2019年04月21日
No.4308 ちょっと一休み その695 『日本最強の剣人から学べること』

昨年11月9日(金)放送の「アスリートの魂」(NHKBS1)では「己に挑む六番勝負〜剣道・西村英久〜」をテーマに取り上げていました。

そこで今回は、昨年の全日本選手権で2連覇を達成した、日本最強の剣人、西村 英久選手(29歳)が番組の最後におっしゃった言葉に着目してご紹介します。

 

「自分を信じて、自分の剣道を貫き通して、本当に何をしたか全然覚えていないぐらいですもんね。」

何も考えずに無心です、本当に無心ですね。」

 

「(勝たなければならない重圧と自分が目指す剣道の狭間であがき続けた西村選手がその先で見えたものについて、)確かに今回下がらないことを意識してやってきて結果が出ました。」

「でもまだ下がってしまう部分もあるし、まだまだ上を目指さなきゃいけないのかなと思うんですね。」

「2連覇しましたけど、ここで満足しとったら駄目なのかなと思うし、もっともっと前に行く剣道で、もっともっと自分の向上心を持たないと駄目だと思うんで、剣道だけでなく、人としても大きくなっていくことが大事なのかなと思いますね」

 

今年は前人未到の3連覇がかかっています。

しかし、それがゴールではありません。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

スポーツに限らず、何事においても無心の状態が一番気持ちがリラックス出来て、ベストコンディションで取り組むことが出来るようです。

しかし、実際にスポーツの大会では、本来持っているいつものような実力が発揮出来ずに良い成績を出せずに終わってしまう選手を多く見かけます。

このような場合、こうした選手は重圧に負けて“無心”になり切れなかったと思われます。

 

でもだからと言って、勝負の世界では“無心”だけでは勝つことが出来ません。

昔から“心”、“技”、“体”と言われているように、“無心”だけでなく、技術と身体能力いう3つのバランスが相手を上回る状態でこそ勝負に勝つことが出来るのです。

 

同時に、人としての成長も大事です。

単なる“無心”ではなく、人としていろいろな経験を積んだ、その成果に裏打ちされた“無心”でなければならないと思うのです。

ですから西村選手のおっしゃる“無心”とは、人一倍取り組んで来た練習による技術の習得と体力、そして「何としても勝たなければならない」という重圧を跳ね返す精神力に裏打ちされた、とても重い言葉だと思います。


 
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2019年04月20日
プロジェクト管理と日常生活 No.589 『QRコードを使った決済に潜むリスク!』

昨年はインターネット上のセキュリティに関して数多くの事件が起き、被害も拡大しました。

昨年12月11日、こうした中から昨年注目度が高かったトップ10が発表されました。

そして、前回はこの件についてご紹介しました。

昨年12月11日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)ではQRコードを使った決済に潜むリスクについても取り上げていたのでご紹介します。 

 

毎年巧妙化し、被害額も巨大化するセキュリティ事件、今年セキュリティ上のリスクとして専門家の間でも注目されているのが今話題のQRコードを使った決済だといいます。

QRコード決済には大きく分けて2つのやり方があります。

1つは店舗に設置されているQRコードをお客が読み取る方法、もう一つはお客がQRコードを表示して、店側に読み取ってもらう方法です、

専門家が特に注意すべきというのは、店舗設置型のQRコード決済です。

NTTデータ セキュリティ技術部の中泉 千咲さんは次のようにおっしゃっています。

「攻撃者が用意したQRコードに貼り替えられてしまって、攻撃者の口座に支払われてしまうといったケースが報告されています。」

 

ネット上に公開されている中国国内と見られる動画では、人がいない隙に店頭のQRコードを貼り替えています。

シェアサイクルでもQRコードを貼り替えられていました。

貼り替えられたとしても、人の目では違いが分かりにくいのがQRコードの弱点なのです。

紙1枚で手軽にキャッスレス決済が導入出来るとあって海外でも広く普及しています。

こうした状況について、中泉さんは次のようにおっしゃっています。

「利便性とトレードオフ(引き換え)になってしまうところではあるかなと思います。」

「紙のものに関してはリスクが残ってしまうというのが現状かと思います。」

 

対策として、店側は紙ではなくタブレット端末などでQRコードを表示する、またお客の方は万が一被害に遭った際には補償が受けられる事業者を選ぶべきだといいます。

実際にアマゾンペイは、原則30万円、ラインペイは原則10万円を上限に補償しています。

一方、ペイペイは検討中といいます。

 

こうしたQRコードをはじめとしたキャッシュレス決済は、消費税増税時の消費の刺激策として政府が積極的に利用拡大を進めています。

キャッシュレス決済、中でも特にQRコード決済のセキュリテイ対策について、サイバーセキュリティの担当の桜田大臣は、会見の場で次のようにおっしゃっています。

「それについては企業と連携して、これから十分検討していきたいと思っています。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

前回お伝えしたように、サイバー攻撃による犯罪の多くは未だに犯人は捕まっていないといいます。

では、こうした中にあってQRコード決済における、お客として取れるリスク対応策ですが、番組での指摘では以下の通りです。

・紙ではなくタブレット端末などでQRコードを表示するお店を選ぶ

・万が一被害に遭った際には補償が受けられる事業者を選ぶようにする

 

しかし、現実には紙ではなくタブレット端末などでQRコードを表示するお店を選ぶという対応策は取れないお店もあると思います。

ですから、QRコード決済を使用するさいには、少なくとも万が一被害に遭った際には補償が受けられる事業者であるかどうかを確認しておくことがとても大切です。

 

また、今後ともこうした新しい決済サービスは次々に登場してくると思われます。

その際、どのようなリスクがあるかを自分なりに確認し、どう対応すべきかを検討しておくことが求められます。

そうでなければ、いつサイバー攻撃の被害に遭うか分からないのです。


 
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2019年04月19日
アイデアよもやま話 No.4307 日本の高校生が第6世代通信規格「6G」の技術を発明!

前回、モバイルゲームの更なる市場拡大の背景の一つとして第5世代通信規格「5G」の実用化があるとお伝えしましたが、今や携帯電話の「5G」の開発競争がアメリカや中国などで繰り広げられています。

そうした中、3月7日(木)付け読売新聞の朝刊記事で日本の高校生による「5G」の次世代である第6世代通信規格「6G」技術の発明について取り上げていたのでご紹介します。

 

文部科学省のスーパ−サイエンスハイスクールに指定されている県立横須賀高校(神奈川県横須賀市)で、携帯電話の通信システムを研究する3年生グループが、通信速度を飛躍的にアップさせる「6G」の新たな変調技術「MARIA方式」を発明しました。

2020年に本格商用化される「5G」以降の研究は少なく、後輩たちが引き継いで実用化を目指します。

 

この研究に取り組んだのは、滝川 マリアさん(18歳)、原 佳祐さん(18歳)、八巻 蒼さん(18歳)です。

情報通信技術(ICT)の研究開発拠点「横須賀テレコムリサーチパーク(YRP)」の太田 現一郎・技術顧問の指導で、無線技術の誕生から最新の「5G」までの理論や技術、応用を学びました。

1年生で大学レベルの勉強を開始しました。

難解な数式と向き合い、「4G」や「5G」の通信速度を高める変調技術「MIMO方式」は、同じ周波数で多くの情報を送信する複数のアンテナが必要で、アンテナを増やせる高い周波数は電波が遠くまで飛ばないなどの弱点があることが分かりました。

 

一方「MARIA方式」は複数のアンテナに代わる回路をスマホ内に設置することで、多くの情報の同時送信が可能になり、電波の届く距離が長い周波数を使うことが出来ます。

数式の変数部分一つひとつに取り組んだ末のアイデアで、太田顧問は「大人の研究者では出ない発想」と感心しています。

 

3人は昨年3月と10月、電子情報通信学会で発表しました。

「自分のアイデアが何十年後かに生活を豊かにする」と、原さんは実用化を想像しながら、興味を示す大学や企業の研究者と向き合いました。

 

「5G」の通信速度は「4G」の100倍とされ、「MARIA方式」は「5G」の10倍以上と予測されています。

滝川さんは「高齢化社会や大震災などを考えると、通信情報量が大量に必要。高解像度映像の送受信や遠隔地診断など医療・福祉分野で役立てば」と将来を見据えています。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず、大人の研究者では思い付かないような発想で、通信速度が「4G」の100倍の「5G」の更に10倍以上と予測される通信速度を高める変調技術「MARIA方式」による第6世代通信規格「6G」を3人の高校生が発明したという事実に驚かされます。

 

こうした事実に触れると、文部科学省の進めるスーパ−サイエンスハイスクールのような制度の重要性を非常に感じます。

いつの時代も多くの変革は若い世代の人たちによってもたらされます。

ですから、様々な分野において優秀な若い人たちが興味のある分野で思い切り力を発揮出来るような環境を整備することは国の将来を考えるととても重要だと思います。

今回ご紹介した発明はまさにこうした制度による象徴的な成果だと思います。

 

今後取り使われる情報量は、「4Kテレビ」や「8Kテレビ」、更には自動運転車などのの登場により増々増え続きます。

同時により速いスピードでの処理が求められます。

そうした中で、より多くの情報量をより速い通信速度で送受信出来るような技術が必須になります。

こうした観点から、今回ご紹介した「6G」の実用化はまさにこうした課題の対応策となり得ます。

ですから、「6G」の実用化に向けて、国や企業が支援したり、協力しながら、日本がリーダーシップを取り、世界展開していただきたいと思います。


なお、この「6G」関連技術が特許申請されているのかどうかが気になったので、ネット検索してみましたが、確認出来ませんでした。


一方、中国は今年後半に「5G」を商品投入し、米中はそれぞれ「6G」にも着手しているということです。

 


 
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2019年04月18日
アイデアよもやま話 No.4306 映画レベルに進化した最新家庭用ゲームと今後の展開!

1月8日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で映画レベルに進化した最新家庭用ゲームと今後の展開について取り上げていたのでご紹介します。 

 

スマホが普及した今、ゲーム機市場でもスマホゲームの存在感が増しています。

スマホゲームは比較的低コストで制作出来るため、新規に参入し易いという特徴があります。

一方、家庭用ゲームはゲーム機が高性能になるにつれ、ソフトの開発に莫大なコストがかかるようになり、撤退する企業も少なくありません。

こうした中、あえて家庭用のゲームで映画のようなリアルさを追求したものがあります。

世界企業に挑戦する日本企業を番組が取材しました。

 

アメリカ・ニューヨーク、そこにあるゲームショップを番組スタッフが訪ねました。

店内には多くの人、真剣な目でゲームを選んでいます。

店員に日本のゲームについて聞いてみると、店員は次のようにおっしゃっています。

「6:4ぐらいの割合で日本のゲームは売れている。」

「「モンスターハンターワールド」の問い合わせが多い。」

 

カプコンが昨年4月に発売した「モンスターハンターワールド」、プレイステーション4で発売されたゲームで、スマホゲームにはないリアルさや操作性で人気を博し、世界で1000万本も売り上げました。

更に、世界的な人気を背景にハリウッドでの実写映画化が決まりました。

カプコンの作品では「バイオハザード」が同じく映画になっていて、全部で6作が作られる大ヒットになりました。

カプコンの家庭用ゲームの売上高はおよそ32%増の652億円と好調でした。(2018年3月期)

映画からゲームを購入する場合もあるため、映画化はカプコンにとってもチャンスなのです。

 

映画化が狙えるほどの世界的なヒットを目指すカプコン、海外でも売れるよう、コンテンツのグローバル化を進めています。

今まさに映画化も視野に制作されているゲームがあります。

それは「デビルメイクライ」シリーズで、累計1600万本を売り上げています。

開発担当の伊津野 英昭さんは新作を世界で売るため、あることにこだわったといい、次のようにおっしゃっています。

「例えばアニメチックや耽美に寄せると、国・地域・性別によって好き嫌いが出てしまうので、誰からも同じ基準で評価してもらえるというフォトリアル(写真を鉛筆や絵の具を使ってリアルに描写するという写実的な描写方法)に今回こだわって作っています。」

 

最新作での主人公の男性キャラクターは、前作のアニメっぽさがあったデザインからよりリアルな人間に近づけました。

海外の人には、より人間的なデザインが好まれるといいます。

リアルに作る秘密は、実際に衣装を作り、スキャンして使うのです。

全身を取り囲むのは103台のカメラ、これで衣装を撮影し、3D化してゲームのデータを作ります。

衣装の背中にある布のほつれ具合までしっかり再現されています。

スキャンを駆使し、リアルさを追求したゲームは、ゲームというよりもはや映画の次元です。

更にカプコンは、この衣装のレプリカを限定で売り出しました。

公式コスプレの値段は75万円、今海外では日本のアニメや漫画のコスプレが人気です。

カプコンは自社のゲームキャラクターでこうした需要を狙います。

 

キャラクターにはスキャン以外にもある工夫がります。

主人公をサポートする女性キャラクターについて、女性の開発担当者は次のようにおっしゃっています。

「キャラクターをフォトリアルで作りたい。」

「このキャラクター性のところをいろいろ考えて、メイクや生え際を調整したりとか・・・」

「二重のラインもメガネのフレームで邪魔されないように、まつ毛は下がりまつ毛。」

「男性の先輩たちに割と「こうだと思う」と熱弁を振るって聞いていただきました。」

 

スキャンしたモデルの顔にメイクを施していました。

かけるメガネのかたちやまつ毛まで女性スタッフがこだわり抜いています。

リアルなキャラクターを作るのに1年以上も費やしたといいます。

伊津野さんは次のようにおっしゃっています。

「アメコミ(アメリカンコミック)とか見たことないけど、アベンジャーズの映画はすごいから見に行くみたいな人たちも、僕らこれ滅茶苦茶売りたいですね。」

 

ゲーム市場はスマホなどで遊ぶモバイルゲームが全盛期、世界の市場規模(2017年)もモバイルゲームは598億ドルで家庭用ゲームの244億ドルに比べ2倍以上です。

カプコンはこのモバイル分野で苦戦しています。

モバイルゲームに比べ、制作コストや時間がかかり、家庭用ゲームソフトにカプコンが敢えて力を入れるにはある理由がありました。

それが高速大容量の通信規格、5Gです。

5Gで、スマホでも家庭用並みのゲームが出来るようになると考えています。

カプコンの辻本 春弘社長は次のようにおっしゃっています。

「そういうような環境(5G)になれば、ユーザーの方々が選択するポイントとしてはリッチなコンテンツに惹かれるのは事実だと思うんですね。」

「そういう人たちに対してもゲームを購入してもらうために、自分たちは戦略を講じて努力しないといけないと。」

 

やはり今年のテーマは5Gかもしれません。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

最新の家庭用ゲームはフォトリアルという写実的な描写方法などを取り入れて、どんどん映画レベルに進化しています。

そして、その背景にはモバイルゲームの市場拡大、およびよりリアルな動画を提供出来る5G技術の実用化があるのです。

更に、アイデアよもやま話 No.4013 世界が熱狂、eスポーツ!などでご紹介した世界的なeスポーツのブームもこうした動画描写技術の進化により増々画面がリアルになっていきます。

 

ということで、動画ゲームの世界は今後増々リアル度を増していき、3D化とも相まって、いずれゲーマーは映画の世界に紛れ込んで動き回れるというような、究極のゲームが実現すると思われます。

 
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2019年04月17日
アイデアよもやま話 No.4305 拡大する「ギグ・エコノミー」!

昨年12月21日(金)付け読売新聞の朝刊記事で「ギグ・エコノミー」という耳慣れない、新しい働き方を意味する言葉を目にしたのでご紹介します。

 

「ギグ・エコノミー」とは、インターネット上のプラットフォームを通じて、単発の仕事を依頼したり、請け負ったりする働き方を意味します。

ほぼ同様の意味で「クラウドソーシング」、「クラウドワーク」、「オンライン・フリーランシング」などと呼ぶ場合もあります。

なお、「ギグ(gig)」とはライブハウスなどで行われるその場限りの演奏を意味します。

 

マレーシア在住のノーダリラ・モハメドさん(35歳)は、日本企業から市場調査などを受託する機会が多く、未明から家族が起きる早朝にかけて自宅で働きます。

収入が増えただけでなく、働き方に満足しているといいます。

 

国や地域を限定せずに仕事を受発注出来るプラットフォームには全世界で7000万人の働き手が登録しているとの推計もあります。

イギリスのオックスフォード大学インターネット研究所の調査では、その規模は2016年5月末時点と比べて直近(2018年12月)では20%程度増加しています。

また、大手会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)の推計では、2020年までに「ギグ・エコノミー」の規模は金額換算で630億ドル(約7兆1000億円)に達します。

 

その勢いは国内にも及んでいます。

アジアの人材を主な対象にプラットフォームを運営するワークシフト・ソリューションズ株式会社(東京都渋谷区)はJTBと提携し、ギグ・ワーカーのノウハウを活用しながら訪日外国人の消費を取り込む試みを始めています。

新たな働き手は企業と個人にもたらすメリットの普及を後押ししてきました。

 

企業は外部から幅広い人材を確保出来ます。

社外からノウハウや技術を導入することで人材のミスマッチを解消し、技術革新や画期的なアイデアが生まれるとの期待もあります。

一方、働き手は空き時間に場所を問わず仕事が出来ます。

所得の向上にもつながる他、通勤することが難しいハンディを持つ人が在宅で働く機会も広がります。

 

英語圏の大手プラットフォームに登録した雇用者は、アメリカが約4割で最も多く、ヨーロッパが続きます。

一方で、働き手は世界中に広がっています。

ちなみに、「ギグ・エコノミー」で働く人の国別シェアは、インドが約25%と最も多く、次いでバングラデシュ、パキスタン、アメリカ、フィリピンと続いています。

主に欧米企業が発注した仕事を、アジアやアフリカのフリーランサーが請け負う構図です。

交通機関が整備されていない、工場やオフィスがない、といった悪条件でもプラットフォーム経由で仕事を見つけることが出来ます。

 

ただ、普及に伴う課題も指摘されています。

オックスフォード大学インターネット研究所が、あるプラットフォーム対象に実施した調査では、仕事を求める登録者は受注者を大きく上回っています。

インターネットの普及に伴う登録者の増加は、受注機会の減少や報酬の下落につながります。

同研究所のヴィリ・レードンヴィルタ准教授によると、最近ではプラットフォームが登録者を選別する傾向も見られます。

仕事の受注競争は更に激しくなっている可能性があります。

 

