2018年09月26日
アイデアよもやま話 No.4131 キャベツの芯からゼリー!

アイデアよもやま話 No.4105 捨てられるはずだったモノのリサイクル その1 緑色のバッグ!で、紫キャベツの色を抽出して染色されるバッグについてお伝えしました。

また、前回は“畑のもったいない”キャベツと“海の厄介者”ウニとを組み合わせた“キャベツウニ”についてご紹介しました。

そうした中、6月7日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でキャベツの芯から作られるゼリーについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

餃子の材料として使われるキャベツから作られたゼリーは、甘くてちょっと苦い味がするといいます。

このゼリーを作っているのは、群馬県の餃子メーカー、株式会社みまつ食品です。

地元特産のキャベツを使っているのですが、外側の葉や芯は硬すぎると、1日に100kgほど廃棄していました。

これを何とか利用出来ないかと試行錯誤、そして加熱せずにうま味や甘みを取り出してキャベツのエキスにしました。

このエキスをこんにゃくと合わせて食べやすいゼリーにしたのです。

キャベツ特有の胃腸を整えるビタミンUも入っているそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したキャベツの芯から取り出したエキスとこんにゃくを混ぜて作られるゼリーも、既存の要素の組み合わせと言えます。

しかも、今回も使用するキャベツはこれまで廃棄されていたものを使用しているのです。

更に、キャベツ特有の胃腸を整えるビタミンUも含まれるという、これまでにないヘルシーな効果もあるのです。

 

これまでいろいろご紹介してきたように、廃棄物も見方を変えることによってお宝になり得るのです。

こうした廃棄物の活用方法について、国内のみならず世界的に展開するような仕組みを構築し、水平展開することによって、より大規模での省エネにつなげることが出来ると思うのです。


 
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2018年09月25日
アイデアよもやま話 No.4130 海の厄介者の活用!

6月5日(火)放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で海の厄介者の活用について取り上げていたのでご紹介します。

 

海の生き物の中には大量に発生すると非常に厄介な存在になってしまうものがあります。

しかし、それらも生かし方によっては貴重な資源になるかもしれません。

例えばオニヒトデ、沖縄を中心に九州、四国、紀伊半島などでたびたび大量に発生します。

オニヒトデはサンゴを食べるため、大量発生するとサンゴ礁が食べつくされてしまいます。

そこで駆除を行うわけですが、駆除したオニヒトデを何とか有効活用出来ないかと検討がなされてきました。

名古屋大学ではアルツハイマーの治療薬の成分になる可能性があるとして、研究が進められています。

 

一方、エチゼンクラゲも海の厄介者の一つです。

日本海沿岸に大量発生したことがニュースになりました。

このエチゼンクラゲ、網に大量に入ると漁業者に大きな被害をもたらすと言います。

ある農家では駆除したエチゼンクラゲを畑の肥料に利用しています。

また、食品に活用するなどの研究も行われています。

 

そして今、三浦半島に新たな海の厄介者が現れました。

それがウニです。

このウニを価値あるものに変える意外な方法があります。

神奈川県三浦市にある神奈川県水産技術センターでは、主任研究員でリーダーの臼井 一茂さんを中心に3年前から付近の海で駆除されたムラサキウニの養殖実験に取り組んでいます。

臼井さんは食品加工の専門家、世界中から水産物の加工品を集めて研究をしています。

県内のパーキングエリアで臼井さんの開発した商品が人気になっています。

カマスという魚の骨を抜き、丸ごと揚げた「かます棒のフライ」です。

小田原港にあがるカマス、今まで流通に乗らなかった小ぶりなものを有効活用しました。

「まぐろコンフィ」も水産会社と共同開発し、今や地元の人気商品です。

臼井さんはこれまで加工食品を2000近く世に送り出してきました。

水産大学を卒業してから水産加工一筋、25年、利用価値がないとされる魚介を商品にするのが臼井さんの生きがいです。

 

さて、ムラサキウニの養殖実験ですが、そこには臼井さんのある工夫があります。

ムラサキウニに餌として与えているのは、なんとキャベツです。

ウニはキャベツをよく食べるといいます。

今回は加工品ではなく、ウニの身を増やす実験です。

体重の10%身があれば売り物になると言われていますが、身の入りが悪かったウニが、キャベツを与えると1ヵ月半でおよそ6倍(体重の12%)になると、研究では既に実証済みです。

更に驚くべき変化があります。

苦味成分が4分の1に低下し、果物みたいな味がするといいます。

 

驚くべきキャベツパワーですが、臼井さんがキャベツに目を付けたのには理由があります。

三浦半島は国内有数のキャベツの生産地です。

年間5万5000トンを生産しています。(2016年 農水省調べ)

三浦半島の柔らかい春キャベツは、甘みがあってブランド品になっています。

それだけに出荷基準も厳しく、規格外品が約1割になるといいます。

出荷しても箱代などを差し引くと赤字になるため、畑で潰してしまいます。

この畑の“もったいない“を海の厄介者の餌にと臼井さんは考えたのです。

 

私たちが食べるウニの身は卵巣や精巣といった生殖器官です。

それらは夏の産卵期に向け、一気に大きくなります。

その時期がまさに春キャベツの最盛期と一致するのです。

 

一方、神奈川県横須賀市の佐島漁港では、温暖化の影響で生態系が変わり、年々魚種も減り、漁獲量が落ちています。

漁師も農家と同じような悩みを抱えていました。

そこで大楠漁協(漁業協同組合)では新たな事業に取り組んでいました。

“キャベツウニ”の養殖です。

商品化に向けてテスト中、しかし魚を獲るのは得意ですが育てることには慣れていません。

大楠漁協の藤村 幸彦さんも困っていました。

そこに強い味方が現れました。

地元の水産高校、県立海洋科学高校の生徒たちです。

週に一度やって来て、水槽の飼育から掃除、餌やりまで率先してやってくれます。

生徒たちは次のようにおっしゃっています。

「身近で磯焼けが起きていることを知らなかったです。」

「聞いて、思っている以上にとんでもないことになっているんだなと思っていて・・・」

 

「いらないものといらないものの組み合わせで、それが商品に出来るんであれば、地域に貢献出来るんであれば・・・」

 

こうした生徒たちの声に、藤村さんは次のようにおっしゃっています。

「こういう若い子たちが将来漁業に関心を持ってくれればいいかなと思いますよ。」

 

“キャベツウニ”の養殖事業は希望の星になっていました。

しかし、現実はそう甘くはありません。

ウニは雨水に触れるとすぐに死んでしまうのです。

真水に触れるとウニの細胞が2,3日で全部死んでしまうのです。

天候や水温の変化に弱く、意外にデリケートなウニ、手間暇がかかります。

また、未知の“キャベツウニ”に対する地元の評判もあまり芳しくありません。

 

そうしたある日、大手百貨店、高島屋のバイヤーが大楠漁協を訪れてきました。

横浜の店舗で売れる地元の食材はないかと探していたところ、“キャベツウニ”の情報を聞きつけて来たというのです。

しかし、藤村さんは浮かない顔です。

固体により身のバラつきがあるので自信が持てないのです。

しかもウニの最盛期は7月、まだこの時期(6月初旬)は身があまり入っていません。

しかし、バイヤーは“キャベツウニ”の味にとても満足です。

 

将来、“キャベツウニ”の餌になる規格外品のキャベツにも当然値が付きます。

大楠漁協のかごにキャベツが、“畑のもったいない”と“海の厄介者”を組み合わせたビジネスが三浦半島で動き出していました。

この“キャベツウニ”が数年後には回転寿しやスーパーにお目見えするかもしれません。

 

“キャベツウニ”の仕掛け人、臼井さんは更にその先を見つめています。

今度は柑橘系の餌、湘南ゴールドで実験していました。

臼井さんは次のようにおっしゃっています。

「どうしてもウニって見た目ですよね。」

「きれいな黄色を出したいので、もし生まれていけば“ミカンウニ”とかになるんですかね。」

「レモンとかライムをかけなくても、爽やかなウニが出来たらまたちょっと面白いですよね。」

 

「突拍子もないアイデアから始まりましたけども、実際やる人がいなかった。」

「ただ、やってみたら面白い結果、しかもいい結果が出て来た。」

「これも結局、僕らにマッチしないから利用されていなかったですけど、マッチする方法さえ見つければ、いくらでも利用出来るんじゃないかと思うんですよね。」

 

“キャベツウニ”の研究、アメリカやカナダ、チリなど世界各国から引き合いが来ています。

 

なお、番組ではこの他に石灰石を使った新素材を取り上げていました。

それは商品名「ライメックス」という紙の弱点である耐久性と耐水性の両方を克服した紙の代用資材です。(参照:アイデアよもやま話 No.3640 石灰石で出来た画期的な紙!

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

私事ですが、私は小学校時代の大半を千葉県の外房の小さな漁港の村で過ごしました。

海辺には磯が広がり、当時は子どもでも磯でウニを簡単に取ることが出来、その場で石でウニを砕いてそのまま食べることが出来ました。

ですから、上京してお寿司屋さんでお金を払ってウニを食べることには当初とても抵抗がありました。

 

さて、実家の近くの漁協関係者の話でも、温暖化の影響か、以前に比べて大分漁獲量が減ってきたといいますが、神奈川県横須賀市の佐島漁港でも同様のようです。

そうした中、今回ご紹介した“キャベツウニ”への取り組みは多くの漁業関係者に希望を与えるものだと思います。

そこで、あらためてこの取り組みについて以下にまとめてみました。

 

(漁業を取り巻く状況)

・温暖化の影響で生態系が変わり、年々魚種も減り、漁獲量が落ちていること

・海の厄介者、ムラサキウニは見の入りも悪く、駆除されていること

・三浦半島の春キャベツはブランド品になっており、約1割という規格外品は畑で潰していること

 

(“キャベツウニ”の誕生)

・夏の産卵期に向け、一気に大きくなるウニの身と春キャベツの最盛期が合致し、“キャベツウニ”を育てるうえで、ウニとキャベツはとても相性がいいこと

・“キャベツウニ”は体重の12%が身となり、果物のような味になるという研究成果が得られたこと

・こうした“キャベツウニ”は商品価値がとても高いこと

 

(今後の展開)

・高島屋のバイヤーが大楠漁協を訪れて、“キャベツウニ”の味にとても満足したこと

・更に、アメリカやカナダ、チリなど世界各国から引き合いが来ていること

・将来、“キャベツウニ”の餌になる規格外品のキャベツにも商品価値が期待出来ること

・将来的には湘南ゴールドとの組み合わせによる“ミカンウニ”の誕生も期待出来ること

 

こうしてまとめてみると、あらためて思い出されるのは、アイデアは既存の要素の組み合わせであること、そしてアイデアは存在し、発見することであるという言葉です。

臼井さんは、規格外品の春キャベツの廃棄、そして佐島漁港での漁獲量の減少傾向という三浦半島の現状下において、規格外品の春キャベツと海の厄介者であるムラサキウニの組み合わせから“キャベツウニ”を誕生させたのです。

高島屋のバイヤーや海外からの引き合いがあるというのですから、是非ビジネスとして成長させて欲しいと思います。

この成功は、必ず他の地域にとっても大きな刺激になると思います。

 

それにしても果物のような味のするウニとはとても気になります。

この“キャベツウニ”が回転寿しでも食べられるようになったら、多少高くても是非試食してどんな味なのか実際に確かめてみたいと思います。


 
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2018年09月24日
アイデアよもやま話 No.4129 自動運航船が船舶事故を減らす!?

以前、アイデアよもやま話 No.2593 電池推進船の乗船体験! で電池推進船「らいちょう」による水上交通の社会実験についてお伝えしました。

そうした中、6月1日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で自動運航船の実験について取り上げていたのでご紹介します。

 

今、世界的に注目されている自動運転技術、私たちの暮らしを大きく変えるかもしれないこの自動化の波が次にやってきたのが自動運航船です。

今、東京海洋大学によって自動運航船の実験船「らいちょう 機廚砲茲觴動運転の実験が進められています、

一見普通の船ですが、船内と屋根の上にカメラとアンテナが取り付けられています。

操縦席には誰もいないのに実験船は海上を進んで行きます。

その秘密ですが、実験船から送られてくるカメラの映像を見ながら、別な場所から遠隔操作しているのです。

ちなみに、この操作に使われているのはテレビゲームで使われているコントローラーです。

Wi−Fiの電波を使っていて、およそ3km離れた地点からでも操作することが出来ます。

東京海洋大学の清水 悦郎教授は次のようにおっしゃっています。

「自律運転は本来障害物を自動で回避してくれる機能があるのが基本なんですが、(船の場合)障害物回避がまだ画像の中から障害物を見つける機能が十分でないので、今現在は障害物をよけるとか、どの方向に進むのかというのは人間が画像とかで判断して、どの方向に向けるのかという指令をゲームコントローラーで送るということをやっています。」

 

さて、昨年発生した船の事故はおよそ2000件、その8割が人為ミスだと言われています。

このような事故を自動運航で減らそうというのです。

更に大型貨物船は数十人の船員が24時間交代で運航業務にあたっているため、自動化で船員の負担と人件費の削減を行えるといいます。

 

しかし、そこにはハ−ドルがあります。

清水教授は次のようにおっしゃっています。

「完全自動で水上バスなど、無人で動く水上交通システムを描いているんですけど、まだ10%、20%いっているかなと言うぐらいの印象です。」

「まだまだ時間はかかりますね。」

 

船の自動運航が難しいのには、ある理由があります。

船の場合、決まったルートを走るわけではありません。

衝突を避けるため、右によけるという基本ルールがありますが、状況によって変わります。

更には、水上には鳥や流木など、様々な漂流物があり、カメラの映像からどれをよけるべきか判断するのは今の技術では難しいといいます。

こういった様々な要因から多くの課題があり、開発が進んでいないのが現状です。

 

こうした中、国が船の自動運航を推し進めようと動き出しています。

6月1日、国土交通省(国交省)は船の自動運航のロードマップを策定しました。

目指すのは2025年の実用化です。

国主導で実用化を進めるのには、ある理由があります。

国交省の大坪 新一郎海事局次長は次のようにおっしゃっています。

「世界の潮流に乗り遅れると、やはり日本の競争力に影響が起きると。」

「それは避けたいなと。」

「世界をリードするためには技術開発も必要なんですけども、基準づくりだとか制度面でも技術開発の動向に応じた制度づくりという面で日本が主導していかなければいけないと思います。」

 

クルマの自動運転では世界から大きく出遅れた日本、船の自動運航ではあらゆる分野で先行することで国際ルール作りでも主導権を握る狙いです。

大坪さんは次のようにおっしゃっています。

「省エネの技術に関しては世界のトップを走っていて、日本の海事産業の武器ではあったですね。」

「ただその省エネ技術もいずれ飽和されますし、だんだん他の国も追いついてきますから、次の差別化の軸が必要・・・」

 

自動運転、クルマは車線や信号がありますが、海は予測不可能なことがあるので難しいということです。

しかし、清水教授は2020年までに短い距離で船の往来が少ない、特区のような場所であれば、まず遠隔での無人運転は可能だといいます。

そのために法律の整備を急ぐ必要があるということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を見ていて感じたのは、今や、陸、空、海での自動運転の実用化に向けてほぼ同時に進行しているということです。

中でも陸上でのクルマの自動運転の実証実験が最も先行しているようです。

また、どちらも運転技術だけでなく、運航上のルールなど制度の整備が伴わなければ実用化には結びつきません。

また、グローバル化された国際社会においては、制度の国際化が必須です。

なので、早急に国際機関による国際的な制度の構築が必要だと思います。

いずれにしても、10〜20年後には陸、空、海の乗り物は全て自動運転が可能な社会になっていると思われます。

更に、少し遅れて宇宙における同様の検討も求められるような時代を迎えようとしているのです。


 
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2018年09月23日
No.4128 ちょっと一休み その665 『これからの時代の4つのキーワード その3 人類の新たな活動空間、宇宙の開拓!』

18世紀の産業革命以後の300年足らずという人類の悠久の長い歴史の中のわずかな期間からだけみても、現在は人類のあり方、社会、およびテクノロジーの観点からとても大きな変化の時代を迎えていると思います。

そこで、これからの時代のキーワードについて、あらためて私の思うところを4回にわたってお伝えします。

3回目は人類の新たな活動空間、宇宙の開拓についてです。

 

1961年4月、ソビエト連邦の宇宙飛行士であるガガーリンが世界初の有人宇宙飛行としてボストーク1号に単身搭乗しました。

そして、人類が他の惑星に初めて着陸したのは1969年7月20日の月面着陸でした。

アメリカ合衆国のアポロ11号計画における船長ニール・アームストロングと月着陸船操縦士エドウィン・オルドリンによるものでした。

そして、今や火星移住計画がアメリカの宇宙ベンチャー、スペースXによって進められています。(参照:No.4098 ちょっと一休み その660 『地球上で持続可能な社会を実現する上で参考にすべき火星移住計画!』

スペースXは2024年には火星への有人飛行を実現し、将来的には100万人規模で火星に送ろうと考えているといいます。

このように人類が初めて有人宇宙飛行に成功してから60年あまりで火星への有人飛行を実現させようとしているのです。

 

こうした人類による宇宙開拓の挑戦は2つの観点で大きな意味をもっています。

1つ目は、No.4002 ちょっと一休み その644 『揺らぐ世界 その4 資本主義経済の抱える矛盾!』でもお伝えしたように、常に更なる利潤を追求していく資本主義経済の新たな市場、すなわちニューフロンティアとしての位置付けです。

多くの惑星の中には希少金属などの資源が眠っている可能性があります。

また、宇宙空間は新たな観光旅行先としてとても魅力に満ちています。

 

2つ目は、人類の新たな生存空間の確保です。

人類の総人口は2050年には100億人近くまで膨れ上がる勢いで増えています。

また、9月12日(水)放送の「あさイチ」(NHK総合テレビ)によれば、FAO(国連食糧農業機関)は世界で食糧不足に苦しむ人は昨年の時点で8憶2000万人あまりに上るという推計を発表しました。

この数字は世界総人口の10人に1人以上の割合です。

 

