2017年03月29日
アイデアよもやま話 No.3663 母の死に際して その3 母の教えから得た教訓!

先日、自身の誕生日を迎えて間もなく私の母は89歳で亡くなりました。

そこで母の死に際し、今の私の気持ちについて6回にわたってお伝えしたいと思います。

皆さんが身近な方を亡くされた際、気持ちの整理がつかない時、あるいは大変な落ち込みに悩まされた時に、少しでも助けになればと思います。

3回目は、母の教えから得た教訓についてです。

 

母は私の実家の長女として生を受け、幼少の頃から家を守るようにと躾けられてきたという話を私たち兄弟によくしておりました。

また、長男である私には家を継いでしっかり守るようにとよく聞かされてきました。

若い頃の私は、家を守るということの意味をあまり深く考えることはありませんでした。

また、家を守るというと、特に核家族化の進んだ都会の若い人たちにとっては古臭い響きがあると思います。

しかし、年とともに家を守るということの根底にあるものについて私なりにいろいろと考えるようになりました。

そして両親をはじめ、何世代にもわたっての先祖の様々な営みの積み重ねの延長線上に今の自分は存在しているのだと最近思い始めました。

そして、先祖に対する感謝の念を、あるいは敬愛の念を強く持つようになりました。

これは何も私の実家に対してのみではなく、また周辺の方々だけではなく広くは日本のみならず、何らかのかたちで係わる世界中の、言わば人類という枠においてのことです。

そして、今を生きている私たちにはしっかりとその営みを引き継ぎ、次の世代に引き継ぐ責任があるという想いに至りました。

もし、こうした想いを宗教の違いに限らず世界中の人たちが持つようになれば、争いや戦争は無くなると思います。

 

こうして、いつの頃からか私は毎日のように自宅近くの公園でしばらく太極拳をした後、朝日を拝みながら世界中の人たちの幸せ、そして両親がいつまでも健康でいられるように祈るようになりました。


 
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2017年03月28日
アイデアよもやま話 No.3662 母の死に際して その2 母から私への最後の想いが救ってくれた私の命!

先日、自身の誕生日を迎えて間もなく私の母は89歳で亡くなりました。

そこで母の死に際し、今の私の気持ちについて6回にわたってお伝えしたいと思います。

皆さんが身近な方を亡くされた際、気持ちの整理がつかない時、あるいは大変な落ち込みに悩まされた時に、少しでも助けになればと思います。

2回目は、母から私への最後の想いが救ってくれた私の命についてです。

 

私は今年2月始めくらいから咳がひどくなり、まともに人と話が出来ないほどになりました。

私は花粉症の症状がひどくなったと解釈してずっと耳鼻科の医院にかかっておりましたが、さすがにその先生から内科の医院を紹介され、3月7日に内科の先生に診断していただいたところ、肺炎だと告げられました。

そうしたところ、その翌日実家の父からいよいよ母が危ないのですぐに実家に来いという連絡を受けました。

そこで、内科の先生に相談したところ「今の症状からみて実家に帰ることは勧められない。どうしても行きたいなら、実家近くの病院に入院覚悟で行きなさい」と言われました。

そこで父とも相談の上、実家に行くことを諦めました。

しかし、母の亡くなった3月18日にはほとんど肺炎の症状が収まっていたので、お通夜、および葬儀の席で喪主である高齢の父に代わり喪主としての挨拶をすることが出来ました。

もし3月7日の前に母が亡くなっていれば、当然私は自分が肺炎とは知らず、実家に戻って葬儀の準備に取り掛かっていました。

そうなれば、ほぼ間違いなく実家で倒れ、最悪の場合には私も母の後を追うような状況になっていたとも考えられます。

ですから、今にして思えば、「お前にはまだこの世でやることが残されている。まだ死ぬのは早いよ。」という母の私に対する最後の想いが私の肺炎の症状が収まるまであの世に旅立つのを待っていてくれたのではないかと解釈しています。

 

母はあの世へと旅立ちましたが、霊の存在を信じ、あの世で亡き弟やご先祖様の霊といろいろと語り合うことが出来ると考えれば、残された私たち家族の悲しみのいくばくかは癒される思いです。

 

以前、京都に旅行した際、あるお寺のお坊さんが人は二度死ぬというようなお話をされておりました。(参照:No.100 ちょっと一休み その13 『宗教のあり方』

その心は、1回目はお墓に入ること、2回目は人々の心から消える時点ということなのです。

ですから、母は物理的には亡くなりましたが、私たちの心の中では私たちが忘れない限り母の魂は生き続けているのです。

 

今回ご紹介したことは、あくまでも私の病状と母の死という現実を結びつけて私が自分なりに解釈したことです。

しかし、こうした解釈は私の中では単に解釈したという表現よりも確信した、あるいは実感したという表現の方が的確だと思っています。

 

さて、私は今実現すれば画期的ともいえるあるエネルギー関連の事業に取り組んでおりますが、「お前にはまだこの世でやることが残されている」という母の想いを実感すると、ちょうどスポーツ選手が多くの観衆の応援により大きなパワーを得て、想いも寄らぬ力を発揮して観衆を魅了するような技を展開するように、私も母の死による悲しみとともに事業を進めていくうえで、母から大きなパワーをもらったような想いなのです。

 

人の死というのは、平等で大変な資産家もそうでない人も例外なく死を避けることは出来ません。

ですから、身近な人を亡くした時の悲しみは誰でも平等です。

しかし、そうした時に死を悲しむだけでは、残された自分のしばらくの暮らしはとても暗いものとなってしまいます。

ですから、自分なりにいろいろとイメージをふくらませ、自分が前向きに生きられるように実感出来るような状態に意識的に自分を持っていくということはとても大切だと思います。


 
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2017年03月27日
アイデアよもやま話 No.3661 母の死に際して その1 実感した霊の存在!

先日、自身の誕生日を迎えて間もなく私の母は89歳で亡くなりました。

そこで母の死に際し、今の私の気持ちについて6回にわたってお伝えしたいと思います。

皆さんが身近な方を亡くされた際、気持ちの整理がつかない時、あるいは大変な落ち込みに悩まされた時に、少しでも助けになればと思います。

1回目は、実感した霊の存在についてです。

 

私は3人兄弟の長男で、三男は土木関係の仕事に就いており、東日本大震災の後、東北地方の復興のため大変心を砕いて尽くしました。

ところが、2年ほど前、連日の働き過ぎのため出張中のホテルで夜間寝ている間に54歳という若さで亡くなりました。

 

私は現在横浜市在住で、鎌倉で毎年1回行われている「白熱教室in建長寺」という催しに出席しております。

そして、以前、「魂は存在するのか、また死後の世界はあるか」というようなタイトルである由緒ある神社の神主が死後も魂は存在すると講演でおっしゃっておりました。

 

そうしたところ、私も今年自ら霊の存在を実感しました。

といいますのは、私は早寝早起きで朝は3時前後には起きてリビングルームで過ごすような生活のリズムで暮らしております。

そして、1月15日の3時過ぎに突然置時計がけたたましい音を出したのです。

驚いた私はすぐに音が鳴りやむようにリセットしました。

ところが、何秒かするとまた音が鳴り出しました。

これが3回ほど繰り返され、さすがに時計の電池を取り出しましたらようやく音がしなくなりました。

なんだろうと不思議に思っておりましたら、その日たまたまリビングルームでテレビを見ていた妻がこの日、1月15日は亡くなった弟の命日だと教えてくれました。

そこで、亡き弟が今日は自分の命日だと知らせているのだと感じたのです。

このような体験はこれまでの私の人生で初めてでした。

勿論、その日の朝、実家の父や亡き弟の家族にもこのことを知らせました。

今から思えば、母の病状から、あるいはもうしばらくで89歳を迎えるという高齢から母はこの先あまり長くないので三男が自分の分も含めて母に出来るだけ寄り添って欲しいというメッセージを発信していたのかも知れません。

 

それにしても何年も前から置きっぱなしの置時計がよりにもよって深夜3時過ぎに、しかも弟の命日に突然なり出したという事実には驚かされます。

霊の存在については、人それぞれで信じる人もいれば信じない人もいます。

しかし、このような体験をすると霊の存在を実感しないわけにはいきません。

 

ここで思い出されるのは以前ご紹介したフィクションという考え方です。(参照:アイデアよもやま話 No.3643 世界が注目するベストセラー「サピエンス全史」の指摘 その1 認知革命!

今だから言えますが、私たち人類の祖先、すなわちホモ・サピエンスは今回私が体験したような事実、すなわちある時突然ふだん起こりえない何かが起きたこと、そしてそれが別の事実と結びつくことからいろいろと想像を巡らし、霊の存在に対しての確信に結びついたのだということです。

このように現実に起きた様々なことをベースにこれらを結びつけていろいろと考えを巡らせていった、その積み重ねがフィクションという考え方に行き着き、現実という枠から出ることの出来ないネアンデルタール人とは別な種へと進化したのだと思います。

そもそもフィクションという考え方自体がフィクションなのです。


 
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2017年03月26日
No.3660 ちょっと一休み その587 『今大変困っている韓国に対して日本は「北風と太陽」を参考にしてもいいのではないか!』

各種報道によると、今韓国と中国の関係が非常に悪化しており、韓国経済がかなり影響を受けているといいます。

 

関係悪化の理由として、外交専門家の間では、米韓両政府が韓国への地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備の動きを加速させているため、中国側が対韓国圧力を強化したのではないかという見方が出ています。

 

具体的な影響としては、中国当局が韓国製ドラマや映画などの放映、韓国人芸能人の中国国内での広告出演を全面的に禁止する方針だとか、中国から韓国への観光の制限などが挙げられています。

先日のテレビニュースでは、中国からの観光客の激減で韓国の観光地の土産店が閉店に追い込まれたと報じていました。

 

さて、こうした状況下において、日本が韓国に対してどう対処すべきかについて思い付いたことがあります。

それは皆さんご存知のイソップ寓話「北風と太陽」です。

 

確かに、プロジェクト管理と日常生活 No.474 『世界が理性よりも感情により左右される危うさ!』でもお伝えしたように2015年末の日韓合意に反して、釜山の大通り沿いに慰安婦像が設置されました。

これに対しては、日本国民の一人として私も大変憤りを感じていました。

また、国としても駐韓大使の一時帰国という対応で遺憾の意を表しました。

 

しかし、一方で、韓国は日本とともにアジアにおける民主主義陣営の国として、またアメリカとともに対中国における安全保障の観点から大切な同盟国でもあります。

その韓国が北朝鮮への防衛策として「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備をアメリカとともに計画していることが理由で大変な状況に追い込まれているのです。

 

こうした状況において、日本は韓国に対して慰安婦像に象徴される韓国に対する嫌悪感と、一方では同じ民主主義陣営の国として協力すべき国でもあります。

 

ですから日本は外交的に厳しく2015年末の日韓合意の履行を求める一方で、韓国が今のように大変困っている状況では安定した国として協力すべきであるという側面もあるのです。

 

そこで、中国の理不尽な韓国への対応の影響を緩和するという一点で、日本から韓国への観光の推進、あるいは韓国から輸入促進という国家としての対応を考えてもいいのではないかと思いました。

更には、アメリカや他の東南アジア諸国に対して、軍事大国、中国の今回の横暴への対抗措置としてこうした協力をお願いしてもいいのではと思います。

そうすれば、多少なりとも韓国の国民の今の日本に対する見方、考え方も少しは変えてもらえるのではないかと思ったのです。

これが「北風と太陽」における太陽としての対応です。

 

なお、今回お伝えした対応策の根本的な理由は、北朝鮮の軍事的脅威にあります。

ですから、中国が北朝鮮を説き伏せて、韓国の核兵器開発を中止させるようにしてくれれば、「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備は取りやめるという交換条件を中国に対して持ちかけてもいいのではないかと思うのです。


 
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2017年03月25日
プロジェクト管理と日常生活 No.481 『早急に求められるフェイクニュース対策 その2 フェイクニュース発信のリスク対応策!』

最近、偽りの情報、すなわちフェイクニュースが話題を呼んでいます。

そうした中、2月7日(火)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)でフェイクニュースについて取り上げていました。

そこで2回にわたってプロジェクト管理の観点から番組を通してご紹介します。

2回目はフェイクニュース発信のリスク対応策についてです。

 

番組ゲストでネットメディアの最新状況の研究者で法政大学准教授の藤代 裕之さんは次のようにおっしゃっています。

「せっかく一生懸命取材をしてもお金が儲からない、そういう仕組みではなくて、きちんと取材して丁寧な記事を書く人にお金が回るビジネスモデルの構築が求められると思いますね。」

 

また、番組ゲストのジャーナリスト、池上 彰さんは次のようにおっしゃっています。

「とにかくプラットフォームの責任ということですよね。」

「これからはこんなフェイクニュースを放置してていいんですかと言われるその対策がまさに求められるようになってきていると思うんですよね。」

 

フェイクニュースの拡散をどう食い止めるのか、インターネットの入り口となるプラットフォーム企業の対策が始まっています。

1月、世界的なネット企業と大手メディアが一堂に会し、“フェイクニュースをどう排除するか”について議論を戦わせました。

フェイスブックの参加者は、次のようにおっしゃっています。

「この2ヵ月報道機関と議論してきましたが、解決は簡単ではありません。」

「まるで“モグラたたき”のような問題です。」

「私たちは力を合わせなければいけません。」

 

フェイスブックは今、他のメディアと連携し、アメリカなどで新たな対策を始めています。

利用者が事実かどうか疑わしい投稿を通報出来るシステムです。

利用者が画面上のボタンを押すと、フェイスブックに通報が届きます。

通報が一定数超えた投稿は、外部の機関が事実かどうか検証します。

フェイクが疑われる投稿は、連日持ち込まれます。

「オバマ大統領がホワイトハウスに銅像を建てた」という記事が銅像の写真とともにフェイスブックの利用者から投稿されていました。

担当者は記事の発信者を直接取材、カリブ海のプエルトリコにある実際の銅像の写真を加工したことなどを突き止め、フェイクと断定しました。

検証によってフェイクと見なされた投稿には、フェイスブック上で“虚偽が疑われている”と警告が表示されます。

ABCニュースのデジタル部門所属のザナ・オニール編集長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「私たちはジャーナリストのスキルを使って、正確な情報を導き出していきます。」

「重要なことは、常にフェイクニュースに目を光らせて、何が間違っていて何が正しいのか、真実を示していくことなのです。」

 

この他にも2月3日、グーグルは他のサイトから借りてきた文書を切り貼りしたような品質の低いサイトの検索順位を下げる仕組みを導入したと発表しています。

こうした対策について、藤代准教授は次のようにおっしゃっています。

「今まさに始まったばっかりと思うんですね。」

「しかし、インターネットの社会的な影響が高まるにつれて、こういう対策も少しずつ進んでいるわけなので、これはみんなの力でどういうふうな社会、インターネットの利用を進めていくのかってことを考えながら進めていけば必ず解決策は見つかっていくんじゃないかと思います。」

「(例えばどういうアイデアがあるのかという問いに対して、)オリジナルのコンテンツを作っていく人たちにしっかりとお金が回る仕組みを考えていくことが一つ、もう一つはジャーナリズムがキーワードかなと思うんです。」

「ジャーナリズムってことをあまりインターネット企業は考えてこなかったと思うんです。」

「しかし、これからはネット企業はジャーナリズムの一翼を担っているんだという自覚を持ってしっかり社会の中で取り組んでいくことが必要になってくるんじゃないかなと思います。」

 

なお、検閲について、池上さんは次のようにおっしゃっています。

「公的機関がフェイクニュースと断定するか、認定するかということになりますと、まさに検閲そのものになります。」

「それはやっぱりそれぞれのジャーナルズムが自主的に「これはフェイクニュースですよ」という意見を表明するというかたちしかないんだろうなと思うんですが。」

「もう一つはプラットフォームだけではなく、特にインターネットの場合、広告収入を目的にしてフェイクニュースを書く人もいますよね。」

「そうすると、特にインターネットの場合、広告が無作為にいろんなところに出てきたりするわけですね。」

「そういう広告主というのは、例えば新聞や雑誌の場合、あるいはテレビの場合、こういう新聞に公告を出して下さい、この雑誌に出して下さい、あるいはこの番組にやります、ということでやっていますね。」

