2020年02月18日
アイデアよもやま話 No.4568 コモディティ化が急速に進むテレビ!

少し前までは、4K対応の大型テレビは20万円以上はしていました。

ところが、今は驚くほど低価格化が進んでいます。

そうした中、昨年11月13日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でこうした事情について取り上げていたのでご紹介します。 

 

薄型テレビの出荷台数の推移を表したグラフで見ると、地上波デジタル放送への切り替えのタイミングで2010年には2000万台を超えたのですが、現在は500万台を切る年が続いています。

不振に見えるテレビ市場ですが、今、アイリスオーヤマなど参入する企業が相次いでいます。

アイリスオーヤマが昨年11月13日に本格参入したのが液晶テレビです。

価格は「LUCA」シリーズの65インチ、4K/音声操作対応で18万8000円(税別)と20万円を切ります。

アイリスオーヤマは2018年に液晶テレビの試験販売を始め、予想を超える10万台を販売、本格参入で2009年のエコポイント導入時に購入した消費者の買い替え需要や手頃な価格で大型テレビを買いたい若い世代を狙います。

更に、通常のリモコンに加え、音声で操作を認識するリモコンが付いています。

認識出来る言葉を、テレビをつける、消す、音量の上げ下げ、チャンネル変更など、27種類に絞ることでネット接続やスマホの設定なども必要なく使えるようにしました。

 

これまで手掛けて来た白物家電では、消費者の不満を救い上げ、独自の機能を打ち出してきたアイリスオーヤマですが、今回も新たな音声操作対応について、家電事業部の石垣 達也統括事業部長は次のようにおっしゃっています。

「スマートスピーカーを介して家電をコントロールするというのは、商品としてはございますが、しかしながらお客様の声を聴くと、非常に接続が難しいというような声が多数ありまして、今回のモデルの発売に至ったと。」

「今まで寡占化された業界だけに、まだまだ掘り起こせるお客さんの不満は多数あるんじゃないかなと思っています。」

 

テレビ売り場では、既に新興勢力が異変を起こしていました。

ビックカメラの新宿西口店では、海外メーカーの展示コーナーが設置されており、販売員の柏木 佑介さんは次のようにおっしゃっています。

「新興メーカーのモデルが非常に売れ行きが良くなって来ております。」

「コストパフォーマンスが非常に大きな武器だと思われます。」

 

中国メーカー、ハイセンスの4K対応の65型液晶テレビは8万1800円(税込)、19型のテレビは1万95080円(税込)と2万円を切るなど、日本メーカーの半額近いものもあります。

コストパフォーマンスの良さから日本の存在感も高まっていて、液晶テレビの販売台数のシェアではソニーとパナソニックを抜き、シャープ、東芝に次いで一時3位(2019年10月第4週)へと躍り出ました。

ハイセンスジャパンの磯辺 浩孝副社長は次のようにおっしゃっています。

「東芝映像ソリューションさんと共同開発した画像エンジンを搭載しまして、画質についてはもう日本ブランドと何ら遜色のない画質に仕上がっていると思います。」

 

ハイセンスが今日本市場に力をいれているのが大型のモデルです。

2018年に東芝のテレビ事業を買収、その技術によって日本のお客が重視する画質を向上させました。

しかも4Kチューナー内蔵の65インチのモデル「65U7E」で市場価格は13万円台と、価格は大きな武器です。

磯辺副社長は次のようにおっしゃっています。

「ワールドワイドで約1800万台を製造している、そのバイイングパワーと調達力は当然価格に反映出来る。」

「日本メーカーよりも値頃な価格で値段に合った機能が認知されていけば、それで我々は売れていくんだろうなと考えています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して、あるいは実際に家電量販店の薄型テレビ売り場を見ても、最近は特に中国製や韓国製のテレビの画質も日本製に比べて、遜色ないように思えます。

しかも価格もハイセンスの4K対応の65型液晶テレビが10万を切るものまで登場しているのです。

こうして見てくると、最近のテレビは機能や品質による差異が減少し、コモディティ化していると言えます。

一方、超薄型の有機ELテレビは高価格を維持していますが、こうしたテレビもいずれ価格競争に巻き込まれていくと思われます。

 

こうした状況においては、どうしても海外の安い人件費で製造したテレビの方が価格競争力があり、売り上げを伸ばすことになります。

では、国産メーカーの生き残る道はというと、大きく2つあると思います。

一つ目は、人件費のもたらすコストの差を解消すべく、生産プロセスの完全自動化の実現を目指すことです。

二つ目は、コモディティ化(*)したマーケットから脱却した、3Dテレビなど新しいマーケットの開拓です。

こうした取り組みは消費者の新しい需要を喚起するだけでなく、新たな労働市場を生み出します。

 

コモディティとは、ある一定の商品カテゴリーの中で、機能や品質による差異が減少し、 商品価値が普遍化、汎用化されることを指します。

また、そのように市場が変化していくことを「コモディティ化」とも呼びます。

 

しかし、こうした流れを突き詰めていくと、一部の高度なスキルを持ち合わせる技術者を除いて、労働市場は縮小してきます。

ですから、やはりベーシックインカム(参照:アイデアよもやま話 No.4376 30、40代「貯金ゼロ」が23%!)のような制度も並行して導入していくことが求められます。


 
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2020年02月17日
アイデアよもやま話 No.4567 アリババの「独身の日」セールにみる、現在の商業ビジネス成功のカギ!

中国のネット通販最大手、アリババの巨大な売り上げについては、アイデアよもやま話 No.4485 脱「日本型雇用」の波!でも触れました。

そうした中、今回は昨年11月11日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でアリババの「独身の日」セールを軸に、日本企業、2社の取り組みについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

11月11日は独身の日です。

この日はネット通販の大型セールが恒例となっています。

このセールはアリババが2009年に始めたもので、2018年は24時間で約3兆3000億円を売り上げたという一大イベントです。

日本の企業も数多く参加しており、社員わずか20人で2018年に1億円を売り上げた注目の化粧品会社も独自の戦略で2019年のセールに臨みました。

 

中国では今や国民的イベントとなったアリババによる昨年の「独身の日」のセール、日本時間の午後5時半過ぎには一昨年の売り上げを上回り、過去最高の取引額を記録しました。

アリババのバイスプレジデント、蒋凡(Jiang Fan)さんは次のようにおっしゃっています。

「今年(2019年)の「独身の日」は新記録が出た。」

「ユーザーの数、規模など、アリババは海外企業が中国市場に入る懸け橋になることが出来た。」

 

2019年の特徴は、100万点にのぼる限定品や新商品の出品、そして高級自動車メーカー、ボルボも発出品し、約100万円という大幅な値引きで注目を集めました。

更に、日本企業の売れ行きも好調、ユニクロやパナソニック、ソニーなど、中国でも人気のブランドがセール開始1時間で約15億円の取引額を達成しました。

 

このセールにアリババとのタッグで臨む日本の大手企業がありました。

化粧品大手の資生堂です。

2019年3月、アリババとの戦略提携を結び、アリババ本社からクルマで5分ほどの場所に「戦略提携オフィス」を開きました。

資生堂の狙いは、アリババの持つ顧客のビッグデータ、顧客の年齢や性別、趣味といった大量のデータを分析して中国人に受ける新商品の開発を進めています。

資生堂中国の小柳 康祐さんは次のようにおっしゃっています。

「これが今、アリババさんの、この辺だったらどういう年齢軸でどのエリアの人たちが売りかというのが見えますので、・・・」

 

アリババの顧客データを分析したところ、中国の女性の多くは毎日髪を洗う習慣がなく、髪をあまり洗わなくても清潔さを保てる商品にニーズがあると分かりました。

そこで今日(昨年11月11日)の「独身の日」に向けて開発したのが、頭皮用と髪用の2本に分かれているシャンプーで、清潔さを長くキープ出来るのが特徴です。

小柳さんは次のようにおっしゃっています。

「日本では中々思い付かないですね。」

「どうしても固定概念じゃないですけど、当たり前と思ってしまっているので、裏側のアドバイスをアリババさんから直接その場でいただきますので、そばにいていいと思います。」

 

このシャンプーをはじめ、資生堂が「独身の日」に出品した33ブランドのシャンプーの売り上げは2018年を大きく上回るペースで推移、セール開始1時間で15億円を超える取引を達成した日本企業に名を連ねました。

今後もアリババとのタッグを強化し、中国市場での売り上げを伸ばしたい考えです。

資生堂中国の藤原 憲太郎CEOは次のようにおっしゃっています。

「ほぼ毎日ぐらいの割合でアリババさんに来ていただいたり、我々の社員と一緒に議論しながら新しい価値を届けると、この市場が広がりそうだなという、次の成長機会を生み出すことが出来る。」

「これが結構一つの大きな成果になっていくんではないかなと。」

 

一方、東京町田市にある、社員20人ほどの化粧品メーカー、成和インターナショナル株式会社では、中国の協力会社とネットでつなぎ、売り上げを見守ります。

早い段階で売り上げ目標を達成した、この会社が販売しているのはヒアルロン酸原液です。

社長の岸川 良己さんは次のようにおっしゃっています。

「ヒアルロン酸原液そのものを容器に詰めて、お客さんに出荷しています。」

「年々、2〜3割アップで売り上げが伸びてきました。」

 

ヒットのきっかけとなったのが中国版ツイッターです。

2018年に有名女優がつぶやいたことで評判になり、2018年5月に中国で行われた、アジア最大級の美容イベントでも多くのお客を集めました。

年間33億円を売り上げ、そのうち中国での売り上げが4割を占めています。

更に中国での売り上げを伸ばそうと、2019年に中国のマーケティングに詳しい女性社員、李さんを雇い入れ、独自の戦略で「独身の日」に挑みました。

李さんは次のようにおっしゃっています。

「去年(2018年)の10月くらいに基幹店を立ち上げまして、いろんなSNSを使ってプロモーションを行いました。」

 

注目度を高めるため、中国のSNSで人気のインフルエンサーを起用しました。

そして、「独身の日」を迎えた2019年11月11日、現地中国では協力会社の社員が総出で対応に当たります。

その机の上には「食べずに、寝ず、パソコンの電源も切らず、必死に挑みます」と書かれた紙が掲げられています。

また、インフルエンサーが繰り返しライブ配信して、購買意欲をかきたてます。

2018年の1日の売上高1億円に対し、2019年はその1.5倍の売り上げ目標を掲げていて、メインのサイトでは午後10時の段階で順調に売り上げを伸ばしています。

岸川社長は次のようにおっしゃっています。

「「独身の日」で話題性を取って、そこから先に進むという、大きなテーマとしては大事な要素だと思います。」

 

こうした状況について、番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄教授は次のようにおっしゃっています。

(日本企業も)「独身の日」に合わせて会社の規模を問わず、戦略的なマーケティングを展開している状況について、」ポイントは「独身の日」と言われてるんですけど、本当は「独身の20日間」ぐらいじゃないかと思ってるんですね。」

「EC(Electronic Commerce:インターネットを利用した小売ビジネス)の特徴があって、ECというのは、買うモノを決める日と実際に買う日が違っていいんですよ。」

「ネット上に買い物カゴみたいのがあって、まず予約しておいて、でも実際に安くなるのは11月11日の「独身の日」だけだから、その時に買うボタンだけ押せばいいわけですね。」

「ですから、今中国で起きていることはこれで、事前に買い物かごに入れておいて、その日に押すんですよ。」

「実際に、資生堂も今回、20日ぐらい前から予約を開始していると言われていまして。」

「ですので事前のマーケティングですね。」

「インフルエンサーを使ったり、SNSを使ったりということがより重要になってきているということですね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

中国における日本企業2社、化粧品の大手メーカー、資生堂と中小企業の成和インターナショナルの活躍を見てきましたが、番組を通して見る中国におけるビジネス成功の秘訣について、以下にまとめてみました。

・ビッグデータを保有するアリババなどネット通販との商品開発における協業

・魅力的な商品の開発

・ツイッターなどのSNSやインフルエンサーを活用した宣伝活動

 

メーカーがより魅力的な商品の開発を進めるうえで、潜在需要も含めて消費者は何を求めているのかを知ることは重要な手がかりになります。

そして、顧客の年齢や性別、趣味、あるいは収入といったビッグデータを入手して分析することは、こうした重要な手がかりを把握するうえで強力なツールになります。

そして、このビッグデータを保管・管理しているのは大手通販サイトのプロバイダー(運営会社)というわけです。

ですから、世界各国において、ネット通販のプロバイダーはより多くのビッグデータを得るためにも最大手の通販サイトを目指して熾烈な戦いを繰り広げているのです。

 

そして、実際に中国最大手の通販サイト、アリババは海外企業にとっても中国市場に入る懸け橋になっているだけでなく、ビッグデータを活用した商品開発という新たなビジネスを展開し、それがサービスを提供する企業の商品開発を強力に支援し、売り上げにつながれば、その企業にとってもアリババにとっても売り上げ増になり、まさにWinWinの関係が築かれるのです。

しかも、こうした商品開発における協業の必要性は、一時的なものではなく、定期的、あるいは不定期に発生してきます。

ですから、こうした動きは今後加速度的に広がっていくと思われます。

 

ということで、ビッグデータの誕生は、AIなどの活用と相まって新たな“商品開発革命”をもたらすと言えます。

そして、こうした状況は、ネット通販業界において世界的に更なる通販サイトの二極化をもたらすと容易に想像出来ます。

また、一方で、ビッグデータのより高度な活用を目指して、アイデアよもやま話 No.4048 健康診断の結果の提出だけで保険料が割引に!?でご紹介したようなデータアナリストという職業に就く人たちが増えていくと思われます。

このように時代の大きな変わり目には新しい職業が誕生するのです。

 

さて、こうした通販サイトとは別に、魅力的な商品をより多くの人たちに知ってもらううえで、ツイッターなどのSNS、そして一般の人たちに多大な影響力のあるインフルエンサーと言われる人たちの存在はとても大きいです。

なぜならば、どこの国でもそうだと思いますが、今や日本国内においても若い人たちを中心に新聞の定期購読をしている人はあまり見かけることは無くなり、SNSも含めてネット上に存在する情報に接する機会が圧倒的に多いからです。

しかも、SNSでは、新聞や雑誌、あるいはメーカーや販売会社のオフィシャルサイトでの広告宣伝よりも参考になる、実際に商品を購入した多くの人たちの生の感想にも触れることが出来ます。

ネット社会以前には、“井戸端会議”という言葉に象徴されるように、些細な出来事の情報はごく周辺に留まり、広範囲に拡散されることはあまりありませんでした。

しかし、今や世界中のどこで起きたことでも、ネットを介して瞬く間に世界中に広がっていくような時代なのです。

ですから、私たちはまさに“コミュニケーション革命”の真っただ中にいるとも言えるのです。

 

ということで、今回は中国における、アリババの巨大な「独身の日」セールを軸に中国で活動する日本企業、2社の取り組みについてご紹介してきましたが、ネット通販、およびSNSが現在の商業ビジネスにおいて欠かせない存在であるとあらためて感じました。


 
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2020年02月16日
No.4566 ちょっと一休み その708 『 カジノリゾートの経済効果』

昨年9月3日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でカジノリゾートの経済効果について取り上げていたのでご紹介します。 

 

横浜市でも誘致を進めているIR(統合型リゾート)ですが、どうしても地元の反対があります。

このIRの経済効果について、番組コメンテーターで大和総研チーフエコノミストの熊谷 亮丸さんは次のようにおっしゃっています。

「これは政策目的としては、日本を観光先進国にするということですね。」

「これが目的であって、カジノは面積の3%くらいなんですね。」

「他のものが中心だと。」

「どれくらいの効果があるかというと、定住者が日本で一人当たりの年間消費額が約127万円(2018年)なんですけども、これを外国人旅行者で賄おうとすると、約8人来てくれれば賄える。」

「国内旅行者宿泊で約23人、そして日帰りで約73人ということですから、非常に大きな経済効果があって、これはやはり国策として推進すべきだと考えます。」

「(後はきちんとした規制が必要ではという問いに対して、)そうですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して、外国人旅行者による経済効果の大きさは理解出来ました。

ですから、国として外国人旅行者(インバウンド)による観光の拡大を経済政策の一つの柱として進めることも理解出来ます。

 

さて、1月29日に「統合型リゾート産業展」(パシフィコ横浜で開催)に行ってきましたが、そこでの講演会でIRの本質的なことが理解出来ました。

それは、IRの主要な収入源はカジノであり、その収益をベースにしてIR内の他の様々な施設のコストの一部を賄うという構図でした。

ですから、ビジネス界では“IR≒カジノ”というのが常識なのです。

会場近くではIR誘致反対の団体がスピーカーで反対を訴えていましたが、その真意はカジノ反対なのです。

 

ですから、IR誘致の可否は、カジノを観光資源として認めるかどうかにかかっているのです。

ちなみに、私の考えは、アイデアよもやま話 No.4082 賛否両論あるIR法案成立後の運用上のアイデア!でお伝えした通りです。

 

ちなみに、アメリカ、ラスベガスのサンズホテルのブースでは数人の男女ダンサーやマジシャンによる実演があり、つかの間のラスベガス気分を味わうことが出来ました。


 
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2020年02月15日
プロジェクト管理と日常生活 No.628 『総務省導入のセキュリティシステムが一度も使用されずに廃止!』

昨年10月8日(火)付け読売新聞朝刊の一面記事の「サイバー対策 使わず廃止」というタイトルに目が留まったのでご紹介します。

 

政府機関の機密情報を狙ったサイバー攻撃対策の「切り札」として、総務省が2017年度から約18億円をかけて導入したセキュリティシステムが一度も使われないまま昨年3月に廃止されていたことが会計検査院の調べで分かりました。

使い勝手の悪さやコスト面から各府省庁が使用を見合わせたためで、総務省は「ニーズの把握が不十分だった」としています。

廃止されたのは「セキュアゾーン」と呼ばれるシステムです。

2015年に「標的型メール」によるサイバー攻撃で、日本年金機構から基礎年金番号などの個人情報約125万件が流出したことを受けて導入が決まりました。

 

