。

これまでテレワークは子育てをしているお母さんを支援する目的で導入する企業が多かったのですが、障害者が感じる通勤の3つの壁があるといいます。

それは、移動手段の壁、移動時間の壁、心理的な壁です。

例えば、バリアフリーが整っていればいいんですが、整っていないと順路や交通手段を変えなければなりません。

最短では移動出来ないのです。

更に電車なんかですと、渡し板を駅員さんに頼まなければいけません。

これはすぐに駅員さんが来てくれるということではなくて、時間がかかってしまいます。

そして、心理的な壁なんですけども、引け目を感じてしまうということなんですが、ラッシュ時には車椅子は場所を取るので周りに迷惑をかけてしまうので心が折れてしまいがちといいます。

こうした3つの壁があることから通勤を諦める障害者も少なくないといいます。

働く意欲も能力もある貴重な働き手を失うのは社会の損失といっても過言ではないと思います。

 

そうすると、テレワークが進むことでこの3つの壁が少しでも無くなって働き易くなるのですが、テレワークは昔から障碍者の間ではやられていて30年以上の歴史があります。

しかし、これまではテレワークの有効性について企業側が非常に懐疑的で導入が進まないという実態がありました。

それが今回の新型コロナウイルスの感染拡大の対策としてテレワークに対する価値観が大きく変わって企業も前向きになったのです。

実際に障害者のテレワークを支援している社会福祉法人は、これまで多くの企業が面接は会社で行うということから採用の段階からテレワークに難色を示していたといいます。

しかし、今はオンラインで行いましょうというふうになって、移動に困難があることに理解を示してくれて、在宅での仕事に抵抗が無くなってきているというのです。

流れが変わって来たのです。

 

ただ、そもそも障害者は働くということに関しては大きな問題があります。

障害者はヘルパーを利用して生活しているのですが、国と自治体から公的支援、平たく言えばヘルパーを雇うお金の支援を受けているのですが、現在の制度だとそもそも働いている時に会社であろうとテレワークであろうと、この公的支援を利用出来ないということになっているのです。

つまり、勤務時間中に障害者がお水を飲みたいとか、トイレに行きたいとかありますが、ヘルパーを使っちゃダメなんです。

これは、国は経済活動に税金は使ってはいけないということが言えます。

こうした中、企業の中には自費でヘルパーを雇って複数の障害者に支援を行っているところもあります。

ただ、在宅勤務になると、個々にヘルパーを配置しなければならないので非常に厳しい状況になります。

また家族に頼むという選択肢もありますが、やはり限界があります。

で、重度の障害者は仕事かヘルパーかという選択を迫られてしまうのです。

そこで、さいたま市では全国で始めて1年前から独自の助成制度を始めました。

仕事中でも生活の介護を受けられるようにし、現在、3人が利用中で働いています。

ただ、まだ対象が重度の障碍者に限られているので、対象範囲を広げて欲しいという要望が出ています。

勿論、さいたま市に限ったことではないので、国全体に広げて欲しいという障害者からの要望はあります。

 

で、障害があっても技術革新と通信技術の発達によってテレワークが出来る仕事が増えて、障害のある人がない人と同様に働ける環境は整備されてきています。

ただテレワークは万能ではありません。

全ての障害者にとって有効ではないし、障害者の隔離につながる恐れもあります。

つまり、会社に出勤しなくていいと言われてしまうと、障害者が見えない存在になってしまいます。

そうすると、障害のある人とない人の間に交流が生まれませんから、相互理解を深めることが出来ません。

相互理解が進まないと障害者への配慮も失われてしまいますので、極論なんですが、「ユニバーサルトイレは作んなくてもいいじゃん」みたいな理解が進んでしまうと本末転倒で意味が無くなってしまうということになると思います。

新しい技術を有効に活用出来るかは最終的には人がカギを握ることになると思います。

テレワークになってコミュニケーションが取れないで不安を感じている障害者も沢山いるといいますが、見えないからこそ不安を感じている人とは密に連絡を取り合って孤立させないということが必要です。

で、テレワーク時代の仕事における距離感は障害の有る無しに関係なくこれから構築していかなければならない課題だと思います。

お互いの仕事を理解して尊重する、時には生活面にも配慮をしなから、新しい働き方を作り上げていくことが全ての人にとって働き易い環境になるのではないでしょうか。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

新型コロナウイルスの感染拡大は、多くの国民にとってこれまでの日常生活を困難にする状況をもたらしています。

しかし一方で障害者にとってはこれまでよりも働き易い環境をもたらしているようです。

それは、健常者も感染リスクを少なくするために「3密」の回避ということから否応なく障害者と同様の制約の中で暮らさなければならなくなったからです。

例えば、コロナ禍においてオンライン面接が普及していますが、これなどは障害者にとって大きなハードルが無くなったことになります。

また、IT関連企業の中にはコロナ禍における暮らしの制約を追い風に業績を伸ばしている企業もありますから、こうした企業は人材不足ぎみと思われます。

そして、IT関連の業務は在宅勤務に比較的適しています。

ですから、IT関連のスキルの高い障害者にとってはこれまでよりも格段に自分のスキルを発揮出来るチャンスが増えていると思われます。

 

一方で、番組を通して法的な制約があることが分かりました。

障害者はヘルパーを雇うお金の支援を受けていますが、現在の制度だと障害者が働いている時に公的支援を利用出来ないということになっているのです。

こうした中、企業の中には自費でヘルパーを雇って複数の障害者に支援を行っているところもありますが、在宅勤務だと個々にヘルパーを配置しなければならないので非常に厳しい状況といいます。

そこで、さいたま市では全国で始めて1年前から独自の助成制度を始めました。

しかし、まだ対象が重度の障害者に限られています。

こうした問題については、更なる介護ロボットの進化が待たれます。

なお、軽度の身障者に対しては、次回ご紹介するパワーアシストスーツが役立つかもしれません。

 

またテレワークは万能ではありません。

全ての障害者にとって有効ではないし、障害者の隔離につながる恐れもあるというのです。

しかし、こうした問題はコロナ禍における健常者の在宅勤務も同様です。

そこで定期的にテレビ会議システムを使って部門単位などで業務の進捗報告を中心に情報共有をしている企業も出てきています。

ですから、テレビ会議システムの有効活用により密に連絡を取り合えるようにすればこうした問題はかなり改善されると思われます。

このように、竹内さんも指摘されているようにコロナ禍を機に新しい働き方を作り上げていくことが全ての人にとって働き易い環境になると期待出来ます。


 
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2020年09月16日
アイデアよもやま話 No.4749 コロナ禍が生んだ成長市場!

6月3日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でコロナ禍が生んだ成長市場について取り上げていたのでご紹介します。 

 

6月3日、サッポロビールは痛風を引き起こす尿酸値を下げることを明記した機能系のノンアルコールビール「うまみ搾り」を6月23日に発売すると発表しました。(参考小売価格:147円)

マグロやカツオなどに含まれる、体内から尿酸を排出し易くする成分「アンセリン」を配合し、「機能性表示食品」として売り出すことで健康意識の高まりによる消費者の需要に応えたい考えです。

 

今回は機能系ということですが、今後ノンアルコール市場は伸びると見ている早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄教授は次のようにおっしゃっています。

「その背景というのはずばり“後ろ指指されない需要”だと思っているんです。」

「それはなぜかというと、実はソーシャルディスタンスだからこそ生まれてきた新しいマーケットだというふうに私は理解していまして、ノンアルコールビールもビジネスパースンが在宅で飲むことを意識しているようなんですよね。」

「コロナ前ってノンアルコールビールを昼休みに「オフィスで飲んでいいのか、でもダメなんじゃない?」みたいな話ってありましたよね。」

「ノンアルコールなんどけど、ちょっとオフィスだと後ろ指指されるんじゃないかと。」

「だけれども、これが在宅になったからこそお昼でも休憩時間とかに結構気軽に飲めるようになってきているわけですね。」

「同じようなことが例えば筋トレなんかも、今お腹に着けるような機械あるじゃないですけ。」

「オフィスだったらきっと後ろ指刺されるんですけど、在宅なら指されない。」

「ですからこのあたりのマーケットはこれからもっと伸びてくるんじゃないかというふうに思っています。」

 

一方、ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズの今年2月から4月期の決算は売上高が前年比で約2.7倍、純利益は約137倍と大幅な増収増益となりました。

在宅勤務や遠隔授業などで需要が急拡大し、3月以降ユーザー数が急増しました。

また5月から7月期の売上高見通しも市場予想を大きく上回りました。

 

なお、9月1日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では以下のように報じています。

 

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの5−7月期の決算は、売上高が約700億円と前年比4.6倍に増加しました。

在宅勤務や遠隔教育での需要が増え、法人契約数が前年比5.6倍に跳ね上がったことが業績を押し上げました。

 

また、2014年5月30日に当番組で紹介された、持ち運びが可能で組み立ても簡単なテントですが、広げて机の上にかぶせれば自分の空間が出来上がります。

このテント、全てのチャックを閉めてしまうと閉塞感がありますが、上部が開くので開放感があります。

なので、個人スペースとして集中することが出来そうです。

 

在宅勤務が増えた今、その強力な助っ人としてこの「ぼっちてんと」(オープン価格)に問合せが相次いでいます。

この商品を販売しているビーズ株式会社(大阪府東大阪市) 商品開発部の八巻信さんは次のようにおっしゃっています。

「テレワークだとどうしても家族に頼まれ事をされたりとか、家族との距離感がちょっと難しくなってくることが多いとは思うんですけど、このテントを設置して物理的に距離感を保つことによって仕事とプライベートのメリハリをつけることが出来るんじゃないかなと考えています。」

 

「WEB会議の時に自宅の部屋の様子だったり、背景として自分の部屋が映り込んでしまうのが嫌な人にもこういったかたちでテントを使われている方も多いようです。」

 

このテントの外側にスケジュールを貼っておくと家族にも仕事の状況が伝わり、理解と協力を得られそうです。

一人の空間をつくるこのテント、昨年に比べて2割も売り上げが増えているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

コロナ禍においては感染防止のため「3密」が求められます。

そうした中、多くの企業で在宅勤務の普及が進んでいます。

そこで、在宅勤務においては入山教授が“後ろ指指されない需要”と表現されているように在宅勤務だからこその新たな需要が生まれているのです。

番組ではこうした需要に応える以下のような商品を取り上げています。

・機能系のノンアルコールビール

・筋トレ機器

・ビデオ会議システム

・持ち運びが可能で組み立ても簡単なテント

 

中でも在宅勤務や遠隔授業などで需要が急拡大する中で、ビデオ会議システムを販売するズーム・ビデオ・コミュニケーションズにおいては大幅な増収増益となっております。

また、ビデオ会議システムの普及に伴い、ビーズの販売する「ぼっちてんと」は、自宅で少しでも集中して仕事をするために、あるいはビデオ会議システムに参加する際には背景の室内を隠せるので今後とも引き合いが期待出来ます。

また、機能系のノンアルコールビールを飲んだり、筋トレ機器を装着しながらの仕事は在宅勤務だからこそ許されるのです。

更に、在宅勤務であれば、自分の生活リズムに最も適した時間帯に仕事をすることが出来るので生産性向上も期待出来ます。

また通勤も不要になるのでラッシュアワーに遭うこともなくなります。

 

ということで、今後とも100%在宅勤務というわけにはいかないまでも、在宅勤務を主とした勤務形態が多くの企業で定着することが期待出来そうです。

それに伴い、今後とも在宅勤務をサポートするような商品やサービスが登場してくるはずです。

ですから、コロナ禍により経済活動が停滞する中でその穴埋めをするためにもより多くの企業が在宅勤務や遠隔授業に応えるなど、「3密」回避を狙った新たな商品やサービスに取り組んでいただきたいと思います。

中でも期待したいのはDX(デジタルトランスフォーメーション)に特化した企業の活躍です。


 
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2020年09月15日
アイデアよもやま話 No.4748 中国が先行する「デジタル通貨」開発!

6月3日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で中国が先行する「デジタル通貨」開発について取り上げていたのでご紹介します。

 

今、新型コロナウイルスの感染拡大で多くの人が触った現金を使いたくないという人も多く、QRコード決済や電子マネーを使って買い物をする人の姿が目立つようになりました。

こうした電子マネーは様々な企業が発行しているのですが、今注目されているのは「デジタル通貨」です。

これは各国の中央銀行が発行する現金をそのまま電子化したもので、その開発は中国が先行しています。

実は今、新型コロナウイルス感染拡大の裏側で、この「デジタル通貨」の開発競争が激しさを増しているのです。

 

今週(番組放送時)、中国のネット上に流れたある動画、女性が使っているのは「デジタル人民元」のアプリ、中国当局が秘密裏に開発したもので映像が出回るのは初めてです。

アプリの画面には毛沢東の肖像や78元と残高らしき数字も出ています。

更に流出した画像からはアプリにどんな機能があるか見て取れますが、大きく4つの機能があることが分かります。

中国の中央銀行である中国人民銀行は先週(番組放送時点)、このデジタル人民元アプリの運用実験を全国5ヵ所でスタートしたと公表、実験は非公開ですが、動画や画像は関係者から流されたと見られています。

番組では実験の参加者である男性に接触することが出来ました。

この男性は一月ほど前(番組放送時)、政府系銀行のスタッフからアプリをダウンロードするように指示されたといい、次のようにおっしゃっています。

「情報が漏れないように秘密厳守の書類にサインさせられている。」

「デジタル人民元の口座と普通の人民元の口座の間で自由にお金を動かせる。」

「担当者は「競争力に勝つためにアリペイより機能が良い」と言っていた。」

 

アリペイとは中国で9億人を越えるユーザーを持つ、スマホの決済アプリです。

店先に貼り出されたQRコードをスキャン、金額とパスワードを入力すればわずか数秒で支払いは終わります。

デジタル人民元アプリもQRコード決済機能を備えていますが、アリペイと大きく異なる点があります。

それはアプリの画面の一番右にあるアイコン、タッチ送金のマークです。

2つのスマホをぶつけると、電波がない状況でもその場で送金が出来るため、いつでもどこでも使える特徴があります。

デジタル人民元を通して中国が狙っているのが人民元の国際化です。

現在、貿易など多くの国際取引の支払いにはアメリカドルが使われています。

利便性の高いデジタル人民元を開発することで、アメリカドルに対抗したいという思惑があるのです。

 

しかし、デジタル人民元には強力なライバルがいます。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは会見の場で次のようにおっしゃっています。

「送金もメールのように簡単かつ安全に出来るべきだ。」

「リブラはグローバルな決済システムになる。」

 

アメリカのフェイスブックが主導するデジタル通貨、リブラです。

リブラは世界中に26億人のユーザーがいるフェイスブックでの利用を想定していて、実現すれば世界最大級のデジタル通貨となります。

中国としてはリブラに後れを取るまいとデジタル人民元の開発を急いでいるのです。

デジタル通貨を巡る動きは日本でもあります。

日銀の黒田総裁はある会議において次のように発言されています。

「日銀(日本銀行)でも中銀デジタル通貨の研究チームを立ち上げておりまして、体制強化を図って取り組みを加速しております。」

 

日本銀行は今年ECB(ヨーロッパ中央銀行)などと共同でデジタル通貨の研究を行うことを表明、日銀が発行するデジタル通貨、いわゆる「デジタル円」の導入も夢物語ではなくなってきました。

更に6月3日、民間からも「デジタル円」を後押しする動きがありました。

6月3日に発足したデジタル通貨勉強会、メガバンク3行や電子マネー、スイカを発行するJR東日本などが参加し、キャッシュレス決済サービスの標準化などを議論します。

更にオブザーバーとして日銀や金融庁も参加、日銀が「デジタル円」を発行する場合の課題なども議論される見込みです。

この勉強会の座長を務めるコンサルティング会社、ヒューチャー株式会社の山岡浩辰巳取締役は次のようにおっしゃっています。

「デジタル決済インフラを巡る整備競争は世界で急であります。」

「相当スピード感を持って検討していく必要があるだろうと。」

 

「世界ではGAFAとかBAT(中国の3大インターネット企業)とか、そういったビッグテックと言いますけど、そういう大企業が決済に参入してきていて、日本としても民間のイニシアチブ(主導)でデジタル決済やデジタル通貨のことを考えていく必要があるだろう。」

 

こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。

「(中国による「デジタル人民元」の開発は)国家プロジェクトであることがはっきりしているわけですよね。」

「で、どういうことなのかというと、まさに今、大江さん(番組のメインキャスター)がおっしゃったように、中国のリアルのお札をデジタルの世界に持ってきているんだと、そういうメッセージなんですね。」

