2019年10月19日
プロジェクト管理と日常生活 No.611 『私たちが思っているよりも緊迫化している地球温暖化リスク その1 16歳の少女の訴えが世界を動かす!?』

前回、プロジェクト管理と日常生活 No.610 『地球温暖化で食糧供給が不安定に』で食糧供給の観点から地球温暖化のリスクについてお伝えしました。

そうした中、9月26日(木)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で16歳の少女が訴え続けてきた地球温暖化の危機(リスク)をテーマに取り上げていました。

そこで、番組を通して、私たちが思っているよりも緊迫化している地球温暖化リスクとその対応策について2回に渡ってお伝えします。

1回目は、世界を動かす16歳の少女の訴えについでです。

 

9月23日にニューヨークで開かれた「温暖化対策サミット」、ここでスピーチした一人の少女に、いま世界の注目が集まっています。

スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさん(16歳)です。

気候変動が緊急事態にあると訴えるグレタさんは、毎週金曜日に学校を休んでストライキを続け、大人たちに本気の対策を要求、世界中の若者たちを動かし、賛同の波が広がっています。

背景にあるのは、温暖化がこれまで考えられた以上に、急速に進み、深刻な状態=“気候危機”にあるという事実です。

番組では、“持続可能な世界”を次の世代に残していくための課題を探っていきます。

 

グレタさんは次のようにおっしゃっています。

「(温暖化の)危機が悪化するのを防ぐために、あらゆる手を打とう。」

 

グレタさんの言葉の背景に何があるのか、NHKはこの夏、地球温暖化の最前線、北極圏グリーンランドにカメラを向けました。

そこで目にしたのは、激しく崩落する氷河、8年間で2km陸側に後退しました。

氷が溶けてできた激流、最新の科学は、早ければあと10年で地球は後戻りできなくなる危険があると警告しています。

 

温暖化研究の権威、ヨハン・ロックストローム博士は次のようにおっしゃっています。

「これからの10年が、人類の未来を決めると言っても過言ではありません。」

 

グレタさんは次のようにおっしゃっています。

「家が火事になった時のように行動して下さい。」

「実際にそうなのですから。」

 

対策を訴えるグレタさん、CO2を大量に排出してきた産業界も変革を求められています。

 

ソニーのある執行役員は次のようにおっしゃっています。

「今、気候変動対応は、避けては通れない世の中になってきている。」

 

温暖化を防ぐために、私たちは何をすべきなのか、16歳の少女の訴えから考えます。

世界の先頭に立って、温暖化の問題を訴えているグレタさん、もともとは目立たない子どもだったといいます。

初めて行動を起こしたのは昨年8月、気候変動の深刻さを知り、「未来がないのに学校に行っても意味がない」とストライキ、スウェーデン議会の前で1人、プラカードを掲げました。

グレタさんは次のようにおっしゃっています。

「気候のための学校ストライキをしている。」

 

運動が広がるきっかけとなったのは、SNSへの投稿でした。

気候変動の影響を最も受けるのは自分たち若い世代だというグレタさんの訴えに、同世代の若者から賛同するコメントが次々と届いたのです。

毎週金曜日、グレタさんとともに学校を休む若者が次第に増え、その活動は「未来のための金曜日」として世界に拡大、若者から大人世代に責任を問う大きなムーブメントになりました。

グレタさんは次のようにおっしゃっています。

「あなた方は自分の子どもたちを愛していると言いながら、その目の前で子どもたちの未来を奪っています。」

 

世界160か国、400万人以上が参加した今月(9月)20日のデモ、東京で運営を担った宮 紗矢香さん、大学4年生です。

宮さんはデモの参加者とともには次のように訴えています。

「気候は変えず、自分が変わろう。」

 

他の大学の仲間とともに準備を進めてきた宮さん、以前から温暖化の問題に関心を持ってはいたものの、どう行動したらいいか分からずに過ごしてきました。

宮さんは次のようにおっしゃっています。

「就活の面接の場とかで、面接官とかに「環境配慮をもう少し事業に取り入れていった方がいいんじゃないか。」と言った時に、「それは分かるけど、利益が先で余裕があったら。」みたいな返しを何度もされたので、なんで経験とか知識がないからって若者は言い返せないんだろうとずっと思って。」

 

そんな時に出会ったのが、グレタさんのこの言葉でした。

「大人は「白黒はっきりつけられるものなどない」と言います。」

「しかし、それは嘘です。」

「とても危険な嘘です。」

 

大人たちを前に、動じることなく怒りを伝えるグレタさんの姿に背中を押されたといいます。

宮さんは次のようにおっしゃっています。

「私は「怒れ」と言われた時に、一番はっとさせられた。」

「自分が怒るべき当事者だなと思って。」

「自分が若者の一人として生きていって、少しでも発言することで自分の未来が変わるし、大人たちにも一石を投じることが出来ると思っています。」

 

温暖化の危機を訴え続けてきたグレタさん、中でも大切にしている言葉があります。

「私の声は聞かなくていいので、科学者の声を聞いて下さい。」

 

実は今、最新の科学が新たな事実を次々と突きつけているのです。

温暖化研究の世界的権威でポツダム気候影響研究所 共同所長のヨハン・ロックストローム博士は昨年、新たな研究を発表しました。

ヨハンさんは次のようにおっしゃっています。

「地球が“灼熱地球”に変化してしまう危険があります。」

 

産業革命前から、すでに1℃上昇している地球の平均気温、もし今後、1.5℃を超えてさらに上昇すると、北極の氷の融解が止まらなくなり温暖化が加速、それによってシベリアの永久凍土も溶け、温室効果ガスのメタンが放出します。

更にアマゾンの熱帯雨林が消失するなどして、ドミノ倒しのように気温が上昇し続け、元に戻れなくなるというのです。

ヨハンさんは次のようにおっしゃっています。

「1.5℃を超えてしまうと地球が温暖化の悪循環に陥ってしまい、更に気温上昇が加速する可能性があるのです。」

 

その臨界点が目前に迫っていることも明らかになっています。

世界中の科学者たちが作る組織、国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が昨年発表した特別報告書、これまで国際社会は2100年の気温上昇を1.5℃に抑えることを掲げていました。

しかし、早ければ10年後にも1.5℃に到達すると警告したのです。

ヨハンさんは次のようにおっしゃっています。

「今、地球が不安定化する瀬戸際にあることは科学的には明らかです。」

「これからの10年が人類の未来を決めると言っても過言ではありません。」

 

迫る温暖化の危機、最前線の現場に向かいました。

年間を通して面積の8割が氷に覆われた北極圏グリーンランド、取材に訪れた今年7月、西部の氷床に異変が起きていました。

ツアーガイドは次のようにおっしゃっています。

「湖がたくさんあります。」

「いろいろな場所にできています。」

 

今年の春から夏、この地域の平均気温は平年を2.6℃上回り、大量の氷が溶けていたのです。

住民の一人は次のようにおっしゃっています。

「毎年のようにどんどん氷河は小さくなっています。」

 

2008年の夏、峰を覆っていた氷河、わずか10年で目に見えて後退しています。

更に海から見てみると、次々と氷河が崩落、この氷河も8年間で2km陸側に後退しました。

船長は次のようにおっしゃっています。

 「昔はあの山のあたりまで氷河がありました。」

「10年後にはなくなってしまうかもしれません。」

 

この夏、最も暑かったわずか3日間で失われた氷は310億トン、実に東京ドーム2万5000杯分に相当します。

この異変は私たちの暮らしにどう影響するのか、IPCCは昨日(9月25日)新たな報告書「海洋と雪氷圏の特別報告書」を発表しました。

グリーンランドや南極の氷が溶けることで、今世紀末、世界の平均海水面が最大で1.1m上昇すると予測、これまでの想定を大きく上回っています。

それによって、東京など沿岸部の都市や島国では、これまで100年に1度といわれてきた大災害が毎年のように起きるようになると警告しています。

グレタさんは次のようにおっしゃっています。

「科学のもとに団結し、危機が悪化するのを防ぐためにあらゆる手を打とう。」

 

グレタさんの呼びかけで25万人がデモに参加したニューヨーク、デモに参加した子どもの一人は次のようにおっしゃっています。

「地球がどんどん熱くなって、治さないといけないから来たの。」

 

デモには親子連れの姿も目立ちました。

ある父親は次のようにおっしゃっています。

「(子どもに感化されてデモに参加したのかという問いに対して、)そうなんです。」

「息子がとても熱心なので、応援したいと思いました。」

「世界が直面している問題ですからね。」

 

またある母親は次のようにおっしゃっています。

「デモにも参加し、政府とも話します。」

「10年はあっという間です。」

.

9月23日の温暖化対策サミット、グレタさんは世界の首脳たちの責任を問いました。

「人々は苦しんでいます。」

「人々は死んでいます。」

「生態系は崩壊しつつあります。」

「未来の世代の目はあなた方に向けられています。」

「もしあなた方が私たちを裏切るなら、私は言います。」

「「あなた方を絶対に許さない」と。」

 

番組キャスターの武田 真一さんは次のようにおっしゃっています。

「グレタさんの言葉、1人の大人として私も目を覚まさせてもらった思いがします。」

「こちら、ご覧ください。」

「これは温室効果ガスの排出量の予測を示したグラフです。」

「このまま何も対策をしなければ、どんどん増え続け、予測の幅はありますが、排出量は2100年に最悪のケースで現在の3倍以上になると見込まれています。」

「気温なんですが、早ければ2030年にはおよそ1.5℃、2100年には、およそ4℃上昇するといわれています。」

 

ゲストで気候変動の専門家、国立環境研究所 地球環境研究センター 副センター長の江守正多さんは次のようにおっしゃっています。

「(気温が2030年にはプラス1.5℃、そして2100年には4℃という事態は本当に来るのかという問いに対して、)本当に温暖化するかという議論もあるかと思いますが、太陽活動のほうが重要ではないかとか、さまざまなことを言う方がいらっしゃいますが、過去に実際に起こった温暖化というのが、人間活動による温室効果ガスの増加がないと説明が出来ない。」

「そして、温室効果ガスが増えれば、このまま温暖化していくというのは、科学的には明らかだと言っていいと思います。」

「(科学的に明らかなことについては、)非常によく理解されています。」

 

「(1.5℃を超えていった後に、VTRの中の研究者は、もはや後戻りできず気温が上がり続けて、灼熱地球になってしまう可能性もあると指摘していたが、本当にこうした事態になるのかという問いに対して、)1.5℃を超えると必ずそうなるということではないんですが、そうならなかったとしても、1.5℃を超えた温暖化で、我々が近年既に経験し始めているような熱中症による健康被害であるとか、あるいは洪水であるとか、高潮であるとか、生態系の破壊であるとかそういったことが増えてきます。」

「日本でもこれは例外ではないわけです。」

「そして、1.5℃を超えて更に温暖化していくと、どこかで後戻りできない変化が始まるんじゃないかということが、最近の論文で指摘されているんですね。」

「それは、氷が溶けるのが止まらなくなる、どんどん溶け続けるようなスイッチが入ってしまうとか、あるいはメタンが出てくるとか、アマゾンの熱帯雨林がどんどん枯れていくとか。」

「しかも、これが1つ、スイッチが入ると、それによって起こされた変化が次のスイッチを入れてしまうような、ドミノ倒しのように連鎖反応で起きていくと。」

「これが起きますと、人間活動によってどんなに止めようと思っても、数百年とか1000年かけてですが、4℃ぐらいまで温暖化するのが止まらないんじゃないか。」

「これが、灼熱地球といっていることです。」

 

「(それが、いつ起きるか分からないような事態になりかねないということなのかという問いに対して、)しかも、あと10年が勝負だということが非常に大事だと思います。」

「非常に緊急であると。」

「我々、日本の科学者も先週ちょうど、日本学術会議の緊急メッセージというかたちで、岐路に立っていて非常に重要だということを日本の国民の皆さんも認識して下さいと言ったばかりなんですね。」

「ぜひそういった声に耳を傾けていただきたいと思います。」

 

スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさん(16歳)に共感し東京でデモを運営した大学4年生の宮 紗矢香さんは次のようにおっしゃっています。

「(「Climate Justice」、“気候正義”という言葉を掲げて活動していることについて、)気候正義とは、化石燃料の大量消費などで経済成長を遂げた先進国と、それに対して、これまでCO2をほとんど出してこなかったのにその被害を最も被る途上国、または大量生産、大量消費の時代を生きてきた現世代と、これからの時代を生きる将来世代の間にある不正義を人権問題として捉え、正すことを求める考え方です。」

.

「(地域による格差、それから世代による格差、それが不公平じゃないかということを訴えているということで、大人に対しての怒りの一番のポイントは何かという問いに対して、)

分かっているのに具体的な行動に移さない。」

「利益最優先で環境問題は二の次という考え方であったり、言い訳で逃げたりすることに私は怒っています。」

「老衰より、私たちはもしかしたら気候変動によって死ぬかもしれないのに、そのことに対して、とても私は怒っていて、嫌だと言いたいです。」

 

スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさん(16歳)に共感し東京でデモを運営した大学4年生の宮 紗矢香さんは次のようにおっしゃっています。

「(「Climate Justice」、“気候正義”という言葉を掲げて活動していることについて、)気候正義とは、化石燃料の大量消費などで経済成長を遂げた先進国と、それに対して、これまでCO2をほとんど出してこなかったのにその被害を最も被る途上国、または大量生産、大量消費の時代を生きてきた現世代と、これからの時代を生きる将来世代の間にある不正義を人権問題として捉え、正すことを求める考え方です。」

.

「(地域による格差、それから世代による格差、それが不公平じゃないかということを訴えているということで、大人に対しての怒りの一番のポイントは何かという問いに対して、)

分かっているのに具体的な行動に移さない。」

「利益最優先で環境問題は二の次という考え方であったり、言い訳で逃げたりすることに私は怒っています。」

「老衰より、私たちはもしかしたら気候変動によって死ぬかもしれないのに、そのことに対して、とても私は怒っていて、嫌だと言いたいです。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず、アメリカ・ニューヨークの国連本部で9月23日に開催された「気候行動サミット」について、9月24日(火)放送の「国際報道2019」(火)を通して以下にその一部をご紹介します。

 

今回のサミットは国連のグテーレス事務総長自らの呼びかけで開催されました。

77の国が“2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする”と約束した一方、アメリカや中国、インドなどの主要な排出国は約束していない他、日本など具体策を発表しなかった国も少なくありません。

こうした中で登壇したグレタさんはが世界の首脳にぶつけたのは、若者を代表した怒りの言葉でした。

「そもそも全て間違っています。」

「本来、私はここではなく学校にいるべきです。」

「それでも私はとても幸運です。」

「苦しみ、死んでいる人々もいるのだから。」

「生態系は壊れ、絶滅を始めている。」

「なのにあなたたちが語るのは、お金や経済成長というおとぎ話ばかり。」

「よくそんなことが言えたものです。」

「あなたたちは私たちの声を聞いていて、緊急性を理解していると思います。」

「それで行動しないのは邪悪そのものです。」

「そんなことは信じたくありませんが、未来の世代があなたたちを見ています。」

「私たちを裏切るなら絶対に許しません。」

 

温暖化に対する国際社会の取り組み不足を訴えたグレタさん、大人たちへの痛烈な批判はおよそ5分間続きました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

さて、以前から地球温暖化問題は世界的に注目されてきましたが、スウェーデンの16歳の少女、グレタ・トゥーンベリさんの昨年からの地球温暖化の危うさにおける世界に向けた訴えにより、若者を中心に一気に世界中にその影響が広がっています。

なぜ16歳という若さで、地球温暖化問題の本質を捉え、世界中の多くの人たちの心を捉えるスピーチ力を身に付けたのか、とても興味が湧きます。

 

それはともかく、ここ最近、毎年のように世界中で大型台風や集中豪雨が発生しています。

そして今年国内で発生した台風だけ見ても、広域にわたって記録的な被害をもたらしています。

こうした異常気象について、専門家は、人間活動による温室効果ガスの増加がないと説明が出来ないと分析しています

また、温室効果ガスが増えれば、更なる温暖化の進行は科学的に明らかだといいます。

ですから、来年以降も台風の発生回数は増え、その規模も一層大型化すると予想されます。

 

注目すべきは、最新の科学では、早ければあと10年で地球は後戻りできなくなる危険があると警告していること、そして温暖化研究の権威、ヨハン・ロックストローム博士は、これからの10年が人類の未来を決めると指摘していることです。

また、1.5℃を超えてしまうと地球が温暖化の悪循環に陥ってしまい、更に気温上昇が加速する可能性があるというのです。

また、一旦こうした状況に陥ってしまうと、人間活動によってどんなに止めようとしても、数百年とか1000年かけて4℃ぐらいまで温暖化の進行が止まらないのではないかという予測があることです。

こうしてみると、これからの10年間は地球温暖化対策にとって正念場と言えます。

 

こうした状況をどこまで知ってか知らずか、グレタさんは、「私の声は聞かなくていいので、科学者の声を聞いて下さい。」と訴えているのです。

グレタさんの発言は一見、過激に聞こえますが、その真意は科学者の知見に真摯に向き合って欲しいという、極めて真っ当なものなのです。

グレタさんのこうした訴えに世界中の感受性の強い若者たちが呼応しているのです。

 

是非、CO2排出量の2大大国、アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席にもグレタさんの発言に真摯に耳を傾け、世界をリードして地球温暖化対策を進めて欲しいと思います。

勿論、日本にもその技術力を生かして、いち早く“持続可能な社会”の実現を達成し、世界展開して欲しいと思います。


 
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2019年10月18日
アイデアよもやま話 No.4463 クローン、およびゲノム編集技術の今 その2 ペットなどのクローンビジネス!

6月5日(水)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で「マンモスが復活する」をテーマに取り上げていたので2回にわたってご紹介します。

2回目はペットなどのクローンビジネスについてです。

 

マンモス復活の実現には、あと少し時間がかかりそうですが、生物の再生はすでに身近な動物で実用化されているのです。

韓国にクローン技術でマンモス復活に取り組む研究所があります。

スアム生命科学研究所では、研究と同時に犬のクローンを作ることをビジネスにしています。

顧客の依頼でペットの犬から作られたクローン犬、カナダやドバイなど世界中から注文が殺到しています。

1匹の誕生を希望していても2匹生まれることがあり、みんなを引き取るのか1匹だけなのかは顧客に選択させています。

出産は万全を期して帝王切開で行われています。

 

犬の場合、元となるペットの核を別の犬の卵子に移植すると2か月でクローン犬が誕生します。

費用は1件当たり日本円で約1000万円といいます。

元のペットの皮膚の細胞は液体窒素の中で保存しており、クローンは何度でも作ることができるといいます。

ワン・ジェウン研究員は次のようにおっしゃっています。

「オリジナルとは、99.99%同じです。」

「みんな元気に生きていると聞いていますよ。」

.

これまでに作ったペットのクローンは1,400匹以上で、依頼者の多くは先進国の富裕層です。

日本からの依頼もあるといいます。

一体、どんな人がペットのクローンを求めるのでしょうか。

アメリカ・ノースカロライナの高級住宅街、昨年ペットのクローンを依頼した、会社経営者のブラーディックさん夫婦です。

この夫婦には、20年近く共に暮らした猫、シナボンがいました。

奥様は次のようにおっしゃっています。

「まるで私たちの子どものようでした。」

「シナボンが15歳ごろから、いつまで生きられるのか心配でした。」

「そして18歳になった時、本当にクローンをつくりたいと思いました。」

「シナボンなしの人生は考えられませんでした。」

 

死んだ猫と入れ代わるように生まれた、クローンの猫、付けた名前は元の猫と同じシナボンでした。

クローンのシナボンが生まれて半年、ある行動に驚かされました。

オリジナルのシナボンはいつもイスの上に座っていましたが、その習慣を新しいシナボンも、すぐに身につけたというのです。

ですから夫婦は元のシナボンがまだ生きているように感じています。

そして、これからもクローンをつくりたいといいます。

 

アメリカ・メリーランド、スポーツジムで働くミーシャ・カウフマンさんはチワワのブルースと、そのクローン4匹を飼っています。

2年前、ミーシャさんはブルースの他にもう1匹犬を飼いたくなりました。

その時、出会ったのがクローン技術です。

カウフマンさんは次のようにおっしゃっています。

「他に犬を飼うならブルースのような子が欲しいと思いました。」

「だからクローンのことを知ったとき、「これしかないわ」と思いました。」

 

しかし、実際に生まれたのは5匹でした。

1匹は養子に出し、4匹を飼うことにしました。

カウフマンさんは次のようにおっしゃっています。

「4匹はオリジナルと似ているところもあるけど、怒りっぽかったり甘えん坊だったり、性格はちょっとずつ違うわ。」

 

ミーシャさんにとって、オリジナルのブルースは今でも特別な存在です。

「私の中ではやっぱりブルースが一番。」

「たとえクローンでも彼の代わりにはならない。」

「でも他の子たちもかわいいし、彼らとの毎日は本当に楽しい。」

「明るいし笑わせてくれる。」

「本当にすばらしい子たちです。」

 

例えば食料を増産するためとか、医学の役に立つためにというふうに、これまで人類は、さまざまなかたちで生命に手を加えてきたわけですが、ペットを愛するがゆえに命を操作する、それはどこまで許されるのでしょうか。

作家の石井 光太さんは次のようにおっしゃっています。

「失った命を戻したいとか、純粋な気持ちだと思うんですよね、本人たちは。」

「ただ、それにはいろんな裏がある部分もあると思うんです。」

「例えば、今のVTRであれば、クローンを生むお母さんがいるわけですよね。」

「じゃあ、このお母さん犬猫の生きる権利はどうなのか。」

「あるいは双子、三つ子が生まれた時に、その養子に出された犬猫はどうなっていくのかという問題があります。」

「やはり、それを全部無視した上で彼らのビジネスは成り立ってしまっているんですね。」

「逆に言うと、そういったビジネスがあると、それを悪用する人もいると思うんです。」

「クローンの場合、人間には適用されませんけれども、例えば私が取材した中ですと、代理母出産の事件があったんです。」

「5年ほど前に、20代の日本人男性がタイで分かっているだけで19人の子どもを代理母出産でつくった。」

「それはすごく社会問題、国際問題になったことがあったんです。」

「やはり代理母が悪いわけじゃないんです。」

「だけれども、あることによって、それが悪い人、一部の人たちに悪用されてしまうというケースがあると思うんです。」

「会社、企業というのは、ニーズがあるからビジネスを作るというふうにいうんですけれども、実はよくよく考えなきゃいけないのは、きちんとルール、倫理を作った上でビジネスをやるんだったらいいと思うんですけれど、今、それが逆になってしまっている。」

「倫理とかルールを作らない状態の中で、ビジネスだけを先に走らせてしまっているんですね。」

「そこが一番の問題の根源なのかなというふうには思っています。」

 

動機には、純粋なペット愛だけではなくて、クローンを作るこんな理由、ケースというのもありました。

まずは、アメリカ・テキサスにある、きゅう舎です。

こちらには、競走馬、サラブレッドのクローンがいるんです。

オリジナルは、国内の大会で何度も優勝したことがある1億円以上を稼いだ実績のある名馬なんですが、去勢していたために繁殖が出来ず、まずクローンを作って、それを種馬として子どもを作ることにしたんです。

これまでに生まれた子どもというのは17頭、今後レースで活躍することが期待されています。

さらにこちらは、中国で作られた犬のクローンなんですが、オリジナルは優秀な警察犬です。

クローンを使えば、効率的に能力の高い警察犬を生み出すことが出来ると、中国政府の肝いりで力を入れています。

こうした能力や才能を引き継ぐためにクローンで子どもを増やしていくという実例がいくつもあるんですが、どんな立派な理由があっても、人が勝手に命を操っていいのかというふうに警鐘を鳴らす専門家もいます。

 

コロンビア大学 生命倫理学のロバート クリッツマン教授は次のようにおっしゃっています。

「クローンをつくる人に理解してほしいのは、その背後に犠牲となる動物がいるということです。」

「例えば1匹の健康な犬をつくるために4匹の犬を産む必要があります。」

「そのうち2、3匹は奇形だったり、死んでしまう犬もいます(という研究も)。」

「動物たちの命も尊重すべきです。」

「犬が欲しいという人間の欲望のために動物にひどい仕打ちをし、悲惨な目に遭わせることが許されるとは思いません。」

.

