2016年06月28日
アイデアよもやま話 No.3428 ソフトバンクの株主総会に出席して感じたこと その2 理想的な経営スタイルとは何か!

先週の6月22日(水)、ささやかな株主としてソフトバンクの株主総会に行ってきました。

この株主総会に出席されるの方々の多くは、毎回孫 正義社長のプレゼンテーションを楽しみにされているようですが、私もその一人です。

そこで、2回にわたって私の感じたことをご紹介します。

2回目は、理想的な経営スタイルとは何かについてです。

 

1回目でもちょっと触れましたが、6月22日付けで孫社長の後継者候補である代表取締役副社長のニケシュ・アローラさんが突如退任され、孫社長が引き続き10年間くらいは経営をリードしていくことになりました。

そこで、あらためて思うのは、カリスマ経営と集団経営のどちらが理想的な経営スタイルかということです。

単純に考えれば、カリスマ経営の方が即断即決で変化に即応したスピーディな経営が出来ます。

一方、カリスマ経営といえども、一人の経営者が全ての状況を把握するにはあまりにも多くの情報があり過ぎます。

また、年齢を重ねるにつれて体力が衰え、時代の価値観についていけなくなるリスクがあります。

更に、カリスマ経営者が突然の病気などで経営から離れざるを得なくなった時に、その後の経営体制が不安定になるリスクもあります。

 

一方、集団経営の観点からすると、多くの人たちを引き付ける魅力やリーダーシップなど一人一人の能力はカリスマ経営者に比べて劣りますが、個々の役割が分散化されることにより、突然誰か一人が欠ける状況になっても影響は少なくて済みます。

 

ですから、孫社長も以前から自分が経営の第一線を退いた後の経営スタイルは集団経営を意識されていて社内に次の社長候補者の育成の場を設けていたのです。

ところが、幸か不幸かグーグルの最高幹部、ニケシュ・アローラさんと出会ってしまい、その卓越した経営能力に孫社長が惚れ込んでしまい、2014年に口説き落として自分の後継者としてソフトバンクに招き入れたのです。

ですから、今回のニケシュ・アローラさんの突然の辞任は、孫社長が技術的特異点((Technological Singularity))を見据えた自分のチャレンジしてみたい新たなフロンティアを見つけてしまったことが誤算であったといえます。

ですから、孫社長は今回の突然の退任について、株主総会の場でも最大の犠牲者はニケシュ・アローラさんであり、大変申し訳なかったと明言されておりました。

 

ということで、偶然の出会いから孫社長はニケシュ・アローラさんを自分の後継者として指名しておりましたが、孫社長も本来は集団経営を目指しているのです。

 

私も危険分散の観点から、一時的にカリスマ経営の時期があっても集団経営こそが理想的な経営スタイルだと思います。

ちなみに、経営に限らず、エネルギーや食糧などの資源の供給元としてもリスク分散の観点から供給元を複数にし、しかもそれぞれの供給元からの供給量もバランスよく調整することが安全保障の観点から現実的な対応として求められるのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月27日
アイデアよもやま話 No.3427 ソフトバンクの株主総会に出席して感じたこと その1 技術的特異点が人類進化のきっかけになる!?

先週の6月22日(水)、ささやかな株主としてソフトバンクの株主総会に行ってきました。

この株主総会に出席されるの方々の多くは、毎回孫 正義社長のプレゼンテーションを楽しみにされているようですが、私もその一人です。

そこで、2回にわたって私の感じたことをご紹介します。

1回目は、技術的特異点についてです。

 

今回のプレゼンテーションの目玉の一つは技術的特異点(Technological Singularity)でした。

実は、この言葉については、No.3156 ちょっと一休み その502 『IoT、AI、スマートロボットの3つが今後の成長分野!?』でもお伝えしたように昨年のソフトバンクのイベント、ソフトバンクワールド2015での孫社長による基調講演でも紹介されていたのです。

技術的特異点とは、一言でいうと全人類の能力を超える処理能力のパソコン(AI)の出現すると見込まれる年、すなわち2045年を指しています。

しかも驚くことに、1台1000ドル程度のパソコンの情報処理能力が全人類の能力を超えると予測されているのです。

 

ちなみに、今回の株主総会で孫社長が70歳を迎えるくらいまで社長を続投するつもりであると決意表明されるに至った理由には、この技術的特異点の時を迎えるまでにソフトバンクグループとして貢献出来ることが沢山あり、その舵取りを自らやりたいという強い想いが沸き上がってきたことが大きいと思われます。

 

さて、孫社長のプレゼンテーションをきっかけに、私は帰宅後にあらためて技術的特異点について考えてみました。

今回ご紹介するのはその結果です。

そもそも技術的特異点の構成要素は、以下の3つといいます。

・ロボット

・AI(人工知能)

・IoT(Internet Of Things

 

これをヒトになぞらえると、ロボット=身体、AI=知能、そしてIoT=神経となります。

要するに、あらゆるモノが人と同じような機能を持ち合わせ、それら全体が一つのモノとしてつながるということになるのです。

当然、ヒトもこうした中のモノの一つとして位置付けられるようになります。

しかも、1台1000ドル程度のパソコンの情報処理能力が全人類の能力を超えるというのですから、孫社長も言われていたように、ヒトのIQ(知能指数)の違いはこの能力に比べたら誤差の範囲に過ぎません。

ですから、私たち人類は技術的特異点を迎えることにより、これまでの暮らしとは次元の異なる、想像を絶するような新たな時代に突入するのです。

 

こうした時代を迎えるメリットとして、すぐに思い浮かぶのは“部分最適(Partial Optimization)から全体最適(Total Optimization)への真の転換”が可能になることです。

これまで、私たち人類は個人にしろ、国家にしろそれぞれの立場から限られた情報を元に判断を下し、最適な行動を取ってきました。

ところが、あらゆるモノや情報が一元化され、マネージ出来るようになると、これまでの部分的な範囲での最適化から全体的な観点からの最適化が図られるようになるのです。

卑近な例の一つとして、あらゆる車両の位置や速度の把握による交通渋滞の緩和が挙げられます。

 

一方、今回の株主総会での質疑応答でも発言があったように、人類が将来AIにより支配されてしまうのではないかという危惧も新たに出てきます。

しかし、こうした危惧を乗り越えていくことによって、人類はまさに今次なる進化の時代を迎えようとしているのです。

 

産業革命を迎えた18世紀から21世紀までのざっと300年という期間は人類のこれまでの悠久の歴史からすれば、ほんの一瞬に過ぎません。

しかし、このほんのわずかな期間に人類は大いなる飛躍を遂げようとしているのです。

 

技術的特異点を迎えるといわれる2045年はこれからほぼ30年後ですから、今を生きている私たちの半数以上の人たちはこの時に実際に立ち会うことが出来ることになります。

私も是非この瞬間を自分の目で確かめてみたいと思っています。

 

この技術的特異点が多くの人たちにとって自分の能力や創造性を最大限に活かせる、心地よく暮らせる社会をもたらすのか、それとも一部の人たちだけが社会を牛耳る格差社会が定着し、あるいはAIの指示するがままに行動する殺伐とした社会をもたらすのか、とても気になるところです。

しかし、どのような社会になっているのか、そのカギを握っているのは技術的特異点を実現させる私たち人類にあるのです。

ですから、私たち一人一人はこうした人類の歴史上でも特異な時代を生きているという自覚を持って人類の新たな発展に寄与することを目指すべきだと痛切に感じます。

化石燃料の枯渇など資源不足に伴う争奪戦や核戦争による人類の破滅、あるいは地球環境破壊による多くの生物の絶滅などは地球上で暮らす生物の一種の責任において、私たち人類は絶対に避けなけれはならないのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月26日
No.3426 ちょっと一休み その548 『気になる超未来の地球とは その5 超未来の宇宙の絶景』

誰でも超未来の地球とはどんな状態になっているかとても気になると思います。

そうした中、3月17日(木)放送の「コズミック フロント☆NEXT」(NHKBSプレミアム)のテーマは「地球 超未来への旅」でしたので6回にわたってご紹介します。

5回目は、超未来の宇宙の絶景についてです。

 

前回は大宇宙を放浪する地球についてお伝えしましたが、超未来への旅、地球には更にその後も遭遇する出来事があります。

それはまだ宇宙には存在していない星たちが織り成す絶景です。

ミシガン大学のフレッド・アダムス教授は星の究極の進化を計算し、超未来に見える星空を予測しました。

アダムスさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「宇宙が年を取ってくると、現在見える夜空とは違っていきます。」

「最後には最も寿命が長い星が絶景を見せてくれるはずです。」

 

星の寿命の長さは質量によって決まります。

重い星では激しく水素を燃やすため寿命は短く、数百万年しかありません。

一方、太陽のような星の寿命は100億年、太陽より小さな星は更に長生きです。

最も小さな赤色矮星の寿命は1兆年〜10兆年にも及びます。

宇宙は最終的にこの小さな星たちだけが光り続けるというのです。

この赤色矮星は死を迎える直前に青く見えるので青色矮星と名付けられています。

核融合の最後の段階で表面の温度が上がり、青く見えるのです。

アダムスさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「青色矮星は最も長い寿命を持つ星が最後の段階で現れます。」

「つまり、青色矮星が見られるのは星々が輝く長い宇宙の歴史の中で最後の一瞬だけなのです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

宇宙の最終段階で現れる絶景を人類が見ることが出来る可能性はほとんどないと思いますが、それでもその絶景を見てみたいと思います。

また、宇宙の最終段階の後は全くの無の世界になってしまうのか、それとも別な世界が新たに誕生するのかということにもとても興味が湧いてきます。

更に、もし別な世界が誕生して何らかの生物が生存しているとしたら、その環境はどんな状況でどんな生物なのでしょうか。

こうしたことには興味が尽きません。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月25日
プロジェクト管理と日常生活 No.442 『舛添都知事の辞任から見えてくること その1 なぜ不適切な政治資金の支出に至ったのか』

私は都民ではありませんが、アイデアよもやま話 No.3413 舛添都知事の政治資金支出にみる政治家のあり方!でもお伝えしたように今回の舛添都知事の辞任に関してはいろいろと考えさせられました。

そこで、プロジェクト管理の基本的な考え方を通して、私なりに舛添都知事の辞任から見えてきたことを4回にわたってご紹介します。

1回目は、現状把握、すなわちなぜ舛添さんが不適切な政治資金の支出に至ったのかその経緯についてです。

 

6月17日(金)放送の「特報首都圏」(NHK総合テレビ)のテーマは「緊急報告 舛添都知事辞職」でした。

番組の中で、政治資金収支報告書などを分析し、舛添都知事のカネをめぐる問題を指摘する研究者を取り上げていたのでご紹介します。

 

日本大学法学部の岩井 奉信教授は、舛添都知事が参議院議員時代に政治資金の使い方の変化に注目しました。

舛添さんは2001年に国際政治学者から参議院議員に初当選を果たし、その後9年間自民党に在籍していました。

岩井教授は、自民党時代はつましい支出だと指摘しています。

1万円を超える書籍や絵画の購入記録はありませんでした。

翌年の2002年、舛添さんは新党「改革」を結成し、代表に就任しました。

ここから報告書に変化が表れました。

舛添さんの資金管理団体の政治資金収支報告書(2012年)では書籍・資料代の名目で美術品関係の支出が沢山出てきました。

その購入先の欄にはギャラリーや画廊の名前が並んでいます。

美術品を数多く購入していたのです。

資料代で美術関係がこれほど多く出てくるのは珍しいと岩井教授は指摘しています。

資料として購入した中には、コミックや子ども向けのクイズ本も含まれていました。

党所属の一国会議員から党首になった舛添さんは、この変化が公金への意識を薄れさせたのではないかと岩井教授は指摘しています。

 

そして2014年、舛添さんは“世界一の福祉都市”を掲げて立候補し、東京都知事に就任しました。

都知事就任直後の「クローズアップ現代」(NHK総合テレビ)で、舛添さんは次のようにおっしゃっています。

「出来るだけ少ないコストで出来るだけ大きな成果を上げる。」

 

都の予算は効率的に使うと話していました。

しかし、週末になると都の公用車を使って100km離れた湯河原の別荘に通うようになりました。

自宅のある世田谷区を経由して別荘に移動する記録も残っていました。

“公私混同”ではないかという批判に対して、舛添さんはルールには反していないと繰り返し主張しました。

このことについて、岩井教授は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「知事というのは現代の殿様と言われるんですよね。」

「昔は知事から国会議員になるというのが一般的でしたけど、最近国会議員を辞めて知事になる方が次々に出ている。」

「動かせるお金も人も膨大なものになるわけですから、そういう中でだんだんお金の使い方とか人の使い方がどんどんルーズになっていったんではないかなってことが想像されますよね。」

 

更に、東京オリンピック・パラリンピックを控えて繰り返された高額な海外視察、スウィートルームでの宿泊やファーストクラスでの移動が批判を浴びる結果になりました。

公金に対する意識が次第に薄れていった舛添さんは、都民の感覚とかけ離れた末の辞職でした。

 

なお、舛添さんが特に力を入れるとしていたのは待機児童対策で、都知事就任当初には4年間で8000人をゼロにしたいと訴えていました。

しかし、この公約はまだ果たされていません。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、ここから読み取れるのは舛添さんの政治家としての行動の変化です。

政治家になった当初は適切な行動をしていたのが、政治家を取り巻く環境、すなわち政治家としての特権や政治資金規正法などの実態を把握することによって、不法でない範囲でその特権を最大限に活かそうというふうに変化し、だんだん庶民感覚からかけ離れていったのです。

 

今回、舛添都知事の度重なる過去の不適切な行為がマスコミや国民から集中砲火を浴びて辞任に至りました。

しかし驚くことに、舛添都知事は辞任に伴いこれまでマスコミや多くの国民から疑問視されてきた“不適切な支出”に対しての説明責任を果たさず沈黙を守り続けています。

また、それに対して、都議会は今回の問題に対してこれ以上の追求をせず、終止符を打ってしまっているようです。

このような状態では、再発防止策の検討は期待出来ません。

都議会は、猪瀬都知事、そして今回の舛添都知事の辞任と2回も都政の仕組みの見直しの機会を見逃してしまったのです。

ということは、今後とも都知事をめぐる同様の問題が起こる大きなリスクが残されたままとなってしまうのです。

また、都議会が真剣に再発防止策を検討しないということは、他の都議会議員の方々の中にも規模の大小はあるものの同様の行為がこれまであったのではないかと疑われても仕方ありません。

 

ということで、今回はなぜ舛添さんが不適切な政治資金の支出に至ったのかその経緯についてお伝えしましたが、次回は選挙をめぐる問題、および問題対応策についてお伝えします。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月24日
アイデアよもやま話 No.3425 海外旅行に便利な”撮るだけで辞書”!