更に、1回目でお伝えした半永久的な寿命の確保が可能な時代になれば、予想以上に人口増加が進みます。

その結果、1回目でお伝えした持続可能な社会の実現との間に食糧やエネルギーなどの面でバランスが崩れてしまうことになります。

そうした中で、火星など地球以外の惑星で人類の生存が可能になれば、宇宙規模における持続可能な社会の実現が達成出来るようになります。

 

ということで、宇宙の開拓は人類にとって経済的にも持続可能な社会の実現にとっても必然的な流れと言えるのです。


 
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2018年09月22日
プロジェクト管理と日常生活 No.559 『古い耐震基準の大規模建物の倒壊リスク!』

今月6日(木)3時過ぎに発生した北海道の大地震など、最近日本各地で地震が起きています。

そうした中、ちょっと古い情報ですが、4月14日(土)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で古い耐震基準の大規模建物の倒壊リスクについて取り上げていたのでリスク管理の観点からご紹介します。

 

2016年4月に発生した熊本地震では多くの建物が被害を受け、あらためて注目されたのが耐震性です。

古い耐震基準で建てられた大規模な建物のうち、商業施設やホテル、病院などは耐震基準が義務付けられていますが、全国で約1700棟が震度6強以上で倒壊する恐れがあることが分かりました。

若い世代に人気の「渋谷109」が入る道玄坂共同ビル(東京・渋谷)、紀伊国屋書店の入る紀伊国屋ビルディング(東京・新宿)、更にJR新橋駅前にあり、仕事帰りのビジネスマンが立ち寄る居酒屋などが軒を連ねるニュー新橋ビル(東京・新橋)、いずれも耐震性が不足し、震度6強以上の揺れで倒壊の恐れがあると診断されていました。

 

古い耐震基準で建てられ、耐震診断が義務付けられている全国1万棟の大規模建物について、公表結果を集計したところ、17%に当たる約1700棟が震度6強以上の揺れで倒壊の恐れがあることが分かりました。

このうち東京都では42棟あり、詳しい結果は東京都耐震ポータルサイトで見ることが出来ます。

東京の42棟のうち、耐震改修工事の具体的な計画がある建物は13棟に止まり、残る29棟は計画が決まっていないか、検討中だということです。

計画が決まらない理由の一つがテナントなど関係者との調整です。

サブカルチャーの聖地とも言われる中野ブロードウェイ(東京・中野区)の場合、区分所有者が約520人で、耐震工事に消極的な人や簡単に連絡が取れない人がいて、意見の集約が進んでいないということです。

中野ブロードウェイ商店街振興組合の青木 武理事長は次のようにおっしゃっています。

「公表された事実を(区分所有者に)しっかり受け止めてもらう対策を取らずに時間を過ごすことは許されないのかな・・・」

 

ただ、耐震工事の負担は軽くありません。

松山市の道後温泉にある昭和28年(1953年)創業の宝荘ホテルは耐震化のため全面的に建て替えを行っています。

松山市と国から2億5000万円ほど補助金が出たものの、自己負担は約11億5000万円、1年半近く営業休止を余儀なくされました。

宝荘ホテルの宮崎 光彦社長は次のようにおっしゃっています。

「安心して過ごしていただけることはお客様に対する訴求力の1つじゃないかなと。」

「リスクに備えることが経営、特に旅館ホテルのような多くの方にご利用いただく施設としては責務だと思います。」

 

耐震化で課題となる関係者の調整や工事の負担について、専門家である名古屋大学の福和 伸夫教授は次のようにおっしゃっています。

「合意形成をすることが出来るようなコーディネーター役を役所から派遣するとか、都道府県の耐震補助だけでは足りない場合、低利の融資をするとか、皆さんが耐震化を進め易いような環境整備が必要だろうと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回お伝えしたように、古い耐震基準で建てられ、耐震診断が義務付けられている全国1万棟の大規模建物について、17%に当たる約1700棟が震度6強以上の揺れで倒壊の恐れがあるいいます。

そして、東京の42棟のうち、耐震改修工事の具体的な計画がある建物は13棟に止まり、残る29棟は計画が決まっていないか、検討中だといいます。

恐らく全国的にみても大なり小なり計画が決まっていないか、検討中の耐震改修工事が必要な建物があると思われます。

しかし、実際に耐震改修工事を進めようとすると、関係者の調整や工事の負担といったような課題があるとの指摘があります。

ですから、しっかりした耐震改修工事を進めるためには中長期計画が必要です。

現状のままでは、特に大規模建物においては昼間の時間帯に巨大地震が起きればかなりの被害が想定されます。

 

一方こうした状況において今必要なのは、状況に応じた最善のリスク対応策を検討すること、そして万一大地震が発生した場合のコンティンジェンシープランを検討しておくことです。

これだけでも何もリスク対応策を検討しておかない場合に比べて、はるかに被害を少なくすることが出来るはずです。


 
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2018年09月21日
アイデアよもやま話 No.4127 ある“寝たきり社長”の活躍!

6月1日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)である“寝たきり社長”の活躍について取り上げていたのでご紹介します。 

 

株式会社仙拓(愛知県東海市)の創業者で寝たきり状態の障害者社長、佐藤 仙務さんは、働くことの意味を人一倍考えてきました。

一人では日常生活が送れず、母親が着替えや食事などを手伝っています。

病気が分かったのは、生後10ヵ月の時、進行性の病気、脊髄性筋萎縮症で身体は徐々に動かなくなってきました。

特別支援学校を卒業した18歳の時、就職を希望しましたが、雇ってくれる企業は見つかりませんでした。

佐藤さんは次のようにおっしゃっています。

「落ち込むこともあるし、絶望することもないっていうとウソになると思うんですけど、お蔭でどれだけ絶望して落ち込んでもいいと思っていて、・・・」

 

それでも働きたかった佐藤さんは、19歳の時に同じ病気の友人とホームページや名刺をデザインする会社を立ち上げました。

会社のために自分の能力を最大限に生かしたい、自分の意思で動かすことが出来る目の動きを感知する特別なパソコンでカーソルを動かします。

そしてわずかに動かすことの出来る左の親指でクリックします。

会社の営業のための資料やメールは全て自分で作っています。

障害があっても、自分の持てる力を発揮すれば出来ないことはないと知ったといいます。

佐藤さんは次のようにおっしゃっています。

「人より出来ないことは多いけど、逆に僕は自分が何が出来るかっていうことは自分の中で分かっているつもりで、だからそこで勝負すればいいのかなって。」

 

佐藤さんの会社が制作したホームページはおよそ30件、評判を呼び注文は徐々に増えています。

ある日、ビジネスで提携したいIT企業、S.S.T-C 株式会社の社長、山石 明宏さんが佐藤さんを訪ねてきました。

横浜で同じようなビジネスを展開する山石さんは、佐藤さんのエネルギーにいつも圧倒されるといいます。

山石さんは次のようにおっしゃっています。

「スピードがむしろ速いです。」

「レスポンスがすごい速いです。」

「何の違和感もなく、普通の会社とやっている仕事と同じようにやっています。」

 

そして迎えた愛知県内の大学での初めての授業、佐藤さんは自分にとって働くことの意味を学生に伝えました。

「自分のために働いているということだけではなくて、“周りの人を楽しませよう”とか、“喜ばせよう”とか、そういう気持ちを持って働くと、とてつもなく仕事が楽しくなるのかなと。」

「仕事を通して自分に関わってくれた人が喜んでくれるっていうのは、すごい僕は幸せを感じるんです。」

 

聴講した女子学生の中の二人は、次のような感想を述べています。

「働くっていうことの気持ち、モチベーションがすごく変わりました。」

 

「私たちも仕事頑張って、何か社会に貢献していきたい。」

 

以上、番組の内容、およびそれを補足するネット関連情報をご紹介してきました。

 

“寝たきり社長”、佐藤さんの活動を通して、あらためてネット社会が“寝たきり状態”の人など誰にでもビジネスに取り組むチャンスを提供していると思いました。

今や、身体の不自由さの制約よりもいかに優れたアイデアを持っているかの方がはるかに重要な社会なのです。

更に、ネット社会では、資金のかかるリアル店舗は必ずしも必要ではなく、リアル店舗に比べて格段に資金のかからないネット上のバーチャル店舗でビジネスを展開することが出来るのです。

実際に、佐藤さんは不自由な身体ながら、ご自分で自社のホームページを作成したといいます。

そして、今やパートナー企業による評判も上々で、注文も徐々に増えているといいます。

 

ということで、“寝たきり社長”の佐藤さんは、多くの身体の不自由な方のみならず、資金力はなくてもアイデア力のある若い人たちにとっても大きなパワーを与えてくれる存在だと思います。

 

同時に佐藤さんは、“働くことの意味”というとても大切なことを学生に伝えています。

時間に比較的余裕のある学生の皆さんには、是非“なぜ働くのか”という意義についてじっくり考え、自分なりの考えをしっかりと持っていただきたいと思います。

どのような職業に就いても、自分なりに“働くことの意味”をしっかりと持っていることによって、与えられた業務に自分なりのやりがいを感じ、より大きな成果につながると思います。

更に、ネット社会においては、素晴らしいアイデアを閃いた人は自ら起業し、多くの人たちに豊かさを提供出来ることを国内外のベンチャー企業は既に示してくれているのです。


 
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2018年09月20日
アイデアよもやま話 No.4126 驚異の生物工場 その4 日本の生物工場の切り札とされるカイコ!

5月22日(火)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で生物工場について取り上げていました。

そこで4回にわたってご紹介します。 

4回目は日本の生物工場の切り札とされるカイコについてです。

 

前回、生物工場の世界事情についてご紹介しましたが、日本には最強の生物工場として注目されている生き物がいるのです。

日本の切り札とされる生き物、それはカイコです。

その秘密はカイコの吐く糸にあります。

絹糸の原料として知られるこの糸、分子量約37万を超える極めて大きなタンパク質の集まりです。

この分子量がとても重要なのです。

なぜなら、生物工場が作り出す物質は、その生物が本来作ることの出来る分子量によって大きく左右されるからです。

それはおもちゃのブロックの数が少ないと単純なモノしか出来ないのに対し、多ければ複雑なモノが作れるのと同じです。

カイコを酵母と比較すると一目瞭然、最大で分子量10万ほどの分子量しか作れないといわれる酵母、生物工場として作り出せるのはタイヤの素材(約200)やインシュリン(約5800)、痛風の薬(約34000)など、これまでのところ分子量の小さいモノに止まっています。

これに対し、カイコが作る物質は抗がん剤(約15万)や血液凝固剤(約34万)、鉄鋼強度の糸(約35万)といった分子量の多い複雑な物質、酵母には作ることが難しい複雑な物質を糸の中に作り出すことが出来るのです。

 

更に5千年とも言われる長い養蚕の歴史が生物工場としてのカイコの能力を高めたといいます。

元々カイコの祖先は小さいマユしか作れない野生の虫でした。

大きなマユを作るものだけ掛け合わせ、人の手で改良を重ねていきました。

その結果、糸を作るタンクのような器官は体重の3分の1を占めるまでになりました。

分子量が大きい物資を大量に作ることが出来るカイコは最強の生物工場とも言われるのです。

茨城県つくば市にある農研機構(農業・食品産業技術総合開発機構)のユニット長、瀬筒 秀樹さんは次のようにおっしゃっています。

「日本がフロントランナーとなってモノを作れる、長い歴史をかけてこれだけいいものにしてきたとものすごく今でも感じますし、それに新しい技術で可能性が今広がっているという状況なので、これを活かさない手はないと。」

 

カイコを生物工場にする取り組みは、現在福島から沖縄まで全国15以上の企業に広がっています。

愛媛県にある化学メーカーの工場では犬や猫用の風邪薬や皮膚病治療薬を作り、国内だけでなく32ヵ国に輸出しているといいます。

東京大学大学院の五十嵐 圭日子准教授は次のようにおっしゃっています。

「カイコは本当に凄い生産力だと思います。」

「やはりカイコの場合は、原料が葉っぱだというところもすごくいいところだと思います。」

「今のモノづくりはどうしても石油を使って何かを作るということになるんですが、カイコの場合ですと、葉っぱを食べて、そこからそういう物質を作ってくれるという凄さがあるというような感じです。」

「バイオリアクター(生物反応利用装置)と私たち呼んでおりますけど、そういうようなものとして本当に凄い才能のある生き物だと思っています。」

 

このカイコを使った生物工場を一大産業につなげるために欠かせない人たちがいます。

群馬県前橋市の養蚕農家では、農家の経験や知恵を生かして、遺伝子組み換えのカイコを大量に作っていこうという取り組みが行われています。

実は、遺伝子組み換えを行った動物を一般の農家で飼育するというのは、こちらが世界初といいます。

というのも、こちらから動物が逃げてしまうと、外の生態系に影響を与えてしまう恐れがあるということで、これまでは厳重に管理された施設の中でしかされてこなかったのです。

ただカイコは中々動かないのです。

活動範囲が10cmくらいしかないのです。

ということで、ここから逃げ出さないということが証明されて、昨年9月に国から特別に飼育許可が下りたのです。

こちらで飼育したカイコは大きくなると光ります。

このカイコには光るクラゲの遺伝子を組み込んでいるのです。

今は光るカイコだけの飼育ですが、ゆくゆくはこの技術を目印にして、例えば血液製剤とか抗がん剤などに遺伝子組み換えのカイコを応用したいと期待が持たれています。

前橋遺伝子組み換えカイコ飼育組合組合長の松村 哲也さんは次のようにおっしゃっています。

「(外国産の安いマユに押されて養蚕農家が減っている中で、この取り組みにどのような期待を持っているかという問いに対して、)この遺伝子組み換えカイコは我々養蚕農家、また一般の人にとっても非常に夢のあるカイコです。」

「将来性の十分に見込まれる、これまでのカイコとは違った用途で使われるために、外貨獲得のためにも期待が持てるカイコであることは間違いないと思います。」

「(どんな苦労があるかという問いに対して、)苦労というのはさほどないんです。」

「これまでのカイコと同じように飼育していればいいんですけど、ただ飼う環境、要するに建物を少し規制の法律に沿って作っていかないとならない、(外に出ないようにする、)それだけが苦労です。」

 

こうした状況について、五十嵐准教授は次のようにおっしゃっています。

「(養蚕農家と企業がコラボする取り組みについて、)やはり養蚕という産業自体が衰退していってる中で、新たなモノを作り出せるという可能性は非常に大きいと思うんですね。」

「これがこれからのモノづくりというものの確実に革命になっていくんじゃないかと、そういうような気がしています。」

 

こうした中、若い農家の方も養蚕の取り組みに入ってきています。

47歳の若手、糸井 恒雄さんは次のようにおっしゃっています。

「光る糸を農家で飼育出来るようになりまして、養蚕農家にも明るい光が見えて来たと思いますので、この養蚕を継承していけるように努力したいと思います。」

 

養蚕は新たな産業革命という予感もしますが、生命の根源を操作するというちょっと怖さを感じます。

そこで、今後どう進めていくべきかについて、番組の最後に五十嵐准教授は次のようにおっしゃっています。

「現時点では、他の生物から持ってきた遺伝子を組み込むという作業をせざるを得ない状況になっています。」

「ただ、ここからは最近本当に技術的にはどんどん進歩しておりまして、ゲノム編集という技術が始まっております。」

「これは元々生物が持つ機能を強めることで、その結果、その生物を非常に速いかたちで品種改良したような動かし方が出来るようになるといいですね。」

「そういうふうなものになっております。」

「(カイコが5千年かけて品種改良してきたようなことを遺伝子レベルで短い期間で出来るようになり、それで安全が確保されるということについて、)そういうことですね。」

「で、そういう国際ルールをつくって、そういうものを守りながら生物工場をどのように利用していくかというところをこれから私たちは真剣に考えながらものつくりをしていかなきゃいけないんじゃないかなと考えております。」

 

生物工場の技術、その力は身近な暮らしを豊かにし、地球環境の課題を打ち破るカギになるかもしれません。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

生物工場が作り出す物質は、その生物が本来作ることの出来る分子量によって大きく左右されるといいます。

そうした中、カイコの吐く糸は分子量約37万を超える極めて大きなタンパク質の集まりで、2回目でお伝えした酵母に比べて圧倒的に分子量が多いのです。

ですから、カイコはまさしく日本の生物工場の切り札と言えそうです。

ちなみに、カイコについては以前アイデアよもやま話 No.3153 光るシルクが日本の養蚕業復活の起爆剤になる!?でもお伝えしております。

 

また、5千年とも言われる長い養蚕の歴史が生物工場としてのカイコの能力を高めたといいますから、先祖のカイコへの取り組みに対して私たちはとても感謝しなければなりません。

カイコの原料は自然界に存在する葉っぱというのですから、地球に優しくとても省エネです。

しかも、カイコの生物工場はとても仕組みがシンプルですから、一般の養蚕農家でも取り組むことが出来ます。

ですから、養蚕という産業自体が衰退していく中で、カイコは養蚕農家の救世主となり、生物工場として新たなものづくり革命をもたらす可能性を秘めているのです。


 
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2018年09月19日
アイデアよもやま話 No.4125 驚異の生物工場 その3 生物工場研究の世界事情!