「国家プロジェクトということはゴールがはっきりしているんです。」

「2022年2月、北京で冬季オリンピックが開かれるじゃないですか。」

「それまでにこの「デジタル人民元」を本格化させようと、そういう壮大な狙いがあると思いますよ。」

「(ただデジタルというのがポイントで、誰がいつどこでどういうふうに使ったかという情報も中国は得ることが出来るということになるが、)それは勿論中国の狙いですね。」

「で、そういう文脈でいくと、まさにデジタルの世界でアメリカと中国の冷戦が本格化、その舞台と言ってもいいと思うんです。」

「そのアメリカなんですけども、フェイスブックの「リブラ」が台頭するなど、かなり技術革新が本格化しつつあるわけです。」

「じゃあ日本はどうかということになるんですけども、今まではちょっと出遅れ気味だったんですけど、どうもそわそわしてきたんですね。」

「日銀や財務省、そして金融庁なんですね。」

「今日(6月3日)出て来た勉強会の旗振り役が財務次官だった勝さんという方が社長を勤めるIIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)系の企業(ヒューチャー株式会社)が旗振り役をやっている。」

「結構ちょっとこれは本格的に出てくるなって感じはしましたよ。」

「やっぱり使い勝手がいいものをつくんなきゃダメですよ。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

現在、買い物をするうえでの支払い方法は、現金とキャッシュレス決済と大きく2つに分かれます。

 

そしてキャッシュレス決済にはクレジットカード、QRコード、デジタル通貨(電子マネー、および仮想通貨)という3種類があります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

クレジットカード:

・後払いで買物の支払いが出来るカードである

・その決済システムは以下の通りである

クレジットカード会社がユーザーの代わりに支払いを済ませる

クレジットカード会社は、後から一括してユーザーに請求する

 

QRコード:

・「1次元コード」とも呼ばれるバーコードの進化版であり、「2次元コード」とも呼ばれるQRコードは縦の縞々と横の縞々を組み合わせて情報を表現したものである

・レジでの決済には大きく二つの手法があり、消費者が店側が提示するQRコードをスキャンして支払う「静的コード」、消費者が提示するQRコードを店側がスキャンして支払う「動的コード」に大別される

・その裏での決済システムはクレジットカード(後払い)、あるいはあらかじめ現金をチャージしておく前払い(プリペイド)である

 

電子マネー:

・現金を持たずに買物が出来る「電子化されたお金」である

・国家の中央銀行が発行する通貨で、その価値を国家が保証している

・電子マネーは、交通系のSuicaPASMO、商業系の楽天EdyWAONnanacoなどが該当する

・専用のカード(または、それに相当するスマホアプリ)にあらかじめ現金をチャージしておく前払い(プリペイド)で使えるようになる

 

仮想通貨:

・現金を持たずに買物が出来る「電子化されたお金」である

・暗号化されたデジタル通貨で、特定の国家が価値を保証しない

・経済が安定していて信頼のある国家の通貨は国際市場でも高値になり、反対に経済が不安定な国家の通貨は、価値が低くなる
・基本的にあらゆる国家や組織の管理を受けない通貨であり
需要と供給のバランスによって、その価値が決まる

 

このようにキャッシュレス決済は全て銀行預金をベースに成り立っているわけです。

そして、多くの国ではキャッシュレス決済が進みつつありますが、世界で最も普及が進んでいる韓国では普及率が96%以上と言われています。

一方、イギリスに次いで世界で3番目に普及が進んでいる中国では個人経営の飲食店や雑貨店、道端の屋台、更に路上の物乞いまでもが、「QRコード」を使ったキャッシュレス社会を生きているといいます。(詳細はこちらを参照)

 

こうした状況において、中国は世界に先駆けて「デジタル人民元」の開発を進めているというわけです。

その狙いは「デジタル人民元」の普及により人民元を世界の基軸通貨にすることにあると言われています。

番組でも指摘しているように情報がデジタル化されれば、誰がいつどこでどういうふうに使ったかという情報を把握出来るので、個人情報の一環として管理の対象にすることを目論む中国はこうした情報をまず得たいのです。

更に、キャッシュレス決済のベースは全て銀行預金なのですから、銀行預金のベースでもある現行の通貨を全てデジタル化すれば、その先のキャッシュレス決済関連サービスは「デジタル通貨」の範囲内で取り込むことが出来るのです。

更に金利が非常に低い状況で数十万円程度の振込手数料が何百円もかかり、一方でデジタル人民元アプリにもあるタッチ送金のようなサービスがあれば、こうした手数料がかからなくなります。

ということで、「デジタル通貨」の普及は間違いなく決済サービスに地殻変動を起こすことになります。

ですから、「デジタル通貨」の中でも電子マネーを巡る米中による冷戦、あるいは「デジタル円」を巡る国内での動きが巻き起こるのは必然なのです。

なお、「デジタル通貨」には電子マネーと仮想通貨がありますが、将来的には両方の併存状態が続くと思われます。

 

さて、そもそも今私たちの暮らしにおいて、財布の中はコインやお札以外に複数のクレジットカードやそれ以外の様々なカード(スイカや運転免許証、そして多くのポイントカードなど)で厚さを増しています。

私などはカードが多すぎて、1つの財布だけでは収まり切れなくて2つの財布を持ち歩いています。

ですから、こうした沢山のカードが電子化されれば財布の中はとてもすっきりします。

そもそも財布そのものが不要になってしまいます。

ということで、「デジタル通貨」の普及は間違いなくポイントカードなど他のカード類のデジタル化ももたらすはずです。

こうした「デジタル通貨」などを巡る動きもまさしくDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環なのです。

 

なお、「デジタル通貨」の普及に向けては以下のように大きなリスクがあります。

・これまでのタンス預金なども含めて個人の金融資産が全てガラス張りになること

・サイバー犯罪により多額の金銭の盗難に遭うこと

 

ちなみに、9月9日(水)付けネットニュースでは以下のように報じています。(詳細はこちらを参照)

 

NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」で、銀行口座から預金を不正に引き出される被害が相次いでいる問題を巡り、ドコモは9日、利用可能な全35行について新規登録を10日から停止すると発表した。

 

こうしたリスクが解消されなければ、あるいは万一犯罪の被害に遭った場合の納得出来るコンティンジェンシープランがなければ、「デジタル通貨」の大々的な普及にはつながらないと思うのです。


 
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2020年09月14日
アイデアよもやま話 No.4747 社会変革のカギはやはりDX!?

6月3日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で社会変革のカギと言われるDXについて取り上げていたのでご紹介します。

 

コロナ禍の中で医療に取り組んでいる、がん治療日本一のがん研有明病院の大野真司副院長は医療崩壊を防ぐ第2波への備えについて次のようにおっしゃっています。

「今後も続く感染の危険性の中で、どういうふうに医療をシステムごと変えていくか、フレキシブルでかつ治療はしながらも感染の危険性を減らすという、この2つのことを両立しないといけない。」

 

今、コロナ禍により様々な仕組みを変えざるを得なくなっていますが、こうした状況について早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授は次のようにおっしゃっています。

「本当に社会全体が変革を迫られているんだと思うんですね。」

「やはり私はカギになるのはいわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)だと思っていまして、例えば今回の医療でいくと、感染症のお医者様に伺うと、今回一番課題になったのが医療機関と保健所と自治体を一体化してつなぐデジタルシステムが無かったことのようなんですね。」

「そうすると感染者の情報などが未だに保健所にファックスで診断結果が送られているので、それが現場にとって大変な負担になって、PCR検査の数が少なかったり、数字が間違うようなことが出て来たと。」

「厚生省が5月になって、データをオンラインで共有するシステムをつくるということは言っているんですけど、まだまだ本格的じゃないと。」

「この辺の政府のサポートですね。」

「ただ、一方で逆にいうとデジタルをうまく活用出来ているところというのはコロナをチャンスにして伸びている会社も出て来ているのは事実でして、特にスタートアップ企業で顕著なんですが、例えば最近“新しい生活様式”に合わせるために民間企業がDXを進めているわけですけども、それを扱うサービスを提供しているスタートアップはものすごい伸びています。」

「それから食べ物ですね。」

「これも我々、これから会社に戻るようになると、テイクアウトが必要なわけですけども、事前にテイクアウトを予約するITサービスも伸びていまして。」

「ですから社会全体がうまくデジタル化をしていく重要な局面にあると思います。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

既に多くの企業の中で生産性向上に関心の高い企業はコンピューターやパソコンをベースにIT化を進めていて、社内業務は一通りITシステム化を完了しています。

ではこれまでのITシステム化とDXでは何が違うのでしょうか。

 

以下は私個人の見解ですが、DXとはデジタル技術を最大限に活用した社会変革ですが、言い換えるとこれまでの部分最適(Partial Optimization)から全体最適(Total Optimization)への大転換です。

これまでのITシステム化は社内、あるいは関連取引先という枠内で進められてきましたが、DXでは国や自治体なども含めた社会全体のデジタル化により、扱うデータをオンライン上でシームレスにつなげる社会を実現することなのです。

今回ご紹介した医療機関と保健所と自治体を一体化してつなぐデジタルシステムの必要性はその一例です。

 

なお、実現にあたっての課題は大きく2つあります。

1つ目はシステム設計です。

DXは全体として壮大、かつ複雑なシステムになりますから、高度な設計(デザイン)技術が求められます。

2つ目はセキュリティ管理です。

国や自治体、あるいは企業の重要データが外部に流出しないように保護されなければなりません。

同様に個人データにおいても保護されなければならないのです。

 

DXの実現には多くの高いハードルがあると思いますが、DXは“新しい生活様式”を踏まえたこれまでとは異次元とも言える産業界全体の効果的、かつ効率的成果、および暮らし易い社会を実現するためのカギだと思います。


 
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2020年09月13日
No.4746 ちょっと一休み その738 『ニュートンが万有引力の法則を発見したのはペストの大流行のお蔭!?』

5月19日(火)放送の「グッド!モーニング」(テレビ朝日)の「池上彰のニュース検定」コーナーでニュートンが万有引力の法則を発見したのはペストの大流行のお蔭であると報じていたのでご紹介します。

 

17世紀から18世紀にかけて大流行したペストのお蔭で、ヨーロッパでは当時の3人に1人が亡くなりました。

こうした危機的な状況によって、中世の社会は根底から変わりました。

絶大な権力を持ち、人々を支配していた教会の権威が失墜したのです。

きっかけは人々の教会に対する不信感でした。

ペストの流行には宗教儀式も祈りも効きません。

聖職者の中には感染を恐れて教会から逃げ出す人もいました。

信じていた教会の裏切り行為です。

人々のカトリックへの信頼は揺らいでいき、それが宗教改革を受け入れる素地となったのです。

更にペストで多くの人が亡くなったため、労働力も不足しました。

その結果、農民の賃金が上がりました。

それまで封建領主によって支配されていた農民が次第に自由を持つようになったのです。

また、人々を抑圧してきた中世の教会から人間本来の精神を開放しようとする動きが広がりました。

ルネサンスです。

中世の社会システムは崩壊に向かったのです。

 

ペストはその後も繰り返しヨーロッパを襲いました。

17世紀に流行した際にはある歴史上の人物に大きな影響を与えています。

アイザック・ニュートン(1643-1727)です。

当時ペストの感染拡大でケンブリッジ大学が休校に追い込まれました。

暇になったニュートンは故郷に帰ります。

そこで思索にふけっているうちに万有引力の法則や微分・積分の考え方を生み出したのです。

“禍を転じて福と為す”です。

 

新型コロナウイルスの影響で世界中で休校が続く中、現代のニュートンがどこかで生まれることを期待しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して、これまでの歴史でペストがいかに人類の暮らしに大きな影響を及ぼしてきたかを知りました。

その具体的な内容を以下にまとめてみました。

・17世紀から18世紀にかけて大流行したペストのお蔭で、ヨーロッパでは当時の3人に1人が亡くなった

・人々の教会に対する不信感により、絶大な権力を持ち、人々を支配していた教会の権威が失墜した

・このことが宗教改革を受け入れる素地となった

・ペストで多くの人が亡くなったため、労働力も不足し、農民の賃金が上がり、やがてルネサンスにつながり、中世の社会システムは崩壊に向かった

・ペストの感染拡大で多くの大学が休校に追い込まれた

・ケンブリッジ大学に勤務していたアイザック・ニュートンもこの影響で暇になり、帰郷して思索にふけっているうちに万有引力の法則や微分・積分の考え方を生み出した

 

こうしてまとめてみると、新型コロナウイルスは私たちの暮らしにどのような影響をもたらすのかというところに興味が湧いてきました。

そこで、思いつくままに以下に書き出してみました。

・普段の何気ない暮らしは未来永劫続くことはなく、ウイルス感染によってある日突然生活全般を一変させられるということ

・コロナ禍において多くの企業が大打撃を受けている一方で、更なる成長を続けている企業群も存在していること

・こうした分かれ目となる要件は「3密」の回避、あるいはDX(デジタルトランスフォーメーション)への積極的な取り組みにあること

・こうした流れの中で、生き残り、新たな成長を遂げていく企業群とそうでない企業群の二極分化が起きること

・研究の分野においても、これまで時間の余裕が無く、じっくりと思索出来なかったテーマについて思索出来る時間を持つことが出来たことから、ニュートンには及ばないながらも人類史に残るような大発明のチャンスが到来したこと

 

ということで、“禍を転じて福と為す”で、特に今私が期待しているのは、どんなウイルスが発生しても速やかに対応出来るワクチン、および治療薬の開発メソッド、あるいはアルゴリズムの発明です。

ですから、新型コロナウイルスの影響で時間的に余裕の出来た中、現代のニュートンがどこかで生まれることを期待しています。

と同時に、国を挙げてのあらゆる面での“持続可能な社会”の実現を大前提としたDXへの取り組みによる、世界をリードする新たな日本づくりに大いに期待したいです。


 
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2020年09月12日
プロジェクト管理と日常生活 No.658 『10万円給付のウェブ申請システム開発における信じられない実情!』

8月21日(金)付けネットニュース(こちらを参照)で10万円給付のウェブ申請システムの不備について取り上げていたので以下にその要旨をご紹介します。

 

・国民に一律10万円を配る特別定額給付金事業で、オンライン申請のためのシステムを準備する時間が足りず、十分なテストが出来ないまま受け付けを始めていたことが政府関係者の話でわかった

・オンライン申請は開始直後から世帯情報などの入力誤りや重複申請が多発し、給付を担当する市区町村が確認や補正作業に追われるなどして混乱し、都市部を中心に給付が大幅に遅れる原因になった

・担当した官僚の一人は「給付方針が定まらなかったことで、約1カ月あったはずのシステムの開発期間が10日間になった。本番稼働の予行演習をする時間がなく、システムトラブルにつながる最低限の欠陥の確認をしただけで、あとは実際に動かしながら不具合を修正していくしかなかった」と話す

・入力の誤りや漏れ、重複申請などの不備は、自治体が住民基本台帳と照合して初めてわかる状態で、内閣府は自治体などの指摘を受けて、6月15日までに51カ所を改修した

・オンライン申請は、全国の市区町村の98%に当たる約1700の自治体で実施したが、こうした確認作業の業務負担や郵送申請との二重払いの可能性を理由に、7月30日までに111自治体が中止・停止した

 

以上、要旨をご紹介しましたが、6月5日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でもこのウェブ申請システムはオンラインとは名ばかりの人海戦術で逆に大きな負担となっていると報じていました。
なお、2015年に約3000億円かけて導入されたマイナンバー制度で発行されたマイナンバーカードがウェブ申請システムには必要ですが、カードの普及率は16.7%といいます。(5月末時点)


こうしたシステム開発における標準的な進め方に照らすと極めて初歩的な知識が生かされていないことが分かります。

それは、オンラインでのデータ入力から始まって目的とする処理が完了するまでオンライン上でのデータ処理だけで済ませるという考え方が生かされていないことです。

このシステムでは入力の誤りや漏れ、重複申請などの不備は、自治体が住民基本台帳と照合して初めてわかるというのですから、これではかえって申請処理が手間取ってしまうことになってしまいます。

ですから、111の自治体が途中で中止・停止したというのは当然の結果を言えます。

 

また、約1カ月あったはずのシステムの開発期間が10日間になったことに対するシステム開発側の対応のまずさです。

通常、システム開発中の開発期間の短縮というような重大な変更の際には、稼働時期の延長、あるいは開発規模の縮小などの対応策を検討し、それに対してシステムオーナー側と討議して対応策を決定します。

ところが、そうした討議が不十分だったのか、あるいはしなかったのか分かりませんが、本番稼働の予行演習をせず、システムトラブルにつながる最低限の欠陥の確認をしただけで、あとは実際に動かしながら不具合を修正していく方法を選択したというのです。

こうしたことが事実であれば、ユーザーである国民や地方自治体に与えるディメリットを無視した、まず当初の計画通り稼働させるという、本末転倒な最悪のシステム開発と言えます。

もし今回ご紹介した内容が事実だとすれば、そもそもこのシステム開発はやらない方が良かったし、税金の壮大な無駄遣いといえます。

 

さて、こうしたシステム開発における知識のレベルが官庁内において一般的だとすれば、これまでもどれだけの税金の無駄遣いがなされてきたのか、恐ろしくなります。

考えてみれば、マイナンバーカード制度を立ち上げた際に、様々な利便性を想定して国民にメリットをきちんと説明したうえで速やかにオンライン化を進めていれば、今回の新型コロナウイルス対策として、給付金やアベノマスクの配布もとてもスムーズに進んだと思われます。

 

このような状況で国がDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めてもまた税金の無駄遣いになってしまうのではないかと危惧されます。

以前、台湾における新型コロナウイルス対策を成功事例としてご紹介しましたが(添付参照)、これから日本が本格的にDXに取り組んでいくに際し、DXの本質を理解している国会議員、あるいは民間人を担当大臣に据え、民間からDX、あるいはIT関連の知識に詳しく、大型プロジェクト開発のマネジメントの経験もある専門家をプロジェクトマネージャーとして招き入れることが成功要因だと思います。

 

最近、DXに向けた中国の活発な動きにおける報道記事を見ていると、どんどん中国の動きから引き離されていくのではないかととても心配になってきます。

これからの経済を中心とした社会のあり方を考えると、“DXを制する国こそ世界を制する“という想いが強くなってきます。

 

ということで、是非、政府やより多くの企業には米中に負けないくらいの意気込みでDXに取り組んでいただきたいと思います。

 

添付:台湾の成功事例

プロジェクト管理と日常生活 No.633 『参考にすべき台湾の新型コロナウイルス対策』

No.4626 ちょっと一休み その718 『新型コロナウイルス対策におけるビッグデータの活用で民主主義が問われている!?』

アイデアよもやま話 No.4627 新型コロナウイルスとの闘い その6 社会への影響と対策 ― 台湾の事例!