こうした状況について、慶應義塾大学の宮田 裕章教授は次のようにおっしゃっています。

「先ほどのクリッツマン教授の指摘の通り、クローンペットには母子双方の死産、あるいは遺伝子異常、リスクというのが相当程度あることが課題として残っています。」

「1匹のクローンペットの背景には大きな犠牲があるんですよね。」

「このような課題をはらんだ技術が研究としての規制、枠を外れて、ビジネスとして世に出されると、これは先ほど石井さんがおっしゃった通りなんですが、愛着とか有能さとか、こういったさまざまなニーズに飲まれて、拡大をコントロールすることが出来なくなってしまうんですね。」

「技術を開発するということと、社会の中でどういうふうに使うかと、これは分けて考える必要があるかなと考えています。」

 

マンモス復活は確かにロマンを感じますが、議論が十分でないまま技術が進んでいってしまう現状を少し踏みとどまって考えていかなければならないのではということについて、

石井さんは次のようにおっしゃっています。

「本当にそう思います。」

「やはり科学技術には矛盾もあると思うんですね。」

「ロマンがある裏で、例えば絶滅したマンモスをよみがえらせるために、今、絶滅危惧種のアフリカゾウを危険にさらすとか、あるいは本当に死んだ猫犬を再生させるために、今、生きている猫や犬を危険に追い詰めてしまう。」

「そういった矛盾をはらんでしまうものだと思うんです。」

「ロマンはいいんですけれど、その裏にあるものってなかなか見えてこないですし、議論されないと思うんですね。」

「やはりそこの部分というのは、メディアがどんどん議論する機会を与えなきゃいけない。」

「こういった番組の中で、そのことを見せる裏で、闇の部分を見せて、きちんと議論していく。これが必要なんじゃないのかなというふうに思っています。」

 

また、宮田教授は次のようにおっしゃっています。

「今日、科学技術のメリット、デメリットの話をしてきましたが、民主主義社会において、テクノロジーを軸に大きな物事を成し遂げようとする時には、人々、社会の支持が必須になります。」

「例としては、宇宙開発におけるアポロ計画というものがあるんですが、まさにチャーチ教授の掲げるマンモス再生氷河期パークというのは、ここからが正念場になると思います。」

「科学技術にはそれぞれ強み、弱みがあるので、重要なのはこれら技術を用いて、我々がどのような社会を目指すかということです。」

「現在のような転換期においては、一部の科学者や政治家だけではなくて、広く社会のメンバーが持ち寄って、ビジョンを考えていくことが必要になるのかなというふうに思います。」

 

少し前まで夢物語と考えていたようなことが、まさに現実として迫ってきているので、こうした議論を急ぐ必要があります。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

韓国のスアム生命科学研究所では、クローン技術でマンモス復活の研究と同時に犬のクローンを作ることをビジネスにしているといいますが、既にペットビジネスが誕生していることには驚きです。

犬の場合、元となるペットの核を別の犬の卵子に移植すると2か月でクローン犬が誕生し、費用は1件当たり約1000万円といいます。

しかも元のペットの皮膚の細胞は液体窒素の中で保存しており、クローンは何度でも作ることが出来るというのです。

これまでに作ったペットのクローンは1,400匹以上で、依頼者の多くは先進国の富裕層といいますが当然だと思います。

ペットロスという言葉があるくらい、ペットを亡くした人の中には家族を亡くした時と同様にショックを受け、暫く立ち直れない人も多いといいます。

こうしたペットを飼っている人にすれば、もし10万円前後で亡くなったペットをクローンとして誕生させることが出来れば、多くの人たちがこうしたビジネスに飛びつくだろうと容易に想像されます。

ですから、ペットビジネスはビジネスのニューフロンティアとして大いに期待されていると思います。

そして、一部の富裕層は既にペットビジネスの顧客になっているのです。

しかし、こうしたペットビジネスの裏では、番組でも指摘されているように、お母さん犬猫や養子に出された犬猫の生きる権利など様々な弊害があるのです。

 

一方、ペット以外にも競走馬のサラブレッドや優秀な警察犬のクローンも既に誕生しているといいます。

こうした状況が意味するのは、人類の様々な活動が環境破壊や地球温暖化をもたらし、その変化が新たな環境をもたらし、その環境によって生じた状態に合わせて新たなビジネス、あるいは新たな研究が生まれているということです。

一方で、クローンやゲノム編集などの最新医療技術は、いよいよ人類は“神の領域”に踏み込んだことも意味しています。

 

ここでとても重要なことは、前回もお伝えしたように、クローンやゲノム編集の研究が自由に進められ、それが様々な生物に応用されると、取り返しのつかないとんでもない状況をもたらしてしまうリスクがあるということです。

極端な例では、人にゲノム編集の技術を応用すると、頭脳明晰、容姿端麗でしかも健康優良児のような子どもを自在に誕生させることが出来てしまうのです。

しかもこうした子どもの誕生の裏では、何人かの犠牲になる子どもも生まれてしまうのです。

こうした状況を考えると、早急にこうした技術の歯止め策を世界各国が共通に策定することが必要です。

そのためには、まず“生命とは何ぞや”という根源的な命題の検討を十分にすべきだと思います。


 
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2019年10月17日
アイデアよもやま話 No.4462 クローン、およびゲノム編集技術の今 その1 マンモスが復活する!?

6月5日(水)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で「マンモスが復活する」をテーマに取り上げていたので2回にわたってご紹介します。

1回目はマンモスの復活についてです。

 

ロシアで発掘されたマンモスの展示が、いよいよ6月7日から東京・お台場で始まります。(「マンモス展」が11月4日まで日本科学未来館で開催中)

実はこのマンモス、今、クローンなど、最新の科学技術を使ってよみがえらせようと、ロシア、アメリカ、そして日本など世界中がしのぎを削っています。

 

ブームの震源は、極寒の地、ロシア連邦サハ共和国です。

北極海に面し、冬の気温はマイナス30度以下です。

雪が溶ける短い夏の間、この地を目指して多くのハンターがやって来ます。

お目当ては、永久凍土の下に眠るマンモスの死骸です。

凍った土の中から、牙や体を掘り起こしていきます。

シベリアは突然のマンモスブームに沸いています。

その背景には、意外な理由があります。

マンモス博物館のセルゲイ・ヒョードロフ館長は次のようにおっしゃっています。

 「第一の原因は地球温暖化で、たくさんのマンモスが見つかるようになりました。」

「第二の理由は中国市場でマンモスがとても高額になっていることがあります。」

.

中国・北京、発掘されたマンモスが高値で取り引きされる場所がありました。

「マンモスの牙」と書かれた店、店内には牙を用いた彫刻品が大量に売られています。

貴重な牙には5000万円の値が付いており、贈答品として人気が高まっているといいます。

一方、牙以外は、マンモス復活を目指す各国の研究者が買い取ります。

発掘ブームによって増える保存状態のいいマンモスの死骸が研究を加速させているのです。

 

マンモス復活にかけるキーパーソンは紀伊半島にいました。

和歌山県の近畿大学では25年前からマンモスの研究を続けています。

近畿大学 先端技術総合研究所の加藤 博己教授は次のようにおっしゃっています。

「(マンモスを復活させるために)今までやってきた研究は基本的にマンモスを体細胞クローンの技術を使って復活させる研究をしてきました。」

 

体細胞クローンには生きたゾウが必要なので、まずゾウの卵子の核とマンモスのを入れ替えるのです。

入れ替えた卵子に刺激を与え、分裂を始めたところで母親となるゾウの体の中に戻すのです。

うまくいけば、ゾウからマンモスが生まれるというのが作戦なのです。

近畿大学がクローン技術に取り組み出したのは1997年です。

しかし、なかなか状態のよい細胞が見つからず、復活の可能性は見えませんでした。

そこに転機が訪れます。

ロシアで極めて状態のいいマンモスが見つかったのです。

「YUKA」と名付けられたこのマンモス、近畿大学の研究チームもこの細胞を入手しました。

研究チームは、まずマンモスの細胞核をマウスの卵子に移植しました。

すると細胞が分裂するための準備「紡すい体」が出来始めたのです。

これはマンモスの核が活動する力を残していることを意味します。

近畿大学 生物理工学部の山縣 一夫准教授は次のようにおっしゃっています。

 「夜中に動画を見たときに『うおッ!』って。」

「世界で誰も今までやったことのない実験、大興奮です。」

 

しかし、本来なら卵子は分裂を始めるはずなのに、実験を重ねても一向に進みませんでした。

詳しく調べてみると、核の中のDNAが大きく壊れていました。

これではマンモスのクローンを作ることは出来ません。

 

山縣准教授は次のようにおっしゃっています。

 「なかなかクローンの方法による復活というのは難しい。」

 

マンモスの復活にはクローン技術以外のアプローチが必要になります。

そこで研究チームはある方法に着目しました。

加藤教授は次のようにおっしゃっています。

 「今はある程度のところでDNAの合成が出来ます。」

「合成のいろいろな技術を使ってマンモスの細胞を合成することが出来ないか。」

 

マンモスを復活させる新技術とはどんなものか、その最先端を走るのがアメリカのハーバード大学です。

ハーバード大学医学大学院にある研究室の研究員の一人は次のようにおっしゃっています。

「新しいがんのワクチンをつくろうとしている人がいたり、マンモスを復活させようとしている人たちもいる。クレイジーな研究室よ。」

.

こちらの研究室のボス、ジョージ チャーチ博士は次のようにおっしゃっています。

「バラバラになっているマンモスの遺伝子をパソコンの上で組み立て、ゾウの細胞に移植するんだ。」

「すると、マンモスの特徴を持った生物になるんだ。」

 

チャーチ博士が使っているのは「ゲノム編集」という技術なのです。

ゲノム編集は、遺伝子の狙ったところを切ったり置き換えることが出来る技術です。

まず、壊れてバラバラになったマンモスのDNAをコンピューター上で組み立て直すのです。

そして、ゾウのDNAと見比べるのです。

すると、牙や耳など、違うところがたくさん見つかります。

そうしたら、ゲノム編集の出番です。

マンモスを手本に、ゾウのDNAを書き換えていくのです。

牙は長く、耳は小さく体の毛は赤くなります。

こうしてDNAを書き換えると、マンモスの特徴を持った生き物が生まれるのです。

チャーチ教授は次のようにおっしゃっています。

「生まれてくるゾウはフサフサの毛が生え、極寒の地でも活動出来る血液、小さい耳、マンモスと多くの共通点を持った生き物になる。」

「DNAをマンモスに近づけていくことは理論的にも技術的にも出来ない理由はない。」「遅くとも5年から10年以内にはマンモスを見られるだろう。」

 

こうした取り組みの意義について、慶應義塾大学の宮田 裕章教授は次のようにおっしゃっています。

「チャーチ教授たちの計画は、ツンドラにマンモスがかっ歩する、こういった生態系を構築し、ジュラシックパークならぬ、氷河期パークというものを作ろうとする。」

「この構想においては、マンモス復活はあくまでも手段です。」

「氷河期パークというのが実現するかはともかく、彼らの説明によると、寒冷地でも生存可能な草食動物が復活すれば、土壌が再生され、ツンドラを草原に戻すことが出来るんじゃないかと。」

「ここからさらに飛躍するんですが、そうした大規模な草原で、地球温暖化から救えというのが彼らの構想です。」

「一方で、彼ら、ハーバード大学の狙いは、こうした構想の中で技術を磨くということにあります。」

「ゲノム編集だったり、iPS細胞、こういった最先端技術を用いて、このマンモス再生に挑戦する前から彼らは老化防止とか、移植用臓器の培養というものを進めていたんですね。」

「こういった氷河期パークという大義があれば、最先端技術を磨く場を作れるということになるのかなと思います。」

 

また作家の石井 光太さんは次のようにおっしゃっています。

「(マンモス復活プロジェクトを後押ししているのが牙の高騰ということについて、)これは背景を見なきゃいけないと思うんですけれど、もともとは中国がアフリカで象牙の密輸入というのをたくさんやっていたんですね。」

「それによって、印鑑だとか細工目的で、アフリカゾウがあと1世代で絶滅してしまうぐらいの状況に追い詰められて、しかもその資金が、一部、地元のアフリカのテロ組織に流れていたりした。」

「中国はそういったことに危惧を抱いて規制をかけたんです。」

「そうしたら、そこの人たちが今度は象牙ではなくて、マンモスの牙にいこうとロシアに流れていった。」

「それが今、ゴールドラッシュのようなかたちで、本当にたくさんの人たちが、貧しい人たちも含めて行って、とにかくマンモスの牙を取り続けているという状況が起きているんですね。」

「やはり今、その中で密輸入の事件が起きたりもしています。」

「やはり今、我々がマンモスブームというふうに言いますけれども、実はそれを支えているのが、そういった象牙の系譜から来ているマンモスの牙のブームなんだということは、やっぱり忘れちゃいけないのかなというふうに思っています。」

 

「(ゾウのDNAを書き換えた動物はマンモスと言えるのかという問いに対して、)クローンではなくて、ゲノム編集でゾウから作られるマンモスのような生き物は、やっぱりマンモスではないんです。」

「私の友人の生物学者に言わせれば、「これはカニ味に似せたカニカマを食べながらカニについて語るようなものだ」と。」

「「マンモスの生態に迫ることは出来ないだろう」と。」

「ただ一方で、先ほどお話したように、チャーチ教授たちの狙いは氷河期パークです。」「寒冷地で生きることが出来るようなマンモスライクな生物を再生することができれば、彼らは成功だと考えているんですね。」

「その中で磨いているゲノム編集という技術は、今、医学でも非常に応用が注目されていて、例えば遺伝子が原因となる糖尿病の治療だったり、あるいは遺伝子変異によって抗がん剤が効かなくなったがん患者さんの治療、こういったことへの挑戦も続いているという注目すべき技術だと思います。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

今、シベリアは突然のマンモスブームに沸いているといいますが、その第一の原因は地球温暖化で、たくさんのマンモスが見つかるようになったこと、そして第二の理由は中国市場でマンモスがとても高額になっていることがあるというのは、とても皮肉に聞こえます。

人類の経済活動がもたらした地球温暖化により、これまで永久凍土の下に眠っていたマンモスの死骸が見つかるようになり、一方でこれまで高額だった象の牙が獲り過ぎて手に入りにくくなったので、その代わりにマンモスの牙に5000万円という値が付いているというのです。

これでは永久凍土の多いシベリアが突然のマンモスブームに沸いているのも当然です。

 

一方、牙以外はマンモス復活を目指す各国の研究者が買い取り、発掘ブームによって増える保存状態のいいマンモスの死骸が研究を加速させているといいます。

ハーバード大学では「ゲノム編集」により、壊れてバラバラになったマンモスのDNAをコンピューター上で自在に組み立て直す研究を進めています。

DNAを書き換えると、マンモスの特徴を持った生き物が生まれるのです。

その結果、遅くとも5年から10年以内にはマンモスを見られるといいます。

更には、ツンドラにマンモスがかっ歩するような生態系を構築し、氷河期パークという計画があるというのです。

この構想においてはマンモス復活はあくまでも手段であり、寒冷地でも生存可能な草食動物が復活すれば、土壌が再生され、ツンドラを草原に戻すことが出来ると考えられています。

そうした大規模な草原で、地球温暖化から救えというのです。

一方で、ハーバード大学の狙いは、こうした構想の中で技術を磨くということにあると考えられています。

また、ゲノム編集やiPS細胞などの最先端技術を用いて、このマンモス再生に挑戦する前から老化防止や移植用臓器の培養の研究を進めていたといいます。

こういった氷河期パークという大義があれば、最先端技術を磨く場を作れるということになるのではという見方もあります。

こうした中で磨いているゲノム編集の技術は、今、医学でも非常に応用が注目されており、遺伝子が原因となる糖尿病の治療や遺伝子変異によって抗がん剤が効かなくなった場合の治療などへの挑戦も続いているのです。

 

「ジュラシックパーク」という映画がありましたが、復元されたマンモスなどが闊歩する「氷河期パーク」が開園されれば、世界中からお客が殺到すると思います。

更にツンドラを草原に戻すことが出来れば、地球温暖化対策にもなるといいます。

また、ゲノム編集やiPS細胞などの最先端技術を用いて老化防止や移植用臓器の培養、難病の治療法が実用化されれば、多くの人たちが助かります。

このように、ゲノム編集やiPS細胞などの最先端技術は私たちに様々なメリットをもたらしてくれそうです。

特にゲノム編集によるマンモスの特徴を持った生き物の誕生は他の生物への展開の突破口となりそうです。

しかし、一方で“神の領域”とも言えるゲノム編集の副作用についても十分な検討が必要だと思います。

もし、クローンやゲノム編集の弊害に対するリスク対応策が十分に検討されなければ、人類のみならず多くの生物にとって取り返しのつかない状況をもたらす可能性を秘めていることを常に意識しておくことが求められるのです。


 
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2019年10月16日
アイデアよもやま話 No.4461 今求められる”アート力”!

6月4日(火)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で耳慣れない”アート力”について取り上げていたのでご紹介します。

 

ある本屋さんの棚にズラリと並ぶのは、アートの感覚を仕事に生かそうという本です。

中には10万部を超えるベストセラーになったものもあります。

今なぜビジネスにアートが求められているのでしょうか。

 

ビジネスマン向けのアートセミナーで取り組んでいるのは人物の絵を逆さにして模写することで固定観念を捨てる訓練、人の顔だという思い込みを止めて描いてみると、意外にうまく描けるといいます。

学んでいるのは、既成概念を打ち破り、ゼロから生み出す“アート力”です。

 

参加者の業種はITや不動産など、多岐に渡ります。

AI(人工知能)が急速に進化する中、自分の仕事の先行きに不安を感じているというビジネスマンたち、人間にしか出来ないゼロから生み出す力を身に付けたいのだといいます。

このセミナーを主催するアート・アンド・ロジック株式会社(ART&LOGIC)の代表で講師でもある増村 岳史さんは次のようにおっしゃっています。

「AIの時代になればなるほど、人がやる事というのは何だろうという、その先にやっぱり直観とか感性というのがとても重要になってくる。」

 

AI時代を迎え、“アート力”をものづくりに取り入れたメーカーがあります。

バイクなどを製造しているヤマハ発動機は、これまでマーケティングに基づき、売れると見込んだ機能性の高い製品を中心に作ってきました。

しかし近年、機能の面では他社との違いがつきにくくなっているのが課題だと感じています。

そこでカギとしたのが“アート”です。

 

この会社では市場調査などに頼らず、社員の感性を前面に出した斬新なモデルを次々と発表しています。

身体を優しく包む衣をイメージした電動アシスト三輪車、あるいは真っ白な車椅子、結婚式など“ハレの舞台”での利用を想定しました。

“アート力”で既存のイメージを打破し、これまでになかったニーズを掘り起こそうとしています。

ヤマハ発動機 デザイン本部長の長屋 明浩さんは次のようにおっしゃっています。

「(“アート力”で)お客さんのイマジネーションが発展していって、また次のものにつながっていくというようなことも連鎖が起こって来るので、そういうスパイラルが回っていくようなことを出来るといいなと思っていますね。」

 

一方、社員の“アート力”で新規事業を立ち上げた会社もあります。

日本事務器株式会社(NJC)は長年電子カルテなどの情報システムを手掛けて来ました。

変化の激しいIT業界で生き残りを賭けて新しい分野に進出しようと決めたこの会社、コンサルティング会社から“アート力”を生かすようアドバイスを受け、議論を始めました。

今ある技術で出来ることを探すというこれまでの発想を捨て、それぞれがやりたいことをトコトン出し合い、新たな可能性を探ります。

デザインコンサルティング会社、IDEOTokyoの野々村 健一さんは次のようにおっしゃっています。

「こんなことが出来たら楽しいのに、こんなことがあったら便利なんじゃないかとか、そういった感覚っていうのはまだまだAIでは補完出来ないところかなと思っています。」

 

そうして出来上がったのが農作物の流通アプリです。

生産者と流通業者が出荷数などの情報をいち早く補完出来、食品ロスや価格暴落を防ぐという新システムです。

“アート力”を生かしたことで、社員の誰もが想像していなかった新たなサービスが実現したのです。

日本事務器の松島 政臣さんは次のようにおっしゃっています。

「困っていることとか、こうなったらいいという理想の姿を共感出来た。」

「パッションというか、やりたいことがぶれないことが大事だんじゃないかと思いますね。」

 

ゼロからイチを生み出す“アート力”、それを生かそうという模索は管理部門にまで及んでいます。

アートセミナーで学んだ、丸井グループ人事部の宮崎 海さんは採用を担当しています。

これまでは決められたことを着実に進めることが求められてきましたが、今仕事のあり方を根本的に見直す必要に迫られています。

今後就活(就職活動)のルールが大きく変わる可能性があるからです。

現在は採用を始められる時期が決まっていますが、今後は1年を通じていつでも採用出来るようにしようという議論が起きているのです。

いつどんな説明会や採用をすれば、会社の求める人材が集まるのか、これまでのやり方に囚われない“アート力”を生かし、部全体で新しい採用方法を模索しています。

丸井グループ人事部の宮崎 海さんは次のようにおっしゃっています。

「新しいアイデアは出せっこないとかどこかで半分諦めてたんですけども、毎日毎日小さいことかもしれないけど積み重ねたら出来るんじゃないかなというふうには思えています。」

 

いつだって先行き不透明で大胆な発想が求められるのですが、AIの登場もあってか、今はゼロから新しい何かを生み出す“アート力”が求められるのです。

企業経営の専門家、多摩大学大学院の紺野 登教授は次のようにおっしゃっています。

「無駄を取る、今あるモノを考えるということは、結構日本の企業は大得意なわけだったですけども、これだけやっていても中々成長しない。」

「やはり引っ張っていくのは自分自身が内側から出てくる力を使ってイノベーションを起こす、新しいモノを作っていくと、そういうことではないかと思います。」

 

AIの進化に伴ってやはり仕事を奪われるのではないかという声もありますが、AIが得意とするのは飽くまで膨大なデータをもとに答えを導き出すことだとすれば、やはり全く新しいビジネスチャンスを生み出すには人間の直感、閃き力がこれまで以上に大事になるのではないかと感じます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今や、商品開発や通常業務への取り組み方において、これまでの発想による改善は飽和状態に達しているようです。

そうした中、AIやロボット技術の進化が大きなきっかけとなり、こうした技術の導入を前提にした商品開発や業務への取り組み方が大きな課題となっています。

 

さて、頭脳労働において、従業員による業務の多くはAIに取って代わられるという指摘がある一方で、AIの持つ限界が指摘されています。

それは直観とか感性、あるいは皮膚感覚といったような人間の持つ能力を現在のAIは持っていないということです。

 

そこで、こうしたAIにはない人間の持つ能力に焦点を当てた“アート力”が今注目を集めているのだと思います。

そもそもアートとは芸術や美術を意味します。

そして芸術や美術には想像力(イマジネーション)や創造力(クリエーション)が要求されます。

そして想像力や創造力は直観や感性、あるいは皮膚感覚を研ぎ澄ますことによって磨かれると思うのです。

こうした思考は、現状に囚われない自由な発想につながります。

番組でも指摘されているように、これまでの一般的な日本人の優れているところは現状の改善でした。

しかし、技術革新の速い今求められているのは、従来型の現状の改善よりも“アート力”、すなわち想像力や創造力なのです。

こうした能力を従業員一人ひとりが発揮することによって、生産性向上、あるいは経済発展は新たなステージを迎えることが出来ると大いに期待出来ます。


 
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2019年10月15日
アイデアよもやま話 No.4460 エアコン1台で十分な一戸建て!

