2024年07月21日
No.5952 ちょっと一休み その938 『トランプ前大統領が再選した場合の影響!』
2月1日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でトランプ前大統領が再選すると市場はどうなるかについて取り上げていたのでご紹介します。 

アメリカのマーケットは、経済が強いということで、今、楽観論が広がっていますが、トランプ氏が再び大統領に就任した場合にどうなるかについて、日経ビジネスの編集委員、山川龍雄さんは次のようにおっしゃっています。
「まず、株価については追い風になると見ている人の方が多いですね。」
「前回も大規模減税をやって、かなりトランプラリーが起こって、だいたい4年間通算で、ニューヨークダウで1.5倍ぐらいには上昇させているんですよね。」
「ですから、国際情勢はかなり不透明感強まりますけども、それでもプラスじゃないかということですね。」
「(為替については、)日本としては円高が気になるんですね。」
「そもそもトランプ氏は財政出動が好きです。」
「これはもうドル安円高要因です。」
「それから金融当局に対して、利下げを催促する可能性もあるし、何と言っても前回の就任時に比べて円安がかなり進んでいますから、日本の円安について、トランプ氏は注文を付けるという可能性もあります。」
「(ということは、日本の企業としては円高にも備えておく必要だという指摘に対して、)はい。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・株価については追い風になると見ている人の方が多い
 -前回も大規模減税をやって、4年間通算で、ニュ・ーヨークダウで1.5倍ぐらいには上昇させている
・為替については、財政出動が好きなので、ドル安円高要因になる
・金融当局に対して、利下げを催促する可能性もあり、前回の就任時に比べて円安がかなり進んでいるので、日本の円安について、注文を付けるという可能性もある
・従って、日本の企業としては円高にも備えておく必要がある

なお、7月2日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でその後の市場の動きについて取り上げていたのでご紹介します。 

3月下旬に市場最高値を更新して以来、さえない値動きが続いてきた日経平均株価ですが、7月2日、日本の長期金利が上昇したことを受けて、銀行や保険などの金融株が買われ、日経平均株価は約3ヵ月ぶりに4万円の大台を回復しました。

株価を押し上げた要因の1つがアメリカのトランプ前大統領です。
6月27日に行われたアメリカ大統領選挙のテレビ討論会、終了後の世論調査では67%が「トランプ氏が勝利した」と回答するなど、現職のバイデン氏に対し、トランプ氏が優勢との見方が広がりました。
トランプ氏が大統領に返り咲けば、財政赤字が拡大し、インフレの加速につながるとの懸念からアメリカの国債が売られて、長期金利が上昇したのです。
市場関係者は、この先、市場業績の底堅さが続くようであれば、年末にかけて一段の株高も期待出来るといいます。
こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「アメリカでトランプ減税が延長されて、輸入品の関税もかかるので、値上がりが続くと。」
「このトランプ・インフレがあるので、FRBが利下げに動きにくくなって、高金利が続く。」
「このシナリオがあるために161円台後半まで円安が進んだということですね。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・3月下旬に市場最高値を更新して以来、さえない値動きが続いてきた日経平均株価だが、7月2日、日本の長期金利が上昇したことを受けて、銀行や保険などの金融株が買われ、日経平均株価は約3ヵ月ぶりに4万円の大台を回復した
・株価を押し上げた要因の1つがアメリカのトランプ前大統領である
 -6月27日に行われたアメリカ大統領選挙のテレビ討論会、終了後の世論調査では67%が「トランプ氏が勝利した」と回答するなど、現職のバイデン氏に対し、トランプ氏が優勢との見方が広がった
 -トランプ氏が大統領に返り咲けば、財政赤字が拡大し、インフレの加速につながるとの懸念からアメリカの国債が売られて、長期金利が上昇した
・市場関係者は、この先、市場業績の底堅さが続くようであれば、年末にかけて一段の株高も期待出来るという
・トランプ減税が延長されて、輸入品の関税もかかるので、値上がりが続く
・トランプ・インフレにより、FRBが利下げに動きにくくなって、高金利が続く
・このシナリオがあるため、161円台後半まで円安が進んだ

さて、7月2日(火)付けネット記事(こちらを参照)では以下のように報じています。

・米連邦最高裁は1日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が2020年大統領選の結果を覆そうとした事件をめぐり、大統領在任中の公的行為に関しては免責されるとの判断を示した。
・公的行為に当たるかの審理は連邦地裁に差し戻され、11月の大統領選前に初公判が開かれる公算はほぼなくなったとみられる。
・最高裁判事9人のうち、トランプ氏がかつて任命した3人を含む保守派6人が賛成、リベラル派3人は反対した。
・保守派のジョン・ロバーツ(John Roberts)最高裁長官は多数意見として、大統領といえども「法を超える存在ではない」としながら、在任中の公的行為に関しては刑事訴追の対象にならない「絶対的な免責特権」があると指摘。「大統領は憲法に基づく核となる権限の行使については訴追を免れ得る」と述べた。
・その一方で、「公式でない行為については免責されない」とし、トランプ氏の行為に関して公私の判断を下すよう連邦地裁に求めた。
・トランプ氏も自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「われわれの憲法と民主主義の勝利だ」と歓迎した。
・これに対しリベラル派のソニア・ソトマイヨール(Sonia Sotomayor)最高裁判事は反対意見で、大統領は「海軍の特殊作戦部隊SEALチーム6(SEAL Team 6)に政敵の暗殺を命じても免責されることになる」などとし、「大統領は法を超える王となった」と批判した。

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

記事の内容を以下にまとめてみました。
・米連邦最高裁は7月1日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が2020年大統領選の結果を覆そうとした事件をめぐり、大統領在任中の公的行為に関しては免責されるとの判断を示した
 -公的行為に当たるかの審理は連邦地裁に差し戻され、11月の大統領選前に初公判が開かれる公算はほぼなくなったとみられる
・保守派のジョン・ロバーツ(John Roberts)最高裁長官は多数意見として、大統領といえども「法を超える存在ではない」としながら、在任中の公的行為に関しては刑事訴追の対象にならない「絶対的な免責特権」があると指摘。「大統領は憲法に基づく核となる権限の行使については訴追を免れ得る」と述べた
・これに対しリベラル派のソニア・ソトマイヨール(Sonia Sotomayor)最高裁判事は反対意見で、大統領は「海軍の特殊作戦部隊SEALチーム6(SEAL Team 6)に政敵の暗殺を命じても免責されることになる」などとし、「大統領は法を超える王となった」と批判した

また、7月2日(火)放送の「キャッチ!世界のトップニュース」(NHK総合テレビ)で、こうしたトランプ氏の勝利の理由について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。

1番目は連邦最高裁の意見書の内容です。
「連邦最高裁判所は、大統領に在任中の公務としての行動は免責されるが、公務でないものには免責は適用されない」としました。
そして、特に注目したいのが、「司法省の高官らとの議論を含む行為については完全に免責が適用される」とした部分です。

トランプ氏は、2021年の議会乱入事件で、党委の司法省高官らに「大統領選に不正があったと言ってくれ」と求めたなどと指摘されていて、事件を巡る起訴内容でも重要なポイントです。
しかし、この行為について、連邦最高裁判所が公務の一環として考えられるとして、完全に免責が適用されるとしたことは、トランプ氏が期待していた以上の結果だと言えるのです。

一方、トランプ氏が当時のフェンス副大統領に圧力をかけていたとされる行為については、公務に含まれるとしながらも、推定的に免責が適用されるに留まりました。

また、公でのトランプ氏の発言や声明についても「公務とも大統領候補や共和党のリーダーとしての発言ともとれる」として、明確な判断を示していません。
下級審はこうしたトランプ氏の一つ一つの報道について公務かどうか、つまり免責がされるかどうかを判断していくことになります。

そして、こうして時間が更にかかることになり、議会乱入事件を巡る裁判の初公判が11月の大統領選挙の投票日より前に開かれることは極めて難しくなりました。
これがトランプ氏にとって、審議の差し戻しが“勝利”となる2つ目の理由となります。

トランプ氏は合わせて4つの刑事事件で起訴されていますが、このうち、この議会乱入事件を巡る起訴が最も罪として重く、有権者の投票行動にも影響すると指摘されています。
その裁判が投票日前に始まらないことは、大統領への返り咲きを狙うトランプ氏にとって、追い風となります。

更にアメリカのメディアは、トランプ氏が大統領に返り咲けば、自身が指名する司法長官に起訴の取り下げを命じるという観測を伝えています。
つまり、連邦最高裁判所の差し戻しの判断はトランプ氏にとって願ってもないものなのです。
ただ、そもそも、この判断は連邦最高裁判所の9人の判事が、保守派が6人、リベラル派が3人という、その構成が大きく影響しています。
そして、保守派の6人のうち、3人の判事はトランプ氏が大統領任期中に指名しました。
保守派の判事、ロバート長官は意見書で、大統領は「法を超えない」と述べていました。
しかし、トランプ氏の影響力がアメリカの司法にも見られる中、この言葉には疑問符が付いています。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・トランプ氏は、2021年の議会乱入事件で、党委の司法省高官らに「大統領選に不正があったと言ってくれ」と求めたなどと指摘されていて、事件を巡る起訴内容でも重要なポイントである
・しかし、この行為について、連邦最高裁判所が公務の一環として考えられるとして、完全に免責が適用されるとしたことは、トランプ氏が期待していた以上の結果だと言える
・一方、トランプ氏が当時のフェンス副大統領に圧力をかけていたとされる行為については、公務に含まれるとしながらも、推定的に免責が適用されるに留まった
・トランプ氏は合わせて4つの刑事事件で起訴されているが、このうち、この議会乱入事件を巡る起訴が最も罪として重く、有権者の投票行動にも影響すると指摘されているが、その裁判が投票日前に始まらないことは、大統領への返り咲きを狙うトランプ氏にとって、追い風となる
・更にアメリカのメディアは、トランプ氏が大統領に返り咲けば、自身が指名する司法長官に起訴の取り下げを命じるという観測を伝えている
・つまり、連邦最高裁判所の差し戻しの判断はトランプ氏にとって願ってもないものなのである
ただ、そもそも、この判断は連邦最高裁判所の9人の判事が、保守派が6人、リベラル派が3人という、その構成が大きく影響しています。
・保守派の判事、ロバート長官は意見書で、大統領は「法を超えない」と述べているが、トランプ氏の影響力がアメリカの司法にも見られる中、この言葉には疑問符が付いている

なお、トランプ前大統領を巡る動きはその後も目まぐるしく、7月15日(月)付けネット記事(こちらを参照)では以下のように報じられています。

7月13日夕(日本時間14日朝、)米東部ペンシルベニア州での大統領選の選挙集会で演説していたトランプ前大統領が狙撃された。トランプ氏は右耳を負傷したが命に別条はなかった。聴衆1人が死亡し、2人が重傷を負った。大統領警護隊(シークレットサービス)が容疑者を射殺した。

また、7月16日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でトランプ前大統領を巡る、その後の動きについて取り上げていたのでご紹介します。

7月15日から開かれている共和党大会で、トランプ前大統領は銃撃事件後、初めてサプライズで姿を見せ、健在ぶりをアピールし、正式に大統領候補に指名されました。
そして、選挙戦をともに戦う、その副大統領候補には39歳の若手、J・Ⅾ・バンス上院議員(39歳)が選ばれました。

共和党大会では、事実上の公約となる「政策綱領」が採択されました。
アメリカ第一主義を掲げるトランプ氏の考えが色濃く反映され、エネルギー生産の規制の撤回や不法移民への「史上最大の強制送還措置」などが盛り込まれています。

トランプ氏の再選を意識して、市場も反応。
7月15日、不法移民の取り締まり強化により“収容施設の需要が高まる”との見方から、刑務所を運営するGEOグループなどの株価が値上がりしました。
また、銃規制に反対するトランプ氏の姿勢を踏まえ、銃器メーカー、スミス・アンド・ウェッソン・ブランズの株価が急騰するなど、関連銘柄が上昇しました。

テスラのCEO、イーロン・マスク氏は、銃撃直後にトランプ氏への支持を表明して、トランプ氏の支持団体に毎月約71億円を献金するとの報道も出ています。

そして、副大統領として指名されたJ・Ⅾ・バンス氏上院議員は、2022年の選挙で初当選した若手上院議員で、ベストセラー作家としても知られています。
“アメリカファースト”を掲げ、ウクライナ支援に反対するなど、トランプ氏の政策と多くの面で一致し、更なる支持者固めが期待されています。
バンス氏は、以前(5月)、テレビ東京のインタビューで、日本との関係について、次のようにおっしゃっています。
「日本は世界で最も重要な同盟国の1つだ。」
「同盟国として付き合う国で、依存する国家は必要ない。」
「アメリカに依存し、自らは自立も独立もしないような国は不要だ。」
「私たちは台頭する中国に対抗出来る同盟国のネットワークを構築したい。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・7月15日から開かれている共和党大会で、トランプ前大統領は銃撃事件後、初めてサプライズで姿を見せ、健在ぶりをアピールし、正式に大統領候補に指名された
・そして、選挙戦をともに戦う、その副大統領候補には39歳の若手、J・Ⅾ・バンス上院議員(39歳)が選ばれた
・共和党大会では、事実上の公約となる「政策綱領」が採択された
 -アメリカ第一主義を掲げるトランプ氏の考えが色濃く反映され、エネルギー生産の規制の撤回や不法移民への「史上最大の強制送還措置」などが盛り込まれている
・トランプ氏の再選を意識して、市場も反応した
 -7月15日、不法移民の取り締まり強化により“収容施設の需要が高まる”との見方から、刑務所を運営するGEOグループなどの株価が値上がりした
・銃規制に反対するトランプ氏の姿勢を踏まえ、銃器メーカー、スミス・アンド・ウェッソン・ブランズの株価が急騰するなど、関連銘柄が上昇した
・テスラのCEO、イーロン・マスク氏は、銃撃直後にトランプ氏への支持を表明して、トランプ氏の支持団体に毎月約71億円を献金するとの報道も出ている
・副大統領として指名されたJ・Ⅾ・バンス氏上院議員は、2022年の選挙で初当選した若手上院議員で、ベストセラー作家としても知られている
・“アメリカファースト”を掲げ、ウクライナ支援に反対するなど、トランプ氏の政策と多くの面で一致し、更なる支持者固めが期待されている
・バンス氏は、5月にテレビ東京のインタビューで、日本との関係について、「日本は世界で最も重要な同盟国の1つだ。同盟国として付き合う国で、依存する国家は必要ない。私たちは台頭する中国に対抗出来る同盟国のネットワークを構築したい。」とおっしゃっている

また、7月17日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でトランプ前大統領を巡る、その後の動きについて取り上げていたのでご紹介します。 

円相場は円高ドル安が進んでいます。
外国為替市場では今日、夕方に向けて2円以上急激な円高ドル安が進みました。
トランプ前大統領の円安けん制発言や河野デジタル大臣がインタビューで日銀に利上げを求めたことがきっかけとの見方が出ています。
ドル円相場、現在156円50銭台での値動きとなっています。

その円高の要因の1つがアメリカの大統領選挙です。
トランプ前大統領がアメリカメディアのインタビューで、ドル高について大きな問題だと述べ、ドル高の是正に動く意向を示したことが報じられ、円高ドル安が進みました。
金融市場では、暗殺未遂事件をきっかけにトランプ氏が11月の大統領選挙で再選される可能性が意識され、暗号資産の価格や株価が上昇しています。

共和党の党大会で採択された、事実上の公約となる政策綱領には、「民主党の法外な暗号資産の規制を終わらせる」ことが盛り込まれました。
トランプ氏が再選されれば、暗号資産に関する規制が緩和されるとの思惑が広がり、ビットコインはほぼ4週間ぶりの高値となる65000ドル台まで上昇しています。

トランプ再選の流れは、ニューヨーク格式市場にも。
トランプ氏が減税を公約に掲げることなども追い風にダウ平均株価は16日(現地時間)、4万954ドルと、連日で終値の史上最高値を更新しました。

盛り上がるトランプ再選、今後の選挙情勢について、アメリカの国際政治学者、イアン・ブレマー氏は次のようにおっしゃっています。
「(トランプ氏の勝率は)銃撃前の60〜70%、今は75から80%に上がったといえる。」
「90〜95%にならないのは、選挙まで3ヵ月あり、状況は変化し得るからだ。」

ただ、トランプ氏の発言にはリスクも。
台湾の防衛を巡っては、アメリカメディアのインタビューで「我々は保険会社のようなものだ。台湾は防衛費を払うべきだ。」と発言。(先月インタビューを実施/16日公開)
これを受けて、台湾の半導体メーカー、TSMCの株価は今日(日本時間)3%以上下落しました。

トランプ氏、再選の場合、日本経済にどんな影響があるのか。
インタビューの中で、トランプ氏は「大きな通貨問題を抱えている。強いドルと弱い円、弱い人民元は信じられないほど乖離している。」

この発言をきっかけに、今日、東京外国為替市場では一時、156円台前半をつけ、約1ヵ月ぶりの円高ドル安水準となりました。
しかし、ブレマー氏は今後、ドル安に向く長期的な要因は見当たらないと指摘します。
「アメリカが自国保護のために、日本に関税をかければ、円安圧力になり得る。」
「韓国のウォンでも同じだ。」
「だが、ドル安圧力はかからない。」
(トランプ氏が返り咲いた場合、何が起こるかについて、)日本にとってのメリットはトランプ政権が日本を中国との比較で評価し続けること。」
「中国に対しては一貫してタカ派の政策を取るだろう。」
「日本にとっての問題は、アメリカがより予測不可能になり、気候変動や国連などの組織について、法の支配や多国間主義(複数の国が協力して共通の目標を達成するために、国際的な問題に対処する外交アプローチ)を支持しなくなることだ。」

一方、民主党のバイデン大統領は、銃撃事件の後、見合わせていた選挙活動を再開。
「トランプ氏が嘘をついているので、もう一度言おう。」
「バイデン、ハリス政権下で黒人の失業率は過去最低を記録した。」

ロイター通信が銃撃事件の後、行った世論調査によりますと、共和党のトランプ氏の支持率は43%、民主党のバイデン大統領の支持率は41%で、トランプ氏のリードはわずかとなっています。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・円相場は円高ドル安が進んでいる
 -トランプ前大統領の円安けん制発言や河野デジタル大臣がインタビューで日銀に利上げを求めたことがきっかけとの見方が出ている
 -ドル円相場、現在156円50銭台での値動きとなっている
・その円高の要因の1つがアメリカの大統領選挙である
 -トランプ前大統領がアメリカメディアのインタビューで、ドル高について大きな問題だと述べ、ドル高の是正に動く意向を示したことが報じられ、円高ドル安が進んだ
・金融市場では、暗殺未遂事件をきっかけにトランプ氏が11月の大統領選挙で再選される可能性が意識され、暗号資産の価格や株価が上昇している
・共和党の党大会で採択された、事実上の公約となる政策綱領には、「民主党の法外な暗号資産の規制を終わらせる」ことが盛り込まれた
 -トランプ氏が再選されれば、暗号資産に関する規制が緩和されるとの思惑が広がり、ビットコインはほぼ4週間ぶりの高値となる65000ドル台まで上昇した
・トランプ再選の流れは、ニューヨーク格式市場にも影響を与えている
 -トランプ氏が減税を公約に掲げることなども追い風にダウ平均株価は16日(現地時間)、4万954ドルと、連日で終値の史上最高値を更新した
・盛り上がるトランプ再選、今後の選挙情勢について、アメリカの国際政治学者、イアン・ブレマー氏は「トランプ氏の勝率は銃撃前の60〜70%、今は75から80%に上がったといえる。」と指摘している
・ただ、トランプ氏の発言にはリスクもある
 -台湾の防衛を巡っては、アメリカメディアのインタビューで「我々は保険会社のようなものだ。台湾は防衛費を払うべきだ。」と発言している(先月インタビューを実施/16日公開)
 -これを受けて、台湾の半導体メーカー、TSMCの株価は今日(日本時間)3%以上下落した
・トランプ氏、再選の場合、日本経済にどんな影響があるのか、インタビューの中で、トランプ氏は「大きな通貨問題を抱えている。強いドルと弱い円、弱い人民元は信じられないほど乖離している。」と発言している
 -この発言をきっかけに、今日、東京外国為替市場では一時、156円台前半をつけ、約1ヵ月ぶりの円高ドル安水準となった
・しかし、ブレマー氏は今後、ドル安に向く長期的な要因は見当たらないと指摘している
 -アメリカが自国保護のために、日本に関税をかければ、円安圧力になり得る
 -だが、ドル安圧力はかからない
・トランプ氏が返り咲いた場合、日本への影響について、ブレマー氏は以下のように指摘している
 -日本にとってのメリットは、トランプ政権が日本を中国との比較で評価し続けることである
 -中国に対しては一貫してタカ派の政策を取るだろう
 -日本にとっての問題は、アメリカがより予測不可能になり、気候変動や国連などの組織について、法の支配や多国間主義を支持しなくなることだ
・一方、民主党のバイデン大統領は、銃撃自演の後、見合わせていた選挙活動を再開し、「トランプ氏が嘘をついているので、もう一度言おう。バイデン、ハリス政権下で黒人の失業率は過去最低を記録した。」と発言している
・ロイター通信が銃撃事件の後、行った世論調査によると、共和党のトランプ氏の支持率は43%、民主党のバイデン大統領の支持率は41%で、トランプ氏のリードはわずかとなっている

そして、7月16日(火)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で共和党の政策綱領について取り上げていたので、内容の一部をまとめてご紹介します。

共和党大会の初日に採択された、事実上の公約となる共和党の政策綱領は「アメリカ第一主義(アメリカファースト)」が色濃く反映されています。

(外交・安全保障)
・力によって平和を取り戻す
-国際機関を重視せず、2国間関係に重きを置く政策に回帰
・軍の再建、同盟関係の強化
・中国との対抗
・テロ対策など

(エネルギー・環境)
・化石燃料の生産を拡大(“掘って掘りまくれ”)
 -エネルギー価格の大幅な引き下げ
・EV普及策の廃止
-アメリカの自動車産業の再興

(通商政策)
・アメリカの労働者、農家、産業を守る強固な計画を提示
-輸入製品に一律で関税
-貿易赤字を是正

この通商政策について、トランプ、バイデン両政権で通商代表部の交渉官を務めたデビッド・ボーリング氏は次のようにおっしゃっています。
「トランプ政権の2期目が実現すれば、関税に焦点が置かれるだろう。」
「トランプ氏は関税が好きで、貿易赤字が嫌いだ。」
「貿易赤字は相手国に利用されることだと考えている。」
「(そのうえで日本や中国に対しては、)バイデン政権は日本の鉄鋼への関税は撤廃したが、トランプ政権は再び課すかもしれない。」
「自動車への関税も課す可能性もある。」
「中国への関税は引き上げるだろう。」
「アメリカ経済を中国経済から切り離したいのだろう。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

そして、7月18日(金)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)でトランプ前大統領を巡る、その後の動きについて取り上げていたのでご紹介します。

銃撃事件後、初めて公の場で演説したトランプ前大統領、“アメリカ全体のための大統領”になると団結を呼びかけ大統領候補への指名を受諾しました。
ただ、演説で多くの時間を割いたのは、バイデン候補への批判でした。
共和党大会の最終日(18日)、ホワイトハウスの映像の前に立ったトランプ前大統領は次のように演説しました。
「アメリカの半分ではなく、全体のための大統領になろうと立候補した。」
「大統領候補への指名を誇りを持って受諾する。」

銃撃事件の後、演説の内容を大幅に書き換えたというトランプ氏、繰り返し訴えたのは国民の「団結」と「分断」を修復する必要性でした。
「暗殺者の弾丸は、あと数ミリで私の命を奪うところだった。」
「凶悪な攻撃があったが、今夜、私たちはかつてないほどの決意で団結する。」

このように演説は抑制的なトーンで始まりましたが。
「史上最悪な大統領を10人足してもバイデンが与えたダメージには及ばない。」

次第に熱を帯び、バイデン政権や与党、民主党への批判に多くの時間を割きました。

ニューヨークタイムズは「トランプ氏は団結を約束したあと、攻撃に転じた」と伝えた一方、ワシントンポストは「政敵への嫌悪感といった、いつもの視点を団結を目指す態度で包み込んだ」と分析しました。

一方、民主党のバイデン大統領は、新型コロナ検査で陽性になり、自主隔離を続けています。
アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは18日、オバマ元大統領が周囲に対し、「バイデン氏が勝てる可能性は極めて低くなり、本人は真剣に検討する必要がある。」と話していたと報道。
更に、ぺロス元下院議長は「バイデン氏が近く説得に応じ、撤退を決断する可能性がある」という見方を示したと伝えています。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

こうして、いくつかの報道内容の一部をご紹介してきましたが、あらためて思うのは、11月に予定されているアメリカ大統領選挙を巡る目まぐるしい動きです。
そうした中、トランプ前大統領の暗殺未遂という衝撃的な事件が起きたので、トランプ前大統領再選の可能性が多少なりとも高まっています。
こうした中、テレビのニュース番組を見ていて、気になるのはトランプ前大統領の演説を聴いている聴衆の熱狂的な様子です。
まるでトランプ前大統領を偶像化し、どこまでトランプ前大統領の進めようとしている政策を理解したうえで、支持しているのかということです。

以下にこうしたトランプ前大統領が再選した場合の政策について、私の見解をお伝えします。

(“アメリカファースト”)
何事においても、アメリカの利益を最優先に考えるという方針ですが、世界一の超大国が自国のことを最優先に考えるということは、現代版の“弱肉強食”主義と言えます。
まさにアイデアよもやま話 No.5947 人類は本来平和的 その1 人間の本性とは何か!でお伝えした、私たち人間と近い過去に共通の祖先を持っているゴリラが暴力的な動物ではなく、平和を好み、しかも民主的な暮らしをしていたという知恵に反する考え方です。
こうしたゴリラに劣るような考え方を持ったトランプ氏をアメリカの半数ほどの国民が支持しているということをこうしたアメリカ国民は自問自答すべきなのです。

(ウクライナ支援に反対)
これまで何度となく、お伝えしてきたように、ロシアによるウクライナ侵攻がロシアのプーチン大統領の満足のいくかたちで終息するようなことになれば、ロシアによる更なる周辺国への侵攻を許すことになってしまいます。
更に、中国の習近平国家主席による軍事的な台湾侵攻阻止のハードル下げることになってしまいます。
そして、軍事的な台湾が成功すれば、習近平国家主席は更に尖閣諸島や南シナ海の島々の実効支配を進めてしまいます。
それ以前に、軍事的な台湾侵攻に対して、アイデアよもやま話 No.5945 中国が台湾侵攻なら米軍が無人兵器展開!でお伝えしたようにアメリカ軍が中国軍と戦闘状態になれば、第三次世界大戦を引き起こすことになりかねません。

(力による平和の維持)
国際機関を重視せず、2国間関係に重きを置く政策に回帰するといいますが、国連の常任理事国、アメリカ合衆国、ロシア連邦、イギリス、フランス、中国の5ヵ国のうちロシア、中国の覇権主義国はともかく、民主主義国家陣営をリードするアメリカが国連憲章を無視して力に依存し、2国間関係に重きを置く政策に回帰するというのは基本的に中国の習近平国家主席と同様の考え方です。

(逆行するエネルギー・環境政策)
化石燃料の生産を拡大し、国内の雇用を図ろうとしています。
また、EV普及策を廃止し、ガソリン車の生産拡大によるアメリカの自動車産業の再興を図ろうとしています。
化石燃料、およびガソリン車の生産拡大は“脱CO2”の流れに逆行します。
そもそも地球温暖化に懐疑的で、2017年6月、当時のトランプ政権はパリ協定からの脱退を発表したのです。
今や、世界各国で地球温暖化によると見られる、異常気象や気温の上昇により巨大台風や集中豪雨が発生しており、膨大な被害が起きています。
そして、更なる気温上昇は更なる被害を世界中にもたらすことになるのです。
日本も例外ではありません。
トランプ大統領が進めようとしている、こうしたエネルギー・環境政策を理解しただけでも、トランプ大統領の再選は絶対に阻止すべきなのです。

(米連邦最高裁によるおかしな判断)
米連邦最高裁は7月1日、トランプ前大統領が2020年大統領選の結果を覆そうとした事件を巡り、大統領在任中の公的行為に関しては免責されるとの判断を示したのです。
更にアメリカのメディアは、トランプ氏が大統領に返り咲けば、自身が指名する司法長官に起訴の取り下げを命じるという観測を伝えています。
要するに、大統領在任中に公的行為として認められれば、大統領がどんなことをしても免責されるのです。
しかも、連邦最高裁判所の9人の判事は、保守派が6人、リベラル派が3人という構成なのですから、当然、トランプ前大統領が再選されれば、連邦最高裁判所の判断はトランプ大統領に有利な判断がなされてしまいます。
ですから、連邦最高裁判所を巡る今の仕組みもトランプ前大統領の横暴を許すことにつながっているのです。
こうした今のアメリカの大統領を巡る仕組みは、独裁政権国家である中国やロシア以上の権限を国家の指導者に与えているのではないでしょうか。
今のアメリカは、真の民主主義国家として致命的な欠陥を持っていると言わざるを得ません。
ですから、トランプ前大統領のみならず、トランプ前大統領を支持している半数ほどのアメリカ国民は民主主義国家の本質、あるいは地球温暖化の進行による被害の大きさ、そしてトランプ前大統領はその被害を更に拡大しようとしていることに目覚めるべきなのです。

要するに、こうした仕組みの中で、トランプ前大統領が再選を果たした場合、地球規模の問題に正面から向き合うことなく、“アメリカファースト”で、短期的なスパンでアメリカにもたらすメリットが最大限になるような観点で政策を遂行しようとしているのです。
ですから、このような人物は、特に世界各国をリードする立場にある大国の指導者として相応しくないのです。

一方、民主党のバイデン大統領は、大統領選の選挙活動で大事な時期に新型コロナ検査で陽性になり、自主隔離を続けており、今の状況では大統領選では勝ち目がないというのが大方の見方です。
そうした中、オバマ元大統領やぺロス元下院議長などはバイデン大統領に大統領選候補から撤退するよう決断を求めています。
こうした時こそ、若返りを図り、せめて50歳台の有能でバランス感覚のある国会議員が大統領選候補に指名されて、何をしでかすか分からないようなトランプ候補に立ち向かっていただきたいと思います。
そして、アメリカを真の民主主義国家であることを体現し、“アメリカファースト”ではなく、ゴリラの社会と同様に、“Win−Win”、“共存共栄”で満たされた、平和な国際社会を実現していただきたいと思います。

 
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2024年07月20日
プロジェクト管理と日常生活 No.879 『戦争は最大の環境汚染!』
前回、戦争防止は地球温暖化リスクの重要な対応策だとお伝えしました。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.878 『戦争防止は地球温暖化リスクの重要な対応策!』
そうした中、少し古い情報ですが、2022年11月6日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)で戦争による環境破壊について具体的に取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

温暖化など、深刻な気候変動が私たちの暮らしを脅かしていますが、環境破壊を最も進行させるとも言われるある問題があります。

2019年に公開されたウクライナ映画「アトランティス」。
ロシアとの戦争が終わった6年後、2025年のウクライナという設定の近未来が描かれています。
水源が汚染され、埋められた地雷撤去に20年はかかるという、深刻な環境汚染によって荒廃したウクライナ。
戦争は、最大の環境汚染と言われますが、今、こうした映画での描写が現実のものとなりつつあります。
10月31日、首都キーウで激しい爆発とともに立ち上る黒煙、ロシア軍がウクライナ全土でインフラ施設路標的としてミサイル攻撃を行い、キーウ市内の8割で大規模な断水が発生、石油やガス関連施設、工場などが攻撃され、有害物質の放出による大気や水の汚染への懸念が高まっています。
また、マリウポリでは、下水が飲料水に混入して衛生状態が悪化。
コレラの流行が懸念されています。
マリウポリのボイチェンコ゚市長は次のようにおっしゃっています。
「マリウポリは中世の環境以下の生活が続いています。」

先月、ウクライナ政府はロシアの軍事侵攻による国内の環境被害を発表。
そこで、こんな数字がだされました。
戦車や戦闘機は大量の燃料を消費、気候変動の一因となるCO2を排出します。
今回のウクライナ侵攻では、開始から7ヵ月間で3100万トンのCO2が大気中に排出されました。
これは、ロイター通信によると、ニュージーランド、一国が1年間に排出する量に匹敵するといいます。