総務省は、2015年度の補正予算に開発費やサーバー設置場所の賃貸借料など約18億円を計上しました。

2017年度に完成し、各府省庁がハードウエアなどを共通で整備・運用する「政府共通プラットフォーム」の中に置かれていました。

インターネット環境から遮断された上で、強固なセキュリティ対策が施されており、各府省庁は専用回線で機密情報を閲覧出来ますが、ダウンロードは出来ない仕組みでした。

 

関係者によると、セキュリティゾーンの高度なセキュリティは各府省庁にとって使い勝手が悪く、保管されたデータの出し入れや訂正には、各府省庁の職員が設置場所まで足を箱ぶ必要があり、使用にあたっては負担金が生じる可能性もありました。

このため、各府省庁は自前のシステムなどで十分と判断したといいます。

総務省については、計画段階から利用を希望していませんでした。

 

同省は、検査員の調査を受け、今後も利用の見込みがないことや、年間3億6000万円程度の維持・管理費がかかることから、昨年3月末で廃止しました。

同省の担当者は「結果的に利用に至らず、事前に設定や仕様の二―ズを的確に把握すべきだった」としています。

 

以上、一面記事の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したような総務省による約18億円という大金の無駄遣いは一般企業では考えられません。

しかも、その原因は、プロジェクト管理の観点からすれば、とても初歩的なものです。

ユーザー要求をきちんと把握し、それをシステム要件としてまとめ、それに従ってシステム開発を進めれば、このような無駄遣いは防げたのです。

 

では、なぜこうした壮大な無駄遣いが発生してしまったのかですが、以下のような原因が考えられます。

・総務省内にシステム開発、あるいはプロジェクト管理の基本的な知識を有する人材がこのプロジェクトに参画していなかったこと

・総務省内に、このシステム導入には億単位という国民による血税が投入されているというコスト意識が欠落していたこと

・この開発案件を請け負った開発会社が業者として、プロジェクトの進め方などについて総務省側に積極的にアドバイスをせず、ほとんど言われるままに作業を進めたこと

 

なお、昨年11月8日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では以下のように報じています。

 

会計検査院は、税金の無駄遣いなどの指摘金額が2018年度は1002億円と、2年連続で1000億円を上回ったとの報告書をまとめました。

省庁別では、経済産業省の約203億円が最も多く、次いで財務省の約154億円、農林水産省の約141億円などとなっています。

なお、解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田 洋一さんは次のようにおっしゃっています。

「(この中身について、)これ(202億6103万円)は中小企業基盤整備機構という組織があるんですけども、要するにリーマンショック後は非常に活躍してたんですけども、今、金融の面で平易になっていますから、必要額が相対的に少なくなって、(出資金の約375億円から必要額の約172億円を差し引いた)202億円あまりのお金は余っているんですけど、それは返してということで、決して無駄遣いをやっていたということではないと思います。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

滝田さんの指摘された約202億円は差し引いたとしても、約800億円の税金の無駄遣いが発生していたことになります。

しかも、2017年から2年連続で1000億円を上回ったとの報告がなされているのです。

 

こうした状況から、所得税や消費税の増税を国民に押し付ける前に、国は各省庁の無駄遣いを徹底的に削減するような取り組みをリードしていただきたいと思います。

 

そこで、こうした無駄遣いの再発防止策ですが、私の思うところを以下にまとめてみました。

・各省庁の活動には、国民の血税が投入されているので無駄遣いは許されないという認識を徹底させること

・各省庁のシステム部門関係者には、プロジェクト管理の基礎知識の研修を受けさせること

・各省庁のシステム部門関係者は、常識的なプロジェクト管理手法に則ってシステム開発に取り組むこと

・各省庁横断的に、プロジェクト管理の第三者的なシステム監査部門を設立すること

・すくなくとも大規模プロジェクト開発においては、開発の主要局面ごとにシステム監査部門による監査を受けること

 

さて、アイデアよもやま話 No.4177 普及の遅い霞が関のテレワーク!でもお伝えしたように、一方で省庁によってはテレワークなど前向きな取り組みも進められているのです。

現政権には、こうした流れを取り込んで、「働き方改革」を民間に働きかけるだけでなく、「隗より始めよ」のごとく、ITやAIなどの最新テクノロジーを駆使して、「働き方改革」はその一部と位置付け、行政改革に取り組んでいただきたいと思います。

現状の無駄遣いから推測すると、本気で取り組めば2割程度のコスト削減は十分可能だと思うのです。

ただし、その際には、是非プロジェクト管理のイロハの習得を省庁内に徹底させていただきたいと思います。


 
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2020年02月14日
アイデアよもやま話 No.4565 回生ブレーキの威力を侮るべからず!

自動車の回生ブレーキの装備は既に普及しつつあります。

そうした中、昨年、たまたま電気自動車(EV)、日産「リーフ」の回生ブレーキの威力を知りましたのでご紹介します。

 

「リーフ」(現行モデル)に装備されているeペダルは、発進から加減速、停止まで、アクセルペダルの操作だけで 速度が調整出来るものです。

アクセルペダルを緩めると、モーターで減速し、ブレーキペダルを踏んだ場合と同等の最大0.2Gの減速感が得られます。

また、「Bモード」は通常の「Dモード」に対して、アクセルペダルを戻した時の回生ブレーキが強めに作動します。

日産自動車の欧州部門は、平均的なリーフドライバーは、1万8000km走行すると744kWhのクリーンエネルギーを再生します。

 

以上、「リーフ」における回生ブレーキの威力についてご紹介してきました。

 

さて、私の自宅は太陽光発電とオール電化を導入しており、年間電力消費量はざっと6500kwh〜7000kwhです。

そして、その45〜50%は太陽光発電で賄っています。

また、初代「リーフ」からEVに乗り始め、今は40kwhのバッテリー搭載のニューモデルに乗り換えています、

なので、日産自動車の欧州部門による平均的なリーフドライバーの場合のデータから類推すると、私の場合は年間ざっと600khwを回生ブレーキで発電していることになります。

我が家の場合で言えば、これは年間電力消費量のざっと1割程度に相当します。

別な表現をすると、太陽光発電の発電量は一般的に発電出力1kwの太陽光パネルで年間発電量は1000kwhですから、リーフは発電出力600wほどの太陽光パネルを積んで走行しているとも言えます。

1kwh当たりの走行距離6.5kmで概算すると、ざっと4000kmの走行分は回生ブレーキの発電量で賄っていることになります。

ですから、「リーフ」の電費の良さは回生ブレーキによる発電に依存している割合がとても大きいと言えます。

逆に言えば、普通のガソリン車は回生ブレーキを搭載していない分、エネルギーをとても無駄な状態で走行していることになります。

 

ということで、「リーフ」に限らず、“回生ブレーキの威力を侮るべからず”です。


 
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2020年02月13日
アイデアよもやま話 No.4564 ビッグデータの活用で売り上げ増!

今やビッグデータという言葉を聞かない日がないくらい、“ビッグデータ”という言葉自体は私たちの間にかなり浸透してきました。

しかし、実際にビッグデータが具体的にどのように使われているのかについてご存知の方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。

そうした中、昨年10月31日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でビッグデータの活用による売り上げ増について取り上げていたのでご紹介します。 

 

インターネットを使って日常のちょっとした疑問やあまり人に聞けない困りごとを検索することも多いのではないでしょうか。

そんな日常的な行為で蓄積されたビッグデータから意外なヒット商品が生まれています。

 

日常生活に定着したネット検索、日々集まる膨大な検索データを広告や宣伝だけでなく、商品やサービスの開発に生かす取り組みを始めたのがヤフーです。

ヤフーが昨年10月31日に発表したのが、検索や悩みをウェブ上で相談する「ヤフー知恵袋」といったサービスで集めたデータを統計情報としてまとめ、企業や自治体に活用してもらう新たなサービス、「データソリューションサービス」(月10万円〜)です。

アンケートなどで消費者のニーズを探るのは、商品開発では昔からよく使われている手法です。

 

ヤフーの持つビッグデータは、従来のアンケート調査などと何が違うのでしょうか。

ヤフーの佐々木 潔執行役員は次のようにおっしゃっています。

「まずは量ですね。」

「アンケートは多くても数万、数十万じゃないですか。」

「ですけども、ヤフーのデータを使うと数千万人の生の声がニーズとして分かるというのが一番大きいですね。」

「多面的にニーズが得られると。」

「どういう検索をして、どういうニュースを見ているのか分かりますので、全体のユーザーのニーズが捉えられるという強みがあると思います。」

 

ヤフーがサービス開始に先立ち行った実証実験でヒット商品を生んだのが三越伊勢丹です。

三越伊勢丹は、ビッグデータを活用して自社の通販サイトで販売するロングスカートをヤフーと共同開発しました。

発売から1週間の売り上げは、これまでサイト内で一番売れたスカートに比べ、2.6倍となりました。

 

どのようにビッグデータを活用したのでしょうか。

今回の商品開発では、25〜35歳の女性をターゲットに、服装を含む膨大な検索キーワードから検索の上位に上がった「ロングスカート」に着目、「ロングスカート」を調べた人がどういう悩みを持って検索したのかを深堀りしました。

その結果、「抱っこ紐(ひも)」、「服装に困る」という悩みが多いというニーズを導き出しました。

三越伊勢丹の原 玲子さんは次のようにおっしゃっています。

「最初、データをいただいた時は、これはどういうことなのかと思ったんですけど、沢山あるデータと細かい「ヤフー知恵袋」の悩みみたいな2軸のデータがあったのがすごいニーズにつなげ易かった。」

 

そうして生まれたのが商品名「ママと作ったエプロンスカート」、価格は6600円の商品です。

一番のポイントはポケットの位置で、抱っこ紐を付けていても塞がらないようにかなり下の位置に付けています。

三越伊勢丹の竹林 憂さんは次のようにおっしゃっています。

「どうしてもものづくりをする中で、固定概念としてポケットは付けようと、この(従来のスカートと同様の)位置に設定してたんですけども、そこに対して抱っこ紐のコーディネートの際にそれでは困るという声事態は我々拾えていなかったので、・・・」

 

購入した女性の一人は次のようにおっしゃっています。

「ポケットがなかったり、抱っこ紐をよくするので、その時に(ポケットに)手が入らなかったりするんですけど、これはそういう悩みが解消されて作られたので、実際にはいてみると本当に使い易いので、・・・」

 

また別の女性は次のようにおっしゃっています。

「スリットが後ろにも前にも入っているので、足の幅が開き易い感じ。」

 

自転車に乗り易いようにスリットも入れました。

ビッグデータを活用したことで、これまで気づかなかった潜在的なニーズを掘り起こすことが出来ました。

 

ヤフーは今後ビッグデータを自治体などにも提供、混雑予想など様々な分野で活用していく方針です。

ヤフーの川邊 健太郎社長は次のようにおっしゃっています。

「ヤフーのデータの力を他の企業様ですとか他の団体様に開放することによって、もっと日本全体を効率的に出来たりですとか、あるいは創造的に出来たりですとか、もっと日本を安全にすることが出来るんではないかなと・・・」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

今でも企業はアンケート調査により、商品やサービスに対する評価コメントを集めて商品の改善、あるいは新たな商品開発に役立ててきています。

しかし、こうした手法では、番組内でも指摘されているように数に限りがあります。

一方、今やSNSや「ヤフー知恵袋」のようなサイト、あるいはネット上での購入した商品や受けたサービスへの評価コメントを介して、昔で言うところの井戸端会議や悩み相談、そして商品やサービスに対する評価など、様々な情報がネット上に“宝の山”として存在しています。

しかし、こうした大量のデータ、すなわちビッグデータも人海戦術で整理したり、分析しようとしても時間的、あるいは人的制約で活用することは出来ません。

しかし、従来の統計的手法やIT、AIなどの先端技術を組み合わせ、更にヒトの直感や創造力を活用することによって、従来は考えられないような商品開発が可能になったのです。

今回ご紹介した、ヤフーと三越伊勢丹の共同開発による、これまでにないようなユニークなスカートはその先例と言えます。

 

ここで注目すべきは、商品開発にいくらAIやビッグデータを活用しても、最後にどのような商品開発を進めるべきかを決定する上で重要なのは、従業員の感性や日々顧客と接している従業員の“現場力”などを反映させたヒトによる判断であるということです。

AIに関してよく言われるほうに、少なくとも現在のAIには、こうした“現場感覚”が欠落しているのです。

ですから、私たちは、あくまでも最終決定の主体はヒトであり、AIに丸投げするのではなく、AIやビッグデータの示す内容は貴重ではありますが、それは参考意見レベルに止めるという認識を持つべきなのです。


 
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2020年02月12日
アイデアよもやま話 No.4563 プラごみから画期的なウェア!

これまでプラスチックごみ(プラごみ)について何度となくお伝えしてきました。

また、アイデアよもやま話 No.4559 産業界で進む価値基準の転換!で、産業界の新たな価値基準、SDGs(持続可能な開発ゴール)についてお伝えしました。

また、先日開催された展示会、ENEX2020(東京ビッグサイトで開催)でも“SDGs”という文言をよく見かけました。

そうした中、昨年10月29日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でプラごみから作られる画期的なウェアについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

海に捨てられるプラごみなどが地球環境に与える影響が深刻化しています。

そうした中、この問題の解決につながるかも知れない画期的な衣類が登場しました。

 

取材した日、千葉県富津市の天羽漁港を訪れていたのは三陽商会の執行役員、慎 正宗さんです。

海上を漂っていた、いわゆる海洋ごみを視察に来たといいます。

この漁港では、ペットボトルや破れて使えなくなった漁網などのプラスチックごみが大きな問題になっているといいます。

こうした状況について、地元のある漁師は次のようにおっしゃっています。

「潮に乗って流れてくるので、海一面がごみになっちゃうんで、かなり被害は大きいですね。」

「(プラスチック製の漁網は)お金出して引き取ってもらっているんで、ずっと赤字が続くって感じですね。」

 

世界中の海に年間およそ800万トンのプラスチックが海に流出し、深刻化する海の汚染問題、日本でも対策が急務となっています。

そんな中、三陽商会は新たにスペインの企業と手を組み、海洋ごみをリサイクルして衣類を手掛けるビジネスへの参入を発表しました。

三陽商会の店舗に展示されている紳士服を指して、慎さんは次のようにおっしゃっています。

「この商品は漁網ですね。」

「ナイロンなんですけども、こういった海の底にある漁網をポリマーにして、糸にして、生地にしてというかたちでできています。」

 

回収された海洋ごみを再生し、作られたこれらの服、例えばウインドブレーカーは100本以上のペットボトルを再生させたポリエステルから作られるなど、海洋ごみを様々な素材に変えて商品づくりにつなげています。

今後、衣類だけでなくバッグなどの小物も展開する予定です。

価格は、アウターなら2万円台から、シャツやパンツは1万円台を想定しているといいます。

慎さんは次のようにおっしゃっています。

「(洋服が売れなくなってきている中で、コンセプトが今後重要になってくるのかという問いに対して、)おっしゃる通りだと思っていまして、やっぱりブランドのストーリーだとか背景だとか、共感していただけるお客様と一緒にコミュニティをつくっていくということが今後非常に重要なんじゃないかなと思っています。」

 

当面はスペインの企業から購入した商品を販売しますが、将来的にはごみの回収から製造までを一貫して手掛ける計画です。

そのため、今は千葉県をはじめ各地の港を視察し、提携先を探しています。

2020年3月には都内に基幹店となる1号店をオープンさせる予定で、2020年度に20店舗の出店、2025年度には年間60億円の売り上げを目指します。

慎さんは次のようにおっしゃっています。

「作れば作るほどごみが減る、売れば売るほど地球がきれいになるっていうふうな思想とビジネスが直結したブランドですので、社会貢献とビジネスは真逆じゃなくて、一緒に出来るんだよというのを実証して行きたい。」

 

三陽商会の取引先であるスペインのエコアルフというブランドは3000人の漁師に協力してもらい、海洋ごみを集めて素材の研究からしているといいます。

また、社員の多くがミレニアム世代の若い社員で、7割が女性だといいます。

 

こうした取り組みは世界規模で広がっていますが、解説キャスターで日経ビジネスの編集委員、山川 龍雄さんは次のようにおっしゃっています。

「日本ではユニクロも来春(2020年)に使用済みのペットボトルを東レと開発して使って速乾性のあるウエアを作って発売するという話もありますが、このスペインの会社の取り組みはとても偉いと思います。」

「なぜかというと、今、環境省で漂着ごみの構成を重量ベースで定期的に調べているんですけど(※)、日本は17.5%の弁当箱などの容器に注目するでしょ。」

「でも実は一番多いのは漁具なんですよ。」

「で、ここをリサイクルしないと本当の海洋プラスチックのごみの問題は解消しないんですね。」

「ですから、この取り組みは素晴らしいと思います。」

 

  • 環境省による調査は2016年度に実施されたもので、漂着ごみ全体の構成(重量ベース)は以下の通りです。

    漁具(ネット・ロープ・ブイなど) 30%

    木材           30%

    弁当箱などの容器     17%

    発泡スチロール・ペットボトル     8%

    その他          15%

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

また、2月4日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)によれば、セブン&アイ・ホールディングスは、2月4日、使用済みのペットボトルをリサイクルしてつくった肌着(商品名:「ボディクーラー」)をイトーヨーカ堂などで2月12日から販売すると発表しました。

肌着1枚につき、店頭で回収したペットボトル、約8本分が使われています。

特殊な機械を使って、透明なペットボトルだけを回収し、純度の高いポリエステルに再生することで白い肌着を実現しました。

今後、更に回収量を増やしたいとしています。

 

最近、海洋汚染と言えばプラごみ、そしてその代表格はペットボトルという具合にイメージされているように思います。

私も外房の実家近くの海岸ではペットボトルをよく目にします。

しかし、漂着ごみ全体の構成(重量ベース)では漁具の30%が最も多いということが番組を通して分かりました。

ですから、解説キャスターの山川さんも指摘されているように、漁具に着目したスペインのエコアルフ、そしてタッグを組む三陽商会の取り組みはとても理に適っていると言えます。

これまでお金を払って処分していた漁具が、それを原料としてウェアに新たに生まれ変わるのですから、まさにWinWinの関係であり、ウェアを作れば作るほどプラごみによる海洋汚染問題の解決にもつながるわけです。

ちなみに、木材も30%を占めていますが、どのように処分されているのか、気がかりです。

 

いずれにしても、プラごみ問題の根本的な解決策は、SDGsの概念に則った、環境に負荷を与えないような“プラスチック代替品”の開発だと思います。(参照:アイデアよもやま話 No.4537 “プラスチック代替品”開発の最前線!