6月3日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でエアコン1台で十分な一戸建てについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

暑い日に欠かせないのがエアコンです。

例えば、一般的な一戸建てですと、リビングルームにベッドルーム、子ども部屋と3台以上は各部屋にあるのではないでしょうか。

そうなると電気代もかさみます。

 

そうした中、このような間取りでもエアコン1台で済んでしまうという省エネの家が人気を集めています。

千葉県浦安市にある30坪の2階建ての戸建て住宅のお宅、2階にあるのは6畳用のエアコン、この1台で家全体の温度を一定に保つことが出来るといいます。

番組が取材した日の屋外の温度は約30℃、一方室内の温度はどの部屋も約25℃〜26℃に保たれています。

 

この家を建てた株式会社WELLNEST HOME(ウェルネストホーム)の柴山 さゆり社長は次のようにおっしゃっています。

「イメージは魔法瓶みたいな家だと思って下さい。」

 

熱いものを熱いままに、冷たいものを冷たいもののままに保つ魔法瓶のような構造、キーワードは“高気密、高断熱”です。

例えば、こちらのお宅の窓、三重構造に加え、サッシが樹脂で出来ているため、熱が逃げにくい構造になっています。

他にも壁の厚さは23cmと通常の家の2倍です。

壁の中にはセルロースファイバーと呼ばれる新聞紙を細かく砕き、加工したものを使うことで、外からの熱をシャットダウン出来るといいます。

また熱すぎる空気や寒すぎる空気を吐き出し、心地よい温度で空気を取り込む特殊な換気扇を設置しています。

更にこの家のもう一つの特徴が湿度も均一に保てることです。

そのため、お湯の溜まっているお風呂の蓋、そしてお風呂のドアを開けっ放しにしていても脱衣所の鏡が曇ることはありません。

壁の中のセルロースファイバーが湿気を吸収するので、夏はカビが生えにくく、冬も結露知らずだといいます。

それだけではありません。

1台のエアコンだけで、年間の光熱費は8万円ほどで収まるというのです。

この地域で同規模の家の光熱費は年間で約20万円といいます。

この家ではそれは半分以下になるというのです。

 

これだけの機能が付いていると、気になるのは価格ですが、一般的な家と比べると高くなります。

こちらの建物の本体価格は約2500万円です。

一般的に同じサイズの住宅は2000万円程度と言われています。

ただ、建物以外に生活をしていくとランニングコストがかかります。

そのランニングコストも含めて30年で見た時にこの住宅の方がかなり安くなると茨山社長は強調します。

 

住宅の購入後にかかるのが光熱費やメンテナンス費用などのランニングコストです。

年間の光熱費を8万円として単純計算すると約40年で年間の光熱費が20万円の一般の住宅を購入した時と同程度の支出になります。

日本の一般的な住宅の寿命は築後32.1年、それを超えると建て替えや修繕が必要になるといいます。

一方で、ウェルネストホームの住宅は耐用年数が70年以上というので、長い目で見るとトータルのコストは安くなるといいます。

柴山社長は次のようにおっしゃっています。

「(人生100年時代で考えた時に、40歳で家を建てて100歳まで生きるとしたら、もう1回建てないといけないということになりますが、)そう考えた時に、70歳になった時にもう1回ローンを組んで家を建てるのではなくて、初めから60〜70年長持ちする家を提案していきたいって我が社は思っています。」

 

そもそもヨーロッパでは、100年続く家を建てるということを考えてから家を買うそうなので、素材などにこだわり抜く、お金もかけるといいます。

なので、家が寒いとそれが原因で離婚問題に発展したり、窓のサッシが結露すると訴訟問題になったりだとか、年中家が快適であるということを最も重要視しているといいます。

それで日本にもその考え方を根付かせたいということなのです。

解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田 洋一さんは次のようにおっしゃっています。

「日本の夏って夜でも30℃とかあるじゃないですか。」

「熱中症になってしまいますからエアコンは本当に必需品なんですよね。」

「一方で冬なんですけども、大変な問題があるんですよ。」

「ヒートショックで年間に亡くなる方は1万7000人です。」

「交通事故で亡くなる方(年間3532人)と比べてみて下さい。(2018年警視庁調べ)」

「非常に寒暖の問題って命に係わる問題なんですね。」

「ということで、今回紹介された、一言で言えば“高断熱、高気密”ということになるんですけども、そういう家の普及は大きな社会的課題になっている感じがしますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

地球温暖化は今や世界的に大きな問題になってきつつあります。

その問題解決に向けて徐々に世界的に危機感が広がりつつあります。

そして、大なり小なり対策が実施されていますが、10年単位で見ると地球温暖化の進行を抑えることは期待出来そうもありません。

ですから、異常気象の連続による巨大台風や集中豪雨の発生は、その規模の大きさ、および回数の増加を伴います。

その結果、既に日本各地ではこうした被害の増加が進んでおります。

一方、省エネ、あるいは地球環境への負担を軽減する意識も高まりつつあります。

更に、首都直下型地震や南海トラフ地震の発生も取りざたされています。

また、今やあらゆる分野において持続可能な社会の実現が求められております。

 

こうしたことから、一般住宅に求められる今後の要件は、以下のように5つあると思います。

・高断熱・高気密の家

・水害に強い家

・地震に強い家

・耐用年数の長い家

・ZEH(Zero Emission House)、すなわちCO2排出量ゼロの家

 

それにしてもヒートショックで年間に亡くなる方の方が交通事故で亡くなる方よりも多いという現実にはショックです。

地球温暖化は、夏はより暑く、冬はより寒い状況をもたらすようです。

地球温暖化の進行は当分止められませんから、このままの状態ではヒートショックで亡くなる方は増え続けてしまいます。

しかし、高断熱・高気密の家であれば、ヒートショックで亡くなる方はいなくなるし、耐用年数が長ければ、長い目で見れば家の購入価格は高くても、その分光熱費が抑えられるので損はないのです。

その他に集中豪雨対策として水害に強い家が、そして地震に強い家も必要です。

ちなみに、10月2日(水)放送の「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日)では水害対策仕様の住宅の実証実験の模様を取り上げていましたが、対策を施した住宅に浸水は確認されませんでした。

この実験を実施した一条工務店の技術開発責任者、荻原 浩さんは次のようにおっしゃっています。

「いかに低コストでやるかがポイントになってくるかと思います。」

「なるべくお客様の資金計画の中で、数十万円単位の中でやることを目標に商品化を進めている中でございます。」

 

更には地球温暖化対策としてZEHの実現です。

地球温暖化対策は他人ごとではないのです。

一人ひとりの暮らし、あるいは個々の企業活動の積み重ねが地球温暖化を加速させているのです。

ですから、これからの家づくりに向けて、ウェルネストホームに限らず住宅メーカーには上記の5つの要件を満たす家を実現させ、より安く提供していただけるようにお願いしたいと思います。

 

ちなみに、今回ご紹介したWELLNEST HOME(ウェルネストホーム)ですが、WELLNESTとはWELL「良い」とNEST「巣」、WELNESS「健康であり続ける」を合わせた造語で、健康的な良い巣作りを応援したいという想いが込められているといいます。(会社のホームページより)


 
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2019年10月14日
アイデアよもやま話 No.4457 再生可能エネルギー革命を先取りする投資マネー!

6月2日(日)付けネットニュース(こちらを参照)で再生可能エネルギー革命を先取りする投資マネーについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

太陽光発電など再生可能エネルギー(再エネ)への投資が急拡大しています。

2018年に新設された再エネに投資するファンドは世界で427億ドル(約4.7兆円)と前年の約2倍に増えて過去最大となり、火力発電など化石燃料向けファンド(130億ドル)を大差で逆転しました。

再エネはコスト低減が進み、政策の支えなしでもビジネスとして成立するようになってきました。

再エネの本格普及による「エネルギー革命」を利にさとい投資マネーが先取りしているのです。

 

国際エネルギー機関(IEA)によると、事業会社なども含めた再エネ投資の総額は2018年に3040億ドルと前年比で微減となりました。

そのなかでも、ファンド勢の動きはむしろ活発になり、2018年の資金調達額は再エネ投資全体の14%を占めるまでになりました。

太陽光発電などのプロジェクトに資金を投じ、売電収入を得る再エネ投資。貪欲なファンド勢が集まるのは、「もうけ」のにおいを感じ取っているからです。

大量生産や技術革新によるコスト削減の効果が大きく、米投資銀行ラザードによると、太陽光や陸上風力の発電コストは1キロワット時あたり約5円で、ガス火力(約6円)や石炭火力(約11円)を下回ります。

 

米エネルギー省系の研究機関は、風力や太陽光の比率が4〜5に高まれば電力価格は最大4割下がると予測しています。

一方、火力発電所は採算が悪化します。

炭素税が多くの先進国に広がり、ドイツやスペインは再エネを優先し、火力発電の稼働を抑える規制を導入し、アメリカでは石炭火力の稼働率が低下し、閉鎖が相次いでいます。

新興国でも潮目の変化があります。

石炭火力の増設が続く一方で、大気汚染が深刻になり、2018年は世界の再エネの導入量の44%を中国が占め、インドは米国に次ぐ3位になりました。

2030年までに中国とインド、アジア・オセアニア合計でファンドによる再エネへの投資額が6000億ドルを超える可能性があると、米マッキンゼー・アンド・カンパニーは推計しています。 

 

一方、日本の動きは鈍く、三井住友トラスト基礎研究所などによると、再エネのほか、道路なども含めたインフラ投資の残高は2018年3月時点で1兆〜1.5兆円どまりです。

メガソーラーに向く平地が限られるほか、「政府が原発や石炭火力を今後どうするかという議論を避け、再エネ拡大の道筋が見えない」(東京理科大学の橘川武郎教授)ためです。

 

IEAは再エネ普及の見通しを毎年のように上方修正し、直近では世界の電力供給に占めるシェアが「2030年に36%に達する」と見ています。

環境保護の理念に採算改善という現実面の動きがかみ合い、加速し始めた「再エネ革命」、そんな熱気が日本にはあまり伝わってこないのが気がかりです。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

原発コストは安全対策、あるいは核廃棄物の長期保存の費用などの増加で増え続けています。

また化石燃料による火力発電もコスト削減対策は頭打ち状態でこれ以上安くなることはあまり期待出来ません。

一方、再エネの発電コストは大量生産や技術革新によりどんどん安くなってきています。

そこで石炭火力の増設が続く一方で、大気汚染が深刻になり、新興国の中国やインドなどでは再エネの導入が急速に進みつつあるのです。

こうした状況を受けて、利にさとい投資マネーが再エネの本格普及による「エネルギー革命」を先取りしているというわけです。

 

ところが日本ではメガソーラーや風力発電に向く土地が限られたり、政府のエネルギー政策が原発依存を捨てきれない状況にあります。

福島第一原発事故を経験した日本はその後、今も国内の原発の再稼働を目指しています。

しかし、再稼働に反対する地元自治体の声や核廃棄物の保管場所の確保など高いハードルがあります。

しかも今は原発コストとメガソーラーのコストはほぼ同等ですが、メガソーラーの方がいずれ安くなると見込まれているのです。

また、原発メーカーの東芝や日立は原発の海外進出を目指してきましたが、コスト割れなどでその目的は叶えられませんでした。

 

こうした状況を踏まえると、日本政府は速やかに再エネに舵を切るエネルギー政策に転換すべきだと思います。

 

確かに日本の場合、メガソーラーに向く平地が限られるので、山林を削って建設されたメガソーラーをよく見かけることがあります。

こうしたやり方では、エネルギー政策は進んでも、一方で新たな環境問題を生じてしまいます。

ですから、以前もお伝えしたように、エネルギー、環境、経済(コスト)の観点でうまくバランスの取れたエネルギー政策が求められるのです。

そして再エネ施設への投資において資金面で後押ししてくれる大きな柱が投資マネーなのです。

その投資マネーの目を引くためには、やはり低コストの再エネ発電の開発なのです。

 

メガソーラーや風力発電に向く地域が限られる日本ですが、技術大国、日本がどこでも導入出来る低コストの再エネ発電の開発を進め、世界展開出来れば、現政権の進める成長戦略のみならず世界の再エネ導入の推進、経済成長に貢献出来ると思うのです。


 
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2019年10月13日
No.4458 ちょっと一休み その690 『「米中対立の世界」その先は?』

米中の覇権争いについてはアイデアよもやま話 No.4345 ”未来の覇権”を目指す中国 その1 アメリカとの技術覇権争い!などでこれまでお伝えしてきました。

そうした中、5月31日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「米中対立の世界」の今後について、マレーシアのマハティール首相へのインタビューというかたちで取り上げていたのでご紹介します。

 

米中の対立に翻弄される現在の国際社会について、東南アジアを代表するリーダーはどう見ているのでしょうか。

5月30日から2日間の日程で始まった第25回国際交流会議「アジアの未来」、最初にスピーチに立ったのがマレーシアのマハティール首相でした。

ちなみにマハティール首相は今年94歳になりますが、昨年首相に返り咲きました。

そのマハティール首相は米中貿易戦争の行方に強い関心を持っており、番組のインタビュイーに応じ、次のようにおっしゃっています。

「(アメリカの中国に対する現在の姿勢について、)アメリカは外国との貿易を全て黒字にしようと考えないで欲しい。」

「貿易の相手国によっては黒字のこともあるし、赤字のこともある。」

 

現在、マレーシアの貿易額に占める割合は以下の通りです。(マレーシア統計庁調べ)

輸入    輸出

中国   19.9% 13.9%

アメリカ  7.4%  9.1%

 

ただ、マレーシアから中国に輸出された部品はアメリカ向けの製品に使われていて、アメリカ国民も低価格の恩恵を受けていると指摘しています。

マハティール首相はアメリカの“制裁”に訴える手法を批判し、次のようにおっしゃっています。

「他国と競争になると、アメリカは力に訴える。」

「それでは国と国との関係は深まらない。」

 

トランプ政権が進める“ファーウェイ包囲網”にも追随しない考えです。

巨大な国内市場を抱える中国は、アメリカの相次ぐ制裁にも耐えられると見て、次のようにおっしゃっています。

「長い目で見れば、中国は生き残る。」

「泣きを見るのはアメリカ。」

 

マハティール首相へのインタビューを終えた大江 麻理子メインキャスターは次のようにおっしゃっています。

「今回特に感じたのがアメリカに対して批判的で、中国に対しての距離の近さのようなものを感じさせたところが印象的でしたね。」

「でも決してマハティール首相は中国の言いなりになるわけでもないんですね。」

「昨年首相に返り咲いてすぐに取り組んだのが、“一帯一路”の一環であるマレーシアの鉄道事業の大幅な見直し、これによって随分建設費も減らしたわけなんですね。」

「ただ、その一方で、北京で開かれた「“一帯一路”フォーラム」の講演では「“一帯一路”を全面的に支持しますよ。これはマレーシアに恩恵をもたらすものですよ」と世界中に向けて発信をして、中国に花を持たせるかたちになったと。」

「だから、したたか。」

「中国の“債務の罠”、こういったところを回避しながら、ちゃんと実利を取っていくというところが本当に政治手腕だなと思いましたね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

マハティール首相は「貿易の相手国によっては黒字のこともあるし、赤字のこともある」とおっしゃっていますが、全くその通りだと思います。

ところが、アメリカのトランプ大統領は自国、アメリカは中国を始め、他国との貿易に対して赤字が許せないと考えています。

この考え方は特に世界をリードする立場にある世界一の大国、アメリカの大統領の考え方としてとても相応しいとは言えません。

もし、本気でどの国との貿易においても黒字でなければならない状況を目指すのであれば、まさにアメリカの独り勝ちになってしまいます。

トランプ大統領がこのような主張を世界に訴えている背景には、来年の大統領選挙を見据えて、自分の支持層を広げて有利に選挙を進めるためと言われています。

もし、世界各国の指導者がこうした“自国ファースト”を目指して動き始めたら、世界は弱肉強食の殺伐とした雰囲気に覆われてしまいます。

 

また、アメリカの“制裁”に訴える手法についても、力に訴えるのでは国と国との関係は深まらないと批判していますが、これについても全く同感です。

こうした考えに基づき、マハティール首相はトランプ政権が進める“ファーウェイ包囲網”にも追随しない考えといいますが、考えのブレのなさを感じます。

 

また、巨大な国内市場を抱える中国は、アメリカの相次ぐ制裁にも耐えられると見て、長い目で見れば、中国は生き残り、泣きを見るのはアメリカだとおっっしゃっていますが、これもその通りだと思います。

短期的に見ても、もしアメリカの制裁で中国が不況に陥ってしまうようなことになれば、アメリカのみならず世界経済に与える影響は計り知れません。

 

そもそもこれまでのアメリカ経済の成長は、軍事力などの力に寄るのではなく、先進的なテクロノジーの開発、およびそれを活用するビジネスモデルの開発によるところが大きいのです。

ですから、本来であればトランプ政権は“ファーウェイ包囲網”を世界各国に訴えるよりも、ファーウェイなど中国メーカーに負けない技術力を開発して世界展開を図るべきなのです。

それを一時的に“ファーウェイ包囲網”などで中国メーカーの動きを封じ込めようとしても限界があるのです。

 

ということで、このまま2大大国、アメリカ、中国による覇権争いが続き、短期的には中国経済が大打撃を受けたり、長期的には軍事衝突にまで突き進めば、両国のみならず世界各国への影響は計り知れません。

ではその打開策ですが、米中ともに“自国ファースト”、あるいは”覇権主義“ではなく、”“共存共栄”、あるいは“平和ファースト”を目指していただきたいと思います。


 
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2019年10月12日
プロジェクト管理と日常生活 No.610 『地球温暖化で食糧供給が不安定に』

8月8日(木)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で地球温暖化で不安定になる食糧供給について取り上げていました。

そこで、プロジェクト管理の観点からご紹介します。

 

8月8日は日本の各地で猛烈な暑さとなり、関東では39℃近くに達しました。

今後もこの暑さは続く見込みですが、日本だけではないのです。

北極圏のグリーンランドでも犬ぞりは水の中を走っているように見えますが、氷が溶けてしまったのです。

犬ぞりに乗っていた男性とともに環境調査を行った女性研究者、ルース・モトラムさんは次のようにおっしゃっています。

「地球で何が起きているのかと驚いた。」

「極めてまれな現象です。」

「長い夏で暑さが続き、異常に暖かい空気が覆っていた。」

「この日(撮影した日)は17℃もあった。」

「普段は5℃くらいだから、大量の氷が一気に溶けた。」

 

ヨーロッパでは7月にかけて熱波に見舞われました。

こうした異常気象が続く中、国連の専門機関であるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、“地球温暖化によって暮らしに欠かせない食糧の供給が不安定になる”とする報告書をまとめました。

世界各国の科学者でつくるIPCCは危機感を露わにしました。

懸念される事態は既に起きています。

8月8日、スイスのジュネーブにおけるIPCCの会見で、急速な気候変動により、(各国の)政策決定者は緊急な対応が迫られていると伝えられました。

地球温暖化が土地に与える影響などの報告書を初めてまとめました。

世界のほとんどの地域で熱波といった異常気象の頻度や強さ、期間が増したのは温暖化の影響による可能性が非常に高いと結論付けました。

 

日本では8月8日も広い範囲で猛烈な暑さです。

全国の気温観測点のうち、8月7日を上回る198ヵ所で35℃以上の猛暑日となりました。

 

ヨーロッパでもこの夏は記録的な熱波に見舞われ、7月にパリでは最高気温が観測史上最高の42℃に達しました。

ドイツでは湖が干上がりました。

 

今回、IPCCが強調したのは、食料供給が不安定になることへの懸念です。

人口が今世紀末に90億人に達するような場合、“2050年には穀物価格が最大で23%上昇する可能性がある”としています。

 

ヨーロッパでは異常気象への対応が迫られています。

フランスのロワール川は干ばつの影響で一部は完全に干上がっています。

川沿いの畑で家畜の飼料になるトウモロコシを栽培する男性は次のようにおっしゃっています。

「(トウモロコシの育ち具合を見て、)これじゃあ収穫出来ないよ。」

「収穫は半減するかもしれない。」

 

記録的な干ばつで葉が枯れたり、栄養のない実に育ったりする被害が相次いでいます。

 

酪農にも影響が出ています。

取材した120頭の乳牛を飼育する農場では、異常な暑さで牛の食欲が減退し、牛乳の生産量が20%程度減ったといいます。

そして影響は食卓にも及びそうです。

牛乳の生産が減ることで、チーズの品ぞろえに影響が出る恐れがあるといいます。

取材したお店の店員は次のようにおっしゃっています。

「販売出来る量は減り、品切れになるだろう。」

 

フランス各地で農業指導に当たる専門家は次のようにおっしゃっています。

「21世紀末にはフランスの気候で、これまでのような農業は極めて難しくなるだろう。」

 

“地球温暖化が進めば、人々の暮らしにも直接影響を与えかねない”と警告した今回のIPCCによる報告書ですが、各国にあらためて対策の強化を迫っています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今年の夏、日本での広範囲にわたる猛烈な暑さの続く日々、あるいは集中豪雨、そして世界では北極圏での氷の溶解、ヨーロッパでの記録的な熱波という具合に異常気象が起きています。

こうした異常気象が続く中、IPCCは世界のほとんどの地域の異常気象の頻度や強さ、期間が増したのは温暖化の影響による可能性が非常に高いと結論付けたのです。

そして、IPCCは“地球温暖化によって暮らしに欠かせない食糧の供給が不安定になる”とする報告書をまとめました。

 

私たちが普通に暮らしていくための基本は“衣、食、住”と言われています。

ところが、地球温暖化の進行とともに、その“食”の供給が不安定になるとIPCCは指摘しているのです。

そして、今進行中の地球温暖化の原因は私たち人類による豊かさを求める様々な行為にあるというのが多くの専門家の指摘なのです。

 

ですから、地球温暖化に伴う、農作物や酪農など“食”の供給の不安定以外も含めた様々なリスクの対応策の必要性は明らかなのです。

すなわち、CO2を中心とする温室効果ガスの排出量の削減なのです。

ところが、世界中で最もCO2排出量の多い国、アメリカのトランプ大統領は、人為的な行為による地球温暖化の進行に懐疑的だといいます。

これはとても残念なことです。

しかし、救いなのはトランプ大統領に限らず、世界中の多くの政治家は民意、すなわち選挙におけるより多くの投票数の獲得にとても敏感なのです。

このことは、選挙のない国、共産党による一党独裁である中国においても民意を無視出来ないという事情は同様なのです。

 

ですから、国内外を問わず、世界中の多くの国民が地球温暖化リスクに対する関心を高めれば、このリスクの解決に向けて動き出すのです。

ということで、世界のCO2排出量の半分近くを排出している2大経済大国であるアメリカと中国の国民を中心としたより多くの国々の地球温暖化に対する民意を高めることが最も有効でかつ根本的な地球温暖化の取り組むべきリスク対応策と思うのです。


 
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2019年10月11日
アイデアよもやま話 No.4459 注目の災害・非常用グッズ!

