2018年07月16日
アイデアよもやま話 No.4069 現実離れした国の“かかりつけ薬局”政策!

これまで医療関係における電子化について、以下のようにお伝えしてきました。

アイデアよもやま話 No.3567 母子手帳の電子化に思うこと!

アイデアよもやま話 No.3985 参考にすべき電子国家、エストニア その1 行政サービスの99%が電子化!

アイデアよもやま話 No.3985 参考にすべき電子国家、エストニア その1 行政サービスの99%が電子化!

アイデアよもやま話 No.3886 太陽光発電のFIT適用期間後のお勧めの対応案!

 

そうした中、4月3日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で現実離れした国の“かかりつけ薬局”政策について取り上げていたのでご紹介します。

 

4月から病院や薬局の診療報酬が改定されました。

その中で、番組が注目するのは薬局です。

今回の改定で、地域の“かかりつけ薬局”への報酬が手厚くなったのです。

この“かかりつけ薬局”というのは、一人の患者が複数の病院に行ったとしても、薬は1つの薬局で管理してもらおうというものです。

どうして一つの薬局で管理してもらう必要があるのか、その理由は例えば、一人の患者が歯医者と内科にかかった場合、両方から痛み止めを出してもらうことがあります。

こうした重複は、体に負担をかけるだけでなく、国の医療費の圧迫にもつながります。

 

こうした薬の重複を避けるための“かかりつけ薬局”は広がっていくのでしょうか。

また、“かかりつけ薬局”は利用者の利便性の向上につながるのでしょうか。

番組ではその現場を取材しました。

 

東京都中央区にある創業から95年の越前掘薬局を経営する薬剤師の犬伏 洋夫さんは、ある作業が薬剤師の負担になっているといい、次のようにおっしゃっています。

「この患者さんがこの環境でこの薬を飲んでいいのかっていうことですとか、患者さんが自分でおっしゃったことや患者さんの体質や病歴を全部記録を取らなくてはいけないですね。」

 

患者ごとに調剤や服薬指導の内容を記録した薬歴と呼ばれる書類を作成する作業です。

医師が発行する処方箋や患者が薬局で記入してもらう「おくすり手帳」とは違います。

こちらの薬局では、これまで患者が訪れないすき間時間や営業時間以外にパソコンで薬歴を入力していました。

犬伏さんは次のようにおっしゃっています。

「薬局が開いている時は患者さんとお話をしたいと心がけているので、書類づくりで圧迫されてしまうといい仕事が出来なくなってしまうという・・・」

 

そこで、この薬局では新たなシステムを導入しました。

タブレットに表示された内容を患者に説明し、画面にチェックを入れると薬歴の下書きが自動で作成される仕組みです。

こうしてこちらの薬局では、患者一人当たりへの説明が3〜5分が1〜2分にと半分くらいに減り、薬歴の記入作業が効率化出来たといいます。

 

この薬局向けシステムを提供したのが株式会社カケハシ(2016年設立)でCEOの中尾 豊さんはおよそ400軒の薬局を回って、現場のニーズを調べ、電子薬歴システム「Musubi」を開発しました。

目指したのは薬剤師の負担軽減だけではありません。

食べる順番を意識するだけで血糖値が改善されるなど、様々なアドバイスが患者の状況に応じて表示されます。

こうした機能がきっかけで、患者が薬剤師に相談し易くなる効果も生まれているといいます。

 

このシステムは昨年12月の発売以来、7000以上の薬局から問い合わせが入り、導入店舗は増え続けています。

中尾さんは次のようにおっしゃっています。

「“かかりつけ”になるって、すごく簡単じゃない。」

「その薬局に行った時に得する体験がなければ、患者さんや国民からすると、その薬局を選ぶ理由が生まれないと思っているので。」

 

国も推進する“かかりつけ薬局”、ただ症状に応じた病院に通い、その都度そばにある薬局を利用する人が多いのが実情です。

利用者の利便性と国の方針のギャップをどう埋めるかが今後の課題となりそうです。

 

この“かかりつけ薬局”を広げる意義について、番組コメンテーターで日本総研の理事長、高橋 進さんは次のようにおっしゃっています。

「そもそも薬局って患者さん本位になって、服薬指導とか生活指導をすることが役目なので、そういう意味では“かかりつけ薬局”を作ることは悪くないと思うんですね。」

「で更に言えば、もうちょっと国には狙いがあって、それが「多剤服用」対策(ポリファーマーシー)だと思います。」

「「多剤服用」は、特に高齢者になるといろんな病気になるので、いろんなお医者さんに行って、いろんな薬をもらう。」

「よく言われているのは、6種類以上の薬を飲むと何らかの弊害が出てくる。」

「例えば、極端なケースは沢山薬飲んで、ふらついて、ひっくり返って骨折して、また病院に行ってまた薬をもらう。」

「こんなことが当たり前のように起きている。」

「で、そうやって重複したりしていることによる、かかっているコストが1兆円くらい余分にかかっているんじゃないかと。」

「だから、そういう意味で「多剤服用」をどうやって防いでいくか。「多剤服用」が全て悪いわけじゃないんですけども、そこから出ている弊害をどうなくしていくか。」

「これ非常に財政的にも重要なことなので、“かかりつけ薬局”がそこに貢献するということであれば、それはそれでいいんだと思いますけどね。」

「(病院の近くの薬局で薬をもらうというワンストップがなぜいけないのかという指摘に対して、)おっしゃる通りで、特に働いている人なんかは自分の職場のそばで行きたいですよね。」

「で、休みの日は(自宅の)近くに行きたい。」

「だから、無理やり一つに決められるということ自体がいいのかという議論はあると思うんですよ。」

「例えば、高齢者の方なんかの場合は、その人が飲んでいる薬だとか治療の情報が一つのお医者さんのところに行って、お医者さんが飲んでいる薬を全部管理してくれればいいわけですよ。」

「だから別に“かかりつけ薬局”でなくても薬局の情報が全部“かかりつけ医”のところに集まって、そこで管理してもらえればいいわけですから、それは“おくすり手帳”か、あるいはマイナンバーカードに全部薬歴が入っていれば、それを患者さんが「うん」て言えば、お医者さんが見れるようにすればいいわけで、そういうふうに考えていくと“かかりつけ薬局”は絶対必要かっていうと、「?」っていう感じがあるんですよ。」

「(というのが一番なのではという指摘に対して、)そういうシステムを作ることが一番重要だと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

このニュースに接して、まず感じたことは国の“かかりつけ薬局”政策がいかに現実離れしているかということ、次に国の財政難の中、テクノロジーの進化を積極的に活用して少しでもこうした状況を打開しようとしない姿勢です。

 

一般的に、私たちは内科、外科、歯科、あるいは耳鼻科など、総合病院やいくつかのかかりつけの街中のお医者さんにお世話になっています。

そして、これらで処方された薬は、一般的に総合病院の場合はその近くの薬局、そして街中のお医者さんの場合はそこで直接薬をいただきます。

そして、これらの薬はその都度“おくすり手帳”に記載されることになっています。

ですから、例え自分なりの“かかりつけ薬局”があったとしても、その日に処方された病院や個人医の場所から離れた“かかりつけ薬局”に行ってわざわざ薬を受け取るようなことはなく、最寄りの薬局で受け取るのが現実の姿なのです。

しかも、“おくすり手帳”はふだん持ち歩くことはなく、従って忘れた際には“おくすり手帳”に処方された薬が記録漏れのままになってしまう場合もあります。

ということで、国の“かかりつけ薬局”政策は現実離れしていると思うのです。

 

では、本来の薬局政策はどうあるべきかですが、それは

アイデアよもやま話 No.3567 母子手帳の電子化に思うこと!アイデアよもやま話 No.3873 広がるIoTの活用!でも触れたように、今回ご紹介した一企業による個別のサポートシステムではなく、全国的に共通の電子薬歴システムの導入です。

そこで参考にすべきは、アイデアよもやま話 No.3985 参考にすべき電子国家、エストニア その1 行政サービスの99%が電子化!、あるいはアイデアよもやま話 No.3986 参考にすべき電子国家、エストニア その2 更に進化するエストニアの電子化!です。

エストニアのような電子国家を目指すのです。

ですから、“かかりつけ薬局”のように厚生労働省で単独で個別の政策の方針を打ち出すのではなく、まず電子国家というような大きな枠組みを規定して、全ての省庁の持つ機能を組織横断的に整理・統合して電子国家としてのシステム要件を整理し、電子国家を実現させるのです。

こうしたプロセスを踏んで、厚生労働省管轄の機能の一つとして電子薬歴システムを開発・導入するのです。

そして、このシステムを国内全ての病院や薬局、そして国民が使用登録し、それぞれの立場からの要望にAIが応えるような機能も持たせれば、患者がどの病院で診察を受け、どの薬局で薬を受け取ろうとも、その全ての記録がシステムに記録され、AIによる適切な「多剤服用」対策もなされるなど様々なサービスを受けることが出来るようになるはずです。

また、自分が今服用している薬はどのような効用があるのか、あるいは自分はこれまでどんな薬を服用したのかなどをいつでもシステムを通して参照出来るので、“おくすり手帳”は不要となり、持ち歩く必要もなくなります。

 

今、日本は財政的にとても厳しい状況にあり、その度合いは少子高齢化の進行とともに増々その厳しさが高まっていきます。

ですから、今回ご紹介した“かかりつけ薬局”政策というように狭い範囲ではなく、行政全般について、国民視点で現実からかけ離れないような要件に基づいたシステムを構築していただきたいと思います。

せっかくマイナンバー制度も構築されたのですから、この機能を最大限に活用していただきたいと思います。

 

なお、当然のことながらこうしたシステムに登録されるのはまさに個人情報の塊りですから、万全なセキュリティ対策が求められます。


 
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2018年07月15日
No.4068 ちょっと一休み その655 『ネット社会の功罪!』

プロジェクト管理と日常生活 No.545 『ファイスブックにおける個人情報の不正利用問題!』でSNSにおける個人情報の不正使用についてお伝えしました。

しかし、そもそもSNSが普及し始めてからまだ20年ほどしか経っていません。

当初は、友人・知人間のコミュニケーションツールとして始まったのですが、登録者数の増加とともにやがて宣伝ツールとしての活用が始まり、今や個人情報の宝庫であるSNSの保管情報はビッグデータとしてSNSプロバイダーの貴重な財産になっています。

 

一方、広告主にとっても、従来のテレビや新聞・雑誌などを通した不特定多数向けの宣伝に比べて年齢や性別、あるいは趣味・嗜好などによるピンポイントで宣伝出来るのでその効果は格段に上がるというメリットがあります。

 

勿論、登録ユーザーにとっても、ネット経由でなければ一生出会うこともなかったような人たちとのつながりが出来るようになりました。

こうした延長線上で、ユーチューバーと呼ばれるような新しい職業も誕生し、中には高額の収入を得ている人も出てきました。

なので、中には人気ユーチューバーを目指す人たちもいるといいます。

また、子どもの間でもユーチューバーは人気の職業といいます。

 

一方、こうしたSNSに登録しなくても、ネットニュースやWikipediaなどにより、手軽に知りたい情報を無料で入手出来るようになりました。

更に、アマゾンなどの通信販売サイトにより、どこに住んでいても気軽に欲しい商品を購入出来るようになりました。

 

というような状況ですので、ネット社会は間違いなく、私たちの暮らしを豊かにするうえで、大きく貢献していると思います。

 

しかし、一方で弊害も出て来ています。

友人などとの書き込みのやり取りで寝る時間を削ったり、ストレスを感じたり、更にはSNS症候群になってしまったりという人たちが少なからずいると言われています。

また、“闇サイト”と呼ばれる怪しいサイトが犯罪の温床になり、これまでは起こり得なかったような事件が報じられています。

 

ということで、ネット社会は私たちの暮らしに便利さと同様に新たな事故リスクももたらしているのです。

ですから、政府主導でプロバイダーやセキュリティ関連企業と共同で、安心してSNSなどネットの利用出来るような取り組みを積極的に進めていただきたいと思います。


 
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2018年07月14日
プロジェクト管理と日常生活 No.549 『トヨタ、2019年に全車に暗号導入!』

3月16日(金)付けのネットニュース(こちらを参照)でトヨタ自動車(トヨタ)による全車への暗号導入について取り上げていたのでご紹介します。

 

トヨタは2019年に発売する車両から電子プラットフォーム(基盤)を刷新するといいます。

グループのほぼ全車両が対象で、自動運転技術の本格導入に備えるといいます。

通信データ量の増大に対応することに加えて、ハッカーによる車への攻撃を防ぐことが狙いといいます。

 

次世代の電子基盤では高速な通信ネットワークを採用した上で、セキュリティーを大幅に高めるといいます。

 

自動車のエンジンやブレーキなどの電子制御ユニット(ECU)間の通信に、暗号技術を採用してセキュリティーを高めます。

通信データが改ざんされていないことを確かめられるので、第三者が無線通信経由で“つながるクルマ”に偽データを送り、エンジンやステアリングなどを遠隔操作するのを防ぐことが出来ます。

 

今や自動車の新機能の大半は、電子やソフトの技術が基になっています。

車両の部品コストのうち、半分近くが電子部品関連で占めるとされています。

自動運転技術が進むと、さらに増える可能性が高くなります。

電子基盤の刷新は、トヨタが今後投入する全車両の競争力を左右することになります。

 

そもそも自動車にハッカー対策が求められる端緒になったのはトヨタでした。

2013年、アメリカのセキュリティー技術者が「プリウス」をハッキングしたことは世界に衝撃を与えました。

その後も、多くの車両で脆弱性が発覚しています。

 

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

既に一部の自動車メーカーで販売されているクルマには部分的な自動運転機能を搭載している車種があります。

ですから、今でもこうした機能に対してセキュリティ上の脆弱性をハッカーに突かれれば大事故に発展する可能性があるのです。

一応、現状では何かあった場合は全てドライバーの責任になっているのが一般的なので、常にそうした意識を持ち、状況によってはドライバーの対処が求められます。

勿論、部分的な自動運転機能ではあってもドライバーにとって多くのメリットがあることも事実ですが、こうした状況から、これから迎えようとしている全自動運転車時代を待つ前に、既にクルマの電子やソフト関連の安全対策は極めて重要になっているのです。

ですから、自動車メーカー、および安全対策を所管している関係省庁におかれましては、様々な観点からこれからのクルマ時代に対応した安全対策に対する最善の取り組みをしていただきたいと思います。

同時に、クルマ関連のハッカーによる犯罪は即事故につながる恐れがあるので、事故に至らなくても厳しい処罰をする方向で検討していただきたいと思います。

 

既に2013年にアメリカのセキュリティー技術者が「プリウス」をハッキングしたことは世界に衝撃を与えたと報じられています。

また、テスラの「モデルS」に遠隔攻撃が出来る脆弱性があることが中国のテンセントのセキュリティ研究者により2017年に発見されたとも報じられています。

 

ですから、本格的な自動運転時代を迎える今こそ、それに伴う事故リスク対応策の十分な取り組みが求められるのです。

そうでなければ、想定外の状況下で大事故があちこちで発生してしまうことは避けられないと懸念されます。


 
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2018年07月13日
アイデアよもやま話 No.4067 髪の毛のもとが人工的に大量に作成可能に!

