2023年06月04日
【画期的な発電装置の試作機作りのボランティア、および企業の募集】

当ブログを発信しております弊社(株式会社BMC)では現在、ある発電装置の開発を進めておりますが、試作機作りの段階で技術力不足により難航しております。

しかし、この発電装置の実用化の暁には再生可能エネルギー発電の一翼を担えると確信しております。
なお、この発電装置は既に国内特許、および国際特許を取得済みです。

 

つきましては、電子回路関連業務の経験、あるいは知識をお持ちで、試作機づくり、およびデータ検証作業にご協力いただける方をボランティアとして募集いたします。

なお、年齢、性別は一切問いません。

新しいものづくりに対するチャレンジ精神が旺盛で、時間に多少なりとも余裕のある方は是非ご応募いただきたいと存じます。

定年退職された方や学生の方など、エネルギーを持て余しておられる方は大歓迎です。

特に大学や専門学校などで電気工学を専攻されている方には卒業論文のテーマ候補としてご検討いただければ幸いです。

ただし、日本国籍を取得し、日本語の読み書きが十分に出来る方と限定させていただきます。

応募される方は、info@e-an.co.jp までメールでご連絡下さい。

なお、試作機の製作に際して、必要なパーツにかかる費用は弊社にて負担させていただきます。

また、この件に関して、ご興味のある企業様におかれましては、別途ご相談させていただきますので是非ご連絡下さい。

 

以上、よろしくお願いいたします。

                         (株)BMC代表取締役 屋代 雅邦              


 
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2023年06月03日
プロジェクト管理と日常生活 No.820 『ロシアによるウクライナ侵攻にみるリスク管理厳守の重要性!』
1年以上にわたり今も続いているロシアによるウクライナ侵攻はウクライナのみならず、世界的にモノやエネルギーの供給不足、更にそれに伴う物価高といった影響を及ぼしています。

こうしたことから、今更ですが、もしもプーチン大統領がウクライナ侵攻の決断に際し、この侵攻はクリミア併合の時のように短期では終わらず、長期にならざるを得ないという予測がなされていたらどうだったろうかという思いに至ります。

そして、もし、ロシアがウクライナ侵攻を実行した際にはアメリカを中心に民主主義陣営の国々は全面的にあらゆる手段でウクライナを支援するといった警告をプーチン大統領に明確に伝わるようなメッセージを発信していれば、それでもプーチン大統領はウクライナ侵攻を決断しただろうかという疑問がいまだに残ります。

要するに、ロシアによるウクライナ侵攻のような一国の指導者の決断による愚行を抑止出来るような要件をきちんと整理することがこうした事態をもたらす再発防止策になり、従って中国による台湾侵攻の阻止にもつながるのです。
いかなる国のいかなる指導者も自分の決断がプラスよりもマイナスの方がはるかに大きいと実感出来れば、その決断を実行に移すリスクは非常に小さくなるはずです。

例えば、ロシアによるクリミア侵攻は短期間で成功しました。
ですから、プーチン大統領が今回のウクライナ侵攻を決断した背景にはクリミア侵攻の成功体験が大きかったはずです。
ですから、この時に国連、あるいはアメリカを中心とする民主主義陣営の国々が厳しい制裁をロシアに課していれば、今回のウクライナ侵攻にはつながらなかったと期待出来るのです。

ということで、 “リスクは小さいうちに対応する”というリスク管理の鉄則を守ることがとても重要なのです。
しかし、それでも全てのリスクが顕在化することを避けることは出来ないのが世の常です。
ですから、万一リスクが顕在化した場合に備えてコンティンジェンシープランをあらかじめ検討しておくことも重要なのです。

このように、リスク管理は大きく以下の3つの対策から成り立っているのです。
リスク対応策(リスク顕在化の防止)
コンティンジェンシープラン(リスク顕在化後の対応)
再発防止策(リスク顕在化の再発防止)

これまで何度となくお伝えしてきたように、今や国際社会はロシアによるウクライナ侵攻に直面しており、中国による台湾侵攻のリスクも抱えています。
更に地球温暖化はもはやリスクではなく、その影響は徐々に顕在化しつつあります。
ですから、いかにその被害を最小限に食い止めるかという局面に入っているのです。
この他にも国際社会は大小様々な問題やリスクを抱えています。
ですから、国連を中心に上記のリスク管理の原点に立ち返って、戦争勃発を中心とした様々なリスクに対峙していただきたいと願います。

 
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2023年06月02日
アイデアよもやま話 No.5597 インパクト会計で起きる企業価値のパラダイムシフト!
2月16日(木)放送の「モーサテ」(テレビ東京)でインパクト会計で起きる企業価値のパラダイムシフトについて取り上げていたのでご紹介します。 

エーザイの前CFOで早稲田大学大学院の柳良平客員教授は次のようにおっしゃっています。
「(今年はインパクト投資(こちらを参照)が本格化するのか注目されていますが、その判断のもととなるインパクト会計(こちらを参照)が広がることで企業価値のパラダイムシフトが起きるのではないかという問いに対して、)まずインパクト投資なんですけれども、これは従来型の財務のリスクリターンに加えて企業や事業が生み出す環境や社会への影響度、インパクトを加味して投資するんですね。」
「従って企業側には、そのインパクトの可視化が求められるようになってくると思うんですよ。」
「そこで登場してきたのがハーバードビジネススクールのジョージ・セラフェイム教授やデビッド・フリーバーク氏を中心としたインパクト会計という考え方なんですね。」
「そのインパクト会計というのは、企業が生み出すインパクトを数値化して、従来の利益に結びつけて考えていこうとするものなんです。」
「柳さんの“柳モデル”(こちらを参照)もインパクト会計に近い存在と言えるのではないかという指摘に対して、)似て異なるものなんですけれども、“柳モデル”はESG(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.531 『世界のビジネス界で影響を増す地球温暖化対策 その2 国際的な取り組み!』)が何年後のPER、すなわち株価にどう影響するのかという関係性を調べるものですけれども、インパクト会計は年度ごとにインパクトそのものを、絶対値を計算していこうという試みなんです。」
「そしてインパクト会計が進んで会議や投資家との会話が充実することによって大きな企業価値評価の変化が起こってくると思うんですね。」
「すなわち伝統的な財務的な価値イコール企業価値という考え方から、そこへインパクトを加味した総合的な新しい企業価値評価、すなわちパラダイムシフトが起こってくる可能性があると思います。」
「では、それをどのように測定していくのかですが、)まずはじめに伝統的な会計の利益、売り上げ収益から費用を引いて今の従来的な利益の考えがありますよね。」
「そこに3つのインパクト、環境、製品、雇用のインパクトを足していくんですね。」
「ただ、そのインパクトの挿入にあたっては基本的に3つの条件がありまして、マテリアル(社会にプラス)、アディショナル(自社の独自性)、メジャラブル(測定可能)っていうんですけど、重要な社会的にプラスの影響を及ぼしているのか、2つ目は独自の貢献があるのか、そして3つ目は測定可能性ということになります。」
「そして測定可能性が最初の2つ、重要性と独自性を支えますのでインパクト会計が重要になるということになるんですが、これらを合わせもって総合的にインパクト利益というものを算出していこうというのがインパクト会計の仕組みになります。(こちらを参照)」
「3つのインパクトのうち最初の環境インパクト、これは全社共通で基本的に分かり易い概念だと思うんですけど、CO2などの環境負荷を計算しましょうというものです。」
「次に製品インパクトが2番目にありますけども、これは会社によって異なります。」
「企業が提供する製品やサービスがお客様や社会にどんな影響を及ぼすのかを計算していくんですね。」
「例えばエーザイの熱帯病治療剤の無償供与は発展途上国で取り戻せる生涯賃金や医療費削減でライフタイムで7兆円、年間1600億円のインパクトを創出するというふうに計算して開示しました。」
「またノルウェーのシーフード会社は自社が提供するサーモンがオメガ3(こちらを参照)などの効果で心臓血管病のリスクを下げられると。」
「その医療費削減効果などで年間200億円以上の社会的インパクトを作っているというふうに計算しています。」
「これらは先ほどの3条件を満たしていると言えると思うんですね。」
「(最後、3つ目の雇用インパクトについて、)これも各社共通だと思いますけど、人件費を費用でなくて投資と見なすというものなんですが、男女や人種の賃金とか昇進の差などを調整しないといけません。」
「これもエーザイの事例で見た方が分かり易いと思いますので、こちらにエーザイの雇用インパクト会計をお示ししておりますけども、ハーバードビジネススクールとの共同研究で、日本初のインパクト会計の計算と開示を行ったものなんですね。」
「一番上の給与合計、358億円が人材投資なんですが、そこから主に男女の賃金差を調整して343億円まで減額しています。」
「15億円減っていますけど、これが賃金の質としてスタートポイントです。」
「そこからエーザイの女性管理職比率、だいたい10%ぐらいなんですけど、女性社員比率が25%だから女性管理職比率も25%がフェアですよね。」
「そうなるように調整する負荷が7億円、これをマイナスします。」
「更にその女性従業員比率25%も人口比から言ったら50%がフェアですよね。」
「それを達成するには女性をあと900人ぐらい雇わないといけませんのでその分の負荷を鑑みると78億円のマイナスになると。」
「一方で、これエーザイジャパンの例ですので、全国都道府県の失業率や平均賃金に鑑みてエーザイの都道府県での雇用がどれくらい貢献をしているかというのを全部足し合わせると11億円ぐらいの価値があると。」
「従って一番下のインパクトの総計が269億円というふうになるんですね。」
「(だいぶ減ったように見えてしまいますが、)それでも全体を俯瞰してみますと、一番上、約360億円の給与を投資して、一番下、社会貢献のインパクト、約270億円を作ったと。」
「人材投資効率は75%なんですね。」
「これハーバード(ビジネススクール)によると、アメリカの大手企業の平均て55%ぐらいらしいんですよ。」
「そうすると、かなり高い投資効率とも言えると思うんですね。」
「(人的開示、本格的になりますから、期待の声が日本に向けて寄せられているのかという問いに対して、)そうなんですね。」
「実はそのハーバードビジネススクールでインパクト会計を立ち上げたデビッド・フリーバーグ氏が先週来日しまして、(2月10日に)早稲田大学の会計ESG講座の私のクラスで講演を行ってくれたんですけども、彼は非財務の価値を強調していましたけれども、アメリカが政治の二極化などでちょっと今八方塞がりになっている中で特に日本企業は高邁な理念や従業員のマインド、社会貢献の意識が高いのでポテンシャルが大きいと。」
「大いに期待したいって言うんですね。」
「ただ、その前提が“柳モデル”やインパクト会計による可視化であると。」
「一方でその留意点としては、企業ごとの創意・工夫がありますから、バラバラになっちゃう場合もあるので、一定の規律が重要になると。」
「そこでエーザイが行ったようにハーバードビジネススクールと組む、アビームコンサルティング株式会社と組むという信頼のおける第三者機関と一緒に共同で計算していくっていうような保障の担保も検討課題になってくると思います。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通してインパクト会計について以下にまとめてみました。
・インパクト投資は従来型の財務のリスクリターンに加えて企業や事業が生み出す環境や社会への影響度、インパクトを加味して投資することである
・従って企業には、そのインパクトの可視化が求められるようになってくるが、そこで登場してきたのがインパクト会計という考え方である
・そのインパクト会計とは、企業が生み出すインパクトを数値化して、従来の利益に結びつけて考えていこうとするものである
・“柳モデル”はESGが何年後のPER、すなわち株価にどう影響するのかという関係性を調べるものだが、インパクト会計は年度ごとにインパクトの絶対値を計算していこうという試みである
・伝統的な財務的な価値イコール企業価値という考え方から、インパクトを加味した総合的な新しい企業価値評価、すなわちインパクト会計に変わることよりパラダイムシフトが起こってくる可能性がある
・インパクト会計の測定方法は以下の通りである
-まずはじめに伝統的な会計の利益、売り上げ収益から費用を引いて今の従来的な利益を算出する
-そこに環境、製品、雇用の3つのインパクトを挿入する
-インパクトの挿入にあたっては基本的に3つの条件、すなわちマテリアル(社会にプラス)、アディショナル(自社の独自性)、メジャラブル(測定可能)がある
-測定可能性が最初の2つ、重要性と独自性を支えるのでインパクト会計が重要になるが、これらを合わせもって総合的にインパクト利益というものを算出していこうというのがインパクト会計の仕組みになる
-3つのインパクトのうち最初の環境インパクトは全社共通でCO2などの環境負荷を計算する」
-2番目の製品インパクトは会社によって異なり、企業が提供する製品やサービスがお客様や社会にどんな影響を及ぼすのかを計算していく
-3番目の雇用インパクトは各社共通で、人件費を費用でなくて投資と見なし、男女や人種の賃金とか昇進の差などを調整する
・ハーバードビジネススクールでインパクト会計を立ち上げたデビッド・フリーバーグ氏は、アメリカが政治の二極化などで八方塞がりになっている中で特に日本企業は高邁な理念や従業員のマインド、社会貢献の意識が高いのでポテンシャルが大きいと指摘しているが、その前提が“柳モデル”やインパクト会計による可視化である
・一方でその留意点としては、企業ごとの創意・工夫があるので、一定の規律が重要になる
・そこでエーザイが行ったように信頼のおける第三者機関と一緒に共同で計算していくような保障の担保も検討課題になってくる

こうしてまとめてみると、インパクト会計はインパクト投資するうえで、関連データを“見える化”、すなわち可視化するための手法と言えます。
そして、インパクト投資はSDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)やESG投資(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.531 『世界のビジネス界で影響を増す地球温暖化対策 その2 国際的な取り組み!』)と大いに関係があります。
これら3つの関連についてですが、SDGsは最も包括的な観点からゴールを設定しています。
そして、インパクト投資とESG投資はこのゴールの一部をカバーしていると言えます。
また、両者の対象範囲はかなり似通っていますが(こちらを参照)、異なる点はインパクト投資はインパクト会計をベースにしているところだと思います。
従って、将来的にインパクト投資とESG投資は投資のあり方、そしてその管理手法が統合されるのではないかと思われます。
更にSDGsの個々のゴール達成の管理手法としてインパクト会計の手法は参考になるのではないかと思います。

 
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2023年06月01日
アイデアよもやま話 No.5596 米中首脳関係の望ましいあり方!
2月17日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で米中首脳関係の望ましいあり方について取り上げていたのでご紹介します。

偵察気球を巡って米中が緊張する中で緊張緩和という動きに四苦八苦している状況について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「アメリカのバイデン大統領も特定の分野では中国と協力はしたいんですよね。」
「特定の分野というのは、1つはウクライナ危機を巡って、ロシア寄りの中国を引き付けたいということ。」
「2つ目は、地球温暖化で協力を得たいということですね。」
「(ただ、台湾問題やハイテク技術を巡る米中の対立は解消出来ないが、)その通りですね。」
「昨日(2月16日)、アメリカ政府は、外国の政府が特定のハイテク技術を盗んだりする、その監視組織を立ち上げたんですね。」
「で、中国を名指しして、AIや量子コンピューターとか半導体製造装置、そういったものは出さない、つまり「ハイテクで中国のキャッチアップは許しませんよ」と明確にしてるんですよね。」
「(となると、協力と対立という中でも対立が基調と見ればいいのかという問いに対して、)そうですね。」
「対立がベースになっていると。」
「ただ、そういう時だからこそ、トップ同士の話をするという、このパイプが重要だっていうことですね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

そもそもアメリカは民主主義陣営の国々のリーダー国、そして中国は独裁政権、かつ覇権主義の大国です。
そして中国は国際社会でその影響力を高めるため、アフリカや太平洋の島しょ国などの開発途上国に積極的に経済支援を行い、中国の支配下に置こうとしています。
また、アメリカは自由、および人権を尊重する民主国家ですが、中国は“まず中国共産党ありき”(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.690 『中国式“法治”の脅威!』)で国民の自由や人権よりも中国共産党の意向、および存続が優先されます。
ですから、本来、水と油のような関係で、互いの価値観は合い入れないのです。

しかし、一方でこうした価値観の相違はあるものの、お互いの国民の豊かさを追求するうえで相互の人材や資本の入り組んだ経済活動は盛んであることが望ましいのです。
ところが、厄介なことに経済力、および軍事力で急速に力をつけてきた中国がアメリカに“追いつき、追い越せ”で対抗意識むき出しでアメリカに対峙しているのです。
一方、アメリカもこうした中国の脅威を意識し、そうはさせじといろいろと策を講じつつあるというわけです。

しかし、こうした関係を俯瞰すれば、今起きている、あるいは今後起きるであろう問題の解決に際し、アメリカと中国、両国の協力の有無により、多くの問題解決にかかるコストや期間が大きく左右されるのです。

一方で、万一米中が戦闘状態になれば、即、第三次世界大戦に突入することになります。
そして、この戦争に勝者は存在しません。
なぜならば、両国の保有する兵器、中でも大量破壊兵器の使用まで突き進めば、お互いの陣営国も含めて大量の犠牲者が出てしまうからです。

このような事態を避けるべく、バイデン大統領、および習近平国家主席は以下の観点から会談を開き、何度でも徹底的に議論をすべきなのです。
・両国はともに人類存続のカギを握っているという自覚を持つこと
・同様に両国はともに人類を破戒に導くような権利は有していないという自覚を持つこと
・お互いに協力出来るエリア、および絶対に譲れないエリアを明確にすること
・協力出来るエリアについてはお互いに積極的に協業を図ること
・絶対に譲れないエリアについては、徹底的に議論を重ね、その過程で武力に依存しない解決策を見出すこと
・いつでも、どちらからでもコミュニケーションが取れるホットラインを設けること
・合意事項については、絶対に相手を裏切らないこと

さて、今やロシアによるウクライナ侵攻は長引くという専門家の見方があります。
そして、状況次第でロシアのプーチン大統領が核兵器の使用を決断するリスクは残っています。
このリスクが現実のものとなれば、第三次世界大戦勃発の可能性は非常に高まります。
ですから、バイデン大統領、および習近平国家主席は手始めに、どちらからでもいいのでこの侵攻の終結に向けて働きかけ、議論を重ねて最善の解決策を見出していただきたいと思います。

 
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2023年05月31日
アイデアよもやま話 No.5595 反プーチンのロシア国内の2つの武装組織!
前回、アイデアよもやま話 No.5594 ロシアがモルドバでクーデターを計画!でロシアによるウクライナ侵攻を収束させるためには、徹底的にロシアを孤立させるか、兵糧攻めするか、あるいは反プーチン勢力によるプーチン政権の転覆を図るかといった方法があるとお伝えしました。
しかし、ロシアは中国を始め、一部の国々との連携を図っており、ロシアを孤立化させるのはとても難しいと思われます。
また、兵糧攻めについては、ロシアは食料とエネルギーについては自給自足が可能ということでやはり長期化が避けられません。
そうした中、5月25日(木)付けネット記事(こちらを参照)で反プーチンのロシア国内の2つの武装組織の動きについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。

・今月22日、ウクライナと国境を接するロシア西部・ベルゴロド州の州知事が、ウクライナの工作員が州内に侵入し、銃撃や無人機による攻撃を受け、戦闘が起きていると発表。これに対し、ウクライナ側は関与を否定しました。
・一方、ウクライナ側に立って戦うロシア人などの義勇兵を名乗る2つの組織がSNSで、ロシア領内に入りベルゴロド州で戦闘を行っていると主張。
・ロシアのベルゴロド州に侵入し、戦闘を行っていると主張しているのは、ロシア人などの義勇兵を名乗る「自由ロシア軍」と「ロシア義勇軍」です。
・組織の規模など詳しいことはわかっていませんが、欧米やロシアのメディアによりますと、「自由ロシア軍」は、ロシアによる軍事侵攻が始まった直後にあたる2022年3月に結成され、ロシア人やベラルーシ人などで構成されているということです。団体のウェブサイトでは「ウクライナ軍と協力し、ウクライナの指揮下で活動している」と記されています。そしてプーチン政権の打倒を目標に掲げています。
・一方、「ロシア義勇軍」は2022年8月に極右のロシア人たちによって設立され、ウクライナ側に立って戦闘を続けているということです。
・2023年3月には、ウクライナと国境を接する西部のブリャンスク州で、ロシア側はウクライナから武装集団が侵入したと発表していて、「ロシア義勇軍」がSNSで関与を主張していました。
・さらに今月22日以降もSNS上で「戦闘員が再び祖国を訪れるだろう。戦闘の炎が燃え上がる」などと投稿。ロシア側から奪ったとする軍用車両などの映像を公開しています。

以上、ネット記事の一部をご紹介してきました。

既に昨年の3月、そして8月にロシア国内でもプーチン大統領の横暴さに反感を持って立ち上がった武装勢力が2つあったのです。
一方、ウクライナ国内では、多くの外国人がウクライナ軍の「外国人部隊」として合法的に戦闘に参加しているといいます。
ですから、こうした反プーチンの武装勢力の輪が今後とも広がっていけば、いずれプーチン大統領も何らかのかたちでウクライナ侵攻の収束に向けて動かざるを得ない状況に追い込まれると期待出来ます。

ところが、5月25日(木)付けネット記事(こちらを参照)では以下のように報じています。
・5月25日、ロシアとベラルーシは、ロシアの戦術核ミサイルをベラルーシ領内に配備することを正式決定する協定に調印した
・ロシア側は、西側諸国との緊張の高まりがきっかけだと説明した。
・ロシアは戦術核兵器の保有数を明らかにしていない。

ですから、今後ロシアがウクライナ軍の反転攻勢でかなり形勢が不利になった場合にはプーチン大統領が戦術核ミサイルの投入を決定するリスクが高まってくるのです。

ということで、今後ともロシアによるウクライナ侵攻の成り行きはどうなるか分からないのです。
しかし、何としても戦術核ミサイルの投入は回避させなければなりません。
この点については、恐らく中国の習近平国家主席も同意するはずです。
なので、岸田総理やバイデン大統領には、習近平国家主席と意見の一致を見るところを生かして、何として早急にロシアによるウクライナ侵攻を収束に向けて積極的に動いていただきたいと思います。

 
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2023年05月30日
アイデアよもやま話 No.5594 ロシアがモルドバでクーデターを計画!
ロシアによるウクライナ侵攻はまだまだ収束の見通しが立たない状況です。
というよりも、プーチン大統領が核兵器の使用を決断するリスクの高まりが気になるところです。
そうした中、2月13日(月)付けネット記事(こちらを参照)でロシアによるモルドバでのクーデター計画について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

・モルドバのサンドゥ大統領は2月13日、ロシアがモルドバ国内で、政府の建物を攻撃したり人質を取ったりすることを含め、クーデターを計画していると記者会見で述べた。
・サンドゥ氏は、ロシアの計画は「憲法秩序を覆し、正当な権力を不法な権力に変え、(モルドバを)ロシアが自由に使えるようにして欧州統合プロセスを止めること」を目指していると主張。ウクライナとの戦争でモルドバを利用することもロシアの狙いだとした。
・サンドゥ氏は、モルドバの国家治安機関がこれらの挑発を防ぎ、状況を制御するために動いているとした。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

要するにプーチン大統領の頭の中では、ウクライナのみならず他の旧ソ連邦の国々も侵攻の対象にすることに躊躇することがないのです。
そして侵攻の名目は、これらの国々の中のロシア系住民がロシアへの庇護を求めたのに応じてロシア軍を派遣したということにし、実質的にはロシア系住民による暫定政権を承認し、ロシアの領土の一部として一方的に併合するという狙いです。

そこで民主主義陣営の日本の国民として、あらためて思うのはロシアによる覇権主義の展開を食い止めるにはロシアによるウクライナ侵攻を他の国々と共に何としても諦めさせることです。
勿論、プーチン大統領は簡単には諦めはしないはずです。
ですから、徹底的にロシアを孤立させるか、兵糧攻めするか、あるいは反プーチン勢力によるプーチン政権の転覆を図るか、あらゆる手段を探り、実行に移すことが求められるのです。

以前にもお伝えしたように、仮にロシアによるウクライナ侵攻がロシアの満足のいくかたちで終息するようなことがあれば、遅かれ早かれウクライナの周辺国もロシアの餌食になってしまうのです。
更に中国の台湾進攻リスクもロシアによるウクライナ侵攻の結果次第でその度合いも変わると見込まれます。
ですから、やはりウクライナ侵攻の成功は中国による台湾侵攻の脅威を高め、台湾侵攻の成功は尖閣列島の脅威につながるということでウクライナ侵攻は日本にとって他人事では済まないのです。

なお、台湾侵攻について、中国は「内政問題なので他国は口を出すな」という見解ですが、民主主義陣営の国々が問題視しているのは、新疆ウイグル自治区の人権無視問題と同様なのです。
本来、中国は国連加盟国で、しかも常任理事国なのですから率先して国連憲章の順守が求められます。(参照:No.4956 ちょっと一休み その774 『中国による“内政干渉”の一言で物事が進んでいいのか?』
勿論ロシアも同様です。

ちなみに中国の憲法と人権の関連ですが(添付参照)、やはり中国においては憲法よりも中国共産党の方が上位に位置しており、中国共産党の意向で都合のいいように法律が解釈され、結果として中国国民の人権軽視につながるのです。


添付)

中国の憲法と人権の関連
ChatGPT
中国の憲法は人権を保障していますが、その適用は制約されています。中国の憲法は基本的な人権を保障しているとされていますが、一党独裁制の下での実施や、政府の解釈によって制約される場合があります。表現の自由や結社の自由、信教の自由などの人権に関する条項がありますが、これらの権利は政府の判断によって制限されることがあります。また、特にチベットや新疆ウイグル自治区などの地域では、人権侵害の報告があります。中国の憲法と人権の関連は、実際の運用や制約によって複雑なものとなっています。

 
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2023年05月29日
アイデアよもやま話 No.5593 人口の切り口から見たロシアの継戦能力!
2月21日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で人口の切り口から見たウクライナ侵攻におけるロシアの継戦能力について取り上げていたのでご紹介します。