「インターネットに関しては、そういうことをやっていないからいろんなところに出てしまう。」

「結果的にフェイクニュースのところに広告がワッと出るわけです、現時点では。」

 

インターネットの世界での広告というのは、自分がどこに出しますというのは表明しないのかという問いに対して、藤代准教授は次のようにおっしゃっています。

「仕組み的には可能なんです。」

「しかし、非常に複雑な仕組みがあってブラックボックスのようになっているんですね。」

「しかし、それをある意味インターネットの広告会社は言い訳にしてきた部分があると思うんです。」

「しかし、実は仕組みでいろいろ出来るんです。」

「今は人工知能、AIみたいなものが言われていますから、フェイクニュースを拡散するようなサイト、もしくは発信源に対して広告を止めていく、もしくは広告主がそういうところに出していくのを自覚して止めていくというようなことも当然求められていく。」

 

これについて、番組ゲストで放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんは次のようにおっしゃっています。

「インターネット広告は、無作為のシステムがありながらバナー広告やきちんとした具体的にこのサイトに(広告料を)払って載せるという2種類あると思うんです。」

「ただ、フェイクニュースが難しいのは、今トランプ政権にフェイクニュース管理して下さいって言ったら何が無くなるか不安ですよね。」

「だからアメリカの大統領(による)記事でさえフェイクニュースを利用してきてる面があるので、しかも(自分に)不利なものはヤダって言ってるから、このレベルじゃどうにもなんないですよね。」

 

番組の最後に、では私自身は何をすればいいのかということについての藤代准教授の提言をご紹介します。

それは「家族や友達とニュースについて話そう!」です。

友達や家族と話すと当然意見が違ってきます。

こうした違いを気付けるのは、リアルでニュースを見て話すのが一番良いのではということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組の内容を参考に、フェイクニュース発信のリスク対応策を以下にまとめてみました。

その大前提は、フェイクニュースの取り締り、および管理責任はツイッターやフェイスブックなどプラットフォームを提供する企業にあるということです。

・フェイクニュースかどうかの識別システムを構築すること

  以下はその具体例です。

  利用者が事実かどうか疑わしい投稿を通報でき、通報が一定数超えた投稿は外部の機関が事実かどうか検証出来るシステムの導入(フェイスブックでは既に導入済み)

  AI(人工知能)を活用したフェイクニュース自動識別/警告表示システムの導入

・フェイクと疑われるニュースの検索順位を下げる仕組みの導入(グーグルでは質の低いニュースについて導入み)

・同時にフェイクニュース発信者に警告を与えること

・フェイクニュース発信の常習者には、ニュース発信の権限を一定期間与えないようにすること

 

こうしてまとめてみると、多くの投稿数から人海戦術でフェイクニュースを識別するには限界があります。

更に、外部の機関が事実かどうか検証出来るようにするためにはかなりの労力と費用がかかります。

ですから、早急にAIを駆使したフェイクニュース自動識別/警告表示システムの開発が求められます。

また、リスク対応策の観点からみると、フェイクニュース自動識別/警告表示システム、およびフェイクと疑われるニュースの検索順位を下げる仕組みの導入以外は、フェイクニュースがある程度拡散してしまった後の対応策、すなわちコンティンジェンシープランという位置づけになります。

 

なお、公的機関がフェイクニュースを取り締まるための検閲については、池上さんのおっしゃるように言論や表現の自由とのからみで大変難しいので、やはりプラットフォームを提供する企業の責任において取り締まることが望ましいと思います。

 

また、藤代准教授の提言である「家族や友達とニュースについて話そう!」については、フェイクニュースに限らず、身の回りの人とニュースについてお互いの意見を聴くことによって自分とは違った見方、あるいはものの考え方をお互いに知ることが出来ます。

また、コミュニケーションを図るうえでもとても大切な時間だと思います。

 

さて、リスク対応策とは関係ありませんが、藤代准教授のおっしゃっている、きちんと取材して丁寧な記事を書く人にお金が回るビジネスモデルの構築の必要性については全くその通りだと思います。

ネット社会においても、時間や期間を要するような質の高い、あるいは価値の高い情報を提供するジャーナリストについてはそれなりの対価が支払われるべきだと思います。

ジャーナリストが活動出来ないような社会は民主主義を危うくし、健全な社会とは言えないのです。


 
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2017年03月24日
アイデアよもやま話 No.3659 ドローンと合体する空飛ぶ車!

前回、ドローン技術を応用した空飛ぶバイクについてご紹介しました。

そうした中、3月14日(火)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)でドローンと合体する空飛ぶ車について取り上げていたのでご紹介します。

 

ハンドルを握らずとも自動で運転、駐車場に着くと今度は乗車カプセルが大型ドローンと合体して飛行します。

交通渋滞の緩和と排気ガスの削減を目的としているということで、10年以内の販売を想定しているといいます。

近い将来、渋滞に悩まされることなく空を自由に移動出来る日がくるかもしれません。

ちなみに、この車をかいはつしたのはエアバス社です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

前回ご紹介したのはバイクですから、高齢者が乗るにはあまり適していません。

ところが、今回ご紹介した空飛ぶ車はカプセルになっていて、しかも自動運転なのでだれでも移動手段として利用することが出来ます。

価格や移動可能距離が報道されていませんが、実用化されれば多くの人たちが移動手段としてSF映画でしか見ることが出来なかったような暮らしを手に入れることが出来るようになると思われます。

 

ちなみに、ネット検索してみるとこの他にもいくつかのベンチャー企業が空飛ぶ車の研究開発を進めているようです。


 
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2017年03月23日
アイデアよもやま話 No.3658 空飛ぶバイク!

2月23日(木)放送の「Nスタ」(TBSテレビ)で空飛ぶバイクについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ロシアのドローンメーカーが開発したのは未来のバイクです。

操縦桿を握ってエンジンスタート、未来のバイクはなんと宙に浮くのです。

操縦桿を傾けると水平移動も出来ます。

ドローン技術を応用したこの空飛ぶバイクの最高時速は約50kmです。

また、誰でも乗れるように最新鋭の安全システムを搭載しているといいます。

発売日は未定ですが、近い将来一般販売を目指しているといいます。

用途としては、スポーツや貨物輸送の実用化を目指すといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

ドローン技術を応用しているので垂直に離着陸でき、狭いスペースでも空中散歩を楽しむことが出来ます。

実用化されてレジャー施設などで導入されたら、是非乗ってみたいと思います。

 

ドローンはこれまでどちらかというと宅配便の配達や工場内などでの荷物の移動用としての用途が報道されていましたが、人の移動手段、あるいはレジャーとしてなど用途が広がってきているようです。


 
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2017年03月22日
アイデアよもやま話 No.3657 海外進出する「小水力発電」!

1月31日(火)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で海外進出する小水力発電について取り上げていたのでご紹介します。

 

米どころとして知られる富山県では、水田に張り巡らされた農業用水路を使って発電する小水力発電が盛んに行われています。

環境に配慮した発電として関心が高まる中、海外で新たなビジネスチャンスをつかもうという動きが始まっています。

 

富山県朝日町の田園地帯には小水力発電所があります。

水田に流れ込む水の流れを利用して発電します。

こうした設備は富山県内に36ヵ所、この4年でおよそ1.5倍に増えました。

魚津市の発電機メーカーで開発を担当する南 弘雄さんは比較的水の落差が小さい用水路で使える発電機を製作しています。

2mの落差で年間9万kwhを発電、平均的な家庭10世帯分が1年間に使う量に相当します。

南さんは、この発電機について番組の中で次のようにおっしゃっています。

「このまま川に置いてあるだけ、これが特徴なんです。」

「普通の水力発電はこんな小さなものはあまりないんですが。」

 

もともと除雪車に取り付けるスクリューなどを手掛けていた南さんは、スクリューを水車の羽根に応用し、弱い水の力でも効率的に発電出来るようにしました。

発電機は大きさによって1台およそ1000万円〜4000万円、静岡県や岩手県など全国34ヵ所で導入され、小水力発電を普及させるための団体からも評価されました。

全国小水力利用推進協議会の松尾 寿祐理事は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「安定した発電が期待出来ますし、設置も簡単な土木工事で済みなすので、こういう技術が世の中に広がって欲しいと。」

 

順調に国内の売上を伸ばしている南さん、海外への進出を目指すことにしました。

ターゲットは目覚ましい経済発展が続くミャンマーです。

電気が普及している地域は国全体の約3割にとどまる一方、日本と同様に稲作が盛んで農業用水路がいたるところにはり巡らされていることに注目しました。

南さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「すぐ発電出来ると思います。」

「これだけの落差があるからね。」

「川になってちょうどここが置ける場所になっているんですよ。」

「うちの小さな水力発電で現地で電化すると、電気のないところでね。」

「これなら出来るということですよね。」

 

そこでODA(政府開発援助)で発電所を設置する事業に参加することを決めました。

JICA(国際協力機構)から受注し、2月には最大都市、ヤンゴンから500kmほど離れた農村に発電機2台を納入します。

 

今回の事業で製品の性能を認めてもらい、品質(向上)の足掛かりにしたいと南さんの期待は膨らみます。

南さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「さすが日本の技術ということで感心していただきたいんですがね。」

「ミャンマーの農業用水で需要とかきちんと喜んでもらえるものを納められるんじゃないかという希望を持ちますんで、小水力の世界的に第一線をいっている会社にしたいと、そういう想いでおりますんで。」

 

人々の暮らしを変える小水力発電、冨山のモノづくりの力で新たな市場を切り拓きます。

南さんは、ミャンマーでの生産体制を充実させることでコストを4分の1程度に減らし、受注を伸ばしたいと話しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

再生可能エネルギー発電というと、太陽光発電、風力発電が一般的ですが、この他に水力発電、地熱発電などもあります。

しかし、ここでいうところの水力発電は主にダムなどを要する大型の発電所です。

 

一方、今回ご紹介したミャンマーなどの途上国ではまだまだ電力の普及が進んでいない地域があります。

そうした地域では小規模でも少しでも早く発電施設の設置が求められます。

そういう意味で、今回ご紹介したような小水力発電は低価格でしかも短期間で設置出来るので、ミャンマーのように農業用水路がいたるところにはり巡らされている地域ではとても設置に適していると思います。

 

日本にはこの他にも風力発電や地熱発電などの先進技術を有している多くの企業があるので、それぞれに適したかたちで途上国にどんどん進出していただきたいと思います。


 
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2017年03月21日
アイデアよもやま話 No.3656 がんを「兵糧攻め」にする飲み薬の開発に道が開けた!

前回、将来的には肺炎を撲滅出来る可能性を持ったワクチンについてご紹介しました。

そうした中、3月15日(水)付け読売新聞の夕刊でがんを「兵糧攻め」にする飲み薬

に関する記事に目が留まったのでご紹介します。

 

がん細胞の栄養源を断ち、「兵糧攻め」にする新たな化合物を開発し、増殖を抑えることに成功したとする研究成果を大阪大学の金井好克教授(薬理学)らのチームがまとめました。

マウスで効果を確認しており、2018年度から薬剤として患者に使用する臨床試験(治験)を阪大病院で開始し、新治療薬の開発を目指すといいます。

 

がん細胞は表面のたんぱく質の「入り口」から栄養源のアミノ酸を取り込んで増殖するとされています。

チームはこれまでに様々ながん細胞に共通して存在する「LAT1」と呼ばれる入り口を特定し、この入り口を塞ぎ、がん細胞へのアミノ酸の補給を阻む化合物を開発しました。

 

患者への負担が少ない飲み薬として開発する方針で、金井教授は「既存の抗がん剤と併用することで、より高い効果が期待出来る。治療が難しい患者に対する新しい薬になれば」と話しています。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきましたが、今回の記事に接し、医療法にもいろいろあるものだとあらためて思いました。

 

現在、日本人の死亡原因は男女ともがんが1位といいます。

そのがん細胞の栄養源を断ち、「兵糧攻め」にする新たな化合物が開発されたというのはとても画期的なことだと思います。

治療薬として実際の医療現場での使用はまだ先の話で、始めは既存の抗がん剤と併用することからスタートするということですが、将来的にはどんながんにも効く特効薬、しかも飲み薬への実用化の道が開けました。

実現出来れば、多くのがん患者は手術や放射線治療、あるいは抗がん剤の副作用から解放されます。

そればかりでなく、医療費削減にも大きく貢献し、間違いなくノーベル賞級の発明となります。

 

ということで、是非少しでも早くどんながんにも効く飲み薬の実用化を目指して研究を進めていただきたいと思います。


 
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2017年03月20日
アイデアよもやま話 No.3655 肺炎のメカニズムと予防法!

つい先日まで私は風邪をこじらせて肺炎になってしまい、ほとんど外出出来ない状態でした。

その間、咳が夜も止まらず、とても苦しい思いをしました。

そうした中1月25日(水)放送の「ガッテン!」(NHK総合テレビ)で肺炎をテーマに取り上げていたのでご紹介します。

 

今、肺炎にかかる人が急増、年間の死者数は脳卒中を抜き12万3千人、日本人の3大死因の一つで1位のがん、2位の心臓病に次いで3位に浮上しています。

 

そもそも肺炎の原因は何かですが、肺炎球菌が肺炎の原因菌の中で感染率・致死率が最も高いといいます。

最大の特徴は周りに付いているもじゃもじゃした毛のような膜、バリアです。

免疫細胞の好中球は大腸菌などを見つけた場合、食べてくれます。

ところが肺炎球菌の場合は、バリアがあるために好中球は悪いものと気付かずに素通りしてしまうのです。

そうすると肺炎球菌は増殖し放題でどんどん増えていき、私たちの身体で肺炎を起こしてしまいます。

 

実は以前、肺炎球菌は私たちの暮らしのいたるところに生存していました。

ところが今はたった1ヵ所にしかいないといいます。

一説によると、肺炎球菌は太古の昔には空気中などに存在していたと考えられるのです。

しかし、暑かったり寒かったりと肺炎球菌にとっては住みにくい場所でした。

そこで肺炎球菌は1年中気温と湿度が一定の場所を見つけました。

それは人の鼻の奥の咽頭(いんとう)と呼ばれる部分でした。

番組では老若男女30人の協力で鼻の奥に肺炎球菌がいないかどうか調査したところ、6人から肺炎球菌が見つかりました。

ちなみに、肺炎球菌の保菌者は成人で10人に1人ほどで、一般の医療機関で調べることは出来ません。

 

ということで、肺炎球菌は人の鼻の奥に住んでいるため、感染はまず人から人に移って広がるのです。

しかし、鼻の奥、咽頭にいるだけでは悪さはしません。

熱や咳がでることもなく、自覚症状はありません。

ところが、風邪やインフルエンザなどで咽頭が傷つくと肺炎球菌が肺に落ちやすくなります。

そうなると一気に増殖を始めて肺炎を発症するのです。

 

さて、インフルエンザワクチンは全身の免疫細胞に働きかけますが、肺炎球菌ワクチンは体のある部分に効力を発揮するのです。

それは脾臓(ひぞう)です。

脾臓は体の右側にある肝臓の反対側、すなわち体の左側で腎臓の上にあり、大きさは腎臓と同じぐらいでこぶしくらいの大きさです。

 

肺炎球菌が風邪やインフルエンザなどで肺炎球菌が肺に落ちてくると免疫細胞の好中球が防御しようとしますが、肺炎球菌にバリアがあるため悪いものと気付かずに食べません。

このままでは肺の中で増殖して私たちの体で肺炎を起こしてしまいます。

ところが脾臓の中には特別な免疫細胞、すなわちマージナルゾーンB細胞が肺炎球菌にさわって敵だと確認し、ふりかけのような抗体を肺炎球菌に向かってばらまきます。

すると好中球も抗体の付いた肺炎球菌を敵であると認識し、食べてしまえるようになるのです。

従って、私たちは簡単には肺炎にならずに済むのです。

 

ところが、脾臓は年齢とともに小さくなり、特に40歳くらいから60歳過ぎにかけてはその割合が大きいのです。

そこで小さくなってしまった脾臓に肺炎球菌ワクチンを接種すると、接種前に比べて血液中の抗体が10倍以上に活性化することが分かりました。(5人の平均値)

