2018年10月18日
アイデアよもやま話 No.4150 視力に関係なく見えるメガネ!

6月21日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で視力に関係なく見えるメガネについて取り上げていたのでご紹介します。

 

視力に関係なく見えるメガネを開発した株式会社QDレーザの手嶋 伸貴さんは次のようにおっしゃっています。

「この製品を使うと、近視とか乱視、遠視、老眼に関係なくモノをくっきり見ることが出来ます。」

 

一見サングラスのようなメガネには度が入っていないということですが、このメガネをかけてみるとモノがくっきり見えるといいます。

見えるヒミツは、メガネの内側にある小さなプロジェクターです。

非常に弱いレーザーをプロジェクターから目の中に送り込んで、見たいものを網膜に上書きしているといいます。

通常、近視や老眼の人は水晶体の厚みをうまく調整出来ないので、映像を捉える網膜にぼやけて映ってしまうのです。

ところが今回開発したメガネは、プロジェクターから直接映像のレーザーを網膜に当てているので、視力には関係なく見えるということなのです。

なので、近視などの人でもメガネに付いているカメラが映したそのままの映像を見ることが出来るのです。

また、メガネとスマホをケーブルでつなげば、小さい文字でもすらすらと見えます。

ちなみに、こちらの目に当たっているレーザーは、安全性の国際規格を満たしているので、1日8時間以内であれば目に当てても体に影響はないということです。

手嶋さんは次のようにおっしゃっています。

「まずは医療機器として用途を考えています。」

「視覚障害者の方の見易さを向上するような機械を目指して今開発を進めています。」

 

番組のフィールドキャスターは近視で、裸眼で視力0.1以下ですが、実際にこのメガネをかけると視力検査表で0.7くらいまでは見えたといいます。

視力に悩む人を救うかもしれない未来のメガネ、見るという概念が変わります。

 

なお、このメガネの商品名は「RETISSA Display」で価格は59万8000円(税抜き)で今夏発売予定です。(注:10月18日時点で既に発売中)

なお、カメラ搭載モデルは発売時期未定です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

近視や老眼などでメガネをかけている方は視力の状態の変化に合わせてメガネの買い替えを迫られます。

そこまでいかなくても、疲れた時など体調によって、同じメガネをかけていても文字の見易さが変化します。

また、目の障害により視力を失っている方や弱視の方もいらっしゃいます。

そうした中、今回ご紹介した、視力に関係なく見えるメガネは画期的でまさに“メガネ革命”と言えます。

このメガネの原理からすれば、網膜さえ機能していれば誰でも視力を取り戻すことが出来るのです。

また近視や老眼による視力の変化があっても、このメガネであれば、メガネの買い替えも不要になります。

ただ問題は価格です。

大量生産により、せいぜい10万円以下まで低価格化が進めば間違いなく世界中からの引き合いが期待出来ます。

勿論、遠近両用メガネをかけている私もその一人です。

なので是非低価格化を進めていただきたいと思います。


 
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2018年10月17日
アイデアよもやま話 No.4149 火傷に有用な人工皮膚!

前回、前々回と再生修復にまつわる技術についてご紹介してきましたが、この技術は人体にも及んでいます。

6月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で火傷に有用な人工皮膚について取り上げていたのでご紹介します。

 

農研機構 生物機能利用研究部門の竹澤 俊明主任研究員は人体の再生分野で注目を集めています。

竹澤さんは、再生医療に有用な人工皮膚の原料となる新素材「コラーゲンビトリゲル」を生み出しました。

「コラーゲンビトリゲル」の材料として使われるのが豚の皮です。

皮を特殊な液体に漬けると、密度の低いコラーゲンが出来上がります。

竹澤さんはこのコラーゲンを気温10℃、湿度40%の状態で2日間かけて乾燥させます。

すると、ちょっと厚みのあるオブラートのような感触の「コラーゲンビトリゲル」になります。

火傷にこのシートを貼ると、跡が分からないほど自然な状態に戻ることが動物実験で確認されています。

 

この番組の取材後に大きな動きがありました。

薬品メーカーの祐徳薬品工業株式会社がこの研究に参加することになり、2021年に人工皮膚の治験を開始し、2024年には商品化を目指すことが決まったのです。

竹澤さんは次のようにおっしゃっています。

「(火傷の)急患の方が見えてもこの絆創膏型の人工皮膚を備えておけば、かなりどんなお医者さんでも簡単に取り扱えるというようなものを目指している・・・」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した人工皮膚となる「コラーゲンビトリゲル」シートは貼るだけで跡が分からないほど自然な状態に戻るといいますから火傷の治療法としてとても画期的だと思います。

ですから、不幸にして跡が残るほどの大きな火傷をされた方もいらっしゃると思いますが、こうした方々にとっては大変な朗報と言えます。

また、2024年には商品化を目指すということですので、世界中から多くの引き合いが期待出来ます。


 
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2018年10月16日
アイデアよもやま話 No.4148 切り離しても修復可能なプラスチック!

今回は6月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で切り離しても修復可能なプラスチックについて取り上げていたのでご紹介します。

 

大阪大学では自己修復するゲル状のプラスチックの研究が進められています。

カッターナイフで素材を切り離し、再びくっ付けて7分ほど待つと素材は離れません。

この自己修復のヒミツを分子レベルで見ると、取り外し可能なブロック玩具のような構造になっています。

このためどの場所を切っても、この化学構造が無数に現れるため、ずらせて接触させてもしっかりと修復するのです。

大阪大学の原田 明栄誉教授は次のようにおっしゃっています。

「例えばクルマの場合ですと、コーティングの場合は、傷がついても元に戻る。」

「一旦切れても、またつながる。」

 

この自己修復能力を持つプラスチックをユシロ化学工業株式会社が今年6月から企業向けに商品名「ウィザードゲル」で販売を始めました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

前回は自己修復する塗料についてのご紹介でした。

また、アイデアよもやま話 No.3981 世界初、修復可能なガラス!では修復可能なガラスについてご紹介しました。

こうして、プラスチック、塗料、ガラスとそれぞれ修復可能な素材がクルマのパーツとして使用されるようになれば、クルマは傷付きにくくなり、それだけクルマの修理費もかからなくなります。

 

さて、様々な分野で修復可能な素材の研究・開発が進められているということは、それだけ需要があり、ビジネスに結び付くということです。

やはり“必要は発明の母”と言えるのです。


 
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2018年10月15日
アイデアよもやま話 No.4147 自己修復する塗料!

6月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で自己修復する塗料について取り上げていたのでご紹介します。

 

今、再生する新素材が日本で続々と誕生しています。

その新素材は更なる進化を遂げ、ビジネスチャンスを生もうとしています。

 

傷が自然に治るキャリーバッグ、わずか2秒で元通りになるその秘密とは、塗料メーカー、ナトコ株式会社(愛知県みよし市)が開発した原油由来の塗料にあります。

一見、傷がついているように見えますが、実はへこんでいるだけなのです。

バネのように反発し、元に戻るのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

塗料と言えば、一般的には時間とともに色あせたり、剥がれてくるものです。

また、ひっかき傷も避けられません。

ところが、今回ご紹介した塗料は傷が付いてもバネのように反発し、すぐ元に戻るといいます。

ですから、キャリーバッグなどに限らず、傷付き易いクルマの塗装にもこうした塗料が使えるようになるととてもありがたいと思います。


 
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2018年10月14日
No.4146 ちょっと一休み その668 『世界的に広がる強者の政治!』

7月22日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)で世界的に広がる強者の政治について取り上げていたのでご紹介します。

 

今、世界のあちこちで見受けられる政治の風潮、その根底にあるものとは何でしょうか。

7月19日、イスラエルの国会でネタニヤフ首相は次のように演説しました。

「ユダヤ主義とイスラエルの歴史において、歴史的瞬間だ。」

「ここは我々の国だ。」

「これが我々の言葉だ。」

 

この日、イスラエルの国会で成立した「ユダヤ人国家法」という法律を巡って議場は大混乱しました。

この「ユダヤ人国家法」では、「イスラエルはユダヤ人の歴史的なふるさとであり、民族自決権はユダヤ人のみにある」としたうえで、ユダヤ人が使うヘブライ語だけを公用語にすると認定、アラビア語を公用語から外したのです。

約20%を占めるアラブ系住民を排斥するかのような法律にアラブ系議員は激しく反発しました。

 

「数の力」で強引に押し通される法案、それは他人ごとではありません。

7月11日、日本でも野党の反対を押し切り可決された参議院の「6増」法案、JNN世論調査でも7割近い有権者が反対と答える中、強行された採決に、小泉元総理は次のようにおっしゃっています。

「参議院制度の改革に、あれはなんであんな変なのを出すのか、私は理解出来ないんだよね。」

「よくまた参議院も認めたよね。」

 

この間、森友問題や加計学園を巡る疑惑を置き去りにしたまま、「数の力」で採決強行を繰り返し、「働き方改革関連法案」や「IR整備法案」の法案を次々に可決・成立させていく国会運営には疑問の声が上がっています。

 

こうした中、国際政治に関するある演説が注目されました。

7月17日、南アフリカ・ヨハネスブルグで行われた講演会でオバマ前アメリカ大統領は次のような演説をされました。

「周囲を見渡してみて下さい。」

「突如として「強者の政治」が優勢になっています。」

「権力の座にある人間が民主主義を具現化する全ての制度や規範を壊そうとしています。」

 

オバマさんの指摘する「強者の政治」、勿論その念頭にあるのは“アメリカファースト”を掲げるトランプ大統領の政治姿勢と思われます。

就任以来、イスラム圏からの入国禁止やメキシコとの国境に壁の建設を計画するなど、強引な姿勢が混乱を生みました。

 

しかし、オバマさんが危惧するのはトランプ大統領だけではありません。

こうした「強者による政治」が世界的な風潮になっている現実です。

世界を見渡せば、今年5月にクリミヤ半島でロシアのプーチン大統領は次のような演説をされています。

「帝政時代から人々はこの橋を架けることを夢見てきた。」

「これからも国土全体でプロジェクトを続けていく。」

 

3月の選挙で更に6年、2024年までロシアを率いることになったプーチン大統領は、2014年に併合したウクライナ南部のクリミヤ半島とロシア本土を結ぶ橋を開通させるなど、「力には力」の政治を誇示しています。

 

更に、今年3月、中国の習近平国家主席は次のような演説をされています。

「私たちの人民共和国はたくましく成長し、全く新しい姿で世界の東方にそびえ立っている。」

 

先ごろ、憲法改正により無期限に権力の座に留まることが可能となった中国の習近平国家主席、人権問題や海洋進出など、国際社会が危惧する課題は残されたままです。

 

そしてトルコでも7月9日、エルドアン大統領は次のような演説をされています。

「我々は防衛産業から安全保障まで、トルコをあらゆる分野で強化する。」

 

これまで反政権派の粛清や摘発を行ってきたエルドアン政権、大統領選挙で勝利するや、議院内閣制から実権型の大統領制に移行、更に権力を集中させたことで、EU諸国の懸念を生んでいます。

 

7月17日、南アフリカ・ヨハネスブルグで行われた講演会でオバマ前アメリカ大統領は次のような演説をされました。

「権威主義的な政府が腐敗を生み出すことはこれまで何度もありました。」

「過激なナショナリズムや外国人への嫌悪、人種や宗教的優位性などに頼って国民を抑えていこうとする国々は、結局内戦や戦争で疲弊しています。」

「今、世界はより危険で、より残虐な状態に戻るリスクをはらんでいます。」

 

「私は、平等と正義と自由と他民族による民主主義を信じています。」

「私たちは近年の過去の過ちから学ばなければならない。」

 

さて、以下に一部の番組パネリストによるコメントをまとめました。

寺島 実郎さんは次のようにおっしゃっています。

「「強者の政治」をもし日本人として議論するならば、日本の民主主義を有効に機能させることを我々自身が努力しなければいけないっていうことなんですね。」

「で、参議院の「6増」っていう話に触れておきますけども、なぜ日本が二院制を取っているのかというと、まさに「数の政治」も重要だけども、これは衆議院なんですね。」

「(これに対して、)参議院は「理の政治」という言葉を使っているんですよ。」

「つまり、筋道の通った政治をするために、バランスをチュックするために参議院っていうことなんですね。」

「要するに、政治で飯を食う人を出来るだけ少なくするということが非常に重要なわけで、そういう時に代議制を鍛え直していかなければいけないわけですよ、緊張感を持ってですね。」

「例えば、今回「6増」の鳥取県、島根県なんですけども、人口が今57万、70万、これが3割近く人口が減るだろうと見込まれている状況の中で、さてどうする。」

「僕はこういう地方を無視していいっていう意味で言っているんじゃないんです。」

「逆でね、もし地方のどんなに少なくても1議席つくるんなら、全体の数を圧縮する中で地方を大事にするっていう政治改革の方法、制度設計を議論した方がいいっていいますかね。」

「要するに、政治というものに対する緊張感を持って我々が向き合わないと駄目だということをまず申し上げておきたいです。」

 

大崎 麻子さんは次のようにおっしゃっています。

「オバマさんが過激なナショナリズムで国をまとめあげても、内戦や戦争が起きるっていうのは歴史が示しているとおっしゃってましたけど、まさにその反省を踏まえて1945年以降は普遍的な価値観を共有する多国間の枠組みをつくってきたわけで、その流れの今集約されているのが持続可能な開発目標です。」

「SDGsと言いますけど、そういう国連193ヵ国、全部が合意して、なおかつ政府だけじゃなくて民間企業や市民社会も巻き込んで環境や社会の持続可能性を高めて行こうという枠組みだったり、さっきのEPA、ヨーロッパと日本の経済連携協定もそういう価値観が入っていますし、そういう動きをいかに高めて行くかということも私は非常に重要だなと思います。」

 

荻野 チキさんは次のようにおっしゃっています。

「強者の政治というふうに言った時に、2つ大きくあると思うんですね。」

「一つは独裁的で権力に基づいて言論を弾圧しながら、自分たちの政治体制を維持しようとする古典的な動きがあります。」

「一方、ポピュリズムのように人々の反感をより鼓舞して、人々への弱者のより感情的な高ぶりをよりアピールすることによって、煽ることによって、攻撃心を自分たちなら背負えると、自分たちならあのエスタブリッシュメントを引きずりおろすことが出来ると。」

「そうした路線は、場合によっては、例えばものすごく緊縮路線に行けば、バラマキ路線にも行き得るわけですよね。」

「そうしたような、ある種の好奇心が果たしてそことマッチする仕方でいいのかという、やっぱり個別の政策と見ていく体制をこれからも維持していく、その意味で民主主義の中でいかに政治をコントロールする意志と具体的なシステムがこれから問われるんだなと思いますね。」

 

元村 有希子さんは次のようにおっしゃっています。

「強いものってなんだろうと感じざるを得ないですね。」

「強いというのは、その人が強いわけではなくて、その人の取り巻きが強いわけですよね。」「そして、共通の何かしらの利益によってつながっている、まとまっている人たちが専横を振るうっていうことですね。」