5月22日(火)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で生物工場について取り上げていました。

そこで4回にわたってご紹介します。 

3回目は生物工場研究の世界事情についてです。

 

生物工場の研究は今世界で急速に広がっています。

10年ほど前から一気に研究は盛んになってきました。

国ごとに見ると、最新のデータでは、アメリカが全体の4割を占めトップ、それをイギリス、ドイツ、中国が追随し、日本は5番目です。

また、国を挙げて力を入れているのがイギリスです。

政府は生物工場をビッグデータ、再生医療、そしてロボット工学などと並ぶ8つの重大技術の1つに指定、およそ223億円を投資しました。

また、19の大学、研究機関、そして56の企業が一緒に研究開発をする機関を設立し、産官学が一体となった開発に取り組んでいます。

 

更に、フィンランドの公的機関が昨年公表した資料では、洋服や生活用品など身の回りにある、あらゆるものを生物工場で作り出してしまおうという壮大な計画が盛り込まれています。

フィンランドの公的機関の客員教授もされている東京大学大学院准教授の五十嵐 圭日子さんは次のようにおっしゃっています。

「(そこで具体的にどんなものを作ろうとしているのかという問いに対して、)私たちの研究所では、やはりモノを作るというのが、全てあらゆるモノですね。」

「私たちの身の回りにあるモノ、例えばコップですとか、お皿ですとか、食器とか、椅子とかそういうようなモノまで作っていこうという、そういうかたちです。」

「(椅子というのはどういうふうに作るのかという問いに対して、)これはカビとかキノコとか、そういうような生き物が体の周りに作るような物質をなるべく多く作らせる。」

「で、その結果、それを乾かすとゴムのようなかたちになるということが分かっている。」

「それを椅子の下に敷いて、椅子代わりに使う、そういうような・・・」

「(キノコ臭いというようなことはないのかという問いに対して、)実はキノコの臭いがするんですけど、それに関しても臭いの成分をなるべく少なくするような遺伝子組み換えをするようなことがやられてますね。」

「(世界は随分先を行っていそうだが、日本の現状と課題はどうなのかという問いに対して、)やはり日本は古来から、お味噌ですとか納豆、そういう発酵食品のようなものを非常に食べて来たりとか、文化的に使ってきたという歴史がございますので、そういうものをうまく使うことによって、どうやってバイオ産業を動かしてくのか、そういうようなことになっていくんじゃないかという気がしています。」

「やはり国がそれをサポートしていただかないと、私たちも動かせないということがございますので、今の場合ですとどうしても研究者が個別に研究を行っているということがあるのですが、それが一丸となって国として動かしていくようなサポートが欲しいかなという気がしています。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

10年ほど前から一気に研究が盛んになってきた生物工場の研究は今世界で急速に広がっているといいます。

そして、生物工場には前回お伝えしたように、あらゆるモノを作り出す可能性があり、地球環境にも優しく、化石燃料などのエネルギー消費量の削減にもつながります。

また安く大量生産が可能といいますから、世界各国が生物工場の研究に熱心に取り組むのは当然と言えます。

そうした中、日本は世界で5番目といいますが、資源小国、日本にとって生物工場は資源小国からの脱皮、および様々な資源の輸入に依存しない資源大国実現の可能性を秘めています。

ですから、是非日本においても、これからのものづくり革命をもたらす生物工場の研究開発に向けて、ヒト・モノ・カネを投入し、産官学共同で取り組んでいただきたいと思います。


 
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2018年09月18日
アイデアよもやま話 No.4124 驚異の生物工場 その2 酵母によるものづくり革命!

5月22日(火)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で生物工場について取り上げていました。

そこで4回にわたってご紹介します。 

2回目は酵母によるものづくり革命についてです。

 

私たちの暮らしを大きく変える可能性を秘めた生物工場、最も注目される企業がアメリカにあります。

カリフォルニア州にあるバイオ企業のアミリス社です。

売り上げはこの5年で3倍になりました。

急成長を支えているのが製品の多彩さです。

研究開発部長のジョエル・チェリーさんは次のようにおっしゃっています。

「クルマのオイルやタイヤの素材、ビタミン、抗マラリヤ薬、そして化粧品成分や香料など、現在は数百種類の製品があります。」

 

その心臓部とも言える開発現場を番組では特別に案内してもらいました。

チェリーさんは次のようにおっしゃっています。

「これが我々が生物工場にしている酵母です。」

 

お酒やパンなどの発酵に使われる酵母、実はこの酵母を生物工場にして全ての製品を作らせています。

例えばタイヤ素材の場合、酵母の遺伝子にリンゴなどが持つ精油成分遺伝子を組み込みます。

すると、酵母はこの精油成分を大量に作るようになります。

これをゴムに混ぜ込むことでグリップ性能が高く、劣化しにくい新素材のタイヤが出来るのです。

チェリーさんは次のようにおっしゃっています。

「酵母を使えば、何十万種類もの化合物を作れます。」

「この技術なら、自然界のあらゆる物質を作り出せるのです。」

 

しかし、酵母のDNAの配列は約1200万に及びます。

どの部分にどんな遺伝子を組み込むのか、その組み合わせは無限大です。

そこで、この企業ではAIを導入、最適な組み合わせを予測させるとともに、ロボットで遺伝子操作をすることでスピードアップを図っています。

こうして更なる新製品を生み出そうとしているのです。

チェリーさんは次のようにおっしゃっています。

「手作業では1ヵ月に数種類の遺伝子操作しか出来ません。」

「でもこの設備なら10分で千種類の操作が可能です。」

 

投資家や国からの資金が集まり、設備にかけた額は12年間で約1500億円、生物工場にはそれだけの価値があるといいます。

アミリス社の最高経営者、ジョン・メロさんは次のようにおっしゃっています。

「望むものは何でも作れるようになります。」

「ものづくりの革命です。」

「それが世界の進むべき道だと確信しています。」

 

生物工場には、大きく3つのメリットがあると言われています。

1.安く、簡単に大量生産出来ること

2.人間の力では作れなかった物質を作れること

3.地球に優しいこと

 

1の例としては、前回ご紹介した“スギ花粉米”があります。

2の例としては、マラリヤ治療薬があります。

アルテミシニンと呼ばれるマラリヤ治療薬はこれまで希少な植物からしか採取出来ず、大量生産は出来ませんでした。

しかし、アミリス社は酵母にある植物の遺伝子を組み込んで生物工場とし、大量に作り出すことに成功、2014年の発売以来3900万回分の薬が作られ、世界中の人々を救ってきました。

3の例としては、プラスチックを作る場合、従来の方法では原料は石油でした。

これを化学反応させるには膨大なエネルギーや処理に手間がかかる酸やアルカリが必要でした。

一方、プラスチックを作る遺伝子を組み込んだ大腸菌なら、必要なのは菌の餌となる糖、これはトウモロコシなどから作られるため、環境への負荷がとても小さいのです。

東京大学大学院准教授の五十嵐 圭日子さんは次のようにおっしゃっています。

「(生物工場の可能性について、)モノを作る時というのは、原料をまず何を使うか、それとどういうふうにそれによってモノを作っていくか、そういうところが重要になるんですけど、その中で原料も生物、モノを作るところも生物、こういうようなところで基本的に石油を使わなくてモノを作る、もしくはエネルギーを使わずにモノを作る、そういうことが可能になる、非常に画期的な技術だと思います。」

「(あらゆるモノが作れると言っているが、鉄なども作れるのかという問いに対して、)鉄自身は勿論作れないですけど、鋼鉄に匹敵するような素材を作るというようなことも可能になると思います。」

「(他の生物の遺伝子を別の生物に入れるとすると、人体や生態系への影響はどうなのかという問いに対して、)食べるようなものの場合はまだまだ抵抗が非常に大きいと思うんです。」

「ただ、バイオ医薬品、つまり医療に使うような物質ですと、それはハードルが低いですし、燃料や素材ですとか、そういうようなものに対して使うことに関しては非常に受け入れやすいと考えております。」

「やはり、これに関しては国際的なルールがあるんですけど、そういうものをきちんと使っていく。」

「で、そのうえで“封じ込め”と私たちは呼んでいますけれども、いかに遺伝子組み換えをした生物が外に出ないかというようなことにも気を付けていかなければいけないということになると思います。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

お酒やパンなどの発酵に使われる酵母のDNAの配列は約1200万に及ぶといいますから、どの部分にどんな遺伝子を組み込むのか、その組み合わせは無限大です。

しかも、鉄鋼などと同じものを作れなくても、同じような機能を持つモノを作ることが出来るといいます。

更に、こうした植物工場では安く簡単に大量生産出来、地球にも優しいといいます。

ですから、植物工場は間違いなくものづくり革命をもたらすと思います。

また、AIやロボットの活用がこのモノづくり革命を加速させるといいます。

 

こうした期待感から今注目されているアメリカのバイオ企業のアミリス社には投資家や国からの資金が集まり、設備にかけた額は12年間で約1500億円といいます。

まだまだ生物工場への取り組みの歴史は浅いので、今後とも第2、第3のアミリス社が誕生するのは間違いありません。

日本においても、こうした仲間入りを果たし、生物工場の世界をリードするような企業の登場が待たれます。


 
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2018年09月17日
アイデアよもやま話 No.4123 驚異の生物工場 その1 お米が生物工場に!

5月22日(火)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で生物工場について取り上げていました。

そこで4回にわたってご紹介します。 

1回目はお米による生物工場についてです。

 

イチゴの細胞に犬の遺伝子の一部を組み込むと、炎症を抑える物質が沢山作られます。

これをすり潰して凍結乾燥すると、犬の歯周病薬になるのです。

このように生物に別の生き物の遺伝子を組み込み、重要な物質を作る工場に変えてしまうことが生物工場と呼ばれています。

他にも唾液やヤギが薬の工場になったり、大腸菌がプラスチックになったり、驚くようなことが既に実現し、画期的な医薬品や素材が続々と作り出されているのです。

生物工場は世界でも大注目、2020年には4兆円の市場になると試算されています。

アメリカのバイオベンチャーのある男性研究員は次のようにおっしゃっています。

「非常に興奮しています。」

「生物による新たな産業革命です。」

 

脅威のテクノロジー、生物工場、番組ではその最前線に迫ります。

薬もモノもなんでも作り出してしまうという生物工場、私たちの身近なところにもどんどん広がってきています。

 

お米を生物工場にしたのは、茨城県つくば市にある農研機構(農業・食品産業技術総合開発機構)です。

主席研究員の高野 誠さんは次のようにおっしゃっています。

「ここにあるお米が昨年収穫した“スギ花粉米”になります。」

 

見た目はごく普通のお米、実はその名の通り、含まれているのはスギ花粉の成分です。

従来の治療にも花粉の成分を少しずつ摂取して体を慣れさせ、発症を抑える舌下免疫療法や皮下免疫療法などがあります。

ところが生物工場の技術でその成分を含むお米を作れば、毎日の食事がそのまま予防につながると考えたのです。

 

このお米の作り方、やはり稲に別の生物の遺伝子を組み込むのだそうです。

まず稲の遺伝子にスギの細胞から取った花粉成分を作る遺伝子を組み込みます。

これを育てていくと、収穫したお米の中に大量の花粉成分が作られるのです。

一度遺伝子を組み込んでしまえば、後は稲を普通に育てるだけです。

これまで治療に使われてきた花粉成分よりも安く、簡単に生産することが可能だといいます。

高野さんは次のようにおっしゃっています。

「本当にもう桁違いに沢山できることが分かっています。」

「生物の力を借りることによって、複雑な物質が非常に安いコストで出来るということがありますので、それを利用しない手はないなというのはありますね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

医食同源という言葉がありますが、今回ご紹介した“スギ花粉米”を食べればそのまま花粉症の予防につながるというのですから、人工的に医食同源を可能にしてしまう遺伝子組み換え技術の応用と言えます。

そして、こうした技術は様々な医療法に応用出来そうです。

しかも、生物の遺伝子を活用したとてもシンプルで安価な技術のようです。

ですから、まさに生物による新たな産業革命と言えます。

 

ここで思い起こされるのは、これまで何度となく繰り返しお伝えしてきた“アイデアは既存の要素の組み合わせである”という言葉です。

生物の遺伝子の組み合わせにより、無限ともいえる医療法を手に入れることが出来るのです。

ただし、こうした医療法には副作用など、ヒトへの影響など安全面や環境への影響に問題がないかなどの徹底的な事前調査が求められます。


 
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2018年09月16日
No.4122 ちょっと一休み その664 『これからの時代の4つのキーワード その2 半永久的な寿命の獲得!』

18世紀の産業革命以後の300年足らずという人類の悠久の長い歴史の中のわずかな期間からだけみても、現在は人類のあり方、社会、およびテクノロジーの観点からとても大きな変化の時代を迎えていると思います。

そこで、これからの時代のキーワードについて、あらためて私の思うところを4回にわたってお伝えします。

2回目は半永久的な寿命の獲得についてです。

 

これまで何度かお伝えしてきたように、再生医療やゲノム編集など、医療技術の進歩は大変目覚ましいものがあります。

更に、最近では難病の人をその治療法が発見されるまで人工冬眠する技術まで出て来ています。

こうした結果、今世紀中にも人類は半永久的な寿命を手に入れることが出来るのではないかと思われます。

もしこうした社会が実現すれば、生物の定義が根本的に変わってしまいます。

また、ペットの世界においてもこうした医療技術により同様のことが起こりますから、ペットロスという言葉も死語になってしまう可能性があります。

 

一方、人間は物理的な存在であると同時に精神的な存在でもあります。

精神面では生きがいを感じる一方で、他の人との付き合い上の悩み、仕事上の悩み、あるいは貧困など、生きていく上での様々な悩みを抱えているのも人生です。

ですから、精神的に生きていくことに疲れた、あるいは絶望的な気持ちを持った状態でも、肉体的には半永久的な寿命があるということはまさに“生き地獄”になってしまう可能性があります。

ですから、こうした社会では、自ら現在のようなレベルの医療技術を選択することにより自らの死の時期を選択出来る、すなわち寿命をコントロール出来るという個人の権利がとても重要になると思います。

一方で、チャレンジ精神や創造意欲が尽きない企業家や芸術家などは半永久的に活躍することが出来るようになります。

 

いずれにしても、現在は人類も他の生物と同様に限られた命があるように設計されていますが、やがて人類は自ら発明した医療技術により、人類のみならず他の生物の寿命をも半永久的にしてしまうという、生物史上画期的なテクノロジーを実現してしまう可能性を秘めているのです。


 
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2018年09月15日
プロジェクト管理と日常生活 No.558 『北海道で巨大地震 その2 巨大地震発生に伴う全域停電のリスク対応策』

9月6日(木)3時過ぎに、北海道で初めて最大震度7を観測する地震が発生し、北海道全域にわたり大変な被害をもたらしています。

そこで、プロジェク管理の観点から2回にわたって被害の現状と影響、そしてリスク対応策についてご紹介します。

2回目は9月8日(土)放送の「想定外なのか? 北海道地震での全域停電」をテーマとした「時論公論」(NHK総合テレビ)を通して、巨大地震発生に伴う全域停電に焦点を当てたリスク対応策についてご紹介します。

なお、解説は水野 倫之解説委員でした。

 

 今回の地震では、北海道全域が長時間にわたって停電するという大きな被害が起き、電力インフラの脆さが露呈しました。

いまだに100万戸以上で停電が続いていまして、住民は不自由な生活を強いられています。

今回の全域停電について、政府や電力会社は「想定外のことが起きた」と説明していますが、本当にそうなんでしょうか

・なぜ長時間の全域停電となってしまったのか

・停電への対策はどうなっていたのか

・今後広い範囲の停電を防ぐには何が必要なのか

以上3点から全域停電を検証します。

 

地震の前、北海道では310万kwの電力需要があり、北海道電力では主に4ヵ所の火力発電所を稼動させて電力を供給していました。

しかし、地震の発生で、震源に最も近い厚真町の苫東厚真火力発電所が緊急停止し、電力需要の半分以上にあたる165万kw分の供給が失われ、道内の電力需給バランスが大幅に崩れました。

これを受けて他の3ヵ所の火力発電所も停止し、北海道全域の295万戸が長時間停電する異常事態となりました。

 

影響は大きく、JRや地下鉄は終日運休し、道路では信号が止まり、警察官が車を誘導しました。

病院も非常用電源を動かすなど対応に追われましたが、外来の受付を停止したり、人工透析が出来ないところも出ました。

大規模停電は人の命にも係わる重大な事態と言えます。

他にも乳牛の搾乳が出来なかったり、多くの工場が操業停止に追い込まれるなど、経済への影響も心配されています。

 

それにしてもなぜ全域停電という深刻な事態が起きたのでしょうか。

電力は普段は需要と供給のバランスを取り、周波数を一定にして送られています。

しかし、そのバランスが崩れますと周波数が変化していわば質の悪い電気が流れることになり、発電所ではタービンなどが壊れる恐れがあります。

これを防ぐために各発電所には周波数の変化を検知した場合に緊急に運転を止める安全装置がついています。

今回主力の苫東厚真発電所が止まって電力供給の半分が瞬時に失われたため、周波数が変化、これを受けて残りの発電所も緊急停止しました。

この事態を受けて、経済産業省と北海道電力は、まず苫東厚真を再稼働しようとしましたが、地震の揺れで機器が損傷したことが分かり再開を断念しました。

別の小規模な石炭火力発電所を順次立ち上げていくことに方針を変更しました。

 

しかし石炭火力を再稼働させるには、石炭を運んで砕いたり、空気を送り込まなければならず、そのためには電源が必要です。

その電気を確保するために近隣の水力発電所を再稼動させなければならず、初動に手間取りました。

その後徐々に発電が再開し、昨日(9月6日)夕方までに160万戸あまりで電力が復旧しました。

政府と北海道電力は今日(9月8日)中にほぼ全域で停電を解消させる方針ですが、完全復旧には時間がかかるため節電を呼びかけています。

 

国内で大手電力管内全域が停電となったのは今回が初めてです。

政府も電力会社も瞬時に大規模な電源が失われる「想定外のことが起きた」といいますが、本当に想定出来なかったのでしょうか。

私は、東日本大震災の教訓を踏まえた対策を急いでいれば、停電を最小限に抑えたり、発電再開までの時間を短くすることが出来たのではないかと思います。

 

東日本大震災では福島第一原発など出力の大きい原発が一斉に止まって首都圏で電力が足りなくなり、地域ごとに順番で停電させて電力需要を抑える計画停電が行われました。

これをきっかけに、一ヵ所に大型発電所を集める大規模集中電源の危うさが問題となり、電力が大規模に失われた場合の対策を立てることや、発電所を分散配置すること、更には他の地域から電力の融通を受ける体制を充実させていくことなどが教訓とされました。

 

しかし今回、その教訓は十分生かされず、災害への備えが不十分だったと言わざるを得ません。

北海道電力管内では需要全体の4分の3を火力発電に頼っており、中でも1ヵ所の火力発電所に全需要の半分を担わせるといういびつな電力供給体制となっています。

仮に各地域の多くの発電所で電力需要を賄う分散型電源が実現していれば、震源に近い発電所が停止したとしても需給バランスは大きく崩れることはなく、全域停電にはならなかった可能性があります。