「ギグ・エコノミー」の広がりは、雇用のグローバル化を象徴する新たな動きとも言えます。

1980年代に始まったアウトソーシング(外部委託)では、主に先進国の大企業が低賃金の途上国に業務の一部を事業単位で移管し、コスト削減と競争力の強化を図りました。

これに対して現在の「ギグ・エコノミー」では企業はプラットフォームを介して個人に業務を発注します。

対象となる職種もソフトウェア開発や市場調査、翻訳など幅広いです。

インターネットの普及によって労働力の供給源は一段と広がろうとしています。

こうしたデジタル化の進展による雇用機会の拡大は、賃金水準の上昇を阻む可能性があります。

既に日米では失業率の低下が賃金の上昇につながりにくくなっています。

 

新たな働き方を巡る摩擦も起きています。

欧米では働き手が最低賃金の適用などを求める訴訟も起きています。

国内でも将来に備えるべきだとの声は多いです。

 

2020年から導入される「同一労働同一賃金」の実施は企業のコスト負担を増やす方向に働きます。

日本で通常は「自営業者」に分類されるギグ・ワーカーに対しては労働法などの保護は及びません。

「人件費を抑える手段として活用が広がれば、賃金の下落や長時間労働を助長する」との指摘もあります。(ニッセイ基礎研究所の金 明中さん)

 

新たな働き方に対応した制度をどう整えるか、労働政策研究・研修機構の山本 陽大さんは、デジタル化や人工知能(AI)の活用による第4次産業革命で先を行くドイツの動向に注目しています。

 

ドイツ政府は、2016年に公表した提言「労働4.0白書」の中で、社員でも自営業者でもない働き手を労働法の枠組みの中で保護するアプローチについて検討を行っています。

また、ドイツ金属産業労働組合(IGメタル)は、ギグ・ワーカーの加入を認めています。

仕事を受発注する企業と個人が国をまたぐことから、ヨーロッパの労働組合が連携する試みも動き始めました。

 

新たな働き方のメリットを損なわない枠組みの構築は、人手不足が進む中で企業が競争力を維持するためにも避けて通れません。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

そもそも従来は、モノを購入する際には購入者がお店まで買いに行くというのが一般的でした。

ところが、インターネットが普及した今のネット社会では、お店まで出かけなくてもアマゾンなどのネット通販サイトで注文すれば、ほとんどの商品が全国どこへでも直接自宅まで届けてくれるようになっています。

 

同様に、仕事の受発注も「ギグ・エコノミー」という言葉が生まれる以前から既にインターネット上のプラットフォームを通じて単発の仕事を依頼したり、請け負ったりされて来ています。

それが今や「ギグ・エコノミー」という言葉が生まれるくらい、世界規模でどんどん広がりつつあるというわけです。

こうした流れの行き着く先は、ある業務を発注したい世界中のあらゆる企業と世界中の仕事を求める個人個人とがインターネット上のプラットフォームを通じて直接やり取りするようになるという状況です。

また、受注する個人同士が案件ごとに必要に応じて世界規模でチームを組んで受注するというような対応も派生的に出てくると思われます。

これに伴い、特定の企業に属さないプロジェクトリーダーの役割を担うスペシャリストも「ギグ・エコノミー」をうまく機能させる大きな存在となると思われます。

こうした状況の変化を受けて、企業としてはコアとなる社員がいれば業務が回っていけるようになるので、今後増々正社員の比率が少なくなっていくと思われます。

 

なお、洗練された自動翻訳技術がこうした流れを加速させるうえで大きく貢献することになると思います。


 
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2019年04月16日
アイデアよもやま話 No.4304 世界で進む企業間、および個人間格差!

前回、フランスによる「デジタル課税」導入の動きについてご紹介しましたが、今の時代において適切な税収を確保するうえで、こうした税制上の問題とも関連する根本的な問題が4つあると思いますのでご紹介します。

 

1つは、インターネットをインフラとしたAIやロボット、IoTなどのテクノロジーの進化に伴い、これまで人手を介していた作業がどんどん自動化されたシステムによって置き換わっていくことによる労働市場の縮小です。

2つ目は、グローバル化に伴う賃金の安い途上国への労働シフトに伴う、先進国の労働市場の縮小です。

3つ目は、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に象徴されるような時流に乗って成長を続け、莫大な利益を上げる一部の企業群と、その余波を受けて徐々に衰退に向かう既存の企業群との企業間格差です。

このことがそのまま個人レベルの格差につながっています。

そして4つ目は、正社員と非正社員との収入格差です。

 

こうしてみると、世界的に従来に比べて労働市場の縮小、および企業間、あるいは個人間における格差化が進んでいると言えます。

働く側の格差による被害を被る多くの従業員からすれば、まさにクアドラプル(4つの)パンチです。

勿論、テクノロジーの進歩により新たな労働市場も誕生していますが、労働市場の縮小分を補うには遠く及びません。

そして、ここ10年間ほどの企業の盛衰を見ると、とてつもなく速いスピードで変化しています。

それを象徴しているのが企業別売上高のランキングです。

何十年もかけて積み上げて来た既存の巨大企業の売り上げが誕生間もないベンチャー企業に抜かれているというのが現状なのです。

GAFAに象徴される、こうしたインターネットをインフラとした様々なテクノロジーの駆使による新たなサービスの誕生は、既存の事業を営む企業にとっては破壊的なのです。

そして、こうしたサービスを享受する私たち、一般ユーザーはこうしたサービスの流れを食い止めるどころか、より一層のサービスを期待しているのです。

 

一方、この4つの問題が先進国に大きな課題を突き付けているのです。

世界各国で一部のIT企業群が大きな売り上げシェアを占め、企業間格差をもたらし、同様に個人間格差が拡大し、所得の分配アンバランスをもたらしているのです。

こうした状況は社会の二極化をもたらし、今のうちに適切な対策を打ち出さなければ、取り返しのつかないほどの大きな社会問題になってきます。

最悪の場合は、各地での暴動、更には格差により差別を受けている側による市民革命です。

そこで、以前ご紹介したベーシックインカム(参照:アイデアよもやま話 No.3401 ”仕事がない世界”がやってくる その3 新たな生活保障制度の必要性!)は新たな財源となり得る一つの対応策であり、前回ご紹介した「デジタル課税」はその財源の大きな柱の一つと言えます。


 
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2019年04月15日
アイデアよもやま話 No.4303 フランスが「デジタル課税」導入へ!

昨年12月18日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でフランスによる「デジタル課税」導入の動きについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

昨年12月17日、フランスのルメール経済・財務相はEU(ヨーロッパ連合)で検討してきたIT大手に対する「デジタル課税」について今年初めから独自に導入する考えを表明しました。

日本円で年間約640億円規模の税収を見込んでいるといいます。

フランスでは富裕層の優遇政策などに抗議する大規模なデモが続いていることから、「デジタル課税」の導入で大企業にも税負担を求める姿勢を強調する考えです。

 

この「デジタル課税」については、フランスの前にイギリスでも導入することを決めていますが、日本はこの先どうすべきかについて、番組コメンテーターで大和総研チーフエコノミストの熊谷 亮丸さんは次のようにおっしゃっています。

「元々プラットフォーマーはあまり税金を負担していないということがあって、欧州委員会が調べているんですが、プラットフォーマーは税の負担率が9.5%、他方で伝統的な会社は23%ということですから非常に低いわけですね。」

「ただ対立があって、ヨーロッパの国は税金を取ることに積極的なんですが、アメリカは例えばGAFAなどと言われているグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、そういうところがある。」

「中国はテンセントやアリババがあるんですね。」

「彼らは課税に慎重である。」

「ですから日本はその2つの立場の中で橋渡しをするというか、来年(2019年)G20(大阪サミット)が日本で開かれますから、そこで日本の調整手腕が試されるということです。」

「(不公平な課税にならないように考えながらも成長とも両立させていかなければならないという指摘に対して、)そうですね、そういう規制の部分と成長を促すということのバランスを取ることが非常に重要ですね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

先日、あるテレビのニュース番組で、驚くことにアマゾンは1円も納税していないと伝えていました。

その節税方法については、複雑な税制制度をうまく切り抜く、当局でも理解出来ないほど巧妙だといいます。

税法に則っている以上、結果として納税額ゼロであっても企業を罰することは出来ません。

ですから、こうした問題は当局による税法の不備によるものと判断出来ますので各国の局による速やかな対応が求められます。

 

さて、4月10日(水)付けネットニュース(詳細はこちらを参照)によれば、フランス議会下院は、テック企業に税金を課す新たな法案を採決し、修正なしで通過させました。

フランスで大きな売上を上げているテック大企業は、フランスでの売上に基づき課税されることになります。

この新税は、収益ではなく売上に基づくというかなり奇妙な課税モデルです。

 

この「デジタル課税」、イギリスでも導入を決めていると言いますが、他の国々でも課税については経済成長と税収とのバランスをどうするかという課題を抱えていますから、フランスでの運用状況を参考に、今年日本で開催されるG20でも議論され、何らかの方向性が示されるかもしれません。


 
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2019年04月14日
No.4302 ちょっと一休み その694 『日本の有休取得率3年連続で最下位』

昨年12月10日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で世界の有給休暇(有休)取得率について取り上げていました。

そこで、世界最大級の旅行予約サイトの日本語サイト、エクスペリア・ジャパンによる2018年の調査結果(詳細はこちらを参照)と併せてご紹介します。

 

エクスペディア・ジャパンが日本やアメリカなど世界19ヵ国について、有休取得率を比較したところ、日本は50%で3年連続で最下位でした。

ちなみに、19ヵ国の有給消化率比較は以下の通りです。

*    100%  *ブラジル、フランス、スペイン、ドイツ、香港、タイ

韓国    93%

アメリカ  71%

日本    50%

 

また日本は有休の取得日数でみても10日間と、こちらもアメリカ、タイと並んで最下位です。

なお、ブラジル、フランス、スペイン、ドイツは共に30日間とトップです。

また、日本で有休を取得しない理由は以下の通りです。

1位 人手不足

2位 緊急時のためにとっておく

3位 仕事する気がないと思われたくない

 

以上、番組の内容、およびエクスペディア・ジャパンの調査結果の内容を併せてご紹介してきました。

 

世界19ヵ国の中で日本の有休取得率が3年連続で最下位の理由の1位が人手不足という結果については、少子高齢化の進行とともに今後増々この傾向は強まっていくのではないかと懸念されます。

また、2位、および3位の理由については、いかにも日本人的な感覚だと思います。

こうした一般的な感覚を払拭させるためには、制度的に有休取得率100%未達成の場合には会社を何らかのかたちで罰するようにする必要があります。

また、そうならないようにするために、会社としては従業員が周りに気を使わずにきちんと有給休暇を取得出来たり、あるいは残業を少しでもしないで済むための方策を真面目に検討することが求められます。

AIやロボットなど様々なITを駆使すれば、生産性向上は必ず出来ると言ってもいい時代なのです。

ですから、今政府主導で進められている「働き方改革」に最も求められるのは経営者のリーダーシップと手腕なのです。

 

こうした中、アイデアよもやま話 No.4216 ”近所の人”がスーパーの買い物代行!アイデアよもやま話 No.4225 新たな宅配便サービス!などでお伝えしたように、人手不足が問題視されている宅配便業界では、高齢者などの活躍の機会が広がりつつあります。

この基本的な考え方は他の業界でも適用出来るはずです。

また、AIやロボットなどの技術の進化により、単純作業のみならず、かなり高度な業務までこれらに置き換わっていくとの見方があります。

自動運転車などはその先駆けではないでしょうか。

ですから、高齢者などの活躍の機会を広げつつ、同時にAIやロボットの導入を加速させることにより、いずれ人手不足は解消されていくという楽観的な見方もあると思います。

 

さて、ちょっと意外だったのは、アメリカも日本と同様に有休の取得日数が最下位の10日間という調査結果です。

人が豊かな暮らしをするうえで、ワークライフバランスはとても大切だと思います。

ですから、日米両国の共通の課題はワークライフバランスを社会の中にしっかりと根付かせることだと思います。

今、特に日本に最も必要なことは、「働き方改革」以前に、“人はどう生きるべきか”という哲学的とも言える命題に真摯に向き合うことではないかと思います。

こうした結果、自ずと「働き方改革」としてどのようなことを目指すべきかということが見えてくるはずなのです。


 
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2019年04月13日
プロジェクト管理と日常生活 No.588 『2018年の10大セキュリティ事件とそのリスク対応策!』

昨年12月11日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で2018年の10大セキュリティ事件について取り上げていたので、そのリスク対応策とともにご紹介します。 

 

被害額が580億円相当に上ったコインチェックの仮想通貨流出事件や漫画が無断でインターネットに公開された海賊版サイト「漫画村」、そしてフェイスブックの個人情報流出事件など、昨年はインターネット上のセキュリティに関して数多くの事件が起き、被害も拡大しました。

昨年12月11日、こうした中から昨年注目度が高かったトップ10が発表されました。

いったいどんなリスクが潜んでいるのでしょうか。

 

ウイルス対策ソフト大手、マカフィ(東京都渋谷区)は昨年12月11日に昨年注目された10大セキュリティ事件を以下の通り発表しました。(詳細はこちらを参照)

1位】コインチェック 秘密鍵を流出し、580億円相当の仮想通貨「NEM」が流出(20181月)

2位】佐川急便をかたるフィッシングメール。不正アプリをダウンロードすると個人情報を盗まれ、さらなる犯行の発信元として悪用される(20187月〜)

3位】海賊版サイト「漫画村」が社会問題に 一部では、利用者のデバイスを仮想通貨マイニングに利用(20181月)

4位】アダルトサイトの閲覧を周囲に暴露すると脅して、仮想通貨の支払いを要求する「性的脅迫(セクストーション)」の手口を使った詐欺メールが出回る(201810月)

5位】「アラート:あなたのアカウントは閉鎖されます。」という件名でAmazonの偽サイトへ誘導する、Appleをかたるフィッシングメールが出回る(20186月)

6位】Facebookでインシデント相次ぐ 機能テスト中のバグで1400万人が意図せず投稿を「全員に公開」(6月)、2,900万人分の個人情報が流出(9月〜10月)

7位】ルーターへのサイバー攻撃が相次ぎ、パソコンやスマートフォンでネットが使えなくなる不具合が多発 NTT、ロジテック、バッファローの機種で被害を確認(20183月〜4月)

8位】JALがビジネスメール詐欺(BECBusiness E-mail Compromise)により、偽の請求書メールにだまされ約38000万円の被害に(201712月)

9位】ツイッター 偽アカウントを一斉削除 対象は数千万件規模に上るとみられ、一部利用者のアカウントからは急激にフォロワー数が減る可能性が(20187月)

10位】「重要 : 必ずお読みください」というタイトルでフィッシングサイトへ誘導する、セゾンNetアンサーをかたるフィッシングメールが出回る(20183月)

 

この中には個人だけでなく大企業も被害に遭いました。

8位のJALのビジネスメール詐欺事件では、未だに犯人は捕まっていません。

また、社会問題となった3位の海賊版サイト「漫画村」の事件では、その後「漫画村」は閉鎖されましたが、同様のサイトが次々と登場し、いたちごっこになっています。

実はこの事件、裏では全く別の犯罪が進行していたのです。

「漫画村」のサイトには仮想通貨のマイニング(参照:アイデアよもやま話 No.4033 ロシアが世界最大級の“仮想通貨鉱山”に!?)をするウイルスが仕込まれていて、サイトを閲覧した人のスマホやパソコンが勝手にマイニングに使われていたのです。

こちらも犯人は未だに捕まっていません。

そして1位は、仮想通貨交換業者、コインチェックから約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した事件です。

この事件をきっかけに毎月取引されるビットコインの量は6兆円から1兆円まで減りました。

この事件でも未だに犯人は捕まっていません。

マカフィーの櫻井 秀光さんは次のようにおっしゃっています。

「攻撃を仕掛けてくる時に自分の身元を隠ぺいする工作を必ずやってますし、ほぼ攻撃者の特定を行うのは難しい。」

「非常に資金力を持った攻撃者が増えて来ていて、より洗練されたツールであったりとか、より組織的に攻撃する・・・」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

個人のみならず、企業や公共団体など標的にした迷惑メールやウイルス、あるはサイバー攻撃などの犯罪は社会的に広範囲で広がりつつあり、かつ進化し続けています。

しかもその被害は大きく、個人情報や企業の機密情報の流出、あるいは高額にのぼる金銭的損害です。

また実害に至らないまでも、実際に犯罪に巻き込まれてしまうと、その対応でかなりの時間と労力を取られてしまうことがあります。

勿論、かなりの金額の被害を受ければ、大変なショックを受けることになります。

また、知らない間に自分の個人情報が犯罪者側に渡ってしまうと、どんな使われ方をするか分かりません。

 

ところが、こうした犯罪は、冒頭のマカフィが昨年発表した10大セキュリティ事件でも、その多くは未だに犯人は捕まっていないといいます。

その背景には、マカフィーの櫻井さんのおっしゃるように、攻撃者の特定が非常に難しいという現実があります。

要するに、個人、企業、公共団体、あるいは取り締まる当局側における、サイバー攻撃リスクに対する対応策、あるいはコンティンジェンシープランがきちんとなされていないのです。

それに対して、サイバー犯罪はサイバー関連の高度な技術さえれば、従来のパターンの犯罪に比べてとても効率的、かつ効果的にお金や機密情報を手に入れることが出来ます。

こうした状況だからこそ、極めて優秀な犯罪者グループは取り締まる側に比べて知力に優れ、捕まることなく、犯罪を続けられるというわけです。

こうした状況は今後とも続くと思われます。

 

そこで、取り締まる当局に望みたい対応策は、サイバー犯罪においても銃刀法違反やクルマの運転時の一時停止違反のように、実際に犯罪に結びつかなくてもリスクがあるだけで取り締まれるような法律を適用することです。(参照:アイデアよもやま話 No.3928 大手企業でも被害に遭う振り込め詐欺!

その際の罰則ですが、犯罪者側から見て、万一逮捕された場合の刑罰の厳しさから考えて犯罪を実行するのはメリットがないと思わせるような罰金、あるいは懲役刑であることが必要です。

 

なお、将来的なサイバー犯罪のリスク対応策として、どんなサイバー犯罪グループにも対抗出来るようなAIを駆使した最強のサイバー部隊の登場が待たれます。

そのためには当然世界的に見てもかなりの優秀な人材や資金が必要になります。

一方で、こうしたサイバー犯罪の発生は万国共通です。

ですから、国際的な機関として、世界各国の協力体制によるサイバー部隊に向けた取り組みが喫緊の課題と言えます。


 
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2019年04月12日
アイデアよもやま話 No.4301 加速する地球温暖化にどう対応するか?