「これは本当に私から見れば男性的、筋肉質的、そして数を頼むっていうイメージがあります。」

「だから、多分弱い人のことが見えているというのが本当の強い人だと私は道徳で習いましたから、例えば今出て来た大統領たちは皆男性ですよね。」

「どうして、もう少し女性的な視点とか弱い人たちの声が彼らに届いてないんだろうってことを素朴に思いますね。」

「だから、日本もパターナリズム、「由らしむべし、知らしむべからず」じゃなくて、もう少し本当に下を虫の目を大切にするような、そんな政治に生まれ変わらなければ世界平和はないなと素朴に思いました。」

 

「今年の始めにイギリスである学者さんにインタビューしたんですが、その方はグローバル経済の結果、民主主義が機能しなくなるという、予言めいたポスト・デモクラシー、次の時代が来ると20年ほど前に予言をした、まさにそういう時代になっているようにも思えるんですが、その中で印象に残った言葉で、「人は不安になると独裁的な指導者を選ぶようになる、それもごく普通の人が悪意なく独裁的な指導者を選ぶようになる」と。」

「これが民主主義のダークサイドなんだと。」

「これがものすごく印象に残っているんですね。」

「思い起こすと、我々は決められない政治というのにちょっと前に苛立って、「早く決めてくれよ」と。」

「やはり、民主主義のコストみたいなものを嫌悪する、「決めてくれよ」という意識は誰にもあると思うんですね。」

「だから、普通の人にもある、自分たちの中にあることを見つめることが民主主義をもう1回立て直すことの第1歩になるんじゃにかなと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず、番組を通して政治に関する一般原則のようなものを私なりに以下にまとめてみました。

・権威主義的な政府や長期政権は腐敗し易いこと

・過激なナショナリズムや宗教は内戦や戦争を引き起こし易いこと

・民主主義はコストと時間がかかること

・一方、独裁政権は判断や行動がスピーディであること

・人は不安になると独裁的な指導者を選ぶ傾向があること

・国民の政治意識のレベルがその国の政治レベルを決定すること

・選挙で投票しても、選挙民はその政党や政治家の政策に100%賛成しているわけではないこと

 

このようにまとめてみると、結局私たち国民一人ひとりの政治意識次第で、国の政治のレベルは規定されるのです。

ですから、私たちはこのことを肝に銘じて少しでも政治に対してしっかりした意識を持つようになることが求められるのです。

政治が悪いからと政治から目をそらし、投票所にも行かなければ、政治家を批判する資格はないと思うのです。

同時に、特に国のあり方を左右するような大きな政策の決定に際しては、国民の声が直接反映出来るような政治制度が求められると思うのです。

 

ちなみに、“アメリカファースト”を唱えるトランプ大統領も多くのアメリカ国民の支持があったからこそ、大統領になり得たのです。

ですから、トランプ大統領の存在は良くも悪くもアメリカ国民の政治レベルを反映した結果と言えます。

 

一方、中国の習近平国家主席は憲法改正により無期限に権力の座に留まることが可能となりましたが、それでも権力維持のためには多くの国民の声を無視することは出来ないといいます。


 
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2018年10月13日
プロジェクト管理と日常生活 No.562 『南海トラフ巨大地震発生のリスク対応策 その3 広範囲に及ぶ被害!』

9月1日(土)放送の「NHKスペシャル」(NHK総合テレビ)では「MEGAQUAKE「南海トラフ巨大地震 “Xデー”に備えろ」」をテーマに取り上げていました。

そこで、番組を通して、南海トラフ巨大地震発生のリスク対応策について4回にわたってご紹介します。

3回目は広範囲に及ぶ被害についてです。

 

“臨時情報” (巨大地震が発生するかもしれない予兆を捉えて公表する情報)は沿岸部の方だけに関係するものではありません。

南海トラフ巨大地震における、国により最悪の場合に想定される震度分布では、東日本大震災の場合よりも震源地が非常に陸にかぶっていますから、震度7の領域も広範囲に及びます。

中央防災会議による、南海トラフ巨大地震の被害想定は以下の通りです。

死者の総計 約32万人

津波   約23万人

 建物倒壊  約8万人

 火災    約1万人

 

建物が倒壊する危険性も高くて、それによって約8万人もの犠牲者が出ると予想されています。

建物が倒壊し、そこから火が出ることによって延焼火災を起こして、それによって約1万人ということで、約9万人の人が津波以外の理由でお亡くなりになるということが予想されています。

 

では、“臨時情報”が出た時のために具体的にどんな対策が必要かですが、専門家は次のようにおっしゃっています。

(名古屋大学減災連携研究センターの福和 伸夫センター長)

「家を直すというのは中々難しいですけども、一番簡単なことは家具の転倒防止ですね。」

「それからもう一つは、いざ火災が生じてもすぐに消せるような消火器(や防災用品)の準備とかが出来ますね。」

 

(東京大学地震研究所の小原 一成所長)

「後は、どこか外出した場合でも、そこでの避難経路の確認であるとか、そういうことは普段以上に気を付けて行うというふうに言いたいですね。」

 

(福和さん)

「これは中々面倒くさくて出来ないことですね。」

「“臨時情報”が出た時ぐらいは本気になって出来ると思いますから。」

「それから、少し後ろに山があるような郊外、こういったところは土砂災害危険度が高いんです。」

「こういった場所も津波と同様に本当に危険なところはあらかじめ避難しておくことが大切だと思います。」

「(東京でも最大震度5強、高層ビルでは東日本大震災以上の揺れが予想されていますが、)そういった場所も事前に何らかの対策をすることで事業を継続し易くする、地震が起きた後、大変生活に困難を伴うわけですから、地震後の生活に対しての準備も出来るんだと思います。」

「少なくとも突発災害じゃなくて、来るかも知れないよという情報はもらえる可能性がある、不確実ではあったとしても何らかの重要なシグナルであるわけですから、社会全体がこれから変わっていく一つのきっかけになるのかも知れません。」

 

(小原さん)

「東日本大震災では事前に兆候をつかむことが出来なかったということは非常に悔しい科学者としての想いをしたわけですけれども、大地の本当にかすかなうめきにも近いようなことにもちゃんと耳を傾けて一歩一歩研究を積み重ねていくということが科学者として責任があるのではないかと思っています。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

南海トラフ巨大地震における、国により最悪の場合に想定される震度分布では、東日本大震災の場合よりも震源地が非常に陸にかぶっており、震度7の領域も広範囲になるといいます。

そして、中央防災会議による南海トラフ巨大地震の被害想定では死者の総計は約32万人といい、2011年の東日本大震災の死者・行方不明者の総計、約2万人弱に比べて膨大な数に上ります。

また1回目でもお伝えしたように、東京、大阪、名古屋で都市機能がマヒ、経済損失は1410兆円、国の年間予算の10倍を超えます。

ですから、世界最貧国に転落する危険性があると言われています。

また甚大な被害が予想される南海トラフ巨大地震が今後30年間に起きる確率は今年2月には70%から80%に引き上げられました。

ですから、明日起きても不思議ではないのです。

 

こうした状況なのですから、国、自治体、企業、公共施設、地区、一般家庭など、それぞれにおいて、すぐに対応出来ること、今後対応することに分けて対応策の検討が求められます。

また普段の暮らしに沿った避難経路の確認もとても大切です。

そして定期的に年1回は避難訓練もすることが必要となります。

“臨時情報”についても、地震の予知精度を少しでも上げ、適切なタイミングで“臨時情報”を出すことにより犠牲者を最小限に食い止めることが出来るのです。

 

ともかく、南海トラフ巨大地震の甚大な被害により、日本は世界最貧国に転落する危険性があると言われているのですから、こうした状況を国民一人ひとりがしっかりと認識し、国を挙げて被害を最小限に食い止めるように真剣に取り組むことがとても大切なのです。


 
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2018年10月12日
アイデアよもやま話 No.4145 高校生のつくったクルマの燃費がリッター291km!』

9月20日(木)付けネットニュース(既に削除済)で高校生のつくった燃費リッター291kmのクルマについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ガソリン1リットルで走れる距離は何と291km、佐賀市高木瀬西3丁目の私立北陵高エコカー部が燃費を競う九州大会の2人乗りで優勝しました。

燃費が悪くなるのは分かったうえで、見た目にこだわった「格好良さ」でも最優秀に輝きました。

 

作ったのは黄色いスポーツカーですが、普通のクルマとは違い、長さ2.9m弱、幅1.2m、高さも0.7m余りしかありません。

タイヤも自転車を思わせるほど小さく細く、後輪ブレーキは自転車の前ブレーキで、後輪を駆動するチェーンも自転車のものです。

エンジンは、使わなくなった50ccバイクから取り外して改良、ハンドルもバイクのものだといます。

軽量化のため、車体は繊維強化プラスチック(FRP)で、厚いところでも1mmほどしかなく、骨組みは細い鉄にしました。

 

優勝ドライバーとなった福井さんは「燃費300kmをめざしたい」と、更に工夫を重ねて記録更新を狙っています。

 

以上、ネットニュースの内容の一部をご紹介してきました。

 

いかにも高校のエコカー部らしく、身近にあるパーツの組み合わせを中心に一見スポーツカーらしいデザインのクルマを作ったところが微笑ましく感じられます。

しかも二人乗りで、ガソリン1リットルでの航続距離が291kmという成果にはビックリです。

ちなみに、燃費がいい市販車の代表的車種、トヨタ「プリウス」の燃費は最長40kmほどです。

また、EVの代表的車種、日産「リーフ」の最新モデルはバッテリー容量が40kwh、フル充電での実質的な航続距離は約260kmです。

これらと比較してもいかに今回ご紹介したクルマの燃費が凄いかが分かります。

最高時速は分かりませんが、是非このクルマを実際に見て、出来れば試乗もしてみたいと思います。


 
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2018年10月11日
アイデアよもやま話 No.4144 開けづらいビニール袋を簡単に!

6月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で開けづらいビニール袋を簡単に開けられる装置について取り上げていたのでご紹介します。 

 

中学1年生の近藤 菫(すみれ)さん(12歳)が発明したのは、スーパーの小さいビニール袋を簡単に誰でも開けることが出来る装置です。

スーパーに置かれている、ひっついて開けづらいロール状のビニール袋をパッと開け易くしたホルダーです。

 

番組で試してみると、ビニール袋を引っ張ると樹脂でできた筒状の滑り止めに引っかかり、はがれ易くなります。

更に富士山のかたちをしたカッターでパッと切り取れます。

どうしてこの装置を作ろうと思ったのか、その理由について近藤さんは次のようにおっしゃっています。

「母と一緒にスーパーに行く時に、小さいビニール袋を開けるお手伝いをするんですけど、その時に母が濡れた雑巾を触るのが汚くて不潔・・・」

 

近藤さんは小学生の時に発明クラブに所属、2年前にお母さんの悩みを解決しようと1ヵ月かけて開発しました。

清潔にサッとビニール袋を開けられるということで、商品名は「Clean&easy」です。

実は第76回全日本学生児童発明くふう展で内閣総理大臣賞を受賞しているのです。

近藤さんは次のようにおっしゃっています。

「(どこかから声がかかったかという問いに対して、)まだないんですけど、実用新案を取得しているので、将来的には来るかもしれません。」

「困っている人のために役立てればいいかなと思っています。」

 

なお、近藤さんは科学館が以前から好きで、小さい頃から科学館に連れて行ってもらっており、そこで知った原理を何か自分の身近な生活のものに生かせないかというところから、いつもこういったアイデアが浮かんでいるといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

私もよくスーパーに買い物に行きますが、そのたびにビニール袋が開けづらくて、そばに置いてある濡れた雑巾のお世話になっています。

なので、何とかならないのかと思っていました。

そうした中、番組で見るかぎり、近藤さんの発明した装置はビニール袋を簡単に開けられる、とても便利な装置だと思いました。

なので、是非どこかのメーカーが手を挙げて近藤さんの発明した装置を市販化して欲しいと思います。

また、近藤さんはとても発明家としてのセンスがあるようなので、今後とも暮らしに役立つ装置の発明に取り組んでいただきたいと思います。

 

私たちの暮らしの中には、まだまだ“コロンブスの卵”的な沢山の発明が眠っているのです。

そして、これまで繰り返しお伝えしてきたように、アイデアは存在し、見つけるものなのです。


 
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2018年10月10日
アイデアよもやま話 No.4143 複合現実(MR)の先にあるものとは・・・

VR(Virtual Reality 仮想現実)、そしてAR(Augmented Reality 拡張現実)はかなり普及してきていますが、前回はその先にあるMR(Mixed Reality)、すなわち複合現実という技術の持つ様々な可能性についてご紹介しました。

 

しかし、MRはあくまでも目に見える現実の世界に限定されます。

私たちは目をつぶっていても、いろいろなことを心の中でとりとめもなく思い描いています。

ですから、私たちの活動を最大限に効率よくさせるためには、心の動きに応じた様々な疑問に応える何かが求められるのです。

その何かとは、MRのインターフェイスであるゴーグルに私たちが考えている頭の中の情報を文字に変換出来る機能を追加することです。

 

また、私たちはよく物忘れをしますが、何かの拍子で思い出すことがあります。

ということは、私たちが意識する、しないに係わらず、頭の中にはこうした記憶域があるわけです。

ですから、更にこうした記憶域にある情報を外部記憶装置に整理したかたちで記憶しておくことにより、私たちは脳の活動を更に効率よくさせ、最大限に活用することが出来るようになるのです。

しかも、ある特定の技術分野において、こうした個人の頭脳の情報が他の人の頭脳の情報、更にはAIと結びつくことにより飛躍的な発展が期待出来ます。

 

しかし、こうした技術が実際に実用化されれば、いろいろな弊害が出てきます。

もし、頭の中の記憶域にある情報を保管した外部記憶装置を他の誰かに盗み見されるようなことがあれば、究極の個人情報の窃盗になります。

その影響は計り知れませんし、取り返しが出来ません。

 

ですから、実際にMRの先にあるものが個人の頭の中の記憶と結びつくような技術が実用化されるようなことになれば、その時には個人情報をいかに保護するかが最大のハードルになると思います。


 
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2018年10月09日
アイデアよもやま話 No.4142 複合現実(MR)で働き方改革!?

