2022年01月27日
アイデアよもやま話 No.5176 AIが覚える最新無人レジ!
これまでスーパーなどのレジの進化型についてNo.565 そろそろPOSにこんな機能があっても!アイデアよもやま話 No.4067 AIの活用事例 (6) その4 AIを搭載した世界初のセルフレジ!でお伝えしてきました。
そうした中、昨年10月19日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIが覚える最新無人レジについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。 

今日(昨年10月19日)開幕した国内最大級のIT見本市、シーテックは例年巨大な会場に各社が最新技術を持ち寄り、しのぎを削るイベントですが、昨年(2020年)に引き続きオンラインの開催となりました。
そのシーテックで各社が相次ぎ公開したのがコロナ禍で進化を続ける“非接触”の技術です。

そうした中、京セラのブースでは“非接触”のニーズから広がった無人レジの性能を高める技術を公開しました。
京セラ 研究開発本部の説明者は次のようにおっしゃっています。
「(商品を)雑然と置いても、重なっても、手に持ってもちゃんと認識出来ます。」

「新規10商品を登録する場合は、既存技術だと4日間もかかりますけども、当社の技術では15分で済みます。」

「バーコードスキャン式だと一個一個商品をスキャンする手間と操作の時間がかかる。」
「1台のカメラとPCとディスプレーがあれば、簡単に導入出来るので非常に導入のハードルが低いと。」

独自に開発した、物体を認識するAIを活用、6つの角度から商品の写真を撮り、商品の形状と合わせて名前や値段などの情報をAIに覚えさせるのが特徴です。
これまでのシステムでは新商品を登録する際、全ての商品を認識し直さなければなりませんでしたが、今回の技術では新商品の登録だけで済むといいます。
また、色やかたちが微妙に違う生鮮食品も同一のモノとして識別出来るようになったといいます。

なお、この「スマート無人レジシステム」は2023年以降に商品化の予定といいます。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

前回はSDGsを追い風に代替肉業界で成長を続けるベンチャー企業についてお伝えしました。
そして、今回はコロナ禍で進化を続ける“非接触”技術のご紹介というわけです。
まさにビジネスを取り巻く環境の変化があらたな商品、そしてビジネスの誕生を促しているのです。

さて、これまでも無人レジはあったのですが、これまでのシステムでは新商品を登録する際、全ての商品を認識し直さなければならなかったといいます。
この方式ではこうしたレジの普及はあまり期待出来ません。

そうして中、今回ご紹介した京セラが開発中の無人レジの性能を高める技術は以下の点でとても優れています。
・商品をどのように置いても認識出来る
  色やかたちが微妙に違う生鮮食品も同一のモノとして識別出来る
・無人レジシステムを導入し易い
新規10商品をシステムに登録する際の時間が15分という短時間で済む
・レジ係が不要になる
・お客のレジ待ち時間が短縮出来る

ということで、この「スマート無人レジシステム」は2023年以降に商品化の予定といいますが、とても待ち遠しく感じます。
ちなみに冒頭でも触れたSCSK株式会社も京セラと同様の方式のレジを開発中といいますので、どちらが先に市販化するかにも興味が湧いてきます。

なお、無人レジは一部のスーパーでも導入されていますが、あくまでもお客が自分で一つひとつの商品のバーコードを読み取らせる方式なので一部のお客だけが利用しているように見えます。
一方、日本を代表するアパレル企業、ユニクロでは既に今回ご紹介したレジと同等の機能を持った「無人レジシステム」を導入しており、複数の衣料品を対象にどのように置いても認識出来るようになっています。
私もこれまで何度かこのレジを体験したことがありますが、確かに慣れればとても便利です。

ですから、価格にもよりますが、京セラやSCSKが開発中の無人レジシステムが市販化されれば、世界中の商業施設(スーパー、コンビニなど)から多くの引き合いがあると期待出来ます。
勿論、消費者もこうしたレジであれば、ほとんど違和感なく利用すると思います。
また、商業施設にとってもレジ係がほとんど不要になるという大きなメリットがあります。

しかし、見方を変えれば、これまでパートとして働いてきた人たちは職を失うことになってしまいます。
“デジタル化”、あるいはDX(デジタルトランスフォーメーション)の普及に伴い、こうした事例はあちこちで見受けられるようになります。
ですからベーシックインカムのような制度の導入も一方で必要になってくるのです。(参照:アイデアよもやま話 No.3401 ”仕事がない世界”がやってくる その3 新たな生活保障制度の必要性

 
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2022年01月27日
【画期的な発電装置の試作機作りのボランティア募集】

当ブログを発信しております弊社(株式会社BMC)では現在、ある発電装置の開発を進めておりますが、試作機作りの段階で技術力不足により難航しております。

しかし、この発電装置の実用化の暁には再生可能エネルギー発電の一翼を担えると確信しております。

 

つきましては、電子回路関連業務の経験、あるいは知識をお持ちで、試作機づくり、およびデータ検証作業にご協力いただける方をボランティアとして募集いたします。

なお、年齢、性別は一切問いません。

新しいものづくりに対するチャレンジ精神が旺盛で、時間に多少なりとも余裕のある方は是非ご応募いただきたいと存じます。

定年退職された方や学生の方など、エネルギーを持て余しておられる方は大歓迎です。

特に大学や専門学校などで電気工学を専攻されている方には卒業論文のテーマ候補としてご検討いただければ幸いです。

ただし、日本国籍を取得し、日本語の読み書きが十分に出来る方と限定させていただきます。

応募される方は、info@e-an.co.jp までメールでご連絡下さい。

なお、試作機の製作に際して、必要なパーツにかかる費用は弊社にて負担させていただきます。

 

以上、よろしくお願いいたします。                              


 
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2022年01月26日
アイデアよもやま話 No.5175 進化する代替肉!
これまで代替肉についてはアイデアよもやま話 No.4521 広がる代替肉のマーケット!などで何度となくお伝えしてきました。
そうした中、昨年10月18日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で進化する代替肉について取り上げていたのでご紹介します。

最近スーパーの売り場でも少しずつ見かけるようになってきているのが大豆などを原料にした代替肉です。
健康志向や環境意識の高まりから市場が拡大する中、日本のベンチャー企業が焼き肉用に開発された新たな商品を発表しました。

全国に約70店舗を展開する焼肉ライク、一人で焼肉を食べるスタイルが特徴の恵比寿本店(東京・渋谷区)で今、人気を集めているのが「NEXTカルビ」、使われているのは大豆で出来た代替肉です。
焼肉ライクではこの商品を去年(2020年)10月から一部の店舗で販売していましたが、想定以上の反響があったため12月には全店舗に拡大しました。
恵比寿本店の沼田悟店長は次のようにおっしゃっています。
「焼肉ライクとしてのお客様の幅はかなり広がったと思います。」
「今後、ビーガン(完全菜食主義者)など健康志向の方というのは増えていくと思いますので、かなり今後の期待も大きいです。」

外食企業も期待を寄せる焼肉用“代替肉”、昨年10月18日に新たな動きがありました。
代替肉の製造・販売を手掛けるベンター、ネクストミーツ株式会社(設立:2020年6月)が発表したのは「NEXTカルビ」の進化版「NEXTカルビ 2.0」です。
確かに見た目はより本物のカルビに近づいたように見えます。
番組レポーターが試食した感想は以下の通りです。
「食感はカルビ、けっこう歯ごたえがあって、大豆の香りも若干するんですが、かなり本物のカルビに近いと思います。」

食感のヒミツは、タンパク質の含有量を5%ほど増やしたこと、また製造時に与える熱や圧力量も見直し、本物の食感に近づけたといいます。
1枚のサイズも大きくなっていますが、ここにも大きな苦労がありました。
佐々木英之社長は次のようにおっしゃっています。
「途中で崩れたり、折れてしまったりとか、そういうのが多い中で、しっかりと大きさを保って、お肉としてかたちが出来というのが非常に1番苦労したポイントですね。」

進化版の「NEXTカルビ 2.0」は今日(昨年10月18日)、ネクストミーツのオンラインショップで発売、今後はスーパーやレストランでも展開する予定です。
ちなみに価格は1950円です。(80g×5袋・冷凍)。

なお、カルビ以外の新商品の開発も進めています。
佐々木社長は次のようにおっしゃっています。
「例えば食事の中で1つの料理、一部だけこれ(代替肉)に変えてみとか、焼肉屋さんで最後の1皿をプラントベース(代替肉)にしようというところがスタート地点だと思っているので、これから食べる方の機会・接点を増やしていくというのが非常に大事だと思っています。」

こうした代替肉の市場は2030年には780億円と、2020年の346億円から10年で2.2倍に成長すると予測されています。

イトーヨーカドーの横浜別所店(横浜市南区)を覗いてみると、精肉コーナーの一画には代替肉の商品を並べた棚があります。
パックに入ったそぼろ上の大豆ミートは100g当り95円で、牛と豚の合いびき肉(100g当り138円)に比べて40円ほど安く売られています。
このスーパーでは2年前から販売を開始し、現在30種類ほど取り扱っています。
購入した女性のお客は次のようにおっしゃっています。
「月に1、2回ぐらい(買っています)。」
「旦那がちょっと太っているから、「肉も食べたい」と言うので代替肉を混ぜて工夫して出しています。」

「ヘルシーなものをちょっと取り入れようかと思って(買いました)。」
「さっぱりしていて食べやすい。」

新型コロナウイルスで在宅時間が増えたこともあって、自分で調理するタイプの商品を中心に販売は好調だといいます。
松島孝義店長は次のようにおっしゃっています。
「より美味しい商品をメインとして(食卓に)並べるような味、そういったものが出来てくれば、更にお客様の需要は伸びてくると思います。」
「期待しています。」

焼肉用の代替肉を開発したベンチャー企業のネクストミーツは、現在は代替肉の生産を外部の工場に委託しているということですが、更に販売を増やしていくことを目指しており、自社工場の建設も計画しているということです。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

代替肉について、番組を通してあらためて以下にまとめてみました。

(現状)
・健康志向や環境意識の高まりから代替肉市場が拡大しつつあり、2020年から10年で2.2倍に成長すると予測されている
・代替肉の食感や見た目が本物と比べてそん色のないレベルまで進化している
・代替肉の種類が増加傾向にある

(お客にとってのメリット)
・料理の選択肢が広がる
・本物に比べて割安である
・健康志向や環境意識の高いお客の好みにマッチしている

ということで、代替肉市場は食品メーカーにとって、ニューフロンティアと言えます。
しかも世界的に健康志向や環境意識の高まりは今後とも続くと見込まれるので、世界規模で見ると現在の市場予測以上の売り上げが期待出来そうです。
更に代替肉はSDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)の観点からも世界的に好感を持って迎えてくれます。
ですから、代替肉は今後とも低価格化、食感の進化、そして種類の増加が見込まれ、従ってメーカーにとっても消費者にとってもなくてはならない存在になると思われます。
ですので、いち早く本格的に代替肉の製造・販売に取り組んでいるネクストミーツは代替肉業界の成長株として株式市場でも一定の期待感を持って迎えられると思います。

なお、ネクストミーツは2017年から代替肉の研究をはじめ、プロダクト完成の2020年に法人化したといいます。
既にアメリカ進出を果たし、実質的にアメリカで株式公開企業となっています。(こちらを参照)

こうした状況において、代替肉に限らず、SDGsの観点からこれまでの商品を見直して新商品開発に取り組むベンチャー企業にとっては国内外を問わず追い風が吹いていると言えます。

 
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2022年01月25日
アイデアよもやま話 No.5174 カーボンニュートラルの観点から見たEVを取り巻く現状、および今後志向すべき社会のあり方!
昨年10月10日(日)付けネット記事(こちらを参照)で日本でのEV普及の状況について取り上げていました。
そこでその内容をベースに、カーボンニュートラルの観点から見たEVを取り巻く現状、および今後志向すべき社会のあり方について私見を交えてご紹介します。

(カーボンニュートラルの観点から見たEVを取り巻く現状)
EV:
・2050年のカーボンニュートラル(二酸化炭素排出量の実質ゼロ)に向けて、自動車業界も対応を迫られている
・EV用バッテリーの高コスト、および充電インフラ整備の遅れがEVの普及を妨げている
・一方でバッテリーの低価格化が進んでいる
・日本は7割を火力発電に依存しているため、EVによるCO2削減効果への疑問やEV普及によって増える電力量を心配する声もある
・国内の乗用車総保有台数約6200万台が全部EVに置き換わったとして、1年間に必要な電力を試算すると現在の日本の年間総発電量の約1割を占める
・どの時間帯でも約9割の車両は駐車されている
・EVと家とで電力を融通し合うV2H(ビークル・トゥー・ホーム)を介してEV搭載のバッテリーの充電のみならず、家庭用電源としても利用出来る
・しかし、V2Hは非常に高価で普及はあまり進んでいない
・EVが普及すると産業構造も変わらざるをえず、その変化の規模も大きくなる(日本の自動車産業の経済規模についてはこちらを参照)
・EVシフトが進むと、雇用への打撃は避けられない

発電:
・太陽光や風力などによる再生可能エネルギー発電は天候に応じて不安定である
・太陽光発電装置は低価格化が進んでいるが、一方で原発コストは増える一方である(参照:アイデアよもやま話 No.5057 原発コストの優位性が揺らぐ!?
・太陽光などで発電した余剰電力は破棄されるケースが多い

蓄電:
・不安定な再生可能エネルギー発電での余剰電力を蓄えるバッテリーの普及が不十分である
・バッテリーはまだまだ高価である

電力消費:
・夜間の消費量は昼間のほぼ半分である
・昼間の電力需要のピーク時に大量のEVの充電(特に急速充電)が重なると電力需給のひっ迫をもたらす

(カーボンニュートラルの観点から見た今後志向すべき社会のあり方)
・太陽光を主体とした再生可能エネルギーによる発電(参照:No.4620 ちょっと一休み その717 『参考にすべき2人のノーベル物理学賞受賞者による講演 その2 20年で全ての電力を太陽光発電に置き換えられる!?』アイデアよもやま話 No.5149 無色透明の発電ガラス!
・より優れた再生可能エネルギー発電の研究・開発
・EVを中心としたゼロエミッションカーの普及
・余剰電力を蓄えるバッテリーの普及
  家庭用バッテリー
  V2H
・EVの充電・給電インフラの整備
・以下を狙いとする全国的なスマートグリッド(次世代送電網)の構築
  余剰電力の効果的な蓄電
  電力の需給バランス管理
  災害などによる停電対策
・将来の産業構造を見据えた雇用対策
・ベーシックインカム制度の導入(参照:アイデアよもやま話 No.5099 AI時代に日本が目指すべき社会のあり方!

 
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2022年01月24日
アイデアよもやま話 No.5173 注目のmRNAに日本人が貢献!
昨年10月4日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で注目のmRNAに日本人が貢献していることについて取り上げていたのでご紹介します。

中身に入る前に、これまでワクチンやメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンについて何度かお伝えしてきましたが、これらについてとても分かり易い説明を見つけたのでこちらを参照下さい。
また、専門的な内容になりますが、RNA(リボ核酸)についてはこちらを参照下さい。

ハンガリー出身のビオンテックのカタリン・カリコ上級副社長(こちらを参照)とアメリカ・ペンシルベニア大学のドリュー・ワイスマン教授は、全世界で打たれている新型コロナウイルスのRNAワクチン開発の立役者です。
流行からわずか1年も経たないうちにワクチンのスピード接種につながった技術を開発したのです。
カリコさんは次のようにおっしゃっています。
「あなた(ワイスマン教授)は地点Aから地点Bまで最短距離でまっすぐ進む。」
「私はこんな感じ(スパイラルのように遠回りして進む)。」
「でも目指すところはいつも同じ。」

コロナウイルスで突起した部分はスパイクタンパク質と呼ばれます。
これにヒトの細胞が触れるとコロナに感染します。
カリコさんたちはこのスパイクタンパク質をもとに人工的にメッセンジャーRNA(mRNA)を作成、ワクチンを体内に注射すると感染力の無いスパイクタンパク質が作られ、コロナウイルスに対する抗体ができ、免疫を働かせるという仕組みです。(mRNAについてはアイデアよもやま話 No.5015 画期的な次世代の国産新型コロナワクチン!を参照)
ファイザーとモデルナのワクチンに採用され、臨床試験でも90%以上の高い有効性が確認されているのです。

実はこの開発に欠かせない、あるものを発見した日本人化学者がいます。
それは新潟薬科大学の古市泰宏客員教授で、次のようにおっしゃっています。
「(私の発見は)世界の教科書に載っている・・・」
「ワイスマン教授、それからカリコさんもそれを勉強して、みんな頭に入ったうえでやっている。」
「礎という言葉を使うと、土台を古市が作ったと。」

