2017年01月22日
No.3606 ちょっと一休み その578 『高齢者から見たテレビに欲しい機能』

私も今年で67歳を迎え、最近テレビを観ていて音声が聞き取れないことが多くなってきました。

その理由は、番組内での早口や不明瞭な口調です。

私は多くのテレビ番組を録画して観ることが多いので、音声をスローにする機能を使って内容を理解しようとする場合がありますが、それでもまだ理解出来ない場合があります。

そこで思いついたのは、高齢者など耳の聞き取りがしにくくなった人たち向けのテレビの新たな以下の2つのオプション機能です。

・音声のスピードをスローにしてくれること

・音声の内容を字幕で表示してくれること

 

今やAI(人工知能)技術が進歩しているので、こうした機能をテレビに取り込むことはそれほど難しいとは思いません。

ですから、これから高齢化社会が本格化するにあたり、テレビメーカーには是非こうした機能を搭載していただきたいと思います。


 
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2017年01月21日
プロジェクト管理と日常生活 No.472 『完全自動運転車の時代に求められるGPS機能が使えなくなった場合のコンティンジェンシープラン』

先週から今週にかけて、自動車をめぐる新たな動きについて番外編も含めて9回にわたったご紹介してきました。

その中で今最も世界的に注目されているのが自動運転車です。

この技術の核心は位置情報を把握するGPSです。

そして、今やカーナビは自動車への装備が当たり前の時代を迎えています。

しかも、その精度は初期に比べて格段に進歩しています。

 

これまでのところ、このGPSが機能不全に陥り、カーナビが使えなくなる事態を迎えたことを私は知りません。

しかし、今後本格的な完全自動運転車の時代を迎えると、GPSの機能不全は想像を絶するような大変な事態をもたらします。

 

ですから、これまで何度となくお伝えしてきたように、こうした衝突事故リスクが顕在化(発生)した場合に備えたコンティンジェンシープランが必須なのです。

そして、このコンティンジェンシープランの要件は明らかです。

それはGPSに依存せずに自動車の衝突事故を防ぐことです。

 

幸いなことに、自動車業界では既に自動ブレーキの装備が徐々に普及してきております。

しかし、まだまだ速度などの制約があり、どんな場合でも対応出来るレベルにはありません。

ということで、完全自動運転車の時代を迎えるにあたって、GPSに依存せずにどんな状況においても衝突事故を起こさない機能を持たせた自動ブレーキの標準装備が欠かせないのです。


 
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2017年01月20日
アイデアよもやま話 No.3605 デイサービス&スポーツジムの融合で介護制度の壁を突破!

高齢化が進む中で膨らみ続ける社会保障費をどう削減するかが国家レベルの大きな課題となっています。

そうした中、昨年11月14日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でデイサービス&スポーツジムの融合による介護制度の壁の突破について取り上げていたのでご紹介します。

 

現在、高齢者の介護保険サービスは重度の軽い順に要支援1〜2、要介護1〜5まで7段階に分かれています。

これに合わせて訪問介護やデイサービスなど、基本的に全国で一律のサービスが提供されています。

このうち要支援2については2017年4月以降は各市町村が独自にサービスの内容や事業者の報酬などを決めていくことになります。

これらをチャンスと捉えて介護予防を進めることで社会保障費を削減しようという取り組みがあります。

 

青森県八戸市の中心街にある「ライフジム ニューフィットネス」は一見すると普通のスポーツジムですが、実はある目的で作られました。

こちらのジムはデイサービスも兼ねているのです。

一般的なデイサービスでは、介護師などがついて体操や入浴をしたり、栄養士が考えたメニューの食事を取ったりして1日をゆっくり過ごします。

ところが、ライフジムでは利用者一人一人が率先してトレーニングをしています。

デイサービスではほとんど見られない光景です。

ライフジムを経営する下沢 貴之さんは、デイサービスとスポーツジムを融合させることで社会保障費の削減につながると考えており、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「社会保障費も安く出来る。」

「安く出来る仕組みは、リハビリからトレーニングというパラダイムシフト・シフトが一つと、リハビリと言っちゃうと医療保険だ、介護保険だお金がかかってしまうのでトレーニングということにしてしまおうと。」

 

例えば「要支援2」のリハビリ料金は月額およそ3万3000円(自己負担金は1割)と決められています。

しかし、下沢さんはリハビリではなくトレーニングにすることで介護福祉士の人件費などを上乗せしても1万5000円〜2万5000円(自己負担額は市町村の判断)くらいに減らせるというのです。

下沢さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ここに来て健康になって自立支援という介護保険の大きな柱をまさに実践出来るんです。」

「事業者もウィン、お年寄り、利用者もウィン、自治体もウィンという状況を作れるので。」

 

しかし、これには次のような問題があると、下沢さんは指摘します。

「一般の人はデイサービスに入ってはダメ、その反対(デイサービスの利用者によるスポーツジムの利用)もダメです。」

 

スポーツジムとデイサービスを隔てる見えない壁があるのです。

介護保険制度上、要支援者がいるスペースはデイサービス施設のため、一般の人は行き来が出来ません。

 

下沢さんは、将来この壁を無くし、スポーツジムとデイサービスの利用者が交流出来れば、介護予防意識が高まり、介護給付費の削減につながっていくと考えています。

 

これを可能にするのが2017年4月から始まる総合事業です。

総合事業とは、介護度が軽い人が受けるサービスの内容や価格を市町村ごとに決められるようになる制度です。

既に総合事業に移行している自治体もありますが、全国でまだ3割しかありません。

そこで下沢さんが訪れたのは日本財団(東京都港区)です。

スポーツジムとデイサービスの融合を総合事業として全国に広めるため、各地の社会福祉法人に太いパイプを持つ日本財団に相談しに来たのです。

日本財団は下沢さんの取り組みが社会的課題を変えていく可能性があるとして、2016年に1000万円を助成しました。

 

既に総合事業を始めているのは千葉県松戸市です。

ここでは昔ながらの地域コミュニティを復活させることで社会保障費を削減していこうとしています。

毎週火曜日、近所の高齢者が集まるのは町内の施設です。

こうしたご近所付き合いは心身を活性化させる効果があり、中長期的な介護予防につながるといいます。

松戸市は、運営費として3年間で20万円を補助、条件は週1回2時間以上集まることと、そのうち10分は介護予防体操を行うことです。

町内会長の佐藤さんは、このような集まりがきっかけで高齢者各々に社会参加の意識が生まれてきているのを感じています。

 

更に、松戸市は総合事業で新たな試みを始めました。

2016年11月2日、千葉大学予防医学センターと組み、自治体などの住民活動が介護予防にどれだけ効果があるか科学的に分析し、3年かけて「都市型介護予防モデル」を開発すると発表しました。

松戸市は、このプロジェクトが長期的に介護費用削減に大きな効果をもたらすと考えています。

松戸市の介護制度改革課の中沢 豊課長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ご自身がやる気にならなければ自分の健康が管理出来ないのと一緒ですね。」

「地域のことを自分事として考えられない限りはこれは発展していかない。」

「私たち(松戸市)が今やろうとしていることは、まず(介護)需要を少しでも抑え込む、抑制出来るような仕組みを作ろう。」

「そして、(住民と)一緒に考えながらやることが重要です。」

 

番組コメンテーターでA.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんは、どの市町村でも出来そうな方策について次のようにおっしゃっています。

「多目的、マルチユース、これが一つのキーワードじゃないかなと思います。」

「デイサービスとスポーツジムを一つの施設で、あるいは一つのチームで出来たら施設の利用効率も上がるし、世代間の交流も始まるからプラスの効果もあるよね、とそういう話だったと思います。」

「介護というのが今日のテーマですけど、公共サービス全般に広げても実は同じようなことが言える気がしています。」

「特に過疎が進む地方なんかだと、例えば学校というのが一つのコミュニティのハブになり得る。」

「学校はグラウンドもあって、プールもあるからスポーツの場でもあるし、その横に例えばデイケアセンターを造る、あるいは地域包括ケアの施設を造る。」

「それからそこに市役所の窓口も持ってくる、こんなことをするとおじいちゃん、おばあちゃんたちがいつも子どもが元気にしているのを見ながら集まるような場所になってきますよね。」

「で、スポーツのイベントなんかも世代を超えてやっていけると。」

「だから縦割りじゃなくて、なるべくいろんな人たちが自然に集まるような場所を複合的に造っていくっていう発想で組み立てていったらいいのかなというふうに思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

私の母も以前デイケアサービスを受けており、私も何度かその施設を訪れたことがありますが、その際に利用者は基本的に施設により決められたメニューをこなしているという印象を受けました。

利用者は、それぞれ介護レベルが異なり、また趣味も異なります。

また、利用者は自分のやりたいことをやるのが一番一生懸命になり、心身ともに元気になる効果が期待出来ます。

ですから、利用者の自主性に任せた、リハビリではなくトレーニングという考え方に賛成です。

 

一方、こうした制度にすると従来のままの施設では費用の増加、および管理や運用の手間が増えてしまうという問題が生じてしまいます。

ですから、今回ご紹介したようにデイサービスとスポーツジムを一つの施設として集約化し、多目的にするような方向性で取り組むことが利用者の自主性の尊重、および施設利用料の削減、社会保障費の削減につながると思います。

同時に、今後の社会保障費の更なる増加を見越すと、リハビリ料金とトレーニング料金の差に見られるように、コスト削減の観点から根本的な制度や運用の見直しが必須だと思います。


 
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2017年01月19日
アイデアよもやま話 No.3604 自動車をめぐる新たな動き 番外編 EVの非接触充電が2019年にも実用化!

前回まで8回にわたって自動車をめぐる新たな動きをテーマにバッテリー、政府の政策、自動運転、未来の自動車のかたち、そして3Dプリンターで自動車が造れる時代の到来に焦点を当ててご紹介してきました。

そうしたところ、1月17日付け読売新聞の朝刊で「つながずにEV充電」というタイトル記事が目に飛び込んできたので急きょ番外編としてご紹介します。

 

これまでアイデアよもやま話 No.1688 電気自動車(EV)普及のカギ!などでEVの非接触充電についてお伝えしてきましたが、それがいよいよ2019年にも株式会社IHIにより実用化されるというのです。

 

EVの充電は現在、一般的なバッテリー容量30kwhの場合、一般家庭に備えた普通充電器で10時間程度かけて受電するか、急速充電器を利用して数10分かけて充電します。

いずれも充電器とケーブルをつなぐ方式です。

これに対して、非接触充電は、電気を送る側と受け取る側が離れていても効率よく電気を供給出来る「磁界共鳴方式」を用います。

畳半分程度の大きさの充電器を地面に埋め込み、特殊な電流を発生させると自動車側に取り付けた受信装置の回路にも電流が流れて充電される仕組みです。

 

IHIがアメリカ企業、ワイトリシティ・コーポレーションと共同開発中のシステムは、充電時間が普通充電と同程度で、自動車を長時間駐車する車庫などでの利用を想定しています。

なお、IHIはトヨタ自動車とも技術提携しています。

非接触充電を巡っては、フォルクスワーゲンや日産自動車なども研究を進めています。

 

EVは1回の充電での走行距離が比較的短いなどの課題がありますが、充電の使い勝手が改善されれば、更なる普及の後押しとなりそうです。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

アイデアよもやま話 No.3597 自動車をめぐる新たな動き その3 次世代バッテリーは長持ちで安全!でバッテリーの長寿命化、小型化、安全性の向上、低価格化が進むとともにEVにはフル充電での航続距離の延び、充電回数の減少、低価格化が期待出来るとお伝えしました。

ここであらためてEVを充電する際の課題について以下にまとめてみました。

1.急速充電器の設置台数が少ない

2.急速充電時間がガソリン給油時に比べて30分以上とかなりかかり、今後ともバッテリー容量の増加とともに充電時間も更に増える

3.ケーブルをつなぐ手間がかかる(特に急速充電器の場合は、その方式がいくつかあり、慣れるまでは手間取ることがある)

 

今回ご紹介したIHIによる非接触充電システムは課題2の中でも普通充電のケースの対応策なのです。

ということで、EVの充電時の利便性を高めるためには、短期的には急速充電器の設置台数の更なる増加、中期的には充電時間の短縮、そして長期的には急速充電時の非接触充電の対応が求められるのです。

更に道路の下に非接触充電システムを埋め込み、走行しながら充電出来るような状況が充電システムの行き着く先ではないでしょうか。
こうした状況では、現行のような充電設備はほとんど不要になり、また搭載するバッテリーの容量もそれほど多くなくて済むようになるのです。


 
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2017年01月18日
アイデアよもやま話 No.3603 自動車をめぐる新たな動き その8 3Dプリンターで自動車が造れる時代の到来!

2017年の年初にあたって、主に昨年後半にあった自動車をめぐる新たな動きについて、これまで7回にわたってバッテリー、政府の政策、自動運転、そして未来の自動車のかたちに焦点を当ててご紹介してきました。

最後の8回目は、3Dプリンターで自動車が造れる時代の到来についてです。

 

3Dプリンターは短期間のうちに普及が進み、今や個人向けの10万円前後の商品まで登場してきています。

そうした中、自動車の生産現場でも3Dプリンターの導入が進みつつあります。

 

まず、昨年4月24日付け、および11月21日付けのネットニュースよりご紹介します。

(出典:http://car-moby.jp/5668https://carnny.jp/2590#a1-1

なんと3Dプリンターを使って作られたスーパーカーが登場しました。

それはサンフランシスコのDivergent Microfactories社(DM)が開発した「Blade」です。

「Blade」の車体は、アルミ素材で3Dメタルプリントされたジョイントパーツに既成のカーボンパイプを利用し組み上げる超軽量&低コストシャーシを使用しており、タイヤやガラス以外は全て3Dプリントされているです。

3Dプリンターを使用しているのはシャーシ部分の製造で、DM社の「Node」という製造技術により組み立てられています。

 

「Node」とは、3Dプリンターで生産したアルミニウムジョイントをカーボンファイバー製のチューブで結合することで自動車のシャーシを組み上げるというものです。

車体の軽量化やシャーシ組み立て時間の短縮、製造時のCO2排出量の大幅削減を実現したといいます。

人の手で簡単に組み立てられるというのが、従来との大きな違いです。

組み立ての簡素化、時間の短縮、また製造時のCO2排出量も削減できて、環境にもやさしい製造技術です。

なお、今回、3Dプリンターを使用しているのはシャーシ部分だけですが、今後ボディや様々なパーツが3Dプリンターによって生み出されることもすぐのはずです。

       

「Blade」の性能は700馬力、加速性能は0ー100km/hまで2.2秒で、車体重量が1400ポンド(約635kg)といいますから、相当な軽量ボディと驚異的な走行性能です。

ちなみに、シャーシの総重量はわずか61ポンド(約28kg弱)です。

また、このシャーシには4気筒7000馬力のバイフューエルエンジン(ガソリンと圧縮天然ガスを切り替えて使用できるエンジン)が搭載されています。

日本最速の日産「GT−R」の最強カスタム仕様でも加速性能は0ー100km/hまで2秒台後半ですから、本当に市販モデルでその加速性能が実現すれば、0ー100km/h加速の世界最速記録が塗り替えられることになります。

 

その新型モデルは昨年のロサンゼルス・モーターショーにて披露されました。

200台限定での販売を予定しており、価格は2億〜3億円になるのではないかと推定されています。

なお、納車予定は2017年と発表されています。

 

この他にも、ネットニュースで世界初となる3Dプリント車「トイ・ライク-LM3Dスイム(The toy-like LM3D Swim)」がアメリカ・アリゾナ州の「ローカル・モーターズ(Local Motors)」で開発されたという記事を見かけました。

2016年にプレ販売が開始され、2017年初旬には納車が見込まれるという内容でしたが、残念ながらその後の動きについては不明でした。

 

いずれにしても3Dプリンターが自動車の生産現場に導入される動きは止まりそうもありません。

以前お伝えしたように、3Dプリンターを使うことによりこれまではほとんど不可能とされてきた形状のデザインの自動車も作れるようになります。

また、生産コストの削減につながりますから、販売価格が安くなることも期待出来そうです。

ただし、3Dプリンターにはしばらくは大量生産が期待出来ず、数量限定車としての位置づけでの販売が続くと見込まれます。

いずれにしても、3DプリンターやAI、ロボットなどの技術の進化に伴い、将来的には自動車の生産プロセスは劇的に変化しそうです。


 
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2017年01月17日
アイデアよもやま話 No.3602 自動車をめぐる新たな動き その7 見えてきた未来の自動車のかたち!