地球温暖化についてはこれまで何度となく繰り返しお伝えしてきました。

そうした中、昨年12月25日(火)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で加速する地球温暖化について取り上げていたので、その最新事情についてご紹介します。 

 

厳しい冷え込みで大雪となっている新潟県南魚沼市のクリスマス、しかし東京都練馬区ではわずか1ヵ月前にはタンポポが咲いていました。

季節外れの暖かさにタンポポやヒマワリが咲き誇った昨年12月、思えば昨年の天気も異常でした。

 

昨年6月から7月にかけて発生した西日本豪雨、各地で土砂崩れや河川の氾濫が多発、死者、行方不明者の数は合わせて239人でした。

“平成最悪の豪雨被害”、そして昨年7月23日には埼玉県熊谷市で観測史上の最高気温41.1℃を記録しました。

こうした状況について気象庁では次のように発表しています。

「命の危険がある温度。」

「一つの災害であるという認識はあります。」

 

気象庁が言及した“災害級猛暑”に熱中症搬送者が続出、搬送者は過去最多となる9万5137人に上り、160人が熱中症によって命を落としました。(総務省消防庁まとめ)

更に猛烈台風が次々と上陸、猛烈な強さまで発達した台風は過去最多の6個でした。

異常気象分析検討会会長の中村 尚東京大学教授は次のようにおっしゃっています。

「一連の現象は異常気象の連鎖・・・」

 

冬になっても異常は続いています。

札幌の初雪は128年ぶりの遅さ、東京では39年ぶりに木枯らし1号が吹きませんでした。

私たちの生活に多大な影響を与えた異常気象、岡山県倉敷市真備町では西日本豪雨により町の3分の1が水没しました。

番組が訪ねたのは、丸畑 裕介さんです。

丸畑さんは、当時緊迫した様子を撮影していました。

父親の丸畑 孝治さんを何とか説得して避難し、家族は全員無事でした。

孝治さんは次のようにおっしゃっています。

「今まで経験してきたことが正しいと思っていましたが、怖さがよく分かりました。」

「一番に逃げないといけないなと思いますよ。」

「私たちは真備町でやり直します。」

 

自宅は1階部分が完全に水没しましたが、現在リフォーム中、この町で再び暮らしたい、多くの住民の願いです。

しかしそこには大きな問題があります。

あるリフォーム業者は次のようにおっしゃっています。

「職人の数が合ってないんですよ。」

「(リフォームを)やりたいのはやまやまでも人手不足で手が付けられないのが現状ですね。」

 

“住宅再建への道”は思うように進まないといいます。

確かに町を歩いてみると、窓も戸も開けた、そのままの状態になっています。

また、壁に大きな穴が開いたままになっている家もあります。

工事が進まず、手つかずの状態の家が夜になると家の明かりが消えており、人の気配もほとんどありません。

 

仮設住宅で自宅の建て替えの着工を待つ池田 忠士さん(81歳)、世美子さん(81歳)夫婦、慣れない環境で睡眠不足に、近所付き合いもなくなってしまいました。

忠士さんは次のようにおっしゃっています。

「完全には睡眠が出来ん。」

「ベッドが80cmか90cm・・・」

「もう最悪じゃ。」

 

平成という時代、異常気象が増加し、その分災害も多く発生しました。

その原因とされているのが地球温暖化です。

NASAが発表した世界各地域の平均気温と温度差を色で表したものでは、徐々に暑さを示す赤い色が広範囲に、2000年代には全体が真っ赤となりました。

 

加速し続ける地球温暖化、世界で起こっている異変、気象庁の異常気象分析検討会の会長で東京大学の中村 尚教授が指摘するのは異常気象を増加させる“危険な異変”です。

「北極海、北極全体がより速いペースで今温暖化が進んでいます。」

「その一つの表れが永久凍土の融解。」

 

永久凍土とは北極圏の地中にある凍り付いた土のことです。

近年それが溶け出しているというのです。

永久凍土の面積で世界最大規模を誇るロシアのシベリア、一見普通の芝生に見えますが足で踏んでみるとまるで芝生の下にスポンジが入っているかのようです。

これは地下の永久凍土が溶けたためです。

更にいたるところで大地が陥没、温暖化が進むにつれ急速に拡大、大きな穴がいくつも発生しています。

永久凍土が溶け出した結果、大地から噴出しているのが温室効果ガスの一つ、メタンガスです。

湖の底から次々と湧き出るメタンガス、火を近づけるとぼうっと燃え上がります。

このメタンガスが地球温暖化を加速させているというのです。

中村教授は次のようにおっしゃっています。

「メタンはCO2よりもはるかに強い温室効果気体ですから、かなり深刻な影響を及ぼす可能性が出てくる。」

「(このまま温暖化が加速し続けた場合、今後の天気はどうなるのかについて、)異常高温や1日に400ミリを超えるような豪雨ですね。」

「着実にこれは増えていく傾向にあります。」

「昔の常識が通用しなくなってくる。」

 

環境省が制作した、2100年、未来の天気予報では衝撃の数字が示されています。

東京が44℃、札幌でも41℃と記録的な暑さが続くという予測です。

こうした中、なぜか那覇は39℃です。

40℃を超える日が当たり前になった世界、更に台風の威力もすさまじく、最大瞬間風速90mです。

 

私たちは地球温暖化にどう向き合っていくべきなのでしょうか。

平成という時代、異常気象によって多くの人が命を落としたという事実を忘れてはなりません。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

番組では地球温暖化に関する国内外の最近の状況についていくつか取り上げていましたが、以下にまとめてみました。

(国内)

・2918年の状況

季節外れの暖かさ(札幌の初雪は128年ぶりの遅さ、東京では39年ぶりに木枯らし1号が吹かなかった)

観測史上の最高気温

過去最多の猛烈台風の上陸

平成最悪の豪雨被害(岡山県倉敷市真備町では西日本豪雨により町の3分の1が水没)

・環境省による未来の天気予報によれば、2100年には東京が44℃、札幌でも41℃と記録的な暑さが続くという予測 ⇒ 40℃を超える日が当たり前になり、最大瞬間風速90mの台風発生)

 

(海外)

・異常気象を増加させる“危険な異変”(北極海、北極全体がより速いペースで温暖化が進行し、永久凍土の融解による温室効果ガスの一つ、メタンガスの噴出)

 

このままの状況が改善されなければ、2100年には日本列島は40℃を超える日が当たり前になり、最大瞬間風速90mの台風発生が発生するリスクがあるというのですから、今、異常気象と言っている状況以上の状態があたり前の時代になってしまいます。

恐らく今現在、最大瞬間風速90mを前提にした建物はほとんどないと思います。

しかし、こうした状況を想定した場合の日々の暮らしは外出もままならないようになると懸念されます。

そればかりでなく、経済損失や被害者数は相当な数に上ると思います。

ですから、遅ればせながら本気で世界各国が協力して、地球温暖化対策を進める必要があるのです。

 

こうした状況下、2ヵ国だけでCO2排出量の割合が全世界の4割以上を占めるのが中国とアメリカです。

ところが、残念なことにそのアメリカのトランプ大統領は、地球温暖化は人為的な原因によるものではないとして、地球温暖化対策にはとても消極的です。

その背景にはシェールオイルやシェールガスの大量生産があるようです。

アメリカは今や世界最大の産油国と言われていますから、当然石油の輸出を推進するためには地球温暖化を積極的に考えるということはないのです。

一方、中国では習近平国家主席のもと、中国国内の深刻な環境汚染問題に危機感を持っており、EV(電気自動車)や太陽光などの再生可能エネルギーによる発電の導入・普及にとても積極的に取り組みつつあります。

こうしたことから、国の置かれた状況、あるいは国民の多くの声がいかにそれぞれの国の国策に影響を及ぼしているかが分かります。

一方、多くの途上国も今後の経済成長次第で、多くのCO2を排出するようになるのは明らかです。

 

こうした状況から、いかに世界各国が地球温暖化対策に取り組んでもその流れをすぐに止めることは出来ないのです。

ですから、今専門家の間で言われているのは、いかに地球温暖化による影響を少なくするかという対応策の必要性なのです。

 

こうした状況において、日本としてどのような対応策が必要でしょうか。

最近、私は以下のように思うようになりました。

それは一言で言えば、エネルギーや食糧など全ての資源において、日本を完全なる“持続可能な国家”にすることを目的とした日本国の再生です。

具体的には、エネルギーは全て持続可能な太陽光などで賄い、食料の自給率も100%とすることです。

勿論、現実にはこうした要件を満たしたうえで、海外から国民の需要に応じて食糧などを輸入することに制限を加えることはしません。

 

同時に、持続可能な国家実現のために必要な技術を全てセットで途上国をはじめ海外に展開することによって、人為的な要因による地球温暖化の進行を少しでも食い止めることが世界的な貢献につなげるのです。

こうした取り組みは、勿論アベノミクスの成長戦略の柱の一つである経済成長にも大きく貢献するはずです。

 

こうした国家的な大変革は、明治維新、あるいは戦後の復興以来の大変革だと思います。

5月1日には元号も新しく「令和」に変わります。

幸い、この新しい元号は国民からの受けも良さそうです。

ですから、この大変革を“令和維新”と名付けて少しでも早く取り組み、世界各国を全て“持続可能な国家”に再生させることが実現出来れば、間違いなくこの“令和維新”は人類の歴史に大きく刻まれることは間違いありません。

なお、令和の英訳は正式に「 Beautiful Harmony=美しい調和」と決められました。

ですから、この大変革は令和の英訳の趣旨にも合致します。

 

戦後の復興期、あるいはその後の経済成長期の頃に比べて、現在の日本は何となく元気がないように感じますが、日本の国民には国家的な危機を迎えた時、あるいは明確な国家目標が設定された時に、大変なパワーで対処したというDNAがあるのです。

 

ということで、誰が総理大臣になろうとも、新しい元号により国民の意識が心機一転したところで、こうした壮大な大変革の実現に向けてリーダーシップを発揮していただきたいと思います。


 
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2019年04月11日
アイデアよもやま話 No.4300 沸騰する「Vチューバー」市場!

これまでNo.3804 ちょっと一休み その611 『急成長する“ユーチューバー”ビジネス!』などでユーチューバーについては何度かお伝えしてきました。

そうした中、昨年12月18日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「Vチューバー」市場について取り上げていたのでご紹介します。 

 

CGキャラクターの姿を借りてユーチューブなどの動画サイトに投稿するバーチャル・ユーチューバー、通称「Vチューバー」ですが、テレビ東京のバーチャルアナウンサー、相内 ユウカも当番組で昨年8月28日から登場しています。

そして、その後進化し、3Dで表現出来るようになりました。

このようにどんどん進化を遂げる「Vチューバー」ですが、その人材育成市場が急拡大しています。

 

ユーチューブの世界を飛び出し、遂には観客の前でライブまで行うようになったユーチューバー、今やその数5000人以上、経済効果は難関20億円と言われています。

更には企業や行政も続々と投入するなど、その活躍は留まることを知りません。

最近では、キャラクター作りからライブ配信までスマホ1つで出来るアプリも登場し、「Vチューバー」は増々身近な存在になりつつあります。

そして今、「Vチューバー」市場は新たな局面を迎えています。

 

アニメや声優などの専門学校、代々木アニメーション学院東京校(東京都千代田区)で行われているのは「Vチューバー」アイドルの育成です。

代々木アニメーション学院の棚原 清吾さんは次のようにおっしゃっています。

「「Vチューバー」の育成を始めています。」

「トーク、歌や踊りなどを使って、バーチャルなキャラクターで表現していくという・・・」

 

ここでは昨年10月から「Vチューバー」アイドルを育成する「Vチューバーアイドルコース」を開設、授業は週1回2時間、「Vチューバー」の動き方、歌やトークのスキルなどを半年間学びます。

取材の日に行われていたのは、動画配信のシミュレーション、テーマを自分で決め、視聴者がいると仮定した実技の練習です。

講師は「Vチューバー」のコンテンツを開発する会社に所属する現場のプロ、その声を直接聴くことが出来るのです。

中々厳しい指摘でかなり実践的ですが、なぜこのようなコースを作ったのか、棚原さんは次のようにおっしゃっています。

「企業の広告としてバーチャルキャラクターを使いたい、その時に即座に対応出来る人材がすごく求められるんですね。」

 

企業などの「Vチューバー」の活用が増える一方で、プロと呼べる存在は一握り、今即戦力の育成は急務なのだといいます。

 

他にも「Vチューバー」市場の人材発掘の動きがあります。

イラストの投稿サイトを運営するピクシブ株式会社(東京都渋谷区)で「Vチューバー」向けの新たなサービスが開発されていました。

ピクシブのVroid Hubプロダクトマネージャー、佐藤 里佳さんは次のようにおっしゃっています。

「Vroid Hubといいまして、自分が作った3Dキャラクターをアップロードして公開出来るサービスになっています。」

「今までイラストレーターは“平面”の世界でしか自分のキャラクターを表現することが出来なかったんですけど、それを発表する場所があることが広がりを見せていくものになるだろうと。」

 

このサービス(昨年12月21日にリリース)、誰でも自作の3Dキャラクターを投稿出来るだけでなく、「Vチューバー」になりたい他人に3Dキャラクターを使ってもらうことも出来ます。

イラストレーターが「Vチューバー」を介して世に出るきっかけを作ろうとしているのです。

そのために3Dキャラクターの制作ソフトも無償で提供しています。

こだわったのは使い易さです。

キャラクターの頭部をペンでなぞると髪の毛が生えてきます。

このようにイラストを描く感覚で3Dのキャラクターを制作出来るのです。

 

このソフトウェアを使うイラストレーターのキツネさんが取材の日に作っていたのは冒頭でお伝えした相内 ユウカのキャラクターです。

キツネさんは次のようにおっしゃっています。

「これに関しては、普段からよく使っている動きというか、自分の2D(イラスト)の技術があれば、それっぽく見せられるっていうのが非常にやり易いなという。」

「自分の見せたいものをアピールする手段が増えたって感じですね。」

「人気が出て収益化することになれば、収入の一つが増えて、より創作の幅も増えるだろうし、うれしいと捉える人も多いんじゃないかなと思います。」

 

「(バーチャル相内ユウカを作った感想について、)やっぱり大変でした。」

「ご本人の見た目を重要視して描いてはいるんですけど、結構ウソをついた方かもしれないですね。」

 

「Vチューバー」が社会現象となりつつある今は、プロのイラストレーターを志す人たちにとって大きなチャンスだといいます。

 

なお、バーチャル相内ユウカは今後も番組以外でも番組のSNSなどで情報発信を沢山していく予定です。

 

この「Vチューバー」を巡るビジネスは今後も広がりを見せそうだということで、番組では今後も相内 優香さん(テレビ東京アナウンサー)を先頭にして「Vチューバー」業界の行方を伝えていきます。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました

 

ユーチューバーの中には年間1億円以上稼いでいる人もいるといいますが、いよいよ「Vチューバー」まで登場してきました。

「Vチューバー」だと生身の姿を動画サイトで見せることなく、自分の分身であるCGキャラクターの姿を借りて自分を表現出来ます。

しかも無償の製作ソフトにより簡単に3Dキャラクターも使えるようになるのですから、増々表現の幅が広がります。

更に、「Vチューバー」アイドルを育成する学校まであるといいます。

 

そこでこうした状況はどこまで発展していくのか気になるところです。

まず前提条件として、ロボットだと実際に作っていろいろな表現をしたり、スムーズな動作を出来るようにする必要があります。

ところが、「Vチューバー」であれば、こうしたハードルはロボットに比べてはるかに低いです。

ですから将来的には「Vチューバー」の製作ソフトの改良とAIとの組み合わせにより、アイデア次第で誰でも「Vチューバー」として人気を集め、かなりの収入を得られる時代がやってくると予測されます。

 

ということで、既存のビジネスが停滞していく中で、ネット社会は新たなビジネスの種を生む場としての存在感をどんどん増していきそうです。


 
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2019年04月10日
アイデアよもやま話 No.4299 環境に優しいパイナップル発電!

昨年12月14日(金)放送の「はやドキ!」(TBSテレビ)で朝日新聞の記事としてパイナップル発電について取り上げていたのでご紹介します。

 

伊藤忠商事は昨年12月13日、フィリピンで「パイナップル発電」に取り組むと発表しました。

グループ会社が生産するパインの残りカスを現地のベンチャー企業に供給し、専用発電設備でガスに転換し、発電します。

電力は16年間買い取る契約で工場で使うといいます。

 

取り組むのは、北米や日本にパインやバナナを生産輸出するドールフィリピンです。

バナナはそのまま出荷する一方、年産70万トンあるパインは缶詰やジュースなどの加工食品も手がけています。

その際に芯や皮、へたなどが大量に出ており、これまでは肥料などに利用していました。

今回はこれらを燃料に活用するというのです。

 

パインからできるのは可燃性の「バイオガス」で、大型タンクに集めて一定期間発酵させると、発電燃料となるガスが発生する仕組みです。

パイン工場では缶詰やジュースの製造工程で電気を使いますが、いま電気料金の高騰が悩みの種で、コスト対策と環境負荷の低減を同時に狙い、計画したといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました

 

現在、持続可能な社会、あるいは“脱原発”の実現を目指して、世界的に化石燃料や原発から再生可能なエネルギーによる発電へのシフトが大きな流れとなっています。

そうした中、太陽光発電や風力発電以外に、No.205 再びバイオ・エタノール!アイデアよもやま話 No.787 海藻からバイオ・エタノール!、あるいはアイデアよもやま話 No.4250 ユーグレナ バイオ燃料プラントを完成!でもご紹介したように、サトウキビ

や海藻、ミドリムシを燃料として使用したりする動きがあります。

今回ご紹介したパイナップル発電もこうした動きの一つと位置付けられます。

大量に出ていたパイナップルの芯や皮、へたなどをこれまでは肥料などに利用していたのを今回は発電燃料となるガスとして活用することは持続可能なエネルギーという観点ではとても望ましいと思います。

しかし、肥料としての用途とのバランスを取ることも必要です。

また、パイナップルはどこでも生産出来るわけではないので、パイナップル発電のような取り組みは地域限定となります。

しかし、それでもパイナップルに限らず、ミカンなども大量の皮が発生していますから、同様の取り組みが出来るはずです。

 

ということで、経済合理性を満たしたうえで、様々なバイオ燃料を生成する取り組みは普及させるべきだと思います。


 
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2019年04月09日
アイデアよもやま話 No.4298 通勤の未来を変える新交通システム!