以前、アイデアよもやま話 No.3874 臨場感あふれる複合現実ライブ!で複合現実ライブについてご紹介しました。

そうした中、6月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で複合現実(MR)の現状について取り上げていたのでご紹介します。 

 

今、最先端の技術が更に進化しています。

VR(Virtual Reality)は仮想現実、そしてAR(Augmented Reality)は拡張現実ですが、その先にMR(Mixed Reality)、すなわち複合現実という技術が生まれているのです。

 

まず、VRはゴーグルを着けてコンピューターグラフィックス(CG)の世界に入り込んだかのような体験が出来るという技術です。

ARはスマホなどの端末を使って、実際の風景にCGの映像を重ね合わせるという技術です。

そして、このVRやARの技術を進化させたものがMRという技術なのです。

MRはARのように現実にCGを重ね合わせるだけではなくて、自分の手で空間をタッチして操作することが出来るのです。

このようなMR技術を今、製造現場などで活用する動きが始まっています。

 

6月20日、東京ビッグサイトで始まった3D&バーチャルリアリティの展示会では、多くのブースでゴーグル型の端末をかけた来場者の姿が見えます。

建築物のCGなどを手掛ける株式会社シェルパで、番組キャスターがMR技術を体験しました。

展示ブースの空中に現在の温度や湿度を表示する画面が浮いています。

更にインターネットで情報をクリックするような感じでクリックしたものの詳細が画面の下の部分に表示されます。

温度の画面を指でタップすると、新たに数時間の温度の推移を表す画面が表示されます。

こうして現実とCGの融合画面を操作出来るのがMRの特徴です。

 

その秘密はマイクロソフトがITエンジニア向けに販売するゴーグル型端末「ホロレンズ」にあります。

ゴーグルの前面に付いたセンサーで指の動きを認識して操作出来る仕組みです。

シェルパのCEO、山崎 文章さんは次のようにおっしゃっています。

「かなり可能性を秘めた分野だと思います。」

「まだまだ認知度は低いとは思うんですけど、これからどんどんいろんなサービスを作って受け入れていただくようなかたちで持っていきたいなと思っています。」

 

会場ではMR技術の実用化に向けた取り組みも見られます。

キャノンのブースに展示されているMRシステム「MREAL」のゴーグルの上の角のようなものはブースの上に取り付けられた光学センサーによって頭の位置を検出するための目印です。

このゴーグルを着けると、VRの製造現場とARの現実世界が複合されたかたちで現れます。

これは、MRを活用して自動車工場で効率よく組み立てが出来るかどうかをシミュレーションするものです。

距離感をつかむことによって、作業員の負担を減らす製造ラインの設計が出来るといいます。

 

一方、株式会社ポケット・クエリーズのブースでは、佐々木 宜彦社長が次のようにおっしゃっています。

「これは東京電力さんと共同で研究を進めている発電所の設備点検に使うためのソリューションとなっています。」

「実際には本当の機械があって、そこにセンサーの情報がパネルで浮いて見えるという仕組みになってるんですけども・・・」

 

MRで発電所にある様々な機械のデータの表示や点検個所などを示すことが出来る仕組みで、来年度の実用化を目指しています。

このシステムを使えば、現場で作業マニュアルを確認したり、熟練作業者から遠隔でアドバイスを受けられたりします。

 

ポケット・クエリーズは、ゲームソフトの開発会社です。

ゲーム開発技術がMRのビジネスに欠かせないといいます。

ポケット・クエリーズの佐々木さんは次のようにおっしゃっています。

「今までと違った概念のユーザーインターフェイスが必要になっています。」

「で、ゲームの世界は企画段階で今までにない未来的なものを考えたりするので、ゲーム開発会社がMRに関しては実用ソリューションを展開していくというのが、実はこれから求められている。」

 

このMRは今後様々なビジネスの現場に広がっていきそうですが、例えばアパレルの現場であれば、ゴーグルを通して商品を見ただけで在庫状況を把握することも出来るし、ゴーグルにリアルタイムで指示も出来るので研修などにも活用出来るといいます。

なのでMRで働き方が今後大きく変わっていきそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して、あらためて私たちの行動パターンについて考えてみたくなりました。

私たちが行動する際には、遊びにおいても、仕事においても必ず何らかの目的を伴います。

そして、目的達成のために行動を起こすと、分からないことや知りたいことなど、いろんなことが頭の中に浮かんできます。

そのたびに、関連文書を読んだり、周りの人に聴いたり、スマホやPCでネット検索するなどして理解しようとします。

こうした場合、すぐに解決することもありますが、時間がかかる場合もあります。

そして、途中で諦めてしまう場合もあります。

 

実は、今回ご紹介したMRは、こうした私たちの行動パターンの個々のプロセスにおける問題解決のためのインターフェイスとして大いに期待出来るのです。

ですから、MRは働き方改革に限らず、私たちの日々の暮らしにおいてもとても有効なツールとして活用されていくと思われます。

なお、こうしたテクノロジーのベースには言うまでもなくAIやIoTがあるのです。


 
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2018年10月08日
アイデアよもやま話 No.4141 夢のようなDIYバイオ!

6月18日(月)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でDIYバイオについて取り上げていたのでご紹介します。

 

DIY(Do It Yourself)とバイオテクノロジーというこの2つの言葉がくっつくとDIYバイオ、つまり生物科学の実験や研究を自宅などでするという人がアメリカを中心に増えています。

 

カリフォルニア州に住む18歳の男性は、ある微生物に光るクラゲの遺伝子を組み込んだことで光ります。

また、酵母の遺伝子を改変して“光るビール”を作りました。

更にこの男性が作り出したトマトは牛肉の甘味の元になる遺伝子を組み込んでいて、ビーフステーキ風の味がするトマトを作りました。

 

一方、カリフォルニア州で共同実験室で市民グループが取り組んでいるのは糖尿病の治療薬、インシュリンを安く作る研究です。

発展途上国の患者などを救いたいと考えています。

 

このDIYバイオ、日本でもユニークな挑戦をしている人たちがいます。

週末、都内の雑居ビルに集まった人たち、真剣に議論しているのが自宅で肉を培養する方法です。

牛や鶏の細胞を培養して食肉を作ろうというプロジェクトです。

このプロジェクトの代表者、羽生 雄毅さんは次のようにおっしゃっています。

「今の畜産が抱える問題を解決しようという大きな流れなんですが、ゆくゆくは“自宅で肉を育てる”みたいなものを実現しようとしています。」

 

実は5年前、オランダの大学教授が世界で初めて培養した肉を披露したのです。

培養肉のハンバーグを試食した女性は、本物の肉みたいだという感想を述べています。

培養したのは、牛の筋肉から採った幹細胞で、最先端の再生医療技術を応用することで実現しました。

牛を殺すことなく、食肉を作り出せる画期的な技術の誕生です。

 

今、世界中のバイオマニアやベンチャー企業がこぞって研究に乗り出しています。

将来、食料革命を起こせると、投資家たちも期待を寄せています。

アメリカの投資会社のアレックス・コペリアンさんは次のようにおっしゃっています。

「ハンバーグ1枚分のコストは大きく下がったとはいえ、2000〜3000ドルかかるので、まだ市場に参入出来るレベルではありません。」

「でも将来的には普通の肉と同じかそれよりも安い価格になるでしょう。」

 

日本で挑戦しているのは、ショウジンミート・プロジェクトで、精進料理から採りました。

メンバーは高校生から会社員、主婦まで約40人です。

その中の一人、会社員の杉崎 麻友さん(25歳)は大学院でバイオテクノロジーを専攻していました。

杉崎さんの実験室は自宅のマンション、リビングの一画で鶏肉の細胞を培養しています。

平日は外資系の企業でITコンサルタントをしている杉崎さん、帰宅して細胞の成長を見るのが一番の楽しみです。

杉崎さんは、今は莫大なコストを下げるためにいろいろな工夫を試しています。

高価なものは1台数百万円する培養装置、杉崎さんは簡易的なものをネットショッピングで5万円で購入しました。

培養に大切なCO2の量は重曹水を使って調整します。

そして細胞を取り出す時に使うのは扇風機です。

遠心分離機の代わりに使っているのです。

手軽な実験で大きな成果を生み出せるかもしれないと、杉崎さんは多くの人に参加して欲しいと考えており、次のようにおっしゃっています。

「みんなで培養肉をつくるための技術をどんどん磨いていきましょう。」

「効率よく細胞が増えていけるような実験系を確立させていきたいなと思います。」

 

培養肉のなどDIYバイオにはビジネスとしての注目も集まっています。

6月11日の週に千代田区で開催されたDIYバイオのセミナーには商社や投資家など約70人が参加しました。

セミナーでは以下のような説明がありました。

「培養した細胞そのものが商品・製品になるパターンです。」

「150兆円の食肉市場を目指している段階にあります。」

 

参加した投資会社からは非常に大きな産業になるという期待の声がありました。

 

このDIYバイオは今後どんどん増えていくと思われますが、番組で紹介された日本の人たちは法律に則っているのですが、急激に広がっているアメリカでは次のような人が現れています。

昨年ユーチューブで公開された映像では、腕に注射をしています。

この男性が自分で設計した遺伝子を注射していて、筋肉を増強する可能性があるといいます。

今のところ体に影響は出ていないそうですが、批判の声など世界的な反響を呼びました。

この分野に詳しい早稲田大学理工学部の岩崎 秀雄教授は、遺伝子改変を行うと、必ず副作用があると考えるべきだと指摘しています。

 

今後、生命倫理に係わる実験を個人が行うようになると、リスクを伴うのでそれをどう規制するのか今から検討する必要がありそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

以前、どこかで今後注目すべき技術はバイオテクノロジーであるというようなことを耳にしたことがあります。

この時はあまりピンと来ませんでしたが、この番組を見てなるほどと思いました。

 

今回ご紹介したDIYバイオについて、以下にまとめてみました。

・バイオテクノロジーは牛や鶏などを殺すことなく、遺伝子操作だけで食肉を作り出せる画期的な技術であること

・このバイオテクノロジーの実験や研究は自宅などで比較的容易に出来ること

・今、世界中のバイオマニアやベンチャー企業がこぞって研究に乗り出していること

・今はまだバイオテクノロジーにより作られた食品は高価だが、いずれ現行の食品の代用として期待出来ること

・将来、食料革命を起こせる可能性を秘めており、投資家たちも期待を寄せていること

・食品だけでなく、糖尿病の治療薬やインシュリンを安く作る研究も進んでいること

・更に一般人が自分で設計した遺伝子を注射しており、筋肉を増強する可能性があること

・遺伝子改変を行うと、必ず副作用があると考えるべきだと専門家は指摘していること

・今後、生命倫理に係わる実験を個人が行うことはリスクを伴うこと

・こうしたリスクをどう規制するのか今から検討する必要があること

 

こうしてまとめてみると、バイオテクノロジーの食品への応用は、まさに食料革命を起こせる可能性を秘めています。

夢のような話ですが、将来、私たちは誰でもが自宅で簡単に遺伝子操作により、味や栄養の観点から自分好みの食品を作り出せるかもしれないのです。

更に医療薬や筋肉増強など人体改造にまでDIYバイオは及ぼうとしているのです。

更にその先には、遺伝子組み換えなどの遺伝子操作により、私たち人類はヒトも含めてあらゆる生物を自分好みに自在に改変することが出来るようになるかもしれないのです。

しかし、専門家が指摘しているように、こうした技術は遺伝子改変による副作用のリスクが伴います。

そして、このリスクが発生した場合、取り返しのつかない事態を生んでしまうかもしれないのです。

ですから、バイオテクノロジー、中でもDIYバイオの普及にあたっては、副作用などのリスクを十分に検討すること、および規制の強化が世界的に求められるのです。

 

このようなバイオテクノロジーですが、将来人類が宇宙や他の惑星で暮らす場合のことを考えると、日々の暮らしにとって欠かせない技術だと大いに期待出来ます。


 
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2018年10月07日
No.4140 ちょっと一休み その667 『台風24号を経験して思ったこと』

9月30日(日)の夜10時頃から10月1日(月)の明け方にかけて東日本を通過した台風24号は房総半島にも被害をもたらしました。

この時たまたま外房の海沿いの実家に帰省していた私もこの台風の被害を久しぶりに経験しました。

そこで、今回はこの時に感じたことをお伝えします。

 

9月30日の日中は比較的いい天気でまさに“台風前の静けさ”という感じでした。

そして午後9時頃就寝したのですが、0時過ぎにトイレに起きた時にはまさに暴風雨状態でその後は大雨が家に吹き付ける音、そして最大瞬間風速が30mを超えていると感じた強風により築100年近くになる家がミシミシと鳴る音で不安を感じて夜明けまで眠ることが出来ませんでした。

更に、3時頃から何回か断続的に停電があり、その後停電になってしまいました。

この時に役立ったのが事前に用意していたランタン型の照明器具です。

このお蔭であわてることもなく、夜中にトイレに行く時など室内を歩くことが出来ました。

更にランタン型の照明器具だと、テーブルの上に置いてパソコンなども使うことが出来ました。

また、いつも持ち歩いているバッグにフル充電したスマホの充電用の携帯用バッテリーを入れてあったのでバッテリー切れにならず、スマホでちょくちょく台風の様子を確認することが出来ました。

ということで、最新の台風情報を把握したり、家族や友人・知人などとお互いに連絡を取り合ううえで、今やスマホは必須です。

ですからスマホの充電用にフル充電した携帯用バッテリーを手元に置いておくことも必須なのです。

 

夜が明けて台風が過ぎ去った後も半日近くは風速10〜20m近くの風が続いており、海もかなり荒れていました。

この時、あらためて台風の広範囲にわたる威力の凄さを感じました。

 

さて、朝方、外の様子を見ようと実家の周りの様子を見に出かけたところ、庭の木が1本倒れていました。

そして

また、私の実家は小さな漁港に面しているのですが、漁師の作業場になっている小さな小屋のトタン屋根の一部が吹き飛んでおり、また他の小屋の1つは土台を残して横倒しになっていました。

実はこの横倒しになった小屋のそばに電柱があり、その電柱に備え付けの機器の一部が破損してしまい、それが一部の家の停電の原因になっていることが後でわかりました。

 

さて、停電により困ったのは食べ物をどう食べるかです。

普段は高齢の父が一人暮らしをしており、出来合いの食品をスーパーやコンビニで買って、電子レンジでチンして食べているので、困ってしまいました。

ところが、幸いにしてガスは大丈夫でしたので、電子レンジの代わりにガスを使うことにしました。

大きめの鍋に水を入れ、その上に温めたい食品を容器ごと載せて暫くガスでお湯を沸騰させたのです。

このくらい温めれば大丈夫だろうと思った時間に容器を取り上げてみたところ、容器の底はほとんど熱くなっていませんでした。

そこで今度は別の透明で薄めの容器に入れて熱したら、今度はすぐにフニャリと曲がってしまい、慌ててすぐに取り出しました。

ではどうするかですが、最初の容器よりも多少薄めの容器に入れ替えて試してみたところ、今度は電子レンジでチンしたのと同様の具合に温めることが出来、無事にいつものような食事にありつけました。

ということで、コンビニなどで販売されている食品の容器の中には種類によって断熱性が考慮されているとあらためて思いました。

また私の自宅もそうですが、オール電化のお宅では、停電対策としてカセットコンロを常備しておくことが必要です。

 

夜が明けて、10月1日、いつも早朝に一人太極拳をしている、実家からトンネルを一つくぐった海岸に行こうとしたところ、時速20mを超えるような連続した強風と波しぶきで途中で引き返してしまいました。

この時感じたことは、地形や風の向きによって同じ地域でも風の威力が異なるということでした。

 

また今回の台風では思わぬ被害に遭いました。

それはテレビなどでも報道されていた塩害です。

強風に乗って波しぶきが飛んで来て塩分が駐車しているクルマの表面に付着していたのです。

塩分は見た目にも明らかにかなりの量であり、クルマの表面の塩分を布で拭き取ろうとすると場所によっては塩分を水で溶かしたようなドロドロ状態でした。

こうしたこともあって、千葉市内では悪天候にも係わらず洗車場にクルマの行列が出来ている様子がテレビで報道されていました。

塩分が付着したまま放置すれば錆びる恐れがあるので洗車場に駆け込んでいたのです。

なので、私も台風25号が去った後、あらためて最寄りのディーラーで洗車場してもらおうと思っています。

 