また、生態系への影響も深刻です。
侵攻開始以降、黒海では約5000頭のイルカの死骸が打ち上げられています。
これは、軍艦が偵察などに使う音波が原因と見られています。
更に今後、放射性物資をまき散らす、汚い爆弾が使用される可能性も懸念されています。
戦争が引き起こす環境への破壊的ダメージ、それは過去の例でも明らかです。
1960年代からのベトナム戦争では、アメリカ軍は敵の活動を抑え込もうと猛毒のダイオキシンを含む枯葉剤を大量に散布しました。
ベトナム戦争終結から30年ほど経った2006年、ホーチミン市内の病院では、その枯葉剤の影響と見られる障害のある子どもたちが不自由な暮らしを余儀なくされていました。
トゥドゥ病院のグェン医師は次のようにおっしゃっています。
「被害は既に3世代に及んでいます。」
「他の国では見られない障害のある赤ちゃんが次々に生まれています。」

また、1991年の湾岸戦争では、大量の原油がペルシャ湾に流出し、海洋汚染を引き起こします。
戦争が終わった後も、長い年月にわたって被害が続く環境汚染。

そして、5月、ミコライウの住宅地のそばに残されたクラスター爆弾の爪痕。
ロシアによるウクライナ侵攻で深刻な問題の1つになっているのが、このクラスター爆弾による汚染です。
クラスター爆弾がまき散らす小爆弾は不発弾となって残ることが多く、地雷と同じように半永久的に人々を危険にさらします。

現在、国連が定めた持続可能な開発目標、SDGsでは、17の目標が設定されています。(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』
しかし、クラスター爆弾の不発弾が数多く残るラオスでは、独自に18番目の目標として、「不発弾の被害者削減」を加えたのです。

2015年9月、国連サミットでロシアを含む加盟国の全会一致で採択したSDGs。
実は、プーチン大統領はウクライナ侵攻前、2021年6月、サンクトペテルブルクでこう語っていました。
「ロシアは環境問題にあまり関心がないという声を耳にするが、それは嘘だ。」
「我々はこれから世界の環境問題をリードしていきます。」

こうした言葉とは裏腹にロシアが引き起こした戦火によって、今、深刻な環境汚染が進む現実。
戦争は持続可能な世界の実現を確実に脅かしています。

なお、番組コメンテーターでBS−TBS「報道1930」キャスター編集長の松原耕二さんは次のようにおっしゃっています。
「20世紀は、例えば石油の利権で戦争が起きるとも言われたわけですね。」
「じゃあ、近未来はどうかというと、気候変動で温暖化が進んで、水や食料が不足して奪い合いで戦争、紛争が起こるんじゃないかと指摘をされてるわけですね。」
「じゃあ、一旦戦争が起きたら何がどんなことになってしまうのか、まさに我々が今、ウクライナで見ていること、戦争自体が環境破壊、気候変動を加速させてしまうわけですね。」
「つまり、気候変動が戦争を生み、戦争が更に気候変動を加速させて、新たな戦争を生むと。」
「いわば負のスパイラルなわけですね。」
「これを我々、よりリアルに感じてしまうわけです。」
「目の前に戦争を見てますから。」
「じゃあ、どうすればいいのかと。」
「ただ1つだけ、希望をつなぐとしたら、“脱ロシア”という動きの中で他の国に依存しない、自然環境のエネルギーが一気に進むことということですが、どうなりますか。」
「何よりも負のスパイラルをどうにか止めるために、我々今まで以上に、よりリアルに考えなきゃいけないと思います。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(戦争こそ環境破壊を最も進行させる)
・2019年に公開されたウクライナ映画「アトランティス」では、ロシアとの戦争が終わった6年後、2025年のウクライナという設定の近未来が描かれている
 -水源が汚染され、埋められた地雷撤去に20年はかかるという深刻な環境汚染によって荒廃した

(ロシアの軍事侵攻によるウクライナ国内の環境被害)
・戦争は、最大の環境汚染と言われるが、今、こうした映画での描写が現実のものとなりつつある
 -2022年10月31日、首都キーウで激しい爆発とともに立ち上る黒煙、ロシア軍がウクライナ全土でインフラ施設路標的としてミサイル攻撃を行い、キーウ市内の8割で大規模な断水が発生、石油やガス関連施設、工場などが攻撃され、有害物質の放出による大気や水の汚染への懸念が高まっている
 -マリウポリでは、下水が飲料水に混入して衛生状態が悪化している
 -コレラの流行が懸念されている
 -マリウポリのボイチェンコ゚市長は、マリウポリは中世の環境以下の生活が続いていると言う
・2022年10月、ウクライナ政府はロシアの軍事侵攻による国内の環境被害を発表した
・戦車や戦闘機は大量の燃料を消費、気候変動の一因となるCO2を排出する
 -今回のウクライナ侵攻では、開始から7ヵ月間で3100万トンのCO2が大気中に排出された
 -これは、ロイター通信によると、ニュージーランド、一国が1年間に排出する量に匹敵するという
・2022年5月、ミコライウの住宅地のそばではクラスター爆弾の爪痕が残された
 -ロシアによるウクライナ侵攻で深刻な問題の1つになっているのが、このクラスター爆弾による汚染である
 -クラスター爆弾がまき散らす小爆弾は不発弾となって残ることが多く、地雷と同じように半永久的に人々を危険にさらす

(生態系への深刻な影響)
 -侵攻開始以降、黒海では約5000頭のイルカの死骸が打ち上げられている
 -これは、軍艦が偵察などに使う音波が原因と見られている
 -更に今後、放射性物資をまき散らす、汚い爆弾が使用される可能性も懸念されている
 
(戦争が引き起こす環境への破壊的ダメージの過去の事例)
ベトナム戦争:
・1960年代からのベトナム戦争では、アメリカ軍は敵の活動を抑え込もうと猛毒のダイオキシンを含む枯葉剤を大量に散布した
・ベトナム戦争終結から30年ほど経った2006年、ホーチミン市内の病院では、その枯葉剤の影響と見られる障害のある子どもたちが不自由な暮らしを余儀なくされていた
・トゥドゥ病院のグェン医師は、被害は既に3世代に及んでいると言う

湾岸戦争:
・1991年の湾岸戦争では、大量の原油がペルシャ湾に流出し、海洋汚染を引き起こした
・戦争が終わった後も環境汚染は長い年月にわたって被害が続く
・現在、国連が定めた持続可能な開発目標、SDGsでは、17の目標が設定されている
・しかし、クラスター爆弾の不発弾が数多く残るラオスでは、独自に18番目の目標として、「不発弾の被害者削減」を加えた

(欺瞞に満ちているプーチン大統領の言動)
・2015年9月、国連サミットでロシアを含む加盟国の全会一致でSDGsを採択した
・プーチン大統領はウクライナ侵攻前、2021年6月、サンクトペテルブルクで「ロシアは環境問題にあまり関心がないという声を耳にするが、それは嘘だ。我々はこれから世界の環境問題をリードしていきます。」と発言している
・こうした言葉とは裏腹にロシアが引き起こした戦火によって、今、深刻な環境汚染が進んでいる

(BS−TBS「報道1930」キャスター編集長の松原さんの提言)
・近未来は気候変動で温暖化が進んで、水や食料が不足して奪い合いで戦争、紛争が起こるんじゃないかと指摘をされている
・一旦戦争が起きてしまうと、まさに我々が今、ウクライナで見ていること、戦争自体が環境破壊、気候変動を加速させてしまっている
・つまり、気候変動が戦争を生み、戦争が更に気候変動を加速させて、新たな戦争を生むという、いわば負のスパイラルである
・ただ1つだけ、希望をつなぐとしたら、“脱ロシア”という動きの中で他の国に依存しない、自然環境のエネルギーが一気に進むことということである
・何よりも負のスパイラルをどうにか止めるために、我々は今まで以上に、よりリアルに考えなければいけない

こうして見てきて思うのは、いろいろな面で戦争は最大の環境汚染をもたらすということです。
しかも、クラスター爆弾による汚染は地雷と同じように半永久的に人々を危険にさらすのです。
また、生態系にも深刻な影響をもたらします。

過去にはベトナム戦争で、アメリカ軍が猛毒のダイオキシンを含む枯葉剤を大量に散布したために、ベトナム戦争終結から30年ほど経った2006年でもホーチミン市内の病院では、その枯葉剤の影響と見られる障害のある子どもたちが不自由な暮らしを余儀なくされていたのです。
湾岸戦争では、大量の原油がペルシャ湾に流出し、海洋汚染を引き起こし、戦争が終わった後も環境汚染は長い年月にわたって被害が続いたといいます。

また、ロシアのプーチン大統領は、欺瞞に満ちた言動をしています。
2015年9月、国連サミットでロシアを含む加盟国の全会一致でSDGsを採択したにもかかわらず、ウクライナ侵攻前、2021年6月、サンクトペテルブルクで「我々はこれから世界の環境問題をリードしていきます」と発言しているのです。
ところが、ウクライナ侵攻により、今、深刻な環境汚染が進んでいるのです。

こうした状況において、松原さんは、近未来は気候変動で温暖化が進んで、水や食料が不足して奪い合いで戦争、紛争が起こるのではないかと指摘しています。
気候変動が戦争を生み、戦争が更に気候変動を加速させて、新たな戦争を生むという、負のスパイラルを危惧されているのです。

では、こうした負のスパイラルのリスクを断ち切るための対応策ですが、松原さんの提言も踏まえて以下のように挙げてみました。
(戦争による環境汚染リスク)
・戦争は最大の環境汚染をもたらすこと
-環境汚染は地球温暖化など、地球規模で様々な悪影響を及ぼすこと
・従って、どこの国も、どこの国民も他国で起きている戦争による環境汚染から無縁ではいられないこと

(リスク対応策)
・世界各国の指導者、および国民は、戦争は最大の環境汚染であることをしっかり認識すること
・そのうえで、世界各国の指導者、および世界各国の国民は、あらゆる手段を用いて、ウクライナ侵攻を続けるプーチン大統領の非を訴え続けること
・他国に依存しない、再生可能エネルギーによるエネルギーの自給自足体制を確立すること

なぜ、プーチン大統領をピンポイントで名指しして非難するかと言えば、ロシアによるウクライナ侵攻が現在の最大規模の戦争であり、この戦争を”戦争は最大の環境汚染である”という観点から失敗に終わらせることが出来れば、中国による軍事的な台湾侵攻など、同様の戦争の再発防止策につながるからです。

なお、今回は、戦争は最大の環境汚染であるという観点からお伝えしましたが、勿論、戦争は勝っても負けても、両国の国民の命を奪う、とても残酷な行為であるということを忘れてはならないのです。

 
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2024年07月19日
アイデアよもやま話 No.5951 発電する窓!
ちょっと古い情報ですが、昨年5月8日(月)放送の「FNN Live News α」(フジテレビ)で発電する窓について取り上げていたのでご紹介します。 

脱炭素社会の実現に向けて、窓の常識を覆す「発電する窓」の実証実験が始まりました。
ENEOSホールディングスやJR東日本などが高輪ゲートウェイに設置した窓。
こちらは普通の窓ガラスに見えますが、実は透明な太陽光パネルなのです。
この太陽光発電パネルは、発電機能のある特殊な膜を2枚のガラスで挟んだもので、一般的な窓と同じくらいの透明度があります。
発電効率は、現段階では通常の太陽光パネルの半分ほどですが、遮熱性や断熱性にも優れているため、省エネ効果もあるパネルということです。
ビルの多い都心部ではパネルの設置場所を確保する難しさがありましたが、ビルの窓として透明な太陽光パネルを活用すれば、新たな設置場所を探す必要もありません。
JR東日本マーケティング本部 まちづくり部門の天内義也マネージャーは次のようにおっしゃっています。
「これだけ大きなガラスを全てガラス面が発電出来ると考えただけで、ワクワクしてきます。」

JR東日本は実証実験で発電性能を検証し、将来的には商業ビルやオフィスビルへの設置を目指すということです。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、「発電する窓」について以下にまとめてみました。
・脱炭素社会の実現に向けて、窓の常識を覆す「発電する窓」の実証実験が始まった
 -ENEOSホールディングスやJR東日本などが高輪ゲートウェイの窓に透明な太陽光パネルを設置した
 -この太陽光発電パネルは、発電機能のある特殊な膜を2枚のガラスで挟んだもので、一般的な窓と同じくらいの透明度がある
 -発電効率は、現段階では通常の太陽光パネルの半分ほどだが、遮熱性や断熱性にも優れているため、省エネ効果もあるパネルという
 -ビルの窓として透明な太陽光パネルを活用すれば、新たな設置場所を探す必要もない
・JR東日本は実証実験で発電性能を検証し、将来的には商業ビルやオフィスビルへの設置を目指すという

なお、昨年11月13日付けネット記事(こちらを参照)では「発電する窓」のその後の動きについて以下のように報じています。

・窓ガラス用に透明な太陽光パネルの実証を進めるのはENEOSホールディングスだ。同社が出資する米ユビキタスエナジーと日本板硝子が共同開発した太陽光パネル「UE Power」を、JR東日本やYKK APとの協力で、高輪ゲートウェイ駅構内に23年5〜7月の約2カ月間、設置した。
・ENEOSホールディングスは21〜22年、小屋の南向きの窓にこのパネルを設置する実証実験を1年間実施した。今回の実証では認知度を高める意図もあり、人通りの多い駅構内の窓辺に配置。35cm×50cmのパネル計18枚と蓄電池を組み合わせて、1台のデジタルサイネージ(電子看板)に電力を供給した。
・ユビキタスエナジーは数mサイズの大型品の開発を進めており、数年内での市場投入を目指す。

ということで、「発電する窓」の市販化は数年以内といいますが、なんとか前倒しして市販化を実現させて欲しいと思います。

なお、東京都では、小池知事のリーダーシップのもと、2025年4月から、新築住宅への太陽光発電システムの設置を義務化するとしています。
ですから、「発電する窓」が市販化された際には、是非、都庁の一画にでもこの「発電する窓」を設置し、その効果をアピールして、全国のオフィスビルなどでの導入の先駆けになって欲しいと思います。

一方、都内の新築住宅への太陽光発電システムの設置の義務化に際して、都民の一部では地震など災害時の太陽光発電施設の危険性が取りざたされていますが(4月13日(土)付けネット記事(こちらを参照))、都庁は安全基準の強化、情報提供と教育、専門家の意見の反映といった対応をしているようです。(添付参照)


添付)

都内の新築住宅への太陽光発電システムの設置を義務化に際しては、都民の一部から地震など災害時の太陽光発電施設の危険性が取りざたされているが、都庁の対応は?
ChatGPT

都内の新築住宅への太陽光発電システムの設置義務化に対して、一部の都民が地震などの災害時における危険性を懸念していることを受け、東京都庁は以下の対応を取っています:

1.安全基準の強化:太陽光発電システムの設置において、地震対策を含む安全基準を厳格化し、システムの耐震性能を向上させる措置を講じています。
2.情報提供と教育:都民に対して、太陽光発電システムの安全性や災害時の対応方法に関する情報提供や教育活動を強化しています。
3.専門家の意見の反映:建築やエネルギーの専門家の意見を取り入れ、設置義務化の施策をより安全で実効性のあるものとするための検討を行っています。

これらの対応を通じて、東京都庁は都民の安全を確保しつつ、環境に優しいエネルギー政策を推進しています。

 
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2024年07月18日
アイデアよもやま話 No.5950 木造の人工衛星!
4月11日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で木造の人工衛星について取り上げていたのでご紹介します。 

木造の人工衛星を開発中の京都大学農学研究科の仲村匡司教授は次のようにおっしゃっています。
「ボディが木でできた人工衛星で、成功すれば世界初になると思います。」

なんと今年度中にアメリカのロケットで木造人工衛星を打ち上げる予定なのです。
宇宙空間は温度の変化が激しく、木材が伸び縮みするため、釘などでつなぎ合わせると宇宙空間で衛星が破損する恐れがあります。
そのため、釘などを使わず、木と木を組み合わせて組み立てる指物(さしもの)の技術を利用。
それを10cm四方に組み立て、中に電子基板を入れれば完成です。
仲村教授は次のようにおっしゃっています。
「(宇宙の無重力空間で木は耐えられるかという問に対して、)3種類の樹種をさらす実験を先行して行いました。」
「(宇宙に)持っていく前と返って来てすぐ見た時に全然変わってない、ビックリするほど変わってなかったんですね。」

京都大学は約10ヵ月間、木材を宇宙空間にさらす実験を実施。
この箱の外に木材を貼り付けているのですが、地上と比べて紫外線などが強い宇宙空間でも劣化はほとんど見られなかったといいます。
「(木造の人工衛星を作るメリットについて、)現在の人工衛星はほとんどが金属でできているものが多いと思うんですけども、やはり燃えるんですね。」
「その時に完璧に燃え尽きるんじゃなくて、微小な金属粒子が大気圏に残ってしまうそうなんです。」
「木材でボディが出来ていれば、完璧に燃えますから。」

衛星は大気圏に突入する時、燃焼して粒子が。
その粒子が太陽光を遮断して、異常気象を引き起こす可能性があるといいます。
木材であれば、金属に比べて粒子の数が減らせるのです。
京都大学などは宇宙飛行士で京都大学特定教授の土井隆雄さんを筆頭に京都大学のSIC有人宇宙学研究センターや住友林業と進めていました。
なお、住友林業では将来的に国際宇宙ステーションで木材を使用する、木の可能性も探っているといいます。
また、人工衛星に使われる木の種類ですが、何種類も試した結果、最終的に選ばれたのがホウノキ(モクレン科に属する落葉高木)という木だったそうで、耐久性が一番強かったそうです。

こうした中、木の可能性を探るため別の研究も。
京都大学の池田武文博士は次のようにおっしゃっています。
「地球環境ではない低圧環境下での樹木育成実験を行っております。」

地球より気圧が低い火星で木が育つかという実験です。
透明な箱に苗木を入れ、私たちが生活する地表の気圧より低い気圧にします。
例えば、1気圧の環境下と0.3気圧の環境下で育てた苗木、かたちや色など見た目に変化がないのが分かります。
ゆくゆくは火星で木を育てて、居住空間をつくることが目標です。
池田博士は次のようにおっしゃっています。
「火星であれば、CO2は豊富にありますし、水も氷の状態で存在しているんですけど、ゆくゆくは地球と同じような状態で火星で生活することが最終的なゴールになるかなと思います。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、2月20日ネット記事(こちらを参照)でも同様のテーマについて取り上げていたので参照下さい。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(木造人工衛星の打ち上げ)
・京都大学などで開発中の、ボディが木でできた人工衛星は成功すれば世界初になる
 -宇宙空間は温度の変化が激しく、木材が伸び縮みするため、釘などを使わず、指物技術を利用している
 -それを10cm四方に組み立て、中に電子基板を入れて完成する
 -3種類の樹種をさらす実験を先行して行ったが、宇宙に持っていく前と返って来てすぐ見た時に全然変わってなかった
・京都大学は約10ヵ月間、木材を宇宙空間にさらす実験を実施した
 -この箱の外に木材を貼り付けているが、地上と比べて紫外線などが強い宇宙空間でも劣化はほとんど見られなかった
・人工衛星に使われる木については、何種類も試した結果、最終的に選ばれたのがホウノキ(モクレン科に属する落葉高木)で、耐久性が一番強かった
・京都大学などは宇宙飛行士で京都大学特定教授の土井隆雄さんを筆頭に京都大学のSIC有人宇宙学研究センターや住友林業と進めている
・今年度中にアメリカのロケットで木造人工衛星を打ち上げる予定である

(木造の人工衛星を作るメリット)
・現在の人工衛星はほとんどが金属でできているものが多いが、燃える
・その時に完璧に燃え尽きることはなく、微小な金属粒子が大気圏に残ってしまう
・しかし、木材でボディが出来ていれば、完璧に燃える
・大気圏に残ってしまう微小な金属粒子が太陽光を遮断して異常気象を引き起こす可能性があるという
・木材であれば、金属に比べて粒子の数が減らせる

(今後の木の活用の可能性)
・住友林業では将来的に国際宇宙ステーションで木材を使用する、木の可能性も探っているという
・京都大学の池田博士は、地球環境ではない低圧環境下での樹木育成実験を行っている
 -地球より気圧が低い火星で木が育つかという実験である
 -透明な箱に苗木を入れ、私たちが生活する地表の気圧より低い気圧にした環境下で育てた苗木、かたちや色など見た目に変化がない
 -ゆくゆくは火星で木を育てて、居住空間をつくることが目標である
 -池田博士は「火星であれば、CO2は豊富にあり、水も氷の状態で存在しているので、ゆくゆくは地球と同じような状態で火星で生活することが最終的なゴールになる」という

まず、木造の人工衛星という奇抜なアイデアに意外性を感じました。
あらためて、アイデアは存在し、見つけるものであるということを実感しました。
アイデアは意外と身近なところに潜んでいるのです。
しかも、木造の人工衛星は金属製に比べて、異常気象を引き起こす可能性がないというのです。
そして、今年度中にアメリカのロケットで木造人工衛星を打ち上げる予定だというのです。
更に、住友林業では将来的に国際宇宙ステーションで木材を使用する、木の可能性も探っているといいます。
木造の人工衛星が普及し、木造の国際宇宙ステーションが実現し、更に木造のロケットも実現すれば、宇宙ゴミの処理も随分簡素化されると期待出来ます。

一方で、火星で木を育てて、居住空間をつくれるようになれば、火星移住計画にも大いに貢献出来ると見込まれます。

ということで、木造の人工衛星は、木の新たな活用の起爆剤となりそうです。

 
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2024年07月17日
アイデアよもやま話 No.5949 人類は本来平和的 その3 共感が暴走して戦争のきっかけとなった「言葉」!
2月28日(土)放送の「NHKアカデミア(アンコール放送)」(NHKEテレ東京)で人類は本来平和的であることについて取り上げていたので3回にわたってご紹介します。
3回目は、共同体の結束を強める共感が暴走して戦争のきっかけとなった「言葉」についてです。
なお、1回目はアイデアよもやま話 No.5947 人類は本来平和的 その1 人間の本性とは何か!、2回目はアイデアよもやま話 No.5948 人類は本来平和的 その2 人間に暴力性をもたらしたものとは!でした。

ゴリラと生活を共にし、生態を紐解いてきた世界的な人類学者、山極壽一さんは次のようにおっしゃっています。
「言葉というのは、それまでの音楽的なコミュニケーションとは違って、情報を伝えるんですね。」
「その情報を介して人々のつながりを広げたわけです。」
「言葉って見えないものを人の言葉によって伝えることが出来ますよね。」
「そして過去に起こってしまって体験出来なかったことを言葉によって伝えることが出来る。」
「物語を作って、その物語を仲間と共有することが出来るようになる。」
「それまでのコミュニケーションは踊りとか、対面とか、身体の同調を伴っていたんですね。」
「それによって、信頼関係や共感力を強化しました。」
「でも、その限界は大体159人ぐらいだろうと言われてるんですね。」
「でも言葉というものは、それを超えて情報によって人々を結束させ、共同体を超えてつながるような状況をもたらします。」
「それは人間の繁栄にとって、とても大きな貢献をしたんです。」
「しかし一方で、言葉には集団の共感を暴走させてしまう、負の側面も出てきたんですね。」
「例えば、「あいつは豚のように卑しい」とかね。」
「あるいは、「あいつはオオカミのように陰険だ」とか、そういった表現によって、本来、豚と人間は違いますよね。」
「でも、豚のようなと言った時に、人間の中に豚のイメージが重ねあわされて、それが汚く見える。」
「そういう力を持ってるわけです。」
「こうして本当に敵ではない相手を敵視するような誘導の仕方が可能になったと思います。」
「そして、その言葉の威力を増すことになったのは、1万年前に始まった農耕や牧畜という食料生産です。」
「食料を作るためには、良好な土地を手に入れる必要がありますよね。」
「そして、そこで種や肥料をまいて時間をかけて収穫物を得なければなりません。」
「だから定住する必要があるんですよ。」
「食料生産によって、人間は他の集団と土地を巡って、あるいは収穫物を巡って争う状況が生まれました。」
「その時に集団内部は結束して自分たちの利益を守ろうという意識が生まれたわけですね。」
「つまり、共感力が集団の内に向かい、その共感力を元手にして、集団の外には敵意という言葉によって作り出された意識が向かうようになった。」
「こういうことだと思うんですね。」
「それが大きく膨れ上がって武器が発達し、大規模な戦争へと発展していったんではないでしょうか。」
「世界の4大文明の1つ、メソポタミア文明ってありますよね。」
「その遺跡で「古代の戦争の証し」が見つかってるんですね。
「これがその1つです。」
「「ウルのスタンダード」と呼ばれる工芸品です(紀元前2600年頃 こちらを参照)。」
「描かれているのは戦争の場面なんですね。」
「王様や兵士が戦車を従えて戦争に向かう様子が克明に記録されています。」
「言葉による共感の暴走というのは、定住と食料生産をきっかけにして、こういったかたちでどんどん戦争という行為を激化させていったのだと思われるんですね。」
「しかも現在、言葉による情報交換はインターネットやSNSにあふれていて、それが人々を傷つけるようになっています。」
「つまり、ソフトな武器によって、人々は戦争を始めたと言っても過言ではない。」
「一方で、人々が様々なかたちで交渉し、和解し合うことが出来ていた対面や身体的なコミュニケーションはどんどん減少していっています。」
「私たちは、相手の顔が見えない、言葉だけのコミュニケーションで大きな不安を抱いてしまう。」
「そして、それが増幅して戦争に駆り立てられる、あるいは恨みや辛みを引き起こして暴力をもたらす。」
「そういう原因になってるんじゃないでしょうかね。」
「暴力と戦争を、じゃあ、どうやって抑止したらいいのか、どうやって防いだらいいのか。」
「それはね、私から言わせると、今、言語に偏り過ぎたコミュニケーションを考え直して、もっと身体的なコミュニケーションを増やして、人と人とが信頼関係を構築することだと思います。」
「一緒に食事をすること、あるいは一緒に音楽を演奏したり、スポーツをすること、あるいは共同のボランティア活動に参加したりして、身体を共鳴させることです。」
「言葉以外の、こういうコミュニケーションを増やすことによって、相手の身体に埋め込まれている気持ちや感情を深く知ることが出来て、それによって相互理解が深まるんだと思うんですね。」
「私たちは今、この戦争がまん延しているような、暴力がいろんなところで起こっているような社会を見直して、これまでにはないアイデンティティの確立を目指さなければならないと思ってるわけですよ。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容の一部を以下にまとめてみました。
・言葉は、それまでの音楽的なコミュニケーションとは違って、情報を伝えることが出来る
 -その情報を介して人々のつながりを広げた
 -言葉は見えないものを伝えることが出来る
 -そして過去に起こってしまって体験出来なかったことを言葉によって伝えることが出来る
 -物語を作って、その物語を仲間と共有することが出来るようになる
 -それまでのコミュニケーションは踊りとか、対面とか、身体の同調を伴っていたが、それによって、信頼関係や共感力を強化した
 -しかし、その限界は大体159人ぐらいだろうと言われている
 -でも言葉は、それを超えて情報によって人々を結束させ、共同体を超えてつながるような状況をもたらす
・それは人間の繁栄にとって、とても大きな貢献をした
・しかし一方で、言葉には集団の共感を暴走させてしまう、負の側面も出てきた
 -例えば、「あいつは豚のように卑しい」とか、あるいは「あいつはオオカミのように陰険だ」とか、そういった表現によって、本来、豚と人間は違うが、人間の中に豚のイメージが重ねあわされて、それが汚く見えるというような力を持っている
・こうして本当に敵ではない相手を敵視するような誘導の仕方が可能になった
・そして、その言葉の威力を増すことになったのは、1万年前に始まった農耕や牧畜という食料生産である
 -食料を作るためには、良好な土地を手に入れる必要がある
 -そして、そこで種や肥料をまいて時間をかけて収穫物を得なければならないので定住する必要がある
・食料生産によって、人間は他の集団と土地を巡って、あるいは収穫物を巡って争う状況が生まれた
・その時に集団内部は結束して自分たちの利益を守ろうという意識が生まれた
 -共感力が集団の内に向かい、その共感力を元手にして、集団の外には敵意という言葉によって作り出された意識が向かうようになった
・それが大きく膨れ上がって武器が発達し、大規模な戦争へと発展していったのではないか
・世界の4大文明の1つ、メソポタミア文明の遺跡で「古代の戦争の証し」が見つかっている
・「ウルのスタンダード」と呼ばれる工芸品で、王様や兵士が戦車を従えて戦争に向かう様子が克明に記録されている
 -言葉による共感の暴走というのは、定住と食料生産をきっかけにして、こういったかたちでどんどん戦争という行為を激化させていったのだと思われる
 -しかも現在、言葉による情報交換はインターネットやSNSにあふれていて、それが人々を傷つけるようになっている
 -ソフトな武器によって、人々は戦争を始めたと言っても過言ではない
 -一方で、人々が様々なかたちで交渉し、和解し合うことが出来ていた対面や身体的なコミュニケーションはどんどん減少していっている
・私たちは、相手の顔が見えない、言葉だけのコミュニケーションで大きな不安を抱いてしまう
・そして、それが増幅して戦争に駆り立てられる、あるいは恨みや辛みを引き起こして暴力をもたらす
・では、暴力と戦争をどうやって抑止したらいいのか、それは、今、言語に偏り過ぎたコミュニケーションを考え直して、もっと身体的なコミュニケーションを増やして、人と人とが信頼関係を構築することだと思う
 -一緒に食事をすること、あるいは一緒に音楽を演奏したり、スポーツをすること、あるいは共同のボランティア活動に参加したりして、身体を共鳴させることである
 -言葉以外の、こういうコミュニケーションを増やすことによって、相手の身体に埋め込まれている気持ちや感情を深く知ることが出来て、それによって相互理解が深まるんだと思う
・私たちは今、この戦争がまん延しているような、暴力がいろんなところで起こっているような社会を見直して、これまでにはないアイデンティティの確立を目指さなければならない

更に以下のように要約しました。
・言葉の発明が人類のコミュニケーション方法に大きな変革をもたらし、集団のつながりを広げる一方で、暴力や戦争の起因にもなったという
・言葉は見えないものや過去の出来事を伝えることができ、物語を共有する手段となった
・これにより、共同体を超えて人々を結びつけることが出来たが、同時に共同体の結束を強める共感が暴走し、人間に暴力性をもたらした
・農耕や牧畜が始まると、良好な土地や収穫物を巡る争いが発生し、集団内の結束力と共感力が強化される一方で、集団外に対して敵意が向けられるようになった
・これは、武器の発達とともに戦争の大規模化を招いた
・メソポタミア文明の遺跡に残る「ウルのスタンダード」など、古代の戦争の証拠からも、言葉による共感の暴走が戦争を激化させたことが分かる
・現在もインターネットやSNSによる言葉の情報交換が人々を傷つけ、暴力を引き起こす一因となっている
・暴力と戦争を抑止するためには、言語に偏ったコミュニケーションを見直し、食事や音楽、スポーツ、ボランティア活動など、身体的なコミュニケーションを増やし、相互理解を深め、信頼関係を構築することが重要である
・私たちは今、戦争がまん延しているような、暴力がいろんなところで起こっているような社会を見直して、これまでにはないアイデンティティの確立を目指さなければならない

確かに、言葉の発明、更に文字の発明は、間違いなく人類による画期的な最大の発明です。
言葉や文字により、私たちは現実やそれぞれの自分の思いを伝えることが出来ます。
また、それに対して他の人がそれぞれの思いを伝えることが出来、そこでコミュニケーションが成り立つのです。
そして、こうしたコミュニケーションを通して、いろいろなアイデアが生まれてくるのです。
そこから強力な共同体が生まれ、集団による行動が強化され、いろいろな面で生産性の向上が図られるようになったのです。
また、芸術や芸術、文化や文明といった人類独自のものが創り上げられてきたのです。

一方で、共同体の結束を強める共感が暴走し、人間に暴力性をもたらしたという負の側面も現実に出てきました。
そして、こうした負の側面は、ロシアによるウクライナ侵攻や、ハマスがイスラエルに対して大規模な攻撃をしたことが引き金になった、イスラエルによるガザ侵攻といったように、今でも続いております。
一方で、中国は台湾への軍事侵攻により台湾統一を果たそうとしています。

こうした中、人類学者、山極壽一さんは、暴力と戦争を抑止するためには、言語に偏ったコミュニケーションを見直し、身体的なコミュニケーションを増やし、相互理解を深め、信頼関係を構築することが重要であると指摘されております。

仕事やプライベートを含め、私たちの暮らし全般はスマホやパソコンといったデジタル機器を通してのコミュニケーションへとどんどんシフトして行きつつあります。
しかし、こうした傾向が進むにつれて、相互理解を深めたり、信頼関係を構築することはどんどん難しくなって行きます。
その結果、ちょっとしたことで疑心暗鬼が生じ、大なり小なり争いの基になっていくわけです。

ということで、どんなにデジタル化進み、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでも、コミュニケーションのベースは身体的なコミュニケーションであるとの認識を失わずに持ち続けることがあらゆる場面でとても求められるのです。