要するに肺炎球菌ワクチンを接種すると、脾臓が小さくなっても抗体が10倍以上になるので肺炎球菌による重症化を防ぐ効果があるということです。

また、このワクチンの効果は5年間です。

ちなみに、費用は約8000円で、今は65歳、70歳、75歳、80歳、85歳の定期接種の時だけ補助金があります。

 

さて、今世界各国である画期的な計画が進んでいます。

それは肺炎球菌“撲滅計画”です。

子どもの場合、2013年から肺炎球菌ワクチンの合計4回の定期接種が実施されているのです。

なお、子ども用の肺炎球菌ワクチンは大人用の後に開発されたワクチンで、肺炎球菌が鼻の奥にすら住めなくするという強力なものなのです。

つまり、このワクチンによって肺炎球菌を持たない人が増えれば、世の中から肺炎球菌が劇的に減っていくと見込まれるのです。

実は、このワクチンを世界に先駆けて導入したアメリカではなんと肺炎球菌による重症感染が76%も減少したというのです。

 

なお、子ども用のワクチンを65歳以上の大人も接種することが出来ます。

また、子ども用のワクチンの効果は一生持続するといいます。

費用は1回約1万円ですが、今、子どもは無料で接種出来ます。

ただし、対応する菌が大人用と子ども用で異なります。

大人用は23種類、子ども用は13種類です。

ちなみに、日本国内で感染する肺炎球菌はおよそ30種類と考えられています。

そして、その上位からワクチンの開発をしているのです。

また、大人用と子ども用と両方を接種することが出来ますが、その場合は期間を1年あけることが必要です。

 

番組の最後は、寝ながら出来る誤嚥性肺炎を防ぐ簡単な予防法を紹介していました。

それはちょっとだけ頭を高く上げて寝ることです。

例えば、敷布団の下に座布団やクッションなどを置けば、頭がその分上がります。

実はこの方法は、ベッドの頭の方を少し上方に傾けるなどして病院でも取り入れられています。

実は、寝ている間に唾液が肺に入って誤嚥性肺炎を起こすことがあるのです。

でも頭をちょっと高くするだけで唾液の肺への侵入を防ぐことが出来るのです。

頭の部分を少し上げることで唾液を咽頭に溜めず、飲みやすくすることによって、寝ている間に唾液が肺に入って誤嚥性肺炎になるのを防げるのです。

ちなみに、ベッドの場合は大きめのクッションを敷いて肩から上を上げるだけでもOKです。

ただし、無理は禁物で気持ちよく眠れる範囲に留めることが大切です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず肺炎球菌が人の鼻の奥の咽頭にしか生存していないということに驚きました。

そして、肺炎球菌と免疫細胞の好中球、そして脾臓の中の特別な免疫細胞、マージナルゾーンB細胞の関係はまるでゲームの世界をイメージさせるような感じを受けます。

また、こうした関係を理解すると肺炎球菌ワクチンの重要性もよく理解出来ます。

そして、子ども用の肺炎球菌ワクチンは肺炎予防の最終兵器ともいえる、肺炎球菌が鼻の奥にすら住めなくするという強力な効力があるというのはワクチンとして理想的だと思います。

 

ということで、このワクチンが全ての肺炎球菌をカバー出来るようになれば、地球上から肺炎球菌を撲滅出来るようになると見込まれるのでます。


 
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2017年03月19日
No.3654 ちょっと一休み その586 『健全な社会では過激派は政権を握らない』

アメリカのトランプ大統領を巡っては、選挙前からその過激な言動が世界中の注目を集めてきました。

そして、多くの人たちはこうした過激な言動は大統領に就任後は収まるだろうと期待していましたが、トランプ大統領誕生後もその流れは続いています。

そうした中、2月5日(日)放送の「サンデーモニング」(TBSテレビ)で日本在住でシリア人ジャーナリストのナジ−ブ・エルカシュさんが興味深い発言をされていたのでご紹介します。

 

エルカシュさんは、番組のインタビューに答えて次のようにおっしゃっています。

「(トランプ大統領の中東におけるイスラエル寄りの言動について、)聖地(エルサレム)は本来平和なところ、みんなが集まって共存するところ、対話するところですけども、勝手な政治的な動きがあると非常に侮辱的で普通の人も異常な怒りを覚えるので、とんでもない状況になってしまう可能性があるんですね。」

 

「(更に、もう一つの懸念について、)これからのヨーロッパの選挙は、ブレグジット(イギリスのEU離脱)やトランプ政権の影響を受けて、どんどん過激派が政権を握るか同盟を作って政権に近い力になってしまいます。」

健全な社会では過激派は政権を握らないんですね。」

「でも今の時代は、過激派がはしっこから中心になって政権を握ってしまったんですね。」

「で、それはものすごい怖い状況ですね。」

 

トランプ大統領の出現で、内向きな排他主義や差別主義があちこちの国で勢いを持ち始めた時代、こうした分断への動きが進み続けた時、世界で何が起きるのでしょう。

 

以上、番組の一部をご紹介してきました。

 

イスラエルの首都、エルサレムはユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教の聖地です。

そして、エルサレムは国際管理地に指定され、特定の国に属さないことになっているにも係わらず、トランプ大統領は現在テルアビブにあるアメリカ大使館をエルサレムに移転させることを選挙公約に掲げており、実行に移そうとしています。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.477 『このままトランプ政権が突き進めば世界終末時計は限りなく短くなっていく!』

こうした状況を踏まえて、エルカシュさんはこの計画が実行に移されれば大変な状況をもたらすと警告しているのです。

多くの専門家が同様の指摘をしているようです。

 

さて、どこの国においても、またいつの時代においても、国民の不満はいろいろあります。

しかし、その不満が我慢の限界を超えてしまうと、多くの国民はとりあえず現状を打破してくれそうな勢力に期待を寄せます。

また、こうした国内情勢をうまく利用して政権の座を狙おうとする過激派勢力が台頭してくるのが世の常です。

更にそうした国の動きを見て、似たような状況にある他国も同調する動きが出てきます。

今のトランプ大統領率いるアメリカと一部のヨーロッパの国々の関係はこうした構図にあると思われます。

 

更に、番組では触れていませんでしたが、トランプ政権の閣僚の中には、中国に対して強気の姿勢を取るべきであるという考えの方もいるといいます。

ですから、今後のトランプ大統領の中国に対する過激な発言が、本人の意思とは関係なくエルカシュさんのおっしゃるように、中国の国民の堪忍袋の緒を切ってしまい、取り返しのつかない事態を招いてしまうとも限りません。

 

ということで、トランプ大統領は“アメリカ第一主義”を掲げ、アメリカ国内だけでなく、

世界各国をその刺激的な言動でこれまでの健全な社会とは言わないまでもそれなりに調和のとれた状態をかき乱し、多くの国の過激派の目を覚まさせてしまい、とても危うさを感じます。

世界一の大国、アメリカのトランプ大統領には、ご自身の発言の世界各国に与える影響力の大きさについて自覚していただき、もう少し冷静な言動をしていただきたいと思います。


 
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2017年03月18日
プロジェクト管理と日常生活 No.480 『早急に求められるフェイクニュース対策 その1 ソーシャルメディア時代の問題!』

最近、偽りの情報、すなわちネット上のフェイクニュースが話題を呼んでいます。

そうした中、2月7日(火)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)でフェイクニュースについて取り上げていました。

そこで2回にわたってプロジェクト管理の観点から番組を通してご紹介します。

1回目はソーシャルメディア時代の問題についてです。

 

塩水1リットルを一気に飲めば痩せられるという、若い女性の間で話題のダイエット法、ネットで検索すると安全な方法として紹介されていますが、実は全くのウソなのです。

このダイエット法について、総合診療医の徳田 安春さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「胃腸に穴が開く。」

「大量の血液を吐き出す、吐血といいますけど。」

「緊急搬送になることもあります。」

 

今、フェイクニュースが世界中に溢れています。

アメリカのある男性は、“面白ければよい”とアメリカ大統領選挙中にフェイクニュースを大量に発信しました。

この男性は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「真実なんか信じない、そういう時代なんだ。」

 

日本でも毎日のようにフェイクニュースが発信されています。

例えば、「海水温の急激な変化はM7の大地震の予兆だ」とか「福岡の陥没事故でできた穴は、放射能で汚染された土で埋められた」、「マイナンバーは役所で手続きすれば抹消出来る」、あるいは「WHOは大麻が有害だという根拠はないと発表した」というようなフェイクニュースが発信されています。

 

ところが、私たち自身が知らないうちにフェイクニュースの拡散に加担しているかもしれないのです。

熊本市に住む10代の女性は、昨年の熊本地震の直後、余震におびえながら避難している時にツイッターに投稿されていたある偽の情報を信じてしまいました。

それは「おいふざけんな、地震のせいでうちの近くの動物園からライオン放たれたんだが」というフェイクニュースでした。

動物園の近くに住んでいるこの女性は、友人に危険があってはいけないとこの投稿をすぐに拡散しました。

偽りの情報だと気付かずに善意で拡散した女性、一方で深く考えずに拡散させた人もいました。

5000人以上のフォロワーのいる東海地方の男性はNHKの電話取材に対して以下のように答えました。

「見てすぐに面白いと思ってリツイート・拡散しました。」

 

また、10万人のフォロワーのいる都内のある人物は、次のように答えています。

「拡散したかどうかは記憶にありません。」

 

ライオンが逃げ出したというデマの対応に追われた動物園では、不安を覚えた住民などからの問い合わせが100件を超えました。

対応に当たったこの動物園の職員、大木 昌之さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「地震にあっているところで、皆さんそれ時点で不安がっているのに、そういった情報を流して更に混乱させている。」

「どう考えても許せない話ですよね。」

 

偽りの情報を拡散させた人は1時間で少なくとも2万人に、更に大きな不安を広げることになりました。

 

こうした状況について、番組ゲストでネットメディアの最新状況の研究者で法政大学准教授の藤代 裕之さんは次のようにおっしゃっています。

「(フェイクニュースを見抜いて拡散させないようにすることは)非常に難しくなっていると思います。」

「それはスマートフォン(スマホ)特有の理由があるんですね。」

「私たちは東スポ(東京スポーツ新聞)とか雑誌を見る時は、東スポだなと思いながら見るわけです。」

「これをパッケージというふうにいいます。」

「しかし、発信者と拡散する部分が分離しているというのがソーシャルメディアの時代の特徴なんですね。」

「そうなると、パッケージというものが分からなくなるわけです。」

「(誰が書いたのかということと切り離されて情報だけが独り歩きしていく、拡散されていくということかという問いに対して、)そうなんです。」

「簡単にシェア出来てしまう仕組みがあるので、そこまでしっかり見るというのは、さっき例えば地震とかで心配がつのっている場合はなかななユーザーにリテラシー(*)を求めるというのは難しいという側面もあると思います。」

  • 原義では「読解記述力」を指し、転じて現代では「( 何らかのカタチで表現されたものを)適切に理解・解釈・分析し、改めて記述・表現する」という意味で使われている。(Wikipediaより)

 

なお、さきほどの熊本でライオンが逃走したというフェイクニュースを流した男性は、逮捕されたものの釈放されているといいます。

これについて、番組ゲストのジャーナリスト、池上 彰さんは次のようにおっしゃっています。

「(法的なルールについて、)この場合は偽計業務妨害ということで、動物園の業務を妨害したからという容疑で逮捕したということになるわけですが、それではたして裁判になった時に有罪に持ち込めるかどうかって検察側が判断したということでしょうね。」

「明らかに社会に悪い影響を与えているわけですから、何らかの処罰する法的な仕組みが必要じゃないかという議論がある一方で、しかしそれをやると言論の自由、表現の自由とかそういうものを妨げることになるんじゃないかっていうこういうこともあって、本当に難しいんですよね。」

 

さて、フェイクニュースがどんな動機で作られているのかについて、番組では以下の3つを挙げています。

・面白がってフェイクニュースを流すこと(愉快犯)

・アメリカ大統領選挙の時に問題になった自分の政治的意図を広げるためにフェイクニュースを流すこと

・ビジネスとしてフェイクニュースを流してお金を稼ぐこと

 

事実かどうかはっきりしない話題を自分のブログで発信していたフリーライターの山本 大輔さんは、NHKの取材に対してその実態を次のように明かしました。

「お金も稼がないといけないという理由で、悪魔に魂を売るようなかたちで(事実かわからない)ガセネタなども書いてしまっていました。」

 

山本さんが事実かどうかはっきりしない記事を書くようになったのは、ネットのある仕組みにあります。

記事には広告が掲載されており、1回クリックされるたびに数十円が支払われ、記事を書けば書くほど増える収入、内容が事実かどうかは問われません。

人々の関心を集めるため過激なタイトルをつけると、アクセス数と広告のクリック数が増加、1日数千円の山本さんの収入につながりました。

次第に罪悪感を感じるようになった山本さん、現在は出来る限り自分で調べて記事を書くようになったといいます。

しかし、お金のために不確かな記事を書き続ける人は後を絶ちません。

山本さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「情報が多少正確じゃなくても「赤信号みんなで渡れば怖くない」じゃないですけども、周りもやっているんだから自分も多少はと考えてしまうんですよね。」

「今思うとちょっと情けない感じですけど。」

 

昨年、記事の間違いが連日指摘されて、事実上閉鎖された医療情報サイトの「WELQ」は、大手IT企業のDeNAが手がけていました。

記事の中には、例えば「肩こりには幽霊が関係している」とか「日焼けには濡れタオルで冷やすのがいい」といった誤った方法が紹介されていました。

今や組織的にフェイクニュースが提供されるような事態になっているのです。

こうした事態について、藤代准教授は次のようにおっしゃっています。

「インターネット上でつながった人に仕事を出すクラウドソーシングという仕組みを使って安い単価で、それこそ1記事100円とか500円とかそういうような単価で大量に書かせて検索エンジンの上位に表示させる。」

「それによってアクセスが沢山集まることでお金が儲かるという仕組みになっているんですね。」

「記事というのが見出しが派手であったり、写真が実は本文とは違うけれどもちょっと派手な写真が付いているというようなものがアクセスが増えるってのは分かっているんですね、経験上。」

 

また、池上さんは、次のようにおっしゃっています。

「今回の場合は、アメリカの大統領選挙に影響したとも言われているんですよね。」

「選挙の最中に、ヨーロッパのマケドニアでヒラリー(候補)の悪口を書き、トランプ(候補)が有利になるような記事を、まさにフェイクニュースを作ってニュースサイトを作った大学生がいまして。」

「そうすると特にアメリカのトランプ支持者たちが競って見るわけですね。」

「で、沢山の人が訪問してきたことによって広告収入がいっぱい入って、それで大儲けをしたという事実があるんですね。」

「(本来正しさを求められるニュースが収入と合致していることが非常に大きな歪みを生んでいるという指摘に対して、)そういうことですね。」

「だから、いわゆるプラットフォーム、様々なインターネットニュースを提供して下さいという会社がありますよね。」

「昔は、私たちは中身に関してはタッチしませんと言ってきたのですが、そこで明らかな間違いだったり、あるいはそれが政治に大きな影響力を与えるようなことになった時に、うちは関係ありませんて言っていられるのかということです。」

 

そして、藤代准教授は次のようにおっしゃっています。

「今や子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで(ネットを)使うようになってくると、リテラシーをユーザーに求めるのは非常に難しいと。」

「誰もが簡単に気軽に使えるようなものの中にフェイク(偽り)が混じってくるという状況は社会的に問題だというふうに思いますね。」

「(ではフェイクなものに誰が責任を取るべきなのかという問いに対して、)これ非常に難しい問題だと思うんですよね。」

「やっぱりインターネットって誰でも発信者になれる、マスメディアだけじゃなくて私たち個人も発信出来てすごくいいところがあると思うんですね。」

「その一方で、こういうビジネスが回ってしまっていると。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

インターネット、およびソーシャルメディアが普及するまでは、人々の主な情報源は新聞、雑誌、あるいはテレビニュースなどでした。

これらの情報源は情報の送り手が明らかで情報源も限られていたので、情報の送り手である新聞社、発行者、あるいは放送局はそれなりに精査した情報を提供しておりました。

そして、もしフェイクな情報を発信すれば、ねつ造と言われて社会的批判を受けました。

ですから、小さな誤りはたまに生じても、意図的に誤った情報を流したり、あるいは大きな間違いが表面化することはめったにありませんでした。

 

しかし、今やインターネットは世界中の多くの人々の暮らしに欠かせない存在となっています。

そして、現時点では自動車に衝突事故が避けられないのと同じように、ソーシャルメディアも使い方によっては人々の気持ちを混乱させたり、精神的な危害を加えたり、金銭的な損害を与えたりと、様々なマイナス要因を抱えています。

 

そこで、番組の内容を参考にツイッターやフェイスブックなどに代表されるソーシャルメディア時代の特徴、および問題点をフェイクニュースとの関連で以下にまとめてみました。

・今や新聞や雑誌などの有料の既存メディアよりも無料のネットメディアの方が発信力、すなわち影響力が増しつつあること

・誰もが容易に発信者になれること

・発信者と拡散する部分が分離していること

・従って、記事の正確性よりも刺激的なタイトルなど、人々の気を引く記事の方が拡散力、すなわち人々への影響力が大きいこと

・プラットフォーム企業が投稿記事へのアクセスが沢山集まることでお金が儲かるというサービスを提供することにより、記事の投稿者とプラットフォーム企業がともに儲かるようなシステムになっていること

・従って、記事の投稿者もプラットフォーム企業も投稿記事の正確性よりも収益性を重視しがちであり、フェイクニュースの生まれ易い環境が出来上がっていること

・フェイクニュースが作られる動機には以下の3つがあること

愉快犯

自分の政治的意図などを広く伝えること

お金儲け

 

2回目では、フェイクニュース発信のリスク対応策についてお伝えします。


 
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2017年03月17日
アイデアよもやま話 No.3653 楽しみながら運動出来る発電自転車!