2017年の年初にあたって、主に昨年後半にあった自動車をめぐる新たな動きについて8回にわたってご紹介します。

7回目は、見えてきた未来の自動車のかたちについてです。

 

まず、昨年7月11日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で自動車のミラーレスについて取り上げていたのでご紹介します。

 

自動車を運転する際に周囲の状況を確認し、安全を保つために必要な部分がミラーです。

昨年6月にそのミラーに関する基準が大きく変更されました。

これまでは鏡を使わないとミラーは認可されなかったのですが、今回の変更で鏡を使わないミラーレス車も可能になったのです。

ミラーレスとは鏡の代わりにカメラとディスプレーを搭載することを意味します。

従来のサイドミラーの位置にあるカメラで外の映像を撮影し、ディスプレーにその映像が映し出されるのです。

そこで、今その開発競争が激しさを増しています。

 

番組では、開発競争の最前線を取材しました。

自動車用ミラーを製造している市光工業(神奈川県伊勢原市)では、今ミラーレスの試作機を搭載した実験車両で実験が進められています。

市光工業では現在、このミラーレスのシステムを商品化するため、国際的な認証機関、デュフ ラインランド・ジャパン(横浜市都築区)で試験を受けています。

市光工業では2017年には認証を取得し、海外での販売に乗り出すことを目指しています。

 

市光工業が開発を急ぐ背景には、産業構造が変わることへの危機感があるといいます。

市光工業では、国内の自動車メーカー8社と取引があり、年間300万個以上の自動車用ミラーを生産しています。

自動車が輸出される国ごとにミラーの規格には細かい決まりがあり、仕様が異なります。

なので、組み立て作業の機械化が難しく、これまで人手に頼ってきました。

しかし、ミラーレスなら各国の規格に合わせてソフトウェアを変更することになるため、手作業が不要になります。

 

さて、ミラーレス車はここ数年のうちに登場すると見られています。

ミラーレスには欠かせない車載カメラの市場も拡大しそうです。

世界の車載カメラモジュール市場は2025年には3609億円(2013年比約5倍)と見込まれています。

その市場に新たに食い込もうとしているのがカーナビ大手のJVCケンウッド(東京都八王子市)です。

その特徴は、JVCケンウッドが得意とする映像処理技術です。

運転席の両サイドと後方に合計3台のカメラを搭載し、3つのカメラが捉えた映像を一つのディスプレーに合成して表示出来ます。

自動車の運転中に後方の様子を一つのディスプレーで確認出来るので視線の移動が減り、安全性が高まることが期待出来ます。

 

更にこの自動車はミラーレスだけではありません。

スピード表示などは全てフロントガラスに投影するヘッドアップディスプレーに映し出されます。

JVCケンウッドでは自動車のミラーレス化が運転席全体の電子化の起爆剤になると考えていて、そこにチャンスを見出そうとしています。

JVCケンウッドでは、このミラーレスシステムを10年以内に実用化する計画で開発を急いでいます。

 

ミラーレス参入の動きは他にも以下のような動きがあります。

・2015年6月

  パナソニックがスペインの自動車用ミラー大手、フィスコに出資

・2015年12月

  デンソーが画像処理技術を持つモルフォと提携を発表

 

さて、市光工業によるとミラーレスには以下のようなメリットがあるといいます。

・従来のサイドミラーに比べて画角が2倍以上に広がり、これまで死角だった箇所まで見ることが出来る

・ギアをバックに入れた場合、地面に近い箇所まで表示され、これまで見えずらかった後ろのタイヤ周りまでよく見えるようになる

・サイドミラーに比べて軽量化され、空気抵抗も少なくなるので燃費が約1%改善する

 

一方、番組ではミラーレスの課題として、従来のミラーのような奥行き感の無さによる違和感を指摘しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

既に、自動車の周りを360度にわたってモニターに映し出す機能を装備された自動車が市販化されつつありますが、これまでのミラーでは死角となっていた箇所やスピード表示などが全てフロントガラスに投影するヘッドアップディスプレーに映し出されるようになれば、運転時の安心感が増し、事故防止にも大いに役立つと期待出来ます。

更に、自動運転機能との組み合わせにより、事故防止対策は更に強化されます。

車線変更時に後ろの車からクラクションを鳴らされたり、ぶつかりそうになってヒヤッとした思いをしたのは私だけではないと思います。

こうした経験から出来るだけ早く今回ご紹介したような機能を標準装備するように全ての自動車メーカーにお願いしたいと願います。

 

さて、自動運転車時代の到来を見据えて、ぶつからないことを前提とした自動車づくりの動きも出て来ています。

実際にぶつからないことを前提にした、布で覆われたような試作車を展示会で見たことがあります。

完全自動運転車が実用化され、ぶつからないことが保障されるような時代になれば、車体は鉄板ではなくプラスチックなど軽量化された素材に代えることが出来ます。

そうなると、自動車のデザインのバラエティが広がり、生産コストの削減により自動車の低価格化にもつながりますから、消費者にとってはメリットがあります。

一方で、自動車産業に係わる従来の素材産業にとっては大きな影響が出てきます。

 

ということで、ここでも従来の産業から新しい産業への転換がもたらされるのです。


 
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2017年01月16日
アイデアよもやま話 No.3601 自動車をめぐる新たな動き その6 自動運転車がもたらす様々な影響!

2017年の年初にあたって、主に昨年後半にあった自動車をめぐる新たな動きについて8回にわたってご紹介します。

6回目は、自動運転車がもたらす様々な影響についてです。

 

5回目で自動運転車についてお伝えしましたが、自動車の完全自動運転化は自動車の利用者にとって劇的な変化をもたらすだけでなく、様々な業界に大きな影響をもたらします。

そのいくつかを以下にご紹介します。

 

昨年12月1日付けのネットニュースで完全自動運転車は自動車業界と損保業界などに大きな影響を与えると報じていたのでその一部をご紹介します。

自動運転車の実用化が現実的な段階に入ってきました。

自動運転車の普及は、自動車業界だけに関係する話ではなく、IT業界や保険業界、そして行政の分野にも大きな影響を与えることになります。

 

また、昨年12月5日(月)放送のニュース(TBSテレビ)では、自動運転車の普及がトラック輸送にも大きな影響を与えると報じていました。

仮に日本でトラック輸送が自動運転となった場合、一番のメリットは運輸コストの引き下げです。

運送費の38.8%が人件費といいます。(全日本トラック協会調べ 2014年度)

ネット通販の増大などから宅配便などの取扱量が増える一方、ドライバーの人数は2015年はおよそ80万人と2年連続で減少しています。

また、40歳以上のドライバーが70.8%(2015年)と10年間で急激な高齢化が進んでいて、今後更なる人手不足が懸念されています。

こうした中、トラックドライバーは仕事が無くなるのではという不安を抱えています。

一方、専門家の中にはトラックドライバーの仕事は無くならないという見方もあります。

その理由は、前回もお伝えしたように地方にはガードレールのない狭い道、消えかかった白線など、センサーで周囲を認識して走る自動運転車にとって厳しい道路状況があることから一般道での自動運転は相当難しいという指摘です。

 

また、昨年6月15日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では、日本の自動車の稼働率は3%ほどなのでカーシェアリングが普及すれば自動車の販売台数は激減すると報じていました。

 

そして、昨年9月19日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で安全運転機能を持ったカーナビについて取り上げていたのでご紹介します。

昨年3月に発表された2016年度国内新車販売台数の見通しは約525万台でしたが、昨年9月15日に発表された販売台数の見通しは約484万台と大幅に下方修正され、前年度実績比1.9%減でした。(日本自動車工業会調べ)

このように新車販売は厳しい状況が続いていますが、その一方でカーナビの販売は好調といいます。

大画面化など要因はいろいろと指摘されていますが、今注目を集めているのは道路に潜んでいる危険を先読みして安全運転を支援する新たしい機能です。

カーナビの出荷台数(昨年4〜7月)は176万台と前年実績比11.3増と伸びているのです。(JEITA調べ)

中でも注目されているのがカロッツェリア製のカーナビ(AVIC-CZ900)に追加された安全運転支援機能です。

このカーナビに追加されるユニットは運転席の下に設置、バックミラーには前方の車両の位置を捉えるカメラ、画像認識技術が搭載されています。

前方の車両との距離が3mを切るとすぐさま警告音で知らせてくれます。

また、交差点では右折する時の“つられ発進”に対して注意を喚起します。

“つられ発進”とは、前の車両が右折するのにつられて対向車の確認をせずに発信することです。

対向車と衝突する事故が多いのです。

カーナビは、蓄積されたデータから、この交差点は右折時に“つられ発進”する可能性が高いと判断し、搭載されたカメラが前の車両の動きを捉えて前の車両が発進して2秒後に音で注意を喚起したのです。

その意味は、前の車両が発進してからおよそ2秒の間に対向車を確認すれば事故を防げる可能性が高いというものです。

なぜ2秒なのかですが、“つられ発進”した時に前の車両が発進してから1.5〜2.5秒の間に急ブレーキを踏む確率が高いというデータをパイオニアは持っていたのです。

パイオニアのデータセンターでは2007年から累計65億kmに及ぶ自動車の走行データを収集しているのです。

ブレーキを踏む頻度やその強さによって危険度を判断し、このデータセンターのパソコンの画面上には急ブレーキが踏まれたポイントを赤、そしてブレーキが緩かったポイントを薄い色と色分けして点で表示されています。

その赤いポイントは全国におよそ7600ヵ所存在します。

パイオニアでは、今後自動運転車の時代が到来してもこのビッグデータがカギを握ると考えています。

パイオニアの山下 元之さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(自動運転の流れはカーナビメーカーにとってチャンスなのかという問いに対して、)そうですね。」

「地図がより高度化していかなければいけないと。」

「リアルタイムの道路の変化を捉えるということでいうと、画像のデータや実際のお客様の走行の結果とか、パイオニアじゃないと中々分からないんじゃないかなと思いますね。」

 

自動運転の実現に欠かせない次世代の地図を日の丸連合で作成しようという動きも始まりました。

昨年6月に設立されたダイナミックマップ基盤企画株式会社には、三菱電機や地図会社のゼンリン、大手自動車メーカー9社などが出資、2017年度中に自動車専用道路2万kmの3Dマップ作製を目指します。

 

自動運転の時代を見据えて、カーナビの時代は新しい段階に入っています。

この新時代におけるカーナビの要件として、番組では3Dマップ+アルファを挙げています。

3Dマップは絶対条件で、単なる道案内ではなくて道路の状況をより細かく把握する必要があるといいます。

問題はこれを満たしたうえで、プラスアルファをどこで違いを出すかですが、一つは情報提供といいます。

既に、カーナビには渋滞情報、注意喚起、観光情報、あるいは周辺のガソリンスタンドの位置など様々な情報が提供されています。

番組では、将来的には自動車が自宅に駐車してある時にも以下のような情報が送られてくるのではと予測しています。

・そろそろドライブに行きませんか

・今週末は天気が良さそうですよ

・ガソリンが今日は安いので給油したらどうですか

 

こうした情報提供も含めたカーナビ競争になってくるのでグーグルやアップルなどの情報提供プロバイダー参入してきているといいます。

 

以上、自動運転車の関連記事の一部をご紹介してきました。

 

ご紹介した内容からもお分かりのように、完全自動運転車時代到来のカギを握るのはリアルタイムで更新される精密な道路地図を搭載したカーナビなのです。

こうしたカーナビの搭載なしには、完全自動運転車の実用化はあり得ません。

ですから完璧な道路地図を制する者が自動運転車開発競争の戦いを制すると言えます。

ですから、こうした観点からのカーナビ業界、自動車業界、地図業界、センサー業界を巻き込んだ開発競争はこれから増々激しさを増すと思われます。

 

一方、完全自動運転車時代の到来を待たなくても、自動運転車の普及により自動車事故の発生件数は激減しますから、自動車保険の保険料もグンと安くなるはずです。

ですから、損保業界に及ぼす影響は大変大きいと思われます。

更に、自家用車のみならずバスやトラックなど全ての自動車が完全自動運転化されると、衝突事故はほとんど皆無になります

また、万一衝突事故が起きたとしても、ドライバーはいませんから事故責任は自動車メーカーが負うことになるはずです。

ですから、損保業界からすれば、自動車の完全自動運転化社会においては、契約者は自動車メーカーになり、衝突事故はほとんど皆無になりますから、契約金額は更に激減してしまいます。

 

次に、完全自動運転車時代の到来により、タクシー業界やバス、トラックなどの運送業界のドライバーの失業を招いてしまいます。

更には、こうした自動運転技術はやがて船舶業界や航空業界にも展開されていくと思われます。

一方利用者の立場からすれば、タクシー業界やバス、トラックなどの運送業界のコスト削減からタクシー料金や運送に係わる様々な商品の価格が安くなることが期待出来ます。

 

また、完全自動運転車時代の到来は、レンタカーやカーシェアリングを利用する際に、自宅に限らず利用者が希望する時間、場所まで来てくれるようになり、利用後も利用者の希望する場所に駐車することが出来るようになりますからこうした利用の際の利便性は飛躍的に高まります。

ですから、一人でのドライブや家族でのドライブなど用途に応じた車種を選んで乗ることが容易に出来るようになります。

例えば、一人でのドライブでは、行きは自らハンドルを握って運転を楽しみ、帰りは自動運転モードで自宅までゲームや映画を楽しむというような光景が目に浮かんできます。

更に、自動車免許が不要でも自動車を利用出来るようになりますから、特に高齢者にとっての移動手段として欠かせない存在になります。

また、レンタカーやカーシェアリングの運営も人手を介さずにITにより完全にコントロールされるようになりますから、利用料金も安くなるはずです。

ですから、完全自動運転車時代の到来は間違いなくレンタカーやカーシェアリングの流れを加速させるはずです。

一方で、こうした流れは自動車の販売台数を激減させると報じられています。

そうなると、下請け企業も含めた雇用の喪失、そしてGDPなど経済に与える影響はかなり大きくなります。

 

ここで思い起こされるのは、江戸時代の篭屋から明治時代の人力車、そしてその後の現在の自動車、電車、あるいは飛行機などへという移動手段の変遷です。

こうした時代の流れの中で、そのたびごと多くの人たちが仕事を失う一方で、新たな職業が誕生してきました。

ですから、完全自動運転車時代の到来も、多くの人たちが仕事を失う一方で、完全自動運転車を活用する新たなビジネスが誕生し、それ伴い新たな職業が誕生すると思うのです。


 
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2017年01月15日
No.3600 ちょっと一休み その577 『長所も短所も合わせて一人の人格』

よく「あの人はとても優しい」とか「あの人は短気で困る」、あるいは「あの人は気難しい」とかいう声を聴きます。

しかし、優しさが優柔不断につながったり、短気さが問題の早期解決に役立ったり、あるいは気難しさが緻密な思考に役立ったりと、時と場合によって長所が短所になったり、逆に短所が長所になったりします。

そして、長所も短所も合わせて一人の人格が成り立っているのです。

そして、性格は人それぞれで中々変えられるものではありません.