こうした見解は、単なる理論ではなく、人類学者、山極さんが、人間と近い過去に共通の祖先を持っているゴリラの研究を足掛かりにして、今、私たち人間が直面している暴力性、戦争といったものの起源について考えてこられた中で結論付けられたことなので決しておろそかには出来ないのです。

なお、国通しの争いの解決方法として、圧倒的な軍事力の使用は短期的に解決する上ではとても有効と考えられます。
しかも、短期に終戦に持ち込むために、あるいは自国の犠牲者を出さないように戦術核兵器を使用するようなことがあれば、本格的な核戦争に発展する可能性も出てきます。
また、当然ながら、攻められた国の一般国民の犠牲者も出るし、こうした解決方法は、負けた側の国の国民には大きなしこりが残ります。
ですから、どこかのタイミングで逆襲に転じることも起こり得ます。

こうして考えを進めていくと、やはり日頃から国のリーダー、経済界、あるいは一般国民などの間でのフェイストゥフェイスのコミュニケーションを通じて相互理解を深め、信頼関係を構築するといった地道な努力がとても重要であり、求められるのです。
そして、参考にすべきは、1回目でお伝えした、私たち人間と近い過去に共通の祖先を持っているゴリラの平和な暮らし、および民主主義です。
こうしたゴリラの暮らしぶりこそ、私たちの志向すべき暮らしの原点なのです。

 
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2024年07月16日
アイデアよもやま話 No.5948 人類は本来平和的 その2 人間に暴力性をもたらしたものとは!
2月28日(土)放送の「NHKアカデミア(アンコール放送)」(NHKEテレ東京)で人類は本来平和的であることについて取り上げていたので3回にわたってご紹介します。
2回目は、人間に暴力性をもたらしたものは何かについてです。
なお、1回目はアイデアよもやま話 No.5947 人類は本来平和的 その1 人間の本性とは何か!でした。

ゴリラと生活を共にし、生態を紐解いてきた世界的な人類学者、山極壽一さんは次のようにおっしゃっています。
「人類は700万年前に独自の進化の道を歩み始めました。」
「熱帯雨林を離れて、サバンナ、草原へと進出を始めたんです。」
「そこでは、草原ですから高い木がないので、地上性の肉食動物から襲われたら逃げ場所がないですよね。」
「恐らく、初期には沢山肉食獣にやられたと思うんですね。」
「そして、肉食獣に対抗するために大きな集団で暮らすことが必要になったんですね。」
「複数の家族が集合して、もっと大きな集団、いわゆる共同体を創るようになったんじゃないかと考えられるんですね。」
「でも、この社会の発展と進化の歴史がどこかで暴力と戦争を生みだしたことは間違いありません。」
「それはどうしてなのか?」
「私は元々戦争とは何の関係もなかった共感という力、それが暴発したんじゃないか。」
「つまり、使い方を間違えたんじゃないかというふうに思ってるんですね。」
「そもそも共感ていうのは、群れの中で個々の人々が結び付きを高めて、助け合って力強い社会を創るために不可欠なものだったわけですよ。」
「共感を高める行動っていうのはゴリラやチンパンジーという、人間に近い霊長類にも、その萌芽になるような行動が認められます。」
「代表的な例は、食べ物を分配するという行為なんですね。」
これはゴリラの分配行動を初めて発見した時の写真です。」
「まずオスがフットボールくらい大きなフルーツを獲って来て、そこにメスや子どもたちがやって来て、頂戴をして、オスがちぎって群れの仲間に分け与えたシーンです。」
「これはもう、すごい興奮しましたね。」
「初めてゴリラの分配行動を観察したわけですから。」
「で、もう1つね、分配行動の前にゴリラの場合には食べてる相手の顔をじーっとのぞき込むんですよ。」
「これをのぞき込み行動っていうんですけどね。」
「対面コミュニケーションです。」
「皆さんも1日の暮らしの中で何度も仲間の他の人と対面していると思いますよ。」
「なんで対面するんですか?」
「目の動きから相手の気持ちを察知することが出来る。」
「で、その結果、高まった共感力を使って、人類の祖先は更に広範に植物を分配して暮らすようになり、そして一緒に向かい合って食べ物を食べるようになり、分かち合いや平等といった、人類独自の社会性を発展させていったと考えられるんですね。」
「これはね、アフリカに狩猟採集生活を現代でも続けている人たちがいるんですね。」
「ハッザと呼ばれる人たちです。」
「この人たちは獲物を獲ってきた時に、それをしとめたハンターが独占するんじゃなくて、細かく切り分けて、ハンティングに参加した人、あるいはキャンプで待っている人たちにも、ことごとく行き届くように分配するんですね。」
「能力がある人だけが利益を得るんじゃない。」
「みんなで平等に食べ物を分かち合いましょうというルール。」
「そして、その中で「自分たちは一緒なんだ」っていう共感力を高めて、その集団の結束力を強化したと思うんですね。」
「もう1つ、人類の祖先が共感力を高めることが出来たのは、共同の子育てにあると思います。」
「ゴリラやチンパンジーと比較するとね、人類は沢山子どもをつくる必要がありました。」
「それは、肉食獣の多いサバンナで生き延びるために沢山子どもをつくる必要があったということです。」
「でも、子どもの成長が遅いんですよ。」
「それを何とかカバーするために共感力を高めることで共同体を作る必要に迫られたんだと思います。」
「しかし、メンバーが増えると、いちいち対面してコミュニケーションを送っているだけではとても限界がありますよね。」
「そこで生み出されたのが、音楽というコミュニケーションだったと思います。」
「歌や音楽というのはね、対面しなくても目と目を合わせなくても、その場に一緒にいる大勢の人たちが心を1つにして共感力を高めることが出来るんですね。」
「恐らく音楽って、最初はお母さんが子どもに対してあやす、そういう子守歌的なコミュニケーションだったと言われています。」
「それが大人の間に普及して、みんなで力を合わせて艱難辛苦を乗り越えようという気持ちが生まれたんじゃないかと考えられるんですね。」
「音楽や共食、そして共同の子育てといったものは共感力を更に高めて、人類はアフリカ大陸を出て、ユーラシアや新大陸やオーストラリア大陸の多様な環境へ足を延ばすことが出来たんです。」
「ところがね、共同体の結束を強める共感というものが、ある時暴走して、それが戦争につながるようなことになりました。」
「そのきっかけは約10万年前に登場した言葉だろうと。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容の一部を以下にまとめてみました。
・人類は700万年前に独自の進化の道を歩み始めた
 -熱帯雨林を離れて、サバンナ、草原へと進出を始めた
 -そこは草原なので高い木がないので、地上性の肉食動物から襲われたら逃げ場所がない
 -恐らく、初期には沢山肉食獣にやられた
・肉食獣に対抗するために大きな集団で暮らすことが必要になった
 -複数の家族が集合して、もっと大きな集団、いわゆる共同体を創るようになったと考えられる
・しかし、この社会の発展と進化の歴史がどこかで暴力と戦争を生みだしたことは間違いない
 -元々戦争とは何の関係もなかった共感という力が暴発したと思われる
 -そもそも共感は、群れの中で個々の人々が結び付きを高めて、助け合って力強い社会を創るために不可欠なものだった
 -共感を高める行動はゴリラやチンパンジーという、人間に近い霊長類にも、その萌芽になるような行動が認められる
・代表的な例は食べ物を分配する行為である
 -ゴリラの分配行動を初めて発見した時に、まずオスがフットボールくらい大きなフルーツを獲って来て、そこにメスや子どもたちがやって来て、頂戴をして、オスがちぎって群れの仲間に分け与えた
・もう1つ、分配行動の前にゴリラの場合には食べてる相手の顔をじーっとのぞき込むが、これをのぞき込み行動といい、対面コミュニケーションである
 -目の動きから相手の気持ちを察知することが出来る
 -その結果、高まった共感力を使って、人類の祖先は更に広範に植物を分配して暮らすようになり、一緒に向かい合って食べ物を食べるようになり、分かち合いや平等といった、人類独自の社会性を発展させていったと考えられる
・アフリカに狩猟採集生活を現代でも続けている、ハッザと呼ばれる人たちがいる
 -獲物を獲ってきた時に、それをしとめたハンターが独占するのではなく、細かく切り分けて、ハンティングに参加した人、あるいはキャンプで待っている人たちにも、ことごとく行き届くように分配する
・みんなで平等に食べ物を分かち合いましょうというルールの中で「自分たちは一緒なんだ」という共感力を高めて、その集団の結束力を強化した
・もう1つ、人類の祖先が共感力を高めることが出来たのは、共同の子育てにある
 -ゴリラやチンパンジーと比較すると、人類は沢山子どもをつくる必要があった
 -それは、肉食獣の多いサバンナで生き延びるために沢山子どもをつくる必要があったということである
 -でも、子どもの成長が遅いので、それを何とかカバーするために共感力を高めることで共同体を作る必要に迫られた
 -しかし、メンバーが増えると、いちいち対面してコミュニケーションを送っているだけではとても限界がある
 -そこで生み出されたのが、音楽というコミュニケーションで、対面しなくてもその場に一緒にいる大勢の人たちが心を1つにして共感力を高めることが出来る
 -音楽は、最初は子守歌的なコミュニケーションだったと言われている
 -それが大人の間に普及して、みんなで力を合わせて艱難辛苦を乗り越えようという気持ちが生まれたと考えられる
・音楽や共食、そして共同の子育ては共感力を更に高めて、人類はアフリカ大陸を出て、ユーラシアや新大陸やオーストラリア大陸の多様な環境へ足を延ばすことが出来た
・ところが、共同体の結束を強める共感が、ある時暴走して、それが戦争につながるようなことになった
・そのきっかけは約10万年前に登場した言葉だろうとされる

更に以下のように要約しました。
・人類は700万年前にサバンナや草原に進出し、肉食動物に対抗するために大きな集団で生活するようになった
・共感力を使って食べ物を分け合い、共同体を形成することで、平和的で結束力のある社会を築いた
・音楽や共同の子育ても共感力を高め、困難を乗り越える力を生み出した
・しかし、共同体の結束を強める共感が暴走し、約10万年前に言葉が登場したことが戦争の起源となったと考えられる

要するに、共感力により、人類は共同体を形成し、肉食動物に対抗するといったような、様々な困難を乗り越える力を生み出したのです。
ところが、共同体の結束を強める共感が暴走し、人間に暴力性をもたらしてしまったのです。

このことが意味していることは、人間が共同体の結束を強めて大きなパワーを持つようになるほど、その使い方を誤ると大きな被害をもたらすということです。

私たち人類は、核兵器を開発し、その全てが戦争に使われるような世界大戦が起きれば、人類はおろか、地球環境を破壊してしまいます。
そして、現実にロシアのプーチン大統領はウクライナ侵攻に際し、戦術核兵器の投入をちらつかせています。
また、今、AI革命が凄まじい速さで起きており、全人類の英知の1万倍となるASI(Artificial Super Intelligence、人工超知能)が10年以内に訪れるといいます。(こちらを参照)
ですから、このASIが暴走するようなことがあれば、どのような事態になるか、誰も予想することは出来ないのです。

ですから、私たち人類は、かつてないほど、共同体の結束を強める共感が暴走しないための冷静さが求められているのです。
こうした共感が暴走し、人間に暴力性をもたらすといったことは私たち人類が自ら作り出した文明の進化の副作用と言えるのではないでしょうか。

ということで、3回目は、共同体の結束を強める共感が暴走して戦争のきっかけとなった「言葉」について取り上げます。

 
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2024年07月15日
アイデアよもやま話 No.5947 人類は本来平和的 その1 人間の本性とは何か!
2月28日(土)放送の「NHKアカデミア(アンコール放送)」(NHKEテレ東京)で人類は本来平和的であることについて取り上げていたので3回にわたってご紹介します。
1回目は、人間の本性とは何かについてです。

人類学者、山極壽一さんは、ゴリラと生活を共にし、生態を紐解いてきた世界的な研究者です。
山極さんは次のようにおっしゃっています。
「人間の本質とは何か?」
「「人間の祖先が我々に伝えてきた本質とは何か?」っていうのが今のゴリラの中にまだ眠っているような気がするんですよ。」

「人間が独自に発達させた、元々暴力とは関係がなかった社会性の中に秘密は隠されている。」

「なぜ私はゴリラに惹かれたのか。」
「それはですね、ゴリラは私たち人間と近い過去に共通の祖先を持っています。」
「だから、ゴリラを知ることは私たち人間の起源を知ることにつながるわけです。」
「今日は、私のゴリラ研究を足掛かりにして、今、我々人間が直面している暴力性、戦争といったものの起源について考えてみようと思います。」

「人間は元来、暴力的なのか、それとも平和や平等な暮らしを好むのか、その2つの対立する関係は昔から様々な学者や思想家によって議論されてきたんですね。」

「大きな転換点がありました。」
「それは19世紀の中頃に出たチャールズ・ダーウィンの「進化論」です。」
「ダーウィンは、人間も昔をたどれば共通の祖先に行き着く、そういう進化の道を説きました。」
「だから「進化論」に基づいてみたら、人間のルーツは系統的に近い霊長類。」
「特にアフリカに住んでいるゴリラやチンパンジーなどの類人猿にあるということが分かって来たんですね。」
「一方で同じ頃、1846年に欧米の探検家によってアフリカでゴリラが発見されました。」
「その時に探検家たちは、ゴリラというのは凶暴で悪魔のような性質を持っている、戦争が好きな動物だというふうに紹介したんですよ。」
「なぜ、そんな印象を抱いたかというと、探検家と出会った時にゴリラが2足で立って、両手を交互に胸を叩いた。」
「これをドラミングっていうんですけどね。」
「この大仰な行動を見ると、何かね、襲われるんじゃないかって恐怖に駆られるんですよ。」
「その結果、ゴリラが発見されてから100年以上もゴリラは凶暴だっていう印象が定着しちゃったんです。」
「そして、その凶暴なゴリラをモデルにしたのが、皆さんもご存じな「キングコング」という映画です。」
「恐らく、皆さんもご覧になったことがあると思います。」
「ゴリラに非常によく似ているんですよ。」
「しかしね、1950年代以降、つまりゴリラの発見から100年経って、ゴリラの生態を詳しく観察出来るようになると、だんだん真実が明らかになってきたんですね。」
「ドラミングというのは戦いの宣言ではなくて、むしろ逆に戦いを避けるために自己主張をし合う。」
「戦わずに、お互いメンツを持って引き分けるというようなコミュニケーションだっていうことが分かってきたんですね。」
「実はゴリラは、とても平和な生活をしてるんですよ。」
「その暮らしの中で喧嘩やトラブルを巧妙に仲裁する行動も見られています。」
「これは背中の白いシルバーバック(大人のオス)が出てきました。」
「自分の力を示したいためにちょっと暴れ始めます。」
「群れのメンバーが中々自分を認めてくれないので、自分の力を誇示し、見せつけて、認めてもらおうとしているわけですね。」
「今、この暴れているオスのゴリラに小さなゴリラが近づいてきましたよね。」
「これはまだ子どもです。」
「子どもがそーっと手を触れて、「まあ、やめなさいよ」と言っているように見えませんか?」
「そして、その後ろから、もうちょっと体の大きい、若いゴリラが近づいていって、なだめますよね。」
「シルバーバック、なだめられておとなしくなりました。
「こういったことがしょっちゅうあるんですよ。」
「これは、ゴリラの民主主義って言われるものなんですけどね。」
「例えば、群れがまとまってどこかに出発しようとする時に、まずリーダーであるオスのゴリラが胸をポンと叩いて「さあ、あっちへ行こう」と宣言するんですよ。」
「だけど、メスや子どもたちが「いや、私たちはこっちに行くんだ」っていうと、声を出し合います。」
「その声が多い方に、みんなが従って、結局しぶしぶながら、ゴリラのオス、シルバーバーバックもメスたちに従って、そっちの方向に行くようになる。」
「こういう暮らしを研究者たちがつぶさに観察をして、結果としてゴリラは決して暴力的な動物ではなくて、平和な暮らしを好むということが分かりました。」
「では、祖先を共有する人間の祖先も決して暴力的ではなかったじゃないか。」
「平和な暮らしを好む、そういう性質を持っていたんじゃないかと考えられるようになったんですよ。」
「そもそもね、人間の本性は暴力的だったっていう仮説は第2次世界大戦後に出てきました。」
「人間は昔から狩猟、ハンティングによって進化の道筋を作ったんだ。」
「そして、そのハンティングに使う道具を、その後、人間に向けて武器として使い始めて、戦争を始めた。」
「そういう仮説が現れたんですよ。」
「これを狩猟仮説といいます。」
「その説を取り入れた映画が1968年に公開された「2001年宇宙の旅」という映画です。」
「その冒頭のシーンで、人類の祖先が動物の骨を使って狩猟を始めたっていうシーンがあるんですね。」
「そして、その狩猟に使った動物の骨を他の集団を撃退するために武器として使い始めた。」
「これはまさに狩猟仮説を基にした映画なんです。」
「ところがね、この仮説は間違ってたんですよ。」
「人類の祖先が一番近縁なチンバンジーとの共通祖先から分かれて700万年たってるんですよ。」
「でも、槍などの狩猟具を使い始めたのは約50万年前なんですね。」
「つい最近でしょ?」
「そして、その武器を人間に対して向け始めたのはわずか1万年前なんです。」
「だから、とても戦争は人間の本性とは言えませんよね。」
「「2001年宇宙の旅」は間違ってたんです。」
「でも、じゃあ、なぜ人間は暴力性をこれほど強く持つようになったのか?」
「それはね、人間が発達させた、もともと暴力とは関係がなかった社会性の中に秘密が隠されているんです。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容の一部を以下にまとめてみました。
・ゴリラは私たち人間と近い過去に共通の祖先を持っている
・従って、ゴリラを知ることは私たち人間の起源を知ることにつながる
・私のゴリラ研究を足掛かりにして、今、我々人間が直面している暴力性、戦争といったものの起源について考えてみる
・人間は元来、暴力的なのか、それとも平和や平等な暮らしを好むのか、その2つの対立する関係は昔から様々な学者や思想家によって議論されてきた
・大きな転換点は、19世紀の中頃に出たチャールズ・ダーウィンの「進化論」である
 -ダーウィンは、人間も昔をたどれば共通の祖先に行き着く、そういう進化の道を説いた
 -「進化論」に基づいたら、人間のルーツは系統的に近い霊長類である
 -特にアフリカに住んでいるゴリラやチンパンジーなどの類人猿にあるということが分かって来た
・一方で同じ頃、1846年に欧米の探検家によってアフリカでゴリラが発見された
・その時に探検家たちは、ゴリラというのは凶暴で悪魔のような性質を持っている、戦争が好きな動物だというふうに紹介した
・なぜ、そんな印象を抱いたかというと、探検家と出会った時にゴリラが2足で立って、両手を交互に胸を叩いた(ドラミングという)
 -この大仰な行動を見ると、襲われるんじゃないかと恐怖に駆られる
・しかし、1950年代以降、つまりゴリラの発見から100年経って、ゴリラの生態を詳しく観察出来るようになると、だんだん真実が明らかになってきた
 -ドラミングは戦いの宣言ではなくて、逆に戦いを避けるために自己主張をし合う
 -戦わずに、お互いメンツを持って引き分けるというようなコミュニケーションであることが分かってきた
・ゴリラは、とても平和な生活をしている
 -その暮らしの中で喧嘩やトラブルを巧妙に仲裁する行動も見られている
・ゴリラの民主主義と言われるものがある
 -例えば、群れがまとまってどこかに出発しようとする時に、まずリーダーであるオスのゴリラが胸をポンと叩いて「さあ、あっちへ行こう」と宣言するが、メスや子どもたちが「いや、私たちはこっちに行くんだ」っていう声を出し合い、その声が多い方に、みんなが従って、結局しぶしぶながら、リーダーもメスたちに従って、そっちの方向に行くようになる
・こういう暮らしを研究者たちがつぶさに観察をして、結果としてゴリラは決して暴力的な動物ではなくて、平和な暮らしを好むということが分かった
・そこで、祖先を共有する人間の祖先も決して暴力的ではなく、平和を好む性質を持っていたんじゃないかと考えられるようになった
・人間の本性は暴力的だったという仮説は第2次世界大戦後に出てきた
 -人間は昔から狩猟、ハンティングによって進化の道筋を作った
 -そして、そのハンティングに使う道具を、その後、人間に向けて武器として使い始めて、戦争を始めた
 -「これを狩猟仮説いう
 -1968年に公開された「2001年宇宙の旅」という映画は、狩猟仮説を基にした映画である
・ところが、この仮説は間違っていた
 -人類の祖先が一番近縁なチンバンジーとの共通祖先から分かれて700万年たっている
 -しかし、槍などの狩猟具を使い始めたのは約50万年前である
 -そして、その武器を人間に対して向け始めたのはわずか1万年前である
 -だから、とても戦争は人間の本性とは言えない
・では、なぜ人間は暴力性をこれほど強く持つようになったのか、それは、人間が発達させた、もともと暴力とは関係がなかった社会性の中に秘密が隠されている

更に以下のように要約しました。
・ゴリラは私たち人間と近い過去に共通の祖先を持っている
・従って、ゴリラを知ることは私たち人間の起源を知ることにつながる
・1950年代以降、ゴリラの発見から100年経って、ゴリラの生態を詳しく観察出来るようになると、ゴリラは決して暴力的な動物ではなくて、平和を好み、しかも民主的な暮らしをしていることが分かった
・そこで、祖先を共有する人間の祖先も決して暴力的ではなく、平和を好む性質を持っていたと考えられるようになった
・人間の暴力性は本性ではなく、発達した社会性の中に秘密が隠されている

まず、私たち人間と近い過去に共通の祖先を持っているゴリラが暴力的な動物ではなく、平和を好み、しかも民主的な暮らしをしているということに何かほっとしました。
そして、本来、人間の本性もゴリラと同じく、平和な暮らしを好む性質を持っていたと考えられるのです。
ところが、発達した社会性の中で人間の暴力性が生まれてきたというのです。

ということで、2回目は人間に暴力性をもたらしたものについて取り上げます。

 
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2024年07月14日
No.5946 ちょっと一休み その937 『猛暑日知らずの街』
7月9日(火)放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)で猛暑日知らずの街について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。 

身の危険を感じるほどの暑さが襲う中、観測史上、一度も猛暑日の記録をしたことがない、100年以上“猛暑日知らずの街”、千葉県勝浦市。
7月8日の正午ごろ、手元の温度計は31℃、湿度は58%。
相変わらず涼しい風が吹いて、じめじめとした暑さは全く感じません。
勝浦市の7月8日の最高気温は31.1℃。
とは言え、関東の他の地点と比較すると、勝浦市だけが他よりも5℃近く低いのが分かります。(こちらを参照)
勝浦市役所 企画課の喜瀬知有良さんは次のようにおっしゃっています。
「東京から近いところ、関東とか千葉県内で言ったら、勝浦が涼しいと思っています。」

「涼しさ」にプライドを持つ勝浦市、実際、地元の方は次のようにおっしゃっています。
(高齢の男性)
「我々は扇風機をちょっと回すかな。」
「エアコンは使ってないです。」

(若い男性)
「(クルマで)勝浦を出る時はエアコンが好きじゃないので窓を開けとくんです。」
「勝浦から10分20分走ったら、窓を開けてられないですね。」

更に、近年、涼しさで注目される勝浦市には変化が。
喜瀬さんは次のようにおっしゃっています。
「この5月6月については昨年の同じ月と比べて約2倍くらいの相談が来ています。」
「一番多いのは、「涼しいですか?」っていう、「今、自分が住んでいるところがとても暑くて、熱中症にいつもなってしまうから勝浦に移住したいんだ」って。」

勝浦市で有名な朝市では、移住者による出店が増加。
「かつうら朝市の会」の江沢修会長は次のようにおっしゃっています。
「(移住者が増えて)朝市も活発化したし、人口も若返ってきたというかね。」
「お客さんも自然と、その世代の人たちが増えてきたりね。」

朝市に出店している富永優子さん(30歳)は次のようにおっしゃっています。
「移住してきて2年くらい経ちますね。」

富永さんが売っているのはおでんです。
「おでんは夏の方が売れます。」
「コンビニで夏はおでんをやってないから。食べに来てくれる人もいらっしゃいます。」

涼しい町とは言え、7月7日の最高気温は28.5℃。
そんな中、おでんを食べるお客さん、埼玉からの観光客の若いカップルは次のようにおっしゃっています。
「(おでんを)埼玉では食べようと思わないです。」
「ここならではですね。」

なぜ勝浦市は他の地域より涼しいのでしょうか。
喜瀬さんは次のようにおっしゃっています。
「勝浦市は海がありまして、その深く冷たくなった海から冷たい空気が風に乗って陸に来ることで涼しいと言われています。」

そんな勝浦市で、更に涼しくなれる絶景スポットが。
勝浦屈指の景勝地、鵜原理想郷。
早速、向かってみるとトンネルが。
天然のクーラーです。
トンネルを抜けると、今度は木々がトンネルとなり、日陰をつくります。
結構、急な坂道がありますが、汗をかかないです。
ハイキングコースの先には、勝浦の海を一望出来る岬が。
更に一押しの絶景ポイントが。
風も心地いいです。
360度の絶景を楽しめる黄昏の丘。
まさに見渡す限りの大パノラマ。

そして、波が押し寄せる海岸に鳥居があります。
青い空と海に白い鳥居が生えます。
ハイキングの最後にたどり着いたのは鵜原海岸。
「日本の渚百選」にも選出され、その美しさからSNSでも人気の撮影スポットなのです。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

なお、番組ではその他に、勝浦に負けず劣らずの“涼しい街”として、茨城県高萩市が紹介されていました。

番組を通して、千葉県勝浦市について以下にまとめてみました。

(猛暑日知らずの街)
・100年以上“猛暑日知らずの街”である
・関東の他の地点と比較すると、勝浦市だけが他よりも5℃近く低い

(移住希望者が急増)
・この5月6月は昨年の同じ月と比べて約2倍くらいの相談が来ている
・勝浦市で有名な朝市でも移住者による出店が増加している
・それにつれて、お客さんも自然と、その世代の人たちが増えてきている

(勝浦市が他の地域より涼しい理由)
・勝浦市は海があり、その深く冷たくなった海から冷たい空気が風に乗って陸に来る

(更に涼しくなれる絶景スポット)
・勝浦屈指の景勝地、鵜原理想郷では勝浦の海を一望出来る岬があり、風も心地いい
・鵜原海岸は「日本の渚百選」にも選出され、その美しさからSNSでも人気の撮影スポットになっている

なお、私の実家も勝浦市内の海沿いの小さな村にあり、小学校2年生の夏休み以降、卒業までこの地で過ごしました。
ですから、こうしたテレビのいろいろな番組で勝浦市が“猛暑日知らずの街”として取り上げられるのはとてもありがたく思います。

私が夏に帰省する際には、朝や夜に実家の2階の窓を開けると涼しい風が吹いてくることもありますが、昼間の暑い時間帯はやはりエアコンをつけています。

私も帰省の際には、鵜原理想郷や鵜原海岸にウォーキングに出かけますが、1時間から2時間くらいかけて歩くと、とても気分転換になります。
また、小学生の頃は、よく友だちと鵜原海岸に泳ぎに行きました。
そして、大人になっても数年前まではよくボディボードをやりに行きました。
程よい波の高さでとても楽しめました。

なお、最近気になっているのは空き家の増加です。
私の実家のある村でも徐々に空き家が増えてきています。
ですが、都心の住宅に比べて一般的に広く、十分に住むことが出来る状態の家が少なくないのです。
一方で、他の地域からの移住希望者が増えているといいますから、空き家とのマッチングをすれば、移住希望者の願いを適えることが出来ます。
また、私の実家の近くには、数年前からめばえのする別荘を目にするようになりました。
空き家を買い取り、自分好みの別荘に建て替えたのです。
また、私の実家の近くに、40歳台くらいのドイツ人男性が一人暮らしをしています。
この方とはたまたま知り合いになり、何度か立ち話や私の実家で話したりということがありました。
というのは、私もかつてSEをしており、この方もIT関連の仕事をされており、話が合ったからなのです。
しかも、この方は日本語がペラペラなのでとても意思疎通が出来ます。
この方は現役のプログラマーで都内のオフィスとこちらの家を行ったり来たりといった生活を送っています。
プログラマーなので、ネットさえつながっていれば、どこでも仕事が出来るのです。
この方は今の暮らしにとても満足しているようで、その知り合いの方もこの辺の物件を探しているといいます。
ですから、いずれ、このあたりにドイツ村が出来るのではと冗談を言ったことがあります。

一方、実家の近くにはサーフィンが趣味で、空き家を借りて別荘代わりにしている方もいるといいます。

ですから、このまま、どんどん空き家が増えていくのではなく、空き家を借りて別荘代わりにする方やサーフィンなど趣味の拠点としても利用するリモートオフィスとして使う方々が増えて欲しいと思います。
若い世代の方々が増えてくれば、町の活性化につながるからです。

また、私の実家の近くにある勝浦海中公園のそばには、2年ほど前に天然温泉や“足湯”を併設した、とてもおしゃれなレストラン「edén」が開業しました。(こちらを参照)
私も一度、ランチを食べに行きましたが、確かに美味しかったです。

このように洒落たレストランが出来たり、勝浦漁港で水揚げされた新鮮な魚類を提供する料理屋さん、そして今や全国的に有名な勝浦タンタンメンの影響もあり、更にテレビ番組などで100年以上“猛暑日知らずの街”であると宣伝されているので、これからの勝浦市の発展が楽しみです。

なお、勝浦市の観光スポットについてはこちらを参照下さい。

また、7月9日(火)付けネット記事(こちらを参照)でも同様のテーマについて取り上げていたので参照下さい。

 
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2024年07月13日
プロジェクト管理と日常生活 No.878 『戦争防止は地球温暖化リスクの重要な対応策!』
前回、急速に融解が進む氷山、および氷河の事例、およびその影響についてお伝えしました。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.877 『世界最大級の氷山が数ヵ月で消滅へ!』

繰り返しになりますが、地球温暖化阻止は万国共通の目標です。
ですから、世界各国は一致団結して、これ以上の地球温暖化リスクに対応することが求められます。

そこで、あらためて思うのはそもそも戦争そのものが結果的に地球温暖化に貢献してしまうということです。
ですから、ロシアによるウクライナ侵攻など、戦争をしている場合ではないのです。
戦争は、人々の命を奪ったり、戦争地域の施設を破壊するばかりでなく、地球温暖化をも加速させるのです。
一方、戦争に必要な武器にかかる費用を地球温暖化阻止に向けた目的で投入すれば、有効なリスク対応策となります。
ですから、世界各国は、地球温暖化阻止の1点で団結し、“ロシアの非”を追求すべきなのです。
いくらプーチン大統領でも世界各国から非難されれば、侵攻を止めざるをえなくなるはずです。
アメリカなどのNATO、および日本などは、自由主義陣営対覇権主義陣営という枠組みではなく、地球温暖化阻止を“錦の御旗”として掲げ、世界各国を巻き込んで“ロシアの非”、あるいは裏でロシアを支援している中国を批難すべきなのです。

なお、ロシアによるウクライナ侵攻がプーチン大統領の満足のいくかたちで終息し、中国による世界規模での覇権主義の展開が続くようであれば、中国、ロシア、北朝鮮とNATO、および日本などの2大陣営による第三次世界大戦の勃発も取りざたされています。
もし、第三次世界大戦が勃発し、核兵器の使用につながれば、地球温暖化への多大な影響もさることながら、人類の滅亡さえ危惧されます。

ということで、繰り返しになりますが、世界各国が本気でこのことに取り組まないのであれば、世界中の国民は、地球温暖化阻止の1点で団結し、“ロシアの非”を、声を大にして追求すべきなのです。
世界中の国民の多くがこうした行動に出れば、世界各国のリーダーもやがて従わざるを得なくなるのですから。
世界中の国民一人一人は、自らが団結した時のパワーの威力を今こそ発揮すべき時を迎えているのです。
ロシアのプーチン大統領も中国の習近平国家主席も常に恐れおののいているのは自国の国民のこうした団結なのです。
他の国々のリーダーも自国の多くの国民の声を無視することは出来ないのです。

 
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2024年07月12日
アイデアよもやま話 No.5945 中国が台湾侵攻なら米軍が無人兵器展開!
以前から中国の習近平国家主席は軍事力に訴えても台湾統一を実現すると表明しています。
一方、欧米諸国、および日本は人権尊重などの観点から、こうした中国の動きを武力に訴えても阻止しようしています。(添付参照)
こうした中、6月12日(水)付けネット記事(こちらを参照)で中国が台湾侵攻なら米軍が無人兵器を展開すると報じていたので内容の一部をご紹介します。