古市教授は約50年前、mRNAの端に特殊な構造があることを発見しました。
この構造があるため、mRNAは分解されにくくなり、細胞内でタンパク質を作る効率を大きく上げる役割があることを見つけたのです。
今回のmRNAワクチンについて、古市教授は次のようにおっしゃっています。
「ワクチンであれば、ほんの少量で抗体を作るので、そういう点では(mRNAの活用は)賢明だったなと。」
「これが出来たことによって、これからどんなウイルスや微生物が人類の前に立ちはだかって病気を起こそうとしてもワクチンがあると立ち向かうことが出来る。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下に要約してみました。
・ハンガリー出身のビオンテックのカタリン・カリコ上級副社長とアメリカ・ペンシルベニア大学のドリュー・ワイスマン教授は、全世界で打たれている新型コロナウイルスのRNAワクチンの開発の立役者である。
・カリコさんたちはスパイクタンパク質(コロナウイルスの突起した部分)をもとに人工的にmRNAワクチンを作成した。
・ワクチンを体内に注射すると感染力の無いスパイクタンパク質が作られ、コロナウイルスに対する抗体ができ、免疫を働かせる。
・この仕組みはファイザーとモデルナのワクチンに採用され、臨床試験でも90%以上の高い有効性が確認されており、新型コロナウイルスの流行からわずか1年も経たないうちにワクチンの接種につながった。
・新潟薬科大学の古市泰宏客員教授は約50年前にこの開発に欠かせない、mRNAの端に特殊な構造があることを発見した。
・この構造があるため、mRNAは分解されにくくなり、細胞内でタンパク質を作る効率を大きく上げる役割があることを見つけた。
・mRNAワクチンが出来たことによって、これからどんなウイルスや微生物が人類の前に立ちはだかって病気を起こそうとしても立ち向かうことが出来る。

ということで、私たち人類は新型コロナウイルスのパンデミックで大変な思いをした後、続いて今はこれまでになく感染力の強い変異株、オミクロンの感染拡大の脅威にさらされています。
しかし、mRNAワクチンのお陰で何とかオミクロンに立ち向かいつつある状況です。
そして、変異株は今後も新型コロナウイルスが終息するまで何回か登場してくると見込まれます。
そのたびに私たち人類はmRNAワクチンを武器に変異株に立ち向かうことが出来るのです。
もし、mRNAワクチンが発明されていなかったらと思うとゾッとします。
ですから、mRNAワクチンは現在生きている私たちにとってかけがえのない発明と言えます。

そして、mRNAワクチンが短期間のうちに接種出来るようになったそもそものきっかけは古市教授がmRNAの端に特殊な構造があることを発見したことだったというのです。
ですから、私たちは古市教授やmRNAワクチン開発の立役者であるカリコさん、そしてワイスマン教授に感謝しなければなりません。

 
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2022年01月23日
No.5172 ちょっと一休み その809 『北京オリンピック・パラリンピックの開催に見る人権との関係の有無』
プロジェクト管理と日常生活 No.725 『中国の女子テニス選手を巡る問題の行方』で中国の女子テニス選手を巡る問題についてご紹介しました。
その時以来、オリンピック・パラリンピックと人権との関係の有無について気になっていました。
そうした中、昨年12月14日(火)付けネット記事(こちらを参照)でこの件について取り組んでいたのでその一部をご紹介します。
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

・日本共産党の志位和夫委員長は13日、「中国に人権抑圧の是正と五輪憲章の順守を求めよ――五輪開会・閉会式への政府代表の不参加は当然」と題する声明を発表しました。
・来年2月の北京冬季オリンピックをめぐり、中国政府による重大な人権侵害・人権抑圧が世界であらためて注目されている。
・この間、中国政府によって行われてきた香港での民主化を求める勢力への弾圧は、「一国二制度」という国際公約に反し、一連の国際条約・取り決めにも反するものである。新疆(しんきょう)ウイグル自治区での少数民族への抑圧、強制収容などの人権侵害も、国際法の義務への重大な違反である。
・中国の政権党幹部から性暴力を受けたと告発した中国女子テニス選手の消息が不明になっている問題は、深刻な人権侵害であり、国際的な女子テニス協会(WTA)は、中国でのすべての試合開催の停止を声明している。
・これらの中国政府による人権侵害・抑圧は、中国政府自身も賛成してきた「世界人権宣言」(1948年)、国際人権規約(66年)、ウィーン宣言(93年)など国際的な人権保障の取り決めに反するものである。
・同時にそれは、オリンピックの目的を「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てること」(根本原則第2項)とし、「憲章の定める権利および自由は…いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」(同第6項)と明記しているオリンピック憲章とも両立しえないものである。
・日本共産党は、中国政府に対して、オリンピックを開催する以上、自ら賛成してきた国際的な人権保障の取り決め、およびオリンピック憲章を順守し、人権侵害の是正の措置をとることを厳しく求める。
・国際オリンピック委員会(IOC)は、中国政府に対して、オリンピック憲章を順守し、人権侵害の是正の措置をとり、オリンピック開催国にふさわしい責任を果たすことを求めるべきである。この点で、中国女子テニス選手の問題で、IOCが、実際上、中国を擁護し、真相の隠蔽(いんぺい)に加担するのに等しい行動をとっていることは重大である。
・国際的な人権保障の取り決め、およびオリンピック憲章に反する事態が続いているもとで、大会の開会・閉会式に政府代表を派遣することは、中国での人権抑圧の黙認となりかねない。日本政府は、当然、政府代表を送るべきではない。そうした態度をとることは、大会運営には影響せず、政治によるオリンピックとスポーツへの介入にはあたらない。大会に向け懸命に準備してきた選手たちの参加は保証されなければならない。
・同時に、ことは、政府代表を送らないという対応だけですむ問題ではない。この間、日本政府は、中国政府による重大な人権侵害に対して、国際的な人権保障の取り決めを土台とした正面からの批判を行うことを回避する姿勢を続けてきた。
・北京冬季オリンピックへの対応が国際的に大きな問題となっている今こそ、日本政府は、中国政府に対して、従来の及び腰の態度をあらため、国際法にもとづく冷静な外交的批判によって、人権侵害の是正とオリンピック憲章の順守を正面から求めるべきである。

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

まず今回ご紹介した日本共産党の志位和夫委員長による声明について、中国共産党政権に対して好意的な内容だろうという先入観を持っていましたが、良い意味で見事に裏切られました。
そこで、あらためて声明の要旨を以下にまとめてみました。

(中国政府によるこれまでの度重なる一連の国際条約・取り決めへの違反行為)
・中国政府による香港での民主化を求める勢力への弾圧は、「一国二制度」という国際公約に反し、一連の国際条約・取り決めにも反するものである。
・新疆(しんきょう)ウイグル自治区での少数民族への抑圧、強制収容などの人権侵害、あるいは中国の政権党幹部から性暴力を受けたと告発した中国女子テニス選手の消息が不明になっている問題といった、中国政府による人権侵害・抑圧は、中国政府自身も賛成してきた「世界人権宣言」(1948年)、国際人権規約(66年)、ウィーン宣言(93年)など国際的な人権保障の取り決めに反するものである。
・同時にそれは、オリンピックの目的を「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てること」(根本原則第2項)とし、「憲章の定める権利および自由は…いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」(同第6項)と明記しているオリンピック憲章とも両立しえないものである。

(中国政府の取るべき対応)
・中国政府はオリンピックを開催する以上、自ら賛成してきた国際的な人権保障の取り決め、およびオリンピック憲章を順守し、人権侵害の是正の措置をとるべきである。

(IOCの取るべき対応)
・国際オリンピック委員会(IOC)は、中国政府に対して、オリンピック憲章を順守し、人権侵害の是正の措置をとり、オリンピック開催国にふさわしい責任を果たすことを求めるべきである。

(日本政府の取るべき対応)
・国際的な人権保障の取り決め、およびオリンピック憲章に反する事態が続いているもとで、大会の開会・閉会式に政府代表を派遣することは、中国での人権抑圧の黙認となりかねない。日本政府は、当然、政府代表を送るべきではない。
・北京冬季オリンピックへの対応が国際的に大きな問題となっている今こそ、日本政府は、中国政府に対して、従来の及び腰の態度をあらため、国際法にもとづく冷静な外交的批判によって、人権侵害の是正とオリンピック憲章の順守を正面から求めるべきである。

また昨年12月19日(日)付けネット記事(こちらを参照)でも同じテーマについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

・中国外交部の汪文斌報道官による16日の定例会見で関連評論を要求された際に「北京冬季五輪は世界の冬季五輪選手とウィンタースポーツ愛好家の祝祭」とし、「スポーツを政治化するいかなる行為も五輪憲章精神に反する」と述べた。
・これに先立ち、岸田首相はこの日開かれた参議院予算委員会で北京冬季五輪に参加するかどうかに関する質問に「今、私自身の参加は予定されていない」と答えた。他の米国同盟国のように“外交的ボイコット”という表現は使わなかったが、首相の不参加を初めて言及したもので注目される。

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

中国外交部はいつもながら自国の取り組みにとって都合の悪い事実は全て“政治化すべきでない”、あるいは“内政干渉”の一言で片づけているのです。
まさに経済力や軍事力を背景とした大国意識で、他国からのどんな指摘も意に介さないという姿勢なのです。
一方、岸田総理の実質的な“外交的ボイコット”は妥当な判断と言えます。
なお、昨年12月24日、政府は北京オリンピック・パラリンピックに政府代表団を派遣しない方針を発表したと報じられています。

要するに、中国は様々な面で国際公約や一連の国際条約・取り決めに反する行為を繰り返し、一方で中国国内では人権侵害や抑圧を繰り返し行ってきている“国際社会の問題児”的な存在なのです。
更にオリンピック憲章にも反しているのですから、本来オリンピック・パラリンピックの開催国として相応しくないのです。
習近平国家主席はこうした世界の多くの国々が中国をどのように見ているかを真摯に受け止めて方針転換すべきなのです。
そのためには、まず“中国共産党ファースト”で憲法さえも中国共産党政権を維持するための手段という基本的な考え方で国際社会にまで展開しているこうした方針を改めるべきなのです。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.690 『中国式“法治”の脅威!』)
習近平国家主席がこの憲法さえも“中国共産党ファースト”の手段とする考え方を改めない限り、アメリカを中心とする民主主義陣営と中国を中心とする覇権主義国家陣営との武力衝突をもたらす懸念は増していく一方です。

こうした状況下において、北京オリンピック・パラリンピックは開催されようとしているのです。
残念ながら、IOCもオリンピック憲章を順守する立場にありながら、中国の意向をくんでオリンピック憲章に反する中国の行為に目をつむっている状況はとても由々しき問題です。

プロジェクト管理と日常生活 No.718 『ウイグル人の人権を巡る国連での米中支持の驚くべき割合!』でもお伝えしたように中国は国連においてもその支配力を強めています。
その延長線上で、今やIOCも中国の影響下に取り込まれていると言えます。
こうした状況について、IOCはきちんと国際社会に向けて弁明すべきなのです。

こうした大国だから許されるという現実に対して、日本は“大国と言えども誤りは是正されるべきである”というスタンスで国際社会に臨むことが日本にとっても本来の法治国家である国々にとってもとても重要なのです。
ちなみに中国も表面的には法治国家ですが、本来の法治国家とは異なる“似て非なる”法治国家なのです。
幸いにして、今のところ岸田総理はこうしたスタンスをお持ちのように見受けられます。

ということで、今回の北京オリンピック・パラリンピックの開催は仕方ありませんが、これ以降の中国におけるオリンピック・パラリンピックの開催は中国がオリンピック憲章を順守するまでは停止するというくらいの主張をIOCは本来すべきなのです。

こうしたIOCの本来取るべき対応、あるいはアメリカを中心とする民主主義陣営の国々による中国の人権無視など国際社会のルール違反に対する対応が中途半端であれば、間違いなく中国はいずれ世界制覇を果たすことになってしまうのです。
その結果、世界は自由にものが言えない、あるいは人権が無視されるといったような“暗黒の社会”となってしまうのです。

ということで、次の世代のためにも日本政府のみならず、国民一人ひとりがこうした中国の脅威に対して目を背けず、タイムリーに適切な対応をすることが求められているのです。

 
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2022年01月22日
プロジェクト管理と日常生活 No.729 『アメリカが主導する「民主主義サミット」から見えてくる“志向すべき社会”のあり方』
昨年8月12日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でアメリカが主導する「民主主義サミット」について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

アメリカのホワイトハウスは民主主義国の首脳らを集めて「民主主義サミット」を開催すると発表しました。
バイデン大統領が主宰する「民主主義サミット」は以下の項目を主要な議題とする予定で12月9日から10日にかけてオンライン形式で開催します。
・専制主義からの防衛
・汚職との闘い
・人権尊重の促進

対中国を念頭に民主主義の価値観を共有する国を結集させる狙いがあると見られます。
これを受け、台湾の外交部は今日、サミットへの参加を目指す考えを表明しました。

このアメリカが主導する「民主主義サミット」の注意点について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは3つの観点から次のようにおっしゃっています。
「香港の現状などを見て、民主主義の重要性について異論を唱える人は少ないとは思うんですけど、バランスが重要だと思うんですね。」
「あとはやみくもにアメリカ流の民主主義の物差しを使って、これは白だ、これは黒だというようなことをやると分断を煽って、中国やロシアに塩を送ることになりかねない。」
「次に国益の重視というのは、中国との覇権争いでアメリカは国が民間を巻き込んで競争力の回復をしようとしていると。」
「その時にキーワードになる経済安全保障というのはまさに新しい姿の重商主義(こちらを参照)と言えると思うんですよね。」
「これに対して、日本は戦後発展してきた基盤が自由主義経済体制であり、自由貿易で、これが重要であることも重視しなくちゃいけないと思います。」
「(ですから、アメリカと中国と、そこの間にある日本のバランス、そこもバンランスではという指摘に対して、)そうですね。」
「(3つ目は、)今申し上げたこと以前に日本はいったい誰が出席するのかということで、秋の政局が控えているわけですので、菅総理がそれを乗り切れるかどうか、ちょっと気になりますね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、昨年12月9日から10日にかけて(日本時間)「民主主義サミット」がオンライン形式で開催され、岸田文雄内閣総理大臣が初日のセッションに参加し、中谷総理大臣補佐官も同席しました。
その結果の概要について、外務省の公式ページ(こちらを参照)で取り上げていたのでその一部を要約してご紹介します。

・「腐敗との闘い」、「権威主義からの防衛」、「人権尊重の促進」をテーマとした民主主義のためのサミットが開催され、世界各国の政府、市民社会等から幅広く多様なリーダーが集まり、民主主義を強化するための議論が行われている。
・岸田総理大臣は、首脳プレナリー・セッションにオンラインで参加し、民主主義を含めた普遍的価値を重視する立場から、民主主義を守り、世界における人権を促進するために重視している点について、概要以下のとおり述べました。
(1) 自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を損なう行動に対しては、有志国が一致してワンボイスで臨んでいかなければならない。
(2) 各国の歴史的経緯を尊重することこそが、民主主義の定着に寄与する。我が国はこうした信念の下、アジアの国々における和平プロセス、平和の定着、復興の後押しなど、二国間対話を通じ、各国の自主的な取組を後押ししてきた。
(3) 健全な民主主義の発展のためには、その中核的な土台として、中間層が質・量両面で分厚くなっていくことが不可欠である。しかしながら、金融資本主義経済の急激な展開が、格差の拡大や国際社会の分断など多くの弊害を生み、世界の多くの国で、健全な民主主義に歪みをもたらしつつある。日本は、デジタルとグリーンをキーワードとする経済社会の歴史的変革の中で、成長も分配も実現する「新しい資本主義」の実現に取り組み、健全な民主主義の中核である中間層を守るとともに、気候変動などの地球規模の課題や「人」を大切にした未来に向けた投資に、力強く取り組んでいく。
(4)企業における人権尊重の取組も、企業の予見可能性を確保しつつ、積極的に進めていく。国際機関との連携も重要であり、国際機関に対して約1,400万ドルを拠出することを決定した。
(5) 日本は、強靭な民主主義、基本的人権の尊重を、多くの国・地域に広げ、根付かせていくために、国際社会と共に歩んでいく決意である。

以上、「民主主義サミット」に関する外務省の公式ページの一部の要約でした。

ここであらためて今人類が置かれている環境において、どのような社会を志向すべきか、その要件について、私の思うところを以下にまとめてみました。
(自由)
・あらゆる人は自由に発言し、自由に行動することが出来る
・あらゆる報道機関は自由に情報を発信出来る

(平等)
・あらゆる人が社会から平等に扱われる

(人権)
・あらゆる人の人権が尊重される

(民主)
・より多くの人たちの民意が国政、あるいは個々の組織のルールに反映される

(平和)
・個人、組織、あるいは国、いずれのレベルにおいても争いは暴力、あるいは武力に依存せず、平和的に解決される

(社会)
・人類の諸々の活動による地球環境への負荷を最小限に抑制し、持続可能な社会を維持する

(ルール)
・上記の自由、平等、人権、民主、平和、社会の全ての観点がバランス良く尊重されるための法や取り決め、すなわちルールが作成され、個人、組織、あるいは国、いずれのレベルにおいてもこれらのルールが順守される

こうしてまとめてみると、いかに現実の国際社会がこうした観点で素直に見ると“志向すべき社会”からほど遠いことが浮き彫りになってきます。
例えば、民主主義陣営のリーダー国であるアメリカにおいては、先の大統領選挙の際に一部のトランプ前大統領の過激な支持者たちが連邦議会議事堂に乱入するといったように、民主主義陣営のリーダー国としてあるまじき事件がありました。
しかもこの事件はトランプ前大統領による扇動だったとバイデン大統領は指摘しているようです。(こちらを参照)
本来であれば、首謀者であるトランプ前大統領は法により裁かれるべきなのに未だに裁かれず、次の大統領選挙に立候補すると見られています。
更にトランプ前大統領は大統領在任中に“アメリカファースト”を掲げていました。
こうした“自国の利益第一主義”を掲げる大統領が民主主義陣営のリーダーでは“志向すべき社会”の実現はとても望めません。
ここでとても重要なことはアメリカ国民のほぼ半数はトランプ支持という現実です。
トランプ前大統領は図らずも民主主義のもろさを露呈させてしまったのです。