 

そうは言いましても、新たに発電所を設置するにはコストと時間がかかることも確かです。

実際、北海道電力は天然ガスの火力発電所の新設も進めていましたが、今回の地震には間に合いませんでした。

であれば分散型電源の実現と並行して、現状の電力供給体制で大規模な電源が瞬時に失われた場合の対策もしっかり検討しておくべきだったと思います。

経済産業省によりますと、北海道電力管内では130万kwが瞬時に失われる事態までした想定されておらず、今回のような165万kwが失われることは想定外だったというわけです。

しかし苫東厚真発電所は全体で165万kwあるわけで、東日本大震災の教訓を踏まえれば当然これが全て失われることを想定しなければならないはずです。

分散型電源の実現がすぐには難しいのであれな、石炭火力発電所に大容量の非常用の電源を備えて、緊急停止しても短時間で再稼働出来る体制をとることなども検討すべきではなかったかと思います。

 

そして東日本大震災のもう一つの教訓、他の地域からの電力融通についても十分な体制が出来ていませんでした。

北海道で電気が足りなくなった場合、本州から電気を送ることが出来るよう、津軽海峡に北本連携線と呼ばれる海底の送電線がありますが今回は機能しませんでした。

この送電線を使うには本州側から直流で受け取った電気を交流に変換しなければなりませんが、そのために外部から電気を供給する必要がありました。

しかし全域停電となってしまったため、すぐには使えなかったのです。

また仮に融通出来ていたとしても、容量が60万kw分しかなく、苫東厚真を代替するには足りませんでした。

北海道電力では震災の教訓も踏まえて別の連携線の建設を進めていますが、建設に莫大なコストもかかることもあって30万kw分しかありません。

はたしてこの規模で十分なのか、容量を増やす場合にどこが費用負担するのかなど、政府は今回の事態を受けて再検討する必要があると思います。

 

そして今回の事態を受けて更に重要なのは、他の地域で起きることがないか、それを検証することです。

東京電力や関西電力管内など大消費地では、一つひとつの発電所の規模が電力需要に比べて相対的に小さくなるため全域が停電するリスクは小さいと見られています。

しかし四国や北陸など電力需要が小さいところではそれぞれの発電所の規模が電力需要に対して大きくなる場合があるかもしれません。

それぞれの地域で大規模な電源が失われた場合の想定は適切なのか、電源の分散化は進んでいるのか、他の地域からの融通を受ける体制に問題はないか、政府と大手電力はあらためて検証する必要があると思います。

 

北海道では(9月7日現在、)いまだに100万戸以上で停電が続いています。

電気は命に係わる重要なインフラです。

政府と北海道電力は停電による被害が出ることがないよう、まずは発電所の復旧を急いで行った上で、二度と大規模停電が起きない体制を築いていかなければなりません。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

あらためて思うのは、電気は鉄道、道路の信号、あるいは工場、病院などの機能停止に係わる重要な社会インフラであるということです。

そうした中、最大震度M7の巨大地震発生により、北海道の主力の苫東厚真発電所が止まって電力供給の半分が瞬時に失われたため、大きな周波数の変化により残りの発電所も緊急停止してしまい、北海道全域の停電をもたらしてしまったのです。

その結果、その対応に当初の見込みより時間がかかり、現在も2割の節電の呼びかけが続けられています。

 

国内で大手電力管内全域が停電となったのは今回が初めてといいます。

そして、政府も電力会社も瞬時に大規模な電源が失われる「想定外のことが起きた」といいます。

しかし、番組を通して感じられるのは、水野解説委員もおっしゃっているように、本当に「想定外」と言って片付けてしまってよかったのかという疑問です。

 

そこで、以下に今回の巨大地震発生に伴う全域停電について、その問題点、およびリスク対応策、コンティンジェンシープランについてまとめてみました。

(問題点)

・地震強度、その被害規模の想定、およびそのリスク対応策が妥当でなかったこと

(リスク対応策)

・想定の妥当性を見直し、それに沿った適切なリスク対応策を検討・実施すること

 

(問題点)

・経済産業省と北海道電力は、まず苫東厚真発電所を再稼働しようとしたが、地震の揺れで機器が損傷したことが分かり再開を断念したこと

(リスク対応策)

・あらかじめ地震の揺れなどによる機器が損傷を想定したリスク対応策を実施しておくこと

 

(問題点)

・東日本大震災の教訓を踏まえた対策が実施されていなかったこと

(リスク対応策)

・大規模集中電源を避け、発電所を分散配置すること

・他の地域から電力の融通を受ける体制を充実させること

 

  • 上記の教訓を生かした対策の実施を急いでいれば、停電を最小限に抑えたり、発電再開までの時間を短くすることが出来たと思われる

 

(コンティンジェンシープラン)

・電力需給状況に応じた節電の呼びかけ

・地域ごとに順番で停電させて電力需要を抑える計画停電

 

なお、番組でも指摘しているように、今回の事態を受けて、他の地域でも巨大地震が起きることがないかを検証することは同様の被害をもたらさないためにとても重要です。

是非、東日本大震災、および今回の北海道巨大地震の教訓を生かして政府のリーダーシップのもとに検証し、リスク対応策の再検討・実施に取り組んでいただきたいと思います。


 
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2018年09月14日
アイデアよもやま話 No.4121大坂なおみ選手 今シーズン急成長の3つのヒミツ!

9月10(月)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で大坂なおみ選手 今シーズン急成長の3つのヒミツについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ご存知の通り、テニスの4大大会の一つ、全米オープン女子シングルス決勝で大坂なおみ選手(20歳)が元世界ランク1位で、4大大会を23回も制した女子テニス界の女王、セリーナ・ウィリアムズ選手(36歳)を下し、日本人として初優勝を果たしました。

 

大坂選手は今シーズン急成長を遂げたわけですが、その理由として挙げられるのが昨年12月に専属コーチに就任したドイツ出身のサーシャ・バインさん(33歳)の存在です。

歴史的偉業の裏にはサーシャ・コーチがもたらした大坂選手の“3つの変化”がありました。

1つ目は“ポジティブ・シンキング(積極思考)”です。

これは「なんでも前向きに物事を考えればそれは実現し、人生はうまくいく」という考え方です。

サーシャ・コーチが就任時、大坂選手に抱いた最初の印象は何でも後ろ向きに考えるというネガティブな考え方でした。

そこでサーシャ・コーチが取り組んだのは大坂選手の意識改革でした。

 

以下は意識改革前のある試合中の大坂選手とサーシャ・コーチとのやり取りです。

(サーシャ・コーチ)

「何イライラしているの?」

(大坂選手)

「全部。」

(サーシャ・コーチ)

「僕はよくやっていると思うよ。」

(大坂選手)

「私はそうは思わない。」

(サーシャ・コーチ)

「なおみなら出来るよ。」

 

こうしたサーシャ・コーチの根強い指導で徐々にポジティブ・シンキングを手に入れていった大坂選手は、今年3月ツアー初優勝、成長を見せる大坂選手にサーシャ・コーチは次なる変化を与えました。

それは2つ目の“ガマン”です。

以前の大坂選手と言えばプレイがうまくいかないとラケットをたたきつけたり、泣いたりと試合中に心が折れてしまうことがありました。

しかし、今大会の大坂選手はインタビューで次のように答えています。

「集中してた。」

「後はペイシェンス(ガマン)。」

 

「すごくガマンした。」

「一番大切(なこと)はガマン。」

 

ことあるごとに“ガマン”という言葉を口にした大坂選手、実際に苦戦を強いられた今大会の4回戦ではイライラが募り、ラケットをたたきつけそうになるも“ガマン”、のど元に手を当て、何かを呟き、自分自身を落ち着かせている場面も見られたのです。

 

更に変化は内面だけでなく、外見にも現れていました。

それは“減量”です。

サーシャ・コーチの就任前に比べて、昨年オフのトレーニングで7kg以上の減少に成功しました。

しかし、ただ体重が減ったわけではありません。

元テニスプレーヤーの沢松 奈生子さんは次のようにおっしゃっています。

「サラブレッドになったんです。」

「彼女はいらない部分を落としながらも、パワーもスピードも体力もつけました。」

「最高のフィジカルな状態です。」

 

“ポジティブ・シンキング”、“ガマン”、“減量”という3つの変化で成長を遂げた大坂選手、歴史的偉業の裏にはサーシャ・コーチの存在があったのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組で紹介された大坂選手の3つの変化から「心技体」という昔から日本のスポーツ界でよく使われてきている言葉を思い出しました。

「心技体」とは、精神力(心)、技術(技)、体力(体)の総称で、最高のパフォーマンスを発揮するには心と技と体のバランスが重要であると言われています。

 

サーシャ・コーチが「心技体」をコーチをする上で意識しているかどうか分かりませんが、「心技体」のバランスを取ることは最高のパフォーマンスを発揮する上での原理原則だと思います。

しかし、元々技術的なレベルでは高い大坂選手の弱点であるネガティブな「心」と重量過多の「体」の改善の必要性を見抜いて3つの変化につなげたと解釈出来ます。

 

更に、番組では紹介されていませんでしたが、大坂選手へのサーシャ・コーチの接し方は上から目線ではなく、とてもソフトです。

ですから、選手に手をあげるタイプではないといいます。

そして、一般的なコーチはあまりしないそうですが、サーシャ・コーチは四六時中大坂選手と一緒にいることで安心感を与えるようにしているといいます。

また、辛い練習を楽しくさせるために、練習の中にゲーム感覚を取り入れているといいます。

 

さて、ここで思い出されるのは幕末の思想家、吉田松陰の教育方針です。(参照:No.2898 ちょっと一休み その459 『吉田松陰にみる教育の重要性』

サーシャ・コーチと共通しているのは以下の3つです。

・教え子の個性を重視

・暴力を教育の手段としないこと

・短期間で教え子を急成長させたこと

 

今、日本のスポーツ界は2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを迎える中で、コーチによる暴力やパワハラ、更には関連協会のガバナンスなどの問題で大荒れ状態です。

しかし、吉田松陰の教育、あるいはサーシャ・コーチによるトレーニングの成果が示しているように、暴力やパワハラに訴えなくても教える側の人間力や教育方針次第で短期間で急成長させることが出来るのです。

関連報道記事に接する限り、日本のスポーツ界はこのお二人とは真逆な状況が多く感じられます。

ということで、スポーツ協会やコーチの方々には、“選手ファースト”を大前提に自らを大改造していただきたいと思います。

優れたお手本は身近なところにあるのです。


 
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2018年09月13日
アイデアよもやま話 No.4120 生産性倍増の植物工場!

これまで植物工場については何度かお伝えしてきました。

そうした中、5月31日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で生産性倍増の植物工場について取り上げていたのでご紹介します。

 

建物の中で光や水をあげて野菜などを育てる植物工場ですが、実は計画通りに育てるのが難しく、58%の事業者が赤字だという調査結果があります。(日本施設園芸協会調べ)

そこでこの課題に挑む、イノベーションを起こそうとしているベンチャー企業があります。

 

倉庫に置かれた一見ただの大きな箱、これを開発したのは株式会社プランテックス(千葉県柏市)です。

中を開けると全てレタスです。

経営するのは、山田 眞次郎会長と山田 耕資社長の親子です。

山田社長は次のようにおっしゃっています。

「これは、世界の植物の生産を変える装置だと思っています。」

 

6月に販売を始めるというこの常識破りの“野菜生産装置”、最大の特徴について、山田会長は次のようにおっしゃっています。

「一般的な植物工場は外から光が見えますよね。」

「我々のは全部密閉されているんですね、この壁で。」

 

一般的に植物工場は広い空間に置いた棚で育てるのが常識です。

しかし、場所によって温度や湿度に大きな差が出てしまい、枯れてしまう野菜もあるといいます。

一方、プランテックスの装置は断熱材を使った壁で棚を密閉、温度や光を外側と完全に遮断し、均一な状態で野菜を育てているといいます。

更に、空気の温度や湿度、CO2濃度、風、あるいは光の量などをセンサーで計測し、野菜の異常を感知すると、独自の栽培理論を元に光合成に必要なCO2を増やした空気を送り込んだり、水に養分を多く流し込んだりして最適な環境を自動で整えます。

枯れるリスクが大幅に減るため、生産量は従来型の植物工場の2倍以上に高まるといいます。(同じ期間、面積での比較)

山田会長は次のようにおっしゃっています。

「(これを作り上げたのは、)元インクスで働いていた創業メンバーです。」

「インクスというのは、私が1990年に起業して、彼らは新卒で入って来たんですね。」

 

実は、彼らはインクスというという金型メーカーでの山田会長の元同僚なのです。

インクスは金型製造にITを取り入れ、当時の小泉総理も視察に訪れた注目企業でした。

しかし、2009年にリーマンショックの影響で経営破たんしてしまいました。

山田社長がインクスの民事再生の再生計画を担当して、最後に道をつけたのです。

山田会長は次のようにおっしゃっています。

「一緒にインクスをやってもらって、ある意味で一番辛いところを彼(山田社長)がやった。」

「(破たんして、)ぶらぶらして勉強中に、2011年頃、家庭用の小さい植物装置を作れば売れるかなと思ったんですね。」

 

しかし、200万円以上かけた栽培装置も失敗し、落胆していた山田会長のもとに、ある大学で画期的な植物工場の実現に成功したという情報が入りました。

山田会長は、インクスの元部下たちを連れてその大学を訪れました。

半信半疑で研究室の扉を開けると、皆驚きました。

そして、これは大きなビジネスになると確信しました。

一度会社を潰してしまった山田会長が躊躇する中、元社員たちは「起業しましょう、こんなチャンスはないですよ」と声を上げました。

これがプランテックス誕生に向けて動き出した瞬間でした。

それから山田会長たちは毎週末、CO2の量や気温の変化など、植物の成長に関する論文を引っ張り出して調べ始めました。

そして半年後、遂に野菜の大切な育て方の数式を完成させたのです。

その数式とは、およそ300の論文をつなぎ合わせたものでした。

山田会長は次のようにおっしゃっています。

「センサーで測った値がどこに影響しているか全部分かる。」

「(野菜が)CO2をどれだけ吸っているか、水をどれだけ吸い上げているか、どこをいじれば最適になるか分かるわけですね。」

 

この数式をもとに、更に4年間の開発期間を経て、ようやく野菜生産機が完成、現在大手スーパーや不動産会社から問い合わせが相次いでいるといいます。

そしてプランテックスは次の段階へと進んでいます。

訪れたのは、農業の研究などを進めるベンチャー企業、株式会社リバネス(東京都新宿区)です。

リバネス アグリガレージ研究所の宮内 陽介所長は、面談の場で次のようにおっしゃっています。

「(植物は)温度を高くすると香りが高くなるのかなというのと、日照時間というか、ライトを当てている時間を変えるとやっぱり香りに影響してきそうだな・・・」

 

この企業と野菜の味や香り、栄養を高める育て方を研究し、植物工場に生かそうとしているのです。

山田会長は次のようにおっしゃっています。

「次は3年後に“成分”や“味”がコントロール出来ていないと負けますよ。」

「(装置は)2万点の部品が入っているんですね。」

「自動車より複雑なんですね。」

「そういう複雑なものを日本の工業力を使って、日本の最も得意とする“生産機”の生産をやっていくということは世界一に絶対なれると思います。」

 

なお、今回ご紹介した植物工場、“野菜生産装置”はかなり大掛かりなので導入コストがかかりそうに見えますが、10台以上導入すれば採算が取れるだろうということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

以前にもお伝えしましたが、植物工場は地球上のどのような環境の場所においても比較的簡単な装置で野菜などを育てることが可能です。

それでもコストに見合わなければその普及は期待出来ません。

番組でも伝えているように、58%の事業者が赤字だという調査結果があります。

そうした中、今回ご紹介した“野菜生産装置”は10台以上導入すれば採算が取れるといいます。

更に、プランテックスでは野菜の味や香り、栄養を高める育て方の研究に取り組もうとされています。

驚くことに、プランテックスでは野菜の大切な育て方のとても複雑な数式を完成させ、この装置には2万点の部品が入っているといいます。

ですから、是非モノづくりに優れた日本企業の長所を生かして植物工場の世界的な普及を目指していただきたいと思います。


 
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2018年09月12日
アイデアよもやま話 No.4119 “デザイン経営”で利益アップ!