無理に短所を直そうと努めると長所まで引っ込んでしまいます。

ですから、私たちはそれぞれが自分の性格を見極めてお互いにその短所を責め立てるのではなく、お互いの長所を生かしていくことこそが求められるのです。

まさに、No.49 金子みすゞの詩のご紹介 その3 『私と小鳥と鈴と』でもご紹介した“みんな違ってみんないい”という考え方です。

 

企業などの組織においても家庭内においても、お互いがお互いの長所、短所を見極めて接することによってハッピーな関係を築くことが出来、それが豊かな社会や平和な社会への第一歩でもあると思うのです。


 
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2017年01月14日
プロジェクト管理と日常生活 No.471 『電通社長の辞任表明を企業の働き方改革の起爆剤に!』

前回、プロジェクト管理と日常生活 No.470 『今人類に課せられている6つの課題!』で課題の一つとして豊かな暮らしの追求を挙げました。

ところが、とても残念なことに日本にはかつて滅私奉公という言葉がありましたが、今でも国のため、あるいは企業のためというように組織優先の考え方が少なからず残っているように思います。

それを象徴しているのが、以前、アイデアよもやま話 No.3527 広告大手の若手女子社員自殺報道に接して!で広告大手の電通に勤めていた高橋まつりさん(当時24歳)が2015年12月クリスマスの日に長時間労働を苦に投身自殺した事実です。

そして社員の過労自殺をめぐり労働基準法違反容疑で書類送検されたことを受け、遂に昨年12月28日に電通社長が辞任を表明したと報道されました。

 

今回、社員の過労自殺を契機に社長が引責辞任をしたという事実は、多くの企業の経営者にとってとても衝撃的だと思われます。

なぜならば、電通以外にも大なり小なり同じような労働環境の企業は少なからずあると思うからです。

 

一方で、ネットやフレックスタイムおよび在宅勤務の活用など様々な取り組みにより長時間労働に頼らずに業績を伸ばしている企業もあります。

今や労働環境の改善に結びつくテクノロジーはどんどん進歩しています。

また、今回の事件を契機に、国も長時間労働を阻止するような方向に動き出しています。

 

さて、セクハラやパワハラというような嫌がらせによる労働環境の悪化に関する報道も後を絶ちません。

そして、ブラック企業、あるいはブラックバイトという言葉が誕生したように、従業員やアルバイトの使い捨てもはびこっているようです。

長時間労働を苦にした自殺やセクハラやパワハラに苦しむ従業員、そしてブラック企業、あるいはブラックバイトという言葉にあるような企業が無くならない限り心豊かな暮らしの実現は適いません。

 

では、冒頭に掲げた豊かな暮らしの追求という国家的な課題の対応策としてどのような具体策があるでしょうか。

それは先ほどもお伝えしたように、様々なテクノロジーを駆使して労働環境を改善し成功を収めている企業のやり方の水平展開、およびこうした問題企業の取り組みに対するハードル、すなわち国や自治体による法的な制約、および違反行為に対する罰則規定の設定です。

 

日本はいろいろと問題は抱えていますが、いまだにGDP世界第3位という立場にあるのです。

また、日本の企業にはこれまでも数々の困難を乗り越えてきた実績があります。

ですから、政府が先ほどお伝えしたような問題も包括して心身ともに豊かな暮らしの追求を課題の第一に掲げ、多くの国民がそれに賛同して官民一体で取り組めば、これまでの実績と日本という国の持つ潜在能力からすれば実現の可能性は極めて高いと私は楽観視しています。

 

ということで、前途のある高橋まつりさんが若くして自ら絶たれた命を無駄にしないためにも電通社長の辞任表明を企業の働き方改革の起爆剤にしていただきたいと思います。


 
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2017年01月13日
アイデアよもやま話 No.3599 自動車をめぐる新たな動き その5 激化する自動運転車の開発競争!

2017年の年初にあたって、主に昨年後半にあった自動車をめぐる新たな動きについて8回にわたってご紹介します。

5回目は、激化する自動運転車の開発競争についてです。

 

まず、昨年10月2日(日)放送のニュース(NHK総合テレビ)で自動運転について取り上げていたのでご紹介します。

2016年は自動運転元年とも呼ばれていました。

この夢の新技術を活用して交通や物流など新たなサービスの開発が進んでいます。

 

シンガポールでは公道を使った自動運転タクシーの実験が始まっています。

スマホでタクシーを呼び、決められたコースを乗り降りすることが出来るというものです。

 

一方、アメリカでは自動運転のトラックを開発、長距離運転ドライバーの負担を減らすことが出来ると期待されています。

 

また、オランダでは自動運転の小型バスを走らせ、マイカーに代わる新しい交通システムを生み出そうと取り組みが始まっています。

オランダ東部の学術都市、ヘルダーランド州では地元の政府が中心となって自動運転バスを公道で走らせる実験が行われています。

車内には運転席がありません。

車体に取り付けられたセンサー、そしてカメラ、こうした機器を使って自転車や自動車を認識し、運転手がいなくても自動で走行することが出来ます。

技術責任者の大学教授は、1〜2年後には完全に自動化が出来るようになると見込んでいます。

将来的にはこの自動運転バスが街中を何台も走り、利用者が自由に乗り降り出来るような交通システムを作り上げる構想です。

渋滞が課題となっている都市部に導入すれば、マイカーを持たなくてもよくなり、交通量を減らすことが出来ると考えられているのです。

 

日本でも自動運転を活用して社会を変えようという取り組みが始まっています。

IT企業のディー・エヌ・エー(DeNA)は2015年にいち早く自動運転を活用した事業に乗り出しました。

自動運転に得意とするIT技術を組み合わせることで社会を変えるような新たなサービスを生み出せると考えたのです。

今、DeNAが2020年の実用化を目指して開発を進めているのが自動運転による無人タクシーです。

高齢化や過疎化が進む地域で活用出来ると考えています。

DeNAの執行役員、中島 宏さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「完全自動運転が出来るかもしれない。」

「そうなると、同じようにモビリティの発展に伴って世の中が便利に豊かになる現象が絶対に起こるだろうと。」

「ライフスタイルが革命的に変わる、それは間違いないと思います。」

 

この無人タクシーに期待を寄せている町があります。

山口県周防大島町です。

人口およそ1万7000人、その半数以上が高齢者です。

主な交通手段はバスですが、路線によっては本数は決して多くはありません。

自動車がなければ、買い物などが不便な環境です。

DeNAではこの町でも自動運転車を活用出来ないかということで取り組みを始めています。

しかし、この島で無人タクシーを走らせるうえで大きな課題が見えてきました。

ガードレールのない狭い道、消えかかった白線、センサーで周囲を認識して走る自動運転車にとって厳しい道路状況でした。

中島さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「こういうところで走らせるような技術までレベルが上がってこないと日本中で困ってらっしゃる方々は救えないということでもあるので、これはチャレンジしなきゃいけないところかなと思っています。」

 

さて、自動運転は人手不足が深刻な物流業界でも生かされようとしています。

業界団体の調査では、過半数の業者が労働力が足りないと答えています。

少子高齢化により今後状況はより厳しくなると見ています。

更に拍車をかけているのが受取人の不在による再配達の増加です。

大手宅配業者、ヤマト運輸のあるドライバーは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今日は(不在が)25軒目ぐらいだと思います。」

「最近は不在の方が多くなってきたと思います。」

 

ネット通販の普及で宅配便の利用が急増する中、再配達が増え、ドライバーの負担は増しています。

こうした中、ヤマト運輸がDeNAと手を組んで自動運転を活用した新しいサービス、「ロボネコヤマト」の開発に乗り出しました。

ヤマト運輸が考える自動運転による宅配サービスとは以下の通りです。

まず利用者がスマホで受け取りたい時間や場所を指定します。

すると、指定した通りに自動運転車が来ます。

車内には鍵のかかる箱が備え付けられていて、利用者はパスワードを入力するなどして鍵を開け、荷物を取り出すシステムです。

利便性を上げて確実に荷物を届けることで配達の負担を減らせるのではと考えています。

 

ヤマト運輸では自動運転を活用した更なるサービスも検討しています。

スーパーや飲食店と連携して弁当や食料品を配達出来ないか、人を乗せながら宅配も行うサービスは出来ないか、議論が続きます。

長尾 裕社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「社会構造も変わってきていて、特に我々の業界は労働力が先細りになっていく可能性が高いと。」

「サービスの多様化を作っていく際の1つの手段としては、今回チャレンジする自動運転がブレークスルーしていくための技術になり得る可能性があるのではなかろうかなというふうに考えています。」

 

番組では、自動運転の普及にあたって以下のような課題をあげています。

・歩行者の急な飛び出しなどの緊急事態でも安全を確保出来る自動運転の開発

・自動運転に対応した法整備などの社会的なルールづくり

  自動運転車が事故を起こした場合の責任の所在

  保険や免許制度の扱い

 

なお、実用化の目途についてですが、政府は東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年をターゲットに自動運転の開発を推進していて、まずは限定された地域でサービスを始めようと考えています。

そして、今から10年以内の2020年代の前半には国内で完全な自動運転車の販売が始まる可能性があります。

こうした中、IT企業の他に大手通信会社など様々な企業が参入し、自動運転で新たなサービスを展開しようとしています。

 

世界は本格的な自動運転時代を見据え、既に大きく動き出していて、競争も激しくなっています。

日本として、技術開発は勿論なんですが、これを社会課題の解決にどう生かしていくのか、そういった使い方について考えていく必要があると番組では考えています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、他にも自動自動車をめぐる新たな動きはいろいろあります

 

昨年8月17日(水)付けネットニュースによれば、アメリカのフォード・モーターは16日、2021年までにハンドルやアクセルのない完全自動運転車の量産を始めると発表しました。

まずライドシェア(相乗り)などの配車サービス向けに供給するといいます。

 

また、昨年8月19日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)によれば、8日、スウェーデンの自動車メーカー大手、ボルボとアメリカの配車サービス大手、ウーバーが自動運転車の開発をめぐって提携したといいます。

 

自動運転タクシーの実用化を目指す動きについては、アイデアよもやま話 No.3337 自動運転タクシーの実証実験開始!でもご紹介したことがありますが、国内のいくつかの地域で既に実証実験が始まっております。

 

また、昨年12月5日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で自動運転技術を活用した工場敷地内での無人搬送について取り上げていたのでご紹介します。

日産自動車は完成した自動車を港まで無人で搬送するシステムを開発し、報道陣に昨年12月5日に公開しました。(日産自動車 追浜工場 神奈川県横須賀市)

組み立て工場から出荷用の港まで工場敷地内での1.4kmの走行です。

車両に付けられたカメラやレーザースキャナーで道路の白線や障害物などを感知します。

例えば、前に自動車が止まっていると自動運転車も停止、そしてあらかじめプログラムされた地図データ通りに自動走行します。

1台の自動運転車で3台まで搬送出来ます。

現在、この工場では1日におよそ1000台の自動車を生産しており、組み立て工場から専用のドライバーが1台ずつ運転して運んでいます。

搬送業務の効率化が狙いで、2019年に無人搬送の本格運用に移行する計画です。

近い将来は、完成車だけでなく自動車を造る工程で部品を工場内で自動的に運ぶようなシステムへの応用を考えているといいます。

更にもっと先には、自動運転車が製造ラインから出てきたらその自動運転車がそのまま港まで移動することも想定しているといいます。

 

なお、物流業界での自動運転への取り組みについては、海外でも積極的に進められているようです。

昨年12月5日(月)放送のニュース(TBSテレビ)ではアメリカでは自動運転のトラックが190kmを走破し、荷物を届ける実験に成功したと報じていました。

この実験はタクシー配車サービスを手掛けるウーバーの子会社によりアメリカのコロラド州で行われました。

 

ということで、一般自動車、タクシー、宅配便自動車、トラック、バス、あるいは工場などの敷地内で使われる自動車など現行の自動車に代わる様々なタイプの自動運転車の開発競争が世界的に激化する様相を呈しています。

中でも、日本は東京オリンピック・パラリンピックの開催される2020年を目標にこれからの4年間ほど自動車メーカーは関連企業や国、あるいは自治体をも巻き込んで急速に自動運転車の開発が進むと期待出来ます。

 

それにしても完全自動運転車の実用化に向けては大変大きなハードルがいくつもありそうです。

今回お伝えした中だけでも、ガードレールのない狭い道、消えかかった白線など、センサーで周囲を認識して走る自動運転車にとって厳しい道路状況をどのようにクリアするのかとても興味があります。

また、自動運転車が本来走行すべき道を選択出来るためには、災害などで通行止めになった道路や新しく造られた道路についても通行止めや開通と同時にリアルタイムでカーナビに反映されることが求められます。


 
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2017年01月12日
アイデアよもやま話 No.3598 自動車をめぐる新たな動き その4 ドイツで2030年以降に自動車から「エンジン」が消える!?

2017年の年初にあたって、主に昨年後半にあった自動車をめぐる新たな動きについて8回にわたってご紹介します。

4回目は、ドイツでは2030年以降に自動車から「エンジン」が消えるかもしれない状況についてです。

 

これまで3回にわたって、EV(電気自動車)の普及に向けた動向についてお伝えしてきましたが、こうした状況を踏まえて、ドイツでは日本では考えられないようなとても積極的な動きがあります。

昨年10月13日付けネットニュースによると、ドイツ連邦参議院(Bundesrat)は2030年以降にガソリンやディーゼル機関など内燃機関を使用した自動車を禁止する決議を採択したとドイツの有力週刊誌「デア・シュピーゲル(DerSpiege)」が報じています。

同じくこのニュースについて報道した米フォーブス誌によれば、決議採択はただちに法的効果を有するわけではありませんが、ドイツの規定がEU全体の規定になる場合が多いため、今回の採択が今後、欧州の環境対策の大きなターニングポイントになる可能性が高いといいます。

こうしたEUの状況は、ガソリンやディーゼル機関など内燃機関を使用した自動車の終焉が近いことを意味しています。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

さて、以下にWikipediaなどを参考にこれまでのアメリカの自動車に関連する大気汚染防止への取り組みをまとめてみました。

アメリカでは1963年12月に大気汚染防止のための法律、大気浄化法(Clean Air Act of 1963)が制定されました。

酸性雨対策やオゾン層の保護が目的であり、自動車の排出ガスの削減や、二酸化硫黄排出量の削減、フロン、四塩化炭素の全廃が主な内容となっています。

そして、1970年、1977年及び1990年に大幅な改正がなされています。

ちなみに1970年大気浄化法改正法は、通称マスキー法(Muskie Act)と呼ばれています。

アメリカの上院議員、エドムンド・マスキーの提案によるためこの通称が付けられました。

内容としては、

1975年以降に製造する自動車の排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)の排出量を1970-1971年型の1/10以下にする

1976年以降に製造する自動車の排気ガス中の窒素酸化物(NOx)の排出量を1970-1971年型の1/10以下にする

 

ことをそれぞれ義務付け、達成しない自動車は期限以降の販売を認めないという当時としては大変厳しい内容でした。

 

ところが、1972年に発表した本田技研工業(ホンダ)の低公害エンジン、CVCC(Compound Vortex Controlled Combustion)は当時世界一厳しく、パスすることは不可能とまで言われたこのマスキー法の規制値を最初にクリアしました。

そして、ホンダはこれがだめだったら4輪市場からの撤退も考えなければならないという背水の陣でこのエンジンを搭載したシビックを開発しました。

そして1974年11月、シビック1975年モデルがアメリカの環境省(EPA:Environmental Protection Agency)に持ち込まれ、審査に合格しました。

シビックは年を追うごとに燃費が向上し、1978年モデルまで4年連続でアメリカでの燃費1位を獲得し、『シビックの良さは燃費』、ということがアメリカのお客さまの間で定着していきました。

また、燃料を選ばない低公害車ということでも評価を受けました。

 

さて、その後もアメリカではカリフォルニア州の環境局が1990年に州内で一定以上の車を販売しているメーカーは、その一部をZEVにしなければならないという法律、すなわちZEV法(ゼロエミッションヴィークル規制法)を制定するなど、EVや燃料電池車などの有害なガスを出さない自動車の普及に積極的に取り組んできました。

 

こうした中で、“脱原発”にも積極的な政策を打ち出したドイツは、2020年以降の温暖化ガス排出削減等のための新たな国際枠組みとなる「パリ協定」の実質的な成果を達成すべく、ドイツ連邦参議院は2030年以降にガソリンやディーゼル機関など内燃機関を使用した自動車を禁止する決議を採択したのだと思われます。

 

考えてみれば、厳しい排ガス規制を課したマスキー法がホンダをはじめとする日本の自動車メーカーを背水の陣に仕向け、結果的にこうしたアメリカの排ガス規制が日本の自動車メーカーに世界最高水準の開発力をもたらしたのです。

自動車業界に限らず日本のメーカーにはいざという時に発揮されるこうした潜在力があるのです。

ですから、もし本当にドイツで2030年以降にガソリンやディーゼル機関など内燃機関を使用した自動車を禁止する法律が制定されたとしても今からそれに応える準備に取りかかれば、きっと日本の自動車メーカーはバッテリーなどの関連メーカーと協力してこの法律の壁を乗り切ることが出来ると確信します。

 

ここまで書いてきてとても残念なことがあります。

それは、こうした動きのきっかけが欧米の政策からもたらされることです。

日本の現政権には、単に経済成長に重点を置いた政策を打ち出すだけでなく、今後の世界のあるべき姿、そして日本の進むべき道を明確にしたうえで、世界に先駆けて積極的にそれを実現するための法律を制定し、国内メーカーが取り組むべき課題を提示して欲しいと思います。

では、今後の世界のあるべき姿ですが、私が考えるのはプロジェクト管理と日常生活 No.470 『今人類に課せられている6つの課題!』でお伝えした通りの内容です。

メーカー各社が社をあげて真剣に取り組むに値すると思えば、きっと潜在力を発揮して時間がかかっても成し遂げると思うのです。

そして、自ずと経済の活性化もこうした成果の一つとして得られるのです。

こうしたところにこそ政治の価値があるのではないでしょうか。

 

ということで、現政権には今後の世界のあるべき姿をベースにした日本の進むべき道を明らかにし、他国に追随するのではなく、他国に先駆けた積極的な政策を打ち出していただきたいと思います。


 
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2017年01月11日
アイデアよもやま話 No.3597 自動車をめぐる新たな動き その3 次世代バッテリーは長持ちで安全!