 
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2020年02月11日
アイデアよもやま話 No.4562 地球温暖化と紛争の多発で飢餓が止まらない!

昨年10月11日(金)付け読売新聞の朝刊記事で地球温暖化と紛争の多発で飢餓が止まらないと報じていたので以下にその要点をご紹介します。

 

険しい目標達成

・飢餓に苦しむ人の増加に歯止めがかからないこと

・気候変動に伴う自然災害や各地で頻発する紛争が背景にあること

・各国や国際機関は栄養不足の解消を訴えているが、取り組みは道半ばであること

・世界各地で栄養改善や農業支援に取り組む国連食糧農業機関(FAO)は昨年7月、「世界の食料安全保障と栄養の現状」と題した報告書を公表したが、栄養不足や飢えに苦しむ人の数(飢餓人口)は2018年に推計8億2000万人以上と、世界の9人に1人にのぼっていること

・また、安全で栄養価の高い食料を定期的に入手できない人は20億人を超えるということ

・国連は2015年に「30年までに飢餓人口をゼロ」にする目標を掲げたが、世界の飢餓人口はこれまでの減少傾向から一転して増加に転じ、2018年まで3年連続で増え続けていること

・背景には近年、世界的な気候変動に伴う自然災害や干ばつなどが相次ぎ、農作物が被害を受けていることに加え、アフリカやアジアで紛争が多発していることがあること

・特にアフリカでは5人に1人が栄養不足に苦しんでいること

・アジアでも10人に1人以上が飢えに直面していること

 

(飢え解消のカギは農業の生産性向上)

・こうした状況を少しでも改善させるには、栄養不足の解消に向けた地道な取り組みが欠かせないとFAOはみていること

・そのカギは農業の生産性を高めることであること

・日本もアフリカ農業の発展に向けた支援策を打ち出していること

・日本は1950年代以降、世界各地の気候に応じた水田の開発などを支援してきた実績があり、技術指導を通じたコメの生産拡大で飢えの解消につなげたい考えであること

・ただ、世界で農業に従事する人の8割以上は、所有する農地が2ヘクタール未満の小規模農家とされ、多くは貧困状態にあるとのデータもあること

・仮に農作物が生産出来ても、貧しい人々に行き渡らせる物流などのインフラ(社会基盤)が整っていないケースもあり、課題は多いこと

 

(無視出来ない、病気・死亡の要因「過体重」)

・食料や栄養をめぐる課題は途上国だけにとどまらず、欧米だけでなく、近年は中国などアジアでも糖分や脂肪分を多く含む加工食品といった高カロリーの食事が目立っていること

・FAOによると、世界の18歳以上の人のうち、身長に対して体重が一定の基準よりも重い「過体重」は4割近くを占めていること

・とりわけ北米では、18歳以上の過体重の割合が2000年の58・3%から2016年には67・5%に増えており、欧州や南米でも6割近くに上っていること

・FAOは「問題は飢餓だけにとどまらない。不健康な生活が世界的に病気や死亡のリスク要因となっている」と警鐘を鳴らしていること

 

(食品ロス削減に向けた世界的な取り組み)

・まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」をいかに減らすかも課題であること

・食品の廃棄を削減すれば、気候変動を引き起こす温室効果ガスの抑制にもつながること

・FAOによると、年間で世界の生産量の3分の1にあたる約13億トンの食料が捨てられていること

・世界の温室効果ガス排出の8%を占めるとの試算もあること

・農林水産省によると、日本の食品ロスは年643万トン(2016年度)に上り、1人あたりに換算すると年50kgを超え、1年分のコメの消費量に相当していること

・国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」では、飢餓人口ゼロと並んで、2030年までに食品の廃棄を半減する目標を掲げていること

・日本では昨年10月、食品ロス削減推進法が施行され、政府は今後、各自治体に食品ロスを減らすための具体的な計画策定を促すこと

・海外でも取り組みが活発で、フランスでは約3年前から、スーパーなどで売れ残った食品の廃棄を法律で規制し、米国やイタリアでは生活に困窮する人々に余った食品を配る「フードバンク」に寄付すれば、税制上の優遇措置が受けられる仕組みを取り入れていること

 

(飢餓人口増加の原因は異常気象と紛争)

・ここ数年は世界の飢餓人口が増え続けており、アフリカのソマリアでは現在、3人に1人が飢えに苦しんでいること

・アジアやアフリカの農村は人々の収入が低く、栄養価の高い食料が手に入らないこと

・原因として最も恐ろしいのは異常気象で、気候変動が起こりやすい国では、栄養不足に陥る人が増えていること

・特に深刻な打撃を受けるのが、自然災害からの回復力が弱い小規模農家で、飢餓が減らない理由となっていること

・もう一つの原因は紛争で、紛争地域では食物を生産出来ても、運ぶために道路に出ると殺されるかもしれないこと

・飢餓が原因で紛争が引き起こされるケースもあり、紛争と飢餓の悪循環が起きている状態であること

・食料を輸入に依存している国でも、ひとたび資金が足りなくなれば食料の物価は高騰し、経済が不安定になること

・一方、先進国を中心に肥満率が上がっており、過体重や肥満が様々な病気を引き起こし、経済的な損失は世界全体で2兆ドル(約216兆円)に上るとの試算もあること

・世界の食料生産量の3分の1が捨てられており、このうち4分の1が有効に使えれば、飢餓に苦しむ8億2000万人が食べられること

 

(世界食料デーの制定による啓発活動)

・毎年10月16日を食料問題を考える日として国連が1981年に制定し、世界各国で啓発活動などが展開されること

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず、以下のデータにあらためて人類の食料事情の現実に驚きます。

・飢餓人口は、2018年の推計で8億2000万人以上であること(世界の9人に1人)

・安全で栄養価の高い食料を定期的に入手出来ない人口は、2018年の推計で20億人を超えるということ(世界の3人に1人近く)

・特にアフリカでは5人に1人が栄養不足に苦しんでいること

・アジアでも10人に1人以上が飢えに直面していること

 

そして、飢え解消のカギは農業の生産性向上といいますが、農業の生産性を高めても、貧しい人々に行き渡らせる物流などのインフラ(社会基盤)が整っていないケースもあり、課題は多いといいます。

 

一方、病気・死亡の要因「過体重」の人口は、世界の18歳以上の人のうち、重い「過体重」は4割近くを占めているといいます。

とりわけ北米では、18歳以上の過体重の割合が2000年の58・3%から2016年には67・5%に増えており、欧州や南米でも6割近くに上っているといいます。

 

また、食品ロスの削減も大きな課題です。

年間で世界の生産量の3分の1にあたる約13億トンの食料が捨てられているといい、世界の温室効果ガス排出の8%を占めるとの試算もあることから、この数字は無視出来ません。

こうしたことから、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」では飢餓人口ゼロと並んで、2030年までに食品の廃棄を半減する目標を掲げているわけです。

 

さて、飢餓人口増加の原因は異常気象と紛争にあるといいます。

ここ数年は世界の飢餓人口が増え続けていますが、最大の原因は異常気象で、気候変動が起こりやすい国では栄養不足に陥る人が増えています。

もう一つの原因は紛争で、飢餓が原因で紛争が引き起こされるケースもあり、紛争と飢餓の悪循環が起きている状態であるといいます。

 

一方、先進国を中心に肥満率が上がっており、過体重や肥満が様々な病気を引き起こし、経済的な損失は世界全体で2兆ドル(約216兆円)に上るとの試算もあります。

ここで救いなのは、世界の食料生産量の3分の1が捨てられており、このうち4分の1が有効に使えれば、飢餓に苦しむ8億2000万人が食べられるようになることです。

しかし、実際には、アメリカを中心に先進国におけるまだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」)を回収したとしても、それを飢餓に苦しむ人たちに送り届けることは出来ません。

そこで、食料問題の解決策として基本的には大きく2つの対応策が考えられます。

1つ目は、各途上国での地産地消です。

今は、植物工場でも一部の野菜や果物が作れるので、こうした技術を更に改善していけば、これまでは産地として適していなかった地域でも食料の生産が出来るようになるのです。

2つ目は、全ての国による食品ロスの削減です。

これには大きく4つの対応策が考えられます。

1つ目は、賞味期限、あるいは消費期限を出来るだけ長くする取り組みです。

2つ目は、食品メーカーなどは需要予測をより正確にして出来るだけ余分な食材や食品を生産しないことです。

3つ目は、一般家庭やスーパー、外食などあらゆるところで、需要予測をより正確にして出来るだけ余分な食材や食品を購入しないことです。

4つ目は、スーパーやコンビニなどの販売店は、賞味期限、あるいは消費期限が近づいてきた食材や食品を積極的に割引きするなどして食品ロスにならないような工夫を凝らすことです。

 

なお、世界食料デーについては、日本国内においてはあまり知られていないように思います。

ですから、飢餓や食品ロスなどの食料問題について、日本各地で毎年10月16日にはイベントの開催などを通して啓発活動を展開するべきだと思います。


 
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2020年02月10日
アイデアよもやま話 No.4561 画期的な”点字翻訳機”!

昨年10月1日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”点字翻訳機”について取り上げていたのでご紹介します。 

 

韓国初の”点字翻訳機”が韓国の点字機器メーカー、ドット・インコーポレーションにより開発されました。

パソコンの文字を点字に変換しますが、日・英・韓の3ヵ国に対応しています。

文章データが点字に変換され、プラスチックの装置から点字が浮かんでくるのです。

点字は6点で一つの文字や記号を表します。

一度に16文字分の点字が浮き出ることで触って文字として読めるのです。

右のボタンでページを送れば、次の16文字が浮き出てきます。

ドットのシン ヒョクスさんは次のようにおっしゃっています。

「核となるこの部品の技術開発に4年かかりました。」

「この技術で目が不自由な人でも本が読めるようになります。」

 

「本を点字に翻訳して校正して出版するのは3ヵ月以上かかります。」

「しかし、このデバイスなら5分あれば点字で読めるようになります。」

 

この”点字翻訳機”は商品名「ドットミニ」として11万8800円で11月発売予定といいます。(放送時点)

そのため、現在は電子書籍として販売されている本も点字に変換出来るように最終調整を行っているそうです。

 

このデバイスは音声での読み上げ機能も付いているのですが、目と耳、どちらも不自由な方のために点字という触覚で情報を得られるツールの方がいいということで触覚の点字にこだわったということです。

 

なお、この仕組みを使って時間を点字で知らせる腕時計も開発しました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した”点字翻訳”の技術は、以下の機能を開発したことから目や耳の不自由な方たちにとって大変な朗報と言えます。

・音声での読み上げ機能も付いていること

・従来の”点字翻訳”と違って、ほぼリアルタイムで電子データを読んだり、聴いたりすることが出来ること

・点字で知らせる腕時計も開発されたこと

・従来のような人手による点字翻訳作業が不要になること

 

ということで、今回ご紹介した”点字翻訳”の技術を組み込んだ製品は、世界中の多くの目や耳の不自由な方々から引き合いがあると思います。

 

それにしても、”点字翻訳”をほぼリアルタイムで実現させる技術は画期的だと思います。

私の中学生時代だったと思いますが、”点字翻訳”のボランティア活動をされている女性教師がいらっしゃいました。

こうした方々による”点字翻訳”活動もこれからは必要なくなるのではないでしょうか。

 

なお、現在、「ドットミニ」が既に発売中かどうかをネット検索したところ、確認出来ませんでした。

しかし、点字で知らせる腕時計については、いろいろな機能を持ってることが分かりました。(こちらを参照)


 
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2020年02月09日
No.4560 ちょっと一休み その707 『文字の歴史が変わる!?』

No.4542ちょっと一休み その704 『アフリカ以外で最古のヒトの化石発見』で人類の歴史が塗り替わり得るとお伝えしました。

また、これまで日本の弥生時代関連については、No.3360 ちょっと一休み その537 『日本は多民族国家!?』No.3366 ちょっと一休み その538 『縄文人の”核DNA”から見えてくる日本人のルーツ その1 縄文人の意外なルーツ!』でお伝えしてきました。

そうした中、昨年8月10日(土)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で日本の文字の歴史が変わる可能性について取り上げていたのでご紹介します。 

 

日本で文字が使われ始めたのは5世紀頃の古墳時代とされています。

ところが、紀元前に遡る可能性が出てきました。

日本の文字の歴史が変わるかもしれません。

そのカギを握っているのが弥生時代の遺跡から発見された石の破片です。

 

福岡県朝倉市の下原(しもばる)遺跡、弥生時代の遺跡から出土した石の破片です。

これまでの調査では、刃物などを研ぐ砥石だと考えられてきました。

しかし、この石は“砥石ではない”と見ている研究者がいます。

國學院大学の柳田 康雄客員教授は、この石は砥石ではなく硯(すずり)だと考えています。

理由の1つ目は、そのかたちです。

朝鮮半島で見つかった漢の時代の硯の復元模型は、今の時代と違って、墨を入れる窪みがなく、板状になっています。

下原遺跡の石の破片も平らで細長く、かたちが似ています。

柳田さんは次のようにおっしゃっています。

「中国の前漢時代に板石を使った硯が突然出現するんですね。」

「それと同じものが日本の北九州にあるんじゃないかと。」

 

2つ目の理由は、石の側面の黒い側面の付着物です。

柳田さんは次のようにおっしゃっています。

「赤い顔料の上に更に黒いものがべったりくっついています。」

 

柳田さんは、表面から垂れた墨が消えずに残っていたと見ています。

 

そして3つ目の理由は、表面のわずかな窪みです。

砥石の場合、刃物を研いでいくと石全体が緩やかなカーブを描いて擦り減っていきます。

しかし、調査した石の窪みは真ん中辺りにあります。

柳田さんは、墨のつぶを別の石ですり潰すうちに出来たと考えており、次のようにおっしゃっています。

「真ん中だけをすり減らしていたと。」

「だから、これはもう「硯」だろうと。」

 

日本列島では5世紀頃には確実に文字が使われていました。

当時の鉄剣などに文字が刻まれた例があります。

柳田さんによりますと、下原遺跡の硯が使われたのは弥生時代の紀元前100年頃、同じ時代のものは他にも4点あるということで、柳田さんは九州北部ではこの時期既に文字が普及していた可能性があると指摘しています。

柳田さんは次のようにおっしゃっています。

「(弥生時代は)とても原始時代じゃなくてね、文字を持ったはるか高度な文化が、文明があったと言ってもいいぐらいなんですね。」

 

文字が弥生時代からあったとすれば、何のために使われていたのか、福岡市埋蔵文化財課の久住 猛雄さんは出土した場所に注目しています。

これまでの調査で弥生時代や古墳時代の硯と判断したのは約130点、出土した遺跡の多くが海や川に面しています。

久住さんはこうした場所には港の機能があり、交易のために文字が使われていたのではないかと考えているのです。

久住さんは次のようにおっしゃっています。

「交易の交換の記録とか交易品の目録とか記録しておくとか、そういったことで使ったと私は考えております。」

 

しかし決定的な証拠、つまり文字そのものが見つかったわけではありません。

柳田さんや久住さんは、“紀元前にも文字があるかもしれない“という前提で丁寧に発掘調査を進めれば、今後文字も見つかるのではと期待しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これまで日本で文字が使われ始めたのは5世紀頃の古墳時代とされてきたのが、弥生時代に既に文字が使われていた可能性が出て来たというのは、それだけで何かワクワクしてきます。

まさに歴史のロマンです。

残念ながら実際に使用されていた文字が発見されたわけではありませんが、当時の硯らしきものが発見されたということで、いずれどこかでその痕跡が見つかるかもしれないのです。

しかし、もし文字が使用された痕跡が発見されたとしても、その解読はとても困難のように思えます。

でもその解読作業そのものも古代文字の研究者にとってはとてもやりがいがあると思います。

いずれにしても、弥生時代の人たちの暮らしの一端が文字により判明するようなことがあればと想像するだけで期待感が高まって来ます。

 

なお、この関連記事として、2月1日(土)付け毎日新聞のネットニュース(こちらを参照)でも取り上げていたのでご覧下さい。


 
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2020年02月08日
プロジェクト管理と日常生活 No.627 『企業理念の重要性』

前回、プロジェクト管理と日常生活 No.626 『「連続ドラマW 頭取 野崎修平」に見る銀行の標準マニュアルの一つのあり方』で「連続ドラマW 頭取 野崎修平」(WOWOWプライム)を通して銀行の標準マニュアルの一つのあり方についてご紹介しました。

今回は、あらためてプロジェクト管理の枠を離れた企業理念の重要性について私の思うところをお伝えします。

 

プロジェクト管理とは、まずプロジェクトの目的を定め、次にその目的を達成するための計画を策定し、その計画に基づいて個々の作業を実施し、こうした全てのプロセスが完了するまでリスクや進捗などの観点から管理をすることです。

ですから、そもそも目的が適正でなければ、いくら適切な標準マニュアルを作成し、プロジェクト管理を適切に実施してプロジェクトが成功したとしても事業として成功したとは言えないのです。

こうした考え方は企業に限らず、あらゆる組織の運営に適用出来ると思います。

 

そこで、個々のプロジェクトという枠を離れて企業についてこうした考え方を当てはめると、企業の拠り所、すなわち企業理念がとても重要になってきます。

企業理念は国家における憲法のような存在だと思います。

その典型的な例として挙げられるのが近江商人の経営哲学として知られる“三方良し”(参照:アイデアよもやま話 No.843 近江商人の教え! です。

伊藤忠商事は1月16日、4月1日から伊藤忠グループの企業理念を「三方よし」に改定すると発表しました。(詳細はこちらを参照)

もし、前回ご紹介した「連続ドラマW 頭取 野崎修平」のあおぞら銀行の企業理念に“三方良し”が含まれており、その真意が全行員に徹底されていれば、あおぞら銀行の標準マニュアルも番組にあった内容とは変わっていたと思います。

ちなみに、私は将来をも見越した企業を取り巻く環境を反映させて“五方良し”という造語を考えました。(参照:No.4134 ちょっと一休み その666 『これからの時代のキーワード その4 ”五方良し”

社会状況の変化に応じて、企業理念も見直しが必要なのです。


 
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2020年02月07日
アイデアよもやま話 No.4559 産業界で進む価値基準の転換!