 
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2020年09月11日
アイデアよもやま話 No.4745 ”7割経済”に必要な3つの視点とは・・・

5月28(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で“7割経済”に必要な3つの視点について取り上げていたのでご紹介します。

 

緊急事態宣言が解除されても全力で企業活動を進めるわけにはいかないということで”7割経済”という言葉も出てきています。

こうした状況について、金融・経済・ビジネスなどの戦略分析を専門に研究している立教大学ビジネススクール教授の田中道昭さんは次のようにおっしゃっています。

”7割経済”だと厳しいですよね。

”7割経済”というのは、需要、供給、稼働率、売り上げが7割ということを示唆している言葉だと思うんですけども、これは恐らく2つの意味がありましてね。

「1つは当面の間どうしても短期的に迫られるという意味と、中長期的にもこれを機会に強靭な企業経営体質に切り替えていくという2つの意味があるのかなと思っています。」

「(強靭な企業経営体質に切り替えていくうえで必要なのは何かという問いに対して、)ちょっと簡単にまとめさせていただいたんですけども、”7割経済”のための企業経営ということで、事業構造、収益構造、財務構造を三位一体でまとめるところだと思うんです。

「事業構造というとこでは単一ではなく多重的、多層的な事業構造に変革していく。」

「収益構造というとこでは損益分岐点のハードルを下げる。」

「財務構造というとこでは自己資本拡充の財務構造への変革を求めていくということで、リストラというよりはトランスフォーメーションですよね。」

「ですから、具体的にいうとスタートアップ企業のような企業DNAが非常にスピーディなものに刷新していくと、そういったトランスフォーメーションが大企業にもこれから求められていくんじゃないかと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

新型コロナウイルスの影響は今後いつまで続くか今のところ誰にも分かりません。

しかも、夜の飲食業界や鉄道業界、航空業界など業界によっては壊滅的な打撃を受けているところもあります。

ですから、このまま有効な打開策を見つけることが出来なければ規模の大小に係わらず事業資金が底をつき、倒産を免れなくなってしまいます。

そこで打開策を検討するにあたって参考になるのが今回ご紹介した、田中教授による3つの視点、すなわち事業構造、収益構造、財務構造の三位一体での事業の見直しです。

中でも事業構造の見直しは最重要課題と言えます。

その大前提は「3密」の回避です。

この大前提に基づく新たな需要の掘り起こしにつながる商品やサービスをどれだけ沢山生み出せるかが企業の存続の決定要因なのです。

 

ということで、コロナ禍というこれまで経験したことのないリーマンショック以上の苦境を突破しなければならない多くの企業にとって、まさに今こそ経営の真価が問われているのです。


 
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2020年09月10日
アイデアよもやま話 No.4744 アイデア方程式 工場の廃材×?=エコな洗濯用品!

5月28日(金)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)でエコな洗濯用品について取り上げていたのでご紹介します。

 

人の何気ない行動を観察すると、思わぬ発見やビジネスチャンスが見つかることは結構あります。

今回は自動車部品の町工場がなぜか洗濯用品を開発したというお話です。

 

洗濯機に洗濯物と一緒に入れるだけ、洗剤要らずで汚れが落ちる洗濯用品が人気を呼んでいます。

誕生したのは2013年、自動車部品を製造する株式会社宮本製作所の宮本隆社長は下請けからの脱却を目指し、自社商品開発を模索していました。

一方で頭を悩ませていたのが工場から出るマグネシウムの廃材です。

業者の処理費用も馬鹿になりません。

そんな中、ある日、宮本社長は従業員の意外な行動を目にしました。

マグネシウムを水に付けながら手の油汚れを落としていたのです。

調べてみると、マグネシウムは水をアルカリイオン水に変え、汚れを落とすことが判明、ピンと来たのはその時です。

「これは洗濯に使えるかも知れない!」

 

この発想から誕生したのがマグネシウムを使った洗濯補助用品です。

洗剤要らずで300回もの繰り返し使用が可能で、おまけに洗濯物の嫌な臭いまで軽減、(マグちゃん)シリーズでの売り上げが450万個を超える大ヒットとなり、今や工場の主力商品に成長しました。

廃材を生かした洗濯用品は従業員の手洗いをヒントに生まれていたのです。

 

ということで、今回のアイデア方程式は工場の廃材×手洗い=エコな洗濯用品でした。

 

下請けのままでは未来がないと危惧していた町工場が生んだ起死回生の大ヒット、廃材を宝に変えた華麗なる逆転劇でした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず自動車部品を製造する宮本製作所が新商品開発に至るまでの経緯を整理してみました。

(問題点)

下請けのままでは未来がないとの宮本社長の強い想いから下請けからの脱却を目指し、自社商品開発を模索していた

・一方で、業者の処理費用がかかる工場から出るマグネシウムの廃材に頭を悩ませていた

 

(新商品開発のきっかけ)

・ある日宮本社長は、従業員がマグネシウムを水に付けながら手の油汚れを落としていたのを見かけた

・宮本社長は「これは洗濯に使えるかも知れない!」と閃いた

・調べてみると、マグネシウムは水をアルカリイオン水に変え、汚れを落とすことが判明した

・この発想からマグネシウムを使った洗濯補助用品を誕生させた

 

こうして売り上げが450万個を超える大ヒットとなり、今や工場の主力商品に成長したというわけです。

まさに絵に描いたようなサクセスストーリーです。

しかもこの洗濯補助用品は省エネ、および環境にも優しい商品と言えます。

というのは、マグネシウムの廃材を廃棄せずに有効利用し、これまで一般家庭で洗濯に使用していた洗剤を下水として流していたのを止めたからです。

 

この新たに開発した素晴らしい洗濯補助用品で国際特許を取得したのかどうか分かりませんが、是非国内のみならず海外展開も進めたらいいのではないかと思います。


 
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2020年09月09日
アイデアよもやま話 No.4743 周回遅れのスーパーシティ法の実施計画!

5月27日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でスーパーシティ法の実施計画について取り上げていたのでご紹介します。

 

AIやビッグデータなどの技術を活用した先端都市の実現を目指す、いわゆるスーパーシティ法が参議院本会議で5月27日に可決され、成立しました。

複数の分野にわたる規制を一括で緩和することでオンライン診療やドローンでの配送といった複数のサービスを利用出来る地域の実現を目指します。

政府は指定する自治体を年内に決定するとしています。

 

なお、スーパーシティは計画を具体化して実現するのが2022年以降になる見込みだといいますが、アメリカや中国のハイテク企業を研究している立教大学ビジネススクール教授の田中道昭さんは次のようにおっしゃっています。

「まずはこのスーパーシティ法をテクノロジー国家としては待望の法案だと思いますけども、なんと2022年以降ということなのでちょっとスピード感が遅いですよね。」

「アリババの本拠地、中国・杭州で2016年10月から起動しているETCブレーンというアリババのスマートシティプロジェクトで非常に驚くことに2019年9月時点で既に23都市に展開しているということで、“ビッグデータ×AI”で都市機能を最適化するということで、私も行ってみて驚いたのは、良し悪しはともかくとして街中にカメラとかセンサーがいろんなところに付いてまして、既に交通渋滞は緩和されているとか、ゴミの収集車が最適なルートを通っているとか、配達員が最適なルートを通っているとか、本当にいろんな都市機能が最適化されているんですけども、“ビッグデータ×AI”というのが今テクノロジーの国家についても企業についても中核ですよね。」

「これ以上周回遅れで遅れてはいけないということで、正直2022年以降ということではちょっと遅過ぎるかなというのが率直なところです。」

「(ただし、中国ではプライバシーを度外視して個人情報を集めているような部分があり、それが犠牲になっているところもあるが、日本の場合はそうはいかないのではという指摘に対して、)」そういう意味ではプライバシー保護と利便性の両立を同時に達成しなきゃいけないと思いますし、日本式のやり方としては2つのバランス感はそれぞれの人が選べるというところまでテクノロジーを駆使して中国式の監視社会には陥ってはいけないと思いますね。」

「(民主主義国家ならではのスマートシティが求められるという指摘に対して、)そうですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

日本でも最近ようやく国もスマートシティというDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた取り組みを始めたようですが、田中教授も指摘されているように中国に比べたら周回遅れと言わざるを得ません。

なぜ国を挙げてのDXへの取り組みが重要かと言えば、大きく2つあると思います。

一つ目はあらゆる分野での生産性の向上、二つ目はこれまで出来なかったことが出来るようになることです。

この2つの成果は企業の競争力、国や自治体の業務の効率化、および国民の暮らし易さに直結します。

 

ただここに大きな課題があります。

それは番組でも指摘されているようにプライバシー保護と利便性の両立です。

中国の場合は、スマートシティに限らず国策の推進をプライバシー保護に優先させているので国民の立場は極めて弱くなります。

極端な場合、特定の個人の行動が国の意志に反したと見なされた場合、国にとってガラス張りの個人情報を盾に、ほんのちょっとしたことで不正行為を行ったとして逮捕されてしまうのです。

今話題に上がっている香港の国家安全維持法の運用も法律の条文が国に有利なように敢えて曖昧な記述であるため、国の拡大解釈で国にとって不都合な人たちはいつでも逮捕出来てしまうという専門家もおります。

 

日本は共産党による一党独裁国家の中国と違って自由主義国家なのですから、個人は尊重されなければならず、従って少なくとも平常時においてはプライバシー保護が最優先されなければなりません。

こうした前提条件のもとで、スマートシティ構築に向けて取り組んでいただきたいと思います。

なお、スマートシティ構築への取り組みにおいて、日本が周回遅れの要因はプライバシー保護が最優先であることではなく、国の指導者にスマートシティ構築への意欲、あるいは熱意が欠けているからだと私は思います。

コロナ禍という国民全体の動きが停滞しているような状況だからこそ、今後の国のあり方を左右するスマートシティ、あるいはDX全般への取り組みにまい進すべきだと思うのです。

このままでは、DXに向けて中国に増々大きな後れを取ってしまい、いずれ日本は中国の属国的な存在に成り下がってしまうのではないかと危惧されます。



※ ボランティア募集 


弊社では只今、ある発電装置の試作機づくり関連の作業にご協力いただけるボランティアを募集しております。

つきましては、ご興味のある方はこちらをご覧下さい。


 
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2020年09月08日
アイデアよもやま話 No.4742 アイデア方程式 地域産業の活性化×?=世界に一つだけのジーンズ!

5月21日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)で世界に一つだけのジーンズについて取り上げていたのでご紹介します。

 

町の魅力を伝える世界に一つだけのジーンズが話題になっています。

誕生したのは2013年、きっかけは広島県府中市でアパレル会社を経営する男性と地元のデザイナーが描いていたある危機感です。

全国的な課題である地方産業の衰退と若者の流出、未来を考えれば広島も例外ではありません。

そんな中、目を付けたのが備後と呼ばれるこの地域の高品質なデニム産業です。

ジーンズを使って町の魅力を発信出来ないか、閃いたのはそんなアイデアを巡らせている時でした。

 

「そうだ、世界に一つだけのジーンズを作ってみたらどうだ!」

 

考えたのは地元で働く人に実際に履いてもらい、加工ではない、リアルなユーズドジーンズを作るアイデアでした。

多様な職業の人が1年間履いて洗うのを繰り返す仕組みを考案したのです。

こうして誕生したのが世界に一つだけのジーンズです。

 

有りそうで無かったこの発想が大当たり、特定の職業でしか生み出せない風合いがジーンズファンを刺激しています。

町の魅力発信と産業の活性化を叶えるジーンズは地元で働く人々が生み出していたのです。

 

地域の魅力の発信の仕方はまさに無限大なのです。

その土地がどんな地域なのか、ジーンズのしわが教えてくれているようです。

 

ということで、今回のアイデア方程式は地域産業の活性化×地元で働く人々=世界に一つだけのジーンズでした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

地元で多様な職業に就いている人たちに実際に1年間履いてもらい、加工ではない、リアルなユーズドジーンズを作るアイデアとはまさにとてもユニークなアイデアだと思います。

しかも目を付けたのが備後と呼ばれるこの地域の高品質なデニム産業とこのアイデアの組み合わせです。

 

今はただでさえコロナ禍で多くの産業が売り上げの激減で苦しんでいます。

しかし、今回ご紹介したように、その地域の既存の競争力のある、あるいは地域独自の技術や商品と新たなアイデアとを組み合わせることによりひょっとしたら新たな人気商品の誕生に結び付くかも知れないのです。

ですからこの機会により多くの地場産業には新型コロナウイルスの収束をただ待ち続けるのではなく、アイデアを絞り出して攻めに転じて欲しいと思います。

売り上げに結び付くアイデアは必ずどこかに存在しているのですから、見つけるまで諦めなければ必ず見つけることが出来るのです。


 
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2020年09月07日
アイデアよもやま話 No.4741 多くの女性を虜にする健康アプリ!