2017年の年初にあたって、主に昨年後半にあった自動車をめぐる新たな動きについて8回にわたってご紹介します。

3回目は、長持ちで安全な次世代バッテリー(蓄電池)についてです。

 

昨年12月18日(日)付け読売新聞で次世代バッテリーについて取り上げていたのでご紹介します。

今や、バッテリーはスマホやノートパソコン、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)などの電源として現代生活に欠かせない存在です。

こうしたバッテリーの安全性を高め、使いやすくしようと、更に小型で安価、高性能の次世代バッテリーの開発が進められています。

 

現在、最も幅広く使われているバッテリーはリチウムイオンバッテリーで、1990年代に製品化されました。

しかし、電解質に可燃性の有機溶媒を使用していたため、加熱すると燃えることがあるのが欠点です。

こうした課題を解決するのが、電解質を含め素材全てを個体にした全固体バッテリーです。

液体を密封しなければならないリチウムイオンバッテリーに比べて構造を単純化出来るため、小型化、軽量化が進むと期待されます。

また、電極と電解質を積み重ねて電圧を高めることも容易です。

液体に比べ、個体の電解質はイオンが流れにくいのが難点ですが、新素材の開発で克服されつつあります。

 

また、リチウムイオンバッテリーは比較的長持ちしますが、長期にわたって使用すると充電容量が減少するなど劣化します。

充放電を繰り返すうちにリチウムなどが徐々に負極にくっつく「析出」が起こり、電極の表面にムラができてしまうのが原因の1つで、電流が大きい場所ほど析出が起こりやすいのです。

この課題に対して、首都大学東京の金村 聖志教授(59歳)は2008年、正極と負極の接触を防ぐ「セパレーター」という素材を工夫し、劣化のスピードを抑える方法を開発しました。

金村教授は、「析出が起きやすいためにこれまで使えなかった素材も電極に使えるようになり、バッテリー容量を倍近くに増やせる可能性が広がった」とおっしゃっています。

また、リチウムイオンバッテリーに使われているリチウムはレアメタルで資源の量が少なく高価です。

一方、ナトリウムなど自然界に豊富にある元素を正極に使ったバッテリーの研究も1970年代頃から進められてきましたが、電解質が電気分解されやすく、数回の充放電で使えなくなる欠点がありました。

東京理科大学の駒場 慎一教授(46歳)は、電解質の不純物を取り除けば電気分解が起こりにくくなることを発見し、2009年には100回充放電しても問題ない「ナトリウムイオンバッテリー」を開発し、実用化の道を開きました。

駒場教授は、「ナトリウムは資源がほぼ無尽蔵で、大型のバッテリーを大量に製造出来る。家庭や工場でバッテリーを使えば、(最大使用電力を抑える)ピークカットが進む」とおっしゃっています。

 

この他にもネットニュースで次世代バッテリーについて以下のようなタイトル記事を見つけました。

・東工大とトヨタなど、出力密度3倍の2次電池を全固体で実現(昨年3月23日付け)

Liイオン電池の寿命が12 倍以上に向上、エンジン部品などの安永が開発(昨年11月24日付け)

 

以上、次世代バッテリー関連の記事をご紹介してきました。

 

そもそもバッテリーの歴史は、イタリアの物理学者、ボルタが1800年に開発した銅や食塩水などからなるボルタ電池に始まりますが、今回ご紹介したようにバッテリーの進化はまだまだ発展途上のようです。

バッテリーの長寿命化、小型化、安全性の向上、低価格化が進むとともにEVにはフル充電での航続距離の延び、充電回数の減少、低価格化が期待出来ます。

他にも面倒なスマホの充電回数の減少など様々な利便性が期待出来ます。

更には、レアメタルでなくほぼ無尽蔵に存在するナトリウムなどの資源を使うことにより、低価格化のみならず今後とも拡大する需要に容易に応えることが出来ます。

また、駒場教授もおっしゃっているように電力需要のピークカットにも貢献出来るのです。


(追記)
急速充電器の現在の設置状況から現状で無視出来ない課題を思い出しました。
急速充電器は一昨年から昨年にかけてかなり増えました。
でもガソリンスタンドの設置台数に比べればまだまだ少ないのです。
こうした状況から、EVでの外出時に充電しようとすると、ガソリン車が給油する時に比べてその回数は多くなります。
しかもEVの航続距離は短く、地方ほど急速充電器の設置台数は少ないので、ガソリン車の給油に比べて充電回数は多くなり、充電のための走行距離も多くなります。
こうした状況を加味すると、現状ではエネルギーの消費量におけるEVとガソリン車との差は一般的に言われるほどの差はないと思います。
こうしたことからも、今後のEVの普及に向けて、より遠くまで走れるバッテリーの開発、および急速充電器の設置台数の増加が急がれます。


 
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2017年01月10日
アイデアよもやま話 No.3596 自動車をめぐる新たな動き その2 激化するEVメーカー間の航続距離競争!

2017年の年初にあたって、主に昨年後半にあった自動車をめぐる新たな動きについて8回にわたってご紹介します。

2回目は、激化するEV(電気自動車)メーカー間の航続距離競争についてです。

 

以前ご紹介したように、EVメーカー大手でアメリカのベンチャー企業、テスラモーターズの創業者で最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスクさんは、EVで既存のガソリン車を置き換えようという自動車革命を目指されております。

EVにはフル充電での航続距離の短さが普及の大きなネックになっていました。

そうした中、昨年8月24日(水)付けネットニュースでテスラモーターズが新たに大容量のバッテリーを公開したと報じられていたのでご紹介します。

昨年8月23日、テスラモーターズは「モデルS」および「モデルX」向けの電池容量100kWhのバッテリー、「P100D」を発表しました。

テスラモーターズは、大容量の「P100D」を搭載することで世界最高の加速力を持つEVが実現出来るとしています。

マスクCEOはこの新しいバッテリーについて、「非常に大きな一里塚であり、世界中の人々が未来は電気(自動車)にあると納得すると信じている」と述べました。

また、マスクCEOはこれに先立ち、ツイッターで商品発表を行うと表明しました。

 

テスラモーターズによると、新しいバッテリーの搭載により「モデルS」の最高航続距離は300マイル(482.8キロ)を超えるといいます。

マスクCEOは、気温がそれほど高くない環境下なら、サンフランシスコからロサンゼルスまで1回の充電で走行出来るとしています。

 

一方、昨年9月15日付けネットニュースによると、2017年末頃には納車が始まるとされているテスラモーターズの普及モデル、テスラ「モデル3」は3万5000ドル(約360万円※奨励金を含めず)という価格設定、215マイル(約346km)の航続距離です。一方、シボレーの新型EV「ボルト」は価格を未設定ですが、3万7500ドル(約385万円)以下にはなるだろうとの見方があり、航続距離は238マイル(約383km)になるといいます。

 

更に、昨年9月30日付けのネットニュースによると、VWは「パリモーターショー2016」の会場で開いた記者発表会で2020年投入のEVはフル充電での航続距離600km、しかも「ゴルフ」並みの価格で発売すると発表しました。

 

また、昨年10月17日付けのネットニュースによると、ルノーの新型EV「ゾエ」はフル充電での航続距離が400km(NEDCモード=新欧州ドライビングサイクルモード)で、実際の走行距離は300km程度といいますから、それでも現行型の日産「リーフ」の航続距離280kmよりも長くなり、「リーフ」が改良したあかつきには、同種のバッテリーの搭載が期待されます。

 

しかも、昨年6月24日付けのネットニュースによると、2010年12月に発売された本格的な市販EVの先駆けである「リーフ」が2018年にフルモデルチェンジを予定しているといいます。

日産は2015年の東京モーターショーにおいて「IDSコンセプト」と呼ばれる次世代EVのコンセプトモデルを公開しており、その航続距離は500〜550kmになると発表されました。

このことから、2018年の発売を予定している新型「リーフ」の航続距離は、従来の約2倍の距離である550kmになると予想されています。

ちなみに550kmという航続距離は、水素燃料電池自動車にも匹敵するレベルです。

 

以上、複数の関連記事の内容をご紹介してきました。

 

EVメーカー間ではバッテリーメーカーを巻き込んでより長い航続距離、および低価格化の競争が激化し、この状況は当分続くと思われます。

 

そうした結果、エアコン使用時でも実走行での航続距離が300kmを超えるようになれば、すなわち航続距離のカタログ値が500kmほどになれば、タクシーなどの業務にも十分に耐え得るとこれまで思っておりました。

ですから、今回のテスラモーターズによるバッテリー、「P100D」の発表は、ガソリン車からEVに移行する自動車業界のシンギュラリティ(技術的特異点)と言えるのではないでしょうか。

更に、先ほどご紹介した通りに2018年にフルモデルチェンジされる日産「リーフ」の航続距離が550kmであれば、一挙にEV時代到来となります。

 

そして更なるバッテリー技術、および量産化技術の進化によりバッテリーの小型化、および単位容量当たりの航続距離の伸び、および低価格化はまだまだ期待出来ます。

ですから、2025年くらいには現行のガソリン車とほぼ同等の航続距離、および価格のEVが市販化されていると期待出来ます。

 

なお、更に以前にもお伝えしたように、こうしたEVには大容量のバッテリーが搭載されていますから、移動手段としてのみならず電源としての用途も期待出来ます。

ですから、電力需要の少ない深夜時間帯に充電して、昼間の駐車中には家庭用電源として使用すれば、昼間の電力需要ピークが低くなり、その分従来の火力発電所などの発電供給施設を削減することが可能になります。

また、災害などによる停電時には緊急電源としての活用も期待出来ます。

このようにEVにはこれまでの自動車にはなかったメリットがあるのです。

ですから、これから発売されるEVには全て一般家庭用電源としてEVに搭載されるバッテリーを使用出来るような機能を標準装備して欲しいと思います。

 

ちなみに、冒頭にご紹介した「モデルS」について、以前から疑問に感じていたことをテスラモーターズの日本法人窓口に問い合わせた結果は以下の通りでした。

・チャデモ方式の急速充電器で30分充電した場合の走行距離は?

⇒ 125km

・エントリーモデルからのバッテリーの増加は?

 ⇒ 可能である

・改良されたバッテリーへの切り替え、および古いバッテリーの下取りは?

⇒ 出来ない

・搭載するバッテリーを家庭用電源として使えるようなサービスは?

⇒ ない


 
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2017年01月09日
アイデアよもやま話 No.3595 自動車をめぐる新たな動き その1 充電不要の電気自動車の登場!

2017年の年初にあたって、主に昨年後半にあった自動車をめぐる新たな動きについて8回にわたってご紹介します。

1回目は、充電不要の電気自動車(EV)の登場についてです。

 

まず、昨年11月2日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)、および昨年12月10日(土)付け読売新聞の夕刊記事で充電不要のEVについて取り上げていたので両方の内容をまとめたかたちでご紹介します。

日産自動車は、昨年11月2日に新型のハイブリッド車を発表しました。

ハイブリッドというと、通常はガソリンエンジンと電動モーターを切り替えて走るという仕組みですが、その常識を覆す新しい技術をコンパクトカーの新型モデル「ノート e-パワー」に投入しました。

発表会で、西川 廣人共同CEOは、次のようにおっしゃっています。

「従来のハイブリッドとは全く異なる、これまで培ってまいりました電気自動車の技術を駆使いたしました日産ならではの新たな電動化のご提案と。」

 

また、従来のハイブリッド車との違いについて、星野 朝子専務執行役員は次のようにおっしゃっています。

「駆動がモーターにしかつながっていないのでエンジンは発電するために存在しているだけですので、完全にモーターだけで走る、つまり電気だけで走る。」

 

従来のハイブリッド車(HV)はエンジンとモーター、それぞれを切り替えて車を動かします。

新しいe-パワーではエンジンが担うのは発電だけ、モーターだけで動くので走り心地はEVと同じだといいます。

走行中にバッテリーが減り、充電する際にエンジンが動きますが、アクセルやブレーキ操作とは関係ないのです。

最も効率の良いエンジン回転数で発電し、低燃費を実現しました。

ガソリン車や従来のHVの燃費は通常、急加速や急ブレーキをかえるとエンジン回転数が変わり、効率が悪くなります。

一方、e-パワーはこうした走り方をしても、電力を消費するだけなので安定した燃費で走れるのです。

 

第一プロジェクト統括グループの小宮 哲さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(電気自動車を充電スタンドで充電するとか、探すことに抵抗感を持つ人がいることがe-パワー投入の背景なのかという問いに対して、)我々は電気自動車を普及する立場からすると、そうでなくなって欲しいんですけど、事実としてはまだまだお客様が気になるのは航続距離と充電ということになりますので、その2つをこのe-パワーで解決したい。」

 

他者に先駆けて2010年にEV「リーフ」を発売した日産ですが、充電スタンドの設置台数が十分ではなく、普及の足かせとなっています。

「ノート e-パワー」の価格は約177万円と、約320万円の「リーフ」よりも100万円以上割安です。

ガソリンを使いながらEVの走り心地を実現し、EVの魅力を広めたい考えです。

星野さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「これで電気自動車っていいねっていう感覚が広まると思うんですけども、そうするとやっぱり電気自動車のラインアップをもう少し揃えるべきではないかなと考えています。」

 

実際に「ノート e-パワー」に試乗した番組のサブキャスター、大浜 平太郎さんは次のようにコメントしています。

「今回の車(「ノート e-パワー」)は飽くまでも電気自動車へのきっかけにして欲しいという位置づけなんですけども、とても良くできていい車だったんですね。」

「ただその一方で、日本人の場合特にそうかもしれないけどまだまだ電気自動車に対して潜在的な抵抗感が強いんじゃないかという指摘もあるんです。」

「要するに、これ以上自分が電気に頼る生活ってどうなんだろうという抵抗感なんですが、原発の問題もありますし、再生可能エネルギーが中々軌道に乗らないと。」

「そういった中で、使い方として停電が起きた時に電気を溜める機能もあるんだよとかいろんなことを言ってるんですけど、それを理由に買っている人ってまだ正直そんなにいないですよね。」

「だから、見ていると車の側の性能ってかなり完成形に達してきているので、ここから先って例えば超効率的なソーラー発電が出来る充電スタンドを造るとか、そういったことに舵を切って行くタイミングに来ているんじゃないかなって感じがするんですけどね。」