・米インド太平洋軍のパパロ司令官は、中国が台湾に侵攻した場合、数千の無人兵器を台湾海峡に展開して「無人の地獄絵図」をつくり、米軍や同盟国が対応する時間を稼ぐとの考えを明らかにした。
・パパロ氏は「(中国は)国際社会が一致した対応を取る前に、短期間の戦争を仕掛けたいと考えている」と分析。
・中国艦艇が台湾侵攻のため航行を始めたら「機密装備を投入して彼らを1カ月間完全にみじめな状態とし、その間に全ての準備を整える」と話した。
・国防総省は無人航空機や無人艦艇を量産する計画を発表しており、こうした兵器が念頭にあるとみられる。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

なお、習政権はロシアによるウクライナ侵攻の行方を非常に注意深く見守っているといいます。
それは、台湾侵攻を実施した際の国際社会の反応やアメリカをはじめとするNATOの動きを読むためと考えられます。

こうした習政権の動きを見ると、遅ればせながらアメリカが今、実施すべきはウクライナに兵器の大量投入をし、他のNATOにも同様の動きを促し、ロシア軍のウクライナ領土からの撤退を余儀なくさせることです。
その成果は、当然、ロシアによる他の近隣諸国への侵攻の抑止策になるだけでなく、中国による台湾侵攻の抑止策にもなるのです。
特にアメリカの大統領には、こうした大局的な観点からタイムリーな決断と実行をしていただきたいと願います。
なお、これまで何度となくお伝えしてきたように、こうしたロシアや中国に対峙する際の欧米や日本の基本的なスタンスは、あくまでの国連憲章に照らして、ロシアや中国は国連憲章を無視しており、このことを決して見過ごさないということです。


添付)

なぜ民主主義陣営は中国による台湾統一に軍事力を使っても抵抗するのか?
ChatGPT

民主主義陣営が中国による台湾統一に軍事力を使って抵抗する理由は、地政学的、経済的、価値観的な観点から多岐にわたります。以下にその主要な理由を挙げます:

1. 地政学的な重要性
・地域の安定: 台湾は東アジアの戦略的要所に位置しており、その統一は地域のパワーバランスを大きく変える可能性があります。中国による統一は、南シナ海や東シナ海における軍事的優位性を強化し、周辺国や地域の安定に影響を及ぼす恐れがあります。
・米国の同盟関係: アメリカは、日本や韓国など地域の同盟国との安全保障協力を重視しており、台湾の安全がこれらの同盟関係の安定に直結しています。台湾の防衛は、アメリカの信頼性と抑止力を維持するために重要です。

2. 経済的な影響
・半導体産業: 台湾は世界の半導体製造の中心地であり、特にTSMC(台湾積体電路製造)はグローバルな半導体供給チェーンにおいて重要な役割を担っています。中国による統一が実現すると、世界経済への影響が大きく、特に先進技術分野での供給が脅かされる可能性があります。
・貿易と経済の自由: 台湾海峡は国際貿易の重要な航路であり、その自由な航行が阻害されると世界経済に甚大な影響を及ぼす可能性があります。

3. 民主主義と価値観の擁護
・民主主義の保護: 台湾はアジアにおける民主主義の重要なモデルとなっており、その統一は民主主義体制への直接的な挑戦と見なされます。民主主義陣営は、自由と民主主義の価値観を守るために台湾を支援する必要があると考えています。
・人権の保護: 中国の統治下に入ることで、台湾における人権や自由が脅かされると懸念されています。香港の例が示すように、統一後に市民の権利が制限される可能性が高いと見られています。

4. 国際法と主権の尊重
・国際法の遵守: 台湾は事実上の独立国家として機能しており、その主権と領土を守ることは国際法の原則に基づいています。中国による強制的な統一は、国際法の侵害と見なされます。
・国際秩序の維持: 一国が武力を使って他国を統一することは、国際秩序の崩壊を意味し、他の紛争地域にも悪影響を及ぼす恐れがあります。これを防ぐため、民主主義陣営は台湾の防衛を重要視しています。

5. 軍事的抑止
・中国の野心を抑止: 台湾統一が成功すれば、中国は他の地域や国に対しても積極的な拡張政策をとる可能性があります。これを防ぐために、早期に強力な抵抗を示すことが重要とされています。
・防衛協力の強化: 台湾の防衛を通じて、民主主義陣営は相互の防衛協力を強化し、中国の影響力拡大を抑制する狙いがあります。

以上の理由から、民主主義陣営は中国による台湾統一に対して軍事力を使ってでも抵抗する可能性が高いと考えられています。これにより、地域の安定を維持し、民主主義と国際秩序を守ることが目的となっています。

 
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2024年07月11日
アイデアよもやま話 No.5944 ”かたちが変わる”新たな乗り物!
4月3日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”かたちが変わる”新たな乗り物について取り上げていたのでご紹介します。 

今日(4月3日)、たった2人の企業が新たな乗り物を発表しました。
変幻自在に変わるロボット型の乗り物といいますが、どんな乗り物なのでしょうか。

今日、発表されたユニークなかたちの乗り物、その名も「ラプター(Raptor)」。(こちらを参照、動画はこちらを参照)
座る部分は小さめで、ハンドル部分もいたってシンプルです。
その最大の特徴について、ロイズテック(東京都渋谷区)の古田貴之CTO(参照:アイデアよもやま話 No.5891 AIの暴走はありうるか?)は次のようにおっしゃっています。
「一番大きいのが、上下が分離するところ。」

ワンタッチで、あっという間にハンドル部分が外れます。
車輪がある土台部分とハンドルがある上の部分を分離させることで、運搬用の箱と合体させたり、ロボットと合体させたり、変幻自在に新たなモビリティを作り出しことが出来るのです。
古田さんは次のようにおっしゃっています。
「僕は、この乗り物を“自由解放”したい。」
「クリエーターとか乗り物を作ったことのない輸送会社とかに自由に乗り物を作れるようにしたかった。」

最高速度は時速約40km、バッテリーのフル充電で約40km走行が可能です。
更にAIで自動で速度の制限や障害物をよける機能を搭載し、今年中の販売を目指すといいます。
ロイズテックの杉原行里CEOは次のようにおっしゃっています。
「自分だったら、こういう使い方をするなとか、こういうデザインするなっていうのが、「僕だったら、私だったら」が、このビジネをを突き動かす1つになるんじゃないかなと。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、4月3日、発表されたユニークなかたちの乗り物、「ラプター(Raptor)」について以下にまとめてみました。
・座る部分は小さめで、ハンドル部分もいたってシンプルである
・最大の特徴は、上下が分離出来ることである
 -ワンタッチで、あっという間にハンドル部分が外れる
 -車輪がある土台部分とハンドルがある上の部分を分離させることで、運搬用の箱と合体させたり、ロボットと合体させたり、変幻自在に新たなモビリティを作り出すことが出来る
・最高速度は時速約40km、バッテリーのフル充電で約40km走行が可能である
・更にAIで自動で速度の制限や障害物をよける機能を搭載し、今年中の販売を目指すという

まず、「ラプター」は電動3輪モビリティなので、誰でも安定した状態で運転することが出来ます。
更にAIで自動で速度の制限や障害物をよける機能を搭載しているのはドライバーの安心感を高めます。
また、用途に応じてデザインや機能を交換出来るので、幅広い需要を取り込むことが出来ます。
そして、バッテリーのフル充電で約40km走行が可能なので、日常的に使う上ではそれほど不便を感じることはないと思います。
なお、バッテリーについては、近い将来、全個体電池の市販化に伴い、同じ容量でも航続距離がぐんと伸びるので、航続距離が短いと感じる方の問題は解決出来ます。

ということで、今年中に販売を予定している「ラプター」について、どのくらいの引き合いがあるか、要注目です。

 
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2024年07月10日
アイデアよもやま話 No.5943 世界トップクラスの半導体関連技術を持つ企業がひしめいている日本!
4月1日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で世界トップクラスの半導体関連技術を持つ企業がひしめいている日本について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。 

実は、日本には“知る人ぞ知る”世界トップクラスの技術を持つ企業がひしめいています。

三重県四日市市、ここに工場を構えるのがJSR株式会社、ある半導体関連製品で世界トップクラスのシェアを持ちます。
工場では瓶詰めされた液体が製造ラインを流れていました。
JSR 四日市工場の佐藤邦彦さんは次のようにおっしゃっています。
「こちらのプラントではフォトレジストを生産しているラインになりまして、こちらで作られた製品が世界の半導体工場に出荷されていきます。」

フォトレジストと呼ばれる、この液体は半導体の土台となるシリコンウエハーに塗って使われます。
その仕組みは、シリコンウエハーの表面のフォトレジスト、その上に回路の型を置き、光を当てると、型の部分だけフォトレジストが反応、回路が転写されたような状態になります。
これをもとに、実際の電子回路を作ることが出来るのです。

実はJSR、このフォトレジストで世界シェア、トップクラスを誇っています。
その理由の1つが開発現場で分かりました。
紫外線などをカットし、厳しく管理された環境で実施されているのが、実際のウエハーを使った専用ケース。
フォトレジストで加工したウエハーを原子顕微鏡で拡大してみます。
問題が見つかることも。
わずかな不良も見逃さず、取り除きます。
この徹底的な品質へのこだわりも評価され、シェアを拡大したのです。
しかし、JSRの島基之執行役員は次のようにおっしゃっています。
「(事業開始は、)元々は日本の半導体が強かった頃ですね。」
「(今は)海外のお客さんが大半になりました。」

実は、半導体そのものの製造で、日本メーカーは1988年には世界の半分のシェアを握っていましたが、日本の失われた30年とともに衰退、2019年にはシェアは10%までに。
それでも回路形成などの前工程からICチップ切り出しといった後工程まで、幅広い半導体産業で技術のある日本企業はJSRのように今も重要な役割を担っています。
後工程に係わる株式会社アドバンテストもその1つ。
70年前に創業した半導体の検査装置メーカーです。
津久井幸一社長が見せてくれたのが、1つのプラットフォームで、あらゆる半導体を試験する装置です。
津久井社長は次のようにおっしゃっています。
「マーケットシェアは50%以上、世界ナンバーワンでございます。」
「お客様によったら1000台以上(導入しています)。」

アドバンテストも“知る人ぞ知る”世界トップの半導体関連企業なのです。
このアドバンテスト、今年、株価が35%上昇(2023年末比)。
こうした半導体銘柄が日本の株高のけん引役にもなっています。
津久井社長は次のようにおっしゃっています。
「半導体の成長とともに半導体の複雑性が増しております。」
「(そのための)検査装置のビジネスには非常に大きな可能性がある。」

半導体で、縁の下の力持ちになっていた日本勢(こちらを参照)。
2022年、転機となるかもしれない出来事が。
本丸の半導体製造メーカー、ラピダス株式会社(参照:アイデアよもやま話 No.5913 エッジAI、およびエッジAI向け半導体の開発プロジェクトが始動!)が設立されたのです。
トヨタやNTTなど、大手企業が出資し、経済産業省も設立に係わるオールジャパンの体制です。
ラピダスの東哲郎会長は次のようにおっしゃっています。
「日本の半導体産業をいかに回復・復活させるか。」

現在、ラピダスは北海道に工場を建設中。
その投資額は5兆円規模に上ります。
そこで、回路の幅、2ナノメートル、世の最先端の半導体を量産する計画です。
この動きに注目している日本の半導体関連の最重要企業が東京エレクトロン株式会社
一般消費者にはなじみが薄いですが、売上高2兆円超え(2023年3月期)、株式の時価総額で日本3位、18兆円の巨大企業。
半導体の様々な製造装置メーカーで、累計販売台数は世界最多を誇っています。
河合利樹社長がテレビ東京の単独インタビューに応じました。
「(北海道への進出について、)東京エレクトロンは製品と技術サービスを非常に重要視していまして、お客さんの工場の近くにサポート拠点を設けていくというようなことで展開しておりますので、勿論、北海道においてもしっかりサポートしていきたいと。」

日の丸半導体メーカー、ラピダスが建設中の新工場に合わせ、北海道に新たな拠点を設ける考えを示しました。
現在、東京エレクトロンの売り上げの約8割が台湾のTSMCなど海外企業向けですが、今後はラピダスへの販売も両輪で進めていきます。
「1つのお客様として、(ラピダスに)最大限、貢献していきたいなと。」

本丸の半導体メーカー、ラピダスに期待が集まる中、産業の行方を左右する技術を持つのが長野県にある新光電気工業株式会社です。
約80年前に創業した老舗企業です。
新光電気工業はいわゆる後工程。
半導体チップを機器に搭載する基盤を作る技術を磨いてきました。
これを生かし、新たに取り組んでいる技術について、執行役員の荒木康開発統括部長は次のようにおっしゃっています。
「当社が開発したチップレット用の半導体基板です。」

1枚の基板に複数のチップを組み合わせ、1つの半導体のように機能させるチップレット技術です。
回路がナノメートル単位にまで細かくなり、開発競争が進む半導体、これまでのように内部の回路を複雑にするには製造コストなどの面で限界が見え始めています。
しかし、このチップレット技術なら機能がバラバラの半導体を基盤の回路でつなぎ、低コストでも高い性能を実現出来るのです。
荒木さんは次のようにおっしゃっています。
「配線が基盤の中に20層以上あって、非常に付加価値の高いものになっている。」

新光電気工業は、今後チップレットで世界をリードしようと、新工場の建設など、1400億円の設備投資を進めています。

知る人ぞ知る技術を培ってきた日本の半導体企業、失われた30年を超え、生きる道について、荒木さんは次のようにおっしゃっています。
「いい材料、優れた装置を(お客と)一緒に作っていく、これが日本が強い理由かなと。」
「(弱い点は)半導体をどう使うかを考える人がちょっと少ないかも知れない。」
「昔はラジオやウォークマンなど、いろいろ日本発の製品がいろいろありましたよね。」
「そういうところまで何か手が打てると、もっともっと盛り上がってくるかな。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組を通して、世界トップクラスの半導体関連技術を持つ日本の企業について、以下にまとめてみました。

(JSR株式会社)
・フォトレジストと呼ばれる液体は半導体の土台となるシリコンウエハーに塗って使われる。
 -シリコンウエハーの表面のフォトレジスト、その上に回路の型を置き、光を当てると、型の部分だけフォトレジストが反応し、回路が転写されたような状態になる
 -これをもとに、実際の電子回路を作ることが出来る
・JSRは、このフォトレジストで世界シェア、トップクラスを誇っている。
 -徹底的な品質へのこだわりが評価されている

(株式会社アドバンテスト)
・70年前に創業した半導体の検査装置メーカーである。
・1つのプラットフォームで、あらゆる半導体を試験する装置を製造している。
・マーケットシェアは50%以上で世界ナンバーワンである。
・今年、株価が35%上昇した(2023年末比)。

(ラピダス株式会社
・2022年、本丸の半導体製造メーカーとして設立された。
・トヨタやNTTなど、大手企業が出資し、経済産業省も設立に係わるオールジャパンの体制である。
・現在、ラピダスは北海道に工場を建設中、その投資額は5兆円規模に上る。
・そこで、回路の幅、2ナノメートル、世の最先端の半導体を量産する計画である。

(東京エレクトロン株式会社)
・この動きに注目している日本の半導体関連の最重要企業が東京エレクトロンである。
・売上高2兆円超え(2023年3月期)、株式の時価総額で日本3位、18兆円の巨大企業である。
・半導体の様々な製造装置メーカーで、累計販売台数は世界最多を誇っている。
・日の丸半導体メーカー、ラピダスが建設中の新工場に合わせ、北海道に新たな拠点を設けるという。
・現在、東京エレクトロンの売り上げの約8割が台湾のTSMCなど海外企業向けだが、今後はラピダスへの販売も両輪で進めていくという。

(新光電気工業株式会社)
・約80年前に長野県で創業した老舗企業である。
・本丸の半導体メーカー、ラピダスに期待が集まる中、産業の行方を左右する技術を持っている。
・半導体チップを機器に搭載する基盤を作る技術を磨いてきた。
・これを生かし、新たに取り組んでいるのがチップレット用の半導体基板関連技術である。
 -1枚の基板に複数のチップを組み合わせ、1つの半導体のように機能させる
 -回路がナノメートル単位にまで細かくなり、開発競争が進む半導体、これまでのように内部の回路を複雑にするには製造コストなどの面で限界が見え始めている
 -しかし、このチップレット技術なら機能がバラバラの半導体を基盤の回路でつなぎ、低コストでも高い性能を実現出来る
・今後チップレットで世界をリードしようと、新工場の建設など、1400億円の設備投資を進めている。

こうして見てくると、日本には世界トップクラスの半導体関連技術を持つ企業がひしめいていることが分かります。
そして、2022年、オールジャパンで本丸の半導体製造メーカー、ラピダスが設立されたのです。
なお、AI関連技術の進歩とともに半導体の需要は今後とも増加することが見込まれ、従って半導体関連企業の成長も大いに期待出来ます。

半導体そのものの製造で、日本メーカーは1988年には世界の半分のシェアを握っていたのです。
ところが、日本の失われた30年とともに衰退、2019年にはシェアは10%までに落ちてしまいました。
それでも回路形成などの前工程からICチップ切り出しといった後工程まで、幅広い半導体産業で技術のある日本企業は今も重要な役割を担っています。
ですので、これまでの失われた30年を取り戻し、更にかつての半導体製造のシェア世界ナンバーワンの地位を取り戻していただきたいと思います。

なお、新光電気工業の荒木さんは、失われた30年を超え、生きる道について、かつてはラジオやウォークマンなど、いろいろ日本発の製品があったが、今の日本は半導体をどう使うかを考える人がちょっと少ないと指摘されています。
この指摘はとても重要です。
なぜならば、大きな潜在需要を見つけ出すことで、半導体生産のニューフロンティアという成長のチャンスが生まれるからです。
なお、この指摘は全ての産業界に当てはまります。
ですから、モノづくりに携わる方々は、自分が研究・開発している技術が何に役立つのかといった意識を持つことが常に求められるのです。

 
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2024年07月09日
アイデアよもやま話 No.5942 EV低迷、2つの背景!
3月29日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でEV低迷、2つの背景について取り上げていたのでご紹介します。 

EV低迷、2つの背景について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「(日本でもEVの普及に力が入って来た感じがするが、先行していたヨーロッパやアメリカでは揺り戻しが起きていないかという問いに対して、)そうです。」
「2つ、背景があって、1つはウクライナ危機。」
「で、このウクライナの侵攻によって、ロシアのガスが入らなくなったヨーロッパはエネルギー危機になって、電気代が高騰したですね。」
「しかも財政が悪化したことで、ドイツは(昨年)12月にEVの補助金を打ち切ったんですよ。」
「で、フランスもアジアのEVについては補助金を出さない。」
「補助金がないと、EVは売れないということですね。」
「(そして、もう一つの震源地は、最大の市場である中国で猛烈な値引き競争があると言われているが、)そうなんですよ。」
「これは、勝者は一部になってしまうということなので、世界最大のEVメーカーってBYDっていう中国の会社なんですが、今週決算発表で、期待したほどの成長が見込めないっていうことで株価が一時大幅に下がったんですね。」
「更にファーウェイが参入する、シャオミーが参入する。」
「異業種からどんどん入ってくるということで、値引き合戦が中々止まらない。」
「で、そういう安値の輸出ってことを欧米は非常に警戒しているんですね。」
「(そうした中、EVの普及が一番遅れている日本がどうすべきかについて、)EVは今、踊り場なんですけど、ただ“脱炭素”の本命であることは間違いないんで、手綱は緩められない。」
「で、安値競争に巻き込まれないことが肝心で、トヨタは繋ぎのハイブリッド車の利益をどうやって確保するかってこと。」
「日産とホンダは今、EVで協業しようとしていますね。」
「こういったことを踏まえて、2026年ぐらいに、どういうEVを出してくるのか。」
「ここがポイントになると思います、」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、EVの低迷、2つの背景、および日本の自動車メーカーの対応について以下にまとめてみました。

(EVの低迷、2つの背景)
ウクライナ危機
・ロシアによるウクライナの侵攻によって、ロシアのガスが入らなくなったヨーロッパはエネルギー危機になり、電気代が高騰した
・財政の悪化により、ドイツは昨年12月にEVの補助金を打ち切った
・フランスもアジアのEVについては補助金を出さない
・補助金がないと、EVは売れない
最大の市場である中国で猛烈な値引き競争が起きていること
・世界最大のEVメーカー、中国のBYDが今週決算発表(番組放送時)で、期待したほどの成長が見込めないことから株価が一時大幅に下がった
・更にファーウェイやシャオミーなど、異業種からどんどん入ってくることで、値引き合戦が中々止まらない
・そういう安値の輸出で欧米は非常に警戒している

(日本の自動車メーカーの対応)
・EVは今、踊り場だが、“脱炭素”の本命であることは間違いない
・安値競争に巻き込まれないことが肝心である
-トヨタは繋ぎのハイブリッド車の利益を確保しようとしている
-日産とホンダは今、EVで協業しようとしている
・2026年ぐらいに、どういうEVを出してくるのかがポイントになる

なお、アメリカのEV関連事情については、アイデアよもやま話 No.5915 アメリカでEV販売に異変!でお伝えしました。
やはり、EVの普及については、補助金の有無や電気代の高騰、中国のEVメーカーによる安売り攻勢、あるいはエベレット・ロジャースさんが提唱した「イノベーション普及理論」(参照:アイデアよもやま話 No.5915 アメリカでEV販売に異変!)など、いろいろな要素が絡んでいます。

そうした中、ウクライナ危機は、ロシアのプーチン大統領がいくつかの理由により決断したのです。(添付1参照)
そして、ウクライナ侵攻は世界的に様々な悪影響をもたらしています。(添付2参照)

なお、7月4日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でその後のEV関連の動きについて取り上げていたのでご紹介します。 

ヨーロッパで中国製のEVに追加関税の適用が始まります。
EUのヨーロッパ委員会は7月4日、中国から輸入されるEVに対して、現行の10%の関税に最大で37.6%を暫定的に上乗せすると発表しました。
5日から適用が始まるということです。
中国政府から補助金を受けた、安価なEVがヨーロッパの自動車メーカーに経済的な損害を与える脅威となっていると見なしました。

一方、自動車販売の業界団体がまとめた、今年1月から6月のEVの国内販売台数は2万9282台と、1年前に比べて39%減少しました。(自販連・全軽自協調べ)
EVの販売をけん引してきた日産の軽自動車「サクラ」は38%減の1万2082台、同じく日産の「リーフ」は61%減の2550台となりました。
新車、全体に占めるEVの割合も1.6%に止まっています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、日本でEVが普及しない理由(添付3)を見ると、消費者の意識と習慣、 産業構造、競合技術の存在といったように、他の国々と異なる事情があり、際立ってEVの普及率が低いのです。
日本のEVを代表する車種、日産の「リーフ」の今年1月から6月の国内販売台数がたったの2550台という数字には驚きです。
この低い数字の背景には「イノベーション普及理論」が働いていると思われます。

なお、中国のEV事情ですが、4月28日(日)付けネット記事(こちらを参照)には以下の記述があります。

・国際エネルギー機関(IEA)は28日までに、電気自動車(EV)の市場動向に関して今年の販売台数は20%以上増え、1700万台に達する勢いにあるとの報告書を発表した。
・今後10年間で需要が大きく増え、世界の自動車産業界を変える流れにあるとし、路上輸送に要する石油の消費量を大幅に減らすとも予想した。
・車の国際的な販売台数の半分は2035年までにEVが占めるとも予測。今年の場合は5台に1台以上がEVになると見込んでいる。
・IEAは、EVの中にプラグインハイブリッド車(PHV)も含めている。
・中国に加え、欧州連合(EU)加盟国内でのEVの新車販売も増えている。欧州の自動車製造業界団体によると、今年第1四半期(1〜3月)では前年同期比で約4%増を記録した。
・IEAのビロル事務局長は声明で「世界的なEV革命の機運はしぼんでおらず、成長の新たな段階へ向かっているようにみられる」とも総括した。
・一方で、市場シェアの奪い合いに伴う価格競争が激しくなっており、EV製造業者は収益の縮小への対応を迫られてもいる。米テスラと中国の理想汽車は最近、中国内に投入する主要モデルの価格を安くした。テスラはドイツと米国内でも同様の措置を講じた。
・IEAは、製造企業は価格競争で被害を受けているだろうが、EVを世界中に広げるためには値下げは必要な要件とも指摘。「EVへの移行の進み具合は手頃な値段にかかっている」とも断じた。
・中国では昨年販売されたEVの60%以上がガソリン車の価格より安かった。半面、欧州と米国ではガソリン車の新車の平均的な値段がより安めに設定され続けていた。
・IEAは、市場競争の激化と車載電池の技術的な改良を受け、EVの価格は今後数年間、押し下げられるとも分析。中国からのEV輸出の拡大は販売価格の低減を促す圧力になるとも続けた。EV販売台数の合計で中国企業は昨年、半分以上の比率を握っていた。
・欧州や米国で大規模なEV普及を実現させるためには手頃な価格の他、公共的な充電インフラの整備の促進も必要となっている

中でも、中国では昨年販売されたEVの60%以上がガソリン車の価格より安かった背景には、EVの普及を進める中国政府による、EVメーカーへの強力なバックアップがあったことが伺えます。
こうした中国製EVの価格の安さが中国のEVの価格競争力を高め、欧米の政府は中国製のEVに対して関税の引き上げで対抗しようとしているわけです。

いずれにしても、IEAが指摘しているように、地球温暖化阻止に向けた取り組みの一環としてガソリン車からEVへのシフトを加速させるためには、手頃な価格、および公共的な充電インフラの整備の促進が必須なのです。
勿論、並行して必要なのは化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトです。


添付1)

ロシアのプーチン大統領はなぜウクライナ侵攻を決断したのか?
ChatGPT

ウクライナへの侵攻を決断した理由について、プーチン大統領の公式声明やロシア政府の主張を基にすると、以下のような理由が挙げられます。

1. ナショナリズムと歴史的認識
プーチン大統領は、ウクライナをロシアの歴史的、文化的、政治的な一部と見なしているとされています。彼は、ウクライナが歴史的にロシアと結びついており、ソビエト連邦の崩壊後に不当にも分離されたと考えています。これを背景に、ウクライナの独立性や西側諸国との接近に対する強い抵抗感を持っています。

2. NATOの拡大に対する懸念
ロシア政府は、NATOの東方拡大を自国の安全に対する重大な脅威と捉えています。ウクライナがNATOに加盟する可能性を防ぐため、ロシアは軍事行動を通じて影響力を行使しようとしているとされています。プーチン大統領は、ウクライナがNATOの一員になることでロシアの国境に近接する地域においてNATO軍のプレゼンスが強化されることを懸念しています。

3. ロシアの影響力維持
プーチン大統領は、ロシアが旧ソ連圏内での影響力を維持し、強化することを重視しています。ウクライナは地政学的にも重要な位置にあり、ロシアにとって戦略的に重要な国です。ウクライナが西側に傾斜することを防ぐことで、ロシアの影響力を確保しようとしていると考えられます。

4. 国内の政治的目的
プーチン大統領は、国内の支持基盤を強化するために愛国主義を利用することが多いです。ウクライナへの侵攻は、国内の政治的支持を固めるための手段としても見られています。特に、経済的な困難や政治的不満を抱える国内の状況に対して、外部の敵を作ることで国内の結束を図るという戦略が考えられます。

5. 分離主義勢力の支援
ロシアは、ウクライナ東部の親ロシア分離主義勢力を支持してきました。これらの勢力を支援し、保護することを口実にしてウクライナへの軍事介入を正当化しています。特に、ドンバス地域での紛争に対する関与が強調されています。

結論
プーチン大統領がウクライナ侵攻を決断した理由は、歴史的、地政学的、安全保障上の懸念、国内政治の戦略など、複数の要因が複雑に絡み合っています。これらの要因が組み合わさり、ウクライナへの侵攻という決断に至ったと考えられます。ただし、国際社会はこの行動を強く非難しており、ロシアに対して厳しい制裁措置が講じられています。

添付2)

ロシアによるウクライナ侵攻の世界的な影響は?
ChatGPT

ロシアによるウクライナ侵攻は、世界中に広範な影響を及ぼしています。以下にその主要な影響を挙げます:

1. 地政学的影響
・新たな冷戦の始まり: ロシアと西側諸国(特にNATOやEU)との間で新たな緊張が生じ、国際政治における対立が深まっています。
・軍事的再編: NATOは東ヨーロッパへの軍事的プレゼンスを強化し、ロシアに対抗するための防衛計画を見直しています。

2. 経済的影響
・制裁措置: ロシアに対して多くの国々が経済制裁を課し、これによりロシア経済は大きな打撃を受けています。また、これがグローバルな経済にも影響を及ぼし、供給チェーンの混乱やエネルギー市場の不安定化が発生しています。
・エネルギー市場: ロシアは主要なエネルギー供給国であるため、石油やガスの価格が大幅に変動し、特にヨーロッパでのエネルギー危機が深刻化しています。

3. 人道的影響
・難民危機: ウクライナから多くの難民が隣接するヨーロッパ諸国に避難し、これにより人道的支援が必要となっています。UNHCRによると、何百万人ものウクライナ人が家を追われました。
・人道危機: 戦闘による犠牲者やインフラの破壊により、ウクライナ国内での人道状況が深刻化しています。

4. 国際法と人権
・国際法の侵害: ロシアの侵攻は国際法やウクライナの主権を侵害するものであり、多くの国や国際機関がこれを非難しています。
・戦争犯罪: 戦闘行為中の戦争犯罪や人権侵害が報告されており、国際刑事裁判所(ICC)が調査を開始しています。

5. 国際連合と多国間協力
・国連の役割: 国連安全保障理事会は、ロシアが常任理事国であるため、侵攻に対して有効な行動を取ることが難しくなっています。
・多国間協力の強化: 多くの国々がロシアに対する制裁や支援を通じて協力を強化し、国際的な連携が進んでいます。

6. グローバルな政治経済の再編
・ブロック経済の強化: 西側諸国とロシア・中国を中心としたブロック経済が強化され、グローバルな経済分断が進んでいます。
・食料危機: ウクライナとロシアは世界の主要な穀物輸出国であり、戦争により食料供給が混乱し、特に発展途上国で食料危機が懸念されています。

7. テクノロジーと情報戦
・サイバー攻撃の増加: 両国間でサイバー攻撃が増加し、インフラや経済活動に影響を及ぼしています。
・情報戦: プロパガンダや情報操作が激化し、真実の把握が困難になっています。

ロシアのウクライナ侵攻は、上記のように多方面にわたって世界に重大な影響を与えています。この状況がどのように進展し、将来的にどのような結果をもたらすかは、国際社会全体にとって重大な関心事となっています。

添付3)

日本でEVが普及しない理由は?
ChatGPT

日本で電気自動車(EV)が普及しにくい理由はいくつかあります。以下にその主要な理由を挙げます:

1. 充電インフラの整備不足
・充電ステーションの不足: 日本では、特に地方部での充電ステーションの数がまだ十分ではありません。都市部でも充電ステーションの利用が集中するため、待ち時間が発生することがあります。
・充電時間の問題: ガソリン車に比べて充電に時間がかかるため、急速充電器の普及が急務となっています。

2. バッテリーの性能とコスト
・航続距離の懸念: 現在のEVは、ガソリン車に比べて航続距離が短いことが多く、長距離移動に不安を感じる消費者が多いです。
・高コスト: EVのバッテリーコストが高いため、車両価格が高くなりがちです。これが購入の障害となることがあります。

3. 消費者の意識と習慣
・慣れ親しんだガソリン車: 多くの消費者はガソリン車に慣れており、特に新しい技術に対する抵抗感を持つ高齢者が多いです。
・認知不足: EVに対する理解や関心がまだ低く、そのメリット(例えば、環境への貢献やランニングコストの低さ)が十分に伝わっていない場合があります。

4. 政府の政策と支援
・補助金やインセンティブの不足: 他の国に比べて、日本ではEV購入に対する補助金や税制優遇が不十分だと感じる消費者が多いです。
・規制の問題: 日本の政府は一貫して内燃機関車の規制強化やEVへの移行を推進しているわけではなく、政策の一貫性が欠けていると指摘されています。

5. 産業構造
・自動車産業の抵抗: 日本の自動車メーカーは、長年培ってきた内燃機関技術を持ち、これを活用したハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)を推進しています。これがEVの普及を遅らせている要因の一つと考えられます。

6. インフラの制約
・住宅事情: 特に都市部では、駐車場が狭く、充電設備を設置するスペースがないことが多いです。また、集合住宅では充電設備の設置が難しい場合があります。

7. 競合技術の存在
・ハイブリッド車(HV)の普及: 日本ではハイブリッド車が広く普及しており、燃費性能が高いことから消費者に支持されています。このため、完全な電気自動車への移行が進みにくいです。