5月20日(水)放送の「あいつ今何してる?」(テレビ朝日)で多くの女性を虜にする健康アプリについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

南野充則さんは、お婆様の認知症がきっかけで東京大学工学部在学3年で始めた事業をストップし、24歳の時に現在の会社に参画、病気の予防に力を入れたい、そして現在はヘルスケアのアプリケーションを提供している株式会社FiNC Technologies(フィンクテクノロジーズ)のCEOを務めています。

 

このアプリの特徴は、1つのアプリで全ての体の情報を管理出来るところです。

歩数計測、体重や食事の記録といったようにこのスマホ用ヘルスケアアプリ、FiNCを持っていれば健康管理には事欠かないといいます。

FiNCを利用することで、歩数や体重、食事などの記録が出来、20〜30代の女性に大人気です。

現在累計900万ダウンロードを突破、その数は国内のヘルスケア/フィットネスアプリの中では現在ナンバーワンを誇っています。

その人気の秘密について、南野さんは次のようにおっしゃっています。

「食事の記録をすると、足りてない栄養素のアドバイスが届いたりとか、そういったところが自動で行われるようなかたちです。」

 

このアプリには南野さんたちが独自に開発したAI技術が用いられていて、従来はトレーナーが指示していたトレーニングや管理栄養士が行っていた食事のアドバイスを、利用者の基本情報や日々の記録をもとにAIが自動的にその人に合った運動や食事をアドバイスしてくれるのです。

更にスマホで自分が食べる食事を撮影するだけでAIが写真からカロリー計算も行ってくれるのです。

このようにこれまで人が行っていたことをAIが行うことで時間や労力を大幅に削減することが可能になるのです。

 

そんな最先端の技術を開発するために様々な業界から社員が集まっており、その技術を結集したアプリにおけるAIがアドバイスする機能や食事を解析する技術など、60もの特許を取得しました。

更に、この最新技術を結集したアプリはほとんどのサービスが無料なのです。

なぜここまでハイテクなアプリを無料で提供するのか、そこには南野さんの強いこだわりがあります。

南野さんは次のようにおっしゃっています。

「世の中、これから少子高齢化して医療費が上がっていく中で、どうにかしてそれをせき止めていかないといけないよねといった課題感をすごく感じたんですよね。」

「その中で、病気になってから治すよりも病気になる前に予防してあげた方が効率的なんじゃないかなと思いまして。」

 

そして、このアプリのシステムを生かし、企業で働く従業員の健康をサポートするサービスや美容や健康グッズのネットショップ、そういった企業からの広告収入、あるいはアプリ内課金により会社としての利益を生み出しているのです。

 

お婆様の認知症を目の当たりにしたのをきっかけに、誰もが健康で生活出来る社会を作りたいという想いで無料アプリを開発した南野さん、そして利用するお客さんだけでなく働く社員にも健康で居続けて欲しいと、健康意識が高い社風に、更に現在は新型コロナウイルスの影響でリモートワークをして運動不足やストレスを抱えている社員のために毎日決まった時間にトレーニング動画を生配信する試みも行っています。

南野さんは次のようにおっしゃっています。

「ヘルスケア/フィットネスアプリ国内ナンバーワンというところまでは来ているんですけども、これから世界にこのアプリを広げていくといったところに注力していきたいなと考えております。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

FiNCという1つのアプリで全ての体の情報を管理出来るといい、しかもほとんどのサービスが無料で提供されているのですから、20〜30代の女性に大人気というのは当然と言えます。

しかも900万ダウンロードを突破、その数は国内のヘルスケア/フィットネスアプリの中では現在ナンバーワンというのです。

その人気の秘密は、食事の記録だけでその人に合った運動や食事のアドバイスが独自に開発したAI技術により自動で行われるようなところにあるといいます。

このようにこれまで人が行っていたことをAIが行うことで時間や労力を大幅に削減することが可能になるのです。

 

しかも、このアプリの開発には様々な業界からの社員の技術が結集されており、60もの特許を取得済みといいます。

また、ほとんどのサービスを無料で提供する狙いは、少子高齢化して医療費が上がっていく中で、予防医療により医療費の増加を少しでも抑えることにあるといいます。

 

こうしたことからフィンクテクノロジーズには今後ともヘルスケア業界をリード出来る可能性を秘めていると思います。

ですので、世界的なヘルスケア業界におけるグーグルやアマゾンのような存在を目指して世界展開、および更なる広範囲でのサービスの拡充を目指していただきたいと思います。

世界中の人たちのヘルスケア関連のビッグデータを収集出来れば、これをベースにAIで様々な分析をすることにより、新たに多くのビジネスの種を手に入れることが出来ます。

ですから、更に競合他社よりも競争力を高めることが出来るのです。

こうしたことからフィンクテクノロジーズはヘルスケア業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)の先駆け的な存在ではないかと思います。


 
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2020年09月06日
No.4740 ちょっと一休み その737 『オンライン飲み会は定着しない!?』

5月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でオンライン飲み会について取り上げていたのでご紹介します。

 

変わることがない人間の本性を踏まえて独自の仕事論を提唱している、一橋大学教授の楠木健さんは人間の本質を捉えることでコロナ時代の社会のあり方も見えてくるといいます。

番組の「コロナに思う」コーナーで、楠木教授は次のようにおっしゃっています。

「私がこういう大きなショックが起きた時に大切だと思っているのは、人間の本性を理解するということでありまして、オンライン飲み会をみんながするようになったのも、人間が本性としてそういうものを求めるからだと思うんですね。」

「ただし、ポストコロナがどうなるかを考えてみると、私は個人的にはオンライン飲み会は定着しないと思っています。」

「やっぱり人間の本性として絶対にサシで会って話さなければいけないことがいっぱいあるわけで、コロナの制約が取れたら全部が全部オンラインになるということもこれまたないと思うんですね。」

「飲食店であるとか、それから航空業界だとか、宿泊業界とか、本当に経営が苦しいと思うんですね。」

「ただ、こうしたものの多くは人間の本性に根差した需要なんです。」

「人間の本性に根差した需要が最強の実需でありまして、私は必ず戻ってくると思うんですね。」

「今回のコロナにしましても、これまでの大きな危機と同じように“喉元過ぎれば熱さを忘れる”というか、結局みんなすっかり忘れてしまうのではないか。」

「やっぱりネガティブなことは忘れてしまうのが人間の本性だと思います。」

「多くの場合、人間の不幸はコントロール出来ないことをコントロールしようとするところから生まれていると思うんです。」

「やはり、世の中進歩しまして、いろんな技術も使えるようになって、この21世紀、かなり無痛社会になって来たのかなと。」

「ペインレスということですね。」

「どうしようもないことに対して謙虚であるべきだと思うんですね。」

「そういうちょっと失われていたかもしれない謙虚さを取り戻す。」

「それもまた喉元過ぎれば全て熱さを忘れてしまうのかもしれませんけども、少しの間でもそれを考える機会ではないかと思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して、最も印象に残ったのは「人間の本性に根差した需要が最強の実需」という言葉です。

ここで思い起こされるのは有名なマズローの提唱した人間の基本的欲求の5段階説です。

この法則によれば、人間の欲望にはまず「生理的欲求」、次に「安全の欲求」、「社会的欲求 / 所属と愛の欲求」、「承認(尊重)の欲求」そして最後に「自己実現の欲求」と続きます。(参照:アイデアよもやま話 No.3935 AIは敵か味方か? その5 AI時代の生きがい

 

今回の新型コロナウイルスに照らしてみると、食品、あるいはオンラインゲームなどは「生理的欲求」、そしてマスクや消毒液、あるいは“巣ごもり消費”などは「安全の欲求」に対応すると思います。

また、オンライン飲み会は「社会的欲求 / 所属と愛の欲求」に対応すると思います。

しかし、こうした飲み会の本来の欲求は直接顔を合わせての飲み会であり、それが出来ないのでその代替手段と言えます。

ですから、新型コロナウイルス終息後にはまた従来の飲み会が主流になるはずです。

しかし、いろいろな都合でこうした飲み会が出来ない場合の代替手段としては残り続けると思います。

あくまでも代替手段としてです。

 

このように、新型コロナウイルス終息後においては今“新しい生活様式”として言われているものは以下のように分類出来ます。

・定着しないでなくなる

・従来の生活様式の代替手段として残る

・従来の生活様式に取って代わる

 

さて、もう一つ印象に残ったのは「人間の不幸はコントロール出来ないことをコントロールしようとするところから生まれている」という言葉です。

この言葉は微妙な響きがあります。

というのは、人間の努力では期限内に到底出来ないことや将来的にも100%出来ないことと今は出来ないけれども努力次第で出来るようになる可能性を秘めていることがあるからです。

ですから、前者については自分のコントロールが効かず所詮無理があるわけですから、諦めない限りストレスが溜まるだけです。

すなわちいつまで経っても幸福感を味わうことは出来ません。

一方、後者については自分自身のコントロールが効き、努力次第で達成出来ると見込まれるので、出来上がるまでにはそれなりの苦労を伴いますがコントロール下にあるので、いずれ出来るという自信が持てるので自分は不幸だという気持ちになることはないのです。

 

ということで、物事に取り組む際にはこの見極めがとても重要になります。

ただ、どちらにしても一生懸命に取り組んだ場合は全くの無駄ということはありません。

なぜならば、いつどんな時に自分のやってきたことが役立つか分からないからです。

ですから、何事においてもやる以上は一生懸命に取り組んだ方が良いと思うのです。


 
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2020年09月05日
プロジェクト管理と日常生活 No.657 『“ながらスマホ”運転衝突事故の軽すぎる刑罰!』

5月17日(日)放送の「テレメンタリー2020」(テレビ朝日)のテーマは「一瞬の代償 〜“ながらスマホ”に奪われた命〜」でした。

今回は、番組を通して、プロジェクト管理の視点から“ながらスマホ”による衝突事故の刑罰についてご紹介します。

 

井口貴之ご夫妻はバイクでのツーリングに出かけた帰りに交通事故に遭い、奥様、百合子さんが亡くなりました。

井口さん(当時48歳)の耳にはヘルメットの無線機から聞こえた 百合子さんの声が今も残ります。

 

事故は新潟県南魚沼市の関越自動車道で起きました。

2018年9月10日午後9時過ぎ、当時50歳の男が運転するワゴン車が百合子さんのバイクに追突しました。

井口さんは自分のバイクを路肩に停め、駆け寄りました。

百合子さんは後続車にもはねられ、即死でした。

男は警察の調べに「対向車線を見ていて気が付かなかった」と話したといいます。

しかし、事故の4日後、警察がクルマのドライブレコーダーの映像を調べると、右上に不自然な四角い光を発見、男を問い詰めました。

すると男は「スマートフォン(スマホ)で漫画を読んでいた」と自白しました。

本当の原因は“ながらスマホ”運転だったのです。

スマホの画面の光がフロントガラスに反射して映像に記録されていました。

この事実を知った井口さんは次のようにおっしゃっています。

「正直、怒りがこみあげてきて、殺されたも同然だなっていうふうに思って、でなんでそんなことで妻が亡くならなければならなかったんだと。」

「(妻は)ものすごい安全運転に気を使う人だったので・・・」

 

井口さんと百合子さんは100mの間隔を開けて制限速度の時速80kmで走行していました。

自宅まで残り15分のところで男のクルマが時速100kmで迫ります。

男はスマホで漫画を読みながらアクセルを踏み続け、百合子さんのバイクに気付いた時にはブレーキを踏む間もありませんでした。

捜査関係者によると、漫画の履歴は事故の数日前から削除されていたといいます。

ドライブレコーダーの映像から明らかになった真実、加害者の男は過失運転致死の罪で逮捕・起訴されました。

井口さんは次のようにおっしゃっています。

「もう正直、憎くて憎くて仕方ないです。」

 

事故の4ヵ月後に始まった刑事裁判、井口さんは被害者参加制度で法廷に立ち、運転中に漫画を読んだ理由について加害者の男に問いただしました。

「漫画が面白くて、続きが読みたいという衝動を抑えきれなかった。」

 

運送会社に勤めていた男は事故当日、夕方に営業所を出発した後交通量の少ない道で“ながらスマホ”運転をしていたと証言し、罪を認めました。

「事故の時、なぜここにバイクがいるのだろうと思った。」

「スマホを直視していて全く気が付かなかった。」

 

スマホで漫画を読み始めたのは事故の3ヵ月前でした。

最初は自宅で読む程度でしたが、次第に仕事中も読みたいと思うようになったといいます。

「当時もスマホの事故が多く、社会的にも結構な問題になっていた。」

「会社もすぐにクビになると思ったので、言うことが出来なかった。」

 

井口さんは次のようにおっしゃっています。

「もっと重い罪を出来れば、危険運転など望んでいるんですけども、法律の範囲内でなるべく重い処罰で反省していただきたいなと思っております。」

 

加害者の男は法定で一生かけて百合子さんのお墓に手を合わせたいと遺族に頭を下げました。

 

夫婦の共通の趣味はツーリングでした。

しかし事故の後、井口さんはバイクで出かけることはなくなりました。

「グチャグチャになったバイクとか、妻が横たわっているような状況とかも、そのグチャグチャなバイクを思い出すと、それに関連して思い出したりというのは今でもありますね。」

 

井口さんは事故のショックから自宅に引きこもるようになっていました。

点滴とカウンセリングが欠かせないといいます。

「引き殺されたみたいなかたちになっているので、とても一般的な交通事故とはとても私の中では思えなくて、精神的な面でもずっと引きずるところがあって、悔しくて悔しくて仕方ない。」

 

8ヵ月にわたり続いた裁判、遺族は法定で事故後の苦しみを訴え、加害者の刑罰は過失運転致死傷罪の最高刑、懲役7年に相当すると意見しました。

ところが男に下された判決は懲役3年でした。

検察の懲役4年の求刑に対して懲役3年の実刑判決、裁判官は不注意とは一線を画する悪質な運転として、当時の“ながらスマホ”の裁判例の中でも厳しい判決になりました。

この判決について、井口さんは次のようにおっしゃっています。

「たった3年で被告人は刑務所から出てきて、普通の生活に戻るのかというふうに思うと、正直たったの3年というふうに感じています。」

 

検察はこれ以上の刑は難しいとして、控訴を見送り、加害者の男は刑を全うしたいと弁護人に伝え、懲役3年の実刑が確定しました。

加害者の男は運転免許を取り消されて会社を解雇され、刑務所に収監されています。

井口さんは次のようにおっしゃっています。

「スマホのこういった死亡事故とか悲惨な事故を1件でも減らせるような法改正で厳罰化と思うんですけども、そちらに向けて活動していきたいなというふうに思っています。」

 

昨年“ながらスマホ”の事故で37人の命が奪われました。

携帯電話が原因の交通事故は年々増加しています。

特に画面を見ながら事故を起こすケースが目立ちます。

国は道路交通法を改正して昨年12月“ながらスマホ”運転の罰則を強化しました。

反則金と違反点数がこれまでの3倍、事故を起こすなどした場合、交通の危険を生じさせた場合は一発で免許停止の可能性があります。

 

しかし、交通量の多い新潟市中心部、中央区の交差点を観察してみると(今年3月)、1時間に通行した1337台のクルマ(バス・タクシーは除く)のうち、“ながらスマホ”運転を13台確認しました。

 

JAF(日本自動車連盟)による“ながらスマホ”の実験で監修を務めた愛知工科大学の小塚一宏名誉教授はまだ危険性への認識が不足していると強調します。

「“ながらスマホ”運転をしていると、画面をまだ見たいという意識が非常に強いですね。」

「これは半ば中毒的になっているケースもあるかと思います。」

 

“ながらスマホ”運転撲滅に取り組む運送会社から提供された映像では、この時ドライバーはスマホでSNSを利用していたといいます。

手元と前方を交互に見ながら運転していますが衝突回避のアラームが鳴るまで前のトラックに気付かず、追突しました。

実際、携帯電話が原因の交通事故の約8割が前方への追突です。(出典:警察庁)

前を見ているから大丈夫だろうというドライバーの誤った認識が関係しています。

小塚名誉教授は次のようにおっしゃっています。

「視界に入っても脳で認識出来ないから結果的に見えていないと。」

「で、周辺の交通環境を全く見えてなくて、認識していないということから重大な事故につながっていると。」

 

“ながらスマホ”運転の危険性を認識させて、抑止につなげようという取り組みが始まっています。

大阪香里自動車教習所で開かれている職業運転手を対象にした体験講習では、“ながらスマホ”運転しているドライバーが指導員の合図でブレーキを踏み、クルマの停止距離を測定します。

スマホを見ながら運転している時はクルマの停止距離が1.5倍長くなることが分かりました。

指導員は次のようにおっしゃっています。

「他の事に気を取られていると急ブレーキが踏めなくなるんですね。」

 

またこの講習を受けた介護関係に勤務する男性は次のようにおっしゃっています。

「前の情報というのが一応気にはかけるんですけど、やっぱり全く分からなくなってしまうので、運転の時は運転に集中しないと危ないなというのが分かりましたね。」

 

この講習は企業からの依頼で年間20件ほどあり、増加傾向にあるといいます。

こちらの教習所の岸良昭さんは次のようにおっしゃっています。

「(“ながらスマホ”運転に対する)今の社会的反響が大きいですから、その中で自分の企業の名前が出ること自体を嫌がりますよね。」

「それとまた社員を守るという観点から(講習の依頼をし、)やってる(講習を受けている)んじゃないでしょうかね。」

 

井口さんは“ながらスマホ”運転の事故で妻の百合子さんを亡くしました。

昨年9月、一周忌を迎え、警察の協力を得て事故が起きた新潟県南魚沼市現場へ遺族とともに行きました。

井口さんは次のようにおっしゃっています。

「本当にもう1年経ってしまったのかなっていう気持ちでいますし、本当に亡くなったのかというのが自分の中でも整理が付いていないような状態で・・・」

 

“ながらスマホ”運転の撲滅に向けた活動を進めたいと思う一方、妻の死を受け入れられない苦しみを抱えていました。

井口さんは次のようにおっしゃっています。

「この一緒に暮らした家にいるとやっぱりどうしても妻のことをいろんな思い出を思い出してしまうので今までのようには生活出来なくなっていますし、・・・」

 

井口さんは加害者が勤めていた会社の上司を自宅に呼びました。

判決後も加害者からの謝罪がないことや生活の苦しさを伝えると、今後は弁護士とやり取りをして欲しいと言われたといいます。

井口さんは次のようにおっしゃっています。

「(加害者の元上司は)何も悪いと思っている雰囲気じゃないし、精神的にも肉体的にも疲れ切って、どうやって生きて行けばいいんだろうっていう感じです。」

 