報道によると他にも塩害についてはいろいろとあるようです。

10月1日以降、千葉県や神奈川県の沿岸部で通報が相次いだ、電線などから火花が散る現象、電線などに付着した海水が原因と見られています。

そのメカニズムですが、電気を通さない絶縁体に“塩水”をかけて電気を通してみると、次々と放電、そして激しく発光し、ショートしてしまいました。

これは、付着した塩水が乾くことで水分が蒸発し、電気を通し易い“塩”だけ残ってしまったからなのです。

10月3日、京成電鉄で停電が発生し、一時運転見合わせ、約7万2000人に影響しました。

停電の理由は送電線からの出火、これも送電線に吹き付けられた海水が関係し、ショートしたことが原因と見られています。

 

10月5日朝、千葉県などにある京成線の送電設備3カ所から火花が出ているのが見つかり、京成電鉄は午前9時32分から京成上野―成田空港間など全線で運転を取りやめました。

台風24号による強風で海水が巻き上げられ、塩分が架線に付着したことによる塩害と見られています。

また、JR総武線の千葉駅でも午前6時頃に架線から火花が散り、一部の電車に遅れが出ました。

同じく、塩害の可能性があるということです。

この他にも塩害の被害は農作物にも及んでいます。

塩害で葉っぱが傷んでしまい。売り物にならなくなり、農家は大打撃です。

また、消費者にとってもその分価格も跳ね上がってしまうのです。

 

さて、停電を巡って東京電力とのやり取りがありましたが、結果として10月1日の夜10時頃にようやく復旧しました。

電気が復旧した時に、停電だった家の明かりがパッと点いた時には思わず「ようやく点いた」と心の中で叫んでいました。

停電していた時間は10月1日早朝の3時頃からその日の夜10時頃までの7時間ほどでしたが、それでも照明が点かなかったり、テレビが見れなかったり、バッテリー切れでパソコンが使えなくなったり、電子レンジが使えなかったり、シャワーが使えなかったりといろいろと不便を感じました。

ちなみに、台風24号の影響で千葉県内だけでも8万戸で停電したといいますが、他の都道府県でもかなりの停電があったようです。

報道によれば、静岡県内では最大70万戸以上も停電したといいます。

 

停電に関して思ったのは、停電であることを電力会社に電話で伝えようとしても回線が混んでいて何度かけ直しても中々つながらなかったことです。

この件については、是非電力会社に対応策を検討していただきたいと思います。

 

さて、実家の近所の人から今回の台風24号について、「今まで経験した中で最も被害が大きかった」と聴きましたが、地球温暖化の進行とともに台風は今後ともより大型化し、より大きな影響をもたらすと考えられます。

また、地球温暖化対策もすぐに効果をもたらすことは出来ません。

また台風24号が去ったと思ったら、今週末も台風25号が日本海側を縦断する経路をたどっています。

ですから、大型台風の被害を最小限に食い止めるために、巨大地震対策と同様に、停電対策やいざという時に避難出来る場所の確保などの対応策を日頃からしっかりとしておくことが必要なのです。


 
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2018年10月06日
プロジェクト管理と日常生活 No.561 『南海トラフ巨大地震発生のリスク対応策 その2 民間による長期に及ぶ事前避難対策!』

9月1日(土)放送の「NHKスペシャル MEGAQUAKE「南海トラフ巨大地震 “Xデー”に備えろ」」では以下のような内容を伝えていました。

そこで、番組を通して、南海トラフ巨大地震発生のリスク対応策について4回にわたってご紹介します。

2回目は民間による長期に及ぶ事前避難対策についてです。

 

南海トラフ巨大地震発生で長期に及ぶ事前避難にどう備えるのか、住民自ら対策に乗り出した地域があります。

最大34mもの津波が想定される高知県黒潮町、高齢化率は4割を超えています。

町はこれまで巨大地震に備えて津波避難タワーの整備などを進めてきました。

しかし、津波避難タワーでは長期間の事前避難は困難です。

また、避難所に指定された学校は“臨時情報”が出た場合でも通常通り授業が行われている可能性があります。

そこで住民たちが始めたのが高齢者などが事前避難出来る場所を探すことです。

黒潮町芝地区の区長、篠田 博さんがある日訪れたのは山間にある研修施設です。

この施設に事前避難をさせて欲しいとお願いに来たのです。

こちらの施設は、お風呂や炊事場など事前避難が長期に及んだ場合でも生活出来る設備が整っています。

今後は高台の住民にも高齢者や体の不自由な人を受け入れてもらえないか交渉していく予定です。

 

“臨時情報”が出た時、安全を確保しながらどう事業を続けるのか、企業でも検討が始まっています。

静岡市の沿岸にある総合物流会社、鈴与カーゴネット株式会社では、連絡手段の確保や自宅でも仕事が出来る体制づくり、出張の制限など、ある日の対策会議では約20もの事前対策が提案されました。

ある社員は次のようにおっしゃっています。

「今までは発災ありき、発災後のことを全て考えてましたけど、(事前に)どういう行動を取れるかというのも今回(会議を)やって気づきになりました。」

 

こうした状況について、名古屋大学減災連携研究センターの福和 伸夫センター長は次のようにおっしゃっています。

「(“臨時情報”が出て、地震が起きる前にどう行動するかについて、)これまでと全く違った対策の仕方が今出て来たわけですね。」

「少し工夫をすれば、被害を減らす努力は比較的簡単に出来るんですね。」

「ですから“臨時情報”が出た時にどんな対応をすべきかということをあらかじめ考えておくことが非常に大切だということが分かりましたね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

地震で甚大な被害が出た場合、学校の体育館が緊急避難施設としてよく使われます。

しかし、こうした場合の雑魚寝状態では特に高齢者への負担が大きくなります。

また、前回ご紹介した“臨時情報”(巨大地震が発生するかもしれない予兆を捉えて公表する情報)が出た場合でも通常通り授業が行われている可能性があります。

そうした中、番組で取り上げられた黒潮町芝地区の取り組み、すなわち被災時に避難先として利用しても影響が少なく、設備の整っている施設をあらかじめ確保しておくことはとても有効だと思います。

 

また、総合物流会社、鈴与カーゴネット株式会社による以下の取り組みは、災害時における企業としての事業継続の観点からとても的を射ていると思います。

・連絡手段の確保

・自宅でも仕事が出来る体制づくり

・出張の制限

 

この他にも以下のような項目の検討が必要となります。

・緊急時対応の発令

・緊急時の体制

・代替オフィスの確保

・重要データのバックアップの遠隔地での保管

 

こうした検討の結果は、一般的に「災害時対応マニュアル」、「災害復旧計画書」、あるいは「事業継続計画(BCP)」などとして文書化し、関係部門に配布され、定期的な見直し、あるいは予行演習がなされるのが一般的です。

 

南海トラフ巨大地震、あるいは首都直下型地震など、甚大な被害をもたらす地震はいつ発生するか分かりません。

明日、発生するかも分からないのです。

ですから、被害を最小限に食い止めるために、個人や家族として、あるいは企業としてもいざという時の備え、すなわちリスク対応策をしっかりと検討しておくことがとても大切なのです。

そうした備えを怠れば、きっと“Xデー”が来た時に後悔することになってしまいます。


 
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2018年10月05日
アイデアよもやま話 No.4139 話題のフィンガーダンス!

9月8日(土)放送の「サタデープラス」(TBSテレビ)でフィンガーダンスについて取り上げていたのでご紹介します。

 

3人組の男性グループ、XTRAP(エクストラップ)による世界が大絶賛する超絶パフォーマンス、それは指だけで幾何学模様を次々と織りなしていく、まさに万華鏡のよう、フィンガーダンス(動画はこちらの1番目2番目を参照)と呼ばれるものです。

そんな指や手だけで表現するダンスは、今、若者の間で大ブームといいます。

毎年、世界大会も開催される程なのです。

現在、ウェブ上で流れる大手化粧品メーカーのCMもフィンガーダンス、更に若い子の間ではフィンガーダンスを踊ってSNSに投稿するのが大流行中なのです。

 

そんな話題のフィンガーダンス、日本における第一人者を結集したのがXTRAPなのです。

これまで海外でテレビ番組の出演やライブなど40回以上を重ね、評価を受けて来たXTRAPですが、3人のメンバーはそれぞれ輝かしい経歴の持ち主なのです。

3人はソロの活動もしており、番組で紹介された、水晶玉を手のひらの上で操作する動きには思わず見とれてしまいました。

ちなみに、この操作を独自に習得するまでに3年かかったといいます。

また、テレビで初披露された、3人による、あらかじめ録画された映像とのコラボによる60本の指が織りなす万華鏡のパフォーマンスは圧巻でした。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

指を使ったエンターテイメントと言えば、以前から影絵やパントマイムがありましたが、今回ご紹介したフィンガーダンスは、更に指の動きによる表現力を進化させたもののように思います。

ちなみに、フィンガーダンスの起源が気になったのでネット検索したところ、2008年頃からアメリカを中心に広まった指をメインに使ったダンスのジャンルといいます。

 

日本のXTRAPの3人によるパフォーマンスは、指による動きを極限まで追求し、更に3人の指の動きがピタッと合うことによる、アナログな指の動きでデジタルな表現に迫るものと感じました。

指でこれほどの表現が出来ることにはとても驚きです。

XTRAPはまだこれからも指による新たな表現を追求していくといいますから、これからもどんなパフォーマンスが生まれるのかとても楽しみです。


 
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2018年10月04日
アイデアよもやま話 No.4141 リラックス効果のある見えるアイマスク!

アイマスクといえば、目をマスクで覆い、目の疲れを癒したり、明るい場所でも寝易くするために使われます。

そうした中、6月7日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で見えるアイマスクについて取り上げていたのでご紹介します。

 

山本化学工業株式会社が開発したのは、常温赤外線を放射するバイオエスペランサ素材を100%使用した最新アイウェア商品の「バイオエスペランサ めぐり美アイウェア」です。

ちなみに価格は2万9500円(税別)で、6月14日より販売開始予定です。

この商品について、山本 富造社長は次のようにおっしゃっています。

「寝る時につけるアイマスクではなく、昼間に皆さんが活動的に仕事をしたり、いろいろなことを楽しんでいる時につけるためのアイマスク。」

 

アイマスクに使用している特殊な繊維が自分の周りの赤外線を吸収しながら、目の周りに放出、その赤外線によって血流がよくなり、パソコンなどの作業をしている間も目の筋肉をリラックスさせるということです。

 

それだけではありません。

脳もリラックスするというのです。

脳のリラックス効果を検証した吉祥寺盛岡眼科の森岡 清史院長は次のようにおっしゃっています。

「リラックスしている時に特殊な脳波成分が出ていることが分かりました。」

 

そこで、番組で実験をしてみました。

漢字と文字の色が違うのですが、色の方を答えて、その時間を計ります。

アイマスクをしていない状態では28秒でしたが、アイマスクをした状態では19秒という、番組のフィールドキャスターの結果でした。

この結果について、森岡院長は次のようにおっしゃっています。

「脳の消耗が減って、答え易くなった。」

 

同じ実験を50人に行ったところ、5〜10秒縮まるという結果が出ました。

既に鉄道会社などから声がかかっているそうです。

山本社長は次のようにおっしゃっています。

「今のところ年間1万個を目標に生産しています。」

「(1万個売れそうかという問いに対して、)以前から実績を見ていますので、ほぼ大丈夫かなと。」

「1万個は少なめの設定。」

 

実は、穴の開いていない赤外線のアイマスクは10数年前から発売していたそうで、それが予想以上のヒットだったということから、今回の見えるアイマスクも自信があるといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した赤外線のアイマスクの原理は、特殊な繊維が自分の周りの赤外線を吸収しながら、目の周りに放出、その赤外線によって血流がよくなり、パソコンなどの作業をしている間も目の筋肉をリラックスさせるということです。

しかし、この商品の価格は税抜きでも3万円ほどします。

ですから、いくら目の筋肉や脳のリラックスに効果があると言っても、個人で購入するのはちょっと厳しいです。

 

そこで注目すべきは、目の血行を良くすることこそが目の筋肉をリラックスさせることにつながるということです。

ならば、赤外線のアイマスクを購入しなくても、目の血行を良くするためのマッサージを自分で出来れば同じような効果を出せるということになります。

更に、目だけでなく、身体全体の血行を良くする運動をすれば、身体全体をリラックスさせることが出来るのです。

 

このように考えると、マッサージやラジオ体操、あるいはヨガ、気功、太極拳といったような身近な運動でも血行を良くすることは出来るのでリラックス効果は得られると思うのです。

こうした中から、特に目の血行を良くする動きを選んで実践してみる価値はあると思います。


 
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2018年10月03日
アイデアよもやま話 No.4137 小回りの利く一輪バイク!

7月8日(日)放送の「サンデー・ジャポン」(TBSテレビ)で小回りの利く一輪バイクについて取り上げていたのでご紹介します。

 

今回ご紹介する一輪バイク(動画はこちらを参照)は、巨大なタイヤの内側に乗る変わったかたちをしていますが、その場でクルクルと小回りも自由自在です。

まだこの1台きりのため発売は未定ですが、SF映画に出てきそうな斬新なスタイルに世界中から問い合わせが殺到しているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今やクルマは電動化、そして自動運転の時代にシフトしようとしています。

そうした中、今回ご紹介した一輪バイクは、斬新なスタイルだけでなく、単純に乗る楽しさを与えてくれるように思います。

しかも小回りが効くので、狭い道路でも走行出来ます。

なので、世界中から問い合わせが殺到しているのだと思います。

 

ということで、時代がどんどん便利になっても、一方で人々はエンターテイメント、あるいはレジャー的な要素を求めているのだと思います。

今回ご紹介した一輪バイクはまさにこうした中の一つだと思います。


 
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2018年10月02日
アイデアよもやま話 No.4136 フリーランスの厳しい実態!