プーチン大統領は2月21日の演説でウクライナ侵攻を正当化し、核実験にも言及しました。
ただ1年経ってロシアも様々な面でかなりダメージを受けているようです。
こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「まず人に注目しても相当まずい状況になっていると思うんですね。」
「イギリスの新聞のファイナンシャルタイムズは電子版でロシアの継戦能力、戦いを続ける能力という大特集を組んでいるんですよね。」
「(こちらを指して、)一つはロシアからどんどん人が出ているというわけですよね。」
「2022年に50万人以上の人が出国していると分析してるわけで、やっぱり兵隊に取られたくないという人が増えているということだと思います。」
「(ソ連崩壊後の社会混乱が尾を引いた影響もあって、20代ぐらいの人口が極端に少ない状況について、)一番深刻なのは戦争を戦うというのは20代の若者なんですよね。」
「ロシアの徴兵制の年齢を27歳から30歳まで上限を引き上げようとしているんですけど、肝心の20代の人口は非常に少ないということで、ただでさえ減ってる人たちが戦場に取られちゃうと国内の生産体制に更に打撃が加わるという悪循環ですよね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、5月17日(水)付けネット記事(こちらを参照)でロシアの労働力不足について取り上げていたのでその一部をご紹介します。

・ロシアによるウクライナ侵攻は、ウラジーミル・プーチン大統領の長年の懸案事項である少子高齢化を加速させた。
・侵攻により西側諸国から制裁を科され悪化した経済が、さらに停滞する可能性もある。
・低出生率が何年も続き、労働力の減少に直面していたロシアにとって、ウクライナ侵攻は状況の悪化と、長期間にわたりその影響が残り得ることを意味する。
・動員により、男性数十万人が労働市場から消えた。さらに、高学歴者の多くは国外に脱出した。
・西側は、ウクライナ、ロシア両国の死傷者はそれぞれ15万人に上ると推計している。
・さらに、新型コロナウイルスによって約40万人が死亡したと公式統計ではされているが、実際の死者数はこれを大幅に上回るとみられる。
・ロシア中央銀行が先月19日に公表した統計から、「急激な」人手不足が起きており、特に加工業や輸送業、水道業などで顕著であることが明らかになった。
・高等経済学院は先月、ロシアが人口減少を回避するには、21世紀末まで、毎年39万人から110万人の移民を受け入れる必要があるとの研究結果を発表した。
・だが一部の業種では労働力を補えず、特にIT関係など高いレベルの教育を必要とする仕事では人材不足が続くという。
・人口統計学者のラクシャ氏によると、侵攻後の昨年2月から3月にかけて、男性約10万人を含む15万人がロシアを離れた。9月の部分的動員発表を受け、さらに約50万人が出国したと推定されるという。
・最近(4月14日 こちらを参照)では、動員回避者に経済的な制限を課す法律が施行された。これにより出国者の外国永住がさらに後押しされる可能性もある。
・だが、ズバレビッチ氏は出国者の60%以上がリモートでロシア企業の仕事を続けていると指摘。「一部は戻ってくる」との見方を示した。

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

また、3月14日(火)付けネット記事(こちらを参照)でロシアの徴兵制の年齢の上限引き上げについて、現行は18〜27歳だが、下限を来年から3年間で毎年1歳ずつ21歳へ引き上げると報じています。

こうした情報から、ロシアによるウクライナ侵攻をロシアの人口という切り口でロシア自体の問題を以下にまとめてみました。
・ソ連崩壊後の社会混乱が尾を引いた影響もあり、20代ぐらいの人口が極端に少ない状況である
・今回のウクライナ侵攻がプーチン大統領の長年の懸案事項である少子高齢化を加速させた
・更に2022年に50万人以上の人が出国しており、一部の業種では労働力を補えず、特にIT関係など高いレベルの教育を必要とする仕事では人材不足が続くと見られている
・そこで、動員回避者に経済的な制限を課す法律が施行されたが、これにより出国者の外国永住がさらに後押しされる可能性もある

さて、以前にもお伝えしたように、当初、プーチン大統領が短期で終わるともくろんでいた「特別軍事作戦」なるウクライナ侵攻はウクライナ軍の想定外の抵抗により未だに続いています。
こうしたプーチン大統領の誤った決断の結果、ロシアは長年の懸案事項である少子高齢化を加速させ、人材不足、あるいは出国者の増加をもたらしているのです。
そして、兵員の「招集逃れ阻止法」成立により更なる出国者の増加が見込まれます。

ということで、ロシアの人口という切り口だけで見ても、合理的な判断からすれば、ウクライナ侵攻は防ぐことが出来たはずなのです。

 
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2023年05月28日
No.5592 ちょっと一休み その878 『世界の軍事費、2022年は過去最高!』
4月24日(月)付けネット記事(こちらを参照)で2022年に過去最高となった世界の軍事費について取り上げていたのでその一部をご紹介します。

・4月24日、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は、2022年の世界の軍事費が実質ベースで3.7%増加し、過去最高の2兆2400億ドル(約300兆円)に達したと報告した。
・欧州の軍事費は13%増と、冷戦終結後で最大の伸びを記録。ロシアとウクライナによる軍事費拡大が主因だが、その他の諸国も緊張の高まりを受けて軍事費を相次ぎ引き上げた。SIPRIの研究員は、中欧と西欧では今後数年間にわたり軍事費の増加が続く見込みだと述べた。
・ウクライナの軍事費は640%急増し、1949年までさかのぼるSIPRIのデータで最大の増加率となった。西側諸国から受けた膨大な額の金融軍事支援は含まれていない。
・SIPRIは、米国からウクライナへの軍事援助が、22年の米軍事費全体の2.3%を占めると推定。
・一方、ロシアの軍事費は推定9.2%増となった。ただ、ウクライナ侵攻開始以来、財務当局の不透明さが増しているため、数字は「かなり不確か」とした。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

なお、4月24日(月)付けネット記事(こちらを参照)では世界「軍事費」ランキングについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。

・上位5カ国は米国、中国、ロシア、インド、サウジアラビアで、合計が世界全体の63%を占めた。中国は28年連続増の2920億ドル。
・日本は5.9%増の460億ドルで10位だった。
・韓国は464億ドルで、日本を抜いて9位となった。
・ウクライナの軍事費は国内総生産(GDP)の34%を占めた。順位は21年の世界36位から11位に急上昇し、初めて上位15カ国に入った。
・前年5位のロシアも国家親衛隊への配分や大規模動員で予算が前年比9.2%増の864億ドルに膨らみ、3位に順位を上げた。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

日本10位ですが、いかに日本国憲法が平和主義を掲げていても他国からの侵略抑止のためにはある程度の軍事力の保持が必要なのです。
ですから、日本には軍隊は存在しませんが、その代わり国家安全保障の観点から自衛隊という防衛組織があるというわけです。

なお、ロシアによるウクライナ侵攻の継続、あるいは中国による台湾進攻リスクの高まりから世界の軍事費は当面増加傾向が続くと見込まれます。

さて、ここで思い付いたのは仮にロシアによるウクライナ侵攻でかかっている全ての軍事費、あるいは侵攻終結後のウクライナの再建費用が世界の貧困層の支援や地球温暖化対策のために使われたらどれだけ良かっただろうということです。
そこで更に思い付いたのは、こうした架空の戦争勃発を想定して、毎年そのための基金を集めて世界の貧困層の支援や地球温暖化対策など、世界共通の最重要課題解決用の費用とすることです。
もしこのアイデアが実現されれば、戦争勃発抑止にもつながると思うのです。

 
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2023年05月27日
プロジェクト管理と日常生活 No.819 『少子化対策の最大の課題!』
1月18日(水)放送の「鳥羽慎一モーニングショー」(テレビ朝日)で少子化問題とその対策について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

少子化問題について番組に寄せられた視聴者の3000件以上の意見から、出産や子育てを巡る切実な現状が次々と浮き彫りになりました。
中でも子どもを産むことを躊躇してしまう理由として、教育費の高さ、そして育児と仕事の両立の難しさが非常に多かったです。

国の調査では、夫婦が望む子どもの数は2.25人、ところが現実は1.3人に止まっています。

なお、麻生副総裁は、少子化の最大の原因は女性の“晩婚化”で、複数の子どもを出産するには体力的な問題があるかもしれないと指摘されております。
ちなみに初婚年齢の推移はこちらです。
特に女性の初婚年齢が上がっていることが分かります。
このことについて、経済学の視点から少子化対策を研究している東京大学大学院 経済学研究科教授の山口慎太郎さんは次のようにおっしゃっています。
「率直に言って、政治の失敗の責任転嫁だなと感じますよね。」
「そもそも、なぜ晩婚化が起こるのかというところまで立ち返って考えていただきたいなと思います。」
「そもそも若い方が非正規で、低所得で不安定な仕事しか見つけにくいという状況があるために将来にポジティブな展望が描けずに家族を持って、子どもを持ってというのが非常に難しくなってしまっているというところが根本的な原因なのではないかと思いますけどね。」

また元AERA編集長でジャーナリストの浜田敬子さんは次のようにおっしゃっています。
「現状を正しく理解しないと正しい対策は打てないと思うんですね。」
「だからこういうふうに女性の社会進出が原因だとか、女性の晩婚化がっていうふうに思っている、思いたいから正しい対策を打ててこなかったというところもありますし、少子化の研究の論文を読むと、晩婚化と非婚化って確かに人口減少の要因だと言われてるんですけども、急激に少子化が起きている日本と韓国の特徴というのは、妻の家事・育児の負担が大きいということと、職場で家族に優しい政策が取られていないということと、出産による離職から再就職に非常にハンデがあるという、この3つが大きな少子化の原因だと言われていて、そことかには全然目をつぶって言わない、言及しない。」
「そこが一番対策が打ち易いところでもあるのにやらないというのに、女性の責任、女性が働いているからだと持っていくのが本当にいつも怒りが湧くんですよね。」

またテレビ朝日報道局の玉川徹さんは次のようにおっしゃっています。
「僕は本当に政治がずれてるんじゃないかと思うんですよ、国民意識と。」
「勝手に国民が晩婚化して、その結果として少子化になっているっていうふうに受け取っちゃいますよね、こういうような発言だと。」
「それは子どもを産み育てる世代の人たちが経済的な理由があって中々結婚に踏み切れないっていうところがあって、その大きな要因の一つが、例えば非正規雇用の増大という問題がありますよね。」
「で、若者だけでみても、非正規雇用は増えているというふうなデータが出ているようです。」
「で、それで考えると、麻生さんがまさに所属している政党が今まで続けてきた政策が非正規雇用を増やすというような政策じゃないですか。」
「その原因の方がむしろ大きいんじゃないですかね。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組を通して、少子化をもたらす要因を以下にまとめてみました。
・出産を躊躇する理由として、教育費の高さ、育児と仕事の両立の難しさが非常に多い。
・国の調査では、夫婦が望む子どもの数は2.25人、しかし現実は1.3人である。
・初婚年齢は、1991年から30年間で、男性は2.6歳、女性は25.9歳から3.6歳上がっている

次に、少子化に関する番組コメンテーターの方々の指摘を以下にまとめてみました。
・若い方が非正規で、低所得で不安定な仕事しか見つけにくいという状況があるために将来にポジティブな展望が描けずにいることが根本的な原因ではないか
・現状を正しく理解しないと正しい対策は打てない
・少子化の研究の論文を読むと、晩婚化と非婚化は人口減少の要因というが、急激に少子化が起きている日本と韓国の特徴は以下の3つである
妻の家事・育児の負担が大きい
職場で家族に優しい政策が取られていない
出産による離職から再就職に非常にハンデがある
・勝手に国民が晩婚化して、その結果として少子化になっているという麻生副総裁の発言は国民意識とずれている
・子どもを産み育てる世代の人たちが経済的な理由で中々結婚に踏み切れないことがあるが、その大きな要因の一つが非正規雇用の増大である
・その大きな背景には、これまでの自民党政権の非正規雇用を増やす政策があった

さて、そもそも夫婦が望む子どもの数は2人以上ですが、現実は2人に満たないという状況を国は注視すべきなのです。
「馬を水辺に連れて行くことは出来ても、水を飲ませることは出来ない」ということわざがあるように、夫婦が子どもを望んでも生むことが出来ないという状況に的確に応えずに少子化対策を進めるのはとても困難です。
しかし、夫婦が望む子どもの数は2人以上ですので、その望みをかなえることが出来れば、少子化問題は解決出来るのです。

そこで、番組の内容や他のネット関連情報を参考に、このギャップを埋めるための対応策を以下にまとめてみました。
(国)
・出産費用や教育費の全額支援
・3人以上の出産への特別報酬制度
・男性社員にも育休の制度化
・非正規雇用者/パートへの最低賃金の賃上げ
・「年収の壁」問題への対応
・リスキリングへの支援金

(企業)
・フレックスタイム/時差出勤制度の導入
・リモートワーク/在宅勤務制度の積極的な活用
・男性社員への育休の奨励
・出産後の女性社員が復帰し易い環境づくり

なお、「年収の壁」問題についてはアイデアよもやま話 No.5585 どうする?”年収の壁”でも伝えしましたが、1月30日(月)付け「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でも同様のテーマを取り上げていたのでご紹介します。

岸田政権は少子化対策の力を入れていくということですが、そもそも子育てのためには家庭の収入を増やす必要がある、リスキリングも、その手段の1つです。

解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「今日(1月30日)の国会論戦で出てきた中で注目したいのは配偶者の収入が増えても一定限度に達すると税や社会保険が増えてしまうという103万円の壁や130万円の壁と言われているものなんですけど、岸田総理はかなり本気になって壁を壊そうとしていると思うんですよね。」
「木原官房副長官も、これは優先課題だとかなり明確にしてますよね。」
「(その壁をどのように壊そうとしているのかという問いに対して、)具体的にこれはどういうことを意味しているのかというと、壁を越えて多めに稼いでしまうと、それまで控除されていた所得税や社会保障に関する負担がいっぺんに発生して、かえって年収の手取りが減ってしまうわけですよね。」
「では減った分をどうしたらいいのか、政府は手取り減少分を補填するということを一つの案として考えられているわけです。」
「(こうした壁が無くなっていった場合の経済効果について、)相当な経済効果が出てくるという試算があります。」
「具体的には、(配偶者の収入増で)年収100万円の世帯が120万円まで稼ぐようになると、日本のGDPを3兆円押し上げるという試算があります。」
「これはGDP0.5%あまりの押し上げですからかなりの効果と言っていいんじゃないでしょうか。」
「(政府がその壁の穴埋めをした場合の予算について、)予算としては数千億円規模が毎年必要になる。」
「だいたい6千億円という試算があるんですけども、当初は予備費を活用するという案が考えられると思うんですよね。」
「結局、こうやって収入が増えれば、回り巡って経済を押し上げて、税や社会保険料の収入がふえていくわけですから、これ一考の余地がある考え方だと思います。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

単純に考えると、予算の投入と“収入の壁”を無くした場合の経済効果を比較すると全体としてメリットがあると思われます。

また非正規社員に比べて一般的に収入の多い正社員の比率は以下の通りです。(こちらを参照)
国の定期観測調査によると、正社員比率が62.0%、正社員以外比率が38.0%と全労働者に占める比率は正社員の方が高くなっています。
また、35歳未満の若年・35歳以上の若年以外で見ると、若年の正社員比率が17.2%なのに対し、若年以外の正社員比率は44.8%と若年の正社員の倍以上となっています。

ということは今や、全労働者に占める比率は、正社員以外の比率が38.0%ですが、中でも35歳未満の若年では82.8%という状況なのです。
非正規社員の給料は一般的に正社員に比べて低く、しかもいつ契約切れで失業してしまうかもわかりません。
このように収入が低く、しかも生活が安定しない暮らしでは、多くの人たちは結婚したくても出来ません。
更に結婚したとしても、番組でも取り上げているように、とても子どもを授かることに踏ん切りがつきません。

ということで、政府は”収入の壁”を無くすことを優先課題だと明確にしていますが、出産費用や教育費の全額支援と同時に非正規社員でも安定的かつ、妥当な収入が得られるような状況をもたらすことこそが最大の課題と言えます。

なお、収入が低く、しかも安定して収入が得られない若年層が8割以上という状況では国全体の消費は今後、どんどん減少していくと見込まれます。
一方で、国の税収もどんどん落ち込んでいきます。
そうなると出産費用や教育費の全額支援も出来なくなってしまいます。
ですから、国が本気でこうした少子化対策に取り組ななければ、日本の未来はないのです。

 
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2023年05月26日
アイデアよもやま話 No.5591 中国の闇 その3 日本国内における実態!
人権を無視し、世界制覇を目指している中国の闇を3回にわたってご紹介します。
1回目は“秘密警察”の実態(参照:アイデアよもやま話 No.5589 中国の闇 その1 “秘密警察”の実態!)、2回目は“諜報活動”の実態!(参照:アイデアよもやま話 No.5590 中国の闇 その2 “諜報活動”の実態!)とお伝えしてきましたが、3回目は日本国内における実態についてです。
4月24日(月)放送の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日)で日本国内における実態について取り上げていたのでその一部をご紹介します。

中国“秘密警察”への懸念が広がる中、諜報活動が盛んに行われているとの指摘があるのが日本です。
近年、日本の各地で多くのスパイが活動していることをうかがわせる事件が相次いでいます。
2012年には在日中国大使館の外交官がウィーン条約で禁じられている諜報活動を行い、そこで得た資金を日本国内でスパイ活動に使っていたと見られて事件が起きました。
更に2020年には、当時通信大手の会社員にロシアの諜報員が近づき、機密情報を盗み出すようそそのかす事件も起きています。
これらの事件では、諜報員が目的を悟られないように近づき、関係性を築きながら多額の報酬をちらつかせ、機密情報を不正に入手するのが特徴とされてきました。

なぜ日本はスパイに狙われるのか、そこから見える日本の脆弱性とは?
日本国内で相次ぐ他国のスパイ活動、なぜスパイが蔓延るのか、番組は元警視庁公安部外事課の稲村悠さんは次のようにおっしゃっています。
「スパイ活動を取り締まる法律がないので、現行法に合わせた、例えば窃盗など、こういった法律に合わせて摘発側は捜査しなきゃいけない。」
「これが結構至難の業で、そもそもスパイは実行行為が分からないようにしますし、そういった現行の法律の構成要件を満たすような証拠を集めて、(検挙するのは)非常に難しい状況になっています。」

日本ではスパイを取り締まる法律がないため、まさにスパイ天国になっていると稲村さんは指摘します。
それなのに、なぜ法律は作られてこなかったのか、実は日本でもスパイ防止法を作ろうとする動きがありました。
その先駆けとなったのが1985年に議員立法で提示されたスパイ防止法案です。
当時の中曽根康弘総理大臣は次のようにおっしゃっています。
「何しろ日本はスパイ天国と言われているような国でありまして、防衛庁の職員までもが係わるような事件もあります。」
「私もその後、いろいろ事情も聴き、法案の内容等もいろいろ聴いてみまして、その必要性というものを私は痛感するに至りました。」

それに対して、野党や市民団体などは、国民の知る権利や報道の自由を奪う法律だとして猛反発し、廃案となりまとした。
その後、東西冷戦の終結やソ連の崩壊があり、スパイを取り締まる法律を成立させる勢いは徐々に失速していくことになります。
歴史の中で、毎年消えていったスパイ防止法の存在、日本での成立は難しいのか?
日本カウンターインテリジェンス協会の代表理事、稲村悠さんは次のようにおっしゃっています。
「スパイ活動自体が日常生活に密接するものが多いので、そこを例えば捜査権を持って捜査していくとなると、皆さんの日常生活を侵害する可能性が出てきてしまうので。」

その一方で、稲村さんは日本の情報機関の脆弱性について次のように指摘します。
「アメリカだとかイギリス、ここら辺を見ても、日本のインテリジェンス機関(情報機関)というのは少し弱いのかなと思っております。」
「1つに統一された機関を持つことによって、情報連携もスムーズに行きますし、より効率的な情報活動が出来るので、必須であると思っております。」

スパイ防止法の廃案から約40年、日本はどのようにして他国のスパイ活動から自国を守ればよいのでしょうか?

スパイ活動などを防ぐ、そして日本でもたびたび議論になってきたスパイ防止法ですが、スパイ防止法とは、不当な方法で防衛秘密を探知、収集し、それを外国に通報するなどした場合、罪に問える法律ということです。
世界のスパイ防止法の状況を見てみますと、最高刑は死刑という国は、アメリカ、中国、北朝鮮などです。
また最高刑が無期懲役という国はフランスやスウェーデンなどですが、日本にはそもそも厳格なスパイ防止法は存在しておりません。
ただ、かつてはこうした法律を制定する動きはありました。
1980年にソ連の情報機関が自衛隊に諜報活動をしかけまして、秘密文書が漏洩してしまうということもありました。
これを受けて、1985年に最高刑を死刑とするスパイ防止法案が議員立法で提出されました。
当時の中曽根康弘総理も「日本はスパイ天国であり、スパイ防止の必要性を痛感するに至った」と話していたといいます。
しかし、当時、この法案に対して、市民団体などは「報道機関の取材、一般国民の日常生活上の行為も広く処罰対象としている」、「言論の自由、表現の自由が侵害される」などの声があがり、国会周辺などで大規模なデモが起こり、1985年12月に廃案となりました。
それから約30年後に特定秘密に関する法律が出来ました。
2013年、第二次安倍内閣が一部のスパイ行為を取り締まる「特定秘密保護法」を制定しました。
この法律は、漏洩すると国の安全保障に著しい支障を与えるとする情報のみを「特定秘密」に指定、それを取り扱う人を調査・管理して「特定秘密」を外部に知らせたり、外部から知ろうとしたりする人などに最長で懲役10年を課すものです。
ただ、この時も日本弁護士連合会が、「特定秘密」の対象となる情報の範囲が広いため、行政機関が国民に知られたくない情報を「特定秘密」に指定し、国民の目から隠してしまえるなどといった反対意見が出て、いろいろと問題になったこともありました。
こうした現状について、東京大学の阿古智子教授は次のようにおっしゃっています。
「やはりスパイにしては活動し易い環境があると言わざるを得ないと思いますね。」
「インテリジェンスの面で、中国には反スパイ法があって、日本の方も拘束されたりして、日本の方では「特定機密保護法」などもありますけど、言論の自由を大切にしなければいけないっていうのもあるので、どういうふうにバランスを取るかというところで非常に難しい部分もあって、そこは国民のレベルでもしっかりと議論をしなければいけない。」
「秘密の指定も国家権力の方で勝手に指定してしまうと、国民の方では異議が申し立てしにくいというところがあるでしょうし、その辺、非常に難しいところはあるでしょうし、国民がしっかり情報をどのように分析して、何を自分たちにとっては好ましいと思えない状況にあるのかを考えていかなければいけないと思いますね。」
「(スパイ防止法については、賛否あると思いますが、現状、中国などのスパイ活動を防止する有効な手立てはあるのかについて、)現行の法律で、例えば脅迫をされたとか、あるいは何か窃盗、情報を取られたとか、具体的に警察が動く、取り調べが出来るような事実があれば、対応出来ると思うんですけれども、分かりにくいんですね。」
「裏で動いている方々の動きが中々取り締まりが出来ないというところがあって、そこをどうしていくかというところだと思うんですね。」

また立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は次のようにおっしゃっています。
「まず指摘しておきたいのは、各国が「スパイ防止法」を強化している中で、一番強化している国が中国なわけですよね。」
「ですから、特に昨年12月の共産党大会で習近平氏の方は「国家安全」という言葉を何度も口にしている。」
「「国家安全」というと、一般的には国家の安全とか国民の安全と思いがちですけども、彼が言っているのは「政治の安全」という概念で中国共産党政権の維持と安定ということを目的にしているわけですね。」
「ですから、そういったことで“諜報活動”を強化している中で、日本としても何か対策は絶対に打つ必要がある。」
「ただし、過去には国家機密の定義が広過ぎた、あるいは曖昧だったところがあるので、そこをしっかり議論していくことで、まずは現行法の範囲内で、あるいは、まずはしっかり外交努力をすることで、いろんな対策をすることは重要ですけども、恐らくここのタイミングでしっかり議論をしたうえで何か別の対策を打つ必要があるかどうかをまさにこのタイミングでこそ議論すべき時期が到来しているんじゃないかと思いますね。」

阿古教授は次のようにおっしゃっています。
「(その国家安全は、中国における法律の考えは権力を縛るというよりも統治をし易くするというか、統治を盤石にするという法整備の考え方の面もあることについて、)根本的に違いますね。」
「政権交代があり得ない、共産党しか政権を取らない国なんですね。」
「実はいろんな政党が存在するんですけども、アドバイスとか、そういったことは一応出来るんですけど、形式上。」
「でも政権の安定を脅かすような、異議を唱える人たちがいると、圧力をかける、逮捕もするというようなことなので、民主主義国家ではあり得ないやり方になってしまいます。」
「(法の支配の考え方の前提が民主主義側と異なるというところについて、)三権分立はあり得ないと中国の政権側も言ってますので。」