まとめ
日本でEVが普及しにくい理由は、充電インフラの整備不足、バッテリーの性能とコスト、消費者の意識と習慣、政府の政策と支援、産業構造、住宅事情、ハイブリッド車の普及など、多岐にわたります。これらの課題を解決するためには、政府、企業、消費者の協力が不可欠です。また、技術の進歩や国際的な動向により、これらの障壁が徐々に解消される可能性もあります。

 
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2024年07月08日
アイデアよもやま話 No.5941 香港民主化運動の舞台が日本へ!?
7月1日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で香港民主化運動から27年について取り上げていたのでご紹介します。 

27年前の1997年、7月1日は香港がイギリスから中国に返還された日です。
香港では、返還から50年間は一国二制度のもと、中国本土とは違う自由が保障されるはずでした。
しかし、その約束の50年を待たずに自由は失われ、言論への締め付けが強まっています。

一方で、香港では続けられなくなった民主化運動ですが、その舞台が今、日本などに移っています。
香港返還27年を祝う記念式典、李家超行政長官は次のように演説しています。
「香港は家族として、間もなく2頭のジャイアントパンダを迎え入れる。」

香港政府のトップは中国政府からパンダが送られることを明かし、華やかさを演出する一方、足元で進むのが香港の中国化です。
2019年の民主化を求める大規模デモを受けて、2020年6月、反政府的な言動を取り締まる国家安全維持法=国安法が成立。
日本でも有名な民主活動家の周庭、アグネス・チョウさんなど、民主派の人物が次々と逮捕されました。

更に今年3月、スパイ行為や外国勢力の政治干渉などの摘発を強化する国家安全条例=国安条例が新たに成立。
国安法と国安条例違反で逮捕された人は299人に上り、うち175人が起訴されています。(6月21日時点)
これで民主化運動は事実上、封じられました。
国安条例施行について、香港政府トップは、次のように演説しています。
「一国二制度の実施プロセスでの重要な一里塚。」
「香港は国家の後ろ盾と市民の努力で力強く成長している。」

香港で禁じられた民主化運動、その活動の場が徐々に日本に移っています。
香港人でレディリバティ香港の代表、アリック・リーさんは国安法を恐れ、2020年に香港を離れて、以前暮らしていた日本に移りました。
現在、ある活動を続けています。
アリックさんは次のようにおっしゃっています。
「香港で出していた民主の女神像を日本に再建したいです。」

2019年の大規模な民主化デモで象徴となった香港版民主の女神像。
その制作を中心とした日本での抗議活動です。
天安門事件で学生が作った像がモデルですが、香港版は、香港警察の実力行使から身を守るため、ゴーグルとヘルメット、防毒マスクを着け、自由を求める傘などを持っています。
この像の3Dデータを世界に公開した他、香港の民主派アーティストの展示会を開催。
日本から香港の現状を発信しています。
アリックさんは次のようにおっしゃっています
「日本と台湾は反中国の最前線になっていますが、日本はすごく安全な所だと思います。」
「今のところ、怖い感じはないですが、香港に残っている両親のことを心配しています。」

実は、民主化運動の最前線に位置付けられている日本。
6月17日、一橋大学に香港の民主活動家が集まりました。
世界の人権問題などについて話し合う、初めての「日本香港 民主主義サミット 2024」。
香港当局に国安法で指名手配され、イギリスに亡命したフィン・ラウさんやサイモン・チェンさんなども来日しました。
アリックさんも主催者に名を連ねました。
海外からの参加者も。
台湾で暮らす香港人女性は次のようにおっしゃっています。
「日本と台湾と香港がつながるのはいいことです。」
「何か、一緒に運動が出来るはずです。」

カナダ人の男性は次のようにおっしゃっています。
「権威主義的な政府の野望が大きくなっている。」
「日本やカナダの民主主義社会が自由を守るために連携しないといけない。」

このサミットの成果を発表する場には、与野党の現職国会議員も参加。
参加者たちは、中国政府が国外で影響力を強めていることに警鐘を鳴らした他、日本政府に香港人の亡命者への支援などを訴えました。
自民党の中谷元衆院議員は次のようにおっしゃっています。
「法の秩序、言論の自由、思想の自由は人間にとって等しく与えられた平等の権利で、・・・」

そして、香港返還27年を迎えた7月1日、札幌でアリックさんの団体がアートの展示会を開催。
そこには香港に残り、匿名で命がけで活動する民主派アーティストの作品も。
アリックさんは次のようにおっしゃっています。
「彼らが今も届けようとしている作品を展示することで、日本の人が私たちの奮闘・恐れ・希望や目標を理解してくれるよう願っている。」

香港で言論弾圧は日本にとっても他人事ではありません。
実は日本国内での行動も香港で罪に問われる可能性があるんです。
20代の香港人女性が日本に留学中、「香港独立」や「共産党を滅ぼせ」などとSNSに投稿した後、香港に戻ったところ、当局に逮捕されてしまったんです。
日本での投稿が扇動の意図を有する行為の罪に問われた可能性があり、香港の裁判所から禁固2ヵ月の実刑判決を言い渡されました。

日本人に影響が出たケースもあります。
香港の民主化デモを取材してきた日本人ジャーナリストが昨年、香港で入境を拒否され、また天安門事件から35年目に当たる今年6月4日には香港の公園で犠牲者を追悼した日本人男性が身柄を一時拘束される事態も起きました。

更にこんな事例もあります。
中国共産党に批判的だった香港紙「リンゴ日報」の創業者、ジミー・ライさんを巡って、香港政府は元衆議院議員の菅野志桜里さんとの共謀があったと主張しました。
菅野さんは以前、中国政府による迫害行為を抑止する法整備を日本政府に働きかけたことがありますが、ジミーさんとは一切面識がないとしています。
菅野さんは、重大な人権侵害であり、他国の国会議員の活動にまで香港政府や中国政府は手を伸ばしている現実が明らかになったと述べています。
こうした締め付けは経済活動にも影響を及ぼすのではと懸念されていまして、現地の日本企業も香港を取り巻く状況などを注意深く見ていく必要がありそうです。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(イギリスから返還後の香港で守られない一国二制度)
・27年前の1997年、7月1日に香港がイギリスから中国に返還された。
・香港では、返還から50年間は一国二制度のもと、中国本土とは違う自由が保障されるはずだった。
・しかし、その約束の50年を待たずに自由は失われ、言論への締め付けが強まっている。
・一方で、香港では続けられなくなった民主化運動の舞台が今、日本などに移っている。
・2019年の民主化を求める大規模デモを受けて、2020年6月、反政府的な言動を取り締まる国家安全維持法=国安法が成立。
・日本でも有名な民主活動家の周庭、アグネス・チョウさんなど、民主派の人物が次々と逮捕された。
・更に今年3月、スパイ行為や外国勢力の政治干渉などの摘発を強化する国家安全条例=国安条例が新たに成立。
・国安法と国安条例違反で逮捕された人は299人に上り、うち175人が起訴されている。(6月21日時点)
・これで民主化運動は事実上、封じられた。

(民主化運動の最前線に位置付けられている日本)
・6月17日、世界の人権問題などについて話し合う、初めての「日本香港 民主主義サミット 2024」が一橋大学で開催された。
 -香港の民主活動家が香港当局に国安法で指名手配され、イギリスに亡命したフィン・ラウさんやサイモン・チェンさんなども来日し、海外からの参加者もいた。
 -このサミットの成果を発表する場には、与野党の現職国会議員も参加した。
 -参加者たちは、中国政府が国外で影響力を強めていることに警鐘を鳴らした他、日本政府に香港人の亡命者への支援などを訴えた。
・香港返還27年を迎えた7月1日、札幌でアリック・リーさんが代表の団体、レディ、リバティ香港がアートの展示会を開催。
 -そこには香港に残り、匿名で命がけで活動する民主派アーティストの作品も展示された。

(香港での言論弾圧は日本にとっても他人事ではない)
・日本国内での行動も香港で罪に問われる可能性がある。
 -20代の香港人女性が日本に留学中、「香港独立」や「共産党を滅ぼせ」などとSNSに投稿した後、香港に戻ったところ、当局に逮捕されてしまった。
 -日本での投稿が扇動の意図を有する行為の罪に問われた可能性があり、香港の裁判所から禁固2ヵ月の実刑判決を言い渡された。
・日本人に影響が出たケースもある。
 -香港の民主化デモを取材してきた日本人ジャーナリストが昨年、香港で入境を拒否された。
 -天安門事件から35年目に当たる今年6月4日には香港の公園で犠牲者を追悼した日本人男性が身柄を一時拘束される事態も起きた。
 -中国共産党に批判的だった香港紙「リンゴ日報」の創業者、ジミー・ライさんを巡って。香港政府は元衆議院議員の菅野志桜里さんとの共謀があったと主張した。
 -菅野さんは以前、中国政府による迫害行為を抑止する法整備を日本政府に働きかけたことがあるが、ジミーさんとは一切面識がないとしている。
 -菅野さんは、重大な人権侵害であり、他国の国会議員の活動にまで香港政府や中国政府は手を伸ばしている現実が明らかになった。
・こうした締め付けは経済活動にも影響を及ぼすのではと懸念されており、現地の日本企業も香港を取り巻く状況などを注意深く見ていく必要がありそうである。

こうしてみると、あらためて思い起こされるのは、習近平国家主席が進める、手段を選ばないかたちで実現しようとする国家ビジョン、“中華圏の復興”(添付1参照)です。
イギリスとの取り決めを無視した香港における一国二制度の形骸化はその象徴的な出来事の1つです。(添付2参照)

そして、その矛先は日本国内にも及び始めています。
元衆議院議員の菅野志桜里さんは以前、中国政府による迫害行為を抑止する法整備を日本政府に働きかけたことがあるが、中国共産党に批判的だった香港紙「リンゴ日報」の創業者、ジミー・ライさんとは一切面識がないにも係わらず、ジミー・ライさんを巡って。香港政府は菅野さんとの共謀があったと主張したというのです。
こうした事例は、反中国政府的な動きをした人物に難癖をつけて、今後の反中国政府的な言動を抑え込もうという中国政府の常套手段と見られます。
そして、仮に菅野さんが何らかの目的で中国を訪問することがあれば、適当な理由を付けて拘束されるリスクを伴います。

ということで、こうしたことは、今後、中国の経済力や軍事力が強化され、国際的な影響力が強まるにつれて、増々増えていくと見込まれます。
ですから、今のうちに世界各国は、こうした中国の巧妙な統治政策がより一層強化され、止めることが出来なくなる前に真剣に手を打つことがとても重要なのです。
その際のキーワードは“国連憲章の遵守”です。(参照:No.4956 ちょっと一休み その774 『中国による“内政干渉”の一言で物事が進んでいいのか?』
一般的に中国に対しては、中国、ロシア、北朝鮮対欧米、および日本というような図式で捉えられています。
しかし、アメリカは今や、かつての偉大な民主主義国家ではなくなり、“アメリカファースト”を掲げていたトランプ前大統領が今秋の大統領選挙で返り咲く可能性が高くなっています。
ですから、あくまでも“国連憲章の遵守”の1点に焦点を当てて、世界中の国々を巻き込んで、中国に対して国連加盟国としての義務を果たすことを求めることがとても重要なのです。
国連憲章は、まさに現在の“錦の御旗”であり、本来、各国の憲法と同じく、全ての国連加盟国は守るべき基本なのですから。


添付1)

習近平国家主席が進める“中華圏の復興”とは?
ChatGPT

習近平国家主席が進める「中華圏の復興」(「中華民族の偉大な復興」または「中国の夢」とも称される)は、中国が経済的、政治的、軍事的、文化的に強大な国としての地位を再び確立することを目指す国家ビジョンです。このビジョンにはいくつかの主要な目標と方針が含まれています:
1.経済発展:
・革新と技術: 中国はハイテク産業のリーダーになることを目指しています。これには人工知能、5G技術、新エネルギー、ロボット工学などが含まれます。
・経済改革: 経済の持続可能な成長を促進するために、構造改革を進め、内需の拡大と高品質な成長を目指しています。
2.軍事力の強化:
・国防の近代化: 中国人民解放軍の近代化と強化を図り、国際的な軍事力としての地位を強化しています。
・海洋権益の拡大: 南シナ海や東シナ海における領有権の主張と防衛を強化しています。
3.国際的影響力の拡大:
・一帯一路構想: 経済ベルトと21世紀の海上シルクロードを構築し、中国と欧州、中東、アフリカなどを結ぶインフラと経済連携を強化します。
・多国間外交: 国連や他の国際機関での影響力を高め、中国の国際的な役割を強化しています。
4.文化と社会の発展:
・中華文化の振興: 中国の伝統文化や価値観を国内外に広め、中国のソフトパワーを強化しています。
・教育と科学技術: 教育制度の改善と科学技術の進歩を促進し、国民の知識と能力を向上させています。
5.国内の安定と統一:
・貧困削減と社会福祉: 貧困層の減少と生活水準の向上を図るために、さまざまな社会福祉政策を実施しています。
・香港と台湾問題: 「一国二制度」の下での香港の安定、ならびに台湾との統一を目指す政策を推進しています。

習近平のビジョンは、中国が過去の栄光を取り戻し、21世紀における主要な大国としての地位を確立することを目指しています。このビジョンは国内外でさまざまな影響を与えており、特にアジア太平洋地域や世界の国際関係において重要な役割を果たしています。

添付2)

香港における一国二制度はイギリスとの取り決めを破った内容になっていないか?
ChatGPT

香港における「一国二制度」の現状が、イギリスとの取り決めを破っているかどうかについては、多くの国や国際機関が「破っている」と評価しています。

中英共同声明の背景
中英共同声明(1984年)は、中国とイギリスが香港の返還に関して合意した条約で、次のような主要な取り決めが含まれています:
1.高度な自治: 香港は中国の一部であるが、50年間(2047年まで)にわたって高度な自治を享受する。
2.法律と制度の継続: 香港の資本主義制度と生活様式は50年間変わらない。
3.権利と自由: 香港の市民の権利と自由は保護される。

現状の違反とされる事例
1.国家安全法の導入(2020年):
・中国政府が香港に国家安全法を導入したことで、反政府活動や言論の自由が大きく制限されました。この法律により、多くの活動家や政治家が逮捕され、民主主義運動が抑圧されています。
・国家安全法の適用により、北京の影響力が強まり、香港の司法独立が損なわれていると批判されています。
2.選挙制度の変更:
・2021年の選挙制度改定により、立法会(香港議会)選挙で親中派が有利になるような仕組みが導入されました。これにより、民主派の議会での影響力が大幅に減らされています。
・この変更は、香港市民が自身の政治的未来を決定する権利を制限するものと見なされています。
3.市民の自由の制限:
・ジャーナリストやメディアに対する圧力が強まり、独立系メディアの閉鎖や記者の逮捕が相次いでいます。
・これにより、報道の自由や言論の自由が著しく制限されています。

国際的な反応
・イギリス: 中英共同声明を破ったとして、中国を強く非難しています。イギリスは、香港市民に対する国際的な保護と支援を呼びかけています。
・アメリカとEU: 香港の自治と市民の自由を守るために、中国に対して制裁措置を講じています。
・国連: 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、香港における人権状況に懸念を表明しています。

中国政府の立場
中国政府は、香港の安定と安全を守るための必要な措置であると主張しています。また、中国は中英共同声明は返還後に適用されないとし、香港の問題は中国の内政問題であり、外国の干渉を拒否する立場を取っています。

結論
多くの国や国際機関は、現在の香港における状況が「一国二制度」の原則に反し、中英共同声明を破っていると見なしています。特に、国家安全法の導入や選挙制度の変更、市民の自由の制限は、香港の高度な自治と市民の権利と自由を侵害していると批判されています。

 
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2024年07月07日
No.5940 ちょっと一休み その936 『キャッシュレスで今回の新札は”最後の紙幣”に!?』
7月3日(水)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で新紙幣発行について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。 

20年ぶりとなる新たな紙幣が今日(7月3日)発行され、金融機関への引き渡しが行われました。
その経済効果、関連する機種の入れ替え、システム改修、金融機関のATM対応などで約1兆6300億円に上る試算もあります。(野村総合研究所の試算)
物価高で伸び悩む個人消費にはどのような影響があるのでしょうか。

植田日銀総裁は次のようにおっしゃっています。
「現金は誰でもいつでもどこでも安心して使える決算手段です。」

新紙幣はデザインが一新、誰でも額面が分かり易いと数字の表記が大きくなりました。
また、偽造防止の効果を目的に立体的なホログラムを採用しています。

今後の新紙幣発行について、専門家で麗澤大学の中島真志教授は次のようにおっしゃっています。
「20年経ったら「デジタル円」が出来て、日銀が発行して、それを人々が幅広く使うような世の中になっているんじゃないかと。」
「今回の改刷が事実上の最後ということになるんじゃないかと思っています。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

また、7月2日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でも専門家によるコメントについて取り上げていたのでご紹介します。 

しゅふJOB総研の川上敬太郎さんは次のようにおっしゃっています。
「ネットワーク社会のキャッシュレスの動きが加速する条件が整った中での新札発行は、恐らく今までのお札の発行の歴史の中でも初めてのことだと思うので、キャッシュレス化の流れは進んでいくのかなと感じています。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

新札発行に伴う経済効果、関連する機種の入れ替え、システム改修、金融機関のATM対応などだけでも約1兆6300億円に上る試算もあります。
更に新札発行を記念したセールが日本各地で行われているようです。
また、消費者も早く新札を見てみたい思いから、こうしたセールに促されて買い物をする動きがあるので、実際の経済効果はしばらく続くと見込まれます。

さて、キャッシュレス化の動きは、ここ1、2年の間にスーパーやコンビニなどを中心にどんどん普及しています。
一方、私たち消費者も現金も持ち歩かなくても済むキャッシュレス決済の便利さをだんだん感じてきて、セルフレジの扱いにも大分慣れてきました。

ですから、今回の新札発行は”最後の紙幣”で、20年経ったら日銀は「デジタル円」を発行するだろうと言われますが、現実の動きは、10年後くらいにはほぼキャッシュレスになっていると見込まれます。
なぜならば、完全なセルフレジになると、店舗での会計処理による手間がほとんどなくなり、一方で消費者は財布から解放されるからです。

ただし、今回の新札発行の裏の目的は「デジタル円」への切り替えにあるという見方があるように、タンス預金をあぶり出し、国民の金融資産を全てガラス張りにして脱税をなくすことにあるという長期的な目的はうなずけます。
なお、「デジタル円」への切り替えが完了すれば、今年の国会でさんざん議論されても国民の理解を得られなかった政治家の裏金作り防止法案もその必要がなくなり、金銭の授受は全てガラス張りになると見込まれます。
そういう意味では、思い切って、率先して岸田総理がこうした将来を見越して、政治家への寄付は全て「デジタル円」に切り替えるという決断をしていれば、英断を下したということで国民の理解を得られ、政権支持率も持ち直したと思います。
日本にも、こうした先見性のある総理が誕生して欲しいと思います。
以前にもお伝えしましたが、そもそも政治活動費が必要であれば、その根拠を国民に示し、理解を得たうえで法制化して堂々と受け取ればいいのです。

 
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2024年07月06日
プロジェクト管理と日常生活 No.877 『世界最大級の氷山が数ヵ月で消滅へ!』
1月29日(月)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で世界最大級の氷山が数ヵ月で消滅したことについて取り上げていたのでご紹介します。

昨年、南極大陸を離れ、ゆっくりと北に移動し始めた世界最大級の氷山です。
重さは約1兆トン、面積は東京都の約1.8倍もあるのだそうです。
周辺の島などに接近すると、生物への影響も懸念されていましたが、温かい空気と海面によって溶け出し、次第に縮小。
氷山はあと数ヵ月で消滅すると見られ、流れ出たミネラルは海洋生物の栄養になるということです。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

また、5月19日(日)放送の「世界遺産」(TBSテレビ)でアフリカの最高峰、キリマンジャロについて取り上げていたので内容の一部をご紹介します。

キリマンジャロは標高5895m、赤道のそばにも係わらず、山頂には氷河が輝きます。
実は、山頂の氷河が近年、どんどん減少しています。
100年ほど前は、こんなに巨大でしたが(こちらを参照)、今、消滅が危惧されているのです(こちらを参照)。
そんな氷河を番組では26年にわたり、見つめてきました。
果たして今、氷河はどうなっているのか。

降り積もった雪が万年雪となり、それが氷となって氷河は出来ます。
近年の温暖化で、どんどん溶けているのです。
キリマンジャロの頂上、これが番組が撮影した12年前、2012年の映像です。
氷河の厚さは15mほどありました。
しかし、今年は半分以下の約7mになっていました(こちらを参照)。

こちらは2004年に番組が撮影した氷河、厚さは30mほどありましたが、2012年、同じ場所から撮影すると、ほぼ半分に(こちらを参照)。
そして、今年も同じ場所から撮影したのですが、驚くほど小さくなっていました。(こちらを参照)
猛スピードで減少するキリマンジャロの氷河(こちらを参照)。
この100年ほどで、約90%減少した、そんな研究結果もあるほどです。
こちらは2023年9月に撮影した、雪が降る前の山頂、かつては氷河が覆っていたといいますが、これが現在の氷河です。

氷河や雪があることから、白く輝くことを意味するキリマンジャロと名付けられた山、その輝きを失う日がそれほど遠くない未来に訪れようとしています。
類稀な自然美により世界遺産になったキリマンジャロ、氷河が守られることを祈らずにはいられません。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

今回ご紹介した南極大陸の氷河、およびキリマンジャロの山頂の氷河はいずれも、溶けだした場合、海面上昇につながります。(添付参照)
しかも、グリーンランドの氷床が全て融解した場合は約6メートル、南極大陸の氷床が全て融解した場合は約58メートルの海面上昇が見込まれています。

そして、これらの原因は一般的に気候変動による気温上昇と考えられています。
ですから、今後とも、地球温暖化の進行により、これら氷山や氷河の融解が加速していけば、いずれ、世界中の海面上昇が無視出来ないほどのリスクが高まります。
仮に、南極大陸の氷床の10%が融解しただけでも、約6mの海面上昇が見込まれるのです。
そして、その兆候は今回の事例でも明らかです。
しかも、こうした海面上昇が本格化した後に、真剣に対応策を検討しても“後の祭り”なのです。
加速した地球温暖化の流れは簡単には止められないのです。
ですから、地球温暖化対策を加速化することが世界各国、中でも先進国の首脳による強力なリーダーシップが求められるのです。


添付)

世界中の氷山が溶け出した場合の海面上昇への影響は?
ChatGPT

氷山が溶け出した場合の海面上昇への影響は、氷山が浮いている海水にすでに置換されているため、直接的な影響はありません。これはアルキメデスの原理に基づいています。具体的には、氷山が海水に浮かんでいる場合、その氷山が融解しても海面は変化しません。
しかし、陸地にある氷床や氷河が融解して海に流れ込んだ場合は、海面が上昇します。これにはグリーンランドや南極大陸の氷床が含まれます。これらの氷床が完全に融解した場合、海面は大幅に上昇する可能性があります。具体的には、グリーンランドの氷床が全て融解した場合は約6メートル、南極大陸の氷床が全て融解した場合は約58メートルの海面上昇が見込まれています。

気候変動による気温上昇が続くと、これらの氷床や氷河の融解が加速し、将来的に海面上昇のリスクが高まることが懸念されています

 
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2024年07月05日
アイデアよもやま話 No.5939 不可能を可能にする天才発明家 その2 天才発明家の生い立ち!
3月7日(木)放送の「カンブリア宮殿」(テレビ東京)で不可能を可能にする天才発明家について取り上げていたので2回にわたってご紹介します。
1回目は、アイデアよもやま話 No.5938 不可能を可能にする天才発明家 その1 天才発明家の語録と発明品!でした。
2回目は、天才発明家の生い立ちについてです。

どうすれば、こんな変わり者の発明家が出来上がるのか。
日本の社会課題に立ち向かう、不可能を可能にする天才発明家、株式会社ネジロウの社長、道脇裕さんは1977年、群馬県の生まれ。
父は、大手化学会社の研究所長、母は大学の物理学の助教授という理系一家。

小学校に進むと、もらった教科書は1週間で読破。
全て頭に入ってしまったという。
しかし、小学校の高学年になると、葛藤が。
学校が我慢ならなくなったのです。
当時について、道脇さんは次のようにおっしゃっています。
「退屈です。」
「分かり切った授業に1年間、すごくおこがましい言い方をしたら、付き合うわけです。」
「先のことをやらせて欲しいと思っても、やらせてもらえないわけです。」
「1秒、1分が永遠のように感じるわけです。」
「最大の拷問みたいな感じです。」

遂には、小学5年生でを学校に行くのを止める。
自主休学してしまったのです。

その後、中学や高校へはほとんど行かず、漁師やとび職など、興味を持った仕事をして過ごしました。

転機は18歳、受験が迫った友達の会話を聞いていた時のこと。
「今日の微分の問題、出来た?」
「公式を覚えていたから何とかなったけど、積分はお手上げだったな。」

道脇さんは愕然。
何を言っているのか、全く理解出来なかったのです。

ここから道脇さんの人生が大きく動き出します。
小学校で勉強を止め、好きなことばかり、やっていた道脇さん、18歳になると自分が何も知らないことに気付きました。
「周りが大学受験のタイミングで、はなはだしく乖離していることに気付くわけです。」
「バカを克服するか、克服出来ない、あるいはする気がないんだったら、生きてても意味がない。」

そんな、どん底の道脇さん前に現れ、救いの手を差し伸べた人物がいます。
出会った当時は塾の講師をしていた佐藤敦さん。
「僕の10代の頃からの恩師ですね。」

バカを克服しようと思い立った道脇さんは、大学入学資格検定(大検)を受けるべく、塾に行きました。
そこで、佐藤さんと出会い、意気投合したのです。
当時について、佐藤さんは次のようにおっしゃっています。
「いうことがあまりにもぶっ飛んでるんで、普通は頭がおかしいと思いますよね。」
「僕だけです、「天才だ」と見抜いたのは。」

一方、道脇さんは次のようにおっしゃっています。
「分かってもらえなくても、「分かっているよ」て包み込んでくれる。」
「そんな大人に出会ったのは初めてですね。」

道脇さんは3ヵ月間、勉強し、大検に合格。
すると佐藤さんから電話が入る。
「アメリカ留学に行かないか?」

佐藤さんは留学にかかる費用、500万円を用意していました。
しかも「これ、貸しじゃないから、返してくれなくていいから」と。
「「(道脇)裕だったら、将来、もっと大きなかたちで返してくれると思うから、それをもって、返してくれたことにして欲しい」と。」

世の中の役に立つことをして、恩返しする。
これが道脇さんの人生の目標になる。

なお、アメリカの大学には5日間しか行っていません。
1日、100万円でした。

それから12年後の2009年、道脇さんは株式会社ネジロウを創業。
最初に作ったのが緩まないL/Rネジでした。
この画期的な発明品は各賞を総なめにし、東京都ベンチャー技術大賞を受賞し、世界に誇るべき日本の100人にも選ばれました。(2015年4月15日号 Pen(CCCメディアハウス)

しかし、道脇さんの発明したネジは世の中に広まりません。
道脇さんは次のようにおっしゃっています。
「(ビジネスの現場では、)全くどこからもオファーがなかったですね。」
「メーカーは完全否定的でしたね。」

自動車メーカーやゼネコンに持ち込むも、実績がないという理由で軒並み不採用となったのです。
放射線をブロック出来る水の壁、世の中の役に立ちそうな、この発明も採用されることはなかったのです。

それでも道脇さんは諦めません。
佐藤さんとかわした約束、「返済は社会に」という言葉を胸にひたすら発明をし続けたのです。
「とにかく世の中に還元するんだっていう。」
「めげずに、懲りずにほふく前進してでも歩み続けるっていう。」
「半歩でも一歩でも1ミリでも1マイクロメートルでも進もうみたいな。」

報われない日々が続いた道脇さんでしたが、3年前、潮目が変わりました。
世界最大の鉄鋼総合商社、株式会社メタルワンからタッグを組もうと、声をかけられました。
相手は世界中に約10万社の取引先を持つ。
そうした相手の課題解決にあたる新会社「ネジモ」を共同出資で設立することになったのです。
しかし、なぜ世界最大の鉄鋼商社が。
メタルワンの久富成祥さんは次のようにおっしゃっています。
「稀な能力をお持ちの方がいる、愚直に取り組んでいる会社がいるということで、一緒にダッグを組めないか。」

あの簡単につながる鉄筋を一緒に開発した東京鉄鋼も実はメタルワンの取引先。
不遇の続いた天才発明家は、その発想力を思う存分使える場所に立ったのです。
「“どこでもドア”を手に入れたのに近かった。」
「どの分野にもアクセス出来るわけですね。」
「世界中に課題解決する技術を普及出来たらいいなと思いますね。」

今、道脇さんが挑むのは、日本の大動脈、高速道路。
実は1万kmあるうち、約4割が老朽化しています。
アスファルトの下のコンクリートはひび割れ、中の鉄筋はさび付いてしまったのです。
道脇さんは次のようにおっしゃっています。
「1回目の東京オリンピックの頃に建設されたものが多いわけですね。」
「更に老朽化が進むと、もう間に合わない。」

改修工事を急ピッチで行っているのですが、中々進まない現状があります。
改修は、劣化したコンクリート板を剥がし、そこへ新しいものを入れていくのですが、これが時間がかかるのです。
クレーンで吊り上げ、所定の場所へミリ単位の正確さで設置しなければならないのです。
更に間の部分は後からコンクリートでつなげなければなりません。
そこで道脇さんが登場。
工事のスピードを10倍にする方法を発明しました。
作ったのは、コンクリート板をつなげる連結器具。
今までは、ミリ単位の正確な設置が必要でしたが。道脇式なら、大体の場所に置けばOK。
全部の作業を1人でも出来る装置です。
ネジを締める力でコンクリート板を動かし、正確な位置に調整出来るようにしたのです。
これなら、間にコンクリートを打つ必要もなく。作業時間は以前の10分の1に。
インフラ工事に革命が起きるかもしれません。

以上、道脇さんの生い立ちでした。

最後にMCの村上龍さんによる編集後記をご紹介します。

道脇氏に聞いた。
「小さい時、友だちはいたか。」
彼は、友だち?と、不思議な表情をした。
意味が分からないのではと思った。

就学前くらいまで耳がよく聞こえなかった。
そのため、文字が苦手だった。
聴力は徐々に戻ったが、小学校の低学年では、ひたすら機械を分解した。

ドクター・エアは、深紫外線を増幅させ、超高濃度紫外線空間を作り出すことにより、吸い込んだ空気を装置内に0.05秒以上かけて通過させることで測定限界値以上のウイルス除去を実現、といっても訳がわからない。

天才は、日本酒が好きらしい。
天才が教えてくれた日本酒はすごくおいしかった。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、道脇さんの生い立ちを以下にまとめてみました。
・1977年に群馬県で生まれた
・父は、大手化学会社の研究所長、母は大学の物理学の助教授という理系一家である
・小学校に進むと、もらった教科書は1週間で読破した
・小学校の高学年になると、授業が退屈で、最大の拷問みたいな感じがし、遂には小学5年生で自主休学してしまった
・その後、中学や高校へはほとんど行かず、漁師やとび職など、興味を持った仕事をして過ごした
・転機は18歳、自分が何も知らないことに気付いた
・そんな、どん底の道脇さん前に現れ、救いの手を差し伸べたのが出会った当時は塾の講師をしていた佐藤敦さんで、10代の頃からの恩師である
・佐藤さんだけが道脇さんを「天才だ」と見抜いた
・道脇さんは3ヵ月間、勉強し、大検に合格し、佐藤さんからアメリカ留学の誘いを受けた
・佐藤さんは留学にかかる費用、500万円を用意してくれて、「将来、もっと大きなかたちで返してくれると思うから、それをもって、返してくれたことにして欲しい」と言った
・”世の中の役に立つことをして、恩返しする”ことが道脇さんの人生の目標になった
・それから12年後の2009年、道脇さんは株式会社ネジロウを創業した
・最初に作ったのが緩まないL/Rネジだった
・この画期的な発明品は各賞を総なめにし、東京都ベンチャー技術大賞を受賞し、世界に誇るべき日本の100人にも選ばれた
・しかし、道脇さんの発明したネジは実績がないという理由で軒並み不採用となり、世の中に広まらなかった
・放射線をブロック出来る水の壁、世の中の役に立ちそうな、この発明も採用されることはなかった
・それでも道脇さんは諦めず、佐藤さんとかわした約束、「返済は社会に」という言葉を胸にひたすら発明をし続けた
・ところが、3年前、潮目が変わった
・世界最大の鉄鋼総合商社、世界中に約10万社の取引先を持つメタルワンからタッグを組もうと、声をかけられた
・不遇の続いた天才発明家は、その発想力を思う存分使える場所に立ったのである
・今、道脇さんが挑むのは、日本の大動脈、1万kmあるうち、約4割が老朽化している高速道路である(詳細はアイデアよもやま話 No.5938 不可能を可能にする天才発明家 その1 天才発明家の語録と発明品!を参照)