海外に出かけると、レストランで料理のメニューを見てもどんな料理なのか分からずに困ってしまうといったような経験をされる方が多いと思います。

そうした中、4月13日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で海外旅行に便利な”撮るだけで辞書”について取り上げていたのでご紹介します。

 

オフィス、家庭用の文具の製造、 販売を手掛けるキングジムで開発したのが、バーコードリーダーのように本体を分からない文字にかざすだけで日本語に翻訳された文字が表示される商品「イミシル」です。

ちなみに、価格は1万2000円(税別)で4月22日から発売されるといいます。

「イミシル」だと入力するのが難しい韓国語でも簡単に翻訳してくれます。

「イミシル」には文字の自動認識技術が搭載されており、英語、中国語、韓国語に対応しており、縦書きも可能といいます。

 

「イミシル」を開発したのは、これまで名刺を認識する文房具など数々のスキャン商品を生み出してきた東山 慎司さんです。

「イミシル」開発のきっかけについて、東山さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「海外旅行でレストランなどで注文する際、全く(メニューの)言葉が分からなくて、エビだと言われて食べさせられたのがザリガニでした。」

 

実は、スマホでは既にこうした機能のアプリがありますが、インターネットを使うアプリがほとんで、海外で通信環境の悪い場所では使えないという制約があるのです。

なので、「イミシル」はこうした制約を解消したということです。

また、「イミシル」ではメニュー以外にもホテルでの説明書きや外出時の看板なども翻訳してもらえます。

ただ、「イミシル」では読み取りに5秒ほどかかるといいます。

 

さて、「イミシル」のような商品が手元にあれば、確かには海外に出掛ける際にはとても心強いと思いますが、難点はスマホのアプリではなく、別な機器として持ち歩く必要があるところです。

このように、機能ごとに機器が増えていくと実用的とは言えなくなります。

でも将来的に、スマホの処理ソフトやメモリー、そしてバッテリーの性能向上が進めば、いずれ“オール イン ワン(All in One)”で様々な機能がアプリとして1台のスマホに収まるような時代を迎えるようになると思います。

このような観点からすると、スマホはまだまだ発展途上と言えます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月23日
アイデアよもやま話 No.3423 進化するシェアリングエコノミー その2 地域の課題解決への活用!

4月10日(日)放送の「サキどり↑」(NHK総合テレビ)で「進化するシェアリングエコノミー」をテーマに取り上げていたので2回にわたってご紹介します。

2回目は、地域の課題解決への活用についてです。

 

どんどん進化を遂げているシェアリングエコノミーですが、地域の様々な課題の解決にも活用され始めています。

東京の空の玄関口、羽田空港のある大田区、外国人観光客を呼ぶには打って付けの立地ですが、宿泊施設の稼働率は9割を超え、拡大する需要への対応が難しくなってきました。

そこで目を付けたのが空き家や空き部屋に有償で人を泊める“民泊”です。

国家戦略特区の仕組みを活用して、これまで無かった“民泊”のルールを全国に先駆けてスタートしました。

大田区健康政策部部長の杉坂 克彦さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「いわゆるグレーな状態ですとか、違法な“民泊”がかなり全国的にあると聞いております。」

「そういったものを少しでも減らして、安全安心な滞在の環境を整えたい。」

 

今年2月に早速特区民泊として認定された部屋の一つ、民泊仲介サイトを運営する会社が用意したマンションの1室は1泊あたり1万2000円、最大3人まで泊まることが出来ます。

ルールでは滞在期間は最低でも7日、そこで洗濯機や旅の疲れを癒す美容家電を充実しています。

ルールブックにはご近所とのトラブルを起こさないよう、ゴミの出し方や騒音に関する注意事項などが英語で書かれています。

 

一方、持ち主の住まなくなった築65年の空き家では、部屋をフルリノベーションしてほとんど新築と変わらないものにしました。

5人まで泊まれる1LDKで、1泊あたり2万円(週末 +2000円)です。

畳を敷いた和室のように、和風の小物で日本らしさを演出しています。

こうした空き家対策にもなる“民泊”、この運営会社では個人オーナーの開業もサポートして物件数を増やしていきたいとしています。

 

こうした“民泊”への取り組みには地元のお店も期待を膨らませています。

蒲田の商店街では、買い物をした時に特権が得られる3ヵ国語のクーポン券を発行しています。

 

一方、京都府最北端の京丹後市でもシェアリングエコノミーの仕組みを使って課題解決に乗り出しました。

この地域の悩みは急速に進む過疎高齢化、地元に3つあったタクシー会社は相次いで撤退、市の半分以上が交通空白地域になってしまいました。

無論、地元でも生活の足が無くなることに対し、手をこまねいていたわけではありません。

住民が依頼すると迎えに来てくれるデマンドバスが地元のNPOにより運営されています。

2年前からサービスを始めたデマンドバスは地元の有志、21人が協力して住民の貴重な足となっています。

365日、朝8時半から夕方5時までは常に携帯電話で予約を受け付けています。

ちなみに、料金は100円(遠距離は200円)です。

しかし、悩みはこのサービスが十分に住民の悩みに応えられないことです。

現在は2つのエリアで運行していますが、バスは1台しかないため利用出来るのは2日に1回、しかも隣のエリアの墓参りや親戚の家に自由に行くことが出来ず、使い勝手は今一つです。

そこで目を付けたのが以前アイデアよもやま話 No.3399 ”仕事がない世界”がやってくる その1 技術革新による格差拡大!でもご紹介した、アメリカのウーバー・テクノロジーズが提供している、スマホを使った新たな配車サービス、ウーバー(Uber)です。

自家用車を使ってタクシーのように有償で人を運ぶのは日本では違法行為になりますが、交通空白地域では特例が認められるのです。

自家用車と住民の空き時間をシェアして有効に使おうというわけです。

住民同士で助け合い、課題を乗り越えようという思いを込めて、このサービスを「ささえ合い交通」と名付けました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、今回ご紹介“民泊”や「ささえ合い交通」の事例も前回ご紹介した個人間のマッチングサービスの一つと言えます。

マッチングサービスの対象がモノであったりサービスであったりという違いがあるだけなのです。

また、従来はこうしたサービスを提供する側の窓口はほとんどが企業であることから、サービスの受け皿が限られており、しかも値段も高かったのです。

ところが、サービスを提供する側が個人になることによって、サービスの受け皿がとても広がり、しかも競争原理により値段もこれまでより安くなることが期待出来るようになりました。

 

こうしたサービスを可能にしているインフラがインターネットなのです。

ですから、インターネットは社会変革をもたらす素晴らしいツールだとあらためて思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月22日
アイデアよもやま話 No.3423 進化するシェアリングエコノミー その1 個人間のマッチングサービス!

4月10日(日)放送の「サキどり↑」(NHK総合テレビ)で「進化するシェアリングエコノミー」をテーマに取り上げていたので2回にわたってご紹介します。

1回目は、個人間のマッチングサービスについてです。

 

今、シェアリングエコノミー(共有型経済)が大進化しています。

家事やペットの世話、特技の趣味など、シェアするのは得意分野のスキルです。

便利さと割安さで成長するシェアサービス、昨年末には業界団体が発足しました。

市場規模は、2年後の2018年には462億円まで拡大する見込みです。

更に、シェアリングエコノミーは過疎化で悩む地域で動き出しています。

 

そうした中、ネット上にマッチングサイトが登場しています。

その一つ、ANYTIMESは、日常の家事、旅行の間のペットの世話、家具の組み立て、語学レッスンなどの“誰かに手伝って欲しいこと”、と “自分が得意なこと”を気軽に提供し合えるサービスです。

サイトにはスキル提供者のプロフィールが掲載されており、これまでの評価なども参考にして相手を選ぶことが出来ます。

 

このサイトを運営しているのは創業3年のベンチャー企業、売り上げは昨年の3倍、会員数は10倍の2万人に増えました。

社長の角田 千佳さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「地域の互助会のようなシステムをインターネットを使ってもう1回再構築しよう。」

「得意なことは、みんなそれぞれ何かしら持っているんですよね。」

「なので、誰でもチャンスがあって、誰でも主役になれる場なのかなと考えています。」

 

例えば、スマホの普及によりスマホで依頼をするだけで、料理教室の講師をしているプロの料理人がやってきて腕前をシェア、自宅で食事を作ってもらうサービス、5品、5人分の料理は2時間で5000円(材料費込み)です。

このサービスを依頼した家族は料理の味に大満足です。

一方、プロの料理人も仕事に波があるのが悩みでしたが、料理のスキルをシェアするサービスで働き方が変わったといいます。

仕事の空いた時間をシェアリングサービスで有効活用出来るようになったのです。

その結果、今ではシェアリングサービスのリピーターも増え、全体の収入が3割ほどアップしたといいます。

 

様々なスキルの人たちが集まるこのサービスに新たな動きが出てきました。

集まったのは、ヘアデザイナー、メイクアップアーティスト、そしてカラーセラピスト、3人のスキルを組み合わせてより良い美容サービスのかたちを試します。

このように一つのスキルだけでなく、様々なスキルを組み合わせることによって、その相乗効果により依頼者はこれまでにない満足感を得られるのです。

 

一方、こうしたシェアリングサービスを受けて、大切なモノが壊されたなどの被害を受ける心配があります。

そうした場合、全額カバーしてくれる利用規約になっている仲介サービス業者もあるといいます。

同様に、オークションサイトでの買い物でも購入したモノが届かないというリスクがあります。

こうした場合も、仲介サービス業者によっては全額返金してくれる利用規約になっているといいます。

ですから、シェアリングサービスを受けたり、オークションサイトでの買い物にあたっては、念のためこうした観点から利用規約をしっかり確認しておくことが必要です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、あらためてインターネットが様々なコミュニケーションのツールとして効果的だと思いました。

従来は、個人間で何かを依頼しようとしても友人、知人などその範囲は限られていました。

ところが、インターネットにより今回ご紹介したようなモノやサービスを必要とする側と提供する側とを個人レベルで直接結びつけることが出来、しかもこれまでよりも低価格で提供されるのです。

更には、こうした仲介サイトを通して知り合えた人たちがそれぞれのスキルを組み合わせて新たなサービスを提供出来るというのはとても素晴らしいと仕組みだと思います。

 

ただし、こうしたシェアリングサービスは、スマホを通して行われています。

でも、これからこうしたサービスを最も必要とするのは高齢者の方々だと思います。

一人暮らしの高齢者が何日間も誰とも話すことがなかったという話をよく耳にします。

ですから、こうした高齢者にとっては、こうしたサービスが人と話す機会にもなるし、ボケや認知症の防止にもつながると思います。

ところがその中にはスマホを扱うことに抵抗感を持っておられる方々が少なからずいらっしゃると思います。

ですから、こうしたサービスのインターフェイスとしてスマホの使い易さの向上や新たなより使いやすいツールの提供が求められると思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月21日
アイデアよもやま話 No.3422 “ちょい高”商品が売れる理由から見えてくること!

4月10日(日)放送の「シューイチ」(日本テレビ)で“ちょい高”商品が売れる理由について取り上げていました。

そこで、番組を通して“ちょい高”商品が売れる理由から見えてくることについてお伝えします。

 

衣料専門店チェーンのしまむらが今期の決算を発表しましたが、3期ぶりに経常利益がV字回復を遂げ、来期は更に伸びると予想されています。

その理由について、経済ジャーナリストで作家の渋谷 和宏さんは、次のように分析されています。

これまでしまむらの強さは安さだったのですが、今回の復活の原動力の一つとなったのは、これまでとは180度異なり“ちょい高”商品のヒット、つまりこれまでよりも高い商品を出したことだといいます。

例えば、これまでのしまむらのパンツの中心価格は1900円ですが、今ヒットしているのはそれより1000円高い2900円の“サラッと快適”な汗でベタつきにくい素材を使っており、ヒンヤリ感じられる加工がされているパンツなのです。

また、既に販売は終えていますが、冬物で裏地に高密度の起毛を使った“裏地あったか”パンツ、3900円も大ヒットしたといいます。

 

しまむら以外にも“ちょい高”でヒットしている商品があります。

例えば、小規模な醸造所で製法や味にこだわって作られたクラフトビール(価格は普通のビールの3倍ほど)、高級レトルトカレー、あるいはフレームにべっ甲などの高級素材を使ったメガネなどが売れているといいます。

 

こうした“ちょい高”商品が売れる理由について、2つあると渋谷さんは分析されています。

一つは“節約疲れ”です。

もう一つはこつこつ節約してきた結果、日本人はお金持ちになっているということです。

個人の持っている金融資産総額(日銀発表)が1741兆円(2015年12月末)で過去最高というのです。

 

こうした“節約疲れ”、そして蓄えが少し増えたことの2つが多少高くても欲しい商品を買いたいという潜在的な欲求を満たすことにつながったというわけです。

更に、消費動向は“安さ納得消費”から“価値納得消費”へと変化しているといいます。

つまり、品質や他にない特徴、機能など価格以上、あるいは価格と同等の価値があると納得すれば購入するということです。

つまり、企業が上手に消費者を説得してあげれば多少高い商品でも手を伸ばすという動きが出て来ているというのです。

 

このように、価値と価格のバランスが重要ということですが、このバランスの取り方は難しいといいます。

このバランスの取り方が非常にうまかったのがカジュアル衣料品大手のユニクロだったのです。

ところが、3月の国内の既存店の来客数は前年同月比で8.6%も減ってしまいました。

その理由は、2014年以降円安で原材料の輸入コストが上がり、それを反映させて2回値上げした結果、バランスが崩れてしまったことにあるというのです。

 

ということで、業績絶好調企業には消費者が納得を得る秘訣があると渋谷さんは結論付けています。

 

今、全体的に個人消費は低迷しており、その大きな理由は消費増税と言われていますが、それだけではなくて、買い物を楽しみたい“節約疲れ”をしている消費者をまだ企業が納得させていないということもあるのではないかというのです。

 

こうした観点からすると、家具雑貨専門店の大手で業績好調が続いているニトリのキャッチフレーズ「お値段以上ニトリ」はまことに的を射ています。

 

以上、番組のご紹介をしてきましたが、私が特に注目したいのは個人の持っている金融資産総額(2015年12月末)が過去最高という事実です。

今、格差拡大に注目が集まっていますが、金融資産総額が増えているということは潜在需要の総額も増えていることを意味しています。

 

経済の原動力の源は需要です。

需要があるからこそその需要に応える商品やサービスを提供する企業が存続出来るのです。

しかし、その需要は消費者の生活レベルに応じて変化していきます。

生活物資の不足している発展途上国の需要の主な決定要因は“低価格”です。

しかし、生活物資の一通り普及した先進国の需要の主な決定要因は今回ご紹介したような“消費者による価値納得”へと変化していきます。

ですから、当然発展途上国の経済成長率は生活物資一般が一通り行きわたるまで高い推移が続きます。

しかし、生活物資一般が一通り行きわたった先進国では、低価格商品が作ったそばから売れていく状況とは一変して、消費者が価値を納得してくれる商品を提供しなければ商品は売れないのです。

 

このように見てくると、今先進国の置かれている状況が見えてきます。

世界的に金利が下がっています。

日本でも日銀が経済成長を支援するために歴史的な低金利政策を実施していますが、期待するほどの効果が出ていません、

その理由は、生活物資一般を既に揃えている一般消費者が更に買いたいと思うような商品やサービスが企業から提供されることが少なくなっていることにあると思います。

一方で、生活物資一般を既に行きわたっている中で、“消費者による価値納得”商品を提供し続けることは企業にとってとても大変なことです。

ですから、特に先進国相手のビジネスを展開する企業にとって、消費者の潜在的な欲求に寄り添った商品やサービスを提供するためのアイデアこそが企業存続の決定要因だと思うのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月20日
アイデアよもやま話 No.3421 カーテン不要の“未来の窓”!