そんな中、中国の“秘密警察”について、G7で行動を起こすべきとの報道も出ています。
産経新聞によりますと、(4月)19日に、中国新疆ウイグル、チベット、内モンゴル、香港の各自治区や香港出身の日本に在住している方たちで構成する団体が日本の国会内で記者会見を行いまして、「自由、民主主義、人権などの共通理念を公然と踏みにじる中国へ結束して対処するのもG7首脳の使命だ」とする要望書を発表しています。
更にこの中国の“秘密警察”への対処も求めたということです。
我々が取材しましたスペインのNGO団体「セーフガード・ディフェンダーズ」のローラ・ハースさんは「中国の悪質な行動への対策について、G7主催国である日本がリーダーシップを取ることを期待している」ということでした。
こうした状況について、阿古教授は次のようにおっしゃっています。
「(中国の“秘密警察”はG7全ての国にあり、一方で経済的に緊密な関係を築いている国もある中で、G7として一致した強い姿勢を打ち出すことの可能性について、)打ち出して欲しいですね。」
「日本も主催国でありますし、これはいいアピールの機会にもなると思うんですよね。」
「中国とは良い関係を作っていかなければいけないけれども、それだったら、だからこそ、やはり、しっかり言うべきことは言って、中国だってスパイ活動をされたら嫌なはずですから、お互いですよね。」
「やはり、そのあたりもしっかり向き合った方が良いと思いますね。」
「(このたびニューヨークで逮捕という事例が出ましたけれども、そのアメリカについていく国が出てくる可能性について、)ついていく国は出るんじゃないですかね。」
「やはり実際にそういうオフィス、表向きレストランやマッサージ店かもしれませんけども、中で人が何か具体的に活動している可能性があると。」
「そして、その人たちが実際に情報を本国に送ったりとか、脅迫をしているということが確認出来れば、逮捕されるという事例も出てくるんではないかと。」
「アメリカでもかなり遅かったんじゃないかという声もあって、以前からこういう脅迫の事実なども沢山確認されていましたので、それをやっている人たちを取り締まるということはこれからもあるんではないかと思います。」
「(こういうことが明るみに出てきたというのは、在外中国人がその国の政府に報告するようなケースが出てきていることでもあるのかという問いに対して、)そうですね。」
「例えば、私も人権問題とかで、いろんな人たちとお付き合いがあるんですけども、表向き人権活動を一緒にやっているのに実際はそういった活動をしている方もいらして、ちょっとビックリしたこともあって、内部の情報を、そういう人権活動をしているとなると、入手出来ますよね。」
「どういう人が何をやっているかというのも分かるわけですけども、そういったことで情報提供の政府の協力者になっている人もいるし、逆に本当に人権活動とか言論の自由を考えて、外で活動している人たちも中国の“秘密警察”に脅迫されて自由に活動出来なくなっているっていう両方の側面があると思います。」

また田中教授は次のようにおっしゃっています。
「(G7でこの問題が取り上げられる可能性について、)考えてみると“秘密警察”の警察というのは警察権ていう非常に強い、国民の権利を制約するような非常に強い公権力で、まさに各国のそれぞれの主権を侵害いているようなことですから、今回のG7広島、フランスが注目されるところですけども、恐らくフランスも含めてみんなが足並み揃い易いテーマだと思いますので、是非ここもしっかり広島で議論して欲しいとこですよね。」

また増田ユリヤさんは次のようにおっしゃっています。
「“秘密警察”の実態をつかんで、これが摘発されたりということが進めば、中国側もやりにくくなるっていう、そのやりにくさを出していくということが重要なのかなと思いましたね。」

その出先機関がもし、その国の主権を侵害しているとしたら、(習近平国家主席は)内政干渉はダメだと言っているわけですから、「同じことをされたら、どうですか」というところもしっかりとG7で一致して出してもらいたいと思います。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組を通して、日本国内における中国の闇の実態について以下にまとめてみました。
・近年、日本の各地で多くのスパイが活動していることをうかがわせる事件が相次いでいる。
・その理由について、専門家は以下のように指摘している。
-スパイ活動を取り締まる法律がないので、現行法に合わせて摘発側は捜査しなければならず、検挙するのは非常に難しい状況になっている
-かつて、日本でも中曽根政権の時にスパイ防止法を作ろうとする動きがあったが、野党や市民団体などは、国民の知る権利や報道の自由を奪う法律だとして猛反発し、1985年12月に廃案となった。
・それから約30年後の2013年、第二次安倍内閣が一部のスパイ行為を取り締まる「特定秘密保護法」を制定した。
・ただ、この時も日本弁護士連合会が、「特定秘密」の対象となる情報の範囲が広いため、行政機関が国民に知られたくない情報を「特定秘密」に指定し、国民の目から隠してしまえるなどといった反対意見が出て、いろいろと問題になったこともあった。
・こうした現状について、東京大学の阿古智子教授は次のように指摘している。
-日本はスパイにとって活動し易い環境がある
-国の重要機密保護と言論の自由をどのようにバランスを取るかは非常に難しい部分もあり、国民のレベルでもしっかりと議論をしなければいけない
・また立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は次のように指摘している。
-中国では、中国共産党政権の維持と安定を目的とし、世界で一番「スパイ防止法」を強化している
-そういったことで中国が“諜報活動”を強化している中で、日本としても何か対策を打つ必要がある
・このことについて阿古教授は次のように指摘している。
-中国は共産党しか政権を取らないので政権交代があり得ない
-政権の安定を脅かすような、異議を唱える人たちがいると圧力をかけ、逮捕もする
-中国では三権分立はあり得ない
・そんな中、中国の“秘密警察”について、G7で行動を起こすべきとの報道も出ている
・産経新聞によると、4月19日に、中国新疆ウイグル、チベット、内モンゴル、香港の各自治区や香港出身の日本に在住している方たちで構成する団体が日本の国会内で記者会見を行い、「自由、民主主義、人権などの共通理念を公然と踏みにじる中国へ結束して対処するのもG7首脳の使命だ」とする要望書を発表しており、更に中国の“秘密警察”への対処も求めた
・スペインのNGO団体「セーフガード・ディフェンダーズ」のローラ・ハースさんは、中国の悪質な行動への対策について、G7主催国である日本がリーダーシップを取ることを期待している
・こうした状況について、阿古教授は次のように指摘している
-中国とは良い関係を作っていかなければいけないが、中国もスパイ活動をされたら嫌なはずなのでしっかり言うべきことは言うことが必要である
・また田中教授は次のように指摘している
 -中国の“秘密警察”は各国のそれぞれの主権を侵害しいているので、今回のG7でもしっかり広島で議論して欲しい
・増田ユリヤさんは次のように指摘している
 -“秘密警察”の実態をつかんで、摘発が進めば、中国側もやりにくくなるので、そのやりにくさを出していくことが重要である
・中国の出先機関がその国の主権を侵害しているとしたら、習近平国家主席は中国への内政干渉はダメだと言っているので、しっかりとG7で一致してその矛盾を突いて欲しい

次に問題点、および対応策を以下に整理してみました。
(スパイ活動)
問題点:
・日本の各地でスパイ活動と思われる事件が相次いでいる
・その結果、日本の知的財産や機密情報が流出している
・しかし、日本にはスパイ活動を取り締まる厳格な法律がない
・その理由は、国民が以下のような弊害を指摘しているからである
-国民の知る権利や報道の自由を奪う
 -「特定秘密」の対象となる情報の範囲が広いため、行政機関が国民に知られたくない情報を「特定秘密」に指定し、国民の目から隠してしまうリスクがある
対応策:
・海外の事例を参考にして、スパイ活動を取り締まる法律を策定する
・こうした法律の必要性について国民に理解を求める
(秘密警察)
問題点:中国の“秘密警察”はG7全ての国にあり、各国のそれぞれの主権を侵害している
対応策:
・“秘密警察”の実態をつかんで、摘発を進め、中国に厳重に抗議する
・今回のG7で対応策を検討する

なお、4月28日(金)付けネット記事(こちらを参照)では以下のように報じています。
・2014年に成立した「反スパイ法」の改正案は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の常務委員会で26日に可決され、7月1日付で施行される。
・国営新華社通信が全人代法制工作委員会の当局者を引用して伝えたところによると、改正法ではスパイ行為の定義に政府機関や情報インフラに対するサイバー攻撃が加わるほか、国家安全保障に関するあらゆる文書やデータ、資料、記事を含む国家機密の所持が禁止されるという。
・中国では、外国人がスパイ容疑で当局に拘束されるケースが増えている。先月(3月)には製薬大手アステラス製薬の社員1人が反スパイ法に違反した疑いで拘束された。毎日新聞によると、中国では15年以降、5人の日本人が国家安全保障を危険にさらしたとして有罪判決を受けている。

問題は、この改正案の中に何が国家安全や利益にあたるかの記載がないことです。
中国企業に関する情報収集や歴史資料の収集なども、当局が国家利益に反すると判断すればスパイ行為とみなされかねないのです。
ですから、7月以降は、これまで以上に中国に滞在中の外国人がスパイ容疑で当局に拘束されるケースが増えると見込まれます。

なお“秘密警察”について今回のG7で対応策を検討する件については、今回のG7広島サミット首脳宣言の全文(こちらを参照)には明確な記述がありませんが以下の記述があります。
・中国との持続可能な経済関係を可能にし、国際貿易体制を強化するため、我々は、我々の労働者及び企業のための公平な競争条件を求める。我々は、世界経済を歪める中国の非市場的政策及び慣行がもたらす課題に対処することを追求する。我々は、不当な技術移転やデータ開示などの悪意のある慣行に対抗する。我々は、経済的威圧に対する強靱性を促進する。我々はまた、国家安全保障を脅かすために使用され得る先端技術を、貿易及び投資を不当に制限することなく保護する必要性を認識する。
・我々は、強制労働が我々にとって大きな懸念事項となっているチベットや新疆ウイグルにおけるものを含め、中国の人権状況について懸念を表明し続ける。我々は、中国に対し、香港における権利、自由及び高度な自治権を規定する英中共同声明及び基本法の下での自らのコミットメントを果たすよう求める。

ですから、G7の今後のフォローアップの具体的な事項として組み込まれることを期待したいと思います。

なお、このG7広島サミット首脳宣言に対する中国外務省の見解について、5月22日(月)付けネット記事(こちらを参照)では以下のように報じています。
・G7広島サミットの首脳宣言をめぐり中国外務省は、在中国日本大使館の垂秀夫大使を呼び、厳正な申し入れを行ったと発表しました。これに対し、垂大使は「中国が対応を改めない限り、言及は当然だ」と反論しています。
・中国外務省の発表によりますと、孫衛東外務次官は21日夜、在中国日本大使館の垂秀夫大使を呼び、G7広島サミットの首脳宣言について「中国を中傷、攻撃し、内政に暴力的に干渉するものだ」と指摘。「中国は強烈な不満と断固とした反対を表明する」と抗議したということです。
・また、「台湾問題は中国の核心的利益の核心であり、越えてはならないレッドラインだ」と主張しました。

このように一党独裁の中国共産党政権は従来通り、自らの非は一切認めず、“内政干渉”の一言で片づけているのです。
アメリカをはじめ民主主義陣営の国々が中国に対して指摘しているのは、自由や人権の尊重といった国連憲章の遵守なのです。
こうした中国に対する指摘が内政干渉の一言で片づけられてしまえば、そして他国も中国と同様の行為に及べば国際社会は無法社会となってしまいます。
また、こうした中国の抗議に対して、全くコミュニケーションを取らず、対立状態ではお互いに相手の持つメリットを生かせず、その分、国民の豊かな暮らしから遠ざかってしまいます。
また、こうした対立の積み重ねは武力による解決のリスクを高めることになります。
ですから、コミュニケーションの扉を閉ざさず、お互いに具体的に相手に直して欲しい箇所を示し、相手にそのことを認めさせ、直してもらうというプロセスを確立させることが重要なのです。
こうした地道な取り組みの積み重ねがお互いに信頼感を高め、より良い関係を作り上げていくのです。

ということで、今回のG7広島サミット首脳宣言の個々の内容について実際に実行に移していくことがG7各国に求められるのです。
岸田総理には、議長国として、スパイ活動や秘密警察への対応も含めて、率先してこれらの課題に取り組んでいただきたいと思います。

 
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2023年05月25日
アイデアよもやま話 No.5590 中国の闇 その2 “諜報活動”の実態!
人権を無視し、世界制覇を目指している中国の闇を3回にわたってご紹介します。
2回目は“諜報活動”の実態についてです。
4月24日(月)放送の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日)で“諜報活動”の実態について取り上げていたのでその一部をご紹介します。

前回、中国の“秘密警察”の実態についてお伝えしましたが(参照:アイデアよもやま話 No.5589 中国の闇 その1 “秘密警察”の実態!)、そんな中、“秘密警察”が諜報活動も展開しているのでしょうか。
中国公安当局とのつながりも指摘されています。
今回、拘束された容疑者をはじめ、“秘密警察”には中国の公安当局が関与しているという話もあるのです。
アメリカの司法当局は、4月17日にニューヨークで2人の容疑者逮捕が発表されたのと同じ日に公安部の工作員、34人を訴追したと発表しています。
中国政府に批判的なアメリカ在住の中国人に嫌がらせや脅迫を行った疑いがあるという指摘をしています。
イギリスBBCによりますと、彼ら34人が所属するのは「912専項行動工作組」と呼ばれていて、アメリカなど世界各地の中国の反体制派を標的にする精鋭部隊だということです。
更にアメリカの司法当局によると、この公安部の「912専項行動工作組」は数千もの偽SNSアカウントを作成し、中国のプロパガンダを発信しているということでした。
更に共同通信によりますと、ニューヨークで“秘密警察”を運営したとされる容疑者2人のうち1人は日本の内閣に当たる中国国務院の情報機関、公安部から指示を受けて活動していたということなのです。

“秘密警察”の活動ですが、外国にいる国民の監視や取り締まりに止まらないということです。
ゲストの東京大学の阿古智子教授によりますと、中国公安部の息がかかった“秘密警察”は各地の中国人への脅迫だけでなく、その国の機密情報も抜き取る諜報活動なども行っている可能性が高いということです。
そうした他国で諜報活動を行う背景には習近平国家主席の意向も関係しているということです。
2013年に遡ります。
国家主席に就任した習氏は「統一戦線工作」という戦略を重要視していきます。
「統一戦線工作」というのは、中国共産党を支持する人を出来るだけ増やし、反対する人を減らすための活動を指すということなんですが、阿古さんによりますと、「統一戦線工作」という大号令のもと、公安部や“秘密警察”の対外的な諜報活動が強まったということです。
また2017年には、企業や個人に国の情報活動への協力を義務付ける「国家情報法」を施行しておりまして、諜報活動などを強化していってるということでした。
こうした状況について、阿古教授は次のようにおっしゃっています。
「(「統一戦線工作」はいろんな部門に分かれていることについて、)例えば国家安全部ですとか、党の宣伝工作部もあるんですけども、政府の中にもそういった部門がありますし、宣伝部門が情報に対してコントロールしたりだとか、インターネットの管理に関して対応していくという部門もあって、そういったとことも連携して取り組んでいるんだと思います。」
「(国外にいる反体制派の中国人の監視だけではなく、諜報活動も行っている可能性もあることについて、)広く見れば、そう捉えられるんじゃないかというのは、やはりそういったマークしている人物に当たっていく中で様々な情報を入手していくと。」
「脅す中で、いろんな情報を入手したり、そういうことをして、留学生とか、いろんな企業の方とかに情報を伝えてくれというような、圧力をかけて、やってる可能性もあるなと思います。」
「(各国にある“秘密警察”は中国公安部の指示で動いているのかという問いに対して、)統一的に上から、中央から全部指示が行っているわけではないとは思うんですけども、例えば日本の福州市の出先機関だと言われる秋葉原の“秘密警察”も華僑が多い、出身者が世界各地で活動しているような地域なんですけど、そういったところは地方の部門が国家安全部にも地方のいろんな部門がありますし、公安部も地方に出先機関がありますけれども、そこが海外の自分たちの出身者もしっかりと監視をすべきだと言われている可能性があるんですよね。」
「ですから華僑が多い地域は、地方の部門がかなり力を入れて見ている可能性があるなと思っています。」
「(中国では近年、嘘の情報を流すかたちの情報戦、プロパガンダも重視しているようですが、情報を受け取る側も気を付ける面があるのかという問いに対して、)嘘かどうか分からない、結構微妙な情報とか、信じてしまって、本当は嘘だったとか、あるいは嘘ではないけれども特定の意図を持って誘導するような情報発信の仕方ですね。」
「そういった動きがかなり目立つんですよね。」
「それが民主主義の国でもネットでいろんな情報を得る人が多いので、例えば選挙の時期に中国の政府として支持したいなと思う人に有利な情報が流れたりとか、こういった体制派のマークしている人も全然やっていないことについていろんな悪い噂が流されたりだとか、そういったことはあります。」

また、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は次のようにおっしゃっています。
「ここで習近平氏の戦略目標から「統一戦線工作」を読み解いていきたいと思うんですけども、まず習近平氏はかねてから“中華民族の偉大な復興”とか“中国の夢”を戦略目標に掲げてきてるんですね。」
「それに対して、習近平氏の戦略は孫氏の兵法そのものだと言われてまして、孫子の兵法は“戦わずして勝つ”ってことですね。」
「まさにこの“戦わずして勝つ”っていうところが策略と工作というか、情報戦略とインテリジェンスというところで、実は中国の人民解放軍は戦争をどういうふうに定義しているかというと、いわゆる武力戦とそれ以外の平時の戦争で切り分けてまして、平時の戦争のところはまさに言論を使った戦争、それから心理戦、それから法律戦と定義しているということで、我々日本としてもいわゆる武力戦だけでなくて、こういったインテリジェンスを使った戦争も戦争だと思って、いろんな対策を講じなきゃいけない。」
「そういうタイミングが来ているような感じがしますね。」

阿古教授は次のようにおっしゃっています。
「(純粋に日本のことを研究したい、勉強したいと思っていても、中国政府に協力しなければいけないという法律が背後にあるために、私たちも純粋に付き合いたくても、そういうことを意識せざるを得なくなってしまうことがとても悲しいことについて、)私も自分が中国を研究してきて、私がこういうことを解説していること自体が悲しいですけども、やっぱりもっとオープンにいろんなことを議論したいと思うんですね、中国の人たちもね。」
「でも、やはりそうやって法律もあるし、故郷にご家族とかいると、自分が何か協力しないということで、ご家族に圧力がかかってしまうんじゃないかとか。」
「実際に圧力がかかって、大変な思いをしている、逮捕されている人たちもいるわけですから、そう考えると苦しいだろうなっていう思いがしますね。」
「(中国の方はこうした情報統制をどう受け止めているのかについて、)やっぱり知識人というか、文字を使って仕事をする人たちにとってみれば、耐えられないと思います。」
「ですから、白紙運動(こちらを参照)とかあった時に、白紙を挙げたのは、文字がどんどん消されていくと。」
「自分たちが言いたいこと、本当のことを流しても都合が悪いことは消されていくと。」
「で、ネットは国を超えてつながるので、国を超えた交流も可能なんですけど、国を超えた監視も出来るわけですね。」
「そこがちょっと恐ろしい時代になったなと思いますね。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組を通して、中国の“諜報活動”の実態について以下にまとめてみました。
・アメリカの司法当局は、4月17日にニューヨークで2人の容疑者逮捕が発表されたのと同じ日に公安部の工作員、34人を訴追したと発表した。
・中国政府に批判的なアメリカ在住の中国人に嫌がらせや脅迫を行った疑いがあるという指摘をしている。
・イギリスBBCによると、彼ら34人が所属するのは「912専項行動工作組」と呼ばれていて、アメリカなど世界各地の中国の反体制派を標的にする精鋭部隊だという。
・更にアメリカの司法当局によると、この公安部の「912専項行動工作組」は数千もの偽SNSアカウントを作成し、中国のプロパガンダを発信している。
・中国公安部の息がかかった“秘密警察”の活動は外国にいる国民の監視や取り締まりに止まらず、その国の機密情報も抜き取る諜報活動なども行っている可能性が高いという。
・そうした他国で諜報活動を行う背景には以下の習近平国家主席の意向も関係している。
 -2013年に国家主席に就任した習氏は「統一戦線工作」という戦略を重要視していく
 -「統一戦線工作」とは、中国共産党を支持する人を出来るだけ増やし、反対する人を減らすための活動を指す
-「統一戦線工作」という大号令のもと、公安部や“秘密警察”の対外的な諜報活動が強まった
-2017年に企業や個人に国の情報活動への協力を義務付ける「国家情報法」が施行され、諜報活動などを強化した
・こうした状況について、阿古教授は以下のように指摘している。
-「統一戦線工作」はいろんな部門に分かれており、国家安全部や党の宣伝工作部もあるが、政府の中にもそういった部門があり、宣伝部門が情報をコントロールしたり、インターネットの管理をする部門もあり、連携して取り組んでいる
 -国外にいる反体制派の中国人の監視をする中で様々な情報を入手している
 -留学生や企業の従業員に情報を伝えてくれるように圧力をかけている可能性もある
 -中国では近年、嘘の情報を流すかたちの情報戦、プロパガンダも重視している
 -嘘かどうか分からない、微妙な情報とか、嘘ではないが特定の意図を持って誘導するような情報発信がかなり目立つ
-「国家情報法」が施行され、自分が何か協力しないと家族に圧力がかかってしまうとか、実際に圧力がかかって、大変な思いをしている、あるいは逮捕されている人たちもいる
 -中国では、自分たちが言いたいこと、本当のことを流しても都合が悪いことは消されていく
 -今やネットは国を超えてつながるので、国を超えた交流も可能だが、国を超えた監視も出来るので、ちょっと恐ろしい時代になった
・また、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は以下のように指摘している
-習近平氏はかねてから“中華民族の偉大な復興”とか“中国の夢”を戦略目標に掲げてきてる
-習近平氏の戦略は孫子の兵法、すなわち“戦わずして勝つ”ものだと言われており、策略と工作、あるいは情報戦略とインテリジェンスである
-中国の人民解放軍は戦争を武力戦とそれ以外の平時の戦争で切り分けており、平時の戦争は言論を使った戦争、心理戦、それから法律戦と定義している
-我々日本としても武力戦だけでなくて、こういったインテリジェンスを使った戦争も戦争だと思って、いろんな対策を講じる必要がある

以上ですが、中国公安部の「912専項行動工作組」は数千もの偽SNSアカウントを作成し、中国のプロパガンダを発信しており、一方で中国公安部の息がかかった“秘密警察”の活動は外国にいる国民の監視や取り締まりに止まらず、その国の機密情報も抜き取る諜報活動なども行っている可能性が高いといいます。
そして、こうした背景には 2013年に国家主席に就任した習氏による「統一戦線工作」戦略があるといい、この大号令のもと、公安部や“秘密警察”の対外的な諜報活動が強まったというのです。
更に2017年には企業や個人に国の情報活動への協力を義務付ける「国家情報法」が施行され、諜報活動などを強化したのです。
また、近年、嘘の情報を流すかたちの情報戦、プロパガンダも重視しており、嘘ではないが特定の意図を持って誘導するような情報発信がかなり目立つといいます。
一方で、自分たちが言いたいこと、本当のことを流しても都合が悪いことは消されていくのです。
習近平国家主席の戦略は“戦わずして勝つ”ものだと言われており、策略と工作、あるいは情報戦略とインテリジェンスだといいます。
また、中国の人民解放軍は平時の戦争は言論を使った戦争、心理戦、そして法律戦と定義しているといいます。

ということで、習近平国家主席はかねてから“中華民族の偉大な復興”、あるいは“中国の夢”を戦略目標に掲げてきており、それはすなわち日本も含めて他国からすれば、中国共産党にとって都合のいいかたち、すなわち“中国共産党ファースト”で自由や人権が尊重されないというような国際社会に再構築することなのです。
こうした目標を達成すべく、その具体的な手段として、以下のような取り組みが展開されているわけです。
・一帯一路政策
・南シナ海の人工島の建設による実効支配
・アフリカや太平洋の島しょ国など、途上国の中国陣営への取り込み
・こうした多くの途上国の取り込みによる国連の実効支配

そして、こうした習近平政権の戦略目標の遂行に対する他国からの批判に対しては、全て“内政干渉”の一言で済ませ、一切の妥協はしないのです。
同時に国連憲章についても都合よく解釈し、あるいは無視して覇権主義の世界展開に取り組んでいるのです。
一連の“諜報活動”はこうした戦略目標達成のための情報戦略と言えます。

ということで、アメリカを中心とする民主主義陣営の国々は、こうした中国による国際社会の再構築の実現、すなわち民主主義とは合い入れない、そして自由や人権を軽視する習近平国家主席による“中華民族の偉大な復興”に対して、断固として立ち向かう必要があるのです。
なお、先日行われた岸田首相によるアフリカ歴訪(こちらを参照)は、アフリカ諸国を民主主義陣営につなぎとめるための手段の一つといえます。

 
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2023年05月24日
アイデアよもやま話 No.5589 中国の闇 その1 “秘密警察”の実態!
人権を軽視し、世界制覇を目指している中国の闇を3回にわたってご紹介します。
1回目は“秘密警察”の実態についてです。
4月18日(火)付けネット記事(こちらを参照)で中国による「秘密警察署」の運営について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

・米当局は17日、米ニューヨーク市マンハッタンのチャイナタウンで中国の「秘密警察署」を運営していた疑いで、同市在住の男2人を逮捕した。
・2人は米当局に知らせることなく中国政府の代わりに活動することを共謀した罪のほか、司法妨害の罪に問われている。
・スペインの人権団体は昨年、中国がニューヨークなどに在外拠点を設け、中国警察と違法に連携して亡命者に中国への帰国を迫っていたとする報告書をまとめた。
・米司法省は、中国やイランなど敵対国が米在住の反体制派を脅迫するため「国境をまたぐ弾圧」を行っているとして調査を拡大している。
・検察当局によると、男2人はともに米国籍で、中国の福建省出身者向けの懇親会開催などを手掛ける非営利団体を率いている。2018年には男1人が中国から亡命者とみられる人物を説得し帰国させようとしたほか、22年には秘密警察署の開設を手伝い、中国政府からカリフォルニア州に住む民主化運動活動家とされる個人の居場所を特定するよう依頼されたという。
・また2人は米連邦捜査局(FBI)に対し、中国政府関係者との通信記録を削除したことを認めたという。秘密警察署は22年秋に閉鎖されたとしている。
・在米中国大使館の劉鵬宇報道官は「『国境をまたぐ弾圧』を口実に中国の市民を起訴することで、米国側は捏造した罪状に基づくロングアーム(管轄外への)司法権を行使している。これは全くの政治的ごまかしであり、中国のイメージを傷つけることが目的だ」と非難した。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

また4月24日(月)放送の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日)でも同様のテーマを取り上げていたのでその一部をご紹介します。