「要するに、環境に優しい電気を車に入れているんだよって思えるような環境モデルを作るとか。」

 

番組の最後に、番組コメンテーターで経営供創基盤CEOの冨山 和彦さんは、次のようにおっしゃっています。

「同じ例えば化石燃料の油を炊いてどっちがいいですか環境にとって、っていうのは理屈で言っちゃうと発電所で石油で発電した時のエネルギーの交換効率とガソリンでエンジンを回した時の効率のどっちがいいんですかっていう比較なんですよ。」

「これは、今のところ明確に発電所の方が効率がいいと理論上はなっちゃいます。」

「これが一つのポイントなんですが、もう一つ大きいのは今度パリ協定にアメリカと中国が乗っかっちゃったと。」

「CO2の問題、これ乗っかっちゃったっていうことは最大の市場なんですよ。」

「アメリカ陣営と中国陣営がEVの方に走っていっちゃうとやっぱりどっちがメジャーかということで勝敗が決まってくるんで、だからEVの方に流れていく可能性は高いですね。」

「もしアメリカの市場とアメリカのメーカー、中国の市場と中国のメーカーがそっちに行くとすると。」

「(環境対策面で日本は乗り遅れつつあるのではという指摘に対して、)元々日本は技術力が高いですから、やっぱり方向が明確になったら相当いい戦いが出来るはずです。」

 

以上、番組、および記事の一部の内容をご紹介してきました。

 

実はたまたまですが、私は昨年銀座の日産ギャラリーに立ち寄る機会がありました。

その時、「ノート e-パワー」が展示されていたので説明員にあれこれ質問しました。

そして、この車は売れると確信したのです。

その理由は以下の通りです。

・走行距離や充電スタンドの場所を気にすることなく、EVと同じ感覚を味わえること

・2リッターターボエンジンに匹敵するビッグトルクであること

・燃費がトヨタのハイブリッド車「アクア」とほぼ同等であること

・2020年度燃費基準+20%を達成していること

・価格が約177万円と割安であること

 

「リーフ」に乗り始めて今年で7年目を迎え、走行距離が6万km近くとなる私が特に感じるのは、スムーズな加速性能や走行時の静かさなどガソリン車とは異次元のEVの走行時の魅力です。

一方で感じるのは、フル充電での航続距離の短さと充電スタンドの少なさです。

航続距離が短く、しかも充電スタンドがここ最近増えたとはいうもののガソリンスタンドに比べればまだまだ少ないのです。

ですから、特にちょっと長距離ドライブをした際には、バッテリー残量と充電スタンドの場所を絶えず気にしながらの運転になってしまうのです。

また、「リーフ」の初期モデルのフル充電での航続距離のカタログ値は200kmですが、実質的な航続距離は購入当初で約140km、それが7年目を迎える今では110km足らずですので、実際に安心して走行出来る距離はざっと90kmほどです。

ですから、夏場や冬場、特に冬場のちょっと遠出のドライブの際には、エアコンの使用は論外です。

しかし、「リーフ」の最新モデルではフル充電での航続距離のカタログ値は280kmに伸びています。

それでもガソリン車に比べると「リーフ」の最新モデルの航続距離の短さはやはり気になります。

こうしたことを考えると、一度バッテリー残量や充電スタンドの場所を気にせずに走行出来る「ノート e-パワー」を試乗してガソリン車とは異次元の魅力を味わえば、多くの人たちは購買意欲をかき立てられると直感したのです。

 

そうしたところ、新型ノートが昨年11月の国内販売で1万5784台を記録し、トヨタ プリウス/アクアなどの人気車種を抑え、軽自動車を含めた全銘柄のランキングで初めて1位になったと発表しました。

日産車が月間販売台数1位の座に輝いたのは、1986年9月のサニー以来、実に30年2ヶ月ぶりの快挙といいます。

ちなみに、ノート全体の売り上げの7割以上を「e-パワー」が占めており、躍進の要因となったといいます。

 

恐らく、「ノート e-パワー」の購入者はバッテリー切れを心配せずにEVとしての動力性能を堪能出来るので、二度と純粋なガソリン車を購入することはないと思います。

そういう意味で、「ノート e-パワー」は少し回り道にはなりますが、今後のEVの普及に向けて過渡的な位置づけのEVとして大きな突破口になるはずです。


*** 追記 ***


以前から実際に「ノート e-パワー」に試乗してみたいと思っていたところ、今日たまたま試乗する機会を得ました。
そこでその乗り心地ですが、一言で言えば期待外れでした。
思ったよりもガソリンのエンジン音が大きく聞こえ、運転した感じも普通のガソリン車とほとんど違いが分からず、加速力もそれほど感じられませんでした。
ですから、EVとは言うものの「リーフ」とは全く“別物”という印象でした。
しかし、こうした感想も100%バッテリーを動力源とする「リーフ」に慣れ親しんでしまったからだと納得しました。


いずれにしても「ノート e-パワー」に試乗した人が同時に「リーフ」にも試乗してみれば、その乗り心地や加速力の違いに驚くと思います。
ですから、日常的に運転する距離が100km前後以内で「ノート e-パワー」を購入するよりも50万円ほど資金に余裕があれば、「リーフ」をお勧めしたいと思います。
逆に、日常的に100km以上の長距離を運転する人には「ノート e-パワー」をお勧めします。


さて、「リーフ」にはAC100V(MAX100W)電源として使用出来るコンセントの設置がオプションとして用意されているのでスマホなどを充電したい時に便利です。
ですから、ひょっとしたら「ノート e-パワー」にも同様のオプションがあるのではないかと思い、日産の窓口に問い合わせてみたところ無いという返事でした。
これにはちょっとガッカリしてしまいました。
せっかくガソリンで発電しているのですから、災害などによる停電時、あるいはキャンプなどに出かけた際に、発電した電力を電源として使用出来るようなオプションがあればとても便利です。
このオプションはちょっとしたセールスポイントになりますから、なぜ無いのかとても不思議に思います。


 
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2017年01月08日
No.3594 ちょっと一休み その576 『遠方の銀河から謎の電波バースト!』

これまでも宇宙のどこかに人類と同じような文明を持つ生物が存在するのではないかという疑問を多くの方々が持たれていたと思います。

そうした中、新年早々、「謎の電波バースト、発生源は遠方の銀河 研究」というタイトル記事のネットニュース(フランス通信社=時事通信 1月5日付け配信)に目が留まりましたのでその一部をご紹介します。

 

宇宙のかなたから飛来する謎の電波の正確な発生源を初めて突き止めたとの研究結果が1月4日に発表されました。

「高速電波バースト(FRB)」と呼ばれるこの現象が発見されたのは、わずか10年前のことです。

 

英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された研究論文によると、2016年に米ニューメキシコ(New Mexico)州にある望遠鏡で観測されたFRBは、地球から約30億光年の距離にある小型の銀河(わい小銀河)から発せられた可能性が高いといいます。

 

人の目には見えないフラッシュ現象である高速電波バーストはほんの一瞬の現象ですが、1000分の1秒間に放射するエネルギー量は、太陽放射の1万年分に匹敵するといいます。

 

FRBは2007年以降に18回記録されていますが、2012年に米自治領プエルトリコ(Puerto Rico)にあるアレシボ天文台(Arecibo Observatory)で観測され、「FRB 121102」と命名された1例のみ、複数回の再発が確認されていました。

 

以上、記事の一部をご紹介してきました。

 

「高速電波バースト(FRB)」が複数回確認されたからと言って、高度文明が栄えている生命体の存在が明らかになったわけではありませんが、その可能性はゼロではありません。

今後とも望遠鏡などの天体観測技術の進歩により天体観測の精度はどんどん高まっていくと期待出来ます。

ですから、将来的には人類が何らかの地球外生命体と遭遇するチャンスが出てくると思います。

そうした時に人類はどのように対応すべきなのか、あるいは友好的な関係を築くことが出来るのかなどいろいろと考えてしまいます。

でも、人類が地球外生命体と戦争になったり、あるいは人類が支配されてしまうというような事態は避けて欲しいと思います。


 
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2017年01月07日
プロジェクト管理と日常生活 No.470 『今人類に課せられている6つの課題!』

2017年最初の「プロジェクト管理と日常生活」をテーマとしたブログを書くにあたって、今人類に課せられている課題について想いを巡らせてみたところ、以下の6つにまとまりました。

・豊かな暮らしの追求

・世界平和の維持

・有意義な経済活動

・地球温暖化の阻止

・地球環境の維持・保全

・有限な資源の有効利用、および代替資源への転換

 

プロジェクト管理における課題と同様に、この5つの課題を解決するためにはしっかりとした対応策が必要です。

そして、国際連合などの国際機関、各国、自治体、あるいは企業、個人の立場からそれぞれの持つべき役割があります。

ただし“金持ち喧嘩せず”という格言もあるように、世界中の人たちが心身ともに豊かな暮らしが出来ていれば、それそのものが戦争の抑止力となります。

また、有限な資源の中でも特に石油や石炭、天然ガスというエネルギー関連資源に代わる太陽光などによる再生可能エネルギーへの転換は地球温暖化の阻止につながります。

また、私たち一人一人があらゆる面で以前ご紹介したシェアリングエコノミーを活用していけば、その分出費が減り、省エネにもつながります。

そして、こうしたインフラを提供してくれるのは一般企業なのです。

そして、平和な環境は豊かな暮らしや活発な経済活動における大前提です。

このように、6つの課題は別個に対応しなくても一つの課題の解決が別の課題の解決にもつながるのです。

更に、これまで何度かお伝えしてきたように、今やどこの国も指導者が国民の声を全く無視して国の運営を続けることは不可能なのです。

 

ということで、国際機関、国、あるいは自治体に依存しなくても企業と私たち一人一人の意識が変われば、冒頭にお伝えした6つの課題は課題解決策などと形式ばらなくてもいずれ解決出来るのです。


 
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2017年01月06日
アイデアよもやま話 No.3593 世界的に期待される夢のエネルギー「試験管の中の太陽」!

11月9日付けのネットニュース(日経BPクリーンテック研究所発信)で夢のエネルギー「試験管の中の太陽」について取り上げていたのでご紹介します。

 

30年近く前に世界的に脚光を浴びつつ、いまだ日の目を見ない夢のエネルギー技術があります。

「凝縮系核反応」で、常温核融合とも呼ばれています。

常温から数百℃程度の環境で核融合を起こし、その際に発生する膨大なエネルギーを利用するという技術で、実現すれば長期間にわたって自律的に熱を発し続けるエネルギー源が手に入ることになります。

 

凝縮系核反応は、金属内のように原子や電子が多数、集積した状態で、元素が変換する現象です。

核融合によって放出される膨大なエネルギーを持続的に得ることができ、「試験管の中の太陽」とも呼ばれました。

基本的には水の電気分解と同じような簡単な装置で核融合を実現できるとされ、実用化できれば、今の社会のエネルギー事情が大きく変わる可能性を秘めています。

極端な例を挙げれば、燃料補給なしで走り続ける自動車が実現可能になります。

 

常温核融合の始まりは1989年3月、ユタ大学(アメリカ)で、2人の研究者が化学反応では説明出来ない「過剰熱」を観測したと発表し、世界的に脚光を浴びました。

日の目を見ていない理由として大きいのは、主要研究機関が否定的な姿勢をとったことです。

ユタ大学での報告を受け、各国で一斉に追試が行われたものの、米欧の主要研究機関は1989年末までに否定的な見解を発表しました。

日本でも経済産業省が立ち上げた検証プロジェクトの報告書で、1993年に「過剰熱を実証出来ない」との見解を示しました。

 

ただ可能性を信じる一部の研究者たちは、その後も研究を継続し、再現に成功する例が見られるようになってきました。

2010年頃からは、アメリカやイタリア、イスラエルなどに、エネルギー利用を目的としたベンチャー企業が次々と生まれています。

日本では凝縮系核反応、アメリカでは「低エネルギー核反応」という呼び名で、再評価する動きが出てきています。

 

以上、ネットニュースの内容の一部をご紹介してきました。

 

内容からすると「凝縮系核反応」(常温核融合)は実用化されればまさに夢のエネルギーと言えます。

しかし、冒頭でお伝えしたようにこの研究の発表当初には主要研究機関が否定的な見解を示しました。

このような既存の研究機関の反応はいつの時代も世の常であります。

それでも、技術の可能性を信じたごく一部の技術者、あるいはたった一人の技術者が実用化の目途がつくまで諦めずに研究を進めた結果が世の中に変化をもたらしているのです。

「凝縮系核反応」においても再現に成功する例が見られるようになってきたといいます。

そして、エネルギー利用を目的としたベンチャー企業が今も必死に取り組んでいるようです。

こうした中から、今年にでも実現の目途が確認出来るようになれば、世界的なエネルギー問題のみならず地球環境問題の解決の突破口として大いに期待出来ます。


 
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2017年01月05日
アイデアよもやま話 No.3592 2017年のヒット商品のキーワードは”手ぶら”!

昨年11月3日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で2017年のヒット商品のキーワードについて取り上げていたのでご紹介します。

 

日経トレンディが発表した2016年ヒット商品ランキングは以下の通りでした。

1位 ポケモンGO(スマホ向けゲームアプリ)

2位 君の名は(映画)

3位 iQOS(煙が出ない加熱式タバコ)

4位 インスタグラム(スマホから投稿できる写真共有サービス)

5位 メルカリ(主に個人間(CtoC)による物品の売買を行えるスマホ向けアプリ)

 

では2017年のヒット商品の予測ランキングはというと、以下の通りです。

1位 ノールックAI家電(音声認識によりAIで家電を操作)

2位 ソニー「エクスペリア イヤー」(マイク内蔵のイヤホンによりスマホを操作)

3位 自撮り用ドローン「ドビー」、メガネ装着カメラ「ブリンカム」(手ぶら撮影商品)

 

昨年はスマホ関連の商品がヒットした一方で、歩きスマホが問題になりました。

今年はこの問題に対応した商品が増えるといいます。

日経トレンディの編集長、伊藤 健さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「必ずしもスマートフォン(スマホ)を見ていなくてもネットにつないで情報を仕入れるとか、あるいはネット通販するとか、そういうサービスを受けられるシーンが増えてくるかなというふうに思います。」

 

2017年のヒット商品予測は既に商品化が決まっているものですから、これから楽しみなのはどんな商品が今は予測されていないけれども大ヒットするかです。

ちなみに、昨年大ヒットした「ポケモンGO」も「君の名は」も一昨年のこの時期には予測には入っていませんでした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず、2016年ヒット商品ランキングから言えることは、人はワクワクするもの、感動的なもの、あるいはこれまでない便利なものを求めているということです。

 

2017年のヒット商品予測については、確かに今年の年末にどのような結果になっているかは楽しみです。

しかし、伊藤さんのおっしゃるように、ヒット商品のキーワードの一つは”手ぶら”であることは間違いないと思います。

 

そこであらためて私たち一般生活者には日々の暮らしの中でどのような潜在的要求があるのかに思いを巡らしてみました。

すると、以下のような要件が浮かんできました。

・人とのコミュニケーションの延長線上

・高齢者など誰にも優しいシンプル操作

 

具体的に一般家庭での普段の暮らしをイメージしてみました。

例えば、お湯を沸かしたい時には、「お湯を沸かせて」と一言言えば、お湯が沸くと「お湯が沸きました」と言ってくれます。

また、お風呂に夜8時ごろに入りたいと思えば、「8時にお風呂に入りたい」と言えば8時には「お風呂の用意が出来ました」と言ってくれるのです。

こうした光景は、どちらが頼む側になっているかは別として夫婦間の普段の会話のやり取りそのものだと思います。

そしてもう一つ、バックグラウンドミュージックを聴きながら何かをしたい時に、「バックグラウンドミュージックを聴きたい」と言えばバックグラウンドミュージックが聞こえてくるのです。

 

こうしたあらゆる家電の操作が人とのコミュニケーションの延長線上で出来れば、高齢者など誰でも抵抗感なく受け入れることが出来ます。

そして、このような生活がスマホアプリにより現実のものとなりつつあります。

まさに“手ぶら”生活です。

しかし、人とのコミュニケーションの延長線上であることを突き詰めていくとスマホというかたちよりもアンドロイド(人型ロボット)とのコミュニケーションで、ちょっとした世間話も交わせるような関係が望まれるのです。

そして、このような方向性は既にソフトバンクの「ペッパー(Pepper)」などでどんどん進みつつあります。

 

このように見てくると、AI(人工知能)やロボット、IoT(モノのインターネット)などの技術の進化により“手ぶら”な暮らしはもう少しのところまで近づいてきているのです。


 
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2017年01月04日
アイデアよもやま話 No.3591 富裕層を取り込む関西百貨店!