6月7日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でフリーランスの厳しい実態について取り上げていたのでご紹介します。 

 

個人で仕事を請け負うフリーランス、国内では副業も含めて推定で約1100万人を超えるという調査結果もあります。

このフリーランスとして働く女性たちが子どもを出産する際、会社員ほどの社会保障が整っていないことから、厳しい状況に追い込まれる実態が明らかになってきました。

フリーランスのデザイナーとして働くSさん、2歳と4ヵ月の女の子の母親で、会社員の夫との4人家族です。

Sさんは次のようにおっしゃっています。

「(子どもの)機嫌が悪いと大変です。」

「この時は二人とも一緒に泣いちゃう。」

 

フリーランスであることのハンディを一番感じたのは産後間もなくのことでした。

会社員の場合、健康保険から産前産後のおよそ3ヵ月間、収入の3分の2を受け取れますが、フリーランスの場合は手当の支給はほぼありません。

更に、会社員は産前産後と育休中、年金や保険料の支払いが免除されます。

一方、フリーランスは払い続けなければなりません。

産前産後の会社員との金銭面での差は月収30万円で試算した場合、(年収ベースで)300万円にもなると言われています。

Sさんは次のようにおっしゃっています。

「会社というシステムから外れると、セーフティネットが一切受けられない。」

「ゾッとするというか、ドキッとしますね。」

 

そのため、Sさんは産後1ヵ月から仕事を始めざるを得ませんでした。

そんなある日、外出先で倒れ、救急車で病院に搬送されました。

慣れない育児と仕事から来る過労だったといいます。

会社員の場合は、産後8週間は就業させることは出来ないと、労働基準法で定められています。

しかし、フリーランスなどでは手当が少ないため、産後1ヵ月以内で復帰する人は45%に上ることが分かりました。(「雇用関係によらない働き方と子育て研究会」調べ)

Sさんは次のようにおっしゃっています。

「覚悟を持ってフリーランスをやっているし、あらかじめ分かって子どももできているので、全部を手厚くサポートするべきだとは言わないんですけども、最低限、健康が確保出来る何かしらの助けを得られれば随分違うと思います。」

 

更に、フリーランスであるがゆえに、子どもの保育園を探す時に苦労する人も少なくありません。

渋谷区に住む、雑誌のライターをしている女性は、フリーランスの夫とともに娘を育てています。

出産後、仕事を再開するために娘を預けられる保育園を探していました。

しかし、10ヵ所の認可保育園に申し込んだものの入園は出来ませんでした。

東京23区のうち半数近くの自治体には、職場への復帰が前提となる会社員の方がフリーランスより優先される制度があります。

この女性は次のようにおっしゃっています。

「私の労力は社会で求められていないのかな、みたいな絶望感がありました。」

 

出産後は仕事をセーブせざるを得ず、収入は以前より7割も減りました。

第二子をつくることは諦めざるを得なかったといいます。

この女性は次のようにおっしゃっています。

「“沢山みんな働いて下さい”って、国として呼びかけているはず。」

「で、どんどん働けない人が出てくるって、“あれ、おかしくない?”、“矛盾していない?”っていう気持ちになります。」

 

フリーランスの女性たちの産前産後のセーフティネットを整えて欲しい、今年6月、フリーランス協会を中心とした団体が国に対し、およそ1万4000人の署名を提出しました。

雇用関係によらない働き方と子育て研究会の発起人、小酒部 さやかさんは次のようにおっしゃっています。

「仕事に関するリスクは取るつもりでフリーランスの働き方を選んでいますが、生命・身体のリスクまでは取ることが出来ませんので、フリーランス人口が増えている、そして今後増々増えるであろうということが見えているのであれば、やはり今の時点できちっと(制度を)整備して欲しいなって思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して感じることは、以前から“同一労働同一賃金”と言われながら、フリーランス、すなわち非正社員は正社員に比べて賃金が低いだけでなく、福利厚生などの制度面でも差を付けられているという実態です。

しかも、非正社員の割合は増え続ける傾向にあります。

ちなみに、厚生労働省が2015年12月に発表した2014年の「就業形態調査」によると、民間事業者に勤める労働者のうち非正規社員の占める割合が40.5%に達し、初めて4割の大台を超えたといいます。

 

そもそも非正社員が増えるきっかけとなったのは、労働法の改正により非正社員でも働ける職業が一気に広がったことなのです。

それまではほとんどの職業は正社員というのが一般的だったのです。

ということは、国の定める労働法次第で従業員の働く環境はよくも悪くも出来るということです。

こうした状況の改善は利益を追求することが優先される企業側からは出にくいので、こうしたところにこそ国が制度面でしっかりとフリーランスを保護することが求められるのです。

また、現在、景気の上向き、および少子高齢化の進行による人手不足から賃金の上昇、および非正社員の正社員化の傾向があるといいますが、こうしたことは景気次第で変動するので根本的な解決にはなりません。

 

ということで、安倍政権は“働き方改革”を進めていますが、例え政権が変わろうとも、番組で指摘されたような問題を是非解決していただきたいと思います。

この問題解決は少子化の歯止めのみならず、国民全体の幸福度の向上にもつながる国家的にとても重要なことなのです。


 
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2018年10月01日
アイデアよもやま話 No.4135 お米の発酵技術を活用した入浴剤!

6月7日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でお米の発酵技術を活用した入浴剤について取り上げていたのでご紹介します。

 

香川県綾川町にある酒造メーカー、勇心酒造株式会社が日本酒づくりの発酵技術を活用した入浴剤を開発しました。

この入浴剤(商品名:アトピスマイル 薬用入浴液)には、お風呂に入れると皮膚の汚れをお米のアミノ酸が取り除く働きがあるのです。

また、香りは森林の香りになっています。

お風呂につかるだけで、身体の汚れが落ち易いので、敏感肌の方でもゴシゴシこすらずに済むため、肌への負担が軽くなります。

さらに、うるおいが持続し、保湿効果がバリア機能を守ります。

お風呂上りも、温かさが長続きし、湯冷めしにくくなります。

このため長時間血行促進効果が持続します。

 

お風呂の残り湯でこの商品の効果を調べると、入浴剤を入れた方がより多く汚れが溶け出していました・

肌をこすらずに汚れが落とせると、介護施設や病院でも利用されています。

農学博士の徳山 孝仁さんは次のようにおっしゃっています。

「人の体が本来持っている機能を高めていく効果がお米にはあって、発酵を使って新しいものを生み出した。」

「いろんな場所に効いていくのではと考えております。」

 

このお米が持つアミノ酸の力ですが、最近では研究が進んで、肌の皮脂を抑えたり、水分を保ったりとかいった効果が日本で初めて厚生労働省から認可されています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

特にお風呂につかるだけで、身体の汚れが落ち易いという点に魅かれ、試しに購入してみました。

確かに、かすかに森林の香りが感じられ、お風呂から出た後もいつもより身体の暖かさが持続しているようにも感じられるなど、ほぼ商品の効能書き通りでした。

 

しかし、問題は値段です。

ボトル1本で20回ほど使えますが、価格は2000円(税抜き)、更に600円の送料代がかかるのです。

ですから、せめて最寄りのスーパーなどで購入出来るようになればと思います。

 

いずれにしても、最近は自然にあるものの良さを生かして様々な用途に活用する動きがありますが、お米にも食用としてだけでなく、入浴剤としての用途があるのです。


 
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2018年09月30日
No.4134 ちょっと一休み その666 『これからの時代のキーワード その4 ”五方良し”』

18世紀の産業革命以後の300年足らずという人類の悠久の長い歴史の中のわずかな期間からだけみても、現在は人類のあり方、社会、およびテクノロジーの観点からとても大きな変化の時代を迎えていると思います。

そこで、これからの時代のキーワードについて、あらためて私の思うところを4回にわたってお伝えします。

4回目は私の造語、”五方良し”についてです。

 

日本のみならず、世界全体として共通の課題として、地球環境、エネルギー、経済の3つが上げられると思います。

そこで気になるのは、こうした課題解決に際して、総じて今生きている世代の枠内での解決に重点が置かれていることです。

これまでアイデアよもやま話 No.843 近江商人の教え! などで“三方良し”(売り手良し、買い手良し、世間良し)について何度となく繰り返しお伝えしてきましたが、この基本的な考え方もこの枠内であるように思います。

また、地球温暖化や地球環境の破壊、および化石エネルギーの枯渇よりも経済重視に傾く傾向があるように思います。

こうした考え方は、未来の世代の人たちにいろいろな問題を先送りしているのではないかと最近感じるようになりました。

更に、感じるのは前回、

 

No.4128 ちょっと一休み その665 『これからの時代の4つのキーワード その3 人類の新たな活動空間、宇宙の開拓!』

 

でお伝えしたように人類はいよいよ宇宙開拓の本格的な時代を迎えようとしていることです。

 

“三方良し”は近江商人による造語であるように、基本的にビジネスのあり方についての考え方でした。

しかし、今や、人類の活動は急激な技術革新により、限りある資源を枯渇に至らせるまでに大量消費が進み、更に環境破壊、および地球温暖化に影響を与えるまでに拡大しています。

こうした限界を見据え、いよいよ人類は宇宙まで活動範囲を広げようとしているのです。

そこで、これからの時代のキーワードとして思い付いたのが ”五方良し”です。

ということで、“三方良し”を現代風の解釈にしたこれからの時代のキーワード、”五方良し”、「自分良し、相手良し、社会良し、未来の世代良し、宇宙良し」ということになります。

 

世界中の多くの人たちが”五方良し”を常に意識して行動すれば、間違いなく未来の世代を超えて、宇宙規模においても多くの人たちが心豊かにに暮らせるようになると思うのです。

 

さて、ここで気になるのはアメリカのトランプ大統領の方針です。

トランプ大統領は“アメリカファースト”政策を掲げ、中国をはじめ世界各国との間に軋轢を生じさせています。

更にもう一つの大国、中国の習近平国家主席の政策です。

中国は、経済、軍事の両面においてアメリカに迫り、追い抜くための強引とも言えるような政策を次々に打ち出しています。

習近平国家主席の打ち出す戦略の有効性はとても素晴らしいと思いますが、一方で自由主義圏とは相いれない一党独裁の共産圏の拡大は自由主義圏の世界各国の国民に不安感を与えています。

ですから、世界をリードするアメリカのトランプ大統領、および習近平国家主席にこそ、是非”五方良し”を念頭に置いてお互いに競い、より良い世界に向けて世界をリードしていただきたいと思います。


 
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2018年09月29日
プロジェクト管理と日常生活 No.560 『南海トラフ巨大地震発生のリスク対応策 その1 日本が世界最貧国に転落!?』

9月1日(土)放送の「NHKスペシャル」(NHK総合テレビ)では「MEGAQUAKE「南海トラフ巨大地震 “Xデー”に備えろ」」をテーマに取り上げていました。
そこで、番組を通して南海トラフ巨大地震発生のリスク対応策について4回にわたってご紹介します。

1回目は日本が世界最貧国に転落するリスクについてです。

 

今年日本列島周辺で発生した地震のうち、震度5弱以上の揺れを観測した地震は8回に上ります。

6月には大阪府北部(震度6弱)、7月には千葉県東方沖(震度5弱)、そして今最も懸念されているのが東海から九州にかけて広がる南海トラフの巨大地震です。

最大マグニチュード9、震度7の激しい揺れと10mを超える巨大津波が各地を襲います。

東京、大阪、名古屋で都市機能がマヒ、経済損失は1410兆円、国の年間予算の10倍を超えます。

ですから、世界最貧国に転落する危険性があると言われています。

今、私たちはかつてない脅威に直面しています。

最新の科学は南海トラフ地震が起きる“Xデー”はより近づいていることを捉えました。

地下深くで地盤がゆっくりずれ動く不気味な現象、“スロースリップ”、発生場所を少しずつ変えながら地震の震源域にひずみを溜め続けているというのです。

刻々と迫る“Xデー”にどう備えればいいのか、国は昨年巨大地震の危険性を事前に知らせる新たな制度を導入しました。

それは“臨時情報”、前兆と見られる異常な現象を観測した時に発表されます。

その時、人々はどう行動するのでしょうか。

 

今回、沿岸の自治体や住民に大規模なアンケートを実施しました。

浮かび上がってきたのは、全国に広がるパニックの可能性です。

私たちに突き付けられる難しい決断がいくつも見えてきました。

 

甚大な被害が予想される南海トラフ巨大地震、今後30年間に起きる確率はこれまで70%とされてきましたが、今年2月には70%から80%に引き上げられました。

東京大学地震研究所の小原 一成所長は次のようにおっしゃっています。

「ピンポイントで地震の発生を予測するということは非常に難しいんですけども、M8以上の巨大地震の中で、今後30年以内に80%と予測されているのは南海トラフと千島海溝の根室沖、この2ヵ所だけなんですね。」

 

また、名古屋大学減災連携研究センターの福和 伸夫センター長は次のようにおっしゃっています。

「東日本大震災で犠牲になられた方は約2万人(死者・不明者約1万8400人(関連死を除く))、それに対してこちら(南海トラフ)の地震では最悪死者32万3000人と言われています。」

「東京、大阪、名古屋という日本を代表する大都市も含まれています。」

「ですから、なんとしてもこの被害を事前に減らす努力はしないといけないんですね。」

 

さて、南海トラフ地震が起きる“Xデー”が一層切迫している可能性が新たに浮かび上がってきました。

東北大学の助教、高木 涼太さんが“Xデー”のカギを握ると注目しているのが“スロースリップ”と呼ばれる現象です。

 

プレート同士が強くくっつきあった固着域、“スロースリップ”はその周辺で発生します。

高木さんが考えるメカニズムは以下の通りです。

“スロースリップ”が起きるとプレートの一部がゆっくりとずれ動きます。

この動きによって周辺の岩盤が変形し、ひずみが生じます。

すると、そのひずみの影響ですぐ隣の領域でも“スロースリップ”が発生し、ひずみが生じます。

これを繰り返し、最後に固着域のすぐ近くで“スロースリップ”が起きると固着域の淵に新たなひずみが加わります。

この移動現象が起きるたびに固着域の淵に増々ひずみが加わり、固着域を圧迫していきます。

そしてある時、これが最後の一押しとなってひずみが限界に達すると巨大地震が引き起こされるというのです。

 

高木さんは次のようにおっしゃっています。

「“スロースリップ”が起こることで、着実に巨大地震発生域の力を溜めている、確実にその日(“Xデー”)に近づけているということになっていると思います。」

 

さて、“臨時情報”についてですが、福和さんは次のようにおっしゃっています。

「東日本大震災の時、二日前にM7より少し大きな地震が起きましたね。」

「あの前震の時に“臨時情報”が出ていて、より多くの人が逃げていたら、犠牲者の数は圧倒的に減らせたはずなんです。」

「ですから、津波がすぐに来てしまうような沿岸の場所ですね、お年寄りですとか、体の不自由な人、子どもを持つ家庭の方々、そういった方々は出来れば事前避難が望ましいと思います。」

 

また、この“臨時情報”の解除の判断について、小原さんは次のようにおっしゃっています。

「実際問題、非常に難しいですね。」

「“臨時情報”を出す時にはある程度現象が起きて、そこで情報を出しますけども、その後の変化というのは非常に徐々に変化してくる、そういう中でどこを基準にしていつ解除の情報を出したらいいかというのは非常に難しいと思います。」

 

そして“臨時情報”が出された場合の対応について、福和さんは次のようにおっしゃっています。

 

「(数ヵ月という“臨時情報”が出されるとなった時に私たちはどのような生活をしていけばいいのかという問いに対して、)非難をする時にどんな方でも忍耐には限界があるわけですよね。」

「アンケートの結果にもありましたように、3日とか1週間というのが一つの判断の材料なのかもしれません。」

「(その後はどんな風に生活していったらいいかという問いに対して、)地震が起きる危険性が下がったわけではありませんから、十分な警戒をしながら普段の生活を続けるということ以外ないと思います。」

「(出来る対策としてどんなことがあるのかという問いに対して、)避難路の確認をし、どこが安全な避難路かを考えておくこと、それ以外にも様々な心の準備をしておくだけで適切な対応が出来てくると思います。」

「(怖いなと思った時期は起きるパニックや買い占めのリスクについて、)“臨時情報”を冷静に受け止めながら、災害を減らすためにどうすればいいかというかたちで使うべきであって、普段から“臨時情報”の意味を十分に国民全員が理解しておくことが大切だと思います。」

「(例えば、“臨時情報”発表で学校や幼稚園、保育園はどうなるのかという問いに対して、)これは中々難しい判断になると思いますが、極めて津波危険度が高く、すぐに津波が来るような場所はやはり休校にせざるを得ないとは思いますが、そうではない保育園、学校、病院、福祉施設、こういったものは出来れば万全の注意をしつつ、続けておいていただくことが必要だと思います。」