今や日本列島は毎年のように大型台風や集中豪雨により大きな被害を受けています。

そして、明日の土曜日から日曜日にかけて巨大な台風19号が首都圏に大きな被害をもたらそうとしています。

ちなみに、この台風19号の巨大さ、凄さですが、米国内では「スーパー・タイフーン」として紹介されています。

また発達のスピードは台風の中で史上最速の部類といいます。(詳細はこちらを参照)

ですから、報道されているように、遅くとも今日中には万全の対策や避難勧告が求められます。

 

さて、そうした中、10月2日(水)放送の「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日)で災害・非常用グッズについて取り上げていたのでご紹介します。

 

甚大な被害をもたらした台風15号、千葉県では大規模な停電で大きな混乱が起きました。

こうした台風など、いざという時に非常用電源をどう確保すればいいのか、皆さん不安に感じると思います。

そこで活躍するのがアルミの袋から取り出して3分待つだけで使える発電地です。

水も太陽光も不要で、必要なのは空気だけなのです。

その仕組みですが、2つの空気の取り込み口があり、ここから酸素を取り入れます。

すると中にある亜鉛と化学反応を起こして発電するのです。

なお、この発電地は一般の廃棄物として捨てることが出来るといいます。

照明機器なら約128時間、液晶テレビなら約13.5時間、スマホなら約50回、使用出来るといいます。

ちなみにこの商品の販売元は株式会社ダブルエー・ホールディングスで、商品名は「エイターナス」、価格は8万7800円(税別)です。

 

番組ではこの他にも災害時用に開発されたシャワーシステムを取り上げていました。

水のリサイクルを利用し、100リットルの水で温水シャワーを100回使用出来るといいます。

シャワーを浴びた後の排水は内蔵フィルターへ送られ、汗や石けんなどの不純物を徹底的に除去、銭湯の水と同じ衛生基準を満たすまで洗浄します。

現在、自治体などからも注文が相次いでいるといいます。

ちなみにシステムを販売しているのはWOTA株式会社です。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

今後とも地球温暖化の進行とともにより巨大な台風や集中豪雨の発生が続くことになりそうです。

ですから、災害・非常用の食料や水、あるいは非常用電源の確保、そして災害に強い家が求められるのです。

そして、避難生活が何日も続くようだと、飲料水だけでなく、今回ご紹介したようなシャワーシステムも求められます。

 

さて、特に電源について考えると、自動車メーカーはEV(電気自動車)の電源としての活用を積極的に考えるべきだと思います。

というのは、例えば日産リーフの現行の標準モデルには40kwhのバッテリーが搭載されています。

ですから、フル充電してあれば、この半分の20kwhだけでも非常用電源としては4、5日であれば十分に役立ちます。

また残りの20kwhだけでも130km程度は走行出来ます。

ちなみに、62kwh搭載モデルもあります。

ところが、残念なことにリーフ本体にはオプションとしてもコンセントが付けられないのです。

ですから、日産自動車には是非、オプションとしてでもリーフに1500wのコンセントを取り付けられるようにしていただきたいと思います。

また、EVは移動する電源車とも言えるのです。

ですから、このようにコンセントが取り付けられていれば、アウトドアなどどこでも電源として使用することが出来るのです。

そうすれば、わざわざ単独で発電装置を購入しなくても、適切にバッテリーに充電されていれば、EVを非常用電源として活用することが出来るのです。

 

ちなみに、「エイターナス」についてダブルエー・ホールディングスに直接問い合わせたところ、以下のことが分かりました。

・充電などによる繰り返し使用は出来ないこと(1回限りの使用)

・対応出来るのは40〜50ワットまでであること

・商品にはインバーターも含まれていること

 

ですから、やはり「エイターナス」よりもコンセント付きのEVを購入した方が金額的にお得感があるし、いろいろな用途が考えられます。

 

なお、今やリチウムイオンバッテリー(電池)は小型・軽量で大出力、そして容量も多く、耐久性もあるので、EV以外にもパソコンやスマホ、更には小惑星探査機「はやぶし」に使われるなど、いろいろな用途に使われています。

そして、このリチウムイオンバッテリーの開発により、10月9日、旭化成の名誉フェローである吉野 彰さん(71歳)ら3人の化学者がノーベル化学賞の受賞者に選ばれました。

ですから、私たちの暮らしを大きく変えてくれたこの3人の化学者にあらためて感謝したいと思います。


 
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2019年10月10日
アイデアよもやま話 No.4456 ”液体のり”が白血病の救世主!?

5月31日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”液体のり”が白血病の救世主になり得ることについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

子どもから大人まで誰でも手軽に利用している液体のりですが、これが白血病治療の救世主となるかも知れません。

 

東京大学などの研究チームが白血病の治療に重要な役割を果たす細胞を大量に培養することに成功したと5月29日にイギリスの科学誌「ネイチャー」に発表しました。

この細胞は高価な培養液を使用しても増殖が難しく、これまで白血病の治療には多くを骨髄ドナーからの提供に頼っていました。

 

その救世主となるかも知れないのが馴染の深い液体のりです。

主成分である「PVA=ポリビニルアルコ−ル」で細胞を培養したところ、1ヵ月で最大900倍に増殖させることに成功しました。

糊の老舗、ヤマト株式会社の長谷川 豊社長は次のようにおっしゃっています。

「率直に申し上げまして非常に驚いたことでビックリしています。」

「私が社長になって20年ですけども、このような世間を大きく騒がせたニュースとしては初めてのサプライズということになりますけどもね。」

「本当にこれが社会に貢献出来るような将来性のあるものであれば、我々の研究開発も増々力を入れて医療の分野にもどんどん出て行きたいというふうに考えております。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

若くして白血病で亡くなった方と言えば、すぐに女優の夏目 雅子さんや歌手の本田 美奈子さんの顔が浮かんできます。

この難病と言われる白血病の治療に重要な役割を果たす細胞を液体のりの主成分で大量に培養することに成功したというのは大変な朗報だと思います。

近い将来、白血病の治療がこれまでよりも安価で受けられるようになると期待を抱かせてくれます。

 

液体のりと白血病の治療との間に関係があるとはとても想像出来ませんでしたが、あらためてアイデアは既存の要素の組み合わせであることを思い起こしました。


 
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2019年10月09日
アイデアよもやま話 No.4455 生徒の集中度がリアルタイムで把握出来る装置!

5月27日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で生徒の集中度がリアルタイムで把握出来る装置について取り上げていたのでご紹介します。 

 

東北大学日立系ベンチャー(東北大学+日立ハイテクノロジーズによる脳科学カンパニー)、株式会社NeU(ニュー)などが5月27日に頭の中が丸見えになる装置の実証実験を公開しました。

装置が発する特殊な光で脳の働きを読み取り、生徒たちが集中して授業を受けているかリアルタイムで教師の手元にあるパソコンに表示されます。

生徒が授業に集中していない時には青、しっかり集中していれば赤く表示される仕組みです。

実際に装置を付けて授業を受けた生徒は次のようにおっしゃっています。

「特に違和感はないです。」

 

「(先生に)見られているという感覚があるので、ちゃんと(授業を)受けなきゃと集中してやっています。」

 

一度に最大40人を計測出来るため、例えば同じ授業の中でもどのような話をしている時により多くの生徒が集中力を示すのか、集中度合いの変化を把握出来ます。

今後は実用化に向けて、高校1年生の英語や数学の授業で2022年度まで実証実験が行われます。

 

この装置を開発した東京大学の開 一夫教授は次のようにおっしゃっています。

「教師側の授業改善に役立つんじゃないかなと思います。」

「もう一つは、生徒さん達が装置をつけたことによって、自分の学習している状態がどうなのかを自分自身で知ることが出来る。」

 

今後は、介護の現場やストレスのかかる職場でのケアなどに応用していくといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組でも指摘しているように、今回ご紹介した集中度がリアルタイムで把握出来る装置は、教える側にとっても教わる側にとっても授業改善にとても役立つと思います。

それは、どのような状態の時に集中しているのか、あるいは集中していないかという集中度合いが分かれば、どうすれば集中度合いを高められるかに結び付けられるからです。

また適正な授業の時間配分の改善にも役立つと思います。

 

更に、この装置は学校の授業だけでなく、普段の生活や仕事、スポーツなど様々な分野で集中力を高めるためのツールとしても使用出来そうです。

ですから、スマホなど簡単に持ち歩けるような装置として使用出来るようになれば、かなりの引き合いがあると思います。


 
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2019年10月08日
アイデアよもやま話 No.4454 AIで進化、自然な会話の出来るロボット誕生!

5月27日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で自然な会話の出来るロボットの誕生について取り上げていたのでご紹介します。 

 

これまでは1つの質問に1つの答えが返って来るだけで、会話が終わってしまうことが多かったのですが、5月27日、自然な会話を長く続けられるというロボットが披露されました。

NTTグループのNTTコミュニケーション科学基礎研究所がAIなどの新技術を報道向けに公開しました。

 

中でも今回注目なのは、対話ロボットです。

従来の対話ロボットは、直前に聞いた単語に返事をするだけです。

しかし、“どこでいつ誰と何をしたか”などの情報をロボットが蓄積しながら話を進めるので、会話の軸がぶれず、自然な会話が続きます。

こちらの研究所の成松 宏美研究員は次のようにおっしゃっています。

「お話し相手として、例えば一人で住んでいるお年寄りの方で、もっと話したいという時により聞いてあげている感があるので、雑談という目的でも使えるかなというふうに考えています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これから少子高齢化の進行とともに、高齢者を中心に独り暮らしの人が増えていきます。

ちなみに、既に独り暮らし世帯割合の方が二人以上の世帯よりも増えているといいます。

今でも独り暮らしの高齢者の中には何日も誰とも話さないで過ごす方がいらっしゃるといいます。

こうした刺激のない生活では老化が進み、認知症発症のリスクも高まるといいます。

そうした中、独り暮らしの人の気軽な話し相手として、“自然な会話の出来るロボット”があれば、とても有り難い存在になります。

そして、この会話ロボットの技術が進んでいけば、会話情報のビッグデータの蓄積により、話し相手としては限りなく実際の人に近づけることも可能になるのではないかと思います。

 

考えてみれば、私たちも誰かと親しくなるきっかけは、相手の方の容姿や趣味、あるいは性格、考え方などがポイントになります。

ですから、会話ロボットを求める一人一人のこうした好みをあらかじめインプットされた会話ロボットが提供されれば、独り暮らしに限らず誰にとっても理想の友人、あるいは相談相手になり得ると思います。

なお、この会話ロボットの究極のかたちはアンドロイドだと思います。

自分の理想とする人、あるいはアイドルなどに似せた容姿や考え方を持つアンドロイドが身近な存在となる時代を迎えるようなことがあれば、誰もがハッピーに暮らせるようになると思います。

しかし、一方でこれまでのような実在する人への恋愛感情が薄れてしまう可能性を秘めています。

 

今、AIやロボットの技術が凄いスピードで進化していますが、このような様々なリスクをはらんでいることにも注意が必要だと思います。


 
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2019年10月07日
アイデアよもやま話 No.4453 全米で沸騰 ”こんまり流”片づけ術!

最近、「”こんまり流”片づけ術」という言葉をよく目にすることがあります。

そうした中、5月24日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でも”こんまり流”片づけ術について取り上げていたのでご紹介します。 

 

皆さんは「人生がときめく片づけの魔法」という本をご存知でしょうか。

“こんまり”の愛称で知られる近藤 麻理恵さんが追求し続けた片づけの考え方をまとめたものです。

40以上の言語に翻訳されていまして、発行部数は1100万部を超えるというベストセラーになったのですが、そのおよそ半分はアメリカで販売されたということです。

この”こんまり流”の片づけはなぜアメリカ人の心を捉えたのでしょうか。

 

今年1月からアメリカの動画配信大手、ネットフリックスが放映する番組、“こんまり”こと近藤 麻理恵さんの片づけレッスンの様子を撮影したドキュメンタリー番組です。

持ち物に対して、ときめきを感じるかどうかを基準にモノを片づけていくという”こんまり流”が今全米の注目を集めているのです。

アメリカでは“近藤”という言葉が”こんまり流”の片づけを意味する動詞として使われるほどの社会現象となっています。

 

2016年からアメリカ西部のカリフォルニア州ロサンゼルスに活動の拠点を移した近藤 さん夫婦、今回その“こんまりさん”が夫の川原 卓巳さんと一緒に番組の取材に応じました。

取材に対して、“こんまりさん”は次のようにおっしゃっています。

「(世界に広めたいという思いはどこかにあったのかという問いに対して、)元々は本当になかったんです。」

「この活動をしていく中で、特に海外の方からの反応で片づけをすることによって人生が本当に変わっていった、本当に良くなっていったという声を聞くにつれて、この片づけをもっと沢山の方に知っていただくべきものかもしれないと思ったのです。」

 

またビジネス面からサポートする夫の川原さんも個人消費がGDPの約7割近くを占める消費大国のアメリカでは“こんまり流”へのニーズがあると考えていました。

夫の川原さんは次のようにおっしゃっています。

「これ以上モノを増やしても幸せにならない状態になってしまった。」

「じゃあ次どうしようっていうと、一人ひとりが自分の家の環境を心地いい状態にするにはどうしたらいいかというのが多分人が向き合うべき次の幸せの領域なんだろうなと感じていて、その中で彼女が・・・」

 

そこでアメリカでも多くの人に“こんまり流”について知ってもらおうと、コンサルタントの養成を始めたのです。

そのコンサルタントの1人、ニューヨークに暮らすカリン・ソチさんを訪ねました。

家の中はまるでショールームのように片づいています。

でもカリンさんが家の中で最も好きだという場所は“こんまりクローゼット”です。

カリンさんは次のようにおっしゃっています。

「私にとって最も大切なモノだけに囲まれる場所なんです。」

 

元々は経理の仕事をしていたカリンさん、5年前に「人生がときめく片づけの魔法」を読み、“こんまり流”の片づけを実践した時から人生が変わったといいます。

カリンさんは次のようにおっしゃっています。

「家の中がモノで溢れていたことに驚きました。」

「“こんまり”に興奮したわ。」

 

カリンさんは2016年に“こんまり流”片づけコンサルタントの養成講座に参加、4日間の研修で参加費用は日本円で20万円以上したといいます。

筆記試験にも合格し、“こんまり流”のコンサルタントとして認定されたのです。

現在は、約30人の顧客と契約し、毎日レッスンに出かけるカリンさん、この日訪ねたのは初めてのお客、ファッションデザイナーのアリソン・ヴィセンチさんの家です。

数ヵ月前にニューヨークに引っ越して来て、妹との暮らしを始めたのですが、問題がありました。

部屋を見せてもらうと、そこは服で溢れていました。

床は靴だらけです。

引き出しを開けても靴があります。

部屋の広さが半分ほどになったことで、モノが溢れてしまったのです。

あまり着ていない服が入っているというケースを1つリビングに運ぶようにカリンさんは指示しました。

なぜ着ていないのか、アリソンさんに説明してもらいます。

「色は好きだけど、着こなし方が分からない。」

「これはニューヨークの素晴らしいデザイナーの服。」

「でも体型に合わなくて、私には似合わないの。」

 

この説明を聴いて、カリンさんは次のようにおっしゃっています。

「“こんまり流”の考え方では、モノは使われるために存在するの。」

「だから、何らかの理由で使わないモノをクローゼットの中にしまっておくことはあなたに良い影響を与えないわ。」

 

着ていない服は手放すべきだとカリンさんは言います。

捨てると決めた服をケースに入れていくアリソンさん、しかし母親からプレゼントされた服を前に、その手が止まりました。

アリソンさんは次のようにおっしゃっています。

「長い間しまい込んでいて着る理由を探していたの。」

「着ないことに罪悪感があったの。」

 

こうしたアリソンさんの思いに対して、カリンさんは次のようにおっしゃっています。

「モノを贈るのは「あなたが大切だ」という“思い”を伝えるため。」

「あなたに出来ることは感謝を伝えること。」

「そして贈り物を探す時の母の“思い”を受け止めることなの。」

 

アリソンさんは1時間のレッスンで30以上の服を手放すと決意しました。

そして、次のようにおっしゃっています。

「着ていない服と向き合ったことで、今の自分が望む生活のかたちについて考えることが出来たんです。」

 

アメリカでは日本とは少し違う反響を感じているとこんまりさんは言います。

「日本では元々“片づけ方法”として皆さんに知っていただくことが多かったんですが、海外の場合はどちらかというとマインド面というか意識の面で片づけが人生の中にどういうふうな変化を及ぼすのかというところに皆さん興味を持って下さる方が多いのかなってていう印象がありました。」

「私自身が本当に片づけにばかり向き合ってきたので、モノに対してなんでこのモノがここにあるんだろうということにすごくフォーカスしていく中で、モノって私たちを幸せにするためにあるんだっていうふうに気づいた時に、自分の中からすごいエネルギーが湧いてくるような感覚がしたんですね。」

「不安があったり、孤独を感じることがあると思うんですけれども、身の回りを見て欲しい。」

「絶対自分がときめく大切なモノがあって、それらがちゃんとあなたを支えていますよっていうことを伝えたい。」

 

モノに感謝する気持ちを取り戻すために片づける、“こんまり流”は今、アメリカで確実に広がっています。

 

こうした状況について、番組コメンテーターで、A.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんは次のようにおっしゃっています。

「片づけで自分の生活を律するというところを取ると、これ一種の自己啓発ビジネス。」

「で、アメリカはすごく自己啓発マーケットが大きい。」

「で、それにライフスタイルブランドしての要素が組み合わさっているという意味でユニークだなと思います。」

「で、アメリカの投資会社のセコイアキャピタルを含むいくつかのファンドが既にこの“こんまり”のビジネスに投資をしていて、それだけポテンシャルが認められているということだと思うんですね。」

「で、これ見方を変えると第2のマーサ・スチュワートのビジネス。」

「アメリカで大成功した料理コラムニストから出発して、クッキングとか生活用品などのライフスタイルブランドを自分で運営するに至って、最盛期400億円を超える売り上げがあったというセレビティなんですけど、こんまりさんもこういう存在になることを期待されているように思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

“こんまり”の愛称で知られる近藤 麻理恵さんの著書「人生がときめく片づけの魔法」が40以上の言語に翻訳されており、発行部数は1100万部を超えるというベストセラーになっいるという事実にはビックリです。

 

もし、世界中の多くの人たちが沢山のモノを買うだけの購買力を持っていなければ、こうした本が世界的にベストセラーになることはないと思います。

なぜならば、モノを買うお金にそれほど余裕がなければ、どうしても買いたいと思うモノに絞って、そのモノを買うためにお金を貯めてようやく買うことが出来るという状況ですから、手にしたモノは少なくとても大切に扱われます。

ですから、こうした状況の人たちの心に”こんまり流”片づけ術の入り込む隙はないのです。

 

ところが、今や先進国を中心に経済が成長して飽和状態になり、番組の登場人物のように身の回りがモノで溢れている人たちが増えているのです。

中でも個人消費が突出しているのがアメリカで、個人消費がGDPの約7割近くを占めているといいます。

ですから、世界の中でも特にモノが溢れていて、これ以上モノを増やしても幸せにならない状態になってしまったアメリカ人に”こんまり流”片づけ術が受け入れられているという現状はうなづけます。

 

さて、こうした家の中がモノで溢れていて、どのように片づけようかと悩んでいる人たちにとって、持ち物に対して“ときめき”を感じるかどうかを基準にモノを片づけていくという”こんまり流”の考え方はとてもユニークで斬新だと思います。

この基準であればとても分かり易く、誰でもどれを残すかどうかの区分けが出来ます。

しかも”こんまり流”の考え方を取り入れた人の生き方にまで影響を与えてしまうところが凄いと思います。

 

またこの”こんまり流”片づけ術をビジネスとして世界展開していく考え方も、今後の日本のビジネスの進むべき道の一つとしてとても参考になります。

こんまりさんご夫婦は二人三脚でアメリカでコンサルタントの養成を始めたといいますが、更に廃棄処分の対象になってしまうモノの交換サイトを立ち上げるのもいいのではないかと思います。