前々回、前回とミライを創る『大切な真実』、そして産業界に地殻変動が起きていることを示す数字についてご紹介してきました。

そうした中、昨年10月29日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でこうした産業革命の流れと並行して産業界で進む価値基準の転換について取り上げていたのでご紹介します。 

 

世界で累計450億食の即席麺を販売した日清食品ホールディングスですが、主力商品「カップヌードル」の容器を(昨年)12月に刷新し、植物由来のプラスチックの割合を増やします。

安藤 宏基社長兼CEOは次のようにおっしゃっています。

「SDGsとかESGを満たさない企業はダメだと。」

「投資対象にも値しないし。」

(SDGsについてはアイデアよもやま話 No.3729 これからの企業存続の重要要件、SDGsとは・・・を参照、ESGについてはプロジェクト管理と日常生活 No.531 『世界のビジネス界で影響を増す地球温暖化対策 その2 国際的な取り組み!』を参照)

 

更に、次のようにおっしゃっています。

「(いわゆる「謎肉」の進化の予知について、)今は大豆と豚肉の混合なんですけど、これを100%大豆ミートになるでしょうね。」

「「カップヌードルをぶっ潰せ」と言っているけど、かたちのロゴだけは変わっていないけど、中身はガラガラ変えてますから。」

 

世界人口の増加による食糧危機を見越し、大豆を使った代替肉の他、培養肉の研究も進めているといいます。

 

なお、日本企業が世界で勝ち残るためにはある転換が必要となりそうです。

番組コメンテーターでみずほ総研エグゼクティブエコノミストの高田 創さんは次のようにおっしゃっています。

「私は“価値基準の転換”、やはりこれまでの基準のところから持続性とか、もしくは環境とか、グローバルな価値基準に則した経営を志向していくということじゃないかと思うんですよね。」

「(無駄遣いしていないか、環境を大切にしているかどうか、搾取をしていないかどうかですとか、)そういうものが単なるコストとか、やらされているということじゃなくて社会の要請なんだと、そういうことに向かっていくんだということで、新しいチャンスに変える経営が出て来たんじゃないかと思うんですよね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

以前から繰り返しお伝えしているように、人類による絶えざる暮らしの豊かさを求め続けて来た様々な活動は、豊かさを得る一方で、地球環境の破壊、地球温暖化、あるいは化石燃料の大量消費による可採年数の急激な減少をもたらしつつあります。

中でも地球環境の破壊、および地球温暖化は人類のみならず、地球上に生存する他のあらゆる生物の暮らしにまで大きく影響を及ぼしています。

更に人類の活動が原因で次の大量絶滅につながると訴える専門家まで現れているのです。(参照:アイデアよもやま話 No.3051 次の大量絶滅の原因は人類!?

地球の資源に限りがあることを最初に提唱したのは、「ローマクラブ」の第一次報告書「成長の限界」(1972年)だと思いますが、徐々にその危惧が現実味を帯びて来たようです。(参照:No.2412 ちょっと一休み その377 『国民である前に地球の住民である意識が必要な時代』

 

一方、テクノロジーの進化により、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に代表されるような企業とテクノロジーをうまく使いこなせない企業との間の収益格差、あるいは正規社員と非正規社員との間の収入格差といったように格差が複合的に広がりつつあります。(参照:アイデアよもやま話 No.4376 30、40代「貯金ゼロ」が23%!

また、世界には未だに自分の考えを自由に言えないような国もあります。

 

こうした状況を打破するための理念は大きく2つあると思います。

それは、持続可能な社会、および自由で平等な社会です。

では具体的な価値基準ですが、持続可能な社会に向けてはSDGsがあります。

また、将来的な収入格差対策としては、最低限の生活保障(参照:アイデアよもやま話 No.3401 ”仕事がない世界”がやってくる その3 新たな生活保障制度の必要性!)が考えられます。

 

こうした持続可能な社会、および自由で平等な社会の実現を目指す方向で取り組むことが特に国や企業のリーダーには求められていると思うのです。


 
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2020年02月06日
アイデアよもやま話 No.4558 産業界に地殻変動が起きていることを示す数字!

前回はミライを創る大切な真実」についてご紹介しましたが、今回はこの「大切な真実」に真摯に向かい合って急成長を遂げているアメリカの代表的な企業を例に、産業界に地殻変動が起きていることを示す数字についてご紹介します

 

1月24日(金)放送の「報道1930」(BS−TBS)では「資本主義の終わりなのか、中国国家資本主義の脅威と労働者の貧困危機」をテーマに取り上げていました。

日本の未来はどうなるのか不安感を抱かせるような内容でしたが、中でも衝撃的だったのは以下の数字です。

アメリカのトップ5社、すなわちGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)、マイクロソフトの現在の時価総額は約510兆円で、それに対して日本の一部上場企業約2200社全体の時価総額は約660兆円です。

ですから、アメリカの5社の時価総額のみで日本のおよそ8割の水準にまで現在迫っているのです。

もし成長が昨年と同じペースで増加すると仮定すると、なんと今年中にも日本を上回る可能性が出て来ているのです。

また、経済学者の野口 野口悠紀夫さんは今の日本の経済について「20年後には日本人が中国に出稼ぎにいくのでは」と警鐘を鳴らしています。

 

以上、番組のごく一部をご紹介してきました。

 

上記5社がいつ頃創業したのか気になり、ネット検索したところ、以下の通りでした。

(創業年順 *カッコ内は創業経過年数)

アップル   :1976年(44年)

マイクロソフト:1981年(39年)

アマゾン   :1994年(26年)

グーグル   :1998年(22年)

フェイスブック:2004年(16年)

 

こうしてみると、最も早期に起業したアップルの創業から数えてもまだ50年足らずで、フェイスブックにおいてはわずか16年しか経っていないのです。

こうした産業界の激変はこれまでなかったと思います。

ちなみにGAFAの各分野の市場支配力、および世界の企業別デジタル広告収入についてはプロジェクト管理と日常生活 No.614 『巨大IT企業「GAFA」を巡る問題とその対応策!』を参照下さい。

 

一方、自動車業界においても1月23日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で次のように報じています。

アメリカのテスラの時価総額が1月22日に11兆2700億円となり、自動車メーカーとしてはトヨタ自動車に次ぐ世界第2位となりました。

テスラは世界最大市場の中国で主力小型車の生産を開始したことから成長が加速するとの期待が高まっており、株価は2019年10月以降2倍に上昇しています。

 

なお、自動車メーカーの時価総額上位3社の時価総額、および年間販売台数(2018年)は以下の通りです。

            (時価総額) (年間販売台数)

1位 トヨタ自動車    25.6兆円 1059万台

2位 テスラ       11.2兆円   24万台

3位 フォルクスワーゲン 10.9兆円 1083万台 

 

こうした数字を示しながら、解説キャスターで日経ビジネスの編集委員の山川 龍雄さんは次のようにおっしゃっています。

「(時価総額と年間販売台数のバランスについて、)株価ですから、将来の収益の期待値を織り込んでいっているということではあるんですが、やはりこの業界は電動化が進んで行くと下剋上の時代を迎えるということの証左だと思うんです。」

「ただ、それでも私はさすがに今のテスラというのはちょっと過大評価されていると思います。」

「というのも、この下にどういうところがあるかというと、例えばダイムラーとかBMWとかホンダが並んでいるんですけど、いずれも時価総額が5兆円台なんですね。」

「ということは、テスラはその倍あるってことですから、そこまでの価値が本当にあるのかなというのはちょっと私は感じますね。」

「経営者(イーロン マスクCEO)はカリスマ性がありますから、それ込みのプレミアムじゃないですかね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

テスラ(旧名はテスラモーターズ)の創業は2003年ですから、わずか17年ほどで自動車業界で時価総額世界第2位に上り詰めたのです。

 

先ほどのアメリカの代表的なIT関連企業の5社、および電気自動車メーカー、テスラの短期間での急成長はまさしく産業界の地殻変動、すなわち新たな産業革命が起きていることの証と言えます。

それも18世紀に起きた産業革命とは比較にならないほどの速さで革命は進んでいるのです。

その理由として、主に以下の3つがあると私は思います。

・インターネットを介したデータコミュニケーションの速さ

・パソコンやスマホ、AIやロボット、センサーなどのテクノロジーの急速な進歩

・経済のグローバル化

 

既に、米中のベンチャー企業を中心にミライを創る大切な真実」に真摯に向き合い、うまくビジネスに結び付けて既存の企業群を凌駕している企業がありますが、まだまだ序の口で新たな産業革命はまだまだ続きます。

こうした流れに日本企業が乗り遅れたままではどんどんこうした先行企業との差は開いていってしまいます。

ですから、日本企業においても大切な真実」から目を背けず、新たな製品、サービス、そしてビジネスモデルを開発して、既存のビジネスを凌駕するような心意気を持ってビジネスに取り組んでいただきたいと思います。

そうでなければ、日本経済の明るい未来は開けないのです。

ということは、日本人の暮らしにもその影響がのしかかってくるのです。

また、経済学者の野口 野口悠紀夫さんの指摘されているように、20年後には日本人が中国に出稼ぎにいくような状況が現実になってしまう可能性が出て来るのです。

こうした未来を多くの日本人は望んでいないと思います。

 

ということで、特に若い人たちには、その新鮮な感覚で「大切な真実」に気付き、自らベンチャー企業を立ち上げ、そのビジネスモデルで国内外の経済をけん引するくらいの気概を持って欲しいと思います。

同時に、日本の政府や既存企業にはこうしたベンチャー企業の足を引っ張るのではなく、様々なかたちで支援、あるいは協業していただきたいと思います。

 

ちなみに、これまで急速な経済成長を遂げて来た中国ですが、こうした成果の背景にはかつて小平国家主席が経済発展の道を開き、現在の習近平国家者席が「大切な真実」の重要性をいち早く見抜き、この方向性で強烈なリーダーシップで国家を導いて来たことにあると私は思っています。

この結果、今では中国は欧米中心のこれまでの自由資本主義に対抗する国家資本主義を掲げていると見られ、いずれ国家資本主義が自由資本主義を凌駕するのではと危惧されるほど侮れない存在になっているのです。

 

ですから、日本の政府においては、米中に対抗出来るような経済発展を目指し、国としてのリーダーシップを発揮していただきたいと思います。

 

今の日本人にはこうした考えは非現実的に思えるでしょうけれど、前回もお伝えしたように、日本も1990年代にはジャパンアズナンバーワンと称され、世界の時価総額上位企業を日本企業が殆どを占めるほどだった時期があったのです。


 
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2020年02月05日
アイデアよもやま話 No.4557 ミライを創る『大切な真実』とは!

昨年10月8日(火)放送の「視点・論点」(NHK総合テレビ)でミライを創る『大切な真実』について取り上げていたのでご紹介します。

なお、今回の論者は京都大学客員准教授、瀧本 哲史さんでした。

 

1990年代にはジャパンアズナンバーワンと称され、世界の時価総額上位企業を日本企業が殆どを占める時代から、この20年間、日本はその地位を一貫して落して来ました。

時価総額上位企業は、アップル、アマゾン、グーグルなどアメリカの新興企業が占め、日本は、中国、インドなど新興国にどんどん抜かれる国になろうとしています。

この間、急に日本人の何かの能力が落ちたり、日本社会が構造的に変わったという証拠を見いだすのはなかなか難しいかと思います。

むしろ、私はこの原因を外部環境の変化、世界のゲームのルールが変わったことに求めます。

キーワード的にいうのであれば、それはグローバル資本主義とコモディティ化ということになろうかと思います。

グローバル資本主義は一言で言えば、世界中で最適なものを集めて提供する、世界で唯一の特徴を持った会社が国境を越えて世界の標準になり、圧倒的な競争力を持つようになるということです。

アップル、アマゾン、グーグルは全てそういう企業です。

実は、日本企業でも、村田製作所、日本電産と言った唯一の特徴をもった会社は今でも高い今日競争力を持っています。

逆に、顧客から見て優劣がつきにくい状態、つまりコモディティ化が起こり、特色のない複数の供給者がいる製品はいかに客観的に品質が高かろうと、価格競争になり易く買いたたかれます。

日本の「おもてなし」ですら皆が同じようにやって、過当競争になっているため、世界の観光市場のなかで特に高価格がつきません。

この傾向は今後増々AIの進展によって強まるでしょう。

過去のデータを元に最適化する、パターン化するのはコンピューターの最も得意とするところです。   

「今まで」と「これから」の違いは、「課題を解く」から「課題自体の発見」が大事であり、「100%の真実」は価値がなく、「半信半疑。少数意見が多数に変わる」に価値が生じる訳です。

「今までの延長で改善」しても「非連続、破壊的な発見」に簡単に上回られてしまうわけです。実際、グーグルもアマゾンも当初はその将来に対して懐疑的な意見が多数を占めていました。

小型モーターで世界の標準となった日本電産も、永守社長が元々勤めていた会社の上司、銀行、日本のメーカーは、彼の考えを真面目に取り上げませんでした。

Facebookの初期の投資家であり、オンライン決済の世界の標準になったペイパルの創業者でもある、エンジェル投資家、創業期の企業を専門に投資する投資家のピーター·ティール氏は「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう」と必ず問いかけるそうです。

現代はまさに、この「大切な真実」が大きな価値を持つ時代であり、既に分かっていることをより一生懸命にやることの価値が落ちている時代なのです。

それでは、どのようにして、この「大切な真実」を見つけることが出来るようになるのでしょうか。いろいろな切り口があると思いますが、過去、新発見をおこなった偉人達の例を研究してみると、「例え反対する人がいても、現状に対する違和感を大切にする」ことにあろうかと思います。

分かり易くするために、近代的な病院、看護制度の祖であるナイチンゲールを例にとりましょう。

彼女は、どちらかというと博愛精神的な文脈で注目されがちな人ですが、科学史の文脈では、統計学者として取り上げられます。

ナイチンゲールの時代には看護の重要性は顧みられず、看護に当たるスタッフの社会的地位もかなり低いものでした。

ナイチンゲールはクリミア戦争の従軍経験を通じて、この通説に対して強い違和感を感じました。

そこで、兵士の死亡原因を統計的に調査した結果、戦闘の負傷を直接の原因で死亡する兵士よりも、その後の看護の質の低さによる感染症などで死亡する兵士が多数を占めることを証明し、看護の重要性を説きました。

これは、当時のイギリスで激しい論争を呼びましたが、最終的にナイチンゲールの主張が通り、これが現在の看護システム、病院の設計までにつながっています。

周りの反対を押し切って、自分がつかんだ「大切な真実」を仮説とし、それを事実をもって証明するというのは多くの新発見で見られる現象です。

窒素ガリウムをつかって青色LEDをつくるというアイディアを実験を通じて、証明、実用化し、ノーベル賞を受賞した中村修二さんも会社から理解を得られず、会社に隠れてこそこそと研究を続けていました。

iPS細胞を発見してノーベル賞を受賞した山中先生も、最初の研究資金を検討する審議会では、たった一人をのぞいて「SFのようだ」「無駄金」などと低い評価だったそうです。

実は、「大切な真実」の目の前を通りがかった人は沢山いると思います。

ただ、ナイチンゲールは貴族で数学教育を受けており、中村さんは隠れても出来るぐらい研究施設が素晴らしく、山中さんは、たった一人でも応援してくれる人に出会えたのがある意味ラッキーだったのです。

 

さて、以上を踏まえた上で、日本の社会システムは、「大切な真実」あるいはそれをつかんだ人を大切にするような仕組みになっているでしょうか。

残念ながら、そうはなっていません。

教育システムは、新しいことを見つけることよりも、今までの知識を覚えて、それを再現することが重視されています。

勿論、基礎的な知識、現状を知らなければ、それを打ち破ることも出来ないわけですが、手段である知識が目的になっており、「大切な真実」を見つけることとは無関係な、ただのクイズ大会になっています。

日本の意思決定システムや意思決定者であるエリートを選抜する仕組みも同じように「大切な真実」の発見能力よりも、既に分かっている知識の再現能力や整合性を説明する能力が重視されているように思います。

最も多くの資本を所有し、最も権限を持ち、従って、最も重要な意思決定をすべき政府、公共セクターにおいて、この傾向はより顕著と言えるでしょう。

こうした仕組みは、欧米先進国キャッチアップ型国家として最も成功したかつての日本には最適でしたが、「大切な真実」が世界を支配する新しいゲームのルールになった現代のグローバル資本主義においては、見直しは避けられないと考えます。

一方、現代社会に合わせた教育改革の方向として、「すぐに社会に役立つことを教えよう」「社会に役立つ研究を重視しよう」という方向が打ち出されつつあります。

しかし、これは現代社会に合わせているようで真逆な方向だと実は考えています、

というのも、社会にすぐに役立つことは、現代においては、「大切な真実」によってそう遠くない将来打ち破られる知識であり、それを身につけても、安く買いたたかれます。

また、新発見を行った研究者は口を揃えて、「役に立つかはあまり考えなかった。動機は、むしろ知的好奇心だった」と答えています。

今必要なのは、「大切な真実」を追求したくなるような知的好奇心を刺激することと、貴族でなくても、偶然に恵まれなくても、社会全体が「大切な真実」の価値、可能性を認め、守り育てていくような仕組みに変えていくということなのではないか、と考えています。

それは、未来の可能性を信じて、すぐに成果が出なくても、教育や基礎研究に投資していくということではないかと考えています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず、瀧本さんのおっしゃった内容を以下に要約してみました。