以上、道脇さんの生い立ちでした。

なお、道脇さんは小学校の低学年に、ひたすら機械を分解したといいます。
ですから、この頃から、機械の分解を通して、いろいろな機械のメカニズムを独学で理解し、天才発明家としての下地を築いたと思われます。
しかも並外れた知能と集中力の持ち主ですから、短期間のうちに多くの知識を身に着けたはずです。

さて、2回にわたって、不可能を可能にする天才発明家、道脇裕さんについて、ご紹介してきましたが、2つ気付いたことがあります。
1つ目は、学びの場における平等とはどういうことかということです。
生徒一人一人の学力のレベルは異なります。
しかし、今の教育の現場では、少なくとも公立学校においては、平均的な学力のある生徒に焦点をあてて授業を進めます。
そうすると、非常に理解力のある生徒にとってはとても退屈な授業になってしまいます。
一方、学力の低い生徒にとっては理解不足のまま授業が進められていきます。
ですから、塾などに通って、その穴埋めをするわけです。
こうした中、道脇さんのように並外れて学力の高い生徒にとっては、授業が退屈で拷問状態になってしまうのです。
しかも並外れて学力の高い生徒にこうした時間を過ごさせるのは、国家的な損失でもあります。
なぜならば、折角の素晴らしい能力を持つ生徒を”宝の持ち腐れ”状態にしてしまうからです。

そこで、こうした問題の解決策として、道脇さんのような、客観的に並外れて学力の高い生徒を対象とした特別な学校を設立することです。
その要件は以下の通りです。
・生徒は広く、世界中から募集する
・授業に必要な設備は世界のトップレベルのものを用意する
・世界中から第一級の先生を向かい入れる
・学力に応じて、”飛び級”を認める
・生徒の中からベンチャー企業を立ち上げる要望が出た場合は、積極的にいろいろな面で支援する

2つ目は、道脇さんのような、並外れて優れた天才発明家の処遇を特別待遇にすることです。
具体的には、以下のような内容があります。
・登録者には、生成AIなど最先端の技術を自由に使えるようにする
・こうした人たちを事前登録しておき、必要に応じて、国家的、あるいは社会的にとても困難な難問の解決にあたって、プロジェクトチームを立ち上げて取り組む

その狙いは、近い将来、ASI(参照:アイデアよもやま話 No.5708 ChatGPTの次はAGI、そしてその次は・・・)が実用化されるようになった場合、ASIと正面から対峙して、十分に使いこなすのは、こうした才能の持ち主だからです。
ですから、今のうちから、こうした準備がとても重要なのです。

 
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2024年07月04日
アイデアよもやま話 No.5938 不可能を可能にする天才発明家 その1 天才発明家の語録と発明品!
3月7日(木)放送の「カンブリア宮殿」(テレビ東京)で不可能を可能にする天才発明家について取り上げていたので2回にわたってご紹介します。
1回目は、天才発明家の語録と発明品についてです。

日本の社会課題に立ち向かう、不可能を可能にする天才発明家、株式会社ネジロウの社長、道脇裕さんの挑戦に再び密着しました。

まず、道脇さん語録を以下にまとめてみました。
「(思考に没頭した状態で)シャワーを浴びていると、1時間経っており、気付くと、ずーと水を出しっぱなし。」

「あまり一人で電車に乗りたくないです。」
「新幹線に乗ろうとして扉の前のホームに立っていて、後10分ぐらいだなと思って待っていると、いつまでたっても新幹線が来ないなと思って、ふと気が付いて。電光掲示板を見ると、もう3本くらい行っちゃっているわけですよね。」

「“可能辞典”に載っていないことは、みんな不可能だと思っている。」
「「緩まないネジは出来るよね」っていうところからは言ったら、「どうやったら出来るか」という思考に変わるんですね。」

「難しい課題や問題であるほど、誰も挑まない、あるいは挑めない。」
「挑んでも解決出来ないことが往々にあるが、その中で自分がやれば出来るかな。」

「(課題を抱えている人に解決するためのアドバイスについて、)「出来る」、「解決策はある」という前提に立ってものを考えるということだと思うんですね。」
「「難しい」、「不可能」という立場で考えると、建設的じゃなくなって、そこで思考が終わっちゃう。」
「「出来る」っていう立場に立って考えると。「どうやったら出来るか」という考えになるんですね。」

「絶対出来ないことって、あまり証明されてないんです。」
「人類がこれまでやってきたことを全部考えてみると、今ある、こういうもの全部、一つ一つ昔は無かったわけです。」
「服もないし、時計もないです。」
「何もなかったです。」
「それを一つずつ人類は可能にしてきたわけで、ほとんどの問題は解決可能であると。」

「(道脇さんは画期的な発明をしても、あまり実用化されなかった理由について、)基本的に“実績”ベースでどうしても判断されがちなんですね、日本の場合。」
「ですんで、新しいものに取り組もうという精神がないことないと思うんですが、中々難しいんだと思うんです。」
「新しい「実績のない技術」を使ってみるとか。」
「発明に実績は無理。」
「前例がないから「発明」なので、「実績を持って来い」と言われても、「その実績下さい」。」

「今日の非常識を明日の常識になっているような、この状態を僕はイノベーションだと思ってるんで、“明日の常識”を作っていけたらと僕は思います。」

「(どんな角度にしても、棒が固定出来る機器の発明に際して、その仕組みについて、)僕もよく分かんないです。」
「要は、宇宙からアイデアを引っ張り出すみたいなことで、出てきたのがこのアイデアなんです。」
「まあ、頭の中から出てきたのか、宇宙から降って来たのか、どっちか、よく分かんないですけど、ロジックで出たものではないんです。」
「とりあえず、それを設計図にして作ってみたら、本当に出来てるっていう感じです。」
「(この用途について、)色々使えると思うんですけどね。」

なんだか、心配になってしまうが、彼の発明に係わった人たちは、口を揃える。
「エジソンみたいな人、天才です。」

「ぶっちゃけ、凄すぎて、引いちゃった。」
「ノーベル賞を取れる人。」

「変人だけど、僕にとってはイノベーションもたらしてくれる人。。」

不可能と言われる難題を解決してしまう。

なお、道脇さんは、常にレモンティを持ち歩いており、レモンティを飲むと頭が冴えるといいます。
毎日、10本、20年以上飲み続けており、道脇さんにとっては燃料だといいます。

次に、道脇さんの発明品を以下にまとめてみました。

(ドクター・エア)(こちらを参照)
・空気清浄機と使い方は似ているが、中身は全く違う
・3年かけて開発し、今年1月に完成した、空気中に含まれるウイルスや細菌類を死滅させる装置である
・これだけでコロナを撃退出来るという待望の発明である
・価格:76万7800円
・上から空気を吸い込み、中を通る0.05秒の間で、感染性を持ったウイルスが一匹も確認されないレベルになる

(緩まないL/Rネジ)
・これまで常識だったらせん構造を捨て、新たなネジ山を考案、右回りと左回りのナットを同じネジで使えるようにした
・こうして絞めれば絶対に緩まない
・振動で上のナットが緩もうとしても、下のナットは閉ろうとする
・2つが逆方向の動きになるので、緩まないのだ
・これがネジの誕生から2000年、不可能と言われた問題を解決した

(革新的な鉄筋)
・建設現場に人手が足りず、現場を回せなくなっているので、省人化技術をどんどん開発して世に出していく
・建設業界を直撃する2025年問題、現場では90万人の労働者が不足すると言われている
・そこで、道脇さんが取り組んだのが鉄筋の改革である
・内側を覗くと、特殊な溝が途中で角度を変えて刻まれている
・これを鉄筋に差し込み、90度回転、反対側も同じ要領、これだけで固定されるのだ
・しかも、これまでの方法より強度も増すという
・共同開発した東京鉄鋼も全貌を理解しているわけではなく、むしりキツネにつままれたようだという
・これまでは熱で溶かして結合してきたが、1ヵ所接合する時間は約5分かかった作業が約30秒で終わる
・東京鉄鋼は今後、全ての鉄筋を道脇式に替える方針である

(放射線をブロック出来る水の壁)

(コンクリート板をつなげる連結器具)
高速道路の改修工事を急ピッチで行っているが、中々進まない現状がある
・改修は、劣化したコンクリート板を剥がし、そこへ新しいものを入れていくが、これが時間がかかる
・クレーンで吊り上げ、所定の場所へミリ単位の正確さで設置しなければならず、更に間の部分は後からコンクリートでつなげなければならない
・そこで道脇さんは工事のスピードを10倍にする方法を発明した
・作ったのは、コンクリート板をつなげる連結器具である
・今までは、ミリ単位の正確な設置が必要だったが、道脇式なら、大体の場所に置けばOKである
・ネジを締める力でコンクリート板を動かし、正確な位置に調整出来るようにしたのである
・この方法だと、間にコンクリートを打つ必要もなく、作業時間は以前の10分の1になり、全部の作業を1人でも出来る装置である
・インフラ工事に革命が起きる可能性を秘めている

(どんな角度にしても、棒が固定出来る機器)
・鉄板に穴、よく見ると、特殊な加工がされている
・そして、丸意味を帯びた、くびれのある棒
・この棒を穴に通し、ドライバーで力を入れて回すと、なぜか、どんな角度にしても、棒が固定出来る

昨年の大みそか、ネジロウ本社で道脇さんは大量の段ボールをネジロウ本社に運び込みました。
大みそかは、毎年、大量の特許文献を読み込むというのです。
集めたのは他社の特許、自分が発明を進める前に、関連のありそうな特許をチェックしておくのです。
しかし、その量は、特許数8000件、18万ページに及びますが、その全てに目を通します。
読むスピードは驚異的で、眼球の動きが速さを物語ります。
これで理解出来るのが不思議です。

こんな調子で1年、365日、発明に没頭する道脇さん、苦しくはならないのでしょうか。
「「食事するのを止める」とか「呼吸するのを止める」にちょっと近い感覚。」
「「止める」とか「止めない」とかっていうのはないんです。」
「勝手にアイデアが出てくるところもあります。」

番組を通して、天才発明家、毎日、発明に没頭する道脇さんの人柄、思いを以下にまとめてみました。
・並外れて、信じられないほど集中力がある
・不可能なことはない、あるいはやれば出来るという強い信念を持っている
・チャレンジ精神が旺盛である
・前例がないから「発明」なのであり、発明に実績は無理である
・今日の非常識を明日の常識にしたい
・時には、自分の頭の中から出てきたのか、宇宙から降って来たのか、よく分からないロジックから出た、用途も分からないような発明もある
・「食事するのを止める」とか「呼吸するのを止める」にちょっと近い感覚で、「止める」とか「止めない」とかはなく、勝手にアイデアが出てくるところもある

そして、道脇さんの発明品はどれも革新的で、一般の発明家にはとても及ぼないような内容です。
しかも、毎年、大みそかにはネジロウ本社で道脇さんは大量の特許文献を読み込んで、他社の特許、自分が発明を進める前に、関連のありそうな特許をチェックしておくというのです。
ですから、頭の回転も並外れて速いのです。

このように不可能を可能にする天才発明家と言われる、道脇さんに是非チャレンジして欲しいアイデアがあります。
それは、今、世界中のあちこちで戦争が起きていますが、こうした戦争を早期に終息させ、平和な世界を維持するための対応策です。
もう一つは、地球温暖化問題の対応策です。
道脇さんが普段発明する内容とは異なりますが、是非チャレンジしていただきたいと思います。
もし、この2つのアイデアが宇宙から降って来て実現出来たら、まさしく超ノーベル賞級の、人類史上最大のアイデアになります。

 
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2024年07月03日
アイデアよもやま話 No.5937 根拠に乏しい”ナンバーワン”広告!
3月27日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で根拠に乏しい”ナンバーワン”広告について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。 

お客様満足度ナンバーワン、こちらはナンバーワン広告と呼ばれるもので、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

消費者庁は今月、客観的な裏付けがないにも係わらず、こうした表示をする事例が増えているとして、実態調査を始めました。
なぜ、不適切なナンバーワン広告が増えているのか、追跡しました。

広告でよく見るナンバーワン、広告主である企業はなぜ、これを多用するのでしょうか。
訪ねたのは、株式会社ネクイノ(本社:大阪市北区)というスタートアップのオフィスの(東京・港区)、石井健一社長は次のようにおっしゃっています。
「私たちは婦人科に特化したオンライン診療プラットフォーム「スマルナ」を2018年から運営しています。」

スマホのアプリを使って婦人科での診察やピル(経口避妊薬)を処方するサービスを展開、累計ダウンロード数は100万件を超えているといいます。
その「スマルナ」のホームページをよく見ると、ナンバーワンの文字が。
石井社長は次のようにおっしゃっています。
「こちらは記載がありますように、友人や知人にお勧めしたいナンバーワンという称号を掲げさせていただいているんです。」

根拠となる調査は、オンラインでピルを処方したことのある18歳〜39歳の女性、1000人を対象に行われたもので、同じサービスを提供している6社と比較したのだといいます。
その中で、「スマルナ」は友人や知人にお勧めでナンバーワンになりました。
昨年12月から掲載しているというナンバーワンの広告、その効果について、石井社長は次のようにおっしゃっています。
「サービスに初めて入っていただく時に、消費者の方々にとってみると、安心出来るサービスだよねとか、信頼出来るサービスだよねっていうふうなかたちの一定のご理解をいただいたんじゃないかなとは感じております。」

一方で、ナンバーワン広告の中には、合理的な根拠のないケースもあるとして、消費者庁は景品表示法に基づいた措置命令を相次いで出しています。
2月にはイモトのWi−Fiを手掛けるエクスコムグローバルや住宅大手、飯田グループHDなど、合わせて9社が再発防止などの措置命令を受けました。
更に消費者庁は不適切なナンバーワン広告への実態調査を行うと発表しました。
広告を出した企業だけではなく、データを集めた調査会社への聞き取りも行う方針です。
消費者庁は、調査会社が集めるデータの根拠が不十分なケースがあると見ています。

こうした調査会社から営業を受けたことがあるという企業を取材することが出来ました。
投資家の資産運用をサポートするサービスなどを手掛けるベンチャー企業、MONO Investment(モノインベストメント)の佐々木辰社長は次のようにおっしゃっています。
「我々のホームページに問い合わせフォームがあるんですけども、そこに急に送られてくる感じです。」
「2年前ぐらいから来始めて、ここ3〜4ヵ月は隔週で来ているんじゃないかなってぐらい、よく見るようになりました。」

調査会社から“ナンバーワン広告”の掲載を勧めるメールが送られてくるといいます。
そのメールの中身を見せてもらうと、「経営者の92%が推奨した称号を獲得出来る」との文字が。
更に“ナンバーワン広告”を出すことによって、購入率が1.9倍になると、具体的な効果も提示されています。
「経営者の92%が推奨」という称号は魅力的だと思わなかったかという問に対して、佐々木社長は次のようにおっしゃっています。
「魅力的ではあるんですけども、我々は創業して4年目のベンチャー企業なので、経営者の92%(の推奨)と自分でも思えてないので。」

調査を信頼出来なかったため、依頼することは見送りました。
佐々木社長は次のようにおっしゃっています。
「本当は支持をしていないのに、支持していますと出してしまうと、例えば、それを信じて契約をして下さったお客さんがいるとすると、それを裏切ってしまうことになってしまうので、ちゃんと自分たちの実力で92%を目指して、見せかけの92%っていうのはお金を払って載せる必要はないかなというふうには思います。」

ただ、中には安易な判断で根拠が乏しい“ナンバーワン広告”に手を出した広告主も。
匿名を条件に、話を聴くことが出来ました。
「調査してナンバーワンでなければ、文言を修正していただいて、ナンバーワンを何度でも調査出来るとのことなので、大手の誰でも知っているような会社さんでも取得を沢山されていたので、こういうものなんだなという認識を持ってしまったっていうのは認識が甘かったんですが、あります。」
「(費用はいくらぐらいかかったかという問に対して、)20万〜40万円くらいの間だったと思うんですよ。」

実は、この企業、広告を巡り、消費者庁から措置命令を受けました。
「後悔がすごかった。」
「社員や取引先、もちろんお客様にも迷惑をかけてしまったので、真面目にやってただけに本当に悔しいという思いがありますね。」

企業に話を持ち掛けた側の調査会社は、テレビ東京の取材にメールで回答。
「法律に抵触しないかなどは自社の責任で確認した上で、広告展開していただくように、全てのお客様に対し、同意を得たうえで調査結果を納品しておりました。」
「消費者庁による調査については、誠実に協力していきたい。」

調査会社の業界団体、日本マーケティングリサーチ協会の小林恵一事務局長は次のようにおっしゃっています。
「商品やサービスがうまくいっているのか、施策がうまくいっているのかどうかということをチェックするために市場調査をやってるわけなんですね。」
「非公正なナンバーワン調査が横行していて、非公正なことが公になること自体がリサーチの信頼や市場調査の信頼を損なう、大きな問題になってきますので、そこに対する危惧があります。」

それだけ“ナンバーワン広告”が魅力、効果もあるということなのです。
この件について現場を取材したキャスター、角谷暁子さんは次のようにおっしゃっています。
「実際に“ナンバーワン広告”を出して、消費者庁から措置命令を受けた企業に話を聴きましたけれども、自社で調査を行うのは本当に大変な手間がかかる中で、やはりナンバーワンというキーワードがとても魅力的だったそうなのです。」
「ただ、その調査方法などにまで思いが至らずに、安易に判断してしてしまったということをとても反省してるというふうに話していました。」
「そして、消費者庁は、現在進めています実態調査については秋までに結果を公表する方針だとしています。」

こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「ここに出したのは(こちらを参照)、日本広告審査機構(JARO)のキャラクターなんですが、左からうそ(嘘)ピョン、コダイ(誇大)、まぎらワシ(紛らわしい)って言うんですけど、「ダメダメ3匹」って言うんですね。」
「嘘ついて、誇大広告で、紛らわしい表現をつかうのはダメだというメッセージなんですね。」
「でもネットの世界では、まだまだ事実上野放しで、ウェブの影響は知ってるのに、そういうルールがないんですね。」
「そこに問題があるんだと思うんですね。」
「このJAROって言うんですが、新聞や放送広告各社が中心になって作ったんですけれど、やっぱりネットを中心とする企業もきちんとしたルールを自分で作ろうと、自分でやろうとってことをやんないと駄目だと思うんですね。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・消費者庁は今月、客観的な裏付けがないにも係わらず、ナンバーワン広告を表示する事例が増えているとして、実態調査を始めた。

(広告主である企業はなぜ、ナンバーワン広告を多用するのか)
スタートアップ、ネクイノの事例
・ネクイノは婦人科に特化したオンライン診療プラットフォーム「スマルナ」を2018年から運営しており、そのホームページにはナンバーワンの文字がある。
・「友人や知人にお勧めしたいナンバーワン」という称号を掲げている。
・根拠となる調査は、オンラインでピルを処方したことのある18歳〜39歳の女性、1000人を対象に行われたもので、同じサービスを提供している6社と比較したのだという。
・昨年12月から掲載しているというナンバーワンの広告、その効果について、石井社長は「サービスに初めて入っていただく時に、消費者の方々にとって、安心出来るサービス、信頼出来るサービスというようなかたちの一定のご理解をいただいたと感じる」という。

・一方で、ナンバーワン広告の中には、合理的な根拠のないケースもあるとして、消費者庁は景品表示法に基づいた措置命令を相次いで出している。
・2月にはイモトのWi−Fiを手掛けるエクスコムグローバルや住宅大手、飯田グループHDなど、合わせて9社が再発防止などの措置命令を受けた。
・更に消費者庁は不適切なナンバーワン広告への実態調査を行うと発表した。
・広告を出した企業だけではなく、データを集めた調査会社への聞き取りも行う方針である。
・消費者庁は、調査会社が集めるデータの根拠が不十分なケースがあると見ている。

調査会社から営業を受けたことがあるというベンチャー企業、MONO Investmentの事例:
・投資家の資産運用をサポートするサービスなどを手掛けるMONO Investmentの佐々木社長は、調査会社から“ナンバーワン広告”の掲載を勧めるメールが送られてくるという。
・そのメールの中身には、「経営者の92%が推奨した称号を獲得出来る」との文字がある。
・更に“ナンバーワン広告”を出すことによって、購入率が1.9倍になると、具体的な効果も提示されている。
・佐々木社長は、「この称号は魅力的ではあるが、我々は創業して4年目のベンチャー企業なので、経営者の92%(の推奨)と自分でも思えてない」と、調査を信頼出来なかったため、依頼することは見送りした。
・そして、佐々木社長は「本当は支持をしていないのに、支持していますと出してしまうと、それを信じて契約をして下さったお客さんがいるとすると、それを裏切ってしまうことになってしまうので、ちゃんと自分たちの実力で92%を目指して、見せかけの92%っていうのはお金を払って載せる必要はない」という。

ある、安易な判断で根拠が乏しい“ナンバーワン広告”に手を出した広告主の事例:
・「調査してナンバーワンでなければ、文言を修正して、ナンバーワンを何度でも調査出来るとのことで、こういうものなんだな」という認識で、20万〜40万円くらいの費用で調査会社に依頼したという。
・この企業は広告を巡り、消費者庁から措置命令を受けた。
・「後悔がすごく、社員や取引先、もちろんお客様にも迷惑をかけてしまったので、真面目にやってただけに本当に悔しいという思いがあった」という。
・企業に話を持ち掛けた側の調査会社は「法律に抵触しないかなどは自社の責任で確認した上で、広告展開していただくように、全てのお客様に対し、同意を得たうえで調査結果を納品しておりました」という。

・調査会社の業界団体、日本マーケティングリサーチ協会の小林事務局長は「商品やサービスがうまくいっているのか、施策がうまくいっているのかどうかということをチェックするために市場調査をやってる。非公正なナンバーワン調査が横行していて、非公正なことが公になること自体がリサーチの信頼や市場調査の信頼を損なう、大きな問題になるので、そこに対する危惧がある」という。

・消費者庁は、現在進めている実態調査については秋までに結果を公表する方針だとしている。

(解説キャスター、原田さんの見解)
・日本広告審査機構(JARO)のキャラクターは、うそ(嘘)ピョン、コダイ(誇大)、まぎらワシ(紛らわしい)で、「ダメダメ3匹」って言うが、「嘘ついて、誇大広告で、紛らわしい表現をつかうのはダメだ」というメッセージである。
・ネットの世界では、まだまだ事実上野放しで、ウェブの影響は知ってるのに、そういうルールがない。
・ネットを中心とする企業もきちんとしたルールを自分で作ろうとしないと駄目である。

そもそも”ナンバーワン”広告については、番組でも触れていたように、調査してナンバーワンでなければ、文言を修正して、あるいは比較する企業を選別して、ナンバーワンを何度でも調査出来るのです。
ですから、意図的に調査したうえでの”ナンバーワン”広告は横行することになってしまうのです。

一方、私たち一般消費者は、何か、商品を購入する際に、自分なりに商品の特徴をチェックして、価格の安さや仕様を見定めて、自分なりに納得して購入します。
そうした際に、根拠はともかく”ナンバーワン”広告にはつい目移りしてしまいます。
そして、多少なりとも購入商品の選択に影響を及ぼします。

また、今やネット通販では、購入したユーザーのコメントを商品選びに際して、参考にする消費者も多いと思います。
ですから、”ナンバーワン”広告は確かに注目されますが、余りにも実際とは異なる誇大広告の場合は、いずれ“化けの皮”が剥がれることになります。
また、合理的な根拠のないナンバーワン広告について、消費者庁は景品表示法に基づいた措置命令を相次いで出しているといいます。
こうした措置命令が公になれば、依頼主の企業にとっては返ってマイナス効果が大きくなってしまいます。

勿論、実際に画期的な商品で、世の中に知られていない商品であれば、その効果は大きいです。
更に、購入したユーザーの評価が高ければ、そのコメントが更に売り上げに貢献することになります。

ということで、”ナンバーワン”広告に際しては、合理的な根拠に基づいたものであることが重要なのです。
しかし、解説キャスター、原田さんも指摘されているように、ネットを中心とする企業もきちんとしたルールを自分で作ることが求められているのです。
あまり頻繁に消費者庁による措置命令が相次いで出される事態になれば、ネット通販自体に対する信頼が大きく揺らぐことになってしまいます。

 
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2024年07月02日
アイデアよもやま話 No.5936 転換期を迎えた日本経済!
3月26日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で転換期を迎えた日本経済について取り上げていたのでご紹介します。 

大きな変化があった日本経済、振り返っていきましょう。
まず、“失われた30年”と言われましたが、この間は賃金も物価も全然上がらない、横ばいの状態が続きました。
解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「ところが大きな変化が起こったわけですね。」
「ロシアのウクライナ侵攻なんですけども、結果的に食料、エネルギーが急騰したわけですよね。」
「青い線(こちらを参照)、物価がググっと上がったわけですよね。」
「日本銀行が言うところの“外的ショック”による第一の力が物価高に働いたわけです。」
「(一方で赤い線、賃金はちょっとはこの期間、上がっていたが、全然物価高には追いつかなかったが、)そこで青のゾーンに入っていくわけですけども、これ、今年、2024年なんですよね。」
「春の賃金交渉、賃上げなんですけども、なんと5%台の賃上げになったわけですよね。」
「昨年、2023年は3.58%ですから、急上昇と言っていいと思うんですよね。」
「そこで、なんでそうなったのか、やっぱり企業の業績が過去最高益だとってことがあると思うんですけども、もう一つ重要なのは、やっぱり岸田総理が業界のトップにひざ詰め談判でギリギリ賃上げを促したことだと思うんですよね。」
「(まさに、このググっという賃上げ、これは日銀が言うところの第2の力ですが、この賃上げによって物価もこの先自然体で上がっていくことになるのかという問に対して、)ところがですね、まだ現状では物価の方が賃金よりも上昇率が高いわけです。」
「そこで、政府は電気代の補助なんかでググっと物価を押さえようとしているわけです。」
「しかし、肝心なのは、やはり中小企業も賃上げの波に加われるかどうかってことだと思います。」
「(その中小企業まで賃上げが波及するために、これから日本に必要なことは何かという問に対して、)ズバリですね、省力化や合理化の投資で人手不足に対応するということだと思うんです。」
「生産性の向上が肝心になってくると思うんです。」
「そうすることによって、日本経済は賃金と物価の好循環に入れる、こういうことだと思います。」
「(これは中小企業にも大企業にも当てはまるのではという指摘に対して、)はい、そう思います。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、これまで大きな変化があり、転換期を迎えた日本経済について、以下にまとめてみました。
・“失われた30年”と言われた間は賃金も物価も全然上がらない、横ばいの状態が続いた。
・ところが大きな変化が起こった。
 -ロシアのウクライナ侵攻で、結果的に食料、エネルギーが急騰した
・日本銀行が言うところの“外的ショック”による第一の力が物価高に働いた
・一方、この期間、賃金は多少、上がっていたが、全然物価高には追いつかなかったが、今年、春の賃金交渉で5%台の賃上げになった。
 -昨年は3.58%なで急上昇と言っていい
・その理由は、企業の業績が過去最高益だったことと、もう一つ重要なのは、岸田総理が業界のトップにひざ詰め談判でギリギリ賃上げを促したことにある
・このググっという賃上げは日銀が言うところの第2の力である。
・この賃上げによっても、まだ現状では物価の方が賃金よりも上昇率が高いので、政府は電気代の補助などでググっと物価を押さえようとしている。
・こうした中、中小企業も賃上げの波に加われるためには、省力化や合理化の投資で人手不足に対応するということである。
・中小企業も大企業も生産性の向上により、日本経済は賃金と物価の好循環に入ることが出来る。

こうして見てくると、前回、アイデアよもやま話 No.5935 ブラッククロックCEOがNISAを評価!でもお伝えしたように、やはり日本企業の進むべき方向性は、競争力のある、あるいは独創性の高い商品の開発と、一方でDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みによる生産性の向上を継続させることです。
更に、付け加えるとすれば、海外進出にあたって、関係先とWin-Winの関係を築くこと、および強固なサプライチェーンを築くことだと思います。

なお、岸田政権の支持率はとても低い状況が続いていますが、岸田総理が業界のトップにひざ詰め談判で賃上げを要請したことについては、素直に評価すべきだと思います。

 
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2024年07月01日
アイデアよもやま話 No.5935 ブラッククロックCEOがNISAを評価!
3月26日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でブラッククロックCEOによるNISAの高い評価について取り上げていたのでご紹介します。 

運用資産が日本円で1500兆円を超える世界最大の資産運用会社、ブラックロックのラリー・フィンクCEOが、先ほど、投資家への書簡を公表し、この中で、日本のNISA、小額投資非課税制度の拡充を高く評価しました。

公表された年に一度の書簡によりますと、フィンク氏は日本が世界で最も高齢化した国だと指摘したうえで、10年前に導入したNISAが老後の資産形成を後押ししていることを評価しています。
日本以外の国でも今後、高齢化が進むことに加え、医学の進歩などで寿命が延びていることで、老後のための資産形成は更に重要性が増していると強調しました。

また、今後の投資の分野として、エネルギーインフラに注目すると表明しました。
ロシアによるウクライナ侵攻によって、世界各地でエネルギー安全保障が見直されている他、“脱炭素化”が進む中、再生可能エネルギーのコスト軽減に向けた新たな技術開発への投資が重要だと訴えました。
解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「注目の書簡なんですけど、キーワードは、やっぱり退職後の備え。」
「その重要性ってことになると思うんですよね。」
「書簡の中にあるグラフ(こちらを参照)なんですけど、これは本当に興味深いんですよね。」
「これ、15歳から64歳までの生産年齢人口なんですけど、どんなふうに推移しているかなんですよね。」
「(これは2020年の生産年齢人口を100%としたものですが、2070年にはどうなっているかというと、日本は60%ほどですが、)要は、退職後に備えなきゃいけないってことになってことになってきてるわけですよ。」
「それで、各国では日本のNISAのような投資の仕組みが重要になっているって、こういう分析なんですよね。」
「(日本は家計の現預金が多いと言われているので、変化もし易いという指摘に対して、)はい、ポテンシャルは大きいということなんですね。」
「それで、お国柄があるんですよね。」
「インドなんかみると、預金というよりは、金で保有している傾向があると分析しているわけです。」
「ということは、“貯蓄から投資へ”じゃなくて、“金から投資へ”ってことになるますね。」
「(そういった国々ではブラックロックが運用する余地もあるのではという指摘に対して、)まさにビジネスチャンスと捉えているんでしょうね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(世界最大の資産運用会社、ブラックロックのラリー・フィンクCEOによる指摘)
・日本は世界で最も高齢化した国で、10年前に導入したNISAが老後の資産形成を後押ししていることを評価している。
・日本以外の国でも今後、高齢化が進むことに加え、医学の進歩などで寿命が延びていることで、老後のための資産形成は更に重要性が増している
・今後の投資の分野として、エネルギーインフラに注目する。
・ロシアによるウクライナ侵攻によって、世界各地でエネルギー安全保障が見直されている他、“脱炭素化”が進む中、再生可能エネルギーのコスト軽減に向けた新たな技術開発への投資が重要である。

(解説キャスターの滝田さんによる指摘)
・注目の書簡のキーワードは退職後の備えである。
・15歳から64歳までの生産年齢人口は、2020年の生産年齢人口を100%とすると、2070年には日本は60%ほどになっているので、退職後に備えが重要である
・各国でも日本のNISAのような投資の仕組みが重要になっている
・日本は家計の現預金が多いと言われているので、変化もし易く、ポテンシャルは大きい
・お国柄があり、インドでは預金より金で保有している傾向があるので、“貯蓄から投資へ”ではなく、“金から投資へ”ということになる。
・こうした世界の資金が株式投資に向かう流れを、ブラックロックではビジネスチャンスと捉えている

まず、驚くのは、15歳から64歳までの生産年齢人口が2020年の生産年齢人口を100%とすると、2070年には日本は60%ほどにまで減少しているという予測です。
他の国々と比べて、明らかに日本の減り方は突出しています。
だからこそ、日本が他国に先駆けて10年前に導入したNISAが老後の資産形成を後押ししていることをフィンクCEOは評価しているのです。