なぜならば、ときめきを感じるかどうかは人によって異なり、ある人にとってはときめきを感じなくても他の人にとってはときめきを感じることはあり得るからです。

それ以前に世界中にはモノを買う余裕のない人たちは大勢おります。

こうした人たちにとっては、ときめきを感じる以前に廃棄処分の対象になってしまうモノは必需品になり得るのです。

 

それにしても片づけという視点から、そもそも片づけとは何ぞやを自分なりに突き詰め、その考え方、および片付け術をビジネス化し、更にコンサルタントの養成までをビジネスにしてしまい、世界展開をしてしまう“こんまりさん”ご夫婦はとても凄い生き方をしていると思います。


 
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2019年10月06日
No.4452 ちょっと一休み その689 『国際経済の便利な指標「7、5、3」とは・・・』

7月24日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で国際経済の便利な3つの指標について取り上げていたのでご紹介します。 

 

IMF(国際通貨基金)は最近の世界経済見通しを発表し、今年の成長率を3.2%と4月時点の予測から0.1ポイント下方修正しました。

米中通商摩擦の激化や中東情勢の混乱などの恐れから「景気下振れリスクが強まっている」と警告しています。

 

今年の成長率3.2%について、解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田 洋一さんは次のようにおっしゃっています。

「3%というのが世界経済の好、不況の境目ですから、今土俵際と言っていいんじゃないかと思うんですね。」

「それに加えて、もう1つ指摘しておきたいんですけど、世界経済の体力低下ですね。」

「非常に気になります。」

「リーマンショックの前なんですけども、僕は世界経済、(成長率が)“7、5、3”だと言ってたんですね。」

「新興国で7%台、世界経済全体でみると5%ぐらい、そして先進国が3%ぐらい、そういうのが理想場だったんですね。」

「それで直近では、新興国がだいたい4%台ですね。」

「世界経済成全体でざっくり言って3%すれすれ、そして先進国はいよいよ2%も下回ろうというわけですから、そうとう悪くなっているんですね。」

「ところがですね、幸か不幸かアメリカの成長率だけは3ヵ月前に比べて上方修正されたんです。」

「そうすると、アメリカとしては“世界経済どこ吹く風”ということになりますから、あんまりこれを気にしないということで、世界経済が本当に土俵を割れちゃうと、一方金融財政政策はあまり打つ手がありませんから大ピンチというお話だと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

世界的に望ましい年間経済成長率が“7、5、3”、すなわち新興国で7%、世界経済全体で5%、先進国で3%というのはとても覚えやすく、また世界経済の状況をざっくりと把握するうえでとても参考になると思います。

 

なお、その直近の数字は、新興国が4%台、世界経済成全体で3%すれすれ、先進国は2%を下回ろうという状況ですから、かなり厳しい状況と言えます。

ですから、IMFは「景気下振れリスクが強まっている」と警告しているのです。

その主な要因として、米中通商摩擦の激化や中東情勢の混乱が挙げられております。

この2つの要因は日本にとってもそれぞれ経済、エネルギーの面で大きな影響を受けます。

ですから、米中、そしてイランの首脳とつながりのある安倍総理には調整力を発揮して、良い方向への流れを作っていただきたいと思います。


 
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2019年10月05日
プロジェクト管理と日常生活 No.609 『台風15号による千葉県を中心とした長期的な被害から見えるリスク対応策の見直しの必要性』

今年も大型台風が日本列島を襲い、各地で記録的とも言える甚大な被害をもたらしました。

もはや異常気象が常態化してしまったような状況だと思います。

しかも世界各地で同様の、あるいは日本以上の被害を被っている地域が出て来ています。

やはり多くの専門家が指摘しているように、地球温暖化の影響が大型台風や集中豪雨のかたちで現れてきているのではないでしょうか。

 

さて、今回は私が経験した、9月9日(月)の早朝から千葉県を中心に広範囲に、しかも長期的に被害をもたらした大型の台風15号を例に取って、そのリスク対応策の見直しの必要性について報道記事を参考に考えてみたいと思います。

 

関東への上陸は3年ぶりという台風15号は、上陸した台風としては過去最強クラスで、最大瞬間風速は千葉市中央区で57.5mを記録するなど、1都3県の15地点で観測史上1位を更新しました。

このため、首都圏の鉄道各社は始発からの運転を事前に見合わせる「計画運休」を実施し、通勤・通学客の足を直撃し、学校や企業活動にも大きな影響が出ました。

また高速道路は東京湾アクアラインや圏央道など関東の少なくとも43区間が通行止めとなりました。

また首都圏では広範囲にわたって停電が発生し、千葉県など1都6県で約87万5400軒が停電しました。

そして千葉県特産の梨が落下するなど、農林水産業の被害は約367億6200万円(9月26日時点)で、この数字は東日本大震災での県内被害額を超える、記録上2009年度以降で県内の台風被害では過去10年で最大といいます。

 

こうした広域にわたる被害から、東京電力(東電)は、他の電力会社から約2400人の応援を含め、約1万1000人態勢で復旧作業に当たりました。

それでも当初は短期間のうちに復旧すると予測された停電の復旧作業は、東電によると千葉県の停電戸数は9月24にようやくゼロになったと明らかにしました。

ただ、東電が復旧したとしている地域でも電気がつかなかったり、復旧後に再び停電したりするケースが相次いでいました。

 

その復旧の遅れの原因は、大きく2つあると報じられました。

1つは、電柱が倒れたり倒木による電線の切断、もう一つは土砂崩れによる道路の通行止めです。

これらが広範囲に起きてしまったために全体の被害状況の把握が遅れ、東電による停電の復旧計画の見直しが繰り返されました。

 

ちなみに、私は9月8日(日)から千葉県の外房の実家に行っており、9日の深夜2時頃にトイレで目を覚ました時に、これまでにないほどの強風に恐怖感を覚え、その後風の音が煩くて眠ることが出来ませんでした。

ちなみに、実家の被害ですが、幸いにして海に面している倉庫の窓ガラスが1枚割れただけで済みました。

しかし、村の何軒かでは瓦が落ちたり、庭の倒木といった被害がありましたが、停電には至らずに済みました。

 

そして、翌日の10日の朝に横浜の自宅にクルマで帰ろうとして、道路状況を調べたところ、アクアラインは通常通りでしたが、圏央道は通行止めであったため、木更津辺りまでは圏央道ではなく、大多喜の山中を抜ける一般道を通るルートにしました。

その際、大多喜の山中は以前も大雨が降るとよく通行止めになっていましたが、実際には通行に支障がなかったので、今回も同様の判断をしてしまいました。

ところが、今回は、3回ほど通行止めの看板を通過した後、暫く進むと土砂崩れで道が塞がっており、戻らざるを得ませんでした。

ちなみにその近くでは電柱も傾いており、電線が垂れ下がって路上を這うような状況でした。

そこで仕方なく、圏央道を通るルートの分岐点まで戻り、そこで再度圏央道の道路状況を確認したところ、通行止めが解除されていたので無事帰宅することが出来ました。

勿論、こうした一連の道路事情はカーナビには反映されていませんでした。

また、こうした一般道の道路事情の問い合わせ先がよく分からないのです。

 

一方、とても気になったのは、横浜市金沢区の工業地帯の被害です。

台風15号による10mほどの高波により、およそ1kmある護岸が広い範囲で壊れる被害を受けて敷地内に大量の海水が流れ込み、工場の機械が壊れたり電気系統の設備が水につかったりしました。

その結果、1億円単位の被害を被った企業もあるといいます。

 

9月26日、実際に被災地域をクルマで通ってみましたが、護岸一帯は進入禁止となっておりました。

また、道路を挟んで反対側に位置する工場では、修復作業をしている工員の姿や工場の一画に集められた大きなゴミ袋を見かけました。

 

今回は不幸中の幸いで磯子火力発電所近辺の護岸が崩れるような被害はありませんでしたが、もしこちらの発電所が同様の被害に遭えば、最悪で復旧に半年近くかかっていたのです。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.272 『首都圏沿岸の大地震・大津波で日本の電力インフラは壊滅的打撃!?』

そうなれば約200万世帯が停電になるという大変な事態に遭遇していたのです。

 

こうしたことから今後、千葉県や神奈川県のみならず全国的に広域災害のリスク対応策の見直しが求められます。

そこで、その要点について、私の思うところを以下にまとめてみました。

(リスク対応策の検討)

・あらかじめ市町村、あるいは県、更には近県や国のレベルで、被災状況の規模に応じた協力体制や役割分担を具体的なレベルで詰めておくこと

 

(被害状況の把握)

・被災規模に応じて、速やかに市町村、あるいは県に対策本部を構えること

・被災規模に応じて、市町村の職員のみならず、地域の消防団、更には近県や自衛隊、電力会社やガス会社、水道局、あるいはネットプロバイダーなどの協力を仰ぎ、早期に被害状況の全体像を把握すること

 

(具体的な対応策の実施)

・被災規模に応じて、対策本部の指示のもとに、電力会社やガス会社、水道局、あるいはネットプロバイダーなどの協力を仰ぎ、対応策を実施すること

 

(進捗管理)

・対策本部は復旧活動が完了するまで被災状況、および対応策の進捗状況を一元管理すること

 

(コミュニケーション)

・電気、ガス、水道、道路、ネットなどの社会インフラの復旧状況の問い合わせ先の一元管理、およびタイムリーな情報発信

 

(再発防止策の検討)

・災害復旧活動を終えた都度、その時点で把握された問題や課題などを再発防止策としてまとめ、再発防止策が完了するまで対策本部はその進捗状況を管理すること

 

なお、地球温暖化の進行とともに、今後大型台風の発生回数は増え、しかも被災地の広域化、集中豪雨や記録的な強風などによる被災規模の増大が見込まれます。

 

ということで、うした要点から、台風15号による被災状況や取り組みから全国的に、より大規模な災害における再発防止策やリスク対応策の再検討が求められるのです。

 

ここで特にお伝えしたい大事なことがあります。

それは、海に面した火力発電所のリスク対応策です。

先ほどお伝えしたように、想定外の津波や高波により原発のみならず火力発電所も発電停止リスクを抱えているのです。

ですから、是非とも電力会社と地方自治体、あるいは国は必要な護岸の高さの見直しなど、地震や津波、あるいは大型台風によるリスク対応策を再検討していただきたいと思います。

 

また、上記の復旧状況の連絡については、広域災害を前提に県単位ですぐに分かるように日頃の広報活動の一環としてネットや電話からの問い合わせ先を明らかにしておくことが大切だと思います。

 

 

というのは、市区町村に設置されているスピーカーの声は、強風や豪雨の中ではほとんど聞き取れないからです。


ちなみに10月4日(金)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)によると、今日現在も千葉県の南房総市では多くのブルーシートのかかった一般住宅の屋根が見受けられます。

そして今後の見通しは全く立っておらず、業者も足りず、瓦の調達も難しい状態で、ある業者によると、今のペースだと工事が全て終わるまでには3年はかかってしまいそうだということです。

 


 
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2019年10月04日
アイデアよもやま話 No.4451 日本の最低賃金はOECDで最低水準!

5月22日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で日本の最低賃金はOECDで最低水準であることについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

最低賃金を2020年代半ばまでに全国平均で1000円以上に引き上げると公明党は提言しています。

こうした状況について、番組コメンテーターでA.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんは次のようにおっしゃっています。

「(公明党の提言については)賛成です。」

「労働者の質と最低賃金のデータ(出典:OECDなど)を見ると、日本の労働者の質は最高水準なのですが、一方最低賃金は最低水準です。」

「意地悪く言えば、日本の産業は世界最高の労働力を安く使って、世界25位ぐらいの1人当たりの付加価値しか生み出していないということなのです。」

「で、これは産業の新陳代謝とか、あるいはイノベーションが決定的に不足しているということですから、今本当に深刻な労働力不足なので、このタイミングを使って逆に稼げる産業、稼げる企業に人材シフトを大胆にしていくべきだというふうに思うと。」

「(最低賃金の引き上げ額は最初1000円でいいかという問いに対して、)いいえ、長期的には1500円ぐらいを目指すのが国際水準とも合致しているんだと思うんです。」

「で、(最低賃金を)大きく引き上げるメリットは2つあって、1つは生産性の低いブラック企業の体質を促す、それからもう一つは省力化や無人化に大胆に投資を企業にさせることで第四次産業革命の実現を図るというメリットがあると思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

OECDの統計によると、日本の労働者の質は最高水準なのですが、一方最低賃金は最低水準といいます。

一方、アイデアよもやま話 No.4376 30、40代「貯金ゼロ」が23%!でもお伝えしたように、2017年度の法人企業統計によると、企業(金融・保険業を除く全産業)の「利益剰余金」、いわゆる「内部留保」は446兆4844億円と前年度比9.9%増え、過去最高となり、6年連続で増加しているのです。

ということは、俯瞰すれば、最低水準の賃金という従業員の犠牲の上に日本の企業は儲けを内部に溜め込み続けているということになります。

 

こうした状況の打開策としては、番組コメンテーターの梅澤さんは以下の3つを指摘されております。

稼げる産業、稼げる企業への人材シフト

・最低賃金の国際水準への引き上げ

・省力化や無人化による第四次産業革命の実現

 

ではこうした打開策を進めるうえで、具体的に何が必要かですが、以下に私の思うところをまとめてみました。

・ITを中心とした多数の技術者の育成

・海外からの優秀な技術者の積極的な呼び込み

・AIやロボットなどの先進技術開発関連ベンチャー企業への資金を中心とした様々な支援

・ブラック企業への制裁の強化


 
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2019年10月03日
アイデアよもやま話 No.4450 診療データは誰のもの?

5月22日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で病院で診察を受けた際の診療データは誰のものかについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

皆さんは次のような経験はないでしょうか。

近所の診療所に行って、採血とCT、レントゲンの検査を受けました。

その一週間後、違う病院に行って、同じように採血とCTを受けることになりました。

CTは近所の診療所と大して変わらないのに、全く同じ高額な値段がかかってしまいました。

 

このように病院を掛け持ちすると、個人の医療費の暴騰にもつながります。

もし個人の診療データを自分自身で持っていたら、医療費の負担は減らせるのではないか、そんな新たな取り組みが始まっています。

 

愛知県一宮市にある総合大雄会病院、地域医療の中核を担う総合病院です。

その病院の中に設けられた「カルテコ」の案内所、「カルテコ」とは医師の診察内容を患者自身のパソコンやスマホで確認出来るサービスです。

患者自身がどんなことを確認出来るのか、このサービスを利用している林 直美さんに見せてもらいました。

林さんの頭の断面映像、CT検査で撮影されたものです。

他にも血液検査の結果や処方された薬の種類や効能などについても患者が簡単に知ることが出来ます。

林さんは、このサービスは医師とのコミュニケーションや他の病院に行った時にも役に立つといいます。

林さんは次のようにおっしゃっています。

「やっぱりお医者さんを前にすると、言いたいことがちょっと飛んでいってしまうんですね。」

「他の病院に行った時でも「いつ行かれましたか、どういう症状でしたか」って言われても、これ(「カルテコ」)を見て言えますし、これを出してもいいですし。」

 

こうした診察情報はPHR、パーソナルヘルスレコードと呼ばれる医療データを集積したものです。

総合大雄会病院では、3月末に導入し、既に1000人以上が利用しています。

病院側が導入を決めた理由について、高田基志副院長は次のようにおっしゃっています。

「患者と医療者のコミュニケーションツールなんですね。」

「いかに円滑に齟齬なくコミュニケーションを促すかが目的のものですので、そこらが(医師が)想像している患者さんの分からないことと実際に患者さんが分からないことはもしかしたら違うかもしれないですよね。」

「そこをもしかするとそこをシステムが埋めてくれるかもしれない。」

 

5月22日、東京都足立区にある総合病院、等潤病院が同じシステムの導入を決め、記者会見を行いました。

等潤病院の伊藤 雅史院長は次のようにおっしゃっています。

「(「カルテコ」は)全国の医療機関情報を集約する、究極のデータセンター型の医療システムになるわけです。」

 

等潤病院は病床数164を持つ、足立区の中核病院の一つです。

しかし、「カルテコ」の導入費用は2000万円、月額費用は50万円で済むといいます。

このシステムを開発したメディカル・データ・ビジョン株式会社の岩崎 博之社長は次のようにおっしゃっています。

「カルテってなんで個人に返らないんだろう。」

 

メディカル・データ・ビジョンは医療の電子化と個人が医療情報を持てるPHRの推進を掲げ、2003年に設立、このシステムが採用されたのは全国で7番目です。

ただシステムの広がり方は想定より遅く、協力病院を増やすことに苦労しているといいます。

導入が進まない理由について、伊藤院長は次のようにおっしゃっています。

「医師の中には、これ(カルテのデータ)を訴訟に使われるんじゃないかとか、そういったものを危惧する方がいます。」

「病院間の連携であっても、今まで進まなかった現実があるので、それを国に期待することも今は出来ない。」

 

医師の中には、医療情報の電子化に抵抗する声があり、国の動きも遅いためと説明しました。

ただ岩崎社長は、本人の医療データを個人がスマホで保存することが広がれば、他の病院の医師の意識も変えられると話します。

「中期の計画として、2025年までにテータの一元化を図るCADA(「カルテコ」のシステム)を(多くの病院が)入れていくことによって、地域のネットワークが出来るっていう道も十分に考えられると思います。」

 

実は医療情報の電子化については、政府は2020年度を目途に導入を進める方針を昨年の骨太の方針に盛り込んでいました。

ところが厚生労働省に取材してみると、担当者は次のようにおっしゃっています。

「コストを考えないといけないという専門家の意見は多い。」

「報告書をまとめるとか、そんな段階ではない。」

「とにかくこれから検討しますよ。」

 

具体的なスケジュールはまだ何も決まっていないといいます。

 

一方で、医療情報の電子化に向けて、積極的な検討を進めているのが自民党です。

データヘルス推進特命委員会の塩崎 恭久委員長らはPHRなどを本格的に稼働するため、近く提言をまとめる方針です。

塩崎委員長は次のようにおっしゃっています。

「(行政と民間が一種の縦割りになっているのではという問いに対して、)それは大変大事な問題なので、今回の提言に入れ込んでいまして、PHRは来年から少なくとも検診情報を見られるようになるということですが、まだ薬の処方(情報)などは来年間に合わないので、再来年出来るようになる。」

「それよりも医療の情報で画像なども見れるようにしていくように党側からプッシュしているということです。」

 

解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田 洋一さんは次のようにおっしゃっています。

「塩崎委員長の頭の中にモデルケースとなる国はあるのかという問いに対して、」バルト海にあるエストニアという国を挙げてましたよね。」

「エストニアは人口130万人くらいの小さな国なんですけど、電子政府などで非常に進んでいる国として有名ですよね。」

「エストニアではもう既に今出て来たPHRが完全にシステム化されているんです。」

「医療情報を個人ごとに集約出来るようになっているので、大変なメリットがあるんですね。」

「例えば、この僕がエストニア人だったとして、交通事故で重い怪我を負ったとするじゃないですか。」

「病院に担ぎ込まれますよね。」

「電話で救急車を呼んで病院に行く、その間にお医者さんは例えば僕の病歴とかアレルギーの状況などをちゃんと把握して即座に治療に入れる。」

「例えばそういうようなメリットが非常に大きいんですね。」

「更にもう1点、時間軸との関係で挙げておきたいんですけども塩崎さんが厚生労働大臣だった2017年に、実は今のPHRみたいな考え方は既に提案されているんです。」

「ところが中々前に進まないということで、塩崎さんが自民党の部会でかなりこれをプッシュする提案を今考えているということなんですが、まさにあちこちにある縦割りですよね。」

「それをどうやって突破していくのか、突破力と指導力がカギだと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

私も病院の掛け持ちで、重複するレントゲンや血液の検査で医療費が二重にかかった経験があります。

これらの費用は個人の負担増のみならず健康保険組合の費用増にもつながります。

 

こうした問題の解決策として、今回ご紹介した医師の診察内容を患者自身のパソコンやスマホで確認出来るサービス、全国の医療機関情報を集約する「カルテコ」が全ての病院に導入されればとても有効だと思います。

他にも、患者が病院の掛け持ちをする際に、このサービスは医師とのコミュニケーションにも役に立ちます。

更には、病院ごとに処方される薬の組み合わせの問題の有無を判断するうえでも有効です。

 

この医療情報の電子化について、政府は2020年度を目途に導入を進める方針を昨年の骨太の方針に盛り込んでいました。

ところが、厚生労働省の担当者によると、具体的なスケジュールはまだ何も決まっていないといいます。

しかし、治療費用の削減、および病院の掛け持ちによる治療の効率化、あるいは緊急医療における素早い対応の必要性などの観点から、全国の医療機関情報を集約する「カルテコ」の導入はとても有効だと思われます。

 

ということで、解説キャスターの滝田さんも指摘されているように、政治家の突破力と指導力で「カルテコ」を早期に全国展開していただくようにお願いしたいと思います。


 
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2019年10月02日
アイデアよもやま話 No.4449 日本生まれ、QRコードの進化!