1990年代にはジャパンアズナンバーワンと称され、世界の時価総額上位企業を日本企業が殆どを占める時代から、この20年間で日本はその地位を一貫して落して来た

・この原因は外部環境の変化、世界のゲームのルールが変わったことと思う

・キーワード的には、グローバル資本主義とコモディティ化と思う

・「今まで」と「これから」の違いは、「課題を解く」から「課題自体の発見」が大事であり、「100%の真実」は価値がなく、「半信半疑。少数意見が多数に変わる」に価値が生じることにある

・「今までの延長で改善」しても「非連続、破壊的な発見」に簡単に上回られてしまう

・現代はこの「大切な真実」が大きな価値を持つ時代であり、既に分かっていることをより一生懸命にやることの価値が落ちている時代である

・この「大切な真実」を見つけるには、「例え反対する人がいても、現状に対する違和感を大切にする」ことが必要である

・日本の社会システムは、「大切な真実」あるいはそれをつかんだ人を大切にするような仕組みになっていない

・日本の現在の教育システムは、新しいことを見つけることよりも、今までの知識を覚えて、それを再現することが重視されており、手段である知識が目的になっており、「大切な真実」を見つけることとは無関係な、ただのクイズ大会になっている

・今必要なのは、「大切な真実」を追求したくなるような知的好奇心を刺激することと、社会全体が「大切な真実」の価値、可能性を認め、守り育てていくような仕組みに変えていくということなのではないかと思う

・それは、未来の可能性を信じて、すぐに成果が出なくても、教育や基礎研究に投資していくということではないかと思う

 

以上、私なりに要約してみました。

 

私は瀧本さんの指摘している内容に大いに賛成です。

実は、私はインターネット(ネット)が普及し始めた頃、SE(システムエンジニア)として外資系コンピューターメーカーに勤務していましたが、業務で実際にあるソフトの販売会社をネット検索して簡単に候補として数社を見つけることが出来ました。

このことで、ネットの可能性に身震いするほどのショックを受けたことを今でも鮮烈に記憶しています。

これからはあらゆるモノがネット上でやり取りされるようになると直感したのです。

そして、その後徐々にネット社会のメリットを生かした革新的なビジネスの試行錯誤が繰り返されて今に至っているのです。

その結果、今日まで無数のベンチャー企業がネット関連ビジネスに果断に挑戦し、一時はネットバブルと揶揄されたこともありました。

その中の一つ、アメリカのベンチャー企業、アマゾンも誕生した当初は、そのビジネスモデルについて専門家からもその将来性を疑問視されていました。

しかし、今ではGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の一画としてネット通販業界では確固たる地位を築いております。

このように、残念ながら「大切な真実」は専門家も含め、多くの人たちにはある程度時間が経過してみないと分かりにくいのです。

 

こうした流れと並行して、昨年ノーベル化学賞の受賞で一躍有名になったリチウムイオン電池の実用化も相まってパソコン、携帯電話、スマホというネット上のコミュニケーションのツールも高機能化、低価格化が進みどんどん普及して、今では若者を中心にほとんどの人にとって必需品となっています。

また、こうした流れの延長線上で、AIやロボット、あるいはセンサーといったテクノロジーもどんどん進化しています。

また、今思えば、今言われているIoT(モノのインターネット化)という概念も既にインターネットが普及し始めた時に芽生えていたのです。

そして、今では自動車の自動運転や遠隔医療、ロボットホテル、あるいは顔認証、防犯カメラといったようにどんどんビジネスのニューフロンティアが誕生してきています。

 

こうして見てくると、やはりインターネットの発明こそが今回のテーマである「大切な真実」の根幹を成していると思うのです。

あらゆる情報がデータというかたちでネット上でつながり、しかもその各データは人手を介さずに自在に加工することが出来、ユーザーの望むかたちで提供出来るのです。

 

ですから、こうした一連のテクノロジーの従来にないメリットを最大限に駆使して新しいビジネスモデルを具現化した企業が既存の企業群を短期間のうちに凌駕してしまうことは決して不思議ではないのです。

例えてみれば、竹槍と戦車との戦いのようなもので勝負にならないのです。

 

ではなぜ1990年代にはジャパンアズナンバーワンと称された日本企業が現在のように総じて競争力が無くなり、元気がなくなってしまったのでしょうか。

そのキーワードは、以前から言われている“生き残るのは強い者ではなく環境に上手く適応した者である”だと思います。

要するに、テクノロジーを中心にビジネス環境の大転換という「大切な真実」に相対的に鈍感であったのです。

しかし、考えてみれば、このことは日本だけでなく、欧米の企業も総じて多くの日本企業と同様な状態だったのです。

 

ということで、国を問わず、”いかに早く新たな「大切な真実」に気付き、それに真摯に向き合い、課題として認識し、素早く実用化に結び付け、世界共通のビジネスモデルとして展開するか”というのがこれからの経済の覇権争いを制するカギになると思うのです。


 
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2020年02月04日
アイデアよもやま話 No.4556 アイデア方程式 水圧×?=止水シート!

昨年9月26日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)で止水シートについて取り上げていたのでご紹介します。

 

土嚢(どのう)に比べて軽くて簡単、浸水対策向けの止水シートが今注目されています。

誕生したのは2012年です。

開発したのは、シャッターを手掛ける会社勤務の男性です。

集中豪雨や台風などによる被害が問題になる中、浸水対策の新商品を任された男性はアイデアが出せず、悩んでいました。

そんな時、シャッター点検に出向いていた営業担当から次のような話を聞きました。

「水がどんどん迫ってくるもんだからさ、とっさに雑巾を詰めたんだよ、この隙間に。」

「そしたら水が止まってさあ。」

 

シャッターの延長で考えていた男性には雑巾がまさに“目から鱗(ウロコ)”で、次のようにアイデアが閃いたのです。

「そうか、軽くて柔らかいものでも水圧を利用すれば水は止められるのか!」

 

この発想から生まれたのが設置が簡単な止水シートです。

破れず、隙間も出来ない最適な薄さと水圧で密着するように伸縮性も加えました。

水圧を利用した止水シートはとっさに詰めた雑巾をヒントに生まれていたのです。

 

ということで、今回のアイデア方程式は水圧×ぞうきん=止水シートでした。

 

その道のプロであるほど、知識や経験から来る知識や思い込みに囚われがちです。

アイデアが中々出てこない、そんな時、新たに素晴らしいアドバイスをくれる人はもしかしたら意外に身近な所にいるのかも知れません。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

どちらのメーカーがこの止水シートを開発したのか知りたくなり、ネット検索したところ、検索結果で最初に文化シャッター株式会社に目に留まりました。

そこで、文化シャッターに直接問い合わせたところ、他のメーカーでも止水シートは取り扱っていますが、最初に止水シートを開発したのは弊社であるという回答を得ました。

ついでに戸建て住宅での使用についてお聞きしたところ、玄関での使用は問題ありませんが、通風孔などへの使用は想定していないということでした。

 

なお、この止水シート、商品名「止めピタ」のメリットですが、土のうの10倍の止水性能があり、しかも約5分で簡単に設置が可能といいます。

他にもいろいろメリットがありますが、詳細はこちらを参照して下さい。

 

地球温暖化の進行とともに、今後とも毎年のように大型台風や集中豪雨の発生回数や規模の拡大が見込まれます。

そうした中、今回ご紹介したような止水シートは必需品となります。

ですからこうした製品の国内での普及のみならず、開発途上国への支援品の対象としても望ましいのではないかと思います。


 
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2020年02月03日
アイデアよもやま話 No.4555 逆転の発想で開発された“揺れるコースター”!

9月23日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で揺れるコースターについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

株式会社ショウホウテックの宇野 修市社長は自社開発した“揺れるコースター”を前にして次のようにおっしゃっています。

「“ドキドキ”しながら飲めるコースターです。」

 

コースターと言えば、普通はコップがしっかり安定することが大前提です。

ところが“揺れるコースター”は不安定にコップが揺れるのです。

その理由はコースターの底が丸くなっているからなのです。

なぜこのような不安定なコースターなのかについて、宇野社長は次のようにおっしゃっています。

「逆転の発想で、コースターが揺れたら面白いかなと思って作ったんですよ。」

 

実は愛知県豊田市で自動車関連の部品を製造するショウホウテックでは図面通りの仕事だけではなく、商品の発想が会社の成長や発展につながると宇野社長は考えました。

そして逆転の発想で作ったのがアルミ素材の“揺れるコースター”だったのです。

宇野社長は次のようにおっしゃっています。

「(コースターの中に入っているのはもみ殻なのかという問いに対して、)そうです。」

「豊田市といいますと、どうしてもクルマのイメージが先行しますけれども、意外と豊田市って山ばっかりで農業も盛んなんですよ。」

 

実は米どころでもある豊田市、町のPRを兼ねてもみ殻の処理で困っている農家から譲り受けて樹脂の中に混ぜ込みました。

“揺れるコースター”は自動車産業で培った技術と地元愛を取り入れ、逆転の発想で生まれた初めての自社製品だったのです。

宇野社長は次のようにおっしゃっています。

「僕らが作って売りますのでメーカーになりますから、誰からも文句を言われることはありませんしね。」

「(社長の“やりたい”が詰まっているのではという指摘に対して、)そうなんです、好き放題ですね。」

「(だからこんな不安定なことになったのかという問いに対して、)なっちゃいました。」

 

何度グラスを置いてみても、倒れることはありそうでなかったといいます。

ギリギリ倒れない角度で計算して作られているといいます。

 

なお、“揺れるコースター”は商品名「ゆらゆらコースター」(仮)で価格未定ですが、来年(2020年)発売予定といます。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

私も自宅でたまに焼酎の水割りを飲むことがありますが、あまり厚くない紙で作られたコースターだとだんだんふやけて来てちょっと不安定になり、気になったりしていました。

ですからコースターは上に載せるモノが安定しなければならないという先入観を持っていました。

 

ところが今回ご紹介した“揺れるコースター”はあえて揺れるように作られたのですからまさに逆転の発想です。

そして、一人で水割りなどをゆったりと飲む際に、コースターの上で揺れるグラスを眺める光景をイメージすると悪くないなという気になってきました。

ですから、市販化されたら価格次第でこのコースターを購入してみたいと思います。

 

なお、このコースターの材料として地元農家で処理に困っていたもみ殻を使用しているというところも好感が持てますし、コースターの素材としても悪くないと思います。

 

また、受注生産をメインとするショウホウテックが自社の持つ技術を使って新製品を独自に開発して販売するというチャレンジ精神は今後の中小企業のあり方としてとても望ましいと思います。


 
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2020年02月02日
No.4554 ちょっと一休み その706 『料理の世界はアイデアの宝庫!』

プロジェクト管理と日常生活 No.625 『テレビドラマ「グランメゾン東京」をプロジェクト管理の視点から観たら・・・』では、番組を通して、プロジェクト管理の中の標準化、最適化、プロセス改善という3つの管理項目に焦点を当ててご紹介してきました。

また、No.4548 ちょっと一休み その705 『日本は食の先進国!?』では、ミシュランガイドの星の数からみると日本はフランスに並ぶ食の先進国であるとお伝えしました。

 

このように食の世界を見てきて、これまで繰り返しお伝えしてきたように、アイデアは既存の要素の組み合わせである、そしてアイデアは発見するものであるということをあらためて思い起こしました。

料理の世界は、料理人の腕前、様々な食材、醤油やソースなどの調味料、煮たり焼いたり、あるいは発酵させたりという調理法、包丁などの機材といった要素から成り立っております。

更に、ワインなどのドリンク、あるいはデザートとの組み合わせもあります。

こうした多くの要素の組み合わせは無限に存在すると言えます。

ですから、1つの料理はこうした無限の組み合わせの中の1つであり、料理の世界はまさにアイデアの宝庫なのです。

そして、今後とも料理の世界は絶え間なく進化し続けるのです。

 

このように食の世界を見てくると、毎日何気なく食べている料理の一つひとつに対する想いがちょっと変わってきます。


 
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2020年02月01日
プロジェクト管理と日常生活 No.626 『「連続ドラマW 頭取 野崎修平」に見る銀行の標準マニュアルの一つのあり方』

「連続ドラマW 頭取 野崎修平」(WOWOWプライム)は前作「連続ドラマW 監査役 野崎修平」の続編で、実質的につぶれたあおぞら銀行を復活させるべく頭取に抜擢された主人公、野崎修平の物語です。

1月19日(日)放送の第1話をとても興味深く観ました。

今回は、この中から銀行の標準マニュアルの一つのあり方としてとても参考になると思われる場面についてご紹介します。

 

野崎頭取は国有化から3年で未だ再生の兆しが見えないあおぞら銀行を復活させる手段の一つとして、融資先の評価基準に「夢や地域社会に対する貢献」を加えるべく、融資部の上司にもずけずけ物申す、気骨のありそうな行員、石原俊之に新たな評価基準の作成を命じます。

以下はその時の二人のやり取りです。

(野崎頭取)

「夢や地域社会に対する貢献、これを評価出来る基準をあなたに作って欲しいんです。」

(石原行員)

「そんなのは無理です。」

(野崎頭取)

「どうしてですか?」

(石原行員)

「夢や地域貢献なんて、いくらでも作文出来ます。」

「担保や実績の裏付けが大切なんです。」

(野崎頭取)

「担保や実績ね。」

(石原行員)

「担保がなければ、不測の事態に回収が出来ないし、実績がなければその事業を遂行出来るのかどうかわかりません。」

(野崎頭取)

「バブル期の案件も担保は取っていました。」

「でも債権の多くは回収出来なかった。」

「なぜです?」

(石原行員)

「それは、担保が水増しされたり、土地や株価がかつてないほど下落したり。」

「だけど、あれは異常な時期でした。」

(野崎頭取)

「私が言いたいのは、担保は所詮気休めだということです。」

「融資において大切なのは、事業の将来性であり、それを実行する経営者の強い意思と責任感の見極めです。」

「担保は飽くまでも副次的な要素です。」

「銀行員が、やれ担保だ、実績だと言うのは言い訳のためです。」

(石原行員)

「どういう意味ですか?」

(野崎頭取)

「倒産したのは私のせいじゃありません。」

「ご安心下さい、担保はきっちり取ってありますってね。」

「銀行員の審査能力と責任の放棄なんです。」

「石原君、新しい基準を作って下さい。」

「やる気はあるが、資金がない企業に融資出来る基準です。」

「その先駆けとなるのが(融資先として融資本部で却下された)あの天沢建設なんです。」

「夢を実現するための基準、これを作って下さい。」

 

しかし、現行の評価基準という既成観念に意識が縛られている融資部の行員、石原は野崎頭取の真意を理解出来ず、別な銀行に勤める友人からその銀行の融資先スコアリングシートを見せてもらい、ほとんどそのままの内容で野崎頭取に報告します。

以下は石原行員が野崎頭取に報告書を提出した時の二人のやり取りです。

(野崎頭取)

「これがあなたが考えた夢の基準ですか?」

(石原行員)

「はい、そうですが。」

「私は夢という漠然としたものを定量化するよりも、多くの中小企業に融資をすることがひいては夢を実現する会社を多く生み出すことになると思い、この案を。」

(野崎頭取)

「違う、これは機械的に安全に融資を増やすことしか考えていない。」

「ここには起業家や会社が夢を持って実現しようとしている事業に対する評価が何一つ考慮されていない。」

「しかも内容もxx銀行のスコアリングシートと何ら変わらない。」

「私は怒っています。」

「xx銀行の猿真似をした以上に、あなたが取引先のことを何も考えなかったということに腹が立つ。」

「夢や信念、社長のやる気、地域貢献、本来銀行は評価しなきゃならないが評価しにくい、それを客観的に評価する方法をあなたに託したんです。」

「あなたはその期待を裏切った。」

「私はそれが一番腹立たしいし、情けない。」

「もう一度考え直して下さい。」

「あと2週間あげます。」

(石原行員)

「はい、申し訳ありませんでした。」

 

その後、融資部の石原行員は天沢建設の社長に話を伺うために訪問しました。

そして、あらためて自分の考えを「中小企業向け新融資基準」としてまとめて再度野崎頭取に報告するくだりの二人のやり取りは以下の通りです。

(石原行員)

「(たった白紙1枚の報告書を手に、)これが中小企業の夢とやる気、志を評価する当行の新しい基準です。」

(野崎頭取)

「白紙、説明して下さい。」

(石原行員)

「はい、天沢建設の社長に話を聴いてきました。」

「他にも中小企業に訪ねて現場を見てきました。」

「それで分かったんです。」

「中小企業は夢も能力も千差万別です。」

「それを一定のレベルの基準に押し込めて審査するのは不可能です。」

「ですから、それを支店担当者の熱意で測ろうと思います。」

「企業や事業に熱い想いがあれば、それは必ずや担当者に伝わるはずです。」

「いや、担当者にその熱意が伝わっていないのなら融資自体出来るはずもありません。」

「融資する会社と担当者の熱意、そして将来性を審査する審査のプロ、このシステムを構築すれば、中小企業の夢を実現することが出来ます。」

「担当者と融資先が一緒になって夢を描くんです。」

(野崎頭取)

「いいでしょ。石原君、宿題の答えは合格です。」

「全力を尽くして下さい。」

 

以下は石原行員が会議室を退席した後の野崎頭取と同席していたそのスタッフとの会話です。

(スタッフ)

「しかし頭取、それでは統一基準にならないのでは。」

(野崎頭取)

「彼は白紙1枚を持参しました。」

「これは形式が画一的な今のシステムはダメだという問題提起です。」

(スタッフ)

「いや、ですがこれでは理論上は何にでも融資が可能になって、担当者が暴走する危険はありませんか。」

(野崎頭取)

「むしろ融資基準は厳しくなるかもしれませんよ。」

「形式が自由な方が担当者の責任は重くなる。」

「いいかげんな融資は出来なくなります。」

 

以上、ドラマの場面の一部をご紹介してきました。

 

この番組を通してまず感じたことは、銀行の使命とは何か、そして標準マニュアルはどうあるべきかということです。

どんな企業でもビジネスに取り組む上でそのための資金が必須です。

銀行は預金者からお金を預かり、そのお金を必要とする企業に融資してその利息を収入として得ることが本分だと思います。

ですから、将来有望な企業に融資して、その資金で融資先の企業が大きく育つことを見届けるのは融資担当者にとって最高のやりがいだと思うのです。

 