これまで人工的に髪の毛を作成する技術について何度かお伝えしてきました。

そうした中、6月9日(土)放送の「週刊まるわかりニュース」(NHK総合テレビ)で髪の毛のもとが人工的に大量に作成可能になる技術の最新状況についてを取り上げていたのでご紹介します。

 

日本全国で2500万人以上が悩んでいる薄毛などの脱毛症ですが、あのアメリカのトランプ大統領も悩んでいるのです。

そうした中、髪の毛のもとが人工的に大量に作成出来るようになったと理化学研究所(理研)(神戸市中央区)などの研究グループが6月4日(月)に発表しました。

早ければ、再来年の2020年には実用化するかもしれないということで、薄毛の悩みが解決するかも知れません。

 

この研究グループは、髪の毛を作り出す器官「毛包」を人工的に大量に作る技術を開発しました。

この「毛包」を移植する新たな治療法の開発が期待されます。

理化学研究所の辻 孝チームリーダーは次のようにおっしゃっています。

「「毛包」再生に対して期待をされておられる方が沢山いらっしゃると思います。」

「私たちは科学的エビデンス(根拠)のしっかりした再生医療として、この研究開発を考えております。」

 

ではその具体的な仕組みですが、まず髪の毛のある部分から頭皮を採取して、その頭皮から細胞を採って培養します。

培養していくと、細胞がどんどん増えていき、髪の毛の種になる「毛包」を増やすことが出来るのです。

今までは、この増やすということが出来なかったので、今回の発表が画期的だというのです。

その後、「毛包」を髪の毛のない頭皮に移植していくと、ここから髪の毛が生えていくというわけです。

 

実際にマウスで実験したところ、黒々とした髪の毛が生えてきて、その後は抜けてもまた生えてくるということが確認されました。

 

理研と共同研究をしているベンチャー企業、株式会社オーガンテクノロジーズの研究開発本部長、平峯 靖さんは次のようにおっしゃっています。

「長い年月をかけた試行錯誤の末、毛の幹細胞を増やせる条件を見出しました。」

「細胞を元の量よりもはるかに増やせると。」

「それからもう一度、毛の原基(毛髪の種)を作って移植するところが大きなポイント、技術的に新しいところかなと考えております。」

 

「(この技術で一生生え続けるのかという問いに対して、)はい、(これから)ヒトで確認するんですけども、動物実験の結果とか、原理的に考えて恐らく期待出来るんじゃないかと。」

 

グループが発見したのは、自ら増殖して毛の元となる「幹細胞」を増やす方法なのです。

現在、男性型脱毛症の治療は薬が中心なのですが、治療を止めてしまうと効果がなくなってしまうのですが、今回の技術は再生医療のため、“持続性が期待出来る”ということなのです。

 

では、気になるその安全性についてですが、平峯さんは次のようにおっしゃっています。

「安全性上の懸念は基本的にはない。」

「拒絶(反応)は本人のものなので(ない)。」

「製造工程で毒になるようなものは使いませんのでそれもないと。」

 

治療の対象は男性型脱毛症ですが、他の脱毛症への適用可能性ついて、平峯さんは次のようにおっしゃっています。

「将来的には女性型脱毛症や先天性乏毛症といったところも研究は進めていきたい。」

「その方がその方らしく生きる一助になればなと。」

 

なお、このニュースが流れて以降、この技術開発に心から期待している子どもや女性などから多くのお便りが理研に届いているといいます。

 

薄毛に悩む方、先天的、あるいは病気の治療などによる脱毛で深刻な悩みに苦しんでいる方々にとって、この毛髪の問題はそのままどのように生きるのかという問題となり得ます。

最先端の技術が体の治療のみならず、人の心を潤す技術となるのかどうか、沢山の方が自信を持って笑顔で暮らせるその日に向けて、今回の研究がどのように進んでいくのか注目です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

性別や年齢を問わず、また国内外を問わず、世界的に薄毛で悩んでいる方々は大勢いらっしゃると思います。

新聞や雑誌などで毎日のように養毛剤や育毛剤、増毛スプレー、かつらなどの広告を目にするからです。

しかし、満足出来るものには中々出会えません。

もし、決定的に効果のあるものが商品化されれば、世界的に話題になるはずだからです。

こうした多くの方々にとって、今回ご紹介した技術はこれまでにない満足感を与えるはずです。

しかし、問題はその料金です。

恐らく保険適用にはならないので、かなりの高額になると思われます。

もう一つの懸念材料は、髪の毛の薄い部分にだけ施術した場合、その他の部分との見た目の違いが出てくると、周りの人たちに違和感を与えてしまうのではないかということです。

あるいは、仮に全ての髪の毛の部分を施術した場合、髪の毛だけ黒々と、そしてふさふさしていると、他の身体の老化とのアンバランスが生じてしまうのではないかということです。

という具合に、いざこの技術を使って施術してもらうことを考えると、一見贅沢な悩みと言えそうな悩みが浮かんでしまいます。

しかし、この技術がどんどん進化していけば、いずれこうした悩みも解消されるはずです。

 

ということで、遅くとも今世紀中にはiPS細胞など他の再生医療技術と相まって、私たちの体の多くの部分は満足出来るレベルで再生出来るようになっていると期待出来ます。

そうなると、新たに“究極の悩み”ともいえる贅沢な悩みが出てきます。

それは、寿命が半永久的にまで伸びてしまうので、自ら死を望むまで死ぬことが出来ないということです。

 

いずれにしても、薄毛で悩んでいる方々にとって、今回ご紹介した技術は大変な朗報と言えます。

一方、薄毛関連ビジネスに取り組んでいる企業にとってはいずれ死活問題となりそうです。


 
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2018年07月12日
アイデアよもやま話 No.4067 AIの活用事例 (6) その4 AIを搭載した世界初のセルフレジ!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第6弾として今回は4回にわたってご紹介します。

4月5日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では、「AI・人工知能EXPO」(東京ビッグサイトで4月4日〜5日開催)の取材を通していくつかのサービスを取り上げていました。

4回目は、こうした中からAIを搭載したセルフレジについてです。

 

AIを搭載した世界初のセルフレジ、「ワンダーレジ」を開発したSCSK株式会社の田崎 歴生さんは次のようにおっしゃっています。

「例えば、こういった商品(ペットボトル)ですと、バーコードを読ませるのではなく、画像だけで清算出来るようなかたちになっております。」

「このレジが4台に対し、店員が1人くらいで済むようなかたちで運用を考えております。」

 

このレジは、カメラで撮影した映像からAIが何の商品化かを認識し、瞬時に金額を計算してくれます。

支払いにはスイカなどの電子マネーを使用します。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

先日、あるスーパーで初めて自分で商品のバーコードを読ませて会計するセルフレジを体験しました。

その時に感じたことは、商品ごとにバーコードの位置が様々でかなりてこずってしまいました。

ですから、今後はこうしたセルフレジは使いたくないと思いました。

こうしたことから見えてくるのは、バーコードをお客に読ませるセルフレジは、確かにお店にとっては生産性向上につながりますが、その分お客にしわ寄せがいってしまうということです。

 

こうした観点から、今回ご紹介したようなバーコードを読ませなくて済むセルフレジは、お客にとってもそれほど負担にならないのではないかと思います。

ただし、お店の生産性向上の一方で、多少なりともお客に負担がかかるのですから、その分多少なりとも商品の値下げをするなど、顧客へのメリットの還元をすれば、お客にもスムーズに受け入れられるのではないかと思います。

 

ということで、アイデアよもやま話 No.2139 バーコード不要の新開発レジ!でお伝えしたセルフレジがいよいよ現実のものとなってきたようです。

しかし、いずれにしてもNo.565 そろそろPOSにこんな機能があっても!でお伝えしたような究極のレジが少しでも早く登場してきて欲しいと思います。


 
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2018年07月11日
アイデアよもやま話 No.4065 AIの活用事例 (6) その3 AIで顔の魅力度を判定!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第6弾として今回は4回にわたってご紹介します。

4月5日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では、「AI・人工知能EXPO」(東京ビッグサイトで4月4日〜5日開催)の取材を通していくつかのサービスを取り上げていました。

3回目は、こうした中からAIによる顔の魅力度の判定についてです。

 

鼻や口など顔のパーツを判別する顔認証技術、中国で億単位の情報をもとに作られたAI(「HumanAction」)のため、従来の100万単位で作られたAIより顔認識の精度が高いのだといいます。

顔の魅力度を100点満点で評価し、その他に性別や年齢も識別します。

実際に中国ではこの技術を防犯カメラに導入していて、20年前の写真からでも今の顔と一致させることが出来るのだといいます。

センスタイム ジャパンの勞 世伴卍垢麓,里茲Δ砲っしゃっています。

「顔認識システムは警察官の代わりに犯人を迅速に探すことが出来る。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

基本的に顔は整形でもしない限り、変えることは出来ません。

しかし、今回ご紹介した顔認証技術により、目を大きく開いたり、いくつかの笑顔のパターンの中から多少顔の魅力度を増すことが出来るかもしれません。

 

それよりも、この顔認証技術により20年前の写真からでも今の顔と一致させることが出来るというAIの進歩に驚きます。

こうした顔認証技術を防犯カメラが取り入れ、あらゆる場所をカバーするようになれば、防犯対策として、あるいは犯罪容疑者の逮捕に向けてこれまでとは格段に優れた手段と期待出来ます。

一方、当局などにより悪用されれば、誰がいつどこにいて何をしていたかなどを特定出来るようになってしまうのでプライバシー保護の観点からの検討を要します。

 

さて、一党独裁政権の中国では、プライバシー保護よりも国家的な監視体制が優先され、しかも人口も多く、こうした中で中国の顔認証技術がどんどん進化していくことは、プライバシー保護が優先される他の先進国に比べて活用の幅が広がっていきます。

こうした中で、中国のAI活用技術が飛びぬけて進化していくことには多少の懸念を感じてしまいます。


 
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2018年07月10日
アイデアよもやま話 No.4064 AIの活用事例 (6) その2 AIで恋愛相談!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第6弾として今回は4回にわたってご紹介します。

4月5日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では、「AI・人工知能EXPO」(東京ビッグサイトで4月4日〜5日開催)の取材を通していくつかのサービスを取り上げていました。

2回目は、こうした中からAIによる恋愛相談についてです。

 

現在、AIが話題になっていますが、中でも様々な業種で注目を集めているのが人の代わりに仕事をする「働くAI」です。

この「働くAI」を支えているのはディープラーニング(深層学習)です。

人間がものを覚えていくような感覚で学習していきます。

この「働くAI」を使ったサービスが徐々に増え始めています。

少子高齢化が進み、人手不足が深刻化する中、活用の場が急速に広がっているAIですが、特に膨大な情報からAI自らが学習し、能力を高めていくディープラーニングは飛躍的な発展を遂げています。

この技術を使ったのが恋愛相談に乗ってくれるというアプリ、 「AIオシエル」です。

番組では、取材者とAIとの間で次のようなやり取りがありました。

「もっと仲良くするにはどうしたらいいですか?」

「しっかりと笑顔であいさつしてみてはいかがでしょうか。」

 

「どんな話をしたらいいと思いますか?」

「好きな相手にだけ分かるように、他の異性にはしない、特別なことをしてみてはいかがでしょうか。」

 

インターネット上の口コミサイト、「教えて!Goo」が持つ膨大なデータを活用して作られたAI、恋の悩みに的確なアドバイスをするのだといいます。

NTTレゾナントの中辻 真AI担当課長は次のようにおっしゃっています。

「AIのいいところは即時性、すぐに返せるところですので、夜中に悩み事が出来た時でもすぐに返せる。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

NTTレゾナントの中辻さんのおっしゃるように、AIは24時間、365日、いつでも相談に乗ってくれます。

このことは恋愛相談に限らず、あらゆるAIサービスに共通です。

また、ディープラーニングにより、様々な恋愛パターンやその時々のケースを網羅して、より多くの事例の中から、相談者に寄り添った回答がなされるようになると期待出来ます。

更に、こうした相談者とのやり取りにより、相談者の性格などを把握して、相談者により相応しい回答も望めるようになると思われます。


 
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2018年07月09日
アイデアよもやま話 No.4063 AIの活用事例 (6) その1 AIが最適時に外貨自動購入!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第6弾として今回は4回にわたってご紹介します。

1回目は、3月12日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)を通してのAIによる最適時の外貨自動購入についてです。 

 

今年に入ってからのドル円の動きですが、1月は1ドル110円台だったのが、上げ下げを繰り返していって、3月に入ると105円台になるなど、円高傾向が続いています。

個人投資家にとっては、常に為替に目を光らせておかなければいけないという苦労がありますが、それを手助けするAIを使った新たなサービスが始まっています。

 

3月10日(土)、都内で開かれた「投資戦略フェア EXPO2018」では、どこのブースも個人投資家で黒山の人だかりでした。

個人投資家にとっては変動があった方が利益が出易いため、今の状況は歓迎しているといいます。

みずほ銀行によると、個人投資家によるFX(外国為替証拠金取引)での外貨の買越額は1月末時点で1兆9860億円となり、昨年12月末から4倍以上に増えています。

こうした中、ネット銀行のじぶん銀行が始めたのがAIを活用した外貨の自動積立サービスです。

じぶん銀行の榊原 一弥執行役員は次のようにおっしゃっています。

「購入するタイミングをAIが判断して、より有利なタイミングで積み立てを行っていただけるようにするという新しいサービスを提供しております。」

 