5月22日(水)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で日本生まれのQRコードの進化について取り上げていたのでご紹介します。

 

実は日本生まれで進化するQRコードといえば、今やキャッシュレス決済などで中国など世界中で広がっていますけど、QRとはQick Responseの略なのです。

日本の大手自動車部品メーカーが25年前に開発したものなのです。

で、このコードを発案した技術者は今も再雇用契約で現場で開発を続けています。

QRコードを発案した、デンソーウェーブの原 昌宏さん(61歳)は、入社以来このコードの読み取り機の開発に係わってきました。

当時、部品の管理にはバーコードが使われていました。

黒と白の縞模様で20字程度の情報しか入らないため、何度もコードの読み取りが必要だったといいます。

当時について、原さんは次のようにおっしゃっています。

「作業者からも「非常に疲れる」という苦情があったものですから、ちゃんと読み易いコードを作って皆さんに提供すれば、皆さんに喜ばれるし、我々もハッピーになる・・・」

 

より多くの情報を入れるため、コードのかたちをどうすればいいのか、そこでヒントになったのが昼休みに指していた趣味の囲碁でした。

格子状にすれば、囲碁の石のように沢山の情報を詰め込めると考えたのです。

更に瞬時に読み取れるように考え出したのが、四角いQRコードの角のうちの3つの角にある特徴的な目印です。

コードが文字に埋もれていたり、向きが傾いたりしていても読み取り機が正確に反応するようにしたということです。

こうして工夫を積み重ねて2年、最大7000字の情報が盛り込める新たなコードが誕生しました。

原さんは次のようにおっしゃっています。

「イノベーションって多分2つあると思ってね。」

「1つはやっぱり発想的にぽーんと(これまでに)ないものを創造する。」

「もう一つは“積み上げ型のイノベーション”で改良の積み上げですね。」

「ハイテクもいいんですけど、やっぱりローテクで技術の改良の積み重ね、日本は多分後者(積み上げ型のイノベーション)が得意だと思うんですね。」

 

このQRコードが想像以上に普及する中、今取り組んでいるのがセキュリティの強化です。

医療現場で患者の情報管理に使われています。

スマホでは所属と名前しか読み取れませんけども、専用の読み取り機を使うと、体重や持病などが読み取れるのです。

この鍵付きのコードは金融機関でも使われています。

4月から始まった実証実験では、まずコードに顔の特徴を取り込みます。

そして、キャッシュカードの代わりにこのコードをかざし、ATMのカメラで映った顔の情報が一致すれば、現金が引き出せる仕組みなのです。

鹿児島銀行 事務統括部の森 泰隆さんは次のようにおっしゃっています。

「セキュリティ機能を搭載したQRコードは、我々も「そういう新しい技術があったんだな」と非常に驚きを持って感じたところですね。」

 

原さんは次のようにおっしゃっています。

「いろんな用途に使われるようになって、まだまだこれから伸びしろがあるので、これからも頑張らなきゃいけないかなという感じがしますね。」

 

このQRコードは現場のニーズから生まれたというわけです。

そして、この会社ではまだ特許を取っていますが、特許は公開しており、その使用料は取っていないといいます。

原さんは、他の企業と競争したからこそ、新たな技術やサービスが生まれたと話しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

QRコードの前に、既には部品の管理にバーコードが使われていたとは知りませんでした。

ちなみにバーコードは1949年に2人のドレクセル大学の大学院生により発明されたといいます。

そしてバーコードは今でもコンビニやスーパーなどで販売されている商品の情報を取得する手段として使われています。

 

そしてバーコードよりも多くの情報を入れるため、コードのかたちをどうすればいいのか、そこでヒントになったのが昼休みに指していた趣味の囲碁といいます。

やはり、常にあることについて考え続けていると、ちょっとしたことがヒントになってピンと閃くことがあるのです。

また、更に瞬時に読み取れるように考え出したのが、四角いQRコードの角のうちの3つの角にある特徴的な目印といいますが、これもちょっとしたアイデアですが、QRコードの実用化においてはとても重要だと思います。

 

今や、QRコードはスマホによるキャッシュレス決済など、様々なところで使用されており、無くてはならない存在と言えます。

そして、その普及のカギはスマホをかざすだけの簡単な操作にあります。

 

さて、このQRコードもNo.422 進化するQRコード!でお伝えしたように更に進化を続けているのです。

 

ここであらためて思うのは、今や私たちの暮らしに無くてはならない存在となったスマホです。

スマホは小さなコンピューターとも言えるもので、情報の取得やコミュニケーションのみならず、音楽を聴いたり、動画を観るにしても、あるいはカメラやナビとしても、ほとんどスマホ1台あれば事足りるのです。

 

これまで何度となくアイデアは既存の要素の組み合わせであるとお伝えしてきましたが、スマホとQRコードとの組み合わせもその一つと言えます。

その他にもスマホには無数ともいえるほどのアプリをダウンロードすることが出来ます。

ですから、スマホはパソコンの延長線上の発明と言えますが、実用的な視点からは大変な大発明ではないかと思うのです。


 
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2019年10月01日
アイデアよもやま話 No.4448 AIが司法試験の予備試験問題の6割を的中!

5月20日(月)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)でAIによる司法試験の予備試験問題の予測について取り上げていたのでご紹介します。

 

AI(人工知能)が試験問題を解くだけでなく問題そのものを予測する、そんな時代がやってきました。

5月19日に行われた司法試験で、AIが問題の約6割を事前に予測して正解したと、開発したベンチャー企業、株式会社サイトビジット(東京都千代田区)が発表しました。

 

この会社が開発したAI「未来問」が5月19日に行われた司法試験の予備試験を事前に予測しました。

「短答式」と呼ばれるマークシート式の法律問題に挑んだのです。

サイトビジットの鬼頭 政人社長は次のようにおっしゃっています。

「「ここら辺が出ますよ」という部分も相当当たるのに加え、ほとんど同じ文章も複数出ると。」

 

その結果、95問中の57問、6割が実際の出題内容に的中し、正解したということです。

例えば、商法のある問題では問題の内容だけでなく、回答の選択肢まで当てたということです。

サイトビジットは合格ラインを超えた可能性が高いとしています。

 

では、AIはどのようにして問題を予測したのでしょうか。

今回、AIは過去8年分の問題と問題集3500ページ、これにネット上の法律用語を学習しました。

そして膨大なデータから出題傾向を分析して、回答を導き出したのです。

 

サイトビジットは、AIが予測した問題を有料で提供するサービスを始める予定です。

更に今回のAIを使って、今年10月に予定される宅建試験や来年1月の大学入試センター試験でも問題を予測する予定だとしています。

鬼頭社長は次のようにおっしゃっています。

「資格試験とか何かの試験は大学受験も全てそうなんですが、何かのスタートに過ぎない。」

「こんなもの(試験)をゴールにして、受かって燃え尽きるのではなく、スタート地点に早く立っていただいたうえで、その後の実務の世界に早く出ていただいて、継続的にずっと勉強して欲しいなと思います。」

 

一方で、今回の発表が出題のあり方に波紋を広げる可能性もありそうです。

司法試験の予備試験を実施する法務省は、個別の試験の予想について、コメントは出来ないとしています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

それにしてもAIが試験問題を解くだけでなく問題そのものを予測する時代がやってきたことには驚きです。

しかもこのアプリを開発したサイトビジットは合格ラインを超えた可能性が高いとしています。

そして、こうした予測結果およびその模範解答をサイトビジットは有料で提供するサービスを始める予定だというのです。

更に今回のAIを使って、今年10月に予定される宅建試験や来年1月の大学入試センター試験でも問題を予測する予定だとしています。

 

確かにどのような試験においても少しでも効率的に学習して少しでも高い点数を取りたいという受験者は多いと思います。

しかし、一方で、学習の本来の目的である、体系的に、あるいは本質的に学ぶ内容を理解するという観点からは、今回ご紹介したような受験問題を的中させるAIの利用には疑問が残ります。

 

一方、問題を作成する立場の人たちからすると、AIによる予想問題の的中率が更に高くなってくると、その問題を避けようとする動きが出てくるような気がします。

そうなると受験そのものが本質から逸れて、出題者も受験者も振り回されてしまうようになるのではと危惧されます。

 

こうしたことから、学習のあるべき姿としては、原点に立ち返って、受験問題の傾向と対策よりも学習する内容の本質を学習者のレベルに合わせて理解し易い内容で学習出来るようなAIの開発がとても大切だと思います。

なぜならば、これからのAIやロボットが活躍する時代には単なる暗記はほとんど必要なくなり、AIやロボットを開発したり、コントロール出来るように自分の頭で考えることこそが求められているからです。

同時に、問題を作る側も暗記力よりも思考力を評価出来るような問題を志向することが求められるのです。


 
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2019年09月30日
アイデアよもやま話 No.4447 驚きの経済理論”MMT”!

5月19日(日)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で今話題の経済理論”MMT”について取り上げていたのでご紹介します。

 

今、アメリカで国の借金の是非を巡り、論争が巻き起こっています。

「借金を怖がるのはもう止めるべき」、「いや、極めて危険な考えだ」、論争を巻き起こしているのは、「自国の通貨で借金の出来る国は税制破たんすることがない」という驚くべき理論、その名もMMT(Modern Monetary Theory 現代貨幣理論)です。

 

今、アメリカで最も注目される若手議員の一人、民主党のオカシオ コルテス下院議員が支持を表明し、次のようにおっしゃっています。

「税収だけで必要な支出は賄えません。」

「借金をしてでも公共投資に使うべきです。」

 

これに対して、中央銀行(FRB)のトップ、パウエル議長は次のようにおっしゃっています。

「財政赤字が問題にならないという考えは全く誤っている。」

「必要なのは借金を減らし、税収を増やすことです。」

 

いくら借金をしても国が破たんしないなどということがあり得るのか、MMTの提唱者の一人で25年間この研究をしているバード・カレッジのランダル・レイ教授は、番組の取材に対して次のようにおっしゃっています。

「(MMTの狙いについて、)MMTのゴールは財政への見方を変えることです。」

「国の借金は人々が考えているような恐ろしい怪物ではないのです。」

 

主流の経済学では国の支出が増え、借金が膨らむと、その国の信用は低下して、借金を続けるには高い金利を支払わなければなりません。

返済する負担は次第に重くなり、いずれ国家の財政は破綻してしまいます。

しかし、MMTによると、急激な金利の上昇が起きない限り、自国の通貨で借金が出来る国はお金(紙幣)を刷りさえすれば、それを借金の返済に充てることが出来るため、破たんはしないといいます。

その分、例えば公共投資にお金を投じ、雇用を生むことに使うべきだというのです。

レイ教授は次のようにおっしゃっています。

「国が借金を返せなくなり、財政破たんすることはありません。」

「借金が増えるより速く成長すれば、財政赤字は減っていくのです。」

「オバマ前大統領が景気刺激策を行った時のことを例にあげましょう。」

「市場が回復し、成長が加速すると財政赤字の比率は半分に減りました。」

「自国の通貨を持つ国々はわざわざ緊縮財政にして成長出来なくしているのです。」

「予算に限りがないと理解すれば、経済成長や生活水準の向上、より完全な雇用につなげることが出来るでしょう。」

 

レイ教授が“MMTのモデルに近い国”として挙げたのが他ならぬ日本です。

国と地方の借金は1300兆円近くに上り、国の経済規模を示すGDPの2倍以上にまで膨らんでいます。

“それでも日本の財政は破綻していないじゃないか“とレイ教授は指摘します。

「日本は主流派経済学者の予測を翻す“好例”と言えるでしょう。」

「先進国の中でもGDPに比べた借金の割合が最も高い国ですが、インフレは起きず、返済不能にもなっていない。」

「国の借金がGDP比100%だろうが200%だろうが、怖くないのです。」

 

こうした理論に対して、日本政府は真っ向から否定しました。

麻生副総理兼財務大臣は国会の場で次のようにおっしゃっています。

「財政規律を緩めるということで、極めて危険なことになり得る。」

「この日本という国をその(MMTの)実験場にするという考え方は今私どもは持っているわけではありません。」

 

また日本銀行の黒田総裁は次のようにおっしゃっています。

「これは極端な主張であって、こうした考え方が我が国に当てはまるという見方も全くの誤りだと思っております。」

 

MMTに対するこうした日本の考え方に対して、レイ教授は次のようにおっしゃっています。

「(MMTを主張する立場から、日本の景気回復に対する姿勢について、)借金の大きさについて悩むのを止めるべきです。」

「日本は景気が回復してくると怖気づいて、借金を減らそうと緊縮財政や増税をやってみたりする。」

「私が言いたいのは、アクセルを踏んだまま経済成長を加速させ、謝金を減らすようにすべきだということです。」

「今はあらゆる人がMMTを批判していますが、将来議論はひっくり返ることになるでしょう。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

国の景気刺激策や優れたベンチャー企業への投資の重要性、およびそのリターンの高さの事例として、かつてのアメリカのケインズ理論に基づいたニューディール政策やソフトバンクグループによる投資戦略(参照:(参照:No.4440 ちょっと一休み その687 『ソフトバンクグループの高調にみる産業界の大変動期!』))があります。

一方で、投資の失敗の代表的な事例として、バブル期の日本郵政株式会社が運営する旅館・ホテル「かんぽの宿」への過大な投資の失敗による多額の損失があります。

 

こうした事例から言えるのは、国の立場からは、大不況などの景気刺激策として、あるいは今後成長が見込めるような新しい産業の育成に必要な資金の財源を国の借金である国債に求めることは理に適っていると思います。

しかし、いくら国民に最低限の生活保障や医療支援が必要だからといって、無制限に国が国債を発行してその資金を投入すれば、いずれ国の財政は破綻することは間違いありません。

国債は“打ち出の小槌”ではないのです。

 

ですから、レイ教授はMMT理論の説明の中で、借金が増えるより速く成長すれば、財政赤字は減っていくと釘を刺しているのです。

MMT理論をある国が政策に反映した場合、その成功の可否はいかに税収が増えたかにかかっているのです。

闇雲にMMT理論を実行に移すのは誤りなのです。

 

MMT理論が効果を発揮するのは、あくまでも様々な角度から検討して国の財政政策、あるいは成長戦略に則って有効と思われる対策への国の資金の投入に限られるのです。

しかも、その金額は無制限ではなく、国の国家予算などから適正な制限があるべきなのです。

そして、事実こうした理論に対して日本政府や日本銀行の黒田総裁は真っ向から否定しています。

 

しかし、レイ教授は“MMTのモデルに近い国”として日本を挙げています。

レイ教授からは、日本はMMT理論の実験国のように見られているようですが、まだ道半ばで、日本政府の一連の政策に対しては専門家の間でも賛否両論があります。

こうした中、今年10月には消費税が8%から10%に引き上げられます。

この政策についても、レイ教授のみならず、日本の一部の専門家の間でも反論がなされていますが、こうした政策が“吉”と出るのか、“凶”と出るのかはある程度時間が経過してみないと分かりません。

ということで、国の政策も一般的な企業活動と同様に過去の成功や失敗体験に基づくだけでなく“試行錯誤”で危機を突破しなければならない時があるのです。

 

いずれにしても、私は経済の専門家ではありませんが、ざっくり言えばMMT理論はケインズ理論を現代的に焼き直した理論のように思えるのです。


 
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2019年09月29日
No.4440 ちょっと一休み その688 『暗号資産の信頼性はまだ先!?』

ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産、あるいは暗号通貨)については、これまでアイデアよもやま話 No.3395 仮想通貨が決済手段に!などで何度となくお伝えしてきました。

そうした中、7月1日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で暗号資産の信頼性について取り上げていたのでご紹介します。

 

一般的に仮想通貨と呼ばれている暗号資産の代表格であるビットコインは今年40万円弱で始まりましたが、3月辺りからジワジワと上がり始めて一時は140万円を超えました。

低空飛行を続けていたビットコインの上昇の背景に何があるのか、番組では中国で取材しました。

 

ビットコインに投資する中国人なら一度は訪れるという深圳の電気街、ビットコイン関連の電機メーカーも数多く集まる場所ですが、ここでも大きな変化が起きていました。

“中国のシリコンバレー”とも呼ばれる深圳、何でも揃うと言われるこの電気屋街には最新型のドローンや携帯電話の充電ケーブルばかりを扱う店もあります。

ここで今売り上げを伸ばしているのがビットコインを掘り当てるための“マイニングマシン”の専門店です。

このあるお店の店員は次のようにおっしゃっています。

「ビットコインが値上がりしたお蔭でお客さんが増えています。」

「1000台とか5000台とか買う人もいます。」

 

暗号資産の一つ、ビットコインはこうしたマシンがネット上での売り買いを記録することで成り立っていて、記録作業を行ったマシンの所有者は見返りにビットコインを得られます。

つまりビットコインの価格が上がれば上がるほどその報酬も大きくなる仕組みです。

これを金の採掘に例えてマイニングと呼び、その報酬を手にしようと世界中の投資家が最新のマシンを投入して競い合っているのです。

中には1台50万円の値が付くものもあるといいます。

 

上海市内のホテルで6月にビットコインで一獲千金を狙う投資家たちに向けたセミナーが開かれました。

そこでは次のようなプレゼンがされています。

「仮想通貨やその技術は未来のビジネスの基礎になります。」

 

中国で“ビットコイン投資熱”が再燃したのは今年の4月頃、米中貿易戦争などの影響で人民元安が進んだため、資金の投資先としてビットコインを買う人が増えた、と見る専門家もいます。

ある中国人投資家は次のようにおっしゃっています。

「短期的に値上がりすると思った。」

「早速お金をつぎ込んだ。」

 

およそ450万円相当の株を売り、ビットコインに替えたという人は次のようにおっしゃっています。

「株式投資の時代は既に過去のもの。」

「未来の投資がビットコインだ。」

「好きな時、場所で換金出来る。」

「(株より)ずっと便利だ。」

 

公式にはビットコインの取引が禁止されている中国で、こうした投資熱を支えているのがある“抜け道”の存在です。

実は中国政府は海外への資金流出を嫌って、2017年9月から国内の交換所でのビットコインの売買を禁止、これを受けて交換所側は海外に新たな交換所を次々と設立、国内の投資家を誘導する“抜け道”を作っていたのです。

更に新しいサービスを生み出す中国企業も現れていました。

5年前に設立された深圳のスタートアップ企業、パンダマイナーが今年本格的な販売を始めたのが“マイニングの代行サービス”です。

パンダマイナーの楊 笑COOは次のようにおっしゃっています。

「(自社の工場を指して、)我々の“マイニング工場”です。」

「24時間体制で管理しています。」

「投資家がマシンを預けて(マイニングを)依託出来ます。」

 

この工場には8万台を超える“マイニングマシン”がずらりと並んでいます。

四川省や内モンゴルの地区に工場を作り、山間部の水力を使った自家発電で電気代を日本の4分の1ほどに抑えました。

投資家のマシンを預かって管理する“マイニング代行”サービスの他、1口およそ1600円で自社のマシンを使ったマイニングの“採掘権”を投資家に販売しています。

サービスの利用者は50万人に達したといいます。

楊COOは次のようにおっしゃっています。

「中国の“土の利”を生かして、代行サービスを世界に売り出したい。」

「特に日本、韓国は最優先で、開拓したいマーケットです。」

 

ただ専門家は、中国政府がいつ更に規制を強化してもおかしくないと再燃するブームに警鐘を鳴らします。

岡三証券 上海駐在員事務所の酒井 昭治首席代表は次のようにおっしゃっています。

「人民元流出の手段にもなっていたということで、(中国政府の)ビットコインへの厳しいスタンスは変わっていないと。」

「実際にビットコインにこの段階から(投資する)というのは、非常に注意を持って見る必要が当然あるのかなと。」

 

ビットコインへと向かう投資の熱に中国政府がどう対応するのか、ブームの今後を大きく左右するかもしれません。

こうした状況に、番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄教授は次のようにおっしゃっています。

「(暗号資産の先行きについて、)当面はまだ課題が多いと思いますね。」

「国の通貨と例えると分かり易いですが、今話題になっているビットコインですとかイーサリアムは通貨でいうといわゆる変動相場制に近いんですね。」

「ですから裏付けになる資産みたいなものが無くて、結果的に価格が変動し易いわけですね。」

「変動し易いっていうことは、逆に投機の対象になり易いわけです。」

「だから今の世の中を上がったり下がったりという不安定な状態になり易いわけですね。」

「それに対して、この1、2年はステーブルコインと言って、ある意味固定相場制みたいなものなんですが、特定のドルですとか、こういった通貨と相場を固定してしまう通貨が出て来ているんですね。」

「例えば、有名なのがテザーですとか、今度フェースブックなどが導入すると言われているリブラなわけですね。」

「これは価格のレートが固定されていますので、変化がないですからある意味非常に安定して決済に使える可能性が高いんですが、ただこれ逆に言うと、このコインの信頼性が必要なんですね。」

「裏付けになる資産が十分になくちゃいけない。」

「国と通貨でもかつてアルゼンチンとかインドネシアが固定相場制を入れてて、でも国の信頼性が無くなって来ると、やはり大きく不安がやってきて経済危機にあることがあったんですね。」

「ですので、通貨も長い間新興市場の通貨って変動が多かったですよね。」

「それと同じことが暗号通貨の世界で起きているので、当面はまだ変動が多いだろうと見た方がいいですね。」

「(変動をどう抑えていくか、あとは信用、信頼性をどう確保していくか、)そのための技術と制度の整備が必要だということですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

ビットコインなどの暗号資産は、世界共通の通貨として、銀行などを通さなくてもネット上で簡単にやり取り出来る、しかも手数料も不要というように大きなメリットがあります。

一方、投資の対象としても世界的に注目されており、資産としての信頼性に対する不安定感があります。

暗号資産は、それでもやはり通貨としての利便性は多くの面であります。

ですから、長い目で見れば今は発展途上でいろいろな問題を抱えていますが、暗号資産は世界の共通通貨としていずれ現在の通貨と同様のレベルの信頼性、あるいは安定性を持った世界共通の通貨として位置付けられるようになると思います。


 
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2019年09月28日
プロジェクト管理と日常生活 No.608 『平成に広がった”所得格差”という国家的に大きな課題の対応策とは』

4月26日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で平成から令和へと持ち越される課題、”所得格差”について取り上げていました。

そこで、番組を通してプロジェクト管理の観点から”所得格差”の是正という大きな課題についてご紹介します。 

 

平成の30年間で平均世帯所得を見ると、平成元年(1989年)は566.7万円、平成28年(2016年)は560.2万円とそれほど変化していません。(厚生労働省調べ)

しかし、その実態についてよく見ていきますと、平成元年(1989年)と比べて増えているのが、400万円以下、そして1200万円以上の人たちです。

その代わりに中間層が減っているのです。

この背景の一つが非正規雇用労働者数の増加です。

平成元年(1989年)は817万人、そして平成30年(2018年)には2120万人と、平成元年から2.5倍以上になりました。(総務省調べ)

 

多くの人が時代に翻弄され、格差を感じながら生活してきました。

今まで300社以上の正社員採用の試験を受けて来た木村 武さん(仮名 46歳)が就職活動を始めたのは平成11年(1999年)、就職氷河期真っただ中でした。

この年は大学生の5人に1人が就職出来ずに卒業しました。

木村さんも出版社や小売業など、50社以上受けましたが正社員にはなれませんでした。

木村さんは次のようにおっしゃっています。

「雇用情勢が良い時に社会に出るのと悪い時に社会に出るのとではものすごい、えらい違いなんですよ。」

「本人にとって選べないことではありますからね。」

 

アルバイトを転々とする中、平成13年(2001年)、28歳の木村さんにようやく正社員の道が開かれます。

就職活動の時に取得したワインの資格が役に立ち、酒の輸入販売の会社に入社します。

給料は手取りでおよそ18万円、暮らしも安定しました。

木村さんは次のようにおっしゃっています。

「正社員で雇ってもらうことには相当気合が入りました。」

「だから多少無理してでもサービス残業をしたりとか、そういうものも平気ではあったんです。」

 

しかし、上司からのパワハラが続き、結局1年3ヵ月で退職しました。

この頃、社会は小泉内閣が進める構造改革真っただ中、派遣業の規制緩和を進め、非正規雇用が増大しました。

会社を退職した木村さんは工場などの派遣や契約社員として働き、非正規雇用の職をつなぐしかありませんでした。

そうした中、平成20年(2008年)9月リーマンショックが起きます。

この時、木村さんはスーパーで契約社員として働いていましたが、不況のあおりを受け、雇い止めになりました。

この状況から抜け出すため、木村さんは平成23年(2011年)に大学院に通うことを決意します。

フランス文学を専攻し、ワインの知識もより深めることにしました。

しかし、この時既に38歳になっていました。

木村さんは次のようにおっしゃっています。

「普通の人だったら、もう落ち着いて家庭を構えている。」

「自分は取り残されているなという感じがしました。」

 