さて、以前から銀行は“お金に困っている時にはお金を貸してくれず、事業がうまくいっている時には貸してくれようとする”と陰口をたたかれてきました。

企業としては、資金に困っている時こそ銀行に融資して欲しいのです。

しかし、銀行業としては、貸出先の企業に担保があったり、実績があれば貸し倒れのリスク少ないので、融資をし易いのです。

一方、先進的な技術を使用した新製品開発で資金不足に陥っているベンチャー企業には担保も実績も無いので融資する上でのリスクが高いので、従来の貸し出し基準からすれば融資はしないという評価が一般的だと思います。

またベンチャー企業に限らず、既存の顧客である企業においてもバブルが弾けたりして業績が急速に落ち込んできたような場合には、銀行は融資した残金の短期回収に勤めます。

こうした従来の銀行業の悪しき融資のやり方ではベンチャー企業は育たず、既存の融資先企業からも信頼を得ることは難しいと思います。

 

こうした銀行業界の悪しき融資における基本的な考え方からの脱却を狙って、野崎頭取は夢を持って事業に取り組んでいる経営者の強い想いに寄り添って銀行の融資部門、および担当者が融資をベースに融資先の企業経営者とともにその夢の実現に向かって取り組めるような融資基準の作成を石原行員に託したのです。

その結果は白紙、すなわち担保や実績といった定量的な審査基準に頼らず、融資する会社と銀行の融資担当者の熱意、そこに将来性を審査する審査のプロが係わるようなシステムを構築することを提案し、野崎頭取は合格の判定をしたのです。

 

こうした銀行の融資基準は、結果として担保やこれまでの実績に左右されず、夢や熱意に溢れた経営者の経営する企業に優先的に融資するようになります。

ですから、優れたベンチャー企業は融資を受け易くなります。

しかし、一方で融資担当者は責任が重くなり、これまで以上に調査や分析などいろいろとやることが増えてきます。

また、担保や実績があっても現在夢や熱意に乏しい経営者の企業への融資は少なくなってきます。

しかし、こうした銀行と企業の関係はとても望ましいと思います。

 

さて、ここで思い出されるのはNo.468 ルールの少ないのが成熟した社会!でお伝えしたリッツ・カールトンホテルの取り組みです。

このホテルでは、従業員は常にサービスの基本精神が書かれている「クレド」というカード(詳細はこちらを参照)を意識しながらお客様へのサービスに取り組んでいるのです。

従業員はこのクレドに書かれていることを拠り所に自分なりの解釈、判断で常にお客様への最善のサービスを目指して接するのです。

 

野崎頭取のあおぞら銀行の復活に賭ける想いは、こうしたリッツ・カールトンホテルの基本精神が書かれている「クレド」につながると思います。

ちなみに、現実には以下の事例にもあるように、業界を問わず、リッツ・カールトンホテルの基本精神に通じる考え方でビジネスで成功を収めている企業は沢山あると思います。

 

アイデアよもやま話 No.881 ディズニー・テーマパークの行動基準!

アイデアよもやま話 No.4217 年商9億円の街の電気屋さん!

プロジェクト管理と日常生活 No.260 『日本一の旅館、加賀屋のおもてなしの基準!』

 

要は、“仏作って魂も入れる”でなければならず、“仏作って魂を入れず”ではダメなのです。

 

細かいことをあれこれ含めて分厚い標準マニュアルを作るよりも自社の本分は何かを明確にし、その目指す方向に沿って各従業員があれこれ自分で考えて自発的に行動するための標準マニュアルを目指すべきなのです。

 

勿論、一方では完全に定型化された業務においては詳細にプロセスが記述された標準マニュアルも必要です。

しかし、こうした定型業務はいずれAIやロボットに置き換わっていくと思われます。


 
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2020年01月31日
アイデアよもやま話 No.4553 ユニコーン育成に経団連が本腰!

昨年9月23日(月)付け読売新聞の朝刊記事で団連によるユニコーン育成の取り組みについて取り上げていたのでご紹介します。

 

経団連は、ベンチャー企業と大企業をマッチングするイベントを10月(2019年)から始めます。

大企業側の参加者を役員以上に限定したのが特徴で、提携や出資を決めるスピードを速め、将来有望な企業の成長を促します。

 

ベンチャーと大企業を結び付けるイベントは多々ありますがが、大企業からは担当部署の社員が参加することが多いのです。

出資などの判断には上役の承認が必要で時間がかかり、人事異動で担当者が代わることもあります。

ベンチャー側には「決定権がある人と直接話したい」との要望がありました。

 

経団連が10月1日(2019年)に初開催する「経団連イノベーションクロッシング」は、大企業側の参加者を執行役員以上としました。

「単なる情報収集が目的なら遠慮してもらう」(幹部)といいます。

ベンチャー企業6社が事業を紹介し、意見交換します。

経団連は月1回程度の開催を目指しています。

 

日本では企業価値が10億ドル(約1070億円)を超えるとされる未上場の新興企業「ユニコーン」が育ちにくいのです。

経団連によると、2019年1月時点でユニコーンはアメリカで151社、中国で85社だったのに対し、日本は1社でした。

経団連は大企業の資金力やノウハウによるユニコーン育成に本腰を入れ、日本企業の国際競争力を高めたい考えです。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

まず、2019年1月時点での日本におけるユニコーンがたった1社という数字は米中に比べてあまりに少なく、先進的なITを活用したビジネスモデルで成功しているベンチャー企業の少なさを物語っています。

GAFA(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.614 『巨大IT企業「GAFA」を巡る問題とその対応策!』)はベンチャー企業のこうした成功事例の代表格ですが、今やAIやロボットを始め、かつてないほどITを始め先進テクノロジーの急速な進歩を背景に、既存のビジネスの取り組みを破壊するほどのパワーを持ったビジネスモデルが次々に到来するチャンスが出て来ているのです。

そして、こうしたチャンスを最も生かし得るのは、既存のビジネスの取り組みとしがらみのないベンチャー企業なのです。

ですから、長い目で見れば、いかに国を挙げてこうしたベンチャー企業の活動を支援していくかがとても重要なのです。

今回ご紹介した経団連の取り組みはその一旦と言えますが、極端に言えば、大企業は“ヒト、モノ、カネは出すが、口は出さない”くらいのスタンスで将来性のあるベンチャー企業が思い切り活動出来るようなかたちでの協業を進めていただきたいと思います。

 

一方、国は例えば5年計画で、ユニコーンを5社程度誕生させるくらいの意気込みで将来性のあるベンチャー企業への支援をしていただきたいと思います。

 

ちなみにベンチャー企業関連についてはこのブログでもこれまでかなり取り上げてきましたが、以下はその一部です。

No.4440 ちょっと一休み その687 『ソフトバンクグループの高調にみる産業界の大変動期!』

アイデアよもやま話 No.4529 今、企業が直面している“イノベンチャーのジレンマ”

アイデアよもやま話 No.4532 日本企業の手元現金が過去最高!


 
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2020年01月30日
アイデアよもやま話 No.4552 脳への磁気刺激で緊張緩和!?

昨年9月20日(金)付け読売新聞の夕刊記事で「脳に磁気刺激で本領発揮」という見出しが目に留まったのでご紹介します。 

 

スポーツや演奏会など緊張する場面でも脳に刺激を与える活動を抑えると、本来の力を発揮し易くなることが分かったと、情報通信研究機構などの研究チームが昨年9月19日に発表し、論文が英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載されました。

 

研究チームは、男女約30人に画面を見ながら光る場所に応じて違うボタンを選んで高速で押してもらう実験を実施しました。

テニスやピアノ演奏などのパーツ練習をモデル化したものです。

 

切り替わる画面は10枚で、参加者の一部はピアノの曲を分割して練習するように、画面を前半の6枚と後半の4枚に分割して早押し練習をしてからテストに臨みました。

こうした人たちは、テストの時に緊張が高まると、分割して練習したつなぎ目の部分でよく失敗することが分かりました。

 

この時の脳の活動を調べたところ、特定の部位が活発化していることを突き止めました。

更に、この場所に磁気による刺激を加えて脳の活動を抑えたところ、テストでの失敗が減ることが確認されました。

 

スポーツや楽器演奏をする時に、緊張すると高速で複雑な運動に対するパフォーマンスが低下することが経験的に知られています。

スポーツ心理に詳しい鹿屋体育大の中本浩揮准教授は「パフォーマンスの低下に関与する脳の場所と対処法が分かったのは大きな成果」と話しています。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

スポーツ大会や様々な試験の場で、緊張して普段の実力が発揮出来ずに終わってしまうことはプロ、アマを問わず多くの人たちに見られます。

こうした課題を克服するために、これまで瞑想など様々な取り組みがなされてきましたが、決定打となるような解決策はなかったと思います。

 

そうした中、緊張して失敗してしまうような場面で、脳の特定の部位が活発化していることが突き止められたということはとても画期的な発見だと思います。

なぜならば、中本准教授もおっしゃっているように、パフォーマンスの低下に関与する脳の特定の部位の活発化を抑制することで、本来の実力を発揮出来るという対処法が分かったからです。

 

ということで今後、この脳の特定の部位の活発化を抑制する機器の実用化、あるいはトレーニング方法が確立されることにより、誰でもどんな場面でも緊張することなく本来の実力を発揮出来るようになると大いに期待出来ます。


 
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2020年01月29日
アイデアよもやま話 No.4551 ハリセンボンを真似た画期的な撥水加工!

これまで撥水加工については、アイデアよもやま話 No.2565 絶対に濡れない魔法のスプレー!アイデアよもやま話 No.2639 紙も濡れない超撥水スプレー! アイデアよもやま話 No.4444 撥水性抜群のアパレル!などで何度かご紹介してきました。

そうした中、昨年9月19日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でハリセンボンを真似た画期的な撥水加工について取り上げていたのでご紹介します。

 

物質・材料研究機構の内藤 昌信さんは次のようにおっしゃっています。

「(新たに開発した超水性の高い素材を指して、)実はこれはハリセンビンを真似した新しい素材なんです。」

「これに色のついた水をかけてみます。」

 

その結果、この新資材は全く水を寄せ付けません。

 

内藤さんは続けて次のようにおっしゃっています。

ハリセンボンはご覧になって分かりますように、非常に硬いトゲと柔らかい皮膚から出来ています。

「こういう材料を模倣したようなものが出来ると非常に強い撥水材料が出来ると考えます。」

 

この材料を顕微鏡で拡大して見てみると、無数のトゲが見えます。

このトゲがあればあるほど撥水性が高くなるということなのです。

このトゲ、ハリセンボンのようにトゲを硬くして撥水性を長持ちさせた素材なのです。

 

今までの撥水素材はやすりで削ると凹凸が無くなって撥水しなくなってしまうのですが、今回の素材はやすりで削ってもしっかり撥水するのです。

更にこの素材、液体にして塗ることも出来るので水を弾く壁も簡単に作ることが出来るのです。

更に洋服にスプレーしておけば、水を弾いて全く濡れませんでした。

内藤さんは次のようにおっしゃっています。

「お皿とかスプーンとかに塗ってあげますと、食べ残りが無くなり、非常にきれいに。」

「耐久性のいいものが出てくると、世の中、水がもたらす問題は沢山ありますので、そういうものを解決する材料になると思っています。」

 

今までシリコンなどの柔らかい素材に超撥水加工をしようとすると、その表面に付けるようなかたちで、表面しかなかったので耐久性が課題だったのですが、これは素材自体が撥水するということで全く新しいのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した、ハリセンボンを真似た撥水加工技術による素材は素材自体が撥水するのでやすりで削ってもしっかり撥水するという点でとても画期的だと思います。

また、洋服や食器など様々な用途が考えら、私たちの暮らしを少なからず便利にしてくれると大いに期待出来ます。

ですから、このような商品は国内外を問わず、多くの引き合いが見込めます。

ということで、耐久性などの課題をクリアして、是非少しでも早く市販化につなげていただきたいと思います。

 

なお、これまで生物など自然の知恵を私たちの生活に生かす研究、すなわちネイチャー・テクノロジーについては、これまでも

アイデアよもやま話 No.2152 世界で一番痛くない注射針!

アイデアよもやま話 No.4009 アイデア方程式 塗料×?=燃費のいい船!

アイデアよもやま話 No.4522 光の反射で色を操る革新的な技術!

などで何度となくお伝えしてきました。

ネイチャー・テクノロジーはまさにアイデアの宝庫と言えそうです。


 
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2020年01月28日
アイデアよもやま話 No.4550 物流ベンチャーが物流の新構想!

昨年9月19日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で物流ベンチャーによる物流の新構想について取り上げていたのでご紹介します。

 

物流情報のプラットフォームを手掛ける株式会社Hakobu(ハコブ)は大和ハウスやソニー、日野自動車などと共同で新たな事業構想を発表しました。

メーカーや運送会社が持つ物流情報を束ね、ビッグデータとして活用することで、会社の枠を超えた共同配送や効率的な配車を実現するとしています。

こうした物流関連の動きについて、番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄教授は次のようにおっしゃっています。

「私はこれはかなり期待したいと思っていまして、MaaS(参照:アイデアよもやま話 No.4335 MaaSで進む交通モビリティ全体の最適化!)という言葉がありますね。」

「旅行者がシームレスに無駄なく、効率よくいろんなところに行けるというサービスということですね。」

「このサービスは物流版のMaaSなんですよ。」

「つまり、メーカー工場からメーカー倉庫から流通倉庫から小売店舗まで無駄なくデータを吸い上げて、ビッグデータを解析してIoTにつなげることで、無駄なく効率的に物流を出来るようにするという仕組みです。」

「(今は無駄が多いのかという問いに対して、)多いですね。」

「ですので、これを変えてあげると、私はMaaSの本命はこっちじゃないかと思っていまして、何より流通は非常に重要ですし、それから労働環境が人手不足で非常に厳しいんですよね。」

「ここが無駄が無くなれば働く人も楽になりますので、そういう意味でも是非発展して欲しいと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

確かに物流がすっきりするとその分交通渋滞や物流関連の労働力不足を緩和出来ます。

ですから、Hakobuなどによる物流の新構想は物流関連の課題を解決するうえで的を射ていると思います。

 

さて、“部分最適(Partial Optimization)”ではなく“全体最適(Total Optimization)”を重視すべきだという考え方があります。

物流業界に限らず、多くの業界ではまだまだ個々の企業単位での業務の最適化における取組が進められております。

しかし、より多くの企業が“全体最適”に近づける方向で協業することによって、省力化、あるいは生産性向上というメリットを得られ、しかもこうした取り組みを国内のみならず、世界的に普及させれば、世界規模での省エネ化が進み、エネルギー問題や環境問題の解決にも少なからず貢献出来ます。

 

ということで、“全体最適”をキーワードにあらゆる業界が業務プロセスの共有化を進めるべきだと思います。

そして今回ご紹介したHakobuなどによる取り組みはその先駆けの一つと言えるのです。


 
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2020年01月27日
アイデアよもやま話 No.4549 さまよう博士 ― 日本の将来に必要な研究者とその実情!

技術立国を目指す日本の将来に先進的なテクノロジーに取り組む研究者は欠かせません。

またテクノロジー関連以外の分野の研究者の育成も国として必要です。

そうした中、昨年9月15日(日)放送の「テレメンタリー2019」(テレビ朝日)で“さまよう博士“をテーマに取り上げていたのでご紹介します。

 

脇 崇晴さん(40歳)は独身、3年前(放送時点)に九州大学大学院で博士号を取得し、今は九州大学の専門研究員で、専門は哲学です。

研究職にはつけずアルバイトで生活を続けています。

将来に不安を抱える研究者は少なくありません。

その背景には、ある国策が関係しています。

こうした状況に、「博士漂流時代」の著者、榎木 英介さんは次のようにおっしゃっています。

「日本の研究はかなり悲惨な状態になりつつあるのではないかと思っています。」

 

昨年9月早朝、移転を間近に控えた九州大学箱崎キャンパスの研究室から火が上がりました。

焼け跡からガソリンの携行缶やライターとともに男性の遺体が見つかりました。

焼身自殺を図ったと見られています。

46歳の男性は九州大学の博士課程に在籍していましたが、8年前(放送時点)に籍を失っていました。

しかし、他の大学などで非常勤講師を続けながら、研究室に居座り続けていました。

その仕事も無くなった後は引っ越しのアルバイトで食いつないでいたといいます。

研究を志した男性の死、脇さんはその境遇に自分を重ねずにいられませんでした。

脇さんは次のようにおっしゃっています。

「生活が不安定だと精神的にもいろいろと、このままで大丈夫なのかだとか、安定しないことがありまして・・・」

 

山口大学を卒業した脇さん、23年前(放送時点)に九州大学の大学院に入り、文学博士号を取得しましたが、これまで正規の研究職にはつけていません。

脇さんのように博士過程を終えた後、任期付きで大学などに在籍する研究者はポストドクター、ポスドクと呼ばれています。

言わば、研究の世界の非正規労働者です。

国や大学から奨励金をもらうポスドクもいますが、脇さんは研究者としての収入はゼロです。

 

脇さんが哲学の研究に没頭するきっかけになったのは、明治時代の思想家、清沢 満之で、今はこの思想を研究テーマとしています。

そして、その思想は脇さん自身の生き方にも影響しているといいます。

 

脇さんは西南学院大学(福岡市)で非常勤講師のアルバイトをしており、それが唯一の収入源です。

取材した日の1コマ目の講義は哲学、講義が終わると慌ただしく次の教室へ移動します。

講義では専門分野の哲学だけでなく、ドイツ語なども教えています。

文献の読み込みや資料作りなど、準備にもかなりの時間がかかります。

昼食を終えると、一息つく間もなく次の講義、1日の講義時間は合わせて4時間半、ほとんど立ちっぱなしで話し続けます。

脇さんは次のようにおっしゃっています。

「この後勉強しようと思っても気力がないぐらい。」

「授業の前後に時間があってもなかなか出来ないです。」

 