選べる外貨はドルやユーロなど5種類で、あらかじめ外貨の種類と日本円で毎月いくら積み立てるかを設定します。

AIが1ヵ月の間で「より安値で購入出来る」と判断した日に自動で購入する仕組みです。

1月の実験では、ユーロを最安値で買うことが出来たといいます。

じぶん銀行は、昨年AIによる外貨予測サービスを開始、お客に好評だったためAIを更に進化させ、自動購入のサービスに発展させました。

榊原さんは次のようにおっしゃっています。

「ディープラーニング(深層学習)というAIの技術を使って分析をするんですけども、今回は外国為替の情報だけではなくて、株式情報ですとか、そういった指数の情報を取り入れて総合的・複合的に計算して判断していると。」

 

勿論、うまくいかない月もあります。

2月のドルの場合、AIが購入した後に為替トレンドが変化したため、安値で買うことは出来ませんでした。

AIの購入判断が良かったかどうかはアイコンの表情で判断出来る仕組みです。

榊原さんは次のようにおっしゃっています。

「やはり外貨預金の表面金利が一時よりも下がっていますので、1銭でも2銭でも安値で外貨を購入していただいて、トータルの運用期間の利回りを高めていただきたい。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今後とも今回ご紹介したFX投資以外にも株取引などあらゆる投資分野でAIの活用が見込まれます。

また、AIもより投資効果を向上させるために、どんどん進化していきます。

そうなると、投資の世界はほとんどがAIに依存していくと思われます。

そうした場合、これまでの投資の世界とは全く別な次元になり、AIによる売買が主流になり、何かをきっかけに暴騰や暴落が起こり得るのではないかと懸念されます。

こうしたことの起きないように、ディープラーニングを活用して様々な局面を想定したトレーニングをしていただきたいと思います。

 

同時に感じることは、株投資に着目すると、本来の狙いとAIによる投資とのかい離です。

株投資の本来の目的は、株の売買を通じて将来見込みのある企業や優良企業の成長を資金面で支援することにあると思います。

しかし、AIによる投資はデイトレーダー同様に、単純に少しでも多くの利益を得るために短期間のうちに売買を繰り返すという、“優良企業への資金的支援”よりも“短期的な利益の獲得”というスタンスです。

AIの活用により、株の売買が“短期的な利益の獲得”が主流になってしまっては、株式市場は“利益獲得ゲーム”の場になってしまいます。

しかも、投資する側の機関、あるいは個人投資家は資金の運用をAIに任せて、その判断の理由はよく分からないという世界ですから、健全な投資の世界と言えるのかどうか甚だ疑問に感じてしまいます。


 
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2018年07月08日
No.4068 ちょっと一休み その654 『日本のサッカー代表チームの作戦が思い起こさせる“フェアプレイ精神と勝利のジレンマ”!』

今回のサッカー・ワールドカップ ロシア大会の決勝トーナメント1回戦(日本時間7月3日)は残念ながら、2点リードしながらベルギーに2−3の逆転負けでベスト8を逃してしまいました。

今回、お伝えしたいのは決勝トーナメント進出を決めた対ポーランド戦(日本時間6月28日)での西野監督の采配について感じたことです。

 

グループリーグH組の最終節で、ポーランドに0−1で敗れましたが、勝点などで同成績のセネガルをフェアプレーポイントで上回り、2位で16強入りしましたが、世界的に関心を集めたのは、決勝トーナメント入りをより確実にするための西野監督による終盤に見せたパスを回しての時間稼ぎによる「攻めずに負ける」という大ばくちとも言える戦術です。

 

単純に考えれば、パスを回しての時間稼ぎは選手にとっても観客にとってもつまらない試合展開で、とてもフェアプレイとは言えません。

しかし、ルールの範囲内で勝利に結びつく可能性がある作戦としてこの時間稼ぎが最も有効と考えられると判断したら、西野監督の采配は大いに評価されるべきかどうか、ここがこの試合後の人たちの評価を二分したポイントです。

 

考えてみれば、今回のサッカー・ワールドカップの試合でも、テレビニュースの画面を通していろいろな場面で相手チーム選手の後ろからシャツを引っ張るといったような細かなルール違反が見られました。

こうした違反行為の中には、試合に没頭するあまり無意識のうちに出た行動もあれば、勝利に向けて意図的なものもあったと思います。

 

どんなスポーツやゲームにも必ずルールがあります。

また、そのルールを守ることによってこれらは存在し得るのです。

ですから、どんなスポーツやゲームにも反則行為をした場合の罰則規定があるのです。

また、罰則規定はこれらのプレイの実績が積まれた中から、不都合な行為が発見されると見直されるのが一般的です。

 

ですから、今回の日本代表チームによる時間稼ぎもルール違反ではありませんが、こうした行為が今後多くの試合で露骨に見られるようになれば、罰則の見直しの対象になると思われます。

 

ということで、今回の試合で感じたことは、フェアプレイとは単にルールをしっかり守るというだけでなく、ルールの枠を超えて道徳的に人としてあるべき行為に則るという意味を含んでいるということです。

このフェアプレイに相通じる言葉の一例として、西洋ではジェントルマン、あるいは騎士道があり、日本には武士道があります。

 

そして、この“ルールの枠を超えて道徳的に人としてあるべき行為”というのは、人類の精神的なレベルに応じて変化していくものだと思います。

例えば、“男尊女子”や“一夫多妻制”に対する評価は時代の経過とともに変わってきており、現在では“男女平等”や“一夫一婦制”が世界的に一般的になっています。

また、政治制度や宗教などによっても道徳的にあるべき行為は変わってきます。

 

いずれにしても、スポーツやゲームなど、勝負の世界では、ルール違反ぎりぎりの範囲内で勝利を獲得するという精神のあり方がいつの時代も一般的だと思われます。

フェアプレイ精神も大事ですが、やはり“何としても勝負に勝つ”という旺盛な闘争心とそれを支える多くのサポーターの存在が試合の結果を大きく左右するということだと思います。

同時に、フェアプレイに溢れた試合は、例え負けてもさわやかに感じますが、フェアプレイとはかけ離れた試合運びにより勝利を獲得した後には、単純に喜べない後味の悪さを感じてしまいます。

まさに、“フェアプレイ精神と勝利のジレンマ”です。


 
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2018年07月07日
プロジェクト管理と日常生活 No.548 『公衆無線LANに潜むリスクとその対応策!』

私たちの暮らしはスマホの普及、およびそれに対応した様々なネット関連サービスの急増により格段に向上しています。

そうした中、3月16日(金)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で公衆無線LANに潜むリスクとその対応策について取り上げていたのでご紹介します。

 

公衆無線LANは、FREE WIFIなどの名称で通信料金を気にせずにインターネットに接続出来、ホテルや飲食店などを中心に普及が進んでいます。

外出先でスマホやパソコンからネットに接続出来るので便利ですが、リスクもあります。

 

NHKが情報セキュリティ会社と共同で調査したところ、都内の主な繁華街では暗号化されていない公衆無線LANが多く見られることが分かりました。

例えば、スマホで買い物をする時に使ったクレジットカードなどの重要な情報が盗み見られたり、サイバー攻撃に悪用されたりする恐れもあるといいます。

 

NHKが情報セキュリティ会社、PWCサイバーサービス・サイバーセキュリティ研究所と共同で公衆無線LANの実態について、利用者の多い、都内4ヵ所(新宿、渋谷、六本木、秋葉原)の街頭で安全性を検証しました。

渋谷のハチ公前広場では、セキュリティレベルの低い、暗号化されていないアクセスポイントが29ヵ所もありました。

調査の結果、受信したアクセスポイント1700ヵ所余りのうち暗号化されていない公衆無線LANは14%余りで、そのほとんどで第三者に通信内容を盗み見られたり、サイバー攻撃に悪用されたりする恐れがあることが分かりました。

 

さて、暗号化されていない公衆無線LANのリスクを確かめる実験がPWCサイバーサービス・サイバーセキュリティ研究所内で実施されました。

研究室の模擬的な環境で、NHK記者のスマホから会員制のサービスにログインすると、入力したIDやパスワードが通信を傍受した別のパソコンに表示されてしまいました。

PWCサイバーサービス・サイバーセキュリティ研究所の神園 雅紀所長は次のようにおっしゃっています。

「クレジットカード番号、個人情報などをやり取りした場合も捉えることがございますし、場合によっては業務情報やメールの中身なども見られる場合がございます。」

 

では、こうしたリスクに対して、安全に使うためにはどうするかですが、暗号化されているかどうかを見分けるポイントの一つになるのが“鍵のマーク”です。

スマホやパソコンの中には“鍵のマーク”を表示する機能のあるものがあります。

また、3月16日、総務省は、“利用者は公衆無線LANを利用する際に暗号化されたものを選べるように、サービスを提供する側が選択肢を増やすこと”などを提言する報告書をまとめました。

神園所長は次のようにおっしゃっています。

「暗号化が施されていないものは、基本的に中身を見られてしまうということを理解した上で使うことが重要となります。」

「自己防衛という観点で、機微な情報をオープンネットワークを使っている場合は入力しないとか、そういった意識を付けていただくことが重要だと言えます。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

日頃、私たちの多くは外出時にスマホを使う際に公衆無線LANを無意識に利用していますが、今回ご紹介したように個人情報などを盗み見されるリスクを抱えているのです。

ですから、その対応策として、利用の際のアクセスポイントに“鍵のマーク”があるかどうかを確認することがとても重要なのです。

いずれにしても、一旦個人情報が盗み見されて悪用されるようなことになれば、その被害やその後の対応を考えれば、金銭的にも時間的にも大変な負担が生じてしまいます。

 

ということで、公衆無線LANを使用する際には、念のために個人情報などの重要データを入力するような操作を控えるようにした方が良さそうです。

勿論、この他にも次々の現れてくる巧妙な偽サイトや偽メールなどにも要注意です。


 
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2018年07月06日
アイデアよもやま話 No.4063 飲食店予約アプリで途上国支援!

3月30日(金)放送の「国際報道2018」(NHKBS1)で途上国支援出来る飲食店予約アプリについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

飲み会やレストランの予約にスマホのアプリを使う人も増えてきていますが、お店の予約と同時に発展途上国への支援が出来るアプリがあります。

ある企業で働く営業担当のMさんは、取引先との打ち合わせで飲食店をよく利用します。

お店の予約に欠かせないのがスマホのアプリ、TABLE CROSSです。

このアプリで予約すると、途上国の子どもたちに学校給食が届けられます。

Mさんはこれまで21食分を支援しました。

Mさんは次のようにおっしゃっています。

「予約を通して途上国の子どもたちに支援するという日常の中に溶け込んでいる感じで無理なく使えるのでいいなと思っています。」

 

このアプリを運営するのは、東京にあるベンチャー企業、株式会社テーブルクロス(TABLE CROSS)です。

社長の城宝 薫さんは、東南アジアを旅行した時に見た貧しい子どもたちを救いたいと大学3年生の時にこの会社を立ち上げました。

城宝さんが考えたのは、支援を継続的に行うためのビジネスモデルです。

一人分の予約につき、飲食店が180円をアプリ運営会社に支払います。

そのうち150円が会社の運営費に、残りの30円が途上国の子どもの給食1食分に充てられます。

利用者が増えれば増えるほど支援も拡大していくのです。

城宝さんは次のようにおっしゃっています。

「どういうかたちできちんと利益を生み出しながら社会貢献が出来るのかっていうのを模索してたんですけど、ボランティアじゃなくて継続した仕組みづくりをすること自体に役割があるんだというところに気付いて・・・」

 

このアプリは飲食店側にもメリットがあります。

大手のサイトやアプリの中には予約が成立しなくても月数万円以上の掲載料がかかるものもあります。

しかし、城宝さんの会社のアプリは予約がなければ支払いが発生しないため、広告費を抑えることが出来るといいます。

ある飲食店オーナーはこのアプリのメリットについて次のようにおっしゃっています。

「広告費を払っても(お客が)絶対に来るわけじゃないですか。」

「それと違って、来た人のみでお支払いするっていうシステムなので、飲食店として全くデメリットがないというか、メリットしかないっていう。」

 

運用開始から3年、支援した給食は7ヵ国で10万食を超えました。

これまで食費を稼ぐために働かざるを得なかった子どもたちが学校に通うようになったといいます。

城宝さんは次のようにおっしゃっています。

「やっぱり(子どもの)両親も学校に給食があるんだったら「学校に行っておいで」って一言かけてもらえるので、彼女たち、彼らたちの夢とか目標を応援したいな、夢とか目標を一歩後押し出来るサポートが出来たらいいなって思ったんです。」

 

このアプリのダウンロード数は現在、28万回になり、支援の輪が広がっています。

このアプリ、現在掲載されているのは飲食店だけですが、城宝さんはホテルやヘアサロンなど他の業種の予約にも広げて途上国への支援を拡大していきたいといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

アイデアよもやま話 No.843 近江商人の教え!などで、これまで“三方良し”という近江商人の教えについてご紹介してきましたが、今回ご紹介した飲食店の予約アプリ、TABLE CROSSもまさに“三方良し”のビジネスモデルと言えます。

そのメリットの内訳をまとめると以下の通りです。

(予約するお客様)

・特別に意識しなくても予約を通して途上国の子どもたちを支援出来る

(このアプリで予約を受ける飲食店)

・予約成立時のみ180円をアプリ運営会社に支払えばよいので広告費を抑えられる

(アプリ運営会社であるテーブルクロス

一人分の予約につき、150円を得られる

(途上国の子どもたち)

・一人分の予約につき、30円の学校給食支援を受けられる

 

よくこうしたビジネスモデルはソーシャルビジネスと言われていますが、社会貢献を目的としたビジネスと言えども、事業としての継続性が満たされなければ、いずれ破たんしてしまいます。

そういう意味で、今回ご紹介したアプリ、テーブルクロスは一般的なビジネスモデルと比べても競争力があるので継続性があります。

 

また、このビジネスモデルの基本的な考え方は、飲食店に限らず多くの業種に適用出来ます。

実際に城宝さんはホテルやヘアサロンなど他の業種の予約にも広げる計画をお持ちのようです。

ですから、城宝さんには、是非このビジネスモデルをベースにこうしたアプリの世界展開を進め、日本発のソーシャルビジネスとして世界規模で途上国への支援を拡大していただきたいと思います。


 
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2018年07月05日
アイデアよもやま話 No.4060 吉本興業がノーベル賞学者と新会社設立!