昨年12月13日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で通勤の未来を変える新交通システムについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

鉄道や飛行機、更にバスやモノレールに代わる次世代の交通システムの開発現場に番組のカメラが入りました。

私たちの未来の通勤方法も変えるのでしょうか。

 

その現場は東ヨーロッパのベラルーシ共和国です。

ロシアやポーランド、ウクライナなどに挟まれた、東ヨーロッパの内陸国です。

首都ミンスクからクルマで1時間ほど行くと、かつて戦車の走行テストが行われていた場所に着きました。

そこではモノレールのような乗り物が動いていました。

乗り込んでみると、かなり速いです。

こうした乗り物を発明したのは、技術者でスカイウェイ・テクノロジー創業者のアナトリー・ユニツキーさんです。

ユニツキーさんは次のようにおっしゃっています。

「これは14人乗りの「シティ・ユニバス」という乗り物です。」

「最高速度は時速150kmです。」

 

ユニツキーさんは、2015年に次世代の交通システムを開発するスカイウェイ・テクノロジーを設立、現在5つのタイプの乗り物の走行実験を実施しています。

取材班が最初に見たものは48人乗りの大型「シティ・ユニバス」でした。

車両を連結させて運行すれば、大勢の人を運べるといいます。

スカイウェイ・テクノロジーは、世界中の投資家を招いて大規模な試乗会を開催するなど、開発の資金調達を着々と進めています。

投資マネーを引き付ける理由は、環境への配慮と低コストです。

全て電動で、衝突防止センサーを備えた自動運転なのです。

最大の売りは細いレール、レールと車両のデザインを極限までシンプルにすることで、全体を大幅に軽量化しました。

ユニツキーさんは次のようにおっしゃっています。

「レールの建設コストは鉄道などに比べて20分の1ほどです。」

 

建築資材が少なくて済み、環境にも優しいうえ、全体の維持費や運航コストも鉄道などに比べ、7割近く削減出来るとしています。

 

ミンスク市内の工場を訪ねると、車体の開発や製造はここで行っています。

動力源のモーターは自社開発、バッテリーも自社で組み立てています。

ただ実際の納入実績はゼロ、このため本社に海外から顧客を招いて技術や安全性を説明する日々が続きます。

 

先日、アラブ首長国連邦からの受注が決まったといいます。

この日は、ブラジルの地方政府の職員たちが訪れていました。

パラナ州政府のシルビオ・バウス都市開発長官は次のようにおっしゃっています。

「ブラジルでの導入を真剣に考えている。」

「他の交通手段に比べて環境への悪影響が小さい。」

 

ユニツキーさんがスカイウェイのアイデアを思い付いたのはおよそ30年前、最初の設計車両は鉄のレールの上にトラックを乗せただけの素朴なものでした。

ロシアの当局からは開発拠点の閉鎖を命じられるなど、妨害を受けたのです。

しかしユニツキーさんは環境に優しい乗り物をつくる夢を諦めませんでした。

ユニツキーさんはその理由について次のようにおっしゃっています。

「生まれ故郷を失ったことが最大の理由です。」

「私が育った村は強い放射能に汚染されてしまいました。」

 

ユニツキーさんが育ったベラルーシ南部の村は、あのチェルノブイリ原発のすぐ近くで、1986年に起こった原発の爆発事故で育った家も勉強した学校も村は全て放射能に汚染され、人が住めなくなってしまったのです。

ユニツキーさんは次のようにおっしゃっています。

「こうして地球は滅びるのだと感じました。」

「だからせめて環境にいい乗り物が必要だと強く思ったのです。」

 

今そんなユニツキーさんが思い描くのは、高層ビルの間や都市の間の空をスカイウェイが自由自在に走る未来です。

故郷を失ったユニツキーさんの夢は実現に向けて動き始めたようです。

 

番組コメンテーターで大阪大学の安田 洋祐准教授は次のようにおっしゃっています。

「(日本などで活用出来そうかという問いに対して、)環境に優しいだけじゃなくて、低コストというのがすごいことですよね。」

「なので、日本だと特に地方の過疎地を中心に赤字路線が続いていて、どんどん廃線になっていくみたいのが増えているじゃないですか。」

「そういったところにこういう環境配慮型でかつ低コストのものが導入出来れば、地元の人たちの足になっていくのかなというのは、随分期待を抱かせるようなニュースでしたね。」

 

また、解説キャスターの山川 龍雄さんは次のようにおっしゃっています。

「どうしても品質、安全から入る日本だと出てこない発想なのかなと思っていましたけどね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今、移動手段として自動車やバスの全自動化、あるいは空飛ぶ自動車への関心が高まっています。

また無人モノレールは、都内のゆりかもめなど既に一部の区間で走行されています。

こうした中、今回ご紹介した「シティ・ユニバス」は全て電動の自動運転で、しかも全体が大幅に軽量化され、全体の維持費や運航コストは鉄道などに比べ、7割近く削減出来るといいます。

しかも最高速度は時速150kmといいます。

高層ビルの間や都市の間の空で「シティ・ユニバス」を運行させれば、その分土地の有効活用が出来ます。

こうしたメリットを考えると、日本でも「シティ・ユニバス」の導入を検討したり、あるいは独自に同様の乗り物を研究開発してもいいのではないかと思います。

 

いずれにしても「シティ・ユニバス」の運行により、全体の維持費や運航コストは鉄道などに比べ、7割近く削減出来るというのは経済的にも省エネの観点でもとても魅力的だと思います。


 
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2019年04月08日
アイデアよもやま話 No.4297 環境に優しい木材ストロー!

これまでアイデアよもやま話 No.4118 “脱プラスチック”の新素材を開発した日本のベンチャー企業に商機!などで、何度となくプラスチックのストローの環境への影響、およびその対応策についてお伝えしてきました。

そうした中、昨年12月11日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で木材ストローについて取り上げていたのでご紹介します。

 

触ってみるとプラスチックのストローと同じように柔らかい、木材を使った使い捨てのストローが開発されました。

あまり香りのないスギの木を使っているので、匂いが気になることはないといいます。

開発したのはアキュラホームで、住生活研究所長の伊藤 圭子さんは次のようにおっしゃっています。

  1. 15mmの木材を丸めて作ってあります。」

 

木材を薄く削ったものをらせん状に巻くことで強度を保ち、木目も生かしたストローとなりました。

ストリーには、昨年7月の豪雨災害で倒れた木や森林の木の成長のために間引きされた間伐材を使っています。

今年1月から導入が決まった東京・永田町にあるザ・キャピタルホテル東急も開発中からいろいろと注文を付けたようで、総支配人の末吉 孝弘さんは次のようにおっしゃっています。

「肌触りが良くないとか、ちょっと吸いづらいねとか、申し訳なかったんですが、こうして下さい、ああして下さいって、うるさいことを言って・・・」

 

この木材ストロー、まだ1本数十円と高価ですが、普及を進め、コストを抑えていきたいということです。

伊藤さんは次のようにおっしゃっています。

「こういったホテルみたいな付加価値を大事にするところから入っていただいて、(2020年の)オリンピックが来ますので、その時には日本に来られたお客様がこれを見ていただいて、「日本さすが!」と言って帰っていただけると・・・」

 

元々は、環境ジャーナリストの竹田 有里さんがこの木材ストローを発案したそうなのですが、それを木材住宅を手掛けるアキュラホームに提案して、今回のプロジェクトに至ったということです。

番組コメンテーターで日本総研のチェアマンエメリタス、高橋 進さんは次のようにおっしゃっています。

「ストローに限らず、日本は木をもっと活用すべきじゃないかと思うんですよね。」

「日本に戦後植林されて、大量に伐採適齢期になった木があるんですよ。」

「ですから、今こそ林業を成長産業にするチャンスだと思うんですよ。」

「で、オリンピックでストローを紹介するのもいいんですけどもね、万博でパビリオンを全部木で作るとか、日本の木を大々的に紹介してもいいんじゃないかと思うんですけどもね。」

「(国有林も)民間に任せて大量に伐採して、木を供給しているということも検討されているようですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

確かに木材ストローは大量に伐採適齢期になった木の有効利用としてとても理に適っていると思います。

しかし問題はその価格です。

1本数十円ではとてもビジネスとして成り立ちません。

せめて現行のプラスチックのストローの2倍くらいの範囲内に抑える必要があります。

また、アイデアよもやま話 No.4015 アイデア方程式 病気×?=曲がるストロー!でもお伝えしたように、手の不自由な方のためには、ストローには曲がる機能も必要です。

ですから、目指すべき理想的なストローとしては以下の要件を満たす必要があります。

・現行のプラスチックに代わる、環境に優しい素材を使用すること

・現行のプラスチックのストローと同等、あるいはそれ以下の価格であること

・ストローが曲がること

 

同時に、高橋さんの指摘されているように、ストローだけでなく、他の商品についても大量の木材を活用した林業を成長産業にするという方針で、その一端を東京オリンピック・パラリンピック、あるいはその後の大阪万博で海外の方々に披露することを目標に掲げれば、大いにやる気が盛り上がると思います。


 
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2019年04月07日
No.4296 ちょっと一休み その693 『歯磨きのベストタイミングはいつ?』

一昨日は歯磨きの自動化についてお伝えしましたが、そのタイミングについては、一般的に食後であったり、寝る前であったりしていると思います。

そうした中、昨年12月6日(木)放送の「あさイチ」(NHK総合テレビ)で歯磨きのベストタイミングはいつかについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

「歯磨きはいつしているか」について、街で50人にアンケートを取った結果、食後すぐ磨く人は17人、食後時間をあけてから磨く人は33人でした。

 

実は、歯科医師の間でも見解が分かれていて、ここ数年様々な歯の磨き方を推奨する本が相次いで出版されているのです。

中には、歯を磨いてはいけないと唱える本もあります。

そこでまず、食後時間をあけてから磨くべきという歯科医師、天雲 丈敦さんにその理由を聞きました。

天雲さんは次のようにおっしゃっています。

「健康な方であれば、ふだん口の中は中性に近い環境なんですけども、食べた後というのはどうしても少し酸性に傾いていくんですね。」

「その間、30分くらいは酸性になってしまいますので、その時にゴシゴシと歯を磨いてしまうと歯の表面に傷が付いてしまうと。」

 

食べ物が分解されると、口の中は一時的に酸性になります。

酸性になっている間は、酸の作用で歯の表面が柔らかくなっているため、歯ブラシでゴシゴシ磨くと歯の表面に傷が付き易く、かえって歯に良くないというのが天雲さんの考えです。

天雲さんが食後時間をあけて歯を磨くことを勧めるもう一つの理由は、唾液の持つ力を生かすためです。

天雲さんは次のようにおっしゃっています。

「唾液というのは、人間の持つ天然の抗生物質だと思っていますので、その唾液が一番口の中を守るためには大事だと思っています。」

 

唾液には虫歯の原因となる細菌の増殖を抑える役割があります。

しかし、食後すぐに歯磨きをしてしまうと、唾液まで洗い流してしまいます。

また唾液は酸性になった口の中を中和して中性に戻す役割があるため、唾液の力を最大限に生かしてから歯を磨くのが望ましいと天雲さんは勧めています。

天雲さんは次のようにおっしゃっています。

「お口の中が酸性から中性に戻った時に、食後30〜40分あけて磨くとより良いと思います。」

 

一方これに真っ向から反論する、日本歯科大学附属病院の臨床教授、倉治ななえさんは次のようにおっしゃっています。

「虫歯予防のためには、食後すぐに磨いた方が絶対良いです。」

「唾液の力に頼るだけではなくて、歯の表面に虫歯菌の固まりの歯垢が定着する前になるべく早く、食べたらすぐに歯垢を取り除く方が虫歯予防になります。」

 

「1960年代は虫歯洪水と言われたくらい、子どもの虫歯が多かったんです。」

「そこで歯科医師会などが333運動と言いまして、1日3回(食後)3分以内に3分間歯を磨きましょうという国民運動を起こしまして・・・」

 

「虫歯がもうなくなったからいいやと思って歯を磨かないだとか、あるいはずっとのんびりしておいて、後で磨けばいいと思っていたら、また少し虫歯が増える可能性はあると思うんですね。」

 

子どもの頃から食後すぐに歯を磨くことが根付いたことで、日本の虫歯は劇的に減少したと倉治さんは考えています。

食後すぐの歯磨きが習慣化されたことが歯の健康の改善に大いに貢献したといいます。

 

食後すぐ歯を磨くべきか、磨かざるべきか、終わることのない議論は歯の治療の現場にも波紋をもたらしています。

悩める歯科医院の一つを訪ねました。

歯科医師の豊山 洋輔さんと歯科衛生士の妻、とえ子さんは夫婦で歯科医院を開いていますが、理想の歯磨きを巡って今も二人の間で議論が絶えないといいます。

妻のとえ子さんは次のようにおっしゃっています。

「歯は磨くものではないんですよ。」

 

「(歯ブラシは)強く当てるより、一番(歯垢が)付き易いところだけに当てていただいた方が、歯を傷付けない当て方が出来ますので・・・」

 

「1日3回3分磨いていますという方もいらっしゃるんですけども、その方でさえ悪くなってしまうという現実を考えれば、そうではないということが言えるわけですよね。」

「やっぱりその方に合った(歯の)お手入れの仕方を見極める必要がある。」

 

 

歯を磨くという考えが間違った歯のケアにつながりかねないと2冊の本を出版しています。

大切なのは歯を磨くことではなく、虫歯の原因となる細菌を取り除くことだといいます。

そのために大事なのは、細菌が溜まり易い場所を見極めることだというのです。

歯並びは人によって違うため、細菌の固まりである歯垢がどこに溜まるかは人それぞれです。

どのタイミングで歯を磨くかを議論するよりも、自分が気を付ける場所を意識して口の中をケアすることが何より大切だととえ子さんはいいます。

 

一方、夫の洋輔さんは、食後すぐ歯を磨くべきか、時間をあけるべきかについて、様々な議論がある現状では一概にどちらが良いと言い切ることは難しいと考えています。

「これだって決定版があれば、そこに頼っちゃえばいいわけですけど、そうじゃないんで真剣にいろいろなことを調べていかなければいけないというのは事実だと思いますね。」

「そこは悩みです。」

「ですから現場はカオスのような、何を指針にしていいのか、確たるものはないのが現状ですね。」

「(決定版が)あったらうれしいです。」

「それに頼ります。」

 

このように専門家の間にいろいろな意見があるのです。

このようにいろんな主張が食い違ってくるのは、誰もが納得する実験結果に基づいたものがないからだといいます。

 

ただ、今回番組が取材した中で、皆さん口々に話していたのは、歯を磨くタイミングよりも間違った歯の磨き方をしている方が問題だということなのです。

ですから正しい歯磨きについて次にお伝えします。

・45度で小刻みに歯を磨くこと

・力加減は5グラム程度にすること

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

番組を通して、まず驚くのは未だに歯磨きのベストタイミングについては専門家の間でも様々な意見があるということです。

要するに歯磨きのベストタイミングについては定説がないということです。

 

そうは言っても、虫歯予防の要件としては以下のようにまとめられそうです。

・歯を傷付けない

・歯垢を定着させない

・細菌の増殖を抑える唾液の働きを生かす

 

そこで、番組の最後に紹介されている正しい歯磨きについては、上記の歯を傷付けない、歯垢を定着させないという2つの効果に合致していると思われます。

そして、45度で小刻みに歯を磨くことについては電動歯ブラシが適しているのではないでしょうか。

 

さて、最後に私の歯の磨き方について紹介させていただきます。

まず前提条件として、1日3回歯を磨くのは面倒なので1回しか磨かないとしたらいつのタイミングがベストかと考えました。

そうした時に、あるテレビ番組で、寝ている間は唾液が出ないので、1日何回歯を磨くかはともかく寝る前に歯を磨くことは望ましいとある専門家が唱えていました。

また、単純に電動歯ブラシの方が普通の歯ブラシよりも効果的に歯を磨くことが出来るのではないかと考えました。

 

ということから、以前はただなんとかく毎日朝食後にだけ歯を磨いていましたが、今は夕食後から寝る前にかけて1回だけ電動歯ブラシで歯を磨くようにしています。

ちなみに、実際に使っているのは、以前アイデアよもやま話 No.3812 いろんな歯ブラシが電動になる装置!でお伝えした電動歯ブラシです。

理由はこれだと自分の使いたい歯ブラシをセットして歯磨きが出来るからです。

また、歯磨きとは別に、毎年最低2回は歯医者さんに通い、歯の状況をチェックしていただき、歯垢を取ってもらうようにしています。

ちなみに、こうして毎年歯医者さんに通うようになってから、虫歯による治療らしい処置はなくなりました。

 

さて、ここまで書いてきて、あらためて思うのは、虫歯予防で大切なのは歯を磨くことではなく、虫歯の原因となる歯垢を取り除くことだということです。

となると、最も効果的な虫歯予防は、毎日歯を磨くことよりも3ヵ月か4ヵ月ごとくらいに定期的に歯医者さんに歯の状態をチェックしていただいたり、歯垢を取り除いてもらいことではないかという想いに至りました。

しかし、現実的には何日も歯を磨かなければ、口臭で周りの人たちに迷惑がかかるのでそうはいかないと思います。

となると、歯磨きをしなくても、口の中の消臭効果があり、消毒も出来るうがい薬があれば済むのではないかと思い始めたところです。


 
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2019年04月06日
プロジェクト管理と日常生活 No.587 『核兵器禁止に有効な核製造企業への融資禁止!』

1月5日(土)付け毎日新聞のネットニュース(こちらを参照)で国内大手銀行による初の「核製造企業への融資禁止」宣言について取り上げていたのでご紹介します。 

 

りそなホールディングス(HD)は、核兵器を開発・製造・所持する企業に対して融資を行わない方針を定め、昨年11月に公表した「社会的責任投融資に向けた取り組み」と題する文書に盛り込み、公表しました。

 

具体的には、以下のような企業への融資を行わないと明記し、融資先の社会・環境へ配慮した活動を支援するとしました。

・核兵器・化学兵器・生物兵器や対人地雷・クラスター弾などの製造企業

・人身売買や児童労働、強制労働への関与が認められる企業

・環境に重大な負の影響を及ぼす恐れのある開発プロジェクト

 

核兵器製造を使途とする融資を禁止する例はありますが、それ以外の目的であっても該当企業には一切の融資を行わないと宣言したもので、こうした取り組みは国内の大手銀行では初めてです。

2017年7月に核兵器禁止条約が国連で採択され、欧州を中心に投融資を禁止する銀行や機関投資家が広がっており、国内でも同様の動きが出てくるか注目されます。

 

りそなHDはもともと核兵器製造企業への融資を行っていませんが、明文化した理由について「持続可能な社会に向け、資金を提供する側の働きかけは重要と考えたため」と説明しています。

 

また、毎日新聞が三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFG、三井住友トラストHDの大手4行と、日本、第一、明治安田、住友の大手4生保のいずれも対象として核兵器製造企業を明記していないものの、非人道的兵器への投融資を回避する方針は策定しているといいます。

 

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

例えば、いくら戦争反対を叫んでも世界中から中々戦争は無くなりません。

それは、国が一定の軍事力を保持するために、兵器メーカーから武器を購入出来るからです。

あるいは北朝鮮のように、核兵器を外交交渉の重要な武器として兵器を開発・保持しようとする国もあります。

そして、兵器メーカーはこうした需要に応えるために、兵器の開発や製造に必要な資金を金融機関からの融資に依存しているのです。

こうした構図の中で、兵器産業は成り立っているのです。

ですから、表立って声には出せませんが、常に世界中のどこかの地域で戦争が起きていて欲しいというのが兵器メーカーの本音だと思います。

 

こうした構図から戦争は完全に阻止出来なくても、核兵器や細菌兵器などの大量破壊兵器の開発を大幅に阻止することは可能です。

世界各国の金融機関が協力して、今回ご紹介したように該当の兵器メーカーへの融資をしないことにすればいいのです。

 

こうした金融機関による取り組みは、兵器だけでなく、エネルギー問題や環境問題など様々な社会問題の解決策としても応用出来ます。

このように考えてみると、金融機関は社会の方向性を決定するうえで、資金的な観点で大きな役割を果たしているということが分かります。

そして、こうした金融機関による取り組みは今後とも社会問題化する可能性のある事象のリスク対応策としてとても有効だと思います。


 
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2019年04月05日
アイデアよもやま話 No.4295 歯磨きの自動化!