償いのかたちが見えないまま、事故の光景と妻の面影が残る場所で生活を続けていくことは難しいと感じていました。

今年3月、井口さんは亡き妻と暮らしていた実家を離れ、新潟市で独り暮らしを始めました。

仕事も辞め、生活の見通しが立たない中、自分の居場所を模索しています。

 

番組の最後に井口さんは次のようにおっしゃっています。

「同じような経験を味わうような人が本当、一人でも減ってもらえればなというふうに思っています。」

「苦しむのは被害者、加害者、両方とも苦しむことになるので、“ながらスマホ”は止めてもらいたいなというふうに思っています。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

以下に番組の内容を整理してみました。

・“ながらスマホ”運転による衝突事故で、井口さんは妻の百合子さんを即死で亡くした

・加害者の男は当初、嘘の供述をしていたが、警察がクルマのドライブレコーダーの映像を調べた結果、“ながらスマホ”運転をしていた事実が判明した

・井口さんは事故のショックから自宅に引きこもるようになっており、点滴とカウンセリングが欠かせないと状態という

・8ヵ月にわたり続いた裁判で遺族は法定で事故後の苦しみを訴え、加害者の刑罰は過失運転致死傷罪の最高刑、懲役7年に相当すると意見した

・しかし加害者の男には懲役3年の実刑が確定した

・加害者の男は運転免許を取り消されて会社を解雇され、刑務所に収監されている

・昨年“ながらスマホ”の事故で37人の命が奪われ、携帯電話が原因の交通事故は年々増加している

・国は道路交通法を改正して昨年12月“ながらスマホ”運転の罰則を強化した

・反則金と違反点数がこれまでの3倍、事故を起こすなどした場合、交通の危険を生じさせた場合は一発で免許停止の可能性がある

・“ながらスマホ”運転の危険性を認識させて、抑止につなげようという取り組みが自動車教習所で始まっている

・今年3月、井口さんは亡き妻と暮らしていた実家を離れ、新潟市で独り暮らしを始めた

・仕事も辞め、生活の見通しが立たない中、自分の居場所を模索している

・井口さんは「(自分と)同じような経験を味わうような人が一人でも減ってもらえれば」、また「被害者、加害者、両方とも苦しむことになるので、“ながらスマホ”は止めてもらいたい」とおっしゃっている

 

以上、番組の内容をざっと整理してみました。

番組を通して、あらためて“ながらスマホ”に限らず、わき見や居眠りなどの危険運転による死亡事故の悲惨さを思い知らされました。

井口さんのおっしゃるように、こうした死亡事故のみならず交通事故による障害は、被害者本人のみならず周りの家族や友人の心まで傷つけて苦しみを与え続けることになるのです。

更に井口さんのように自宅に引きこもるようになって、点滴とカウンセリングが欠かせなくなり、更に職まで失うという、人生を大きく狂わす状態まで追い込んでしまう結果をもたらしてしまうのです。

同様に、加害者側においても、当然のことながら運転免許を取り消されて会社を解雇され、刑務所に収監されていることになってしまうのです。

こうしたことは、当然加害者家族の生活にも大きな影響を与えることになります。

 

ですから、こうした状況を起こさせないためには、“ながらスマホ”に限らず、危険運転による交通事故のリスク対応策が必要なのです。

そこで、以下に思い浮かんだリスク対応策をまとめてみました。

・運転免許教習所の講習や運転免許更新時に、“ながらスマホ”などの危険運転のもたらす悲惨な事故について十分な授業を行う

・精度の高い衝突防止装置の標準装備の法令化

・“ながらスマホ”運転事故の加害者の刑罰において、懲役刑を現行よりも重くする

・自動運転車の早期の開発、および普及

 

それにしても、今回ご紹介した“ながらスマホ”運転による死亡事故での加害者の男の刑が懲役3年というのは、人の命が軽く評価され、あまりにも短すぎると思います。

また、井口さんのように、妻を失った苦しみから長い間抜け出せないでいる状況は“ながらスマホ”のような危険運転による事故の罪深さを痛感します。

こうした加害者にとって軽い刑罰制度も“ながらスマホ”運転の抑止効果を弱めているように思えます。


 
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2020年09月04日
アイデアよもやま話 No.4739 テスラのイーロン・マスクCEOの野望!

前回まで2回にわたって、日本国内のEV(電気自動車)開発のこれまでの経緯、および近未来についてお伝えしてきました。

そうした中、6月10日にアメリカのEVメーカー、テスラの株式時価総額がトヨタを追い抜き、世界で最も価値のある自動車メーカーになったと報じられていました。

なお、テスラはEVを皮切りに今や再生可能エネルギーソリューションを提供するに至っております。

 

そこで、今回は8月5日(水)付けネットニュースを通して、そのテスラのイーロン・マスクCEOの野望について要旨をご紹介します。


・「(発電能力1ワット当たりわずか1.49ドル(158円)で既存の屋根に太陽光発電を」という新たなキャンペーンを7月下旬、米テスラは自社のウェブサイト上で始めた

・税優遇なども織り込んだ価格だが米サンランなどの競合に比べ3割強安い水準とする

・テスラは2016年に太陽光パネル設置大手の米ソーラーシティを買収し、家庭向けエネルギー事業に本格参入した

・イーロン・マスク最高経営責任者(CEO、,49歳)は「エネルギー部門の売り上げ規模は長期的にはEVとほぼ同じになる」と強調する

・各国の規制強化で、EVで消費する電力もいずれ化石燃料に頼らない発電方法への移行を余儀なくされるとの読みがある

・太陽光発電の安定運用に必要な蓄電池も手がけており、EV向け電池で培ったコスト競争力をこの分野でも発揮すると見込まれている

・2006年に公開した事業計画の中で、マスクCEOはテスラの包括的な目的について「炭化水素を採掘して燃やす経済から、太陽光によって発電する経済への移行を促進すること」と説明し、EVはあくまでその手段の一つにすぎない

・マスク氏は2008年に米インク誌との対談で「大学生のころ、人類の将来に大きな影響を与える分野が3つあると考えた。『インターネット』『持続可能なエネルギー』『惑星間移住』だ」と語った

・これらの3つのテーマを軸に据え、起業を通じて社会や文明の変革に取り組む

・2002年に創業したスペースXは5月末に民間企業による世界初の有人宇宙飛行を実現し、最終目標は人類の火星移住を掲げる

・他にも脳波でパソコンなどを操作する技術を開発するニューラリンクなど複数の有力スタートアップを率いるなど、野望は尽きない

・ツイッターのフォロワー数は3700万人を超え、その発言は瞬く間に世界中に広がり、テスラにとってマスク氏はブランド価値の源泉となっている 

 

こうしてみると、マスクCEOの頭の中では当初からEVを単なる移動手段としてだけ位置付けていなかったことが分かります。 

太陽光発電で発電した電力をEVに搭載するバッテリーに蓄電し、その動力でEVを動かし、更に駐車中のEVのバッテリーを家庭用などの電力供給源として位置付けていたのです。

そのために、ある程度のバッテリー容量が必要だったので、フル充電での航続距離を長距離にするという意味合いだけでなく、当初から競合する日産「リーフ」に比べて大容量のバッテリーを搭載したEVを販売する戦略を取ったとも解釈出来ます。

 

いずれにしても、テスラのマスクCEOの掲げる『インターネット』『持続可能なエネルギー』『惑星間移住』という3つのテーマから読み取れる具体的なイメージは、再生可能エネルギーによる発電、その電力を動力源とする移動手段としてのEV、そしてEVが搭載するバッテリーも供給電源の一部として位置付け、社会全体をスマートグリッドという枠組みで構成し、持続可能な社会を実現することだと思われます。

ですから、当然エネルギーだけでなく、食料や飲料水などの自給自足も視野に入ってきます。

そうするといずれ植物工場や海水などから飲料水をつくる浄化装置などにも幅広く手を広げていくことは容易に想像出来ます。

更に、インターネットをベースとしたAIなどの活用により、人類の頭脳を最大限に発揮させたいという強い意欲も感じられます。

こうしたいろいろな成果が火星移住計画の実現に直結するわけです。

更に火星移住計画の実現は、遠い将来、隕石が地球に衝突すしたり、地球温暖化の影響などで人類が地球上に住めなくなった場合のリスク対応策としてその成果を発揮出来ると想定していると思います。

なお、火星移住計画については、これまでアイデアよもやま話 No.3471 火星有人探査が2024年に実現!?などで何度かお伝えしてきましたが、2024年には火星に有人宇宙船を送る方針で、2030年にはいよいよ火星移住計画が実施され、更に将来的には100万人規模で火星に送ろうと考えているといいます。

しかし、この計画の実現性には無理があるとのNASAによる見解もあります。(こちらを参照)

 

ということで、本当に火星移住計画が実現出来るのかどうかは分かりませんが、マスクCEOの描く構想はとても遠大かつ人類の生存に直結するとても有益な内容と言えます。


 
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2020年09月03日
アイデアよもやま話 No.4738 1000km走るEVが10年後には実用化!?

前回は日産自動車によるEV(電気自動車)、「リーフ」、および新開発の「アリア」についてお伝えしました。

今回は8月7日(金)付けネットニュース(こちらを参照)を通して、1000km走るEVが10年後には実用化するという未来についてその要旨をご紹介します。

 

・現在のリチウムイオン電池をしのぐ蓄電池(バッテリー)の有力候補に「フルオライドイオン(フッ化物)電池」が名乗りを上げた

・京都大学とトヨタ自動車のチームが原型を試作し、電気をためる性能をリチウムイオン電池の7倍に高めるメドをつけた

・専門家は、リチウムイオン電池の電気をためる性能を示す「エネルギー密度」に理論上の限界を感じ、大幅な性能向上は見込めないと考えている

・京大などがフッ化物イオン電池に目をつけたのは、リチウムイオン電池の限界を超えるエネルギー密度が可能とみられるからである

・さらに今回、イオンが動く隙間をリチウムイオン電池でよく使う液体ではなく、固体の電解質に取り換えた

・このタイプの「全固体電池」は燃えにくく、熱を逃がす工夫を省ける((参照:アイデアよもやま話 No.4252 全固体電池の最新状況 その1 全固体電池の持つ3つの優れたポイント!

・「全固体」と「フッ化物イオン電池」が相乗効果を発揮すれば、1000kmの走行に手が届く見込みである

・リチウムイオン電池だけでも、車載用の世界市場は3年後に6兆円を超えるとの見方がある

・蓄電池の進化は「動力」として快適な走りや環境対応を後押しするだけではなく、街の至る所にあるEVが太陽光発電などの電気を蓄える「蓄電池」となり、再生可能エネルギーを社会全体で使いこなす巨大な蓄電池網を築く

・各国の研究者らは既存のリチウムイオン電池の改良でもしのぎを削っており、リチウムイオン電池材料評価研究センターは2023年4月までに全固体の技術を確立する

・更に先のフッ化物イオン電池への期待は高まるが、実用化は当分先で、今の技術開発のペースだと、2030年以降になるというのが大方の見方である

・今後は、元素の相性を人工知能(AI)を使って予測する「マテリアルズ・インフォマティクス(材料情報科学)」など新たな発想の取り組みが鍵を握る

 

以上、ネット記事の要旨をご紹介してきました。

 

「全固体電池」と「フッ化物イオン電池」が相乗効果を発揮すれば、1000kmの走行に手が届く見込みであるというのはとても嬉しいニュースです。

しかし、実用化までにはこれから10年以上かかる見込みといいます。

ですから、とりあえず2025年を目途とした「全固体電池」の実用化を期待したいと思います。(参照:アイデアよもやま話 No.4253 全固体電池の最新状況 その2 全固体電池開発の3つのブレイクスルー!

 

それにしても、今にして思えば、2011年に購入した日産の初代「リーフ」は失礼ながらいろいろな面で不完全さが目につきました。

特に冬場のエアコンの使用時にはフル充電しても航続距離はぜいぜい80km〜90km程度だったのです。

それに対して2代目「リーフ」ではエアコン使用時でも10%ほど航続距離が短くなる程度まで改善されています。

しかし、初代「リーフ」が市販化された2010年をEV元年とすれば、15年後の2025年にはノーベル化学賞を受賞された吉野彰博士が思い描いているような「全固体電池」搭載のEVが登場し、早ければ20年後の2030年にはひょっとしたらフル充電での航続距離が1000kmほどのEVが登場しているかもしれないのです。

ですから、もしかしたら2025年はEVの本格的な普及元年になり、2030年はEVがガソリン車の販売台数に迫る勢いを見せているかもしれません。

その主な理由は4つあります。

一つ目はフル充電での航続距離がガソリン車と遜色ないくらいまで伸びていることです。

二つ目は急速充電時間の短縮です。

吉野博士は、「全固体電池」の搭載されたEVが誕生するはずの2025年には急速充電時間は現行で30分要しているのが5〜10分程度まで短縮することを目標に掲げているとおっしゃっています。

三つ目は急速充電スタンドの更なる増加です。

EVは一般家庭などどこでも普通充電器を設置すれば充電することが出来ます。

しかし、そうはいうものの外出時にはやはり急速充電スタンドでの充電が求められます。

ですから、今後のEVの普及の度合いを見ながら、急速充電スタンドは更に設置されていくと期待出来ます。

ETCカードの普及と高速道路の料金所のETC窓口の増加が比例関係にあるようにです。

そして四つ目はバッテリー価格の低下が進んでいることです。

初代「リーフ」が登場した頃は、EVの製造コストの半分ほどはバッテリーが占めると言われていました。

例えば初代「リーフ」と2代目「リーフ」とでは価格はほぼ同額ですが、バッテリー容量は24kwhから40kwhへと2倍近くに増えています。

ですから、2025年、2030年と5年ごとにどこまでバッテリーの低価格化が進んでいるかわかりません。

 

そして、前回もお伝えしたようにEVの普及には移動手段以外にも社会的に大きなメリットがあります。

ということで、日本においては2010年をEV元年とし、2030年代に向けてEV革命が急速に進むと私は確信しています。

 

一方、EV革命には大きな課題があります。

それはEVの動力源である電気の供給源を現行の石油などの化石燃料や原発から太陽光などの再生可能エネルギーにいかに転換させるかです。

このテーマについては次回触れることにします。


 
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2020年09月02日
アイデアよもやま話 No.4737 日産の新型EV「アリア」について4つの観点から見てみると・・・

7月15日(水)付けネットニュース(こちらを参照)で日産の「リーフ」に次ぐEV(電気自動車)、「アリア(ARIYA)」について取り上げていたので4つの観点からその一部をご紹介します。 

 

まず航続距離についてです。

最大航続距離は610km(2WD/90kWhバッテリー搭載モデル、WLTCモード日産社内測定値)です。

フル充電でのカタログ値でこれだけの航続距離であれば申し分ありません。

タクシーなどの業務車でも十分に実用的だと思います。

なお、これまで充電時間が30分で長い言われてきた問題については、一度にフル充電しなくても休憩時間に急速充電スタンドを利用したり、夜間の駐車中に充電すれば解決出来ます。

 

2番目は動力性能についてです。

「アリア」の最高峰モデルは最高出力290kW/最大トルク600Nmで、0−100km加速は5.1秒、最高速度は200km/hといいますから、本格的なスポーツカーン並みの動力性能を備えていると言えます。

 

3番目は自動運転技術の進化です。

先進運転支援システム「プロパイロット2.0」や「プロパイロット・リモートパーキング」の搭載により、自動運転技術を進化させました。

 

「プロパイロット2.0」は、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作出来る状態にある限りにおいては同一車線内でハンズオフ走行を可能としました。

「リーフ」の現行モデルではハンドルを握った状態での同一車線内の自動運転なので一歩前進と言えます。

 

また、「プロパイロット リモート パーキング」は、車外からの操作で駐車する運転支援機能で、狭いスペースに駐車するようなシーンでも、ドライバーや同乗者の乗り降りを容易に行うことが可能となります。

「リーフ」の現行モデルでもオートパーキング機能はありますが、ドライバーがハンドルを握った状態で、しかももし障害物にぶつかった場合はドライバーの責任でした。

しかし、「アリア」では車外からの操作になりますから、障害物にぶつかった場合は一切ドライバーの責任にはならないということであれば、大変な進歩であり、多くのドライバーから高い評価が得られると思います。

 

4番目は電力供給源としての役割についてです。

90kWhバッテリー搭載モデルであれば、一般家庭で「Vehicle to HOME(V2H)システム」を導入し、電気料金が夜間に安いプランで電力会社と契約すれば、ざっと1000kmの走行で2000円程度になります。

更に、夜間に充電して昼間駐車中は搭載するバッテリーを家庭用電源として使用すれば、電力会社から電気を購入するのと比べて、1kwhあたりざっと20〜30円近く得することになります。

ですから、電気代の大変な節約になります。

しかも、こうしたEVバッテリーの活用は社会的な見地からも望ましいのです。

なぜならば、昼間の電力需要は深夜時間帯に比べて2倍程度ですので、ピークカットに多少なりとも貢献出来るからです。

ちなみに、家庭用バッテリーを単独で購入すると、1kwhあたりざっと20万円ほどです。

ですから、仮に65kwhの家庭用バッテリーを購入すれば1300万円ほどになってしまいます。

ところが、65kwhのバッテリーを搭載した「アリア」のモデルの販売価格は500万円台といいます。

更にEV搭載のバッテリーは災害などによる停電時の非常用電源としての価値もあります。

ですから、現状では実用的な家庭用バッテリーの購入を検討した場合、現行の「リーフ」、あるいは来年発売予定の「アリア」を購入した方がお買い得ということになります。

しかもEVには元々移動手段としての価値がありますから、この2つの価値を考慮すれば、近い将来、どこかの時点で一気にガソリン車からEVへのシフトが起きると私は密かに確信しています。

 

ということで、「アリア」の日本での発売は2021年中頃を予定しているといいますが、1日でも早く試乗してみたい気持ちでいっぱいです。

ちなみに、私は初代「リーフ」からのオーナーで、今は2代目「リーフ」に乗り継いでいます。

 

これまでを振り返ってみると、初代「リーフ」、2代目「リーフ」、そして「アリア」の位置付けは日本のEVの歴史で言えば、ホップ、ステップ、ジャンプというイメージが浮かんできます。

「アリア」の登場により、ようやくEVは名実ともに移動手段として既存のガソリン車と肩を並べる存在になると実感しています。

更にEVには動く電力の供給源としての付加価値もあるのです。

これから先も更に完全自動運転車の実現に向けて、ホップ、ステップ、ジャンプは何回か繰り返されると思われます。

そして、完全自動運転車は早ければ2025年には実現するといいます。

そして、2030年にはEV、および完全自動運転車はかなり普及が進んでいると見込ます。(参照:アイデアよもやま話 No.4719 ノーベル化学賞受賞者、吉野彰博士からのメッセージ その2 本来のゴールとは・・・

 

ということで、近い将来、自動運転機能を備えたEVはMaaS(参照:アイデアよもやま話 No.4335 MaaSで進む交通モビリティ全体の最適化!)の枠を超えて、社会全体に貢献する存在になっていると思われます。


 
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2020年09月01日
アイデアよもやま話 No.4736 コロナショック下でリアルがネットに逆襲!?