1月29日(日)放送の「未来の起源」(TBSテレビ)で気軽な人力発電システムについて取り上げていたのでご紹介します。

 

神奈川工科大学大学院情報工学科専攻田中研究室に所属する海老原 樹さん(23歳)は、消費されるエネルギーを再利用しようと研究しています。

具体的には、ペダルをこぐエネルギーを電気に変換する人力発電システムです。

より継続して取り組めるように考えたのが、自分の発電しているペースに合わせて屋外を走行しながら運動しているような楽しみを提供します。

発電量に応じて景色が変化し、頭を動かすと見える景色も変化するのです。

スマホ1台だけで出来るシステムを開発しました。

2年前は進行方向のみの表示で大掛かりな装置を必要としていました。

更に市販の発電自転車は発電効率が悪かったのです。

そこで、海老原さんは更に開発を進めました。

大型のホイールを搭載することで発電効率を良くすることに成功したのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

こうした人力発電システムを商品化し、トレーニングジムなどに設置し、使用者が屋外の景色を眺めながらペダルをこげば、これまでのようにただひたすらペダルをこぐのに比べて楽しく運動することが出来ます。

その結果、運動量が増え、同時に発電出来れば多少なりとも電力の供給量増加に貢献出来ます。

また、ペダルをこぐ人が自分がどれだけ発電したかを確認出来れば、次は何ワットを目標にしてみようかというように発電量を目標にペダルをこぐ人も出てくると思います。

 

今回ご紹介した発電自転車のように、スポーツに発電機能を加えたものが増えれば、多少なりとも電力供給量を増やすことが出来るのです。

また、自分の運動量と発電量との関連が分かれば、発電をより身近に感じることも出来ます。


 
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2017年03月16日
アイデアよもやま話 No.3652 面白いサウンドテーブル!

1月27日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で面白いサウンドテーブルについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ふつうリビングルームに置くようなテーブルなのですが、サウンドテーブルといって、テーブル全体から音が出るテーブルが市販化されています。

その仕組みは、骨伝導スピーカーをイメージすると分かり易いのですが、テーブルの真ん中に基盤が入っていて天板を振動させることで音を出すというものです。

なお、かなり大きな音を出してもテーブルの振動はほとんど気にならないと言います。

 

更に、音を出す以外にも意外な用途があります。

例えば、住んでいる地域を登録して、天気が変わるとアラート音が流れます。

サウンドテーブルがインターネットにつながっているので、スマホで登録した地域の天気を知らせてくれるのです。

 

このサウンドテーブルを開発したKAMARQ(カマルク)の町野 健さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「家具業界は非常に旧態依然としていると思っていまして、家具に新しい価値をのせたプロダクト(製品)を出している会社はまだ少ないと思うんですね。」

「我々はIT化だけにこだわらず、新しい家具の価値や体験を出来るようなものを今後もどんどん世の中に出していきたいと思っています。」

 

生活をより便利に出来るサウンドテーブル「MODERN DELTA」(商品名)、価格は9万8000円(税別)〜です。

 

なお、このテーブルはいろいろと応用でき、今回はスピーカーとテーブルの組み合わせでしたが、例えば加湿器とベッドという組み合わせも出来るのではないかということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

テーブルが音源になるというようなアイデアは以前ご紹介したことがあります。

ですが、インターネットとつないで天気予報まで知らせるとなるとまさにIoT(モノのインターネット)の世界です。

これから様々な家電がIoTとしての機能を持ちだすと多くの可能性が広がります。

ですから、当面家電メーカーは単独で、あるいは様々な業界との共同による試行錯誤でIoTの機能を駆使した様々な商品を商品化してくると思われます。

そういう意味で、今回ご紹介したサウンドテーブルはこうした流れの先駆けの一つと位置付けられます。

 

一方で、スマホには既に日々の暮らしに必要な多くの機能が搭載されています。

ですから、使い勝手の観点から、自ずとこうしたIoT関連商品とスマホとの連携がメインに位置付けられると思われます。


 
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2017年03月15日
アイデアよもやま話 No.3651 魚を思いのままに操れる水槽!

1月26日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で魚を思いのままに操れる水槽について取り上げていたのでご紹介します。

 

古澤 洋将さんが開発したのは、魚の群れを動かす生体群制御付き水槽「アクトリウム」(商品名)です。

魚を思いのままに操れる仕組みは、以下の通りです。

水槽の側面に14本の細い線を設置し、集めたいところの線は電気を止めて、それ以外のところの線に電気を流すということのです。

なお、法律で生き物に電気を流していい量は決まっていますが、それよりもはるかに下回っているために魚には影響がないといいます。

ちなみに、人がこの線に手で触れても何とも感じないといいます。

 

さて、開発者の古澤さんには大きな夢があります。

最終的にはこのシステムを海の養殖場に使いたいと考えているのです。

船も網もいらない養殖場を作ろうとしているのです。

電気で餌の魚を港から養殖場に誘導し、成長してきたら養殖場から港に魚を誘導するという構想なのです。

大きな夢の詰まったこの「アクトリウム」、価格150万円からといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

この「アクトリウム」、14本の細い線への個々の電気の流す量をプログラムでコントロールすることによって魚に様々な動きをさせることが出来るようになります。

ですから、価格はともかくレストランなどでお客の目を楽しませるのに役立つことにより集客効果が期待出来ます。

 

一方、海の養殖場での活用については、開発者である古澤さんの想い描くようなかたちで実現出来れば、これまでにない全く新しいかたちの養殖システムになります。

また、こうした養殖場では、従来の養殖場と違って物理的な壁がありませんので、魚が壁に追突するようなことがなくなるという付加価値もあります。


 
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2017年03月14日
アイデアよもやま話 No.3650 紙のセルロースから液晶が!

1月22日(日)放送の「未来の起源」(TBSテレビ)で紙のセルロースから液晶を作る技術について取り上げていたのでご紹介します。

 

東京理科大学総合化学研究科古海研究室の鈴木 花菜さん(22歳)は、紙の主成分セルロースに2種類の物質を合成させることで液晶を作ることに成功しました。

温度によって見える色が変わりますが、加熱する温度の違いで赤、青、緑と光の三原色を全て表示でき、希望の色のまま固定することも出来ます。

鈴木さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「液晶ディスプレイなども応用が考えられるんですけども、固まったまま砕くことで化粧品や自動車の塗装などに応用出来るんじゃないかと期待しています。」

 

現在の液晶は石油資源が原料ですが、この研究によって不要になった紙から液晶を作ることが出来、石油資源の節約や環境問題への貢献が期待出来ます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず液晶が紙のセルロースから作られるというのに驚きです。

以前から、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換の必要性について何度となくお伝えしてきました。

しかし、一方で石油を原料にした商品は沢山ありますから、石油がなくなったらこうした商品を作る原料として石油の代替原料はどうすればいいのかという対応が気になっていました。

ですから、紙のセルロースから液晶だけでなく、化粧品や自動車の塗装にも応用出来るという可能性は持続可能な社会の実現に向けて大変な朗報だと思います。

是非、大量生産、および低価格化に向けてメーカーと共同で研究開発に取り組んでいただきたいと思います。


 
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2017年03月13日
アイデアよもやま話 No.3649 “手ぶら決済”が消費を変える!?

1月9日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で“手ぶら決済”について取り上げていたのでご紹介します。

 

最近、SuicaやnanacoなどのICカードやスマホを使って買い物をする人が増えています。

このカードもスマホも使わずに手ぶらで買い物を出来るようにするという取り組みが日本各地で始まっています。

 

三井住友カード(東京都港区)の社員食堂では顔認証だけで支払いを済ませています。

食べたいメニューをカウンターにあるタブレットで注文し、料理を受け取るのですが、このタブレットに接続されたカメラが顔を撮影し、その画像を事前に登録した顔データと照合し、本人確認を行うことによって清算するという仕組みなのです。

料金は給与から天引きされます。

これは昨年11月に始まった“手ぶら決済”の実証実験です。

 

三井住友カードが最終的に狙うのは、本業のクレジット利用の拡大です。

ゆくゆくはカード情報と顔認証を紐付けた“手ぶら決済”サービスの提供を目指します。

三井住友カードの商品企画開発部の部長、川名 芳生さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「“手ぶら決済”が必然的に発生する、例えばスポーツジムやプール、海の家などで展開出来ないかと。」

 

この顔認証技術を提供しているのはNECです。

NECは顔認証技術を1989年から研究・開発を続けてきました。

160万人の顔データの場合、0.3秒で照合出来ます。

アメリカのコンテストで速度、精度ともに世界一の評価を受けています。

その仕組みは、目じりのカーブの曲がり具合や鼻の輪郭などの特徴的な点を数値化して保存、顔写真そのものではなくその数値をもとに照合する仕組みです。

既にスポーツやイベントの入場ゲートなどで本人確認に使われているこの顔認証技術ですが、NECは今後この技術を金融や小売りの決済サービスの現場に売り込みたい考えです。

 

一方、1700年の歴史を持つという神奈川県湯河原温泉で街をあげて取り組んでいるのは“指”を使った決済サービスです。

この“指”決済の実証実験に旅館など51施設が取り組んでいます。

旅館などでチェックインする時に、親指と人差し指の指紋を登録、すると宿泊サービスのクーポン2000円分を指紋データと紐付けられます。

その他現金によるチャージやクレジットカードとの紐付けも可能です。

この指紋認証の技術はベンチャー企業「liquid」が開発しました。

指紋の線が消えたところや分岐点の位置などを数値化、指紋の画像そのものは保存しないため悪用は防げるといいます。

こうして、旅館内売店でお土産などを購入する際には、親指と人差し指での認証により支払いが出来ます。

昨年10月に始まった湯河原温泉での実証実験、ガソリンスタンドや飲食店も参加し、少しずつ利用者は増えているといいます。

 

手ぶらで買い物が出来るなら、もっと気軽に町で消費してもらえるのでは、そんな期待が高まっています。

この実証実験は、経済産業省の委託を受けた旅行代理店のJTBなど7つの企業や団体が実施しています。

もう一つの大きな狙いは、外国人の方がストレスなく回遊して楽しんでもらえる環境を作っていくことです。

ちなみに、訪日客が困ったことのアンケート調査(2016年1月 観光庁調べ 複数回答可)によると、特に困ったのは、無料公衆無線LAN回線(46.6%)、英語が通じない(35.7%)でした。

 

この“手ぶら決済”への同じような取り組みは、福岡県や三重県、群馬県など日本各地に広がっています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今やクレジットカードやICカードはかなり普及しています。

従って、一人の人が持ち歩くクレジットカードやICカードの枚数は数枚以上に上るのではないかと思われます。

ですから、私の財布もクレジットカードだけの厚みでふくらんでおり、スーツの内ポケットに入れにくいのが悩みとなっています。

こうした状況から、“手ぶら決済”の実用化には大歓迎です。

ただ、お店によってクレジットカードの使い分けをしている人は多いと思うので、“手ぶら決済”にはこうしたカードの使い分け機能を付けていただきたいと思います。

          

いずれにしても、名前の通り、全てが“手ぶら決済”で済ませるような社会が実現したら財布を持ち歩く必要がなくなり、しかも暗証番号も覚える必要が無くなるのですから早く実現させて欲しいと思います。


 
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2017年03月12日
No.3648 ちょっと一休み その585 『危機的な状況を呈しているアメリカのメディア』

1月15日(日)放送の「サンデーモニング」(TBSテレビ)でアメリカのメディアに対するアメリカ国民の信頼感について驚くような数字を示していたのでご紹介します。

 

ご存知のようにトランプ大統領はメディアを激しく攻撃しています。

これについて、日本の多くの人たちは大統領にある立場の人があそこまでメディアを攻撃するのはやり過ぎだと思ったでしょう。

ところが、驚くことにギャラップ社の世論調査によると、「メディアは正確で公正な報道をしている」と信じる人は72%(1976年)から32%(2016年9月)へと大きく減っているのです。

要するに、ざっとアメリカ国民の3人に2人は既存のメディアを信用していないというのです。

 

これまで何度かお伝えしてきたように、私たち国民が政治や経済などについて正しい理解をするうえで、メディアの提供してくれる情報は欠かすことが出来ません。

ところが、アメリカのメディアについて、多くのアメリカ国民は信用していないという状況なのですから、アメリカのメディアは大いに反省すべきだと思います。

 

このような状況が続く限り、多くのアメリカ国民はネット上の様々な情報に踊らされ、どれが信頼出来る情報なのかもわからず、従って正しい判断をすることが出来ません。

こうした状況がトランプ大統領の放つ強烈なメッセージを受け入れてしまう素地を作り上げてしまった一つの大きな要因と言えます。

 

繰り返しになりますが、今や、アメリカのメディアは危機的な状況にあるのです。

ですから、アメリカのメディアは、かつてのような国民による信頼感を取り戻すべく、大いに反省し、本来の道に戻って欲しいと思います。

世界一の大国、アメリカの動向は大なり小なり世界各国に影響を与えてしまうのですから、メディアも真実を伝えるという使命感を持っていただきたいと思います。


 
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2017年03月11日
プロジェクト管理と日常生活 No.479 『ヒューマンエラーと新しい安全マネジメント!』

何事においても人的ミスを完全に避けることは出来ません。

そうした中、昨年11月9日(火)放送の「視点・論点」(NHK総合テレビ)で「ヒューマンエラーと新しい安全マネジメント」をテーマに取り上げていたのでご紹介します。

なお、今回の論者は立教大学の芳賀 繁教授でした。

 

医師や看護師が医薬品を取り違えたり、パイロットが管制官の指示を聞き違えたり、建設作業員が工事現場で高いところからものを落としたりして、人命が失われることがあります。
株取引をする端末の入力欄を間違えて証券会社に大損害が出たり、クレーンを上げたまま川を航行していた船が送電線を切って大規模な停電が起きたり、入学試験の採点ミスで本来合格していたはずの受験生が不合格となってしまったこともありました。

このように、一見小さなうっかりミスが悲惨な事故や大きな損害につながることが時々起きています。

小さな事故や軽微な損害につながるミスなら毎日のようにどこかで起きています。

そもそも私たちは日常たくさんのミスをおかしながら生きています。

落とし物をしたり、人違いをしたり、メールに添付ファイルを付け忘れたり。

安全や品質を損なうエラーも、日常生活でおかすエラーも、人間の行動としては本質的に変わりがありません。

どこで何を対象に間違えるかによって損害が生じたり、笑い話で済んだりするのです。

 