歯磨きの電動化については市販化され、既にかなり普及しています。

そうした中、1月9日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」(テレビ東京)で歯磨きの自動化について取り上げていたのでご紹介します。 

 

アメリカのラスベガスで1月8日、世界最大の家電、ITの見本市「CES」が開幕しました。

過去最多となる約4500社が出展し、延べ18万人の来場が見込まれるなど、企業にとっては商談のビッグチャンスです。

そして、日本からはある分野で革命を起こすことを目指すベンチャーや初出展となる家電以外の大手メーカーが参加しました。

 

世界の最新技術が一堂に会する「CES」ですが、まずWBSが注目したのが日本のベンチャー企業が共同で出展しているエリアです。

そこに出展されていたのが、早稲田大学発のベンチャー企業、株式会社Genicsが開発した「全自動歯磨き機」です。

手のひらサイズで、重さは一般の電動歯ブラシより少し重い150gほどです。

口にくわえて使います。

3Dプリンターで作ったマウスピースに歯を包むようなかたちでブラシを装着、上下左右に動き、軸に付いているバネの力でしっかりと歯に沿って磨くので口全体をわずか30秒で磨くことが出来ます。

水を使わなくても歯磨きの効果があるということです。

栄田 源社長は次のようにおっしゃっています。

「うまく設計することで、歯に対してしっかりとブラシを動かすことに成功しました。」

 

歯磨きは万国共通の悩みだとして、日本ではなく、いきなり巨大市場のアメリカでアピールすることを選びました。

こちらのブースを訪れたアメリカ人やフランス人による評価も上々のようです。

 

歯磨きをしながら他の作業も出来る時間短縮の効果だけでなく、介護の現場で活用すれば、ヘルパーの負担は大幅に減らせるといいます。

価格は数万円で、2019年度中の試験販売を目指す考えです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今やあらゆる家電の電動化やIoT化、更には自動車の自動化が進みつつあります。

今回ご紹介した「全自動歯磨き機」もそうした流れの中の一つと位置付けられます。

試験販売では価格が数万円といいますが、正規販売の価格が数千円程度に収まり、歯磨きした感触も違和感がなければ、介護の現場ばかりでなく、一般の人たちからもかなりの引き合いがあると期待出来ます。


 
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2019年04月04日
アイデアよもやま話 No.4294 改正出入国管理法で動き出した企業!

外国人労働者の受け入れに関しては、これまでアイデアよもやま話 No.4277 外国人労働者の受け入れ拡大に向けて!プロジェクト管理と日常生活 No.585 『イギリスの移民政策から学ぶべき外国人労働者の受け入れ拡大のリスク対応策』などでお伝えしてきました。

そうした中、昨年12月10日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で改正出入国管理法(改正入管法)をきっかけに動き出した企業について取り上げていたのでご紹介します。

 

今国会の重要なテーマの一つだったのが改正入管法です。

昨年12月7日に成立したばかりですが、週明けの12月10日に早くも改正入管法を巡る新たなサービスの発表会を開いた企業があります。

なぜこんなにも早いタイミングでの発表会となったのか、そこには深い理由がありました。

 

新たなサービスを発表したのは、外国人向けのビザ発給支援を手掛ける株式会社one visa(ワンビザ)です。

新サービスは、特定技能ビザを活用した外国人の定住支援です。

ワンビザの岡村 アルベルト社長は説明会で次のようにおっしゃっています。

「本人に一切の負担がなく、企業からの人材紹介料をいただくことによって、ボランティアではなく、ビジネスとして持続可能なスキームである。」

 

具体的には、日本で働きたい海外人材に対して日本語教育を無料で提供、更に特定技能ビザの取得手続きから企業への紹介、そして定住支援まで一気通貫で行います。

受け入れ企業が紹介料として、年収の3割相当を支払う仕組みで本人負担は一切ありません。

従来の技能実習生でありがちだった、来日した時には借金まみれという事態を防ぐことが出来ます。

法律の成立を見越して既に昨年9月にカンボジアに教室を開設、およそ50人の生徒が学んでいます。

教えているのは関西大学国際部の池田 佳子教授です。

日本語教育では、カリキュラムの作成を請け負いました。

基本は現地で授業をしますが、時には教授自らオンラインで授業をします。

 

学生たちはなぜ日本を目指すのでしょうか。

池田教授は次のようにおっしゃっています。

「どうしても日本語が出来るようになりたいと強く思っている。」

「働きたいと強く思っている。」

 

更に、この新サービスに参加したのはセブン銀行です。

ワンビザとの提携を通じて、「滞在期間」や「収入」といった信用情報が手に入れば、これまで外国人にはハードルが高かった口座開設など様々な金融サービスがスムーズに提供出来るといいます。

更なるメリットについて、岡村社長は次のようにおっしゃっています。

「本人に給与がきちんと振り込まれているかどうかをワンビザとしてチェックする体制が整います。」

 

給与の振込額をチェックすることで“悪質な受け入れ企業”の排除をすることも可能になるのです。

 

なお海外人材の獲得について、岡村社長は次のようにおっしゃっています。

「(海外人材獲得は)韓国ですとか台湾とかアジアをメインに白熱している部分があります。」

「なので日本にはこれから(海外人材に)“来てもらう立場”になるんですね。」

「今変わらないと、数年後に外国の方が日本に来たいと思えるのかどうか、本当にあやしいところがあるかもしれません。」

「ギリギリのタイミングなのかな。」

 

番組コメンテーターで日本総研のチェアマンエメリタス、高橋 進さんは次のようにおっしゃっています。

「(改正入管法の成立に伴い、第三者の目で企業のあり方がチェック出来るようになると良いのではという問いに対して、)そうですね、それは勿論必要なんですが、ただ私は何よりも受け入れ企業側が変わらなくてはいけないと思うんですね。」

「外国人材を使い捨てではなくて、企業の中でちゃんと活躍してもらう必要がある。」

「そのためには日本人と同じ賃金を払うことは勿論ですよね。」

「だけどそれだけじゃなくて、キャリアパスを日本人と同じように明確にしてあげることが必要なんじゃないかと思います。」

「で、そのためにも仕事で使う日本語をきちんと教えて、企業人として育てていく必要があるんじゃないかと思います。」

 

以上、番組の内容一部をご紹介してきました。

 

外国人労働者の受け入れにおけるワンビザのビジネスモデルはとても素晴らしいと思いました。

その理由を以下にまとめてみました。

・本人に一切の負担がないこと

・日本で働きたい海外人材に対して日本語教育を無料で提供、更に特定技能ビザの取得手続きから企業への紹介、そして定住支援まで一気通貫でサービスを提供すること

・受け入れ企業が紹介料として年収の3割相当を支払う仕組みにより、ビジネスとして持続可能なスキームであること

・給与の振込額をチェックすることで“悪質な受け入れ企業”の排除が出来ること

 

勿論、こうしたビジネスモデルとは別に、高橋さんの指摘されるように、外国人労働者の定着には受け入れ企業側の対応も重要です。

しかし、受け入れ企業側が初めて外国人労働者を受け入れる際には、どのように対応すればいいのかという戸惑いを感じるところがあると思います。

ですから、こうした対応をスムーズにするためには、ワンビザの支援サービスの中に受け入れ企業側に対するコンサルティング業務を含めれば、外国人労働者の受け入れがトータルとしてうまく機能するのではないかと思います。

同時に、国にはこうした企業活動がスムーズに行くように制度面での支援が期待されます。

 

ということで、ワンビザのようなビジネスモデルが国内でどんどん広がり、日本で働きたい外国人労働者と人手不足を解消したい日本の企業とがWinWinの関係になって欲しいと思います。


 
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2019年04月03日
アイデアよもやま話 No.4293 進化する防犯カメラ!

昨年12月6日(木)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で進化する防犯カメラについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

ハロウィーン期間の昨年10月28日、東京都渋谷区宇田川町のセンター街で軽トラックが横転させられた事件で、特定された15人の中から特に悪質だと判断された4人の容疑者が逮捕されました。

それを可能にしたのが“進化する防犯カメラ”だったのです。

 

警視庁の専門チーム、SSBC(*)の捜査員は逃走ルートと見られる範囲内で防犯ビデオの映像で確認しました。

この捜査員は次のようにおっしゃっています。

「(足取りを)ずっとカメラで追って、ここまで来て、今のカメラで映っていたのを確認したので、次にこの先で(映っているはず)。」

 

SSBCの捜査員は、現場周辺にある防犯カメラから犯人が映っている映像を見つけ出し、そこから犯人の逃走ルートなどを導き、犯人を追い詰めていく捜査を行うのです。

膨大な防犯カメラの点を線に変え、逃走経路を絞り込む捜査を行います。

 

なお、SSBCの役割は大きく2つです。

1つは画像解析や電子機器の分析を行う「分析捜査支援」です。

もう1つはデジタルフォレンジック(電子鑑識)と呼ばれる機器に残されたデータ(痕跡)を解析して犯人を特定します。

以上のような役割を担うSSBCは、サイバー犯罪対策室と鑑識、科捜研から分離合併させたような組織となっています。

 

さて、日々進歩しているのが防犯カメラの解析技術です。

日立製作所ではAI(人工知能)を使って、何台もの監視カメラの映像と連動する技術を開発、1万人以上の中から条件に当てはめる人物を1秒で探し出せるシステムを開発したといいます。

日立製作所 研究開発グループの主任研究員、村上 智一さんは次のようにおっしゃっています。

「その人の特徴ですとか、あるいは男性・女性、服装の特徴などを抽出するというものになっています。」

 

細分化された外見の特徴を100項目の選択肢から識別して記憶、更に広範囲でその人物の足取りを把握出来るといいます。

認識は容姿だけではありません。

「モノを置く」、「キョロキョロする」など、動作識別で不審者を見つけることが出来るといいます。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

進化する防犯カメラですが、その技術を最大限に引き出すための要件を以下にまとめてみました。

・カメラで特定の人物を見分けられるほどの高精細な人物の映像を撮れること

・防犯カメラで撮った映像から特定の人物を見分けられること

・その特定の人物を複数の防犯カメラで撮った映像から自動で探し出せること

・不審者の不自然な動きを把握出来ること

・犯罪容疑者などの場合、歩き方や手の振り方、姿勢などの癖も参考にして探し出せること

・全ての防犯カメラの映像をリアルタイムで集中管理出来ること

 

このような要件を全て満たす防犯カメラシステムがもし本当に実現出来たらどうなるでしょうか。

例えば、犯罪を犯して逃走中の容疑者を探し出す場合、防犯カメラシステムが容疑者の写真と照合して追跡すれば、今どこにいるかのみならず、リアルタイムでの足取りを追いかけることが可能になります。

ですから、当然容疑者の逮捕も従来に比べて圧倒的に効率よく、しかも短期間で出来るようになります。

 

また、コンビニなどでの万引きも、不審な動きから万引きとして判定した場合、その人物を要注意人物として登録しておけば、その場で取り逃がしたとしてもまた来店した時、あるいは他のコンビニなどで万引きをした場合、人手を介さずに要注意人物として注意を払うことが可能になります。

 

その他、幼い子どもが迷子になったり、高齢者の行方不明などの場合も容易に見つけ出すことが可能になります。

 

一方、こうした防犯カメラシステムが悪用された場合には、特定の人物の行動が逐次監視出来てしまいます。

現在の中国政府当局の防犯カメラシステムはまさにこうしたレベルに達しているようです。

このように防犯カメラシステムはとても便利な反面、一般人の行動を逐一監視出来る危うさを秘めているのです。

ですから、運用面でのルールをしっかり確立させておかなければ、特定の人物の行動がガラス張りになり、とても暮らしにくい社会になってしまうのです。


 
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2019年04月02日
アイデアよもやま話 No.4292 大企業からの”逆ラブコール”で新ビジネス!

昨年12月4日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で大企業から中小企業への”逆ラブコール”について取り上げていたのでご紹介します。 

 

都内中央区のオフィスビルで開かれたイベント、会場に足を踏み入れると、熱心なプレゼンをしているのはベンチャー企業との出会いを求める大企業の担当者です。

こうしたプレゼンに熱い視線を注ぐのがベンチャー企業、250社の関係者です。

 

例えば三井住友海上火災保険では、自社が持つデータを活用したビジネスの協業先を募集しました。

プレゼン後は会場のあちらこちらで名刺交換、参加したベンチャー企業のある方は次のようにおっしゃっています。

「僕らが品定めをされる側であることが基本的に多いわけですけども、直接アプローチ出来るのですごくいい機会だなと思います。」

 

主催した住友不動産は、企業の新しいビジネスや働き方をいち早くつかむことでオフィスビル開発に役立てたい考えです。

山下 竜弥ビル営業部長は次のようにおっしゃっています。

「いわゆる新しい事業の研究をすることによって、いろいろなお客様のオフィスの使い勝手が見えてくるんですね。」

「次の新しいオフィスづくりに役立てようと。」

 

番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄准教授は次のようにおっしゃっています。

「(こうした大企業からの”逆ラブコール”は珍しいことなのかという問いに対して、)はい、これはかなり珍しいと思いますし、私はこれは非常にいいことだと思いますね。」

「というのは、つまり今までの大企業とベンチャーの連携はどうしても大企業がやや“上から目線”で、ベンチャーが提供するものを見て、こちらはあまり出さないという“ギブ&テイク”でいうと、テイクだけして、ギブをしないっていうことが多いわけですね。」

「ところが、今回は大企業が先にギブをしますので、腹を見せるわけですよ。」

「だから結果的にそれで信頼関係が生まれると思うんですね。」

「ですから、こういうかたちで大企業とベンチャーが信頼関係を作ってオープンイノベーションを進めて欲しいなと思いますね。」

「(対等だといろんなものが生まれるのではという指摘について、)はい、期待したいですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそもIT(情報技術)はAIやIoT、あるいはビッグデータなどの分野で爆発的に広がっています。

そして、アメリカや中国を始め、多くの国々の企業がこうした先進技術を取り入れて、優位的な立場を確保しようと積極的にビジネスへの適用に取り組んでいます。

こうした状況においては、大企業と言えども全ての分野で優位性を確保することはとても難しい状況です。

しかも新技術の研究開発においては、身軽で動きの素早いベンチャー企業の方が大企業よりむしろ有利な立場に立てます。

このことは、海外においてはグーグルやアマゾンなど、国内においてはソフトバンクなどの短期間での急成長が物語っています。

 

今回ご紹介した大企業からの”逆ラブコール”は、ようやく日本の大企業もこうした状況に危機感を持ち、積極的に自ら動き出し始めたということだと思います。

 

生物が生き残るための、あるいは繁栄し続けるための最も重要な要件は、力の優位性よりも環境の変化に適応する能力を持っていることであるというようなことは以前から言われています。

このことは企業においても言えると思います。

企業の生き残り戦略として最も重要なことは、守りに入ることではなく、常にチャレンジ精神を持った従業員が活躍出来るような組織風土を維持することなのです。


 
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2019年04月01日
アイデアよもやま話 No.4291 「リュウグウ」に水が存在!