「(沿岸部の交通機関はどうなるのかという問いに対して、)東海道新幹線のようなものは“臨時情報”が出てもそのまま運航し続ける可能性が高いと思います。」

「出来る限り交通機関も止めないことによって社会への影響を小さくしたいんですが、沿岸部を通っている線路とかはやむを得ず対応を考える必要があると思います。」

「とにかく最も大切なことは命を守ることを最優先としつつ、一方で出来る限り社会も持続していくという態度が必要だと思います。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず驚くのは、南海トラフ巨大地震の被害の大きさです。

東京、大阪、名古屋で都市機能がマヒ、経済損失は1410兆円、国の年間予算の10倍を超えると想定され、世界最貧国に転落するリスクがあるのは当然です。

また、最悪のケースでは死者32万3000人と想定されています。

しかも、今後30年間に起きる確率はこれまでの70%から今年2月には80%に引き上げられたのです。

こうしたことから、大げさではなく、長期的にみた日本という国の持つ最大のリスクは南海トラフ巨大地震とも言えそうです。

 

こうした甚大な被害が想定される南海トラフ巨大地震なのですから、その被害を最小限に食い止めるためのリスク対応策が国を挙げて検討されるのは当然です。

そこで、刻々と迫る“Xデー”にどう備えればいいのか、国は昨年巨大地震の危険性を事前に知らせる新たな制度、“臨時情報”を導入しました。

たしかに、巨大地震が発生するかもしれない予兆を捉えて公表することは、事前に余裕を持って避難出来るようになるのですから、現状のままの状態で被害を最小限に食い止めることが出来ます。

しかし、一方で“臨時情報”の精度が悪かったり、長期にわたる場合は日常生活に大きな弊害が出てきます。

ですから、この新しい制度にはある程度試行錯誤が必要です。

また、“臨時情報”の精度を高める一方で、“臨時情報”が当たらなくても予行演習だと思って真剣に対応することが私たちに求められます。

 

いずれにしても、事前に巨大地震の前兆を捉えることは被害を最小限に食い止めるうえで、とても重要です。

ですから、是非この“臨時情報”制度を定着させて欲しいと思います。

同時に、前回お伝えした古い耐震基準の大規模建物や古い一般住宅などの建物の耐震対策も怠ることは出来ないのです。


 
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2018年09月28日
アイデアよもやま話 No.4133 EVの普及で電力需給が逼迫する!?

前回、EV充電器の日中規格統一がEV普及の起爆剤になるとお伝えしました。

しかし一方で、EVの普及で電力需給が逼迫するという懸念があります。

今回はこの懸念を払しょくさせる対応策について、私の思うところについてお伝えします。

 

前回、お伝えしたように、充電時間短縮のために急速充電器の出力アップが2020年を目途に計画されています。

現状のまま、EVの普及と並行してこの計画が進められれば、電力需給の逼迫が懸念されます。

特に夏場の電力需要のピークに高出力電力でのEVの急速充電が広範囲で行われれば、広域停電をもたらすリスクさえ考えられます。

 

こうしたリスクの一方で、前回お伝えしたようにEVのバッテリーの容量は今後増加傾向にあります。

ですから、夜間の電力需要の少ない時間帯に充電しておけば、300km程度の長距離であれば途中で充電の必要はなくなります。

更に、既に実用化されていますが、「LEAF TO HOME」のように、電力需要の少ない夜間に一般家庭で日産「LEAF」のバッテリーに充電するだけでなく、昼間の時間帯にそのバッテリーを家庭用電源として使用することも出来ます。

ですから、家が崩壊するほどの大地震でない限り、停電しても3日くらいはEVのバッテリーを電源とすることにより電気に関してはほとんど普段と同様の生活が送れるのです。

 

更に、EVと「LEAF TO HOME」のような装置をスマートグリッドにつなげることにより、地域レベル、あるいは国レベルでの電力の需給管理が行えるようになります。

EVのメリットはこのように単に移動手段だけでなく、電源としての役割も果たせるところにあるのです。

このEVのメリットを最大限に生かすことにより、国全体の電力の需要を平準化させることが可能になり、従って真夏の電力需要ピークを下げることにより、古くて発電効率の悪い火力発電所に依存しなくても済むようになるのです。

 

ということで、EVは私たちの使い方次第で電力需給を逼迫させたり、逆に緩和させる働きがあるのです。

是非、再生可能エネルギーとともに後者の対応策を国内で進め、そのシステム全体を世界各国に水平展開させることにより、地球温暖化防止、あるいは“脱化石燃料”、および“脱原発”を推進していただきたいと思います。


 
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2018年09月27日
アイデアよもやま話 No.4132 EV充電器の日中規格統一がEV普及の起爆剤に!?

8月28日(火)付け読売新聞の夕刊記事でEV充電器の日中規格統一について取り上げていたのでご紹介します。

 

EV(電気自動車)向けの急速充電器について、日本と中国の業界団体は8月28日、北京で次世代規格を共同開発するとの覚書に調印しました。

日中が規格を統一することで、世界の急速充電器市場の9割超のシェアを握ることになり、世界標準に大きく近づきます。

 

日中両国は、2020年を目途に、現在の3倍以上となる出力500kw以上の急速充電器の実用化を目指します。

新規格は、技術開発で先行する日本の技術がベースとなる方向です。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず、EVの今後の世界的な普及の流れの中で、この段階で世界の急速充電器市場の9割超のシェアを握ることになる日中の業界団体による規格統一に向けた覚書の調印はとてもいいことだと思います。

なぜならば、EVに限らず、世界的な規格の統一が無用のコストアップやユーザーの不便さを防ぐことになるからです。

ですから、今回の日中の動きに他の欧米各国も巻き込んで本来の世界統一に向けて関係団体には取り組んでいただきたいと思います。

 

一方、2020年を目途に、現在の3倍以上となる出力500kw以上の急速充電器の実用化を目指すといいますので、単純に考えれば、新型の日産「リーフ」の場合で現在40分で8割の充電が、13分程度に短縮されるようになります。

この充電でざっと実質210km程度走行出来ますから、5分の充電でも80km程度は走行出来ます。

更に、バッテリーそのものの技術進歩によりEVに搭載するバッテリー容量も増えると同時に充電時間の短縮も期待出来ます。

ですから、2020年には無理でも、2025年くらいには、5分の急速充電で150kmくらいは走行出来るようになるのではないかと期待出来ます。

更に、バッテリー容量の増加によるフル充電での航続距離は実質350km程度まで伸びると期待出来ます。

 

ですから、日中によるEV充電器の規格統一は、充電インフラの整備、およびEV普及のネックと言われる充電時間の短縮問題を解決することになり、今後のEV普及の大きな起爆剤になり得ると思います。


勿論、急速充電器の更なる普及も求められます。
ただ、ここで救いなのは、急速充電器の設置はガソリンスタンドに比べて設置場所の制約が少なく、ガソリンスタンドやコンビニなどの商業施設、あるいは道の駅など既存の施設の空きスペースに設置出来、しかも設置コストがかからないことです。

 

しかし一方で、EVの普及による電力需要の押し上げは電力の需給バランスに大きな影響を与えかねません。

次回は、この問題について私の思うところをお伝えします。


 
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2018年09月26日
アイデアよもやま話 No.4131 キャベツの芯からゼリー!

アイデアよもやま話 No.4105 捨てられるはずだったモノのリサイクル その1 緑色のバッグ!で、紫キャベツの色を抽出して染色されるバッグについてお伝えしました。

また、前回は“畑のもったいない”キャベツと“海の厄介者”ウニとを組み合わせた“キャベツウニ”についてご紹介しました。

そうした中、6月7日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でキャベツの芯から作られるゼリーについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

餃子の材料として使われるキャベツから作られたゼリーは、甘くてちょっと苦い味がするといいます。

このゼリーを作っているのは、群馬県の餃子メーカー、株式会社みまつ食品です。

地元特産のキャベツを使っているのですが、外側の葉や芯は硬すぎると、1日に100kgほど廃棄していました。

これを何とか利用出来ないかと試行錯誤、そして加熱せずにうま味や甘みを取り出してキャベツのエキスにしました。

このエキスをこんにゃくと合わせて食べやすいゼリーにしたのです。

キャベツ特有の胃腸を整えるビタミンUも入っているそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したキャベツの芯から取り出したエキスとこんにゃくを混ぜて作られるゼリーも、既存の要素の組み合わせと言えます。

しかも、今回も使用するキャベツはこれまで廃棄されていたものを使用しているのです。

更に、キャベツ特有の胃腸を整えるビタミンUも含まれるという、これまでにないヘルシーな効果もあるのです。

 

これまでいろいろご紹介してきたように、廃棄物も見方を変えることによってお宝になり得るのです。

こうした廃棄物の活用方法について、国内のみならず世界的に展開するような仕組みを構築し、水平展開することによって、より大規模での省エネにつなげることが出来ると思うのです。


 
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2018年09月25日
アイデアよもやま話 No.4130 海の厄介者の活用!

6月5日(火)放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で海の厄介者の活用について取り上げていたのでご紹介します。

 

海の生き物の中には大量に発生すると非常に厄介な存在になってしまうものがあります。

しかし、それらも生かし方によっては貴重な資源になるかもしれません。

例えばオニヒトデ、沖縄を中心に九州、四国、紀伊半島などでたびたび大量に発生します。

オニヒトデはサンゴを食べるため、大量発生するとサンゴ礁が食べつくされてしまいます。

そこで駆除を行うわけですが、駆除したオニヒトデを何とか有効活用出来ないかと検討がなされてきました。

名古屋大学ではアルツハイマーの治療薬の成分になる可能性があるとして、研究が進められています。

 

一方、エチゼンクラゲも海の厄介者の一つです。

日本海沿岸に大量発生したことがニュースになりました。

このエチゼンクラゲ、網に大量に入ると漁業者に大きな被害をもたらすと言います。

ある農家では駆除したエチゼンクラゲを畑の肥料に利用しています。

また、食品に活用するなどの研究も行われています。

 

そして今、三浦半島に新たな海の厄介者が現れました。

それがウニです。

このウニを価値あるものに変える意外な方法があります。

神奈川県三浦市にある神奈川県水産技術センターでは、主任研究員でリーダーの臼井 一茂さんを中心に3年前から付近の海で駆除されたムラサキウニの養殖実験に取り組んでいます。

臼井さんは食品加工の専門家、世界中から水産物の加工品を集めて研究をしています。

県内のパーキングエリアで臼井さんの開発した商品が人気になっています。

カマスという魚の骨を抜き、丸ごと揚げた「かます棒のフライ」です。

小田原港にあがるカマス、今まで流通に乗らなかった小ぶりなものを有効活用しました。

「まぐろコンフィ」も水産会社と共同開発し、今や地元の人気商品です。

臼井さんはこれまで加工食品を2000近く世に送り出してきました。

水産大学を卒業してから水産加工一筋、25年、利用価値がないとされる魚介を商品にするのが臼井さんの生きがいです。

 

さて、ムラサキウニの養殖実験ですが、そこには臼井さんのある工夫があります。

ムラサキウニに餌として与えているのは、なんとキャベツです。

ウニはキャベツをよく食べるといいます。

今回は加工品ではなく、ウニの身を増やす実験です。

体重の10%身があれば売り物になると言われていますが、身の入りが悪かったウニが、キャベツを与えると1ヵ月半でおよそ6倍(体重の12%)になると、研究では既に実証済みです。

更に驚くべき変化があります。

苦味成分が4分の1に低下し、果物みたいな味がするといいます。

 

驚くべきキャベツパワーですが、臼井さんがキャベツに目を付けたのには理由があります。

三浦半島は国内有数のキャベツの生産地です。

年間5万5000トンを生産しています。(2016年 農水省調べ)

三浦半島の柔らかい春キャベツは、甘みがあってブランド品になっています。

それだけに出荷基準も厳しく、規格外品が約1割になるといいます。

出荷しても箱代などを差し引くと赤字になるため、畑で潰してしまいます。

この畑の“もったいない“を海の厄介者の餌にと臼井さんは考えたのです。

 

私たちが食べるウニの身は卵巣や精巣といった生殖器官です。

それらは夏の産卵期に向け、一気に大きくなります。

その時期がまさに春キャベツの最盛期と一致するのです。

 

一方、神奈川県横須賀市の佐島漁港では、温暖化の影響で生態系が変わり、年々魚種も減り、漁獲量が落ちています。

漁師も農家と同じような悩みを抱えていました。

そこで大楠漁協(漁業協同組合)では新たな事業に取り組んでいました。

“キャベツウニ”の養殖です。

商品化に向けてテスト中、しかし魚を獲るのは得意ですが育てることには慣れていません。

大楠漁協の藤村 幸彦さんも困っていました。

そこに強い味方が現れました。

地元の水産高校、県立海洋科学高校の生徒たちです。

週に一度やって来て、水槽の飼育から掃除、餌やりまで率先してやってくれます。

生徒たちは次のようにおっしゃっています。

「身近で磯焼けが起きていることを知らなかったです。」

「聞いて、思っている以上にとんでもないことになっているんだなと思っていて・・・」

 

「いらないものといらないものの組み合わせで、それが商品に出来るんであれば、地域に貢献出来るんであれば・・・」

 

こうした生徒たちの声に、藤村さんは次のようにおっしゃっています。

「こういう若い子たちが将来漁業に関心を持ってくれればいいかなと思いますよ。」

 

“キャベツウニ”の養殖事業は希望の星になっていました。

しかし、現実はそう甘くはありません。

ウニは雨水に触れるとすぐに死んでしまうのです。

真水に触れるとウニの細胞が2,3日で全部死んでしまうのです。

天候や水温の変化に弱く、意外にデリケートなウニ、手間暇がかかります。

また、未知の“キャベツウニ”に対する地元の評判もあまり芳しくありません。

 

そうしたある日、大手百貨店、高島屋のバイヤーが大楠漁協を訪れてきました。

横浜の店舗で売れる地元の食材はないかと探していたところ、“キャベツウニ”の情報を聞きつけて来たというのです。

しかし、藤村さんは浮かない顔です。

固体により身のバラつきがあるので自信が持てないのです。

しかもウニの最盛期は7月、まだこの時期(6月初旬)は身があまり入っていません。

しかし、バイヤーは“キャベツウニ”の味にとても満足です。

 

将来、“キャベツウニ”の餌になる規格外品のキャベツにも当然値が付きます。

大楠漁協のかごにキャベツが、“畑のもったいない”と“海の厄介者”を組み合わせたビジネスが三浦半島で動き出していました。

この“キャベツウニ”が数年後には回転寿しやスーパーにお目見えするかもしれません。

 

“キャベツウニ”の仕掛け人、臼井さんは更にその先を見つめています。

今度は柑橘系の餌、湘南ゴールドで実験していました。

臼井さんは次のようにおっしゃっています。

「どうしてもウニって見た目ですよね。」

「きれいな黄色を出したいので、もし生まれていけば“ミカンウニ”とかになるんですかね。」

「レモンとかライムをかけなくても、爽やかなウニが出来たらまたちょっと面白いですよね。」

 

「突拍子もないアイデアから始まりましたけども、実際やる人がいなかった。」

「ただ、やってみたら面白い結果、しかもいい結果が出て来た。」

「これも結局、僕らにマッチしないから利用されていなかったですけど、マッチする方法さえ見つければ、いくらでも利用出来るんじゃないかと思うんですよね。」

 

“キャベツウニ”の研究、アメリカやカナダ、チリなど世界各国から引き合いが来ています。

 

なお、番組ではこの他に石灰石を使った新素材を取り上げていました。

それは商品名「ライメックス」という紙の弱点である耐久性と耐水性の両方を克服した紙の代用資材です。(参照:アイデアよもやま話 No.3640 石灰石で出来た画期的な紙!