この“秘密警察”について、中国外務省の汪文斌副報道局長は次のように弁明しています。
「海外の“警察署”はそもそも存在しない。」

海外の“警察署”についてでっちあげだとしたうえで、今回の逮捕についても断固反対するとしました。
しかし、中国の“秘密警察”について調査しているスペインのNGO団体「セーフガード・ディフェンダーズ」は少なくとも53ヵ国の102ヵ所に存在すると指摘しています。(昨年9月)
この団体は中国本土の人権侵害について、2009年から北京で調査していた団体の後継組織として2016年に設立されました。
その後、中国の人権侵害について調査していくうちに“秘密警察”の存在を知ったといいます。
この現状を世界に発信すべく、活動を続けています。
こうした情報のもとになっているのは公開されている中国政府の資料といいますが、そもそもなぜ政府は公開しているのか、その理由について、この団体のローラ・ハースさんは次のようにおっしゃっています。
「(中国国外に亡命した)人に対し、「どこにいても安全ではない」、「どこにいても中国共産党はあなたを捕まえられる」ということを知らせるため。」

常に見張られているという恐怖心を煽ることが目的だといいます。
この団体によると、日本にも“秘密警察”は2ヵ所あるといいます。
朝日新聞によると、拠点が入っていると見られる建物にはフロア違いでホテルがあるといいます。
番組でそのホテルに連絡してみると、呼び出し音は鳴るものの、誰も電話に出ることはありませんでした。
“秘密警察”の実態について、番組では中国の“秘密警察”から取り締まりを受けているという王靖渝さん(21歳)に話を聞きました。
王さんは、中国国内で政府を批判する活動をしていましたが、身の危険を感じ、昨年6月、オランダに亡命、その後“秘密警察”から中国に戻るように何度も連絡がありましたが、現在もオランダに留まっています。
要請に応じない王さんに対し、“秘密警察”が取った行動について、王さんは次のようにおっしゃっています。
「私の名前を使ってホテルに予約を入れ、そのホテルに爆発物を送っています。」
「爆破予告を私の名前で送ることでオランダの警察が私をテロリストとして逮捕し、中国へ強制送還することを期待しているのです。」

しかし、オランダ当局は王さんの状況を把握しているため、逮捕には至らないと判断しているといいます。

世界各国にあるという中国の“秘密警察”は、表向きは分かりにくいように私たちの非常に身近な場所に存在しているといいます。
そして、日本の拠点の2ヵ所のうち1ヵ所は都内の5階建てビルで、1〜4階までがホテルで、5階が福建省・福州市の名がつく社団法人だということです。(4月19日付け朝日新聞より)
朝日新聞の取材に対して、この法人の代表理事は、「警察業務なんてやっていない、捏造だ」と否定したといいます。

さて、今回の逮捕について、ロイター通信によりますと、4月18日、中国外務省の汪文斌副報道局長は「中国は他国への不干渉政策を維持しており、このような警察署は存在しない」と弁明しています。

また、「セーフガード・ディフェンダーズ」によると、“秘密警察”が帰国させた中国人は23万人といいます。(2021年4月〜2022年7月)
こうした状況について、東京大学の阿古智子教授は次のようにおっしゃっています。
「(どのように監視して、どのように脅迫しているのかについて、)私が知っている日本での事例ですと、インターネットサイトに中国の高官の情報などを暴露するような、そういったサイトを運営している人が脅迫をされて、尾行されたりとか、脅しのメールを受け取ったりして、カナダにその後亡命されたというケースもありますし、もっと身近なところでしたら、大学の学生たち、中国人の留学生ですけども、中国で拘束されているジャーナリストを釈放して欲しいとかいうことで、女性の日とか3月8日にありますけど、そういった時に日本の人たちとデモ行進をやって、中国のプラカードを挙げている時にずっと斜めから見られていると思っていたら、終わった時に腕をつかまれて「どうしてこんなことをするんだ」と言われたとか、そういう事例とかもありますね。」
「(今回、アメリカが逮捕に踏み切れた要因について、)まず日本には日本の司法の制度があって、言論の自由を認められているにもかかわらず、そういった普通の学生たちが普通の行動をしていて脅されたりだとか、あるいは帰国を促されたりだとか、本当の意味で酷い脅迫を受けたりして、そして情報収集をして、そこから本国に送ったりしているかもしれないんですね。」
「ですから、日本の主権、アメリカもそうですけども、それぞれの国にある法律に違反するかたちで中国のそういった組織が活動しているということで摘発をしたんだと思います。」
「(阿古先生の周辺でもそういった学生さんが拘束されたということはあったのかという問いに対して、)私の身近なところで起こってビックリしたんですけども、香港の学生なんですけども、お付き合いしているガールフレンドの香港出身の学生さん、その子は2019年から2021年にソーシャルメディアで香港に関して自分の思い、考えを書いてらした。」
「その中には香港の独立が必要なんだということもあったらしいんですけども、香港のデモ活動に参加したこともない、ずっと日本におられて、日本で言論の活動をしていたというだけなんですけども、今回、3月に香港に身分証の更新をするために帰国した時に逮捕されてしまったと。」
「それもやはり日本では認められていることなのに、そこで日本で行われた行為に対して域外適用(こちらを参照)されたということで、非常に日本で言論が委縮してしまう効果を生んでいるんではないかと思っています。」
「(中国の法律が域外で適用されてしまったことについて、)香港の法律ですけど、国家安全維持法で、今、主権は香港も中国にもとに戻っていますから、中国が大きく係わっているのは間違いないと思います。」
「(中国の“秘密警察”はいつ頃からあったかについて、)ずっとこういった諜報活動はあって、どこの国でもやっていることではありますけども、中国の場合、やはりここ最近の習近平政権がインターネット上の様々な言論活動に対して非常に警戒していると。」
「国境を越えて、いろんなところで行われていると言われますので、中国だけで取り締まりをやっていても効果が薄いんですよね。」
「ですので、海外でそういった中国に影響を与える、政権が不安定になるような言論活動に対してダメージを与えたいっていう目的があるんだと思います。」
「今、コロナの後、日本もですけど、中国も経済的に不安定で、独裁政権は支持されて、選挙で選ばれた政権ではないので、余計に不安があって、それで圧力をかけて、何とか負の側面を抑えていこうとするわけですよね。」
「悪循環になってしまうと思うんですけども、そこで私たちが中国とどう向き合うか、本当に難しいとこはありますけども、やはり中国の人たちもこうした統制は良いと思ってないでしょうし、社会にとっても本当に良くないですので、オープンにちゃんと対話すべきだなと思っています。」
「(この香港の女子学生に対する日本政府の対処について、)邦人保護とか、日本人に対する対応とかはかなり力を入れるんですけども、外国籍の方ということもあって香港の領事館などもほとんど対応していないようです。」
「だた、こういった外国人に対する圧力も日本人に結局は影響してくるわけです。」
「日本全体の雰囲気が委縮してしまって、日本の国内で生活している人、暮らしている人、あと勉強したりとか、働いている人が安心して日本におられないということは、ひいては私たちの生活にも影響してくるわけですから、外国籍の人にとってもしっかりと保護をすべきじゃないかなと私は思います。」

また、こうした状況について、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は次のようにおっしゃっています。
「中国はもともと言論統制、情報工作を国内でやってきたわけですけども、その言論統制と情報工作が国内から海外へとシフトしてきたと言えますよね。」
「そういう意味で、最も懸念されるのは言論統制と情報工作がそれぞれの国の現地人、日本でいえば、日本人に対して行われないかどうかってところが非常に懸念されるところですので、残念ながら我々日本から国内の言論統制、情報工作は如何ともしがたいですけども、日本に対して攻めてこられるような言論統制と情報工作は絶対に止めなければいけないと思いますね。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

これら2つの内容を通して、中国の“秘密警察”の実態について以下にまとめてみました。
・米当局は4月17日、米ニューヨーク市マンハッタンのチャイナタウンで中国の「秘密警察署」を運営していた疑いで、同市在住の男2人を逮捕した。
・中国の“秘密警察”について調査しているスペインのNGO団体「セーフガード・ディフェンダーズ」は少なくとも53ヵ国の102ヵ所に存在すると指摘しており(昨年9月)、日本にも2ヵ所あるという。
・世界各国にあるという中国の“秘密警察”は、表向きは分かりにくいように私たちの非常に身近な場所に存在しているという。
・この人権団体は昨年、中国がニューヨークなどに在外拠点を設け、中国警察と違法に連携して亡命者に中国への帰国を迫っていたとする報告書をまとめた。
・なお、この人権団体では、こうした中国の情報のもとになっている、公開されている中国政府の資料は中国国外に亡命した人に対し、「どこにいても安全ではない」、「どこにいても中国共産党はあなたを捕まえられる」ということを知らせるためで、常に見張られているという恐怖心を煽ることが目的だという。
・今回の逮捕について、在米中国大使館の劉鵬宇報道官は「『国境をまたぐ弾圧』を口実に中国の市民を起訴することで、米国側は捏造した罪状に基づくロングアーム(管轄外への)司法権を行使している。これは全くの政治的ごまかしであり、中国のイメージを傷つけることが目的だ」と非難した。
・また“秘密警察”について、中国外務省の汪文斌副報道局長も「海外の“警察署”はそもそも存在しない」と発言し、海外の“警察署”についてでっちあげだとしたうえで、今回の逮捕についても断固反対するとした。
・“秘密警察”の実態について、中国の“秘密警察”から取り締まりを受けている王靖渝さん(21歳)は中国国内で政府を批判する活動をしていたが、身の危険を感じ、昨年6月、オランダに亡命、その後“秘密警察”から中国に戻るように何度も連絡があったが、王さんは要請に応じなかった。そこで“秘密警察”は王さんの名前を使ってホテルに予約を入れ、爆破予告を王さんの名前で送ることでオランダの警察が王さんをテロリストとして逮捕し、中国へ強制送還することを期待していた。しかし、オランダ当局は王さんの状況を把握しているため、逮捕には至らないと判断した。
・「セーフガード・ディフェンダーズ」によると、“秘密警察”が帰国させた中国人は23万人という。(2021年4月〜2022年7月)
・“秘密警察”には、国境を越えて、いろんなところで反政府的な行動や発言が行われているので、中国だけで取り締まりをやっていても効果が薄く、海外で中国に影響を与える、政権が不安定になるような言論活動に対してダメージを与えたいという目的がある。
・今、コロナの後、中国も経済的に不安定で、独裁政権は支持されて、選挙で選ばれた政権ではないので、余計に不安があり、それで圧力をかけて、何とか負の側面を抑えこもうとしている。
・こうした状況について、東京大学の阿古智子教授は以下のように指摘している。
 -今回のアメリカでの“秘密警察”の摘発の根拠は、それぞれの国にある法律に違反するかたちで中国の“秘密警察”が活動していたことである
 -こうした“秘密警察”の活動は中国の国外で域外適用されたということで、日本での言論が非常に委縮してしまう効果を生んでいる
 -香港の女子学生のケースにおける日本政府の対処について、外国籍の方ということもあって香港の領事館などもほとんど対応していないようである
 -しかし、こういった外国人に対する圧力は日本人に影響し、日本全体の雰囲気が委縮してしまうので、外国籍の人もしっかりと保護をすべきである
・また、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は以下のように指摘している。
 -中国はもともと言論統制、情報工作を国内でやってきたが、これらが国内から海外へとシフトしてきたと言える
 -最も懸念されるのは言論統制と情報工作がそれぞれの国の現地人、日本でいえば、日本人に対して行われないかが非常に懸念される
 -こうした中国政府による日本国内での言論統制や情報工作は絶対に止めなければいけない

以上ですが、中国における一党独裁政権である中国共産党は以前にもお伝えしたように、“まず中国共産党ありき”で、憲法よりも中国共産党の方が上位に位置しているのです。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.690 『中国式“法治”の脅威!』
しかし、この政権は国民の総意に基づいて選ばれていないので政権を維持し続けるためにはどうしても反対の勢力、あるいは個人を徹底的に排除することが必要なのです。
“秘密警察”はそのための機関というわけです。
そして、この“秘密警察”は、憲法下の法律といえども中国共産党の意向次第でいかようにも解釈されるので、このことを盾に反政府的な中国国民の身柄を拘束出来るのです。
ですから、王靖渝さんのように習近平政権に批判的な人たちは国外に脱出しても、国外でも習近平政権に批判的な言動をさせないように“秘密警察”が監視しており、出来れば中国に強制的に帰国させ、行動の自由を制限させたいわけです。

ここで注目すべきは、こうした中国の“秘密警察”による国外の中国人に対する人権無視の行為はそれぞれの国にある法律に違反するということです。
これまでもお伝えしてきたように、そもそも習近平政権は人権などに関する他国からの様々な指摘に対して、全て“内政干渉”で片づけてきました。
ということは、明らかにこうした習近平政権の言動は矛盾しているわけです。
まさに自国に徹底的に甘く、他国には厳しいのが、“まず中国共産党ありき”の絶対的な存在と自らを規定している習近平政権の特徴なのです。
ですから、この矛盾を盾にとって、日本も含めた53ヵ国の国々は徹底的にこの“秘密警察”を取り締まるべきであり、同時に中国の反政府的な活動をしている方々への様々な支援活動をすべきなのです。
こうした支援活動の積み重ねがやがて中国の反政府的な活動の輪を広げ、やがて独裁政権の崩壊をもたらす流れを大きく出来るのです。
ところが、阿古教授は、日本政府の対応はこうした支援に消極的だと指摘されています。
しかし、こうした“秘密警察”の行動に対する消極的な日本政府の姿勢は習近平政権の横暴を見過ごすことになり、田中教授が指摘されているように、“秘密警察”による言論統制や情報工作が日本人に対して行われる懸念が高まってくるのです。
ですから、日本国内での言論統制や情報工作は絶対に抑えることが必要なのです。
ということで、日本政府は中国共産党の本質をしっかり把握し、習近平政権に向き合うべきなのです。

さて、こうして見てくると、あらためて思うのは、現在の国際社会は法治社会として十分には機能していないという現実です。
“法による支配”が機能しない国際社会では軍事面や経済面で影響力のある国の言い分がまかり通ってしまいます。
例えば、平和国家日本は、万一、北朝鮮が軍事力にものを言わせて、日本に理不尽な要求を突き付けてきた場合、日本単独での対応には限界があります。
そこで、繰り返しになりますが、まず、日本も含めた53ヵ国の国々は徹底的にこの“秘密警察”を取り締り、一方でこの被害者支援にしっかりと取り組むべきなのです。
そして、この被害者支援により、こうした被害者の輪が世界的に広がり、やがて中国共産党も無視出来ないほどの勢力が中国国内に生まれるのです。
また、こうした中国共産党の横暴を人権尊重の観点から各国が結束して糾弾することが中国共産党の横暴をくい止め、自由と人権が尊重される国際社会の実現に向けた“一歩前進”であり、やがて“法の支配による国際社会”の実現につながると期待出来るのです。

 
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2023年05月23日
アイデアよもやま話 No.5588 ウクライナ国民の考える停戦条件から見えてくること!
2月15日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でウクライナ国民の考える停戦条件について取り上げていたのでご紹介します。 

ウクライナ情勢は停戦どころか、ロシアが攻勢を強めているということですが、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「(ウクライナ国民はどう考えているかについて、)停戦の条件について、ウクライナ国民の世論調査(2022年11月MSC調べ)の結果なんですけど、1年前に戻すということではなくて、クリミア侵攻の前に戻して、そこからロシアが全軍撤退することに93%が賛成しているってことですから、ハードルは極めて高いんですよね。」
「(ただ各国の支援あってこその話ですが、ウクライナ国民による支援の評価について、)これをちょっと見ていただきたいんですが、イギリスが最も高評価を受けていて、アメリカが続いてるんですが、日本は残念ながらG7の中で一番低い評価。」
「その理由は、中国とか悪いんですけど、こちらを見ていただきたいんですが、ウクライナに対する国別の支援額を見ると分かるんですね。」
「ダントツでアメリカの軍事支援が大きいんですけど、EUは続いていると。」
「日本はこの6位以内に入ってなくて、13位なんですよね。」
「これだと岸田総理も中々ウクライナに行きにくいのかなと。」
「(武器支援を続けている欧米に比べると日本の支援は限られますが、G7議長国として各国をウクライナ支援でどう結束を続けさせていくのかは難しい舵取りですが、)もうちょっとお金を出さなくちゃいけないんじゃないでしょうかね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

ロシアによるウクライナ侵攻はいつ終息するのかについては、この侵攻は長期に渡るとの専門家の見方があります。(こちらを参照)
そうした中、今回お伝えしたように、ウクライナ国民の実に93%がクリミア侵攻の前に戻して、そこからロシアが全軍撤退することに賛成しているという世論調査が出ているのです。
ですから、欧米各国から武器・弾薬の調達がウクライナの満足のいくかたちで続く限り、クリミア侵攻前の状態まで領土を取り戻すというゼレンスキー大統領を始めウクライナ国民の意志はとても固いと言えます。
一方、今回のウクライナ侵攻は“プーチンの戦争”と言われるように、プーチン大統領自らのウクライナを支配下に置きたいという強い民族主義的な野望が大きなきっかけであるという見方があります。
そして、当初、プーチン大統領はこの侵攻は短期決戦で終えることが出来ると思っていたのが未だに続いており、現状での停戦はあり得ない状況に追い込まれているのです。
このようなウクライナ、ロシア、両国の状況から今回の侵攻は当面の停戦は見込めず、長引くというのが大方の予想なのです。

ここで注目すべきは、今回の侵攻における、両国の国民の意識です。
ウクライナの国民は総じて、これまでロシアに不法に占領された領土を取り戻すという決意に満ちています。
ですから、ウクライナ軍の兵士の士気も非常に高いと見られています。
一方、ロシアの国民は今回のウクライナ侵攻に対して、その価値を十分に理解しているとは言えません。
そもそもウクライナ侵攻の始まった時点で、ロシア軍の兵士はその目的を知らされないまま戦闘状態に置かれてしまったといいます。
このように兵士が目的を知らされないままでの戦争は、兵士の立場からすればあり得ないのです。
それほどプーチン大統領は今回の侵攻を甘くみていたわけです。

さて、このように今回のウクライナ侵攻は長引くという見方がある中で、今後の終息パターンについて以下にまとめてみました。
・ロシア、ウクライナのどちらかが兵力や武器・弾薬などの不足で戦闘継続が不可能となった
・ウクライナ侵攻の継続に反対する反プーチン勢力によりプーチン大統領が暗殺、あるいは身柄を拘束された
・ウクライナ侵攻の継続に反対する多くのロシア国民の声が高まり、プーチン大統領が侵攻継続を諦めざると得なくなった

一方、今月から始まったウクライナ軍による反転攻勢が強まり、ロシア軍敗北の見込みが高まってきた状態でのプーチン大統領による核兵器使用の決断がきっかけで第三次世界大戦勃発の可能性もあります。
ですから、第二次世界大戦後で、今ほど先進国をはじめ、世界各国の首脳の世界平和に向けてのリーダーシップが求められる時はないのです。
そういう意味で、今回の日本の広島でのG7開催、および各国首脳の平和記念資料館の視察は各国首脳の核兵器廃絶に向けて、あるいはプーチン大統領による核兵器の使用を阻止する決意を固めるうえで絶好の機会であったと思います。(こちらを参照)
勿論、こうした各国の首脳の決断を左右する国民の声も無視出来ません。
ですから、今こそ私たち一人一人も平和を求める声を大にする時なのです。

 
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2023年05月22日
アイデアよもやま話 No.5587 エマニュエル・トッドが描く悲観的な未来予測!
現代フランスを代表する知性の一人、人類学者・人口学者のエマニュエル・トッドさんについてはこれまでアイデアよもやま話 No.3559 エマニュエル・トッドが混迷の世界を読み解く その1 日本的価値観からの脱却の必要性!などでお伝えしてきました。
そうした中、トッドさんが最新刊『2035年の世界地図』[2月13日(月)発売]で語った民主主義の未来予想図の一部が2月9日(木)付けネット記事(こちらを参照)で抜粋・再編して公開されていたのでその一部をご紹介します。 

■民主主義の制度は残ったが、習律や精神が失われた
・2020年初頭から世界を席巻した新型コロナウイルスによるパンデミックが民主主義に大きな影響を与えたとは言えない
・しかし、長期的に見て民主主義が実質的な消滅に向かう傾向が強まった
・私たちはまだ、今でも民主主義の制度を持っていると思っているが、もはや民主主義の習律も精神も持ってはいない
・民主主義のリーダーを自任する米国の社会的不平等は大変なことになっている
・貧しい人々の平均寿命は短くなっており、政治制度でさえ、何らかの形で不正に操作されている
・なぜなら、制度を運営するにはカネがあまりに重要になってしまっているからである
・私たちは民主主義の制度を持ってはいても、システムは「寡頭制」(こちらを参照)とも呼ぶべき何かに変質してしまったようであるが、以前から現れていた問題であった
・民主主義の時代は、識字率の向上の結果であることが大きい
・普遍的な識字能力には特定の国民共同体に属するという感覚が伴ったが、これはすべて民主主義の一部だった
・しかし、今、おそらくここ半世紀ほど、私たちは、社会の新たな階層化を経験してきた
・かつてほとんどが読み書きはできるが他のことは知らず、ごく少数のエリート層を除けば人々は平等だった
・しかし今では、国にもよるが、おそらく30%の人びとが何らかの高等教育を受けている
・これに対して、20〜30%の人々は基本的な読み書きができる程度、つまり、初等教育のレベルで止まっている
・この教育の階層化は、社会構造の最上部と底辺では人々は同じではない、という不平等の感覚を伴っている
・私はこれを「非平等主義的潜在意識」と呼んでおり、民主主義の基本的価値の正反対にある
・さらに、それは共同体の感覚も破壊し、社会は分断される
・私たちがヨーロッパで経験したことであり、米国でも、ほとんどの国でも当てはまると思う
・中国はまだ到達していない段階だが、いずれこの段階に到達するだろう
・その文脈の中で、コロナ禍が到来した
・コロナ禍は「老人のパワー」を生み出したが、「老人支配」と呼んでもいい
・というのも、コロナは高齢者にとって危険だったので、彼らを守るためロックダウンなどの措置を通じて守られたが、同時に若い人たちの生活を破壊した
・これは民主主義の消滅におけるもう一つの要素である

■民主主義は今後も破壊され続ける
・民主主義の後退あるいは破壊は今後も続く
・2010年代後半で私が衝撃を受けたのは、あちこちで、いわゆるポピュリスト(こちらを参照)の運動が起きたことである
・米国ではトランプのような人が支持され、英国ではブレグジットを求めた人たちがいる
・2022年秋も、社会民主主義のスウェーデンの選挙で、いわゆる極右がかなりの得票率を得た
・イタリアでも極右の伸長を目の当たりにした
・これらすべての現象は、ある種の民主主義に戻ろうとしているとも解釈できる
・私は、これらの極端な右翼運動を、基本的に反民主主義とは見なしていない、むしろ逆である
・私は民主主義について、合理的でバランスの取れた見方をしている
・民主主義は平等で、それは国民共同体の中での平等であるが、民主主義の出現には排外的な要素が常にある
・民主主義は、特定の場所における、特定の人びとによる自己組織化である
・極右政党のほとんどは、労働者階級や低学歴者を代表しているが、強い排外的傾向を持っているからと言って、民主主義の担い手として失格には出来ない
・問題は、それがうまく機能しないということである
・高学歴者は、極端な右翼政党の権力を受け入れず、抵抗する
・米国では市民の統合は実現していない
・トランプ支持者と民主党支持者の間で、まったく合意はなく、新たな戦いが出てきただけである
・エリート、そして高学歴層は低教育層をいっそう軽蔑するという経験をし、そして何も生まれていない、これが教育の階層化がもたらす問題である
・私は、我々のシステムをリベラルな寡頭制だと申しましたが、この寡頭制はさらに、断片化の危険にさらされている
・リベラルな民主主義から、リベラルな寡頭制、そして何もなし、あるいは分解ということである
・自分でも、最近はちょっと悲観的になっている、と思っている

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

まず「私たちはまだ、今でも民主主義の制度を持っていると思っているが、もはや民主主義の習律も精神も持ってはいない」というエマニュエル・トッドさんの考えに衝撃を受けました。
確かに民主主義国家においては、選挙により、国民の声をより多く反映すると判断された政治家が政治を司るというシステムになっています。
しかし、現実にはアイデアよもやま話 No.5341 問われる”G20の存在意義”!でも触れたように、2021年1月6日に起きたアメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件(こちらを参照)では、トランプ前大統領が1月13日に暴徒によるこの事件を扇動したとして弾劾訴追されていたのです。
世界中の民主主義国家をリードすべきはずのアメリカでこのような民主主義を否定する事件が起きてしまったのです。
その背景について、労働者階級や低学歴者を扇動するポピュリストの台頭、および極端な右翼政党の権力を受け入れない高学歴者との対立にあるとし、トランプ支持者と民主党支持者の間で、まったく合意はなく、新たな戦いが出てきただけであるとトッドさんは指摘しています。
そしてトッドさんはこうした状況について悲観的になっているといいます。

さて、トッドさんは教育の階層化について指摘されていますが、日本の進学率は大学56.6%、・短大3.7%(2022年度)です。(こちらを参照)
また、日本における貧富格差は米国や中国よりも小さく韓国と同水準にあります。(こちらを参照)
こうした日本においても国政選挙における投票率の推移を見ると減少傾向にあり、直近では50%を少し超える程度です。(こちらを参照)
要するに結果として今の日本の政治制度は国民の半数ほどの声しか反映されていないことになるのです。
このこと一つだけ見ても本来の趣旨からして民主主義制度は機能していないと言えます。
更に内閣支持率を見ても(2013年1月〜2023年5月)、最も高い時で59%、直近では46%というように国民の半数以上からの支持は得られていないのです。(こちらを参照)

こうした日本の状況から大きく2つの課題が浮かんできます。
1つ目は国民の政治意識の向上です。
そのためには授業の最大の目的を何事においても自ら考えて判断し、行動する習慣を徹底して植え付けることです。
2つ目は国民の要望や期待をしっかりと把握し、それらに応えられる一方で真摯に将来の日本のあるべき姿を追求し、実現させる実行力のある政治家を育成することです。
そして、これら全ての根底を成す要件は自由、人権、共存共栄の尊重、および持続可能な社会の実現です。
こうした課題をクリアしない状態で経済やテクノロジーの発展ばかり追求していては、格差の拡大、あるいは中国やロシアのような覇権主義国家の台頭を許すことになってしまうのです。

なお、トッドさんは悲観的な未来予測をされていますが、これらの課題を解決し、世界展開すれば、人類の未来に希望が持てるはずです。
是非、岸田政権には“まず隗より始めよ”で日本をこうした課題をクリアし、世界展開していただきたいと思います。

 
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2023年05月21日
No.5586 ちょっと一休み その877 『なぜ人は旅に出るのか?』
前回、No.5580 ちょっと一休み その876 『ネアンデルタール人と現生人類との係わりから見えてくること』で現生人類の特性である狂気、すなわち好奇心について触れました。
そうした中、5月12日(金)放送の「チコちゃんに叱られる!」(テレビ東京)でなぜ人は旅に出るのかについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。

忙しい日々を送る中、ふと日常から離れて旅に出たいと思ったことありませんか?
なぜ私たち人間は旅に出たくなるのでしょうか?