人間と機械が一緒に働いているヒューマン・マシンシステムの中で、人間の判断や行動がシステムパフォーマンスを阻害する場合に、その判断や行動をヒューマンエラーと呼びます。

人間行動のメカニズムとしては日常生活のうっかりミスと同じなのですが、ヒューマンエラーという言葉を使うときには「システム」の視点から見ることを忘れてはなりません。
電車の乗客が降りる駅を乗り過ごした場合はただのうっかりミスですが、電車の運転士が停まるべき駅を通過してしまった場合は、鉄道システムのパフォーマンスを阻害したので、ヒューマンエラーです。
ヒューマンエラーの対策はシステム全体で考えなければなりません。

ミスをした人間だけを問題にして、もっと注意をするように促したり、処罰したりしてもあまり効果がないでしょう。

どんなに優秀な人が注意深く作業しても、そのときの状況や環境でうっかりミスは起こりえます。

人は誰でもミスをするのです。

システムを人間に合わせて設計することで、人間を含めたシステム全体のパフォーマンスを高め、ヒューマンエラーを減らし、使いやすく、快適で、安全な製品、生産、サービスを実現することを目指すのがヒューマンファクターズです。

ヒューマンファクターズではシステムの構成要素である、ハードウェア、ソフトウェア、作業環境などと、人間との関係を最適なものにする研究と実践が行われています。

「もっと注意して作業しろ」と言うより、道具や作業手順や作業環境を改善する方がエラー防止にはずっと効果的なのです。
1986年に起きたチェルノブイリ原発事故とチャレンジャー号の打ち上げ失敗をきっかけとして、安全に関わる組織の問題、すなわちオーガニゼーショナル・ファクターが注目されるようになりました。

ヒューマンファクターの視点からだけでは事故を防ぐことはできないという認識が広まったのです。
安全より利益を重視する経営者、忙しすぎたり予算がなかったりして安全対策に手が回らない管理者、安全のためのルールを守らない、あるいは守れない現場第一線。これらは組織に安全文化が欠如していることの表れと言えます。
しかし、組織の文化や風土を変えるのは容易ではありません。

まずは経営トップがしっかりと安全対策にコミットすることが肝要です。

そして、経営トップのリーダーシップの下で組織全体が、つまり生産部門だけでなく、営業も人事も総務も共同して、安全にとって必要な施策を進めていく必要があります。

無理のない納期や工期、十分な教育・訓練、疲労を次の勤務まで持ち越さない労働時間、それを実現するための人員の確保などが、安全文化を育て、ヒューマンエラーの低減につながるでしょう。
組織による安全対策の取り組みを安全マネジメントといいます。

今では多くの事業者が安全マネジメントシステムを持っていて、専門のスタッフがそのシステムの運営にあたっています。

しかし、安全マネジメントシステムには落とし穴があります。

現在広く行われている安全マネジメントシステムは、品質マネジメントシステムを真似て作られたため、数値目標を立て、それを達成するための方策を実行し、その成果を評価して次の目標を決めるというPDCAサイクルを回します。

多くの場合、事故件数、エラー件数の削減が目標となり、そのために作業手順を増やしてしまいがちです。
安全マネジメントシステムが導入される前から、安全対策は事故の後追いになりがちでした。

事故が起きるたびに再発予防対策が立てられ、その中にマニュアルの追加と厳守が盛り込まれるのが常でした。

安全マネジメントの時代になって、それが小さなエラーにまで拡大された感があります。

そもそも安全マネジメントが事故やエラーといったネガティブな事象だけに関心を寄せ、現場が様々に工夫をして求められる業務をうまく遂行していることを無視している点に問題があると私は考えます。

2005年頃、ヒューマンファクターズの専門家の一部から、レジリエンス・エンジニアリングという考えが生まれました。

レジリエンスとは弾力性とか復元力という意味です。

彼らは、組織と人のレジリエンスが危険なシステムを安全に機能させていると主張します。

高度で複雑化した現代のシステムにおいては、あらゆる事を想定してマニュアルに書き込んでおくことは不可能で、現場第一線が臨機応変に対応しているからこそ安全性が保たれていると言うのです。

私はこの臨機応変さ、柔軟性を「しなやかな現場力」と呼んでいます。
レジリエンス・エンジニアリングの提唱者の一人であるホルナゲル博士は、Safety-ISafety-IIという言葉で、従来の安全マネジメントと、レジリエンス・エンジニアリングの安全マネジメントを比較しています。

Safety-Iはこれまでの安全マネジメントが目標にしてきた安全で、悪いことが起こらない状態が安全と考えます。

リスクが受け入れられる水準より小さいこと、とも定義されます。

事故の原因を見つけ出して、それを除去する努力を続けます。

Safety-Iを目指すと人間の行動を型にはめ、マニュアルに書いてあることだけを、書いてあるとおりに行うことを求めます。

失敗を防ぐにはそれが無難です。

しかし、それでは創意工夫や臨機応変といった仕事の面白さを奪い、チャレンジする気持ちや仕事の誇りが消えてしまいます。

仕事の誇りは質のいい仕事をしたいという意欲と、安全を守りたいという態度の両方を高めることが私たちの研究で明らかになっているので、皮肉なことに安全対策が安全態度を損なう結果につながりかねません。

一方、Safety-IIは変化する状況の中でも成功を続けられる能力を安全と定義します。Safety-IIを目指す安全マネジメントは、失敗よりも成功に目を向けます。

成功するために現場第一線が頭を使って考え、工夫することを奨励します。

現場の工夫は失敗するリスクを高めるかもしれません。

しかし、この工夫が成功の確率を高めてもいるのです。

基本的なことはマニュアルを決めて、それをしっかりと守らせなければなりません。

しかし、行き過ぎたマニュアル至上主義は現場のしなやかさを損ないます。

元来日本の現場はしなやかでした。

これからの安全マネジメントはしなやかな現場力を取り戻す方向に向かうべきだと、私は考えます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

以下にざっと番組の内容を要約しました。

ここでは、人間と機械が一緒に働いているヒューマン・マシンシステムの中で、人間の判断や行動がシステムパフォーマンスを阻害する場合に、その判断や行動をヒューマンエラーと呼びます。

そして、ヒューマンエラーの対策はシステム全体で考える必要があるといいます。

 

そして、Safety-ISafety-IIという言葉で、従来の安全マネジメントと、レジリエンス・エンジニアリングの安全マネジメントを比較しています。
Safety-I
はこれまでの安全マネジメントが目標にしてきた安全で、リスクが受け入れられる水準より小さいこと、とも定義されます。

一方、Safety-IIは変化する状況の中でも成功を続けられる能力を安全と定義します。

Safety-IIを目指す安全マネジメントは、失敗よりも成功に目を向けます。

成功するために現場第一線が頭を使って考え、工夫することを奨励します。

 

さて、Safety-ISafety-IIをこれまで何度かご紹介してきた、米カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が公表したソフトウェア開発プロセスの改善モデルとアセスメント手法であるCMMI(Capability Maturity Model Integration 能力成熟度モデル統合)に照らして考えると、Safety-IはCMMIのレベル1から4、そしてSafety-IIはCMMIのレベル5、すなわち最適化している状態 (継続的に自らのプロセスを最適化し、プロセスを改善する状態)にざっくりとしたレベルでは対応しているように思えます。

 

さて、No.468 ルールの少ないのが成熟した社会!でご紹介した国際的に評価の高いリッツ。カールトンホテルの従業員の仕事の進め方は、まさにSafety-IIを最大限に応用していると思われます。

一方、日本のトヨタ自動車の製造方式は、Safety-Iをベースに、Safety-II、すなわち現場での活発な改善活動を組み合わせて、現場の士気を高めているように思われます。

 

いずれにしても、業種や企業文化、あるいは組織風土などに照らして、どのようにヒューマンエラーを最小限に食い止めるか、あるいは安全マネジメントシステムを構築するかが問われるのです。


 
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2017年03月10日
アイデアよもやま話 No.3647 トランプ大統領に求められる世界最強の大国、アメリカの大統領としての自覚!

以前お伝えしたように、アメリカ主導で消費の新たなフロンティアを求めて金融の自由化、グローバル化を進めてきましたが、その弊害としてリーマンショックを招いてしまい、世界的に多大な経済的影響を与えてしまいました。

そして後遺症は今も尾を引いています。

ところが、リーマンショック後の再発防止策として当時の政権が金融規制強化を図ったにもかかわらず、アメリカのトランプ現大統領は経済成長、および雇用を最優先し、金融緩和政策を進めるといいます。

ですから、過去の失政の経験は生かされず、リーマンショック再来のリスクをまた高めてしまうのです。

要するに、トランプ政権は、小さな政府を目指し、規制緩和を目指しているのです。

ところが、市場の自由化は、アダム・スミスの唱えた“神の見えざる手”によるコントロール化された市場とは裏腹に、経済恐慌をもたらすリスクを常に抱えているのです。

ですから、リーマンショックで多大な影響を受けた日本は他の先進国と共同で、こうしたアメリカの金融規制緩和策に対してトランプ大統領に他国への影響も考慮した経済政策を打ち出すべきであるというメッセージを送る必要性があると思います。

 

また、3月2日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)によると、アメリカ通商代表部(USTR)は、3月1日トランプ政権の通商政策の年次報告書を議会に提出し、世界貿易機関(WTO)による貿易紛争解決手続きの決定に必ずしも従わない姿勢を明確にしました。

報告書では、「貿易政策の主権を守る」と明記し、国内法を優先するとしています。

また、主要貿易国に市場開放を迫るため、「新たな通商協定の締結に向け交渉する」と強調しました。

世界最大の経済大国であるアメリカがWTOの規則や判断を無視すれば、世界の貿易秩序に悪影響を及ぼす恐れもあります。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これまで世界最強の大国であるアメリカは、その自覚のうえに立って、世界各国をリードして来ました。

しかし、今やアメリカは大国としてのゆとりがなくなってきており、しかも格差社会化が進み、富裕層と中間層・低所得者層との2極分化が進んでおります。

こうした状況下において、トランプ大統領は「アメリカ第一主義」を掲げ、アメリカを再びかつての偉大な国にしようと企んでいます。

しかし、問題は自国の利益中心で他国のことは考慮しないという考え方です。

要するに勝つか負けるかという勝負の世界でアメリカが勝ち抜いていくというのが基本的な姿勢のようです。

今後このような流れでアメリカと世界各国との経済交渉が進めば、まさに弱肉強食の世界に戻ってしまいます。

これでは歴史の後退、後戻りという他はありません。

 

ということで、トランプ大統領には世界最強の大国、アメリカの大統領としての自覚が求められているのです。

トランプ大統領は、不動産業で大成功を収めてきた経験があるのですから、本来ビジネス的な賢さを備えているはずです。

そこで思うのは、プロジェクト管理と日常生活 No.462 『カントの著作に見る戦争勃発のリスク対応策 その3 人間の悪が平和の条件!?』です。

トランプ大統領の持つ賢さがたとえずる賢さであっても、だからこそ平和が維持出来るとカントは唱えているのです。

ですから、トランプ大統領には、短期的な視点ではなく、長期的な視点に立ってアメリカの経済的な利益、あるいはアメリカ国民を戦争へと導かないための施策を考えていただきたいと思います。

そうすれば、自ずと今打ち出している政策とは違った政策に転換するはずです。

そのためには、世界的な経済学者や軍事専門家がトランプ大統領に理解出来るような表現方法でトランプ大統領に本来アメリカが進むべき道をしっかりと説くことが求められるのです。


 
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2017年03月09日
アイデアよもやま話 No.3646 世界が注目するベストセラー「サピエンス全史」の指摘 その4 未来を切り拓くカギとは!

1月4日(水)放送の「クローズアップ現在」(NHK総合テレビ)のテーマは「“幸福を探して” 人類250万年の旅〜世界的ベストセラー〜」でした。

番組では世界が注目するベストセラー本、「サピエンス全史」を通してこれまでにない新たな視点から人類のこれまでの歴史、そして将来を取り上げていたので4回にわたってご紹介します。

4回目は、未来を切り拓くカギについてです。

 

イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリさんの書いた「サピエンス全史」は、人類250万年の歴史を斬新な視点でひも解く壮大なストーリー、世界的なベストセラーとなっています。

そして、世界のトップランナーたちも口々に賞賛しているといいます。

 

1回目では人類の最初のターニングポイント、“認知革命”、2回目では2番目のターニングポイント、“農業革命”、そして3回目では資本主義に代わる新たなフィクションの必要性についてご紹介しました。

 

「サピエンス全史」では最後に私たちの未来を展望します。

人間の能力をはるかに超えたコンピューターの登場、遺伝子を思いのままに操作したデザイナーベイビーの登場など、科学技術の進歩で人間を取り巻く環境は急速に変化しています。

私たちホモ・サピエンスはいったいどこへ行くのでしょうか。

 

SF映画ではよくロボットやコンピューターに人間が支配される未来が描かれています。

「サピエンス全史」では近い将来科学の進歩によって人類は今の姿と変わってしまうと驚きの指摘をしています。

「サピエンス全史」には次のような記述があります。

 

未来のテクノロジーの持つ可能性は、乗り物や武器だけではなく、感情や欲望も含めて、ホモ・サピエンスそのものを変えることなのだ。恐らく未来の世界の支配者はネアンデルタール人から私たちがかけ離れている以上に、私たちとは違った存在になるだろう。

 

科学の進歩で人間の姿が変わるとはいったいどういうことなのでしょうか。

番組の中で「サピエンス全史」の著者、ユヴァル・ノア・ハラリさんは池上さんの質問に対して次のように答えています。

「(コンピューターのソフトに例えると人類の生まれた時は「人類1.0」だったが、それが認知革命によって1.1になり、農業革命で1.2になり、今度は「人類2.0」になるのかという問いに対して、)ええ、これまでは次の革命が起こるまで何千年もかかったのが、これからはほんの2、30年で済んでしまうのです。」

「今後1,2世紀のうちに人類は姿を消すと思います。」

「でもそれは人間が絶滅するということではなく、バイオテクノロジーやAIで人間の体や脳や心のあり方が変わるだろうということです。」

 

人間の能力を超えるAIの登場、生命を自在に操るバイオテクノロジーの進化、科学が猛烈な勢いで発展する一方で、そのスピードを人間がコントロール出来なくなるのではないか、ロボットとAIの開発で世界をリードするロボット・人工知能(AI)研究者の山海 嘉之さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「人間が作り出した技術でありながら、人間自身がその技術によって追い詰められていく、そんなことにもなりかねないわけです。」

「身の丈をはるかに超えた科学技術を扱う人たちが安易にそこを推進することにはかなりの危うさがあると考えます。」

 

私たちはどんな社会を作りたいのか、そのために必要な科学技術は何か、未来を想像する力が今こそ人間に求められていると山海さんは指摘します。

「こういう社会であった方がいいということをみんなで共有するんですね。」

「社会で生きている人も含めて科学技術にもう一度目を向けて、適切な科学技術の進化、あるいは(それを)どのように扱っていくかを考えながら生きていくと。」

 

この先、私たちはどんな未来を選択していくのか、「サピエンス全史」の著者、ハラリさんと池上さんの二人が重要だと考えるのは科学技術と政治や社会の係わり方です。

番組の中でハラリさんは池上さんの質問に対して次のように答えています。

「(私たちはこれから様々な課題や困難に立ち向かうことになるが、AI(人工知能)の技術がどんどん進んでいる、それに対して政治のシステムは中々そこに追いつけない、そこのギャップがいろんな問題を引き起こす。では私たちはどうすればいいのかという問いに対して、)AIは短い時間で大きく世界を変える可能性があります。」

「今学校に通っている子どもが40歳、50歳になった時にどんな仕事に就いているか誰も分かりません。」

「どんな未来を過ごしたいのかしっかりビジョンを持つ。」

「そして幸せな道に進む賢い選択をする。」

「そのためには科学と政治はもっと協力しあわなければならないと思います。」

 

iPS細胞などの生命科学の発展は私たち人間という種そのものを変えてしまう可能性があります。

また、AIが進化していった時、私たち自身はどう変化するのでしょうか。

そうした将来の人間のことを「サピエンス全史」の中では“超ホモ・サピエンス”と呼んでいます。

この先、人間は自分たちが作った科学に飲み込まれてしまうのか、それともうまくコントロール出来るのか、著者のハラリさんは、本の最後で未来を切り拓くカギは、私たち人間が欲望をコントロール出来るかどうかだと次のように説いています。