5月24日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で“デザイン経営”という耳慣れない言葉について取り上げていたのでご紹介します。 

 

特許庁の宗像 直子長官は、5月24日、デザインを活用し、企業のブランド力とイノベーション力を向上させる取り組みを進める考えを示しました。

特許庁は、企業価値の向上に向け、デザインを重要な資源として活用する経営を“デザイン経営”と定義しました。

日本ではデザインに積極的に取り組んでいる企業が少ないと言われる中、海外ではデザインへの投資により4倍の利益が得られたという調査もあります。

特許庁はデザイン保護の受け皿となる意匠法の大幅な改正の他、ビジネスや技術面とデザイン面を兼ね備えた高度デザイン人材の育成など制度面で後押しする方針です。

 

番組コメンテーターでA.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんは次のようにおっしゃっています。

「(“デザイン経営”は単にかっこいいものを作るというのではなく、)企業や産業の本質的な競争力としてデザインを使おうという問題意識です。」

「今回の(特許庁の)宣言の原稿を書くのに私も係わったんですけど、2つの大きな狙いがあって、1つ目がブランディングのためのデザイン、これは例えばアップルを考えていただくと、アイフォンという端末だけじゃなくて、アップルストアもあれば、広告もあれば、カストマーサービス、サポートもある。」

「で、これ全ての顧客の接点をアップルの世界観で一気通貫でコントロールするということをする司令塔になるためのデザインの役割ですという話です。」

「それからもう一つは、イノベーションのためのデザイン、これは事業やサービスの新しいものを構想を立てて企画をして開発をしてという一連のプロセスで、デザインがエンジニアと事業企画のメンバーと三位一体となって最上流から入って新しい事業を作っていくところをリードすると、このためにデザインは活躍しなきゃいけないと、そういう話をしています。」

 

また、解説キャスターで日経ビジネス編集委員の山川 龍雄さんは次のようにおっしゃっています。

「私も取材していて、恥ずかしながら最初は見た目のカッコよさだと思っていた時期があるんですよ。」

「で、日本企業全般が出遅れていた時期があって、アップルの話が出ましたけれども、やっぱりアップルショップで買って、綺麗なパッケージを開けて、そして操作してみたらすぐに快適に動かせるっていう一連のお客さんとの接点全部を組み直すっていうのが今言われているデザインなんですよ。」

「ですからね、そこにちょっと持って行かないと。」

「今、国家を上げて中国も韓国も欧米もみんな取り組んでいますから、ようやくそこに日本も緒に就いたっていう感じがしますね。」

 

梅澤さんは次のようにおっしゃっています。

「(そうするとデザイナーの役割が重要になってくるのではという指摘に対して、)そうですね。」

「なので、今回高度デザイン人材と言っているのは、美大(美術大学)を出て従来のデザイン教育を受けているだけではなくて、エンジニアリングの素養もあるとか、あるいは社会学も勉強をしているとか、あるいはビジネスのことが分かるとか、というような複線型の人材で、だからこそ最上流の事業企画のところから入っていっても活躍出来ると、こういう人たちも育てて行きましょうと、企業内でも大学院でも。」

「こういう議論をしています。」

「(それはデザイナーさんにこれから教育をしていくことになるのかという問いに対して、)ていう話とそれから逆にエンジニアがデザインの素養を身に付けるというのと両方あると思います。」

「ですからビジネススクールでもデザイン的な教育を織り込み始めています。」

 

こうしたことについて、山川さんは次のようにおっしゃっています。

「(ダイソンの)ジェームス・ダイソンも(アップルの)スティーブ・ジョブスもいわゆるデザイン・リーダーみたいな人ですから、そっちも変わんないといけないということですね。」

 

これに対して、梅澤さんは次のようにおっしゃっています。

「(ダイソンさんは、)デザイン・エンジニアとご自分で呼ばれていて、ダイソンのデザイナーは皆さんデザイン・エンジニアで両方とも勉強してきた人たちです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず、番組を通しての“デザイン経営”の狙いは、デザインの活用による企業の価値、および競争力の向上です。

ですから、ここで言うところのデザインとは単なる商品のデザインだけでなく、企業の価値、および競争力の向上に係わる、製造や販売、あるいは関連施設も含めたあらゆる企業活動が対象になるのです。

 

さて、例えば一流と言われる有名デパートでは、上品な商品を扱い、販売員の接客態度も洗練されており、売り場も比較的ゆとりがあり、ゆったりとした雰囲気の中で買い物を楽しむことが出来るというように販売プロセスを通して一つのスタイルが確立されています。

また、多くの企業は従来から“地球に優しく”とか“安心・安全をお届けする”などといった「経営理念」を掲げています。

“デザイン経営”はこうした企業のこれまでの取り組みを包括的に見直してデザインし直す活動とも言えます。

 

そこで、“デザイン経営”の具体的な枠組みについて、私なりに以下にまとめてみました。

・世界観の明示

・ブランドの確立

・信頼、安心、洗練、肯定

・より多くのファンの獲得

 

こうしてまとめてみると、“デザイン経営”の最初のとっかかりは自社の「経営理念」の見直しだと思います。

そして、その「経営理念」に沿って、“デザイン経営”の手法に則ってあらゆる経営プロセスを再構築するということだと思います。

 

“デザイン経営”の効果については、海外の例では4倍の利益が得られたという調査もあるといいますから、今後“デザイン経営”に取り組む企業が増えていくと思われます。

そこで必要となるのがデザイン・エンジニアです。

そして、デザイン・エンジニアがデザインする対象は、単に商品のデザインだけでなく、あらゆる企業活動なのです。

ですから、とてもやりがいのある仕事ですが、幅広いスキルが求められます。

資源小国、日本においてはこうした知的財産とも言える“デザイン経営”の優れた手法の蓄積は国の無形財産として今後ともとても重要になります。

また、“デザイン経営”の基本的な考え方はどのような分野においても応用出来るのです。

ですから、特に若い人たちにはデザイン・エンジニアの第一人者を目指して頑張っていただきたいと思います。


 
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2018年09月11日
アイデアよもやま話 No.4118 “脱プラスチック”の新素材を開発した日本のベンチャー企業に商機!

プラスチックゴミの弊害については、これまでNo.4080 ちょっと一休み その657 『いずれ人の体内にもプラスチックが蓄積される!?』などで何度かお伝えしてきました。

そうした中、5月22日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で “脱プラスチック”の新素材について取り上げていたのでご紹介します。

 

5月からロンドンのマクドナルドで使われているストローは触ってみると普通のプラスチックのものと全く違います。

実はこのストローは紙で出来ているのです。

ヨーロッパをはじめとする世界各国で、このようにプラスチックの使用を控える“脱プラスチック”の機運が高まっています。

そうした中、プラスチックに代わるある素材を作り出した日本のベンチャー企業に注目が集まっています。

 

プラスチックゴミによる河川などの汚染が問題となっているイギリス、今年1月には今後25年間で不要なプラスチックを抑えるという環境対策が発表されました。

イギリスをはじめ、EUではプラスチックによる海洋生物への被害を深刻だとして、“脱プラスチック”の動きが加速、EUの行政執行機関である欧州委員会では、再利用出来ないプラスチック包装の数量に応じて、今後加盟国への課税を検討している他、フランスでは2020年1月から使い捨てのプラスチック製カップや皿などを禁止する法律が施行されます。

 

そうした中、注目を集めているのが過去にこの番組で取材した「LIMEX(ライメックス)」という新素材を開発したベンチャー企業、株式会社TBMです。

耐久性抜群で、水濡れにも強い、紙の代替品として注目を集めた「LIMEX」は、プラスチックの代替品としても期待を集めています。

そして、EUで広がる“脱プラスチック”の動きに対応した新素材を開発したといいます。

「LIMEX」は石灰石を主な原料として作られますが、一部に石油由来の樹脂が混ぜられています。

それをポリ乳酸というトウモロコシなど植物のでんぷんから作られた樹脂に置き換えたのです。

社長の山崎 敦義さんは次のようにおっしゃっています。

「土に還ったり、通常のポレオレフィンの樹脂と比較しても機能的にも劣らない。」

「これを持ってヨーロッパに行かしていただくんですけども。」

 

「100%の生分解性「LIMEX」は、非常にグローバルで求められていた素材なんです。」

「これをなんとかローンチ(発売)させたい。」

 

この新しい「LIMEX」は早速EUから注目を集めていて、5月23日からベルギーで開催されるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に関する国際的な会議でお披露目される予定です。

会議のパンフレットにも「LIMEX」が採用されました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

新しく開発された「LIMEX」は、従来品の耐久性抜群で、水濡れにも強いという特徴に加えて、更に一部の原料として使われていた石油由来の樹脂をトウモロコシなど植物のでんぷんから作られたポリ乳酸という樹脂に置き換えたことによりSDGsにも合致するようになりました。

ですから、プラスチックの代替品としてとても望ましいと思います。

ただ問題は価格です。

いくら環境に優しいと言っても、価格が従来品と比べて割高だと中々普及が進みません。

ですから、「LIMEX」を開発したTBMには、是非従来のプラスチック製品に劣らない価格設定が出来るように工夫していただきたいと思います。

また、せっかく世界初のプラスチックに代わる素晴らしい素材である「LIMEX」が日本のベンチャー企業により開発されたのですから、現政権には世界に先駆けて国内での「LIMEX」の普及により、“脱プラスチック”政策を進めていただきたいと思います。


 
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2018年09月10日
アイデアよもやま話 No.4117 葉山町によるユニークなSNSの発信!

5月18日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ東京)で葉山町によるユニークなSNSの発信について取り上げていたのでご紹介します。

 

情報発信にSNSを活用する自治体が全国で増えていますが、ターゲットとする若者に中々見てもらえないと悩むところも少なくありません。

こうした中、ユニークなSNSで人気を集めている町が神奈川県にあります。

 

画像共有アプリ、インスタグラムに投稿された1枚の写真、海沿いの町の日常風景に「たぬきもバスに乗りたいの?」という文章、「いいね」の数はなんと2000件以上です。

実はこれ、神奈川県葉山町の公式アカウント、人口3万3000人の町にも係わらずSNSのフォロワーは1万7000以上、自治体のアカウントとしては横浜市に次ぐ全国2位です。

SNSの投稿を任されている葉山町秘書広報係の宮崎 愛子さん(29歳)は、広報誌の制作などを担当してきました。

宮崎さんは次のようにおっしゃっています。

「広報誌・ホームページでは、若い方に情報が届いていないことがずっと課題で、元々町の魅力も若い人に本当に伝わっているのだろうかというのは思っていましたね。」

 

美しい海に面し、皇室の御用邸があることでも知られる葉山町、観光地としての人気は高いものの、鉄道の駅がない不便さなどもあり、近年は住民の高齢化も進んでいました。

こうした中、葉山町では、特に若い世代に住んでもらえる町としての魅力を発信したいと考えています。

葉山町の山梨 崇仁(たかひと)町長は次のようにおっしゃっています。

「(昔は)葉山は気品がある、しかしはやりの湘南地域というイメージがいっぱいあったんですね。」

「それがやっぱり今、私、去年大学で講義をしたんですけども、60人の学生のうち20人くらいしか“葉山”という名前を知らなかったとかですね、それこそ時代の変化を感じたんです。」

「これはまずいという危機意識が我々にはあって・・・」

 

そこで3年前、宮崎さんら若い職員で発信を始めたのが、若者に人気のSNS、しかし当初はほとんど見てもらえませんでした。

宮崎さんは次のようにおっしゃっています。

「最初は全く人気が出なくて、友達にフォロワーになって欲しいと声をかけたりとか、中々浸透しないのが1ヵ月、2ヵ月続きました。」

 

なぜ見てもらえないのか、SNSでフォロワーと呼ばれるファンを多く持つ人たちにアドバイスを求めたところ、指摘されたのは“お役所言葉”でした。

宮崎さんは次のようにおっしゃっています。

「“森戸海岸では綺麗な夕日が見られます”とか、(役所の)広報的な文章が多かったんですけど、それが“もうちょっと柔らかい、親近感がわく投稿にしたら”とか、どんどん変えていったかたちです。」

 

外国の雰囲気が漂うヨットハーバーの写真には「「ハワイなう」って、アリバイ写真に使っていい」、サーフボードを抱えて浜辺を歩くひとの写真には「大きな笹かまぼこだ〜」、キジの写真には「桃太郎待ちでーす」、道路標識には「あっち向いて・・・ホイ!」、ユニークさが人気を呼び、「いいね」やフォロワー数が急上昇、昨年、町がSNSのフォロワー向けに行った催しには、町外から多くの若い世代の人たちが訪れました。

 

SNS開始前は1年で100人近く人口が減った年もあった葉山町、しかしこの3年は毎年人口が増えており、町はSNSの効果ではないかと見ています。

宮崎さんは次のようにおっしゃっています。

「葉山の町を知ってもらうには、どうしても訪れてもらわないといけないとは思うんですけど、そのきっかけが作れたら、町としても魅力を持っていると思っていますので、来て下さった方に気に入ってもらって、何度も来ていただいているうちに、いつかは住みたいというふうに思っていただけるのが一番かなと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通してまず感じたことは、何かを人に伝える際に、伝え方によって相手に関心を持ってもらえるレベルが変わるということです。

考えてみれば、ドラマや通販などテレビのコマーシャルもいかに見てくれている不特定多数の中のターゲット層の人たちの購入意欲を引き出すかに腐心しているのです。

 

最近ではSNSでフォロワーと呼ばれるファンを多く持ち、多額の収入を得ているブロガーと言われる人たちは新たな職業として確立されつつあります。

こうした人たちはテレビのコマーシャルと同様に、いかに多くの人たちの興味を引くかに腐心しているのです。

これも立派な能力だと思います。

葉山町では、まさにこうしたブロガーの知恵を拝借した結果、今ではインスタグラム自治体のアカウントとしては横浜市に次ぐ全国2位といいます。

この3年は毎年人口が増えているといいますから、SNSの効果も少なからずあると思われます。

ということで、今更ながらですが、誰かに何かを伝えようとした場合、相手がどのような立場の人なのかを意識して、表現方法を工夫することがとても大切なのです。

 

最近、“限界集落”という言葉を耳にするようになりましたが、多くの地方自治体は少子高齢化による過疎化の進行に頭を悩ましています。

しかし、それぞれの地域には一つや二つは何かしら“行って見てみたい”と思わせるような場所があるはずです。

ですから、こうした観点で、自治体の広報係やブロガーの方々がより興味を持ってもらえるようなかたちで情報発信することが町の活性化、更には若い人たちの移住のきっかけにつながると思います。

実際に私も葉山町の公式ブログを拝見してみましたが、美しい景色が沢山あり、ドライブで行って見たいと心を動かされました。

 

ということで、今回ご紹介した葉山町の取り組みの事例はこうした可能性を教えてくれたのです。


 
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2018年09月09日
No.4116 ちょっと一休み その663 『これからの時代の4つのキーワード その1 持続可能な社会の実現!』

18世紀の産業革命以後の300年足らずという人類の悠久の長い歴史の中のわずかな期間からだけみても、現在は人類のあり方、社会、およびテクノロジーの観点からとても大きな変化の時代を迎えていると思います。

そこで、これからの時代のキーワードについて、あらためて私の思うところを4回にわたってお伝えします。

1回目は持続可能な社会の実現についてです。

 

まず、これからの時代の4つのキーワードの1つ、持続可能な社会の実現について、その阻害要因として以下に4つを挙げました。

 

私たち人類は、産業革命以来、豊かさを求めて地球環境を自分たちの都合のいいように開拓し、一方で有限と言われる化石燃料を使い尽くしてしまう勢いでエネルギーを消費しています。

ところが今や、世界的に急速に森林の面積が減少しており、化石燃料もせいぜい数百年程度で枯渇してしまうのではと思われます。

こうした結果、植物の光合成によるCO2吸収量の削減、およびCO2など温室効果ガスの排出量の増加により地球温暖化の進行が世界共通の大きな問題となっております。

一方、化石燃料の代替エネルギー源として原発建設が進められてきましたが、福島第一原発事故を契機に世界的な趨勢として“脱原発”に関心が集まっています。

そうした中、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電が普及しつつありますが、コスト面や設置場所の制約からまだ主電源としての位置を占めるまでには至っておりません。

 

一方、世界的に格差社会化も大きな問題になっています。

一部の一握りの資産家に富が集中し、一方で中間層が減り、富裕層と低所得層との2極分化が進んでいるのです。

この流れが極限まで進めば、社会不安が高まり、暴動、更には革命が勃発しかねません。

 

また、大量破壊兵器の存在も人類の存続を危うくします。

現在、核兵器は世界中に1万数千発が拡散しているといいます。

そこに、北朝鮮も外交の大きな切り札として核兵器保有国を目指しています。

ですから、専門家の中には、いくら米朝首脳会談などの外交が展開されても、北朝鮮が核兵器の開発から手を引くことはないという見解もあります。

同様に、今のところ既存の核兵器保有国も核兵器の保有が戦争勃発の抑止力として有効であるとして積極的に核兵器廃絶に向けた動きをするという気配もありません。

 

以上、これからの時代の4つのキーワードである持続可能な社会の実現について、その阻害要因として、地球環境、エネルギー、格差社会、大量破壊兵器の4つを挙げました。

しかし、残念ながらこうした阻害要因を取り除くための実効性のある具体的な対応策までお伝えするだけの能力を私は持ち合わせておりません。

ですから、より多くの優秀な頭脳をお持ちの方々が持続可能な社会の実現に関心を持っていただき、協力して少しでも早く持続可能な社会を実現していただきたいと思います。


 
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2018年09月08日
プロジェクト管理と日常生活 No.557 『北海道で巨大地震 その1 被害の現状と影響』

9月6日(木)3時過ぎに、北海道で初めて最大震度7を観測する地震が発生し、北海道全域にわたり大変な被害をもたらしています。

そこで、プロジェク管理の観点から2回にわたって被害の現状と影響、そしてリスク対応策についてご紹介します。

 

1回目は9月6日(木)放送の「北海道で震度7 広がる被害と影響は」をテーマとする「時論公論」(NHK総合テレビ)を通して、被害の現状と影響についてご紹介します。

なお、解説は松本 浩司解説委員と清永 聡解説委員でした。

 

北海道で初めて震度7を観測した地震では広い範囲の土砂崩れで多くの人の安否がわからならくなっているほか、北海道の広い範囲で停電が続くなど、これまでにないような大きな被害が出ています。

また、台風と地震という連続災害で新千歳空港と関西空港という2つの国の基幹空港が閉鎖になるという未曾有の事態に直面しました。

 

【被害 租攤什匈押

(松本)

地震が起きたのは6日未明の午前3時過ぎ。安平町で震度6強が観測されましたが、データが送られてこなかった厚真町では午後になって震度7の揺れだったことがわかりました。

気象庁はこの地震を「平成30年北海道胆振東部地震」と名前をつけました。

被害の大きな特徴のひとつは広範囲の山の斜面崩壊でした。

安否のわからない人が大勢います。

被害はなぜ広がったのでしょうか?