一方、独裁国家陣営のリーダー国、習近平国家主席が率いる中国においては“まず中国共産党ありき”で、全てにおいて中国共産党政権が優先され、国民はその道具でしか過ぎないのです。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.690 『中国式“法治”の脅威!』
更に中国はこうした基本方針を海外にも展開しつつあります。
しかも厄介なことに世界の半数以上の国々は今やこうした中国の覇権主義に賛同しているという状況が現実なのです。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.726 『中国が世銀「ビジネス環境ランキング」を不正操作』

民主主義国家陣営、あるいは独裁国家陣営、どちらに属している国民にとっても、こうしたリーダー国の現状はとても望ましいとは言えない状況のはずです。

では日本はこうした現状において、どのような役割を果たすべきでしょうか。
私の思うところを以下にまとめてみました。
・国際社会において、“共存共栄”をベースに、事あるごとに“志向すべき社会”の実現の重要性を説く
・2大大国、米中以外の国々と“志向すべき社会”の価値感を共有する
・その第三のパワーで米中の誤りに対して率直に意見を表明し、一定の影響力を持つ

要は、「民主主義サミット」を対中国を念頭に民主主義の価値観を共有する国を結集させるという狙いの枠を超えて、“志向すべき社会”実現に向けた一つの大きなきっかけとして捉え、米中の対立軸ではなく、原点に立ち返ってあらゆる国が“志向すべき社会”とはどのような社会なのかを世界各国が真剣に議論を闘わせ、その結果を踏まえて、そうした社会をどのように実現し、維持し続けるかを議論する場にするということなのです。
ですから、当然中国やロシアもいずれ参加国として迎い入れるべきなのです。

なお、“志向すべき社会”の大枠は既に国際連合憲章(参照:No.4956 ちょっと一休み その774 『中国による“内政干渉”の一言で物事が進んでいいのか?』)やSDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)などの国際的な取り決めの中に盛り込まれているのです。
ですから、国際的な取り決めの原点に立ち返って国際社会のあり方を見直しましょうということなのです。

さて、今回まとめてきた内容はプロジェクト管理とどのように結びつくでしょうか。
プロジェクトの目的は“志向すべき社会”の実現と位置付けられます。
そして、自由、平等など7つの要件は要件定義のフレーム(枠組み)と言えます。
ですから、「民主主義サミット」を一つのきっかけとしてこのプロジェクトを達成していただきたいと思います。

 
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2022年01月21日
アイデアよもやま話 No.5171 EVの充電設備に伴う問題解決策(案)!
私のこれまでの10年ほどのEVオーナーとしての体験から以下のことが言えます。
少なくとも、普段の暮らしで1日当たりの走行距離が50km程度であれば、中古のEVでも一戸建て住宅のケースで、自宅の駐車スペースに普通充電器を設置して、毎日充電していれば、外出時の充電スタンドでの充電は一切必要なく、バッテリー切れを心配することなく、安心して走行することが出来ます。
また、日産「リーフ」の62kwhの容量のバッテリー搭載の最新モデルであれば、フル充電で350km近くの長距ドライブでも途中での充電無しで安心して楽しむことが出来ます。
ちなみに一戸建て住宅に住んでいる方がEVを購入する場合、多くはEVの購入時に普通充電器を自宅に設置しているようです。

一方、マンション住まいなど、一戸建て住宅以外に住んでいる方がEVを購入する際のネックの一つは充電設備ですが、昨年12月28日(火)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でEV対応が進むマンションについて取り上げていたのでご紹介します。

EVの本格的な普及を見据えたマンションの建設計画が相次いでいます。
EVの普及にはマンションなどで充電設備を大幅に増やしていくことが課題の一つになっています。

東急不動産は来年(2022年)竣工予定の東京・目黒区のマンションで全ての駐車場に充電設備を設ける計画です。

一方、野村不動産は4年後の竣工を目指す神奈川県相模原市のタワーマンションで約200台の駐車場全てに充電設備を設置します。
野村不動産 住宅事業本部の吉田安広次長は次のようにおっしゃっています。
「“EV車を普及していかなきゃならない”というのは日本の一つの命題だと思います。」
「10年後、20年後も見越してこういう設備を入れていかないといけないというのを考えているところです。」

EVの普及には様々な課題はあるものの、戸建て住宅に限らず、マンションやアパート住まいでも身近な駐車場に普通充電器などの設備が備わっていればEV購入の大きなハードルを越えることが出来るのです。

ということで、EVの普及策としてまずはガソリン車並みの低価格化、およびガソリン車並みの航続距離を達成させ、EVの普及状況を見ながら同時並行で徐々に外出先の充電インフラの整備を進めるというのが得策だと思うのです。

 
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2022年01月20日
アイデアよもやま話 No.5170 日立がEV用インホイール式ダイレクト駆動システムを開発!
これまでインホイールにモーターついては以下のように何度かお伝えしてきました。

アイデアよもやま話 No.1831 電気自動車(EV)「SIM-LEI」も市販化までの道のりは険しい!?

アイデアよもやま話 No.3148 EVの進化 − ワイヤレス・インホイールモーター!

アイデアよもやま話 No.4882 かばんに入る1人乗りEV!

アイデアよもやま話 No.3221 来年には水陸両用のEVが市販化される!?


そうした中、昨年10月9日(土)付けネット記事(こちらを参照)で日立がEV用インホイール式ダイレクト駆動システムを開発したことについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

・日立製作所と日立Astemoは2021年9月30日(木)、電気自動車(EV)向けに、ホイール内部にモーターとインバーター、ブレーキを一体で搭載できる小型・軽量のダイレクト駆動システムを開発したと発表した。
・「Direct Electrified Wheel」と名付けられたこの駆動システムは、モーターの駆動力を車輪にダイレクトに伝達する。
・ホイールは19インチ。最大出力は60kW、最大トルクは960Nm。小型・軽量化したモーターは、従来のインホイール式で課題だったホイール内の重量増加を抑えつつ、パワー密度として世界トップクラスの2.5kW/kgを実現している。
・また、モーター、インバーター、ブレーキを一体化することで、サスペンションなどの既存構造を大きく変えずにホイール内部への搭載を可能にしたという。
・開発したインホイール式EVは、ドライブシャフトなどの間接機構を廃してモーターの力をそのままEVの走行に利用することで、既存のEVに比べてエネルギーロスを30%低減。これにより充電1回あたりの航続距離も増やせるとしている。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

日立製作所と日立Astemoが開発した、ホイール内部にモーターとインバーター、ブレーキを一体で搭載出来るダイレクト駆動システムのメリットを以下にまとめてみました。
・小型・軽量化
・パワー密度は世界トップクラス
・サスペンションなどの既存構造を大きく変えずにホイール内部への搭載が可能
・既存のEVに比べてエネルギーロスを30%低減
・充電1回あたりの航続距離の増加

現在、SDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)の観点からガソリン車からEVへのシフトに世界的な注目が集まっています。
そして、国内外を問わず、クルマ業界以外の業界からも続々とEV業界に参入する企業の動きが連日のように報じられています。
しかし、EVの普及に向けては以下のような課題があります。
・ガソリン車並みの低価格化
・ガソリン車並みの航続距離
・バッテリーの長寿命化
・安全性
・充電インフラの整備
・電力供給への最小限の影響

今回ご紹介したダイレクト駆動システムはガソリン車並みの低価格化、およびガソリン車並みの航続距離という2つの課題の解決に貢献出来そうです。
一方、バッテリー自体の高コストがEVの価格を押し上げていると言われていますが、これについては前回まで3回に渡ってご紹介してきた次世代バッテリーも上記の課題の多くの解決が見込まれます。
そして2020年代後半にはこれらの課題はほぼ解決されそうな状況です。
また充電インフラの整備については、国がリーダーシップを発揮して積極的に取り組めば、短期間のうちに解決出来るはずです。

ということで、2020年代は“EV開花の10年”と位置付けられると思います。

 
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2022年01月19日
アイデアよもやま話 No.5169 米粒2つ分の重さでもエネルギー密度は従来の4倍のマイクロバッテリー!
前々回、前回と2回にわたって今開発中の先進的なバッテリーについてお伝えしてきました。
そうした中、昨年9月24日(金)付けネット記事(こちらを参照)で米粒2つ分の重さでもエネルギー密度は従来の4倍のマイクロバッテリーについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。 
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

・米粒2つ分の重さでありながら、大きく重いバッテリーと同等のエネルギー密度を持ち、保護パッケージ不要のマイクロバッテリーを製造する方法が開発された。
・この研究はペンシルベニア大学、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、米Xerion Advanced Battery Corpによるもので、2021年7月19日付で『Advanced Materials』に掲載された。
・無線対応の電子機器はますます小さくなり、より多くの場所で使用されるようになってきている。それに伴って、バッテリーはより少ないスペースでより多くの電力を蓄えられることが求められている。また、ウェアラブルデバイスやロボットといった形でモバイル化も進んでいるため、バッテリーを日常生活での衝撃に耐えられるものにする一方で軽量化もする必要がある。しかし、バッテリーを小さくするにつれて、エネルギー密度を向上させることは指数関数的に難しくなる。困難である理由の1つに、バッテリーに必要な実装面積のうち、より多くの部分を保護用パッケージに割かなければならないことが挙げられる。
・そこで、今回の研究では、最小サイズでもエネルギー密度を最大限に高めるマイクロバッテリーの新しい製造およびパッケージ方法を提示した。重要な開発ポイントは、新しい種類の集電体とカソードだ。これらはエネルギーを貯蔵する材料の割合を増やし、同時に保護シェルとしての役割も果たす。
・特に集電体は、電子伝導体としてだけでなく、バッテリー内へ水や酸素が侵入しないように防ぐ非導電性の保護パッケージとしての役割もあり、1つで2つの役割を果たす。これにより、通常はバッテリー内部の繊細な化学物質を保護するために使われている非導電性パッケージの必要性が減るので、スペース効率が従来より上がり、同様の大きさで、現在の最新のマイクロバッテリーと比較して4倍のエネルギー密度が得られた。
・新しいパッケージと組み合わせることで、マイクロバッテリーは米粒2つ分の重さでありながら、大きさが100倍のバッテリーに匹敵するエネルギーと電力密度を持つようになる。
・このマイクロバッテリー設計は、空を飛ぶマイクロロボットの小型化や、埋め込み型医療機器の耐用年数を伸ばすことに寄与し、さらにはモノのインターネット(IoT)にとってこれまでは不可能だったさまざまなデバイスへの道を開くものだ。研究チームは今後、性能をさらに向上させるために調整可能な化学的および物理的特徴の研究を続けるとともに、この新しい電源を利用したウェアラブルデバイスやマイクロロボットを作っていく予定だ。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

これまで何度となくお伝えしてきたように、EVの製造コストの半分程度はバッテリーなのでその分販売価格が高くなり、重量も重いことからその分航続距離を短くしていると言われてきました。
そうした中、今回ご紹介したマイクロバッテリーは米粒2つ分の重さでありながら、大きさが100倍のバッテリーに匹敵するエネルギーと電力密度を持つようになるというのですから、これが実用化されれば上記の問題は解決されると大いに期待出来ます。

そして、このマイクロバッテリー設計はEV以外にも以下のようなメリットをもたらすというのです。
・空を飛ぶマイクロロボットの小型化
・埋め込み型医療機器の耐用年数を伸ばせること
・モノのインターネット化(IoT)にとってこれまでは不可能だったさまざまなデバイスへの道を開くこと

なお、現在主流のリチウムイオンバッテリーの次世代バッテリーとして、現在、全個体電池に注目が集まっています。
ところが、今回ご紹介したマイクロバッテリーは全個体電池よりも更に格段に優れたバッテリーになり得る可能性を秘めています。

さて、前々回は6分で充電出来る次世代リチウムイオンバッテリー、前回はナトリウムイオンバッテリー、そして今回はマイクロバッテリーについてご紹介してきました。
他にも全個体電池が次世代バッテリーとして有力視されております。
ということで、現在のバッテリー業界は“群雄割拠”、あるいは“百課争乱”状態にあると言えます。
またバッテリーを制する者がEVを制するとも言われております。

こうした次世代バッテリーの特徴を以下の4つに整理してみました。
・現行リチウムイオンバッテリーの進化版
・現行リチウムイオンバッテリーの固体化
・レアメタルであるリチウムに依存しないベースメタル(大量の生産量)を原料としたバッテリー
・バッテリーの構造そのものを見直した進化版(小型化、あるいは簡素化)

こうしたそれぞれの特徴を生かした技術を組み合わせることにより格段のバッテリーの低価格化、および環境への負荷の低減が図られると期待出来ます。

ということで今後のバッテリー技術の行方如何で、EVやドローンなどの移動体や家電製品など様々な機器に、更には発電量が不安定な太陽光など自然エネルギー発電の余剰電力を蓄えるバッテリーに新たな革命が起きるかもしれないのです。
まさに“乞うご期待”です。

 
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2022年01月18日
アイデアよもやま話 No.5168 ナトリウムイオンバッテリーの可能性!
前回は従来のリチウムイオンバッテリーの進化版バッテリーについてご紹介しました。
そうした中、昨年9月22日(水)付けネット記事(こちらを参照)でナトリウムイオンバッテリーの可能性について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

・リチウムイオン電池(バッテリー)に代わる技術として、ナトリウムイオン電池が注目を集め始めている
・そのメリットとは以下の通りである
  原料が安価で大量に存在する
EV用のリチウムイオンバッテリーと同等のエネルギー密度を持つ
環境への配慮や長期的な利用、コストといった課題を解決出来る可能性を秘めている
・しかし、ナトリウムイオンはリチウムイオンに比べて大きいため、これまでのナトリウムイオンバッテリーの容量はリチウムイオンバッテリーに10倍以上の開きがあった
・この問題を解決するため、科学者たちはグラフェン層の片側に分子のスペーサーを追加して、層と層の間にスペースを確保した。これにより、ナトリウムイオンがグラファイト構造に出入りしやすくなり、バッテリー容量の大幅な向上に成功した
・この研究はまだ初期段階にあり、産業用途での実現にはほど遠い。しかし、完全な可逆性(完全充電と完全放電というバッテリーの基本的な機能)を持つことが証明されており、また高い安定性を示しているため、性能を失うことなく何百回も充電と放電を繰り返すことができる。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

現在、EV用バッテリーと言えば、リチウムイオンバッテリーが主流です。
しかし、その価格が高いということからEVの低価格化を進めるうえで高いハードルとなっています。
そうした中、今回ご紹介したナトリウムイオンバッテリーは上記のメリットを有しておりますが、研究の初期段階といいます。
しかし、実用化されれば、EVの低価格化が実現出来、EVの普及に大きく貢献出来ます。

ということで、ナトリウムイオンバッテリーはEV用のバッテリーとして、あるいは一般家庭用のバッテリーとして将来的に有望な候補の一つとなり得ます。
ただし、このナトリウムイオンバッテリーには充放電回数の増加、および開発期間の短縮といった課題があります。
ですので、こうした戦略的な技術開発に対しては国も資金面で積極的にサポートをしていただきたいと思います。

 
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2022年01月17日
アイデアよもやま話 No.5167 6分で充電出来る次世代リチウムイオンバッテリーを2023年度に商業化!
昨年9月24日(金)付けネット記事(こちらを参照)で2023年度に商業化が見込まれる6分で充電出来る次世代電池(バッテリー)について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

・東芝、商社の双日、およびニオブ(Nb)の生産および販売最大手であるブラジルCBMM(カンパニア・ブラジレイラ・メタルジア・イ・ミネラソン)の3社は2021年9月24日、ニオブチタン系酸化物(TiNb2O7:NTO)を負極活物質として用いる次世代リチウム(Li)イオン電池(LIB)の試作セルの開発を完了し、商業化に向けた共同開発契約を締結したと発表した。
・電気自動車(EV)向けLIBとして2023年度の商業化を目指すという。
・商業化が順調に進めば、EV向けLIB市場にとってのゲームチェンジャーとなる可能性がある。
・NTOを負極に用いるLIBは東芝が2017年に発表した次世代LIBの技術で、特徴は大きく3つ。(1)6分で90%充電できるなど超急速充電に対応する、(2)充放電サイクル寿命が2万5000回以上と非常に長い、(3)負極活物質の電位がLiに対して1.6Vも高く、Liイオンが析出することによるデンドライトが生じないため安全性が高い、である。
・東芝と双日、CBMMの3社は、2018年6月時点でこのNTO負極材料について共同開発契約を結んでいた。今回の3社の発表は、これまでのセルの開発から、量産プロセスの確立や早期の市場投入へと協業のフェーズを1段階先に進めるというものだ。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

今回ご紹介した次世代リチウムイオンバッテリーは充電時間、充放電サイクル寿命、安全性の観点から従来のリチウムイオンバッテリーに比べて大変な進化と言えます。
また、同じく次世代バッテリーとして脚光を浴びている個体電池(参照:アイデアよもやま話 No.4942 早くも来年には航続距離1000kmの個体電池が登場!?)に比べても引けを取らないバッテリーと言えます。
しかも来年にはEV向けの商業化が見込まれるというのですから、まさしくバッテリー業界のゲームチェンジャーとなる可能性を秘めています。

なお、アイデアよもやま話 No.5065 全固体電池の実力を上回る「硫化物電池」!でも次世代バッテリーの候補をご紹介しましたが、商業化のタイミングからすると、今回ご紹介した次世代リチウムイオンバッテリー、および先ほどの個体電池がまず脚光を浴びると思われます。
ただし、次世代リチウムイオンバッテリーにも課題があります。
それは原料にレアメタル(地球上の存在量が希少)であるリチウムを使用しているので他のベースメタル(大量の生産量)へのシフトです。