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

私事ですが、私は小学校時代の大半を千葉県の外房の小さな漁港の村で過ごしました。

海辺には磯が広がり、当時は子どもでも磯でウニを簡単に取ることが出来、その場で石でウニを砕いてそのまま食べることが出来ました。

ですから、上京してお寿司屋さんでお金を払ってウニを食べることには当初とても抵抗がありました。

 

さて、実家の近くの漁協関係者の話でも、温暖化の影響か、以前に比べて大分漁獲量が減ってきたといいますが、神奈川県横須賀市の佐島漁港でも同様のようです。

そうした中、今回ご紹介した“キャベツウニ”への取り組みは多くの漁業関係者に希望を与えるものだと思います。

そこで、あらためてこの取り組みについて以下にまとめてみました。

 

(漁業を取り巻く状況)

・温暖化の影響で生態系が変わり、年々魚種も減り、漁獲量が落ちていること

・海の厄介者、ムラサキウニは見の入りも悪く、駆除されていること

・三浦半島の春キャベツはブランド品になっており、約1割という規格外品は畑で潰していること

 

(“キャベツウニ”の誕生)

・夏の産卵期に向け、一気に大きくなるウニの身と春キャベツの最盛期が合致し、“キャベツウニ”を育てるうえで、ウニとキャベツはとても相性がいいこと

・“キャベツウニ”は体重の12%が身となり、果物のような味になるという研究成果が得られたこと

・こうした“キャベツウニ”は商品価値がとても高いこと

 

(今後の展開)

・高島屋のバイヤーが大楠漁協を訪れて、“キャベツウニ”の味にとても満足したこと

・更に、アメリカやカナダ、チリなど世界各国から引き合いが来ていること

・将来、“キャベツウニ”の餌になる規格外品のキャベツにも商品価値が期待出来ること

・将来的には湘南ゴールドとの組み合わせによる“ミカンウニ”の誕生も期待出来ること

 

こうしてまとめてみると、あらためて思い出されるのは、アイデアは既存の要素の組み合わせであること、そしてアイデアは存在し、発見することであるという言葉です。

臼井さんは、規格外品の春キャベツの廃棄、そして佐島漁港での漁獲量の減少傾向という三浦半島の現状下において、規格外品の春キャベツと海の厄介者であるムラサキウニの組み合わせから“キャベツウニ”を誕生させたのです。

高島屋のバイヤーや海外からの引き合いがあるというのですから、是非ビジネスとして成長させて欲しいと思います。

この成功は、必ず他の地域にとっても大きな刺激になると思います。

 

それにしても果物のような味のするウニとはとても気になります。

この“キャベツウニ”が回転寿しでも食べられるようになったら、多少高くても是非試食してどんな味なのか実際に確かめてみたいと思います。


 
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2018年09月24日
アイデアよもやま話 No.4129 自動運航船が船舶事故を減らす!?

以前、アイデアよもやま話 No.2593 電池推進船の乗船体験! で電池推進船「らいちょう」による水上交通の社会実験についてお伝えしました。

そうした中、6月1日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で自動運航船の実験について取り上げていたのでご紹介します。

 

今、世界的に注目されている自動運転技術、私たちの暮らしを大きく変えるかもしれないこの自動化の波が次にやってきたのが自動運航船です。

今、東京海洋大学によって自動運航船の実験船「らいちょう 機廚砲茲觴動運転の実験が進められています、

一見普通の船ですが、船内と屋根の上にカメラとアンテナが取り付けられています。

操縦席には誰もいないのに実験船は海上を進んで行きます。

その秘密ですが、実験船から送られてくるカメラの映像を見ながら、別な場所から遠隔操作しているのです。

ちなみに、この操作に使われているのはテレビゲームで使われているコントローラーです。

Wi−Fiの電波を使っていて、およそ3km離れた地点からでも操作することが出来ます。

東京海洋大学の清水 悦郎教授は次のようにおっしゃっています。

「自律運転は本来障害物を自動で回避してくれる機能があるのが基本なんですが、(船の場合)障害物回避がまだ画像の中から障害物を見つける機能が十分でないので、今現在は障害物をよけるとか、どの方向に進むのかというのは人間が画像とかで判断して、どの方向に向けるのかという指令をゲームコントローラーで送るということをやっています。」

 

さて、昨年発生した船の事故はおよそ2000件、その8割が人為ミスだと言われています。

このような事故を自動運航で減らそうというのです。

更に大型貨物船は数十人の船員が24時間交代で運航業務にあたっているため、自動化で船員の負担と人件費の削減を行えるといいます。

 

しかし、そこにはハ−ドルがあります。

清水教授は次のようにおっしゃっています。

「完全自動で水上バスなど、無人で動く水上交通システムを描いているんですけど、まだ10%、20%いっているかなと言うぐらいの印象です。」

「まだまだ時間はかかりますね。」

 

船の自動運航が難しいのには、ある理由があります。

船の場合、決まったルートを走るわけではありません。

衝突を避けるため、右によけるという基本ルールがありますが、状況によって変わります。

更には、水上には鳥や流木など、様々な漂流物があり、カメラの映像からどれをよけるべきか判断するのは今の技術では難しいといいます。

こういった様々な要因から多くの課題があり、開発が進んでいないのが現状です。

 

こうした中、国が船の自動運航を推し進めようと動き出しています。

6月1日、国土交通省(国交省)は船の自動運航のロードマップを策定しました。

目指すのは2025年の実用化です。

国主導で実用化を進めるのには、ある理由があります。

国交省の大坪 新一郎海事局次長は次のようにおっしゃっています。

「世界の潮流に乗り遅れると、やはり日本の競争力に影響が起きると。」

「それは避けたいなと。」

「世界をリードするためには技術開発も必要なんですけども、基準づくりだとか制度面でも技術開発の動向に応じた制度づくりという面で日本が主導していかなければいけないと思います。」

 

クルマの自動運転では世界から大きく出遅れた日本、船の自動運航ではあらゆる分野で先行することで国際ルール作りでも主導権を握る狙いです。

大坪さんは次のようにおっしゃっています。

「省エネの技術に関しては世界のトップを走っていて、日本の海事産業の武器ではあったですね。」

「ただその省エネ技術もいずれ飽和されますし、だんだん他の国も追いついてきますから、次の差別化の軸が必要・・・」

 

自動運転、クルマは車線や信号がありますが、海は予測不可能なことがあるので難しいということです。

しかし、清水教授は2020年までに短い距離で船の往来が少ない、特区のような場所であれば、まず遠隔での無人運転は可能だといいます。

そのために法律の整備を急ぐ必要があるということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を見ていて感じたのは、今や、陸、空、海での自動運転の実用化に向けてほぼ同時に進行しているということです。

中でも陸上でのクルマの自動運転の実証実験が最も先行しているようです。

また、どちらも運転技術だけでなく、運航上のルールなど制度の整備が伴わなければ実用化には結びつきません。

また、グローバル化された国際社会においては、制度の国際化が必須です。

なので、早急に国際機関による国際的な制度の構築が必要だと思います。

いずれにしても、10〜20年後には陸、空、海の乗り物は全て自動運転が可能な社会になっていると思われます。

更に、少し遅れて宇宙における同様の検討も求められるような時代を迎えようとしているのです。


 
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2018年09月23日
No.4128 ちょっと一休み その665 『これからの時代の4つのキーワード その3 人類の新たな活動空間、宇宙の開拓!』

18世紀の産業革命以後の300年足らずという人類の悠久の長い歴史の中のわずかな期間からだけみても、現在は人類のあり方、社会、およびテクノロジーの観点からとても大きな変化の時代を迎えていると思います。

そこで、これからの時代のキーワードについて、あらためて私の思うところを4回にわたってお伝えします。

3回目は人類の新たな活動空間、宇宙の開拓についてです。

 

1961年4月、ソビエト連邦の宇宙飛行士であるガガーリンが世界初の有人宇宙飛行としてボストーク1号に単身搭乗しました。

そして、人類が他の惑星に初めて着陸したのは1969年7月20日の月面着陸でした。

アメリカ合衆国のアポロ11号計画における船長ニール・アームストロングと月着陸船操縦士エドウィン・オルドリンによるものでした。

そして、今や火星移住計画がアメリカの宇宙ベンチャー、スペースXによって進められています。(参照:No.4098 ちょっと一休み その660 『地球上で持続可能な社会を実現する上で参考にすべき火星移住計画!』

スペースXは2024年には火星への有人飛行を実現し、将来的には100万人規模で火星に送ろうと考えているといいます。

このように人類が初めて有人宇宙飛行に成功してから60年あまりで火星への有人飛行を実現させようとしているのです。

 

こうした人類による宇宙開拓の挑戦は2つの観点で大きな意味をもっています。

1つ目は、No.4002 ちょっと一休み その644 『揺らぐ世界 その4 資本主義経済の抱える矛盾!』でもお伝えしたように、常に更なる利潤を追求していく資本主義経済の新たな市場、すなわちニューフロンティアとしての位置付けです。

多くの惑星の中には希少金属などの資源が眠っている可能性があります。

また、宇宙空間は新たな観光旅行先としてとても魅力に満ちています。

 

2つ目は、人類の新たな生存空間の確保です。

人類の総人口は2050年には100億人近くまで膨れ上がる勢いで増えています。

また、9月12日(水)放送の「あさイチ」(NHK総合テレビ)によれば、FAO(国連食糧農業機関)は世界で食糧不足に苦しむ人は昨年の時点で8憶2000万人あまりに上るという推計を発表しました。

この数字は世界総人口の10人に1人以上の割合です。

 

更に、1回目でお伝えした半永久的な寿命の確保が可能な時代になれば、予想以上に人口増加が進みます。

その結果、1回目でお伝えした持続可能な社会の実現との間に食糧やエネルギーなどの面でバランスが崩れてしまうことになります。

そうした中で、火星など地球以外の惑星で人類の生存が可能になれば、宇宙規模における持続可能な社会の実現が達成出来るようになります。

 

ということで、宇宙の開拓は人類にとって経済的にも持続可能な社会の実現にとっても必然的な流れと言えるのです。


 
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2018年09月22日
プロジェクト管理と日常生活 No.559 『古い耐震基準の大規模建物の倒壊リスク!』

今月6日(木)3時過ぎに発生した北海道の大地震など、最近日本各地で地震が起きています。

そうした中、ちょっと古い情報ですが、4月14日(土)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で古い耐震基準の大規模建物の倒壊リスクについて取り上げていたのでリスク管理の観点からご紹介します。

 

2016年4月に発生した熊本地震では多くの建物が被害を受け、あらためて注目されたのが耐震性です。

古い耐震基準で建てられた大規模な建物のうち、商業施設やホテル、病院などは耐震基準が義務付けられていますが、全国で約1700棟が震度6強以上で倒壊する恐れがあることが分かりました。

若い世代に人気の「渋谷109」が入る道玄坂共同ビル(東京・渋谷)、紀伊国屋書店の入る紀伊国屋ビルディング(東京・新宿)、更にJR新橋駅前にあり、仕事帰りのビジネスマンが立ち寄る居酒屋などが軒を連ねるニュー新橋ビル(東京・新橋)、いずれも耐震性が不足し、震度6強以上の揺れで倒壊の恐れがあると診断されていました。

 

古い耐震基準で建てられ、耐震診断が義務付けられている全国1万棟の大規模建物について、公表結果を集計したところ、17%に当たる約1700棟が震度6強以上の揺れで倒壊の恐れがあることが分かりました。

このうち東京都では42棟あり、詳しい結果は東京都耐震ポータルサイトで見ることが出来ます。

東京の42棟のうち、耐震改修工事の具体的な計画がある建物は13棟に止まり、残る29棟は計画が決まっていないか、検討中だということです。

計画が決まらない理由の一つがテナントなど関係者との調整です。

サブカルチャーの聖地とも言われる中野ブロードウェイ(東京・中野区)の場合、区分所有者が約520人で、耐震工事に消極的な人や簡単に連絡が取れない人がいて、意見の集約が進んでいないということです。

中野ブロードウェイ商店街振興組合の青木 武理事長は次のようにおっしゃっています。

「公表された事実を(区分所有者に)しっかり受け止めてもらう対策を取らずに時間を過ごすことは許されないのかな・・・」

 

ただ、耐震工事の負担は軽くありません。

松山市の道後温泉にある昭和28年(1953年)創業の宝荘ホテルは耐震化のため全面的に建て替えを行っています。

松山市と国から2億5000万円ほど補助金が出たものの、自己負担は約11億5000万円、1年半近く営業休止を余儀なくされました。

宝荘ホテルの宮崎 光彦社長は次のようにおっしゃっています。

「安心して過ごしていただけることはお客様に対する訴求力の1つじゃないかなと。」

「リスクに備えることが経営、特に旅館ホテルのような多くの方にご利用いただく施設としては責務だと思います。」

 

耐震化で課題となる関係者の調整や工事の負担について、専門家である名古屋大学の福和 伸夫教授は次のようにおっしゃっています。

「合意形成をすることが出来るようなコーディネーター役を役所から派遣するとか、都道府県の耐震補助だけでは足りない場合、低利の融資をするとか、皆さんが耐震化を進め易いような環境整備が必要だろうと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回お伝えしたように、古い耐震基準で建てられ、耐震診断が義務付けられている全国1万棟の大規模建物について、17%に当たる約1700棟が震度6強以上の揺れで倒壊の恐れがあるいいます。

そして、東京の42棟のうち、耐震改修工事の具体的な計画がある建物は13棟に止まり、残る29棟は計画が決まっていないか、検討中だといいます。

恐らく全国的にみても大なり小なり計画が決まっていないか、検討中の耐震改修工事が必要な建物があると思われます。

しかし、実際に耐震改修工事を進めようとすると、関係者の調整や工事の負担といったような課題があるとの指摘があります。

ですから、しっかりした耐震改修工事を進めるためには中長期計画が必要です。

現状のままでは、特に大規模建物においては昼間の時間帯に巨大地震が起きればかなりの被害が想定されます。

 

一方こうした状況において今必要なのは、状況に応じた最善のリスク対応策を検討すること、そして万一大地震が発生した場合のコンティンジェンシープランを検討しておくことです。

これだけでも何もリスク対応策を検討しておかない場合に比べて、はるかに被害を少なくすることが出来るはずです。


 
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2018年09月21日
アイデアよもやま話 No.4127 ある“寝たきり社長”の活躍!