人が旅に出るのは人間のさが(性)だからです。
人類の移動に関する研究の第一人者、東京大学総合研究博物館の海部陽介教授は次のようにおっしゃっています。
「人が旅に出るのは人間のさがだからという一面があります。」
「そして、この旅に出るということはホモ・サピエンス(こちらを参照)に特有の行動なのです。」

海部教授によると、渡り鳥など、動物が食料や温かさを求めて動くのはあくまで「移動」でしかなく、目的も行き先も自由に選んで移動するのが「旅」、そしてこれは人間だけの行動だといいます。
私たち人間の祖先は何万年も前の旧石器時代から新しい世界を開拓する旅を繰り返してきました。
海部教授は次のようにおっしゃっています。
「旅によって新しい土地を見つけた時、今、住んでいるところより環境が良ければ移住する、そういったことを繰り返していたんだと思われます。」

その結果、ホモ・サピエンスは爆発的に世界へと広がっていきました。
では、なぜホモ・サピエンスだけが旅をするのでしょうか?
「ホモ・サピエンスがこれほどまで生息域を広げることが出来たのは自由な移動や旅を実現させるための3つの能力が備わっていたからだと考えられます。」
「その1つ目の能力が「知恵」です。」
「ホモ・サピエンスは様々な困難に対して、知恵を使って必要な技術や道具を発明したんですね。」
「特に大きかったのは優れた移動手段の発明でした。」

ホモ・サピエンス以前の人類が生息していた範囲は、北側は北緯50度辺りで止まっています。
ここで待ち受けていたのは「寒さ」という困難、そこで機能的な服を作って温かさを確保し、犬ぞりなど雪道を進むための道具を歴史の中で発明していきました。
そして東側、東南アジアの先では更に大きな困難が行く手を阻みました。
「これは海という壁が立ちはだかっていたからなんですね。」
「しかし、ホモ・サピエンスは船を発明し、その壁を乗り越えました。」

必要な道具や技術を発明する知恵があったからこそ、私たちの祖先は困難の先に進むためのすべ(術)を手に入れることが出来たというのです。
この道具を生み出す知恵が現代のホモ・サピエンスにもちゃんと引き継がれている場所があります。
「しかし、優れた道具を作り出したからといって、目的地にたどり着けるとは限りません。」
「旅を成功させるには計画性も必要です。」
「そこで発揮されたであろう2つ目の能力が「情報ネットワーク」でした。」
「ホモ・サピエンスは仲間同士で情報を共有するのが得意です。」
「お互いが知らないことを押し合って、旅の困難を乗り越える方法をともに考えたんです。」

一人でやろうとしても出来なかったことを仲間との深いコミュニケーションにより、知恵と知恵を組み合わせることで可能にする、つまり新たな知恵を生み出すことが出来たのです。
「仲間で知恵の価値を高めていく、そんな情報ネットワークを持っていたことがホモ・サピエンスの強みであったと考えられます。」

この情報ネットワークが現代のホモ・サピエンスにもちゃんと引き継がれている場所があります。
「安全な旅のため試行錯誤を繰り返したホモ・サピエンスなんですが、ではなぜそこまでして旅に出ようとしたんでしょう?」
「旅を実現させることが出来た3つの能力の最後の1つ、それが「好奇心」です。」
「(他の動物には好奇心はないのかという問いに対して、)他の動物にも好奇心はあります。」
「でも人間の好奇心はとても強く、時に大きな挑戦もします。」

ホモ・サピエンスは約3万8000年前、海を越えて日本列島にやって来ました。
海部教授は、国立科学博物館の事業として、当時の航海を再現、実際に海を渡ってみたことでホモ・サピエンスが困難に直面していたことを実感出来たといいます。
「食料を探したり、危険から逃げるだけなら、水平線の向こうを目指す必要はないはずです。」
「それでも祖先たちがこの航海をしたのには特別な動機があったはずです。」
「それはまだ見たことがないものへの強い好奇心以外に考えられないと思うんですね。」

命の危険があるにも関わらず、ホモ・サピエンスが旅に出た、その原動力は好奇心以外の何物でもなかっただと海部教授は言います。
この好奇心が現代のホモ・サピエンスにもちゃんと引き継がれている場所があります。
ホモ・サピエンスは強い好奇心を胸に知恵と情報ネットワークを駆使して旅に挑み続けてきました。
そして今なお、エベレストの頂や深海、遥かなる宇宙など、未知の世界へと旅を続けているのです。
「私たちの心の中にもどこかに行きたい、旅に出たいという衝動があります。」
「それは私たちが祖先から受け継いできたホモ・サピエンスのさがのようなものではないでしょうか。」

ということで、人が旅に出るのは、旅に出ることは人間の性だからでした。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・人が旅に出るのは人間のさがだからで、ホモ・サピエンスに特有の行動である
・渡り鳥など、動物が食料や温かさを求めて動くのはあくまで「移動」でしかない
・私たち人間の祖先は何万年も前の旧石器時代から新しい世界を開拓する旅を繰り返してきた
・旅によって新しい土地を見つけた時、今、住んでいるところより環境が良ければ移住することを繰り返していたと思われる
・ホモ・サピエンスがこれほどまで生息域を広げることが出来たのは自由な移動や旅を実現させるための以下の3つの能力が備わっていたからだと考えられる
 |侶
  様々な困難に対して、知恵を使って移動手段や服など必要な技術や道具を発明した
 ⊂霾鵐優奪肇錙璽
  仲間同士で情報を共有する
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  他の動物にも好奇心はあるが、人間の好奇心はとても強く、時に大きな挑戦もする
  こうした強い好奇心ゆえに約3万8000年前、海を越えて日本列島にやって来た
  今なおエベレストの頂や深海、更には宇宙など、未知の世界へと旅を続けている

こうしてみると、私たち人間、すなわちホモ・サピエンスが現在のように豊かな暮らしが出来るようになった背景の最大の要件は好奇心であると言えます。
そしてこの好奇心を満たす手段として様々なテクノロジーを開発し、一方で一人一人の持つ情報やアイデアを共有してきたというわけです。
そして、この好奇心の向かう先は私たちの普段の暮らしに止まらず、未知のエリア、すなわち地球上の陸地、海洋、更に宇宙にまで広がっています。
一方で、私たち自身に対しても向かっています。
そこから医療技術の発展や遺伝子、あるいはDNAの研究に広がっているのです。
そして、今や人間の脳を模したAI(人工知能)や様々な用途に応じたロボットの実用化により、人間の能力をはるかに超えたツール(道具)を手に入れつつあるのです。
ですから、いずれ人間は心身ともに永遠の命を手に入れることさえ視野に入りつつあるのです。

しかし、一方で好奇心の矛先は戦う武器にも向けられてきました。
その結果、当初は槍や刀剣だったのが、今や核兵器や生物化学兵器まで実用化されています。
そして、核兵器に至っては人類を何度も滅亡させるほどの数まで存在しています。
一方で、人類は暮らしの豊かさのために大量の森林をを破壊したり、化石燃料の大量消費による大量のCO2排出により地球温暖化をもたらしています。
その結果、地球の温暖化が後戻り出来ないような状態になるリスクが高まっています。

ということは、人類の好奇心の対象は、暮らしの豊かさから利己的な欲望を満たすための手段まで千差万別であると言えます。
しかし、このマイナスの好奇心が行き着くところまで来てしまい、今や人類の滅亡、あるいは地球温暖化の弊害をもたらす事態を招こうとしているのです。
ですから、今、人類にとって最も必要とされるのは人類の滅亡を回避すべく、平和維持、および持続可能な社会の実現に向けたアイデアに対する好奇心なのです。

 
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2023年05月20日
プロジェクト管理と日常生活 No.818 『注意すべきスマホ認知症!』
今や、どこでもスマホを操作している多くの人たちを見かけます。
私もどちらかと言えば、そうした部類に入ると自覚しています。
そうした中、1月15日(日)付けネット記事(こちらを参照)でスマホ認知症について取り上げていたので以下に記事の内容をまとめてみました。 

(現状の問題点)
・スマートフォンを多用する50代以下の世代で、心身に不調をきたす人が増えている。
・脳は入ってきた情報を整理整頓し、記憶の棚から出力している。だが情報過多でその機能が追いつかなくなると、必要な情報をうまく取り出せなくなり、『ど忘れ』や『うっかりミス』といった爛好泪枅知症瓩箸發い┐訃評が表れる。
・スマホ認知症に陥ると、「1週間あれば完成していた書類がいつまでたっても満足できるレベルに達しない」「料理が手際よく作れなくなった」というように、段取りや計画に沿って物事を進める「遂行実行機能」が低下。コミュニケーション能力や企画力・創造力の低下なども表れる。
・心身の状態をコントロールしている前頭葉の機能低下も起きるとされ、手足の痛み、動悸、めまいなどさまざまな体調不良にもつながる。突然怒り出す、泣き出すなど情緒が不安定となる人もいる。
・こうした状態を放置しておくと「老年期に認知症となるリスクが大きくなる。
・スマホの長時間利用が高校生以下の低年齢層の発達に及ぼす影響を懸念する声も出ている。「脳トレ」で知られる東北大加齢医学研究所の川島隆太所長らは、仙台市の5〜18歳の児童生徒224人を対象に3年間、脳の発達の様子をMRIで観察。スマホなどでインターネットを長時間使う子供たちの脳は、神経細胞が集積する「灰白質」や神経線維が集まる「白質」の体積があまり増えず、脳の発達に遅れがみられたという。
川島氏は「例えば中学3年生で考えたとき、スマホを全く使っていない生徒は中学3年生相当の脳を持っているのに対し、毎日頻繁に使っていた生徒の脳は小学6年生のままである可能性がある」と説明する。
・川島氏は「脳の発達が阻害されれば、勉強をしてもしなくても、学力が上がっていかない。いつでもネットに接続できる社会は、子供たちの未来の可能性を奪うことにつながっているのではないか」と問題提起している。

(対応策)
・スマホ認知症は、脳過労で記憶の整理整頓に支障が出ている状態であり、生活習慣の改善で回復は可能だという。
・スマホから距離を置き、「ぼんやりする時間」を作ることで情報が整理され、脳機能の回復につながる。
・さらに、一定のリズムで体を動かすことも脳機能の活性化に役立つ。具体的には、散歩やサイクリングといった運動のほか、料理や皿洗いといった家事仕事なども有効という。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

スマホ認知症で特に注目すべきは、専門家の以下の指摘です。
・中学3年生で考えた時、毎日頻繁に使っていた生徒の脳は小学6年生のままである可能性がある
・脳の発達が阻害されれば、勉強をしてもしなくても、学力が上がっていかない
・いつでもネットに接続出来る社会は、子供たちの未来の可能性を奪うことにつながっている可能性がある

現実に、私の周りでも、子どもにスマホを持たせる家庭が増えています。
そして私の孫も一緒に外食に出かけても、食事の合間にスマホをいじっていることが多いです。
そうした中、このような指摘は日本の将来を担う10代の若い世代の本来持つべき能力を奪うリスクを秘めているのです。
そして、このリスクの顕在化は間違いなく日本の将来を危うくします。
ですから、少子化対策もとても重要ですが、国はこうしたリスクを重大視し、国を挙げて、スマホ認知症のリスク対応策に取り組む必要があります。
なお、ここで救いなのはこうしたリスク対応策が誰でも出来る点です。
親が、子どもがスマホを使う時間を制限して、子どもが他のことに向き合う時間を持たせればリスクを軽減出来るのです。
ちなみに、今、話題になっているChatGPTに関連するリスクもスマホ認知症リスクと合わせて、その対応策に取り組むべきだと思います。

 
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2023年05月19日
アイデアよもやま話 No.5585 どうする?”年収の壁”
2月9日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で”年収の壁”について取り上げていたのでご紹介します。 

パートで働く主婦などのいわゆる”年収の壁”について岸田総理大臣が制度の見直す考えを表明しました。
NHK解説委員の竹田忠さんは次のようにおっしゃっています。
「配偶者に扶養されている専業主婦などの場合は、年金や医療などの社会保険料は自分では負担しなくていいんですね。」
「しかしパートなどの年収が増えていくと払わないといけない。」
「具体的には従業員101人以上の会社に勤めている場合は年収106万円以上、その他の会社でも130万円でその負担が発生すると。」
「そうすると、手取りが減って、もっと長く働かないとこの部分が“働き損”になるので、この壁を超えないように働く時間を抑えて就業調節をする人が増えてくる。」
「この問題について指摘をしている野村総研によると(こちらを参照)、この20年間でパートの時給は3割増えたと。」
「しかし、なぜか年収はほぼ横ばいのままと。」
「で、それは働く時間が減っているからだと。」
「つまり、賃上げすればするほど就業調整で(1人当たりの労働時間が減るため)人手不足が深刻になってしまうと。」
「そこで先日、国会で議論になりましたのは、この手取りが減ってる部分について、国が給付金で穴埋めしたらいいんじゃないかと。」
「そうすれば、壁を越え易くなるじゃないかと。」
「しかし、この場合、対象になるのは、扶養されている人たちですから、単身で、一人で働いてる人たちからすると、これ不公平じゃないかということなんですね。」
「(では、この壁をもっと上げて保険料を負担しなくてもいいようにするのはどうかという問いに対して、)それは国が進めようとしている改革とは真逆の方向なんです。」
「国は少しでも多くの短時間労働者が社会保険に入れるように、むしろこの壁を下げようとしているわけですね。」
「ですから今必要なのは、最近企業が相次いでパートの時給を大幅にアップして話題になっていますよね。」
「ですから保険料を払って老後の備えを厚くしながら働けるように、企業がもっと賃上げ出来るように後押しする。」
「これが重要なんです。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

ちなみに”年収の壁”にはいくつかの種類があります。(こちらを参照)

番組を通して、パートなどの”年収の壁”問題について以下のようにまとめてみました。
(現状)
・配偶者に扶養されている専業主婦などの場合は、年金や医療などの社会保険料は自分では負担しなくていい
・従業員101人以上の会社に勤めている場合は年収106万円以上、その他の会社でも130万円でその負担が発生する

(問題)
・この”年収の壁”を超えると、こうした負担による“働き損”にならないように就業調節をする人が増えてくる
・従って、賃上げすればするほど、その分就業調整で人手不足が深刻になる

(対応策案)
・”年収の壁”を超えた場合の手取りが減ってる部分について、国が給付金で穴埋めする
-しかし、この場合、単身で働いている人たちからすると、不公平感が出る
・”年収の壁”を上げて保険料を負担しないで済む
-しかし、この場合、国が進めようとしている改革とは真逆になる
-国は少しでも多くの短時間労働者が社会保険に入れるようにこの壁を下げようとしている
・パートの時給を大幅にアップする
 -しかし、この場合、特に経営の厳しい中小企業の場合、経営を圧迫する

ということで、番組で取り上げた”年収の壁”問題の対応策案はどれも“帯に短し、襷(たすき)に長し”で新たな課題が出てきます。
ですから、時給アップ、就業調整による人手不足の抑止、税収の確保、および社会保険制度の維持という4つの課題をバランスの取れたかたちで解決することが求められるのです。

 
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2023年05月18日
アイデアよもやま話 No.5584 気球など飛来時の撃墜要件の緩和へ!
アイデアよもやま話 No.5579 米中関係の新たな火種となった偵察気球!でアメリカの本土上空に現れた中国の偵察気球についてお伝えしました。
そうした中、2月15日(水)付けネット記事(こちらを参照)で日本の上空で目撃された気球型の飛行物体について以下のように報じています。

・防衛省は14日夜、過去に日本の上空で目撃された気球型の飛行物体について、「中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定される」と発表しました。
・防衛省によりますと、気球型の飛行物体は、国内では、
▽2019年11月に鹿児島県薩摩川内市などで、
▽2020年6月に仙台市などで
▽2021年9月に青森県八戸市などで確認されているほか、
▽2022年1月には海上自衛隊の哨戒機が九州西方の公海上で所属不明の気球を確認していたということです。
・防衛省は、外交ルートを通じて、中国政府に対して、事実関係の確認を求め、今後このような事態が生じないよう強く求めるとともに、外国の無人偵察用気球などによる領空侵犯は断じて受け入れられないことを申し入れたということです。
・防衛省は「気球であっても、わが国の許可なく領空に侵入すれば、領空侵犯となることから、今後とも、外国政府の無人偵察用気球を含め、気球に対して、これまで以上に情報収集・警戒監視に努めていく」としています。

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

また2月15日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で日本国内における気球など飛来時の撃墜要件の緩和について取り上げていたのでご紹介します。 

気球などが飛来した場合、撃ち落とせるように武器の使用条件の緩和を検討していることが分かりました。
自民党の小野寺安全保障調査会長は次のようにおっしゃっています。
「我が国の防衛にとって大きな穴があるのではないか、そのような心配をもたらす事例だと思います。」

中国の偵察用気球と見られる物体が日本上空を飛行していた事態を受け、自民党内からは政府の対応に懸念の声があがりました。
外国の気球などが日本の上空に侵入した場合、武器の使用はこれまで正当防衛などに限られていましたが、防衛省はこのルールを見直す方針を自民党側に示しました。
中国政府に対し、政府として松野官房長官は次のようにおっしゃっています。
「外国の無人偵察用気球などによる領空侵犯は断じて受け入れられない旨申し入れました。」

一方、中国外務省は「確かな証拠もないまま中国を攻撃している」と反発しています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、2月17日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でも同じテーマについて取り上げていたのでご紹介します。 

日本でも気球を撃墜出来る法整備の議論が浮上していますが、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「偵察気球はまだよく分かってないんですよね。」
「通信傍受が狙いというけど、どういう性能なのか。」
「だから、まず撃墜ということではなくて、性能や中国の狙いを把握する。」
「それから、気球や、あるいはドローンも含めて国際ルールがないわけですから、その必要性について日本が働きかけるということが大事じゃないでしょうか。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

これらの内容を以下にまとめてみました。
・これまで2019年から2022年にかけて4回、日本各地の上空で「中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定される」気球型の飛行物体が目撃された
・防衛省は、外交ルートを通じて、中国政府に対して、事実関係の確認を求め、今後このような事態が生じないよう強く求めるとともに、外国の無人偵察用気球などによる領空侵犯は断じて受け入れられないことを申し入れた
・防衛省は「気球であっても、わが国の許可なく領空に侵入すれば、領空侵犯となることから、今後とも、外国政府の無人偵察用気球を含め、気球に対して、これまで以上に情報収集・警戒監視に努めていく」としている
・外国の気球などが日本の上空に侵入した場合、武器の使用はこれまで正当防衛などに限られていたが、防衛省はこのルールを見直す方針を自民党側に示した
・中国政府に対し、政府としても「外国の無人偵察用気球などによる領空侵犯は断じて受け入れられない旨申し入れた
・一方、中国外務省は「確かな証拠もないまま中国を攻撃している」と反発している

こうしてみると、まず思うのは日本政府、あるいは防衛省の国家安全保障の観点からの危機意識の欠如です。
まさに“平和ボケ”と言わざるを得ません。
本来であれば、2019年11月に鹿児島県薩摩川内市などで飛行物体が発見された時に中国政府に自国で飛ばしたものかどうかを確認し、その結果次第で原田さんも指摘されているように、その狙いや性能を確認すべきだったのです。
ところが、冒頭でお伝えしたようにアメリカの本土上空に現れた中国の偵察気球の撃墜事件があって、初めて政府や防衛省は今回お伝えしたような動きを見せたのです。

ということで、政府や防衛省にはアメリカの動きに追随するのではなく、独立国家として主体的、かつ真剣に国家安全保障に取り組んでいただきたいと願います。

なお、原田さんは気球やドローンなどの国際ルールがないと指摘されておりますが、ChatGPTによれば、実際には国際ルールはあるようです。(添付参照)

添付)

気球やドローンなどによる領空侵犯の有無
ChatGPT
気球やドローンなどの飛行機材が領空を侵犯することは、国際法で禁止されています。
国際法において、領空は、国家主権の下にある空間であり、国家は自らの領空を保護し、他国に侵犯されることを禁止しています。気球やドローンなどの飛行機材が、他国の領空を侵犯した場合、国際法に違反することになります。
領空侵犯は、国家間の緊張関係や軍事的な衝突を引き起こすことがあり、深刻な外交問題となることもあります。そのため、各国政府は、領空侵犯を防止するための法的措置や防衛措置を講じています。例えば、各国は、領空の警備や防衛を目的とした航空自衛隊を編成しており、また、ドローンの監視や防衛システムの開発にも注力しています。
気球やドローンを運用する際には、国際ルールや各国の法律・規制を遵守することが重要であり、他国の領空を侵犯しないよう注意する必要があります。

 
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2023年05月17日
アイデアよもやま話 No.5583 SDGs達成に多大な貢献が期待出来る就活サイト「エシカル就活」 その3 アメリカ進出、およびサービスの拡大!
国連が掲げているSDGs、持続可能な開発目標については、これまでアイデアよもやま話 No.5576 SDGsの達成 その2 SDGsとビジネスは両立出来るか!などで何度となくお伝えしてきました。
そうした中、2月3日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で就活サイト「エシカル就活」について取り上げていたので3回にわたってご紹介します。
3回目は、アメリカ進出、およびサービスの拡大についてです。
なお、1回目はアイデアよもやま話 No.5578 SDGs達成に多大な貢献が期待出来る就活サイト「エシカル就活」 その1 「エシカル就活」とは・・・、2回目はアイデアよもやま話 No.5582 SDGs達成に多大な貢献が期待出来る就活サイト「エシカル就活」 その2 大企業にも広がりつつある「エシカル就活」の利用!でした。

「エシカル就活」を運営するスタートアップ、株式会社アレスグッドの24歳のZ世代社長、勝見仁泰さんは次のようにおっしゃっています。

「(起業して、わずか2年ほどでアメリカに進出しようという動きに対して、)市場、それから我々が描いているインパクト(企業として実現したい方向性を明確化したもの)も含めて、Z世代がアメリカが非常に多いんですよ。」
「人口におけるZ世代の比率が20%以上なんですよ。」
「で、ここのZ世代を変えるというのが、先ほどの丸井さんのような事例を多く生むんじゃないかなというふうに思ってアメリカへの進出を決めました。」
「(実際にアメリカに行かれて、働き方を見た印象について、)やっぱりアメリカの方がサステナビリティ(持続可能性)の取り組みは、企業においてはすごい進んでいるなと思ってまして、かつ大学、2年近く前に名門のスタンフォード大学でも持続可能専門学部が新設されたんですよね。」
「そういうふうなかたちで大学生の興味を持つ方々が増えてるなっていう印象ですね。」
「(今、IT大手のリストラがありますが、実際に今、優秀な人たちが市場にいっぱい出ているのは大変なチャンスではという指摘に対して、)おっしゃる通りですね。」
「リーマンショックの時もそうだったんですけども、こういったレイオフ、ビッグテックもしかりですけども、正直にいうと、失業率の文脈で見ると、アメリカの経済ってテックの部分だけが大型レイオフなんですよね。」
「それ以外はまだまだ雇用が生まれていて、そういったテックって、あまりサステナビリティ、気候変動に対しての影響ってそこまで、電力ぐらいなんですよね。」
「だから、どちらかというと、観光業や農業だったりとか、より気候変動に近いような産業はもっと盛り上がってくるんですよね。」
「なので、こういったところにZ世代は非常に関心を持ってキャリアを進んでいるなって思うのは、実際にアメリカに行って、いろんな方にヒアリングしても感じましたね。」
「(「エシカル就活」、現在は新卒が中心ですが、こういった雇用の流動性が出てくれば、日本でも転職やヘッドハンティングにもチャンスがありそうではという指摘に対して、)おっしゃる通りで、就活生、学生だけではなくて、就職した後も次のオポチュニティ(機会)に対して、しっかりと良い体験が届けられるように中途、それから次のキャリアというところも今、準備しているところであります。」

日本は小粒な企業になりがちですが、世界を視野にどんどん大きな企業に育っていって欲しいです。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・アメリカでも特にZ世代の企業を見る目線が、今までもらえる給料や福利厚生だけで企業を見ていたが、更に企業のサステナビリティに対する取り組みに対しては非常に注目している
・アメリカは、人口に占めるZ世代の比率が20%以上と非常に多いので、起業して、わずか2年ほどでアメリカへの進出を決めた
・アメリカの方がサステナビリティの取り組みは、企業においては非常に進んでいる
・大学でも2年近く前に名門のスタンフォード大学で持続可能専門学部が新設された
・サステナビリティに興味を持つ大学生も増えている印象である
・今、IT大手のリストラがあるが、リーマンショックのような時にはテック企業だけが大型レイオフになる
・それ以外はまだまだ雇用が生まれており、観光業や農業など、より気候変動に近いような産業にZ世代は非常に関心を持ってキャリアを進んでいる
・アレスグッドは、就活生、学生だけでなく、就職した後も次のオポチュニティ、あるいは次のキャリアに対しても、今、「エシカル就活」へのサービス追加を準備中である