大学院を卒業して4年、木村さんに再び朗報が届きました。

今年2月、都内の老舗フレンチレストランに正社員として採用されたのです。

社員5人の小さな会社です。

ワインの知識を生かし、お店で扱うワインの選定や接客など、専門性が期待されています。

手取りは22万円、契約社員の時とほとんど変わりませんが、それでも憧れだった正社員の仕事です。

 

正社員になれた背景には雇用状況の改善があります。

最近は人手不足が深刻で、正社員の求人も増えています。

非正規社員から正規社員への転換(15〜54歳 総務省調べ)は、平成23年(2011年)、24年(2012年)とマイナスですが、平成25年(2013年)以降はプラスに転じています。

一方、一人当たりの求人倍率(今年3月)は、大企業が1.04倍で、中小企業は9.91倍で、求人は中小企業の方が圧倒的に多いのです。(出典:リクルートワ−クス研究所)

また、正社員と非正規社員の賃金格差は以下の通りです。(平成30年(2018年) 厚生労働省調べ)

        大企業      小企業

正社員   37万5900円 27万7800円 1.3倍の格差

非正規社員 22万 100円 19万5100円 1.1倍の格差

       1.7倍の格差  1.4倍の格差

 

小企業では正規社員として働いても非正規社員として働いても大企業ほど待遇が変わらないのです。

木村さんの場合も契約社員の場合と賃金はほとんど変わらないといいます。

そして体力的にも厳しいものがあるとして、会社に対して退職をしたいと申し出ているのです。

木村さんは次のようにおっしゃっています。

「周囲から寄せられる期待ですとか、自分が負う責任の問題ですとか、私自身がそれに耐えていけるのかという問題もそれに伴って浮上してくる。」

 

一般的に40歳代以降に正社員になると、新たな環境に順応出来ないことがあったりとか、同じ世代の正社員に求められるスキルを持ち合わせていなかったりして、結果的に離職してしまうケースも珍しくありません。

この結果、正社員と非正規社員では将来の年金額も変わってきます。

以下は公的年金受給額の比較です。(平成29年度 厚生労働省調べ)

 

正社員中心   187.5万円

常勤パート中心  91.7万円

アルバイト中心  91.8万円

 

このように、非正規社員のまま年を取ると、正社員のほぼ半分の年金額となるというデータもあります。

年金だけで暮らせず、生活保護を受ける可能性もあるのです。

こうしたケースを自己責任として切り捨てるのは簡単なんですが、それでは社会全体の負担が増すだけです。

 

そこで、今後どうしていくべきか、番組では3人の専門家に聴いてみました。

まずは、非正規雇用で働く人たちをどう底上げしていくかという提言です。

貧困問題に詳しい早稲田大学の橋本 健二教授は次のようにおっしゃっています。

「進めていっていただきたいと思っているのが労働時間の短縮です。」

「短縮すれば、正規雇用として働く人数が増えます。」

「そうすると、非正規から正規に転換出来る人々が増えていきます。」

「現在の非正規雇用の職は人手不足になりますから、当然時給を上げなければ人が集まらないという状況になります。」

「最低賃金の大幅引き上げをして、非正規雇用の人々の待遇を改善することも必要じゃないでしょうか。」

 

労働問題に詳しい人事コンサルタントの城 繁幸さんは次のようにおっしゃっています。

「正社員と(非正規雇用者が)同じ土俵で健全に競争して、そこから落ちてしまった人には非正規、正社員に関わらず、同一のメンテ(処遇)をするような社会保障の整備が重要になると思いますね。」

「全ての労働者が自身の能力をフルに発揮して報われるような仕組み・ルール作りが今社会に必要だと思いますね。」

 

更に日本の産業構造そのものを変えていく必要があると指摘する専門家もおります。

雇用問題に詳しい千葉商科大学の常見 陽平専任講師は次のようにおっしゃっています。

「儲かる産業・次世代の産業が日本になくなってしまった、あるいは弱くなってしまったということがそもそもの論点だと思います。」

「次の産業を作ろう、そして全うなビジネスをしようということがやはり日本企業に求められると思いますよ。」

「僕はモノづくりだと信じたいですね。」

「“IT×モノづくり“で何か新しいものを生み出せないか。」

 

格差の放置は令和の時代につけを回すことになります。

いかに格差を無くすことが出来るのか、待った無しの取り組みが求められています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、まず、以下に番組の内容を要約してみました。

 

(“所得格差”の状況)

平成の30年間で平均世帯所得はそれほど変化していないこと

・しかし、平成元年(1989年)と比べて増えているのが400万円以下、そして1200万円以上の人たちであり、その代わりに中間層が減っていること

・この背景の一つが非正規雇用労働者数の増加であり、平成元年から2.5倍以上になっていること

・そこには小泉内閣が進める構造改革による派遣業の規制緩和があったこと

・平成20年(2008年)9月リーマンショックが起き、多くの非正規社員が不況のあおりを受け、雇い止めになったこと

・その後、景気の持ち直しにより雇用状況の改善し、最近は人手不足が深刻で、正社員の求人も増えていること

・求人は大企業に比べて中小企業の方が圧倒的に多いこと

・また、正社員と非正規社員の賃金格差は以下の通りであること(平成30年(2018年) 厚生労働省調べ)

 大企業における正社員と非正規社員の賃金格差は1.7倍であること

小企業における正社員と非正規社員の賃金格差は1.4倍であること

大企業と小企業における正社員の賃金格差は1.3倍であること

大企業と小企業における非正規社員の賃金格差は1.1倍であること

・この結果、正社員と非正規社員では将来の年金格差も生じてくること

・更に非正規社員の場合、年金だけで暮らせず、生活保護を受ける可能性もあること

 

(専門家の提言)

・労働時間の短縮

  −短縮により正規雇用者数の増加が見込めること

−その結果、非正規から正規に転換出来る人々の増加が見込めること

−同様に非正規雇用の職は人手不足になり、時給の上昇が期待出来ること

・最低賃金の大幅引き上げにより、非正規雇用者の待遇改善が必要であること

・非正規、正社員に関わらず、同一の処遇をするような社会保障の整備が必要であること

・全ての労働者が自身の能力をフルに発揮して報われるような仕組み・ルール作りが必要であること

・“IT×モノづくり“で日本の産業構造そのものを変えていく必要があること

 

上記の要約、およびその他の情報をもとに“所得格差”の解消という課題対応策を産業界と国による制度の2つの視点から私の思うところを以下にまとめてみました。

(産業界)

・“IT×モノづくり“で日本の産業構造そのものを変えること

・企業は国際的な競争力のある新しいモノづくりを志向し、6年連続で過去最高を更新している内部留保(詳細はこちらを参照)を積極的な投資と同時に従業員の給与増に投入すること

 

(国による制度)

・“IT×モノづくり“による日本の産業構造転換を産業界が実施し易いように、制度面で支援すること

・以下の施策により、消費を推進する柱と言える中間層の全体に占める割合を増やすこと

  −労働時間の短縮を図ること

  −最低賃金の大幅引き上げにより非正規雇用者の待遇改善を図ること

  −非正規、正社員に関わらず、同一労働同一賃金を図ること

  −非正規、正社員に関わらず、同一の処遇をするような社会保障の整備を図ること

・新たな産業構造に沿った法人税のあり方を検討することにより税収増を図り、国の施策に要する資金源とすること


 
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2019年09月27日
アイデアよもやま話 No.4445 広がる“1on1ミーティング”!

5月18日(土)放送の「ニュース7!」(NHK総合テレビ)で“1on1ミーティング”について取り上げていたのでご紹介します。

 

上司との面談というのは、机をはさんで向かい合って行うケースが多いです。

なので、部下の方は試験を受けているような気分になります。

こうした面談のあり方を変えようということで、大手企業の間で“1on1ミーティング”と呼ばれる新たな取り組みの導入が始まっています。

 

“1on1ミーティング”を今年度から全社で導入したパナソニック、番組取材の日は入社4年目の女性社員とその上司が面談、リラックスした雰囲気の中で行います。

面談は原則、2週間に1回、1回15分程度で日々の仕事の悩みから目標の進捗などを話し合います。

話題は将来の希望についても触れます。

女性社員はこれからのキャリアについて、将来海外で働きたいと話しました。

それに対して、上司からは将来の準備になるように仕事の割り当てる業務を工夫すると伝えられました。

女性社員は次のようにおっしゃっています。

「頻繁にこの会(面談)をやるので、今聞いたことをすぐ席に戻ったらやってみるというかたちで、自分の中に取り込んでいけていると思っています。」

 

この面談について、昨年度試験的に導入した部署でアンケートを行った結果、社員の半数以上は“仕事の成果が上がった”と答えたということです。

パナソニック コネクティッドソリューション社の杉江 拓治主幹は次のようにおっしゃっています。

「上司、部下のコミュニケーションが良好になることによって、一人の生産性が上がりますので、(面談に)時間が取られる以上の効果はあるかなと考えております。」

 

アメリカ、シリコンバレーでは広く導入されているこの制度、国内の企業では日清食品やソニー、楽天なども導入しています。

コンサルティング会社にも導入を依頼する企業が増えてきているということです。

ビジネスコーチ株式会社の橋場 剛副社長は次のようにおっしゃっています。

「今までトップダウンだったコミュニケーションをトップダウンだけでなくボトムアップも取り入れるとか、これからやらざるを得ない環境に日本の多くの企業は置かれているので、広がっていくのではないかと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

従業員は機械ではありません。

ですから、精神的に公私ともにいろいろな悩みや不安を抱えている場合があります。

すると、大なり小なり業務の生産性低下をもたらすことになります。

ですから、より多くの従業員が少しでも業務に積極的に、あるいは集中して取り組めるような状態を維持するためには定期的に、あるいは必要に応じて、上司と部下、あるいは同僚間でのミーティングやちょっとした立ち話や飲み会などが有効です。

 

そうした中、今回ご紹介した上司と部下による定期的な“1on1ミーティング”は、部下の業務上の悩みを解決するうえで、とても有効だと思います。

ただし、こうした場合、部下が上司に対して信頼感を持てることが前提になります。

いくらこうした機会を設けても、部下が上司を信頼出来なければ、心を開いて相談出来ないからです。

 

従来型の業務は今後徐々にAIやロボットに置き換わっていくことは間違いありません。

こうした流れの中で、従業員に課せられる業務は自ら考える創造性のある分野にシフトしていきます。

そうすると“1on1ミーティング”のような場を設けることは従業員の働き易さを維持するうえでこれまでよりも一層重要になります。

だからこそアメリカのシリコンバレーではいち早く広く導入されているのだと思います。


 
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2019年09月26日
アイデアよもやま話 No.4444 撥水性抜群のアパレル!

5月17日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で撥水性抜群のアパレルについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

バケツの水をかけてもパーカー、Tシャツ、それにスウェットパンツに一切水が浸みていません。

実はこれ全て撥水機能のある洋服なのです。

 

試しに撥水加工のない普通のパーカーに水を入れてみると、入れたそばから水が漏れ出てしまいます。

一方、撥水性抜群のパーカーに水を入れてみると、なんとバケツのように水が溜まっていくのです。

勿論、パーカーの下に水が浸み出ることもありません。

こうした撥水性抜群のアパレル商品を製造しているリロア代表の川端 基幹さん(35歳)は次のようにおっしゃっています。

「(その素材について)、こちらはコットン100%を使っております。」

 

吸水性が特徴のコットンに撥水性を持たせることはこれまで難しかったのです。

今回、コットン繊維にナノレベルまで撥水溶剤を定着させる技術を独自で開発しました。

なお、表面は勿論なのですが、撥水性をより高めるため、裏地も撥水加工済なのです。

さて、この洋服の着心地も動き易く、悪くありません。

ちなみにこの撥水加工済みの白いTシャツにケチャップを垂らしてみたところ、ケチャップはするりと転がり落ちていきました。

 

商品は全部で5種類、7月上旬の発売を目指しています。

ちなみにパーカー 6990円、Tシャツ 2990円、ジ−ンズ 9490円、スウェットパンツ 6990円です。(全て税抜き)

川端さん(35歳)は次のようにおっしゃっています。

「同じクオリティでこの値段は他社では出せないという自信はあります。」

 

あくまでもこれらの商品は普段着なので、レインウェアのように雨が降りそうだから着ていくといったものではないのです

また裏地も撥水加工されているので、夏場のTシャツも汗シミにならないといます。

また撥水機能の経年劣化はありますが、それがされにくい加工はされているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これまでも撥水加工のスーツや傘などはありましたが、今回ご紹介したリロアの撥水加工商品は従来品に比べて一段と撥水機能が向上しているように思えます。

ですから、こうした機能のある上着を着ていれば、雨が降り出しても頭の上からかぶれば傘代わりになるのではないでしょうか。

あるいは、激しい雨の場合でもズボンがビシャビシャにならずに済むと思われます。

ですので、こうした強力な撥水加工のされている洋服であれば、多少高価格でも購入したいと思います。

 

ということで、リロアは強力な撥水機能の観点からアパレル業界に旋風を巻き起こす存在になる可能性を秘めていると思います。


 
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2019年09月25日
アイデアよもやま話 No.4443 官民で取り組むロケツーリズム!

5月17日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で官民で取り組むロケツーリズムについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

映画の代表的なシーンで有名になったある海水浴場は、昨年の夏の来場者数は前年に比べて1.5倍増えました。

映画やドラマのロケ地を市町村が誘致して、地域の活性化を図ることをロケツーリズムといいます。

5月17日、経済産業省でこのロケツーリズムを推し進めるため、映画やテレビの制作者とロケを誘致したい市町村のトップが会するマッチングイベントが開かれました。

国が後押しする理由は何なんでしょうか。

 

太平洋を望む外房にある千葉県いすみ市、4年前から市を中心に地元の商工会などが一緒になり、ロケを積極的に誘致してきました。

いすみロケーションサポートの出口 幸弘会長は次のようにおっしゃっています。

「是枝監督の「万引き家族」のワンシーンがここ(海水浴場)で撮られました。」

 

昨年、カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した「万引き家族」で、家族全員が海で遊ぶシーンが撮影されたこの海岸、作品の世界観に合った場所を探していた制作サイドのリクエストに応えるため、市の職員が海岸線を歩き回って、候補地をピックアップ、最終的に是枝監督がゴーサインを出し、ロケが実現しました。

 

一方、テレビ局が市内で行いたいと申し入れて来たロケも積極的に支援します。

いすみ市内にある源氏食堂は、4年前に人気ドラマ「孤独のグルメ Season5」で松重 豊さん演じる主人公、井之頭五郎が仕事の合間に立ち寄る店として登場しました。

元々は地元の人もあまり知らないようなお店でしたが、ドラマの放送直後から多くのお客が訪れるようになったといいます。

源氏食堂の店主、斉藤 起み子さんは次のようにおっしゃっています。

「今は(お客が放送前の)10倍、「孤独のグルメ」のおかげです。」

 

取り組みを始めてから200件を超えるロケ(207件 2015年〜現在)を受け入れて来たいすみ市、訪れる観光客数も2013年〜2017年までの4年間で約31万人から約41万人へと約10万人増加しました。

いすみ市が多くロケを誘致出来るのは、撮影に関する交渉から許可取りまでをワンストップで幅広く対応するサポート体制にあるといいます。

出口会長は次のようにおっしゃっています。

「あらゆることに対してスムーズに、スピーディに対応しているというところですかね。」

「それが年々ロケが増えている要因でもあると思います。」

 

また地元グルメの差し入れをして、撮影現場をもてなすことで、ロケ隊のリピートにもつながっているといいます。

いすみ市の早川副市長は次のようにおっしゃっています。

「トップが「これは地域のプロモーションのためにやるんだ」というふうに言うことによって、地域は一体となって動ける。」

「ここは大きいと思います。」

 

こうしたロケ誘致による地域活性を国も後押ししています。

5月17日、経済産業省(経産省)の会場に集まったのは、ロケを誘致したい自治体のトップたちと映画監督やテレビのプロデューサーなど250人以上で、マッチングイベントが開かれました。

熱心にアピールしているのは、京都府京丹波町の太田町長です。

京丹波町はロケ誘致用のパンフレットも作成、町には大がかりなセットが作れる敷地もあるといいます。

実は京丹波町は2004年に鳥インフルエンザが発生した養鶏場があった場所で、その跡地をロケ地として活用しています。

他にも映画「本能寺ホテル」(2017年公開)の炎上シーンの撮影など、周りに民家がない環境を生かしたロケを誘致出来ているといいます。

太田町長は次のようにおっしゃっています。

「町民の方にとっても、この映画がこの町でロケされたというのは誇りになるようでして、かなり盛り上がっている・・・」

 

一方、制作者側もロケ地の候補探しには苦労するといいます。

ある映像制作関係者は次のようにおっしゃっています。

「日本は海外と違って協力的ではないので、(ロケ地探しは)いつも悩ましいと思いますね。」

 

別の映像制作関係者は次のようにおっしゃっています。

「一番は地域の方々に協力いただけるような宿泊施設や食事などの問題もありますので・・・」

 

自治体側と制作者側のトップ同士がつながることによって、様々な交渉や段取りがスムーズになるのです。

経産省が初めて共催に名を連ねた今回のイベント、第3回「市町村長ロケ地TOP会談」、この取り組みを全国に広げたいといいます。

経産省クールジャパン政策課の三牧 純一郎課長は次のようにおっしゃっています。

「地方創生は安倍政権のメインの課題でもありますし、自治体と民間の番組制作の方々がやる取り組みを国としてサポートすると・・・」

 

番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄教授は次のようにおっしゃっています。

「(マッチングイベントの有効性について、)日本の今抱えている本質を解消する動きだと思うんですね。」

「つまり、もっと都市と地方の間で出会いの場をつくるべきなんじゃないかなと。」

「今回のケースも日本の都市部の映画製作会社と地方でそういった人たちを誘致したいって、お互いにニーズとシーズがある。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

確かに大きな話題になった映画やドラマのロケ地は観光誘致のきっかけになります。

一方、そうしたロケ地探しは制作会社にとって負担になっているといいます。

ですから、経産省主導でロケを誘致したい自治体のトップたちと映画監督やテレビのプロデューサーなどによるマッチングイベントを開催したことは意義があると思います。

 

しかし、こうしたワンショット的な取り組みと並行して、常態的にネット上にロケを誘致したい自治体と映画やテレビドラマの制作者側がそれぞれマッチング出来るようなサイトが立ち上がっていれば、タイムリーにそれぞれが負担が少なく、しかもスムーズにロケ地の決定がなされます。

しかもこれらのロケの候補地が時代劇や風景の特色などで分類されていれば、制作者側は効率よくロケ地を絞り込むことが出来ます。

 

ということで、こうした常態化したマッチングサイトを立ち上げることは、より多くの国内外の制作者とロケを誘致したい自治体の双方にとってメリットがあり、結果として新たな観光地の掘り起こしにつながると思うのです。


 
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2019年09月24日
アイデアよもやま話 No.4442 中国で進むデジタルビジネス!

5月16日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で中国で進むデジタルビジネスについて取り上げていたのでご紹介します。

 

中国は“数字中国(デジタル中国)”を標語に掲げ、官民を挙げて社会のデジタル化とデジタルビジネスの強化に取り組んでいます。

番組ではその重要な拠点となる都市を取材しました。

 

中国・福建省の小学校、子どもたちが着けているのはVR(仮想現実)のゴーグル、見ているのはシャチやクジラなど海の生物、滅多に見られない海の生き物を目の当たりにして子どもたちは大喜びです。

授業にも熱が入ります。

 

実は、福建省は中国政府が推し進めている“デジタル化”の最前線なのです。

5月に開かれた「第2回デジタル中国建設サミット」、マイクロソフトやアリババグループ、更にファーウェイなどが最新の技術を展示していました。

裁判所のブースで、出迎えてくれたのはソフトバンクのペッパーに少し似ている紛争解決ロボットです。

交通事故や離婚など、トラブルの当事者による和解の文書作りを支援してくれます。

このロボットの開発会社の徐 茂生さんは次のようにおっしゃっています。

「このロボットは第三者で、人間の要素が入っていないから信用してもらえる。」

 

更に、借金を返さなかったり、法律に違反したりした人のデータを裁判所が一元管理する信用懲戒管理システムもあり、飛行機や新幹線のチケットを買えなくすることも出来るといいます。

 

このイベントに出展していたのが、先ほどのVR教育システムを作るネットドラゴンで、乗馬マシーンを使ったアプリ「紅色教育」で中国最後の王朝、清朝を倒した辛亥革命や共産党の戦いなどをよりリアルに体験し、歴史とともに愛国心を学べます。

最新技術の教育システムを使って、正しい歴史を学べる他、科学などで高い水準の教育を実現し、「優秀な人材」を育成出来るといいます。

 

更に中国政府の経済圏構想「一帯一路」の対象となるアジアやアフリカの国々にもこのシステムを販売し、教育のデジタル化を支援していく方針です。

ネットドラゴンの熊立CEOは次のようにおっしゃっています。

「我々は政府の力を借りることが出来、自らの力と併せて事業が進められる。」

 

郊外へクルマで1時間、東湖デジタルタウンでは官民を挙げたプロジェクトが進行していました。

現れたのはV字型の巨大なビル、街灯の文字も「VR」、ここは福建省などが建設中のデジタルタウンです。

東京ドーム32個分(約150万屐砲療效呂北鵤隠沓娃芦円を投資し、IT企業を誘致しています。

企業の技術を体験出来るVR体験センターでは、VRを様々な産業に応用しようとしています。

工場の安全について学んだり、溶接作業の練習が出来ます。

 

自動車の整備や塗装作業、更に部屋の内装コーディネートなど、10種類以上の職業体験VRを開発しました。

周辺には高層マンションも建設して、3万人近くが働く巨大なデジタル産業の街を造ろうとしているのです。

 

企業が雇う技術者の給料の一部を省政府が一部負担するなどの優遇策もあります。

東湖デジタルタウン開発会社の王 中雷副社長は次のようにおっしゃっています。

「人類の歴史から考えて、(デジタル経済は)前進するのみで、後退は絶対にない。」

「このデジタルタウンをアメリカのシリコンバレーのような街に育てたい。」

 

巨額の投資でVRの産業化お主導権を握ろうとする中国、中国発のデジタル技術が世界を席巻する日は来るのでしょうか。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

今、米中の間で経済、貿易、あるいは軍事上の覇権争いが繰り広げられています。

こうした覇権争いのきっかけは、中国の習近平国家主席の強力な指導力による近い将来アメリカを凌駕するのではないかと思われるほどの中国の急速なテクノロジーの進歩、あるいは軍事力の強化を背景とした覇権主義です。

そして、番組を通して感じることは着々とデジタル経済を推し進める中国の動きです。

 

ではこうした米中間の覇権争いの真っただ中にあって、日本はどのようなスタンスで取り組むべきなのでしょうか。

以下に私の思うところをまとめてみました。

まず日中間においては、経済、貿易、あるいは民間交流を積極的に進め、中国にとって、日本は無くてはならない存在になることです。

一方、中国の覇権主義に対しては、日米、あるいは同盟国と共同して中国の暴走に対する抑止力を強化することです。

 

同時に、こうした動きとは別に日本独自に日本の技術力を生かした途上国への様々な支援活動を展開することです。

こうした取り組みをより多くの国々に展開することにより、こうした国々との友好関係を深めることにより、日本の国際的な地位を高めることが出来ます。

そして、こうした積み重ねにより、今大きな問題になっている、これまでにないような日韓関係の厳しさを乗り越えるうえでも多くの国々が日本を支援すれる側に回ってくれると期待出来るのです。


 
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2019年09月23日
アイデアよもやま話 No.4441 世界的な“脱プラスチック”の現況!