 
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2022年01月16日
No.5166 ちょっと一休み その808 『岸田政権の掲げる”成長と分配”の本質!』
アイデアよもやま話 No.5158 クルマもネットで買う時代到来!でご紹介したクルマのオンライン販売もDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環と言えます。
“デジタル化”をベースとした業務プロセス改革は製造メーカー、あるいは販売企業の業務プロセスの改善による生産性向上につながり、一方、消費者にとっては、わざわざ店舗に出向かなくても済むといったような利便性を高めてくれます。

今、岸田政権は“成長と分配”を政策のスローガンとして掲げていますが、成長のベースは具体的には優れた、あるいは魅力的な商品開発、そして生産性の向上です。
このポイントを外しての企業の成長はあり得ないのです。
そして、こうした企業の成長があってこそ、従業員へのより多くの利益の分配が可能になり、これが新たな消費につながり、“成長と分配”のあるべきサイクルが回り続けるというわけです。
一方、企業の成長がほとんど見込めない状態が続く中で分配の金額のみが増え続けていけば、企業の存続は危うくなり、国の財政もいずれ破綻してしまうことは明らかです。
ちなみに岸田総理もこうしたことを理解されているので、「成長と分配は両方のバランスが取れたものでなくてはならない」というようなことを強調されているわけです。

こうしてみると、“成長と分配”の主役はあくまでも企業と消費者なのです。
そして、国や自治体は“成長と分配”が少しでもうまく機能するためのサポーター的な存在なのです。
ということで、企業経営者はこうした企業の重要な責任をしっかりと自覚することが求められるのです。
更に、地球温暖化が進む状況において、企業にはSDGsへの積極的な取り組みも求められています。
こうした企業の責務を全うすることにこそ、企業経営のだいご味があると思うのです。

なお、アイデアよもやま話 No.5165 SDGs先進国、フィンランドから学ぶべきこと!でもお伝えしたように、日本はSDGs達成度ランキング18位、世界幸福度ランキングは56位で、こうした観点から見れば日本は自信を持って先進国とはとても言えない状況なのです。
ですから、“成長と分配”も国の政策として重要ですが、SDGs、あるいは世界幸福度の細かい定義に沿った体系的な取り組みもとても重要なのです。
なお、企業の活動においても同様のことが言えます。
更に国の政策においては、“成長と分配”の一貫としてコロナ禍の影響で更に格差が拡大している状況において格差是正対策も求められるのです。(参照:No.5160 ちょっと一休み その807 『コロナ禍の影響で更に格差拡大!

 
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2022年01月15日
プロジェクト管理と日常生活 No.728 『新型コロナウイルス対策の接触確認アプリ「COCOA」の信じられない不具合』
これまで新型コロナウイルス対策の接触確認アプリ「COCOA」については、プロジェクト管理と日常生活 No.684 『日本政府におけるデジタル化の課題』プロジェクト管理と日常生活 No.687 『GoToトラベルで感染拡大!?』などでお伝えしてきました。
そうした中、昨年10月29日(金)付け読売新聞の朝刊記事でも新型コロナウイルス対策の接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の不具合について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

新型コロナウイルス対策の接触確認アプリ「COCOA(ココア)」に不具合が生じた問題で、会計検査院は、開発業者への指示を怠るなど対応が不適切だったとして、厚生労働省(厚労省)に改善を求めた。

アプリは、厚労省が昨年(2020年)6月に運用を開始したが、同9月に、スマートフォンのアンドロイド端末で接触通知が届かない不具合が発生し、今年(2021年)2月まで改修されなかった。厚労省は4月、動作テストを実施しなかったことや外部からの不具合の指摘を放置したとする報告書を公表した。

 検査院が改めて調べたところ、アプリの仕様書にはテストに関する具体的な記載が一切なかった。意見を募るためにプログラムを外部公開していたのに、指摘があった際の対応も開発業者に指示していなかった。

 契約では、不具合が起きた際には、業者負担での修理か、代金の減額かを指示することができたが、放置したままだった。

 アプリは、厚労省が開発と運用保守をIT業者に委託し、約3億8000万円を支払った。検証報告後に、運用や保守は別の業者に変更された。9月30日時点で約3000万件がダウンロードされている。厚労省の担当者は「指摘を踏まえ、適切に対応する」としている。

以上、記事の内容の一部をご紹介してきましたが、「COCOA」に不具合が生じた問題で、会計検査院により指摘された事項を以下にまとめてみました。

・2020年9月、スマートフォンのアンドロイド端末で接触通知が届かない不具合が発生した
・この不具合について2021年2月まで厚労省による改修がされなかった
・「COCOA」開発の仕様書にはテストに関する具体的な記載が一切なかった
・意見を募るためにプログラムを外部公開していたのに、指摘があった際の対応も開発業者に指示していなかった
・契約では、不具合が起きた際には、業者負担での修理か、代金の減額かを指示することが出来たが、放置したままだった

こうしてまとめてみると、厚労省の「COCOA」開発部署はアプリ開発の“イロハ”さえ理解しておらず、業者に“丸投げ”状態で厚労省は単なる窓口であったというのが実態だったことが分かります。
まさに国民にとってはとんでもない税金の無駄使いだったのです。

更に「COCOA」は、厚労省が開発と運用保守をIT業者に委託し、約3億8000万円を支払い、検証報告後に運用や保守は別の業者に変更されたといいます。
このことも普通はあり得ないことです。
アプリ開発に限らず、一般的なシステム開発において、開発の委託先にシステム稼働後の保守も引き続き依頼するのが一般的だからです。

なお、今回は厚労省による「COCOA」の開発に伴う問題についてお伝えしましたが、ほかの省でも同様の問題が起きていないのか懸念されます。

ということで、以前にもお伝えしましたが、“デジタル化”、あるいはDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくうえで、まず関連部署の官僚が“システム開発とは何ぞや”、そして“システム開発におけるオーナー業務として何が重要か”といったことをしっかり学ぶことが求められます。
こうしたステップを踏まずに国のDXを進めても税金の垂れ流し状態が続くリスクはとても高いと言えます。
こうしたリスクを最小化するためには、台湾のIT担当大臣、オードリー・タンさん(参照:アイデアよもやま話 No.5029 参考にすべきオードリー・タンさんの基本的な考え方!)のようなIT関連に精通した優れた専門家を外部からスカウトしてDXにおいては全権を委任するくらいの覚悟を岸田総理が持つことが求められます。

 
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2022年01月14日
アイデアよもやま話 No.5165 SDGs先進国、フィンランドから学ぶべきこと!
昨年9月30日(木)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)でSDGs先進国、フィンランドについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。

フィンランドの環境・気候変動大臣、クリスタ・ミッコネンさんは次のようにおっしゃっています。
「私のSDGsは生物多様性です。」
「人間は自然を守らなければなりません。」
「人間も自然の一員であり、自然が人間を守ってくれるのですから。」

実はフィンランドは最新の調査でSDGs 達成度ランキングで世界1位になりました。(こちらを参照)
フィンランドでは今、CO2排出量を減らすために様々な取り組みをしています。

首都ヘルシンキ市内を取材すると、目に付いたのは自転車で通勤・通学する人の多さでした。
市民のある女性は次のようにおっしゃっています。
「環境を考えてね、家族はみんな自転車で移動しているの。」
「うちにはクルマはあるけれど、使ってないのよ。」
「クルマは手放すつもりでいるわ。」

自転車に乗る市民が使っているのが専用アプリです。
移動ルートを検索すると、「地球に優しい順」という表示が出てきます。
アプリに目的地を入力すると、例えば「自家用車よりも徒歩や公共交通機関を利用してね」ですとか、「シェアサイクルや電動キックボードのレンタルステーションがここにありますよ」など、CO2の排出量がより少ない移動手段、そしてルートを教えてくれるんです。
ミッコネン大臣は次のようにおっしゃっています。
「(市民の意識の高さについて、)理由の一つはフィンランドが長年SDGs教育に力を入れてきたからだと思います。」
「幼稚園から職場まであらゆる現場でSDGsを話題にしています。」
「全員が関与しているということが重要だと思います。」
「(CO2削減のために食生活にも変化があったということですが、)食べ物や食事で気候変動への影響が出ないようにするには、肉よりも野菜を食べる必要があります。」
「これは政府も国民に推奨しています。」
「(肉よりも野菜を食べる理由は、肉は野菜よりも製造時のCO2が多くなるからだというが、肉が大好きな人はどうしたらいいかという問いに対して、)お肉を“日曜日のごちそう”と考えてみてはいかがでしょうか。」
「毎日食べるのではなく、お祝いの時のごちそうとか、たまに食べるご褒美だとか、それもありだと思いますよ。」

更に、食事を提供するレストランでは、ごみ箱が無いんです。
なぜならば、骨や卵の殻など、どうしても出てしまう生ごみはコンポストに入れて堆肥にしているからなのです。
堆肥は農家に提供し、その農家から野菜を仕入れるという“食の循環”を実現していたのです。

そして、フィンランドが凄いのは、環境や食に対する国民一人ひとりの意識の高さだけではありません。
SDGsの目標17のうち、特に「全ての人に健康と福祉を」、「質の教育をみんなに」、「ジェンダー平等を実現しよう」、この精神を国が推し進め、フィンランドは世界幸福度ランキングで4年連続1位となっているのです。(こちらを参照)
ミッコネン大臣は次のようにおっしゃっています。
「(SDGs 達成度1位、そして世界幸福度も1位を達成しているが、この2つは連動していると思うかという問いに対して、)フィンランドは幸せに安全かつ健康に暮らせる社会を構築しました。」
「ですから(幸福度は)SDGsとは密接に関連していると思います。」
「国民は互いを信頼し、政府や警察や隣人を信頼しています。」
「そうした要素がフィンランドを世界一幸せな国にしているのだと思います。」

ミッコネン大臣によると、子どもたちにより良い未来を残すためにはSDGsの教育が大事なんだとおっしゃっています。
そのうえで、例えば日常の会話でSDGsについて話し合う、そのうえで一人ひとりがSDGsに関与しているという意識を持つことが大事なんだと強調されていました。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

まずフィンランドのCO2排出量を減らすための取り組みについて以下にまとめてみました。
・長年にわたるSDGs教育による市民の意識の高さ
・自転車での通勤・通学の普及
・専用アプリによるCO2の排出量がより少ない移動手段、およびルートのガイド
・気候変動への影響が出ないような食べ物や食事の奨励
・食事を提供するレストランでは骨や卵の殻などのごみはコンポストに入れて堆肥にして農家に提供し、その農家から野菜を仕入れるという“食の循環”を実現

なお、SDGsと言えば、“CO2排出量の削減”、”脱炭素化”に注目が集まっていますが、No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』でもお伝えしたように、SDGsは経済、社会、環境の3つの側面のバランスのとれた、持続可能な開発を目指しています。
ですから、SDGs全般に真摯に取り組んでいるフィンランドがSDGs達成度ランキング1位、更に世界幸福度ランキングも1位を達成しているのは不思議ではないのです。

ちなみに、日本はSDGs達成度ランキング18位、世界幸福度ランキングは56位ですから決して誇るべき順位ではありません。
特に世界幸福度ランキングが56位というのは国民にとってとても由々しき問題です。
岸田政権は“成長と分配”を政策方針の目玉として掲げておられますが、SDGs達成度、および世界幸福度という国際的な指標を参考に日本は何を課題とすべきかを見極め、その具体的な課題解決策を政策目標として掲げ、両方のランキングで世界1位を目指していただきたいと思います。

 
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2022年01月13日
アイデアよもやま話 No.5164 次世代治療法でがん患者を救う!
昨年9月26日(日)放送の「健康カプセル!ゲンキの時間」(TBSテレビ)でがんの次世代治療法について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

南東北BNCT研究センター(福島県郡山市)の診療所長で医学博士の廣瀬勝己さんは次のようにおっしゃっています。
「私たちが行っている治療法は、通常、いろんな病院でやっている放射線治療とは全く異なる治療法なんですね。」

一般的な放射線によるがん治療はがん細胞の周りにある正常な細胞も攻撃してしまうことがあるため、少ない量で何回かに分けて放射する必要があります。
それがこちらの病院では放射する回数が1〜2回と非常に少なくなったのです。
更に、廣瀬さんは次のようにおっしゃっています。
「この治療を受けられた患者さんの2人に1人はがんが(目に見える範囲では)消えたというふうな結果も出ています。」

それがこの病院が取り入れたBNCTという治療法です。
その方法はホウ素という物質が入った薬剤を点滴で注入します。
するとホウ素ががん細胞のみに集まります。
次にがん細胞を破壊するために使うのが(特殊な)大きな機械です。
これで患者の顔の位置を完全に固定、破壊するがん細胞に狙いを定めます。
そして、中性子という特殊な放射線を照射、ホウ素と化学反応を起こし、がん細胞だけが破壊されるという仕組みなのです。
廣瀬さんは次のようにおっしゃっています。
「今は頭頚部がんやってますけども、脳腫瘍など(首から上のがん)も適用の範囲に入りますし、例えば足とか腕にできるがんに対してもこれからは適用を広げられるようにということでいろんな治験を含んでやっていく必要があると思っていますね。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

がん治療といえば、何回か繰り返される放射線治療が一般的です。
ところが、少ない量で何回かに分けて放射する必要があり、しかもがん細胞の周りにある正常な細胞も攻撃してしまうことがあるため、脱毛などの副作用があることが知られています。

一方、南東北BNCT研究センターの病院ではBNCTという画期的な治療法により、放射する回数が1〜2回で済み、この治療を受けた患者の2人に1人はがんが目に見える範囲では消えたという結果も出ているというのです。
現在、この画期的な治療法は頭頚部がんに対して行っていますが、脳腫瘍なども適用の範囲で、今後は足や腕にできるがんに対しても適用範囲を広げる見込みだといいます。

なお、がん患者数の動向ですが、日本はこちらを、世界はこちらを参照して下さい。
世界中で、多くの方々ががんに苦しんでいたり、亡くなっているのです。
しかもその数は増加傾向にあるのです。

こうした状況において、BNCTという素晴らしいがんの治療法を少しでも早く全身のがんに適用出来るように研究開発を進め、国内外を問わず、多くの病院でがん治療に使えるような状態にしていただきたいと思います。
ですので、国には是非こうした画期的ながん治療の研究開発に対しては資金的な支援などを望みます。

 
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2022年01月12日
アイデアよもやま話 No.5163 出生率が上昇している町の秘訣!
昨年9月23日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で出生率が上昇している町の秘訣について取り上げていたのでその一部をご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。

2020年の出生率は1.34と5年連続の低下となりました。(こちらを参照)
一方で出生率が上昇している町もあります。
いったいなぜなのかその訳を番組が取材しました。

どんなアイデアで出生率を上昇させたのか、日経電子板「データで読む地域再生」より関東と山梨県で出生率を上昇させた町をランキング(合計特殊出生率」の上昇幅03〜07年と13〜17年を比較しました。

まずは10位から8位、番組が注目したのが10位の千葉県流山市です。(こちらを参照)
東京から約20km、人口増加率は全国で常に上位、実はこの町、コンビニより保育園の数が多いのです。
その数91ヵ所、いったいなぜこんなに保育園が多いのか、流山市の伊崎義治市長は次のようにおっしゃっています。
「つくばエキスプレスができて、都心へのアクセスが良くなりますので、共働き、子育て世代は流山市を選んでいただけるだろうと。」
「仕事をしながら子育てが出来る、し易い環境、仕組みをつくることが最も重要であると。」

2005年に開通したつくばエキスプレス、実は開通時の沿線開発費の市の負担は当時の税収の約3倍、約600億円、人を呼び込めなければ市の財政を直撃する、そこでターゲットにしたのが子育て世代でした。
毎年、保育園を約10ヵ所ずつ増やし続け、保育士確保のために月に最大6万7000円の家賃補助が、そして毎月給与とは別に流山市が最大4万3000円支給しています。
こうした取り組みの結果、市の調査では市民の92%が「これからも流山市に住み続けたい」と回答しました。

続いては4位まで(こちらを参照)、4位の山梨県忍野村とは東京から約85km、人口約9700人、忍野八海という世界遺産で知られていますが、富士山を臨むこの小さな村がなぜ出生率を上げたのか、村のはずれの森を進んでいくと、次々と巨大な建物が現れました。
実は全てファナック株式会社という世界有数の産業用ロボットメーカーの建物、1980年、忍野村がファナックの工場を誘致、その後ファナックは成長を續け、本社・工場などの敷地を東京ドーム約38個分に広げ、本社もこの村に移転しました。
従業員と家族を合わせ、約2500人が居住、このファナックの存在が出生率アップのきっかけとなったのです。
忍野村役場 企画課の米山卓也課長は次のようにおっしゃっています。
「村にとっては非常に大きな税収をいただけることになったと。」
「ファナックからいただける豊かな財源と併せて、独自の施策をしっかりと展開はしていると。」

忍野村役場が最も力を入れているのは子育て支援、給食費は小・中学校、医療費は高校までが無料、そしてもう一つが村でも定住化策、新築で一律100万円、リフォームで最大200万円の補助、移住者も増えています。