4月6日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でカーテン不要の未来の窓について取り上げていたのでご紹介します。

 

新たな技術が公開されたYKK AP 体感ショールーム(東京都港区)では“未来の窓”を体感出来ます。

スマホの画面にタッチするように手を触れると、外の天気だけでなく、紫外線、PM2.5、花粉などの情報を教えてくれます。

驚くのは、カーテンの画像を映し出したり、レコードを映し出してスクラッチの体験も出来るのです。

 

その仕組みですが、サッシの部分にセンサーが取り付けられていて、手の動きや位置を感知しています。

窓の部分には液晶テレビと同じ透明なディスプレーが使われていて、インターネットとつなぐことで映像を映しています。

更に、窓に触れなくても上下左右に窓を開けることが出来ます。

また、掃除をするとほこりを感知して自動で左右に窓が開き、部屋を換気してくれる時代が来ると考えられています。

なお、この“未来の窓”、商品名は「M.W.」(ムー)で価格・販売時期は未定といいます。

YKK APの東 克紀事業開発部長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「窓を変えるだけで部屋の快適性は上がっていくわけですよね。」

「それにもっと気付いていただきたいっていうのが僕の気持ちなんですけども、それを気付かせるためにこのような取り組みもしていると。」

 

実用化に向けては様々な課題をクリアしなければならないですが、10年後の2026年には世に出したいといいます。

 

窓でテレビを見たいとは思いませんが、その日の気分でカーテンを変えたり、自動で換気をしてくれたり、あるいは季節によって窓から入ってくる太陽光を調整出来れば冷暖房の省エネ効果が大いに期待出来ます。

こうした機能の窓が実用化されたら、価格にもよりますが是非購入したいと思います。

 

ということで、今回ご紹介した“未来の窓”もIoT(Internet of Things)の一例と言えます。

窓以外にも普段気にかけないような床や壁、天井などもイメージを膨らませていけば、IoTの観点から思わぬ付加価値を見出すことが出来ると思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月19日
No.3412 ちょっと一休み その546 『気になる超未来の地球とは その4 大宇宙を放浪する地球』

誰でも超未来の地球とはどんな状態になっているかとても気になると思います。

そうした中、3月17日(木)放送の「コズミック フロント☆NEXT」(NHKBSプレミアム)のテーマは「地球 超未来への旅」でしたので6回にわたってご紹介します。

4回目は、大宇宙を放浪する地球についてです。

 

太陽の支配を逃れた場合の地球の超未来ですが、最新の研究ではなんと地球は大宇宙を放浪することもあるといいます。

地球の運命は突然変わるかもしれない、そんな衝撃的な研究が2015年に発表されました。

アメリカ、ロチェスター大学のエリック・ママジック博士は、ある星を観測中、奇妙なことに気付きました。

地球から20光年ほどと比較的近くにあるショルツ星と言われている、天の川の中にある小さく暗い星です。

ママジックさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ショルツ星は見かけの動きがほとんどないため、過去に何度も観測されているにも係わらず、誰も近くにあることに気付きませんでした。」

「通常、近くの星が1年間に動く角度は千分の一度ほどです。」

「ところが、ショルツ星はほとんど動いていません。」

「近くの星なのにどうして動いて見えないのか疑問に思いました。」

 

夜空に輝いて見える星は、一見すると止まっているように見えます。

ところが、実際には高速で動いているため近くの星ほど大きく動いて見えます。

ショルツ星は20光年という近さにも係らず、ほとんど動いて見えませんでした。

これはいったい何を意味するのでしょうか。

ママジックさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「全ての星は銀河の中を動いています。」

「この星のように止まって見えるということは、私たちに向かって真っすぐ近づいているか、あるいは遠ざかっているかのどちらかを意味しています。」

 

ママジックさんは、分析によって秒速80kmで地球からまっすぐ遠ざかっていることを割り出しました。

更に動きを逆算したところ、なんと7万年前に太陽系の端をかすめるように通過していたことが分かったのです。

太陽系の端には無数の氷の小天体の集まり、オールトの雲があります。

雲のように広がっていると考えられることからこう呼ばれます。

7万年前、ショルツ星がオールトの雲に突入しました。

太陽から0.8光年という近くを通過したのです。

オールトの雲は大きくかき乱されたはずです。

中には、遠くへ飛ばされたものもあったかもしれません。

太陽系に別の星が侵入したという大事件でした。

 

7万年前というとかなり昔の出来事のように思えますが、宇宙ではほんのわずかな時間です。

つまり、再び太陽系の近くを別の星が通過する可能性は否定出来ません。

もし、地球のすぐ近くを通過するなら、地球は太陽から引き離される可能性があります。

こうした恒星から離れ、宇宙空間を漂う惑星は“浮遊惑星”と呼ばれています。

ママジックさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「これまで45億年もの間、幸運にも地球の軌道を乱すほど接近した星はありませんでした。」

「でもこの先、太陽が燃え尽きるまでにはこうしたことが起きる可能性は十分あると思います。」

 

“浮遊惑星”は21世紀に入ってからいくつも発見されています。

2003年にNASAが打ち上げたスピッツァー宇宙望遠鏡は、赤外線を捉えるカメラを搭載し、天体の温度が低くても観測することが出来ます。

2014年、ペンシルバニア州立大学のケビン・ルーマン教授は“浮遊惑星”の可能性のある天体、WISE 0855−0714を発見しました。

観測データを分析したところ、天体までの距離はわずか7光年、表面温度はおよそマイナス20℃であることが分かりました。

ルーマンさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「惑星が恒星の近くからはじき出されて宇宙空間をさまようことは決して珍しいことではありません。」

「銀河系の中には、こうした“浮遊惑星”がおそらく何十億も存在していることでしょう。」

 

もし地球が宇宙をさまよう“浮遊惑星”になったとしたら、どんなことが起きるのでしょうか。

一面凍り付いた地表、気温はマイナス200℃です。

雨が降り始めました。

液体窒素の雨です。

窒素の雨はやがて雪になり、溶けることなく積もり続けます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

これまで45億年もの間、地球の軌道を乱すほど接近した星はありませんでしたが、太陽が燃え尽きるまでにはこうしたことが起きる可能性は十分あるといいます。

そして、もし地球が宇宙をさまよう“浮遊惑星”になったとしたら、一面凍り付いた地表、気温はマイナス200℃の世界と予測されています。

現在、人類は地球温暖化問題に直面していますが、真逆な状態です。

地球が宇宙をさまよう“浮遊惑星”になる可能性よりも前に地球が氷河期を迎える可能性の方が高いようにも思います。

ですから、超未来のスパンでみれば、人類の存続要件の一つとして気温の高低に左右されない状態での暮らしの維持が求められるのです。

ちなみに、先日放送された映画、「アルマゲドン2014」では小惑星の接近により地球が滅亡の危機を迎えるという、まさに今回ご紹介したような設定の内容でした。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月18日
プロジェクト管理と日常生活 No.441 『ヨーロッパを代表する知性の指摘する課題・リスクとその対応策 その4 強くあるためには懸念材料を持つことが唯一の方法』

3月9日(水)放送の「BS1スペシャル」(NHKBS1)のテーマは「ジャック・アタリが語る 混迷ヨーロッパはどうなるのか?」でした。

統合を理念に掲げて統一を進めてきたヨーロッパは今激震に見舞われています。

中東から押し寄せる難民受け入れをめぐるEU内での意見の対立、ギリシャの経済危機を発端に統一通貨ユーロの問題、テロとの闘いなど、山積する問題に直面しています。

番組では、こうした問題や課題について、経済学者で思想家でもある、ヨーロッパを代表する知性のアタリさんが持論を展開されておりました。

そこで、番組を通して、アタリさんの指摘する課題やリスクとその対応策について4回にわたってご紹介します。

4回目は、強くあるためには懸念材料を持つことが唯一の方法についてです。

 

1回目、2回目とアタリさんが指摘されている世界が直面する課題として、人類のノマド化、および世界の無極化についてご紹介してきました。

そして、3回目では、日本に求められる役割についてご紹介してきました。

今回ご紹介したいのは、ヨーロッパの危機についての質問に対するアタリさんによる次の回答です。

「勿論、懸念が全くなければあまりに楽観的すぎます。」

「強くあるためには懸念材料を持つことが唯一の方法ですから。」

「危険に対し、懸念を持つことは重要です。」

危機に恐れを感じなければ、危機を排除するために十分な戦いをすることが出来ないのです。」

 

以上の発言から、アタリさんもこれまで何度となくお伝えしてきたリスク管理をとても重要視されているのです。

通常、何か問題が発生する場合、リスクの兆候が表れます。

その兆候を的確に把握し、リスク対応策を早期に実施すればするほど犠牲を少なくすることが出来るのです。

このことはあらゆることに通用します。

ですから、個人や家庭においても、更には企業や国家間の関係においても的確なリスク管理を実施することによって、リスクの顕在化を防ぐことが出来るのです。

そのためには、リスクに対して絶えず敏感であることが求められるのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月17日
アイデアよもやま話 No.3419 世界の指導者への提言 その2 宇宙旅行の体験!

宇宙飛行士が宇宙から帰還すると、人生観が変わったという話をよく聞きます。

ですから、宇宙旅行がある程度普及して世界中の誰もが宇宙旅行が出来るようになれば、自ずと地球や人類に対する愛おしさ、そして平和の大切さを実感し、戦争勃発リスクが軽減されると思います。

宇宙旅行が出来ないまでも、以前ご紹介した宇宙エレベーターが実現されれば、安全に宇宙から地球全体を眺めることが出来るようになります。

ですから、前回お伝えした世界の指導者への提言、広島や長崎の訪問と合わせて、世界の指導者の多くが宇宙から地球全体を眺めることによって、戦争の愚かさを悟っていただきたいと願います。

そのためにも、最も安全に宇宙体験が出来ると思われる宇宙エレベーターの実現、および普及に取り組んでいただきたいと思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月16日
アイデアよもやま話 No.3418 世界の指導者への提言 その1 被爆地、ヒロシマの訪問!

アメリカのオバマ大統領は「核なき世界」に向けた国際社会への働きかけを評価されて、2009年度のノーベル平和賞を受賞されました。

5月27日、そのオバマ大統領がアメリカ大統領として初めて原爆被爆地、広島を訪問されたことは、そこに至る紆余曲折はあったものの、当然の帰結だと思います。

原爆投下に対する謝罪はされなかったということですが、核兵器保有大国であるアメリカの現職大統領が広島、中でも平和記念資料館を見学されたということ自体に大きな意味があったと思います。

というのは、平和記念資料館には誰もが目を覆うような原爆の悲惨さを否応なく実感するような圧倒的な展示物に接することが出来るからです。

まさに“百聞は一見に如かず”です。

ただ、残念ながら今回のオバマ大統領の平和記念資料館での滞在時間が数分程度であったことです。

ですから、オバマ大統領には大統領退任後も是非プライベートでじっくりと見学に再度お出でいただきたいと思います。

 

核兵器は間違いなく人類の存続を危ぶむものです。

以前、プロジェクト管理と日常生活 No.391 『核兵器禁止条約は人類存続の究極のリスク対応策』でお伝えしたように、2014年1月、ストックホルム国際平和研究所の発表によると、世界の核弾頭数は少なくとも16,300発で、そのうちロシア8,000、アメリカ7,300で米ロ2国だけで全体の約94%を占めています。

その他にフランス300、中国250、イギリス225などとなっています。

ですから、万一これらの国々を含めた世界各国が2つの陣営に分かれて核兵器を使用する世界大戦に突入するようなことがあれば、ほぼ間違いなく人類は滅亡してしまうのです。

どちらかの陣営が生き残ればまだしも、一方の陣営から核弾頭が発射されれば、相手陣営からの報復があるからです。

私たち人類はあまりにも破壊力の大きい兵器を開発してしまい、しかもその保有量の持つ威力は地球を破壊してしまうほどであるがために、今や自らの存続を危うくするような事態に陥ってしまっているのです。

一方では、プロジェクト管理と日常生活 No.439 『ヨーロッパを代表する知性の指摘する課題・リスクとその対応策 その2 無極化』でもお伝えしたように、国際社会は無極化状態化が進んでいます。

しかも、最近の中国やロシアによる武力を背景とした領土拡大を巡るキナ臭い動きは一触即発のきっかけになる可能性を高めております。

ですから、今回のオバマ大統領の広島訪問をきっかけに、国連の方針として、各国のリーダークラスの方々には、被爆地である広島、あるいは長崎への訪問を義務付けるようにして欲しいと思います。

同時に、日本政府には広島、あるいは長崎で毎年“核兵器廃絶シンポジウム”の開催を国連に働きかけて欲しいと思います。

そして、参加者には是非とも平和記念資料館を見学して欲しいと思います。


そうした中、望ましい動きがありましたのでご紹介します。
広島で4月10日、11日と2日間にわたってG7(先進7ヵ国の外相会議)が開催されました。
アメリカのケリー国務長官も参加し、アメリカの現役閣僚として初めて被爆地、広島を訪問しました。
そして、ケリー長官の提案で、各国の外相は当初予定になかった中で、急きょ平和記念資料館を参観し、平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に献花しました。
アメリカの現職閣僚が被爆地で犠牲者を追悼するのはこれが初めてでした。
また、G7として初めて世界の政治指導者らに被爆地訪問を呼びかける広島宣言を取りまとめました。
実はこの時、ケリー長官はオバマ大統領の広島訪問についても公の場で触れていたのです。


今や、広島や長崎に投下された原爆に比べようのないほどの威力のある核兵器が開発されており、核保有国は複数の国にまたがっております。
ですから、いざ核戦争が勃発すれば、かつてのように相手国のみに壊滅的な打撃を加えることが出来るような戦争はあり得ず、自国も同様の被害を受けてしまうことを覚悟しなければなりません。
皮肉なことに、このことが核兵器の保有が核戦争の抑止力となり得ると考えられている所以なのです。


繰り返しになりますが、核兵器は間違いなく人類の存続を危ぶむものです。
ですので、世界各国のリーダーの方々には、広島、あるいは長崎の訪問をきっかけに核兵器の恐ろしさを実感していただきたいのです。
資料館の展示物を実際に自分の目で見て、万一核戦争が勃発すれば間違いなく自分の親族も同じような目に遭うと実感出来れば、誰しも“核兵器廃絶”に向けて動かざるを得なくなると思うのです。 



 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月15日
アイデアよもやま話 No.3417 タンパク質のみで体内を再生!?