5月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でコロナショック下でのリアルによるネットへの逆襲について取り上げていたのでご紹介します。 

 

新型コロナウイルスの影響でニーズが変化してきています。

そうした中、解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田 洋一さんは次のようにおっしゃっています。

「(何に特に注目しているかというと、)アメリカの小売り大手のネット通販、これ面白いですね。」

「ウォルマート(のネット通販売上高が2−4月期決算で前年同期比)74%増ですけど、今日(5月20日)発表されたターゲット(売り上げ目標)は141%増です。」

「“巣ごもり消費”を捉えて完全にアマゾンを猛追しているのですね。」

「リアルからネットに対する逆襲が起きている。」

「面白いですよ。」

「(その変化は日本にも当てはまるかという問いに対して、)当てはまります。)」

「もう自覚的に巣ごもりウォッチ出来るかどうか、スーパー大手に注目。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

コロナ禍による「3密」回避の必要性から、“巣ごもり消費”や在宅勤務が“新しい生活様式”の中心となり、アマゾンをはじめとするネット通販、および宅配ビジネスなどの売り上げが増加しています。

一方で、食品や日用必需品を扱うスーパーやコンビニは別として、対面販売を前提とするデパートやファッション業界などは大打撃を受けています。

そうした中、アメリカのウォルマートはネット通販に大きく舵を切って完全にアマゾンを猛追しているというのです。

また、テレビ会議システムなどを通して販売員によるオンライン上での対面販売に取り組めば、既存のネット通販に比べてきめ細かい対応が出来ます。

まさに“リアルによるネットへの逆襲”です。

 

ということで、日本のデパートなどにおいても果断に“ネットへの逆襲”にチャレンジして新たな販路の開拓に取り組んでいただきたいと思います。

こうした取り組みが一定の成果に結び付けば、新型コロナウイルス終息後も消費者にとっては新たな購買手段として選択肢が増えることになるのです。


 
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2020年08月31日
アイデアよもやま話 No.4735 「コロナ探知犬」の実験開始!

5月18日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「コロナ探知犬」の実験開始について取り上げていたのでご紹介します。 

 

臭いで感染した人を識別出来るようになるかも知れません。

イギリス政府は特別な訓練を受けた犬が人間の体内に潜む新型コロナウイルスを症状が出る前に探知する実験を始めると明らかにしました。

呼吸器系の疾病は体臭を変質させることが知られていて、まずは臭いのサンプルを嗅ぎ分けられるのか調べるといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

なお、6月1日(月)付けネットニュース(こちらを参照)によれば、犬はこれまでも人間よりはるかに優れた嗅覚を生かし、がんなどの早期発見に貢献してきたといいます。

 

呼吸器系の疾病は体臭を変質させることが知られているということですが、こうした事実をもとに嗅覚の鋭い犬を使って、イギリスが新型コロナウイルスの感染症状が出る前に探知する実験を始めるというのは新型コロナウイルスの感染者の識別検査の一つの可能性としてとても意味があると思います。

 

しかし、こうした探知犬の訓練にはいかに大量に、かつ短期間に完了させるかといった課題があります。

そこで、思いつくのは犬の嗅覚能力、あるいはそれ以上の嗅覚力を持ったセンサーの開発です。

もし、こうしたセンサーを開発出来れば、今回の新型コロナウイルスだけでなく、様々な呼吸器系の疾病に対して感染症状が出る前に探知することが出来る可能性が出てきます。

しかもセンサーによる臭いだけの検査であれば、大量の検査が同時並行に可能になるだけでなく、検査結果もすぐに判明出来ます。

ということで、世界中の臭いセンサー関連の研究者には、是非すぐにでもこうした研究に取りかかっていただきたいと思います。

もし、こうしたセンサー検査が実現出来れば、PCR検査などとは次元の異なる画期的なものとなり、文字通り検査革命をもたらすと大いに期待したいと思います。


 
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2020年08月30日
No.4734 ちょっと一休み その736 『「廃業」が多いと「開業」も多い!』

5月13日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「廃業」が多いと「開業」も多いという状況について取り上げていたのでご紹介します。

 

「コロナ後」の産業構造の転換に向けて何が必要かについて、番組コメンテーターでピクテ投信投資顧問 シニア・フェローの市川 眞一さんは次のようにおっしゃっています。

「新型コロナウイルスで社会は変化をしていくわけですし、産業構造も変わらざると得ないと思うんですね。」

「で、(コロナ禍のような)危機のもとで、経済構造が変わっていく、産業構造が変わっていくわけですから、セーフティーネットが非常に重要だと思うんですけども、問題はセーフティーネットの張り方だと思うんですね。」

「これ2つありまして、1つは、産業構造を守る、そこで雇用を維持する方法ともう1つは産業構造の新陳代謝をむしろ進めていくと。」

「そこで一時的に例えば職を失った方などのために支援はしっかりしていく。」

「この2つのやり方があって、日本では産業構造を守って雇用を維持するということがこれまで重視をされてきて、例えばリーマンショックの時にもそれでかなり失業率を低く他の国に比べて抑制することが出来ているんですけども、その一方において産業の新陳代謝が遅れて、長期的な成長率が低下するという問題はあると思うんですね。」

「(今回のコロナは“新しい行動様式”に変えましょうということも言われているので、“新しい行動様式”に合わせた業態に変わっていかなければならない仕事も出てくるのではという問いに対して、)そうですね。」

「やはり「3密」を避けるだとか、人の移動が少なくなるということは確実に出てくると思いますので、そういった産業構造というか、社会の変化をきちっと先取りする、それを政策的に支えてセーフティーネットを張りながら、でも今までとは違うものを作り上げていくという覚悟は必要なんじゃないでしょうかね。」

 

「欧米の例を見ても、廃業率と開業率はほぼ一致する傾向がありまして、どうしても産業構造を守ろうとしてしまうと開業も生まれてきませんので、やはり新しい社会、新しい経済構造に合わせて新しいものを生んでいかなきゃいけない。」

「そのためには新陳代謝を進めていかなければいけないということだと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今はコロナ禍の真っただ中の状態です。

そして、全ての暮らし、あるいはビジネスは「3密」の回避を大前提として回っています。

こうした状況において、市川さんの指摘されているように、国の取るべき対応策として産業構造を守る一方で、産業構造の新陳代謝を進めるという2つがあります。

しかし、DX(デジタルトランスフォーメーション)が話題になっているように、ITやAIといったデジタル技術が進歩しており、様々な「3密」回避対策の検討が可能になっています。

ですから、これまでの経済構造や産業構造を守ることに固執するよりも、DXの視点から“新しい生活様式”に則したビジネスを新たに展開することが企業の存続には求められます。

また、コロナ禍はニュービジネスに取り組もうとする企業にとって後押しをしてくれる絶好のチャンスとも言えます。

 

ということで、欧米の例では廃業率と開業率はほぼ一致する傾向があるということですが、これは結果であって、こうしたニュービジネスにチャンレンジする企業が増えれば、不幸にして廃業に追い込まれた企業の従業員の受け皿としても機能するので、より多くの企業にニュービジネスにチャンレンジしていただきたいと思います。

 

一方で、収入の道を閉ざされて生活が困窮している人たちを政策的に支えるセーフティーネットが必要です。

国は一人当たり10万円の給付金を既に実施済みですが、コロナ禍はこれからも当分続くとみられており、継続的な給付金の支援が必須です。

そうした中、コロナショックというこの国家的な危機を契機にアイデアよもやま話 No.4667 俳優や声優の生活がピンチ!でもお伝えしたような恒常的なセーフティーネット、すなわちベーシックインカムのような制度を検討してもいいのではないかと思います。


 
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2020年08月29日
プロジェクト管理と日常生活 No.656 『鳥取県独自の新型コロナウイルス対策に見る”最適化”』

アイデアよもやま話 No.4729 ハーバード大学の専門家によるコロナ提言!ハーバード大学の専門家による医療的な見地からのコロナ提言についてご紹介しましたが、基本的にこの提言に沿った、鳥取県の新型コロナウイルスへの独自の取り組みについて、5月14日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で取り上げていたのでご紹介します。

 

5月14日、安倍総理は全ての自治体を対象に発令していた緊急事態宣言を39県について解除すると表明しました。

緊急事態宣言を解除された県の一つで、新型コロナウイルス対策で“鳥取モデル”と言われる先進的な取り組みで注目されている鳥取県ですが、その内容は以下の通りです。

・PCR検査の基準拡大

国の基準よりも対象を拡大して、医師が疑わしいと考えた全ての人にPCR検査を実施

・ドライブスルーやウォークスルーの方式によるPCR検査の全国初の導入

・新型コロナウイルスに対応する病床数の増加

12床から322床に増加(全国トップレベル病床数)

・県内の無観客公演への助成

  県内の会場で無観客の公演をライブ配信する場合に、その経費の一部を補助するなど、文化・芸術への助成をいち早く実施

 

どうして国よりも早くこうした取り組みを迅速に行うことが出来たのかについて、鳥取県の平井伸治知事は次のようにおっしゃっています。

「かつて新型インフルエンザというものがありまして、その時の対策を一つベースに置きながら、先回りをしながら対策を取っていきました。」

「と申しますのも、うち(鳥取県)は高齢化率がものすごく高いんですね。」

「ですから、高齢者の方、ひょっとすると死亡率も高くなるんじゃないか。」

「だからこそしっかりと医療体制を整える必要があります。」

「先回りをした検査をやる必要がある。」

「こんなことを徹底的にやっていったわけであります。」

「大都市と違いまして、沢山の病院があるわけではない。」

「そういう意味で、医師会やいろんな病院とよく話し合いを重ねながらどんどんとベースを拡大していったことの現れだと思います。」

「是非こうした体制を維持しながら、これから次の波が来た時に、今3人しか感染していないということは、次は沢山の人が感染するかもしれないということですから、逆に私たちは兜の緒を締めなければならないと思っています。」

「(次の波への準備という意味では、更にPCR検査の拡充なども考えているのかという問いに対して、)例えば妊婦さんがいらっしゃいますが、こうした方々にはPCR検査をやろうということで、そうさせていただいています。」

「その費用も県の方でみようということにいたしていますし、更にお医者さん、院内感染が心配なんですね、病院数が少ないですから。」

「ですから大きな病院で、入院されて、例えば器官に挿入するだとか、あるいは耳鼻咽喉科などの緊急手術をやるだとか、そうした場合にはPCR検査をやろうと。」

「で、基幹的な病院ではそういうスクリーニングをかけることに今しているところであります。」

「このように次の手を打って、私たちも備えていきたいと思っています。」

「(感染の第2波を警戒しながら、経済を再開していくことになるが、休業要請をしていた業種について鳥取県ではどのような対応をするのかという問いに対して、)私たちはあまり感染が進んでいなかったので休業要請はごくごく小さい規模になりました。」

「パチンコ屋さんで5日間だけであります。」

「ですからほとんどないんですけども、先ほどもVTRにありましたように、開けていてもお客さんが来ないという厳しい状況が続いてまして、私どもは全ての飲食店や宿泊業、こういったところに一律10万円の助成制度を休業したかどうかに係わらず差し上げることにいたしました。」

「(やはり気になるのは観光業ではという指摘に対して、)やはりそうですね。」

「鳥取は何といっても砂丘ですとか、それから大山、更にはスキー場もあれば、カニも美味しいということで、ちょうどお客様も来るいい季節だったんですよね。」

「しかし、残念ながらみんな涙を呑んで協力をして、命と健康を守るために業者さんも店を閉めて、私ども駐車場を閉め、サンド(砂)ダウンと言いましたけど、ロックダウン(都市封鎖)は出来ないんですけど、サンドダウンをやりました。」

「そうしたら99%のお客さんが去年と比べて減ったんですね。」

「これが感染拡大を防ぐことにもなったと思っておりますが、やっぱり非常に厳しいので次の手を考えようと。」

「とりあえずは県外のお客さんに今から周ってもらおうと、キャンペーンを4月から始めることにいたしました。」

「是非早くお客さんが帰って来れるようにコロナが収まることを1日も早くと願っております。」

「砂だけに“砂イズベター(Sooner is better)”です。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

前回、プロジェクト管理と日常生活 No.655 『新型コロナウイルス対策を国家プロジェクトと見なすと・・・』で新型コロナウイルス対策を国家プロジェクトと見なした場合の目的や体制などをお伝えしました。

そして、地方自治体との関連で各知自体が置かれた状況に応じて、それぞれの知事が“最適化”というルールに則り、最適な対策を実施することが出来るとお伝えしました。

今回ご紹介した鳥取県独自の対策はまさに“最適化”の実施例と言えます。

 

これはこれで望ましい取り組みですが、国家プロジェクトという枠組みで考えると、プロジェクトオフィスがこうした望ましい自治体の取り組み、あるいは失敗例などを収集し、各自治体に水平展開することも重要なのです。

 

なお、NHKの新型コロナウイルス特設サイト(こちらを参照)でみると、確かに鳥取県は自治体別感染者数の累計では岩手県に次いで少ないことが分かります。(8月27日現在)


 
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2020年08月28日
アイデアよもやま話 No.4733 コロナショックがもたらすリモートワークの先に見えてくるものとは・・・

5月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でコロナショックがもたらすリモートワークの先に見えてくるものについて取り上げていたのでご紹介します。

 

新型コロナウイルス対策の一環であるリモートワークの浸透で賃貸オフィスの需要にも変化が起きています。

東京都中央区にオフィスを構える経営コンサルティング会社、白潟総合研究所株式会社の白潟敏朗社長は次のようにおっしゃっています。

「3月下旬から今日までずっとこんな感じなんですね。」

「もう使わないと判断をしてオフィス契約を解除したという感じですね。」

 

こちらの会社は4月から全社員、30人あまりが完全リモートワークに移行し、出社する社員はゼロになり、オフィスを無くすという決断に踏み切りました。

白潟社長は元々はオフィスを持つことへの思い入れが強く、都心にオフィスを構えることは目標でもありました。

しかし、コロナが大きな発想の転換になったといいます。

白潟社長は次のようにおっしゃっています。

「九州の宮崎出身なので憧れるもの、その1が高層ビルなんですね。」

「(コロナの影響で完全に考え方が変わったのかという問いに対して、)そうですね。」

 