3月20日(水)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で小惑星「リュウグウ」で水の存在が確認されたことについて取り上げていたのでご紹介します。

 

日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が探査を続けている小惑星「リュウグウ」について、JAXA(宇宙航空研究開発機構)などの研究チームは、これまでの観測の結果、岩石に取り込まれた結果で水が存在することを確認したと発表しました。

 

JAXAと東京大学や名古屋大学、愛知大学などでつくる研究チームが2ヵ月にわたって、「はやぶさ2」から「リュウグウ」の表面に赤外線を照射して岩石の組成を調査してきました。

その結果、岩石の中に水の成分が存在する時に、特徴的に現れる反応が出たということです。

会津大学の北里 宏平准教授は次のようにおっしゃっています。

「リュウグウ」には含水鉱物が存在するという確かな証拠を得ることが出来ました。

 

水は液体や氷の状態ではなく、岩石に取り込まれるかたちで存在しているということで、こうした岩石は含水鉱物と呼ばれ、研究チームは、「リュウグウ」の表面には含水鉱物のかたちで水があることを確認したと発表しました。

 

「はやぶさ2」は今年2月に「リュウグウ」に着陸し、岩石の採取に成功したと見られていて、生命に必要な水や有機物がどこからもたらされたか解明する手掛かりになります。

この他、「リュウグウ」は天体どうしの衝突で出来た破片が再び集まって誕生したことも分かって来たということです。

おおもととなったのは、火星と木星の間の小惑星帯にある小惑星「ポラナ」か「オイラリア」の可能性が高いということです。

 

こうした成果は、アメリカの科学誌「サイエンス」の電子版に3月20日に掲載されました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これまで地球の水の存在について、その起源は明らかではありませんでした。

ところが、今回「はやぶさ2」によって「リュウグウ」の表面に含水鉱物の存在が確認出来たことにより、その起源が明らかになったのです。

そして水に限らずあらゆる地球上に存在する物質の起源も今後こうした惑星探査によりいずれ明らかになる可能性を秘めていると思われます。

 

ここで思い出されるのは、アイデアは既存の要素の組み合わせであるという言葉です。

アイデアに限らず、物質、あるいは大小と問わず、惑星の生成もはじめは物質同士の衝突を繰り返しながら、やがて小惑星が誕生し、その小惑星が同様に衝突を繰り返しながら、衝突で出来た破片が再び集まって、その中からやがて大きな惑星も誕生するというプロセスで、現在の宇宙は構成されているというわけです。

 

さて、宇宙は一瞬のビッグバンにより誕生したといいますが、考えてみれば、ヒトが生まれるのも卵子と精子というとても小さな物質の結合がきっかけです。

この小さな物質の結合から幼児の細胞が生まれ、栄養分を吸収し、やがて大人へと成長すし、寿命が尽きれば死を迎えるのです。

同時に、人類を含めた地球上のあらゆる生物も宇宙の誕生以降の度重なる惑星の衝突の過程で出来た惑星や隕石の中のごく一部で構成された物質から成り立っているわけです。

ですから、私たち一人ひとりの細胞は宇宙とつながっていると言えます。

 

また、宇宙をヒトの一生になぞらえれば、何かのきっかけで起きたビッグバンも外からの何らかの働きかけによって成長し、やがて寿命を迎えれば宇宙も死を迎えるという仮説が成り立ちます。

また、ビッグバンを起こさせた“何か”こそ根源的な創造主と言えると思います。

このように考えると、この創造主こそ絶対的な宗教の対象として崇めてもいいのではないかと思うのです。


 
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2019年03月31日
No.4290 ちょっと一休み その692 『海洋プラごみは1年間に1200万トンにも!』

海洋プラスチックごみ(プラごみ)の弊害については、プロジェクト管理と日常生活 No.581 『私たちの食事にもマイクロプラスチック!』No.4080 ちょっと一休み その657 『いずれ人の体内にもプラスチックが蓄積される!?』などで何度かお伝えしてきました。

そうした中、昨年11月25日(日)放送の「サンデーステーション」(テレビ朝日)で大量の海洋プラごみ問題について取り上げていたのでご紹介します。

 

インドネシアのスラウエシ島の沿岸に流れ着いた、全長約10mのマッコウクジラはかなり腐敗が進んでいて、死因を特定出来ないということですが、死骸の胃の中から大量のプラごみが見つかりました。

ビニール袋やペットボトル、ビーチサンダルなどが見つかったのです。

その量は約6kgにも上りました。

 

世界中に広がる海洋プラごみ問題、決して海外だけの話だけではありません。

昨年8月、国内有数の海水浴場として知られる鎌倉市の由比ガ浜では、全長約10mの死骸が打ち上げられました。

絶滅危惧種にも指定されているシロナガスクジラの赤ちゃんです。

その後、このクジラを解体したところ、驚くべき結果が判明しました。

国科学博物館動物研究部の研究主幹、田島 木綿子さんは次のようにおっしゃっています。

「母乳しか飲んでいない固体の胃からプラごみが見つかった。」

「広げてみますと、7cm×3cmほどのビニール片でした。」

「小片でしたので、そのビニール片によってこの個体が死んだということは考えられません。」

「たまたま泳いでいた時、またはちょっと遊んでいる時にとか、何かしらのタイミングで入ってしまったとしか考えられない。」

 

このプラごみ問題で苦しんでいるのはクジラだけではありません。

ハワイに生息するアザラシの一種では、口の部分にリング状のプラごみが抜けなくなり、死んでいるところが発見されました。

適切に処理されなかったプラごみは海に流れるなどして、こうした事態を招いているのです。

そこで、海に流れているその量ですが、OECD(経済協力開発機構)によると、1年間で1200万トン、ジャンボジェット機に換算すると3万4000機にも上るということで、ものすごい量となっているのです。

 

更に、このプラごみによる海洋汚染、人体への影響も懸念されております。

マイクロプラスチックと呼ばれている5ミリ以下のプラごみです。

川や海に流れ出たプラスチック製品が紫外線や波にもまれて細かくなるのですが、これを魚などが食べて体内に蓄積されていきます。

それを人間が食べることによって人体への影響も心配されているのです。

 

国が調査したところ、日本の周辺海域は、このマイクロプラスチックが世界の海の27倍も存在するというホットスポットということなのです。

番組コメンテーターで政治ジャーナリストの後藤 謙次さんは次のようにおっしゃっています。

「日本は、プラスチックの生産量は世界第3位なんですね。」

「それに比べて政策が非常に遅れているんですね。」

「この使用したプラスチック製品、3つその後の流れがあるんですね。」

「1つはリサイクル、もう一度使う、それからもう1つは焼却をする、ただこれはCO2を大量に発生させますから地球温暖化にとって非常にある面でマイナスなんですね。」

「それからもう1つ、資源ごみとして輸出するんですが、その輸出先の管理がどうなっているか、それが不明なんですね。」

「来年(2019年)6月のG20、大阪で開かれますが、ここで日本はきちんとした政策を打ち出すと決めていますから、そこを見守りたいと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

地球温暖化による森林の破壊やサンゴ礁の死滅なども話題になっていますが、プラごみの大量廃棄は、今や世界的な海洋環境破壊につながり、海洋生物の無駄な殺傷、あるいは種の生存にまで影響を及ぼしかねない状況であるということをしっかりと認識する必要があります。

そうした中、日本はプラスチックの生産量は世界第3位なのですから、大量生産国として、少なくともプラスチックに係わる地球環境保全に向けた取り組みを積極的にする必要があります。

しかし、現実はどちらかというと海外での取り組みに押されるように動くというように、それほど積極的とは言えない状況のようです。

なので、特に企業にはそれぞれの立場で、エネルギー問題や環境問題の解決に結び付くような商品開発にも取り組んでいただきたいと思います。

その際のポイントは経済合理性です。

日本のメーカーはとても素晴らしい製品を誕生させていますが、問題は価格です。

どんなに素晴らしい商品でも価格が高ければ、購入するのは一部の購入者に限られます。

エネルギーや環境といったような社会問題の解決に貢献出来るような商品を普及させるためには、「これなら買ってもいい」と思わせるようなリーズナブルな価格設定でなければなりません。

ですから、開発が大変であっても是非こうしたハードルを飛び越えて欲しいと思います。


 
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2019年03月30日
プロジェクト管理と日常生活 No.586 『アメリカ民主主義が崩壊の危機!?』

アメリカ民主主義が崩壊しつつあることについては、以前No.3642 ちょっと一休み その584 『アメリカの民主主義は崩壊しつつある!?』でお伝えしたことがあります。

そうした中、昨年11月11日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)でアメリカ民主主義の崩壊の危機について取り上げていたのでご紹介します。

 

昨年11月6日に行われたアメリカの中間選挙から見えてきたのは、アメリカが大切にして来たある価値観が崖っぷちに立たされている状況でした。

アメリカの中間選挙期間中に流されたキャンペーン動画で、共和党は不法入国した移民が警官を殺害した事件を引き合いに移民受け入れに寛容な民主党を非難しました。

一方、民主党も共和党が強い地盤を持つ南部のテキサス州で配られたビラは、トランプ大統領とナチスのヒトラーの共通点を並べ、「民主党に投票を」と訴えるものでした。

共和党、民主党、双方の激しい中傷合戦にエスカレートした今回の選挙戦は、これまでになく分断は根深いものとなったのです。

 

こうした争いが今後アメリカの民主主義を崩壊に導く危機をはらんでいると指摘した本があります。

アメリカでベストセラーになった「HOW DEMOCRACIES DIE(民主主義の死に方)」、ハーバード大学の二人の政治学者による本で、以下の記述があります。

 

政党の極端な二極化は、政策の差を超えて人種と文化の大きな対立にまで影響を及ぼしている

極端な2極化こそが民主主義を殺すということだ

 

著者は、現在の共和党と民主党の対立はかつての保守、リベラルといったイデオロギー的なものではなく、異なる他者を根本的に否定するような、議論すら出来ないものに陥っているとしています。

著者のひとり、ダニエル・ジブラット教授は次のようにおっしゃっています。

「トランプ大統領が苦境の原因なのではなく、彼はその症状なのです。」

「アメリカの政治システムの病理であり、(二極化が壊す民主主義の危機は)トランプ大統領よりも深いところにある。」

 

そもそも民主主義、デモクラシー(Democracy)の語源はギリシャ語のDemos(民衆)とKratia(権力)が結合した言葉であり、国の政治は構成員である国民の意思に従うことを基本原則とし、その理念として人間の自由や平等を重んじます。

そして、選挙で選ばれた代表者らが議論を重ね、妥協を図りながら最後は多数決で決することが求められるのです。

そうした民主主義を標榜し、自他ともにリーダーであることを認めて来たのが他ならぬアメリカです。

 

現在のアメリカにおける民主主義について、現代アメリカを研究している慶応大学の渡辺 靖教授は次のようにおっしゃっています。

「最近はやはりアメリカについて語ることが難しくなっていて、つまりトランプ大統領支持者のアメリカを語っているのか、あるいはアンチ・トランプ大統領のアメリカなのかということを相当意識しなければならなくなってきているんですね。」

「ですから、実質的にはお互いの世界観が交わることのない、ほとんど2つの国に近いような、その中で民意をどう形成していくのか、民主主義が実現出来るかというと根本的なレベルで、今危機的な状況にあるのかなと思いますね。」

 

そして今、アメリカでは民主主義を脅かす「議論すら出来ない」ような行為が横行しています。

 

選挙戦が熱を帯びた昨年10月24日、オバナ前大統領やクリントン元国務長官をはじめとした民主党関係者に相次いで爆発物が送りつけられたことが判明、犯人は熱狂的なトランプ大統領の支持者とされました。

 

また昨年10月27日には、ユダヤ教の礼拝所で男が突然銃を乱射、「全てのユダヤ人は死ね」と叫んでいたとされ、いわゆるヘイトクライム、宗教や人種差別に基づく犯罪と見られています。

 

異なる意見の相手に対し、「対話」ではなく「暴力」に訴える、民主主義とは相いれない行為が横行する今のアメリカ、更に議論すら出来ない行為といえば、昨年11月7日、トランプ大統領は自身に批判的なCNN記者を厳しく非難、記者はホワイトハウスへの出入りを禁じられました。

CNNは、入構証の無効について、「民主主義を脅かす、前代未聞の決定」と憤りの姿勢を見せたのです。

そしてネット上では、相手を徹底的に否定し、罵詈雑言を投げかける状況がエスカレート、互いを尊重しながら議論を深めようといった姿勢は見られません。

こうした状況について、渡辺教授は次のようにおっしゃっています。

「権威によらずに市民が自由にものが言えて、自由が合議を通して、共通の解を求めていくということがアメリカの民主主義を支えてきたと思うんですけども、トランプ大統領が出現したことによって、その底がどんどん抜けていっている。」

「中間選挙などを見ますと、選挙という制度を通してむしろ国民の間の分断状況や憎悪感情が深まってしまう。」

「それによって民意の合意形成というのは増々難しくなってしまう。」

「単に党派対立が強まった、分極が強まったということだけではない、もっと根は深い問題だと思いますね。」

 

アメリカの民主主義はどこへ向かうのか、「民主主義の死に方」は次のように警鐘を鳴らします。

 

今日の民主主義の後退は選挙によって始まる

 

さて、以下に番組の最後の一部の番組パネリストによるコメントをまとめました。

評論家で多摩大学学長・教授などでもある寺島 実郎さんは次のようにおっしゃっています。

「これアメリカだけじゃなくて、民主主義の旗色が悪いと言っていいと思うんです、世界中ですね。」

「混乱しているというかですね。」

「しかも民主主義ってまどろっこしいっていうかですね。」

「そういう中の苛立ちの中で、世界の傾向が傾き始めているんだけども、ただ長い歴史をしっかり見ると、歴史に進歩があるかどうかは別にして、誰かが誰かを支配するっていうような構図から、全員参加型の秩序ネットへと世界史は確実に動いているっていうのが僕の見方なんですけども。」

「要するに、民主主義の対極にあるものは何だっていうと全体主義だとか国家主義だとかという言葉が浮かぶんだけども、やはり我々、かつて日本が体験した、国家のために戦争で死ぬっていう価値観が一人ひとりの価値を大事にしようっていう戦後を生きて来たわけですよ。」

「そのことをしっかり踏み固めないと、また世界の苛立ちの中で日本自身も迷走してしまうっていうことをしっかり腹にくくるべきだと思います。」

 

また東京大学大学院教授の西崎 文子さんは次のようにおっしゃっています。

「民主主義っていうのは最終的には多数決というように考えがちなんですけども、やはり少数派、少数者をどう守るか、少数意見をどのように大切にするか、そこが実は非常に重要で、それが無くなってしまうと、要するに自由が無くなっていくということですけども、民主主義が脅かされるってことだと思うんですね。」

「で、寺島さんのご意見に賛成で、民主主義が広まっているっていうのは、確実にそうだと思うんです。」

「逆に言えば、アメリカは今まで本当に民主主義国だったのかというのは非常に疑問で、黒人の投票権は1950年代、60年代くらいまで制限されていましたし、今もその傾向がある。」

「女性もそうですね。」

「ですので、確実に有権者が増えて来て、今回の中間選挙のようなマイノリティの人たちの躍進もあって。」

「ですから、今、生みの苦しみだと思うんですね。」

「アメリカにとって民主主義が一皮むけていく過程だと思うんです。」

「ですから、ここでトランプ(大統領)にその自由を消してしまうようなところに負けなければ、アメリカはもう少し強くなるんじゃないかと思いますね。」

 

大阪国際大学准教授の谷口 真由美さんは次のようにおっしゃっています。

「かつて、ヨーロッパからネイティブアメリカンの住むアメリカという土地に、法はなかったかもしれませんけど、不当に入っていったのは誰だったのかと考えると、彼らの不法な人たちが、移民が来ていると言っている人たちの先祖ですよね。」

「で、その人たちが入って作った民主主義国、アメリカという国が独立宣言から考えたら240年が経っているわけですけども、西崎さんがおっしゃったみたいに民主主義というものをアメリカ自身が問い直している時だと思うんですね。」

「翻って我々も考えなくてはいけないのは、二項対立ですごくかたを付けがちになってきていると思うんです。」

「黒か白かと言われた時に、世の中の大半はグレイで動いていると思っていて、そんな中で敵か味方かとかそんな簡単な問題ではないだろう。」

「そうしたら、さっき竹下さんがストレートな言葉で、世の中が対立しているとおっしゃいましたけど、分かり易さを追求していることの裏にそういうものがあるんじゃないかと思っているんです。」

「難しいことは難しいこととして理解していくということも必要なんじゃないかという気がします。」

 

ハフポスト日本版編集長の竹下 隆一郎さんは次のようにおっしゃっています。

「私、今インターネット業界にいますので、インターネットと民主主義の関係をよく考えるんですが、今速過ぎる民主主義になっているなって思いますね。」

「誰もが声を上げて、トランプさんも声を上げることが出来ますし、国民も声を上げることが出来ると。」

「それは瞬時にパソコンやスマホで広まると。」

「で、その中には嘘も入っていますし、憎しみ、あるいは罵詈雑言も入っている。」

「それがパッと広がってしまうと。」

「しかも、昔だったら権力者、トランプさんと国民の間にメディアとか専門家とか間に入っている人たちが言葉をスローダウンさせていたと思うんです。」

「ゆっくりにしようと。」

「そこは冷静にいよう。」

「そこで言葉を整理していくのが、瞬時につながることによって、民主主義に必要な言論というのがスピードアップし過ぎちゃってるんですよね。」

「で、民主主義っていうのは速過ぎてしまうと、やはり対立とか憎悪とか怒りだけが増幅されると。」

「もう一度民主主義をスローダウン、遅くしていくというのが今後のインターネット時代の私たち、有権者、国民の務めかなと思います。」

「(ある意味では、直接ではなくメディアがろ過していたのかという問いに対して、)そうですね、ろ過していると同時に少し冷静なのと、ゆっくり議論しようという役割をメディアが担っていたと思います。」

「それが直接つながってしまっていると。」

 

最後にジャーナリストの青木 理さんは次のようにおっしゃっています。

「VTRの一番最後に自由の女神が映ったじゃないですか。」

「自由の女神の台座のところに、行ったことがある人は分かると思うんですけど、女性詩人、エマ ラザラス(Emma Lazarus)の詩が載っているんですよ。」

「その詩がどういう詩かっていうと、一部だけ言うと、「疲れ、貧しく、自由の息吹に乞われる群衆を私に与えなさい 家を失い、逆境に繰り返し打たれている者たちを私の元に送りなさい 私は松明を掲げよう 黄金の扉の横で」こう言うんですよね。」

「トランプさんは移民キャラバンの人たちを犯罪者だって言って、軍を送って扉を閉めるって言ってるんですね。」

「これ、全くアメリカの理想と違う。」

「それに対して、今回、モスリムとか女性とかヒスパニックとかLGBTが当選したっていうのは、これ分断というよりも、繰り返しですけども一種の抵抗運動がアメリカで起きているというふうに僕は捉えるべきではないかなと考えていますけどね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して強く感じるのは、世界的に広がりつつある“格差社会化”の大きなうねりです。