 

私たちが自分の欲望を操作出来るようになる日は近いかもしれない。私たちが直面している真の疑問は、「私たちは何になりたいのか?」ではなく、「私たちは何を望みたいのか?」かもしれない・・・

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず近い将来、人類はバイオテクノロジーやAIで人間の体や脳や心のあり方が変わる “超ホモ・サピエンス”と呼ばれる新しい人類に代わるとことには頷けます。

というのは、バイオテクノロジーやAIだけでなくiPS細胞などによる再生医療技術やその他の先進医療技術、あるいは脳の仕組みの解明、およびIoT(モノのインターネット化)に“超ホモ・サピエンス”は自らの人体にあらゆるテクノロジーをコンパクト化したかたちで搭載しており、一人一人の人間もIOTの一部として位置付けられるようになると容易に想像出来るからです。

 

こうした状況下においては、私たちは従来よりも格段にパワーアップした能力を手にすることが出来ます。

そうした時に、ハラリさんのおっしゃるように、私たち人間が自らの欲望をしっかりとコントロール出来るかどうかがとても重要になります。

その理由は、今は不可能と思われていることの多くが実現可能になるからです。

世界平和、あるいは持続な社会の実現をベースにしたしっかりとした価値観を人類全体で共有し、世界各国が共に歩まなければ、いずれ人類は自ら生み出したテクノロジーによって絶滅してしまう可能性を秘めているという自覚を持つことが特に世界各国のリーダーの方々に求められると思います。

 

こうした見方に立つと、アメリカのトランプ大統領の登場は、「アメリカ第一主義」を打ち出し、既にこうした流れからかけ離れた政策を打ち出しており、プロジェクト管理と日常生活 No.477 『このままトランプ政権が突き進めば世界終末時計は限りなく短くなっていく!』でもお伝えしたように人類の終末に向けた流れを加速化しているように思えます。

ここで強調しておきたいのは、以前にもお伝えしたようにトランプ大統領の政策を多くのアメリカ国民が支持しているということです。

ですから、世界各国のリーダー、あるいはアメリカ国内の有識者は、未来を切り拓くカギ、すなわち資本主義に代わる新たなフィクションの構築や私たち人間が欲望をコントロール出来るような新たな価値観、すなわち新たなフィクションを構築し、そのフィクションを共有して共に歩むような流れを作り出すことが求められているのです。

 

ということで、トランプ大統領の誕生は、今後の人類のあり方をあらためて考えるうえでのチャンスを与えてくれているという前向きな見方も出来ます。

この絶好のチャンスを見逃す手はないと思うのです。


 
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2017年03月08日
アイデアよもやま話 No.3645 世界が注目するベストセラー「サピエンス全史」の指摘 その3 資本主義に代わる新たなフィクションの必要性!

1月4日(水)放送の「クローズアップ現在」(NHK総合テレビ)のテーマは「“幸福を探して” 人類250万年の旅〜世界的ベストセラー〜」でした。

番組では世界が注目するベストセラー本、「サピエンス全史」を通してこれまでにない新たな視点から人類のこれまでの歴史、そして将来を取り上げていたので4回にわたってご紹介します。

3回目は、資本主義に代わる新たなフィクションの必要性についてです。

 

イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリさんの書いた「サピエンス全史」は、人類250万年の歴史を斬新な視点でひも解く壮大なストーリー、世界的なベストセラーとなっています。

そして、世界のトップランナーたちも口々に賞賛しているといいます。

 

1回目では人類の最初のターニングポイント、“認知革命”、2回目では2番目のターニングポイント、“農業革命”についてご紹介しました。

 

さて、私たちが暮らす2017年の今、世界はどこへ向かうのでしょうか。

産業革命を経て飛躍的に発展した私たち、今世界を動かしている大きな仕組みが資本主義です。

でもここにもフィクションがあります。

資本主義では経済成長が無限に続き、幸せになるという考えをみんなが信じているだけだと「サピエンス全史」ではいいます。

 

実は今、多くの国で資本主義経済が限界に来ていると言われています。

2010年をピークに世界全体の経済成長率は上向かず、停滞し続けているのです。

「サピエンス全史」には次のような記述があります。

 

2014年の経済のパイは1500年のものよりはるかに大きいが、その分配はあまりに不公平で、アフリカの農民やインドネシアの労働者が1日身を粉にして働いても手にする食料は500年前の祖先よりも少ない。人類とグローバル経済は発展し続けるだろうが、さらに多くの人々が飢えと貧困に喘ぎながら生きていくことになるかもしれない。

 

資本主義経済がどんどんグローバル化する一方で、格差は増々拡大していくというのです。

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンさんは、「サピエンス全史」が指摘している通り、世界は今後資本主義によって“分断”や“対立”を深めていくと見ています。

「この本では、今後一層格差が拡大するといっていますが、私も全く同感です。」

「経済の停滞は勝者と敗者を生み出し、自分を敗者だと思う人々は「この世界は不公平だ」と怒りをあらわにしています。」

「それこそが毎日ニュースになっていることの根源なのです。」

 

資本主義に代わるフィクションを探すことが必要だと言う人もいます。

政治学者のイアン・ブレマーさんです。

トランプ次期大統領(放送時)の登場で、政治や経済、社会が根底から変わろうとしているアメリカ、これまで資本主義のリーダーとして世界を引っ張って来ました。

しかし世界経済が停滞する中、アメリカ中心の資本主義は限界に来ていて、新たなフィクションが求められているとブレマーさんは考え、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「フィクションは人間を発展させる一方で、その考え方に囚われてしまう恐れもあるのです。」

「私たちは、アメリカが世界のリーダーだというフィクションを長年受け入れてきました。」

「でもその賞味期限は過ぎました。」

「フィリピンや中東、ヨーロッパの国々などは、もはやアメリカが世界のリーダーではないと考え始めています。」

「みんなが信じてきた「フィクション」は変わることもあるし、その考えを共有出来ないこともあるのです。」

 

では資本主義に代わる新たな仕組みとはどのようなものなのでしょうか。

番組の中で「サピエンス全史」の著者、ユヴァル・ノア・ハラリさんは池上さんの質問に対して次のように答えています。

「(資本主義というのはそもそも人間が作り出したものですが、その資本主義によって確かに私たちは豊かになったのですが、その資本主義によって今私たちは翻弄されている。世界経済が非常にうまくいっていない、あるいは世界中の中央銀行がなんとか景気をよくしようとしているが、これがみんなことごとくうまくいっていない。私たちが作り出した資本主義というのは今限界に来ているのかという問いに対して、)難しい問題ですね。」

「資本主義は近代で最もうまくいった考え方で、宗教とさえいえます。」

「でも、そのために大規模な経済破綻や政治的な問題も起きています。」

「今、たった一つの解決策は全く新しいイノベーションを起こすことだと思います。」

 

新たなイノベーションが必要だという「サピエンス全史」の考え方は、経営者たちの間にも広がっています。

インターネットの証券会社をいち早く設立するなど、革新的なビジネスモデルを生み出したマネックスグループ 株式会社代表取締役社長、松本 大さんは、私たち人類は(国内の)人口減少や低成長、格差の拡大などに対応した経済の新たなフィクションを考える時期に来ていると考え始めています。

松本さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今の資本主義や貨幣経済に代わる新しい概念というもの、みんなで抱えることが出来る共同のフィクション、単なるフィクションではなく、共同で持てるフィクションを作る必要がある。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

資本主義による収入格差の弊害、およびその対応策については、これまで以下のように何度かお伝えしてきました。

アイデアよもやま話 No.3463資本主義のルールが変わる時 その1 資本主義の現状!

アイデアよもやま話 No.3557 アメリカの大富豪が『格差是正』を訴える!

アイデアよもやま話 No.3565 マイナス金利政策に見る資本主義からの脱却の必要性!

アイデアよもやま話 No.3616 格差社会アメリカの実態 その4 富裕層への富の集中による弊害!

 

そもそも資本主義の原動力は消費なのですから、消費が頭打ちになれば成立しません。

ところが、経済成長が進み、一通り生活用品が行きわたれば、当然需要は鈍化します。

それはこれまでの先進国の経済成長率の推移を見れば明らかです。

ですから、需要の面で経済成長率の鈍化は当面避けられないのです。

一方、経済活動に欠かせない中心的なエネルギー源である化石燃料をはじめ地球資源は少なからず有限です。

ですから、100年単位くらいの長期的な視点でみればエネルギー資源の枯渇が制約となり、供給面の減少から経済成長率は鈍化せざるを得ません。

しかし、エネルギー資源については、世界的に化石燃料から太陽光発電などの再生可能エネルギーへのシフトが進んでいます。

ですから、世界各国が良識的な判断で再生可能エネルギーへのシフトをしっかりと進めればこの問題の解決の道は開かれます。

 

一方、所得配分の面でもその極端な所得格差が世界的に大問題化しています。

また、よく言われているように、格差拡大は全体としての需要低迷をもたらします。

 

ですから今回ご紹介したように、資本主義に代わる新たなフィクションの必要性が問題視されているのです。

私は経済の専門家ではありませんが、資本主義に代わる新たなフィクションの満たすべき要件を以下に羅列してみました。

・人の幸せを最終目的とした経済運営

・格差是正を目的とした税収制度の見直し

・主にベンチャー企業をターゲットとした規制緩和や資金などの支援

・ウォール街の大暴落(1929年)やリーマンショックのような世界的金融危機(2008年)を引き起こさないような国連のような国際組織による金融規制、および金融市場の監視

・資本主義に代わる新たなフィクションに対応した指標の構築

 

ちなみに、最後に掲げた新たなフィクションに対応した指標の構築という要件ですが、たとえば今広がりつつあるシェアリングビジネスが今後とも普及していけば、既存の経済指標で見れば経済規模は縮小します。

しかし、シェアリングビジネスのユーザーは低価格でサービスを受けることが出来ますし、省エネにもつながるのです。


 
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2017年03月07日
アイデアよもやま話 No.3644 世界が注目するベストセラー「サピエンス全史」の指摘 その2 農業革命!

1月4日(水)放送の「クローズアップ現在」(NHK総合テレビ)のテーマは「“幸福を探して” 人類250万年の旅〜世界的ベストセラー〜」でした。

番組では世界が注目するベストセラー本、「サピエンス全史」を通してこれまでにない新たな視点から人類のこれまでの歴史、そして将来を取り上げていたので4回にわたってご紹介します。

2回目は、人類の2番目のターニングポイント、“農業革命”についてです。

 

イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリさんの書いた「サピエンス全史」は、人類250万年の歴史を斬新な視点でひも解く壮大なストーリー、世界的なベストセラーとなっています。

そして、世界のトップランナーたちも口々に賞賛しているといいます。

 

1回目では人類の最初のターニングポイント、“認知革命”についてご紹介しましたが、この本の斬新な視点はこれだけではありません。

文明の発展が人間を幸せにするとは限らないとこの本は指摘しています。

およそ1万2千年前に始まった農業革命、集団で力を合わせて小麦を栽培することで食料の安定確保ができ、人口が増加、社会は大きく発展したというのが通説です。

ところが、この本はここで全く新しい考え方を持ち出します。

集団としては発展したけれど、人間一人一人は狩猟採取時代より働く時間が長くなり、不幸になる人が増えた、しかも貧富の差まで生まれたというのです。

「サピエンス全史」には次のような記述があります。

 

食糧の増加はより良い食生活やより長い余暇には結びつかなかった。平均的な農耕民は平均的な狩猟採集民よりも苦労して働いたのに。見返りに得られる食べ物は劣っていた。農業革命は、史上最大の詐欺だったのだ。

 

著者のハラリさんは更に大胆な仮説を展開します。

小麦という植物からみれば、人間を働かせて小麦を増やさせ、生育範囲を世界中に広げた、つまり農業革命とは“小麦に人間が家畜化された”とも言えるというのです。

今までの常識をひっくり返す数々、ホリエモンこと、実業家の堀江 貴文さんは、人間の本質という点で自分自身の考えと共通する部分があると語ります。

「別に書いてあることは当たり前のことなんですけど、みんな当たり前とは思ってないのかな。」

「今でも満員電車で会社に通っている人たちも農耕社会の名残みたいなものじゃないですか。」

「何千年も続いた社会規範をなかなか捨てることが出来ないから。」

「サピエンスとは矛盾をはらんだ生き物である。」

「矛盾を受け入れる柔軟性がサピエンスのサピエンスたるところ・・」

 

ジャーナリストの池上 彰さんは、これまでの歴史書は国家や権力者を描いたものが多く、この本のように“個人の幸せ”から歴史を見るのは新鮮だと感じています。

番組の中で「サピエンス全史」の著者、ハラリさんは池上さんの質問に対して次のように答えています。

「(こういう人類史の本で、幸せかどうかを問題に立てるような本に初めて出会ったが、どうしてこういう発想が出てきたのかという問いに対して、)実は幸せかどうかを考えるのは最も大事なことなのです。」

「歴史を振り返ると、人間は集団の力や権力を手に入れても、それを個人の幸せと結びつけるのは得意ではありません。」

「現代人は石器時代より何千倍もの力を手に入れていますが、一人一人はそれほど幸せには見えません。」

 

「(この本を読むとむしろ農業を定着してやることになって私たち人類は、実は生きていくのに大変危険なリスクを背負い込むようになったというが、)これまでの歴史書の多くは個人の幸せには目を向けず、国家や権力にだけ注目してきました。」

「幸せを軽んじると「国家や権力の発展は必ずしもみんなの幸せにつながらない」ということを忘れ、拡大や成長ばかりを追い求めることになってしまうのです。」

 

会社やお金だけでなく、宗教、法律、国家もこれらは全て人間が生み出したフィクションであり、それをみんなが信じることで人間は発展してきたというのはとても新鮮です。

また、一人一人の幸せから歴史を考えるという視点もとても新鮮です。

農業革命で確かに人間の集団全体や一部の権力者たちは豊かになりましたが、一人一人はむしろ不幸になった、これだけ文明が発展した現代でも過労死や貧困が問題になっていることも、この本を読むと納得がいく気がします。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

「サピエンス全史」の著者、ハラリさんのおっしゃるように、世界中の一人一人が幸せかどうかを考えることこそが最も大事なことだと思います。

一人一人が幸せを考慮せずに単に経済成長を続ければ、格差は増々広がってしまうからです。

ところが、ハラリさんの指摘しているように、歴史を振り返ると、人間は集団の力や権力を手に入れても、それを個人の幸せと結びつけるのは得意ではありませんでした。

そして、次の言葉こそ世界的に広がりつつある格差社会の是正に向けての大きなヒントになると思います。

 

「(一人一人の)幸せを軽んじると「国家や権力の発展は必ずしもみんなの幸せにつながらない」ということを忘れ、拡大や成長ばかりを追い求めることになってしまうのです。」

 

どうも、今の世界各国の大勢は、このような状況にあるように感じられます。

そして、アメリカのトランプ大統領の誕生は、まさにこうした問題が多くのアメリカ国民の

格差に対する我慢の限度を超えた結果ということに納得がいきます。

トランプ大統領は、不満を抱えた多くのアメリカ国民の担ぐ言わば“みこし的存在”なのです。

アメリカばかりでなく、EUのフランスやイタリアなどでもこうしたアメリカの状況に同調した動きが出て来ています。

 

ここでとても心配なのは、こうした現状打破の動きがあるべき姿を曖昧なまま進んでしまうと、かつてのヒトラー政権のような暴走を招いてしまうことです。

ですから今こそ、世界各国がまず一人一人の幸せありきで、政治、経済、そして社会システムなど全てをこのことを大前提に再構築することの必要性を切実に感じまます。


 
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2017年03月06日
アイデアよもやま話 No.3643 世界が注目するベストセラー「サピエンス全史」の指摘 その1 認知革命!