3月28日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で吉本興業によるノーベル賞学者との新会社設立について取り上げていたので、4月2日(月)付けの関連ネットニュース(こちらを参照)と併せてご紹介します。

 

吉本興業は、バングラデシュの経済学者でノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌスさんと新会社を設立しました。

ユヌスさんは、無担保少額融資活動で2006年にノーベル平和賞を受賞し、ソーシャルビジネスの育成支援に取り組んでいました。

ユヌスさんが提唱する「ユヌス・ソーシャルビジネス」の実践と普及に向けて提携することで合意した吉本興業は2月1日に100%子会社のユヌス・よしもとソーシャルアクション株式会社(yySA)を立ち上げ、 具体的な事業の準備を進めています。

 

全国47都道府県を拠点に活動する吉本興業の芸人が地域の課題を見つけて解決するソーシャル事業を推進します。

吉本興業では、2011年より全国47都道府県に芸人が移住する「住みます芸人」の活躍により、地域活性化に力を入れてきたことや、2015年にはアジア6ヵ国でも芸人が活動しています。

このような「住みます芸人」たちが現場で向き合った地元の課題を、スタートアップ企業の方々の、全く違う視点や新しいアプローチとマッチングすることが課題解決への道となるのではないかという思いで具体的な向き合いの場作りを始めることにしています。

 

また、3月28日(水)、東京・日本外国特派員協会(FCCJ)にて、「ユヌス・よしもとソーシャルアクション概要発表会見」が開催された場で、ユヌスさんは、ソーシャル・ビジネスについて、「さまざまな課題があると思いますが、いわゆるプロの知識ではなくて、地域の人たちと一緒に考えて実践していくことは重要なこと」だと話し、「そういった観点からも、47都道府県の「住みます芸人」という地域活性化のシステムはすばらしい」と評価しています。

その上で「ともにみんなが力をあわせ、楽しく、そして的確に問題に取り組むことで、資本主義のシステムを乗り越え、全く新しい手法を使って社会をよりよいものにしていきたいと思います」と意気込みを述べていました。

 

以上、番組、および関連ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

そもそもお笑いの吉本興業がノーベル賞学者と新会社を設立したというその組み合わせが意外に思います。

しかし、考えてみれば、人々にお笑いを提供するということは、No.662 笑いの力!No.876 ちょっと一休み その119 『健康長寿のヒケツ!』でもお伝えしたように、“健康寿命”や“心の豊かさ”を向上させる上で、とても重要なサービスです。

また、ユヌス・よしもとソーシャルアクションによる単なるお笑いや演芸の提供を超えて、国内外を問わず世界規模で資本主義のシステムを乗り越え、全く新しい手法を使ったソーシャル・ビジネスを展開するという事業は、日本の産業の新しいあり方の一つだと思います。

是非、成功させていただきたいと思います。


 
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2018年07月04日
アイデアよもやま話 No.4059 仮想通貨イーサリアムを生んだ若き天才!

3月28日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で仮想通貨イーサリアム(ETHEREUM)を生んだ若き天才について取り上げていたのでご紹介します。

 

現在、時価総額でビットコインに次いで第2位と急拡大しているイーサリアムですが、番組ではその創業者、ヴィタリック ブテリンさん(24歳)に取材しました。

3月28日、都内で開かれたイーサリアムの交流会で次のようにおっしゃっています。

「イーサリアムの一番良い点は、いろいろなことに活用出来るところです。」

 

イーサリアムの時価総額はキャノンやみずほフィナンシャル・グループと並んで約5兆円です。

2014年に誕生し、今ではビットコインに次ぐ第2位と急拡大を続けています。

イーサリアムを生んだ若き天才の声を聴こうと、約400人の参加者が熱心に耳を傾けていました。

17歳の時にビットコインと出会ったブテリンさんは、19歳の時にビットコインにブロックチェーンの技術がどう使われているのかを知るため世界中を旅したことがイーサリアムを生み出すきっかけになったといいます。

ヴィタリックさんは、次のようにおっしゃっています。

「ビットコインの仕組みは、その維持と運営のためだけに設計されました。」

「イーサリアムは、通貨だけでなく他のアプリケーションでも使えるようにしました。」

 

「ビットコインは1日20万件しか取引していません。」

「(それに対して、)イーサリアムは1日70万件取引しています。」

「ビットコインでは出来ないことがイーサリアムなら出来るのです。」

 

ビットコインはブロックチェーンを使って仮想通貨の取引のみ記録することが出来ます。

それに対して、イーサリアムは仮想通貨のやり取りだけでなく、契約の自動執行なども出来るので、様々な企業間取引が期待されています。

イーサリアムの活用を目指す企業連合にトヨタの子会社をはじめ、KDDIや三菱UFJフィナンシャル・グループなども参加、業界では仮想通貨の主役がビットコインからイーサリアムに代わるのは時間の問題との声もあります。

 

現在、1500種類以上あるとされる仮想通貨ですが、ヴィタリックさんはその多くは淘汰されると見ており、次のようにおっしゃっています。

「昨年出来た仮想通貨の半分は潰れています。」

「質の低いものが多いですが、可能性のあるものは成長するでしょう。」

「イーサリアムで多くの人を助けるものが生まれればいいと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

仮想通貨、およびその関連技術であるブロックチェーンについては、以前アイデアよもやま話 No.4025 大きな可能性を秘めるブロックチェーン!でお伝えしましたが、ブロックチェーンの活用レベルは以下のようです。

ブロックチェーン1.0 仮想通貨

ブロックチェーン2.0 送金や決済(金融の世界)

ブロックチェーン3.0 著作権保護

            流通経路の記録

            遺言・相続   など

 

そしてビットコインをはじめ多くの仮想通貨のブロックチェーンの活用レベルは1.0のようです。

ところが、今回ご紹介したイーサリアムのブロックチェーン関連技術は活用レベルを3.0までを可能にすると見られています。

ですから、現在は世界的に仮想通貨に関心が集まっていますが、今後はブロックチェーンをいかに活用したサービスを展開していくかに関心が移っていくと思われます。

そして、ブロックチェーン関連技術が新たな技術革新をもたらし、ビジネスのあり方を大きく変えると期待されます。

 

それにしても、2014年に誕生したイーサリアムが、今ではビットコインに次ぐ第2位と急拡大を続け、その時価総額はキャノンやみずほフィナンシャル・グループと並んで約5兆円という規模になっていることには驚きです。

このように今後とも世界中の優れた若い人たちが新しい技術とビジネスモデルを誕生させて、第2、第3のイーサリアムのようなベンチャー企業が登場してくると見込まれます。

 

インターネットは、これまでも大きく私たちの暮らしを変えてきましたが、AIやロボット、IoTなどの技術進歩と相まってまだまだこれから更に私たちの暮らしを変えてくれるものと期待出来ます。


 
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2018年07月03日
アイデアよもやま話 No.4058 中国のスマホ大手OPPO急成長の秘密!

3月26日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で中国のスマホ大手OPPO(オッポ)急成長の秘密について取り上げていたのでご紹介します。

 

まず、スマホの世界シェアは以下の通りです。(2017年アメリカIDC調べ)

1位 サムスン(韓国)

2位 アップル(アメリカ)

3位 ファーウェイ(中国)

4位 OPPO(中国)

 

4位のOPPOは7年前にスマホ事業に参入して、社員の平均年齢は20代といいます。

今、躍進中の企業ですが、この急成長の理由はどこにあるのでしょうか。

 

1月31日、OPPOの日本参入発表会が行われました。

そして、日本上陸の第一弾が「R11s」(2月9日販売)ですが、その最大の特徴は自撮り用のカメラで、2000万画素と高画質なうえ、肌をきれいに見せる補正が自動でかかるなど、“盛れる自撮り”が手軽に出来ます。

急成長するOPPO、その裏側を探るため、番組では中国広東省東莞市の本社工場に取材に行きました。

 

日本上陸後、初めて海外メディアが入った本社工場、緑豊かな敷地面積は東京ドーム約5個分、約7000人の社員が住み込みで働いています。

社員の平均年齢は29.5歳といいます。

敷地の中には、中国の若者に人気のピンポン場や子育て世代に配慮した小さな子ども向けの公園まで、どれも若い人材を大量に採用するための工夫といいます。

 

OPPOはなぜ社員の若さにこだわるのでしょうか。

実は“盛れる自撮り”カメラのアイデアは20代の社員から生まれたからだといいます。

OPPOの海外市場担当責任者、黄 利国さんは次のようにおっしゃっています。

「OPPOは若者向けのカメラフォンという位置付けで、もっと若者のニーズを知りたい。」

「そのために若い人材は不可欠。」

 

そして工場の中に入ると、そこには急成長を支えるもう一つの理由があります。

それはスマホの自社生産に特化する戦略です。

パソコンやタブレットに手を広げず、設備投資をスマホの生産だけに絞り込みました。

そのため、性能の良い日本製の設備などを数多く導入出来たといいます。

この戦略の裏には、ある日本人の存在があります。

工場内のガラスの壁に貼られた緑色のテープにはOPPOの経営理念が表示されていますが、その中の一つに“本分”があります。

この“本分”は京セラの創業者、稲森 和夫さんの経営理念から影響を受けて決めたといいます。

実は中国では、稲森さんに学ぶ経営者が多く、OPPOの陳 明永CEOもその一人です。

“他人を利することに専念する”という経営哲学に共感したといいます。

さきほどの黄さんは次のようにおっしゃっています。

「OPPOの“本分”という理念は、(京セラの)稲森先生が提唱したように、「仕事に打ち込む、やるべきことに専念する」という意味を込めています。」

「販売量や利益ばかりを追うことはしません。」

「日本の消費者を理解し、喜ばれる製品を作ることを目指していきます。」

 

日本式の経営理念と若い人材のアイデアで急成長したOPPO、日本支社では今年200人の若い人材を採用し、日本市場の開拓を目指します。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組で紹介されたOPPOという企業の経営理念や活動状況を見て、まず感じたのは日本の優れた企業とOPPOのイメージとがダブったことです。

その本質は以下の通りです。

・顧客第一主義

・選択と集中

・成果よりもプロセス重視

・風通しの良い組織風土

・従業員を大切に

・三方良し

 

今や日本企業においては、ブラック企業であるとか、検査データの改ざんであるとか、上記の経営理念とは真逆な企業の行動が目につきます。

その本質は、以下の通りです。

・“顧客第一主義”や“三方良し”ではなく“自社第一主義”

・“成果よりもプロセス重視”ではなく“プロセスよりも成果重視”

・“従業員を大切に”ではなく“従業員の軽視”

 

残念ながら、日本企業の中には上記のような優れた経営理念をいつの間にかおろそかにしてしまう企業風土が出来上がってしまった企業が日本を代表するような企業の中にも散見されるようになっています。

日本企業は“三方良し”など本来優れたDNAを持ち合わせているのです。

ですから、日本企業においては、今回ご紹介した中国企業のOPPOは、日本企業の優れた点を取り込んで短期間のうちに急成長を遂げたという事実に目を向けて、今一度原点回帰により、現在における企業の役割を見つめ直し、本来あるべき企業活動に取り組んでいただきたいと思います。


 
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2018年07月02日
アイデアよもやま話 No.4057 3Dプリンターで心筋組織を作製!

3月21日(水)付け読売新聞の朝刊記事で3Dプリンターでの心筋組織の作製について取り上げていたのでご紹介します。 

 

ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した心筋細胞などをもとに、細胞を積み重ねて立体的な組織を作る「バイオ3D(3次元)」プリンター」で心筋組織を作ることに成功したとの研究結果を、慶応大学の小林 英司特任教授らの研究グループがまとめました。

先天性の心臓病の治療などにつながる可能性がある成果だといいます。

 

研究グループは、iPS細胞で心筋細胞に血管の内皮細胞などを混ぜ、直径0.5ミリの球体を多数作製しました。

3Dプリンターを使って、それを剣山に団子を刺すように積み重ねて1週間ほど培養し、針から引き抜いて直径約5ミリのチューブ状の心筋組織を作りました。

この状態で組織が拍動していることを確認出来たといいます。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

3Dプリンターについてはこれまで何度かお伝えしてきましたが、医療分野においても活用されるようになったのです。

これは驚くべきことです。

iPS細胞と3Dプリンターとの組み合わせにより、将来的には私たちの身体のパーツはほとんど作製されてしまう可能性が出て来たのです。

ですから、こうした技術の進歩は昔からの人類の夢であった“永遠の命”を手に入れる第一歩となるかも知れません。

そうなると、増々“心の豊かさ”が大切になってきます。

ですから、医療技術の研究と同時に“心の豊かさ”を追求する研究もおろそかには出来ないのです。


 
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2018年07月01日
No.4056 ちょっと一休み その653 『時代のリーダーに最も必要な要件とは!』

前回、中村 八大さん、永 六輔さんコンビによる驚異的なスピードの曲作りについてご紹介しました。(こちらを参照)

そこで、今回はこのお二人のように常識では考えられないようなことをやってのけるような人を出来るだけ多く輩出するためにはどうするかについて私の思うところをお伝えします。

 

今、アメリカのトランプ大統領の予測不能な言動や中国の習近平国家主席による中華圏の再興を目指した強引とも思えるような戦略的な動き、あるいは北朝鮮による核兵器開発など、“不確実性の時代”の真っただ中に私たちは暮らしています。

こうした、その時代時代の世界情勢や抱える問題点について、私たち一人ひとりの立場ではどうすることも出来ません。

しかし、そうした中にあって、その時代に沿った国家の目指すべき方向性、およびそれに伴う課題や個人として生きていく上での指針を国民に提示して鼓舞することがその時代の思想界や政財界のリーダーに最も求められることだと思います。

その際、言葉はとても重要な手段になります。

内容が的を射ており、多くの人たちの心を捉え、誰でも分かり易い的確な表現です。

そして、その対象は不特定多数であったり、特定の人であったりします。

また、表現方法は直接語りかけることだったり、書き物であったりします。

勿論、言葉ではなく、行動でその偉大さ、素晴らしさを感じさせてくれる方々も国内外を問わず、大勢いらっしゃいます。

 

