2018年01月20日
プロジェクト管理と日常生活 No.524 『EVの普及に向けて 充電インフラの課題とその対応策 その1 今こそ求められるEV用急速充電器のIoT化!

私は10年近く前から地球環境問題やエネルギー問題に関心を持ち始め、やがて個人として何が出来るかを考えるうちに自宅に太陽光発電やオール電化を導入し、日本初の量産EV(電気自動車)「リーフ」のオーナーにもなりました。

そして、昨年の10月始めにはフル充電での実質航続距離が100km程度となった初期「リーフ」から新型「リーフ」に乗り換えてほぼ4000kmを走行したところです。

確かに新型「リーフ」のフル充電での実質航続距離は260km程度となり、充電における負担はかなり軽くなりました。

それでも、まだまだEVのオーナーの一人としてEVの普及に向けていくつかの課題が思い浮かんできます。

そこで、今回はあらためて充電インフラに焦点を当てて3つの課題とその対応策についてお伝えしたいと思います。

1回目は、EV用急速充電器のIoT(モノのインターネット)としての活用についてです。

 

これまでIoTについてアイデアよもやま話 No.3873 広がるIoTの活用!などで何度となくお伝えしてきましたが、最近EVの普及にあたり、実際にEVのドライバーの立場から急速充電器のIoTとしての活用をとても感じるようになりました。

 

今や世界的にガソリン車からEVへのシフトが自動車メーカーにとっての大きな課題となっておりますが、充電インフラの整備無しにEVの普及はあり得ません。

そこで、国内でもここ何年かの間にEVを扱うディーラーや高速道路のサービスエリア、コンビニ、あるいは道の駅などにかなり急速充電器が設置されてきました。

ところが、並行してプラグインハイブリッド車も含めたEVの販売台数も徐々に増えてきているので、急速充電器の設置場所に充電しに行っても充電中のEVを見かけることが多くなってきました。

確かに「リーフ」の場合、車中でナビゲーションシステムにより最寄りの急速充電器の設置場所を表示させることが出来ますが、設置場所に到着した時にすぐに急速充電器を使えるのか、あるいは充電待ちのEVがあるのかといった情報がないと待ち時間が生じる場合があります。

先日など、最寄りのコンビニに充電に行ったら他のEVが充電中だったので、用事を済ませた帰りに再度充電に行ったらまたしても充電中ということがありました。

急速充電時間は一般的に最長30分という設定なので、1台のEVごとに最悪30分待ちということになります。

こうした状況ではプライベートな使用でも充電までの待ち時間がどのくらいかかるか分からないので、購入を決断する際のとても高いハードルになってしまいます。

ましてや安心してEVをビジネスで使用するというようなことはあまり期待出来ません。

 

そこで急速充電器の使用にあたり、こうした高いハードルを少しでも低くするという課題についての対応策を以下にまとめてみました。

それはまず各急速充電器のIoTとしての活用、すなわち以下の情報を持たせることです。

・急速充電器の設置場所

・サービス時間帯、およびサービス定休日など

・設置台数

・使用状況(待ち時間など)

 

次にこうした情報をEVのドライバーがそれぞれ参照出来るようにするシステムの構築です。

なお、運転しながらの参照もあり得るので、音声での照会も出来るようにすることが望ましいと思います。

こうした急速充電器のIoTとしての活用がまだまだ設置台数の足りない急速充電器のEVユーザーにとってとても助けになるのです。


 
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2018年01月19日
アイデアよもやま話 No.3917 逆輸入の自動車ローン!