他の大学や専門学校でも非常勤講師の掛け持ちをしています。

脇さんは次のようにおっしゃっています。

「基本的に遊びに(時間を)使うということはなく、授業の準備に使うのがほとんどです。」

「論文をちゃんと書かないと業績にならなくて、業績が増えないと就職が難しいままという悪循環。」

 

脇さんの月収は10万円程度、大学が夏休みなどに入ると、ほとんどなくなってしまいます。

脇さんのように非常勤講師の仕事で生計を立てるポスドクは多いといいます。

 

さて、ユーモアを交えて紹介されるポスドクの生活、掲載されているのはその名も「月刊ポスドク」、同人誌です。

正規の研究者になれないポスドクの悩みや体験談に加え、様々な情報が綴られています。

「月刊ポスドク」の編集者で元ポスドクの平田 佐智子さんは次のようにおっしゃっています。

「最初はすごく面白がってもらえましたね、なんだこれみたいな感じで。」

「それでポスドクというものを、それぞれポスドクさんたちが「私も書きたい」みたいなかたちで書いて下さって。」

 

心理学が専門の平田さん、博士号取得後、研究職を目指し、ポスドクとして3つの大学を渡り歩きました。

当時は1年更新の研究奨励金をもらうことが出来ましたが、4年後には審査に落ち、その生活は終わりました。

平田さんは次のようにおっしゃっています。

「その当時は挫折でしかなかったですね。」

「すごく落ち込みましたし、もう研究出来ないのかなっていうので。」

 

平田さんは研究の道を断念し、2年前(放送時点)から介護関係の会社のデータ分析部門で働いています。

研究で身に付けたスキルを買われたかたちですが、仕事に生かせるのはごく一部です。

平田さんは次のようにおっしゃっています。

「大多数の方がアカデミア(研究の場)以外のところを知らないので、結局そこから外れるということ自体がドロップアウトというか、生き残れなかったんだねっていうような考え方をする人が多いと思いますし、私自身もかつてはその一人でした。」

 

追い詰められる研究者たち、背景には国が進めたある計画がありました。

博士課程を修了しながら正規の研究職に就けない研究者、その数は決して少なくありません。

「博士漂流時代」の著者、榎木 英介さんは、問題の背景には国策が関係していると指摘しています。

「博士号取得者が増えてしまったということですね。」

「その増えるというきっかけになったのは、1990年代前半、バブル期の前に立てられた博士課程の倍増計画。」

 

1991年、国は大学院重点化政策と名打ち、約10年間で大学院の規模を2倍にする方針を打ち出しました。

その方針通りに大学院在籍者数は10年間で2倍以上に増え、その後も数を伸ばしました。(出典:学校基本統計)

当時について、榎本さんは次のようにおっしゃっています。

「少子化なんかもあって大学教員のポストはそんなに増えなかった。」

「バブルの崩壊で民間企業などの需要が無くなっても、行先が無いのに博士号取得者がどんどん作られる事態がありまして・・・」

 

行き場を失った研究者たちは非正規の研究者であるポスドクとなりました。

2015年の時点でその数は全国で約1万6000人に上っています。

国策が生み出した研究者の“余剰”、その仕掛け人である文部科学省が番組の取材に応じました。

文部科学省大学改革推進室の平野 博紀室長は次のようにおっしゃっています。

「当時の欧米諸国に比べて我が国の大学院生の数が非常に少ないということで、研究者のみならず、社会の様々なところで活躍出来る人材を大学院から輩出出来るように大学院の量的整備と質的整備を進めることを目的に始めたものでございます。」

 

しかし、現実には当初の見込みに比べ博士の社会進出は伸び悩みました。

この見込みの甘さについて、平野室長は次のようにおっしゃっています。

「平成3年(1991年)に中央教育審議会が答申をした時、当時企業へのアンケートも行ったうえで、実際にその程度の数を増やしても受け入れる社会的な余力があると判断をして、その方針に従って大学院を各大学が量的に増やしてきたというところがあります。」

「その産業界の側の受け入れが思ったよりも進まなかった。」

「(見込み違いだったのかとう問いに対して、)平成3年(1991年)から平成12年(2000年)に(大学院在籍者を)増やす時に、多くの修了者が社会の各層で活躍していく姿を描いたことは恐らく事実であろうと。」

「そこと今の状況にギャップがあることも全くその通りだと思います。」

 

ここ数年、文部科学省は民間企業でも研究者が活躍出来るよう様々な政策を講じています。

しかし、大学教員以外の職に就けるポスドクは1割に満たないのです。(2016年度)

榎本さんは次のようにおっしゃっています。

「博士号取得者一人を育成するのに数千万円から一説では1億円ぐらいの国費が投入されていると言われています。」

「そういった人たちをある種の自己責任ということで「勝手にしろ」っていうふうに切り捨ててしまったことで、その1億円が全然回収されないまま今に至って40代になっても中々安定した職が得られないという人たちが沢山いるという状況を生み出しています。」

「これは社会にとっても非常に悲劇だと思っています。」

 

ある日、九州大学のキャンパスに出向いた脇さん、後輩に頼まれてドイツ語の勉強会を開いていました。

指導しているのは、来年(2020年)博士課程に進む後輩です。

脇さんは次のようにおっしゃっています。

「いろいろ難しいことが起こるとは思いますけど、是非頑張って学問の道に進んで行ってくれたらいいかなと・・・」

 

研究の道を志す若者、しかし脇さんの境遇を目の当たりにして気持ちが揺れています。

ポスドクの苦境は若手研究者たちにも暗い影を落とし始めています。

ポスドクなど、研究者の窮状を肌身に感じている学生たち、現実的な選択をする学生も少なくないといいます。

脇さんの担当教員、吉原 雅子准教授は次のようにおっしゃっています。

「それはすごく残念ですけど、でもこちらも就職先を保証出来ないので強く言えないんですよね。」

「だから、「しょうがないね」って言って、「就職先で頑張ってね」って言いますけど、「就職先さえあるんだったら進学したかったのに」と言う子は沢山いると思います。」

 

国が描いた青写真と厳しい現実とのギャップ、その狭間で博士たちはさ迷い続けています。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず番組の内容を以下のように整理してみました。

・1991年当時、欧米諸国に比べて我が国の大学院生の数が非常に少なかった

・そこで、研究者のみならず、社会の様々なところで活躍出来る人材を大学院から輩出出来るように大学院の量的整備と質的整備を進めることを目的に、国は大学院重点化政策と名打ち、約10年間で大学院の規模を2倍にする方針を打ち出した

・その方針通りに大学院在籍者数は10年間で2倍以上に増え、その後も数を伸ばした

・しかし、現実には当初の見込みに比べ博士の社会進出は伸び悩み、行き場を失った研究者たちは非正規の研究者であるポスドクとなり、2015年の時点でその数は全国で約1万6000人に上っている

・脇さんのケースでは、他の大学や専門学校の非常勤講師の掛け持ちで月収10万円程度で、これは国が定める最低生活費13万円よりも3万円ほど少ない

・こうした状況では業績につながる論文を書く時間があまり取れず、業績が増えないと就職が難しいままという悪循環に陥っている

・こうしたポスドクの暮らしを目の当たりにして、周囲の学生たちも研究者への道を志すうえで不安を抱えている

・こうした見込みの甘さは、1991年当時、企業へのアンケートも行ったうえで、見込んだ程度の数を増やしても受け入れる社会的な余力があると判断し、その方針に従って大学院を各大学が量的に増やしてきたところにあると見られている

・博士号取得者一人を育成するのに数千万円から一説では1億円ぐらいの国費が投入されていると言われている

 

そもそもポスドクのような研究者の国の視点から見た位置付けですが、特にテクノロジー関連においては、世界的に優位な先進的テクノロジーの研究者の育成はとても重要です。

しかし、一方で博士号取得者の育成には一人当たり数千万円から一説では1億円ぐらいの国費が必要だといいます。

また、こうして育成されたポスドクの方々が安心して研究を続けるためには安定的な収入が必要です。

一方、少子化に伴い、大学で受け入れられるポスドクの方々の数は減少傾向にあります。

また、就職先も今後ビジネスとして期待出来るAIやロボット関連など一部の研究分野のポスドクを除いて、受け入れられる余地も減少傾向にあります。

 

こうしてみると、欧米諸国に比べて我が国の大学院生の数が非常に少ない状況であるという認識に立って、大学院生を増やそうという国策は間違っていなかったと思います。

しかし、だからと言って質的なハードルを下げてまで量的に増やそうという考え方は間違いだと思います。

 

では、量的、質的にポスドクなどの研究者数を一定数以上維持していくためにはどのような対応策が必要なのでしょうか。

以下に私の思うところをまとめて観ました。

・ポスドクなどの研究者が常に安定した収入を得て、研究を続けられるための受け皿を用意しておくこと

  どのようなビジネス環境にも左右されない収入の場を用意しておくこと

   例えば、国関係の研究機関の非常勤勤務や学校の非常勤講師など

・研究者の一定以上の質の維持を目指して、積極的に海外の優秀な若い人材にも門戸を開くこと

・ポスドクに限らず、大学院生なども対象に、研究テーマを一般公開し、そのテーマに興味を示して資金提供する企業とのマッチングの場を設けること

・国策に合致する重要な研究テーマに取り組む研究者に対しては、国費で安心して研究に取り組める環境を整備すること

 

ということで、ポスドクを巡っては、博士を量産するだけでなく、その後も安心して研究を続けられる環境づくりがとても大切であることを番組を通して理解しました。


 
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2020年01月26日
No.4548 ちょっと一休み その705 『日本は食の先進国!?』

昨日は昨年10月から12月にかけて放送された木村 拓哉(キムタク)主演のドラマ「グランメゾン東京」(TBSテレビ)を通して、プロジェクト管理の中の標準化、最適化、プロセス改善という3つの管理項目に焦点を当ててご紹介してきました。

 

さて、世界で一番有名といっても過言ではないグルメガイド「ミシュランガイド」にも興味が湧いてきて、ウィキペディアを検索してみたら以下のような記載がありました。

 

2010年版からは審査員は全員日本人となり、京都・大阪版が発行されるとともに東京が3つ星数でパリを凌駕、2011年版では日本版合計の3つ星数が26となり、フランスと並ぶ。

 

日本版の獲得星数の多さについては、総責任者ジャン=リュック・ナレ(既に退任)はレストラン数の多さに加え、日本料理の料理人に数世代、数百年かけて伝えられた料理人固有の技術と伝統の継承性、専門性を高く評価する姿勢を示しており、「日本の料理人は、15年も20年も修業して伝統の技を受け継ぐ熱意を持っている。そんな国、欧州にはどこにも残っていない」「世界一の美食の都は他を大きく引き離して東京だ。2番京都、パリは3番。日本は食べるだけの目的で行く価値がある国だよ」と評している。

 

ということで、日本は“食の先進国”と言えるのです。

日本にはフランスと並ぶほどの3つ星数を獲得しているお店があるとは知りませんでした。

また、元責任者の言われた「日本は食べるだけの目的で行く価値がある国だよ」は最高の褒め言葉だと思います。

 

今年は東京オリンピック・パラリンピックの開催年でもあることから、多くの方々が訪日されます。

当然、競技の観戦だけでなく、観光や日本食も楽しみにいらっしゃると思います。

観光立国を掲げている日本としては、この機会に日本食、および“おもてなし”など日本独自のサービスを堪能していただき、より多くの方々にリピーターになっていただければと思います。


 
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2020年01月25日
プロジェクト管理と日常生活 No.625 『テレビドラマ「グランメゾン東京」をプロジェクト管理の視点から観たら・・・』

昨年10月から12月にかけて放送された木村 拓哉(キムタク)主演のドラマ「グランメゾン東京」(TBSテレビ)を録画しておき、ようやくお正月休みにまとめて観ることが出来ました。

それほど内容に期待していなかったのですが、観始めるとどんどん番組に引き込まれ、いろいろな意味で楽しめました。

この番組は、二つ星から陥落した型破りのフレンチ料理人が仲間とともに挫折からもう一度、三ツ星達成という夢に立ち向かうという内容です。(あらすじはこちらを参照)

そこで、今回はこの番組を通して、プロジェクト管理の視点から私の思うところをお伝えします。

 

ドラマでは主人公たちが立ち上げたフレンチ料理のお店「グランメゾン東京」の見習い料理人の裏切りで新たに開発された大事な料理のレシピ(料理の調理法を記述した文書)が競合店に渡ってしまうという一幕がありました。

しかし、「グランメゾン東京」のシェフたちは驚きませんでした。

その理由について、ドラマでは見習い料理人の裏切りの告白の場面で以下のようなやり取りがあります。

(店の女性オーナー)

「仕入れた鰆(さわら)の状態によって、その都度調理法も変わるのよ。」

「乾燥の時間とか、オーブンの温度とか、その日の気温や湿度で変えているんだから。」

「真似出来るもんならやってみろというのよ。」

 

(主人公)

「鰆(さわら)のローストだけじゃないからな。」

「ナスのプレッセ、シカのロフィ、うちの店で簡単に真似出来る料理なんて一つもない。」

「俺たちの仕事は甘いもんじゃないんだよ。」

「ま、真似事でやっている店は腐るほどあるけれど。」

「三ツ星狙うんだったら、自分で本物を生み出すしかねえんだよ。」

 

また、入手したレシピをもとに、競合店のシェフが料理したものは満足のいくレベルではなく、結局採用されませんでした。

 

ちなみに、私の馴染の横浜中華街の中華料理のお店では自家製の麺を使っていますが、やはり天候により麺の作り方を変えているといいます。

 

レシピはプロジェクト管理における標準マニュアル(標準書)に相当します。

標準マニュアルは誰がそれに従って作業しても成果物を一定の品質以上にするうえではとても重要です(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.308 『無印良品にみる標準マニュアルの威力!』

しかし、標準マニュアルはあってもやはり作業する人のスキルレベルによって大なり小なり品質の差は出て来るのです。

レシピさえあれば完璧にレシピの考案者と同じレベルの料理が出来るわけではないのです。

考えてみれば、ビジネスのみならずスポーツなど他の世界でもいろいろなマニュアルがありますが、そのマアニュアルさえ読めば誰でも同じように出来るということはないのです。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.345 『原発事故対応にみる標準マニュアルの限界』

 

このように現実の世界では、料理に限らず、標準マニュアルをベースに様々な工夫が凝らされているのです。

それが最適化です。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.66 『中華レストラン「餃子の王将」の絶好調の秘密 - テーラリング(最適化)』

この最適化こそが料理のプロの腕の見せ所であり、お店の評判につながるのです。

 

更に、この標準マニュアルに沿っていつまでも同じプロセスを繰り返していては進歩がありません。

耐えざるプロセス改善が必要なのです。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.69 『今こそ最もプロセス改善の真価が問われる時』

これについて、ミシュランガイドでは、ミシュランガイド調査員が星を獲得しているお店を何年かごとにお客として訪れ、評価次第で星の格付けから落とされてしまうシステムなのです。(詳細はこちらを参照)

ですから、ミシュランガイドは単にお店の格付けをするたけでなく、お店に対して耐えざるプロセス改善を促しているのです。

 

ということで、今回はプロジェクト管理の中の標準化、最適化、プロセス改善という3つの管理項目に焦点を当ててご紹介してきました。


 
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2020年01月24日
アイデアよもやま話 No.4546 水道代を大幅に節約出来る奇跡のノズル!

昨年9月13日(金)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で水道代を大幅に節約出来るノズルについて取り上げていたのでご紹介します。

 

先週(放送時点)、東京ビッグサイトで開催された「東京インターナショナルギフトショー秋2019」は20万人のバイヤーたちが売れる商品を探しに訪れる日本最大規模の商談見本市です。

目の肥えたプロのバイヤーたちがこれから爆発的にヒットすると選ぶ2つの注目商品がありました。

前回は町工場発の吸水性抜群タオル「エアーかおる」についてご紹介しましたが、今回は水道代を大幅に節約出来る奇跡のノズルについてです。

 

この商品「バブル90」は聞き慣れませんが、スシローやいきなりステーキ、東急ストアなどの洗い場で続々と導入されており、いきなりステーキでは年間3000万円、東急ストアでは年間1億円の水道代節約を実現しているのです、

更に、節水しているとは思えないくらい水圧が強くて汚れも落ち易いといいます。

節水しながら洗浄力がアップしているというのです。

 

いったいなぜそんなことが可能なのでしょうか。

「バブル90」を開発している株式会社DG TAKANO(東大阪市)の町工場でその秘密を教えてもらいました。

同じ時間、蛇口をひねると、普通の水道に比べて「バブル90」を着けた水道は水の量が約2割とかなりの節約です、

 

続いて同じ水の量で洗浄力を比較すると、「バブル90」の方がしっかりと汚れを落としています。

なぜ少ない水で汚れを落とすことが出来るのでしょうか。

2代目で前社長の高野 善行さんは次のようにおっしゃっています。

「玉状の水がマシンガンのように出ている。」

 

スローカメラで見ると、ノズルから水の球が出ているのが分かります。

通常、水道から出た水は連続的につながって流れています。

しかし、これでは最初に当たった水以外は汚れの上をすべって余分な水として流れてしまうというのです。

一方、球状の水はわずかな量でも万遍なく当たるため、洗浄力も高くなるといいます。

水が節約出来て、洗浄力も高いということで、今や全国1万店で導入される「バブル90」ですが、当初は小さな町工場が開発したということで相手にされなかったといいます。

3代目の現在の社長、高野 雅彰さんは次のようにおっしゃっています。

「4,5年間売れなかったんですね。」

「一番大変な時で1億5000万円くらいまで借金があってですね・・・」

 

“一度使ってもらえば、良さは分かってもらえるはず”、そう考えた社長は無償で「バブル90」を提供することにしました。

3代目社長は次のようにおっしゃっています。

「タダでいいんで、とりあえず付けさせて下さいと。」

「でも2ヵ月後、水道代がどうなっているのか見て下さいと。」

 

無償で提供した居酒屋では水道代を3分の1に減らすことが出来、「バブル90」は瞬く間にバイヤーなどに広まり、導入する企業が急増したのです。

2代目前社長は次のようにおっしゃっています。

「(当時に比べて今の年商は、)100倍。」

 

また家庭向けの「バブル90」は2020年(今年)春の発売を予定しているといいます。

 

バイヤーがうなった2つの逸品、「エアーかおる」と「バブル90」は町工場の確かな技術とものづくりへの熱い情熱が込められていました。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

普通の水道に比べて「バブル90」を付けた水道は水量を約2割まで節約出来、しかも同じ水量での洗浄力も優れているというのですから、「バブル90」はまさに画期的な商品と言えます。

「バブル90」は企業や一般家庭の水道料金を大幅に削減出来ますから、その分国レベルの水の需要を削減出来、従ってその分水の供給源であるダム建設も少なくて済みます。

 

こうしたメリットはノズルから出る球状の水はわずかな量でも万遍なく当たるために得られるといいます。

このアイデアは、通常は水道から出た水は連続的につながって流れていますが、これでは最初に当たった水以外は汚れの上をすべって余分な水として流れてしまうという観察結果がきっかけだといいます。

 

以前にもお伝えしたように、現状を正確に観察し、その結果をベースにあれこれ考えていくと思いもよらないアイデアが生まれるのです。

アイデア誕生のプロセスはこうした現状認識から始まるものと、もう1つ“こんなものがあったらいいな”という閃きからスタートする場合があります。

どちらのプロセスを経るにしても、現状を正確に観察することがとても大切なのです。

 

なお、「エアーかおる」と同様にこの技術が国際特許を取得しているかどうかは分かりませんが、今後とも価格次第で国内外で多くの引き合いが期待出来ると思います。

その結果、「バブル90」は世界規模での“省水”(水の消費量削減)に大きく貢献出来るものと期待出来ます。


 
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2020年01月23日
アイデアよもやま話 No.4546 町工場発の吸水性抜群タオル!