しかし、考えてみると、株価が上昇し続けるという保証はありません。
株価大暴落も起こり得ます。
そして、老後の生活資金として当てにする株式投資の源泉は投資先企業の株価の上昇です。
そのためには、より多くの企業が技術革新を図り、一方でDX(デジタルトランスフォーメーション)に継続的に取り組み、世界的に競争力のある、あるいは独創性の高い商品の開発の一方で生産性向上を継続することが求められるのです。
そして、大事なのは、経済活動の源泉の重要な要件の一つは需要の創出なのです。
その重要な要件の一つが企業による従業員への適正な賃金の上昇です。
一方で、各国政府に求められるのは、平和の維持、あるいは為替の安定といった経済活動の望ましい環境づくりです。

こうした一連のプロセスがうまく機能してこそ、私たち一般国民は安心して株式投資に取り組み、老後の資産形成が出来るというわけです。
勿論、そうは言っても、預金や金への投資など分散投資が必要であることは言うまでもありません。

 
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2024年06月30日
No.5934 ちょっと一休み その935 『帯状疱疹にかかって見た不思議な夢』
昨日、帯状疱疹にかかった経験から言えるリスク対応策関連についてお伝えしました。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.876 『帯状疱疹にかかった経験から言えるリスク対応策、およびコンティンジェンシープラン』

帯状疱疹で先週水曜日に入院後、先週土曜日にかけては、点滴の影響もあり、夜中に何度もトイレで起きてしまい、あまり寝られなかったのですが、夜中に不思議な夢を見ました。

まず、先週木曜日から金曜日にかけて2日間、見た夢の中では、パソコンで文章作成をしている最中に、パッと目が覚めて、それまで入力していた内容が消えてしまったというものです。
この夢は何回か繰り返し見たので、そのたびに、次は起きている時に入力しようと思うのですが、駄目でした。
この時の夢が、夢とは思えないリアルな映像なので、夢の中の出来事とは思えなかったのです。

次は、同じ先週金曜日に見た夢です。
怪奇映画のような、とても怖い夢でした。
1つ目は、目の前の女性の顔が穏やかな顔からいくつかの怖いパターンに代わっていく夢です。
2つ目は、夜中に実家の奥の部屋に寝ていた老婆が突然起きて襲い掛かって来て、台所の近くまで追いかけてくるという夢です。
この夢を見た時には、怖さのあまり、声を発していたと思います。
幸い、病室は個室だったので、周りに迷惑はかけなかったと思いますが、かなりリアルな映像で、とても夢とは思えませんでした。

最後は、先週土曜日に見た夢ですが、これは不思議な夢でした。
どこか、山中にある神社を目指して私が歩いていたら、山伏の格好をした人から紙を渡され、何かを記入するよう求められ、記入しました。
しばらく歩いて、神社が近づいてきた三叉路で、3人の山伏が「これで全ての書類が揃った」と話しているのが聞こえました。
それから、かなり歳月が経って、孫と二人で実家に行くことになり、新しく出来た、実家の近くのお寺の裏側に通じる道を歩いて、お寺の境内に出て、実家を見ると、なんと実家のあった場所いっぱいに売店兼レストランのような大きな建物が立っており、大勢の観光客がこちらを眺めている様子が見えたのです。
一方、お寺の裏側もホテルのような建物が見えました。

恐らく、この夢は、実家の近くのお寺の周辺で、とても貴重な観光資源が見つかり、その影響で実家の土地も値上がり、山伏の格好をした人たちが不法に実家の土地・建物の所有権を手に入れ、実家のあった場所いっぱいに売店兼レストランのような大きな建物を建てたというストーリーだと思います。

ということで、帯状疱疹での入院期間はいろいろな夢を見ました。
それにしても、これだけ夢を見て、かなり内容を覚えているというのはとても珍しいです。
その理由は、やはり、帯状疱疹で、いつもとは違う脳の状態だったと思います。
というのは、その後、こうした夢は見ていないからです。

 
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2024年06月29日
プロジェクト管理と日常生活 No.876 『帯状疱疹にかかった経験から言えるリスク対応策、およびコンティンジェンシープラン』
実は帯状疱疹にかかり、先週から今週にかけて、1週間ほど、入院しておりました。
そのきっかけですが、今月12日の朝、いつものように太極拳をやりに行こうとして、帽子をかぶろうとしたら、左側の頭皮の一部が針で刺したようにチクッとしたのです。
それで、帽子の裏側に何か針のような鋭いものがあるのかと思い、チェックしたのですが、見当たりませんでした。
仕方なく、そのまま出かけて、太極拳をしていると、時折、チクッとしたのですが、そのまま無視していました。

そして、その翌日か2日後、朝、起きたら、左のまぶたの右上あたりの皮ふにひっかき傷のようなものがあり、寝ている時に、引っかいてしまったのかのかと思いました。
そして、ひっかき傷のようなものを触ると、ヒリヒリ感がありました。
また、左側の頭の側面に鈍い痛みを感じ、この頃から、左目からやたらと涙が出てきました。

こうした状況が続き、先週の月曜日の午後7時頃、夕方からテレビを見ていて、そのまま寝てしまって起きてみると、左目の大きさが明らかに小さくなって、充血しており、左目の上の一部の皮膚がおできのように盛り上がっていること分かりました。
これはただ事ではないとようやく気づきました。
さすがに、この時、ようやく帯状疱疹ではないかと思い始めました。
それで、病院の診察時間は過ぎていたので、119番に電話して、症状を説明すると、とりあえず、私の自宅に向かうとのことでした。
救急車が自宅に到着し、今後どうするかについて話し合った結果、皮膚科の救急医療はないということでしたので、救急車には、そのまま戻っていただきました。
なお、この頃には、倦怠感、食欲不振、微熱といった症状が出ていました。

先週火曜日の朝、掛かりつけの皮膚科医院に予約し、診てもらいました。
結果はやはり帯状疱疹で、そのまま眼科で診てもらうように言われ、午前中の診察時間ぎりぎりで見てもらうことが出来ました。
この時、眼科の医師から、もう少し来るのが遅ければ、失明になりかねなかったと大変なお叱りを受けました。
あらためて、事の重大さに気付きました。
そして、明日の朝、また来るように言われました。

先週水曜日の朝、起きると、まぶたがほとんど閉じて、ほぼ片目状態になっていました。
そして、倦怠感やだるさもひどかったのですが、言われた通り、眼科医院で診てもらうと、目の症状から、このまま、すぐに皮膚科医院に行って、入院するようにと言われました。
言われるがまま、皮膚科医院に行くと、すぐに入院先の病院を手配していただきました。
入院先の病院からは、そのまま、すぐにタクシーで来るようということでしたが、自宅に戻り、最低限の荷物をまとめ、近くに住む家族のクルマで病院まで運んでもらいました。
ここまでが帯状疱疹の初期症状から入院までの顛末です。

さて、今、とても残念に思うのは、帯状疱疹についての知識が全くと言っていいほど無かったことです。
もし、帯状疱疹の初期症状についての多少の知識があれば、帽子をかぶろうとした時にチクッとした時点で帯状疱疹ではないかと疑い、専門医に相談することが出来たのです。
また、この頃、多少、疲れが溜まっていたことも発症の原因になっていたと思われます。

ちなみに、私の身近な人で、脳梗塞で対応が遅れ、症状の悪化を招いてしまったケースがあります。
脳梗塞の初期症状として、麻痺やしびれ、言語障害、つまずき、めまいといった症状があります。
こうした症状が出たらすぐに病院で診てもらえば、軽くて済むのです。

一方、脳出血の場合はこうした初期症状がなく、いきなり、ひっくり返ってしまって救急車で運ばれるといったケースがあるので、高血圧にならないための予防が主なリスク対応策になります。

ということで、帯状疱疹に限らず、どんな病気においても、基本的には以下のようなリスク対応策、およびコンティンジェンシーが挙げられます。

(リスク対応策)
・適度の運動を継続すること
・疲れやストレスを溜めないこと
・栄養バランスの良い食事をすること
・十分な睡眠を取ること
・高血圧の予防に努めること

(コンティンジェンシープラン)
・早期に個々の病気特有の初期症状を見極め、速やかに病院で診てもらうこと


添付1)

帯状疱疹の原因
ChatGPT

帯状疱疹(たいじょうほうしん)の原因は、水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus, VZV)です。このウイルスは、初感染時に水痘(いわゆる水ぼうそう)を引き起こし、その後、体内の神経節に潜伏します。以下に、帯状疱疹の発症メカニズムと関連する要因について説明します。

発症メカニズム
1,初感染: 初めて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると、水痘を発症します。これは主に子供の頃に起こることが多いです。
2.潜伏期: 水痘が治った後もウイルスは完全には体から消えず、神経細胞(主に脊髄の神経節や脳神経節)に潜伏します。
3.再活性化: 潜伏していたウイルスが再活性化すると、神経に沿って皮膚に移動し、帯状疱疹を引き起こします。再活性化の原因は、主に免疫力の低下です。

免疫力低下の要因

帯状疱疹を引き起こす免疫力低下にはいくつかの要因があります。
1.加齢: 年齢を重ねると免疫力が低下するため、高齢者は帯状疱疹のリスクが高くなります。
2.ストレス: 強い精神的・身体的ストレスは免疫系に影響を与え、ウイルスの再活性化を促進します。
3.病気: がん、HIV/AIDS、自己免疫疾患などの病気は免疫力を低下させます。
4.薬剤: 免疫抑制剤やステロイドなどの薬剤を使用している場合、免疫力が低下しやすくなります。
5.疲労や栄養不良: 過度の疲労や栄養不足も免疫力低下の原因となります。

添付2)

帯状疱疹の初期症状
ChatGPT

帯状疱疹(たいじょうほうしん、Herpes Zoster)の初期症状は、体の一部に痛みや違和感を感じることから始まります。以下に、帯状疱疹の初期症状を詳しく説明します。

帯状疱疹の初期症状
1.痛みや違和感
・局所的な痛み: 痛みは通常、片側の特定の神経分布に沿って感じられます。痛みの強度は個人差があり、鈍い痛みから鋭い痛みまでさまざまです。
・かゆみや灼熱感: 一部の人々は痛みの前にかゆみや灼熱感を感じることがあります。

2.皮膚の変化
・発赤: 痛みを感じる部位の皮膚が赤くなり、敏感になることがあります。
・発疹の前兆: 小さな赤い斑点や丘疹が現れ始めることがありますが、この時点ではまだ水疱は形成されていません。
3.全身症状
・発熱: 一部の人は軽い発熱を経験することがあります。
・倦怠感: 全身の倦怠感や疲労感が初期症状として現れることがあります。
・頭痛: 初期症状の一環として頭痛を感じることがあります。

症状の進行
初期症状が数日から1週間ほど続いた後、以下のような症状が現れます。
1.発疹と水疱:
・発赤した部位に小さな水疱が集まって現れます。水疱は痛みを伴い、徐々に膿を持つことがあります。
・水疱は通常、体の片側に帯状に広がります。
2.潰瘍化と痂皮形成:
・水疱が破れて潰瘍となり、その後痂皮(かさぶた)が形成されます。
3.神経痛:
・水疱が治った後も、痛みが長期間続くことがあります。これは帯状疱疹後神経痛(PHN: Postherpetic Neuralgia)と呼ばれ、高齢者に多く見られます。

注意点
帯状疱疹は、初期症状の段階で迅速に治療を開始することが重要です。抗ウイルス薬を早期に使用することで、症状の軽減や合併症の予防が期待できます。また、帯状疱疹は免疫力の低下やストレスなどが引き金となることが多いため、健康管理やストレス管理も重要です。

医師への相談
初期症状に痛みや皮膚の違和感を感じた場合、速やかに医師の診察を受けることが推奨されます。特に以下の場合は注意が必要です。
・痛みが強く、日常生活に支障をきたす場合。
・眼や顔面に症状が現れた場合(眼帯状疱疹のリスクがあり、視力に影響を及ぼすことがあります)。
・免疫不全や慢性疾患を持つ人が帯状疱疹の症状を示した場合。

帯状疱疹の早期発見と治療は、症状の軽減と合併症の予防に重要な役割を果たします。

 
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2024年06月28日
アイデアよもやま話 No.5933 いよいよ宇宙大航海時代が始まった!
6月12日(水)付けネット記事(こちらを参照)で「宇宙大航海時代」をテーマに取り上げていたので内容の一部をまとめてご紹介します。 

・最近は月に宇宙飛行士を送る国際プロジェクトが進み、イーロン・マスク氏など宇宙ビジネスに挑む実業家も話題です。
・宇宙を取り巻く環境は変わりつつあり、研究としてもビジネスの対象としても魅力を増しています。
・「宇宙大航海時代」、こんなフレーズを目にすることが多くなりました。月や火星だけでなく、さらに遠い土星や小惑星など太陽系の様々な天体に向けて探査機が打ち上げられ、太陽系についての新しい発見が相次いでいるからです。

・日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が2020年に小惑星「りゅうぐう」から石や砂を持ち帰ったニュースは大きく報道されました。月よりも遠い天体から石などを持ち帰るのは世界で初めてで、生命のもとになる有機物や水が豊富に含まれていたことなどがわかりました。

・地球上の生命も、こうした小惑星からもたらされたかもしれない。現在もりゅうぐうの岩や砂の分析は進められていて、生命がどこから来たかや太陽系がどのようにできたかなどの研究に大いに役立つと期待されています。

・米航空宇宙局(NASA)が土星に送った探査機「カッシーニ」が、衛星のエンケラドスの表面を覆う氷の下から、宇宙に巨大な噴水が噴き出しているのを見つけたのも大きな出来事です。厚い氷の下に巨大な海が広がっていることがはっきりしたのです。
さらに採取した水を分析すると、エンケラドスの海には生命が誕生した地球の太古の海と同じ条件が備わっていることがわかりました。もしかするとエンケラドスの海には生命が存在するかもしれないのです。これまで地球と同じような星にしか生命は誕生しないと考えられていましたが、その考えを大きく変える発見でした。

・また地球から離れた太陽のような恒星の周りに存在する惑星も続々と見つかっています。発見された太陽系外惑星はすでに5千個を超え、地球と同じタイプも少なくありません。地球や地球上の生命が特別なものではないことがはっきりしつつあります。

・巨大な望遠鏡を宇宙に打ち上げて観測することで、地球から遠く離れた天体の研究も急速に進歩しています。宇宙が生まれてから138億年と考えられていますが、誕生して間もないころの星や銀河が観測できるようになりました。ブラックホールが予想よりずっと多いことがわかるなど、これまでの理論を見直さなければならない発見も相次いでいます。

・地球に近い月や火星を目指す動きも活発です。日本は米国を中心にした月探査「アルテミス計画」に参加。早ければ2020年代中に日本人宇宙飛行士を月に着陸させることも4月の日米首脳会談で決まりました。

・民間企業も月を目指して宇宙機を打ち上げている。(参照:アイデアよもやま話 No.5927 月の開発を巡る競争が加速!) 

・地球を周回する人工衛星を使ったビジネスも急速に成長しています。衛星から集めた地球の画像やデータは「宇宙ビッグデータ」と呼ばれ、農業生産やマーケティング、温暖化ガスの監視など多様な分野に活用できるのです。こうしたデータの活用や通信などのサービスが市場の約4割を占め、高い成長率が期待されています。

・宇宙開発は従来の国家主導の取り組みから、民間主導のビジネスに変わりつつあります。それだけに技術だけでなくマーケティングなどの人材も欠かせません。宇宙利用のルール整備もこれからなので法律に詳しい人材も必要です。文理を問わず幅広い人材が求められていて、就職先の一つとして考えてみるのもよいかもしれませんね。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

特に私が注目したのは以下の内容です。
・現在もりゅうぐうの岩や砂の分析は進められていて、生命がどこから来たかや太陽系がどのようにできたかなどの研究に大いに役立つと期待されている。
・NASAが土星に送った探査機「カッシーニ」が、衛星のエンケラドスの表面を覆う氷の下から、宇宙に巨大な噴水が噴き出しているのを見つけたことにより、厚い氷の下に巨大な海が広がっていることがはっきりした。
・さらに採取した水を分析すると、エンケラドスの海には生命が誕生した地球の太古の海と同じ条件が備わっていることがわかったことから、エンケラドスの海には生命が存在するかもしれない。
・地球から離れた太陽のような恒星の周りに存在する惑星も続々と見つかっており、発見された太陽系外惑星はすでに5千個を超え、地球と同じタイプも少なくないので、地球や地球上の生命が特別なものではないことがはっきりしつつある。
・地球を周回する人工衛星を使ったビジネスも急速に成長しており、衛星から集めた地球の画像やデータは「宇宙ビッグデータ」と呼ばれ、農業生産やマーケティング、温暖化ガスの監視など多様な分野に活用でき、こうしたデータの活用や通信などのサービスが市場の約4割を占め、高い成長率が期待されている。

こうして見てくると、まさしく宇宙大航海時代はかつての大航海時代(添付参照)とは格段に高い技術力が求められ、そこから得られる成果もあらゆる面で量、質ともに大きいと期待出来るニューフロンティアと言えます。
また、「宇宙ビッグデータ」は最も取り組み易い宇宙ビジネスであることから、こうしたデータの活用や通信などのサービスが最初に開花されると見込まれます。

ということで、今後、宇宙開発は増々脚光を浴びるようになると見込まれます。

ここで、とても気になることがあります。
それは、宇宙には地球上に生息する生物とは全く異なる種類の生物が存在することがほぼ確実であることから、人類が宇宙の開拓を取り組み続ける過程で、いつの日か、別な惑星に生息する生物と遭遇することになるからです。
そして、仮に遭遇した際、かつての大航海時代のように、文明の発達した生物が対峙する生物を奴隷のように扱ったり、あるいは滅亡させてしまうようなことが起きてしまうからです。
こうしたことから、少なくとも人類がより高度な文明を持ち、しかも暴力的な他の惑星の生物との遭遇をしないように願うばかりです。


添付)

大航海時代とは?
ChatGPT

背景と動機
1.経済的動機:
・香辛料や絹、宝石などの高価な商品の直接取引を求めていました。従来の陸路(シルクロード)では中継地点が多く、コストが高かったため、新しい海路が求められました。
・貿易利益を独占するため、東方への新しい航路を探すことが重要でした。
2.技術の進歩:
・船舶技術の向上: キャラベル船やガレオン船など、遠洋航海に適した船が開発されました。
・航海技術の発展: 羅針盤や航海図、天体観測技術の進歩により、遠洋航海が可能となりました。
3.宗教的動機:
・キリスト教の布教活動も重要な要素でした。特にカトリック教会は新世界への布教を強く推進しました。

主要な探検
1.ポルトガル:
・エンリケ航海王子: アフリカ西岸の探検を奨励し、ポルトガルの海上帝国の基礎を築きました。
・バスコ・ダ・ガマ: 1498年にインド航路を発見し、ヨーロッパとアジアを結ぶ新しい交易ルートを確立しました。
2.スペイン:
・クリストファー・コロンブス: 1492年にアメリカ大陸に到達(新大陸の発見)し、スペインのアメリカ大陸への影響力を確立しました。
・フェルディナンド・マゼラン: 1519年から1522年にかけての世界一周航海を指揮し、地球が丸いことを実証しました。
3.その他の国々:
・イングランド: フランシス・ドレークやジョン・カボットなどが探検を行い、北アメリカや太平洋地域での影響力を拡大しました。
・フランス: ジャック・カルティエやサミュエル・ド・シャンプランなどが北アメリカを探検し、フランス領を広げました。
・オランダ: 海上帝国を築き、アジアやアメリカ大陸での影響力を拡大しました。

影響と結果
1.経済的影響:
・世界規模の貿易ネットワークが形成され、ヨーロッパ経済が大きく発展しました。
・植民地からの資源や商品(砂糖、タバコ、金銀など)がヨーロッパにもたらされました。
2.社会的・文化的影響:
・異文化との接触により、知識や技術、思想の交流が進みました。
・新しい食物(トウモロコシ、ジャガイモ、トマトなど)がヨーロッパに紹介され、食生活が変化しました。
3.政治的影響:
・ヨーロッパ諸国は海外領土を巡って競争し、植民地帝国を形成しました。
・スペインとポルトガルの間でトルデシリャス条約(1494年)が締結され、世界を分割する領有権を定めました。
4.ネガティブな影響:
・植民地化とそれに伴う暴力や抑圧が先住民に深刻な影響を与えました。多くの先住民が虐殺されたり、奴隷にされたりしました。
・伝染病の拡散により、先住民の人口が激減しました(例:アメリカ大陸の先住民に対するヨーロッパからの病原体の影響)。

結論
大航海時代は、地理的な発見と新たな貿易ルートの開拓を通じて、世界の歴史に大きな影響を与えた重要な時代でした。ヨーロッパ諸国の探検と植民地化の動きは、世界の経済、社会、文化、政治に深い変革をもたらしましたが、その一方で先住民社会に対する影響や植民地化の負の側面も忘れてはなりません。

 
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2024年06月27日
アイデアよもやま話 No.5932 「N高」、「ニコニコ動画」流で生徒数日本一 海外大合格者は全国2位!
6月2日(日)付けネット記事(こちらを参照)で「N高、ニコ動流で生徒数日本一 海外大合格者は全国2位」という記事に目が留まったので内容をまとめてご紹介します。 

・角川ドワンゴ学園が運営する「N/S高」が教育業界での存在感を高めている。
 -通信制高校としてオンラインでの学びなどが受け、2校合計の在籍生徒数は3万人が目前に迫る。
 -海外大の合格者数は全国2位に。

・N高等学校(沖縄県うるま市)は2016年の開校以来、積極的にオンラインを活用してきた。オンラインで学ぶ「ネットコース」やキャンパスに通う「通学コース」など5コースがあり、どのコースも卒業に必要な国語や数学などの必修授業はオンラインで受講する。必修授業は独自の学習アプリ「N予備校」を使う。1本あたり5〜10分の映像を視聴した後にテストを受け、合格したらリポートを提出する。

・生徒が興味のあるものを見つけられるように、必修以外のコンテンツもリアルやオンラインで約1万をそろえる。大学受験講座やプログラミング、Webデザインなどを学べるほか、宿泊型の職業体験など充実している。

・ネットの高校だが、生徒同士の交流もある。
・例えばオンラインで仲間と楽しむ「ネット部活」がその1つ。
 -「投資部」では、特別顧問の村上世彰氏が創設した財団や学園から拠出された運用資金を元手に、株式投資に挑戦する。
 -他にもゲーム内で生徒が集まり冒険する「ネット遠足」や、文化祭など盛りだくさんだ。

・またN高は門戸を広く開いているのも特徴だ。
 -一部のコースは入試がなく、誰でも入学できるようにした。
 -学費はネットコースで年間6万3000円から(就学支援金が支給された場合の実質負担額で、履修単位数や世帯年収などで異なる)。
 -N高の奥平博一校長は「オンライン学習は個別での対応がしやすく、実は幅広く生徒を受け入れやすい」と胸を張る。

・こうした革新的な取り組みが注目され、N高の生徒数は大きく伸びた。
 -20年に在籍生徒数は1万5000人近くになり、日本一に。
 -21年には定員増のため、S高等学校(茨城県つくば市)を開校した。
 -両校の在籍生徒数は24年3月時点で合計2万8000人超と、16年の18倍となった。

・そもそもN高設立のきっかけは、奥平氏が通信制高校で働く中で感じた違和感だ。
 -「通信制は社会的な評価が低く、通っているだけで問題があるのではと思われることもある」(奥平氏)。
 -一方で通信制は時間を自由に使えるという利点もある。
 -だからこそ「通信制高校のイメージを大きく転換することが必要だ」と感じた。

・そこで声をかけたのがドワンゴだ。ドワンゴの「ニコニコ動画」は10代からも支持されており、若い人を引き付ける力がある。「当時も通信制の生徒でニコ動を視聴している生徒は多かった」(奥平氏)

・実際にN高が人気を高めた背景には「ニコ動」流のノウハウがある。
 -まず徹底したのは「不登校」という言葉を使わないことだ。
 -学校紹介でも「一歩ずつ」や「大丈夫」など寄り添いの言葉はあえて使わなかった。
 -空いた時間でどんな経験ができるかというメッセージを打ち出し、学生が自ら「通いたい」と思える学校をめざした。
・ドワンゴの川上量生顧問が「企画の飽和攻撃」と呼ぶ圧倒的なコンテンツ量も戦略の1つだ。
 -多くのコンテンツがあれば、どれかが生徒の好奇心を刺激するかもしれない。
 -ニコ動で多くの若者の心をつかんできた知見を生かして、コンテンツに興味を持ってもらう工夫などを打ち出した。

・ネットの高校をうたうN高は一見するとインターネット広告と相性が良さそうだが、力を入れたのはテレビCMだ。
 -子どもがN高に通いたいというときに「知ってるよ、CMの学校だよね」といった一言が周囲から出てくれば、保護者の理解を得やすくなる。
 -「実は通学を決める際の意思決定権を持つのは『近所のおばちゃん』なのではないか」(川上氏)

・実際のキャンパスがあることも重要なポイントだ。
 -N高・S高は全国31都道府県に計69カ所のキャンパスを持つ。通うのは通学コースの生徒のみだが、「キャンパスをつくると周辺に住むネットコースの生徒が増える傾向にある」(川上氏)という。
 -CMとの組み合わせは地元での知名度を高めるのに有効な手段だ。

・テレビCMとリアルの場を掛け合わせた広告はニコ動の戦略そのものだ。
 -ニコ動は感度が高い10〜20代の支持が先行したが、その後「超会議」などリアルなイベントを開催。
 -テレビCMでイベントの告知をすることで、保護者層からの信頼も獲得してきた。

・こういったニコ動流の戦略が奏功し、N高は通信制のイメージを大きく覆した。
・奥平氏は「今まで通信制を選ばなかった層が選んでくれるようになった」と話す。
 -4月に入学した女子生徒は全日制と比べた上でN高に決めた。
 -生徒の父親は「合理的な学校でカリキュラムも今の世の中に合っている」と評価する。

・N高が進学先候補の1つになってきた理由には大学合格実績が伸びていることもある。
 -N高は東京大学や京都大学などの合格者を輩出しているほか、足元では海外大への合格者数も増えてきている。
 -奥平氏は「進学校をめざすわけではないが、通信制だから大学進学なんて関係ないとするつもりはない」と話す。

・通信制高校の情報誌を手掛ける学びリンク(東京・千代田)の山口教雄代表は「通信制高校を身近な存在にしたのがN高だ」と話す。
 -通信制全体のイメージ改善にもつながり、N高をきっかけに通信制を選択肢に入れる人も出てきた。

・N高のノウハウをもとに、19年には「N中等部」を開校した。
 -法律上の中学校には該当せず、生徒が在籍する中学と連携して通えるフリースクール(添付1参照)だ。
・25年にはドワンゴと日本財団が連携し、完全オンラインの「ZEN大学」(仮称・設置許可申請中)を開校予定だ。
・N高やZEN大学を通じて川上氏がめざすのは「大学受験に偏りすぎている日本の教育産業に一石を投じること」だ。
・最終的には教育業界全体を変えていくのが理想だが、そのためにもN高やZEN大学はある程度大きな規模に成長させることが欠かせない。

以上、ネット記事の内容をまとめて、ご紹介してきました。

なお、2023年6月1日付けネット記事(こちらを参照)では、オンライン大学開校構想について、以下のように報じています。

・ドワンゴと日本財団は1日、通信制のオンライン大学を2025年4月に開く構想を発表した。授業料を年間38万円に抑えて経済的な問題を抱える学生の進学を後押しし、教育格差の是正を目指す。
・名称は「ZEN大学」で初年度の入学定員は5000人を計画する。学部は「知能情報社会学部」の1学部のみを設置する予定。具体的な授業内容や教員は6日に公表する。
・ドワンゴが持つITやオンライン教育の知見と、日本財団の教育支援のノウハウを生かす。人工知能(AI)などが普及した社会を前提に、幅広い分野の授業を提供する。
・日本財団は世界69大学と連携した奨学金プログラムを展開するなど、教育を支援してきた。各地とのつながりを生かして、オンライン大学に入った学生の地元でのインターンや、海外留学などリアルの体験も支援する方針を示した。


まず、この記事を読んで、学ぶ立場から見ての、従来の学校教育のディメリットを以下にまとめてみました。
・学校に行かなければ、授業を受けられない
・病気などで学校を休んだ場合の、授業の代替手段がない
・従って、病気などで外出出来ない学童や不登校児は学ぶ機会が得られない

次に、こうしたディメリットの解決策を以下にまとめてみました。
・オンライン学習の導入
・授業内容がファイルとして保管されていること

上記の解決策によるメリット
・受講者がいつでも、また繰り返し学ぶことが出来る
・気兼ねなく、質問も出来る
・不登校児も受講し易くなる

なお、2023年10月3日付けネット記事(こちらを参照)では不登校について、以下のように報じています。

・2022年度の問題行動・不登校調査で、全国の小中学校で不登校だった児童生徒が過去最多の29万9048人と21年度から22.1%増えたことが3日、関係者への取材で分かった。
・1991年度から調査している「不登校」は病気や経済的理由などを除いて、年間30日以上登校していない状況をいう。


こうした中、角川ドワンゴ学園が運営する「N/S高」では、通信制高校としてオンラインでの学びなどが受け、2校合計の在籍生徒数は3万人が目前に迫るというのです。
更に海外大の合格者数は全国2位といいます。

なお、「N高」では、オンラインで学ぶ「ネットコース」以外にもキャンパスに通う「通学コース」など5コースがあり、どのコースも卒業に必要な国語や数学などの必修授業はオンラインで受講します。
また、生徒が興味のあるものを見つけられるように、必修以外のコンテンツもリアルやオンラインで約1万をそろえており、大学受験講座やプログラミング、Webデザインなどを学べるほか、宿泊型の職業体験など充実しているのです。
更にネットの高校ですが、生徒同士の交流もあるのです。

こうしたことから、「N/S高」は教育界のデパート、あるいはスーパーやコンビニ的な存在であり、教育業界での存在感を高めている状況は当然と言えます。

また、「N高」のノウハウをもとに、2019年には「N中等部」を開校し、2025年にはドワンゴと日本財団が連携し、完全オンラインの「ZEN大学」(仮称・設置許可申請中)を開校予定といいます。

そして、最終的には教育業界全体を変えていくのが理想だということですが、是非、これからどんどん進化していく生成AIをいろいろな分野で使いこなすことが出来るような、あるいは世界平和の実現といった人類の大きな課題に挑戦し、成し遂げるような人材を育成していただきたいと思います。

なお、生成AIをはじめ、先端技術の進歩はめざましく、従って、大学を卒業して社会に出た後も、学びに終わりはありません。
そこで、今「リスキリング」(添付2)という言葉が話題になっています。

ですので、角川ドワンゴ学園には、社会人向けの「リスキリング」をテーマとした学校の開設にも取り組んでいただきたいと思います。
そして、こうした学校に最先端のIT関連企業の技術者を招いての講義を受けられる授業が行われれば、多くの受講者が参加されると見込まれます。
更に、途上国を中心に、こうした“学ぶ場”の世界展開を図れば、世界全体の教育水準の底上げが図られ、世界経済、更には世界平和の実現に向けても大いに貢献出来ると期待出来ます。


添付1)

フリースクールとは
ChatGPT

フリースクールとは、伝統的な学校制度とは異なる教育の場を提供する施設であり、子供たちが自発的に学び、自分のペースで成長できる環境を整えることを目的としています。以下にフリースクールの主な特徴を挙げます。

1.自主性を重視した学習環境: 子供たちが自分の興味や関心に基づいて学ぶことが奨励され、カリキュラムは柔軟であり、個々のペースに合わせて進められます。
2.多様な学習方法: フリースクールでは、教室での授業だけでなく、プロジェクトベースの学習、実地体験、ワークショップ、アート活動など、多様な学習方法が採用されます。
3.評価方法の違い: テストや成績による評価ではなく、個々の成長や学びの過程を重視し、ポートフォリオや自己評価を用いることが一般的です。
4.小規模で家庭的な環境: 多くのフリースクールは少人数制を採用しており、家庭的な雰囲気の中で一人一人に丁寧なサポートが提供されます。
5.多様なバックグラウンドの生徒: フリースクールには、不登校や学校に適応できない子供たち、特別なニーズを持つ子供たち、特定の教育理念に共感する家庭の子供たちなど、さまざまな背景を持つ生徒が通っています。
フリースクールは、子供たちが安心して学べる環境を提供し、一人一人の個性や才能を伸ばすことを目指しています。そのため、伝統的な教育システムにとらわれず、より柔軟で創造的なアプローチを取り入れています。

添付2)

リスキリングとは
ChatGPT

リスキリング(Reskilling)とは、既存のスキルを持つ労働者が新たなスキルを習得し、職場での役割やキャリアパスを変えるための教育や訓練を指します。これは、急速な技術進化や経済の変化によって求められる新たなスキルに対応するために重要です。以下にリスキリングの主要なポイントを説明します。