前回、iPS細胞で皮膚まるごと再生のマウスによる実験成功についてお伝えしましたが、今回は6月5日(日)放送の「未来の起源」(TBSテレビ)でタンパク質のみで体内を再生する材料を開発したと報じられていたのでご紹介します。

 

東京工業大学生命理工学院・生命理工学系研究室で水口 佳紀さん(25歳)は新たな再生医療の研究に取り組んでおられます。

その水口さんがタンパク質のみで体内を再生する材料を開発しました。

水口さんたちが開発したタンパク質は人の体温でゼリー状に固まります。

これまでも同じような研究が進められてきましたが、副作用が起きたり、上手く再生出来ないものばかりでした。

しかし、今回の開発で細胞の成長や働きを高めるための足場として効果があるといいます。

この新材料を損傷した組織や臓器に向かって注入することによってゼリー状に固まり、元の細胞がうまく生体に馴染むように再生するといいます。

更に、このタンパク質に必要な細胞を組み合わせて注射すると神経や皮膚などが作られるのです。

 

ということで、これまで解決出来なかった難病の新たな治療法の確立が出来る可能性があると水口さんは考えています。

そんな水口さんの研究の原動力は、病気ゼロの社会を構築することだといいます。

 

今、再生医療と言えば、iPS細胞に注目が集まっているようですが、今回ご紹介したタンパク質の新材料も新たな治療法として大いに期待出来そうです。

 

これまで何度となく繰り返しお伝えしてきたように、アイデアは存在し、発見するものなのです。

そして、アイデアは無限に存在するのです。

ですから、これは凄いと思えるような発明でも、いずれはそれを更に超えるような発明が次々に発見されていくのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月14日
アイデアよもやま話 No.3416 iPS細胞で皮膚まるごと再生!

髪の毛が薄くなり、悩んでいる男性は少なからずいらっしゃるといると思います。

そして、これまで何度となくお伝えしてきたiPS細胞による再生医療技術がその悩みを解決してくれるのではないかと密かに期待されている方もいらっしゃると思います。

そうした中、4月2日(土)付けの朝日新聞ネットニュースで朗報記事を目にしたのでご紹介します。

 

マウスのiPS細胞を使い、毛を生み出す「毛包(もうほう)」や皮脂腺などを含む皮膚全体をまとめて再生することに成功した、と理化学研究所(理研)などのチームが発表しました。

やけどや重度の脱毛症などの治療に役立つ可能性があるといいます。


皮膚は表皮や真皮などの層状になっていて、毛包、皮脂腺、汗腺などが含まれます。

ヒトの皮膚から表皮のみを培養してやけどの治療に使う再生医療製品はありますが、複雑な構造をした皮膚全体をまとめて再生したのは初めてといいます。

理研多細胞システム形成研究センター(CDB)の辻孝チームリーダーは「ヒトのiPS細胞でも同様に皮膚をまとめて再生することは可能だろう」といいます。

 

ということで、今回の実験結果の延長線上で考えると、いずれ植毛技術やカツラなどに頼らなくても頭皮全体をまとめて再生することにより、やけどや重度の脱毛症の方のみならず薄毛の方もその悩みから解放される時代の到来が期待出来そうです。

 

なお、6月7日(火)付けネットニュースによると、理化学研究所などは、iPS細胞から作った網膜細胞の移植手術について、他人のiPS細胞を使った治療を目指すと発表しました。

2017年前半には、手術を行いたいとしているといいますから、実用化はすぐそこまで近づいているのです。

 

このように、iPS細胞関連の再生医療技術は様々な人体の部位を対象に研究が進められているのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月13日
アイデアよもやま話 No.3415 参考にすべきアグネス流教育法!

かつてのアイドル、歌手・タレントのアグネス・チャンさんによる「子連れ出勤」の是非をめぐる論争があり、1988年の新語・流行語大賞では、「アグネス論争」が流行語部門・大衆賞を受賞しました。

この「アグネス論争」を記憶されている方もいらっしゃると思います。

そうした中、3月28日(月)放送の「白熱ライブ ビビット」(TBSテレビ)でこのアグネスさんの教育法について取り上げていたのでご紹介します。

 

アグネスさんは、子どもが小さい頃、常に職場に子どもを連れてきたといいます。

その理由について、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「1歳半までは、子どもをそばに置いて育てたいと思ってたんですね。」

「というのは、1歳半まで子どもは初めて経験することが多いんです。」

「例えば首がすわったとか、寝返りしたとか。」

「だから特定の人間がずっとそばにいてあげて、眠かったら寝かしてくれる、お腹が減ったら食べさせてくれる、そういうような信頼できる人物がとても必要なんですね。」

 

(もう一つの理由について)

「大人の会話の中に子どもたちを入れるんですね。」

「子どもだから黙ってろっていうことはやらない。」

「それによって聴く耳も育てられるし、表現力も考えをまとめる力も育てられるので、子どもたちが小さい頃からTPO(時と場所と場合)を守れるようになったんですね。」

 

以上を要約すると次のようになります。

1.常に一緒にいて信頼関係を作る

2.大人の会話に入れ、マナーを体で覚えさせる

 

このように、アグネスさんは世間から批判されても子連れ出勤を続け、自己流の子育てを貫き通したのです。

 

その後1989年、スタンフォード大に留学し、大学に子どもを連れていくなど、ここでも常に子どものそばにいることを大事にしました。

この時のことについて、アグネスさんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(大学に)連れてって、キャンパスの中で預けるところがあるんです。」

「で、授業の間におっぱいをやりにいって、また預けて次の授業に。」

「夜の授業になると、(子どもを)連れていってもいいって言われて、その時結構惚れ込みました、いい大学だなって。」

「自由だし、いろんな人を受け入れてくれる、これ未来系の大学だなって思って。」

 

やがて、アグネスさんはスタンフォード大学院で1994年に教育学博士号を修得し、学んだ学習法を3人の息子たちに実践しました。

その結果、息子3人は共に世界トップクラスのスタンフォード大学に合格したのです。

 

そんなアグネスさんに、番組では町のママたちが持つ子育ての2大お悩みをぶつけてみました。

(親が黙ってても子どもが自分から率先して勉強してくれる方法についての問いに対して)

「1番大切なことは、文字を好きになる子にしたいと思ったの。」

「字を読みたい子にしたい。」

「絵本を読みました。」

「ただ本を読んであげるだけでなく、パパのところに絵本の物語を説明させる。」

「理解出来なければ説明出来ないから、どのくらい理解しているかチェック出来るんですね。」

「説明出来る、頭の中にいろんなことをまとめる練習にもなるんですね。」

 

(苦手分野の克服方法について)

「苦手な科目をやらせるよりは、得意な科目をとことん伸ばす。」

「そうすると、自信が付くんですよ。」

「で、勉強する習慣も付くから他に得意じゃない分野も付いてくるんですよ。」

 

以上を要約すると次のようになります。

1.文字を好きにさせること

   絵本を読み聞かせた後、本の内容を知らないお父さんに説明させる

   一から説明することがプレゼンテーションの訓練になる

2.苦手な科目は放っておき、得意な分野を好きなだけ学習させること

   得意な科目を勉強することで自信が付き、気持ちに余裕が出来て苦手な科目を自分から手を付けるようになる

 

ちなみに、「アグネス論争」は当時アメリカでもちょっとした話題になり、スタンフォード大学のある教授がうちの大学で勉強しないかとアグネスさんに勧めたことがアグネスさんの留学につながったといいます。

 

また、子どもの反抗期に親は悩まされますが、アグネスさんはそもそも子どもの反抗期は存在しないと考えているといいます。

息子さんが9歳くらいになった時、アグネスさんは次のように言い聞かせたといいます。

「ちょっとイライラすることがあったら、それはホルモンのせいだよ。」

「子どもが思春期に入ることによって男性ホルモン、女性ホルモンのバランスでイライラするだけで、あなたが悪いわけでもない、親が悪いわけでもない。」

「だから、反抗期というものはないんだよ。」

 

このように息子さんを諭すことによって、3人とも反抗期はなかったといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

反抗期についての息子さんへの説明は、全ての子どもたちに有効かどうか分かりませんが、アグネスさんの教育法はとても理に適っていると思います。

特に、少子化対策の一環として、子育て中のお母さん方が安心して仕事の出来る環境として、お母さん方が働いているすぐそばに子どもを預けられることはお母さん方にとっても子どもにとっても安心出来ます。

 

一方で、子どもの鳴き声など騒がしい声は周りで働く人たちの集中力の妨げになります。

ですから、こうした周りへの配慮に対しての工夫を凝らしながらも、子連れ出勤以外にもフレックスタイムや在宅勤務の導入など、安心して子育て出来る環境作りが少子化対策の一環としてとても重要だと思うのです。

いくら国が少子化を問題視しても、夫婦が安心して子育て出来るような環境が整備されていなければ、少子化問題の根本的な解決にはつながらないのです。

 

また、アグネスさんの実践された本の読み聞かせは、自分の頭で考えることの出来る大人へと成長させるうえでとても理に適っていると思います。

今後ともAI(人工知能)やロボットの普及に伴い、私たち人間のやるべき仕事の分野は否応なくどんどん頭脳労働へとシフトしていくからです。

そうした状況では、自分で考える発想力がとても重要になっていくのです。

 

なお、プロジェクト管理と日常生活 No.440 『ヨーロッパを代表する知性の指摘する課題・リスクとその対応策 その3 日本に求められる役割』でもお伝えしたように、日本の少子高齢化問題について、経済学者で思想家でもある、ヨーロッパを代表する知性のジャック・アタリさんは以下のようにおっしゃっています。

「日本で高齢化社会が進むならそれは自殺行為です。」

「大国としての地位を維持出来なくなります。」

「日本は人口バランスを安定させるべきです。」

 

ですから、今を生きる私たち日本の大人たちは次の世代、あるいはその次の世代のためにも、政府にばかり頼らず、もっともっと少子高齢化問題に真剣に取り組む必要があると思うのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月12日
No.3414 ちょっと一休み その546 『気になる超未来の地球とは その3 地球の運命の分かれ道』

誰でも超未来の地球とはどんな状態になっているかとても気になると思います。

そうした中、3月17日(木)放送の「コズミック フロント☆NEXT」(NHKBSプレミアム)のテーマは「地球 超未来への旅」でしたので6回にわたってご紹介します。

3回目は、地球の運命の分かれ道についてです。

 

現在、45億歳と考えられている私たちの地球、現在運命の分かれ道が持っているといいます。

前回、28億年後までの地球の未来予測についてご紹介しましたが、更にその後地球はどうなるのか、最新の研究から地球の壮絶な未来が分かってきました。

メキシコ・グアナファト大学のクラウス・ペーター・シュレーダー博士はシミュレーションによって更にその後の地球と太陽の姿を予測しました。

シュレーダーさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「50億年後、太陽における水素の核融合は終わりに近づきます。」

「すると、内部の構造に大きな変化が表れます。」

 

太陽で水素原子が核融合を繰り返すと、内部で大量のヘリウムが作られていきます。

ヘリウムは水素より重いため、中心部に沈み込み集まっていきます。

ヘリウムは密度が高くなるため高温となり、周りにある水素の核融合を促進させます。

内部の温度は更に上昇、その熱がガスを外側へ押し出すため太陽は大きく膨張します。

これが年老いた太陽の姿です。

 

太陽が年老いて巨大化すると、地球はどうなるのでしょうか。

シュレーダーさんは、太陽の大きさと地球の軌道の半径を計算しました。

今から76億年後をシミュレーションした結果、太陽が地球軌道に迫ってくることが分かりました。

そして、太陽が地球軌道の5分の4までに大きくなった時、地球は太陽に吸い込まれるように落ちていくことが分かりました。

太陽の表面温度はおよそ3000℃、地球はまさに吸い込まれようとしています。

しかし、地球は太陽の中に入ってもすぐに蒸発することはないとシュレーダーさんは考えており、次のようにおっしゃっています。

「地球は密度が高いため、太陽に飲み込まれても5万年くらいは中でグルグル回り続けるでしょう。」

「その時の様子は長い尾を持つ彗星のように見えるでしょう、」

「表面の岩石が太陽の熱で蒸発し、そのガスが長い尾を作るからです。」

「まさに太陽の中の不思議な彗星、これまで見たこともない光景です。」

 

太陽の中で尾を引きながら燃えていく地球、これはまるで彗星のようです。

これがシュレーダーさんが考える地球の未来の姿です。

 