いざリモートワークに移行してみると、仕事の効率はむしろ高まりました。

更に、東京、大阪の2ヵ所の事業所で年間約1800万円の家賃負担が無くなることが決め手になったといいます。

白潟社長は次のようにおっしゃっています。

「(経費削減は)トータル経費で12%ぐらい、大きいですね。」

「浮いたコストをゆくゆくはお客様や社員にいっぱい還元したいなという感じですかね。」

 

新型コロナウイルスで在宅勤務が急速に普及したことで、今後不動産市場は大きく変わっていくと専門家は予測します。

不動産コンサルタントの長嶋修さんは次のようにおっしゃっています。

「都心居住・駅近居住が大事だという人たちもいれば、郊外でいいんじゃないという方もいれば、思い切って地方に移住する人もいればというふうに多角化する居住のあり方というふうに変化していくんじゃないかというふうに予想しています。」

 

こうした状況に、番組コメンテーターでニッセイ基礎研究所の主任研究員、久我 尚子さんは次のようにおっしゃっています。

「この不動産市場の変化も背景には働き方がテレワーク、在宅勤務に大きく舵が切られたことがあると思うんですけれども、今後在宅勤務がどんどん増えていきますと、評価制度も変わっていくというところに私は注目をしています。」

「従来の時間管理をベースとしたものから成果主義へとシフトしていく。」

「つまり成果を出せば、あるいはあらかじめ決められた業務をするのであれば、9時から5時までといった一律の時間ではなくて、都合のいい時間に働けるようになる。」

「働き方が多様化すると、労働市場でいろんな方が活躍出来るようになると思うんです。」

「例えば、そこでM字カーブ(*)が一気に底上げするという可能性もあると思うんですね。」

「働く女性は増えているんですが、依然として出産後に辞めてしまう方が多いので、30代で凹みが出来るんですね。」

「一方で、今働いていないけれども、本当は働きたいという女性をここ(現行のM字カーブの上)に足し合わせてみると、実はM字が台形になるんですね。」

「M字がほぼ解消していくんです。」

「で、働けていない理由は出産・育児とか適当な仕事がありそうにないということなので、時間とか距離の制約が弱まれば、働き方が多様化して価値観も変わる。」

「そうなると長時間働ける方が評価され易いという慣習も消えて来て、例えば男性の育児休暇取得なんかにもつながるんではないかと期待しています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

*女性の労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口(就業者+完全失業者)の割合)は,結婚・出産期に当たる年代に一旦低下し,育児が落ち着いた時期に再び上昇するという,いわゆるM字カーブを描くことが知られている(詳細はこちらを参照)


ちなみに、5月26日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では次のように報じています。


日立制作所で5月26日に打ち出したのが当面ではなく新型コロナウイルス収束後も在宅勤務活用を標準とした新しい働き方に大きく舵を切るといいます。
そして来年4月には出勤率50%を目指すといいます。


また、5月29日(金)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)では、大手日用品メーカー、ユニ・チャームが6月1日から原則週2日を在宅勤務とすると報じています。


このように大なり小なり、企業のリモートワークへのシフトが進んでいるのです。 


今回の番組を通して、コロナ禍は在宅勤務を軸としたリモートワークは私たちの暮らしにいくつかの変化をもたらしつつあることが分かったので以下に整理してみました。

・仕事の効率向上

・事業所の縮小、あるいは閉鎖によるコスト削減

・上記に伴う不動産市場の縮小

・居住のあり方の多様化

  都心・駅近居住

郊外への転居

地方への移住

・働き方の多様化

複数の仕事の掛け持ち(どの仕事が副業か曖昧)

労働時間の束縛からの解放

働きたい時、あるいは育児などから解放される時間に働く

   ワーケ―ション(ワークとバケーションから作られた造語 旅先で休暇を楽しみながら、仕事もこなすといったような働き方)

・労働力不足解消への寄与

・従業員の評価制度の変化(労働時間から成果主義へのシフト)

 

コロナ禍により「3密」の回避が求められている状況において、従来のような働き方を継続させることは出来ないことが明確になりました。

同時に、消費者の消費指向も“巣ごもり消費”、あるいは“イエナカ消費“と言われるように外出を極力避けるような消費パターンが主流になってきました。

今求められているのはこれまでの仕事のやり方でいかに与えられた業務を効率良くこなすかではなく、リモートワークを軸に自社の強みであるコンテンツを最大限に生かしつつ、「3密」を回避しながら“巣ごもり消費”を軸とした消費指向を前提に売り上げ、利益を生み出す新たなサービスの提供方法のアイデアなのです。

そして、最大のキーはDX(デジタルトランスフォーメーション ITの活用によるビジネスモデルや組織の変革)だと思います。

DXを制する企業こそが生き残り、新たな成長のチャンスを獲得出来るのです。


 
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2020年08月27日
アイデアよもやま話 No.4732 コロナショックで激変する生活と心のケア!

5月18日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で激変する生活と心のケアについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

東京都による都内400社の調査で、4月の在宅勤務、テレワークの導入率は62%に達しました。

3月からは倍以上に急増したのですが、その結果企業にとっては無視出来ない課題も浮かび上がっています。

 

ゴールデンウィーク開けの5月8日、求人サイトなどウェブサービスを手掛ける株式会社リブセンスのオフィス(東京・品川区)を訪ねました。

リブセンス 人事部の遠藤 正幸部長は次のようにおっしゃっています。

「通常は220〜230人ぐらいがふだんは就業しているんですけども、・・・」

 

緊急事態宣言後は全従業員の98%が在宅勤務になっています。

こうした状況下、遠藤さんは深刻な問題を抱えていました。

毎月行っている従業員のアンケート調査に大きな変化が起きているのです。

遠藤さんは次のようにおっしゃっています。

「4月になって「倍以上コンディションが良くないです」と答えている人が増えているので、新型コロナウイルスの影響がここに反映されているな・・・」

 

在宅での勤務、テレワークの導入で生活が一転、心身のバランスを崩してしまう従業員が急増していたのです。

そこには以下のような声があります。

「自宅保育しながら仕事するのがなかなか難しい。」

 

「リモートワークが続くの意外とストレスです。」

 

こうした声について、遠藤さんは次のようにおっしゃっています。

「今まででしたら直接会っているのでタイムリーにキャッチアップしてすぐに対応するとか、人事だけの閉じた対応は結構限界かなというのが正直素直に感じているところですね。」

 

こうした声を受け、導入したのがオンラインカウンセリングです。

専門的な資格を持つカウンセラーに会社が費用を負担し、無料で悩みや不安を相談出来るようにしたのです。

契約したのがオンラインカウンセリングサイトの株式会社コトリー(cotree 東京・中央区)です。

 

今、こちらのカウンセラーのもとには引っ切り無しにテレワークを中心とした様々な相談が寄せられています。

IT企業に勤務する30代の男性は4月に人事異動したものの、在宅勤務で新しい部署の上司や同僚と直接顔を合わせることが出来ず、人間関係に悩んでいました。

こうした悩みについて、この相談者とカウンセラーとで次のようやり取りがあります。

(相談者)

「オフィスにいると、人となりが見えてくると思うんですけども、(テレワークだと)中々そこが見えづらくてですね・・・」

(カウンセラー)

「一つひとつの反応にいろいろ考えてしまわれると非常に疲れてしまいますよね。」

(相談者)

「分かって欲しいというのはあるかもしれないですね、」

「もしかしたら自分の仕事を認められて、褒められたいみたいな気持ちなのかもしれないなと今話してて・・・」

 

コトリ―の会員数は約2万人、緊急事態宣言が出された4月、新規会員数が前年比3倍に増えました。

この会社を立ち上げたのは社長の櫻本真理さんです。

京都大学で心理学を学び、卒業後は外資系投資銀行のゴールドマンサックスなどで勤務、リーマンショック後の大量リストラを目の当たりにしました。

櫻本さんは当時について次のようにおっしゃっています。

「その時、割と激務だったので一時期体調を崩したことがあって眠れなくなったんですね。」

 

櫻本さんは会社には言えないままメンタルクリニックを受診、しかし2、3分の診療で薬を処方されただけでした。

櫻本さんは次のようにおっしゃっています。

「私が感じた不調は薬で解決するものというよりは生き方を見直すとか、働き方を見直すとか、薬以外の方法で心理的な不調をサポート出来るような仕組み、それもいつでもどこでも自由に使えるような仕組みがあるといいなというところからスタートしたのがコトリ―というサービスです。」

 

2人の子を育てながら、フリーランスとして働く細野由季恵さんはカウンセリングに救われたといい、次のようにおっしゃっています。

「子育ても凄いいっぱいいっぱいだし、仕事もいっぱいいっぱいだし、明らかにちょっとおかしくなってきて、(カウンセラーは)受け止めてくれるんですよね。」

「例えば、私がこういうことがあって、怒ってしまったと言ったら、「ちょっと怒った自分の気持ちを一回大切にしましよう」みたいな感じで、「何かすごくそこにはあなたにとって大切なものがあったから怒っちゃったんですよね」とか言って、受け止めてくれる。」

「何か自分をその時初めて肯定してくれたというか・・・」

 

「(誰にも頼ることが出来ない、人と接しない今だからこそ、)意外と気づかないところで、(みんな)ストレスを感じている。」

「例えばコロナだからとか思っているけれども、本当はちょっと違うとこに問題を抱えていたりとか、・・・」

 

今、コロナ禍で生活が大きく変化、先の見えない不安や孤独感が増している中、心のケアは必要不可欠になってきています。

櫻本さんは自身の経験から今変わって欲しいと思っていることがあります。

「本当はカウンセリングを受けたらいいのに、受けられない人が日本人には本当に多いなと思います。」

「これだけ社会全体のストレスが高まってくると、メンタル不調がいつどこで誰に起きてもおかしくないというような状況になってくると思うんですね。」

「だから人の力を借りて、自分の生き方とか向き合い方を考えていくような支援が必要になってくると思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

なお、国内全体のテレワークの導入率は以下の通りです。(詳細はこちらを参照)

 

3月中旬〜4月上旬調査時点では、「導入している」(44.8%)、「導入していない」(54.6%)と、未導入企業のほうがやや多いことがわかります。ただし、従業員規模別で見ると1001〜5000人、5001人以上ではいずれも7割超が「導入している」と回答しており、大手企業ほど導入率が高いことがわかります。1〜100人と101〜500人は、共に3割台に留まっており、大きな開きがあります。

 

ということで、大なり小なりコロナ禍においては新しい働き方としてテレワークが導入されています。

こうした状況においては、経験年数の若い社員を中心に仕事のペースがつかめなくなったり、分からないことが出て来てもすぐに誰かに相談出来ないとか、仕事仲間と気軽に会話が出来ない状況で何となく不安を感じたりといった悩みを抱えてしまうケースが起きてしまいます。

そこで、アイデアよもやま話 No.4666 テレワークの普及で考慮すべきは・・・でお伝えしたように、定期的にテレビ会議システムを使って、課やチーム単位で週に一度とか定期的なミーティングが必要となります。

また、アイデアよもやま話 No.4445 広がる“1on1ミーティング”でお伝えしたように、業務上の個人的な悩みなどについて上司と部下という個別のミーティングも必要です。

更に、心の悩みといったようなプライベートな相談については今回ご紹介したような専門のカウンセラーに相談出来るような仕組みが必要になります。

 

しかし、もっと問題なのはコロナ禍が原因で会社の業績が急速に落ち込み、解雇されたり、あるいは派遣切りに遭ってしまったりした人たちの心のケアです。

勿論、こうした人たちには失業手当や生活保護制度がありますが、突然のショックによる心のケアも欠かせません。

ですから、こうした人たち向けの無料相談窓口の開設も特に今のような状況においては必須だと思います。


 
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2020年08月26日
アイデアよもやま話 No.4731 “新しい生活様式”への対応事例!

5月18日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で“新しい生活様式”への対応事例について取り上げていたのでご紹介します。 

 

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、今後求められるのが“新しい生活様式”への対応です。

5月にリニューアルオープンした居酒屋、KITHIRI(きちり 東京・新宿区)では、来店したお客はまず除菌トンネルを通ります。

入り口には消毒にも使われる次亜塩素酸水のミストシャワーを設置しました。

他にも接触機会を削減する様々な工夫がされています。

客席には飛沫感染を防ぐアクリルの仕切りを準備、なるべく正面に座らないように促します。

きちりホールディングスの城所将太さんは次のようにおっしゃっています。

「目と目で乾杯していただけたらなと思っております。」

 

お客と店員の接触を避けるため、お客は自分のスマホを使って注文します。

料理は、通路に置かれた料理を自分でテーブルに載せます。

また最近人気の“オンライン飲み会”をお店でも出来るように、希望者にはタブレット端末を無料でレンタル、顔を明るく見せるためのライトも貸してくれます。

緊急事態宣言が解除されていない東京(番組放送時)で、こうしたお店を営業することによって、お客がどれくらい戻って来るか見極めたい考えです。

城所さんは次のようにおっしゃっています。

「今、この時期だからこそ、出来るおもてなしとしましてはいかにお客様に非接触で接客をさせていただくか、今まで来て下さっているお客様にいち早く安心してご来店していただくような対策をしていきたいなと思っております。」

 

“新しい生活様式”を意識した取り組みはビジネス習慣でも見られます。

普及が加速しているビデオ会議システムを使った商談や会議です。

ただ、こうしたオンラインでの商談では普段行う名刺交換が出来ず、相手の部署や肩書を確認しにくい課題があります。

ところが、こちらの画面をよく見ると、参加者の背景にQRコードが表示されています。

それをスマホのカメラで読み込むと、スマホに名刺が表示されました。

これは名刺管理アプリ「Eight」を手掛けるSanSan株式会社が5月から始めたオンライン名刺交換の機能です。

SanSanの大津裕史執行役員は次のようにおっしゃっています。

「我々が想定した以上にオンライン会議でも名刺交換が出来る機能が欲しいという声をいただきました。」

 

事前にQRコードが表示される背景写真を作成しておくと、オンライン会議でも簡単に名刺交換出来るのです。

背景にQRコードを表示出来るのは、今はZoomなど一部のソフトに限られますが、名刺を表示するURLをチャットで送ることでも名刺交換出来ます。

大津さんは次のようにおっしゃっています。

「オンラインでの名刺交換が広まると、もしかしたらコロナの前の従来のかたちよりもビジネスがスムーズに力強く進む可能性があるんじゃないかなと思います。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

今回、飲食業とビジネス会議という新型コロナウイルス対策の2つの事例をご紹介しましたが、これらは飲食業で言えばお客と店員など全ての当事者における「3密」の回避をするための対策なのです。

ですからどんな業種であっても、こうした対策が徹底されていれば、新型コロナウイルスに感染するリスクは格段に少なくなるのです。

例えば、飲食業界においては、国や自治体から出された「3密」回避ガイドに沿って具体的にどのような対策をしているのかをお店の入り口などに表示してあれば、お客はそれを見て安心して入れるかどうかを判断出来ます。

 

さて、最近テレビの報道番組などを見ていると、出演者の「3密」回避対策として、リモート出演しているケースをよく見かけますが、ほとんどの場合、画像も音声も違和感なく見ていられます。

勿論、出演者は従来のように実際に同じ場に居合わせてのやり取りの方がやり易いと思います。

しかし、出演者の新型コロナウイルスの感染対策のみならず、スタジオとの間の往復の移動時間が不要になることを考えれば、こうしたテレビ番組の対応は納得出来ます。

これなどはオンライン会議と同様のシステムを使用していると思います。

そして、社内会議にしてもお客様との会議にしても討議の流れがスムーズでなければなりません。

しかし、オンライン会議システムはモニター上での資料の表示なども含めて今やかなり進歩しているので問題ないと思われます。

そうした中、今回ご紹介した名刺交換機能はこうした流れの中で的を射ていると思います。

更に、この機能を名刺交換アプリにつなげれば、名刺の管理作業からも解放されます。

また、使用する資料においても完全に紙の媒体から電子化に移行されるので、資料の管理も容易になります。

 

一方、アイデアよもやま話 No.4725 電子契約でハンコが不要に!でもお伝えしたように、契約プロセスもハンコ不要のオンライン化に向けた動きが始まっています。

また、株主総会や講演会なども新型コロナウイルスの影響で今年はオンライン開催がかなり多いようです。

私も今年はある企業の株主総会にオンラインで参加しましたが、ほとんど違和感はありませんでした。(参照:アイデアよもやま話 No.4683 これからはバーチャル株主総会が主流になる!?