ちなみに、主に言葉を通して日本国内で大きな影響を及ぼした例として、幕末の変革者、吉田松陰の言動はその代表的例だと思います。(参照:No.2898 ちょっと一休み その459 『吉田松陰にみる教育の重要性』

また、戦後の高度経済成長期の田中 角栄元総理や松下電器(現パナソニック)の創業者、松下幸之助さん(参照:アイデアよもやま話 No.3194 興味深い松下幸之助の人材抜擢法!)、そして最近の例では、国会議員の小泉 進次郎さんや京セラの創業者、稲森 和夫さんはその代表例だと思います。

ここでは思い付くままに書き並べましたが、有名無名を問わず、影響力のある方々は大勢いらっしゃると思います。

こうした方々がどんどん増えていき、国内外を問わず良い影響を与えることが精神的に豊かな暮らし、あるいは日本の国家安全保障や世界平和の貢献につながると思うのです。


 
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2018年06月30日
プロジェクト管理と日常生活 No.547 『アメリカから有能な科学者がいなくなる!?』

4月15日(日)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でトランプ政権の科学軽視に危機感を募らせる科学者たちについて取り上げていたのでご紹介します。

 

4月15日(日本時間)、アメリカの全米各地でトランプ政権に抗議する大規模なデモが行われました。

参加しているのは科学者などです。

地球温暖化は“でっち上げだ”と発言するなど、科学を軽視していると言われるトランプ大統領は科学研究予算を削減する方針を打ち出しています。

 

これまで世界の科学研究をリードしてきたアメリカですが、将来を悲観して優秀な頭脳が国外に流出する事態となり、アメリカの科学者たちは危機感を募らせています。

地球温暖化の予測に取り組んでいるプリンストン大学のヴェンカトラマニ・バラジ博士は20年以上にわたり、この分野の世界の研究をリードしてきました。

バラジ博士は次のようにおっしゃっています。

「アメリカは研究するのには素晴らしい場所でした。」

「科学予算が世界トップだったアメリカには世界中から科学者が集まってきました。」

 

ところが、トランプ大統領は昨年、国際的な温暖化対策を取り決めたパリ協定からの脱退を表明し、温暖化研究の予算も削減する方針を打ち出しました。

バラジ博士は、アメリカでは将来温暖化研究は先細りしていくと感じました。

そうした時に動いたのがフランスでした。

マクロン大統領は、気候変動への研究費を多く出すとして、アメリカなどの研究者にフランスに来るよう呼びかけました。

バラジ博士は長年所属した大学を辞めて、フランスへ行くことを決意、この秋パリにあるソルボンヌ大学に拠点を移します。

 

アメリカが世界の科学をリード出来なくなるのではないかと危機感を募らせた科学者たちは新たな行動に出ています。

南部ミシシッピ大学のランディ・ワドキンス教授は、秋に行われる下院議員選挙に立候補することを決めました。

こうした動きが全米に広がり、これまでに約60人の科学者が立候補を表明しています。

ワドキンス教授は次のようにおっしゃっています。

「全米で立候補を表明している科学者が大勢いる。」

「みんな“政府は一体どうなってしまったのか”と心配しています。」

 

27年にわたり抗がん剤の研究を続けているワドキンス教授は、がん細胞のDNAの構造を解析することで、がん細胞の増殖を防ぐ次世代の抗がん剤の開発に挑んでいます。

しかし、トランプ大統領が研究予算を大幅に削減することになれば、多くの患者を救う可能性のある新薬の開発を続けられなくなると懸念しています。

ワドキンス教授は次のようにおっしゃっています。

「トランプ政権の予算削減案は言語道断。」

「権力のある人々が科学者の意見を聞かなくなっています。」

「科学者として、この国が進もうとしている方向性に不安を抱いています。」

 

アメリカがリードしてきた科学を顧みないトランプ大統領に直接的な手段で異議を突き付け始めた科学者たち、秋に行われる中間選挙でその声はどこまで広がるのか注目されます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

トランプ大統領は、これまでの常識に囚われない、また前言を翻してころころと変わる言動により、アメリカ国内のみならず世界各国が振り回されているように見えます。

唯一の価値観は“アメリカファースト(アメリカ第一主義)”です。

更にその根っこは“トランプファースト”のように思えます。(参照:No.3966 ちょっと一休み その638 『トランプ大統領の本質は”アメリカファースト”ではなく”トランプファースト”!?』

 要するにトランプ政権の維持です。

しかし、考えてみれば、トランプ大統領に限らず、多くの政治指導者は政権維持を大前提にいろいろな政策を打ち出しています。

ただ、トランプ大統領と違うのは自分なりのビジョンを掲げています。

確かにトランプ大統領には素早い決断力や実行力はありますが、残念ながら肝心のビジョンが見られません。

ですから、これから先アメリカを、更には世界をどのような方向に導こうとしているのかが読めないのです。

 

そうした中の一つが、今回ご紹介した、パリ協定からの脱退を表明し、温暖化研究の予算も削減する方針を打ち出したことです。

こうした動きの中で、多くの科学者はアメリカ国内で今後継続して研究していくことに不安感を抱いているというのです。

 

一方、中国は習近平国家主席による指導のもと、“中華圏の再興”を掲げ、政治主導により効率よく経済、軍事の両面でアメリカに対抗しつつありあります。

そして、いずれその両面でアメリカを凌駕する勢いです。

そうした中でのアメリカの経済面での対応策の一つが中国に対する関税率の大幅な引き上げです。

しかし、これについては中国は徹底抗戦の構えで、この貿易戦争が長引けば、その悪影響は中国よりもむしろアメリカの方が大きいという見方が中国にはあります。

 

残念ながら中国は共産党一党独裁国家ですから、もし中国による世界各国に対する影響力が大きくなるようなことになれば、どのような世界になるのか、自由主義圏の多くの人たちは漠然とした不安感を抱いているのではないでしょうか。

 

こうした中国の動きで日本の受ける影響として、尖閣列島のみならず沖縄さえも自国の領土権を主張し出すのではないかと一部で危惧されています。

 

ということで、世界的な視点でトランプ政権の抱える最大のリスクは、これまで維持されて来たアメリカの経済、および軍事面でのリーダーシップが弱まり、相対的に中国のパワーが強まって、その均衡が破れてしまうことだと思います。

 

そうした中で、フランスのマクロン大統領によるアメリカ国内の科学者への呼びかけやこうした科学者自らの政界進出の動きは、トランプ大統領の暴走への対応策の一つです。

経済を発展させていくうえで、AI(人工知能)やロボット、IoT、あるいは医療など、科学はその最大の推進力として今後その重要性を増していきます。

その科学者の研究環境を悪化させることはまさに時代の逆行をもたらします。

ですから、トランプ大統領には、世界をリードすべきアメリカの大統領としての自覚に目覚めて欲しいと思います。

同時に、アメリカのより多くの国民の方々には、短期的なメリットに惑わされることなく、長期的な観点で次期大統領選で投票していただきたいと思います。


 
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2018年06月29日
アイデアよもやま話 No.4055 ゲノム編集で肉が沢山取れるタイの研究!

3月24日(土)放送の「ミライダネ!」(テレビ東京)でゲノム編集技術の現状について取り上げていました。

今回は、ゲノム編集で肉が沢山取れるタイの研究に焦点を当ててご紹介します。 

 

前々回、前回とご紹介したように、ゲノム編集治療の実用化はまだ時間がかりますが、医療分野への遺伝子活用は伝子検査キットというかたちで既に始まっています。

 

番組では近畿大学水産研究所(和歌山県白浜町)による、ゲノム編集により肉が沢山取れるタイの研究についても取り上げていましたが、こちらについては以前、アイデアよもやま話 No.3188 命を変える新技術 ゲノム編集 その1 生物を自在に作り替える驚異的な技術!でも簡単にご紹介していました。

近畿大学と共同でこのタイを作り出した、京都大学助教の木下 政人さんは次のようにおっしゃっています。

「ミオスタチンという遺伝子ですけども、筋肉の量を増やすのを抑えているブレーキの遺伝子です。」

「(ゲノム編集で)そこだけを働かなくします。」

 

木下さんは、筋肉の成長を抑えるタイの遺伝子をゲノム編集でカット、筋肉の成長を促し、タイの肉付きを良くすることに成功しました。

タイのゲノム編集に使われたのも前々回ご紹介した特別な酵素「クリスパー キャス9(CRISPR-Cas9)」でした。

これをタイの受精卵に注入し、ゲノム編集を行いました。

木下さんは次のようにおっしゃっています。

「僕らも最初にゲノム編集して、どれくらい効果が出るのか疑問だったんですよ。」

「作り初めてから大分大きいのが出来て、こんなに顕著に違いが出てくる・・・」

 

さてこのゲノム編集されたタイですが、安全性や自然界への影響は全くの未知数なので、食べることは出来ず、厳重に管理されています。

卵を一粒たりとも外に出さないように、排水路には目の細かい網を設置しています。

そして、排水前の海水に紫外線を当てる装置を設置し、タイの精子の受精機能を失わせるようにしています。

木下さんは、食品としての安全性も証明し、この技術で日本の水産業に貢献したいと考えています。

木下さんは次のようにおっしゃっています。

「生産者にメリットのある魚が出来て、それで消費者、食べる人にもメリットがある、例えば、それを食べたら健康になるだとか、そういうメリットのある魚が安く、沢山作れる、で地域の特産物になったりして、地方創生とかいうことになっていけば、私は嬉しいと思っています。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

私たち人間の豊かな暮らしという視点からすれば、より美味しい、あるいはより栄養価の高い食べ物を食べたいという欲求があります。

そして、今回ご紹介したタイの研究を更に進めることによってその願いを達成させることは夢ではないと思われます。

一方でゲノム編集技術は思わぬかたちで自然界に悪影響を与えてしまうリスクをはらんでいます。

そうしたことから、今回ご紹介したように木下さんは厳重な管理をされているわけです。

しかし、ゲノム編集技術が様々なかたちでビジネスとして普及していくと、利益優先で安全性や自然界への影響対策が後回しになってしまうことは十分にあり得ます。

そして、こうしたリスクの顕在化は一旦起きてしまえば取り返しが出来なくなってしまいます。

それはネット社会における情報の拡散の歯止めが出来ないことを見れば明らかです。

ですから、前々回もお伝えしたように、メリットばかりに目を奪われることなく、技術の持つリスクへの対応策も前もってしっかりと検討しておくことが極めて重要なのです。


 
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2018年06月28日
アイデアよもやま話 No.4054 自分の遺伝子が手軽に調べられる遺伝子検査キット!

3月24日(土)放送の「ミライダネ!」(テレビ東京)でゲノム編集技術の現状について取り上げていました。

今回は、自分の遺伝子が手軽に調べられる遺伝子検査キットに焦点を当ててご紹介します。 

 

前回ご紹介したように、ゲノム編集治療の実用化はまだ時間がかりますが、医療分野への遺伝子活用は既に始まっています。

医療法人社団 創世会・臨床検査科 恵比寿(東京・渋谷区恵比寿ガーデンプレイスタワー)では遺伝子を診察に活用しています。

こちらのクリニックでダイエット法を指導する際に参考にしているのが肥満遺伝子検査です。

肥満に関係する遺伝子を調べられる肥満関連遺伝子検査キット「DIET」(税込み6458円)です。

調べるのは、糖質代謝、皮質代謝、および筋肉の付き易さに関係する遺伝子の3つです。

 

実は今、自分の遺伝子が調べられる遺伝子検査キットがいろいろ出ています。

メタボに関する遺伝子が調べられるメタボ遺伝子検査キット「METABO」(税込み6458円)や自分の祖先が調べられる祖先遺伝子検査キット(税込み10584円)などがあります。

でも遺伝子は解明されていないことが多いので、何でもゲノム編集が出来るわけではありません。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

ゲノム編集治療には至りませんが、遺伝子検査で自分がどんな肥満体質であるか、あるいは自分の祖先などを簡単な遺伝子検査キットで調べられるところまでは既に実用化されているだけでも驚きです。

自分がどのような肥満体質であるかが分かれば、より効果的なダイエット法に結び付けることが出来るのです。

また、ちょっと料金は高いですが、自分の祖先が簡単に調べられるというのも興味が湧いてきます。


 
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2018年06月27日
アイデアよもやま話 No.4053 ゲノム編集治療の現状!