一方で、地球は膨張する太陽から逃れられると考えている研究者もいます。

星の最後について研究を続けているワシントン大学のブルース・バリック名誉教授です。

バリックさんは、星がその一生を終える時、大量のガスを噴き出すことに注目しています。

年老いて巨大化した太陽は、重力でガスを留めることが出来なくなるため、大量のガスを宇宙空間に放出します。

すると太陽はガスを放出した分だけ軽くなり、地球を引き込む重力も弱まり、地球の軌道は現在の位置より外に移動するというのです。

バリックさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「太陽が巨大になって迫ってきますが、地球はギリギリのところで逃げられるでしょう。」

 

バリックさんの考える60億年後の世界は以下の通りです。

巨大化した太陽は、大量のガスをまき散らしながらいよいよ地球に迫ってきます。

しかしこの時、地球が太陽から遠ざかり始めます。

太陽の重力が少しだけ弱まったからです。

地球はギリギリで逃れることが出来るというのです。

 

果たして地球は太陽に飲み込まれるのか、それとも逃れることが出来るのか、今最新の望遠鏡からその答えを見つけ出す研究が進められています。

南米、チリの66台のパラボラアンテナから構成されているアルマ望遠鏡です。

同時に観測することで巨大なパラボラアンテナとなり、遠くのガスの分布を鮮明な画像として捉えることが出来ます。

観測したのは、年老いた星、ちょうこくしつ座R星です。

可視光では赤い星に見えますが、アルマ望遠鏡で見ると不思議な渦巻き模様が現れました。

星から放出されたガスです。

渦巻きの大きさは直径0.2光年、年老いた星でこのような模様が観測されたのは初めてです。

観測を行ったスウェーデンのチャルマース工科大学のマティアス・メーカー博士は、この画像から年老いた星の振る舞いを読み解こうとしています。

メーカーさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「渦巻き模様を調べれば、年老いた星がどれくらいの勢いでガスを噴き出しているか正確に見積もることが出来ます。」

「観測で分かったのは、星は一生の最後、予想よりはるかに激しくガスを放出していたということでした。」

 

メーカーさんは、この渦巻き模様に注目し、ガスの放出量を計算しました。

実は、この星のすぐそばに小さな天体が存在しています。

小さな天体は放出されたガスをかき分けながら星の周りを公転、通り過ぎた後はガスが薄くなるため濃淡のムラが生じます。

このムラが中心から広がった渦巻き模様として現れていたのです。

メーカーさんは、見えない天体が一周する時間を割り出し、年老いた星が放出するガスの量を計算で導き出しました。

メーカーさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「年老いた星がどれくらいのペースでガスを放出するかという情報は地球の運命を予測するうえで極めて重要です。」

「現時点ではまだ決着していませんが、多くの研究者は地球は太陽に飲み込まれないと考えています。」

「更にデータを増やし、どのくらいのペースでガスを放出するかが詳しく分かるようになれば太陽の今後を予測することが出来ます。」

「そうすれば、地球がどんな運命をたどるのか正確に分かるはずです。」

 

地球の運命、それは太陽のガスの放出量の違いにかかっているのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

76億年後に太陽が地球軌道に迫ってくるのか、あるいは60億年後に地球が太陽から遠ざかり始めるのか、とても興味が湧きます。

しかし、そもそもこの超未来の時代に人類が存続しているのかどうか甚だ疑問です。

それでも何十億年後かの地球上に生物が生存しているとすれば、ざっと40億年前に誕生した単細胞生物から現在の人類まで進化してきたように、今の人類からいくつもの生物間の進化を遂げているはずです。

それがどんな生物なのかとても想像出来ませんが、もし地球が太陽に飲み込まれるような状況であれば、どこか他の惑星に移住しているか、あるいは文字通り宇宙船地球号として宇宙をさ迷っているかもしれません。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月11日
プロジェクト管理と日常生活 No.440 『ヨーロッパを代表する知性の指摘する課題・リスクとその対応策 その3 日本に求められる役割』

3月9日(水)放送の「BS1スペシャル」(NHKBS1)のテーマは「ジャック・アタリが語る 混迷ヨーロッパはどうなるのか?」でした。

統合を理念に掲げて統一を進めてきたヨーロッパは今激震に見舞われています。

中東から押し寄せる難民受け入れをめぐるEU内での意見の対立、ギリシャの経済危機を発端に統一通貨ユーロの問題、テロとの闘いなど、山積する問題に直面しています。

番組では、こうした問題や課題について、経済学者で思想家でもある、ヨーロッパを代表する知性のアタリさんが持論を展開されておりました。

そこで、番組を通して、アタリさんの指摘する課題やリスクとその対応策について4回にわたってご紹介します。

3回目は、日本に求められる役割についてです。

 

1回目、2回目とアタリさんが指摘されている世界が直面する課題として、人類のノマド化、および世界の無極化についてご紹介してきました。

アタリさんは、こうした国際情勢の中で、日本にはどのような役割が求められるかについて、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「日本が太平洋地域における大国であることを私たちは望んでいます。」

「環境問題やテクノロジーなど、国際的な課題に自国の見解をもっと反映させて下さい。」

「日本はナノテク、バイオテクなど多くの分野で最先端の国ですから。」

「いずれにしても、日本は地域の平和にとって欠かせない存在です。」

「中国との真の平和を追求することが求められます。」

「私は中国と日本の関係に大きな懸念を持っています。」

「真の平和が必要です。」

「我々の例でいえば、フランスは謝罪し、ドイツも謝罪しました。」

「今では両国は緊密な同盟国です。」

「世界平和の礎です。」

「日中両国も真の平和を目指すべきです。」

「指導者だけでなく、国民のレベルでのことです。」

「人口問題の解決も必要です。」

「もし日本で高齢化社会が進むならそれは自殺行為です。」

「大国としての地位を維持出来なくなります。」

「日本は人口バランスを安定させるべきです。」

 

以上のお話を以下にまとめてみました。

・少子高齢化の解消による太平洋地域における大国としての地位の維持

・最先端技術を通した世界貢献

・中国との真の平和の追求

 

特に中国との関係においては、前回もお伝えしたように、あらゆる方面を通してのより多くの国民通しの交流を通した理解を深めていけば、必ず日中間の平和は実現出来るはずです。

なぜならば、私が横浜中華街で太極拳を通して接する中国の方々は、私たちと同様に皆さん家族を愛しているからです。

戦争になれば、お互いの国の家族を傷つけあうことになります。

相互の交流が深まれば、お互いに相手国の人たちを傷つけあう戦争を何とか回避する対応策を見つけ出せるはずだと思うのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月10日
アイデアよもやま話 No.3413 舛添都知事の政治資金支出にみる政治家のあり方!

舛添都知事による政治資金支出を巡ってここ最近、連日報道が続いています。

そこで今回は、この事件を通して政治家のあり方について私の思うところをお伝えします。

 

まず、今回の事件について、一連の報道記事を通して最近明らかになっていることをざっと以下にまとめてみました。

 

6月6日に舛添都知事は都庁で会見し、政治資金流用疑惑の調査結果を公表しました。

一部の支出が不適切と指摘されたものの、違法性はないとして舛添都知事は続投する考えを示しました。

調査を行った弁護士は、政治資金からの支出について、会見の場で以下のように説明しました。

・千葉の温泉施設などホテルの宿泊代6件で約80万円

  主な目的は家族旅行

・自宅近くの飲食代14件で約33万円

  家族との飲食だった可能性が高い

・書籍の購入24冊

  漫画やミステリー小説など

・美術品の購入106点で約315万円

  版画や浮世絵など

 

そして、こうした総額約440万円の支出について、不適切だったと指摘しましたが、全ての支出について「違法性はない」としました。

 

この調査結果に対して、舛添都知事は不適切とされた支出は返金する意向を示し、公用車の利用が問題視されていた神奈川県湯河原町の別荘は売却すると述べました。

また、「自分に甘く、他人には厳しい」、「公私混同」など都民からの批判を受けていることに対して、舛添都知事は「真摯に反省する」としたうえで、「生まれ変わった気持ちで都政に尽くす」と述べ、続投する考えを示しました。

 

また、東京都議会での7日の代表質問、8日の一般質問においても舛添都知事の答弁はこれまでの説明内容の域を超えておらず、これまでの基本姿勢を貫いていました。

 

以上、今回の事件について6日から8日までの動きについてざっとご紹介してきました。

そもそも法律には前提があります。

それは、その時代時代、あるいはそれぞれの国民の風習や人々の常識です。

そして、法律はこうした言わば民度のレベルに応じて構築されているのです。

ですから、今回のように政治資金の支出についても、先にご紹介した家族旅行などの例は仮に違法ではなくても一般常識すれば明らかにあり得ないのです。

都民ならず、多くの国民が今回の件で舛添都知事の行為を非難しているのは、違法性云々についてではなく、世間の一般常識に照らして反した舛添都知事による一連の行為についてです。

また、こうした多くの行為から見えてくるのは、単純ミスではなく違法でなければ一般常識から見て不適切であってもやってしまうという舛添都知事の確信犯なものの考え方です。

舛添都知事の基本的な行動パターンは、これまでの自らの出版物の内容、あるいはマスコミに対する発言とは真逆の、“違法行為でなければなんでもあり”であると言わざるを得ません。

こうした舛添都知事の“自分に甘く他人には厳しく”というギャップも世間から強い反感も持たれる背景にあると思います。

こうしたことから、今後とも次々に不適切な事例が明るみになってくることは明らかです。

 

ここで特に強調しておきたいことがあります。

それは、舛添都知事がどんなに申し開きをしても、その裏に確信犯的な“不適切な行為”、そしてあくまでも言い逃れをして都知事の座を降りない、という意図を多くの国民が実感してしまったことです。

政治にとって最も大事な“国民との信頼関係”が完全に失われてしまった以上、舛添都知事の取るべき選択肢は明らかなのです。

 

地方自治体の中でも、日本の顔とも言える首都、東京の知事がこうした世間の一般常識に反する行為を度重ねて行ってきており、しかも本人はこうした行為について「不適切」ではあっても「違法性」はないとつっぱねて知事の座を守ろうとしているのです。

 

本来であれば、地方自治体の知事や政治家の方々はリーダーとして、法律を守るだけでなく一般常識に照らして行動し、一般国民の鑑とも言える存在でなければならないと思うのです。

それでこそ、国民はこうした方々を信頼し、安心して政治を任せられるのです。

一方、こうしたリーダーが一般国民でも分かり切った常識に反する行為をしたのでは、そのリーダーに対して信頼出来ず、そのリーダーに仕える方々のやる気にも大いに影響を与えてしまいます。

また、今回のような事件がそのまま放置されてしまえば、子どもたちへの影響も計り知れません。

政治家が今回のように違法すれすれの「不適切」な行為を度重ねても反省さえすれば見逃されるような状況では、大人に対して不信感を持ってしまいます。

また、特に政治資金の多くは国民からの税金によって賄われていますので、政治資金の使われ方に対しては国民の厳しい目が常に注がれます。

更には、今回ご紹介したような事件により、法律はどんどん細かい内容へと踏み込んだものになっていってしまいます。

 

ということで、政治家の方々には、リーダーとして一定の成果を残すことも大事ですが、国民の鑑としての資質を身に付けていただきたいと思います。

政治家の方々が“違法行為でなければ何でもあり”という考え方では、世の中はモラルのない殺伐としたものになってしまうのです。

 

最後にお伝えしたいことがあります。

それはマスコミの重要性です。

今回の事件もマスコミによる報道記事がきっかけで舛添都知事の“不適切な支出”が次々に明らかになってきました。

マスコミは私たち一般国民の耳目の代わりになって社会一般の動きを報じてくれます。

そして、一般国民はこうした報道によって世の中の動きを把握することが出来ます。

今回の一件もマスコミによって報じられたからこそ私たちは知ることが出来たのです。

ですから、マスコミによる報道の自由が確保されていること、およびマスコミによる正確な報道は極めて重要なのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月09日
アイデアよもやま話 No.3412 ヨーロッパでの食品廃棄を減らす本格的な取り組み!

これまで、アイデアよもやま話 No.3268 ”食品ロス”への新たな取り組み その4 先進的な取り組みに挑むフードバンク!などでフードバンクについて、また、まだ食べられる食品を捨ててしまう“食品ロス”について何度となくお伝えしてきました。

一方で、今年1月、産業廃棄物業者による廃棄食品のスーパーなどへの横流し問題が国内で発覚しました。

そうした中、3月29日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でヨーロッパでの食品廃棄を減らす本格的な取り組みについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ヨーロッパでは食品の廃棄を減らす本格的な取り組みが始まりました。

フランスは今年、スーパーが売れ残った食品を捨てることを法律で禁止しました。

2月、フランス議会ではスーパーによる食品の廃棄を禁止し、慈善団体への寄付を義務付ける法律が成立しました。

法律に違反した場合は、日本円でおよそ50万円の罰金が科せられる世界初の試みです。

 

スーパーの店内で売れ残った食品を集めるのは貧しい人々に無償で食料を配る非営利団体、フードバンクのボランティアです。

毎朝、各地のスーパーから届けられた食品は大きな倉庫に集められ、生活困窮者などに配られます。

フランスではおよそ200万人がフードバンクに頼っているとされ、新たな法律が食品廃棄防止の活動を活発化させると見込まれています。

 

世界で毎年生産される食料のおよそ3分の1が使用されず、廃棄されているとも言われています。(国連食糧農業機関(FAO)調べ)

ヨーロッパでは、イタリア議会でも食品廃棄を禁止する法案を審議中といいます。

一方、オランダではスーパー独自のある試みが始まっています。

東部の町、ウィンタースウェイクにあるスーパーでは廃棄直前の食品を店員が集め、それを厨房に集めて、チキンシチューなどを作っています。

毎日、何を作るかは食材を集めてから決めるといいます。

加熱するなど、調理して弁当にすれば賞味期限を数日延ばせるといいます。

この弁当、1日に150食も売れる人気商品だといいます。

 

廃棄直前の食品が使われていることに抵抗感はないのでしょうか。

来店したある女性の買い物客は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「気になりません。」

「ゴミを減らすいいアイデアだと思います。」

 

また、別な男性の買い物客は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「味も美味しいし、加工食品よりずっといい。」

 

このスーパーでは、こうした弁当の販売を始めたことで年間1200万円相当の廃棄食品を削減出来たといいます。

こうした弁当を作る店員の人件費など経費も回収出来ていて、今後他の店舗でも販売を始め、収益源の一つに育てる考えです。

このスーパーの店長、エルビン・アーロンソンさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「私たちスーパーだけでなく、食品業界は食品の有効活用についてもっと考えるべきです。」

「人々も食品に対する見方を変える必要があります。」

 

今回ご紹介したヨーロッパでの食品の廃棄を減らす本格的な取り組みは大きく以下の3つに分類されます。

・政府による食品廃棄禁止などの法令による規制

・フードバンクのような団体による組織的な取り組み

・各企業による独自の取り組み

 

こうしたそれぞれの立場からの取り組みがうまく噛み合うことによって食品廃棄を最小限に抑えることが出来ると思うのです。

特に、オランダでのスーパー独自の試みは、スーパーの利益につながり、雇用のささやかな拡大にもつながり、購入者からも人気があり、しかもそれぞれの独自の判断で出来るのです。ですから、こうした取り組みがどんどん広がって欲しいと思います。

また、こうした取り組みを促進させるうえで、政府による適切な規制はとても重要です。

今回ご紹介したフランスでのスーパーによる食品廃棄の禁止はその好例の一つだと思います。

なので、国は単に経済成長を目指すのではなく、どのような国づくりをしたいのか、明確な将来像を描き、そこに至る道筋を描き、それを促進させるような規制を検討していただきたいと思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月08日
アイデアよもやま話 No.3411 地球を動かし太陽を止めたコペルニクスについて その3 大発明がスムーズに世の中に受け入れられる方法!