ですから、来年以降も会場まで1時間以上かけて行くよりも自宅でのオンライン参加をしようと思っています。

しかも、オンライン開催の場合、録画も公開されているので興味のある箇所は繰り返し見ることが出来るのです。

 

ということで、新型コロナウイルスを機に、あらゆる分野においてDX化(参照:アイデアよもやま話 No.4721 コロナ後の日本にとって必要なこととは・・・)が加速すると思われます。

このことは、全てがデジタル化されることがベストということではなく、デジタルと非デジタルという2つの世界の中で、私たちはケースバイケースで利用する選択の幅が広がるということを意味しているのです。

番組でも指摘されていますが、このDX化は間違いなく私たちの生活の向上、および日本全体の生産性向上に寄与すると思います。

そして、現在はこうした動きが断片的に出て来たところで、本格的なDXはまだまだこれからなのです。

ですから、今はDX化の過渡期と言えるのではないでしょうか。

こうした過渡期こそビジネスチャンスなのです。

この絶好のチャンスをつかんで成長するベンチャー企業が登場してくると私は期待出来ます。


 
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2020年08月25日
アイデアよもやま話 No.4730 新型コロナウイルスの感染拡大防止のポイント!

緊急事態宣言は4月7日に発令され、5月25日に解除されましたが、5月6日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルスの感染拡大防止のポイントについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

番組コメンテーターで大阪大学の安田洋祐准教授は次のようにおっしゃっています。

「8割減、皆さんご存知だと思うんですけど、それを正しく続けるというのがポイントだと思います。」

「そもそも8割何を減らすのかというと、感染につながるような人と人との接触ですね。」

「社会全体での接触の回数を減らしたいと。」(8割減についてはアイデアよもやま話 No.4624 新型コロナウイルスとの闘い その4 新型コロナウイルスとの闘いはいつまで続くのか!を参照)

「これをちょっとかみ砕いて表現すると、「人出」と「1人あたりの接触率」の掛け算なんです。」

「最初は感染を劇的に少なくしたいので、「人出」を絞ったと。」

「で、今後は「人出」を状況に応じて徐々に戻していくフェーズだと思うんですけど、その際に「1人あたりの接触率」が十分低いままで、これが戻らないかたちで対策をしていけば、経済を取り戻しつつ、感染を広げないことが可能じゃないかと思います。」

「(「3密」には戻らないというのが重要になるのではという問いに対して、)密にならない、触れない、タッチレスの努力を続けていくことが重要だと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

緊急事態宣言が5月25日に解除された後、現在も第2波到来ではと思われるほど、感染拡大に一喜一憂している状況が続いています。

そして、感染拡大と経済活動の継続とのバランスをどう取るかで国も自治体もそのかじ取りに苦慮しています。

 

そうした中、最近の新型コロナウイルス関連のアンケート調査では、政府の進める“GO to キャンペーン”に対する反対意見が半数以上を占めています。

しかし、緊急事態宣言の発令から4ヵ月近くが既に経過し、再度緊急事態宣言が発令されるような事態になれば、いよいよ夜の飲食業界や観光業界は壊滅的な打撃を被ることになってしまいます。

そうなると、以前もお伝えしたように新型コロナウイルスの感染による死者数以上の自殺者数をもたらすことにもなりかねません。

 

そこで今回ご紹介した新型コロナウイルスの感染拡大防止のポイントが参考になります。

「3密」の回避とは、具体的には「人出」と「1人あたりの接触率」の掛け算の結果を可能な限りゼロにすることなのです。

特に夜の飲食業界や観光業界の活性化には「人出」を抑えることは出来ませんから、「1人あたりの接触率」を抑えることに重点を置き、国や自治体で定めたガイドにきちんと則った対策を実施した店舗やホテルなどはとりあえず営業を継続出来ます。

しかし、特にホストクラブやキャバクラなどは「1人あたりの接触率」を抑えたら、本来の価値をお客に提供することは出来ませんからガイドを無視して営業を続けるしかありません。

そうすると、クラスターの発生源になりかねません。

ですから、このような状態があと半年、1年も続けばほとんどの水商売は壊滅状態に陥りかねません。

ですから、夜の飲食業界は生き残り戦略として何とか「1人あたりの接触率」をゼロにしてもお客が行きたいと思わせるようなサービスを生み出すしかないのです。

思い切って、これまでの“夜の商売”のイメージを打破して、オンライン飲み会の延長線上で、お客とホステス、あるいはホストとの二人きりのオンライン飲み会、すなわち究極の新型コロナウイルス対策で現状の全体未聞の営業不振を乗り切ったらどうかと思ってしまいます。

もし、この対策が一定の効果を得られれば、新型コロナウイルス終息後もこれまでにない新たなサービスとして継続出来るのでただ“座して待つ”よりも試してみる価値はあると思います。

 

一方、ライブやコンサートもこれまでキャンセルが相次いできました。

しかし、これらはマスクの着用や入場前の手の消毒、および隣の席との間を空けるなどの工夫で「1人あたりの接触率」をより少なくすることは可能です。

勿論このような状態での観客の満足度はコロナ前に比べて半減かそれ以下かもしれません。

同様にシンガーやプレイヤーも今一気分が乗り切れない状態だと思います。

それでも、ミュージシャンが最低限暮らしていけるようにするためにはこうした状態でもライブやコンサートを継続すべきなのです。

 

ということで、業界によっていろいろな制約がありますが、何とか「1人あたりの接触率」をより少なくするかたちで私たち一人ひとりがこの難局を突破し続けなければならないのです。


 
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2020年08月24日
アイデアよもやま話 No.4729 ハーバード大学の専門家によるコロナ提言!

5月4日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でハーバード大学の専門家によるコロナ提言について取り上げていたのでご紹介します。 

 

新型コロナウイルスの感染の再拡大を防ぎながら社会活動の再開を模索していくということで、政府と自治体は状況に応じてアクセルとブレーキを踏み分けていくことになりそうです。

こうした状況において、解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田 洋一さんは次のようにおっしゃっています。

「そこは難しいですよね。」

「外出自粛と一方で営業自粛ですよね。」

「その2つやっているから、どうしてもそうなっちゃうんですね。」

「そこで、アメリカのハーバード大学なんですけれども、今代替案(以下の項目を参照)を提示しているんですね。」

 

(ハーバード大学の専門家のコロナ提言)

検査:日本の現状より2桁多い規模で

追跡:国民に感染追跡用のアプリ

隔離:感染者の大規模な隔離

重点:医療・介護・物流から優先的に

 

「要するに一言で言えば、大規模な検査をやって、追跡をすると。」

「そして、隔離も行うという、その3つの合わせ技で行こうじゃないかということですね。」

「ポイントはどこにあるのか、医療、介護、物流といったようなキーワーカーの人を優先的に安全を確保する、その領域をどんどん広げていくという戦略的アプローチということになると思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組放送から既に3ヵ月以上経過していますが、現在においてもハーバード大学の専門家によるコロナ提言は極めて妥当だと思います。

しかし、残念ながら日本政府の新型コロナウイルス対策はこの提言に照らすと、全てにおいて中途半端と言わざるを得ません。

しかし、一方的に政府を責めることはいかがかとも思います。

なぜならば、新型コロナウイルスの感染拡大のような状況は今を生きる私たちにとってかつて経験したことのないような大変な事態だからです。

確かに感染者追跡用のアプリなど、法的に国内での強制的な運用は難しい面もあると思います。

しかし、新型コロナウイルスの急速な感染拡大のような緊急事態においては、それに対応出来るような法体制でなければならないと思います。

極端な例ですが、もし突然どこかの国から軍事的な攻撃を受けた場合、法的な縛りで、タイムリーな対応が出来なければ亡国の危機を迎えてしまうリスクがあるのです。

 

さて、No.4710 ちょっと一休み その732 『新型コロナウイルスによるアメリカでの死者数の多さに思うこと』でもお伝えしたように、ウイルス感染は場合によっては戦争以上の死者をもたらすことが歴史的に実証されています。

そして、今回の新型コロナウイルスもこうしたリスクを秘めているのです。

 

ということで、今後の感染拡大の状況次第では、閣議決定のみでタイムリーなコロナ対策を実施出来るような時限立法も検討しておくべきだと思うのです。

究極の選択として、“ロックダウン(都市封鎖)”も有りだと思います。

以前、No.4590 ちょっと一休み その712 『安倍政権は絶好の機会を逃した!』でもお伝えしたように、くれぐれもタイムリーな対策を逃さないようにしていただきたいと思います。


 
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2020年08月23日
No.4728 ちょっと一休み その735 『感謝する気持ちと恐怖は一緒に感じられない!?』

4月13日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)の「コロナに思う」というコーナーで、糸井重里さんは次のようにおっしゃっていたのでご紹介します。

 

「僕は専門家じゃないので、ただの71歳のおじいさんとして、このこんがらがったものすごく沢山情報が来るし、感情の渦が巻いているし、こういうこんがらがった状況をどうやって糸をほぐすように1本のヒントからほぐせるだろうかということを考えてみました。」

「24時間起きている限りは新型コロナウイルスの話をされます。」

「そんな中で、自分もちょっと知ったような気になって、あれがこうじゃないか、これがこうじゃないかってことを考えたり、人に話したりということはあるんですけども、街にそれがサイレンの響きみたいに鳴り渡っている状態っていうのは相当自分にとっても他人にとってもストレスなんじゃないかと思いまして、「待てよ、救急車のサイレンはなんで鳴っているんだっけ」っていうふうに考えました。」

「救急車のサイレンていうのは、「急いでいますから前を開けて下さい」と言うために鳴っているんですね。」

「「大変だ、大変だ」って言ってるわけじゃないわけです。」

「「大変だ、大変だ」って言っているサイレンの音を1回みんなが止めた方がいいんじゃないかというふうに思ったというのも結構自分の気持ちを楽にしてくれました。」

 

「もう一つは、自分たちが家にいましょうだとか、止まりましょうと言っている間も、止まってはいけないものが沢山あります。」

「単純に水道だとか、電気だとか、そういうモノもそうですし、モノを通信販売で頼んで、届けてくれる人たちも止まってはいけないわけですから、動いていてくれるわけです。」

「で、何よりもこの大きな感染の渦の中にいながら治療してくれる人たち、その人たちのことを忘れないようにいつでも感謝していようと自分に約束しました。」

「で、これお医者さんから聞いたんですけど、感謝する気持ちと恐怖は一緒には感じられないんだそうです、人間は。」

「ですから、感謝している時間は恐怖を感じなくて済むっていう利点もあります。」

「(新型コロナウイルスは)いつか終わるんですね。」

「で、終わった未来の側から今の自分を見ることっていうことをやってみようと思いました。」

「で、何か未来の自分から見て、役に立つことを知っておこうというふうに思っているのが今の僕のやり方です。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通してまず感じたことは、糸井さんはさすがに冷めた目で客観的に物事を見る目をお持ちだなということです。

確かに、新型コロナウイルスの感染拡大から半年ほど経った今も「3密」の回避に気を配りながら暮らしており、こうした状況がいつまで続くのか皆目見当がつきません。

ですから、私たちは大なり小なりコロナ禍以前の暮らしと比べた非自由さにやるせなさを感じつつ、ストレスを溜めながら暮らしています。

このようにコロナ禍とまともに向き合いながらの暮らしはこれからまだ1年以上続くとも言われています。

 

こうした中で、糸井さんは私たちが少しでも気分的に楽に生きられるように次の2つの術を教えてくれています。

感謝する気持ちと恐怖は一緒には感じられないので、医療関係者などへの感謝の気持ちを持ち続けること

・時には新型コロナウイルス終息後の未来の自分から見て、役に立つことを知っておこうとすること

 

まず“感謝する気持ちと恐怖は一緒に感じられない”という言葉はとても新鮮な感じを受けます。

人間の創造主がいたとしたら、創造主が人間の心のあり方として、何かに感謝する気持ちを持つことが心を楽にしてくれる術として人間の本能として授けてくれたのではないかと思ってしまうからです。

同時に感謝される側としても、周りの人から感謝されて悪い気持ちを持つ人はまずいないと思うからです。

 

こうした人の心のあり方は、「他人の欠点にばかり目を向けるよりも、その人の長所に目を向けよう」という人もおりますが、こうした考え方にも通じると思います。

要は、目の前の心配事や恐怖心に心を奪われるのではなく、物事を客観的に捉え、前向きに生きようということなのではないでしょうか。

こうした生き方をするうえで、時には新型コロナウイルス終息後の未来の自分から見て、役に立つことを知っておこうという糸井さんの提唱はとても参考になると思います。

 

ここであらためて思い起こされるのは、“生き残るのは強い生物ではなく、環境にうまく適応出来る生物である”という言葉です。

新型コロナウイルスの感染拡大の状況において、「3密」(密閉・密集・密接)の回避こそが最善の対策であることが既に明らかになっています。

ですから「3密」の回避を大前提としたビジネス、あるいは暮らしを確立した企業や人たちこそが新型コロナウイルスとの闘いの勝者であり、生き残っていくことが出来るのです。

そして、こうした闘いが確立出来れば、次なるウイルスとの闘いにも大いに役立つわけです。

 

ということで、本来人に備わった本能も含めて、客観的な事実を踏まえ、物事に真摯に向き合い、前向きに取り組むことこそがどのような環境になろうとも最善の生き残り戦略だと思うに至りました。


 
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2020年08月22日
プロジェクト管理と日常生活 No.655 『新型コロナウイルス対策を国家プロジェクトと見なすと・・・』

5月12日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルスへの対応策でも必要なプロジェクト管理における“最適化”の考え方について取り上げていたのでご紹介します。 

 

5月12日の時点では緊急事態宣言発令中でしたが、出口戦略については検討が続けられていました。

そうした中、解説キャスターで日経ビジネスの編集委員、山川 龍雄さんは次のようにおっしゃっています。

「危機に強い組織は自立した現場を持っているかどうかだということだと思っています。」

「これは企業組織においてもスポーツチームにおいても軍隊においても全く同じなんです。」

「やっぱり指示待ち族が多いとダメなんですよね。」

「その観点で照らし合わせれば、今回の出口戦略はやはり都道府県の知事さんに大胆に任せて政府は介在しないというのが大事だと思います。」

「(そうなると政府の役割は何かという問いに対して、)ヒト・モノ・カネ、そして情報のサポート役に徹するということだと思いますね。」

「結局、指示待ち族が多いと、また同じことを繰り返して鈍重な対応になってしまいますから、ここで地方自治のあり方を見直して欲しいと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通してあらためて思うのは、農業や観光などといったように自治体ごとに産業の基盤が異なるということです。

また、年齢構成も医療施設の充実度合いも異なります。

そして、こういった具体的な状況を最も把握しているのは各自治体の知事なのです。

一方で、こうした個々の自治体における状況とは別に、基本的な新型コロナウイルス対策のあり方は共通しています。

 

そこで、新型コロナウイルス対策を国家的なプロジェクトと見なせば、その目的は以下のような内容になります。

・感染者数、および死者数を最小限に食い止めること

・上記とのバランスを取りながら、経済的な損失を最小限に食い止めること

・治療薬やワクチンの開発、あるいは海外からの供給により、早期の終息を図ること

 

そして、事実上以下のようなおおまかな体制になります。

プロジェクトオーナー:菅官房長官

プロジェクトリーダー:西村コロナ対策大臣

プロジェクトオフィス:内閣官房内に設置された事務局

サブリーダー    :地方自治体の知事、あるいは知事に任命された管理職

 

また、プロジェクト管理における作業、および作業プロセスの内容には大きく“標準”と“最適化”があります。

新型コロナウイルスに対する取り組みにおける“標準”とは、各自治体が共通して守るべきルールです。

このルールは当然プロジェクトリーダー傘下のプロジェクトオフィスで検討し、プロジェクトリーダーが承認します。

 

一方、“最適化”とは、各自治体がそれぞれの特性に合わせてルールをより厳しくしたり、あるいは緩めたりといったように標準ルールから逸脱した独自のルールで、サブリーダーである各首長が取り決めます。

しかし、逸脱の場合はプロジェクトリーダーによる認可が必要となります。

ですから、各首長には単に国が定めた標準に則った対策を進めるのではなく、自治体の特性に応じた最適な対策を検討することが求められるのです。

 

こうした枠組みで新型コロナウイルス対策を遂行するうえで、プロジェクトオフィスには以下のような役割も必要で、プロジェクトリーダーが承認します。

・管理項目、および管理基準の設定

・上記に基づいた定期的なデータの収集、集計、分析

・上記の分析に基づいた各自治体へのアドバイス

・プロジェクト管理支援アプリの構築

・タイムリーな資金給付

 

ということで、プロジェクト管理の観点から、よりスピーディに、より効果的、かつ効率的に新型コロナウイルス対策を実施するうえで、国家プロジェクトとしての体制づくり、プロジェクト管理支援アプリの構築、および“最適化”がとても重要なのです。

 

こうした観点から、特に毎日、小池都知事が公表している都内の感染者数などの集計プロセスを見ると、手作業やファックスといったように前近代的な方法で行われており、普段の作業プロセスに対しても生産性の低さを疑ってしまいます。

国による国民1人当たり10万円を配る特別定額給付金についても同様のことが言えます。


 
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