昨年11月3日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「攻める関西百貨店」をテーマに取り上げていたのでご紹介します。

 

景気は回復傾向でもモノが売れない消費低迷が続く中、今関西の百貨店で高級品を扱う売り場が相次いでオープンしています。

大阪の2大繁華街の一つ、ミナミの玄関口にある大阪高島屋で昨年11月3日にオープンしたのは、国内最大級の売り場面積を誇る時計売り場、タカシマヤ ウォッチメゾン 大阪です。

国内外の有名ブランドは勿論、ここでしか買えない限定モデルなどおよそ3000点を取り揃えています。

日本初登場のスイスのブランド、アーミン・シュトロームの腕時計、スケルトン ピュア ウォーターは中の機構が透けて見えるのが特徴で、価格は500万円ほどです。

一方、同じスイスのブランド、フランク・ミュラーのダイヤを散りばめた腕時計、リシャール・ミルは9100万円近くと税込みでは1億円近くの価格です。

ブランドの平均価格が1500万円なので、その中では断トツの高額です。

更に高額なのはなんと3億6000万円ほどの腕時計、エテルニタス メガ4です。

この腕時計、それぞれの時計で最高峰と言われた機械式時計の機能が全て集約されているといいます。

理論上は、1000年に一度しか調整しないで済むような、そこまで計算された機能が組み込まれているというのです。

ちなみに、国内でも1点が売れているといいます。

 

こうした高級時計も取り揃えた専用の売り場を新たに設けた高島屋の亀岡 恒方常務は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「富裕層の方が高額品を求められる傾向は非常に高く、特に男性の方が時計は大好きです。」

「株価の上下によって買い入れ金額が変わることがございますけども、非常に安定した売り上げを取っていただいております。」

「富裕層の方は非常に限定商品ですとか希少性を求められる方が多ございます。」

「関西圏が主流になると思いますけど、西日本から幅広くお客様を集められる。」

 

高島屋が狙うのは富裕層、クレディ・スイスの調べでは1億円以上の資産を持つ富裕層は2015年時点で215万人、更に2020年には7割増え、359万人になると予測されています。

今後も増えると見られる富裕層に手に取って見られる商品を用意し、来店を促します。

高島屋はこの売り場で年間60億円の売り上げを目標にしています。

なお、こちらの時計売り場ではオープン初日だけで1億8000万円を売り上げたといます。

 

一方、阪急うめだ本店(大阪・北区)でも富裕層を狙う店づくりを進めています。

昨年9月にオープンした高級ドレスの専門店、ドレスギャラリーでは1点10万円台〜200万円台まで26のブランドでおよそ200点のドレスを取り扱っています。

勿論ドレスは試着可能で、およそ30屬△襭孱稗丱襦璽爐發海舛蕕量楸未琉譴弔任后

そして、この店にはもう一つ大きな特徴があります。

試着したドレスに合うシューズとバッグは勿論アクセサリーも一緒に提案し、トータルコーディネートでの販売を狙います。

ジュエリーとセットで楽しめるドレスをじっくり選べるお店が今まで関西にはなかったので、西日本エリアからわざわざ東京に行ってドレスを買う富裕層が多かったというのです。

百貨店側が様々なブランドから魅力的な商品をセレクトすることで西日本全域の富裕層を取り込みたい考えです。

 

また昨年11月3日、京都・祇園に店を構えたのは大丸京都店です。

伝統的な町家を改装して誘致したのはフランスの高級ブランド、エルメスです。

京都の呉服商から始まり、今年で300周年を迎える大丸、創業の地で高級ブランドと組む狙いは、エルメスは世界的なブランドであり、文化や伝統の面で京都ならではの百貨店として表現したいところにあります。

 

こうした状況について、番組コメンテーターで日本総研の理事長、高橋 進さんは次のようにコメントされております。

「(なぜ今関西の百貨店が富裕層向けの売り場を拡大しているのかという問いに対して、)一つは富裕層を東京に取られていたのでそれを取り戻したい、もう一つは2011年以降に閉店した主な百貨店が西日本で多いので、そういうところで買い物していた富裕層が買える場所がなくなってしまったと。」

「だから、それを大阪で取り込むという話じゃないですかね。」

「(ターゲットを富裕層に絞る意味について、)ある社長の方がおっしゃっていましたけど、百貨店業界って衰退の四半世紀だと。」

「つまり、ずっと売り上げが減ってきているわけですよね。」

「そういう中でビジネスモデルを変えないともうやっていけないと。」

「で、狙ったのが富裕層だと思うんですよね。」

「元々百貨店て呉服店から始まって元々富裕層を相手にしていた業界なので富裕層は割と取り込みやすいと。」

「その一方で、扱っていたのが呉服から始まっていますから中心はアパレルだったんですよね。」

「その分野ってもう差別化出来なくなってしまっていると。」

「生き残りのために差別化しようとすれば富裕層だと。」

「で、富裕層は1点買いじゃなくて沢山買いますから客単価も上がる、それからデパートにとってはeコマース、ネット販売は一つの敵なんですけども、例えばデパートでネット販売で超高級旅行商品なんかを売ってもいいですよね。」

「あるいは、孫を含めた家族関連商品はすごく富裕層は多いので、関連商品が広がるということも期待出来る。」

「ただ、私はこういう高級路線で行けるのは、東京と大阪の超一等地にあるデパートだと思うんですね。」

「ですからこれから先、日本全体にあるデパートがはたして同じ路線で行けるかどうかと。」

「やっぱり百貨店業界が売上を増やそうとすれば、6兆円ぐらいの売上があるわけですから、これを広げようとすれば中間層をどうもう一回開拓し直すか、そこのビジネスモデルがやっぱり必要だと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

それにしても、3億6000万円ほどの機械式の腕時計があるという事実には驚きです。

しかも、理論上は1000年に一度しか調整しないで済むというのですから、その技術力にはビックリです。

こうした時計を完成させるためにはどれほどの数の技術者がどれほどの期間をかけているのかとても興味が湧きます。

 

さて、格差社会と言われるように今や中間層が減って富裕層と低所得層との2極分化が進んでいます。

こうした状況からすれば、当然従来型のデパートの購入客は減りますから、手をこまねいていてはどんどん売上は減り続けます。

しかし、一方でクレディ・スイスの調べでは富裕層は2015年から2020年かけて7割増えると予測されているのです。

ですから、デパートが富裕層に狙いを定めて富裕層好みの商品を提供するという方向性は極めて妥当だと思います。

しかし、それでも中間層の減少により全体的な売り上げは減少していきます。

そうした中で、高橋さんのご指摘のとおり、デパートが全体的な売り上げを増やすためには中間層や低所得層にとっても魅力的な店づくりが必要です。

その場合の要件としては、一言でいえばeコマースや量販店にはないデパートの魅力をいかに生み出すかにあると思います。

少なくとも、デパートにはeコマースや量販店にはない華やかさがあります。

こうしたデパート独自の良さを徹底的に追求したビジネスモデルが確立出来れば、私たち一般生活者は生活の幅の広がりを提供してもらえることにつながるのです。


 
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2017年01月03日
アイデアよもやま話 No.3590 日本が開発した夢の金属“コバリオン”!

昨年11月2日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で日本が開発した夢の金属について取り上げていたのでご紹介します。

 

日本で開発された非常に高い強度を誇る金属、それがコバリオンです。

コバリオンはプラチナ並みの輝きを持ち、ステンレス製のナイフに比べ強度は2倍、しかもほとんど錆びないといいます。

金属アレルギーを引き起こすニッケルをほとんど含まないということから医療現場だけでなくアクセサリーの素材としても注目されています。

しかし、世界での認知度はまだまだ低く、製造する中小企業は新たな販路を開拓しようと動き出しています。

 

イギリスの西側に位置するアイルランド、そこにゴールウェイという港町があります。

近海で獲れるカキが地元の名産品です。

昨年9月24日、町で開かれていたのは世界カキむき世界選手権です。

30個のカキの殻をナイフを使っていかに速くむけるかを競い合います。

日本を含む世界20ヵ国からレストランのシェフなどが参加しました。

昨年の優勝者はスウェーデンのシェフ、優勝賞品として贈られたのは日本製のカキむきナイフです。

このナイフ、コバリオンでできています。

会場で行われたデモンストレーションでも注目を集めていました。

このナイフの製造を手掛けている株式会社エイワ(岩手県釜石市)ではこのナイフのPRをするため優勝賞品として採用してもらえるよう売り込んでいたのです。

すると次々と注文が舞い込んできました。

 

実は、このコバリオンという金属を元々開発したのは東北大学金属研究所(仙台市青葉区)の千葉 晶彦教授です。

これまで人工関節などに使われてきた金属には加工しやすくするためニッケルが入っていました。

しかし、千葉教授はニッケルアレルギーに苦しむ人を救うため新たな金属を作ろうと思い立ちました。

そしておよそ10年の試行錯誤を経てニッケルに代わり窒素を入れたコバリオンという新しい金属を生み出したのです。

その製造を株式会社エイワが担ったのです。

 

今では東京・銀座のジュエリーショップ、京セラ クレサンベール銀座店でアクセサリーとしても販売されています。

こちらのショップ店長の竹内 桂一郎さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「どうしてもニッケルアレルギーの方はお付けになっていてかゆくなってきてしまうということがあるんですけど、そういった反応が全くないというふうに伺っております。」

 

プラチナに比べて価格が割安なうえ、アレルギーの原因となるニッケルをほとんど含んでいないことから売れ行きは上々だといいます。

エイワの佐々木 雄大常務は、コバリオンを海外に売り込もうと自らヨーロッパの地に乗り込んでいたのです。

佐々木さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「うち(の会社)は岩手の釜石という東京からかけ離れた所で商売しているんで、海外に展開をやっていかないと駄目なんじゃないかなと思っています。」

 

佐々木さんは次にイギリスのロンドンにやって来ました。

出迎えた男性は、有名ファッション・デザイナーのポール・コステロさん、かつてダイアナ妃の衣装を数多く手がけたことでも知られています。

昨年9月16日に開かれたロンドンのファッションショーでも自らのブランド、ポール・コステロは大きな注目を集めました。

佐々木さんは有名デザイナーのコステロさんに認めてもらうことでコバリオンの知名度を高めようとしていたのです。

 

コバリオンにニッケルが含まれていないことも高評価です。

商談は順調のように見えましたが、穴の開いた指輪のデザインにしたいという要望がコステロさんから出されました。

これを聞いた佐々木さん、表情が険しくなりました。

コバリオンは強度のある金属なので穴を開けるのに時間がかかるため量産化が難しく、また開けた穴を磨き上げることも技術的に非常に難しかったのです。

硬いというコバリオンの強みが裏目に出たのです。

佐々木さんが諦めかけたその時、なんとコステロさんは技術的な困難に理解を示し、穴のないデザインに修正してくれたのです。

こうしてコバリオンリングは今年3月にコステロブランドとして発売されることになったのです。

コバリオンについて、コステロさんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「この重厚感がいい。」

「確かにコバリオンは硬い金属だが、非常に手触りが良い。」

「まだ課題はあるが、今日の結果にはとても満足している。」

 

一方、佐々木さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今回のこの件から世界への一歩につながっていければ本当に「コバリオンを世界に出していきたい」という想いが更に強くなったという感じはあります。」

 

番組コメンテーターで経営供創基盤CEOの冨山 和彦さんは、次のようにおっしゃっています。

「東京を経由しないで一気に行っちゃっているところがいいですよね。」

「東京を経由する意味ないですから。」

「だって東京なんて世界からみたらちっちゃいマーケットですからね。」

「面倒くさくなく、いきなり行っちゃえばいいんです。」

「だって今ネットの時代だしね。」

「飛行機でパッと飛んでいけるんだから。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したエイワに限らず、日本には素晴らしい製品を開発した中小企業が沢山あると思います。

しかし、販売力の弱さから中々国内での販路開拓が思うように進まずに悩んでおられる企業があると思います。

そうした時に、冨山さんのおっしゃるように国内に限らず海外に販路を求めて突破口とするという戦略もあります。

また、昨年のピコ太郎さんのあっという間の大ブレイクにもあるように、今やネットを通じて良いにつけ悪いにつけ、人々の興味を引きつけるような情報は短期間のうちに拡散していく時代になっているのです。

ですから、商品やサービスの価値を最大限にアピールするためのネット活用戦略も無視出来ません。

 

いずれにしても、コバリオンのような従来に比べて低価格で強度があり、しかも健康的にも優しい金属が普及することこそ、私たち一般ユーザーにとってメリットがあるのです。

ということで、金属に限らず優れた製品が少しでも世の中に浸透していけるような仕組みや環境であって欲しいと思うのです。


 
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2017年01月02日
アイデアよもやま話 No.3589 核兵器の使い道の試案!

前回、「核廃絶」に向けた国際的な動きが高まりを見せている一方で、アメリカのトランプ次期大統領、およびロシアのプーチン大統領が共に核能力の増強に言及したとお伝えしました。

世界中の多くの人たちは「核廃絶」に総論としては賛成していると思います。

しかし、現実にはその実現への歩みは遅々として進まないどころが、国の指導者の意向によって逆行の気配すら感じられます。

 

そこで、今回は現実的な視点に立って、核兵器の使い道について考えてみました。

そもそも核兵器の存在意義とは、国の防衛力、および攻撃力の大きな柱です。

核兵器を保有することによって、敵国による攻撃の抑止力となり、いざ戦争開始後には大量破壊兵器として自国の兵隊の損害を最小限に食い止めたうえで短期間のうちに敵国に致命的な打撃を与え、戦争を早期に終結させることが出来るというわけです。

現実に、ロシアのプーチン大統領は、クリミア併合から1年経った後もクリミアに核爆撃機の配備を検討すると公言して世界に衝撃を与えていました。

こうした考え方は一見現実的だとも思えますが、万一核保有国同士での戦争になってしまった場合、核兵器の使用により双方に致命的な損害を与えてしまうことになります。

 

こうした状況から言えることは、「核廃絶」こそが戦争に起因する人類滅亡のリスク対応策として相応しいのです。

しかし、もし「核廃絶」が国際条約で現実のものとなったとしても、北朝鮮のようにそれを無視して核兵器の開発を進めてしまう国が出てくる可能性があります。

そして、自国で核兵器を使わないまでも、テロ組織や他国に売り渡してしまう可能性もあります。

あるいは、IS(イスラム国)などのテロ組織も核兵器を密造する可能性もゼロとは言えません。

更に、遠い将来には人類が地球外生命体による侵略の脅威にさらされる可能性もゼロとは言えません。

長い目で見れば、人類存続のためにはこうした脅威への対応策も不可欠です。

 

ではこうした状況を踏まえて、大量に存在する核兵器の扱いはどうすべきなのでしょうか。

私の試案は、条件付きの「核廃絶」です。

核保有国で保有している核兵器は全て国際機関(国連の下部機関など)による管理下とし、必要最小限の核兵器を残し、その他は全て廃棄するのです。

現在のように、アメリカやロシアを始めとして核保有国が核兵器を温存した状態で、北朝鮮などに核兵器の開発を止めろと説いてもあまり説得力を持たないからです。

そして、闇で核兵器を開発する動きに対しては厳しい監視の目を絶やすことなく続けるのです。

同時に、残された核兵器はこうした核開発を進める国に対しての戦争の抑止力とします。

また、将来的に万一地球外生命体による侵略があった場合には、残された核兵器で対抗するというシナリオです。

いかがでしょうか。


 
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2017年01月01日
No.3588 ちょっと一休み その575 『人間は邪悪な存在であるとカントは説くが・・・』