6月1日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)である“寝たきり社長”の活躍について取り上げていたのでご紹介します。 

 

株式会社仙拓(愛知県東海市)の創業者で寝たきり状態の障害者社長、佐藤 仙務さんは、働くことの意味を人一倍考えてきました。

一人では日常生活が送れず、母親が着替えや食事などを手伝っています。

病気が分かったのは、生後10ヵ月の時、進行性の病気、脊髄性筋萎縮症で身体は徐々に動かなくなってきました。

特別支援学校を卒業した18歳の時、就職を希望しましたが、雇ってくれる企業は見つかりませんでした。

佐藤さんは次のようにおっしゃっています。

「落ち込むこともあるし、絶望することもないっていうとウソになると思うんですけど、お蔭でどれだけ絶望して落ち込んでもいいと思っていて、・・・」

 

それでも働きたかった佐藤さんは、19歳の時に同じ病気の友人とホームページや名刺をデザインする会社を立ち上げました。

会社のために自分の能力を最大限に生かしたい、自分の意思で動かすことが出来る目の動きを感知する特別なパソコンでカーソルを動かします。

そしてわずかに動かすことの出来る左の親指でクリックします。

会社の営業のための資料やメールは全て自分で作っています。

障害があっても、自分の持てる力を発揮すれば出来ないことはないと知ったといいます。

佐藤さんは次のようにおっしゃっています。

「人より出来ないことは多いけど、逆に僕は自分が何が出来るかっていうことは自分の中で分かっているつもりで、だからそこで勝負すればいいのかなって。」

 

佐藤さんの会社が制作したホームページはおよそ30件、評判を呼び注文は徐々に増えています。

ある日、ビジネスで提携したいIT企業、S.S.T-C 株式会社の社長、山石 明宏さんが佐藤さんを訪ねてきました。

横浜で同じようなビジネスを展開する山石さんは、佐藤さんのエネルギーにいつも圧倒されるといいます。

山石さんは次のようにおっしゃっています。

「スピードがむしろ速いです。」

「レスポンスがすごい速いです。」

「何の違和感もなく、普通の会社とやっている仕事と同じようにやっています。」

 

そして迎えた愛知県内の大学での初めての授業、佐藤さんは自分にとって働くことの意味を学生に伝えました。

「自分のために働いているということだけではなくて、“周りの人を楽しませよう”とか、“喜ばせよう”とか、そういう気持ちを持って働くと、とてつもなく仕事が楽しくなるのかなと。」

「仕事を通して自分に関わってくれた人が喜んでくれるっていうのは、すごい僕は幸せを感じるんです。」

 

聴講した女子学生の中の二人は、次のような感想を述べています。

「働くっていうことの気持ち、モチベーションがすごく変わりました。」

 

「私たちも仕事頑張って、何か社会に貢献していきたい。」

 

以上、番組の内容、およびそれを補足するネット関連情報をご紹介してきました。

 

“寝たきり社長”、佐藤さんの活動を通して、あらためてネット社会が“寝たきり状態”の人など誰にでもビジネスに取り組むチャンスを提供していると思いました。

今や、身体の不自由さの制約よりもいかに優れたアイデアを持っているかの方がはるかに重要な社会なのです。

更に、ネット社会では、資金のかかるリアル店舗は必ずしも必要ではなく、リアル店舗に比べて格段に資金のかからないネット上のバーチャル店舗でビジネスを展開することが出来るのです。

実際に、佐藤さんは不自由な身体ながら、ご自分で自社のホームページを作成したといいます。

そして、今やパートナー企業による評判も上々で、注文も徐々に増えているといいます。

 

ということで、“寝たきり社長”の佐藤さんは、多くの身体の不自由な方のみならず、資金力はなくてもアイデア力のある若い人たちにとっても大きなパワーを与えてくれる存在だと思います。

 

同時に佐藤さんは、“働くことの意味”というとても大切なことを学生に伝えています。

時間に比較的余裕のある学生の皆さんには、是非“なぜ働くのか”という意義についてじっくり考え、自分なりの考えをしっかりと持っていただきたいと思います。

どのような職業に就いても、自分なりに“働くことの意味”をしっかりと持っていることによって、与えられた業務に自分なりのやりがいを感じ、より大きな成果につながると思います。

更に、ネット社会においては、素晴らしいアイデアを閃いた人は自ら起業し、多くの人たちに豊かさを提供出来ることを国内外のベンチャー企業は既に示してくれているのです。


 
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2018年09月20日
アイデアよもやま話 No.4126 驚異の生物工場 その4 日本の生物工場の切り札とされるカイコ!

5月22日(火)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で生物工場について取り上げていました。

そこで4回にわたってご紹介します。 

4回目は日本の生物工場の切り札とされるカイコについてです。

 

前回、生物工場の世界事情についてご紹介しましたが、日本には最強の生物工場として注目されている生き物がいるのです。

日本の切り札とされる生き物、それはカイコです。

その秘密はカイコの吐く糸にあります。

絹糸の原料として知られるこの糸、分子量約37万を超える極めて大きなタンパク質の集まりです。

この分子量がとても重要なのです。

なぜなら、生物工場が作り出す物質は、その生物が本来作ることの出来る分子量によって大きく左右されるからです。

それはおもちゃのブロックの数が少ないと単純なモノしか出来ないのに対し、多ければ複雑なモノが作れるのと同じです。

カイコを酵母と比較すると一目瞭然、最大で分子量10万ほどの分子量しか作れないといわれる酵母、生物工場として作り出せるのはタイヤの素材(約200)やインシュリン(約5800)、痛風の薬(約34000)など、これまでのところ分子量の小さいモノに止まっています。

これに対し、カイコが作る物質は抗がん剤(約15万)や血液凝固剤(約34万)、鉄鋼強度の糸(約35万)といった分子量の多い複雑な物質、酵母には作ることが難しい複雑な物質を糸の中に作り出すことが出来るのです。

 

更に5千年とも言われる長い養蚕の歴史が生物工場としてのカイコの能力を高めたといいます。

元々カイコの祖先は小さいマユしか作れない野生の虫でした。

大きなマユを作るものだけ掛け合わせ、人の手で改良を重ねていきました。

その結果、糸を作るタンクのような器官は体重の3分の1を占めるまでになりました。

分子量が大きい物資を大量に作ることが出来るカイコは最強の生物工場とも言われるのです。

茨城県つくば市にある農研機構(農業・食品産業技術総合開発機構)のユニット長、瀬筒 秀樹さんは次のようにおっしゃっています。

「日本がフロントランナーとなってモノを作れる、長い歴史をかけてこれだけいいものにしてきたとものすごく今でも感じますし、それに新しい技術で可能性が今広がっているという状況なので、これを活かさない手はないと。」

 

カイコを生物工場にする取り組みは、現在福島から沖縄まで全国15以上の企業に広がっています。

愛媛県にある化学メーカーの工場では犬や猫用の風邪薬や皮膚病治療薬を作り、国内だけでなく32ヵ国に輸出しているといいます。

東京大学大学院の五十嵐 圭日子准教授は次のようにおっしゃっています。

「カイコは本当に凄い生産力だと思います。」

「やはりカイコの場合は、原料が葉っぱだというところもすごくいいところだと思います。」

「今のモノづくりはどうしても石油を使って何かを作るということになるんですが、カイコの場合ですと、葉っぱを食べて、そこからそういう物質を作ってくれるという凄さがあるというような感じです。」

「バイオリアクター(生物反応利用装置)と私たち呼んでおりますけど、そういうようなものとして本当に凄い才能のある生き物だと思っています。」

 

このカイコを使った生物工場を一大産業につなげるために欠かせない人たちがいます。

群馬県前橋市の養蚕農家では、農家の経験や知恵を生かして、遺伝子組み換えのカイコを大量に作っていこうという取り組みが行われています。

実は、遺伝子組み換えを行った動物を一般の農家で飼育するというのは、こちらが世界初といいます。

というのも、こちらから動物が逃げてしまうと、外の生態系に影響を与えてしまう恐れがあるということで、これまでは厳重に管理された施設の中でしかされてこなかったのです。

ただカイコは中々動かないのです。

活動範囲が10cmくらいしかないのです。

ということで、ここから逃げ出さないということが証明されて、昨年9月に国から特別に飼育許可が下りたのです。

こちらで飼育したカイコは大きくなると光ります。

このカイコには光るクラゲの遺伝子を組み込んでいるのです。

今は光るカイコだけの飼育ですが、ゆくゆくはこの技術を目印にして、例えば血液製剤とか抗がん剤などに遺伝子組み換えのカイコを応用したいと期待が持たれています。

前橋遺伝子組み換えカイコ飼育組合組合長の松村 哲也さんは次のようにおっしゃっています。

「(外国産の安いマユに押されて養蚕農家が減っている中で、この取り組みにどのような期待を持っているかという問いに対して、)この遺伝子組み換えカイコは我々養蚕農家、また一般の人にとっても非常に夢のあるカイコです。」

「将来性の十分に見込まれる、これまでのカイコとは違った用途で使われるために、外貨獲得のためにも期待が持てるカイコであることは間違いないと思います。」

「(どんな苦労があるかという問いに対して、)苦労というのはさほどないんです。」

「これまでのカイコと同じように飼育していればいいんですけど、ただ飼う環境、要するに建物を少し規制の法律に沿って作っていかないとならない、(外に出ないようにする、)それだけが苦労です。」

 

こうした状況について、五十嵐准教授は次のようにおっしゃっています。

「(養蚕農家と企業がコラボする取り組みについて、)やはり養蚕という産業自体が衰退していってる中で、新たなモノを作り出せるという可能性は非常に大きいと思うんですね。」

「これがこれからのモノづくりというものの確実に革命になっていくんじゃないかと、そういうような気がしています。」

 

こうした中、若い農家の方も養蚕の取り組みに入ってきています。

47歳の若手、糸井 恒雄さんは次のようにおっしゃっています。

「光る糸を農家で飼育出来るようになりまして、養蚕農家にも明るい光が見えて来たと思いますので、この養蚕を継承していけるように努力したいと思います。」

 

養蚕は新たな産業革命という予感もしますが、生命の根源を操作するというちょっと怖さを感じます。

そこで、今後どう進めていくべきかについて、番組の最後に五十嵐准教授は次のようにおっしゃっています。

「現時点では、他の生物から持ってきた遺伝子を組み込むという作業をせざるを得ない状況になっています。」

「ただ、ここからは最近本当に技術的にはどんどん進歩しておりまして、ゲノム編集という技術が始まっております。」

「これは元々生物が持つ機能を強めることで、その結果、その生物を非常に速いかたちで品種改良したような動かし方が出来るようになるといいですね。」

「そういうふうなものになっております。」

「(カイコが5千年かけて品種改良してきたようなことを遺伝子レベルで短い期間で出来るようになり、それで安全が確保されるということについて、)そういうことですね。」

「で、そういう国際ルールをつくって、そういうものを守りながら生物工場をどのように利用していくかというところをこれから私たちは真剣に考えながらものつくりをしていかなきゃいけないんじゃないかなと考えております。」

 

生物工場の技術、その力は身近な暮らしを豊かにし、地球環境の課題を打ち破るカギになるかもしれません。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

生物工場が作り出す物質は、その生物が本来作ることの出来る分子量によって大きく左右されるといいます。

そうした中、カイコの吐く糸は分子量約37万を超える極めて大きなタンパク質の集まりで、2回目でお伝えした酵母に比べて圧倒的に分子量が多いのです。

ですから、カイコはまさしく日本の生物工場の切り札と言えそうです。

ちなみに、カイコについては以前アイデアよもやま話 No.3153 光るシルクが日本の養蚕業復活の起爆剤になる!?でもお伝えしております。

 

また、5千年とも言われる長い養蚕の歴史が生物工場としてのカイコの能力を高めたといいますから、先祖のカイコへの取り組みに対して私たちはとても感謝しなければなりません。

カイコの原料は自然界に存在する葉っぱというのですから、地球に優しくとても省エネです。

しかも、カイコの生物工場はとても仕組みがシンプルですから、一般の養蚕農家でも取り組むことが出来ます。

ですから、養蚕という産業自体が衰退していく中で、カイコは養蚕農家の救世主となり、生物工場として新たなものづくり革命をもたらす可能性を秘めているのです。


 
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2018年09月19日
アイデアよもやま話 No.4125 驚異の生物工場 その3 生物工場研究の世界事情!

5月22日(火)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で生物工場について取り上げていました。

そこで4回にわたってご紹介します。 

3回目は生物工場研究の世界事情についてです。

 

生物工場の研究は今世界で急速に広がっています。

10年ほど前から一気に研究は盛んになってきました。

国ごとに見ると、最新のデータでは、アメリカが全体の4割を占めトップ、それをイギリス、ドイツ、中国が追随し、日本は5番目です。

また、国を挙げて力を入れているのがイギリスです。

政府は生物工場をビッグデータ、再生医療、そしてロボット工学などと並ぶ8つの重大技術の1つに指定、およそ223億円を投資しました。

また、19の大学、研究機関、そして56の企業が一緒に研究開発をする機関を設立し、産官学が一体となった開発に取り組んでいます。

 

更に、フィンランドの公的機関が昨年公表した資料では、洋服や生活用品など身の回りにある、あらゆるものを生物工場で作り出してしまおうという壮大な計画が盛り込まれています。

フィンランドの公的機関の客員教授もされている東京大学大学院准教授の五十嵐 圭日子さんは次のようにおっしゃっています。

「(そこで具体的にどんなものを作ろうとしているのかという問いに対して、)私たちの研究所では、やはりモノを作るというのが、全てあらゆるモノですね。」

「私たちの身の回りにあるモノ、例えばコップですとか、お皿ですとか、食器とか、椅子とかそういうようなモノまで作っていこうという、そういうかたちです。」

「(椅子というのはどういうふうに作るのかという問いに対して、)これはカビとかキノコとか、そういうような生き物が体の周りに作るような物質をなるべく多く作らせる。」

「で、その結果、それを乾かすとゴムのようなかたちになるということが分かっている。」

「それを椅子の下に敷いて、椅子代わりに使う、そういうような・・・」

「(キノコ臭いというようなことはないのかという問いに対して、)実はキノコの臭いがするんですけど、それに関しても臭いの成分をなるべく少なくするような遺伝子組み換えをするようなことがやられてますね。」

「(世界は随分先を行っていそうだが、日本の現状と課題はどうなのかという問いに対して、)やはり日本は古来から、お味噌ですとか納豆、そういう発酵食品のようなものを非常に食べて来たりとか、文化的に使ってきたという歴史がございますので、そういうものをうまく使うことによって、どうやってバイオ産業を動かしてくのか、そういうようなことになっていくんじゃないかという気がしています。」

「やはり国がそれをサポートしていただかないと、私たちも動かせないということがございますので、今の場合ですとどうしても研究者が個別に研究を行っているということがあるのですが、それが一丸となって国として動かしていくようなサポートが欲しいかなという気がしています。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

10年ほど前から一気に研究が盛んになってきた生物工場の研究は今世界で急速に広がっているといいます。

そして、生物工場には前回お伝えしたように、あらゆるモノを作り出す可能性があり、地球環境にも優しく、化石燃料などのエネルギー消費量の削減にもつながります。

また安く大量生産が可能といいますから、世界各国が生物工場の研究に熱心に取り組むのは当然と言えます。

そうした中、日本は世界で5番目といいますが、資源小国、日本にとって生物工場は資源小国からの脱皮、および様々な資源の輸入に依存しない資源大国実現の可能性を秘めています。

ですから、是非日本においても、これからのものづくり革命をもたらす生物工場の研究開発に向けて、ヒト・モノ・カネを投入し、産官学共同で取り組んでいただきたいと思います。


 
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