3月24日(土)放送の「ミライダネ!」(テレビ東京)でゲノム編集技術の現状について取り上げていました。

今回は、ゲノム編集治療の現状に焦点を当ててご紹介します。 

 

今、従来の手術などの医療技術では治せないガンでも直せると言われているのが私たちの暮らしを劇的に変えるかも知れない遺伝子治療です。

東京大学理学部(東京都文京区)で、ガンをはじめとする遺伝子に係わる病気における最先端の遺伝子治療の研究が行われています。

東京大学大学院 理学系研究科の新しい遺伝子治療技術の第一人者、濡木 理教授は次のようにおっしゃっています。

「ガンというのは遺伝子に変異が起こって、それが原因でガン細胞が出来ているわけですね。」

「それを直してやれば、根本的にガンを治療することが出来ます。」

 

さて、気になる治療法の前に、遺伝子とDNAの違いですが、細胞の中心にある核の中に存在するらせん状の物質がDNAです。

そしてDNAには生き物をかたちづくる情報が含まれています。

その情報が遺伝子です。

懐かしいカセットテープで例えるならば、磁気テープがDNAで、録音した音楽が遺伝子なのです。

そんなDNAは様々な要因で傷がつくことがあります。

この時、うまく修復出来ないと細胞がガンに変化してしまうことがあるのです。

 

濡木さんが研究しているのが、変異した遺伝子を修復する技術です。

その方法とは「ゲノム編集」で、一言で言えばDNAを自在に編集する技術です。

濡木さんは「ゲノム編集」の第一人者で、この技術に欠かせない、あるものを作っています。

それについて、濡木さんは次のようにおっしゃっています。

「(変異した)DNAに結合して切断する酵素ですね。」

「特定の位置に切れ目を入れて、DNAを直そうという過程で「ゲノム編集」が起きます。」

 

「ゲノム編集」を行う特別な酵素が「クリスパー キャス9(CRISPR-Cas9)」です。

この酵素には、狙ったDNAにくっつく性質があります。

これを正常なDNAと一緒に細胞の中に注入すると、飛び跳ねるように動きながら目的の傷付いたDNAを発見、そこにくっ付き、暫くすると傷付いたDNAを切断します。

そして、一緒に連れて来た正常なDNAに入れ替えます。

こうして病気を治そうというのが「ゲノム編集」です。

 

濡木さんは現在、自治医科大学(栃木県下野市)で「ゲノム編集」により様々な病気を治す研究を医学界と共同で進めています。

遺伝子の変異で起こる血友病は、血液を固める物質を作れなくなり、出血が止まりにくくなる病気です。

国内に6000人以上の患者がいると言われています。

血友病のマウスを「ゲノム編集」したところ、血液の固まり易さが15%向上しました。

 

自治医科大学 先端医療技術開発センターに臨床試験の一歩手前まで来ている研究があります。

先端医療技術開発センター長で血液内科医の花園 豊さんは、ある難病を「ゲノム編集」で治療する研究をしています。

それは重症複合免疫不全症(SCID)で、生まれつき免疫力がない病気で、発症する確率は10万人に1人という難病です。

現在の主な治療法は骨髄移植ですが、ドナーが見つからないと2歳までに死に至ると言われています。

原因は遺伝子の異常、母親から子どもに遺伝し、発症します。

 

花園さんがこの病気を知ったのは研修医の頃、当時は小児科医になることを目指していました。

ところが、子どもの病気を治したかったのですが、治せず、小児科病棟に出入りするのが胸が潰れるほど辛かったといいます。

自分は小児科医に向いていないと諦めたものの、子どもの病気とも係われる血液内科医の道を選びました。

その頃知ったのがある少年のエピソードでした。

アメリカで暮らすデイビッド・ベッター君は生まれた直後からずっと無菌室で生活していました。

無菌室から出る時にはNASAが作った宇宙服のようなスーツを着用、これがないとすぐに感染症にかかってしまうからです。

生まれてから一度もお母さんと直接触れ合うことはありませんでした。

骨髄移植をしましたが、その後感染症でガンを引き起こし、デイビッド君は12歳で亡くなりました。

花園さんは、一人の少年のためにNASAまで協力するというアメリカの医療現場に心を打たれ、20年前アメリカに留学、SCIDの研究に没頭しました。

しかし、日本で認可の下りるような治療法の開発には至りませんでした。

花園さんは次のようにおっしゃっています。

「原因は分かっているんですよ。」

「遺伝子のちょっとした突然変異でこういう悲惨な病気が起こる。」

「ゲノム編集技術が出来て、初めてたった1個(の遺伝子)でも直す可能性が出て来たわけで、それを今やっているんです、この豚で。」

 

実は豚は体重や内臓の構造が人間に似ているため、医療技術の安全性を確認するのに適した動物なのです。

花園さんは豚を使って、ゲノム編集によるSCIDの治療を研究、現在、無菌室の中で治療の効果や副作用について検証しています。

豚への治療に関しては良い結果が出ているそうで、次の人での臨床試験を目指し、研究を続けています。

 

研究が進み、注目を集めるゲノム編集治療、医学界はこの技術をどう見ているのでしょうか。

医師であり、最先端医療のシンクタンク、最先端医療政策機構で研究も行う宮田 敏男さんは次のようにおっしゃっています。

「遺伝子が一つだけ(が原因)で病気になっているケースはゲノム編集の対象にし易いと思うんですけども、複数の遺伝子が働いでガンが発生するケースではゲノム編集と言えども中々手ごわいと思うんですね。」

 

しかし、技術が進歩し、安全性が確認出来れば、様々な病気の治療に役立つ可能性があるといいます。

宮田さんは次のようにおっしゃっています。

「良い臨床試験結果が続けば、その後の(ゲノム編集の実現の)スピードは結構早いんじゃないかな。」

「非常に医療界でも大きく期待されています。」

 

さて、花園さんは10年後の未来について次のようにおっしゃっています。

「全ゲノム情報をチップとして持ち歩くんじゃないでしょうかね。」

「医者に行くと、まずそれをスキャンすると、その人の全ゲノム情報が出てくる。」

「ガンになる遺伝子があれば、そこをゲノム編集によって予め直してしまうとかね。」

「将来的には、ゲノム編集技術がガンの治療に役立つ日が必ず来ると私は思いますけどね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

今や、iPS細胞や遠隔操作での治療、あるいは前回ご紹介した3Dプリンターの活用など医療技術は革新的な進歩をしつつありますが、今回ご紹介したゲノム編集も傷付いたDNAを正常なDNAに入れ替えるという独創的なものと言えます。

しかし、その実用化まではゲノム情報とガンなどあらゆる病気との関連の把握や安全性の確認など、まだまだ道半ばのようですが、ゲノム編集は将来的には一元的な治療法として大きな柱の一つとして位置付けられるものと大いに期待出来そうです。

それにしてもゲノム編集技術は“生物とは何ぞや”という本質に迫り、いよいよ人類は神の領域に踏み込んでしまうのではないかという思いになってしまいます。

 

さて、ここまで書いてきて、今思い付いたことがあります。

それは、結婚する時に、お互いのゲノム情報を突き合わせて遺伝子検査を応用すれば、両者から生まれてくる子どもはどのような遺伝子を持っているかということがおおよそ分かってしまうのではないかということです。

更に、技術的にはゲノム編集によってどのような遺伝子を持たせるか、いかようにも編集出来てしまうということです。

ということは、ヒトのみならずどのような生物もゲノム編集によりいかようにも好みの生物を生み出すことが出来るのです。

これこそまさに“神の領域”です。

こうしたことから、ゲノム編集関連技術については法的に厳しい規制が求められます。


 
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2018年06月26日
アイデアよもやま話 No.4052 ソフトバンクグループによるベンチャー企業への世界的な巨額投資!

前回、ソフトバンクグループによる太陽光発電事業への世界的な巨額投資についてご紹介しましたが、今回はベンチャー企業への世界的な巨額投資についてご紹介します。

 

ご存知のように、どんなに画期的で優れた技術やサービスを開発したベンチャー企業でも、ヒト・モノ・カネの不足がネックになり、途中で断念せざるを得ない状況に追い込まれる場合が多いです。

中でもカネ(資金繰り)は最大のネックになります。

 

そうした中、前回ご紹介したファンド、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」は昨年5月に立ち上げて以降、太陽光発電事業への世界的な巨額投資以外に、世界的なアメリカや中国などの成長の見込まれるベンチャー企業にも投資しています。

次世代交通網のライドシェアやフィンテックなど、ビッグデータを扱い人工知能(AI)と親和性の高い企業を中心に投資してきました。

その具体例として、Alibaba(eコマース)、ARM(半導体)、Boston Dynamics(ロボット)などがあります。

 

しかも、ソフトバンクは「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の立ち上げ以前からYahooなど有望なベンチャー企業への投資を積極的に行ってきており、投資事業としても多くの成功を収めてきました。

 

なお、ささやかな株主としてソフトバンクの今年の株主総会に出席しましたが、孫社長はこうした事業展開、あるいは戦略について以下のような説明をされていました。(詳細は株主総会の動画を参照)

将来的に世界で業界ナンバーワンとなる見込みのあるベンチャー企業に株式の20%から30%の割合で投資し、こうしたそれぞれの企業が自主性を持ちながら自己増殖、あるいは自己進化を遂げることによってソフトバンクグループを300年存続させるという戦略、すなわち“群戦略”を推進するというものです。

 

さて、ソフトバンクグループの経営理念は「情報革命で人々を幸せに」ですが、具体的には以下のような分野で事業展開されています。

・インターネット

・携帯電話

・AI

・ロボット

・IoT

・再生可能エネルギー発電(主に太陽光発電)

 

考えてみれば、IoT化社会はあらゆるものがネットとつながる社会なのですから、あらゆるものが事業化の対象になります。

一方、IoT化社会は世界人口の増加と相まって、電力消費量の増加を伴います。

ですから、私たち人類は、豊かな暮らしとそれに伴う電力消費量の再生可能エネルギー発電による供給という両方のバランスを意識した活動があらゆる分野で求められるのです。

 

こうして見てくると、孫社長は、ソフトバンクグループとして世界規模での“持続可能、かつ豊かな社会”の実現に向けて、企業の立場で本気で取り組もうとされているのかもしれません。


 
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2018年06月25日
アイデアよもやま話 No.4051 ソフトバンクグループによる太陽光発電事業への世界的な巨額投資!

以前、アイデアよもやま話 No.2515 ソフトバンクに期待出来る再生可能エネルギー発電の普及! で、ソフトバンクの再生可能エネルギー発電への取り組みについてご紹介しましたが、6月15日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でソフトバンクグループによる太陽光発電事業への世界的な巨額投資について取り上げていたのでご紹介します。

 

ソフトバンクグループは、インドでの太陽光発電事業に巨額の投資をする方針を固めました。

関係者によると、ソフトバンクはインド政府の支出額に応じて日本円で最大6兆円〜10兆円の投資を提案していて、両者は最終的な調整を進めた上で、近く正式に合意する見通しです。

投資資金について、ソフトバンクは昨年5月にサウジアラビアの政府系ファンドから出資を受けて設立した運用額10兆円規模のファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」から拠出する方針です。

インドのモディ政権は、深刻な電力不足解消のため、日照に恵まれた環境を生かし、太陽光発電の普及を進める方針を掲げていて、今回の事業では発電に加えて太陽電池パネルなど関連設備の開発や生産の分野も含まれるということです。

 

なお、ソフトバンクは今年3月にもサウジアラビア政府と総額2000億ドル、日本円で20兆円を超える資金を投じて、世界最大規模の太陽光発電事業を共同で進めることに合意しており、エネルギー分野への投資を世界規模で加速させる姿勢を鮮明にしています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

なお、ネット関連記事(こちらを参照)によると、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長とサウジアラビアのムハンマド皇太子は3月27日(日本時間28日)に記者団と会見し、世界最大となる計200ギガワットの太陽光発電事業をサウジアラビアで始めると明らかにしました。

太陽光パネルの工場も同国内に設けるといい、2030年までの総事業費は計2千億ドル(約21兆円)規模にのぼるといいます。

 

ここでも「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が資金を拠出し、まず約50億ドルを投じ、2019年までに2つの太陽光発電所(計7.2ギガワット)をつくるといいます。

 

ここでもインド同様に、パネルなどの発電設備の生産は、順次サウジ国内での生産に切り替えるといいます。

また、エンジニアの教育・訓練施設も設けて、2030年に向けて徐々に規模を拡大する意向です。

サウジアラビアに10万人の雇用を生み、同国の国内総生産(GDP)も120億ドル増える効果があるといいます。

 

以上、ネット関連記事の一部をご紹介してきました。

 

これまで何度かお伝えしてきたように、世界規模で持続可能な社会を実現させる上では、一部の国だけが真剣に取り組んでもあまり効果は期待出来ません。

一方で、持続可能な社会の実現に向けて、非常に関心の高い国とそうでない国には温度差があります。

先進国の中でもEU諸国は相対的に関心が高く、アメリカはトランプ政権になってから経済優先で関心が低くなってしまいました。

一方、中国は自国内の環境汚染の悪化に伴う、政府への国民の非難の声を抑える必要性もあって、化石燃料から再生可能エネルギー発電へのシフトやガソリン車からEV(電気自動車)へのシフトが急速に進んでいます。

では日本はどうでしょうか。

福島第一原発事故後も“原発依存体質”が抜け切れず、いまだに再生可能エネルギー依存へのシフトに対して歯切れのよくない曖昧な政策が続いています。

 

こうした中で、持続可能な社会を一気に実現させる特効薬はありませんが、ベターな道はあります。

それは、再生可能エネルギー発電の導入意欲の高い国々での普及です。

今回ご紹介したインドは電力不足の解消を大きな課題の一つとしている国で、まさに対象としてはうってつけです。

一方、やサウジアラビアは原油の産出国ではあるものの、将来的な原油の枯渇対策として真剣に再生可能エネルギー発電へのシフトに取り組んでいます。

また、こうした地域に単に再生可能エネルギー発電設備を輸出するだけでなく、導入先の国に再生可能エネルギー発電生産設備を設置して、現地の人々を従業員として雇用すれば、経済の活性化にも貢献出来るのです。

 

こうした観点からすると、今回ご紹介したソフトバンクの取り組みは実に理に適っていると思います。

自国の国家安全保障のために、他国からの侵入の抑止力としてある程度の武力を確保することも重要ですが、双方ともに“WinWin”の関係を促進する経済支援を推進することは、両国の良好な依存関係を高めます。

そして、依存関係が高まれば高まるほど、双方はお互いに“無くてはならない存在”になっていきます。

こうした依存関係を世界各国と築いていくことこそ、平和国家、日本の国家安全保障対策の柱とすべきだと思います。

 

ということで、優れた経営力のあるソフトバンクには是非こうした取り組みを世界規模で今後とも展開していただきたいと思います。

同時に、日本政府もこうした企業活動を側面から支援していただきたいと思います。


 
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2018年06月24日
No.4050 ちょっと一休み その652 『中村八大、永六輔コンビの驚異的なスピードの曲作り!』

5月19日(土)放送の「あの人に会いたい」(NHK総合テレビ)で作曲家、中村 八大さんについて取り上げていました。

そこで、今回は中村 八大さん、永 六輔さんコンビによる驚異的なスピードの曲作りに焦点を当ててご紹介します。

 

作曲家でピアニストの中村 八大さん(1992年 61歳没)は、日本人の心に残る数多くのヒット曲を世に送り出し、戦後の歌謡界に一時代を築きました。

 

早稲田大学に在学中にジャズピアニストとしてデビュー、大学では放送作家志望の後輩、永 六輔さんと出会いました。

1953年(昭和28年)、ジャズバンド、ビッグフォーを結成、若者に熱狂的に支持され、一世を風靡しました。

しかし、昭和30年(1955年)台に入り、ロカビリーブームが到来、ジャズ人気は急激に衰えてしまいました。

そんな時、映画の挿入歌の制作を依頼されました。

条件は、一晩で10曲作ることでした。

しかし、曲は作れても詩が書けませんでした。

途方に暮れていた時、偶然日劇(東京・有楽町)前で永 六輔さんと再会したのです。

当時のことについて、永 六輔さんはあるラジオ番組の中で次のようにおっしゃっています。

「尊敬している大スターの大先輩に声をかけられただけで、今でいうと体がかたまっちゃうというか、日劇の前で硬直状態で、その硬直状態の僕に「君は詞が書けるか」って言われて、書けないのに「書けます」って言ったんですね。」