 

(清永)

厚真町の土砂崩れの様子です。

斜面がいたるところで崩れ落ち、山肌がむき出しになっています。

崩壊した斜面の割合はかなり高くなっています。

しかし、地震の前は、山間の地域に緑の木々が生い茂っていました。

 

専門家によると、これだけ広範囲に被害が起きたのは、1つは、この場所は土砂や軽石などが積み重なった地層で、固い地盤ではなかったこと。

さらに厚真町は、8月1ヵ月間では、平年を上回る217ミリの雨量が観測されていたことや、前日の5日も台風21号の接近で12ミリの雨が降ったこと。

そして、地面に多くの水分が含まれた状態で、激しい揺れに見舞われたため、特に傾斜の急な山の斜面が、表面付近から一斉に崩れたとみられます。

地震に伴う土砂災害としては、平成16年(2004年)の新潟県中越地震、そして一昨年の熊本地震でも南阿蘇村で土砂崩れが起きていますが、専門家は「今回は規模が大きい」と指摘しています。

 

厚真町は6日午後になって、実は震度7の揺れを観測していたことが判明しました。これは震度計の電源あるいは通信機能に支障が出て、震度のデータを入電できなかったためとみられるということです。震度5弱以上と推定されるのに、同じように震度のデータが一時的なものを含めてオンラインで長時間入手できなかったのは北海道の17か所に上ります。

今回は特に、震度7の把握まで半日かかりました。震度計の情報は被害を迅速に推測するために欠かせません。強い揺れでもオンラインのデータが途絶えないように、観測機器の整備を進める必要があります。

 

【被害◆噌がる停電の影響】

(松本)

もうひとつ深刻なのは広い範囲で停電が続いていることです。

激しい揺れに見舞われた地域は限られるのに、なぜ北海道の全域で停電したのでしょうか。

 

北海道電力などによりますと震源地に近い苫東厚真発電所が揺れを検知して緊急停止。

この発電所は北海道の需要全体のおよそ半分の電力をまかなっていました。

これが急に失われたことで需給のバランスが大きく崩れました。

バランスが崩れると周波数が変化して、いわば「質の悪い電気」が流れ、発電所の装置が壊れる恐れがあり、残りの発電所も自動停止し、道内全域にあたるおよそ295万戸で停電になったのです。

(注:こうした発送電システム(発電・送電・変電・配電を併せた電力の供給システム)の全系崩壊はブラックアウトと呼ばれています。)

 

その後、苫東厚真発電所の設備が被害を受けて再稼動に時間がかかることがわかりました。

北海道電力はほかの水力や火力の発電所の再稼動を進めていて一部で停電が解消したところもあります。

世耕経済産業大臣は会見で「明日までに290万キロワットの供給力を確保したい」とする一方、「十分な電力の復旧には少なくとも1週間かかる」という見通しを示しました。大きな影響が続くことが避けられない状況です。

 

特に停電の影響が深刻なのが医療施設や高齢者の施設、また家庭にいて医療機器などを利用している、命を守るために電気が必要な人で、大勢います。

北海道電力は発電所の再稼動を急ぐほか電力会社発電機車を借りて対応するとしていますが、命に直結する施設での電力の確保に最優先で取り組む必要があります。

 

(清永)

北海道全体に及ぶ停電は、市民にも深刻な影響を与えています。

各地で信号も消えたほか、15の市と町で断水しました。

電気も水もないため、夜になって避難所に身を寄せる人も少なくありません。

加えて、北海道は停電のため鉄道もストップし、空の玄関口である新千歳空港もターミナルビルの天井が崩れるなどして全便が欠航しています。

北海道は今、交通機関を使った移動も難しくなっています。

 

【連続災害の教訓】

(松本)

広い北海道ですが孤立しているような印象すら受けます。

 

(清永)

災害取材を長くしてきましたが、台風による大きな被害の翌日に、今度は地震の被害が続くというのは、私も経験がありません。

 

(松本)

同感です。台風21号が近畿地方を縦断し大きな被害を出し、5日に北海道沖を北上して雨を降らせました。

台風と地震という災害が連続するという、異例の危機に直面しています。

6日は関西空港と新千歳空港という日本の北と西の玄関口が同時に閉鎖になるという、かつてない事態になったことが象徴しているように思えます。

 

実は地震と水害が続いて起こるケースは稀にあります。

震度5弱以上の地震と警戒水位を超える洪水が1ヶ月の間に起きた事例が110年の間に20回あったというデータもあります。

気象災害の激甚化や次の南海トラフ地震が近づくことでこうしたケースが増えることが懸念されています。

自治体の中には、大地震で川の堤防が壊れたところに巨大台風が直撃するという複合災害を想定して防災計画を作ったり、訓練を行ったりするところも出始めています。

今回の台風と地震で、国や自治体は災害が連続して起こることも想定しなければならない、このことが突きつけられていると思います。

 

【今後の注意点】 

(松本)

今後の注意点は?

 

(清永)

今回は余震とみられる地震の回数が多いことが特徴です。

6日午後10時現在、体に感じる地震は79回に上っています。

また、北海道は7日から8日にかけて、広い範囲で雨が降ると予想されています。

特に土砂崩れがあった斜面の近くでは、今後の雨や余震によって新たに崩れる危険性があります。

気象庁は「今後1週間程度は激しい揺れに警戒してほしい」としています。

今後の余震への警戒とともに、雨にも十分な注意し、危険な場所には近づかないようにしてください。

 

【まとめ】

(松本)

北海道胆振東部地震による被害は広い範囲に広がっていて広域的な対応が求められています。安否のわからない人の捜索と救出を急ぐ必要があります。

また電力の確保や二次災害防止の対策、被災者への支援に国や自治体、他の電力会社など全力をあげて取り組んでもらいたいと思います。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

今回の北海道巨大地震「平成30年北海道胆振東部地震」を通して、番組以外の情報も含めて被害の現状と影響について以下にまとめてみました。

・台風などによる集中豪雨の後の巨大地震の発生が被害を更に大きくすること(土砂災害、連続災害/複合災害)

・巨大地震の後に水害が続いて起こるケースが稀にあること(連続災害/複合災害)

・ブラックアウトによる広域停電

・ガス、水道の広域での供給停止

・固定電話や携帯電話、スマホの通信障害

・道路事情の悪化による物流サービスの停止

・強い揺れで震度計の電源あるいは通信機能に支障が出て震度のデータを入電出来なくなると、被害を迅速に推測出来ないこと

・停電後の電力復旧時に起きる通電火災(参照:No.1986 ちょっと一休み その306 『災害時に注意すべき通電火災』

・巨大地震ではその後の余震による被害も大きい可能性があること

 

次回は、巨大地震発生に伴う広域停電に焦点を当てたリスク対応策についてお伝えします。


 
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2018年09月07日
アイデアよもやま話 No.4115 日本の財政状況は”ワニの口”!?

5月20日(日)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で日本の財政状況について取り上げていたのでご紹介します。

 

今、財務省などが国の財政の立て直しに向けた重要な検討を進めています。

毎年、巨額の借金が増え続け、先進国で最悪の水準となっている日本の財政、国は健全な方向に戻す時期の目標をこれまで2020年度としていましたが、これを更に5年先送りして2025年度とする方向で調整を進めています。

目標はなぜ先送りされるのか、また私たちの生活にどんな影響が考えられるのでしょうか。

 

まず国の財政状況のキーワードですが、”ワニの口”に例えられています。

口が開いたままふさがらない状態というわけです。

国の財政状況を示したグラフでは、”ワニの口”の上の方は国の支出(社会保障や公共事業、借金返済など)を表しています。

そして、”ワニの口”の下の方は国の収入(所得税や法人税、消費税など)を表しています。

1991年頃に”ワニの口”が開き始めたのですが、この頃にバブル経済の崩壊があり、税収が落ち込む一方、経済対策を行う必要があったので、支出がどんどん増え始めたということです。

この上あごと下顎あごの間をどうやって埋めているかというと借金なのです。

毎年毎年借金が増え続けているのですが、その総額は今年度末時点で883兆円あまり、国民1人当たりにすると700万円の借金を背負っているということになります。

 

この財政を健全化するということは、この“ワニの口”をなんとかして閉じていくことなのです。

そのためには、ワニの上あごである国の支出を抑えていく一方で、下あごである国の収入をなんとかして増やしていくことが必要になってきます。

 

この借金が膨らみ続けていく状況を放置しておきますと、国民の生活に大きな影響を及ぼす恐れがあります。

家計でも沢山借金を抱えている人には、お金を返してくれるか分からないので、あまり貸したくありませんし、仮に貸す場合でも金利が高くなります。

実際に財政危機に陥ったギリシアですけども、金利が高くなって、借金しようにも出来なくなりました。

結局、大幅な増税だとか年金の削減など、国民に痛みを強いることになったのです。

勿論、単純には比較出来ないんですけども、日本は沢山借金を抱えている状況ですけども、今低い金利でお金を借り続けていることが出来ているのです。

それはなぜかというと、日銀の存在があるからなのです。

大規模な金融緩和を日銀は続けていますけども、それは市場にお金を供給するために、市場を通じて大量に国債を買っています。

なので、金利が今低く抑えられているのです。

ただ、それはいつまでも続けられるわけではないのです。

なんで日銀が大量の国債を市場で買っているかというと、それは2%の物価目標を実現するという目標があるからなのです。

で、日銀が大規模な緩和を手じまいする方向、つまり国債を買う量を減らしていくようになりますと、当然国債の金利は上がっていきます。

ならば、日銀はこの先も国債を買い続ければいいのではないかという疑問を持たれる方もいらっしゃるかとも思うんですけど、それは日銀が国債を直接引き受けるということと同じにしてしまいます。

そうすると、当然財政の規律が緩むということで、日銀による国債の直接の引き受けは法律で禁止されていることなのです。

 

では“ワニの口”を閉じるためにはどうしたらいいのでしょうか。

実際に財務省では議論が始まっており、次のような提案をしています。

まず上あごの支出を切り詰める件についてですが、75歳以上の高齢者が病院の窓口で支払う自己負担の割合を現在の原則1割から2割に増やします。

また、介護サービスですが、利用する人の自己負担を原則1割から2割に引き上げるべきだと提案しています。

ただ、どちらの案も個人の負担が増えるので、当然反発があるので財務省の思惑通りに行くとは限りません。

 

一方、下あごの収入を増やす件については、税収を増やしていくということですが、まず増税の対象になるのは消費税です。

当面の焦点としては来年10月に消費税を予定通り10%に引き上げるかどうか、これは年内にも判断される予定です。

ただ、10%に引き上げたとしても、それでは不十分だという指摘も出ています。

例えば、OECD(経済協力開発機構)という国際機関ですが、段階的に19%まで引き上げるべきだと提言しています。

また、所得税についても見直しが進んでいく可能性があります。

今年度の税制改正で、年収が850万円を超える会社員は原則所得税が増税になると決まりました。

今後、政府与党は所得税の見直しを更に進めていく方針ですが、増税となる年収の上限が下がるという可能性も否定出来ません。

 

では、“上あご”と“下あご”、すなわち支出と収入を近づけていくための政府の取り組みですが、政府は財政を健全化していくという目標を立ててはきたのですが、その目標というのは先送りが繰り返されてきました。

政府は元々、2011年度に基礎的財政収支という指標を黒字化する目標を立てていたのですが、リーマンショックなどで頓挫しました。

その後、2020年度に黒字化するという目標を目指していたのですが、消費税の使い道を教育の無償化などに変えるということで、事実上断念した経緯があります。

そこで、新しい目標を立て直すということで、今議論が行われているのですが、その達成時期はこれまでより5年先送りして、2025年度に黒字化するという方向で今調整が進められています。

 

これまでの目標の先延ばしですが、甘い経済見通しですとか、2度にわたる消費税増税の延期、更には景気対策として補正予算を繰り返し編成してきた、こういうことが影響しているという指摘もあります。

それで負担増の話は、出来れば避けて通りたいところですが、そこに目をつむっているとこれまでの繰り返しになってしまいます。

その漬けは結局その子や孫の世代に先送りするということになってしまいますので、今のうちに何とか手を打っていく必要があると思います。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそも国の財政も一般家庭と同じく、収入の範囲内で支出を考えるというのが大原則です。

ですから、現状では国民1人当たり700万円の借金があるといいますから、毎年少しずつでも借金が返せるように収入から支出を差し引いて借金の返済が出来るように予算を組み立てる必要があるのです。

しかし、こうした予算を組み立てることは、毎年毎年の経済環境次第で国民への負担増を強いることになります。

そうすると、政権与党への風当たりが強くなるので、政府は増税に二の足を踏む傾向にあります。

特に国政選挙が近くなってくると、その傾向は強くなります。

現在の日本の財政状況はこのような流れの中にあるのです。

 

そこで、対策を立てるうえで番組にもあるように収入と支出の2つの観点がありますが、ここでは収入に注目して考えてみます。

収入の源泉である税収は経済状況に依存します。

また経済状況はいかに需要を増やすかにかかっています。

長い目で見れば、旧来の産業から新たな産業への転換を見据えた産業政策の如何にかかっているのです。

そして産業政策次第で税収は上下するのです。

その税収次第で収支の上下は左右されるのです。

ですから、将来を見据えた産業政策はとても重要なのです。

 

税収を考える際のもう一つの観点は所得の再配分です。

これまで何度かお伝えしてきたように、特に先進国においては格差社会化が進みつつあります。

中間層が減り、高額所得者層と低所得者層との二極分化です。

そこで、高額所得者層に増税し、その分を低所得者層に所得配分するという考え方です。

実際に、かつてはこうした考え方を国の政策に取り入れ、日本に限らずアメリカなどでも現在に比べて経済格差はありませんでした。

しかし、国の政策変更により、現在では日本もアメリカも経済格差が進んでいます。

こうした状況を以前のように戻すことは、高額所得者層からの強い反発が見込まれます。

また、万一強引に時の政権が高額所得者層に増税を課すような政策を打ち出せば、多くの高額所得者層は他の税率の低い国に移住してしまうかもしれません。

ですから、所得の再配分に即した高額所得者層への増税はとても悩ましい問題だと思います。

 

しかし、AIやロボットの普及により機械化がどんどん進めば、人手に依存する業務は減り続け、格差化は更に進みます。

ですから、どこかの時点で所得の再配分に即した高額所得者層への増税はせざるを得なくなるのです。


 
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2018年09月06日
アイデアよもやま話 No.4114 「記憶の移植」実現の道が開かれた!?

以前、No.3528 ちょっと一休み その565 『もはや不老不死も夢ではない!』で不老不死の可能性についてお伝えしました。

そうした中、5月15日(火)付けネットニュース(こちらを参照)で記憶の移植技術について取り上げていたのでご紹介します。 

 

記憶の移植は長らく典型的なSFのテーマでしたが、最近の研究によってそれが現実味を帯びつつあります。

 

米大学の研究者らはこのほど、海に住む軟体動物のジャンボアメフラシの個体から別の個体に、遺伝子のRNA(リボ核酸)を使い、記憶を移植することに成功しました。

 

研究者らはまず、ジャンボアメフラシに刺激に対する防御反応を起こす訓練を行いました。

その個体から取り出したRNAを訓練を受けていない別の個体に移植すると、刺激に対して訓練された個体と同様の反応を示したといいます。

 

米科学誌「eNeuro」に掲載された研究結果では、記憶を形作る物理的な仕組みについて新たな知識を提供する可能性があります。

 

高分子のRNAは、タンパク質生成や、遺伝子情報を形質に反映させるという、より一般的な働きを含む、生物上の仕組みにかかわっています。

研究者たちは、ジャンボアメフラシの尻尾に軽い電気ショックを与え、防御反応で体を縮ませるように訓練しました。

訓練されたジャンボアメフラシは、体を触られると約50秒にわたって収縮しましたが、訓練されていない個体が体を縮ませたのはわずか10秒程度でした。

訓練された個体は、電気ショックに敏感な状態になっているのが分かります。

紫の墨研究者らは電気ショックを与えられたジャンボアメフラシの神経からRNAを取り出し、訓練を受けていないジャンボアメフラシに移植いました。

そうすると、訓練されていない個体も体を触られると約40秒にわたって収縮するようになりました。

 

今回の研究の共同筆者、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のデイビッド・グランツマン教授は、研究結果は「記憶を移植したかのよう」だったと語りました。

 

グランツマン教授は、実験でジャンボアメフラシには危害を加えていないと強調しました。

「アメフラシの一種なので、危険を感じると、美しい紫の墨を出して捕食者から身を隠す。なので、危険を感じて墨を出すが、ショックによって身体的な損傷は加えられていない」。

 

長期記憶はこれまで、脳内の神経細胞同士の接合部にあるシナプスに蓄えられていると考えられてきました。

一つの神経細胞には数千のシナプスがあります。

 

しかし、グランツマン教授は、「もし記憶がシナプスに貯蔵されているのなら、我々の実験が成功するはずがない」と語りました。

 

UCLAで統合生物学を教えるグランツマン教授は、記憶は神経細胞の核に蓄えられていると考えている。今回の研究は、RNAが記憶にどう関与するかについて、従来の研究内容を補強する可能性があります。

 

 研究対象となったRNAの種類は、生物の成長や病気に関係する細胞のさまざまな機能の制御にかかわっていると考えられています。

 

アメフラシの神経細胞の数は約2万なのに対し、人間には約1000億あると考えられている。それでも研究チームは、アメフラシの神経細胞の細胞や分子の動きは人間に近いと指摘しています。

 

研究チームは、アルツハイマー病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の影響を軽減する取り組みに今回の結果が役立つと考えています。

 

研究結果が人生の記憶の移植にも役立つのかという問いには、グランツマン教授は明確に答えませんでした。

しかし、記憶の蓄積方法について理解が進めば、より多彩な形で記憶の様々な側面を調べられるようになると、期待を示しました。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した、アメフラシの実験により、「記憶の移植」技術の実現の可能性が見えてきました。

しかし、実際に人間への「記憶の移植」の実現までにはまだまだ相当な期間を要すると思われます。

それでも人間への「記憶の移植」の適用にはとても興味が湧いてきます。

 

そこで、「記憶の移植」が実現した場合、どのような可能性があるかを以下にまとめてみました。

・アルツハイマー病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)、あるいは認知症の治療に役立つ

・優秀な科学者や芸術家、あるいは政治家、経営者などの「記憶」をAI(人工知能)に移植することにより、AIの深層学習(ディープラーニング)を更に加速出来る

・こうしたAIを活用することにより、誰でも自分の能力を格段に高めることが出来るようになる

・犯罪容疑者の記憶を外部の記憶装置に移植することにより、容易に有罪かどうかを判断出来る

・個人の記憶を定期的に外部の記憶装置に移植し、それを整理して取り出し易いかたちにまとめることで、自身の記憶を常に“見える化”状態で参照出来るようになる

・更に、研究が進めば、嫌な記憶を消し去ることも可能になる

・何らかの理由により他の人の「記憶」を覗き見ることにより、人間関係がぎくしゃくしてしまう可能性が出てくる

・人類全ての記憶を外部の記憶装置に移植することにより、人類の歴史そのものを丸ごと保存することが出来る

・自分の記憶をそっくり外部記憶装置に記憶させ、その記憶を取り込んだAIロボットが存在し続ければ、記憶を通してその人はあたかも永遠の命を手に入れたようになる

 

ということで、いずれあらゆる情報が蓄積され、政府による規制が無い限り、それを容易に参照出来るような社会になりますが、“知らぬが仏”という言葉があるように、なんでもかんでも知れた方が良いというわけではないのです。

また、「記憶の移植」と再生医療により物理的に永遠の命を手に入れられる時代になると、私たちは自ら自分の死を選択しない限り、永遠に生き続けることを余儀なくされるのです。

こうした状況が果たして幸せなのかどうか甚だ疑問です。

私たちは限りある命の中で暮らすからこそ、その制約の中で何かを成し遂げようとするからです。

永遠の命を手に入れたら、毎日ダラダラした暮らしになってしまうのではないでしょうか。


 
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2018年09月05日
アイデアよもやま話 No.4113 世界的な「ウーバー」規制の動きに見るビジネスの劇的な変化への対応策!