1月4日(水)放送の「クローズアップ現在」(NHK総合テレビ)のテーマは「“幸福を探して” 人類250万年の旅〜世界的ベストセラー〜」でした。

番組では世界が注目するベストセラー本、「サピエンス全史」を通してこれまでにない新たな視点から人類のこれまでの歴史、そして将来を取り上げていたので4回にわたってご紹介します。

1回目は、人類の最初のターニングポイント、“認知革命”についてです。

 

8年間にわたって激動の世界をリードしてきたアメリカのオバマ大統領(放送時)は今ある本に夢中になっています。

未来を生きるヒントが詰まっているというのです。

オバマさんは、どうやって私たち人間が豊かな暮らしを手に入れたのか、その答えがここにあったとおっしゃっています。

 

その本は「サピエンス全史」、人類250万年の歴史を斬新な視点でひも解く壮大なストーリー、世界的なベストセラーとなっています。

世界のトップランナーたちも口々に賞賛、IT界の巨人、ビル・ゲイツさんは、人類の未来が気になっている全ての人に薦めたいとおっしゃっています。

また、フェイスブック創業者のザッカーバーグさんは、この世の謎を解き明かしてくれる知的冒険の書だとおっしゃっています。

 

イギリスのEU離脱やトランプ次期大統領(放送時)の登場、異次元の金融緩和や資本主義の停滞、そして人工知能(AI)やバイオテクノロジーなど科学の急速な進歩、2017年の私たちは後の時代からみれば大きな歴史の岐路に立っているのかもしれません。

そうした混迷の時代を生き抜くヒントが詰まっていると言われているのが、イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリさんの書いた「サピエンス全史」です。

世界48ヵ国で200万部以上を売り上げています。

 

この本の特徴は、人類250万年の歴史を全く新しい切り口で解釈している点です。

7万年前に起きた認知革命、1万2千年前の農業革命、人類の統一、科学革命と、人が発展を遂げたターニングポイントを4つの時代に分けていますが、作者が全ての時代において重要だと考えているのが私たち人間がフィクションを信じる力です。

 

私たちが普段の暮らしで当たり前に思っているお金や会社などは全てフィクションで、みんながあると信じているから成り立つのです。

国家や法律など私たちの社会はフィクションだらけであると本には書かれています。

そして、この“フィクションを信じる力”こそ人類が繁栄したカギだというのです。

 

今からおよそ7万年前、私たちの祖先、ホモ・サピエンスより力が強いネアンデルタール人という別の種族もいましたが、生き残ったのはホモ・サピエンスでした。

ネアンデルタール人はリンゴなど実際に見えるものしか言葉にして周りに伝えられなかったといいます。

でもホモ・サピエンスは神様のようなフィクションを創造し、それを全く見知らぬ他人に伝えることが出来たといいます。

フィクションを創造し、みんながそれを信じる、そのことで多くの仲間と協力し、大集団での作業が可能になったのです。

これが人類の最初のターニングポイント、認知革命です。

私たちの祖先が集団で大きな力を発揮し、地球上の覇者になった源です。

人類史研究の第一人者、海部 陽介さんは、“フィクションを信じる力”で人間が発展した証拠は古代遺跡にも残っているといいます。

海部さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ラスコー洞窟の壁画です。」

「黒で描かれたバイソンとそれから人間がいるんですけど、よく見るとその人は頭が鳥のような姿をしています。」

「現実に存在しないものを創り出しているわけですね。」

「そういう物語を生む能力がここに既にあったんだ。」

「こういう能力を持った人たちだったからこそ大きな社会を作っていったという仮説をバックアップするような・・・」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

ラスコー洞窟の壁画については学校で学んだ記憶はありますが、あらためて番組で海部さんの説明を聴くと、当時の人たちの想像力の豊かさに驚かされます。

 

さて、私たちがふだんの暮らしで当たり前と思っている宗教や憲法、資本主義経済、企業、あるいは文化、芸術、そして、小説や映画、テレビドラマなどは全て私たち人間が自ら生み出したフィクションである、という指摘は言われてみれば確かにその通りだと思います。

そして、このフィクションこそが私たちホモ・サピエンスの生存、暮らしの発展のカギであるという指摘も納得出来ます。

 

ネアンデルタール人のように現実にあるものの枠内で物事を考えるのと現実の枠外でも物事を考えるというのでは次元が違い、大変大きな差があります。

現実の枠外には無限の世界が広がっているからです。

こうした説明に触れると、なぜネアンデルタール人が存続出来ず、ホモ・サピエンスが今も存続しているのかという理由がよく分かります。

 

こうしたことから「サピエンス全史」の著者、ハラリさんの唱えるように、このフィクションというものが“認知革命”と言われるようにとても大きな変化であるということが納得できます。

 

さて、この考え方を今を生きる私たちに当てはめてみると、次のようなことが言えると思います。

国連憲章や国の憲法や会社の方針、あるいは様々な組織の取り決めは全てフィクションなのですから、これらを当然と受け止めて縛られることなく、周りの環境や時代の流れの中で不都合が生じて来れば、アイデアを駆使して変えることが新たな進歩につながるということなのです。

 

なお、このフィクションも人間が相互に理解し合えるようになってこそ、そのパワーを発揮することが出来ます。

そういう意味では、お互いの思いを伝えることの出来る言葉の発明、そしてその言葉を書き残すことの出来る文字の発明も“コミュニケーション革命”と位置付けてもいいほどの大きな変化だと思います。


 
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2017年03月05日
No.3642 ちょっと一休み その584 『アメリカの民主主義は崩壊しつつある!?』

1月20日のアメリカのトランプ政権誕生以降、連日のようにトランプ政権の動向が様々なマスコミで取り上げられています。

そうした中、2月21日(火)放送の「プライムニュース」(BSフジ)では「トランプ大統領の“黒幕”バノン主席戦略官の世界観」をテーマに取り上げていました。

そこで、今回は番組を通してアメリカにおける民主主義の崩壊の様相についてご紹介します。

 

青山学院大学地球社会共生学部の会田 弘継教授は、番組の中で以下のようにとても興味深いことをおっしゃっていました。

「民主主義の問題ですけれども、世界価値観調査というのがあって、これに従ってアメリカの、あるいはヨーロッパの世代別に人々が今民主主義をどう思っているのか調査すると、いわゆるミレニアム世代、1980年代以降の世代の人たちの民主主義に対する信頼感はものすごく低いです。」

「30%かそのくらいしかない。」

「例えば1950年代生まれ、あるいはそれ以前の人たちだと当たり前ですから、アメリカ人だったら80%民主主義が大切なものだという人が今若い世代では30%ぐらいしかいない。」

「これはものすごく真面目な学術調査ですよ。」

「そういうかたちで出てて、確かに民主主義に対する大きな疑念が生じている。」

「それはなぜか、やっぱりそれは今アメリカ社会の姿ですよね。」

「勿論、トランプに投票した人たちはものすごく閉そく感、これは古い話ですけども富の集中の問題ですよね。」

「で、それを打破出来ない。」

「それからいわゆる長期停滞型の経済に入ってしまった。」

「その中で、かつてだったら格差があっても成長の中でそれが何とか解消された、希望を抱けたかも知れない。」

「しかし今、実際にそういう展望も恐らく人々は失っているのかも知れない。」

「で、これは調査するとアメリカの世代間の格差の流動性というのは今どんどんなくなっている。」

「つまりアメリカはアメリカらしくなくなっている。」

「親の代が貧しくても頑張れば子どもの代では豊かになる、それが実際にはそういうふうになっているかどうかを経済学的に調査すると、アメリカはなってないんですよ。」

「イギリス、アメリカはひどく格差が固定化しちゃっている。」

「そういう状況が人々にとても不安な気持ちを抱かせて一種の破壊性みたいなものを求める。」

「重要なのは、価値観についてはこういうことが言えるんですね。」

「つまり、多文化主義とかいわゆるグローバルに生きている人は当たり前。」

「つまり、大企業で今や世界的にサプライチェーンが広がって企業のエリートは世界中を動き回るわけですから、中国人、インド人、日本人、みんな一緒にお互いの価値(観)を尊敬し合って。」

「つまり多文化主義っていうのはエリートにとっては必要でもあり、また進歩的なものでもある。」

「それはしかし、では今度のアメリカでフライオーバーと呼ばれるいわゆるレフトビハインド、あるいは忘れられた人々、中心部の地方、農村部、あるいは荒廃したあるいはラストベルト、そういうところに住んでいる人にとってなぜそういう価値観を持たなければいけないか、彼らはグローバルに生きているわけではない、むしろグローバライゼーションによって自分は苦しい立場に置かれているんじゃないか。」

「そういう人たちにとってグローバルな価値観を持つということは全然分からない。」

「今、たとえばトイレの男女別を無くそうって言っているわけですよね。」

「それも古い価値観の中で生きてきて、なんでそんなことしなければいけないのか。」

「これも一つの多文化主義の流れの中で出てくるわけですけども、人々は付いて行けない。」

 

補足:ラストベルトはさびついた工業地帯を意味し、この呼び名はこれらの地域の多くの産業が時代遅れの工場・技術に依存していることからつけられました。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

これまでのアメリカのイメージといえば、世界中の民主主義国家の大黒柱的な国家であり、世界をリードする圧倒的な存在でした。

また、「アメリカンドリーム」という言葉に象徴されるように、どんな家庭に生まれようとも誰でも努力次第で経済的、あるいは社会的な成功を収めることが出来る、というような夢と希望に満ちた国家のイメージでした。

ところが、今回ご紹介したように現実は、若い世代では30%ぐらいしか民主主義に対する信頼感を持っていないというのです。

まさに、アメリカがアメリカらしくなくなってきているのです。

その背景は、やはり格差社会化の進行、およびそれに伴う世代間の格差の非流動性にあるようです。

 

こうしたアメリカに広がる閉そく感がとりあえず現状を打破してくれそうなトランプ大統領を誕生させたと思われます。

そのトランプ大統領は「アメリカ第一主義」を掲げ、内向きな政策を打ち出しています。

このアメリカの大転換は当然世界的に大きな影響を与えます。

今のところは、少しでも悪い影響が出ないように願うのみです。

しかし、先進国を中心にその他の国々が知恵を出し合って、アメリカの暴走を食い止め、アメリカの政策の軌道修正を出来るような状態をもたらすことを目的に一致団結していけば、明るい未来が見えてくるはずです。


 
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2017年03月04日
プロジェクト管理と日常生活 No.478 『アメリカの”入国禁止”大統領令の即時停止に見る三権分立の重要性』

世界に波紋を広げるアメリカのトランプ大統領による“入国禁止”の大統領令についてはいろいろと報道されています。

ここでは、2月4日(土)と2月5日(日)放送のニュース(NHK総合テレビ)での内容をご紹介します。

 

1月27日、署名した大統領令で中東など7ヵ国の入国を一時的に禁止するなどしていたトランプ大統領、各地で反発が強まる中、ワシントン州の連邦地方裁判所がこの大統領令について全米で即時停止するよう命じる仮処分を決定しました。

これに対し、入国禁止令はテロ対策としての必要性をあらためて強調し、アメリカ政府はただちに仮処分の効力を停止するよう申し立てる考えを明らかにしました。

トランプ大統領は、公の場で次のようにおっしゃっています。

「アメリカ国民の安全を確保することが私の責任だ。」

「それがテロリストを国に入れないための大統領令に署名した理由だ。」

 

「アメリカは国境の管理を取り戻す。」

「犯罪者がこの国で大混乱を引き起こす日はもう終わりだ。」

「激しい入国審査を行い、少しでも問題があれば入国は認めない。」

 

この大統領令をめぐっては、全米各地で提訴の動きが相次ぎました。

その一つが西部ワシントン州です。

1月30日、州自らが連邦地方裁判所に即時停止を求めました。

ワシントン州は、IT企業が集まる地域として知られ、マイクロソフトやアマゾンなど大手企業が本社を置いています。

ワシントン州は訴状の中で、企業に多くの移民や難民が雇用されているが、高い専門性を持つ労働者が確保出来なければ世界での経営に痛手になるとしています。

2月3日、連邦地方裁判所はこれを認め、全米で大統領令の即時停止を命じる仮処分の決定を出しました。

連邦地方裁判所は決定の理由について、大統領令は雇用や教育、経済活動に悪影響を与えており、被害は重大で今も続いているとしています。

訴えを起こしたワシントン州のファーガソン司法長官は、公の場で次のようにおっしゃっています。

「法廷で最終的に重んじられるのは憲法だ。」

「トランプ大統領の憲法に反した大統領令を差し止めるものだ。」

 

連邦地方裁判所の仮処分の決定について、ホワイトハウスのスパイサー報道官は、次のような声明を発表しました。

司法省は早急に裁判所の決定の執行停止を求め、大統領令を守るつもりだとして、裁判所に不服を申し立てるとともに仮処分の決定の効力が既に生じていることからただちに効力を停止するよう求める考えを明らかにしました。

 

大統領令は最高裁判所が違憲と判断すれば無効になりますが、今回の決定はワシントン州の裁判所による仮処分です。

なお、この仮処分の決定を受けて、トランプ政権はカリフォルニア州の連邦控訴裁判所に効力を停止するよう申し立てていましたが、2月4日、控訴裁判所はこれを退ける決定を出しました。

従って、大統領令の停止は続くことになりました。

今後の行方を握るのは首都ワシントンにある連邦最高裁判所です。

申し立てをこの連邦最高裁判所が認めれば、大統領令は再び効力を持つことになります。

今回のケースでは、最終的に最高裁判所まで争うことになると見られています。

 

こうした状況について、アメリカ政治に詳しい慶応大学の渡辺 靖教授は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「これ(仮処分の決定)は、政権にとっては打撃になると思いますね。」

「行政府と司法府の対立につながる可能性はあると思いました。」

「アメリカは三権分立ですので、司法が行政をチェックする役割を担っていますので、トランプ大統領といえども大統領令を通して様々なことを実行するといってもそこにはやはり司法の壁が存在するんだと。」

 

さて、アメリカ国内ではこの“即時停止”の仮処分の決定に喜びの声がある一方で、世論調査によれは国民の約半数が大統領令を支持しているという結果も出ています。

 

トランプ大統領は、大統領令は正当だとしていますが、もたらされた混乱はアメリカの政治と社会の分断がもはや癒しがたいほど激烈になっていることを示す結果となっています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

トランプ大統領は、良く言えば大統領選での公約を就任早々矢継ぎ早に実行に移してきました。

しかし、その極端で乱暴な物言い、そして今回ご紹介した大統領令には多くの人たちが法的にみて疑問を感じるといった状況が続いています。

こうした中で、トランプ大統領の暴走を食い止めているのは三権分立という制度です。

ちなみに、三権分立は18世紀にフランスのモンテスキューにより唱えられ、これを体現したのがアメリカ合衆国憲法といいます。

 

今やいずれの民主主義国家においても、憲法の基本は三権分立です。

そして、今回ご紹介した”入国禁止”大統領令に対して、即座にワシントン州の連邦地方裁判所が全米で即時停止するよう命じる仮処分を決定しました。

このように三権分立の憲法制度がトランプ政権の暴走を食い止めているのです。

 

ということで、アメリカに限らず、いずれの民主主義国家においても三権分立は時の政権の暴走を食い止める法的なリスク対応策と言えます。


 
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2017年03月03日
アイデアよもやま話 No.3641 粉薬の包み紙、「オブラート」が海外で人気!