従来は富裕層、中間層、貧困層という大きく3つの金銭的な豊かさの度合いの層があり、その中で中間層の占める割合が最も多く、それが社会の安定につながっていました。

ところが、インターネットを社会インフラとして、人手を介しない機械化、あるいはシステム化により、従来の中間層の働く場がどんどん縮小傾向にあり、その縮小分の多くは収入の少ない正社員、あるいは非正社員、すなわち収入の安定しない限りなく貧困層へと吸収されているのです。

また、アメリカのGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に象徴されるように、一部のインターネットやAI、あるいはロボットなどのテクノロジーを駆使したビジネスモデルにより、販売、あるいはコミュニケーションのインフラを抑えたごく限られた企業に富が集中していく流れが加速化しているように思えます。

こうした流れが更にあらゆる産業界に広がっていくのは間違いありません。

そして、こうした流れを更に支えているのが経済のグローバル化だと思います。

今や、メーカーは世界中でより安い人件費の国への製造拠点のシフトが盛んです。

このように見てくると、やはりネット社会が格差社会化、あるいは企業格差をもたらす根本的な背景、あるいは理由ではないかという考えに行き着きます。

 

一方、見方を変えると、ネット社会はユーザーにとってはとても便利です。

いつでもどこでも国内外を問わず世界中の誰かとコミュニケーションが出来ます。

同様に、いつでもどこからでもパソコンやスマホさえあれば、ほとんどの商品を購入することが出来、しかも早ければ翌日には配達してもらえます。

また一夜にして、ごく普通の人が世界的な有名人になったり、逆にある一人の従業員の不祥事がその企業のイメージダウンを瞬く間にもたらしてしまうのです。

ほとんどの人たちは誰もネット社会以前にはこのような社会を想像出来ていなかったと思います。

 

インターネットやグローバル化を幹とすれば、その枝葉であるAIやロボット、あるいはIoTといったテクノロジーの進歩はユーザーの利便性をどんどん高めていく一方で、一部の企業、あるいは一部の富裕層の人たちに富が集中し、その他は貧困層へとシフトしていく流れは今後とも加速化する一方だと思います。

その流れを止めることが出来るのは、国による規制しかなさそうです。

 

さて、このようにインターネットによる世界のどこの誰とでも情報交換が出来る状況と経済のグローバル化とが相まって、ネット社会、およびテクノロジーをフル活用して小人数で莫大な利益を上げるごくわずかなスーパー企業とその他の普通の企業、あるいはアメリカのラストベルトに象徴されるようなグローバル化の犠牲になった自動車メーカーとの格差、そして正社員と非正社員との格差というように二重構造の格差が生じているのです。

まさにインターネット社会およびグローバル化が産業のパラダイムシフトをもたらしたとも言えると思います。

 

こうしたアメリカの状況においてトランプ大統領は誕生したのです。

民主主義国家においては政治家は選挙によって選ばれます。

ですから、一般的な見方では悪評の高いトランプ大統領もアメリカ国民の民意によって選ばれたのです。

そして、トランプ大統領はラストベルトに象徴されるグローバル化により仕事を奪われたような、言わば取り残された人たちを主なターゲットとして大統領選挙で勝利し、今でも一定の支持者を得ているというわけです。

ですから、まさにアメリカの極端な二極化がトランプ大統領を誕生させたと言えます。

 

しかし、ハーバード大学の二人の政治学者が指摘しているように、この極端な二極化がアメリカの民主主義を崩壊させるリスクをもたらしているというのですから皮肉です。

そして、こうした格差社会化の流れは、アメリカのみならず世界的に大きな流れとなっています。

日本もその例外ではいられません。

 

ではその対応策ですが、やはり以前ご紹介したベーシック・インカム(最低限の生活を保障する現金給付)制度の導入が望ましいと考えられます。(参照:アイデアよもやま話 No.3401 ”仕事がない世界”がやってくる その3 新たな生活保障制度の必要性!アイデアよもやま話 No.3933 AIは敵か味方か? その3 富の再配分システムとして期待されるベーシッキンカム!

 

自由主義や共産主義といったどのような政治体制であっても、格差化社会はいずれも社会不安をもたらし、独裁政治の誕生をもたらす可能性を秘めているのです。


 
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2019年03月29日
アイデアよもやま話 No.4289 「宅配袋」で再配達を削減!?

宅配便の再配達については、我が家でもたまに配達員の再配達の通知が郵便受けに入れられていることがあります。

ひどい時には2度も配達に来ていただいていて、不在だったこともあります。

ですから、こうした配達員のご苦労を思い、以前から何とかならないのかと思っていました。

そうした中、昨年12月3日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で再配達の削減を狙いとした「宅配袋」について取り上げていたのでご紹介します。 

 

12月と言えば、お歳暮やクリスマスプレゼントなど、宅配便が最も忙しくなる時期です。

そうした中、日本郵便が再配達を減らそうとある実証実験を始めました。

秘策は玄関先に置く「宅配袋」です。

東京都杉並区のとある住宅、荷物を届けにやって来たのは日本郵便の配達員です。

訪問先は留守のようです。

すると玄関先で布のようなものを広げ、荷物を入れ始めました。

こちらは杉並区のおよそ1000世帯を対象に昨年12月3日から始まった日本郵便の実証実験です。

配達先が不在でも荷物を届けることが出来ます。

 

宅配ボックスと同じように荷物を入れる袋、「OKIPPA(オキッパ)」が設置されているのでこの袋の中に荷物を入れるのです。

たたんでおけば手のひらサイズですが、広げれば縦・横・高さの合計が120cmの荷物でも収納出来ます。

袋はワイヤでドアノブなどにつながれ、中身はダイヤル式の南京錠で守る仕組みです。

専用のアプリを使えば、離れていても荷物が届いたことを知らせてくれます。

 

この宅配バッグを開発したのはベンチャー企業、Yper(イーパー)です。

内山 智晴代表は次のようにおっしゃっています。

「(日本の宅配は)再配達問題が叫ばれておりまして社会問題化していると。」

「そういったものを根本的に解決出来る何かを生み出してみたいというところもありました。」

 

日本郵便によれば、荷物の再配達率は約20%に昇ります。

人手不足や荷物の増加などで宅配危機が深刻化する中、この「OKIPPA」が救世主になると見ているのです。

日本郵便 郵便・物量業務統括部の生田 遼資係長は次のようにおっしゃっています。

「特に戸建て住宅では宅配ボックスがマンションに比べてこれから普及していくものと思っていますので、今回の実験でそういった一般のお宅にも宅配ボックスが普及していくという期待感は我々としても大きなものです。」

 

番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄准教授は次のようにおっしゃっています。

「(宅配ボックス代わりに袋に荷物を入れるという実証実験について、)これは非常に期待したいと思っていまして、今こういったサービスは大きく2種類あって、いわゆるお客さんが指定してご自宅のどこかに宅配業者が置いてしまう置きっぱなしのサービスか、あるいは宅配ボックスを購入して、そこに入れると。」

「でもこれ(宅配ボックス)はお金がかかるわけですよね。」

「置きっぱなしは治安に不安があると。」

「だけど袋ならコストも安いですし、安全性もそこそこ担保されるという意味で丁度いい按配の真ん中辺りを狙ったサービスだと思うんですね。」

「こういったことを起爆剤にして、是非広がって欲しいなと思いますね。」

 

以上番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

宅配ボックスについては、アイデアよもやま話 No.4225 新たな宅配便サービス!でもお伝えしましたが、入山さんも指摘されているようにかなり高額ですので、それほど普及するとは思えません。

そうした中、今回ご紹介した「宅配袋」はそれほどコストがかからないと思います。

一方、日本郵便によれば、荷物の再配達率は約20%といいますから、再配達率の割合がある程度低くなると想定出来れば、宅配便業者が「宅配袋」設置について全額負担しても割に合うと思われます。

 

しかし、ここで課題があります。

それは宅配便業者が複数存在するということです。

もし宅配便業者ごとに「宅配袋」が設置されるとなると複数必要になってしまいます。

そこで、この対応策として大きめの「宅配袋」を1つ設置して、留守の場合はどの宅配便業者でも同じ「宅配袋」に入れるようにしたらいいのではないでしょうか。

 

いずれにしても、宅配便関連の人手不足も深刻化する中で、再配達率を減らすことは喫緊の課題です。

ですから、業界を挙げて取り組む必要があると思うのです。


 
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2019年03月28日
アイデアよもやま話 No.4288 キャッシュレス決済普及に向けたツイッター創業者の秘策!

昨年12月3日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でキャッシュレス決済普及に向けたツイッター創業者の秘策について取り上げていたのでご紹介します。

 

政府が還元策などに乗り出すキャッシュレス決済ですが、そうした中、ツイッターの創業者でCEOでもある、次のスティーブ・ジョブズとも呼ばれるジャック・ドーシーさんがモバイル決済サービスを展開するスクエアの創業者として来日しました。

タブレット端末などのイヤフォンジャックに簡単に取り付けられるクレジットカード決済端末を提供しています。

この番組の単独インタビューに応じたドーシーさんは次のようにおっしゃっています。

「(現金大国、日本でビジネスを展開する難しさについて、)最も難しいのが日本でクレジットカードがあまり使われず、現金主義であることだ。」

「だからこそ、何が本当に価値あるサービスかが問われる国でもある。」

「単なる決済サービスに留まらず、もっと出来ることがある。」

 

売上管理などの“見える化”など、店舗の負担を減らすサービスの提供もキャッシュレス化を進めるうえで重要だと次のようにおっしゃっています。

「お店とお客がクレジットカードやスマホ・時計での決済の価値に気付き、早くて簡単だから使おうと思ってもらえるように取り組んでいる。」

 

更に交通系ICカードやQRコードなど、決済手段が乱立する中、ドーシーさんはより多くに対応するツールの必要性を訴え、次のようにおっしゃっています。

「本来、クレジットカードだろうが、現金・チェック・ビットコインなど思ってもみなかった決済手段でも関係なく使えるべきだ。」

「お客は使いたい決済手段を使うべきだし、お店もその決済手段で売り上げが計上出来るようにすべきだ。」

 

番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄准教授は次のようにおっしゃっています。

「(今、キャッシュレス決済の競争が日本でも厳しくなってきている中、このスクエアの日本での可能性をどう見ているかという問いに対して、)私は期待しています。」

「是非伸びて欲しいと思っていまして、今いろいろな決済手段が日本であるんですね。」

「我々がよく使うクレジットカード、それから最近はスイカなどの非接触型カードである電子マネー、そして最近はQRコードを使ったアプリなどの決済手段が出て来ているわけですけども、特に導入するお店側からすると、今QRコードのアプリが、究極は紙1枚にQRコードを付ければそれだけで出来ますので、非常に導入コストが低いんですね。」

「ですので、ここにスクエアのような仕組みがクレジットカードで入って来ると、クレジットカードもQRコードと同じ土俵に立てるぐらいコストを下げられて、日本中でもっと広がる可能性があると。」

「そうすると我々消費者の選択肢も増えてくる可能性があるということで、期待したいということですね。」

「(東京オリンピックまでにはいろいろな選択肢が広がるのは重要だという指摘に対して、)特に欧米の方はクレジットカードを使いますので、そういう意味でもスクエアに期待したいなと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそもモノやサービスを購入する際、現金を持ち歩く必要のないキャッシュレス化された社会は、購入する側にとっても販売する側にとっても便利のはずです。

なぜならば、財布を持ち歩く必要がないし、おつりの計算などに煩わされることもないからです。

しかし、どういうわけか日本人は一般的にどちらかというと現金主義の人が多く、キャッシュレス化後進国です。

しかも、キャッシュレス化が進んでいる国においてさえ、今や何枚ものクレジットカードを持ち歩いたり、交通系ICカードやQRコードなど、決済手段が乱立している状態です。

 

こうした中、ドーシーさんがモバイル決済サービスを展開するスクエアで目指しているのは、こうした問題の解決を図るだけでなく、現金も含めてあらゆる決済サービスを一元管理しようというシステムです。

このシステムが実現出来れば、とても画期的であり、“決済サービス革命”とも言えるほどの影響を世の中にもたらします。

なぜならば、購入者は現金やクレジットカードなど、どの決済サービスで購入しようとも、トータルで自分は今月いくら使ったかが簡単に分かるようになるので、お金の管理がとてもし易くなり、使い過ぎなどを防ぎ易くなります。

一方、販売側からすれば、購入者と同様に、どの決済サービスで販売しようとも1日、あるいは月ごとの売り上げの集計結果を容易に把握出来るようになります。

更には、様々な角度から分析をしたり、確定申告などに必要なデータも最小限の労力で出来るようになります。

ですから、このようなメリットを理解すれば、購入者も販売する側も規模の大小に係わらずスクエアのようなサービスを積極的に受け入れると大いに期待出来ます。

そこで得られる成果は、まさしく「働き方改革」にも大きく貢献するはずです。

 

とうことで、「働き方改革」を推進する現政権には、単にスクエアの普及を見過ごすというだけでなく、こうしたサービスの普及を支援したり、更には日本企業がスクエアとの協業を進めるための支援をしたりする取り組みを積極的に行っていただきたいと思います。

 

なお、このような新しい多くのサービスを俯瞰すれば、現在は“IT革命”の真っただ中にいると実感出来ます。

例えば自動車や農業、更には宇宙などのあらゆる業界、あるいは国や地方自治体、教育分野など社会全般において“IT革命”が急速に進んでいるのです。

ですから、政府の掲げる「働き方改革」という枠に囚われずに、日本は国を挙げてITを駆使して日本の社会全体を再構築するくらいの気概を持って“IT革命”に積極的に突き進んでいくべきだと思うのです。

そのためにも、前回もお伝えしたように国が率先して「働き方改革」の成果を上げていただきたいと思います。

現状はどうも国が一番こうした動きに乗り遅れているような気がしてなりません。


 
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2019年03月27日
アイデアよもやま話 No.4287 教員にも必要な「働き方改革」!

昨年11月29日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で教員の働き方改革について取り上げていたのでご紹介します。

 

番組の冒頭で、お二人の専門家が教員の過度な働き方について次のように警鐘を鳴らしています。

名古屋大学准教授の内田 良さんは次のようにおっしゃっています。

「先生の尊厳を踏みにじっているとしか思えない。」

 

一方、法政大学特任教授の尾木 直樹さんは次のようにおっしゃっています。

「本気で手を打たなきゃダメです。」

「学校がつぶれると思っています。」

「学校はつぶれます。」

 

今、教員の過度な働き方に警鐘が鳴らされています。

長時間勤務が原因で亡くなる教員も相次いでいます。

 

嶋田 友生さんは福井県の新人教員だった4年前、自ら命を絶ちました。

嶋田さんの父親、富士男さんは次のようにおっしゃっています。

「息子の遺書になります、「疲れました 迷惑をかけてすみません」。」

 

時間外勤務は、最大で月161時間、公務災害、つまり労災と認定されました。

 

嶋田さんの父親は次のようにおっしゃっています。

「正直、異常でしかない。」

「抜本的な取り組みをしないと、第2、第3の友生が生まれるかも分かりません。」

 

時間外勤務が月80時間超、中学校で6割、文部科学省が2年前に行った実態調査です。

時間外勤務、いわゆる残業が「過労死ライン」とされる、月80時間を超える恐れのある教員は、小学校で3割、中学校で6割に上りました。

 

残業が膨らむのは、学校に求められるものが増えているからです。

埼玉県伊奈町の小室小学校、2年生の担任、安部 仁美先生は毎月およそ70時間の残業をしています。

 

教員の負担が増えているのは、授業が終わった後です。

その1つが「下校指導」です。

登下校中に巻き込まれる事件や事故が増え、安全管理が学校に求められるようになりました。

時には、学校の外まで付き添います。

こうして打合せをしていると午後4時45分、あっという間に定時の退勤時間です。

 

安部先生が自分1人の仕事を始めようとすると、急に呼び出されました。

最近様子が気になる子どもの背景に、家庭の問題がないか話し合うためです。

不登校やいじめ、複雑な家庭などへの対応が年々増えています。

翌日の授業の準備にとりかかる頃には、すっかり夜になっていました。

小学校では英語が導入され、道徳が新たな教科になったことで授業の準備や研修の負担が増えています。

 

安部さんは次のようにおっしゃっています。

「授業は命だと思いますが、授業にかける教材研究の時間も(定時の)16時45分までには取れないことが多くて、自分1人で出来る仕事はどうしても後回しになっていくんです。」

 

教員の負担を減らす取り組みも始まっています。

1つが「業務アシスタント」です。

教員経験のある人などを新たに雇って、配布物や掲示物を手伝ってもらっています。

他にも、会議の回数を見直すなどして、業務を減らしました。

その結果、先月の残業の平均は、昨年(2017年)より12時間減って、65時間になりました。

しかし、現場で出来る対策には限界があると言います。

小室小学校の校長、加藤 浩之さんは次のようにおっしゃっています。

「ここから先は厳しいかなと思います。」

「子どものことを考えると、どうしても削れないことがたくさんあるので、厳しい部分もあるなと思っています。」

 

取材にあたった荒川 真帆記者は次のようにおっしゃっています。

「(ベテランの先生があんなに手際よくやっても大変ということは負担が大きいからではという指摘に対して、)そうなんです。」

「こうした中で、文部科学省も教員の働き方の見直しを進めていて、年明けに大きな方向性を示す方針です。」

「(では、残業時間をどう削るつもりなのかという問いに対して、))今、文部科学省が導入を検討しているのが、「変形労働時間制」という制度です。」

「これは、忙しい時期の勤務時間を増やす代わりに、業務に余裕がある時期、例えば8月にまとまった休みを設けて、1年間を通じて労働時間を調整しようというものです。」

「(メリハリのある働き方で良さそうではという指摘に対して、)必ずしも、そうとは言えないんです。」

「変形労働時間制は定時の分を増やすので、残業時間が減ります。」

「ただ見かけ上でしかなくて、忙しさは変わりません。」

「しかも、文部科学省は8月に長期休暇を取ることを想定していますが、8月も教員は忙しいんです。」

「まずはプール指導、そして部活動。」

「夏休みには練習や大会が多く、教員はそれに立ち会わなければなりません。」

「更に研修というのも今、増えています。」

「英語やプログラミング教育など、新たな教科や指導が増えることで、研修の回数も増えています。」

「つまり、夏休みは先生にとって余裕がない、休めない時期なんです。」

「しかも、教員の給与体系は独特で、たくさん残業したとしても、それに見合う残業代が支払われることはありません。」

「つまり、多くがサービス残業と化しているのが実情なんです。」

「(となると、ほかに新たな手立てを考えないといけないのではという指摘に対して、)「そうですね。」

「そこで専門家の提案が、大きく2つあります。」

「1つは大幅な業務の削減、2つ目が教員の数を増やすことです。」

「いずれも、何年も議論されてきたのですが、なかなか実現されていないというのが現状です。」

「この「学校の働き方改革」、教員のためだけでなく、その教員に学ぶ子どもたちのためにも、今まさに思い切った見直しを進めるべきだと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