前々回、前回と、自動運転タクシー、および空飛ぶタクシーについてお伝えしてきました。

そうした中、8月23日(木)配信のネットニュース(こちらを参照)で世界的な「ウーバー」規制の動きについて取り上げていたのでご紹介します。

 

イギリスのロンドン市はこのほど、「ウーバー」に代表される配車サービスの規制を政府に要求しました。

「ブラックキャブ」の愛称で親しまれるロンドン名物の黒塗りタクシーを保護するのが狙いです。

アメリカのニューヨーク市が規制を導入したのに続く動きで、世界の主要都市でタクシー業界と新興の配車サービスの対立が先鋭化しています。

 

市長の要求の背景には、便利で安いウーバーに客を奪われ苦境に陥ったタクシー業界からの切実な訴えがあります。

ロンドンのタクシー運転手の団体は、運転手1人当たりで年平均約1万ポンド(約140万円)の減収につながったと主張しています。

 

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

政府の規制が全くない完全な市場経済社会は、まさに弱肉強食です。

どの業界においても、競争力のある大企業はどんどん成長して大きくなり、その逆に多くの小規模な企業は次々に弱体化して市場から退場していきます。

ですから、これまでもアマゾンなど巨大なネット通販の登場により、新たな需要の掘り起こしの側面もありましたが、リアル店舗業界は大なり小なり痛手を被ってきました。

他の多くの業種においても同様な動きが見られます。

そこで、リアル店舗業界もネット通販を取り入れて生き残りを賭けています。

 

ここで問題なのは、ネット通販のような新たなビジネスが既存の業界の存続が危ぶまれるほどの大きな影響を与えてしまう場合の対処です。

安全で安い商品やサービスを提供する企業が現れれば、一般消費者は既存のものからそちらに乗り換えるものです。

しかし、そのために多くの企業の売り上げが激減し、社員の収入が激減したり、大量の失業者が発生してしまう事態が起きれば、国として放置しておくわけにはいきません。

ところが、こうした企業が現れても所詮は全ての需要を賄うほどの生産力はありませんから、暫くの猶予期間の間に早急に既存の企業も同様の商品やサービスを提供して事業を立て直すという構図がこれまでの一般的な対応でした。

しかし、ネット社会においては、スマホなどの活用とともにリアル店舗を持たなくても、更に多くの社員を雇わなくてもビジネスを立ち上げることが出来るようになり、しかも「ウーバー」に代表される配車サービスのケースでは一般ドライバーが運転手となるのですから、短期間のうちに既存のタクシー業界を席巻してしまいます。

しかも、ここでいう一般ドライバーは普段本業を持っており、暇な時間だけ運転手をするということも可能です。

更に、近い将来配車サービスは一般ドライバーから自動運転車によるサービスへと移行することが現実のものとして考えられています。

更にその先には、単なる自動運転車から自動運転の空飛ぶクルマへの移行が視野に入りつつあります。

 

このように見てくると、インターネットをベースとして、AIやロボット、あるいはIoTなど様々なテクノロジーの急速な進歩により、これまで以上にどんどん人手を介さずに済むビジネスへのシフトがここ10年〜20年のうちに進むと思われます。

ですから、今隆盛を誇っている大企業と言えども安泰ではないのです。

まさに“強い企業よりも変化に対応出来る企業が生き残れる”のです。

また、これまでお伝えしてきたように、今後、既存の多くの職種においては明らかに働く場が縮小したり、更には消滅してしまうことは明らかです。

 

一方で、こうした時代はアイデア次第で新たなビジネスを立ち上げるチャンスがこれまで以上に増えてきます。

ですから、一つの業界ではこれまでのような人的労働力を必要としませんが、沢山の新たなベンチャー企業の登場により、新たな働く場を提供してくれるようになります。

理想のかたちとしては、こうした新たな労働需要に応えられるような人材が育ち、労働需給のバランスが取れるような社会が望ましいのですが、供給過多の状況も考えられます。

そうなると、このような時代に対応出来る国の政策がとても重要になります。

そこで社会の安定化のための一つの対応策として、以前ご紹介したベーシック・インカム(最低限の生活を保障する現金給付)が考えられます。(参照:アイデアよもやま話 No.3401 ”仕事がない世界”がやってくる その3 新たな生活保障制度の必要性!アイデアよもやま話 No.3933 AIは敵か味方か? その3 富の再配分システムとして期待されるベーシッキンカム!


 
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2018年09月04日
アイデアよもやま話 No.4112 空飛ぶタクシー「ウーバーエア」の試験飛行が2020年に実施予定!

アメリカの配車サービス大手、ウーバーテクノロジーズ(ウーバー)による空飛ぶタクシーへの取り組みについてはアイデアよもやま話 No.4040 空飛ぶタクシーが2023年に実用化!でお伝えしましたが、今回は8月30日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)、および8月31日(金)放送の「はやドキ!」(TBSテレビ)でその後の動きについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ウーバーは実用化を目指す“空飛ぶタクシー”「ウーバーエア」の試験飛行を2020年に行う予定であるとしており、8月30日に行われた会見の場で、ウーバーのバーニー・ハーフォードCOOは次のようにおっしゃっています。

「非常に迅速で安全・安心な交通網が空で構築出来ると考えている。」

 

なお、「ウーバーエア」は高度300〜600mを最高速度320kmで移動する計画で、スマホを使って利用を依頼する仕組みです。

 

既にアメリカで行うことは決まっていますが、それ以外の候補国として、日本やインド、オーストラリア、ブラジル、フランスの5ヵ国が決まったということで、この中から半年以内に試験を行う国を決定するとしています。

ウーバーは、日本を候補に選んだ理由として、「世界で最も優れた公共交通システムの国で、テクノロジーや自動車産業で分野で世界をリードしているため」と説明しました。

空飛ぶクルマを巡っては、ウーバーが2023年までに空飛ぶタクシーの実用化を目指している他、エアバスやアウディなど大手メーカーの他、日本ではトヨタなどが出資する団体、カーティベーターが2020年代の実用化を目指すなど、国際的な開発競争が激しくなっています。

日本政府も8月29日に法律の整備などを議論する会合を初めて開催するなど、空飛ぶクルマの実現に向けた動きが加速しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

昨日は、国内における陸上での自動運転タクシーの営業走行開始についてお伝えしましたが、2年後の2020年には空飛ぶタクシーの試験飛行が実施予定であるという状況にクルマ関連テクノロジーの進化のスピードの速さに驚きです。

こうした状況から、近い将来クルマの概念が大きく変わっていくことは明らかです。

クルマといえば、陸上だけでなく、空中も移動出来るという時代になるからです。

その先には、更に海中も移動出来る機能も兼ね備えるクルマが実用化されると予測されます。

こうした流れの中でみると、現在は“クルマ革命”の入り口に立っていると言えます。

 

さて、2年後といえば、もうすぐです。

そして、2年後の2020年といえば、東京オリンピック・パラリンピック開催の年です。

ですから、この年に世界的に日本が注目されることを考えれば、日本がアメリカ以外の試験国に決まる可能性は非常に高いと思います。

また、アイデアよもやま話 No.3760 日本でも開発が進む”空飛ぶクルマ”でもお伝えしたように、カーティベーターは東京オリンピックの開会式での飛行を目指しているといいます。

ですから、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックは新しいクルマの時代の幕開けを象徴する年であることを世界に印象付ける場を提供することになると思われます。


 
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2018年09月03日
アイデアよもやま話 No.4111 自動運転タクシーが営業走行!

自動運転タクシー関連については、これまでアイデアよもやま話 No.3146 世界初の無人タクシー会社設立!アイデアよもやま話 No.3337 自動運転タクシーの実証実験開始!でお伝えしてきました。

そうした中、8月27日(月)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で自動運転タクシーによる営業走行の開始について取り上げていたのでご紹介します。

 

自動運転タクシーによる営業走行が8月27日より始まりました。

料金を受け取って走るタクシーは世界初といいます。

タクシーを使った自動運転車の実証実験、乗客は応募して選ばれた人たちです。

スマホの専用アプリをドアに近づけると、ドアが開き、自動運転システムを搭載したタクシーに乗り込みます。

後部座席の前にはタッチがあり、触るとドアが閉まります。

目的地までのルートの確認もこのパネルで行います。

なお、今回の実験では、安全確保のため運転手が乗車しています。

クルマに付けられたカメラとセンサーで信号や周りのクルマを認識し、交差点を曲がったり、車線を変更したりします。

料金は事前に登録したクレジットカードで支払います。

 

千代田区大手町のオフィス街から港区の六本木ヒルズまで約5kmを走ります。

自動運転技術を開発しているベンチャー企業の株式会社ZMPとタクシー会社の日の丸交通株式会社などが行う今回の実験、料金は1500円です。

 

日の丸交通の社長、富田 和孝さんは次のようにおっしゃっています。

「これから人手不足の問題がもっと厳しい状況になっていきますので、それで(タクシーの)供給量を自動運転技術を導入することによって補完をして利便性を上げていく。」

 

なお、この実証実験は9月8日までで、会社では“2年後の東京オリンピックでの実用化を目指したい”としています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず自動運転タクシーの必要性の背景について以下にまとめてみました。

・少子高齢化に伴い、今後ともタクシー運転手の人材不足解消が課題であること

・少子高齢化に伴い、高齢者のタクシー利用の要求が増えるが、料金が高いために利用しにくいこと

・深夜タクシー料金が割高であること

・特に経験の浅い運転手の場合、時間的、あるいは距離的に最短ルートを走行してもらえるか不安に感じること

・街中で乗客待ちのタクシーを多く見かけたり、逆にタクシーを探すのに苦労する場合があること

 

こうしてまとめてみると、自動運転タクシーの解決すべき以下のような課題が見えてきます。

・自動運転タクシーのカーナビの精度を道路事情に応じて更に高めること

・タクシーの乗客が指定する乗りたい場所、時間に到着出来ること

・行き先が同じ方向の乗客の相乗りへの対応により、より低料金でタクシーを出来るようになること

・自動運転タクシーへのシフトにより、交通渋滞の緩和・解消にもつなげること

 

このように見てくると、自動運転車はタクシーに限らず、バス、業務用トラック、宅配便のクルマなど、あらゆるクルマ、移動手段を対象として適用出来ます。

更に、こうしてあらゆる移動手段のIoT化、およびこれらをつなげた総合的な交通管理システムにより、便利で安全で誰でも利用出来、更に渋滞が極力少く、スムーズに移動し易い理想的なクルマ社会が実現出来ると思うのです。


 
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2018年09月02日
No.4110 ちょっと一休み その662 『なぜ”災害デマ”は広がるのか!』

最近、地球温暖化の影響なのか、台風や集中豪雨の発生回数が増えています。

また、記録的な被害をもたらしています。

そうしたたびに、大なり小なり“災害デマ”が話題になっています。

そうした中、6月23日(土)放送の「上田晋也のサタデージャーナル」(TBSテレビ)で、「なぜ”災害デマ”は広がるのか」をテーマに取り上げていたのでご紹介します。

 

6月28日(月)、7時58分に最大震度6弱を記録した大阪北部の地震、SNSを頼りに最新情報を求める人がいる中、ある人物が投稿した写真付きの情報が悪い意味で注目されました。

「大阪府北部で震度6弱でシマウマ脱走って。」

 

勿論これは全くのデマなのですが、このたった一人の流した情報は、地震の情報を集めていた人々の間で瞬く間に拡散されていきました。

地震による被害状況の確認に当たっていた大阪府警が注意を促す事態となりました。

しかし、デマを流した張本人は「お巡りさん捕まってニュースになったら楽しみだねw」と挑発して見せました。

 

2016年4月16日に発生した熊本地震でも心無いデマが相次ぎました。

「地震で動物園からライオンが放たれた」というデマを流し、動物園の業務を妨害したとして、神奈川県に住む20代の男が偽計業務妨害の容疑で逮捕されています。

写真とともに情報が一気に広がるSNS時代、デマの中には意図的にねつ造されたものや情報が誤って伝えられ、混乱を招くものがあります。

例えば、今回の大阪の地震では、通勤時間帯ということもあり、電車の中で揺れを感じた人も多かったのです。

そこで、「京阪脱線したとおもた」と京阪が脱線するほどの揺れを伝えたつもりが、その数分後には「京阪脱線しているらしい」、更には「京阪脱線」と、時とともに事実と異なる情報となって広がっていきました。

 

いったい、なぜデマはこのようにいとも簡単に拡散するのでしょうか。

“災害デマ”を生む2つの心理があるといいます。

災害時の情報伝達について研究する、東京大学大学院の関谷 直也准教授は次のようにおっしゃっています。

「災害時には多くの人が不安になりますし、多くの場合は情報が不足します。」

「そこの穴を埋めるように、間違った情報も伝わり易くなります。」

 

“不安を解消したい”、“不安な状況を共有したい”、こうした思いから、目新しい情報に飛びつき、事実確認もしないまま第三者に伝えたくなる、これが“災害デマ”の特徴だといいます。

もう一つ注意したいのが、受け取る側の善意に付け込むデマです。

今回の地震では、「大阪城の石垣が崩れて下敷きになってます。消防に119つながりません。助けて下さい!!」

使われた写真は大阪城ではなく、熊本城のものでした。

勿論これもデマでした。

関谷准教授は次のようにおっしゃっています。

「インターネット上では、善意の噂が広がり易いと言われていて、災害時も支援や救助に関する話題とか、「何とかに気をつけなさい」というふうなメッセージを持った噂や情報が流れやすい。」

「皆に「気を付けよう!」っていうようなメッセージを流すっていうことを多くの人が行います。」

 

「誰かの役に立ちたい」、広めて困るものではないという思いがデマの更なる拡散につながるのだといいます。

 

では、我々自身がどうしてデマを拡散してしまうのか、そのメカニズムを2つのポイントで見てみます。

まず1つ目は「不安共有型」です。

実際の例では、大阪地震の発生で、「震度6弱の地震で水や食料の買い占めが発生。」と言い切っていますが、実際にスーパーやコンビニの棚には何もない状況が起きていました。

しかし、買い占めが起きたわけではなくて、地震で配達が遅れてしまって棚に何もない状態だったのです。

ただし、それを確かめる方法もありませんでしたし、こうした情報を発信した人たちにしてみれば、デマを流そうとしたつもりもなかったようです。

 

そして、デマが拡散してしまう2つ目のメカニズムは「注意喚起型」です。

例えば、東日本大震災の時に、「原発事故に備えるために、“うがい薬”3滴入れた水を今すぐ飲め」というデマがSNS上で流れました。

このケースの場合は、誰かが流したデマがあっという間に広がってしまったのですが、その拡散のされ方が非常に興味深いものでした。

デマが流れた後に、訂正のツイート数がグンと伸びているのですが、その後訂正はほとんどツイートされず、デマばかりが定期的にツイート数が増えているという状況でした。

つまり、訂正を流しても1回のインパクトで終わってしまったのです。

 

ではどのようにこうしたデマを見極めるかですが、番組コメンテーターで流通経済大学教授の龍崎 孝さんは次のようにおっしゃっています。

「やはり発信元はどこなのかということを一歩立ち止まって突き詰めてみることは必要なのかなと思いますね。」

「東日本大震災の直後も、一番頼りになったのは印刷能力はないけれども手書きで書いた地元の新聞社の壁新聞であったり、印刷は出来ないけれども、たった1台動いているコピー機を使って印刷した、そのコピーの新聞を出した地元の新聞社、それを1枚ずつ配ってあげた。」

「やはり、信頼が出来る確認が出来る発信源、情報源なのかを突き詰めていくことが大事なことなのかなと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、その要点を以下にまとめてみました。

・デマが拡散してしまうメカニズムには、不安共有型と注意喚起型の2つがあること

・他にも、受け取る側の善意に付け込むデマに注意を要すること

・災害時には、デマ情報に踊らされず、特に情報の発信元が信頼出来るか確認を要すること

・自分の発する情報が結果としてデマである場合、その拡散により思わぬ混乱を社会に巻き起こす可能性があることに注意を払うこと

 

いずれにしても、災害時にはまず慌てないことを心がけることが必要なのです。

そのためには、いつ災害が起きてもいいように、日頃から最低限の食糧や飲料水などの確保をしておくことや、避難ルートの確認が必要なのは言うまでもありません。

更には、携帯電話やスマホのバッテリー用の充電機器も最新情報の入手や身近な人との連絡には欠かせないと思います。

また、最近の災害時の被害状況は、記録的な被害と報じられているケースが多いように、“想定外”がキーワードの一つになっています。

ですから、最悪の状況を想定した避難対策が求められるのです。

世界的に地球温暖化の進行を止められる気配は今のところありません。

ですから、今後とも更なる被害をもたらすスーパー台風や集中豪雨の発生を避けることは出来ないのです。


 
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2018年09月01日
プロジェクト管理と日常生活 No.556 『劣化する官僚機構 その4 汚職がはびこる官僚組織!』

最近、報道も下火になってきましたが、いくつかの省庁における公文書を巡る大問題が多発していました。

そこで、ソフトウェア開発におけるプロジェクト管理の中の文書管理、および組織体制の考え方に照らして、劣化する官僚機構についていくつかの報道記事を通して4回にわたってお伝えします。