いよいよトップ3(こちらを参照)、1位に輝いたのは東京都の日の出町です。
東京の西側の山間に位置する日の出町、駅もない自然豊かな町がなぜ出生率を上げたのか、その一つが日の出町が子育て支援のために配布しているクーポン券です。
日の出町はクーポン券や現金を高校卒業まで毎月1人1万円、合計、最大で216万円を支給、更に医療費は高校まで無料、また相場より割安な子育て向けの町営住宅の整備など、15年前から次世代育成プログラムを推し進めてきました。
日の出町役場 子育て福祉課の野口孝博課長は次のようにおっしゃっています。
「町民が「もう1人産んでみよう」と思ってもらえるようなのを願ってつくった(制度です)。」

その結果、子育て世代が増加し、出生率の上昇幅が全国でトップになったのです。

出生率を上げる様々な取り組み、自治体の挑戦は続きます。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきましたが、その要旨を以下にまとめてみました。

・日経電子板「データで読む地域再生」より関東と山梨県で出生率を上昇させた町をランキング(合計特殊出生率」の上昇幅03〜07年と13〜17年を比較した
・番組が注目した10位の千葉県流山市の取り組みの特徴は以下の通りである
  コンビニより保育園の数が多い(つくばエキスプレスの開通に伴う、共働き、子育て世代の転入が狙い)
  保育士確保のために月に最大6万7000円の家賃補助、そして毎月給与とは別に流山市が最大4万3000円支給している
・同じく4位の山梨県忍野村の取り組みの特徴は以下の通りである
  優良企業の誘致(税収増)
  豊かな財源による子育て支援(給食費や医療費の無料化)
定住化策(新築で一律100万円、リフォームで最大200万円の補助)
・同じく1位の東京都日の出町の取り組みの特徴は以下の通りである
  子育て支援(クーポン券や現金の配布、相場より割安な子育て向けの町営住宅の整備など)

こうしてまとめてみると、出生率が上昇している町の秘訣が見えてきます。
それは以下の3つです。
・子育て支援
・定住化の推進
・優良企業の誘致

そして、注目すべきは出生率の上昇対策を国に依存しなくても自治体独自の取り組みによって成し遂げられるという点です。
なお、定住化の推進策の一つとして今問題になっている各地の空き家の活用が考えられます。
私の実家のある千葉県外房の漁村でも徐々に空き家が増えつつあります。
そして、空き家の中にはまだ十分に住める家もあります。
また、他にも海や森など豊かな自然に恵まれた地域であれば、地の利を最大限に生かした定住化策が考えられます。
なお、こうした地域の復興策を後押ししているのがコロナ禍をきっかけに注目を浴びるようになった在宅勤務やリモートオフィスといった働き方の変化です。
こうしたライフスタイルを支えるインフラの一つがDX(デジタルトランスフォーメーション)なのです。
そして、DXの推進は少子化対策のみならず人手不足対策としても極めて有効なのです。
ですから、国にはDX推進の重要性を十分に理解し、社会インフラ整備の一つとして真剣に取り組んでいただきたいと思います。

 
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2022年01月11日
アイデアよもやま話 No.5162 たった一人の日本人による世界初の民間の月面探査機の発明!
昨年9月21日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でたった一人の日本人による世界初の民間の月面探査機の発明について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

月に向けて来年(2022年)、世界で初めて民間の探査機を打ち上げるという計画が進んでいます。
開発したのはたった一人の日本人エンジニアでした。
東京・池袋のSKY CIRCUS サンシャイン60展望台にあるイベントスペース、お客が操作していたのは小さなロボットです。
日本のベンチャー企業が開発した月面探査車「YAOKI」です。
水資源の調査や洞窟探検などを想定して設計されています。
大きな車輪とカメラで出来たシンプルなデザインですが、重心を調整することで何度ひっくり返ってもすぐに起き上がれるよう工夫されています。
「YAOKI」という名前は“七転び八起き”から付けられました。
実はこの「YAOKI」、アメリカのNASA,航空宇宙局が手掛けるプロジェクトに参加が決まっています。
来年(2022年)初頭には月に上陸する予定で、これは民間の月面探査車としては世界初の快挙です。
その快挙を成し遂げようとしているのが株式会社ダイモンのCEO、中島紳一郎さん、設計から開発までほぼ一人で手掛け、8年間かけて「YAOKI」を完成させました。
実用化にあたって一番こだわったのは探査機の重さです。
中島さんは次のようにおっしゃっています。
「(重さは)今、498g、500g切っています。」
「月面探査を開発しているような他社は4輪や6輪、重量は5kg程度、10分の1のコストで月面探査が実現出来る、事業も有利に展開出来るということです。」

月へモノを運ぶには1kgあたり約1億円かかるとも言われていて、軽量化を徹底することで他社との差別化を図っているのです。
中島さんは来年(2022年)の初頭以降に打ち上げる探査機の数を増やし、ビジネスとして成立させたいとして、次のようにおっしゃっています。
「2024年には一応マイルストーンですけども100機(打ち上げ)を予定しています。」
「100機でもこの軽さであれば十分に実現可能な数量だと思っています。」
「小型軽量技術が生かされるというところが日本の一つの強みだと思っています。」
「日本が新しい月面都市開発の市場でメジャーなところを取っていく・・・」

中島さんの会社、ダイモンではこの月面探査機の技術を応用して来年(2022年)には地上でのロボット事業を展開する予定だそうです。
具体的には、廃炉にした原子力発電所を点検するロボットとか災害時の救出ロボットを開発していきたということです。

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、その要旨を以下にまとめてみました。

・月に向けて今年(2022年)、世界で初めて民間の日本人エンジニア、株式会社ダイモンのCEO、中島紳一郎さんがたった一人で開発した月面探査車「YAOKI」を打ち上げるという計画が進んでいる
・「YAOKI」は水資源の調査や洞窟探検などを想定して設計されている
・「YAOKI」はアメリカのNASA、航空宇宙局が手掛けるプロジェクトに参加が決まっており、今年の初頭には月に上陸する予定である
・月へモノを運ぶには1kgあたり約1億円かかるというが、「YAOKI」は軽量化を徹底することで他社との差別化を図っている
・他社の月面探査車は4輪や6輪で重量は5kg程度、それに対して「YAOKI」は500gを切っており、10分の1のコストで月面探査が実現出来る
・中島さんは今年の初頭以降に打ち上げる探査機の数を増やし、ビジネスとして成立させたいとしている
・ダイモンではこの月面探査機の技術を応用して今年中には地上でのロボット事業を展開する予定だという

こうしてまとめてみると、月面探査車のように過酷な状況下で活躍出来るようなレベルの探査車を開発すれば、地球上でも様々な用途の探査機関連ビジネスとして応用出来ることが分かります。

それにしても月へモノを運ぶには1kgあたり約1億円かかるといいますから、中島さんの開発した「YAOKI」は他社製に比べて4億5000万円程度少ない5000万円ほどの資金で月面探査車を月に運べるという計算になります。
ですから、資金的には圧倒的な競争力があります。
従って、今後とも月に限らず他の惑星探査機としても多くの引き合いが期待出来ます。

さて、体重70kgの人間が月に行くには約70億円の資金が必要になるわけです。
こうした現状からすれば、一般の人たちが月旅行に行けるようになるためにはまだまだ技術的に沢山のハードルを越えなければならないことが分かります。
せめて地球上からそれほど遠くない距離の宇宙空間から丸い地球を実感出来る程度の宇宙旅行が100万円程度の旅費で体験出来るようになって欲しいと思います。
実現すれば、きっと世界中の沢山の人たちから申し込みが殺到すると思われます。

ということで、宇宙ビジネスは一般人向けの旅行という観点からだけでも成長性のあるニューフロンティアと言えそうです。

 
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2022年01月10日
アイデアよもやま話 No.5158 クルマもネットで買う時代到来!
今や、日用品や食品、あるいは旅行の予約、株式の売買など、多くの物品やサービスの売買がネット通販を通して可能になっています。
そして、世界最大のEVメーカー、アメリカのテスラは先行して既にオンライン販売(ネット通販)を始めています。
こうした中、昨年9月21日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でクルマもネットで買う時代の到来について取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。

BMWジャパンが昨年販売しました約2000万円のクルマ、7台限定で、オンラインスターで売り出したところ、わずか3分で完売したそうです。
今、海外メーカーを中心にクルマのネット販売が広がりを見せています。

9月21日、BMWジャパンが発表したSUVタイプの日本限定モデル、金箔が織り込まれるなど、高級感を意識した「X7 西陣エディション」、本体価格は1680万円です。
3台限定で明日11時からオンラインストアで販売します。
昨年7月から全車種のオンライン販売を開始したBMWジャパン、来店せずにクルマを選べるようにデジタルショールームを充実させました。
申し込みから契約までネットで完結し、希望すれば自宅で納車出来ます。
BMWジャパン ブランド・マネジメント・ディビジョンの遠藤克之輔本部長は次のようにおっしゃっています。
「オンラインを使うことで(BMWのクルマは)購入出来るんだということをこういった特別モデルから知っていただけると思います。」

オンライン販売を始めた狙いについて、BMW横浜三ッ沢支店の長村剛支店長は次のようにおっしゃっています。
「ショールームになかなか来る機会がすごく難しい状況で、かつお仕事が忙しい方もいらっしゃるので、自分の好きな時間でクルマの選定が出来るというところが大きいかなと・・・」

これまでのBMWの購買層の中心は富裕層で、来店客の多くは40代〜50代だといいます。
しかし、オンラインストアで、ネット経由でストアを訪れるお客の半分は20代〜30代が占めるといいます。
長村さんは次のようにおっしゃっています。
「(オンライン販売は)ご商談が短時間かつ簡潔に進むことが新たな顧客層獲得につながっていると考えております。」
「クルマ(購入)のご検討が少ない若い方とか国産メーカーのお客様とかという中から新しいお客様との出会いを増やしていきたいな・・・」

コロナ禍でも販売の好調な高級車、1000万円以上の輸入車の販売台数は1年前に比べて37.2%増えました。
オンライン販売を取り入れることで新たな客層につなげたい考えです。

オンライン販売に取り組む動きは国内メーカーにも広がっています。
ホンダは10月にも日本メーカーとして初めて国内で新車のオンライン販売を始める計画です。
量販車種を中心にラインナップは検討中でクルマ選びから支払いまでオンラインで完結出来るということです。

先行してオンライン販売に乗り出したBMWジャパン、新たな一手を考えています。
遠藤さんは次のようにおっしゃっています。
「全てのショールームにある在庫をデジタル上で検索出来たり、オンライン上で仕様の確認が出来るようなツールも今後拡充する予定です。」

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、クルマのオンライン販売を巡る動きの要旨を以下にまとめてみました。

(BMWジャパンの動き)
・今、海外メーカーを中心にクルマのオンライン販売が広がり始めている
・BMWジャパンは特別限定モデルのオンライン販売を通して、自社もオンライン販売を始めたことを広く認知させようとしている
・昨年7月から全車種のオンライン販売を開始したBMWジャパンは来店せずにクルマを選べるようにデジタルショールームを充実させた
・申し込みから契約までネットで完結し、希望すれば自宅で納車出来る
・オンライン販売を始めた狙いについて、BMWジャパンはコロナ禍で外出が難しい、あるいは仕事が多忙など状況において、自分の好きな時間にクルマの選定が出来るようにすることだと言う
・これまでのBMWの購買層の中心は富裕層で、来店客の多くは40代〜50代だというが、オンラインストアを訪れるお客の半分は20代〜30代が占めるといい、オンライン販売は商談が短時間かつ簡潔に進むことで新たな顧客層獲得につながっているという見方がある
・コロナ禍でも販売の好調な高級車、1000万円以上の輸入車の販売台数(2021年)は1年前に比べて37.2%増えているので、BMWジャパンはオンライン販売を取り入れることで新たな客層につなげたい考えである
・更にBMWジャパンは、全てのショールームの在庫の検索や仕様の確認がオンライン上で出来るようなツールも今後拡充する予定だという

(国内メーカーの動き)
・オンライン販売に取り組む動きは国内メーカーにも広がっている
・ホンダは10月(昨年)にも日本メーカーとして初めて国内で新車のオンライン販売を始める計画である
・量販車種を中心にラインナップは検討中でクルマ選びから支払いまでオンラインで完結出来るという

今回は、クルマに焦点を当てて店舗販売からオンライン販売への移行という新たな流れについてご紹介してきましたが、こうした“デジタル化”の流れはいよいよクルマ業界でも始まり始めているというわけです。

あらためて考えてみれば、クルマに限らず、特に高額商品の購入決定プロセスはざっと以下の通りです。
ヽ催商品の仕様、あるいは機能、および価格を確認する
割引交渉を通じて、実際の購入価格を確認する
その他、購入後のアフターフォローなどのサービスレベルについても確認する
ぜ,離ルマに乗り換える際の下取り価格の関連情報を入手する
ヂ昭劼領犹商品についても上記の4つのプロセスを踏む
Δ海Δ靴胴愼候補を絞り込む
Ш能的には購入候補商品について、必要に応じて実際に見てみたり、触れてみたり、あるいは試乗したりなどして、購入の最終判断を下す

このように購入決定プロセスを整理してみると、最後のЧ愼候補商品との対面プロセス以外は、オンライン上でカバー出来ることが分かります。
ただし、こうしたオンライン販売を手掛ける企業にはクリアすべき課題があります。
それは、企業自体、あるいは商品に対する消費者の信頼感、およびブランド力の確立です。
こうした課題を達成していない企業から消費者は安心して商品を購入することは出来ないからです。
特に、BMWジャパンが2020年に販売した約2000万円のクルマが7台限定で、オンライン販売したところ、わずか3分で完売したという事例は勿論限定車種という希少価値もありますが、BMWジャパンに対する信頼感、そしてBMWのクルマのブランド力があってこその成果なのです。

 
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2022年01月09日
No.5160 ちょっと一休み その807 『コロナ禍の影響で更に格差拡大!
昨年12月26日(日)付けネット記事(こちらを参照)でコロナ禍の影響で更に拡大する格差について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。

・世界上位1%の超富裕層の資産が今年、世界全体の個人資産の37.8%を占めたことが、経済学者ら100人超による国際研究で分かった。下位50%の資産は全体のわずか2%だった。
・コロナ禍で落ち込んだ景気への刺激策で株式などの資産価値が急騰、格差が一段と広がった。
・特に最上位の2750人だけで3.5%に当たる13兆ドル(約1490兆円)超を占め、富の集中は鮮明。
・研究報告書は「不平等は今後も広がり続け、巨大な水準に達する」と懸念し、富裕層や巨大企業への課税強化が不可欠だと訴えた。
・日本も富の分布は「西欧ほどではないが非常に不平等だ」と指摘した。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

そもそも世界上位1%の超富裕層の資産が昨年、世界全体の個人資産の37.8%を占めているという現実は人類全体の暮らしのあり方から見た時に疑問があります。
勿論、富裕層の資産は株式などの資産価値の上下によって変動しますが、それにしてもとんでもない格差が現実に生じていることは確かなのです。
しかも、研究報告書では「不平等は今後も広がり続け、巨大な水準に達する」と懸念を示しているのです。

こうした状況において、記事の中でも指摘されているように、富裕層や巨大企業への課税強化は不可欠だと思います。
その際、重要なことは個々の国でのバラバラな対応をしないことです。
というのは、今もタックスヘイブン(参照:アイデアよもやま話 No.5099 AI時代に日本が目指すべき社会のあり方!)という言葉があるように、大富豪や企業の中には少しでも税金の安い国に拠点を移すなどして節税に励むところが出てくるからです。
ですから、各国が協議の上、共通の課税における最低ラインをセットするなどしてタックスヘイブンが出来ないようにし、同時に一方では各国が貧困層などへの寄付を奨励したりするような施策の検討・実施が求められます。

 
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2022年01月08日
プロジェクト管理と日常生活 No.727 『地球温暖化のリスクは今や世界各地で顕在化している』
昨年9月20日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で地球温暖化のリスクが世界各地で顕在化している状況について取り上げていたのでご紹介します。

明日(昨年9月21日)から始まる国連総会の各国首脳などによる一般討論演説ですが、今回大きな焦点となっているのが気候変動問題です。
地球温暖化の影響から水没の危機に直面しているアメリカのある町ではその対策費をどう負担するかが波紋を広げていました。

アメリカ南東部、ノースカロライナ州のアウターバンクス、ライト兄弟が約100年前、人類初の動力飛行に成功したことでも知られているこの地は大西洋に面した地の利を生かし、古くから漁業で発展してきました。
現在はビーチを目当てに年間200万人以上の観光客が訪れるリゾート地です。
海の恵みとともに成長してきたこの地域がかつてない危機に直面していました。
海岸線のすぐそばを歩いていると、海の水と家の距離は3mほどしかないのです。
ですので、海の水が入ってこないよう、玄関先に大きな土嚢を並べている家もあります。

気候変動の影響で世界的に海面の上昇が続く中、この地域で海抜の低いエイボンという地区では海岸線が2012年からの8年間で最大75mにわたって後退しました。
町の人は次のようにおっしゃっています。
「2018年の嵐で海の水が乗り越えてきました。」
「そこにあるプールは砂で完全に埋まってしまいました。」

ハリケーンなど悪天候に伴う高潮被害も深刻で、2018年には2ヵ月に一度海から町に水が流れ込んできたといいます。
このため高潮対策として、エイボンでは日本円で約15億円を投じ、長さ4kmにわたり海岸の砂浜を30mほど拡げることを決定、来年(2022年)から工事が始まる予定です。
エイボンに4年前から住むスティーブン・デイさん、実はこの工事に反対しています。
その理由について、次のようにおっしゃっています。
「これは固定資産税の請求書です。」
「5%増税になりました。」
「我々にとって負担の大きい税金です。」