このブログをご覧の皆さま、明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

このブログをご覧になることによって、何らかのかたちで少しでも皆様のお役に立てればという想いで、私自身が日々興味を持ったこと、あるいは思っていること、感じていることをまとめて公開しております。

 

さて、プロジェクト管理と日常生活 No.460 『カントの著作に見る戦争勃発のリスク対応策 その1 人間は邪悪な存在である!』から4回にわたってお伝えしたように、18世紀のヨーロッパを代表するドイツの哲学者、イマヌエル・カント(1724-1804)は、人間は自分の利益ばかり考えるような邪悪な存在であるが、邪悪な人間だからこそ恒久平和を導くことが出来ると説いていました。

カントは、永遠平和を実現するには人間愛よりも法に対する尊厳が大切であると考えているのです。

カントの生きた時代、人間の本質を善と捉える理想論は平和を構築するためには無力でした。

平和のためには、理想を超えた哲学が不可欠だと考えるのです。

 

しかし、現実には非暴力主義者として有名なインドのガンジーや貧しい人々のために生涯をささげたマザー・テレサ―など、邪悪な存在の対極とも言えるような人生を送った方々も世界には沢山おられます。

そして、こうした方々の生き方は世界中の多くの人たちに大きな影響を与えています。

 

ですから、カントのような偉大な哲学者に逆らうつもりは毛頭ありませんが、人には邪悪な面と無私で他人のために尽くそうとする献身的な面との二面性があると思うのです。

また、人に献身的な面が全くなければ人類はここまで生存してくることは無かったと思うのです。

このように考えを進めていくと、人には個としての生存本能と人類という種としての生存本能があるように思えてきます。

そして、時にはこの2つの本能は対立することがありますが、人類全体の総和としては常に種としての本能が個としての本能に勝るのでこれまで生存出来てきたと思います。

 

しかし、人類は不幸にも国としての生存本能から核兵器という大量破壊兵器を自らの手で作り上げてしまいました。

そして、今や広島や長崎に投下された原爆に比べて格段に破壊力が強化された核兵器が核保有国によって沢山装備されているのです。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.391 『核兵器禁止条約は人類存続の究極のリスク対応策』

このことが人類生存の前提条件を大きく変えてしまったのです。

核兵器の誕生までは、たとえ戦争が起きても人類の生存を脅かすほどの影響はありませんでした。

ところが今や核兵器保有国同士が戦争を始めると、お互いの国民が立ち直れないほどの大打撃を受けてしまうような状況に人類は置かれているのです。

更に、お互いの同盟国が参戦すれば、更にその被害は大きくなってしまいます。

ですから、核保有国のトップが何らかの理由により核兵器を使用してしまうと、人類滅亡が現実のものとなりかねないのです。

ちなみに、アメリカ、ロシアの2ヵ国だけで世界の核弾道数の90%以上を保有しているといいます。

こうしたリスクを無くすために、現在「核廃絶」、すなわち核兵器の全世界的な廃止を目的とした国際的な動きが高まりを見せております。(参照:No.3534 ちょっと一休み その566 『画期的な核兵器禁止条約が賛成多数で採択されたが・・・』

 

ところが昨年12月23日付けCNNのネットニュースでは、以下のようなとても衝撃的な内容を伝えていました。

アメリカのトランプ次期大統領は12月22日、アメリカの核能力の「強化と拡大」に目を向けると発言し、これに先立ちロシアのプーチン大統領も核戦力を増強すると言明したというのです。

 

今後とも人類の存続をより確かなものにしておくために、核兵器などの大量破壊兵器の廃絶を実現しなければならないのです。

同時に、人類という種に属する私たち一人一人が常に個の幸福と同時に種としての幸福を願うことによって、より豊かな種の社会が作られていくのです。

 

ここで救いなのは、いかなる国の指導者も国民の声を無視することは出来ないという現実です。

アメリカの次期大統領、トランプさんも“ポピュリズム(大衆迎合主義)”を背景に先の大統領選に勝利しました。

要するに、アメリカの有権者の半数以上の国民の声に応えて期待を持たせたからトランプさんは勝利出来たのです。

 

このように考えると、カントの唱えていることの凄みが感じられてきます。

いかなる国においても、国民の多くが徹底して合理的に物事を判断する能力、すなわち知性を持つことによって、邪悪な指導者と言えども指導者の地位を維持するために知性を働かせれば国民の声を無視することは出来ず、自ずとあるべき政治の道を歩まざるを得なくなるのです。

 

私たち一人ひとりは邪悪な面と献身的な面とを兼ね備えていますが、いずれにしても私たち一人ひとりの知性のレベルがそれぞれの属する国の政治や経済のレベルに反映されるということを認識することこそが“世界平和”や“人類全体の豊かさ”に向けて歩む第一歩であるということに思い至りました。


 
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2016年12月31日
プロジェクト管理と日常生活 No.469 『どこでも速度取り締まり可能な小型計測装置の初の本格導入!』

私も一般ドライバーの一人ですが、全く実害のないような一時停止違反で反則切符を切られた際には、理不尽さを感じたことがあります。

しかし、後で冷静に考えれば普段のしっかりとした運転時の一時停止の習慣が事故防止につながるのだと思い直し、それ以降はきちんとした一時停止を強く意識するようになりました。

 

一方、高速道路や自動車専用道路で明らかに100kmオーバーで飛ばしている車や一般道で歩行者が横断歩道を歩いているのにそれほどスピードゆるめずに進んできて、歩行者に恐怖感を与えている車をたまに見かけることがあります。

こうした車を見かけるたびに、こうしたドライバーは常習者できっといつか事故を起こしたり、違反切符を切られるだろうと思っています。

また、交通安全週間などの取り締まりでたまたまちょっとした違反で反則切符を切られるドライバーがいる一方で、常習的な違反者が運よく捕まらないでいるという状況にも割り切れなさを感じてしまいます。

 

さて、こうした状況の中、10月24日(月)の時事通信のネット配信記事で、スピード違反の取り締まりを街中の生活道路などどこでも行えるようにするため、愛知県警が今年度中にも小型の自動速度計測装置の運用を始めるという内容の記事を見かけたのでご紹介します。

 

埼玉県などでは既に試験運用が始まっていますが、本格導入は初めてといいます。

子どもたちの通学路を中心に、歩行者を危険にさらす乱暴な運転に目を光らせるのが狙いです。

住宅地の生活道路で、幹線の抜け道に使われる場所では速度超過など荒い運転が目立つといいます。

愛知県警交通指導課によると、以前から通学路などで取り締まりの強化を求める声が上がっていました。

 

新たに導入する装置は縦と奥行きが50cm、横26cmと小型で重量約25kgです。

三脚を立て、狭い場所でも設置出来ます。

速度超過を感知すると自動的にシャッターを切り、車のナンバーを記録します。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

現在は、交通違反を取り締まる側の警察の人数的な制約もあって、たまたま警察車両が見かけた違反車が捕まる状態ですが、こうした装置があれば全ての車両を対象に違反取り締りが可能になります。

 

記事によれば、速度超過を感知すると車のナンバーを記録するとありますが、その後の処理が気になります。

そこで、その後の処理、すなわち交通事故発生の将来的なリスク対応策について以下にまとめてみました。

ここでいうところの将来的なリスク対応策とは、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の関連技術を活用した対応策を指します。

・速度超過をした車のナンバーから該当の車を割り出し、車のカーナビのディスプレイに速度をゆるめるように警告を表示する

・度重なる速度超過の車のドライバーには違反切符を切る

 

さて、ここまで書いてきて、やはりこうしたリスク対応策の最後の砦は人にぶつからないような自動衝突防止装置を全ての車に配備することを法律で義務付けることだと思い至りました。

そういう意味で、ここまで自動車メーカーの自動衝突防止技術が進歩してきているのに政府が標準装備の義務化に対して前向きな対応をしている様子が感じられない状況には疑問を感じてしまいます。


 
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2016年12月30日
アイデアよもやま話 No.3587 AIの活用事例(2) その5 AIのスポーツへの活用!

10月11日(火)放送の朝のニュース番組(NHK総合テレビ)でAIのスポーツへの活用について取り上げていたのでご紹介します。

 

膨大なデータ(ビッグデータ)を活用し、新たな戦略や選手育成法を生み出すシステムが次々と開発されようとしています。

リオデジャネイロオリンピックで過去最多41個のメダルを獲得した日本、2020年東京オリンピックで更なる活躍を目指し、日本の企業や大学ではAI(人工知能)を駆使した様々な研究が進められています。

 

プロ野球界で試合の進行に合わせリアルタイムでデータ収集を行う会社があります。

一球ごとに入力する情報は球のコースや球速、更にバッターがどのように反応したかまで10種類以上に上ります。

ここでは過去10年、プロ野球の全試合のデータを詳細に記録しています。

これまではこのデータをプロ野球チームに提供、戦術面のバックアップをしてきました。

野球がオリンピック競技に復活した今、新たなプロジェクトに取り組んでいます。

ソフトウェア会社と組み、膨大なデータをAIを使って解析、人間では発見の難しい選手の癖などを見抜き、戦術に生かす新システムを4年後を見据え、開発しようとしています。

 

開発中のシステムでは、一球ごとの打撃の結果を予測します。

これまでこの会社が提供してきたデータでは、守備に就くチームはカウントごとの打率など様々なデータを頭に入れ、戦術を練ってきました。

これに対し、AIを使った新システムは無数にある可能性を全て計算し、ホームラン、ヒット、あるいは凡退する確率などまで予測してくれるのです。

更に、予測は刻々と変化する試合状況にも対応しています。

こうした分析結果を知ることで、バッテリーは新たな戦術を練ることが出来るのです。

データ分析会社のアナリスト、金澤 慧さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「野球は30秒ごとに場面がどんどん移り変わる。」

「ストライクが入ったり、ボールになったり。」

「人間の力では及ばない量のデータを処理して、より正確な分析をすることが可能かもしれないですね。」

 

これまでのデータ分析では見つけることの難しかったバッターの癖も見えてきました。

例えば、ある選手が次の1球にバットを振るかどうか、AIは250もの要因を影響が大きい順に並べ替えます。

この選手の場合、1球前高めに投げられると振る気持ちが強くなる、負けている時には同じ球でも振り易くなるといった心理面ともとれる要因が強く影響していることが分かったのです。

 

このシステムはまだ実証中ですが、この会社ではAIが野球のあり方を変えると見ています。

金澤さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「“ちょっとその視点なかったな”って思うようなものかもしれないですね。」

「野球界、せっかくオリンピックに復活していって、そこで勝つ、強いということが大事だと思うので、そういったところに何かしら貢献出来ていくといいのかなっていう・・・」

 

こうしたAIのスポーツへの応用は、バレーボールや体操など野球以外の競技でも研究が進められています。

AIはトップアスリートのケガの予防にも応用されようとしています。

陸上短距離の江里口 匡史選手(27歳)は、23歳で臨んだロンドンオリンピックの男子400mリレーで4位の入賞に貢献しました。

しかし去年2月、江里口選手はオーバーワークが原因で足首の疲労骨折を経験しました。

現在は北京オリンピックのメダリスト、朝原 宜治コーチと共に東京オリンピックを見据え、本格的な競技復帰を目指しています。

江里口選手は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「骨が治ってはきているんですけども、それ以外の足の総合的な部分がうまくマッチせず、いろんなところでいろんな痛みが出て・・・」

 

再起に向けて今参加しているのがAIを活用した新たなシステムづくりです。

台から飛び降り、衝撃を身体でどう吸収するのかなどを計測、データを蓄積していきます。

このデータをもとにケガの予兆をつかむシステムを開発しているのが大阪大学です。

飛び降りた衝撃を足首やひざなどどの部分で吸収しているのか、更には着地の瞬間から揺れが収まるまでの身体のバランスなど400に上るデータを収集、膨大なデータの関連性をAIに計算させ、ケガに共通する特徴を導き出します。

大阪大学大学院の助教、小笠原 一生さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「人が見えないところを見せてくれるというような働きをAIがしてくれることを期待しています。」

 

実際にハンドボール選手でデータを集め、誰がひざのケガをし易いか予測しました。

ハンドボールにはジャンプしてのシュートや急な方向転換など陸上競技やサッカーなどにも共通する足の動きが含まれています。

このため、蓄積したデータは他の競技にも応用出来ます。

これまでケガのリスクの研究はひざや股関節など特定の部位が注目されてきました。

ところがAIの開発で上半身も含め、全身のバランスが取れているかどうかが重要だと分かったのです。

ハンドボールチーム22人分の解析結果では、ケガのリスクが低い選手がグラフの真ん中の線よりも上部に点在し、過去にケガをした2人の選手は真ん中よりも下部に点在しています。

AIはケガをした選手と同じ特徴を持つ選手が他に2人いるのを見つけ出しました。

実際に、その後2人ともケガをしました。

小笠原さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ケガのリスクを抱えている人に対して、しっかりとしたアラート(注意喚起)を出せるようなシステムに育てていきたいと考えています。」

 

再起に向け、競技に取り組む江里口選手は、今後疲労骨折に影響する要因が分かればケガを防ぎながらトレーニングの強度を高められると考えています。

江里口選手は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「日本のトップにもう一度なって世界で戦う身体を作っていかなければいけないので、自分の身体の状態を自分自身が確認するための1つとしてしっかりと提示してもらえると非常にありがたい存在だなと思います。」

 

コーチの朝原さんも感覚に頼ってきた指導法が変わるかもしれないと期待しており、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今は直感であったり、経験であったり、センスであったりで采配しているんですけど、それがある程度個人にあった方向性を示してくれるのであれば、スポーツの世界とかトレーニングの世界が変わってくるとは思います。」

 

既に海外でもプロバスケットボールやセーリングなどの競技でAIを活用し、選手の強化や新たな戦術づくりなどにつなげようとする動きが始まっています。

4年後の東京でAIがどんなスポーツのかたちを生み出しているのか期待が高まります。

 

ケガの予測システムを開発している大阪大学によると、今はスポーツ選手を対象としていますが、将来的には高齢者やこれから本格的に競技を始める子どもたちへのケガ予防に応用したいということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず始めに、冒頭でご紹介したプロ野球界で試合の進行に合わせリアルタイムでデータ収集を行う会社とは、ネット検索したところデータスタジアム株式会社のことのようです。

こちらでは社内に蓄積してきた膨大なデータをビジュアルに表現するツールとしてJMPを導入しています。

ちなみに、JMPとはデータ分析ソフトウェアで、世界中の数多くの科学者やエンジニア、データアナリストに選ばれており、ユーザーはその優れた統計・分析能力を活用し、予想もしえなかった発見をしているといいます。

こうしたAIによる分析結果の活用は、これまでにない奥の深い采配をもたらすと大いに期待出来ます。

また、プロ野球の観戦者にとってもこれまで見えなかったプロ野球の楽しみ方が出来ると期待出来ます。

こうしたサービスの登場によって、プロ野球チームは共に増々頭脳戦の流れを加速していくと思われます。

 

一方、大阪大学で開発中のAIを活用したケガの予測システムは、様々な種目のスポーツ選手にとってとてもありがたい存在になると思われます。

これまでは練習量を増やすことこそが大会でのメダル獲得への道というのが一般的な理解だったと思います。

しかし、実際には練習のやり過ぎで身体の故障を招くといった逆効果をもたらしてしまう事例をこれまで少なからず耳にしてきました。

こうしたスポーツ選手のケガの予測がAIの活用によって出来るようになれば、様々なデータに基づいたケガをしないような効果的な練習方法への改善に大いに役立ちます。

 

既に海外のスポーツ界でもいくつかの競技でAIを活用し、選手の強化や新たな戦術づくりなどにつなげようとする動きが始まっているというのですから、東京オリンピックを待たずに、これまでとは次元の違うレベルでの効果的、かつ効率的トレーニングが始まりつつあるのです。

 

ということで、これからのスポーツ界がAIの活用によりどのように進化していくかとても楽しみです。

 

なお、ケガの予測システムを開発している大阪大学による、高齢者やこれから本格的に競技を始める子どもたちへのケガの予防への応用についても、高齢者が少しでも元気な暮らしを送れるために、また子どもたちがケガをせずにスポーツに楽しく取り組めるためにも是非積極的に進めていただきたいと思います。


 
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2016年12月29日
アイデアよもやま話 No.3586 AIの活用事例(2) その4 AIで個人向け融資サービスを提供!