「そこでもう嘘をついている。」

「「今から俺が10曲作るから10の歌詞を作れ」って言われて、本当に脂汗を絞るように作ったんですね。」

 

徹夜で書き上げた10曲、その中に「黒い花びら」がありました。

無名の新人歌手、水原 弘さんが歌い、大ヒット、第一回レコード大賞を受賞しました。

中村 八大さんにとって、作曲家としての華々しいデビューでした。

 

テレビ草創期の音楽バラエティ番組「夢であいましょう」では、永 六輔さんが放送作家、中村 八大さんが音楽監督を担当しました。

名物コーナー、「今月の歌」からは「上を向いて歩こう」や「こんにちは赤ちゃん」、「遠くに行きたい」など数々のヒット曲が生まれました。

クラシックとジャズの素養を生かし、感情の赴くまま次々に新しいメロディを生み出しました。

中でも「上を向いて歩こう」は「SUKIYAKI」とタイトルを変え、世界中で大ヒット、全米ヒットチャートで3週連続1位を獲得しました。(1963年6月15日・22日・29日付け)

 

作曲家、中村 八大さん、その名曲の数々は今も世代を超えて歌い継がれています。

中村 八大さんは晩年次のようにおっしゃっています。

「どこかに喜ぶ人がいれば、喜ぶ人のための音楽を一生懸命やっていくというのが自分の喜びに返って来る。」

「そういうふうに考えながらやって来たと思います。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

映画の挿入歌の制作で一晩で10曲作ることを依頼する方もする方ですが、それに応えて一晩で10曲を仕上げるという、中村 八大さん、永 六輔さんコンビによる驚異的なスピードの曲作りには圧倒されます。

こうした行動は、無鉄砲ではあるものの、生き生きとした高度成長時代という時代の勢いを感じさせてくれます。

しかも、その中の1曲「黒い花びら」は大ヒット、第一回レコード大賞を受賞したというのですから驚きです。

この一件がきっかけで、お二人にはそれぞれ望んでいた作曲家、放送作家への道が開け、テレビ草創期の音楽バラエティ番組「夢であいましょう」につながったというわけです。

 

このように人間は常識的には考えられないようなことが出来てしまうような可能性を秘めているのです。

その背景には、時代の持つ空気感があると思います。

暮らしは決して豊かではなくても明日への希望が持てるというような雰囲気です。

同時に、若者特有の何事も恐れないような無鉄砲さもあると思います。

 

その時代その時代に生まれてくる人たちは、時代の雰囲気を選択することは出来ません。

しかし、自分の生まれた時代の雰囲気や環境の中においても、常識に囚われず、時には無鉄砲さを持って突き進めば自ずと道は開けることを中村 八大さん、永 六輔さんのお二人のコンビは証明していると思います。

是非、特に若い人たちには常識に囚われず、自分の好きな道にチャレンジして欲しいと思います。

何事においても必ず成功するという保証はありませんが、必ずその過程で得るものは沢山あると思います。

そうした積み重ねこそお金には代えがたい貴重な財産となり、次のステップで役立つと思うのです。

 

一方、政治家の最大のミッションは、国家がどのような状況になっても、国民に夢と希望を与えることだと思います。

国民はどのような状況に置かれようとも、夢と希望さえ持てれば生き生きとした暮らしが出来るのです。

逆に、いくら物質的な豊かさを手に入れても、夢と希望がなければ、生き生きとした暮らしを手に入れることは出来ないのです。


 
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2018年06月23日
プロジェクト管理と日常生活 No.546 『危機管理学部のある日本大学が生かせなかった”悪質タックル”の危機管理』

日大アメフト選手による“悪質タックル”が発覚したきっかけについて、先日No.4044 ちょっと一休み その651 『SNSを通じて発覚した日大アメフト選手の“悪質タックル”!』でお伝えしました。

その後、話題になったのは日本大学の対応のまずさで、いまだに尾を引いており、日本大学のイメージダウンになり、在籍学生の就職活動をはじめ様々な悪影響を及ぼしています。

そして、この対応のまずさに関連して、日本大学には皮肉にも危機管理学部があることも世間に知れ渡ってしまいました。

そこで、この危機管理学部の目指す狙いについてネット検索したところ、以下のような記述がありました。(詳細はこちらを参照)

 

私たちに脅威を与える「危機」は社会の多様化・グローバル化とともに増大。時代に求められている危機管理のエキスパートをいち早く養成し、社会に送り出します。

 

では、なぜ危機管理学部が学内にあるにも係わらず、今回の事態に危機管理が生かせなかったのでしょうか。

 

一連の報道記事に接していると、危機管理という言葉が曖昧に使われているように思います。

これまで何度かお伝えしてきたように、そもそも危機管理、すなわちリスク管理には2つの局面があります。

1つ目はリスクが発生(顕在化)する前、2つ目はリスクが発生した後です。

こうした観点で今回の“悪質タックル”について振り返ってみると、日大アメフト選手の“悪質タックル”は内田前監督の指示であったということが明らかになっているので、そもそも“悪質タックル”というルール違反におけるリスク対応策は日大アメフト部には存在していなかったのです。

これ自体、あらゆるスポーツを通して、致命的な、あってはならないことです。

ルールの存在しないスポーツは単なる暴力行為、あるいはケンカに過ぎないのです。

次に、この“悪質タックル”が表面化した後の対応、すなわちコンティンジェンシープランについてですが、これも対応のまずさから全く機能していなかったと言わざるを得ません。

各種報道でも指摘されているように、SNSの動画で“悪質タックル”が表面化して大騒ぎになった時に、即座に内田監督(当時)が被害者に直接お詫びに行くとともに、会見を開いてきちんと経緯を説明してお詫びをしていれば、短期間のうちに問題は大きくならずに終息したのです。

ところが、そもそも“悪質タックル”は内田監督(当時)の指示によるものだったのですから、内田監督(当時)の頭の中にはこうした対応は無かったはずです。

こともあろうに、当然内田監督(当時)は事実を話せば自分が処罰の対象になるので、実際に“悪質タックル”を実行した選手に罪をなすり付けるような説明を会見の場でしておりました。

 

そこで、本来であれば、こうしたコンティンジェンシープランについて、日本大学の最高責任者である田中理事長が“悪質タックル”の重大さを認識し、その原因究明を即座に行って、どう対処すべきかを危機管理学部の関係者に相談して対処すれば良かったのです。

しかし、残念ながら田中理事長は自ら対処しようとしなかったのですから、危機管理意識がほとんど無かったと言わざるを得ません。

では、最後の砦ではありませんが、危機管理学部の関係者から危機管理学の観点から田中理事長に直言して適切な対応が出来ていれば、さすが危機管理学部のある日本大学の対応は早く、適切であると評価されたはずです。

 

しかし、いろいろな報道記事に接するかぎり、日本大学は田中理事長のワンマン経営で、下から直言出来るような風通しの良い組織風土ではなく、へたに直言すればどこか他の組織に飛ばされてしまうような雰囲気があるようです。

 

こうしたことから以下のことが言えます。

勿論、いろいろな状況を想定してリスク管理の考え方を取り入れた制度づくりやそれに伴う研修はとても重要です。

しかし、最も重要なことは、組織内で誰もが気軽に気を使うことなく何でも言えるような風通しの良い組織風土にすることです。

そして、誰もが“良いことは良い”、“悪いことは悪い”と言い合えるような雰囲気づくりです。

こうした組織風土を田中理事長自らが率先して体現してこそ、初めて組織全体が制度や危機管理学の知識を最大限に生かすことが出来るのです。

ちなみに、プロジェクト管理でもコミュニケーションを重要視しており、管理項目の一つとしてコミュニケーション管理があります。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.24 『関係者とのコミュニケーションが密でないと・・・』

 

ということで、今回の“悪質タックル”事件を契機に日本大学は文字通り“日本一”の大学を目指して、これまでの組織風土から決別して、日本大学の“自主創造”の理念の下、一から出直していただきたいと思います、

報道されているような、今のような日本大学は自主創造”の理念とはかけ離れた状況と言わざるを得ません。

せめてもの救いは、教職員組合などが危機感を募らせ、自主的に大学に対して改革案を提示したことです。

こうした動きに対して大学当局がどう対処するかは、今後の日本大学のあり方を占う試金石だと思います。


 
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2018年06月22日
アイデアよもやま話 No.4049 多くの用途を生み出す世界最細の繊維!

3月20日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で世界最細の繊維について取り上げていたのでご紹介します。 

 

今、8360本の“世界一細い”繊維からなる糸から次々と画期的な商品が生み出されています。

繊維大手の帝人グループ(東京都千代田区)の技術主幹、神山 三枝さんがこの“世界一細い”繊維、“ナノフロント”を開発しました。

ナノフロントの原料は、ペットボトルなどにも使われている普通のポリエステルです。

それを繊維を作る機械に流し込みます。

更にもう一つ、特殊なポリエステルも流し込み、熱で溶かします。

2種類のポリエステルは液体となり、独自に開発された金型を通ります。

この金型に帝人の技術が詰まっているため、詳しくは企業秘密ですが、実は金型の中には小さな穴があり、更にその穴の中に836のとても小さな穴が開いているといいます。

その836の穴をポリエステルの液体が通ると、金型から出てくる時には1本の糸となって出てくるのです。

この1本の中に836入って、その1本1本が“ナノフロント”なのです。

糸を断面図にすると、繊維となるポリエステルが特殊なポリエステルに覆われています。

その糸を10本分一つにまとめます。

そうすると、この1本の糸には8360本もの繊維が入っていることになるのです。

そして、それをアルカリ液に浸すと、特殊なポリエステルの部分だけが溶け出す、8360本の繊維だけが残ってくっつきます。

これが“ナノフロント”なのです。

帝人フロンティア 機能ファイバー工場の小西 正洋工場長は次のようにおっしゃっています。

「今までの細い糸だけですと糸の状態で細くしなければならなかったので、非常に難しかったですけども、それと比べると“ナノフロント”はこの中に細い糸を内在させるので、生産工場としては非常に工程が楽になりました。」

 

こうした製法によって、“世界一細い”繊維が簡単に出来るようになったといいます。

“ナノフロント”の感触はしっとり感があり、滑りにくい特徴があるといいます。

 

その滑りにくさに目を付けたのは、大手家具チェーンのニトリです。

掛け布団カバーに“ナノフロント”を採用しました。

それによって、カバーの中の掛け布団がずれにくくなるといいます。

 

更に、浜松医科大学(静岡県浜松市)の針山 孝彦教授は“ナノフロント”を使って画期的な手袋を開発しました。

手袋していても簡単に本がめくれます。

病気や仕事などで指紋が薄くなってしまった人たちのために、“ナノフロント”を使って滑りにくい手袋を開発したのです。

“ナノフロント”は、毎年3つ以上の商品を生み出し、ここ5年で売り上げは5倍に伸びました。

 

一方、大気汚染が深刻化する中国でも、この“ナノフロント”が活躍しています。

海南島のセメント工場(中国・海南省)では、毎日粉塵が舞い散っています。

この工場の屋上には“ナノフロント”を使ったフィルターが設置されています。

工場の中で排出された粉じんを“ナノフロント”を使ったフィルターでろ過して、外に漏れないようにしています。

フィルターを持ち上げてみると、外側に大量の粉塵が付いています。

つまり、それだけ粉塵が外に漏れるのを防いだとも言えます。

こちらの工場長、金 衛民さんは次のようにおっしゃっています。

「効果は抜群です。」

「我々のグループ会社全体が使っています。」

 

そして、今年2月に帝人が新たに発表したのが、従来の“ナノフロント”と比較すると700ナノメートルから3分の1以下の細さ、200ナノメートルの“ナノフロント”です。

それなのに、1本当たり数万本の繊維が入っているのです。

これまでより更に目の細かいフィルターが出来るので、より細かい粉塵やほこりなどを防ぐことが出来ます。

帝人グループの技術主幹、神山さんは次のようにおっしゃっています。

「繊維のメーカーにとって、細くて強い繊維を作っていくことは命題中の命題で、どこまでどんどん繊維を細くしていけるのか、やれるところまで突き詰めてみようと。」

 

この進化した“ナノフロント”は、ほこりの許されない半導体工場で空気清浄機のフィルターなどに使われる予定だということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した“世界一細い”繊維、“ナノフロント”のような製品を開発する先端技術こそ、今後とも日本企業の目指すべき一つの方向性だと思います。

簡単には国内外を通して他社に真似の出来ないような独創的な先端技術、そしてある用途においては他社の追随を許さないような効果を発揮するような製品づくりです。

 

一方、アメリカのグーグルやアマゾン、フェイスブック、ツイッター、ユーチューブなどのようなネット社会の世界的なインフラ・サービスにおいては、残念ながら日本企業は後塵を拝しています。

こうした分野においても独特な世界観を持った考え方に則り、独創的なサービスを展開する企業が出て来て欲しいと思います。

そのためには単に独創的なだけでなく、グローバルな展開を意識したサービスを目指すことがとても重要だと思います。

思えば、日本にもかつてソニーのウォークマンという世界を席巻するた画期的な商品がありました。

また、日本には昔から“三方良し”(参照:アイデアよもやま話 No.843 近江商人の教え!)という素晴らしい商道徳があります。

ですから、日本企業には卓越した技術力、商品力、そして共存共栄をベースに技術力、経済力で世界平和に率先して貢献していただきたいと思います。


 
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2018年06月21日
アイデアよもやま話 No.4048 健康診断の結果の提出だけで保険料が割引に!?