こうしてみると、サステナビリティに対する取り組みについて、アメリカの方が日本よりも一歩進んでいるようです。
スタンフォード大学で2年近く前に持続可能専門学部が新設されたというのは、ちょっと驚きです。
こうしたサステナビリティ関連の学部の創設は今後アメリカ国内のみならず、日本も含めて他の国々でも広がっていくと思われます。

なお、リーマンショックのような時にはテック企業だけが大型レイオフになるといいますが、SDGsの観点からは多くの面で一番進んでいると思います。
ただし、消費電力を除いてです。
テック企業はサーバーを中心に大量の電力を消費しますから、いかにこうした電力を再生可能エネルギーで賄うかが大きな課題です。
一方、他の多くの業種ではDX(参照:アイデアよもやま話 No.5387 DXに政府も重点的に投資する方針だが、・・)やGX(グリーントランスフォーメーション 地球温暖化防止のために、化石燃料ではなく再生可能エネルギーの使用を目指す取り組み)の観点からSDGsの達成に向けて、取り組むべきことは沢山あります。
そのためにはZ世代を中心に多くの人材が必要となります。
その受け皿として注目されるのが「エシカル就活」のような就活サイトです。
そしてアレスグッドは「エシカル就活」に就活生のみならず、社会人も対象にした新しいサービスの追加を準備中といいます。
こうした新しいサービスの展開はSDGsへの取り組みに消極的な企業をも動かすと見込まれます。

なお、アレスグッドの公式ページには以下の記述があります。

産業界が抱える社会課題を経済性と社会性の両面から解決し、サステナビリティファーストな新しいエコシステムを築き上げることで、産業界のSX(Sustainability Transformation)を加速させます。

ということで、アレスグッドには「エシカル就活」を軸に、地球規模でのSDGsの達成に向けて、国内外を問わず、サービスの展開を図っていただきたいと思います。

 
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2023年05月16日
アイデアよもやま話 No.5582 SDGs達成に多大な貢献が期待出来る就活サイト「エシカル就活」 その2 大企業にも広がりつつある「エシカル就活」の利用!
国連が掲げているSDGs、持続可能な開発目標については、これまでアイデアよもやま話 No.5576 SDGsの達成 その2 SDGsとビジネスは両立出来るか!などで何度となくお伝えしてきました。
そうした中、2月3日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で就活サイト「エシカル就活」について取り上げていたので3回にわたってご紹介します。
2回目は、大企業にも広がりつつある「エシカル就活」の利用についてです。
なお、1回目はアイデアよもやま話 No.5578 SDGs達成に多大な貢献が期待出来る就活サイト「エシカル就活」 その1 「エシカル就活」とは・・・でした。

「エシカル就活」の利用は大企業にも広がっています。
その裏には激変する環境の中で、企業の存続を賭けた人材獲得戦略がありました。
間もなく就活シーズン突入、大企業も動き出します。
株式会社丸井グループの青井浩社長は次のようにおっしゃっています。
「そういったビジネスを行っていないところというのは優秀な人材が来ていただけないです。」

今、選ばれる企業に必要なこととは何でしょうか。
4月に就職予定の田崎菜津美さん、大学では女性がキャリアを積むことが難しい社会を変えようと活動をしてきました。
そんな田崎さんに白羽の矢を立てたのがファッションビルなどを運営する丸井グループ、4月から社員として迎えることになりました。
丸井が田崎さんと出会ったのはエシカル就活、およそ40人の内定者のうち、4人をエシカル就活を通じて採用しました。
丸井グループ 採用課の水本優さんは次のようにおっしゃっています。
「「丸井=商業施設・ショッピングセンター」というイメージがまだまだ根強く、従来の就職サイトですと「業界・業種」軸、セグメント(の検索)になっていて、やはり「丸井=社会課題解決のビジネスをやっている会社」だというのが中々伝えられなかったというところが、私たち歯がゆい想いでございました。」

社会課題の解決を志す人材獲得のため、「エシカル就活」を活用する丸井、運営する株式会社アレスグッドへの出資まで行い(昨年7月)、関係を強化しました。
ビジネスとSDGsの両立を加速させようとしているのです。
一部店舗では既に使用する電力を100%再生可能エネルギーにするなど、環境負荷に対応しています。
また、収益の柱となっている株式会社エポスカードの山岡さおりさんは次のようにおっしゃっています。
「廃棄プラスチックを使うことでCO2を9.8g分削減の効果があります。」

更にシェアハウス事業にも進出、若者に低価格の住まいを提供するなど、社会貢献事業を始めています。
社会に貢献出来ない企業に未来は無いと考えている丸井グループの青井社長、そのためにも社会課題に関心を寄せるZ世代の力が必要だと感じています。
「環境問題に対する切迫感、危機感が世界中で高まっている背景もありますし、特にZ世代をはじめとする若い人たちと一緒にビジネスをすることで、より良い未来をつくっていくことをとても重視しています。」
「ですのでZ世代は私たちにとってはとても大事なパートナー。」
「そういったビジネスを行っていないところは優秀な人材が来ていただけないです。」

今や人材確保のためにも求められる企業の社会貢献、そこに成長のカギがあると、Z世代の新たな力に期待を寄せます。
「社会課題の解決と収益が両立し始めた領域もあるんですけども、まだまだ未開拓。」
「領域を開拓してもらうことを一番期待したいことだと思います。」

そして大企業も安心できない人材獲得競争に異変が起きています。
アレスグッドの社長、勝見仁泰さんは次のようにおっしゃっています。
「(丸井グループの青井社長はSDGsを含め、やりがいを提供出来ないと優秀な人材が来ないという、随分危機感を持っていらっしゃいましたが、そういう時代になっているのかという問いに対して、)まさに脅威だと思っておりまして、ああいった企業が人材というところに対して、獲られてしまっているというのが既に起きていて、実際、我々のサービスを使ってくれている企業さんでも通常の売上とかでは業界2番手なんですけれども、業界1番手のところから内定が出ている学生さんを採用することが出来たと。」
「要はサステナビリティの取り組みの進捗度合いによって、学生に対していい訴求が出来て、売り上げ以外の文脈で学生さんに魅力を付けて採用することが出来た。」
「こういう事例が出来ると、今度は業界1番手の企業さんも変わらなきゃいけない、こういうようなうねりになっていますね。」
「(SDGsというところで、学生さんが判断をしたということで、そうなると企業のカギを握るのはこれからSDGs、そこにどう力を入れてアピール出来るかというところになることについて、)そうですね。」
「この動きは実は既に金融市場で起きていて、いわゆるESG投資(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.531 『世界のビジネス界で影響を増す地球温暖化対策 その2 国際的な取り組み!』)、SDGsに近い言葉ですけども、そういったサステナビリティに対する取り組みをしている企業に融資、投資が世界中の投資家から集まってくると。」
「我々、このエシカル就活というのはこの人材バージョンであると思っていると。」
「なので、そういったサステナビリティの取り組みをしないと、良い人材、企業もヒト・モノ・カネのヒトが集まらないっていうような動きになっているんじゃないかなと思っています。」
「(ですから企業も変わっていかなければいけないでしょうけれども、海外の動きについて、)アメリカでいうとテック企業のレイオフがあるんですけども、長期的な目線で見ると、アメリカの方がこういったサステナビリティとか企業のパーパス(目的・目標や存在意義などのことで、企業の社会的価値観を示す言葉)、こういったものに対しての意識が、求職者の方、すごく高まっているんですよね。」
「(具体的にどういったところから分かるのかという問いに対して、)実際に我々もアメリカに事業展開しているんですけども、それでいうと、学生さん、特にZ世代の方々の企業を見る目線が、今までもらえる給料や福利厚生だけで企業を見てたんですけども、そこから更にこの企業は何を持って、このテクノロジーを使っているんだろうかというホワイの部分、ここに対してZ世代、特にアメリカ、ヨーロッパに対しては非常に注目しているというふうに感じますね。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組を通して「エシカル就活」を積極的に活用している丸井の取り組みを以下にまとめてみました。
・およそ40人の内定者のうち、4人をエシカル就活を通じて採用した
・「丸井=商業施設・ショッピングセンター」というイメージがまだまだ根強く、「丸井=社会課題解決のビジネスをやっている会社」であることがこれまで中々伝えられなかった中で、社会課題の解決を志す人材獲得のため、エシカル就活を活用している
・エシカル就活を運営するアレスグッドへの出資まで行い(昨年7月)、関係を強化し、ビジネスとSDGsの両立を加速させようとしている
・一部店舗では既に使用する電力を100%再生可能エネルギーにするなど、環境負荷に対応している
・更にシェアハウス事業にも進出、若者に低価格の住まいを提供するなど、社会貢献事業を始めている
・社会に貢献出来ない企業に未来は無いと考えている丸井グループの青井社長は以下のように考えている
-社会課題に関心を寄せるZ世代の力が必要であり、Z世代はとても大事なパートナーである
-社会課題の解決と収益が両立し始めた領域もあるが、まだまだ未開拓で、Z世代には新たな領域を開拓してもらうことを一番期待したい

また、アレスグッドの社長、勝見さんの考えを以下にまとめてみました。
・大企業も安心出来ない人材獲得競争に異変が起きている
・エシカル就活を通して、SDGsに積極的に取り組んでいる業界2番手の企業が業界1番手のところから内定が出ている学生を採用出来たという事例がある
・こういう事例が出来ると、今度は業界1番手の企業も変わらざるを得ないというようなうねりになってくる
・こうした動きは既に金融市場で起きており、ESG投資といった、SDGsへの取り組みをしている企業への融資、投資が世界中の投資家で起きている
・エシカル就活はESG投資の人材バージョンである

そもそも丸井といえば、モダンなファッションを取り扱う小売業というイメージを持っていましたが、今や「丸井=社会課題解決のビジネスをやっている会社」というように変容していることは知りませんでした。
しかし、こうしてみると、「エシカル就活」を運営するアレスグッドへの出資をしたり、内定者のうち、4人を「エシカル就活」を通じて採用したり、一部店舗では既に使用する電力を100%再生可能エネルギーにしたり、といったように、番組を通して、丸井グループのSDGsに取り組む真剣さが伝わってきます。
また、シェアハウス事業にも進出、社会貢献事業も始めているというのです。
そして、こうした今後の事業展開において、Z世代には新たな領域を開拓してもらうことを一番期待したいと丸井グループは考えているのです。
ですから、今後、SDGsの達成を目指して、丸井グループはいろいろと新たな事業展開に取り組んでいくと思われます。

1回目でもお伝えしたように、今やSDGsを軸に企業も事業のあり方を大きく変容させようとする動きが徐々に増えてきているのです。
ですから、よりSDGsに関心の高い人材獲得を目指すうえで、企業規模に係わらず、「エシカル就活」のようなサイトは今後ともユーザー数の増加が見込まれます。

なお、こうした動きはESG投資と言われるように投資家の間でもSDGsを軸に既に投資基準が変わりつつあるのです。
ですから、SDGsを軸に、今や、企業、就活生、投資家はそれぞれの立場で変容を遂げる流れが徐々に広がり、かつスピードを増していると言えます。

 
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2023年05月15日
アイデアよもやま話 No.5578 SDGs達成に多大な貢献が期待出来る就活サイト「エシカル就活」 その1 「エシカル就活」とは・・・
国連が掲げているSDGs、持続可能な開発目標については、これまでアイデアよもやま話 No.5576 SDGsの達成 その2 SDGsとビジネスは両立出来るか!などで何度となくお伝えしてきました。
そうした中、2月3日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で就活サイト「エシカル就活」について取り上げていたので3回にわたってご紹介します。
1回目は、「エシカル就活」の内容についてです。

今、SDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)を巡って、学生の就職先選び、あるいは企業の採用方針に大きな変化が起きています。

これから本格的な就職活動シーズンを迎える大学3年生の清水碧さんは次のようにおっしゃっています。
「誰かの役に立ちたいというのが多分自分の中で大きいのかなと思っていて、問題に立ち向かえる企業が自分の就活軸であります。」

社会課題への関心が高いとされるZ世代(こちらを参照)の若者、清水さんも貧困や多様性などの問題に取り組みたいと考えていました。
そこで最近使い始めたのが「エシカル就活」、社会に貢献したい学生と企業をつなぐ就活サイトです。
この就活サイトについて、清水さんは次のようにおっしゃっています。
「どの社会課題に取り組んでいるかがピックアップされてたりとか、自分にとって必要な情報が最短距離で見れるかな。」
「業種や業界で絞るんじゃなくて、自分がどの社会課題に興味があるかで絞ることを肯定してくれる。」

関心がある項目を選び、検索すると、関連する問題に取り組む企業が表示されます。

鎌倉の名所、鶴岡八幡宮、その目の前にエシカル就活を開発した企業があります。
株式会社アレスグッド、まだ創業2年のスタートアップです。
率いるのは24歳のZ世代社長、勝見仁泰さん、1年半ほど前にエシカル就活を開発しました。
勝見さんは次のようにおっしゃっています。
「エシカルは元々“倫理的な”だったりとか、“道徳上の”という意味合いがあるんですけど、本当にサステナビリティに関心ある方々を採用したいニーズはかなり高まっているな。」
「毎月、10数社からお問い合わせが来ている状況。」

現在、50社以上が活用するエシカル就活、企業は登録する学生に自社の取り組みをアピール出来る他、社会課題に関心を持つ学生の情報を見て、直接スカウトすることも出来ます。
サービス開始間もない中、登録する学生は既に5000人を超えました。
人気の裏にある理由について、勝見さんは次のようにおっしゃっています。
「これが実際にはまだ弊社の中で公開出来ていないんですけども、企業様のサステナビリティの取り組みをスコア化したものになっております。」
「赤色がビジョンとかミッションですね。」
「青色が実際の自社の取り組み。」

企業から直接ヒアリングする他、専門家などの助言をもとに独自に審査、基準を満たした企業だけがサイトに掲載出来るのです。
勝見さんは次のようにおっしゃっています。
「サステナビリティをやっている企業に人・モノ・金・情報がちゃんと集まるようなインフラを作りたいと思っているのが僕らのミッション。」
「それがエシカル就活。」
「企業の中で「それは我々は出来ないですよ」とか、「うちはそういうのじゃないから」と言ってしまう企業は間違いなく淘汰される。」

就活を変えるZ世代企業家、勝見仁泰さんが企業に求められる新たな人材戦力に迫ります。
「(起業の理由について、)元々自分自身が2年ぐらい前に大学生で就職活動している時に、今回のテーマでもあるSDGsを軸に就職活動してたんですけど、中々自分に合った企業が見つからなかったという原体験から、じゃあ自分で会社を興そうと考えてエシカル就活を始めました。」

SDGsに積極的に取り組む企業かどうかが就活生の志望度にどう影響するかという調査がこちらです。
「とても影響する」と答えた人が5.8%でしたが、「やや影響する」と答えた人は34.2%に上り、合わせると4割の人が志望度が上がるとしています。
就職活動というと、自分を自己PRする場というのがありますけれども、そういうところ、SDGsを見て学生さんが判断するところに来ている状況について、勝見さんは次のようにおっしゃっています。
「まさにおっしゃる通りで、こういったSDGsという言葉自体がいろいろなところで使われたりとか、するようになるが故に、逆にSDGsウォッシュという言葉が生まれてきてまして、何かというと、SDGsをやってるっていうふうに口だけは言ってるんだけれども、実はやっていない、行動が伴っていない、そういった企業も生まれているので、そういうのを我々がしっかりと厳選して、企業さんと対話して、学生に有益な情報を届ける、それがエシカル就活というサービスになっています。」
「(スコア化するということですが、ちゃんとした基準を持っているのかどうかについて、)おっしゃる通りですね。」
「例えば、先ほどお話ししたミッション、ビジョンだったりとか、それから具体的な社会課題の取り組み、そして従業員の声、こういったかたちで企業さんをこういうふうに検索していただいているというような状況です。」
「(学生さんもちょっとSDGsやっていこうかなという、そういう方もいるのかについて、)いますね。」
「学生さんが要は、取り組みと発言が伴っていないという方々もいるので、そこはこれからもっともっとしっかりと注視していきたいなと思っています。」
「(その基準を満たしたという企業ですが、数でいうと50社ということで、ちょっと少ない状況について、)おっしゃる通りで、ここは我々の事業の課題でもあると思ってまして、やはり学生さんにとって、選択肢が少ないっていうのは非常にあまり良く体験だと思っています。」
「(マッチングもしずらくなるという指摘に対して、)まさに一方で、ただ増やせばいいだけじゃないと思っていて、我々もしっかりと厳選をして、本当の先ほどのSDGsウォッシュじゃない企業を掲載すると。」
「ここはこれからの我々の事業の課題でもあると思っています。」
「(これからどんどん増やしていくということなのかという問いに対して、)はい、おっしゃる通りです。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・Z世代の若者は貧困や多様性などの社会課題への関心が高いとされている
・こうしたZ世代の若者の問題意識に応えるべく、24歳のZ世代社長、勝見仁泰さん率いるアレスグッドは1年半ほど前に社会に貢献したい学生と企業をつなぐ就活サイト「エシカル就活」を立ち上げた
・このサイトのミッションは、サステナビリティに積極的に取り組む企業に人・モノ・金・情報がちゃんと集まるようなインフラを提供することである
・エシカル就活の内容は以下の通りである
-掲載企業がどの社会課題に取り組んでいるかなど、学生にとって必要な情報が最短距離で見ることが出来るような仕組みになっている
 -学生が関心がある項目を選び、検索すると、関連する問題に取り組む企業が表示される
-企業から直接ヒアリングする他、専門家などの助言をもとに独自に審査し、基準を満たした企業だけがサイトに掲載出来る
-現在、企業のサステナビリティの取り組みをスコア化し、その公開に向けて取り組んでいる
・登録する学生は既に5000人を超えており、50社以上が活用している
・企業は登録する学生に自社の取り組みをアピール出来る他、社会課題に関心を持つ学生の情報を見て、直接スカウトすることも出来る

これまで繰り返し、お伝えしてきたように、地球温暖化はどんどん進み、巨大台風や集中豪雨の発生回数が増え、あるいは海水の温度上昇による海面の上昇など、私たちの暮らしや経済など、様々なところに影響が出てきています。
こうした状況を食い止めるべく、世界的な目標として「2050年までにCO2排出量を実質ゼロに」を掲げ、そのための手段として国連ではSDGsを設定しています。
こうした中、特にZ世代の若者は貧困や多様性などの社会課題への関心が高いとされており、一方でSDGsの達成に消極的な企業は社会的な評価が得られないような状況になりつつあります。
このような状況において、SDGsに熱心な企業への就職を希望するZ世代の若者が増えてきており、一方でSDGsの達成に積極的に取り組む企業は社会課題への関心が高いZ世代の若者を求めているのです。
こうした状況において、アレスグッドはこうしたZ世代の若者と企業とのマッチングをする就活サイト「エシカル就活」を立ち上げたわけです。
その大きな特徴は、アレスグッドの設定した基準を満たした企業だけがサイトに掲載されること、そして掲載された企業は社会課題に関心を持つ学生を直接スカウト出来ることです。
ここにはアレスグッドの創業者である勝見社長の明確な意図が感じられます。
要するに、SDGsの達成に積極的な企業と社会課題に高い関心を持つ学生を効率的、かつ効果的に結びつける環境の整備です。
そして、こうした結びつきにより、個々の企業が効率的、かつ効果的にSDGsの達成を可能にすると思い描いているのです。

これまでは世間的に一流企業として名の知れた企業、あるいは高い給料や福利厚生の整った企業を就職先に選ぶのが一般的な就活生の就職活動でしたが、アレスグッドはこうした就活基準をSDGsという1つの基準で企業と就活生の間を取り持つシステムを作り上げたのです。
ですから「エシカル就活」を国内外で展開していけば、人材の観点から世界的にSDGs達成の起爆剤となる可能性を秘めているのです。
そして、こうした輪が世界的に広がっていくことによって、世界全体としてSDGsの達成が可能になる、すなわち持続可能(サステナブル)な社会が実現すると勝見さんは確信しているのだと思います。
ですから、アレスグッドの事業活動はSDGs達成を目指して「エシカル就活」をベースに今後ともいろいろなかたちで広がっていくと見込まれます。

 
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2023年05月14日
No.5580 ちょっと一休み その876 『ネアンデルタール人と現生人類との係わりから見えてくること』
2月8日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でネアンデルタール人の遺伝情報の解読研究について取り上げていたのでご紹介します。 

4万年前に絶滅したと言われる旧人、アンデルタール人、その遺伝情報を解読した功績が讃えられ、2022年のノーベル医学・生理学賞を受賞したのはスウェーデン出身のスバンテ・ペーボ博士です。
なぜ今、ネアンデルタール人の遺伝情報を研究するのか、そこから私たち、人類について何が分かるのでしょうか。
ジャーナリストの池上彰さんがペーボ博士に迫りました。

1月30日、東京大学で行われたペーボ博士の講演で、ペーボ博士は次のようにおっしゃっています。
「私たちのグループは、この20年間、ネアンデルタール人に取りつかれています。」

現代の人に比べ、頑丈な骨格のネアンデルタール人、4万年ほど前までユーラシア大陸を中心に生息していました。
ペーボ博士は、ネアンデルタール人の骨からDNAを抽出し、世界で初めてその遺伝情報を解読、そして現代の人類の祖先がネアンデルタール人と交配し、その遺伝子を今も受け継いでいることを突き止めたのです。
ペーボ博士は池上さんからの質問に次のように答えております。
「(ネアンデルタール人と私たち現生人は全く別のものだと思っていたら、実は交配していたという研究発表を聞いた時にビックリしましたが、)現生人類はアフリカ大陸で生まれ、各地に移動し、6万年ほど前からネアンデルタール人との交配が始まりました。」
「その結果、ルーツがアフリカ以外の人は、遺伝子の約2%がネアンデルタール人由来とされます。」
「(両者が交配したということは、愛をささやいたという可能性もあるのかという問いに対して、)それはとても素敵な考えです。」
「(ネアンデルタール人のDNAを調べることになったきっかけについて、)ネアンデルタール人は現生人類と遺伝的に最も近いです。」
「現生人類が何者かということを生物学的に定義したいのであれば、ネアンデルタール人と比較すべきだと考えました。」

更に研究を進める中で分かってきたことがあります。
その一つが新型コロナウイルスとの関係です。
ネアンデルタール人から受け継いだ、あるDNAが重症化のリスクを高めるというのです。
「ネアンデルタール人に由来する、ある遺伝子を持っていると重症化して亡くなるなどの確率が2倍になることが分かりました。」
「このネアンデルタール人の遺伝子はヨーロッパ人の16%が持っていて、南アジア、特にインドやスリランカでは最大50%の人が持っています。」
「一方で、日本や中国の人には、この遺伝子はほぼないのが興味深いです。」
「私たちはそれぞれネアンデルタール人の遺伝子の違う部分を受け継ぎ、それが私たちに個人差を与えています。」
「例えば、免疫の強さ、流産のリスク、痛みへの耐性などに違いが出てきます。」

ペーボ博士は3年前(2020年)から沖縄科学技術大学院大学(OIST)でも客員教授を勤めています。
教員の6割、学生の8割が外国人、「質の高い科学論文」数ランキング(2019年)では世界9位と高い評価を得ています。
一方で、かつて「科学技術立国」と呼ばれた日本の地位は揺らいでいます。
科学技術分野の研究費の額は、現在アメリカや中国に大きく差を付けられている(こちらを参照)他、注目される論文数でも順位が大きく後退しているのです(2018〜20年 こちらを参照)。
引き続き、ペーボ博士は次のようにおっしゃっています。
「(科学技術において、かつて日本はノーベル賞の受賞者もどんどん出してきて、世界のトップレベルだと言われていたのが、このところ、どうも元気がなくなっているように思えるが、そんな日本の様子について、)日本の状況を俯瞰出来ているわけではないが、そこまで悲観することはないと思っています。」
「日本は今も科学研究を行うためには素晴らしい場所だと思っています。」
「沖縄科学技術大学院大学がその例です。」
「基礎科学の研究はとても大事で、基礎科学のための資金がないことはイノベーションの原材料がないということです。」
「豊かな国が基礎科学に投資しないことはとても残念で、視野が狭いと言えます。」

なぜネアンデルタール人は絶滅し、現在の人類は生き残ったのか、ペーボ博士は遺伝情報の解析を進め、その問いを解き明かしたいといいます。
「現生人類はネアンデルタール人とは違い、特別なものを持っています。」
「私は時々、現生人類は“狂っていた”という言葉を使います。」
「陸があるか分からないのに海を渡ろうと思うのは“狂気”でしかないが、私たちにはそれが欠かせません。」
「今、私たちは火星に行こうとしています。」
「理由はよく分からないが、行こうとしているのです。」
「(ペーボ博士はひたすら興味があるものを追い続けて生きてここまで来たのですねという指摘に対して、)そうですね。」
「私は非常に幸運だったと思います。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、ペーボ博士の研究成果について以下にまとめてみました。
・ネアンデルタール人は4万年ほど前までユーラシア大陸を中心に生息していた
・ネアンデルタール人の骨からDNAを抽出し、その遺伝情報を解読し、現代の人類の祖先がネアンデルタール人と交配し、その遺伝子を今も受け継いでいることを突き止めた
・現生人類はアフリカ大陸で生まれ、各地に移動し、6万年ほど前からネアンデルタール人との交配が始まり、ルーツがアフリカ以外の人は、遺伝子の約2%がネアンデルタール人由来とされる
・ネアンデルタール人から受け継いだ、あるDNAが新型コロナウイルスの重症化リスクを2倍に高めている
・ネアンデルタール人の遺伝子はヨーロッパ人の16%、南アジア、特にインドやスリランカでは最大50%の人が持っているが、日本人や中国人には、この遺伝子はほぼない
・現生人類はそれぞれネアンデルタール人の遺伝子の違う部分を受け継ぎ、それが私たちに免疫の強さ、流産のリスク、痛みへの耐性などで個人差を与えている
・現生人類はネアンデルタール人とは違い、特別なもの、すなわち“狂気”を持っている