昨年9月13日(金)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で町工場発の吸水性抜群タオルについて取り上げていたのでご紹介します。

 

先週(放送時点)、東京ビッグサイトで開催された「東京インターナショナルギフトショー秋2019」は20万人のバイヤーたちが売れる商品を探しに訪れる日本最大規模の商談見本市です。

目の肥えたプロのバイヤーたちがこれから爆発的にヒットすると選ぶ2つの注目商品がありました。

その1つが1時間で1億円を売り上げた脅威のタオル、「エアーかおる」です。

東急ハンズ名古屋店でも爆発的に売れているのがこのタオルです。

ちなみにその価格(税込み)は、バスタオルが4320円、半分サイズが2376円です。

最も売れているサイズで1枚2000円以上する少々高めのタオルですが、月1500枚ほど売れていますが、一番多く売れた時は3000枚売れたといいます。

他のメーカーのタオルだとどんなに売れても月に50枚程度ですが、「エアーかおる」は実に30倍の売り上げを誇っているのです。

 

「エアーかおる」はなぜそんなに売れているのでしょうか。

「エアーかおる」は吸水力がとんでもないというのです。

このタオルを使っている女性を取材すると、次のようにおっしゃっています。

「すごく水分を取ってくれるので、ドライヤーは2分かけたぐらいで乾いちゃいますね。」

 

このタオルを開発したのは岐阜県にある町工場、浅野撚糸株式会社です。

取材に訪れ、早速その吸水力を見せてもらうことにしました。

普通のタオルと「エアーかおる」に同じ1200ccの水をかけると、普通のタオルは吸いきれず溢れてしまいましたが、「エアーかおる」は全部吸いきれました。

この半端ない吸水力の理由について、浅野 雅巳社長は次のようにおっしゃっています。

「糸って隙間がないんですよ、基本的には。」

「その糸に隙間を作ったんです。」

 

通常のタオルは、細い糸をより合わせて1本の糸にして織っていきますが、「エアーかおる」に使われているのは普通の綿の糸とお湯に溶ける特別な糸、この2つでタオルを作り、発売前にお湯に浸すと特別な糸はお湯に溶け、隙間が生まれます。

この隙間が抜群の吸水力とふわふわした軟らかい触り心地を実現しているのです。

浅野社長は次のようにおっしゃっています。

「最近だと新記録、1時間に1億円売りました。」

 

今でこそ会社の看板商品になった「エアーかおる」ですが、発売当初は価格が高かったこととノンブランドであったことから全く売れなかったといいます。

中国を始めとした外国製の安い製品の方が好まれ、会社の業績は悪化し、倒産寸前になりました。

不本意ながら社員のリストラをしたといいます。

浅野社長は次のようにおっしゃっています。

「私は30人いた社員を9人にしましたから、一人ずつ呼んで社員を解雇していく、まあ地獄ですよね。」

 

そんな大ピンチを救ったのは妻であり副社長でもある、真実さんの何げない一言だったといいます。

真実さんは当時について次のようにおっしゃっています。

「バスタオルって大きいじゃないですか。」

「こんなに吸水が良いタオルが出来たのなら、半分の(サイズ)を作ってって・・・」

 

タオルの幅を半分にしてみたところ、“洗った髪が簡単に巻ける”と女性を中心に大ヒットしました。

浅野社長は次のようにおっしゃっています。

「良い嫁もらったなと思いましたよ。」

「それまではそうでもなかった。」

「きつい嫁もらったなと思って、しまったと思ったですね。」

 

「エアーかおる」の大ヒットの裏には内助の功があったのでした。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

番組を通してあらためて思うのは、商品の売り上げを左右する主な要件、すなわち以下の4つです。

・魅力

・品質

・価格

・知名度

 

「エアーかおる」は吸水性抜群の魅力的なタオルですが、当初は価格が高くて売れなかったわけです。

しかし、商品の魅力は落とさずに低価格商品として売り出すことにより大ヒットにつながったのです。

そして、「エアーかおる」は今では1時間に1億円を売り上げるほどに成長したのですからブランドとしても確立出来たわけです。

 

その成功の秘密は、普通の綿の糸とお湯に溶ける特別な糸の2つでタオルを作り、発売前にお湯に浸すことで特別な糸はお湯に溶けて隙間が作られ、この隙間が抜群の吸水力とふわふわした軟らかい触り心地を実現していることにあるといいます。

この製法が国際特許を取得しているかどうかは分かりませんが、「エアーかおる」は今後とも国内外で多くの引き合いが期待出来ると思います。


 
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2020年01月22日
アイデアよもやま話 No.4545 ファクトフルネス、そして風通しの良い社会風土の重要性!

前回、3年待ちの人気家庭教師について取り上げ、教育の重要性についてお伝えしましたが、同様にファクトフルネス、そして風通しの良い社会風土も重要です。

そこで、今回はこのことについて私の思うところをお伝えします。

 

まずファクトフルネス(参照:アイデアよもやま話 No.4490 “ファクトフルネス”の必要性!)についてですが、どのような教育においても事実がベースでなければねじ曲がった、あるいは誤った内容を教えてしまうことになるからです。

中でも歴史教育などでねじ曲がった事実を学校で教えてしまうと、誤った歴史観やある国に対する間違ったイメージを生徒に植え付けてしまい、友好な外交関係を築くうえでも障害になりかねません。

また、言うまでもなく、ファクトフルネスは学校教育を離れて、社会人になっても物事を考えるうえでのベースになるのでとても重要なのです。

 

次に風通しの良い社会風土の重要性についてです。

どのような立場の人であっても、その人が素晴らしい提案をしたら受け入れる風土でなかったら“宝の持ち腐れ”になってしまいます。

ですから、国、自治体、企業、学校などあらゆる組織、あるいは家庭においても“良いものは良い、悪いものは悪い”という風土を徹底させることもとても重要なのです。

ちなみにこうした風土を徹底させることにより、国や企業内における不正行為、あるいはパワハラやセクハラなどのハラスメントも早期に発見出来るなどの副次効果も出てきます。


 
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2020年01月21日
アイデアよもやま話 No.4544 3年待ちの人気家庭教師!

昨年9月12日(木)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で3年待ちの人気家庭教師について取り上げていたのでご紹介します。

 

東京都内で行われた中学受験対策セミナー、熱弁を振るうのがプロの家庭教師、安浪 今子さん、定期的に開催されるこのセミナーは毎回すぐに予約が埋まるほどの人気ぶりだといいます。

安浪さんは“超”が付くほどの人気家庭教師で最長3年待たないと受講出来ないほどの予約が殺到しているといいます。

 

待ってでも子どもに習わせたい授業とはどのようなものなのでしょうか。

なんと安浪先生は算数しか教えないといいます。

ある日、小学5年生の男の子のお宅に来て教える安浪先生、この日は1時間の授業のうち30分は雑談、こんなことで成績は伸びるのでしょうか。

こうした教え方について、安浪先生は次のようにおっしゃっています。

「全部授業だと飽きるんですよ、子どもが。」

「だからやっぱり(雑談を)挟み込んでうまく集中力を途切らさないようにしているという感じですよね。」

 

雑談で集中力をコントロールしているといいます。

そして、算数の問題に集中させると、簡単な計算問題でも正解したら大きなリアクションで褒めまくります。

これが子どもの成功体験につながるといいます。

続いては、計算問題を出して子どもが解くと、あえて計算の過程を聞き出しました。

安浪先生は次のようにおっしゃっています。

「論理的思考力(を養うため)ですよね。」

「算数って速さとか割合とか、文章が3〜4行なるようなもの。」

「問題を読んでここまでストーリーを全部考えないといけないですよね。」

「いかに自分で全員に納得のいく数式というもので書いていくかという作業は論理的そのものですよね。」

解く過程を順序立てて考えさせることで、より深く理解させる狙いです。

この生徒の母親はこうした教え方について次のようにおっしゃっています。

「一生徒とかという向き合い方じゃないんですよね。」

「多分、恐らく自分の息子のように寄り添っていただいているのが本当に実感出来るので、本人から自ら何も言わずに机に向き合うというのがまず大きな変化。」

 

気になる指導料金は1時間当たり2万円、高額にも係わらず他にはない圧倒的な指導力が人気を呼び、予約が殺到し続けているのです。

 

なぜこの指導方法に行き着いたのでしょうか。

安浪さんは大学卒業後、派遣社員のお天気キャスターとして活動していました。

しかし収入が少なく、生活費の足しにと副業で始めたのが家庭教師だったといいます。

当時について、安浪さんは次のようにおっしゃっています。

「その中で、算数を教えていて小学生と話すのが楽しいというのがありましたね。」

 

すると、キャスターで培った“話術”と分かり易い“指導法”が話題になり、2011年に中学受験専門の家庭教師会社、株式会社アートオブエデュケーションを設立するまでになったのです。

安浪さんが教えるのは算数のみですが、次のようにおっしゃっています。

「合格者平均と受験者平均の点差が一番大きいのは算数です。」

「だから差がものすごくつく。」

 

算数の問題を正しく読み解ければ、他の教科にも応用出来ると考えたのです。

夫の勝之さんと小学2年生の長男の3人で暮らす安浪さんは自宅では信じられない過ごし方をしていました。

家でも算数漬け、家族3人で夕食前に算数の問題を解くのが日課だといいます。

気象予報士の勝之さんは次のようにおっしゃっています。

「どういう問題の傾向か、2人でそういうのを分析しながら会話も出来るので夫婦の間で・・・」

 

一方、長男は次のようにおっしゃっています。

「問題を解いて答えを書いて、正解を見るのが楽しい。」

 

そんな算数愛に溢れた安浪さんの指導を受け、有名私立中学や超難関校に合格した子どもたちはこれまでに100人以上、現在成城大学に通っているKさん(女性)は、受験が終わって10年近く経った今でも安浪さんを慕う教え子の一人です。

Kさんは次のようにおっしゃっています。

「(安浪さんは)先生でもあり、友達でもあり、母でもあるみたい。」

「答えではなく、アドバイスやヒントを下さるという。」

「私をすごく成長させて下さった方ですね。」

 

また慶応大学4年生のYさん(女性)は、安浪さんの指導が就職活動にも生かされたといいます。

「限られた時間の中で自分をどういうふうに表現していくか、そういうところにも(安浪先生の指導は)つながったと思います。」

「社会全体に大きな貢献が出来るような人材になれたらなと思っております。」

 

安浪さんは次のようにおっしゃっています。

「中学受験をとにかく良かったという経験にして欲しいというのがすごく強くて、やっぱり入試って黒か白しか出ないので、その子の本当の頑張りや本当の学力というのを100%評価される場ではないんですが、そこで「自分の能力はこの程度か」とか絶対に思って欲しくないということにずっと子どもにも親にもセミナーでも訴え続けていますね。」

 

なお、安浪流指導法をまとめると以下の3つになります。

1.雑談で集中力をコントロールする

2.大きなリアクションで褒める

3.論理的に考えさせる

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

番組を通してまず思ったことは、安浪先生の算数しか教えないというユニークな教育方針です。

そして、その理由については以下のようにおっしゃっています。

・論理的思考を養えること

・算数の問題を正しく読み解ければ、他の教科にも応用出来ること

・合格者平均と受験者平均の点差が一番大きい教科は算数であること

 

このように安浪先生の教育方針を見てくると、そのエッセンスは次の4つの能力の向上にまとめることが出来ます。

・自主性

・論理的思考

・学ぶ意欲

・集中力

 

この4つの能力は、小中高大を通してあらゆる教科の学習のみならず、社会に出てからも求められる基本的な能力です。

こうした能力が高ければ、自ずと学力は向上すると考えられるのです。

番組の中で紹介された、かつての二人の教え子の感想は、こうした教育方針が功を奏していることを物語っていると思います。

こうした教育方針の対極に位置するのが暗記教育です。

ある程度の暗記力は必要ですが、受験のための暗記で受験を突破出来たとしてもその後の長い人生を送っていくうえで必要なのは暗記よりも論理的思考の方がはるかに重要なのです。

 

これまで学校教育関連については、アイデアよもやま話 No.4501 千代田区立麹町中学校の革新的教育!アイデアよもやま話 No.4534 大手予備校で授業にAIを本格導入!などでお伝えしてきましたが、今回ご紹介した番組も参考に教育の要件についてあらためて、私の思うところをコンパクトに以下の3つにまとめてみました。

・自主性の向上

・創造力の向上

・論理的思考の向上

 

AIの導入や個人授業などは、あくまでもこうした教育要件を満たすための手段として考えるべきだと思うのです。

また、少子高齢化の進行やテクノロジーのすさまじい速さでの進歩、あるいは米中をはじめ海外諸国との経済競争の中で、これからの日本をより住み良いかたちで継続させていくためには中でも創造力の向上がとても重要だと思います。

 

なお、プロジェクト管理と日常生活 No.622 『”世界平和”という一点だけでつながる世界的な国民運動の必要性』などで“いかなる国の指導者も国民の多くの声を無視し続けることは出来ない、従って戦争も阻止出来る”とお伝えしてきましたが、こうした意識レベルの高い国民をより多くすることが出来るかどうかは各国の教育レベルにかかっているのです。

ですから、各国の教育の健全性についても国際的な機関による評価がなされ、不十分な内容、あるいは誤った内容については改善を促すような仕組みがとても重要なのです。


 
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2020年01月20日
アイデアよもやま話 No.4543 上場企業×ユーチューバーによる異例の動画制作!

昨年9月4日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で上場企業×ユーチューバーによる動画制作について取り上げていたのでご紹介します。

 

株式会社Zeppy(2019年6月設立)の井村 俊哉社長たちはユーチューブでZeppy投資チャンネルを運営しています。

井村社長たちの訪問先で待っていたのは東証一部に上場するアステリア株式会社の平野 洋一郎社長です。

井村社長たちはアステリア社内の一室でテーブルや三脚にスマホやマイクをセットします。

井村社長たちが手掛けるのはIR、すなわち投資家に向けた広報の動画です。

ユーチューバーによる制作は異例のことです。

 

アステリアは自社の製品が分かりずらいという悩みを抱えます。

平野社長は次のようにおっしゃっています。

「企業向けで情報システム部門の人が使う人なので、実際に見えるところにないんですよ。」

 

更に平野社長はエレキギターを弾いてクイーンの曲を歌い出しました。

この狙いについて、井村社長は次のようにおっしゃっています。

「普通の決算資料やIR資料で見れないような側面も、投資家としては投資判断に寄与するものかなと思っているので。」

「今日、エピソードで出て来たのが(ギターは)英国の子会社の社長さんがプレゼントしてくれた。」

「子会社の状況とか、海外の子会社って中々分かりずらいので、きちんとつながっているんだっていうところが(分かった)。」

 

「上場会社とかの投資をいろいろしていると、こんなに日本にもいい会社、頑張っている会社があるのに全然気づかれてないなみたいなことにちょっと憤りを感じるようなところもあったりするので・・・」

 

制作したIR動画は9月10日(2019年)にも「Zeppy投資チャンネル」で公開される予定です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

なお、ネットニュース(こちらを参照)によると、Zeppyは投資や経済に特化した日本初のYouTuberプロダクションです。

昨年9月末にYouTubeチャンネル「Zeppy投資ちゃんねる」を立ち上げ、スタートから約2ヵ月間でチャンネル登録者数17,000名を獲得し、現在までに60番組を制作し総再生回数は60万回を超えるなど国内有数の株式投資系YouTubeチャンネルとして急拡大を続けています。

また、Zeppyには投資分野で発言力のあるYouTuberや経済評論家が10名超所属し、専門的な見地による動画コンテンツが若年層にとどまらず50代前後までの中堅層からの支持も得ていることが特長です。

 

以上、ネットニュースの一部をご紹介してきました。

 

今やユーチューブは私たちにとって動画を通した情報共有のインフラ的な中心的存在になっています。

また動画による情報発信なので、“百聞は一見に如かず”と言われるように文字だけの情報に比べて説得力があります。

そうした中、今回ご紹介したZeppyによるユーチューブを通した企業関連情報の配信の取り組みはこれまでの企業の紹介方法に比べて、一歩突っ込んだ親しみを感じさせるような、あるいはこれまでにないような視点からの情報提供だと思います。

ですから、Zeppyには客観的な立場で正確な情報をベースにリアルな企業の活動状況を提供していただきたいと思います。

 

さて、人気ユーチューバーの中には億単位のお金を稼ぐ人たちが誕生しています。

ですから、Zeppyのこうしたビジネスも短期間のうちに億単位の売上につながるのではないかと見込まれます。


 
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