3月3日(木)放送の「コズミック フロント☆NEXT」(NHKBSプレミアム)のテーマは「天文学を180度変えた男 コペルニクス」でした。

番組を通してコペルニクスの大発明について3回にわたってご紹介します。

1回目、2回目とコペルニクスの唱えた地動説がすぐに広まらなかった理由、そして地動説が受け入れられるようになった理由についてお伝えしてきましたが、3回目はこうした大発明がスムーズに世の中に受け入れられる方法についてです。

 

まず、世間を驚かせるような大発明がすぐに世間に受け入れられる阻害要因を以下にまとめてみました。

・従来からの常識に反する発明

・宗教上の教義に反する発明

・既得権益を握っている大組織の利益を大きく損なう発明

 

次にこうした阻害要因を取り除く解決策を以下にまとめてみました。

・前回ご紹介した地動説のような場合、発明の内容を直接的に伝えるのではなく、あくまでも仮説であるというような本質を包み隠すようなソフトな表現で内容を説明する

・例えば現在の発電設備を全て置き換えられるほどの画期的な再生可能エネルギーによる発電のような発明の場合、世の中全体が現在抱えている差し迫った大問題(エネルギー問題や地球環境問題)を解決出来ることを強調し、世間の多くを味方に付ける(“溺れる者は藁をも掴む”の格言の応用)

・誰もが利益を得られる

  三方良し(売り手良し、買い手良し、世間良し)(アイデアよもやま話 No.843 近江商人の教え! より)の応用で、巨大な既得権を握っている抵抗勢力も含めて誰にとってもその発明がメリットになる


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月07日
アイデアよもやま話 No.3410 地球を動かし太陽を止めたコペルニクスについて その2 天動説が受け入れられるようになった理由!

3月3日(木)放送の「コズミック フロント☆NEXT」(NHKBSプレミアム)のテーマは「天文学を180度変えた男 コペルニクス」でした。

番組を通してコペルニクスの大発明について3回にわたってご紹介します。

1回目ではコペルニクスの唱えた地動説がすぐに広まらなかった理由についてお伝えしましたが、2回目は天動説が受け入れられるようになった理由についてです。

 

1回目ではコペルニクスの唱えた地動説がすぐに広まらなかった理由についてお伝えしましたが、年月が過ぎ、コペルニクスが60歳を過ぎた頃、ローマ・カトリック教会の幹部から次のような趣旨の手紙が届きました。

「宇宙の天球についてのあなたの労作を出来る限り早く私宛にお送りください。」

 

当時、ローマ・カトリック教会は暦を改め、正確にする必要に迫られていました。

コペルニクスの地動説はその改暦に欠かせないと考えられていたのです。

しかし、地動説をそのまま世に出せば、大論争が起き、異端者にされかねないとコペルニクスは悩みました。

ようやく公にする覚悟を決めたのは死の間際、70歳近くになった時でした。

そして、1543年に「天球の回転について」というタイトルで出版されました。

その中には地動説を象徴する図が描かれていました。

太陽を中心とし、惑星が同心円状になっている太陽系の姿です。

今、私たちが教科書で学ぶ太陽系です。

 

ところが、コペルニクスの本は大きな批判を受けることはありませんでした。

当時、世の中に混乱が起きても不思議ではなかったこの本が不問とされた理由は本の中にありました。

それは本の始めに序文として書かれた1ページほどの文章でした。

そこに「仮説」の文字があります。

この序文を書いたのは、コペルニクスの友人でドイツ人神学者のアンドレアヌス・オジアンダーです。

オジアンダーはこの本が大きな抵抗を受けることを避けるため、あくまでも仮説に過ぎないという序文に差し替えていたのです。

序文のお蔭で「天球の回転について」については日の目を見ることが出来たのです。

 

コペルニクスの本は彼の死後、広まっていきました。

その1冊がイタリアの国立図書館に保管されています。

コペルニクスの死後からおよそ100年後に活躍した人物が持っていたものです。

本のいたるところに書き込みがされています。

それを書いたのは“天文学の父”と呼ばれたガリレオ・ガリレイ(1564年〜1642年)です。

イタリアで生まれ育ったガリレオはコペルニクスの地動説に強い影響を受けました。

ガリレオは当時発明されたばかりの天体望遠鏡で惑星をより精密に観測し、地動説は真実であることを突き止めました。

晩年、宗教裁判にかけられますが、地動説への信念を曲げることはありませんでした。

 

その後、地動説は世界中に広まっていきました。

現存するコペルニクス像の台座には「地球を動かし、太陽を止めた人物」と刻まれています。

コペルニクス研究家のイエジィ・シコルスキさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「コペルニクスは前代未聞の発見をしたという自覚があったでしょう。」

「それは世界をひっくり返すものでした。」

「謙虚で勤勉ですが、自尊心を持ち合わせた人でした。」

「彼の苦労は並大抵のものではありませんでした。」

「でも大きな葛藤を打ち破っていったのです。」

「コペルニクスが最も大切に考えてこと、それは真実の追求だったのです。」

 

晩年、コペルニクスは天文学について次のように書き残しています。

「学問の中の学問である「天文学」は想像も及ばぬ無上の喜びを与えてくれる。」

 

天文学の常識を180度変えた地動説、発想の大転換はその後も受け継がれ、今も宇宙の謎を解くカギになっているのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、現在の天文学の進歩に大きく貢献したコペルニクスの地動説も当時の常識では容易には受け入れられなかったのです。

とは言っても、本の序文での“仮説”というコペルニクスの友人、オジアンダーの機転によりスムーズに受け入れられることが出来たのです。

いくら素晴らしい大発見でも、それが実用化され、社会に普及されなければ“宝の持ち腐れ”で終わってしまいます。

ですから、世間を揺るがすような大発明をスムーズに受け入れられるようにするためには、大発明とともに世間にスムーズに受け入れられるようにするためのアイデアもとても重要なのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月06日
アイデアよもやま話 No.3409 地球を動かし太陽を止めたコペルニクスについて その1 地動説がすぐに広まらなかった理由!

3月3日(木)放送の「コズミック フロント☆NEXT」(NHKBSプレミアム)のテーマは「天文学を180度変えた男 コペルニクス」でした。

番組を通してコペルニクスの大発明について3回にわたってご紹介します。

1回目は、なぜ地動説がすぐに広まらなかったのかについてです。

 

時代の常識を打ち破るパラダイムシフトは天文学の世界でも起きています。

20世紀、宇宙は不変ではなく膨張していることが明らかになりました。

遡ること18世紀、太陽系が特別な存在でなく、銀河系の一部に過ぎないことに驚かされました。

そして16世紀、地球は宇宙の中心ではなく太陽の周りを回っているという地動説に衝撃を受けました。

この説を唱えたのがポーランド人のニコラウス・コペルニクス(1473年〜1543年)です。

コペルニクスが出てくるまで地球を中心とする天動説は1000年以上もの間信じられてきました。

コペルニクスが唱えたそれまでの常識を覆す地動説は時代に翻弄され、長らく公にされませんでした。

 

では、なぜ地動説はすぐに広まらなかったのでしょうか。

コペルニクスは天体観測から1年の長さが365.2425日であることを導き出しました。

今と寸分変わらない精度です。

この観測は1517年1月に始められましたが、こうした観測を続けることで地動説は揺るぎないものになっていきました。

コペルニクスは地動説を本にまとめ、出版することを考え始めました。

ところが、大きな問題が立ちはだかっていました。

それは聖書です。

その中には天動説に通じる記述があったのです。

しかもこの頃聖書の教えを絶対とする勢力が台頭し、宗教改革を始めていました。

指揮していた神学者のマルティン・ルター(1483年〜1546年)はコペルニクスの友人に宛てた手紙の存在を知ります。

手紙には、決定的な表現がありました。

地球が宇宙の中心ではなく、太陽が宇宙の中心の近くにあると書かれているのです。

つまり、地球は太陽の周りを回っているという地動説を意味しています。

地動説の考えをこのようなかたちで文章に残していました。

コペルニクスは30代で既に地動説は真実であるという確信を持っていたのです。

ちなみに、この手紙の写しは今もスウェーデンの首都、ストックホルムにある王立科学アカデミーに保管されています。

ルターは聖書の教えに反する地動説を唱えるコペルニクスに非難を浴びせました。

そして、コペルニクスは次のように葛藤しました。

「自分は聖職者だ。」

「その聖職者が聖書の教えに反していいのか。」

「しかし、自分は天文学に精通し、地動説には確信を持っている。」

 

二つの狭間でコペルニクスの気持ちは揺れ動きました。

 

さて、マルティン・ルターといえば、学校の教科書で習った宗教改革がすぐに連想されますが、実際にどのような宗教改革がルターによってなされたのかWikipediaで調べたところ、以下のような記述がありました。

 

宗教改革の中心人物となったことでプロテスタント教会の源流をつくった。聖書をキリスト教の唯一の源泉にしようというルターの呼びかけはプロテスタント諸教会のみならず、対抗改革を呼び起こしたという意味でカトリック教会にも大きな影響を与えた。宗教上の足跡のみならず、ヨーロッパ文化、思想にも大きな足跡を残した。たとえばルターの手によるドイツ語聖書が、近代ドイツ語の成立において重要な役割を果たしたことや、自ら賛美歌をつくったことなどが挙げられる。カタリナ・フォン・ボラという元修道女と結婚したことでプロテスタント教会における教職者、牧師の結婚という伝統をつくったことでも知られる。

 

このように宗教改革を成し遂げたルターと言えども、聖書は絶対でその内容を疑うことはなかったようです。

ましてや当時の一般の人たちは地球が太陽の周りを動いているという考え方にはとても付いて行けなかったと思います。

こうして天動説は1000年以上もの間信じられてきたのです。

肝心のコペルニクスでさえ、聖職者の立場と地動説に確信を持っている自分自身との狭間に長い間悩まされたのです。

 

今の時代を生きている私たちでさえ、恐らくほとんどの人は学校で習わなければ、地球が丸いことさえ分からず、ましてや地球が太陽の周りを回っているなんてとても発想出来ないと思います。

 

このように、新たな発見が従来の常識とかけ離れていればいる程、また多くの人たちに影響を及ぼす程、その発見は世間から非難され、あるいは無視され、世間から受け入れられることが困難なのです。

最悪のケースでは巨大な既得権を握っている組織から抹殺されてしまうことさえ起こり得るのです。

そうした多くの、あるいは巨大な抵抗勢力と闘ってでも、自分の信念を曲げない時代の先駆者の存在が時代のパラダイムを変えていくのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月05日
No.3408 ちょっと一休み その545 『気になる超未来の地球とは その2 19億年後、そして28億年後の地球の未来とは・・・』

誰でも超未来の地球とはどんな状態になっているかとても気になると思います。

そうした中、3月17日(木)放送の「コズミック フロント☆NEXT」(NHKBSプレミアム)のテーマは「地球 超未来への旅」でしたので6回にわたってご紹介します。

2回目は、19億年後、そして28億年後の地球の未来についてです。

 

太陽の未来を計算によって予測し、地球への影響を詳しく分析した研究者がいます。

地球の未来の生態系を研究している、アメリカ・コーネル大学のジャック・オマリージェームズ博士です。

オマリージェームズさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「太陽は年齢とともに中心の温度がどんどん上昇していきます。」

「明るさも増し、地球に降り注ぐエネルギーも増加していきます。」

 

太陽の内部で核融合が進むにつれ、放出エネルギーは1億年で1%ずつ増えていきます。

オマリージェームズさんは、太陽のエネルギーの増加によって地球の気温がどう変化していくのか計算しました。

北極など極地付近の気温は一旦下がるものの、その後は徐々に上昇、10億年後から急激に上がります。

大気中に水蒸気が増え、温室効果が進むためです。

そして、19億年後には気温が150℃に達します。

生物が生きていけなくなる温度です。

気温の上昇は更なる環境の変化をもたらします。

海から蒸発した大量の水蒸気はオゾン層よりも上の層に到達、太陽からの紫外線によって水素と酸素に分解されます。

水素は非常に軽いため、地球の重力を振り切って宇宙空間に飛び出していきます。

こうなると、水を作ることが出来ません。

地球から徐々に水が減っていくのです。

太陽の熱によって海の水は蒸発し、水位はどんどん低下、やがて海は干上がり、乾燥した台地が地球を覆います。

まさに“死の世界”です。

オマリージェームズさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「28億年後には地球の表面のどこにも水はありません。」

「全ての生命はもはや生きていくことは出来ないのです。」

「でも、その時までに人類が技術を進歩させていれば、地球の軌道を変えて気候をコントロール出来るかもしれません。」

「あるいは、別の惑星に移住して絶滅を避けている可能性も大いにあります。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。


今、地球温暖化問題で世界各国がその解決に知恵を絞っていますが、はるか遠い将来の地球で見れば、19億年後の気温は150℃に達し、28億年後には地球の表面のどこにも水はなくなり、“死の世界”と化していると予測されているのです。