4回目は汚職がはびこる官僚組織についてです。

 

官僚による汚職と言えば、1998年に発覚したノーパンしゃぶしゃぶ事件とも言われている大蔵省接待汚職事件が有名です。

官僚7人の逮捕・起訴に発展し、この責任を取り三塚博大蔵大臣と松下康雄日本銀行総裁が引責辞任し、財金分離と大蔵省解体の一つの要因となりました。

その後も汚職は後を絶ちません。

 

以下は、ネット検索した結果の最近の関連記事からです。

文部科学省の私立大学支援事業をめぐり、同省科学技術・学術政策局長だった佐野太容疑者(7月4日付で大臣官房付)が、東京地検特捜部に受託収賄の疑いで逮捕されました。

佐野容疑者は、東京医科大学(東京都新宿区)から「私立大学研究ブランディング事業」の支援対象選定で便宜を図るよう依頼された見返りに、今年2月、息子を同大に不正合格させてもらったとされます。(詳細はこちらを参照)

 

一方、8月4日(土)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)ではJAXA(宇宙開発研究機構)を巡る汚職事件について取り上げていました。

解雇された文部科学省幹部が贈賄側の元役員らから依頼され、昨年、大手流通会社などが開催した防災イベントにJAXAの宇宙飛行士を派遣出来るように、働きかけていた疑いが関係者の取材で新たに分かりました。

人気が高い宇宙飛行士の派遣は調整が難しいとされ、東京地検特捜部が詳しい経緯を調べています。

文部科学省の前国際統括官(局長級ポスト)の川端 和明容疑者(57歳)は、JAXAに出向中、医療コンサルタント会社に便宜を図った見返りに、元役員の谷口 浩司容疑者(47歳)からおよそ140万円相当の接待を受けたとして、7月に収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。

 

川端前統括官は、谷口元役員らから依頼され、一昨年11月に開かれた東京医科大学の講演会にJAXAの宇宙飛行士を派遣出来るよう、働きかけていた疑いがあることが分かっていました。

川端前統括官は、昨年8月に大手流通会社などが開催した防災イベントでも、元役員らから依頼を受け、別の宇宙飛行士を派遣出来るようにしていた疑いがあることが関係者への取材で新たに分かりました。

この大手流通会社は防災事業に積極的に取り組んでいて、谷口元役員らが「JAXAの人工衛星を利用した災害通信システムを導入出来る」などとこの会社に持ち掛け、JAXAとのつながりを強調して営業活動を進めていたということです。

人気が高い宇宙飛行士の講演などへの派遣は調整が難しいとされ、特捜部は一連の接待との関連や癒着の実態解明を進めています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

注目すべきは、今回ご紹介した両方の事件に、医療コンサルタント会社元役員というブローカー的な人物が絡んでいることです。

利権のからむところには必ずこうしたブローカーが暗躍する余地が出てくるのです。

 

企業からしてみれば、国への補助金申請を通り易くして欲しい、あるいは国の進める経済特区などの指定企業にして欲しい、など自社の経済活動に国から得られるだけの支援を引き出したいという意図があります。

そこで、国の政策の決定に関与する政治家、あるいは国の政策の実際の実行部隊である官僚には特定の企業などから誘惑、取り込みが様々なかたちで行われます。

今回ご紹介した2つの汚職事件は、医療コンサルタント会社元役員というブローカー的な人物が大学、あるいは企業と官僚との間を取り持ったかたちで起きました。

 

では、こうした汚職事件に対してどのような再発防止策が考えられるでしょうか。

以下に思い付くままに書き出してみました。

・汚職防止のための定期研修を全官僚を対象に実施すること

・各省内に汚職摘発のための第三者による監査組織を新設すること

・内部告発制度を新設すること

 

ここで注意すべきは、内部告発者に対する告発後の配慮です。

内部告発者に対する組織的な報復措置は、国に限らず企業などでも見かけられますが、このようなことがあっては、内部告発制度は実質的に機能しません。

ですから、万一こうした報復措置が取られても、それに対する内部告発者への支援措置が取られるような仕組みがとても重要になります。(企業の場合の内部告発制度については、プロジェクト管理と日常生活 No.426 『無くならない食品偽装のリスク対応策』を参照)

 

本来、ほとんどの官僚は“国民の公僕”として与えられた業務に忠実に取り組んでいると思います。

しかし、官僚の人事権を持っている政治家からの依頼があれば、それに対して真っ向から逆らうことは出世の道を絶たれることになるので、中々断りにくい状況にあります。

勿論、多くの政治家からの依頼は本来の政策を進めるためのものと思われます。

しかし、中には特定の企業などにメリットを与えるような汚職につながる依頼もあり得るのです。

そこで、こうした依頼が発生した場合、真面目な官僚であればあるほど、思い悩み、最悪の場合は自殺にまで追い込まれてしまうのです。

前回お伝えした、森友学園問題での近畿財務局職員による自殺はその一例ではないかと思います。

このような悲劇はあってはならないのです。

 

また、官僚と言えども“人の子”ですから、民間からの様々な誘惑には負けてしまいそうになると容易に想像出来ます。

そうした時に、汚職に手を染めた場合にどのような罰則を受けてしまうのかをはっきりと自覚出来たり、汚職が発覚し易い環境であれば、抑止効果が働きます。

 

ですから、是非先ほどお伝えした3つの再発防止策の検討を速やかに進めていただきたいと思います。

 

さて、再発防止策というような固い話をしてきましたが、本来、政治家が誰でも納得するような国の目指すべき重要な政策を打ち出し、それを官僚に指示すれば、官僚はその優れた能力で最大限にその達成を目指して打ち込んでくれるはずです。

また、政治家が政策を検討する際にも積極的に官僚の知識を活用しようという雰囲気が伝われば、より良い政策の検討につながるはずです。

ですから、政治家は、一方的に官僚に対して人事権を振りかざして指示するだけでなく、官僚の優れた能力を引き出して活用していただきたいと思います。

政治家が自己の利権に結びつくような政策実現のために官僚を自殺に追い込むような事態を引き起こすようなことは絶対にあってはならないのです。


 
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2018年08月31日
アイデアよもやま話 No.4109 災害時などに便利な鉄板”アルミホイル”!

5月8日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で鉄板の代わりになるアルミホイルについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

今回ご紹介するアルミホイルを販売しているのは、日用品・化粧品の輸入販売を取り扱っている株式会社タカコーポレーション(東京都中央区)です。

ちなみに、商品名は「バーベキュー用ホイル」、価格は1080円(税込み)です。

 

どう見ても普通のアルミホイルですが、片面が黄土色です。

中川 孝博社長は次のようにおっしゃっています。

「これはフライパンにやっているようなセラミックコーティングをしているんです。」

「そうすると、食材を焼いている時にくっつきにくく、焦げつきにくいんです。」

 

そこで、番組では焼きそばを焼いて、その実力を見ました。

多少は、肉汁やソースが焦げ付きますが、つっつくということはありません。

実はこのホイル、油を使わなくてもいいのです。

肉の自然な油とソースだけでも料理出来るのでヘルシーです。

 

汚れたアルミホイルは水で拭き取ればきれいになって、何度でも使えます。

ちなみに、普通のアルミホイルで焼きそばを焼くと穴が空いて、ほとんどの食材が焦げてくっついてしまいました。

 

また、バーベキュー以外に、家庭でフライパンに敷いて使ったり、オーブンで魚を焼くのに使ったり出来ます。

こうすると、その後の掃除も楽になります。

 

実は今回の商品、備蓄品としての用途もあるのです。

中川社長は次のようにおっしゃっています。

「災害現場で使っていただきたいと思っております。」

「水が通ってなくて、火が使える場面がかなりありますので、このホイルがあれば、汚い焼き網でも見つかれば、衛生的に料理が出来ると思います。」

 

災害現場では、いざ調理器具があっても洗えないので使えないというシーンがあるそうで、そういった時にも広げてすぐに衛生的に使えるということです。

また、そのままお皿としても使えるところもいいと番組ではいいます。

更に何度も使え、ゴミも少なくて済むところもいいといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した鉄板”アルミホイル”、商品名が「バーベキュー用ホイル」という通り、アルミホイルにセラミックコーティングすることで食材が焦げにくく、くっつきにくい、更には油を使わなくてもよく、何度も使えるメリットもあるので、バーベキューなどアウトドア用、あるいは災害現場での料理にとても重宝すると思います。

勿論、焼きそばなどの食材や簡易ガスコンロなども用意しておく必要がありますが。


 
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2018年08月30日
アイデアよもやま話 No.4108 捨てられるはずだったモノのリサイクル その4 皮の切れ端の有効活用!

捨てられるはずだったモノのリサイクルについては、これまでも何回となくお伝えしてきましたが、今回は4回にわたって新たな事例をご紹介します。

4回目は、8月6日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)を通して、皮の切れ端の有効活用についてです。

 

兵庫県豊岡市は、カバンの生産日本一の町です。

ピーク時の1991年には、日本で生産するカバンの7割をここで作っていました。

創業100年の老舗メーカー、マスミ鞄囊(ほうのう)株式会社が得意としているのが皮で作った箱型のカバンです。

1964開催の東京オリンピックでは、聖火のトーチ用ケースを手掛けました。

ところがカバンを作る過程で出る切れ端が長年の課題になっていました。

牛1頭から2枚しか取れないという大きな皮に型紙を置いて、カバンのパーツを切り取ります。

次に、残りの皮から小さなパーツを切り取ります。

最大限に有効活用しようとしても、皮がかなり残ってしまいます。

社長の植村 賢仁さんは次のようにおっしゃっています。

「袋にパンパンにならない程度に入れて、500円の廃棄料がかかる。」

 

皮のゴミは毎月20袋以上も出て、処分費は1万円ほどかかっています。

豊岡市には60社を超えるカバンメーカーがあるため、大量の皮のゴミが処分されていることになるのです。

そこで、ビルマテル株式会社(東京・茅場町)の取締役、白井 龍史郎さんは廃棄される皮を有効利用しようと動き始めました。

白井さんは次のようにおっしゃっています。

「今、弊社が持っている特許の技術で廃棄皮を有効活用出来る技術がありまして。」

 

ビルマテルの主力事業は屋上緑化ですが、風が通り易いヘルメットなどで、数々の特許を取得してきたアイデア企業です。

その特許の中の一つが、皮から切り抜いた“YUKIZNA(ユキズナ)”と呼ばれるピースです。

返しの付いた部分をもう一方の穴にはめ、つなぎ合わせて使います。

一度穴に通すと、抜けにくいので、糸で縫うことなく、つなげることが出来ます。

このピースをつなぎ合わせることで大きな皮のシートを作ることが出来るのです。

白井さんは、この特許で廃棄皮を有効活用出来ると考えていました。

 

7月、今もなお東日本大震災の爪痕の残る宮城県南三陸町で白井さんが向かっていたのは、町工場の株式会社アストロ・テックです。

元々海の近くにあった工場は、大震災の津波で流されてしまいました。

1年半後に4km離れた内陸部に新しく工場を建てました。

テレビなどの電子部品を製造していましたが、コンプレッサーや測定器など、多くの機械が津波で壊れてしまったので、今はほぼ手作業で部品を作っています。

しかし、売り上げ自体は減ってしまったため、なんとカバンの製造を新たに始めたのです。

実は、電子部品でもカバンでも、製造にハサミやはんだごてを使う点は同じだったので、従業員の手先の器用さを生かせたのだといいます。

この工場で作ったオリジナルのカバンを通販で販売すると、2ヵ月待ちの人気となりました。

社長の佐藤 秋夫さんは次のようにおっしゃっています。

「新しい仕事に挑戦していけば、新たな雇用が生まれるんじゃないかと。」

「進化して復興という思いをずっと持っていまして・・・」

 

電子部品の製造が減ってもカバン作りに挑戦することで、震災後も雇用を切ることはありませんでした。

白井さん、豊岡で手に入れて来た廃棄皮で、ピースのシートを作ってもらおうというのです。

佐藤さんは次のようにおっしゃっています。

「ピースとして裁断したら9割以上は取れるんじゃないか。」

 

白井さんは、被災したこの町工場の技術力を高く評価していました。

早速、試作品を作ってもらいます。

皮の端、ギリギリまで利用することが出来ています。

次はつなげる作業ですが、種類の違う皮は硬さが異なり、それらをつなぎ合わせるのは中々難しいのです。

しかし、一枚の綺麗なシートが完成しました。

 

出来上がったシートを持って白井さんが向かったのは、冒頭でご紹介した豊岡市の老舗、マスミ鞄囊です。

今回、白井さんは廃棄皮のシートで名刺入れを作ってもうらおうと依頼しに来たのです。

社長の植村さんは、捨てていた皮でもう一度新たな商品を作れることをうれしく感じており、次のようにおっしゃっています。

「(皮の)処分量も減りますし、良いことだらけだと思いますけど。」

 

7月中旬、京都高島屋、白井さんはピースで作った皮商品の期間限定の売り場を確保していました。

 

ピースで作ったオリジナルの「YUKIZNA」のカバンが9万9360円から販売されます。

そして、一番人目の付く場所に廃棄皮で作った名刺入れが置かれていました。

全てが1点ものです。

色は5色で4万1000円からといいます。

白井さんは次のようにおっしゃっています。

「製品としても十分にお客様に自信を持って提供出来るものなんじゃないかなと思っています。」

 

白井さん、この商品の特徴をアピールするために、自らピースをつなぎ合わせる実演をします。

すると、早速興味を持ったお客さんたちが集まってきました。

1週間で名刺入れは4個売れました。

白井さんは、捨てられていた皮の活用に可能性を見出していました。

「YUKIZNAの技術がファッション業界の環境問題を解決する一つの技術になるのではないかと思って、非常に感触はつかめました。」

 

この廃棄皮を有効活用出来るピースの技術は、カバン業界だけでなく、様々な業界で共感を得始めているそうです。

例えば、ある有名シューズメーカーは廃棄皮を使ったレーザーシューズの開発に取り組んでいたり、建築業界でもデザインが面白いということで、ホテルの内装材としての活用も始まっているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

冒頭でご紹介したように、全国的にカバンメーカーでは皮のゴミが大量に廃棄されているといいます。

しかも、処分費もバカになりません。

こうした状況は、カバン以外の皮製品メーカーも同様のはずです。

そうした中、ビルマテルの特許技術皮から切り抜いた“YUKIZNA(ユキズナ)”と呼ばれる、廃棄皮を有効活用出来るピースの技術は、皮のリサイクルとしてとても素晴らしいと思います。

しかも、その商品は、通常の皮製品と異なる魅力を持っています。

その結果、マスミ鞄囊やアストロ・テックといった皮関連メーカーは新たな事業に踏み出すことが出来たのです。

 

ということで、是非、ビルマテルには、廃棄皮を有効活用出来るピースの技術を世界展開して、世界レベルで皮のリサイクルに取り組んでいただきたいと思います。


 
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2018年08月29日
アイデアよもやま話 No.4107 捨てられるはずだったモノのリサイクル その3 コルクから履物!

捨てられるはずだったモノのリサイクルについては、これまでも何回となくお伝えしてきましたが、今回は4回にわたって新たな事例をご紹介します。

3回目は7月19日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)を通して、コルクから履物についてです。 

 

散歩中の都丸 佳代子さんが履いているのは、ワインの栓などに使われるコルクから作られた履物です。

この履物は、弾力性に優れているのが特徴です。

作ったのは、三重県四日市にあるコルク製品の製造会社、呉山コルク工業株式会社です。

お店で捨てられるはずだったコルク製品や規格外のものを回収して粉々に砕きます。

工夫したのは粒の荒いコルクや粒子状のコルクなど、様々な大きさを作ったことです。

これらを混ぜ合わせると、しっかりと固まり、強度がアップするのだそうです。

呉山コルク工業の呉山 世振さんは次のようにおっしゃっています。

「いろんな粒の大きさを集めて、コルクの中での新しい素材を作っていきたいと思っています。」

 

また、都丸さんは次のようにおっしゃっています。

「硬さが柔らか過ぎず、硬過ぎず、足にフィットしてとても履き易いんです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

以前、コルク状のモノで敷き詰められた公園か何かの道路を歩いていて、足に負担がかからず、とても歩き易かったという記憶があります。

ですから、コルクから作られた履物も同じような感覚で歩けるのだと思います。

今回ご紹介した履物も捨てられるはずだったコルクに工夫を凝らして履物を作るという素晴らしいリサイクルのアイデアだと思います。


 
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2018年08月28日
アイデアよもやま話 No.4106 捨てられるはずだったモノのリサイクル その2 バットからお箸!

捨てられるはずだったモノのリサイクルについては、これまでも何回となくお伝えしてきましたが、今回は4回にわたって新たな事例をご紹介します。

2回目は7月19日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)を通して、バットから作られるお箸についてです。 

 

野球が大好きだという高橋まりんさんは、テレビで野球観戦をしながらご飯を食べている時に必ず使っているというのが、折れたバットから作られた箸です。

この箸を作った福井県の箸メーカー、株式会社平左衛門です。

プロ野球と大学野球の公式戦では年間1万本以上のバットが折れてしまいます。

中には大谷 翔平選手の使っていたバットもあります。

プロが使うバットはアオダモというしなやかで強い木なので、そこからは丈夫な箸が作れるそうです。

そして、様々な選手のバットを職人が加工しますが、どの選手のものかまでは分からないといいます。

高橋まりんさんは次のようにおっしゃっています。

「もしかして好きな選手が使っていたりということを考えると、食事の時間がワクワクします。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

プロが使うバットはしなやかで強い木なので、そこに目を付けて折れたバットから丈夫な箸を作るというアイデアは、資源の有効活用の観点からとても優れていると思います。

 

しかし、一方で、大谷 翔平選手のような有名選手の使っていた、サイン入りのバットであれば、例え折れたバットであっても熱烈なファンにとってはとても貴重なバットと言えます。

ですから、プロが使っていた折れたバットから丈夫な箸を作るだけでなく、サイン入りにしてそのままオークションサイトなどで販売し、その利益の一部を途上国の学校作りや子どもたちの給食用の費用に充てるなどの用途も考えられます。


 
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