こうした中で、まず目を引くのは、ネアンデルタール人から受け継いだ、あるDNAが新型コロナウイルスの重症化リスクを2倍に高めていることです。
ネアンデルタール人から受け継いだDNAが新型コロナウイルスの重症化リスクと関連があるということについては、あらためて現生人類の歴史を感じます。
また、この遺伝子の違う部分を受け継ぎ、それが私たちに免疫の強さ、流産のリスク、痛みへの耐性などで個人差を与えているというのも興味深いところです。

次に目を引くのは、現生人類は“狂気”を持っていることですが、これは“並外れた好奇心”と言い換えることが出来ると思います。
並外れた好奇心を持っている人は他人からは“狂気”じみて見えるからです。
確かに、文化、芸術、科学技術などの発展は、その時代、時代の“並外れた好奇心”と特別な才能を持った天才と言われるような人たちの営みの集積の成果だと思います。
そして今や、人類は空飛ぶクルマ、更には月や火星への移住まで実現させようとしているのです。
一昔前であれば、このようなことを口にする人は変人扱いされていました。

なお、ペーボ博士は更に遺伝情報の解析を進め、なぜネアンデルタール人は絶滅し、現在の人類は生き残ったのか、その謎を解き明かしたいといいますが、是非解明していただきたいと思います。
こうした解明は今後の人類の存続にとって非常に役立つと思うからです。

さて、ペーボ博士は2020年から沖縄科学技術大学院大学(OIST)でも客員教授を勤めており、教員や学生の多くが外国人であり、「質の高い科学論文」数ランキング(2019年)では世界9位と高い評価を得ているということは知りませんでした。
ペーボ博士のようなノーベル賞級の科学者がなぜこの大学の客員教授を勤めているのかにも興味が湧きます。
かつて「科学技術立国」と呼ばれた日本の地位は低下傾向にありますが、ペーボ博士も指摘されているように、資源小国、日本にとってイノベーションのベースとなる基礎科学の研究はとても大事です。
ですから、日本の政府には、真剣に「科学技術立国」を目指し、そのために国内外を問わず、優秀な人材が日本に集まってくるような環境を整備し、「人材大国」を実現していただきたいと思います。

 
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2023年05月13日
プロジェクト管理と日常生活 No.817 『防衛産業の課題から見えてくること』
昨年12月16日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で防衛産業の課題について取り上げていたのでご紹介します。

今回の税制大綱では防衛費の増額を巡って紛糾しましたけれども、防衛産業の課題が見えてきました。
解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「一言で言えば、今は将来が見えないということで、基本の防衛産業、戦闘機関連だけで1100社、戦車関連で1300社、護衛艦関連で8300社、これだけの企業が係わっているわけですね。」
「しかしながら1社当たりの防衛関連の売上高は平均して会社全体の売上の4%、大手企業でも10%に留まってるんですね。」
「(軍事力をタブー視する見方が強くて、防衛メインの企業が育ちにくいというのがあったのではという指摘に対して、)そうです。」
「実際、近年も横浜ゴム(航空機用タイヤ)や小松製作所(軽装甲自動車)、住友重機械工業(次期機関銃)など、一部の企業が撤退しているわけです。」
「で、日本以外、海外へ輸出も出来ないから、売り上げが増えない。」
「例えば、戦闘機や護衛艦は認められていません。」
「で、このため政府は「可及的速やかに見直せるよう検討」っていうふうに安保文書に書いてたんですが、与党内の調整で、この「速やかに」というのが消えたんですね。」
「(先ほど、VTRでも民間に出来ることには限界があると話していましたが、今後どのように進めていくべきかについて、)岸田総理は、今日(昨年12月16日)、(防衛装備移転)3原則(こちらを参照)見直しの分野として、インド・太平洋の安定、あるいはウクライナ侵攻を例にあげてたんですけど、国も民間の装備品輸出を支援する体制、整備のインフラみたいなものをつくる必要があると思いますね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

そもそも戦争を放棄し、平和主義を基本とした平和憲法を有する日本は他国に侵略することは憲法上、認められません。
ですから、日本の防衛の課題は、他国からの侵略行為を巡るリスク対応策の策定ということになります。
そして、そのリスク対応策は、大きく以下の2つです。
・他国からの侵略リスクの対応策
 -アメリカをはじめとする他国との軍事協定の締結
 -国連など国際社会における平和維持の重要性の積極的な働きかけ
・他国からの侵略行為を受けた場合のコンティンジェンシープラン
 -基本的には自国の軍事力をベースにアメリカをはじめとする軍事協定を締結した国々の支援を受けつつ敵国に対峙すること

こうした枠組みの中で、番組で取り上げていたのは、防衛産業に関する以下の課題です。
・平時に確保しておく兵器の種類
・その中で、自前で兵器を生産するか、輸入するかの識別
・個々の兵器への予算確保
・国内の防衛関連企業の経営維持のための支援

ここでとても重要な大前提があります。
それは番組では触れていませんでしたが、具体的に中国など仮想敵国が侵略してきた場合にアメリカ軍などとの共同戦線が具体的にどのような分担で行われるかということです。
この大前提を明確にしないで、防衛政策の検討を進めても、原田さんも冒頭で指摘されているように、将来が見えないので適切な防衛装備は出来ないのです。

一方、防衛関連企業も将来的な展望が見えず、しかも武器の輸出が禁じられている状況で経営が成り立つ状態で本格的に兵器の生産に取り組み続けることは困難です。
従って、日本政府が必要とする兵器の需要を満たすレベルにまで防衛関連企業が育ち、継続することはほとんど期待出来ません。
実際に横浜ゴムなど、一部の企業は撤退しているのです。

そこで、一つ提案があります。
それは、まず、途上国を中心に日本と同様の平和憲法に憲法改正することを働きかけることです。
その次に、こうして憲法改正した国には例外的に日本で生産した兵器の輸出を認めるという方針を打ち出すのです。
こうした国の方針を打ち出すことにより、他国に侵略しようとする国が減り、一方でこうした国々に日本で生産された兵器を輸出することにより、こうした国々の防衛力を高め、同時に日本国内の防衛産業の継続を支援することが出来るようになるわけです。

なお、実はこうした課題の解決には大きな矛盾があります。
それは、仮にアメリカが中国や北朝鮮と戦闘状態になった場合、平和憲法を有する日本も大なり小なりアメリカ側として戦闘状態に巻き込まれることです。
ですから、矛盾解消のために、アメリカに限らずどこの国と軍事協定を締結する際には、締結する国が他国からの侵略を受けた場合のみ、日本も参戦するという条件を付けることが求められるのです。

いずれにしても、日本という国家をいかなる場合にも存続させるためには、平和憲法の名のもとに一切の兵器の保持の禁止、あるいは自衛隊は違憲であるといったような“きれいごと”は通用しないのです。
それは、今回のロシアによるウクライナ侵攻でも明らかです。
もし、仮にウクライナが徹底抗戦の意志をかためてロシアに対峙しなければ、更にどこの国からも軍事的な支援が受けられなければ、短期間でウクライナはロシアに占領されていたはずです。
そして、ロシアは更に他の近隣諸国に対しても侵攻していた可能性があるのです。
ですから、日本もウクライナと同様に、万一、他国から侵攻されるような事態になった時に、国民が一致団結して対手国に対峙するという意思をかためることが何よりも重要なのです。
中国やロシアのような覇権主義国家が存続している現状では、否応なくこうした意志、あるいは覚悟が日本国民にも求めれるのです。

 
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2023年05月12日
アイデアよもやま話 No.5579 米中関係の新たな火種となった偵察気球!
2月6日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で米中関係の新たな火種となった偵察気球について取り上げていたのでご紹介します。 

先週(番組放送時)、アメリカの本土上空に現れた中国の偵察気球について、アメリカ軍は2月4日、当初見送っていた気球の撃墜に踏み切りました。
これに対し、民間の気球が不可抗力で迷い込んだと釈明していた中国政府は「強烈な不満と抗議」を表明し、緊張が高まっています。

この件について、アメリカでは、中国によるアメリカ本土への脅威が遠い話ではなく、目前に迫っていると明らかになったと驚きを持って受け止められています。
一方、中国政府は、自国のものだと認め、遺憾の意を表明したのに撃墜されてしまい、メンツを大きく傷つけられ、対抗措置を匂わせています。

撃墜された偵察気球、これは米中関係の新たな火種となりました。
2月1日、アメリカの西部、モンタナ州の上空に突如現れた偵察気球、この時点でバイデン大統領は軍に撃墜するよう要求、しかし、陸上で人的被害も出る懸念から見送られてきました。
しかし、2月4日、気球が南部、サウスカロライナ州沖に出ると、アメリカ軍の最新ステルス戦闘機、F22がミサイル1発を発射、気球を撃墜しました。
アメリカの軍事機密を探っていたと見られる偵察気球、アメリカ軍は活動の実態を把握しようと、海に落ちた気球の残骸の回収作業を始めています。

一方、民生の気象研究用飛行船が不可抗力によってアメリカに迷い込んだと釈明してきた中国は撃墜について、中国外交部報道官が次のように述べています。
「アメリカが中国の度重なる説明を無視し、武力行使を主張していると強調したい。」
「これは明らかに過剰反応であり、中国は断固反対している。」

撃墜を受け、態度を一変させました。
今回の問題を受け、習近平国家主席とも会談する見込みだったブリンケン国務長官の訪中は急遽中止になりました。
米中関係は改善を探るどころか、増々緊張の度合いを高めています。

なお、2月6日、中国の外務次官が北京にあるアメリカ大使館に申し入れを行い、「断固反対し、強烈に抗議する」と伝えた他、これまでに対抗措置も示唆しています。

ただ、アメリカの撃墜を批判する一方で、実は2019年に公開された映像では、中国も中国領空内で発見した無人気球を即座に撃墜していて、対応は矛盾しています。

今回については、中国政府は偵察気球ではなくて、飽くまでも民間のものだと主張しています。
そうであれば、もっと情報を公開していけば良いのではないかと思いますが、そこに中国側の事情があります。
気球を飛ばした企業名が答えられないのは、軍と関係していることが濃厚だからです。
実は国内の展示会でも、これまで今回のものとよく似た気球や飛行船が多数出展されているのです。
これは人民解放軍や解放軍に近い国営企業が係わったものです。
今回、中国側の気球であることを早期に認めた背景にはブリンケン国務長官の訪中を足掛かりに対米関係を改善し、低迷する経済の回復に道筋をつけたい思惑がありましたが、その実現は遠のき、関係改善の糸口がつかめない状況が続くと考えられます。

一方、アメリカ側の状況ですが、バイデン政権としても来年に迫った大統領選挙を前に、今年は対立が続く中国との関係を安定させる年と位置付けていたわけですが、今回の偵察気球の騒動でその目論見が崩れたかたちです。
更にバイデン大統領は国内でも頭を悩ませることになりそうです。
既に野党共和党がこの気球問題への対応を巡り、政権への攻勢を強めています。
トランプ前大統領は気球が見つかった当初から「撃ち落とせ」との主張を繰り返した他、共和党からは気球の撃墜まで時間を要したことについて、「バイデン大統領の対応は中国に対して弱さを映し出した」との声が上がっています。
こうした中、共和党が多数派を握る下院では、政権の対応を非難する決議の検討に入りました。
そのため、バイデン大統領としては、今後、中国に対して、より強硬的な姿勢を対応を迫られると見られます。
そうすると、米中間のリスクはどんどん高まっていきそうですが、アメリカ政府の元高官は「米中関係を安定させるバイデン政権の取り組みが明確に後退した」などと語っています。
この春には、アメリカ議会下院の議長に新たに就任したマッカーシー氏の台湾訪問計画も取りざたされる中、今後、米中関係は更に緊張が増すものと見られます。
こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「現状では、アメリカが(気球を)回収してるわけですから、その機器類の公開が待たれるというところだと思いますね。」
「ちょっと大きな構図で見てみたいと思うんですけど、今回の事件はアメリカとソ連が冷戦のもとにあった1960年に起きたU2偵察機撃墜事件を想起させるような展開をたどってるんですよね。」
「U2はアメリカの偵察機なんですけども、旧ソ連のウラル山脈の上を飛んでいた時に撃墜されたわけです。」
「そして、その後、どういう展開が起こったのか、まずソ連がアメリカに強く抗議して、米ソ首脳会談が予定されてたんですが、それが急遽中止に追い込まれたわけですよね。」
「その後の展開としては、両国の関係が冷え込むことによって1962年のキューバミサイル危機につながっていく、そういう展開だったわけです。」
「今回はよく似てるんですけども、アメリカが気球を撃墜したわけですけれども、その後、前後というべきか、アメリカのブリンケン国務長官の訪中取り止め、そして下院議長が台湾を訪問する予定なんですけど、その展開がどうなるか注目されてるわけです。」
「(中国としては対抗措置を取ると言っていますが、)具体的にちょっと気になるのは南シナ海で、例えばアメリカ軍の偵察機に対して中国軍がニアミスですね。」
「異常接近、そういう行動を取る可能性って否定出来ないだろうと思います。」
「一方で、今、アメリカ議会を中心に対中警戒論が高まるというのは、もう避けられない状況になっていますから、その辺のところでアメリカと中国の間の緊張、偶発的な衝突リスクは見逃せない状況になっていると思います。」
「(日本にとってもリスクが高まっていると見ておいた方が良さそうですが、)その構えは必要になってきましたね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下のようにまとめてみました。
・アメリカでは、中国によるアメリカ本土への脅威が目前に迫っていると明らかになったと驚きを持って受け止められている
・一方、中国政府は、自国のものだと認め、遺憾の意を表明したのに撃墜されてしまい、メンツを大きく傷つけられ、対抗措置を匂わせている
・アメリカの軍事機密を探っていたと見られる偵察気球、アメリカ軍は活動の実態を把握しようと、海に落ちた気球の残骸の回収作業を始めている
・一方、民生の気象研究用飛行船が不可抗力によってアメリカに迷い込んだと釈明してきた中国は撃墜について、アメリカが中国の度重なる説明を無視し、武力行使を主張していると強調しており、対抗措置も示唆している
・今回の問題を受け、習近平国家主席とも会談する見込みだったブリンケン国務長官の訪中は急遽中止になり、米中関係は増々緊張の度合いを高めている
・アメリカの撃墜を批判する一方で、2019年に公開された映像では、中国も中国領空内で発見した無人気球を即座に撃墜しており、対応は矛盾している
・今回、中国側の気球であることを早期に認めた背景にはブリンケン国務長官の訪中を足掛かりに対米関係を改善し、低迷する経済の回復に道筋をつけたい思惑があったが、その実現は遠のき、関係改善の糸口がつかめない状況が続くと考えられる
・一方、バイデン政権としても来年に迫った大統領選挙を前に、今年は対立が続く中国との関係を安定させる年と位置付けていたが、今回の偵察気球の騒動でその目論見が崩れた
・野党共和党がこの気球問題への対応を巡り、政権への攻勢を強めており、バイデン大統領としては、今後、中国に対して、より強硬的な姿勢、対応を迫られると見られる
・その結果、今後、米中関係は更に緊張が増すものと見られる
・今回の事件は、以下の内容のアメリカとソ連が冷戦のもとにあった1960年に起きたU2偵察機撃墜事件を想起させるような展開をたどっていると見られる
-アメリカの偵察機、U2は旧ソ連のウラル山脈の上を飛んでいた時に撃墜された
-ソ連がアメリカに強く抗議して、米ソ首脳会談が予定されていたが、急遽中止に追い込まれた
-両国の関係の冷え込みが1962年のキューバミサイル危機につながった
・今回はよく似ているが、今後、南シナ海で、例えばアメリカ軍の偵察機に対して中国軍がニアミスなど、偶発的な衝突リスクは見逃せない状況になっている
・日本にとってもリスクが高まっていると見ておいた方が良い

また、2月13日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でも同様のテーマについて取り上げていたのでご紹介します。

アメリカ・ABCテレビのインタビューで民主党のシューマー上院院内総務は次のように述べています。
「数ヵ月前まで(アメリカの)情報機関と軍は、こういった気球の存在を知らなかった。」

アメリカ国防総省は2月12日、ミシガン州ヒューロン湖上空でバイデン大統領の指示に基づき、アメリカ軍のF16戦闘機がミサイルで飛行物体を撃ち落としたと発表しました。
11日にはカナダ北部の領空、10日にはアメリカ・アラスカ州で飛行物体が撃墜されています。
4日の中国による偵察気球を含め、4月に入り、アメリカ軍機が撃墜した飛行物体は4件となりました。
こうした中、中国外務省の汪 文斌報道官は2月13日の記者会見で次のように述べています。
「アメリカの気球が中国の関係当局の承認を得ずに、昨年から10回以上、中国の領空で不法に飛行した。」
「アメリカは中国を中傷したり、非難するのではなく、やり方を改めて反省すべきだ。」

中国側も飛行物体の件ではかなりセンシティブになっています。
こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「アメリカは撃墜した中国の偵察気球に関する情報を同盟国や有志国になどと共有したわけですよね。」
「これでメンツをつぶされたと感じた中国が「お互い様だ」ということを言いたいのかもしれませんね。」
「(日本にもそっくりの気球が飛んできたことがありますが、アメリカ以外の国でも同じような方法で偵察している可能性について、)アメリカのメディアによると、過去にはインド、ベトナム、フィリピン、日本、台湾といったようなところの軍事関連の情報を気球で集めていたというわけですね。」
「特に台湾当局なんですけども、台湾上空を中国の偵察気球が極めて頻繁に飛行しているということを明らかにしています。」
「(そうすると、中国との間に問題を抱えているところに飛ばしているのではという指摘に対して、)空だけじゃないんですよね。」
「問題は南シナ海なんですけども、南シナ海で中国海警局の艦船がフィリピンの巡視船に対してレーザーを照射してるんですよね。」
「これは、フィリピンがアメリカ軍の駐留箇所を増やしたということに対する威嚇の行為というようにも見えるんですけども、はっきり言ってレーザー照射は戦争一歩手前の行為ですから、極めて危険な振る舞いだと思います。」
「(日本でも尖閣諸島沖などでの中国の動きに警戒が必要になるという指摘に対して、)はい。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

要するに、中国はアメリカに限らず、日本など中国との問題を抱えている国に対して、これまで偵察気球を飛ばしてきたのです。
更にフィリピンの巡視船のように、時にはレーザー照射のような戦争一歩手前の行為をしているのです。
一方で、中国当局によれば、アメリカの気球が昨年から10回以上、中国の領空で不法に飛行したというのです。

なお、4月15日付けネット記事(こちらを参照)では以下のように報じています。

・米紙ワシントン・ポスト(電子版)は4月14日、中国の偵察気球について、米情報機関がさらに最大4機の情報を把握していたと伝えた。
・流出した文書には、米空母打撃群の上空を飛行した気球や、南シナ海に墜落した気球に関する記述があった。中国気球の空母打撃群の上空飛行が明らかになるのは初めて。

さて、今回の偵察気球撃墜事件について見てくると、大きく3つのことが言えます。
まず、習近平政権の内情です。
中国政府が中国側の気球であることを早期に認めた背景にはブリンケン国務長官の訪中を足掛かりに対米関係を改善し、低迷する経済の回復に道筋をつけたい思惑があったにも係わらず、今回の事件が起きたことの背景です。
対米関係を改善したい習近平政権は本来であれば、この時期にアメリカ本土上空に偵察気球を飛ばすようなことは指示しないはずです。
しかも、偵察気球はアメリカの軍事機密情報を収集することを意図していたような飛行ルートを飛んでいました。
ということは、現実的に考えると、中国の軍部にとって、米中関係の改善よりもアメリカの軍事機密情報の収集の方が優先課題であったと見ることが出来ます。
このことから習近平政権は、何らかのかたちで早期に軍事行動を起こすために必要なアメリカの軍事機密情報の収集に迫られていると類推出来ます。

2つ目は、米中の軍事対立リスクの高まりです。
今回の偵察気球撃墜事件はU2偵察機撃墜事件を想起させるような展開をたどりつつあるということです。
ですから、米中の首脳であるバイデン大統領、および習近平国家主席は過去の類似した事例を参考に、軍事的な衝突リスクを回避すべく、いつでも連絡を取り合えるような状況を確保しておいていただきたいと思います。

3つ目は、習近平政権の唯我独尊ぶりです。
2019年には、中国も中国領空内で発見した無人気球を即座に撃墜していたのです。
また、フィリピンの巡視船への戦争一歩手前の行為をするといったように、習近平政権の意に沿わない国に対しては、軍事力で威嚇しているのです。
ですから、習近平政権は“まず中国共産党ありき”で(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.690 『中国式“法治”の脅威!』)、この方針を国内のみならず、世界展開しているのです。
そして、今やあらゆる国際的な場面で、この方針が強硬に進められ、多くの国々と摩擦を生んでいます。
こうした状況は中国の経済力、あるいは軍事力の増強により今後増々悪化していくと見込まれます。
ですから、アメリカを中心とする民主主義陣営の国々は結束して、こうした習近平政権の横暴な行為に対して、断固阻止し、一方で途上国に対しては習近平政権の本質を説き、自由、および人権を尊重するような社会の実現に向けて共に邁進すべく、取り組むことが早急に求められるのです。

 
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2023年05月11日
アイデアよもやま話 No.5578 一瞬にして再生紙をつくる乾式オフィス製紙機!
たまたま見ていた、2月3日(金)放送の「木下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日)でセイコーエプソン株式会社の乾式オフィス製紙機について取り上げていました。
しかし、その内容は聞き流してしまったので、詳細を知りたくなり、セイコーエプソンの公式ページ(こちらを参照)を参照した結果、その一部をご紹介します。

・乾式オフィス製紙機「PaperLab A-8000」はエプソンが独自に開発したドライファイバーテクノロジー(DFT)を用い、環境負荷を低減した古紙再生を実現した。
・機器内の湿度を保つために使用する少量の水を除いて、製紙工程に必要な「繊維化」、「結合」、「成形」の3つのステップにおいて水を使用せずに紙を生産する。
・機密書類処理の観点からは、外部に持ち出すことなくその場で機密情報を完全抹消し、さらに紙繊維を損傷しない、といった特長により機密紙を再生することにも適する。

以上、セイコーエプソンの公式ページの一部をご紹介してきました。

なお、アイデアよもやま話 No.5569 SDGsの達成 その1 つくる責任、つかう責任!でもコアレックス信栄株式会社による、古紙を原料とする、再生紙100%のトイレットペーパー、ティッシュペーパーの製造技術についてお伝えしました。
ただ、この方法では大量の水が必要なプロセスがあります。
それに比べて、今回ご紹介した乾式オフィス製紙機はほとんど水を必要としません。
また、一般的に機密文書の廃棄においては、文書を裁断したり、いろいろと手間がかかります。
それに、誤ってそのまま廃棄業者に渡ってしまうと、機密文書が漏洩するリスクが生じます。
そうした中、乾式オフィス製紙機であれば、社内で簡単に情報を完全抹消し、更に再生紙を作ることが出来ます。
ですから、ある程度の規模の企業においては、これまでの紙の廃棄処分から乾式オフィス製紙機の導入に切り替えることは、SDGs、および機密保持の観点からお勧めだと思います。

しかし、そもそも紙のライフサイクルには以下のようなプロセスがあります。
・木材から製造する
・書類などを保管するためのスペースを確保する
・廃棄処分する
・あるいは再生紙にリサイクルする

ところが、ペーパーレス化すれば、こうしたプロセスは不要になります。
ですから、SDGsの観点からすれば、やはりペーパーレス化を進めることが望ましいのです。
ということで、紙のリサイクルはSDGs達成のための通過点と言えます。

 
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2023年05月10日
アイデアよもやま話 No.5577 SDGsの達成 その3 飢餓をゼロに!
「ワールドビジネスサテライト(BWS)」(テレビ東京)では1月30日(月)の週に「SDGsの達成」をテーマに取り上げていたので3回にわたってご紹介します。
3回目は2月1日(水)放送分から「飢餓をゼロに」についてです。

国連が掲げているSDGs、持続可能な開発目標、17の項目(ゴール)ですが(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)、2030年までにこれらの達成を目指していこうというものです。
なお、今回のテーマ「飢餓をゼロに」はゴール2です。

売れ残りなどで食べ物が捨てられてしまうフードロス、実はそのフードロスよりも数倍も多くあるとされるのが調理する過程で捨てられてしまう食べ物の切れ端などの“隠れフードロス”なのです。
これをゼロにしようと新たな取り組みが始まっています。

年間1億食ほど売れる吉野家の牛丼、その味に欠かせないのがじっくりとタレで煮込んだタマネギです。
吉野家の担当者は次のようにおっしゃっています。
「タマネギは吉野家の牛丼の命になります。」
「しっかりとタレの中で甘みが出て、マイルドな牛丼になります。」

そのタマネギ、吉野家の工場でカットされます。
しかし、丸ごと使えるわけではありません。
芯の周りの部分はくり抜いて、表面の色のついた部分は煮込んでも硬いため、切り落とします。
こうした廃棄される部分は吉野家ホールディングス東京工場(埼玉県加須市)だけで1日約350kgにもなるといいます。
吉野家ホールディングス製造部の浦内貴史さんは次のようにおっしゃっています。
「タマネギは人間以外食べないので廃棄物として処理しております。」

そこにやってきたのが食品ロスの問題に取り組むアストラ・フード・プラン株式会社(埼玉県富士見市)の加納千裕社長で次のようにおっしゃっています。
「まだ全然食べられるオニオンリング状のものも入っていて、もったいないですね。」