リスキリングの重要性
1.技術進化への対応: AIや自動化などの新技術が導入されることで、従来の仕事が変わったり、なくなったりすることがあります。新技術に対応するためのスキルを身に付けることが求められます。

2.職場の変化: 企業が新しい市場に進出したり、ビジネスモデルを変える際に、従業員が新しい役割に適応するためのスキルを習得する必要があります。

3.雇用の維持: リスキリングは、労働者が職を失わずに新しい役割やポジションに移行できるようにするための手段です。

リスキリングの方法
1.企業内研修: 企業が従業員に対して提供する研修プログラム。これはオンライントレーニング、ワークショップ、実地訓練などを含みます。
2.オンライン教育プラットフォーム: Coursera、Udemy、edXなどのオンライン教育プラットフォームを利用して、新しいスキルを自主的に学ぶことができます。
3.コミュニティカレッジや専門学校: 地域の教育機関で提供される短期コースや専門プログラムを活用することができます。
4.政府や非営利団体のプログラム: 多くの国や地域では、リスキリングを支援するためのプログラムや助成金が提供されています。

リスキリングの対象スキル
リスキリングで習得するスキルは、技術スキルからソフトスキルまで多岐にわたります。
1.技術スキル: プログラミング、データ分析、サイバーセキュリティなど。
2.ソフトスキル: コミュニケーション、リーダーシップ、問題解決など。

リスキリングのメリット
1.キャリアの柔軟性: 新しいスキルを習得することで、異なる職種や業界に転職する機会が広がります。
2.雇用の安定: 変化する労働市場に適応することで、失業リスクを減らし、雇用の安定性を高めることができます。
3.個人の成長: 新しい知識やスキルを習得することで、自己成長を促進し、自己満足感を得ることができます。

まとめ
リスキリングは、個人と企業の両方にとって重要な戦略です。個人にとっては、キャリアの安定と成長を促進し、企業にとっては、競争力を維持し、変化する市場環境に迅速に対応するための手段となります。

 
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2024年06月26日
アイデアよもやま話 No.5931 ウイルスが知識なしでも作成可能に!
5月28日(火)付けネット記事(こちらを参照)で「生成AIの悪用 - ウイルス 知識なしでも作成」というタイトル記事を見かけたので内容の一部をまとめてご紹介します。 

・「楽に稼ぐため、コンピューターウイルスを作ろうとした」――。警視庁が27日に不正指令電磁的記録作成容疑で逮捕した川崎市の無職の男(25)はランサムウェアを作成しようとしたと供述しているという。
・対話型生成AI(人工知能)によるサービスが急速に広まる中で、繰り返し指摘されてきた犯罪に悪用される懸念が現実のものになった。
・捜査関係者によると、男は元工場作業員で、IT会社への勤務歴やIT技術を学んだ経歴はないという。これまでの捜査では協力者の存在も浮上していない。コンピューターに関する深い知識がない中で目を付けたのが、生成AIの悪用だったとみられる。
・米オープンAIが「チャットGPT」の無料公開を始めたのは2022年11月末だ。
・男はこの時期にニュースを見て生成AIに関心を持つようになり、以前から興味があったというランサムウェア(添付参照)の作成を思いついたと説明しているという。
・悪用されたのは「チャットGPT」などの大手サービスではなく、作成者が不明な状態でインターネット上に公開されていた複数の対話型AIだったとみられる。
・警視庁は、男が自分のスマートフォンやパソコンから対話型AIに質問を繰り返し、ウイルスを作成したとみており、男の自宅などから押収したパソコンやスマホを解析し、事件の全容解明を急いでいる。
・米オープンAIが「チャットGPT」を公開して以降、主要各社は競うように生成AIを開発してきた。
 -当初は爆発物の生成など犯罪に関わる情報も答える「欠陥」があった。
 -このため開発会社側は、違法な情報や倫理的に問題のある回答を引き出せないように対策を講じてきた。
・しかし、こうした自主規制に目をつけたサイバー犯罪者グループなどが、無制限で質問に回答する「悪の生成AI」を開発し、公開を始めた。
 -2023年6月頃から有料版も含め、「雨後の竹の子」のように乱立するようになり、米インディアナ大の論文によると、23年2〜9月、違法情報などをはき出す生成AIが212確認されたという。
 -制限がなかったり、緩かったりする生成AIを使えば、ランサムウェアのソースコード(設計図)や、感染させたいコンピューターの侵入方法などが得られるという。
 -詐欺メールの文面や偽ショッピングサイトなどの作成も可能だ。
・生成AIとセキュリティーに詳しいNTTデータグループの新井悠氏は「専門家が身近にいて教えてくれるようなもの。これまでサイバー犯罪に必要だったITに関する高い知識や経験がなくても犯罪を行うことができる。ハードルが下がっている」と危機感を募らせる。
・AIを巡る包括的な法規制は、欧州連合(EU)が26年中に全面施行する見通しだ。
・一方、日本では開発者による自主規制に委ねられているのが実情で、政府の有識者会議が今月(5月)22日、法規制を巡る議論を始めたばかりだ。新井氏は「生成AIの開発と普及のスピードに法規制を含めた議論が追いついていない」と指摘する。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

この記事を読んで、あらためて感じたのは、便利な技術は善悪両方の面でいろいろな人たちが使い出すということです。
例えば、クルマは今や、免許さえ取れば、誰でも運転出来ます。
そして、買い物やドライブなど、様々な用途に使えます。
一方で、“動く凶器”とも言われるように、人を傷つけたり、殺すことも出来るのです。
ChatGPTを始めとする生成AIもしかりというわけです。
しかも、オープンAIがChatGPTを無料公開しているので、新井氏が危機感を募らせているのも当然だと思います。

このように、生成AIにはランサムウェアといったウイルス以外にもディープフェイク(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.616 『社会の混乱を招く”ディープフェイク”!』)といった、社会的に望ましくない使われ方、あるいは犯罪もどんどん広がっています。

そうした中、EUは2026年中にAIを巡る包括的な法規制を全面施行する見通しだといいます。
一方、日本では開発者による自主規制に委ねられているのが実情で、政府の有識者会議が5月22日、法規制を巡る議論を始めたばかりだといいます。
新井氏は「生成AIの開発と普及のスピードに法規制を含めた議論が追いついていない」と指摘していますが、日本政府の対応は、あまりにも不十分だと思います。


添付)

企業や団体の内部ネットワークに侵入し、データを暗号化して金を要求する「身代金要求型」ウイルス。盗んだデータを公開すると脅す二重恐喝の手口も多い。警察庁によると、全国の警察には昨年、197件の被害相談があった。

 
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2024年06月25日
アイデアよもやま話 No.5930 生成AIで看護師の業務効率向上の事例!
5月22日(水)付けネット記事(こちらを参照)で生成AIによる看護師の業務効率向上の事例について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。 

・佐賀県の祐愛会織田病院は2024年4月、これまで利用してきた電子カルテシステムにオプティムが提供する生成AI「OPTiM AI」を組み合わせ、看護師の業務効率を高める実証に乗り出した。
・織田病院は病床数111床、職員数305人(うち看護師118人)規模の総合病院だ。
・織田病院は実証にあたり、米エヌビディアのGPU(画像処理半導体)「RTX A2000」を搭載したGPUサーバー1台を新たに院内に用意した。大規模言語モデル(LLM 添付1を参照)の学習や推論に用いるためだ。
・LLMの稼働状況によって、GPUサーバーの台数やスペックなどを変更する可能性があるという。
・オンプレミス(自社所有)環境でLLMを利用するのはセキュリティーを担保するためだ。電子カルテに記載された個人情報などを病院外に出さないようにする。OPTiM AIのパラメーター数や活用するモデルに関しては「非公開」(オプティムの山本大祐ビジネス統括本部医療DX事業部ディレクター)である。

(生成AIで看護記録を要約)
・実証では、入院患者の体調など看護師が電子カルテ上で作成する看護記録の内容を、生成AIが要約する。要約は、病棟の看護師から外来の看護師などへ患者を引き継ぐ際に必要な「入退院時看護サマリー」の作成に使う。
・入退院時看護サマリーの文章量は、患者の容体などによって異なる。織田病院の織田良正副院長によると、生成AIを使わずに看護師が手作業でサマリーを作成する場合、「平均すると20分ほどかかる」という。生成AIを使うことで、その時間を大幅に短縮する見込みだ。
・看護師が指示文を入力する必要はない
・入退院時看護サマリーをつくる作業は、看護師にとってかなり負荷が大きい。
・そこで織田病院は、患者を管理する電子カルテシステムの画面に新たに「サマリー作成ボタン」を追加。このボタンを押すと、生成AIが自動で要約を出力するように設計した。ボタンを押すと該当する患者の電子カルテの情報と要約の作成を依頼するプロンプト(指示文)が自動的にAI側に送られる。看護師はプロンプトを入力する必要はない。
・現状は生成AIが出力した要約を看護師が手直しして利用している。将来的には手直しなしにするのが目標であり、織田副院長は「サマリー作成にかかる時間をゆくゆくはゼロにしたい」と意気込む。
・24年4月上旬に実装導入を始め、現在では2人の看護師がサマリー作成に活用し、効果を測定している段階だ。

・織田病院は今後さらにLLMの活用シーンを広げる計画である。例えば医師による診察時の音声データをLLMが読み込み、特定の方式で電子カルテに入力するシステムを構想しているという。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

なお、大規模言語モデル(LLM)は、誰によって、いつ発明されたのかについては、添付2を参照下さい。

要するに、佐賀県の祐愛会織田病院は、従来、利用してきた電子カルテシステムにオプティムが提供する生成AI「OPTiM AI」を組み合わせ、看護師の業務効率を高める実証に乗り出したのです。
その際、セキュリティーを担保するため、オンプレミス(自社所有)環境でLLMを利用するといいます。
織田病院は今後さらに大規模言語モデル(LLM)の活用シーンを広げる計画であるといいますが、その際のキーポイントは、やはりDX(デジタルトランスフォーメーション 添付3参照)です。

その理由は、必要に応じてシステムの継ぎ足しをしていくと、やがてシステムのメインテナンス(バグの修正や機能の追加・変更など)に手間がかかるようになるからです。


添付1)

大規模言語モデル(LLM)とは
ChatGPT

大規模言語モデル(Large Language Model, LLM)とは、非常に多くのデータを使って訓練された人工知能モデルで、自然言語処理(NLP)のタスクを高い精度で実行することができます。これらのモデルは、文章生成、翻訳、要約、質問応答、対話など、様々な言語関連のタスクを行うことができます。

特徴
1.大規模なデータセットでの訓練:
・LLMは、インターネット上のテキストデータや書籍、記事など、膨大な量のデータを使用して訓練されています。
2.トランスフォーマーアーキテクチャ:
・多くのLLMはトランスフォーマー(Transf・ rmer)アーキテクチャに基づいており、これは自己注意機構(self-attention mechanism)を使用して、テキスト内の単語や文脈を効果的に捉えます。
3.多層ニューラルネットワーク:
・LLMは多層のニューラルネットワークで構成されており、深層学習技術を活用しています。
4.高度なパフォーマンス:
・LLMは多様なNLPタスクで高い性能を発揮し、ヒューマンレベルの理解や生成を可能にします。

代表的な大規模言語モデル
1.GPT(Generative Pre-trained Transformer)シリーズ:
・OpenAIが開発したモデルで、特にGPT-3やGPT-4はその大規模さと性能の高さで知られています。
2.BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers):
・Googleが開発したモデルで、文脈理解に強みを持ちます。
3.T5(Text-to-Text Transfer Transformer):
・Googleが開発した、テキストを統一フォーマットで処理するモデル。

応用分野
1.対話システム:
・チャットボットや仮想アシスタントの開発。
2.テキスト生成:
・記事や物語の自動生成。
3.翻訳:
・自動翻訳システムの向上。
4.感情分析:
・ソーシャルメディアやレビューサイトでの感情や意見の分析。
5.情報検索:
・検索エンジンの高度化。

大規模言語モデルは、その能力と応用範囲の広さから、現代の人工知能研究や実用アプリケーションにおいて非常に重要な役割を果たしています。

添付2)

大規模言語モデル(LLM)は誰によって、いつ発明されたのか
ChatGPT

大規模言語モデル(LLM)の概念や技術は、特定の一人の発明者によるものではなく、自然言語処理(NLP)と機械学習の分野での多くの研究者たちの貢献によって発展してきました。特に、以下のような進展がLLMの誕生に重要な役割を果たしました。

トランスフォーマーの登場
LLMの基盤となる技術は、2017年に発表されたトランスフォーマー(Transformer)アーキテクチャです。このアーキテクチャは、Googleの研究者であるAshish Vaswani、Noam Shazeer、Niki Parmar、Jakob Uszkoreit、Llion Jones、Aidan N. Gomez、Łukasz Kaiser、Illia Polosukhinによって提案されました。彼らの論文「Attention is All You Need」は、自己注意機構(self-attention mechanism)を導入し、これが大規模なデータを効率的に扱うための重要なステップとなりました。

GPTシリーズ
OpenAIはトランスフォーマーを基盤にした一連の言語モデルであるGPT(Generative Pre-trained Transformer)シリーズを開発しました。
•GPT-1(2018年): 初めてのGPTモデルで、トランスフォーマーアーキテクチャをベースにした。
•GPT-2(2019年): 大規模なデータセットで訓練され、テキスト生成能力が大幅に向上した。
•GPT-3(2020年): 1750億のパラメータを持ち、その生成能力と多用途性が大きな話題となった。
•GPT-4(2023年): GPT-3の後継モデルとして、更に改良された性能を持つ。

BERT
同時期に、GoogleはBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)を開発し、2018年に発表しました。BERTは双方向の文脈理解を可能にし、多くのNLPタスクで高精度な結果を示しました。

研究コミュニティの貢献
LLMの発展には、大学、研究機関、企業の多くの研究者が貢献しています。トランスフォーマーアーキテクチャの改良や新しいモデルの提案、大規模データセットの収集と訓練技術の進歩など、多岐にわたる研究が行われています。

まとめ
大規模言語モデルの発展は、トランスフォーマーアーキテクチャの発表から始まり、OpenAIやGoogleをはじめとする多くの研究者たちの努力によって進化してきました。具体的には、2017年に発表されたトランスフォーマー論文がその起点となり、以降の数年間でさまざまなLLMが開発されました。

添付3)

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは
ChatGPT

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術を活用してビジネスや社会の構造、プロセス、文化を根本的に変革することを指します。DXの目的は、技術を駆使して新たな価値を創出し、競争力を高め、顧客の期待に応えることです。

DXの主な要素
1.デジタル技術の導入:
oクラウドコンピューティング、ビッグデータ、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、ブロックチェーンなど、最新のデジタル技術を活用します。
2.ビジネスプロセスの改善:
o業務の自動化、データ駆動型の意思決定、サプライチェーンの最適化など、業務プロセスの効率化と改善を図ります。
3.顧客体験の向上:
o顧客データを活用して、パーソナライズされたサービスや製品を提供し、顧客満足度を向上させます。
4.組織文化の変革:
oアジャイルな働き方、イノベーションを奨励する企業文化、データリテラシーの向上など、組織全体の文化や働き方を変革します。

DXの実例
1.製造業:
oスマートファクトリーの導入により、生産工程をリアルタイムで監視・最適化し、効率を向上させる。
2.小売業:
oオンラインとオフラインの購買データを統合し、顧客の購買行動を分析して、ターゲット広告やプロモーションを展開する。
3.金融業:
oAIを活用したリスク管理や、ブロックチェーンを利用した取引の透明性向上など、新しい金融サービスの提供。
4.医療業界:
o電子カルテの活用や遠隔診療の導入により、医療サービスの効率化と質の向上を実現する。

DXの推進に必要な要素
1.デジタルリテラシー:
o従業員がデジタル技術を理解し、活用できる能力を持つこと。
2.リーダーシップ:
o企業のリーダーシップがDXの重要性を理解し、戦略的に推進すること。
3.変革のための戦略:
o明確なビジョンと戦略を持ち、段階的かつ継続的にDXを実行する計画。
4.柔軟な組織構造:
oイノベーションを促進するための柔軟で適応性のある組織構造を持つこと。

DXのメリットと課題
メリット:
•業務効率の向上とコスト削減
•新しいビジネスモデルやサービスの創出
•顧客満足度の向上
•競争力の強化

課題:
•大規模な投資が必要となる場合がある
•組織の抵抗や文化の変革が難しい
•データのセキュリティやプライバシーの確保が重要

デジタルトランスフォーメーションは、企業や組織が未来に向けて成長し、成功するための重要な戦略です。デジタル技術を効果的に活用することで、新たなビジネスチャンスを見つけ、競争優位を築くことができます。

 
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2024年06月24日
アイデアよもやま話 No.5929 進化する生成AI!
5月14日(月)付けネット記事(こちらを参照)で進化するチャットGPTについて取り上げていたので内容の一部をご紹介します。 

・対話型AI「Chat(チャット)GPT」を手がける米新興企業のオープンAIは13日、新型AI「GPT-4o(フォーオー)」を開発したと発表した。
-従来に比べて処理スピードを2倍に高速化した一方、運用コストを半減した。声で話しかけると、ヒトと同じ反応速度で会話ができる。
・弱点だった反応の遅延を克服し、AIの活用がさらに広がりそうだ。
・開発した「GPT-4o」はチャットGPTを動かす基盤となる技術で、刷新は2023年11月に発表した現行の「GPT-4ターボ」以来となる。
・新しいAIは日本語を含む50の言語に対応し、文字、画像、音声をすべて認識する。リアルタイム翻訳のほか、スマートフォンのカメラを使って人の顔の表情を読み取ったり、グラフを読み取ったりすることもできる。
・ヒトの感情を読み取り、ジョークも通じる。より自然な会話が可能になったとしている。
・ミラ・ムラティ最高技術責任者(CTO)は発表会で「これまでAIモデルの知能を高めることに注力してきたが、使いやすさで大きな前進を遂げた」と強調した。
・新技術の搭載後もチャットGPTの基本料金は変わらない。
・テキストや画像向けの一部機能のみ無料で使える。音声を使用した機能は月20ドルの有料課金利用者や法人向けには先行して、数週間以内に使えるようにする。データ運用の負荷を避けるため、利用回数にはプランに応じて制限がある。
・オープンAIは高精細の動画をつくる生成AI「Sora(ソラ)」も開発している。
・AIが処理できる情報量や種類を増やしており、処理速度を速めてさらに使い勝手をよくすることで、1億人以上が利用するチャットGPTのサービスでさらに地歩を固める。
・チャットGPTは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)」と呼ばれる仕組みに対応している。
-異なるシステム間でデータをやり取りできるため、外部企業もオープンAIの新しい音声会話の仕組みを自社ソフトに取り入れ、新しいサービスを開発することにつなげることができる。
・生成AIは米グーグルの「Gemini(ジェミニ)1.5Pro」、米スタートアップのアンソロピックが開発した「Claude(クロード)3」、米メタの「Llama(ラマ)3」などでも新技術の投入が相次いでいる。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

なお、「GPT-4o」における、より詳細な内容については、こちらを参照下さい。

こうして見てくると、生成AIは今や、チャットGPTを中心に、とてもスピーディに進化を続けており、百花騒乱状態です。
しかも、当初の文字のみから画像、音声、更には動画作成にまでサービスの幅を広げているのです。
ですから、ごく一般の人でも、これまでは、その道のプロしか出来なかったようなことが、思い描くアイデアをかたちに出来る時代がやってきたのです。
同時に、いろいろなプロの人たちも、これまで以上に質の高い作品を短時間で作り上げることが出来るようになったのです。
勿論、企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みも加速し、生産性向上につながります。
ですから、是非、その成果を従業員の賃金上昇に反映していただきたいと思います。
こうした状況は歴史上かつてないような革命的な出来事と言えます。

 
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2024年06月23日
No.5928 ちょっと一休み その 934 『近い将来の戦争のイメージ』
アイデアよもやま話 No.5891 AIの暴走はありうるか?でAIの暴走についてお伝えしました。
そこでは、最後に、少なくとも今の時点では、AIの暴走の根源は人間の暴走であるとお伝えしました。

今回は、このことに関連して、私の描く、近い将来の戦争のイメージについてお伝えします。
軍事的なAI、あるいはAIを搭載したロボットの活用において、ある一定の戦略や戦術のアルゴリズムをプログラム化したAIを搭載した兵器やロボットを投入した場合、その戦闘力はこれまでとは異次元のパワーを発揮します。
なぜならば、AIやロボットは人間と違って、24時間、365日、バッテリーの補給などを除き、休まず戦闘状態を継続出来るからです。
しかも、AIやロボットは生産能力次第で、いくらでも生産出来ます。
ですから、将来の戦争の優劣を決するのは、主にAIやロボットの性能、および、その生産能力ということになります。
そして、こうした戦争の犠牲者は、ただ機械的に戦闘を続けるドローンなども含めたロボットによるのです。
また、こうした戦争に携わる人間の側からすれば、まさに戦争はゲーム感覚になってしまうのです。
その結果、戦争は従来の戦争に比べて短期決戦になり、しかも膨大な犠牲者が出てしまうことになります。
そして、こうしたゲーム感覚の延長線上で、核兵器の投入もハードルが低くなってしまうと見込まれます。

ということで、AIやロボットの戦争への投入については、国際的に戦闘能力に制限を加えることが人類存続のためには必須であると考えられます。

 
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2024年06月22日
プロジェクト管理と日常生活 No.875 『進むインフラの老朽化!』
2月17日(土)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で進むインフラの老朽化について取り上げていたのでご紹介します。 

1960年代、高度経済成長期の建設ラッシュで、道路やトンネルなど、多くのインフラなど、多くがこの時代に整備されました。
そして今、課題になっているのが、そのインフラの老朽化です。
例えば、橋の場合、2040年には全体の75%が建設から50年を超えるとされているんです。(こちらを参照)
老朽化したインフラを整備する自治体を支援しようと企業連合による新たな取り組みが動き出しました。
鉄道会社やメガバンクの経営幹部らが一堂に会した記者会見。
そこで発表されたのは、大手6社の企業連合が立ち上げた「JCLaaS(ジェイクラース)」
老朽化した橋や道路といったインフラの整備事業を全国で始めます。
JR西日本とNTTコミュニケーションズが技術面で、銀行4社が資金面で自治体のインフラ整備を支援する仕組みで、2030年までに100件の受注を目指す。
JR西日本の野々村一志執行役員は次のようにおっしゃっています。
「(インフラの)メンテナンスを維持して行くということに対しても莫大な費用がかかる。」
「今のままやり続けたとしても負担の方が大きくなるような世の中になってしまいますので、転換させるべく手を打っていくことが必要かなと。」

茨城県の西部に位置する桜川市、ここも老朽化したインフラを抱える自治体の1つです。
道路や橋などの管理を担う市の建設課では職員が事務作業に追われていました。
市内のいたるところで道路の老朽化が進む桜川市。
しかし、予算不足のため専門の業者に工事を発注せずに市の職員が自分たちの手で補修を続けているのです。
市民から道路の陥没があるという電話が。
今回も業者に発注すると数十万円かかる工事が1万円ほどの出費で済みました。

更に、こんな問題まで。
桜川市建設課の仁平寿洋課長補佐は次のようにおっしゃっています。
「みんな事務職で入ってきた人だけで、技術職はいません。」

建設課に技術系の職員はいないのです。
職員は7人全員が土木系の専門知識がない事務職。
日々手探り状態で道路の補修作業などを続けているのだといいます。
仁平さんは次のようにおっしゃっています。
「我々のような小さな自治体ですと、あまりコストをかけて補修が出来ないので、自治体だけでこのままで道路を維持していくのは中々難しいんではないかと思います。」

インフラの老朽化は全国で加速的度に進んでいます。
建設後、50年を超える橋は2020年に全国の約30%を占めていました。
しかし、それが2040年には約75%に上ると推定されているのです。
国土交通省(国交省) 公共事業企画調整課の岩井聖さんは次のようにおっしゃっています。
「市区町村においては、人ですとか予算・技術不足など、そういった課題がございまして、メンテナンスの技術体制について懸念があると思います。」

そこで注目しているのは、スタートアップなどが開発する新たな技術です。
例えば、水中ドローン。
自治体が行う港湾設備の点検などで、潜水士の代わりに活用されています。
岩井さんは次のようにおっしゃっています。
「新技術の活用で、いかに効率的・効果的にメンテナンスすることが重要かと思っています。」

一方、株式会社ソラリス(東京・板橋区)にも自治体の期待を集める新技術が。
中央大学発のスタートアップ、ソラリスが開発したのがミミズ型ロボット。
人の手が入らない、直径10cmほどの管の中を独特な動きで進んで行きます。
更に直下に曲がった場所もなんなく通過。
ソラリスの創業者、中央大学の中村太郎教授は次のようにおっしゃっています。
「黒い部分が空気圧の人工筋肉になってまして、ここに空気を入れていくと、膨らんだり伸びたりする挙動が前から後ろに伝搬させていくことによってミミズが移動していくんです。」

ガス管や排水管など、狭くて長い場所への進入が得意で、先端のカメラで劣化している部分を探すことが出来るのです。
企業の工場などでは既に導入の実績があり、現在は下水管の点検に使用するため、自治体を協議を重ねている最中です。
中村教授は次のようにおっしゃっています。
「高度経済成長を経て、様々なインフラの菅がどんどん出来ている。」
「補修の前に検査もされていない状況の菅は沢山ありますので、大きな企業と協力しながら、ニーズに応えていくのがスタートアップの使命かなと思っています。」

こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「ビデオであったように、人手を新技術で代替することが急務なんですよね。」
「国は主なインフラについて、このように点検して修繕がどのくらいまで進んでいるか、公表しているんです。」
「で、(インフラ老朽化修繕率の)昨年3月末はこの数字で(こちらを参照)、気になるのが公営住宅、26%、福祉施設、39.3%、対応が遅れてるんですよね。」
「(能登半島地震でも道路や水道などの損壊が復旧を難しくしている現実があるが、)そうなんです。」
「特に問題は、水道管の耐震化が遅れていることなんですね。」
「全国平均でも主要水道管の耐震適合率があるんですが、4割に過ぎないんですね、」
「被災した地域は特に耐震化が遅れていた。」(こちらを参照)
「(志賀町は10%しかなかったが、事前に水道管の交換などが出来ていれば良かったという指摘に対して、)全くその通りなんですよね。」
「ただ、人口減少という壁があるんですね。」
「珠洲市は人口減少の割合が5割を超えてます。」
「人口が減ると、水道利用の収入が減って、収支が悪化する。」
「で、修繕費用にも住民の負担が重くなって、中々値上げが出来ない。」
「国や自治体が補助しても追いつかないっていうのが実態なんですね。」
「(これは地方だけの話ではなく、こちら、)地方の耐震化の遅れと同時に大都市では老朽化が進んでるんですね。」
「これ、5年前のデータなんですが、水道菅が最も老朽化がしているのは大阪府なんです。」
「水道だけじゃなくて、住宅の老朽化の問題は東京にもありますよね。」
「やっぱり新技術で早く点検して早く手を打つ。」
「それが大事だと思いますね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・1960年代、高度経済成長期の建設ラッシュで、道路やトンネルなど、多くのインフラなど、多くがこの時代に整備された

(今、課題になっているインフラの老朽化)
・建設後、50年を超える橋は2020年に全国の約30%を占めていた
・しかし、それが2040年には約75%に上ると推定されている
・国土交通省(国交省) 公共事業企画調整課の岩井さんは次のように指摘している
 -市区町村では、人や予算・技術不足などの課題があり、メンテナンスの技術体制について懸念がある

(茨城県桜川市の事例)
・茨城県の西部に位置する桜川市も老朽化したインフラを抱える自治体の1つである
・道路や橋などの管理を担う市の建設課では、予算不足のため専門の業者に工事を発注せずに市の職員が自分たちの手で補修を続けている
 -桜川市建設課の職員には事務職だけで技術職はいないが、専門知識がないまま、日々手探り状態で道路の補修作業などを続けている
 -桜川市のような小さな自治体では、あまりコストをかけて補修が出来ないので、自治体だけでこのままで道路を維持していくのは難しいという

(インフラ老朽化の課題対応策)
・老朽化したインフラを整備する自治体を支援しようと企業連合による新たな取り組みが動き出した
・大手6社の企業連合が「JCLaaS(ジェイクラース)」を立ち上げた
 -老朽化した橋や道路といったインフラの整備事業を全国で始める
 -JR西日本とNTTコミュニケーションズが技術面で、銀行4社が資金面で自治体のインフラ整備を支援する仕組みで、2030年までに100件の受注を目指す

(インフラ老朽化の課題対応策の具体例)
・スタートアップなどが開発する新たな技術が注目されている
・水中ドローン
 -自治体が行う港湾設備の点検などで、潜水士の代わりに活用されている
・ソラリスが開発したミミズ型ロボット
 -人の手が入らない、直径10cmほどの管の中を独特な動きで進んで行く
 -直下に曲がった場所もなんなく通過する
 -ガス管や排水管など、狭くて長い場所への進入が得意で、先端のカメラで劣化している部分を探すことが出来る
 -企業の工場などでは既に導入の実績があり、現在は下水管の点検に使用するため、自治体を協議を重ねている

(解説キャスター、原田さんの見解)
・人手を新技術で代替することが急務である
・インフラ老朽化修繕率(昨年3月末)で気になるのが公営住宅、26%、福祉施設、39.3%と、対応が遅れている
・能登半島地震でも道路や水道などの損壊が復旧を難しくしている
・特に問題は、水道管の耐震化が遅れていることである
・全国平均でも主要水道管の耐震適合率は4割に過ぎない
・能登半島地震で被災した地域は特に耐震化が遅れていた
・インフラ老朽化の対応に際して、人口減少という壁がある
 -珠洲市は人口減少の割合が5割を超えている
 -人口が減ると、水道利用の収入が減って、収支が悪化する
・修繕費用にも住民の負担が重くなり、中々値上げが出来ない
・国や自治体が補助しても追いつかない
・地方の耐震化の遅れと同時に大都市では老朽化が進んでい
・5年前のデータでは、大阪府は水道菅が最も老朽化がしている
・住宅の老朽化の問題は東京にもある
・新技術で早く点検して早く手を打つことが大事である

こうして見てくると、以下のように整理出来ます。

(インフラ老朽化の課題)
・少子高齢化
 参照:No.3390 ちょっと一休み その542 『日本の人口は2100年には半減!?』
・地球温暖化に伴う集中豪雨
 参照:プロジェクト管理と日常生活 No.564 『もし東京で豪雨災害が起きたら!』
・大型地震(首都直下型地震や南海トラフ地震など)による膨大な被害

(課題対応策)
・AIやロボットなど、新技術の活用
 -修繕箇所の点検
 -耐震化
 -コストの削減
・コンパクトシティのアプローチに基づく国全体の再構築(添付参照)
 参照:アイデアよもやま話 No.2969 少子化対策としてコンパクトシティ化はいいけれど・・・


添付)

コンパクトシティとは?
ChatGPT

コンパクトシティとは、都市の効率的な機能を維持しながら、環境負荷の低減や生活の質の向上を目指す都市計画の概念です。これは特に、少子高齢化や人口減少が進む地域で重要とされています。コンパクトシティの主な特徴は以下の通りです。

1.都市機能の集約化: 商業施設、医療機関、教育機関などの都市機能を特定のエリアに集中させることで、住民が徒歩や自転車、公共交通機関で必要なサービスにアクセスしやすくします。
2.公共交通機関の充実: 自動車依存を減らし、バスや電車などの公共交通機関の利用を促進することで、交通渋滞や大気汚染の軽減を目指します。
3.居住地の集約化: 人口が減少する中で無秩序な郊外開発を避け、既存のインフラを有効活用するために、居住地を特定のエリアに集中させます。
4.歩行者や自転車のためのインフラ整備: 歩道や自転車道を整備し、歩行者や自転車の移動を促進することで、健康増進や交通事故の減少を図ります。
5.持続可能な開発: 環境に配慮した建築物やエネルギー効率の高いインフラを導入し、持続可能な都市環境を実現します。

メリット
•生活の質の向上: 日常生活に必要な施設が近くにあるため、移動時間が短縮され、生活が便利になります。
•環境負荷の軽減: 自動車の使用が減り、公共交通機関の利用が促進されるため、二酸化炭素排出量の削減が期待されます。
•経済の活性化: 商業施設やサービスが集中することで、経済活動が活発になります。

課題
•初期投資の大きさ: 公共交通機関の整備やインフラの改修には多大な費用がかかるため、初期投資が大きいです。
•既存の都市構造の変更: 既存の都市構造を変えることには住民の理解と協力が必要であり、調整が難しい場合があります。

コンパクトシティの概念は、環境、経済、社会の三つの側面から持続可能な都市を実現するための重要なアプローチとされています。

 
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