これまで“脱プラスチック”の動向ついては、アイデアよもやま話 No.4118 “脱プラスチック”の新素材を開発した日本のベンチャー企業に商機!アイデアよもやま話 No.4195 危機的な状況にある廃プラスチックのリサイクルの実態!などで、何度となくご紹介してきました。

そうした中、5月16日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で世界的な“脱プラスチック”の現況について取り上げていたのでご紹介します。

 

環境省は都道府県などに対し、家庭から出るプラスチックごみに加え、企業が出す産業廃棄物のプラスチックごみの処理も受け入れるよう5月中に要請する方針をまとめました。

日本はこれまでプラスチックごみをリサイクル資源として中国や東南アジアなどに輸出してきました。

しかし、国際的な環境意識の高まりなどから、中国をはじめ輸入を規制する動きが広がっているため、政府はプラスチックごみの国内での処理体制の拡充を進めています。

政府がプラスチックごみ対策を急ぐ中、企業でも再利用や代替品への切り替えの動きが広がっています。

 

5月16日開催のあるイベント(東京都千代田区)で、家庭で炭酸水を作る製品を販売するソーダストリームのダニエル・バーンバウムCEOは次のようにおっしゃっています。

「中国はもう世界のプラスチックごみを引き取ってくれない。」

 

プラスチックごみを資源として受け入れて来た中国や東南アジア諸国が輸入を制限して以降、国内ではプラスチックごみの処理が追いついていないのです。

ソーダストリームの製品には炭酸ボンベが内臓されていて、ボタンを押すだけで簡単に家庭で炭酸水を作れます。

飲みたい時にその場で炭酸水を作れるため、プラスチック製のペットボトルを使う必要がありません。

ソーダストリームは自社の製品を使ってもらうことでプラスチックごみを削減したい考えです。

 

一方、北欧家具メーカーのイケアも脱プラスチックの動きを強めています。

キッチンキャビネットの表面部分は日本の使用済みペットボトルを利用しています。

また、アフリカのデザイナーとコラボした限定のトートバッグは、ポテトチップスの袋を製造する過程でできた廃材を利用しています。

イケア・ジャパンの米倉 美貴さんは次のようにおっしゃっています。

「まだ使い捨てプラスチックを売っておりますけど。2020年までに全ての使い捨てプラスチックの廃止を今目標として今ほぼ完了しつつあります。」

 

脱プラスチックの動きは日本の企業でもあります。

一昨年、当番組が開発直後の様子を取材したのは、石灰石と樹脂を原料とした新素材、ライメックスです。

2年を経た今、大きな進化を遂げていました。

株式会社TBMはライメックスを使い、従来のものと比べ、石油由来原料の使用が少なくて済む買い物袋を昨年12月に開発しました。

これは既に東京。原宿などに店舗を持つカジュアルウエア専門店、スピンズの買い物袋として採用されています。

TBMの山 敦義社長は次のようにおっしゃっています。

「ライメックスバッグのお問い合わせはもう100件を超えているんですね。」

 

コスト削減の結果、価格をプラスチック製の買い物袋の1.5〜2倍程度に抑えることが出来ました。

これは紙の買い物袋より安いということです。

更に飲食店などで使われる看板も、これまでは石油由来の材料で作られてきましたが、これをライメックスに切り替えることで、プラスチックの使用を減らせます。

既に一部ファーストフード店が採用しています。

山社長は次のようにおっしゃっています。

「どんどん量産化が進んでくると、もっと価格は下がって来ると思います。」

「持続可能な社会づくりにチーム一丸となって大きく貢献していきたいなと思っています。」

 

なお、私たちの生活に身近なコンビニエンスストアでも“脱プラスチック”の動きが進んでいます。

セブンイレブンでは2030年を目途にプラスチック製のレジ袋を全廃する考えです。

またローソンは関東地方の店舗では5月21日より順次アイスコーヒーのカップをプラスチック素材から紙素材に変更するということです。

そしてファミリーマートでは弁当やサラダのプラスチック容器や包装の種類を減らす計画となっています。

番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄教授は次のようにおっしゃっています。

「私は、日本でようやく一番遅れていた部分が風が吹いてきたなと思っています。」

「日本では3R運動と言って、プラスチックごみをReduce(減らす)、Reuse(繰り返し使う)、Recycle(再資源化)、この3つをやっていこうという流れがあるんですが、圧倒的に弱かったのはReduceなんですね。」

「日本は1人当たりのプラスチックごみの廃棄量はだいたい32kg、世界2位の多さなんですよ。」

「1位はアメリカです。」

「ですから、ここを減らしていくというのが非常に重要なので、まさにコンビニの動きなんかもここですから、非常に評価出来るなと思いますね。」

「Recycleについては、日本はRecycle率が高いと言われてるんですけど、内訳を見ると大部分はプラスチックごみを火力発電所とかの燃料に使っているんですよ。」

「ですから我々がイメージするような、プラスチックを分解して工業製品に再利用するみたいなRecycleは全体の2、3割ぐらいで、これで本当にRecycleと言えるのかっていう批判もあるんですね。」

「で、国際的にはここを高めていくというのが流れですから、日本もこの辺りを頑張って欲しいなということだと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず3Rの観点から番組で紹介された“脱プラスチック”関連の事例を以下に分類してみました

Reduce(削減)

・ソーダストリームによる家庭でも簡単に炭酸水が作れる装置

・スピンズによる買い物袋としてライメックスの採用

・飲食店などで使われる看板の材料にライメックスの採用

・セブンイレブンによる2030年を目途にしたプラスチック製のレジ袋の全廃

・ローソンによるアイスコーヒーのカップのプラスチック素材から紙素材への変更

・ファミリーマートによる弁当やサラダのプラスチック容器や包装の種類の削減

Recycle(再資源化)

・イケアによるキッチンキャビネットの表面部分の使用済みペットボトルの利用

・イケアによるポテトチップスの袋を製造する過程でできた廃材を利用したトートバッグ

 

こうした事例以外にもこれまで様々な3Rの取り組みについてご紹介してきましたが、根本的に重要なことは“持続可能な社会”、あるいは“循環型社会”の実現です。

 

さて、プラスチック以外にも様々な廃棄物があります。

これら全てにおいて、持続可能性を持たせるためには、全てにおいて循環型でなければならないのです。

 

中でも今、世界的に“脱プラスチック”が話題になっていますが、そうした中、日本人1人当たりのプラスチックごみの廃棄量がアメリカに次いで世界2位の多さという事実は重く受け止めなければなりません。

 

特に世界的に話題になっているのは、海洋プラごみの問題です。(参照:No.4290 ちょっと一休み その692 『海洋プラごみは1年間に1200万トンにも!』

このままこの問題に十分な対応策がなされなければ、地球温暖化に伴う海水温の上昇と相まっていずれ多くの海洋生物が死滅してしまう可能性を秘めているのです。

そして、この問題は海洋プラごみを食べてしまった魚類を食べることになる私たち人類にとっても健康上のリスクが高まってくるのです。

 

こうしたことから、TBMが開発を進める“脱プラスチック”対策として有望な素材、ライメックスにとても期待が持てます。

TBMには是非ライメックスの量産化とともに低価格化を進め、世界展開を図っていただきたいと思います。


 
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2019年09月22日
No.4440 ちょっと一休み その687 『ソフトバンクグループの高調にみる産業界の大変動期!』

ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)の動向についてはアイデアよもやま話 No.4348 ソフトバンクグループに見る今後の日本企業のあり方!でもご紹介してきましたが、5月9日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でソフトバンクグループの高調について取り上げていました。

そこで、番組を通して現在は産業界の大変動期にあることについてお伝えします。

 

ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)は2019年3月期の決算会見を開き、本業の儲けを示す営業利益が過去最高となったと発表しました。

高調のけん引役となったのは、10兆円規模の巨大ファンドを通じた新興企業への投資事業です。

更に孫 正義会長兼社長は巨大ファンド第2弾の設立準備をしていると明らかにしました。

営業利益で日本一のトヨタ自動車に迫る勢いのソフトバンクGは果たしてどこまで利益を伸ばせるのでしょうか。

 

ソフトバンクGの2019年3月期の営業利益は2兆3539億円(前年比80.5%アップ)と過去最高を更新しました。

なお5月8日、2019年3月期の決算を発表したトヨタ自動車の営業利益は2兆4675億円でした。

今回の決算でソフトバンクGはトヨタ越えが射程圏内に入っていることを強く印象付けました。

その要因について、孫会長兼社長は次のようにおっしゃっています。

「ソフトバンクGの株主価値をこれから一番増やしていく成長エンジンになっているのは何かというと、ビジョンファンドであるということは80%の営業利益の伸びのほとんどがビジョンファンドから導かれたと。」

 

利益を大きく押し上げたのは運用額が10兆円規模のソフトバンク・ビジョンファンド、営業利益の5割以上の1兆2566億円をファンドの投資事業が占めています。

これまでアメリカの配車サービス大手、ウーバーテクノロジーズなど、将来性の見込める企業に積極的に投資、これにより株式評価益が増加したことでソフトバンクGの利益につながっているのです。

更なる成長を目指すべく、10兆円規模のソフトバンク・ビジョンファンドと同規模の新ファンドを立ち上げると発表しました。

 

純利益も3期連続で1兆円を超えたソフトバンクG、孫会長兼社長は2020年3月期の純利益も1兆円を超える見通しを明らかにしました。

高調はどこまで続くのでしょうか。

 

さて、ソフトバンクGの営業利益はトヨタ自動車に迫るところまで来たということですが、2015年3月期から2019年3月期までの両社の比較でみると、トヨタ自動車は2017年3月期を底に緩やかな回復期にあります。

一方、ソフトバンクGは毎年増え続け、特に2018年3月期から2019年3月期においては急激な伸びを示しています。

解説キャスターで日経ビジネスの編集委員、山川 龍雄さんは次のようにおっしゃっています。

「(ソフトバンクGがトヨタ自動車と肩を並べるところまで来た、)そのけん引役はというと、ファンド事業が営業利益の半分を超えるところまで来たということで、今日の記者会見で孫さんは「自分の頭の中の97%はファンド事業のことを考えている」とおっしゃっていました。」

「ただ営業利益の中身でみると、(ソフトバンクGの場合、)投資した会社の含み益がほとんどなので、ちょっとトヨタ自動車の営業利益とは違うところもあります。」

「ただ、この勢いでいくと、今期(2020年3月)は(ソフトバンクGが)営業利益は少なくとも(トヨタ自動車を)抜くんじゃないかなと思いますね。」。

「(どうしてここまでソフトバンクGは好調になっているのかという問いに対して、)孫さんのプレゼンテーションで一番印象に残ったのは、インターネットのトラフィック量(情報の行き交う量)がどんどん増えていってるのですが、それとほぼインターネット企業の世界の時価総額の合計がほぼ比例して伸びていってるんだと。」

「もう1000倍に四半世紀になったんだとおしゃっていて、一方自動車産業はこの間、世界の生産台数が2倍にしか伸びてないんだから、自分は素直に市場が伸びているところに投資しているだけだということで、どうも(ソフトバンクGの)業態はトヨタというよりはウォーレン・バフェットさんのバークシャー・ハサウェイ(世界最大の投資持株会社)の事業体のテクノロジー版に近くなって来ているかなという印象ですね。」

 

また、番組コメンテーターでみずほ総研エグゼクティブエコノミストの高田 創さんは次のようにおっしゃっています。

「今、日本企業の戦略がソフトバンクモデルと言えるくらい、新しい日本のビジネスモデルとなろうとしている気がしますよね。」

「ですから、従来は製造業が貿易で利益を確保するトヨタモデル、昨日決算発表があったんですが、それに対してソフトバンクモデルというのはまさに投資で稼ぐかたちですよね。」

「で、しかも今非常に安い金利で借りれますから、それで投資が出来る、でしかもグローバル、世界の中でどこにお金をつぎ込むかと。」

「それをいろんな政治的な状況を踏まえたうえで、ポートフォリオを考える、まさに日本のこれからの一つの姿かも知れないですよね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

まずソフトバンクGとトヨタ自動車について比較をしてみました。

(ソフトバンクG)

・創立1981年

・従業員数192人(連結ベース76,866人)(2019年3月末現在)

・営業利益2兆3539億円(2019年3月期)

 

(トヨタ自動車)

・創立1937年

・従業員数364,445人(連結ベース)(2017年3月末現在)

・営業利益2兆4675億円(2019年3月期)

 

上記のとおりソフトバンクGは2019年3月期にトヨタ自動車に営業利益で迫り、2020年3月期にもトヨタ越えが射程圏内に入っているという状況、および世界規模で言えばGAFA(参照:No.4350 ちょっと一休み その672 『日本の経営者に足らない先進技術を活用した構想力』)などの存在は現在が産業界の大変動期にあることを物語っていると思います。

 

この産業界の大変動期をもたらしているものには以下のような技術があります。

・インターネット

・AIやロボット、IoTに代表されるIT関連技術

・再生医療などの革新的な医療技術

・遺伝子組み換え技術

 

そして、特にIT関連技術は従来の技術に比べて人手に依存する割合が少なく、インターネットを介することにより、グローバルなビジネス展開が素早く出来ます。

ですから、GAFAに代表されるようなIT関連企業やこうした企業に追随する優れたベンチャー企業が短期間のうちに急成長し、大きな利益を上げているのです。

そして、こうした急成長するベンチャー企業を資金的に支えているのがソフトバンクGの展開するファンドのような投資事業なのです。

 

一方、国内ではトヨタ自動車に代表される従来型の自動車産業は番組でも指摘されているように今後業績の伸びがそれほど期待出来ないのです。

ですから、既存の自動車メーカーと新興のIT関連企業が入り乱れた状態で世界的にEV(電気自動車)やAIなどの技術を駆使した自動運転車へのシフトを図っているのです。

 

さて、国の豊かさ、あるいは国民の豊かさを求め、それを維持していくためにはそれなりの資金が必要です。

そして、その資金は企業活動を通した法人税や消費者による消費税などがベースとなっています。

ですから、国、企業、そして国民は一体となって、常に先端技術を取り入れた経済活動や消費活動により富の増加を図っていくことが求められるのです。

勿論、そこには“持続可能な社会”の実現という大前提がなくてはならないのです。

 

同時に、様々な先端技術の導入により格段に生産性が向上し、多くの業務に対してヒトの係わる割合が徐々に少なくなっていきます。

ですから、労働時間の短縮やベーシックインカム(参照:アイデアよもやま話 No.3933 AIは敵か味方か? その3 富の再配分システムとして期待されるベーシックインカム!)のような対応策が求められるのです。


 
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2019年09月21日
プロジェクト管理と日常生活 No.607 『週刊ポストの過激な内容とその反響に見る、国民のあり方!』

9月2日発売の「週刊ポスト」13日号をめぐり、小学館は2日、同誌のニュースサイト「NEWSポストセブン」上に、「週刊ポスト」編集部名義で「週刊ポスト9月13日号掲載の特集について」と題した謝罪文を掲載しました。

 

同号では「韓国なんて要らない」と銘打った特集記事に対し、ツイッターなどでは作家・ジャーナリストからの批判が相次ぎました。

記事の詳細はこちらを参照下さい。

 

以前にもお伝えしたように、新聞や週刊誌などの報道機関は購読者からの収入を得て、その存在が成り立っています。

ですから、時には今回のような過激な内容で国民の過度な嫌韓意識を煽って購買意欲を高めようとします。

そして、時にはこうした記事に煽られた国民の多くの嫌韓意識が高まり、それが更に報道機関の過激な内容を促すといった、言わば負のスパイラスが出来てしまいます。

その行き着く先は、戦争であったり、国を二分するような紛争です。

 

かつての昭和時代の日本は、まさにこうした負のスパイラルに入ってしまい、やがてこの流れに逆らう人たちは“国賊”と言われるようになり、否応なくこの流れに逆らえなくなってしまったのです。

そして、多くの国民の民意を反映したかたちで戦争へと突入してしまったのです。

今や、この戦争の時代を過ごした人たちの多くは戦争のむごさと反省を込めて、“二度と戦争を起こしてはならない”とおっしゃっています。

 

さて、現在の韓国の日本に対する状況をみると、このかつての日本の戦前の状況と二重写しに思えてしまいます。

文大統領がご自身の思い描く朝鮮半島の統一、および次回の大統領選での再選を目指して、文政権を支持する報道機関を動員して、反日感情を一般国民に煽り、その結果一部の国民の反日意識が大きな流れをつくり、やがて多くの国民は「“反日”でなければ韓国国民にあらず」というような状況に陥ってしまっているようなのです。

その結果、文大統領の掲げる政策に異を唱えたくても表立って出来ない状況でしたが、最近では表立って文大統領の掲げる政策に異を唱える国民も出て来ているようです。

 

いずれにしても、たとえ事実とは異なる情報に基づいた報道でも、徐々に国民感情が飲み込まれていき、その流れが大きなうねりとなり、やがて本流になってしまうと、その流れを誰も食い止めることは出来なくなってしまうのです。

今の韓国の情勢はまさにこうした状況だと思います。

 

さて、繰り返しになりますが、例えどのような国家指導者が現れようとも、あるいはいかに一部の報道機関や国民が一般国民を誤った方向へと扇動しようとも、国民の意識レベルが高ければ、こうした誤った方向へと国が突き進むのを防ぐことが出来るのです。

 

そして、こうした国民の意識レベルを高めるうえで大切なことが2つあると思います。

1つは、正しい歴史の学校教育です。

誤った歴史認識は国の方向を誤る元凶となるからです。

もう1つは、報道機関やジャーナリストによる正確な情報の伝達、あるいは適切な提言などの情報発信です。

一般国民は、日々の暮らしの中で接する情報をもとに世の中の動きを把握し、様々な状況に対して判断するからです。

こうしたことから、フェイクニュースなどは“国民の意識を誤らせる敵”と言わざるを得ません。

 

ということで、冒頭でご紹介した週刊ポストの過激な内容に対する、相次ぐ作家やジャーナリストによる批判は今の日本の国民の意識レベルを象徴する、とても誇れる行動だと思います。

結果として、「週刊ポスト」は謝罪に追い込まれてしまいました。

 

当然、報道機関やジャーナリスト、あるいは一般の人たちによる情報発信の自由はあります。

しかし、健全な社会を持続させていくためには、明らかに誤った情報、あるいは曖昧な情報に基づく過激な内容の情報発信についてはタイムリーな反論などの意思表示が求められるのです。

 

いずれにしても国の方向性を誤らせない最後の砦、すなわち戦争勃発の最大のリスク対応策は、それぞれの国民の意識レベルを高めることだと思うのです。


 
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2019年09月20日
アイデアよもやま話 No.4439 高齢者1人で乗れる三輪小型自動運転車!

5月13日(月)付け読売新聞(房総版)の朝刊記事で高齢者1人で乗れる三輪小型自動運転車について取り上げていたのでご紹介します。 

 

1人乗りで自動運転が出来る三輪小型電動車を紹介するイベントが5月12日に千葉県船橋市で行われました。

イベントは春の全国交通安全運動(11日〜20日)に合わせて、高齢者に運転免許証の自主返納を促そうと同署が企画しました。

 

千葉大学とアイシン精機(愛知県)が共同で研究・開発している「ILY−Ai(アイリーエーアイ)」です。

運転免許証を返納した高齢者の足として実用化されることが期待されています。

 

「アイリーエーアイ」は事前に入力した経路を自律走行することが出来ます。

レーザーセンサーを搭載し、歩行者や障害物、段差を察知して自動で停止する機能もあります。

 

同大大学院の大川 一也准教授は、歩道や病院などの施設内で使えるように開発したといい、「高齢者の日常生活の足としてより安全性を高めて、出来るだけ早く実用化したい」としています。

 

以上、記事の一部をご紹介してきました。

 

最近、高齢者によるクルマの運転操作の誤りによる追突事故が後を絶たない状況が続いています。

その背景には高齢者の反射神経や運動能力の衰えがあります。

また同様に病院通いや買い物に出かける際のクルマの利便性があります。

 

一方では、こうした事故防止のために運転免許証の自主返納が促されています。

しかし、高齢者の自主返納だけでは片手落ちです。

事故防止にはつながっても、特に交通の便の悪い地方では高齢者の移動手段が制限されてしまうからです。

 

こうした中、今回ご紹介した高齢者1人で乗れる三輪小型自動運転車「アイリーエーアイ」は事前に入力した経路を自律走行することが出来ます。

ですから、高齢者に限らず運転免許証を持っていなくても誰でも気軽に買い物などに出かけることが出来るようになります。

なので、誰にとっても気軽な移動手段として、早急に実用化を進めていただきたいと思います。

 

では、この「アイリーエーアイ」の普及のさせ方ですが、個人が購入するとなると、そのための資金が必要になります。

ですから、購入資金がなくても利用出来るカーシェアリングのようなシステムの導入が必要となります。

同時に、歩行者用、自転車用、一般自動車用、そして「アイリーエーアイ」のような低速の小型自動運転車用、一般的な自動運転車用という具合に新たな道路区分の整備も必要です。

更には、小型自動運転車用の駐車スペースの確保も必要になります。

そして更に“空飛ぶクルマ”の実用化を視野に入れた環境整備も必要です。

 

こうしてみてくると、現在はまさしくモビリティ革命の入り口に差し掛かっていると言えます。

この革命を少しでもスムーズに進めるためには、個々の移動手段の開発と並行して、そのための様々な環境整備(法律や道路、あるいは空中の航路など)が必要なのです。


 
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