3年前、加納さんが創業したアストラ・フード・プラン、運んできたのは吉野家の工場で廃棄される予定だったタマネギです。
それを細かく刻んで専用の装置に投入、400℃の高温で一気に過熱・殺菌をしていきます。
タマネギが持ち上げられて循環している間に乾いていきます。
10秒ほどの加熱で出来るのがタマネギパウダーです。
高温で加熱することで通常の乾燥機に比べて風味や栄養価を損ねないといいます。
昨年、独自に開発したこの装置、加熱水蒸気という蒸気の中で熱をかけることで焦がさずに乾燥することが出来ています。
高温になった水蒸気の熱を利用することでタマネギを焦がさずにパウダー状に出来るのです。
現在、食品メーカーやスーパーなど約50社とタッグを組み、廃棄予定だった野菜をパウダー化(あおのり、ショウガ、ニンジン、タマネギ、大根の葉、レモンの皮など)、新たな食品の原料にすることに挑戦しているのです。
元々飲食チェーンなどで商品開発を手掛けてきた加納さん、ある問題意識が起業のきっかけになりました。
加納さんは次のようにおっしゃっています。
「食品の現場では一般の方が知らないようなロスが沢山出ているというのは実感として感じていました。」
「食料が足りないですとか、自給率を上げようという中、こんなに沢山捨ててしまっているのはもったいない。」

そして今、このパウダーを使って、新たな取り組みが始まっています。
この日、吉野家のテストキッチン(東京・江東区)ではある試食会が開かれていました。
加納さんのタマネギパウダーで作ったふりかけです。
「すき焼き」や「紅しょうが」の味など5種類が並びます。
吉野家ホールディングス 素材開発部の開発リーダー、黒川眞行さんはふりかけを牛丼にたっぷりかけて食べた感想を次のようにおっしゃっています。
「タマネギの味がすごいですね。」
「甘みが増すような気がします。」
「まさか規格外品が粉末化して、こんなに良いものが出来るなんて思ってませんでした。」

上々の評価です。
吉野家では今後、商品化に向けて開発を進めていくことになりました。

更に加納さんがやってきたのは全国展開するベーカリーのポンパドウル元町本店(横浜市中区)です。
先月(1月)から加納さんのタマネギパウダーを使って新商品の開発を始めたのです。
初めて出来た試作品、タマネギパウダーをたっぷり練り込んだパンやビザなど4種類です。
ポンパドウル社員の感想も上々で、今月(2月)から一部の店舗で実際の販売が決まりました。

動き始めた“隠れフードロス”削減への取り組み、加納さんは次のようにおっしゃっています。
「元々捨てられていたものに新たな価値を付けて美味しい商品にしていただいて、召し上がっていただく、みんながウィンウィンになって、1社では出来ない循環型を持続可能なかたちでやっていきたいと思っています。」

日本の“もったいない精神”が世界で見直されているといいますけれども、様々なことが考えられます。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

これまで売れ残りなどで食べ物が捨てられてしまうフードロスについては報じられる機会が多かったように感じます。
しかし、調理する過程で捨てられてしまう食べ物の切れ端などの“隠れフードロス”はフードロスよりも数倍も多くあるというのです。
そうした中、牛丼が年間1億食ほど売れる吉野家でその味に欠かせないのがタマネギですが、廃棄される部分は吉野家ホールディングス東京工場(埼玉県加須市)だけで1日約350kgにもなるといいます。
ちなみに、“タマネギは人間以外食べない”というのはこの番組で知りましたが、ちょっと意外です。
こうした中、食品ロスの問題に取り組むアストラ・フード・プランでは、これまで廃棄されていたタマネギの部分を独自に開発した技術によりリサイクルしてタマネギパウダーとして商品化しているのです。
そして、このパウダーで作った5種類の味のふりかけを吉野家では今後、商品化に向けて開発を進めていくことになりました。

一方、全国展開するベーカリーのポンパドウルでは1月からタマネギパウダーを使った新商品の開発を始め、初めて出来た試作品、パンやビザなど4種類を2月からポンパドウル元町本店(横浜市中区)をはじめ一部の店舗で実際の販売が決まりました。
ちなみに、私も是非一度このパンやビザなどを食べてみたいと思い、元町本店でこれらを購入し、食べてみました。
確かにタマネギの味がかすかにして、美味しかったです。

なお、“隠れフードロス”削減に取り組むアストラ・フード・プランはタマネギ以外にも廃棄予定だった野菜のパウダー化を進め、新たな食品の原料にすることに挑戦しているといいます。
ですから、アストラ・フード・プランには“食のニューフロンティア”とも言える“隠れフードロス”の削減に邁進し、食糧不足の軽減を図り、同時に新たな食生活を開拓し、更には世界展開し、“食文化”に革命を起こしていただきたいと思います。
ということで、アストラ・フード・プランの取り組みもSDGsの優れた事例の一つと言えます。

 
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2023年05月09日
アイデアよもやま話 No.5576 SDGsの達成 その2 SDGsとビジネスは両立出来るか!
国連が掲げているSDGs、持続可能な開発目標、17の項目ですが(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)、2030年までにこれらの達成を目指していこうというものです。
こうした中、「ワールドビジネスサテライト(BWS)」(テレビ東京)では1月30日(月)の週に「SDGsの達成」をテーマに取り上げていたので3回にわたってご紹介します。
2回目は1月31日(火)放送分から「SDGsとビジネスは両立出来るか」についてです。

自然由来の素材を使い、世界中に店舗を展開するアメリカのシューズメーカー、オールバーズのトップが来日し、WBSの単独取材に応じました。
SDGsとビジネスは両立するものなのでしょうか。

東京・丸の内にあるオールバーズ、一見普通の店舗と変わらないように見えますが、スニーカーの底はバイオ燃料などを作る過程で出るサトウキビの搾りかすを使用、そして、布地は石油由来ではなくて羊の毛です。
全てのスニーカーに自然由来の素材を使っています。
箱に付いている紐はそのまま靴紐として使えます。
以下は来店した2人の男性客の声です。
「環境にもかなり配慮しているブランドなので、どうせ履くなら、そういうブランドのものを身に付けたいなと。」

「軽かったですね。」
「柔らかい履き心地が気に入りました。」

価格は1万円〜2万円程度、決して安くはありませんが、リピーターも多いといいます。
この日、来日していたのがオールバーズの創業者の一人、ティム・ブラウンCEOで、次のようにおっしゃっています。
「カーボンフットプリントは製品の製造でどれだけ環境に影響を及ぼすかの指標で、自分たちが製造する全ての製品に数値をふり、効果的に数字を表示しています。」

販売されるシューズや洋服にナンバーが書いてあります。
これは、素材の調達から製造・廃棄に至るまでの温室効果ガスの排出量をCO2換算で数値化したものです。
スニーカーの9.9という数字は、約10kg分のCO2を排出したことを示しています。
環境への負荷を“見える化”したのです。
ブラウンさんは次のようにおっしゃっています。
「(ビジネスとサスティナブル(持続可能)な商品づくりのバランスの取り方について、)その2つが別ものだと思っていません。」
「目的とビジネスは互いに支え合うものです。」
「今、環境に配慮するため自然な原料を使って欲しいという消費者の願いがあります。」
「大きなチャンスが訪れています。」

コロナ禍の前に比べると売り上げは必ずしもよくありませんが、オールバーズは、最大の特徴である環境への負荷の数値化のノウハウを他の企業に公開しています。
ブラウンさんは次のようにおっしゃっています。
「オールバーズが今、目指しているのは他社が追うことが出来る前例となること。」
「カーボンフットプリントが製品を評価する新しい基準になると信じています。」
「(日本のSDGsの取り組みは世界からどう見られているのかについて、)日本は今、事業・製品・サービスを再考し始める重要な時だと理解していることは確かです。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

オールバーズによる全て自然由来の素材を使っているスニーカーへの取り組みについて以下にまとめてみました。
・底はバイオ燃料などを作る過程で出るサトウキビの搾りかすを使用している。
・布地は石油由来ではなくて羊の毛を使用している。
・スニーカーを入れる箱に付いている紐はそのまま靴紐として使用出来る。
・販売されるシューズや洋服には素材の調達から製造・廃棄に至るまでの温室効果ガスの排出量をCO2換算で数値化したカーボンフットプリントが記されている。

なお、このシューズの価格は決して安くはありませんが、履き心地がよく、環境に関心を持つ人たちの増加に伴い、リピーターも多いといいます。

また、持続可能な社会、あるいはSDGsへの消費者の関心の高まりが、商品を購入する際にサスティナブルな商品が無視出来ないほどの選択要件にまで高まりつつある状況をもたらしているのです。
ですから、ブラウンさんはビジネスとサステナビリティ(持続可能性)は相互に支え合うものであると考え、大きなチャンスと捉えているのです。
更に、こうした環境に配慮したビジネスは世界的な取り組みが必要なことから、オールバーズはその先駆けとなり、最大の特徴である環境への負荷の数値化のノウハウを他の企業に公開しているのです。
また、加工食品の原料原産地表示が2022年4月から義務化されたように(こちらを参照)、近い将来、ブラウンさんもおっしゃっているように、カーボンフットプリントが製品を評価する新しい基準として普及するはずです。
そして、地球温暖化による悪影響を世界中の人たちが実感する程度が高まるにつれて、どんどん今回ご紹介したスニーカーのような商品の売れ行きが上昇していくと見込まれるのです。

ということで、SDGsとビジネスの両立は私たち人類に課せられた共通の課題なのです。
そして、今回ご紹介したオールバーズはその先駆けのうちの1社なのです。

 
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2023年05月08日
アイデアよもやま話 No.5569 SDGsの達成 その1 つくる責任、つかう責任!
「ワールドビジネスサテライト(BWS)」(テレビ東京)では1月30日(月)の週に「SDGsの達成」をテーマに取り上げていたので3回にわたってご紹介します。
1回目は1月30日(月)放送分から「つくる責任、つかう責任」についてです。

国連が掲げているSDGs、持続可能な開発目標、17の項目(ゴール)ですが(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)、2030年までにこれらの達成を目指していこうというものです。
なお、今回のテーマ「つくる責任、つかう責任」はゴール12です。

古い新聞や雑誌の回収など、リサイクルが進んでいるように思われる紙なんですが、段ボールと比べますと、十分でないんですね。(リサイクル率 段ボール:96.7%、紙:80%)
そうした中、イオンモールが今月から紙の完全リサイクルを目指す新たな試みを始めました。
神奈川県座間市にあるイオンモール座間、ファーストフード店や飲食店などが立ち並ぶフードコートは昼時になると多くの家族連れで賑わいます。
しかし、今、ある問題が。
イオンモール座間の川端徹彦さんは次のようにおっしゃっています。
「プラスチックのストローを紙に替えてもらうかたちで取り組んでおりまして、ごみが増えているのが現状でございます。」

“脱プラスチック”で紙への切り替えが進んだことや新型コロナによってテーブルの消毒用にペーパータオルを備え付けたことなどから燃えるごみが1割ほど増えたのです。
そこで新たな取り組みを始めました。
フードコートから出たごみはごみを分別する倉庫へ運ばれていきます。
ごみが入れられたボックスには「燃えるごみ」ではなく、「フードコート客席紙ごみ専用」と書かれていました。
川端さんは次のようにおっしゃっています。
「今まで燃やしていた紙ごみを今回の取り組みで、紙ごみについては再生するようなかたちで取り組んでいきます。」

フードコートでお客が捨てる包装容器や紙コップは月に約2トンにも及びます。
そこで、この店では座間市などと協力し、今月から紙ごみを再生するプロジェクトを始めたのです。

移動すること1時間半、富士山の麓にある静岡県富士市の製紙会社、コアレックス信栄株式会社に着きました。
原料となる古紙が集められている倉庫には、捨てられていたはずの包装紙や紙コップが目立ちます。
川端さんは次のようにおっしゃっています。
「これを原料として、再生紙100%のトイレットペーパー、ティッシュペーパーを作っております。」

そもそもリサイクルされる紙と燃やされる紙は何が違うのでしょうか。
佐野仁専務執行役員は次のようにおっしゃっています。
「こちらは一般的に再生されている段ボール、新聞、雑誌、牛乳パック。」
「こちらは「難再生古紙」で、一般的には焼却処分されている古紙になります。」

防水加工された紙コップやアルミ箔の付いた飲料や菓子の容器は、紙以外の異物が混ざり、再生が難しいと言われています。
佐野さんは次のようにおっしゃっています。
「複合素材や汚れがあるものも一つの資源として捉えていて、これらを機械的に取り除いて再生出来る技術を持っております。」

これまで捨てられていた大量の紙ごみを資源へと変える新たな試み、紙の完全リサイクルを目指す独自技術とはいったいどんな技術なのでしょうか。
静岡県富士市のコアレックス信栄ではリサイクルが難しい、汚れが付いたり、異物が混ざったりしていても再生出来るといいます。
巨大な洗濯機のような機械に古紙をそのまま投入、水と特殊な薬品を加えて溶かします。
水に溶けた古紙はタワーに移されます。
約12時間かけてふやかし、異物を取り除き易くするのがポイントです。
遠心力によって重量異物を除去していくのです。
機械から出てきたのは紙ごみに混じっていたクリップやバインダーなどの様々な金具です。
またフィルターに通し、フィルムやプラスチックなど軽い異物も取り除きます。
更に下から空気を出して気泡にインクを付着させて除去します。
黒い泡が印刷に使われていたインクです。
全ての作業が終わると、紙らしい白い色に変わりました。
幅およそ3m、直径およそ2.5mの巨大な紙に再生されました。
この工場では再生紙によるトイレットペーパーを1日およそ110万個生産出来るのです。
製紙としては後発のコアレックス信栄は大手が使わなそうな紙ごみを原料にするため、この独自の技術を開発しました。
今、自治体や企業などから問い合わせが相次いでいます。
佐野さんは次のようにおっしゃっています。
「焼却されていたものが資源として分別されて回れば100%リサイクルしていくと。」

再び神奈川県座間市のイオンモール、スーパーにはフードコートの紙ごみなどを再生して作られたトイレットペーパーが並べられていました。
今後、再生の取り組みをフードコートから広げて、ごみ処理にかかるコストの削減を目指す考えです。
川端さんは次のようにおっしゃっています。
「燃やすごみは今まで唯一リサイクル出来ていなかった品目ですので、再利用されるのが理想的なことであると考えていますので。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

これまで包装紙や紙コップなどの古紙のリサイクルは技術的に難しいとされて、一般的には焼却処分されてきました。
焼却処分されるということは、そのために大なり小なりCO2を排出することになります。
そうした中、コアレックス信栄は、こうした古紙を原料とする、再生紙100%のトイレットペーパー、ティッシュペーパーの製造技術を開発したわけです。
こうした紙の完全リサイクルを目指す独自技術について以下にまとめてみました。
・巨大な洗濯機のような機械に古紙をそのまま投入する
・水と特殊な薬品を加えて溶かす
・水に溶けた古紙をタワーに移す
・約12時間かけてふやかし、異物を取り除き易くする
・遠心力によって重量異物を除去する
・フィルターに通し、フィルムやプラスチックなど軽い異物も除去する
・更に下から空気を出して気泡にインクを付着させて除去する

現在、この古紙のリサイクル技術について、自治体や企業などから問い合わせが相次いでおり、イオンモール座間では座間市などと協力し、今年1月からこの技術を使った、紙ごみを再生するプロジェクトを始めたのです。
今後、こうした動きが全国展開、あるいは世界的に水平展開されることが求められます。

なお、コアレックス信栄が開発した紙の完全リサイクルを目指す独自技術も、そのための様々なパーツ、および運用に伴い、電力を必要とします。
そして、今や、SDGsの観点からは、全てのプロセスを通して、実質“CO2排出量ゼロ”が求められるのです。
ですから、SDGsの達成はまだまだ道半ばで、更に多くのアイデア、そして、そのアイデアをかたちにするための技術開発が求められるのです。
こうした世界的な取り組みが早急に行われなければ、温暖化が急速に進み、私たちの暮らしは取り返しのつかないような状況に置かれることになるのです。

こうした状況下において、ロシアによるウクライナ侵攻は起きてしまいました。
この侵攻により、ウクライナの国民の多くは大変な犠牲を強いられています。
同時に、欧米や日本などが対抗措置としてロシアからの天然ガスの輸入を止めたため、世界規模で石炭や石油の消費量の増加などによるCO2排出量の増加ももたらしています。
ですから、ロシアのプーチン大統領はウクライナ、一国のみならず、世界規模で悪影響をもたらしていると言えます。
しかも、この侵攻は長期にわたるとの専門家の見方もあります。
ですから、国連、あるいはアメリカを中心とする民主主義陣営の国々は、何としても早急にプーチン大統領の戦闘意欲を削ぐ状況をもたらすことに取り組まなければならないのです。

ということで、SDGsの達成には、普段の暮らしにおいてCO2排出量をゼロにするだけでなく、戦争や紛争などによるCO2排出量の増加を抑止することも必要なのです。
ですから、何としてもロシアによるウクライナ侵攻の早期収束や中国による台湾進攻などを食い止めることもとても重要なのです。

 
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2023年05月07日
No.5574 ちょっと一休み その875 『“緩慢”だった侍ナインを引き締めた大谷選手のスピーチ』
No.5556 ちょっと一休み その872 『今やスポーツアニメのヒーローを超えた大谷翔平選手!』で大谷選手のスーパーヒーローぶりをお伝えしました。
そうした中、4月21日(金)付けネット記事(こちらを参照)で“緩慢”だった侍ナインを引き締めた大谷選手のスピーチについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。

・去る3月21日に敵地マイアミで行なわれたアメリカ代表とのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝を前に、メジャーリーガーたちの恐ろしさを熟知する28歳の大谷翔平選手は日本代表の選手たちを鼓舞すべく次の言葉を発しました。

「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう」
「ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にはムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。でも憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。」

・このアメリカ戦で1イニングを2奪三振でピシャリと抑えた20歳の高橋宏斗(中日)の言葉を借りれば、この時の侍ジャパンは「あの一言がなかったら気持ちで負けたまま」だった。
・米メディア『Jomboy Media』のクリス・ローズ氏がMCを務める人気ポッドキャスト番組「The Chris Rose Rotation」に出演したラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)は、試合前のナインの雰囲気について「あえて話題にしなかったんだけど、少し緩い感じがあったんだ。『アメリカの打線はえげつないから、とりあえずやってみて考えよう』って感じでね。そんな時にショウヘイがあのスピーチをしたんだ」と振り返った。
・「ハッとした。僕らは、彼ら(アメリカ代表のメジャーリーガー)を、いつのまにか尊敬の眼差しで見ていることを気づかされたよ。ハッキリ言ってショウヘイは彼ら(メジャーリーガー)より上手い。簡単に言うと、多くの選手に『ショウヘイが言ってるんだから、俺たちにもやれるに決まっている』という自信を与えてくれたと思う」
・伝説となった名スピーチの舞台裏を明かしたヌートバー。ともすれば、緩慢な空気を引き締めた大谷を次のようにも評している。

「ショウヘイは常に謙虚な男だ。だけど、誤解してはいけないんだ。時にはチームや仲間に喝を入れたり、競争心をかき立てることもできるんだ。内なる闘争心を持っているんだよ。『俺はお前よりいい選手だ』という感じで自信を持っている。それって簡単じゃないし、とてつもないことだと僕は思う」
・侍ジャパンにとって14年ぶりの3度目のWBC制覇。この栄光の立役者は、やはり大谷だったと言っていいだろう。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

記事を通して感じるのは、強豪選手の集まったアメリカ代表チームとの決勝戦を前にして弱気な日本代表選手たちの気持ちです。
そうした選手たちの内心を察していた大谷選手は「彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」と選手たちの頭の上に重くのしかかっている“弱い心”、重圧を払いのけ、勝つことだけに専念するように仕向けたのです。
そして、大谷選手が言っているのだから、全力を出せば勝てるという自信を持たせたのです。
勿論、日本代表選手に選ばれたほどの選手たちなので、それ相応の実力は兼ね備えているわけですが、こうしたスピーチも功を奏して、日本代表はアメリカとの決勝戦を制し、見事、侍ジャパンにとって14年ぶりの3度目のWBCを制覇したのです。
ここで忘れてならないのは、大谷選手の勝利に向けた、随所で見せた気迫です。
この気迫も他の日本代表選手の勝利に賭ける想いをかき立てたはずです。

ここで思い出されるのは指導者に必須のリーダーシップとプラス思考です。(参照:No.1092 ちょっと一休み その155 『今こそ求められる指導者のリーダーシップとプラス思考!』

冒頭で、今や、大谷選手はスポーツアニメのヒーローを超えた存在であるとお伝えしましたが、優れた指導者の資質も兼ね備えているのです。
更にWBC後も連日のように報道されている大谷選手の一挙手一投足からは、一人の人間としての魅力が溢れているように思います。

なお、順天堂大学スポーツ健康科学部先任准教授の谷本道哉さんは、大谷選手の肉体は「別次元の宇宙人」、「スポーツ科学の常識からは考えられない」とおっしゃっています。(こちらを参照)
ネット上では他にも同様の記事が散見されます。

ということで、大谷選手は様々な面で稀に見る超一流の長所を持った野球選手で、しかも投打の二刀流で活躍し、更に指導者としての資質も兼ね備えており、間違いなく、野球界の歴史に名が残る人物と言えます。

更に国内外の世代を超えた野球ファンの人たちの心を虜にしており、多くの日本人に勇気と誇りを与えてくれています。
まさに“日本の至宝”と言える存在です。
是非、こうした大谷選手にはこれからも“未知への挑戦”に挑み続けていただきたいと思います。

 
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2023年05月06日
プロジェクト管理と日常生活 No.816 『ベンチャー企業成長の課題と解決策』!
これまでアイデアよもやま話 No.5565 2023年宇宙の旅 その1 月で暮らすための技術!などで何度となくベンチャー企業の活躍についてご紹介してきました。
そうした中、昨年12月8日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でベンチャー企業成長の課題と解決策について取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。

岸田政権が後押しすることでスタートアップも随分広がりを見せていますが、現在の課題について、番組コメンテーターでニッセイ基礎研究所の上席研究員、久我尚子さんは次のようにおっしゃっています。
「人材不足や資金とか、技術はあるものの事業化しにくいというような多くの課題があると思うんですけども、資金の面は海外から持ってくるというような考え方もあるので、私は特に人材の面が課題だと思っています。」
「調査結果があるんですけれども(こちらを参照)、正社員の副業希望が約4割あるんですけども、一方で全面的に副業を禁止している企業が45%もあるということなのです。」
「ですので、創業すること自体も大変ですけど、創業した後に事業を拡大する時の人材確保もすごく難しいということが分かります。」
「(やる気があるのに、会社が副業を禁止しているというのは非常にもったいないですが、副業を進めることがスタートアップの躍進につながると見ていいのかという問いに対して、)スタートアップにもつながるんですが、既存の企業にもつながるんですね。」
「今、“VUCA”の時代と言われています。」
「変動性とか不確実性、複雑性、あいまい性、頭文字をとってVUCAと言うんですけども、要するに先行きが不透明で将来予測が難しい時代ということなんです。」
「既存の企業もビジネスを進めるうえで、多様なバックグラウンド、スキルを持った人材確保が必要ですし、また企業として、社員1人1人の一生を背負っていくというのも中々難しい時代になってきていますので、副業を促進するなどして、人材を流動化する。」
「そうすると、企業自身を守る術にもなってくると思います。」
「(一方で優秀な人材が大企業に偏らないということにもつながるのではという指摘に対して、)そうですね。」
「ですので、この流れが強まればスタートアップの人材難の解決にもつながりますし、個人としては究極の雇用対策になると考えています。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、アイデアよもやま話 No.5475 日本の宇宙ベンチャーの取り組み事例 その1 「手のひらサイズ」の人工衛星!でもご紹介した株式会社アクセルスペースの公式ページには以下の記述があります。

アクセルスペースは約110名の社員が活躍する宇宙スタートアップ企業です。
メンバーの多様性も強みです。全社員の3割は外国人社員で、会話には日本語と英語が飛び交います。また、転職者の8割以上は宇宙業界未経験者。新しい発想が宇宙ビジネスに革新をもたらします。

宇宙は夢とロマンーそのような認識は、もはや過去のものになりつつあります。小型衛星が登場し、宇宙利用のハードルが大きく下がったために、民間企業によるビジネス活用が急速に広がっています。やがては、私たちの日常生活へも浸透していくことになるでしょう。宇宙が「普通」になるその日まで、私たちは前進を続けます。

技術の進歩とともに、小型衛星は社会にとって欠かせないインフラに成長しつつあります。アクセルスペースは小型衛星ビジネスのパイオニアとして、衛星の持つユニークな機能・データを活用したサービスをさまざまな産業のお客様に提供しています。

以上ですが、このようにアクセルスペースは転職者の8割以上は異業種からであったり、全社員の3割は外国人社員であったりといった従業員で構成されています。
こうしたことから、社員から様々な角度からの突飛なアイデアが期待出来ます。

また、小型衛星は社会にとって欠かせないインフラに成長しつつある中で、アクセルスペースは小型衛星ビジネスのパイオニアとして取り組んでいるのです。
ですから、アクセルスペースは宇宙ビジネスにおけるGAFAのような存在になる可能性を秘めております。

ということで、是非アクセルスペースには小型衛星の特徴を最大限に生かして、産業界のニューフロンティア、宇宙でのビジネスを展開していっていただきたいと思います。

さて、番組、およびアクセルスペースの事例などを通してベンチャー企業成長の課題と解決策について以下にまとめてみました。
(課題)
・創業時、および創業した後に事業を拡大する時の人材確保が非常に難しい

(解決策)
・従業員のリスキリング(参照:アイデアよもやま話 No.5401 今、注目されているリスキリング!
・国内外の人材の流動性
 -副業の促進
 -転職の促進
 -海外の人材活用の促進
・テクノロジーの活用(AIやロボットなど)
・少子化の歯止め

勿論、こうした課題や解決策はベンチャー企業のみならずその他の企業にもあてはまります。
しかし、現在のようなテクノロジーの進化の激しい時代にはこうした時代の荒波に敏感に反応して新たなビジネスを切り開くベンチャー企業にこそ、こうした課題解決がし易い環境が求められるのです。

 
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