一方では、オマリージェームズさんのおっしゃるように、技術の進歩により地球の軌道を変えて気候をコントロール出来るかもしれませんし、別の惑星に移住して絶滅を避けている可能性もあるのです。

そうなる前に何百年後、あるいは何千年後に、更に進化した大量破壊兵器の使用を伴った大規模戦争によりほとんどの人類が死滅して残されたわずかな人類が原始時代に近い生活に戻っているかもしれません。

少なくとも人類自らの手で人類を死滅させるようなことはして欲しくないと思います。

いずれにしても、地球上で暮らす私たち人類の未来は太陽の活動如何に大きく左右されることは間違いないようです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月04日
プロジェクト管理と日常生活 No.439 『ヨーロッパを代表する知性の指摘する課題・リスクとその対応策 その2 無極化』

3月9日(水)放送の「BS1スペシャル」(NHKBS1)のテーマは「ジャック・アタリが語る 混迷ヨーロッパはどうなるのか?」でした。

統合を理念に掲げて統一を進めてきたヨーロッパは今激震に見舞われています。

中東から押し寄せる難民受け入れをめぐるEU内での意見の対立、ギリシャの経済危機を発端に統一通貨ユーロの問題、テロとの闘いなど、山積する問題に直面しています。

番組では、こうした問題や課題について、経済学者で思想家でもある、ヨーロッパを代表する知性のアタリさんが持論を展開されておりました。

そこで、番組を通して、アタリさんの指摘する課題やリスクとその対応策について4回にわたってご紹介します。

2回目は、無極化についてです。

 

前回ご紹介した人類のノマド化とともに世界が直面する課題として、アタリさんはもう一つの予測をしています。

それは超大国の覇権に変化が起こることです。

第二次世界大戦後、世界一の豊かさを誇ってきたアメリカに衰退の兆しが訪れています。

2007年に起きたサブプライムローンの破綻、それ以前からアタリさんはアメリカの経済的繁栄に転機が訪れると指摘しました。

アタリさんは、2009年のインタビューで次のようにおっしゃっています。

「今回の危機で既に始まっていますが、アメリカ支配の崩壊です。」

「勿論、アメリカそのものは残りますが、唯一の存在ではなくなります。」

「アメリカは、インフラ整備、水やエネルギーの確保、そして膨大な借金を返済するために世界から撤退するでしょう。」

「アメリカは内向きになってゆくのです。」

 

かつて超大国として湾岸戦争で世界各国を指揮したアメリカが軍事的なリーダーシップを取ることからも今大きく後退しています。

IS(イスラム国)に対する軍事作戦では空爆に加えて地上部隊の展開が欠かせません。

2014年9月、アメリカはシリアへの空爆を開始しました。

しかし、アメリカは大規模な地上部隊の派遣を否定し続けています。

 

こうした状況について、アタリさんは次のようにおっしゃっています。

(超大国アメリカの覇権が一段と弱くなり、世界が無極化しているが、今後世界情勢はどう変化していくのかという問いに対して)

「これまでヨーロッパには世界に目を向け、リーダーとなる国が常に存在していました。」

「イタリア、フランドル、オランダ、イギリス、アメリカ・・・」

「今日、日本はリーダーになることには関心がありません。」

「中国もそうです。」

「この先千年以上この状態が続くでしょう。」

「アメリカはもはや超大国ではなく、しかもその代わりはいないという事態です。」

「今は、ある大国が弱体化する中、その後を継ぐ国がないという状況です。」

「そうした事態は過去一度しかありません。」

「ローマ帝国の終焉です。」

「3世紀末、ローマ帝国の末期にはどの国もローマ帝国の代わりにはなれませんでした。」

「混沌とした時代が10世紀も続きます。」

「そこでは誰もがローマ人の価値観のままでした。」

「宗教、言語、身なりなどです。」

「けれどもリーダーとなる国は現れない。」

「現在の状況とまるで同じです。」

「もはや超大国は存在しません。」

「でも誰もがアメリカ人のような暮らしをしています。」

「しかし、誰もリーダーとして世界をけん引していないのです。」

「これは非常に危険な時期です。」

 

(超大国が存在しなくなり、無極化する世界の中で生き残るために、今各国のリーダーにはどのような資質が求められるかという問いに対して)

「お互いの状況を理解することがリーダーにとって重要です。」

「他者の成功は自己の成功の条件でもあるということです。」

「私はそれを“自己中心的な利他主義”と呼んでいます。」

「“利他主義”が自分の利益にもつながる、これは非常に重要な点です。」

 

さて、ここまで番組の内容をご紹介してきましたが、プロジェクト管理において、リーダーの存在がとても重要であるように、ある目的を持ったどんな組織においてもリーダーの存在は欠かせません。

例えば、何か問題が発生して解決のために緊急に判断を下さなければならない場合、リーダーの責任において決断しなければ組織の存続が危ぶまれるからです。

しかし、一方で、国際政治のように、多くの国々がそれぞれ自国の国益を最優先して渡り合う中では、アタリさんのおっしゃるように実質的なリーダー国の存在が重しになって様々な状況に対処していくことにより世界情勢のバランスが保たれるのです。

ですから、2014年のロシアによる武力でのクリミヤ併合や中国による南シナ海進出などは、まさに世界の実質的なリーダー国としての超大国、アメリカの衰退を表していると思われます。

 

こうしたリーダー不在となりつつある世界情勢において、アタリさんは各国リーダーの資質として“利他主義”を求められております。

こうした考え方はある意味で観念的であり、全ての国のリーダーが“利他主義”をベースに外交を進めることはとても困難に思えます。

というのは、いくら国のリーダーがこうした考え方を持ち合わせていても国民の意識は遠い将来の問題や課題、あるいはリスクよりも今直面している問題の解決や国益を重視する傾向が強いからです。

ですから、各国のリーダーが“利他主義”をベースに国際政治を展開するためには、まず国民の理解が求められるのです。

そういう意味で、アタリさんの指摘されているように、まずリーダーがお互いの状況を理解することが重要だと思いますが、それだけでは不十分なのです。

リーダーが自国民に対してこうした状況の説明責任を十分に果たすとともに、国民への十分な情報公開をすることが求められるのです。

 

更に、今世界が共通して抱えている問題として世界各国のリーダー、および国民が共通認識を持つべきものとして以下の4つが挙げられると私は思います。

1.地球環境問題

2.エネルギー問題

3.経済・金融問題

4.世界平和

 

そして、残念ながら必ずしも全ての国のリーダーがこうした問題に積極的に対応しているわけではありません。

しかし、一方で独裁国家においても支配者は国民の声を全く無視するわけにはいきません。

ですから、あらゆる手段を通して、各国の国民が正しい情報を入手出来るような状況を作り出すことがとても重要だと思います。

あらゆる国の国民の多くが本来進むべき方向性に目覚めて行動に移せば、必ずそうした方向へと世界は変わっていくのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月03日
アイデアよもやま話 No.3407 新たな価値観で時代を切り拓く若者たち その5 若者が考慮すべき4つのものの考え方!

3月17日(木)放送の「クローズアップ現代」(NHK総合テレビ)で、新たな価値観で時代を切り拓く若者たちを取り上げていました。

そこで、5回にわたってご紹介します。

5回目は、若者が考慮すべき4つのものの考え方についてです。

 

番組ゲストでノンフィクション作家の柳田 邦男さんは、次のようにおっしゃっています。

「(大人たちへの怒りから動く若者、あるいは自分たちが活躍出来る基礎が失われているという気持ちから動き出している若者についてどのように受け止められたかという問いに対して、)これは若者一人一人の自己責任という問題ではなくて、日本が戦後70年の中で積み残して先送りしてきたものが一気に最近現れてきて、そのしわ寄せが若い世代に全部引き寄せられたということ、そこから声が出てきたっていう、こういう捉え方ですね。」

「そういった意味で、若者たちの活動っていうのは、一昔前の政治活動なり、学生運動なり、そういうものと全く違う。」

「これどういうことかっていうと、昔のようにイデオロギーとか、あるいは労働組合とかそういう組織で縛りをかけて動くんではなくて、一人一人が主体的にいろいろな声を上げ、活動していくっていうことで、これは日本の国の社会運動としては非常に新しい傾向だと思うんですね。」

「その多様性が今(4回目まで)のレポートの中でいろんな角度から金融の動きまで含めて出ていたんですね。」

「ですから、今大きな歴史の転換期に来ているというふうに私は捉えているんですね。」

「(若者たちが集まっている原動力は何かという問いに対して、)いくつかあると思うんですけど、一つはやはり若者たちが非正規社員にしかしてもらえないような傾向が大学出の半分ぐらいがそうなってしまっているというこの時代の閉そく感、また就職してもブラック企業なり、本当に変わらないようなひどい労働条件だったりする、そういう中で若者たちが声を上げざるを得ないというのが一つあると思うのです。」

「それからもう一つは、時代閉塞の中にいる若者が例えば被災地に行って災害ボランティアをすると初めてここで人が助け合うことの大切さとか人の命の大切さ、そういうものを体で感じるわけですね。」

「ですから、そこから出てくる言葉ってのが言わば血肉から出てきたっていう本物の言葉なんです。」

「もう、思想やイデオロギーではなくて、体の中から自然に湧き出た叫びですから、それが「SEALDs」(1回目でご紹介)のように最初10人だったのが、奥田さんの本当に平凡に見えるけれども決して掛け値なしの本物の言葉だから若者たちが共感するわけです。」

「みんな内面の中でこもっている問題が啓発されてね、触発されて、そして吹き出てくる、それがあっという間に400人になり、何千人になっていくっていう、まさに時代だと思いますね。」

「(歌人の鳥居さんも共感を集めているが、こうした社会を作ったのは大人たちであるはずだが、今の若者たちは自分たちが問われており、自分たちの問題だ、そして自分の経済状況を良くすることよりも社会や国を良くしたいという意識の大きな変化が背景にあるのでは、という問いに対して、)これは例えば小学生ぐらいで被災地で避難生活をしている子どもたちが親のことに対して迷惑をかけないで子どもはじっとしていよう、みたいなけな気な想いが強いんですね。」

「それが20歳前後の若者になると、もっと積極的にこういう状況を改善したい、何か自分の出来ることはないか、っていうそういう内に秘めたものがある。」

「問題はそれをどう出せるのか、また社会がどう受け入れるのかっていう、こういうことになってくるんですよね。」

「(若者たちが動けるようになる、あるいは自分たちがもっと主体的に行動出来るようになりたいと思っている人たちにはどんなことが必要かという問いに対して、)これは2つの面からアプローチしなければいけない。」

「一つは、社会の制度とか行政とか、そういうふうに支える側ですね。」

「このシステムをちゃんと若い人たちが伸び伸びと生きられるような支援体制ですね。」

「そしてまた、企業や学校教育やそういうところが若者の主体性なり発言なりを堂々と認めていく。」

「例えば高等学校で18歳になると選挙権を与えながら、(一方では)政治活動については規制する、これは全然自己矛盾がある話で、アメリカあたりでは高校生ぐらいになると政治問題について、イラク爆撃は正当か反対かっていうんで堂々と授業の中で議論させるわけです。」

「決して生徒を政治色で見ないんですよね。」

「そうやって子どもたち、あるいは若者が本当に世の中の真実を見て自分で意志決定するっていうのが育っていくわけですが、日本はなんとそれを未だに抑圧的にしか考えない。」

「それから、政治の世界はいろんな政治活動をする若者に対して、何か反体制っていう異色でしか見ない、そういう型にはまったような古い考えがあるんですね。」

 

「一方では、若者たちが自分が進んでチャレンジしていかなきゃいけないわけで、そのためにはいろんなものの考え方を変えていく必要があるんです。」

「それはどういうことかっていうと、まず自分で考えるっていう習慣をつけること、単にマニュアルとか、あるいは学校で教えられたこと、会社のしきたりなり、就業規則なり、それだけで働いているんじゃなく、とにかく自分で考えて、自分はいったいどんな使命を持ち、役割を果たすことが少なくとも世のため人のためになるかということを考えるということ。」

「それから2番目にですね、溢れるようなネット社会の情報なり報道機関からの情報、その裏に何があるのか、その根底にある問題は何かっていう情報を読み解く力を絶えずウォッチしながら、自ら力づけていくっていうことですね。」

「それから(3番目は)自分の考えは絶対視しないで違う考えがいっぱいあるんだと。」

「他者の考えを理解する姿勢を絶えず持つ、よく耳を傾けるとかですね。」

「そして、また(4番目は)自分が考えていることをきちんと表現する力。」

「これは今のネット社会の中でものすごく弱くなっているので、そこをしっかりと身に付けないといけない。」

「これはスマホの時代になって特に表現力の低下っていうのは問題になっています。」

 

「(若者たちが目指そうとしている今の生き方、あるいはこうなったら良い社会だと彼らの心の中で考えている姿は柳田さんの目にはどのように映ったかという問いに対して、)僕はVTRにあるレポートを見て、非常に心強く感じました。」

「こういう新しい芽っていうのが新しい時代の転換を象徴するものであって、これからそういう芽をどう大事に育てるか、これを大人たちが真剣に考え、政治や行政、教育が考える、それが初めてこの国を本当に人々が生きて良かった、あるいは充実感があるとか、自己肯定感が持てるとか、生きがいを感じるとか、そういう社会づくりにつながっていくっていうふうに私は思いますね。」

「(その芽が本当に大きくなっていくのか、未来の芽になるのか、未だ分からないことについて、)大人のそういう温かい支える目線が必要ですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、これまで先送りされてきた様々な問題に若者たちが進んでチャレンジしていくうえで必要なものの考え方について、柳田さんは以下の4つを挙げておられます。

・自分で考える習慣を身に付けること

・様々な情報の根底にある問題を読み解く力を絶えず磨くこと

・自分の考えを絶対視せず、他者の考えを理解する姿勢を絶えず持つこと

・自分の考えをきちんと表現する力を身に付けること

 

こうしたものの考え方の必要性は、若者に限らず誰にでも当てはまると思います。

 

一方で、大人たちに対しては、こうした若者たちの活動を支援することを真剣に考え、政治や行政、教育に反映することを主張されております。

 

こうした柳田さんの考えに私も同感です。

世の中の行方は、常に新旧の世代をまたがった連携によって決まります。

ですから、いかにそうした連携をスムーズに行えるか、その仕組みが重要になってくるからです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月02日
アイデアよもやま話 No.3406 新たな価値観で時代を切り拓く若者たち その4 地域の再生に大きな力を発揮する若者たち!