この夏(昨夏)から近隣住民が支払う固定資産税を増額し、砂浜工事用の費用の一部に充てることになったのです。
住む場所によっては固定資産税が20%増えた人もいるといいます。
デイさんは海水面の上昇に伴う費用をなぜ住民が負担しなければならないのか納得が出来ず、増税に反対する署名活動を行いました。
デイさんは次のようにおっしゃっています。
「何人かは「家を売りに出す」と言ってきました。」
「「どうやってお金を払えばいいのか分からない」と。」
「既に収めている連邦税は国の土地の保護に使われるものです。」
「(増税は)意味が分からないです。」

アメリカでは気候変動に対応するため、増税を求める動きが各地で出始めています。
西部、カリフォルニア州のサンフランシスコ周辺の地域ではエイボンと同様に土地を所有する住民への税金が増額に、ハワイ州でも観光客向けレンタカーなどへの課税が検討されています。

住民の不満の声が上がるエイボン地区のあるデア郡のトップ、ロバート・アウトン郡長は増税への理解を求め、次のようにおっしゃっています。
「海岸整備に多額の費用をかける理由の一つは、このビーチが無ければこの地域に来る理由がないからです。」
「手遅れになる前に先手を打つのです。」

気候変動を巡っては今年(2021年)、世界各地で記録的な大雨が相次ぎ、大規模な山火事が起きるなど、その影響が指摘されています。
2年ぶりに対面外交が復活する国連総会、気候変動への対策をどう講じていくのかが各国の首脳に迫られた課題となっています。

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、その要旨を以下にまとめてみました。
・昨年9月21日から開催された国連総会の各国首脳などによる一般討論演説で大きな焦点となっていたのは気候変動問題だった。
・地球温暖化の影響から水没の危機に直面しているアメリカのある町ではその対策費をどう負担するかが波紋を広げている
・アメリカでは気候変動に対応するため、増税を求める動きが各地で出始めている
・気候変動を巡っては昨年、世界各地で記録的な大雨が相次ぎ、大規模な山火事が起きるなど、その影響が指摘されている
・2年ぶりに対面外交が復活する国連総会、気候変動への対策をどう講じていくのかが各国の首脳に迫られた課題となっている

なお、今回のエネルギーに関する国連の首脳級会合での新たなコミットメントは、 安価でクリーンなエネルギーに向けた大きな前進だが、2025年までに エネルギー・アクセス格差を半減するには多くの課題が残ると報じられています。(こちらを参照)

さて、以前から地球温暖化の影響で太平洋上の島国は水没の危機にさらされていると報じられてきましたが(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.636 『気候クライシス その1 海水温、海面の上昇』)、アメリカの海抜の低いエイボン地区では海岸線が2012年からの8年間で最大75mにわたって後退したという事実には驚きました。
またアメリカでの大規模な山火事の発生もたまに報じられています。

一方、日本においても、私の実家のある外房の砂浜でも私の子どもの頃と比べて、明らかに砂浜が後退しています。
また、ここ最近、全国的に記録的な大雨が相次ぎ、土砂災害などによる被害が増えています。

要するに、地球温暖化は今やリスクではなく、世界各地で顕在化しつつあるのです。
これまでプロジェクト管理と日常生活 No.724 『地球温暖化関連の最新事情』などで何度となく地球温暖化についてお伝えしてきましたが、遅まきながら地球の「臨界点」(ティッピングポイント)到達リスクの具体的な回避策についてようやく国連も本格的に動き出したというところです。
しかし、国別に見れば、大きく2つに分かれます。
経済成長を遂げているが、結果的に地球温暖化の要因を作り出している国と、開発途上で海面上昇などにより一方的に被害を被っている国です。
また、アメリカのように一国の中でも国としては経済成長を遂げているものの、一部の地域だけが海面上昇などにより被害を被っている地域があるというような国もあります。

こうした状況において、地球温暖化による被害を被っている特定の国、あるいは特定の地域における被害の対応に要する資金をどのように調達するかという問題が発生します。
更に、こうした問題は地球温暖化の進行に伴い、どんどん世界的に広がっていきます。

こうした状況から、世界各国は大枠で2つの問題の解決に直面することになります。
地球温暖化の阻止
地球温暖化の被害を被った国、あるいは地域への賠償責任の明確化

そして、こうした取り組みを加速化させるためには、地球温暖化対策のシナリオをいくつか検討し、それぞれについて以下のプロセスを遂行することがとても重要になります。
・それぞれのシナリオに対応した世界的な被害額や犠牲者数などを算出する
・こうした被害を発生させないための対策費を算出する
・これらの数字を勘案して、最適な対応策を決定する
・同時に対策費の国ごとの配分プロセスを明確化する

ということで、最悪でも「臨界点」を超えるというリスクの顕在化だけは絶対に回避しなければならないのです。
仮に「臨界点」を超えるような事態になれば、まさに“自然豊かな地球”の終焉を迎えることになってしまうのです。

 
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2022年01月07日
アイデアよもやま話 No.5159 製紙大手が木質成分をEVやキャパシター用の素材などとして開発を急ぐ!
昨年9月20日(月)付けネット記事(こちらを参照)で木質成分をEVの車体やキャパシター用の素材、あるいは医療品の原料として開発を進める製紙大手について取り上げていたのでその一部をご紹介します。
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

(EV普及で採用に期待)
・「鋼板車体からだと推計約100キログラム軽量化できる可能性がある」。大王製紙新素材研究開発室の玉城道彦室長は、自動車の車体にセルロースナノファイバー(CNF)を活用するメリットを強調する。
・CNFは木の繊維をナノ(ナノは10億分の1)メートル単位まで細かくした新素材だ。同じ体積の鉄より軽く強度も高いとされ、樹脂に混ぜるとさらに強度が高まることから自動車部品などを軽くできる性質がある。
・大王製紙は自社のCNFブランド「エレックス」シリーズを配合した複合樹脂を車体に使ってもらうことで、鋼板から軽くなり、車の燃費も改善すると誇る。完全な樹脂車体よりプラスチック使用量を減らせる。
・大王製紙はEVレースチームに2018年から協賛する。連携するのはゼロイースクエア(東京・港)が運営する競技チーム。ゼロイースクエアの神子力社長は「(EVには)モーターなどを1機追加しているが、ボディーをCNFで置き換え重量増を相殺している」と語る。
・モータースポーツでは炭素繊維をプラスチックで固めた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などを使って軽量化するのが主流だ。しかし再利用するのが難しく、従来は使用済み素材を埋め立てるなどして処分していることが多い。その点CNFは自然由来の素材であり、環境負荷の低減に大きく貢献する。大王製紙の若林頼房社長は「EV化はますます進む。厳しい環境で実証できれば車メーカーにも使ってもらえる」と見据える。
・重いガラスの代替でCNF活用を模索するのは王子ホールディングス(HD)だ。ガラスと同程度の透明性がある「ポリカーボネート樹脂」を補強するCNF技術を研究開発している。従来は熱で変形しやすく、たわみやすかったが、CNFを10〜15%配合することで従来のガラスに近い剛性を確保できる。重量の半減にも成功した。

(蓄電体にも利用)
・脱炭素に欠かせない蓄電装置を開発する動きもある。日本製紙と東北大学は3月、CNFからレアメタルを使わない高性能な蓄電体を開発した。原理は電気を貯蔵できる蓄電装置(キャパシター)と同じ。CNFは木の繊維を細かくしたもののため、電極表面の凹凸が多く表面積が大きくなり、蓄電量を増やせる。
・蓄電量で主流のリチウムイオン電池を超えることを目指しており、まずは再生可能エネルギー向けとして25年メドに営業提案を始める。
・日本製紙はCNFを年500トン生産できる世界最大級の設備を17年に稼働した。木からつくる電池の負極向け材料カルボキシメチルセルロース(CMC)でも高い世界シェアを持つ。30年までの戦略投資3500億円のうち、約8割は電池関連を含む紙以外の成長事業に投じる。
・ただCNFを巡っては、東亜合成が製造コストを下げる技術を開発した。異業種の化学メーカーとの激しい競争が待ち受けている。

・CNF以外の木質成分を医薬品などの新たな原料として有効利用しようとする動きも出てきた。その1つが王子HDの医薬品開発だ。
王子HDは製紙工程の副産物として発生する「ヘミセルロース」を医薬品原料に活用する。木の主成分の1つだが、紙原料には使えないため従来は主に燃料に使ってきた。20年に設けた医薬品子会社、王子ファーマ(東京・中央)が北海道大学と連携し、まず動物向けの抗炎症薬を開発する考え。馬や犬などの炎症である「変形性関節症」向けに24年度以降の発売を目指す。
・王子ファーマではヘミセルロースを原料として、人の血液が固まらないようにする抗凝固薬の開発も目指している。いま主流のヘパリンと同社が開発している成分の構造が類似しているのに着目した。現在主流の抗凝固薬は牛の肺や豚の小腸の粘膜といった家畜から作られており、生産過程で発生するメタンなどは温暖化係数が高い。植物から作れば温暖化ガス削減につながり、環境負荷も抑えられる。

(市場規模拡大が課題)
・調査会社の矢野経済研究所(東京・中野)によると、CNFの世界市場規模(出荷金額)は30年に258億円と20年から5倍近くに成長する見込み。
・日本は国土の3分の2を森林に覆われており、こうした新素材の推進は安定調達になるだけでなく、世界展開への武器にもなる。製紙各社は洋紙生産から段ボールや衛生紙増産といった業態転換を進めているが、祖業で培った木の成分の活用ノウハウを脱炭素社会に生かせば、飛躍の原動力になりうる。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきましたが、その要旨を以下にまとめてみました。

(車体の軽量化、および強度の向上)
・CNFは木の繊維をナノメートル単位まで細かくした新素材で、同じ体積の鉄より軽く強度も高いとされ、樹脂に混ぜるとさらに強度が高まる
・自動車の車体にCNFを活用すると軽量化、およびクルマの燃費の改善が期待出来る
・ガラスと同程度の透明性がある「ポリカーボネート樹脂」の補強にCNFを活用すると、従来のガラスに近い剛性を確保でき、重量の半減も期待出来る
・CNFは自然由来の素材であり、環境負荷の低減に大きく貢献する

(キャパシターや医療品の原料として活用)
・レアメタルの代替としてCNFをキャパシターの製造に活用すると、CNFは木の繊維を細かくしたもののため、電極表面の凹凸が多く表面積が大きくなり、蓄電量を増やせる
・希少資源、リチウムに依存しないでキャパシターの製造が出来る
・製紙工程の副産物として発生する「ヘミセルロース」の医薬品原料としての活用により温暖化ガス削減につながる

(市場規模拡大が課題)
・CNFの世界市場規模(出荷金額)は2030年に258億円と20年から5倍近くに成長すると見込まれている
・日本は国土の3分の2を森林に覆われており、こうした新素材の推進は安定調達になるだけでなく、世界展開への武器にもなる

こうしてまとめてみると、あらためて木の繊維をナノメートル単位まで細かくした新素材、セルロースナノファイバー(CNF)の用途の多様性に驚きます。
しかも、森林が国土の3分の2を占める森林大国、日本はCNFの原料である木材の入手には事欠きません。
ですから、従来の製品をCNFで代替することによって、機能の改善、低価格化、更に地球温暖化の阻止を目指すべく、関連メーカーにはCNFの実用化に向けて取組んでいただきたいと思います。

 
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2022年01月06日
アイデアよもやま話 No.5158 トヨタがハイブリッドを電動化の主力にする理由!
昨年9月19日(日)付けネット記事(こちらを参照)でトヨタがハイブリッドを電動化の主力にする理由について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

・2021年9月7日、トヨタは電池・カーボンニュートラルに関する説明会をおこない、2030年時点で考えるトヨタの電動車販売見通しを発表。電動車の販売見通しを800万台とし、うち純電気自動車(BEV)+燃料電池車(FCEV)は200万台と考えている。つまり残りの600万台はハイブリッド車(HEV)となるのだ。

(ハイブリッド車は効率的な二酸化炭素削減技術)
・トヨタHEVの累計販売台数は1810万台。これをBEVの電池量や二酸化炭素排出削減効果に換算すると図のような結果となる。HEVは効率的に二酸化炭素を削減できるのだ(出典:『トヨタの電池の開発・供給〜カーボンニュートラル実現に向けて〜』)
・目下、最大の課題であるCO2排出量削減。近年では産業構造全体で、CO2排出をゼロにする「カーボンニュートラル」が考え方の主流だ。
・カーボンニュートラルは、クルマを使っているときだけではなく、原料の調達から始まり、製品を作る、運ぶ、使う、そしてリサイクルして廃棄するまでの間で発生するCO2を、森林などに吸収される量と、差し引きしてゼロにするという仕組みである。
・トヨタはこれまで1810万台ものハイブリッド車を販売してきた。トヨタの試算では、HEV 3台の二酸化炭素削減効果は、BEV 1台とほぼ同等だという。つまり、これまで販売してきたハイブリッド車は、BEV 550万台相当のCO2削減効果を持つということになる。1810万台のHEVに搭載された電池の量は、BEV 26万台分というのも驚きだ。
・1810万台のHEVは、BEV26万台ぶんの電池で、BEV 500万台分のCO2削減を実現したことになる。今、最も効率的にCO2削減ができるクルマはハイブリッド車なのかもしれない。

(EVは内燃機関車の2倍の二酸化炭素を排出する?)
・BEVは製造時に排出される二酸化炭素量が多い。そこで2030年に販売見込みの電動車800万台のうち、600万台をHEV・PHEVにしようというのがトヨタの計画だ
・内燃機関を持つクルマは、走行時に二酸化炭素を多く出すので悪であり、電気自動車を多く作れば、CO2排出量の削減につながるという考え方は根深く残る。しかし、この考え方では、CO2排出量は減っていかない。なぜなら、電池を搭載したBEV製造の際に発生するCO2は、内燃機関のみのクルマを製造する際に発生するCO2の2倍と言われているからだ。特に電池を作る際のCO2排出量が多く、リチウムイオン電池の総電力量が増えるほど、製造過程でのCO2の排出は増えていく。
・また、BEVを動かす電気を作る際にもCO2は発生する。再生可能エネルギーを使えばいいが、まだまだ化石燃料による発電に頼る国は多い。日本でも、総発電電力量に占める火力発電の割合は2020年も約75%にもなる。
・BEVが脱炭素社会で活躍するのは、もう少し技術革新が進んでからになるだろう。それまでは、従来の内燃機関をベースにして、製造時のCO2排出が比較的抑えられる、ハイブリッド車が環境対策の上でも、有効性の高い手段なのである。

(「安全・長寿命・高品質・良品廉価・高性能」を満たさなければEVは作らない)
・トヨタは元々BEVには懐疑的で、現在のトヨタ・レクサスを合わせたラインナップでもBEVはレクサス UX300eのみとなる。
・トヨタは、「安全・長寿命・高品質・良品廉価・高性能」という5つの要素を高次元でバランスさせ、お客様に安心して使ってもらえるクルマを作ってきた。このスタンスは、これから先も変わらない。
・今後、安全安心にBEVを使ってもらうために、インフラ整備に加えて、電池制御システムの拡充、バッテリーの長寿命化や電費の向上及び高品質化、電池単体のコスト目標達成など、課題は多い。
・それでも待ったなしにCO2排出量を削減しなければならない未来はやってくる。現在のハイブリット技術に磨きをかけながら、2050年のカーボンニュートラルに向けて、もっといい電動車の本質的普及を目指し、トヨタは進みつづけるはずだ。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

そもそもカーボンニュートラル、あるいは“脱炭素化”の必要性ですが、あらためてその問題点、および対応策について以下にまとめてみました。

(問題点)
・産業革命以降、人類の様々な経済活動の中で石炭など化石燃料の消費量が増加を続け、それに伴いCO2をはじめとする温室効果ガスが増加していき、一方で森林開発などによる環境破壊によって自然環境が吸収するCO2の量が減少し、これらが原因で地球温暖化の進行をもたらしている
・地球温暖化は以下のような問題を引き起こしている
  これまでの温暖な気候下での暮らしが熱帯下での暮らしを強いられるようになる
  これまで農産物や海産物が豊富に採れた地域の収穫量や漁獲量が激減する
  海面などからの水分の蒸発量が増加し、集中豪雨や巨大台風の発生頻度の増加や規模の増大をもたらす
  北極や南極の氷山など、あるいは氷河や永久凍土などを溶かし、海水面を上昇させ、その結果陸地面積を減少させる
  これまで永久凍土などの中に閉じ込められていたウイルスが活動を再開し、新たなパンデミックを引き起こすリスクが高まる
  このまま対策を強化せず、気温が上がり続けると「限界点」、いわゆる“ティッピングポイント”に達し、温暖化に歯止めが利かなくなり、二度と後戻りが出来なり、温暖化の暴走、いわゆる「ホットハウス・アース(温室地球)」という現象をもたらす(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.724 『地球温暖化関連の最新事情』

(対応策)
・産業革命前に比べて地球上の平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えることを世界的な目標とする

なお、COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)での国際的な合意事項として、2050年までに上記の目標を掲げていますが、その前に“ティッピングポイント”に達してしまえば“後の祭り”となってしまいます。
ですから、各国、および各企業は1年でも早く自らの活動プロセス全般にわたって“脱炭素化”を達成することが求められているのです。
そして、その取り組みの大枠は以下の2つです。
・CO2排出量を実質ゼロにする
・排出したCO2をそのまま大気中に廃棄するのではなく、リサイクルを図る