粉薬の包み紙、「オブラート」について、特に若い世代の中にはその名前すら知らない方々が多いと思います。

そうした中、その「オブラート」の新たな用途について、1月10日(火)放送のニュース(NHK総合テレビ)で取り上げていたのでご紹介します。

 

粉薬を飲む時に包み紙として使われてきた「オブラート」、最近あまり見かけなくなりましたが、今海外で人気を集めています。

その使い道は全く意外なものでした。

 

デンプンと水で作られた「オブラート」、苦みのある粉薬が減り、錠剤の薬が増えたことで最近あまり見かけなくなりました。

現在、国内で「オブラート」を製造しているのは3社だけで、瀧川オブラート株式会社(愛知県新城市)は国内シェア7割を占めています。

こちらの会社では「オブラート」の利用が減り、売れ行きが伸び悩む中、4代目社長の瀧川 紀幸さんは新たな一手を打ち出しました。

「オブラート」に食べられるインキを使ったペンで絵を描き、食べ物に貼ってデコレーションすることが今海外で人気を集めているのです。

瀧川社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「長いこと薬を飲むフィルムでやってきたので、他に使い道はないかというのを常々考えていまして、食べられるフィルムということで何か出来ないかというのが始まりです。」

 

一昨年、瀧川社長は新たなマーケットを開拓しようと海外市場の調査に出向きました。

訪れたのは漢方薬を飲む人が多いシンガポ−ル、「オブラート」で漢方薬を包んで飲んでもらえるのではと考えたからです。

しかし、現地で言われたのは、「煎じて飲みますよ」でした。

煮出して飲むことを知って焦った瀧川社長が苦し紛れに取り出したのが食紅のペンでした。

新しもの好きのシンガポール人が非常に「それはいい」ということで、そこから偶然始まったというのがきっかけです。

 

専用の「オブラート」の開発、これまでは厚さ0.01ミリで、ペンで描くと溶けてしまいます。

そこでデンプンと水の配合や乾燥させるスピードを変えるなどの改良を加えて0.02ミリ以上にしました。

また、シンガポールのシンボル、マーライオンなどの絵柄をあらかじめプリントして食品をデコレーションし易いように工夫しました。

特に旧正月に使うめでたい言葉がヒットしました。

昨年10月、日本の食文化をPRするイベントでも注目を集め、現地の飲茶チェーン店からは1万7000枚の発注がありました。

アニメのキャラクターなどを描いたキャラ弁を作る人も出てきました。

現地の主婦や料理研究家がブログやSNSで発信し、人気が広がっています。

瀧川社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ホームパーティや誕生パーティなんかで、手軽に使っていただけるのが非常にありがたいですね。」

「笑顔であふれる一助になればというふうに思っています。」

「出来れば、そのまま日本へ持って来て、日本でもそんなシーンが見られればいいなと思います。」

 

瀧川社長は、絵を描いたり、文字をプリントしたり出来る「オブラート」の販売を今年から国内でも始めたいと考えています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

どんなにヒット商品で成功した企業でも、そのヒット商品はやがて売り上げが頭打ちに、そして売り上げが下降線をたどっていきます。

そうした時に、ヒット商品を支えた技術を他の商品づくりに活用出来ないかと考えるのは当然です。

しかし、そのアイデアはすぐに閃くというものではありません。

今回ご紹介した「オブラート」の生産技術もたまたま「オブラート」がシンガポールに出向いた時に、現地企業の方との会話の中で食品のデコレーションとしての用途のヒントを与えてもらえたのです。

まさに、アイデアは存在し、見つけるものであるという言葉そのものです。

 

独自の技術を持ったメーカーは沢山あると思います。

しかし、そうした中にはその技術を生かし切れてない企業も多いと思います。

ですから、自社独自の技術を一覧表にまとめておき、ビジネス環境や売れ筋商品の動向などを定期的に把握し、更に消費者の抱える問題点に対して常にアンテナを張っておき、一覧表に照らして何か応用出来ないかと思いを巡らせておくことはとても重要だと思います。


 
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2017年03月02日
アイデアよもやま話 No.3640 石灰石で出来た画期的な紙!

1月4日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で石灰石で出来た画期的な紙について取り上げていたのでご紹介します。

 

昨年12月、都内で開催された環境展「エコプロ2016」では、日本の企業が誇る最先端の素材が集結していました。

その中でひと際注目を集めていた新素材が不思議な紙です。

触ってみると、ツルツルしていて頑丈そうですが、まず驚くのは耐久性です。

手で破ろうとしても破れず、経年劣化に強いのです。

更に水に入れた状態で鉛筆などで文字を書くことも出来ます。

 

紙の弱点である耐久性と耐水性の両方を克服した紙の代用資材、その名も「ライメックス」です。

実は、「ライメックス」は石灰石からできており、ベンチャー企業、株式会社TBMが2015年に開発に成功しました。

宮城県白石市に「ライメックス」の製造工場があります。

工場のあちこちにあるのが石灰石を砕いた粉です。

そして、もう一つの原料がごく一般的なプラスチック樹脂「ポリプロピレン」です。

石灰と樹脂を機械で混ぜて、高温で熱して引き延ばしていきます。

樹脂は伸びやすく、薄くできますが、そのままでは単なる透明なフィルムに過ぎません。

一方、石灰は白く、しかも硬いので混ぜ合わせることで紙のように白く丈夫なシートになります。

石から作る紙はこれまでにもあったといいますが、独自の技術で軽く薄くできたのです。

TBM白石工場の工場長、小林 貞夫さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「世界でここにしかない技術だと思っています。」

 

「ライメックス」の価格は1kg当たり約500円と普通の紙と比べると割高ですが、現在生産量を増やしており、コストは下がる見込みです。

なお、リサイクル可能で、一般ゴミとして廃棄出来ます。

 

一般的に紙を作るには、紙1トン当たり約20本の樹木と約100トンの水が必要です。

しかし、「ライメックス」は石灰石と樹脂のみで木も水も一切使いません。

主原料の石灰石は、日本でも自給率100%で、世界中でほぼ無尽蔵にあるといいます。

「ライメックス」の生みの親でもある、TBMの社長、山崎 敦義さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(「ライメックス」の一番の魅力について、)木を切らずに、水を使わずに砂漠の真ん中でも作ろうと思えば出来る。」

「(これからの時代は)ペーパーレスと皆さん思われていますが、実際にグローバルで見た時、人口増加や産業化が進む中で、(紙は)2030年に(今の)倍の約8億トンの消費量になると言われているんですけど、そういったところで水資源を使わず、こういう素材が作れるのはすごく画期的なことだと。」

 

そんな「ライメックス」は今、私たちの身の回りにも広がり始めています。

まずは名刺、耐久性に優れ、既に約600社が採用しています。

更に印刷大手の凸版印刷では「ライメックス」の用途について、昨年11月にTBMと共同開発することなどで合意しました。

凸版印刷のビジネスイノベーション推進本部の本部長、糸谷 祥輝さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「封筒は郵便ポストにささった時に半分以上(外に)出ますので、雨に濡れるようなものに使えないかという想定をしたりですとか・・・」

 

さて、山崎社長は、自ら更なる可能性を求めて動いていました。

商談に訪れたのは、企業や個人向けにチラシやパンフレット、名刺などの印刷を手掛けているラクスル株式会社です。

現在の会員数は30万人を超えています。

ちなみに、ラクスル株式会社についてはアイデアよもやま話 No.3578 「ラクスル」に見企業間のシェアリングエコノミー その1 印刷業界の革新!などでもご紹介したことがあります。

ここで「ライメックス」の製品を取り扱ってもらえば、認知が一気に広がります。

用意していたのは、飲食店向けのメニュー表です。

通常の紙のようにラミネート加工することなく、耐久性や耐水性に優れていることをPR、結果は上々の評価でした。

早ければ2月にも取り扱うことが決まりました。

山崎社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「いよいよ今年からは世の中に本格的に商品としてデビューしていくステージに立ったので、世界中にこの素材をどれだけのスピードで広めていけるか、挑戦していきたいと思っています。」

 

ちなみに、番組のメーンキャスター、大江 麻理子さんが「ライメックス」を使用した名刺を100枚作ってもらったところ、価格はおよそ2500円で一般の名刺と比べると多少割高です。

しかし、通常の紙で100枚の名刺を作った場合、10リットルの水が必要といいますが、「ライメックス」だとそれが不要なのです。

そこで、「ライメックス」による名刺を採用した企業に聞いたところ、エコをアピール出来るビジネスツールとしても活用出来るということでした。

 

更に、「ライメックス」はスマホのケースや食品トレイ、あるいは園芸用プランターなど、プラスチックの代替品としても活用の幅が広がってきています。

これによって従来のプラスチックの原料だった石油の使用量を大幅に削減する効果も期待出来るといいます。

山崎社長は、現在使っている樹脂は「ポリプロピレン」などということですが、今後それも天然由来のものに切り替えていくと考えており、より地球に優しい素材を目指して行くということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

ペーパーレス化がどんどん普及しつつある状況ですが、それでも完全なペーパーレス社会はまだまだ先の話です。

そうした中、今回ご紹介した石灰石を主な原料とする「ライメックス」は以下の点から画期的な紙といえます。

・「ポリプロピレン」を天然由来の資源に切り替えれば、持続可能なかたちでの生産が可能になる

・耐久性、および耐火性に優れているので、プラスチックの代替品としても活用出来る

・大量生産によってまだまだコスト削減の余地がある


ちなみに、自宅の郵便受けに配達された郵便物が雨に濡れてふやけてしまう場合がよくあります。
こうした時に、はがきや手紙の封筒、あるいは郵便物の包み紙が「ライメックス」で出来ていれば雨による被害もなくなると期待出来ます。

 

ということで、「ライメックス」は製紙業界における革命的な存在として大いに期待出来ると思います。


 
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2017年03月01日
アイデアよもやま話 No.3639 画期的な”人工肉”バーガー!

これまで、アイデアよもやま話 No.1250 いろいろな味が簡単に作れてしまう!

で人工的な味づくり、そしてアイデアよもやま話 No.1547 オランダが進める夢の人工肉作りプロジェクト!でオランダでの人工肉作りについてご紹介してきました。

また、世界的な人口増により2050年には全世界の肉の生産量を2倍にしなければ、肉にありつけなくなるとも言われています。

そうした中、昨年12月20日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”人工肉”バーガーについて取り上げていたのでご紹介します。

 

アメリカの代表的な食べ物といえばハンバーガーですが、今、肉を使わずに風味や味を再現した“人工肉”を使ったハンバーガーが広がり始めており、近く日本にも上陸しそうだといいます。

アメリカ サンフランシスコのレストラン、コックスコームでは昨年10月から始めたばかりの新しいメニューが大人気となっています。

“人工肉”を使ったハンバーガーで、その名も「インポッシブル・バーガー」、つまり“あり得ない”ハンバーガーです。

実は、このハンバーガー、肉を使わずに牛肉を再現した100%植物由来の“人工肉”なのです。

この「インポッシブル・バーガー」を食べた二人の若い女性客は、番組の中で次のような感想を述べています。

「牛肉を食べる時はホルモン剤が使われていないかなど、気を配っている。」

「この肉は脂が多過ぎないし、いいわ。」

 

「本当においしい。」

「“植物性”なのに肉汁まで出てすごい。」

 

牛肉100%のハンバーグと比べるとこの「インポッシブル・バーガー」は少し薄く見えますが、焼いてみるとちゃんと焦げ色も付いてミディアムレアの焼き加減まで牛肉そっくりです。

「インポッシブル・バーガー」の価格は19ドル(約2200円)で、ランチにしては値段がかなり高めですが、次々と注文が入ります。

普通のハンバーガーよりコレステロールなども低く、健康的だとリピーターもいて、他にも3つのレストランで提供が始まっています。

コックスコームの副料理長、マイク・ヤングさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「“人口肉”バーガーは、週200〜300出るよ。」

「メニューに加えてから売り上げが急増した。」

 

この「インポッシブル・バーガー」を開発したのは、シリコンバレーのベンチャー企業、インポッシブル・フーズです。

創業者は、スタンフォード大学の生物化学名誉教授でもあるパット・ブラウンCEOです。

およそ130人いる社員の3分の2は科学者です。

牛肉の味に近づけようと、分子を解析するなど5年をかけて開発しました。

ブラウンCEOは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「植物由来の成分だけを使って肉や魚を作れないか考えた。」

 

では実際に“人口肉”は何からできているのかですが、肉の本体は小麦から抽出したプロテイン、つまりタンパク質、そしてこんにゃくの粉などから取った炭水化物はつなぎの役割です。

そして、脂身を再現するのは、冷やし固めたココナッツオイルと大豆のプロテインです。

更に牛肉再現のカギとなったのは、肉独特の味や香り、色を生み出す液体、レグヘモグロビンです。

マメ科の植物の根に存在する血液に似た成分で、肉らしさを植物で再現しているのです。

開発の狙いは、地球環境への負荷を減らすことになります。

畜産の場合、飼育する過程で大量の水や飼料が必要なうえ、CO2も排出します。

しかし、“人工肉”の「インポッシブル・バーガー」なら水は85%削減、CO2は89%削減という具合に大幅に削減出来るのです。

 

なお、このビジネスにはマイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツさんが100億円以上投資し、話題になっています。

ブラウンCEOは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ばかげていると思うかもしれないが、今後20年で世界に流通する肉を全て“人工肉”で置き換えるのが目標だ。」

 

こうした“人工肉”をめぐる競争では、高級スーパーのホールフーズ・マーケット(ニューヨーク)がビヨンド・バーガー(5.99ドル)の販売を始めています。

これも100%植物由来です。

三井物産も出資し、2017年に日本でも発売予定です。

 

更に進んだ企業も登場しました。

ベンチャー企業のメンフィス・ミート(サンフランシスコ)では、実験室で肉を作り出しました。

牛肉から取った細胞を培養し、“人工的”に肉を作ることに成功したのです。

昨年1月、世界で初めて“培養ひき肉”のミートボールを完成させました。

そして、昨年11月には“培養かたまり肉”を完成させ、5年後には商品化を目指しています。

バイオ技術の進歩により、食肉大国のアメリカで始まった人工肉の開発競争、今後私たちの食生活を大きく変えることになるかもしれません。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

本来、植物や動物を生のまま美味しく食べることが出来れば地球環境に負荷を与えることはありません。

しかし、人間は他の動物とは違い、より美味しく食べられるように特別な飼料を与えたりして、その結果地球環境に負荷を与えてきました。

しかし、冒頭でもお伝えしたように、世界的な人口増により2050年には全世界の肉の生産量を2倍にしなければ、肉にありつけなくなるとも言われているのです。

今や、肉ばかりでなく、漁獲類も獲り過ぎ、あるいは地球温暖化の影響で国内の近海での漁獲量が以前に比べてかなり少なくなっているという話を耳にします。

 

このように食料資源は有限であること、また従来の方法での肉などの食品加工による地球環境への負荷などの状況下でこれまでの食生活を維持していくためには、持続可能な食品作りが求められるのです。

その解決策の一つが“人工肉”なのです。

また、“人工肉”の作り方にもいろいろあるようですが、しばらくはそれぞれの関連企業による試行錯誤が続くと思われます。

更に、こうした研究が進められていくと、これまで存在しない匂いや風味の食べ物、あるいはとても食べやすく、しかも健康維持につながる栄養バランスの行き届いた食べ物も生まれてくる可能性をもたらしてくれると期待出来ます。


 
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2017年02月28日
アイデアよもやま話 No.3638 進むレジの無人化 − レジロボ!

スーパーなどでレジの長い行列に並ぶと何とかならないものかと思う人も多いと思います。

そこで、以前No.565 そろそろPOSにこんな機能があっても!で理想的なPOS(レジシステム)について思い描いたことがあります。

そうした中、昨年12月12日(月)放送の「ひるぴお!」(TBSテレビ)で無人レジシステム“レジロボ”について取り上げていたのでご紹介します。

 

ローソンとパナソニックが共同開発したのが“レジロボ”と名付けられた無人のレジシステムです。

買い物かごに商品のバーコードを読み取るセンサーが付いていて、お客が自らバーコードを読み込ませます。

買い物を済ませ、無人のレジに行って買い物かごを指定場所に置いてボタンを押し、清算が終わるとかごの底がスライド式に開いて袋詰めも自動で行います。

レジロボ1台で1台のレジの定員の仕事を約1割削減する見通しです。

ローソンは2018年以降の本格導入を目指しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まだ私の思い描いた理想的なレジシステムにはちょっと遠い気がしますが、私の考えの中ではあくまでも会計処理の自動化だけで袋詰めまでは想定していませんでした。

スーパーなどでの買い物の自動化の対象範囲は会計処理と袋詰めということを前提で考えると、普通の食品などと冷凍食品とを分別しての袋詰めが必要になりますので、かなり自動化は難しいと思われます。

しかし、こうしたところまで自動化されれば買い物にかかる時間は格段に短くなると期待出来ます。


 
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