3月17日(木)放送の「クローズアップ現代」(NHK総合テレビ)で、新たな価値観で時代を切り拓く若者たちを取り上げていました。

そこで、5回にわたってご紹介します。

4回目は、地域の再生に大きな力を発揮する若者たちについてです。

 

2月に発表された最新の国勢調査、日本の人口は前回調査から94万7,305人減少して1億2,711万47人(2015年10月1日現在)で、調査の開始以来初めて減少しました。

人口が減少したのは全国の市町村の82.4%、地域経済の疲弊も進んでいます。

そうした中、地域の再生にも若者が大きな力を発揮しています。

新たな金融の仕組みで乗り越えようとしているのです。

28歳でNPOバンクを立ち上げた、代表理事の木村 真樹さんの活動の拠点は名古屋を中心とする東海地方です。

NPOバンクの運営を担うのは20〜30代の若者たちです。

市民から一口1万円の出資金を募り、子育て支援など地域の課題に取り組む団体や個人に融資しています。

 

木村さんたちに次々と若者たちが賛同し、ボランティアとしてこの事業を支えています。

これまで1億3000万円の融資を行い、貸し倒れは1件もありません。

木村さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「自分たちが望む未来にどうそのお金を生かしていくのかって、自分たちのお金の使い方次第だってことに気付いてしまった若者たちが集まった取り組みかなと思いますね。」

 

2年前にNPOバンクの融資によって始まった障害のある子どもたちのデイサービスを展開する一般社団法人、OneLifeでは先月初めて地元の信用金庫からも融資を受けることが出来ました。

 

なぜ、信用金庫は融資を行ったのか、そこにはNPOバンクが地元の人と協力して作った新しい評価基準がありました。

新しい基準では、収益性だけでなく、デイサービスが地域に与える様々な効果を試算します。

子どもの体力が付いただけでなく、親に精神的な余裕が出来、地域の活動に参加出来るなど、お金に換算すると3000万円もの価値がある事業だと評価されました。

新しい評価基準は、金融機関の従来のあり方を見直すきっかけになったといいます。

融資を決めた東濃信用金庫の職員、酒井 隆信さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「新しい気付きですね。」

「もっと早くこういう考え方をしておくと良かったのかなと思いますよね。」

 

木村さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(地域の再生に)挑戦してくれる人たちがいらっしゃるので、もっともっと自分たちの力量も高めていかないといけないなと思っているので、希望も感じつつまだまだ足りない、そんな感じですかね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、収益性だけでなく、デイサービスが地域に与える様々な効果を試算するという新しい基準によるNPOバンクの取り組みはこれまでにない斬新な融資のあり方を展開していると思います。

単に利益を得る手段として融資をするのではなく、自分たちが望む未来を思い描き、その実現の手段として融資するという視点はあるべき社会の実現方法の一つとしてとても有効だと思います。

しかもその元手となる資金は市民からの一口1万円の出資というのですから、融資元、出資者、融資先のそれぞれの想いが同じベクトルを共有している優れた取り組みだと思います。

以前ご紹介したクラウドファンディング(ネットを使った資金集め)と同様に、こうした優れた取り組みの積み重ねが新しい時代を切り拓いていく一つのインフラへと成長していくことを期待したいと思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年06月01日
アイデアよもやま話 No.3405 新たな価値観で時代を切り拓く若者たち その3 今の時代を表現する若者とそれに響き合う若者たち!

3月17日(木)放送の「クローズアップ現代」(NHK総合テレビ)で、新たな価値観で時代を切り拓く若者たちを取り上げていました。

そこで、5回にわたってご紹介します。

3回目は、今の時代を表現する若者とそれに響き合う若者たちについてです。

 

この20年あまり、低成長時代に生まれ育った若者たち、親のリストラ、いじめ、就職氷河期、そして東日本大震災、様々な痛みを体験してきました。

2月に発売された短歌集、「キリンの子」、そのリアルな歌の描写が大きな反響を呼び、既に増刷されています。

セーラー服の歌人、鳥居さんは母親の自殺やホームレス生活を経験し、義務教育さえ満足に受けられませんでした。

鳥居さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(痛みを)他人事だって思われたくないし、思いたくない。」

「自分に引き寄せて想像してみるというのは、大事なことのような気がします。」

 

日本が長年解決出来ていない課題を若者の視点で描いた映画も注目を浴びています。

この映画を製作した大学生、仲村 悟(リュウゴ)さん(20歳)は、普天間基地の返還が決まった翌年に沖縄で生まれました。

3月に都内で公開された仲村さんの映画「人魚に会える日」、舞台は沖縄の架空の町、主人公は基地周辺に住む中学生です。

賛成、反対を単純に割り切ることが出来ない自分たちの複雑な想いを伝えたいとこの映画を作りました。

映画は、仲村さんの想いに共感した沖縄出身の大学生によって作られました。

チケットの販売などを支えるのは県外の若者たち、映画の上映場所は東京、大阪、名古屋と次々に増えています。

仲村さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「沖縄の声というのはきちんと伝えて、その中で沖縄の問題じゃなくて日本国民が同じような気持ちで当事者として悩んでもらう状況になれば、そこは新しい切り口が開けていくのかな。」

 

一人一人が直面するそれぞれの痛み、その痛みに響き合う現代の若者たちです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、映画や詩、小説、あるいは歌など、その時代その時代の情景や心の中を表現する媒体はとても大切だと思います。

なぜならば、いつの時代も若者たちによるこうした媒体を通した表現が多くの人たちの共感を得て、その時代に新たな風を巻き起こしたり、新たな雰囲気を作り出していくからです。

中でも、とても優れた内容のものは歴史さえ動かしてしまうほどのパワーを秘めているのです。

そして、今の時代とても救いなのは、こうした声なき声がネットを通して容易に世界中に発信されていく環境が整っていることです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年05月31日
アイデアよもやま話 No.3404 新たな価値観で時代を切り拓く若者たち その2 雇用環境の劣化に立ち向かい始めた若者たち!

3月17日(木)放送の「クローズアップ現代」(NHK総合テレビ)で、新たな価値観で時代を切り拓く若者たちを取り上げていました。

そこで、5回にわたってご紹介します。

2回目は、雇用環境の劣化に立ち向かい始めた若者たちについてです。

 

若者たちにとって今大きな痛みになっているのが雇用環境の劣化です。

不安定な条件で働く非正規雇用(15〜34歳)は増加し、所得格差や貧困が拡大、過酷な労働によってうつ病や自殺に追い込まれる若者は、この15年で10倍に増えています。

 

若者の労働相談を受けているNPO法人、POSSE(東京都世田谷区)では、賃金の未払いや違法な長時間労働など、これまでブラック企業の実態を明らかにしてきました。

年間の相談件数はおよそ3000件に上ります。

事務局の坂倉 昇平さん(32歳)は、競争や効率を優先する企業の中で孤立した若者たちが助けを求められずにいると危機感を抱いています。

坂倉さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「会社は利益を上げるためであれば、若者を正社員であろうが、非正規であろうが、学生であろうが、使い潰してしまうということが当たり前のようになってしまっている。」

「それがこの10年20年での大きな変化だと思うんですね。」

 

坂倉さんたちは、相談を寄せた若者たちをつなぎ、一緒に労働環境を改善しようと呼びかけて、自分たちの問題を自ら解決していくブラックバイトユニオンを結成しました。

そして今、既存の労働組合では救えなかった若者たちが次々と参加するようになっています。

 

坂倉さんたちは、若者をサポートしながら雇用主と直接交渉し、改善策を引き出しています。

坂倉さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「安心して働き続けることが出来る社会でなければ、若者がこれから社会に対して活躍出来る一番の基礎を失ってしまうと思うんですよね。」

「誰も助けてくれないんだろうなというふうに思っていて、それだったら自分たちで新しい取り組みを作っていくしかない。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

以前から、リストラやブラック企業、および消費者を裏切る様々な企業の不祥事の関連記事に接し、その背景として以下のようなことを思い描いていました。

・リーマンショックのような経済環境の悪化

・新興国や途上国との国際競争の激化

・過去の成功体験の枠組みから抜け出せない経営

・企業の存続を優先させた従業員の切り捨て

・従業員の雇用環境の悪化

・企業支援を優先させた労働関連の法律改正による非正規雇用の拡大

 

こうした背景から、結果的に多くの若者たちに様々なかたちでしわ寄せが起きているのです。

うつ病や自殺に追い込まれる若者が、この15年で10倍に増えているという指摘にはとてもショックです。

 

では、こうした問題解決にはどのような対応策が必要なのでしょうか。

以下に私なりの対応策(案)をまとめてみました。

・経営者の意識改革

  果断に競争力のある商品やサービスの開発に取り組むことによる雇用の拡大

・若者たちによる大胆な新規事業の立ち上げ、および国などによるこうした動きへの様々な支援

・ブラックバイトユニオンのような労働組合の拡大による経営側との交渉力の強化

・同一労働同一賃金制度の実施

・各国の国際協調による経済環境の安定化


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
2016年05月30日
アイデアよもやま話 No.3403 新たな価値観で時代を切り拓く若者たち その1 社会に貢献することで充実感を得たい若者の増加!

3月17日(木)放送の「クローズアップ現代」(NHK総合テレビ)で、新たな価値観で時代を切り拓く若者たちを取り上げていました。

そこで、5回にわたってご紹介します。

1回目は、社会に貢献することで充実感を得たい若者の増加についてです。

 

バブル崩壊後、低成長が続く日本、雇用環境の悪化や社会保障制度の限界、こうした中で今社会に積み残された課題に向き合う若者たちが次々と登場しています。

 

大きな時代のうねりの中で、当たり前だったことがそうでなくなり、失われた10年がいつの間にか20年になっていきました。

グローバル化が急速に進み、激しい価格競争の中でコスト意識を強めざるを得なくなった企業は人を減らし、柔軟に人件費を調整出来る非正規雇用を拡大していきました。

大人たちが信じていたことが変わっていった時代、日本の経済成長が下降に転じてから生まれ育った世代は、失われた20年という実感そのものも乏しいと見られています。

内閣府が13〜29歳を対象に行った調査では、将来について明るい希望があると答えた若者の割合は、アメリカ、スウェーデン、イギリス、韓国、フランス、ドイツ、日本という順位で日本は断トツの最下位でした。

内向きで、政治や社会に無関心、社会に傷つけられても自己責任と自分を責めがちな世代と見られがちですが、一方で別な内閣府の調査では20代の半数近くが自分の生活の充実より国や社会のことにもっと目を向けるべきだと考えるようになっています。

社会に貢献することで充実感を得たいという若者が増えていることを示しています。

とは言っても激しい競争、管理の強化、横並びに従わざるを得ない同調圧力といったプレッシャーによって決して声をあげたり、行動がし易いとは言えない社会、そうした中で自ら声をあげ、痛みを乗り越えていくために行動を始めた若者たちがいます。

 

去年8月、多い時には数万人が集まったデモ、当初10人ほどで始めたデモは社会現象になり、若い世代の力を印象付けました。

この安全保障関連法案に反対するデモを主導した10代、20代の学生団体「SEALDs」の奥田 愛基(アキ)さん(23歳)は、今年明治学院大学の大学院に進学します。

以前は、この社会に諦めに似た気持ちを感じていました。

ところが、東日本大震災の被災地にボランティアに行ったことをきっかけに、社会問題に向き合いたいと考えるようになった奥田さんは、ユーチューブとかで検索して海外のデモを参照したりして、自分たちの想いを大人たちに示したいと友人たちとデモを始めたのです。

奥田さんは、街頭デモで、次のように訴えました。

「おじいちゃん、おばあちゃんは戦争の話をしたがるし、何なんだよそれって、ずっと思ってましたよ、正直ね。」

「だけど、今考えたらそれを聞いてて良かったなと思いますよ。」

 

等身大の言葉は、ユーチューブなどで爆発的に広がっていきました。

これまで社会に無関心と思われていた若者たちは、声をあげ、大きなうねりとなったのです。

奥田さんは、デモを始めたことについて、次のようにおっしゃっています。

「それが僕的には「諦めること」を諦めるということ。」

「この社会の“痛み”っていうのは空気感とか言えないとか、おかしいと思っているんだけど、それは素直に表現出来ないっていうことなんだと思うんですね。」

「本当に自分の周りのこととか自分の生き方のことを考えたら、それだけじゃいられない。」

 

今、社会の問題を自分たちで考え、行動する若者たちが増えています。

去年5月、18歳選挙権について審議するために開かれた衆議院特別委員会、推進する立場として与党の参考人として推薦された斎木 陽平さん(24歳)は、高校生を中心に若者の政治意識を高めるための活動を行っています。

今の政治には中高年の意見しか反映されていないと感じているからです。

そうしたイベントの場で、斎木さんは次のように訴えています。

「若い世代が「これは投票に行かないと」って思えるような何かっていうのを、そういうムーブメントはどうやって作れるんだろうか。」

 

参加していた若者からは、議員の「若者枠」を作ったらどうかといういかにも若者らしい意見が出されました。

これまでに延べ2000人以上の高校生が斎木さんの考えに賛同し、主催するイベントに参加しています。

こうした状況について、斎木さんは次のようにおっしゃっています。

「大人たちに対しての怒りみたいなものはやっぱりありますよ。」

「なんか全部先送りにされているというか。」

「自分自身が「俺はこう思うんだ」というのをちゃんと言っていく中で、ある意味“志の輪”みたいなものが広がっていくのかな。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、内閣府が13〜29歳を対象に行った調査で、将来について明るい希望があると答えた若者の割合で日本が断トツの最下位というのはちょっとショックでした。

しかし一方で、社会に貢献することで充実感を得たい若者が増えている状況には救われます。

いつの時代もその時代の閉そく感を打破する突破口を切り拓くのは時代の空気に敏感な若者たちだと思います。

ですから、そうした若者たちの行動しやすい環境を作り出すことがこれまでの時代を築いてきた世代の役割だと思います。

今の社会は良くも悪くもこれまで何世代にもわたって営々と築いてきた成果なのです。

そして、これからの社会の将来は今の若者たちの手にかかっているのです。

ですから、将来に向けての世代間のバトンタッチをいかにスムーズに行うかということを世代間でお互いに意識することが大切だと思うのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています
3869件中(1件〜30件を表示しています)   前   |