こうした枠組みの中で自動車業界における“脱炭素化”の取り組みについて考えてみると、以下のような取り組みが考えられます。
・クルマの生産に必要なエネルギーは全て再生可能エネルギーにする
・クルマの生産に必要なパーツは全てカーボンニュートラルの要件を満たすものを使用する
・クルマの走行時に排出するCO2をゼロにする
・クルマの航続距離は従来のガソリン車と同等かそれ以上に伸ばす
・クルマの走行時に排出するCO2をゼロに出来ない場合は、そのCO2をリサイクルする
・クルマの燃料は全てカーボンニュートラルの要件を満たすものを使用する
・その燃料費は従来のガソリン車と同等かそれ以下に抑える
・クルマの寿命は従来のガソリン車と同等かそれ以上に伸ばす

・寿命を迎えたクルマのパーツは全てリサイクルする
・上記の要件を満たすクルマの価格は従来のガソリン車と同等かそれ以下に抑える

こうしてみると、単純に現行のガソリン車をEV化すればクルマにおけるカーボンニュートラルは達成出来るというものではないのです。
要するに、クルマのライフサイクル全体を通して、カーボンニュートラルの達成を目標とすべきなのです。

こうして考えを進めていくと、一概に“ガソリン車は悪”、あるいはEVは燃料電池車よりも優れているとは言えなくなってきます。
なぜならば、ライフサイクル全体を通して、カーボンニュートラルの達成度合いがどのクルマがより高いかこそが重要な尺度になってくるからです。

更に、集めたCO2からガソリンの代替燃料を作る技術が実用化され、世界的に普及されれば、少なくともガソリン車が走行中に排出するCO2の問題は解決されるのです。(参照:アイデアよもやま話 No.5143 空気中からCO2を回収する簡易装置!?
更にCO2のリサイクルにより新たな代替燃料が生産出来るのですから、まさに“一石二鳥”です。

ということで、現在、世界的な流れとして、EV化こそこれからの時代のクルマの主流であるという暗黙の了解がなされているようですが、クルマのライフサイクル全体としてゼロエミッションを追求するうえで様々な取り組みが並行して進められるべきだと思うのです。
今はまだ未来のクルマ社会のあるべき姿を試行錯誤して追い求める時期なのです。

 
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2022年01月05日
アイデアよもやま話 No.5157 自己修復する最先端のコンクリート!
昨年9月18日(土)放送の「有吉のお金発見 突撃!カネオくん」(NHK総合テレビ)で自己修復する最先端のコンクリートについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。

道路の未来を変えるとも言われる最先端のコンクリートですが、その秘密はコンクリートの中にバクテリア(微生物)が閉じ込められているのです。
このバクテリア、普段は眠っているのですが、ひび割れが出来るとそこから浸み込んだ雨と空気が反応し、目を覚まして活動を開始、栄養分を取り込むとコンクリートと同じ成分の炭酸カルシウムを排出するのです。
この炭酸カルシウムがひび割れを埋め、補修していくという仕組みなのです。
一般的に0.4mmほどのひびであれば2ヵ月ほどでふさがり、補修出来るといいます。
ひびがふさがり乾燥するとバクテリアは再び眠るのです。

なお、コンクリートの中に入っているバクテリアは200年生き続けると言われています。
ですから200年間、自己治癒を繰り返すことが出来るのです。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

また一昨年11月17日付け(こちらを参照)、および一昨年11月25日付け(こちらを参照)のネット記事でも同様のテーマについて取り上げていたので併せてその一部をご紹介します。

會澤高圧コンクリート株式会社と同社のR&D部門であるアイザワ技術研究所株式会社(札幌市)は、2017年4月より、オランダのデルフト工科大学とバクテリアの代謝機能を活用した自己治癒コンクリート技術を共同開発してまいりましたが、およそ2年半に及ぶ実証試験を経て、このほどバクテリアとその餌となるポリ乳酸を配合したコンクリートの自己治癒化材料の新たな量産技術を確立いたしました。

この最先端のバクテリアが直す自己治癒コンクリートの量産技術は會澤高圧コンクリート(北海道苫小牧市)とアイザワ技術研究所(札幌市)により世界で初めて確立されました。
なお、この自己治癒手法は、オランダのデルフト工科大学のヘンドリック・ヨンカース准教授が率いる研究チームが考案しました。
アルカリ耐性の強いバクテリアとその餌となるポリ乳酸をコンクリートに配合しておくというものです。

以上、ネット記事の一部をご紹介してきました。

さて、こうした情報をもとに最先端のコンクリートについて以下にまとめてみました。
・アルカリ耐性の強いバクテリアとその餌となるポリ乳酸をコンクリートに配合しておくと普段は眠っているが、ひび割れが出来るとそこから浸み込んだ雨と空気が反応し、目を覚まして活動を開始、栄養分を取り込むとコンクリートと同じ成分の炭酸カルシウムを排出する
・この炭酸カルシウムがひび割れを埋め、補修していく
・ひびがふさがり乾燥するとバクテリアは再び眠る
・コンクリートの中に入っているバクテリアは200年生き続けると言われている
・このバクテリアによる自己治癒手法のアイデアはオランダのデルフト工科大学のヘンドリック・ヨンカース准教授が率いる研究チームが考案した
・そして、バクテリアが直す自己治癒コンクリートの量産技術は會澤高圧コンクリートとアイザワ技術研究所により世界で初めて確立された

さて、現在、コンクリートは道路以外にも堤防など様々なところで使われています。
そしてこれらは耐用年数が近づいてくれば修復が必要になります。
一方、今回ご紹介した自己治癒コンクリートであれば、その耐用年数は飛躍的に伸びるので、多少初期費用がかかっても保守費用は従来に比べてずっと少なくて済むので、ライフサイクル全体で見れば安く抑えられるはずです。
ですから、この自己治癒コンクリートの技術はとても画期的でコンクリートという素材に新たに大きな付加価値を加えるものです。

それにしてもアルカリ耐性の強いバクテリアとその餌となるポリ乳酸をコンクリートに配合するだけで自己治癒コンクリートが出来てしまうというアイデアのきっかけは何だったのか、興味が湧いてきました。
すると、ネット記事には以下の記述がありました。

人体に傷が生じた場合、出血した後にかさぶたが出来て、自然と治癒します。同じようにバクテリアという生物の代謝でコンクリート表層の傷が絶えず治癒される状態をつくり出せれば、構造クラック等の遠因になる劣化因子の侵入を阻止し続け、コンクリートを実質的に永久構造物にすることができます。

ということで、きっかけは人間の持っている自然治癒機能だったのです。
これまで自然の知恵、すなわちその仕組みを私たちの生活に生かす研究、ネイチャー・テクノロジー(Nature Technology)については何度かお伝えしてきました。(参照:アイデアよもやま話 No.1726 ネイチャー・テクノロジーで究極のエコ社会が実現!?
そして、今回ご紹介した自己修復するコンクリートの発明は人間の仕組みを応用したというわけです。
ですから、この発明はネイチャー・テクノロジーをもじってヒューマン・テクノロジーの一環と言えます。

ということで、私たち人類、あるいは自然界にはそれぞれ生存していくうえで長年培われてきた様々な仕組みがあるのです。
ですので、これらの個々の仕組みを整理して、これらの仕組みと現実の課題とをマッチングさせることにより、新たな発明につながるというわけです。
ここであるアイデアが閃きました。
それはこの分野での発明プロセスにおけるAIの活用です。
AIは思考パターンがアルゴリズム化出来れば、ディープラーニング(参照::アイデアよもやま話 No.3076 人工知能進化のカギ − ディープラーニング!)により関連データの入力の増加とともに解決手段がどんどん進化していきます。
ですから、発明や物事の解決における脅威的なスピードを持ったツールと言えます。
まさに、アイデアは存在し、発見するものである、そしてアイデアは既存の要素の組み合わせであるということなのです。

なお、ネット記事によれば、會澤高圧コンクリートの會澤祥弘社長は、自己治癒コンクリート事業の開始にあたり、以下のコメントを発表しました。

「当社はこれまで、安全第一(Safety First)、品質第二(Quality Second)、生産第三(Products Third)という少し風変わりなモットーを掲げて来た。3つの重要事項に敢えて序列をつけることで、判断に迷ったときの基準を社員に明確に示すためだ。自己治癒コンクリート事業の開始にあたり、約20 年ぶりにこれを見直し、3つの重要事項のさらなる上位価値として、脱炭素第一(Decarbonization First)を掲げることにした。」

このコメントもとても好感が持てて、これから本格的に各企業がSDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)に取り組んでいくうえでとても参考になる内容だと思います。

 
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2022年01月04日
アイデアよもやま話 No.5156 廃棄される花の有効活用!
昨年9月16日(木)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で廃棄される花の有効活用 について取り上げていたのでご紹介します。 

お花屋さんでは売ることの出来ない規格外の花、そして売れ残って廃棄するしかない花を有効活用する、ある取り組みが注目されています。

東京・目白にあるリサイクルショップ「TIGRESS」では洋服や小物、バッグなどを扱っています。
この店先には沢山の花が売られていて、値段はどれも1本100円です。
この花を求めて次々とお客さんが訪れます。
実はこれ、都内の株式会社hananeが行う「花つみ」というシステム、茎が曲がっていたり、花が付きすぎているなど、規格外でお花屋さんでは売れない花を1本100円という低価格で売って、花の廃棄“フラワーロス”を防いでいます。
規格外として廃棄されてしまう花は全体の2割ほどにも上るといいます。(hananeによる)
この取り組みを始めたhanane代表の石動力さんは次のようにおっしゃっています。
「お花は勿論命あるものなので、規格っていうのは消費者にとってはあまり個人的には関係ないと思っているんで、せっかく生産されたものを出来るだけ人々が楽しんで、かつお金にも変えて、生産者のところに戻るというのはすごく意義があると思うんですね。」

現在は関東と関西で約50ヵ所で展開しているといいます。
そのうちの一つ、ブックカフェ「Hama House」(東京・日本橋)でもお客さんがランチをしているお店の外には花が置かれています。
石動さんは次のようにおっしゃっています
「「今までお花を買う機会がなかった人とか、男性の方も1本、2本試しにお家に買って行ったら、奥さんだったり家族の方々が喜んでいただいて、毎週来ていますという声も非常によく聞かせていただいていますね。」

そして廃棄になってしまうのは観賞用の花だけではありません。
埼玉県深谷市にある「ROSE LABO」では無農薬の食用バラを栽培しています。
スイーツの中に混ぜたり、ケーキの飾り付けなどに使われたりしています。
ところが、こちらの代表の田中綾華さんは次のようにおっしゃっています。
「バラの寿命はだいたい野菜とかと一緒で5日間くらい経ってくるとちょっと黒ずんできたり、香りが落ちてきたりというのがあります。」
「どうしても捨てるしかないという判断になってしまうんですけども、化粧品に生まれ変わっています。」

食用のバラからエキスを抽出し、化粧水や石けん、口紅などを製造、天然のバラのいい香りがするといいます。
捨てるしかなかった食用のバラを化粧品にすることで廃棄ゼロを達成しました。
しかし、順調だった廃棄ゼロに影を落としたのが新型コロナです。
田中さんは次のようにおっしゃっています。
「コロナの影響で飲食店さんが自粛で閉まったり、卸し先が閉まってなくなってしまったので大量の食用バラが余ってしまいました。」

「ROSE LABO」では収穫されたバラの半分は食用で残りの半分は化粧品にしていましたが、食用として出荷していた分は行き先を失ってしまいました。
それまでの化粧品への加工だけではバラを使い切ることが難しく、新たな商品開発が急務となりました。
そこで新しく考えたのがマスク用スプレー、商品名「ローズバリアスプレー」です。
マスクに吹きかけるとバラの香りでリフレッシュ出来、販売から1年ほどで約2万5000本も売れたといいます。
田中さんは次のようにおっしゃっています。
「私たちも4月、5月にきれいなバラを咲かせるために冬たくさんお手入れしてきたので、そのバラを世の中の人に届けられないということはすごく悔しくて、どうにかこの子たちの命を長引かせられないかと模索しました。」
「少しでも地球全体が嬉しくなるようなことをしたいと思っています。」

無農薬のバラから作られたマスク用スプレー「ローズバリアスプレー」ですが、マスクの外側の部分に10センチほどスプレーから離して1プッシュか2プッシュして、ちょっとマスクを振ってから普段通りマスクを付けると甘いいい香りがするといいます。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、お花屋さんでは売ることの出来ない規格外の花、そして売れ残って廃棄するしかない花を有効活用する取り組みについて、以下にまとめてみました。
・規格外でお花屋さんでは売れない花(全体の2割ほど)を1本100円で販売
・食用バラからエキスを抽出し、化粧水や石けん、口紅などを製造
・食用バラの香りを活用したマスク用スプレー

規格外でお花屋さんでは売れない花が全体の2割ほどということは、売れ残りの花を含めると、どれほどの割合になるのか気になるところです。
そして、少なくとも売れ残りの花のフラワーロス対策として少しでも売れる期間を延ばすような技術の開発が待たれます。

さて、今、世界的にSDGs((参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)に関心が集まっていますが、こうした考え方に寄らずとも、日本には以前から“もったいない”精神がありました。
そして、「ROSE LABO」の代表、田中さんもこの精神に則ったかたちで、コロナ禍でも需要が期待出来るマスク用スプレー「ローズバリアスプレー」を開発したわけです。
そして、販売から1年ほどで約2万5000本も売れたというのです。
前向きに考えれば、こうした商品はコロナ禍がもたらしてくれた新たな需要に対応したこれまでにない新商品と言えます。
そして、この商品はコロナ禍の終息後もマスク用スプレー以外も含めてある程度の需要が期待出来そうです。

ということで、コロナ禍で売り上げの激減に苦しんでいる企業においては、自社の取り扱い商品がコロナ禍における潜在需要とどのように結びつくかという観点で新たな商品、あるいはサービスの開発に取り組まれたらいかがでしょうか。

 
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2022年01月03日
アイデアよもやま話 No.5155 変異ウイルスに強い”ハイブリッド抗体”!
昨年9月13日(月)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で変異ウイルスに強い”ハイブリッド抗体”について取り上げていたのでご紹介します。

世界で猛威を振るうデルタ株、こうした感染力の強い変異ウイルスを無力化する抗体が存在することがアメリカの大学の研究で明らかになりました。
その抗体については”ハイブリッド抗体”と言われています。
これは新型コロナウイルスに感染した後にワクチンを接種した人から見つかったものだそうです。
研究チームは、これをもとにワクチンを作れば、デルタ株以上に強いウイルスにも打ち勝つ可能性があると期待を寄せています。
ロックフェラー大学で25年にわたりウイルス研究をするテオドラ・ハッジアヌ准教授ですが、8月に自身が参加した研究チームの最新研究結果が発表されたのです。
そして、次のようにおっしゃっています。
「いい意味で驚きでした。」
「強い反応があることに加えて様々な種類のウイルスに効果があって、広く対応出来ることにただただ驚きました。」
「感染経験者が感染から1年後にファイザーやモデルナのmRNAワクチンを接種した場合、変異株に対し強い免疫反応を示しました。」
「”ハイブリッド免疫者”と呼んでいます。」

感染後に得られる抗体とワクチン接種で得られる抗体を持つという”ハイブリッド免疫者”、研究チームは、新型コロナに感染後ワクチンを接種した14人の血液を採取して分析した結果、全員から20種類の変異株を“無力化”する抗体を発見したというのです。
20種類の中には今日本でもまん延しているデルタ株(番組放送時)をはじめ、ベータ株、アルファ株、イータ株、ガンマ株など国内で確認されている様々な変異株も含まれています。
新型コロナに自然に感染した人やワクチンを接種しただけの人の抗体と比較して、その効果の差は歴然です。
ハッジアヌ准教授は次のようにおっしゃっています。
「今後、どのような変異株に対しても有効だと考えます。」

デルタ株より感染力が強いウイルスに対しても強い効果が得られる可能性も示唆されていて、ファイザーとモデルナで結果に違いはなかったといいます。

なぜ一度感染した人がワクチン接種すると強い免疫が得られるのでしょうか。
詳しいメカニズムはまだ分かっていないといいますが、今回の”ハイブリッド抗体”の発見で今後どのようなことが期待出来るのか、ハッジアヌ准教授は次のようにおっしゃっています。
「より対応力の広いワクチンの研究に役立つかもしれません。」
「新たな変異ウイルスやパンデミックに対してワクチンで対応することが可能だと思います。」

今回の発見をもとにしたワクチン開発が進めば、感染力の強いデルタ株のまん延(番組放送時)で難しいと言われていた集団免疫を獲得し、パンデミックを収束させる可能性もあるとハッジアヌ准教授はいいます。
今回の発見はどれほど期待出来るのか、国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は次のようにおっしゃっています。
「感染だけで出来る免疫と、そのワクチンによって出来る免疫はやっぱり特徴が異なります。」
「これらが組み合わさることによって更に強い強力な免疫が出来るということは言えると思いますので、これは納得のいくデータだと思います。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