3月20日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で健康診断の結果の提出だけで保険料が割引になるというプランについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

第一生命が3月20日に健康診断の結果の提出だけで保険料が割引になるというプランを発表しました。

一見、会社側が損をしそうですが、なぜこのような保険をつくったのでしょうか。

第一生命は、KSW(診をっかり受けて引に)という検診割を生命保険業界で初めて導入すると発表しました。

保険を契約する時に健康診断の結果を提示すると、保険料が割引きされるのです。

番組のディレクターが昨年秋の診断結果を見せたところ、2割程度保険料が割引になると第一生命に評価されました。

血圧や血糖値など3つの項目の結果が良い場合は最大2割引き、とここまでは不思議ではありません。

ところが、今回は基準ではメタボに該当してしまう検診結果が出た別のディレクターも基本割引が適用出来るので1割ほど保険料が割り引きされるといいます。

例えば45歳の男性では、月額でおよそ2100円、10%程度の割引になります。

健康診断の結果に係わらず保険料を割引するその理由について、第一生命保険 商品事業部の奥 知久さんは次のようにおっしゃっています。

「検診を受けていただくことによって、自分の数値を見て、良くなかったなとなれば、健康意識が変わっていって、日々の行動が良くなっていく。」

 

1千万件以上の過去の事例を分析したところ、検診を受けている人はいない人に比べ、病気や死亡により保険金が支払われる確率が1〜3割少ないことが分かったのです。

昨年から医療保険を始めとして運動や健康への取り組みを保険料に反映させる商品が次々と現れています。

4月から生命保険の保険料率を決める基となる死亡率が下がり、各会社が保険料を安く出来る環境になったことも背景にあります。

番組コメンテーターであるモルガン・スタンレーMUFG証券シニアアドバイザーのロバート・A・フェルドマンさんは次のようにおっしゃっています。

「どの国の医療制度を見てもやっぱり高齢化より単価と保険のインセンティブが問題になっているということが言えると思いますね。」

「日本の場合、国民1人当たりの単価は、2005年度の25.9万円から2015年度の33.3万円まで7.4万円上がっているんですよね。」

「これ結構大きいですよ。」

「28%上がって、物価上がっていないのにこれだけ上がっているんですよね。」

「理由はいろいろありますけど、大きいのは今の健康保険制度では特に個人が単価を抑制するインセンティブがかなり弱いんですね。」

「そうすると、今の新しいような保険、インセンティブが広がれば、予防の医療も広がり、健康寿命、労働寿命も長くなり、日本経済の持続性に貢献すると思いますので、嬉しいですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した、健康診断の結果の提出だけで保険料が割引になる健康保険のプラン誕生のきっかけは過去の事例の分析結果といいます。

1千万件以上の過去の事例を分析したところ、検診を受けている人はいない人に比べ、病気や死亡により保険金が支払われる確率が1〜3割少ないことが分かったことが新プラン誕生につながったのです。

まさにビッグデータの分析のお蔭なのです。

 

以前、アイデアよもやま話 No.3587 AIの活用事例(2) その5 AIのスポーツへの活用!でデータアナリストについて触れましたが、今後様々な業界でビッグデータをもとにAI(人工知能)を駆使したデータアナリストの分析結果を参考に、新しいビジネスが誕生してくると思われます。

 

そして、こうしたビッグデータ源として、今回ご紹介した健康診断の結果のようなデータはとても貴重になります。

このようにビッグデータの中には重要な個人情報も含まれるので、厳重なデータ管理が求められますが、一方で膨大なデータの集合体であるビッグデータの分析により、従来の勘や経験などに比べてはるかに正確な定量的なデータに基づく新規ビジネスのアイデアを考えることが出来るようになるのです。

 

ということで、ビッグデータの整備、および今後続々増えていくと思われる優秀なデータアナリストの誕生が企業にとっても私たち消費者にとってもメリットのあるサービスを生み出していくと大いに期待出来ます。


 
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2018年06月20日
アイデアよもやま話 No.4047 何でも真空パックが可能に!

3月19日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で画期的な真空パックについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

スーパーやコンビニで並ぶ肉や魚などの陳列を変えるかも知れない真空パック技術が三井・デュポン ポリケミカル株式会社により開発されました。

どんなかたちのものでも真空パックに出来るというフィルム素材です。

この素材は「ハイミラン」と呼ばれるもので、通常真空パックで使うポリエチレンと違い、強度と収縮性を併せ持っています。

ちなみに、「ハイミラン」自体は1960年代から開発された樹脂といいます。

 

「ハイミラン」元々ゴルフボールなどのコーティングなどに使われていた素材なのですが、それを新たに食用品の真空パックに使うというのです。

その強度の凄さですが、通常使うポリエチレンでウニを密封してみると、ウニの刺が突き抜けて真空にはなりません。

ところが、今回ご紹介している新しい真空パックでは刺の先までフィルムに包まれていて、しっかりと真空パックに出来ています。

更に柔らかい豆腐では通常つぶれてしまうのですが、優しく包み込んでいます。

既にヨーロッパでは、食料品の陳列が“置く”から“つるす”に変わりつつあるといいます。

更にスーパーなどで使われているラップと比べると2週間ほど鮮度が長持ちするといいます。

この新しい真空パックのメリットについて、三井・デュポン ポリケミカルの服部 秀隆さんは次のようにおっしゃっています。

「例えば縦に陳列してもいいし、ヨーロッパではつるして陳列されたりしています。」

「鮮度保持が出来るのであれば、長期間、数日間はコンビニでも陳列出来るようになって。」

「そうすると、コンビニにも生肉が置かれる日が来るかも知れないなと思っております。」

 

これまではスーパーのバックヤードで肉を切ってパックしていたのですが、今回の真空パックだとセンター工場でパックしたものをスーパーに届けられるということで、流れが変わるので、スーパーのバックヤードの人手不足も解消出来ると期待されています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した真空パックは、スーパーやコンビニなどで扱う肉などの生もの商品におけるバックヤードのプロセスの改善、および商品の賞味期限の延長をもたらすという点で“パック革命”をもたらすと期待出来ます。

更には、店頭や家庭内の冷蔵庫の“食品ロス(フードロス)”の改善にも貢献出来ますから、今後ともいろいろな分野から引き合いがあると思います。

 

それにしても不思議なのは、なぜ「ハイミラン」自体は1960年代から開発された樹脂なのに、開発から60年近くも経ってから食用品の真空パックに使われるようになったのでしょうか。


 
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2018年06月19日
アイデアよもやま話 No.4046 強力な手術用接着剤!

3月18日(日)放送の「未来の起源」(TBSテレビ)で強力な手術用接着剤について取り上げていたのでご紹介します。

 

物質・材料研究機構で医療用接着剤の研究をしている水田 亮さん(27歳)が今回開発したのは強度の高い生体組織の傷をふさぐ接着剤です。

この接着剤の原料はなんと魚のタラです。

タラのゼラチンは常温でもゼリー状にならないという特性があります。

豚の肺組織を使って従来のものとの接着能力を比較すると、開発した接着剤は4倍以上の圧力に耐えられることが分かりました。

水田さんは次のようにおっしゃっています。

「一番は医療現場の効率化という点で一番役に立つと思っています。」

 

今後、手術現場で糸を使わず、傷口をふさぐことが出来るようになり、時間の短縮が期待されます。

 

研究の原動力について、水田さんは次のようにおっしゃっています。

「特に医療用の材料を扱っているので、材料開発を通して人の命や人の役に立つことが一番の原動力になっています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

現在の医療技術では、手術後の傷をふさぐために糸を使用したり、ケースによってはホッチキスで留めて、しばらく日にちを置いてからホッチキスの針を抜く場合も見受けられます。

しかし、こうした方法では、時間がかかったり、痛さの点で患者の負担になっています。

 

しかし、今回ご紹介した手術用接着剤が実用化されれば、こうした患者の負担が払しょくされます。

ですから、患者の負担軽減のためにも、医療現場の効率化のためにも出来るだけ早く手術用接着剤の実用化を目指していただきたいと思います。


 
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2018年06月18日
アイデアよもやま話 No.4045 ボストン・ダイナミックスに見るロボット開発最前線!

3月15日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でロボット開発の最前線 について取り上げていたのでご紹介します。 

 

身体の向きを変えると宙返りしてポーズを決める人型ロボット(こちらを参照)やドアを開ける犬型ロボット(こちらを参照)など、こうした常識を覆すようなロボットを生み出して世界に注目されているのがアメリカのベンチャー企業、Boston Dynamics(ボストン・ダイナミックス)です。

なぜこのようなロボットが作れたのか、ボストン・ダイナミックスCEOのマーク・レイバートさんは次のようにおっしゃっています。

「(最も大切にするキ−ワードについて、我々は)「Build it Break it Fix it(作って、壊して、直す)」という原則を掲げています。」

 

「別にロボットに意地悪をしているわけではありません。」

「テストの一環で、どこまで対応出来るか試しているだけです。」

「こうすることでロボットが想定外の事態にも対応出来るようになるのです。」

 

「長い目で見れば、人と係わり合う場面への応用が重要になります。」

「役に立つのがお年寄りや障害者の介助です。」

「ロボットで生活の手助けが出来ればと思います。」

「重要な分野だし、実現可能なはずです。」

 

この会社のロボット開発は常識に囚われません。

高額な人型ロボットは丁寧に扱うのが一般的ですが、想定外の経験をさせることで様々な環境に適用出来る頑丈さや器用さを追求しています。

こうした技術を生かして将来レイバートさんが目指しているのがロボットと人間の共生です。

人間に近づき、人間を超える能力を持ち始めたようにも見えるロボットたちですが、人に危害を加えるなど、悪用されることはないのでしょうか。

マーク・レイバートCEOは次のようにおっしゃっています。

「あらゆる技術と同じように、ロボット技術はよい目的にも悪い目的にも使われる可能性があります。」

「新しい技術は役立つと確信していますが、どう使うかは人間次第なのです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

動画を見ても分かるように、恐らくボストン・ダイナミックスはロボット関連技術では世界の最先端を走っている企業ではないでしょうか。

そして、時代が進むとともにAI(人工知能)との組み合わせにより限りなく人間の動作に近づいていき、あらゆる分野で活用されるようになっていくことは間違いありません。

しかも、ロボットは人間と違って疲れを知りません。

ですから、24時間、365日働き続けることが出来ます。

しかも指示通り正確にです。

ですから、生産性、および品質の比較で言えば、圧倒的に人間よりも優れた存在になります。

 

しかし、マーク・レイバートCEもおっしゃっているように、よい目的にも悪い目的にも使われる可能性があり、どう使うかは人間次第なのです。

よい目的に使われれば、私たちの暮らしは格段に向上します。

しかし、殺人や戦争など悪い目的に使われれば、人間の手を煩わさずに簡単に人の命を奪ってしまうことが出来ます。

 

ですから、ロボットに限らずAIの活用の場が広がるとともに、それに合わせて人間のモラル向上や法律などで悪い目的での使用を抑制するような仕組みが求められるのです。

こうした取り組みをおろしかにしたまま、ロボットやAIの活用が進めば、豊かな社会の一方で、私たちの意に反して殺伐とした面を持つ社会の到来を招くことになってしまうのです。


 
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2018年06月17日
No.4044 ちょっと一休み その651 『SNSを通じて発覚した日大アメフト選手の“悪質タックル”!』

アメリカンフットボール(アメフト)の定期戦で、関西学院大学のクオーターバック(QB)が日本大学の選手から悪質なタックルを受けて負傷した問題では、その状況を捉えていた動画がいろいろなテレビ番組で繰り返し映し出されていました。

どんな理由であれ、誰が見てもこのタックルは悪質なものだと感じたと思います。

そして、このタックルはスポーツの域を超えて、明らかな傷害事件だと感じました。

また、無防備な状態で背後からタックルを受けて負傷した選手は再起不能になるのではと私もとても心配になりました。

しかし、その後の報道ではこの選手は既に練習に参加するほど回復したというので、さすがにアメフト選手の身体は日頃から頑丈に鍛えられているのだなと感心しました。

 

さて、このあり得ないような“悪質タックル”の動画ですが、この動画がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にアップされていなかったら闇に葬られていた可能性が高いというのです。(詳細はこちらを参照)

今や、SNSは世界中に普及し、有名人のみならず、多くの無名の人たちが身近に起きたこと、あるいはふと感じたことなどを文字だけでなく動画を交えて発信しています。

そして、既存のテレビ番組や新聞、週刊誌などのマスコミもこの情報を参考にするほど、無くてはならない存在となっています。

特に事故や事件の現場を捉えた動画などの場合は決定的な証拠として、あるいは容疑者の特定に大いに役立ちます。

 

今回の“悪質タックル”の場合も、5月17日に兵庫・西宮市内で鳥内秀晃監督(59)とともに“怒りの会見”を開いた関学大の小野宏ディレクター(57)は、夕刊フジの取材に「試合当日は、私もスタンドで見ていたが、視界から完全に離れたところで起こったので、誰1人気づかなかった」と明かしたといいます。

しかし、当該プレーの動画がSNSを通じて拡散し、夜には関学大アメフト部関係者の耳に入ったのです。

このことが発端となり、今回の“悪質タックル”が表面化し、動かぬ証拠となり、大きな社会問題として取り上げられるようになったわけです。

もし、この動画がなければ、「言った、言わない」の世界で終わってしまった可能性があります。

ひょっとしたら、この“悪質タックル”を指示した日大関係者はこうした動画の怖さを認識していなかったのかも知れません。

 

さて、もし私たち一人ひとりのあらゆる行動が監視カメラで監視されるようになったら、とても息苦しい社会になってしまいます。

また、個人のプライバシーに係わる内容がSNSに一旦投稿されてしまうと、どこまでその情報が拡散されてしまうか分からず、その内容を完全に消し去ることはほぼ不可能と言われています。

ですから、内容によっては、こうした情報に一生苦しめられる人も出てくるのです。

しかし、一方では障害事件や事故などに関する動画や音声があれば、動かぬ証拠となり得るのです。

ですから、SNS、およびカメラ機能を持つスマホ、監視カメラやドライブレコーダーの普及には多少なりとも犯罪行為の抑止効果が期待出来ます。

こうした抑止効果を期待して、一部の電車内では痴漢防止のために監視カメラを設置したと報じられています。

 

このように、様々な情報が集約されるSNSにはメリット、ディメリットがありますが、間違いなくSNSは“国民総記者社会”、あるいは“国民総監視社会”をもたらしたと思います。

SNSは誰もが報道記者、あるいは報道カメラマンになり得る時代をもたらしたのです。

そういう意味では、SNSは“報道革命”、あるいは“監視革命”をもたらしたとも言えます。


 
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