文部科学省が2年前に行った実態調査によれば、残業が「過労死ライン」とされる、月80時間を超える恐れのある教員が小学校で3割、中学校で6割に上るという状況は無視出来ません。

その背景としては、学校に求められるものが増えているからといいます。

具体的には、小学校の教員の負担が増えているのは、授業が終わった後の「下校指導」や、英語が導入され、道徳が新たな教科になったことで授業の準備や研修の負担が増えたことが挙げられています。

 

一方、教員の負担を減らす取り組みとして「業務アシスタント」も始まっておりますが、現場で出来る対策には限界があるといいます。

 

こうした中で、文部科学省も教員の働き方の見直しを進めており、年明け(今年)に大きな方向性を示す方針で、今、導入を検討しているのが「変形労働時間制」という制度です。

しかも、文部科学省は8月に長期休暇を取ることを想定していますが、プール指導や部活動で8月も教員は忙しいといいます。

更に英語やプログラミング教育など、新たな教科や指導が増えることで、研修の回数も増えているといいます。

ですから、夏休みは先生にとって余裕がない、休めない時期だといいます。

しかも、教員の給与体系は独特で、たくさん残業したとしても、それに見合う残業代が支払われることはないといいます。

 

そこで専門家の提案が大きく2つありますが、大幅な業務の削減と教員の数を増やすことですが、いずれも何年も議論されてきたのですが、なかなか実現されていないというのが現状です。

そこで根本的な教員の人手不足、および過労対策、およびより効率的、かつ効果的な授業として、アイデアよもやま話 No.4240 AIによる勉強革命!でお伝えしたようなAIを活用した授業を取り入れるべきだと考えます。

 

そもそも子どもの能力やその発育度合いはそれぞれ異なります。

ですから、個々の子どもに合わせた授業こそが最も望ましいのです。

ところが、現在の教育制度は教える側の効率を考えて一律な方法で授業を進めているわけです。

そして、その都度、それぞれの生徒がどこまで理解しているかどうか確認していることはないようです。

ところが、AIを活用すればこうした問題は全て解決出来るのです。

このようなシステムによる授業であれば、教員は個々の生徒の問題点に対するアドバイスをすることに集中出来ます。

 

同時に改善すべきは、授業以外の事務作業の削減です。

これについては、アイデアよもやま話 No.4267 ”精密農業”が日本の農業を変える!?でもお伝えしたように、AIに限らず既存のソフトなどのツールを活用すればいろいろと改善出来るはずです。

文部科学省が本気で取り組めば、教員の「働き方改革」は出来るのです。

 

なお、“隗より始めよ”で現政権には全ての公共機関の働き方改革でその見本を見せて欲しいと思います。

公共機関や企業などに「働き方改革」を求めると同時に国は自らもが改革に取り組むべきなのです。


 
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2019年03月26日
アイデアよもやま話 No.4286 貧困の子に食品を無料配送「宅食応援団」!

昨年11月29日(木)付け読売新聞の朝刊記事で貧困の子どもへの食品の無料配送について取り上げていたのでご紹介します。 

 

生活困窮世帯の子どもに食品を無料配送する「子ども宅食」事業を全国に広めることを目的に設立された一般財団法人「子ども宅食応援団」が昨年11月28日に東京都内で記者会見を開きました。

「子ども宅食」は昨年7月に文京区で始まり、区とNPO法人で作る共同体が「ふるさと納税」を原資に、企業から寄付された食品を配布しています。

近所の目を気にせず支援が受けられることなどから、約600世帯が利用しています。

応援団は今後、各地で「子ども宅食」をする団体を募り、ノウハウの伝授や資金援助を行います。

「子ども宅食応援団」の駒崎 弘樹代表理事(39歳)は「子どもの貧困対策として取り組みたいを広げたい」としています。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

生活困窮世帯の子どもが少しでも栄養状態の良い環境で暮らせるための取り組みは少子化に限らずとても重要です。

そうした中、昨年7月に文京区で始まった、「ふるさと納税」を原資に区とNPO法人で作る共同体、一般財団法人「子ども宅食応援団」で企業から寄付された食品を配布する取り組みはとても理に適っていると思います。

というのは、企業から寄付される食品の中に賞味期限が近いものが含まれているとしても、それは食品ロス対策になり、またこうした活動に協力することは社会貢献の一環になり、イメージアップにつながるからです。

同時に「ふるさと納税」がこのような取り組みの原資として使われるのであれば、多くの方々から賛同が得られると思います。

 

なお、この活動は今後全国展開を図っていくといいますが、子どもの貧困対策の一環として、将来的には宅食だけでなく、教育など生活困窮世帯の子どもの支援全般に活動の幅を広げていけたらとても素晴らしいと思います。

ちなみに、以前アイデアよもやま話 No.4240 AIによる勉強革命!でお伝えしたような方法であれば、こうした勉強法を開発した企業の協力を得られれば、人手をあまり介さずに最先端の勉強法で貧困家庭の子どもも学ぶことが出来るのです。

 

ちなみに、「子ども宅食応援団」の駒崎代表理事については、以前No.556 アイデアは何のためか!でもお伝えしたようにかつて直接お会いしてインタビューをさせていただいたことがあります。

とてもまじめな人柄で、しかも情熱を持って事業に取り組んでいるなという印象を持ったことを今でもよく覚えています。


 
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2019年03月25日
アイデアよもやま話 No.4285 花粉症の安くて手軽な対処法!

アイデアよもやま話 No.4280 プラズマ乳酸菌で従業員の生産性向上!?でもお伝えしたように花粉症の特効薬が市販化されれば、花粉症の従業員の労働生産性を下げないで済むようになるとお伝えしました。

また花粉症患者にとってはもうしばらく花粉症に悩まされる季節が続きそうです。

そうした中、3月14日(木)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で花粉症の安くて手軽な対処法について取り上げていたのでご紹介します。 

 

関東地方でスギ花粉が飛ぶのは4月下旬頃までといいます。(東京都健康安全研究センターHPより)

そうした中、ご自身も長年花粉症に悩まされているという秋津病院の秋津 壽男院長は安くて手軽な対処法があるといいます。

それはワセリンです。

ワセリンといえば、皮膚の保湿やボクサーが試合中に顔に塗ることで知られています。

いったいなぜでしょうか。

秋津院長は次のようにおっしゃっています。

「(鼻の入り口部分を)ワセリンでコートティングすることによって、飛んで来た花粉が鼻の周りでトラップされちゃうんですね。」

 

鼻や目の周りに薄くワセリンを塗ることで、粘膜に到達する前に花粉をブロックしてくれるというのです。

 

本当に効果があるのでしょうか。

そこで番組で実証実験を行いました。

マネキンの顔の右半分にだけワセリンを塗った状態で、色を付けた粉末を花粉に見立てて風で飛ばしてみます。

すると、一見ワセリンを塗った方に粉末が大量に付いていますが、鼻の中を見てみると、ワセリンを塗った方は粉末が全く付いておりず、塗っていない方には粉末が付いています。

確かにワセリンがブロックしているのが分かります。

 

実際にワセリンを愛用している方の1人は次のようにおっしゃっています。

「(ワセリンを)塗っていくとムズムズ感が減って来るので、あまりお薬に頼りたくないのもあるし、こっちの方が手軽かなっていうのもあるので・・・」

 

ワセリンはドラッグストアなどで数百円で買えるとあって、とても重宝しているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

私もかれこれ30年くらい花粉症に悩まされており、毎年2月始めくらいから病院で薬をもらって飲んでいますが、副作用で異様に眠くなる時があります。

また、2、3年前からイオンの力で花粉などの侵入を防ぐという塗り薬を鼻の周りに塗って花粉症に対処しています。

この薬は確かに効果がありますが、量が少なく、しかもちょっと高価です。

そうした中、数百円で購入出来、しかも量も多いワセリンで同様の効果が得られれば、とてもありがたいです。

ですから、今使用している塗り薬がなくなったら、ワセリンを購入して試してみたいと思います。


 
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2019年03月24日
No.4284 ちょっと一休み その691 『並外れて高い日本の中国に対する印象の悪さ度合い』

昨年11月23日(金)付け読売新聞の朝刊記事で中国の印象についての国際比較について取り上げていたのでご紹介します。

 

世論調査会社、ピュー・リサーチ・センターが昨年10月に発表した25ヵ国対象の調査では、アフリカ諸国での中国の印象は比較的高いです。

中国に「好印象」を持つと答えた人は、チュニジアで70%、ケニアで67%に上り、平均の45%を大きく上回っています。

ちなみに、日本での中国に対する「好印象」は17%、「悪い印象」は78%とどちらも他国に比べて並外れた結果になっています。

アメリカでさえ、それぞれ38%、47%という結果なのです。

その大きな理由は、巨大経済圏構想「一体一路」を推進する習近平国家主席が2015年に発表した中国政府による支援事業「万村通」です。

「万村通」とは、文化面の対外発信を通して自国の影響力拡大を図る中国の国家戦略です。

具体的には、中国国営のテレビ局、中国国際テレビの番組を自宅で見られるようにしたりして、中国の発展ぶりや対アフリカ支援の成果を紹介するなど、中国の視点が強く反映されています。

また、中国文化の普及拠点である孔子学園は2017年時点でアフリカの39ヵ国に54ヵ所あります。

他にも規模の小さな孔子教室も30ヵ所あり、中国語を学ぶ人が急増中です。

 

中国のアフリカ重視は際立っています。

狙いは資源や市場確保だけではありません。

自国主導の新たな国際秩序構築を目指す中国にとり、国連などで投票権のあるアフリカ54ヵ国の支持は重要な意味を持つからです。

また、中国はアフリカで鉄道や港湾の整備など、採算を度外視した多額の投融資も行っており、欧米から「新植民地主義」との批判も出ています。

 

昨年9月に北京で開かれた「中国アフリカ協力フォーラム」(*)首脳会議には、台湾と外交関係のあるエスワティニ(旧スワジランド)を除くアフリカ53ヵ国が参加しました。

  • 中国がアフリカ諸国との関係強化を目指して2000年に閣僚級で始めた国際会議

 

習国家主席はアフリカに対し、2015年と2018年にそれぞれ600億ドルの支援を表明し、アフリカからの留学生受け入れにも積極的で、2003年には2000人だった留学生数が2016年には6万人超まで増えました。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したように、中国のアフリカに対する様々な取り組みがアフリカ諸国での中国に対する好印象につながっているのです。

しかし、注目すべきは中国の真の狙いである、欧米からも批判が出ている「新植民地主義」です。

中国が50ヵ国を超えるアフリカ諸国を取り込むことにより、中国の国際社会における発言力は強大になります。

中国はこうした取り組みと並行して世界最強の軍事大国であるアメリカにも対抗出来るような軍事大国化も目指しています。

このような中国によるアメリカを凌ぐほどの大国としての強大化を目指す一連の取り組みで注視すべきは、中国が共産党一党独裁による共産主義国家であるということです。

万一、中国が国際的に主導的な立場を手に入れるような事態になれば、自由主義陣営に属する国々にとってはとても相いれない状況になってしまいます。

ところがアメリカのトランプ大統領はこうした状況下にも係わらず、国際社会から目を背け、ひたすらアメリアの利益を優先する「アメリカファースト」を目指しています。

 

こうした状況下で、日本はただ中国に悪い印象を持つだけでなく、「新植民地主義」を進める中国に対抗すべく、自由主義陣営に属する国の一員として、真の意味で世界各国が「共存共栄」、「WinWin」の関係を築くという基本方針で、政府、経済界などそれぞれの立場で積極的に国際社会に働きかけることがとても重要だと思うのです。

 

同時に重要な取り組みが2つあります。

1つ目は観光大国を目指すことです。

より多くの世界各国の人たちが日本を何度でも訪問したいと思わせるような、日本の各地方が独自の魅力を発信出来るような取り組みを継続させることです。

勿論、ベースは日本独自の“おもてなし”精神です。

世界中のより多くの人たちにこうした日本の良さを知ってもらえれば、まず日本のイメージアップになります。

また、庶民レベルでの様々な交流は相互の信頼関係を築くうえで、とても重要です。

更に、現在の日本は憲法で“戦争放棄”を掲げていることなども知ってもらえれば、日本に対する警戒感も和らぐはずです。

 

2つ目は外国人労働者の受け入れです。

優秀な外国人労働者の受け入れは、少子高齢化に伴う日本の労働人口不足を解消するうえでの一つの切り札になります。

しかし、この取り組みはもろ刃の剣になり得ます。

というのは、外国人労働者が安心して働けるような環境、あるいは適切な収入が得られれば、帰国後も日本のファンになってもらえます。

しかし、今問題になっているブラック企業のような待遇に遭えば、外国人労働者にとって残るのは日本に対する悪いイメージだけです。

ですから、国を中心にしっかり受け入れ態勢を構築することがとても重要になります。

 

こうした地道な取り組みはすぐには効果が出なくても、長い目でみれば必ず国際社会で評価され、いずれ中国にも軌道修正せざるを得ない状況に追い込むことが出来ると思うのです。

勿論トランプ大統領の「アメリカファースト」に対しても同様の効果が期待出来ます。


 
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2019年03月23日
プロジェクト管理と日常生活 No.585 『イギリスの移民政策から学ぶべき外国人労働者の受け入れ拡大のリスク対応策』

外国人労働者の受け入れに関しては、これまでアイデアよもやま話 No.4277 外国人労働者の受け入れ拡大に向けて!などでお伝えしてきました。

しかし一方で、今問題になっているブレグジットの発端はイギリスのへの移民の増加だといいます。

そうした中、昨年12月11日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でイギリスの移民政策について取り上げていたのでご紹介します。

 

番組コメンテーターで日本総研のチェアマンエメリタス、高橋 進さんは前回お伝えしたブレグジット(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.584 『ブレグジットが世界経済にリーマンショック以上の影響を与えるリスクの重大性』)に関連して次のようにおっしゃっています。

「(この先どうなるかという問いに対して、メイ首相が)何もしなくて辞めちゃってもいいじゃないかという意見もあるんですけど、その時は本当に経済が混乱するんじゃないかと思いますけどね。」

「で、ブレグジットから日本は何を学ぶべきかということをちょっと考えてみたんですけども、そもそもなぜブレグジットになったかというと、移民に対する反発が大きかったと思うんですよ。」

「で、ただイギリスの場合は非常に大量の外国人を受け入れてきたので、日本の比ではないんですけども、外国人を受け入れることでイギリスと同じような問題を日本が抱える可能性はあると思うんですよ。」

「イギリスの場合は移民に仕事を奪われているという反発が強かったんですね。」

「で、日本の場合は必ずしもその仕事を奪われるという懸念は大きくないと思うんですよ、人手不足ですからね。」

「でも日本は外国人を社会が受け入れた経験が本当に浅いので、外国人を社会が受け入れることで社会のストレスが溜まってしまう危険性がある。」

「そこで私は、キーワードになるのは“共生”という言葉だと思うんですね。」

「今、日本の中で議論しているのは、外国人の働き易い環境をいかに整えるかということですけども、同時に外国人が生活者として地域の中にスムーズに溶け込めるように、受け入れる側の日本の努力が必要になってくることだと思うんですね。」

「それから今、2国間協定が進められていると言われていますけども、送り出し国と日本との間でちゃんと協定をつくって、例えば悪質なブローカーを排除するとか、来る前に日本語のレベルを上げてもらうとか、そういう外国人が日本にスムーズに着地出来るような仕組みをつくることも大事だと思いますね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

日本で働いている外国人労働者は2016年時点で過去最高を更新して128万人いるといいます。

その背景として、少子高齢化による人手不足があるといいます。

そして、このまま外国人労働者が増え続けていくとイギリスと同様の問題が発生する可能性が出てきます。

そこで、アイデアよもやま話 No.4277 外国人労働者の受け入れ拡大に向けて!では、外国人労働者の受け入れ要件について私の思うところをお伝えしました。

今回は、番組を通して、外国人労働者の受け入れにおけるリスク、およびリスク対応策について、私の思うところを以下にまとめてみました。

(リスク)

・外国人労働者が出身国の文化や習慣を働き先の周りの日本人に理解してもらえないと、疎外感でストレスを感じたり、周りの日本人との間で軋轢を生じてしまうこと(例えば、イスラム教のお祈りを出来る場所や時間が確保されない)

・外国人労働者の日本、あるいは日本人に対する印象が悪いまま帰国すると、長い目で見て両国の友好関係に悪影響を及ぼすこと

・外国人労働者の給料が不当に低いと不満を感じてしまうこと

・外国人労働者の労働時間が不当に長いと不満を感じてしまうだけでなく、健康維持も出来なくなり、労働生産性にも悪影響を及ぼすこと

・外国人労働者の受け入れ数が過剰になると、肝心の日本人の労働市場が縮小し、日本人の不満が高まること

(リスク対応策)

・外国人労働者の出身国の文化や習慣を受け入れ先企業が理解し、尊重すること

・そのうえで、同様に日本の文化や習慣についても理解してもらうこと

・日本で働くうえで必要最小限の日本語をマスターしてもらうこと

・給料は日本人と同等の条件とすること

・高度な技術を持った外国人労働者に対しては、本人が希望すれば永住出来るような制度にすること

・外国人労働者用の“駆け込み寺”的な相談窓口を設け、不当な企業に対する改善要請、あるいは処罰を徹底させること

・国として、定期的に外国人労働者へのアンケートを実施し、国としての外国人労働者受け入れの対策に反映させること

 

以上、まとめてみましたが、要約すれば、高橋さんのおっしゃるようにキーワードは“共生”だと思います。

外国人労働者と日本、あるいは日本人との間で双方にメリットがあるような関係こそ、双方の良好な関係が維持出来るのです。

逆に、こうした双方の良好な関係が維持出来なくなると、犯罪や暴動が発生し、社会不安をもたらしてしまうリスクが生じるのです。

ですから、今や国際的にも大きな問題となっているブレグジットを教訓として、これから外国人労働者の受け入れ拡大を目指す日本は慎重に対処していくことが求められるのです。


 
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