アメリカのロックフェラー大学の研究チームにより、新型コロナウイルスに感染後に得られる抗体とワクチン接種した人から得られる抗体、すなわち”ハイブリッド抗体”をもとにワクチンを作れば、デルタ株以上に強いウイルスにも打ち勝つ可能性があることが明らかになりました。
その特徴は以下の通りといいます。
・新型コロナウイルスのどのような変異株に対しても強い免疫反応があると期待出来る
・今回の発見をもとにしたワクチン開発が進めば、感染力の強いデルタ株のまん延で難しいと言われていた集団免疫を獲得し、パンデミックを収束させる可能性もある
・更に様々な種類のウイルスに効果があるので広く対応出来る

しかし、なぜ一度感染した人がワクチン接種すると強い免疫が得られるのか、詳しいメカニズムはまだ分かっていないといいます。
しかし、国際医療福祉大学の松本教授のおっしゃるように、感染だけで出来る免疫と、そのワクチンによって出来る免疫は特徴が異なるので、これらの組み合わせによって更に強い強力な免疫が出来るという説は納得力があります。

ということで、詳しいメカニズムはともかく、”ハイブリッド抗体”をもとにワクチンを沢山作って、オミクロン株によるパンデミック、更にはその後の新たな変異ウイルスに対しても集団免疫により1日も早く新型コロナウイルスの終息を迎えて、従来のインフルエンザと同様に“ウィズコロナ”の暮らしになって欲しいと願います。

なお、アイデアよもやま話 No.5012 海外で進むワクチンの「交差接種」!では1回目と2回目で違うワクチンを接種する「交差接種」によりウイルスの侵入を防いでくれる抗体反応が高まるとお伝えしました。
そして、今回は”ハイブリッド抗体”をもとにワクチンを作ることにより同様の効果が得られるとお伝えしました。

これら2つの抗体反応を高める手段の基本的な考え方は、これまで何度もくり返しお伝えしてきたように、アイデアは既存の要素の組み合わせである、そしてアイデアは発見するものであるという言葉で表現出来ます。

ということで、物事を解決するうえで、一つの手段だけではうまくいかなくても、他の手段と組み合わせてみることによって解決出来る場合が沢山あるのです。
この考え方は、ヒト・モノ・カネの全てに適用出来ます。
ですから、今、何かの問題解決で行き詰っている方々は是非この考え方に沿って解決策を検討してみて下さい。
そのうえで、ネバーギブアップ精神で突き進めば、必ず突破口が見つかるはずです。
ちなみに、実際に私はこうした思考方法でこれまで私にとってのいくつかの難問を突破してきました。

 
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2022年01月02日
No.5154 ちょっと一休み その806 『日米中の名目GDP比較に見る日本の経済力の長期足踏み』
昨年9月14日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で日本の経済力の長期足踏みについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。

任天堂が家庭用のゲーム機「スーパーファミコン」を発売、イラクがクウェートに侵攻したのも1990年です。
ただ、1990年はバブルの崩壊が始まった年でもあります。
以降、株価はつるべ落としのように下落、金融機関の廃業や破綻も相次ぎ、日本経済は“失われた20年”とも呼ばれる厳しい時代に突入していくことになります。

31年ぶりの高値、現在の相場の主役は代わってきているといいます。
当時を知る証券マン、岩井証券の森川武さんは次のようにおっしゃっています。
「外国人(投資家)の動向が一番重要になってきているとは思うんで、当時と比べると外国人に対するウエイト、考え方は全然違うとは思いますね。」

バブル時代にはほとんど影響力を持たなかった海外投資家、今や日本株の売買の7割ほどを占めていて、相場を動かす大きな存在となっています。
そして、日経平均株価は昨年9月14日に3万670円ということで31年ぶりの高値を付けました。
最高値だった1989年12且29日の3万8915円に比べると8割ほど戻ってきています。(こちらを参照)
解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「当時と今との違いというお題なんですけども、一言で言えばグローバル経済の中でも日本のウエイトが縮んじゃったことだと思うんです。」
「(日米中の名目GDPのグラフ(こちらを参照)を見ると、中国の伸びはかなり著しく、アメリカも先進国にしては伸びしろがあり、この20年ほどで倍ぐらいに伸びている、一方で日本は足踏み状態だが、)ドルベースでは5兆ドル経済、足踏みなんですけど、一つ注目したのは、にもかかわらず日本企業の利益、儲けの水準はバブル期を上回っているんですよね。」
「何でなのかというと、海外で稼ぐようになったということが大きいと思うんです。」
「国内で足踏みしているうちで海外で稼げる企業はどこにあるのかということが見極めのポイントじゃないでしょうかね。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の要点を以下にまとめてみました。
・日経平均株価は昨年9月14日に31年ぶりの高値を付け、最高値だった1989年12且29日の3万8915円に比べると8割ほど戻ってきている
・日米中の名目GDPのグラフから日本の経済力の長期足踏み、“失われた20年”が読み取れる
・日本の株価は日本株の売買の約7割を占める海外投資家の動向に大きく左右されている
・経済のグローバル化により日本企業の利益の水準はバブル期を上回っている
・しかし、グローバル経済の中で日本のウエイトが縮みつつある

こうして見てくると、中国の急激な経済成長はともかく、日本と同じ先進国であるアメリカの伸びは明らかに日本に比べて大きいことに注目すべきです。
そして、この日米の相違の要因として以下のことが考えられます。
・デジタル化の普及
・企業の活動し易い環境
・ベンチャー企業の活躍

さて、岸田政権は成長と分配を経済政策の方針として掲げていますが、この方針自体は支持出来ます。
しかし、重要なのは具体的な施策の有効性です。
勿論、こうした施策のベースとしてDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り込んでいただきたいと思います。

ということで、岸田政権には経済成長率をせめて3%程度まで引き上げて、分配についても多くの国民が納得出来るような方法でお願いしたいと思います。

 
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2022年01月01日
プロジェクト管理と日常生活 No.726 『中国が世銀「ビジネス環境ランキング」を不正操作』
このブログをご覧の皆さま、新年あけましておめでとうございます。

一昨年来、新型コロナウイルス感染の大きな波が繰り返し発生し、未だ収束の見通しが立っておらず、今も世界各国は感染拡大の危機に直面している状態です。
しかし、昨年の年初にもお伝えしたように過去の感染症がそうであるように、コロナ禍もいずれ終息を迎える時が必ずやってきます。

こうした中、このブログをご覧の皆さまが少しでも前向きな気持ちになれたり、多少なりとも何かのお役に立てればとても幸いです。
ということで、本年もよろしくお願いいたします。

さて、年初に中国の覇権主義の世界展開をテーマに取り上げるのは多少気が引けるのですが、やはりこうした中国の一連の行動が世界平和の観点からとても気になるので取り上げることにしました。

昨年9月20日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で中国による世銀「ビジネス環境ランキング」の不正操作について取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。 

世界を驚かせているのがあの世界銀行(世銀)が不正を働いていたというニュースです。
世銀が毎年公表しています「ビジネス環境ランキング」(2018年)で、不正操作があったと世銀自身が発表しました。
解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「これが先週発表された調査報告書なんですけども、具体的に言いますと、中国の当局者が世銀の総裁だったキムさんに「ランキング上げてよ」って圧力をかけたわけですよね。」
「それに忖度して順番を85位から78位に上げたんですけども、その過程では当時のCEO、今のIMF専務理事のゲオルギエバさんも関与していたとこの報告書で指摘しています。」
「大問題と言っていますね。」
「(この問題が深刻なのはこの「ビジネス環境ランキング」は国際的な重要な基本データでこれをもとにどの国に投資するかというのを企業などは考えていくわけですし、各国の政府もこれを重視しているわけですが、ここに不正があったということについて、)その背景にあるのは当時、世界銀行が増資を考えていたんですよね。」
「中国マネーが欲しかったので忖度したんですけども、今ちょうど中国がTPP、「環太平洋戦略的経済連携協定」参加を正式に申請しているじゃないですか。」
「その過程でも似たようなことが起きてはいけないわけで、ここは相当目を光らせる必要があると僕は考えます。」
「(経済力で物差しをゆがめるのは絶対あってはならないという指摘に対して、)札束外交はやっぱり品が良いとは言えません。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

中国と言えば、香港や新疆ウイグル地区での人権問題で国際的に非難の声が高まっています。
またテニスの元ダブルス世界1位、中国の女子テニス選手、彭帥(ほう・すい)さんと張高麗元副総理との関係の真相についても中国当局などが関連情報を発信すればするほど増々疑惑が高まっています。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.725 『中国の女子テニス選手を巡る問題の行方』

また国際的にも南シナ海においても国際法を無視して人工島の建設を強行してしまいました。
また、中国に不利な発言をした国に対しては経済的な報復措置をしてきています。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.688 『オーストラリアへの経済制裁に見る中国の脅威とその対応策!』
更に、国連においてもその支配力を強めています。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.688 『オーストラリアへの経済制裁に見る中国の脅威とその対応策!』
今回ご紹介した、世銀に圧力をかけて「ビジネス環境ランキング」の不正操作をさせた一件はこうした流れの一環と言えます。
また軍事力においても近い将来アメリカを凌駕するほどに強化を進めています。

こうして習近平国家主席率いる中国共産党政権の人権無視、あるいは覇権主義の世界展開の根底には“まず中国共産党ありき”で国内外を問わず、あらゆるものは中国共産党の政権維持のためのツールに過ぎないという中国共産党の基本方針があるのです。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.688 『オーストラリアへの経済制裁に見る中国の脅威とその対応策!』
そして、中国共産党は今も着々と世界制覇に向けて、中国に対する国際的な非難は身勝手な論理で反論し、一切の反省なしに突き進んでいると言えるのです。

仮にもし中国共産党が経済的にも軍事的にも世界制覇を果たしたならば、その後の国際社会は自由や人権が無視される“暗黒の世界”の中で暮らすことになることは間違いありません。
全ては中国共産党存続のための手段と化すことになるからです。

ということで、年初から皆さんに中国の脅威について煽り立てるつもりはないのですが、こうした現実のうえに立って、アメリカを中心とする民主主義陣営の国々にはこうした中国の脅威におけるリスクに立ち向かっていただきたいと思います。
勿論、その対応策は平和的な解決を最優先し、軍事的な対応策は最後の最後の手段であるべきなのは言うまでもありません。
なお、平和的な解決の具体的な方針ですが、自由、人権の尊重、SDGsなど、国際的なルールに反しない範囲においてはWinWinの関係が成立する分野では積極的に中国に働きかけてともにメリットを享受することが考えられます。

 
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2021年12月31日
アイデアよもやま話 No.5153 正確さより負の感情あおる発信源不明の「サイト」!
12月16日(木)付けネット記事で正確さより負の感情をあおる発信源不明の「サイト」 について取り上げていたのでその一部をご紹介します。

(負の感情あおる発信源不明の「サイト」)
・耳目を集める事件が起きるたびに、こんな話がネット上にばらまかれ、拡散する。
  <動機判明!殺された女性は不倫していた>
 <実は騒音トラブルを起こし、恨まれていた>
・発信源は、運営者の名前も明かしていない多数の「情報サイト」。被害者への 誹謗中傷につながる内容も少なくないが、大半は単なるうわさか作り話だという。
・「いかに閲覧数を稼ぐかが勝負。本当かどうかはどうでもいい」。あるサイトを運営する20代の男性が、読売新聞の取材に明かした。
・こうしたサイトにも様々な広告が表示されている。
・ネット広告は、閲覧数が伸びれば伸びるほど企業側から運営者に支払われる金額が増える仕組みだ。

(アテンション・エコノミー)
・ネット空間で爆発的に増える情報量に対し、人が何かに注目できる時間は限られており、「関心」が希少価値を持つという概念だ。
・この経済圏では、関心が集まるところに広告費が流れ込むため、その獲得競争が激化する。正確さは置き去りにされ、負の感情をあおるような情報が量産される。
・米国の調査機関の分析では、偽情報などの発信者側に流れている広告費は、世界で年間26億ドル(約2900億円)に上ると推計される。

(偽情報対策)
・デマ発信が収益になっている構造にメスを入れる必要がある――。欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会が今年5月に公表した偽情報対策の指針では、そんな課題が改めて示された。
・広告業界も動き出した。数年前から海賊版など違法サイトへの広告遮断を求められ、問題意識は高まっていた。
・ネット上では広告主の企業側が表示先を把握するのが難しい。表示候補となるサイトは数万に上り、ネット利用者の検索履歴などに基づき、自動的にマッチングされる複雑な仕組みになっているためだ。このため大手広告会社を中心に、表示先を信用性が高いサイトに限定したり、あらかじめ不適切なサイトを候補から外す「排除リスト」を導入したりしている。
・今年3月には業界団体による「デジタル広告品質認証機構」(JICDAQ)が設立された。リスト導入などの対策を講じている広告会社を認証し、こうした会社と取引してもらうのが狙いだ。
・だが、認証を受けているのは大手など一部にとどまる。他の同業者が措置を講じなければ抜け穴は残り続ける。
・広告主の意識転換も求められることになる。「クリックされて商品が売れるなら、どんなサイトに表示されても全く構わないという企業も少なくない」。ある大手広告会社の担当者は実態を打ち明ける。
・偽情報の金脈を断てるかは、業界全体で排除の意識を共有できるかどうかにかかっている。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

確かに最近、特にスマホに表示されるネット記事の中には明らかに偽情報と思われる刺激的なタイトルの記事が多く見受けられます。
そして、その多くは実際に見てみると“見掛け倒し”で大した内容ではないのです。
要するに、投稿者はいかに注目を集めるかに知恵を絞っているわけです。
そして、こうした背景には当記事でも指摘しているように、投稿記事の閲覧回数が増えるほど、そこに広告主が広告費を払い、サイト運営業者、投稿者の収入がともに増えるからということなのです。
しかし一方で、いかがわしい記事のページに一流企業の広告が掲載されている場合には広告料を払っているのに返ってイメージダウンなのではと他人事ながら心配になります。

そもそもこれまでもこうした基本的な構図は新聞記事やテレビ番組、あるいは雑誌なども同じような構図でした。
こうしたビジネスは一定数以上の発行部数や視聴率が取れてこそ成り立っているからです。
しかし、ネット上のサイトとこれらのマスコミとでは明らかな違いがあります。
マスコミは一般的に記事の出どころが明らかですが、ネット上の投稿者は匿名でもOKですし、発信源不明のサイトからでも記事を発信出来てしまうのです。
更にネット上の情報量はどんどん天文学的に増え続けていくので明らかなデマと思われる情報でも人が判断してこうした記事を完全に削除することはほとんど不可能です。

そこでこうした有害記事を非公開にする対策として考えられるのがAIの活用です。
しかし、AIと言えどもそのアルゴリズムを考えるのは人ですから、完璧にデマや偽情報を識別することは不可能だと考えるべきです。
それでも個々のサイト運営業者には完ぺきではないながらも明らかにデマや偽情報と思われるものについては非公開にしたりすることが求められます。

では私たちは個人レベルでデマや間違った情報に惑わされないためにどのようにネット上の情報に向き合うべきでしょうか。
それは、一つの事象に対して、複数の情報源を閲覧してどの情報が真実により近いかを判断することだと思います。

それにしても何らかの情報をネット上に掲載する判断基準が真偽よりもより多くの閲覧回数であるという現実はネット社会の副作用で、何とかこの副作用を治す“薬”を早く見つけて欲しいと願います。

なお、一方でSNSの世界では、ユーチューブにおいてはユーチューバーと呼ばれるような人たちから億万長者が現れています。(参照:No.3804 ちょっと一休み その611 『急成長する“ユーチューバー”ビジネス!』
またネット通販はコロナ禍において、3密(密閉・密集・密接)を回避するうえでもとても役立っております。

ということで、ネット社会にはいろいろな弊害があるものの、ネット社会以前では不可能だったビジネスがどんどん生まれてきて、いろいろな面で人々の暮らしを便利にし、経済のニューフロンティアとしてまだまだ発展の余地があります。
ですから、ネット社会はいろいろな副作用を抱えながらもトータルとしては今後も発展し続けると思われます。

 
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2021年12月30日
アイデアよもやま話 No.5152「自動マンガメーカー」で誰でも簡単にマンガ家気分に!
9月13日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「自動マンガメーカー」について取り上げていたのでご紹介します。 

自動マンガメーカーを使えば、誰でもスマホで簡単にマンガを描くことが出来ます。
まずスマホから専用ウェブサイト「ワールドメーカー」にアクセス、自分で考えた脚本を「セリフ」と「ナレーション」に分けて入力します。
すると自動でコマ割りをして、マンガの骨組みを作ってくれます。
後はそれぞれのシーンに合った「背景」や「キャラクター」などを選択して大きさやアングルを細かく調整します。
一コマつくるのに数分しかかからないといいます。

ちなみに9月22日11時からサービス開始で料金は無料です。
集英社 「少年ジャンプ+」編集部の林士平副編集長は次のようにおっしゃっています。
「世界中の人がご自身の思い描いているものをかたち作り易くしたいと思っています。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

私など普段の暮らしにおいて、絵を描くことなどまずありません。
ましてや、マンガとなると、ごく一部の人たちだけの趣味の世界だと思っています。
そうした中、スマホを使って誰でも簡単にマンガを描くことが出来るアプリが無料で提供されているというのですから、ビックリです。

スマホと言えば、今や大人も子どもも毎日ゲームやSNSにかなりの時間を費やしていると言われています。
でも時には「ワールドメーカー」のようなアプリで自分の想像力を働かせて自由に思うままにマンガで表現する時間があってもいいと思うのです。
なお、単に文字だけの表現よりもマンガで表現した方が相手に伝わり易いので、ビジネスの世界でもこうしたアプリを取り入れたプレゼンテーションを検討してもいいのではないでしょうか。

 
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