9月15日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIによる個人向け融資サービスについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ソフトバンクとみずほ銀行は、AI(人工知能)を活用した個人向け融資サービスを提供する共同出資会社を11月に設立すると発表しました。

携帯料金の支払い情報や銀行の利用状況などビッグデータをもとにAIが審査することでこれまでより貸出対象者の幅が広がるといいます。

専用のスマホ用アプリに情報を入力することで借入限度額などが決定するこのサービス、2017年に事業の開始を目指しています。

 

今回の件について、ソフトバンクグループの孫 正義社長は会見の場で次のようにおっしゃっています。

「異次元の新しい時代のフィンテックと呼べるビジネスモデルをこれから展開出来るのではないかと・・・」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

個人資産の状況に応じて銀行などの金融機関が個人に貸し付けするための信用審査をすること自体は極めて妥当だと思います。

特に、これまで貸してもらいたくても貸してもらえなかった人たちが貸してもらえるようになれば結構なことです。

しかし、一方でこうした個人情報が金融機関などに全て把握されてしまう事態は不安を感じてしまいます。

万一、こうした個人情報がハッカーなどによって盗まれてしまうとどこまでの範囲で悪用されてしまうか、その影響は計り知れません。

まさに、便利なツールは常にリスクを伴うものなのです。

ですから、今回ご紹介したサービスに限らず、個人情報を保管している企業には個人情報の万全な保護対策、および万一社外に個人情報が漏れてしまった場合の対策、すなわちコンティンジェンシープランについてもしっかりと検討していただきたいと思います。


 
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2016年12月28日
アイデアよもやま話 No.3585 AIの活用事例(2) その3 AIで顧客満足度を計測!

最近、AI(人工知能)の活用事例が次々に報道されています。

そこで、AIの活動事例の第2弾として5回にわたってご紹介します。

3回目は、AIによる顧客満足度の計測についてです。

 

11月27日(日)放送のニュース(NHK総合テレビ)でAIによる顧客満足度の計測について取り上げていたのでご紹介します。

 

車の自動運転技術や医療の現場、更にプロ棋士と囲碁の対戦をしたり、受験に挑んだり、いずれも使用されているのはAIです。

そのAIは実用化が急速に進んでいて、大手メーカーなどは顧客満足度を高めるための取り組みに導入しています。

 

大手電機メーカー、富士通のコールセンター(川崎市中原区)では、顧客満足度を把握するAIを導入し、日々の業務の改善につなげています。

AIは電話口の顧客の声の高さや明るさ、それに特徴が出やすい話し始めなどの話し方を分析、その結果を100点満点で採点します。

例えば、AIが顧客の声を明るいと判定すると高い点数が出ますが、低い声や不満感情を帯びた声だと低い点数になります。

ある女性オペレーターは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「お客様がどのようなポイントで満足度が上がったのか下がったのか、それが“見える化”出来たことが非常に大きいかなと。」

 

今後は、銀行の窓口業務などでの活用も検討するといいます。

富士通研究所の主任研究員、大谷 猛さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「人間が感じるのと違う結果が出てしまうとか、そういった精度の問題はこれから精度を高めていかないといけない。」

 

なお、AIは大型の商業施設でも活用されています。

専用のアプリをダウンロードしたスマホでレストランの日本語メニューを撮影すると、料理名や食材などの情報が英語・中国語・韓国語の3ヵ国語で表示されます。

東芝の商品開発部、主幹の梅木 秀雄さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「翻訳だけでなく知識を含めてご提供することが“おもてなし”には必要かなと。」

「その中でAIを使って学習ももっと効率よくやろうと思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した富士通のコールセンターにおける顧客満足度を把握するAIの導入に関しては、顧客の声の表情を通しての顧客満足度の評価と同時にオペレーターの声の表情や対応の仕方と顧客満足度との相関関係も把握すれば、更にコールセンターのサービス向上に役立つと思います。

こうした流れの先には、コールセンターのオペレーター業務も全てAIに置き換わる時代の到来が見えてきます。

 

また、AIの大型の商業施設での活用に関しては、メニューの単なる翻訳だけでなく食材などの関連知識を含めて情報提供するという観点ではAIはとても有効なツールになると思われます。

しかし、スマホでこうしたサービスを受けるだけではあまり面白みを感じません。

そこで、アンドロイド(人型ロボット)などのロボットにこうしたAIを搭載することでちょっとした世間話などのコミュニケーションも出来るようになりますから将来的にはアンドロイドがこうしたサービスに使えわれるのではないかと思います。


 
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2016年12月27日
アイデアよもやま話 No.3584 AIの活用事例(2) その2 AIで社員の動きを全て分析!

最近、AI(人工知能)の活用事例が次々に報道されています。

そこで、AIの活動事例の第2弾として5回にわたってご紹介します。

2回目は、AIによる社員の動きの分析についてです。

 

9月11日(日)放送のニュース(NHK総合テレビ)でAIによる社員の動きの分析について取り上げていたのでご紹介します。

 

勤務先で行っているデスクワークや上司への報告、部下への指示、会議など、従業員の職場での1日の動きをAIが全て分析、そしてもっと同僚に話しかけた方が良いなどのアドバイスが送られてくる、こうした動きが企業の間で広がっています。

 

日立製作所(東京都港区)では600人の営業社員を対象に職場のコミュニケーションを改善するための実証実験が行われています。

社員が社員証に加えてもう一つぶら下げているのが組織の活性度を測るセンサーです。

就業中常に身に付ける名札型のウエアラブル端末は2種類のセンサーを内蔵しています。

一つのセンサーは他の社員と近づいているかどうかを検知、もう一つのセンサーは会話をする時などの細かな揺れを検知し、データはAIに送られます。

AIは得られたデータからいつ誰と会話したか、どれくらいの時間、机に向かっていたか

など、社員の一日の動きを全て分析し、その結果からアドバイスを社員のスマホに送る仕組みです。

 

例えば、デスクワークが1日平均5.5時間で、コミュニケーションが0.7時間だった場合、AIからは「同僚や先輩に相談してみましょう」といったアドバイスが送られてきます。

このシステムについて、ある男性社員は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「第三者的な視点で行動をこうした方がいいよ、とか働き方をこう変えてみたらいいんじゃないかというようなアドバイスをもらえると自分自身もっと成長出来るかなと。」

 

一方、採用試験をする際、書類選考を手助けするAIも開発されました。

人事部が新卒採用で使うものを想定したAIは、過去に提出された履歴書の内容と採用試験の結果をあらかじめ学習、人事担当者が職種などを選択するとAIがその職種に相応しいと選んだ順番に応募者名が表示されます。

職種ごとの適性が数値化され、人事担当者の負担を減らし、個人的な好みで選考するリスクを防ぐことが出来るとしています。

このシステムを開発したNECの中村 暢達さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「企業からしてみると、(人事担当者は)数万通というエントリーシートを見ているうちに疲れてきて判断がぶれてきてしまうとか、AIを使って手助けしていきたい。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず、この番組を通して人もIoT(モノのインターネット)の一部であるとあらためて感じました。

今回、日立製作所の事例でご紹介したように、企業としては少しでも労働生産性を向上させるために様々な観点から従業員の行動データを集め、AIでそれを解析する流れが今後とも加速していくと思われます。

しかし、一方で従業員は自分の行動が全てガラス張りになってしまいますから息苦しさを感じてしまうことが危惧されます。

 

確かに、従業員の業務分析も必要ではありますが、採用試験をする際の書類選考を手助けするような様々な業務をサポートするAIの活用との組み合わせの上に立ったかたちで総合的に業務の生産性向上を進めるべきではないかと思います。

ちなみに、アイデアよもやま話 No.3499 参考にすべきソフトバンクのAIの業務への活用!でもご紹介したようにソフトバンクでは既にこうした取り組みを加速させようとしているようです。


 
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2016年12月26日
アイデアよもやま話 No.3583 AIの活用事例(2) その1 AIで天気予報原稿を代筆!

最近、AI(人工知能)の活用事例が次々に報道されています。

そこで、AIの活動事例の第2弾として5回にわたってご紹介します。

1回目は、AIによる天気予報の原稿の代筆についてです。

 

8月31日(水)付けネットニュースで、AIによる天気予報原稿の代筆という内容の記事を目にしたのでご紹介します。

 

気象情報大手のウェザーニューズはAIを天気予報の記事作成に導入しました。

テレビ局のアナウンサーが読み上げる、降水確率など数値を引用する文章をAIが生成し、担当者が気象衛星による雲の画像や天気図などを見て概観などを追記するというものです。

 

さて、新聞やテレビなどで記者が報道記事を作成する際のプロセスは以下のような流れだと思われます。

・事実確認

・事実に基づいた問題点、およびその影響などの把握

・問題点の解決策の検討

 

このような枠組みでAIがビッグデータ(膨大かつ多様で複雑なデータ)を元にディープラーニング(深層学習)した結果を文章化し、それを参考に記者が最終的に加筆すれば、ゼロからの記事作成に比べて時間的にも質的にも優れた記事になると期待出来ます。

ですから、今後徐々に天気予報の原稿代筆に限らず、様々な分野の記事作成においてAIの活用が広がっていくと思われます。


 
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2016年12月25日
No.3582 ちょっと一休み その574 『人がAIと恋に落ちるための要件とは・・・』

これまでも人がアンドロイド(人型ロボット)やAI(人工知能)に恋をするというテーマの映画がありました。

また、以前ご紹介したようにソフトバンクが開発したロボット「ペッパー」は人の感情を理解する機能を持っています。

そうした中、11月21日(月)付けネットニュースで「人は感情認識AIと恋に落ちるのか」というとても興味深いタイトル記事を目にしました。

そこで今回は人がAIと恋に落ちるための要件について私の思うところをお伝えします。

 

そもそもAIが人の感情を理解出来るような技術開発を進めていけば、いずれ人にとってとても大切な、人に恋をするという感情も研究対象になります。

また、一口に人を好きになるといっても、人それぞれの趣味や性格などで好きになる人のタイプは異なります。

ですから、人がAIと恋に落ちるためには以下のような要件が必要と考えられます。

・AIが人の性格や好みを理解出来ること

・次に、その人の好みに応えるような声や話し方、あるいは話の内容で会話を進めることが出来ること

・徐々に感情面での関係を深め、人に恋愛感情を抱かせられること

・やがて本格的に人とAIが恋愛関係に入ること

 

ここまで書いてきて、ハタと気付きました。

それは、人がAIと恋に落ちるプロセスは人が人と恋に落ちるプロセスそのものであるということです。

しかし、この2つには決定的な違いがあります。

それは、人とAIの恋愛関係はあくまでもプラトニックラブであるということです。

また、人はどんなにAIを深く愛するようになっても人はAIと結婚することは出来ず、従って子どもが産まれることもありません。

また、人と人の恋愛関係においてもいずれ解消してしまう場合が少なからずあります。

 

ですから、私は人がAIと恋に落ちるための最後の要件として以下の要件を付け加える必要があると思いました。

・本格的に人とAIが恋愛関係に入ってしばらくした後に、必ず人は何らかの理由によりAIから振られること

 

もし、こうした要件を付け加えておかなければ、子孫を残すという生物全般の持つ本能を破壊してしまう可能性があるからです。

しかし、そうは言っても一方でAI搭載のアンドロイドが進化していけば、やがて精神的にだけでなく顔やスタイルなどの見た目でもそれぞれの人の好みに合った限りなく現実の人に近いアンドロイドの誕生も夢ではありません。

こうなると恋愛感情を持たせた未来のアンドロイドと人との関係は限りなく現実に近いバーチャル・ラブゲームの世界と言えます。

ですから、AIやロボットの技術の進化は人の恋愛感情を大いに満たしてくれる一方で、人類の存続に係わるような大変なリスクも持ち合わせていることにも注意が必要だと思った次第です。


 
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2016年12月24日
プロジェクト管理と日常生活 No.469 『今求められるビジネス戦略 ー 販売開始時に撤退ポイントを決定!』

10月17日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で について取り上げていたのでご紹介します。

 

ロボット掃除機の市場はこの5年で2、3倍に急拡大しており、今後販売競争が一段と厳しくなると見られています。

こうした状況について、番組のコメンテーターで、ボストンコンサルティンググループの秋池 玲子さんは次のようにおっしゃっています。

「過去のいろいろな産業を見ていますと、やはりどうしてもみんなが同じ市場を目指していることによって、過当競争で供給が過剰になって価格が落ちていって、収益が上がらなくなるっていうことがいろんな業界で見られますね。」

「で、今のところロボット掃除機は市場が伸びていますのでそれほど値段は落ちずに出来ているようなんですけども、でもいずれまた似たような状況が起こる可能性もないとは言えない。」

「だから、やるからには絶対成功するつもりで取り組む、だけれどもその成功の定義は何で、何を失敗なのか、どうであったら撤退するのかということを先に決めておくのが大事だと思うんですね。」

「ていうのは、一度始めると一生懸命やっている人に対して経営者としても「止めなさい」って中々言いにくいし、やっている本人たちも割り切れないところが・・・」

「だから事前に(成功、失敗、そして撤退の条件を)決めておく、でもやるからには成功するようにやるんだけども、それを達成出来なかったら止めるってことも大事だと思います。」

「(それはどんな事業でも同じかという問いに対して、)同じですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

秋池さんのおっしゃるように、どんなに素晴らしい商品と言えども例外なく一通り市場に行き渡ったところからやがて衰退期を迎えていきます。

また、衰退期を迎える前に、マーケットから注目を集め出すと、他社からも競合商品が市販化されますから激しい競争にさらされます。

ましてや、厳しい業界競争下において多くの商品は当初の期待通りに売り上げが伸びずに次々に撤退していくというのが現状です。

そうした状況において、企業が個々の事業を進めるにあたって少しでも経営の健全性を高めておくためには、個々の事業において事前に成功、失敗、そして撤退の条件を明確に決めておくことが必要であるという秋池さんの指摘はとても理に適っていると思います。

こうした対応こそ企業存続のリスク対応策を検討するうえでのベースとなるものです。

例えば、実際の商品開発、あるいは販売開始時において、こうした条件をもとにチェックポイント(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.116 『チェックポイントはマスター・スケジュールの重要な通過点!』)を設定し、その時々のチェックポイントにおいてどのような対応が必要かの決定が下されます。

また、万一失敗した場合の事後対応策、すなわちコンティンジェンシープランは撤退の条件を元に実行に移されます。

誰しも事業を始める時、あるいは販売開始時に失敗や撤退のことに考えを巡らすのは気の進まないことです。

しかし、企業の存続を真剣に考えれば、こうした冷徹な目を持つことが必要なのです。

 

これまでお伝えしたブログの中から今回ご紹介した内容に関連する具体的な事例を2つ以下にご紹介します。

一つ目は、プロジェクト管理と日常生活 No.129 『3割の力が残っていれば再起可能』でお伝えしたように、大胆な決断、および果断な実行力で事業を進められているソフトバンクの孫社長も企業としての存続を大前提に置いて、新事業に取り組む際の投入資金の制限を設定しているのです。

 

二つ目は、プロジェクト管理と日常生活 No.390 『「玉砕」という言葉に隠された太平洋戦争における大本営によるチェックポイントの未設定』でお伝えしたように、戦争を始める際にも、あらかじめどのような戦況になったら撤退、あるいは降参するかという要件を明確にしておけば大勢の犠牲者を出さずに済む、あるいは国を危うくさせずに済むのです。

そういう意味で、太平洋戦争における「特攻」、あるいはあらゆる戦場での「玉砕」は全くこうした考え方を持たなかった“反面教師”と言えます。


 
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