昨年11月1日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で逆輸入の自動車ローンについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

フィリピンの街中では三輪自動車やバイクが沢山走っています。

フィリピンのような新興国ではローンの審査に通らず、中々クルマを買えない人も多いとされています。

そこで日本のベンチャー企業があるサービスを提供し、多くの人がクルマを購入出来るようになったといいます。

詳細は、以前とお伝えしたアイデアよもやま話 No.2913 驚きのEV弱点克服策 その3 EVがゼロ円で購入出来る!を参照ください。

 

このサービスが日本でも始まることになりました。

自動車販売店を展開する株式会社ジョイカルジャパンの全国大会、全国ジョイカルアライアンスミーティングで新たな自動車ローンを始めると発表しました。

早川 由紀夫取締役は、この全国大会の場で次のようにおっしゃっています。

「完済75歳以上に当てはまる方、言ってみればブラックの方(過去に支払い遅延があった方)でも支払い能力さえあればOKなんです。」

 

主なターゲットは高齢者や滞納経験者など、これまでローン審査に通らなかった人です。

そうした人たちがローンを組める秘密が提携するベンチャー企業の装置です。

この装置を開発したグローバルモビリティサービス株式会社(GMS)の中島 徳至社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「遠隔で自動車を制御するデバイスになるんですね。」

 

GPSや通信機能のあるこの装置をクルマに取り付けて、ローンが滞ると遠隔操作でクルマのエンジンをかからなくしてしまうのです。

参考にしたのが携帯電話です。

携帯電話は料金を支払わなければ使用出来なくなってしまいます。

同様に自動車ローンの支払い状況とクルマを使えるかどうかを連動させることでお客にローンを支払う動機を持たせます。

その結果、貸し倒れの割合が下がるため、これまでローンの審査に通らなかった人たちにも融資可能になるのです。

自動車ローンの金利の一部を金融機関から受け取ることで収益にします。

中島社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「日本の自動車は何も価格を下げたりだとかしなくても、こういった(金融)サービスとのセットによって可能性はどんどん広がると思うんですよね。」

 

既にフィリピンとカンボジアではこのローンを展開していて、三輪自動車など約1000台の販売につなげています。

国内では住信SBIネット銀行などと提携、年明けから軽自動車2車種を対象にスタートします。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそもお金を貸し出す金融機関は、出来るだけ貸し倒れを防ぐために貸し倒れになる可能性の高い、あるいは明らかにローンの返済が不可能と思われる人たちには貸し出しを行わないというのが大原則です。

一方、たまたま何らかの理由でローン審査に通らなかったり、あるいはブラックリストに載ってしまった方が現在は金銭的に多少ゆとりを持てるようになり、クルマを必要とするケースもあると思われます。

そうしたこれまでのローン審査では通らなかった方々にとって、今回ご紹介したローンはとてもありがたいサービスだと思います。

こうしたサービスを可能にしているのは遠隔操作で支払いが滞った場合にクルマを動かせないようにするシステムです。

今後も、テクノロジーの進化により、これまで不可能だったサービスが可能になり、多くの人たちの暮らしのし易さの向上につながるのです。

 

さて、今世界的に話題になっている自動運転車の開発ですが、自動運転車が実用化されれば、誰でも気軽に必要な時に必要な時間だけクルマをレンタル出来るようになります。

ですから、将来的なクルマの利用の主流は、今回ご紹介したような自動車ローンによりクルマを所有するよりも、誰もが気軽にいつでもどこでも低料金で利用出来る自動運転車のカーシェアリングになると見込まれます。

その根拠は、自動運転車はいつでもどこへでも人手を介さずに自動で来てくれるからです。


 
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2018年01月18日
アイデアよもやま話 No.3916 三井不動産によるリアルとネットの融合の試み!

昨年11月1日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で三井不動産によるリアルとネットの融合の試みについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

昨年11月1日に大型商業施設ららぽーとなどを展開する三井不動産がEC(electronic commerce)サイト、“&mall”をオープンしました。

ちなみに、ECサイトとは、自社の商品やサービスをインターネット上で販売しているショッピングサイトを意味しています。

衣料品のネット販売が急速に伸びる中で、新たに参入した三井不動産ですが、そこにはリアル店舗とネットの融合を目指すという独自の戦略がありました。

三井不動産の広川 義浩常務執行役員は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ECの売り上げにフォーカスしているというよりもリアル(店舗)と一緒になって顧客ニーズに応えていきたい。」

「顧客満足が高まっているかを確認する良いチャンスかなと思っていまして・・・」

 

“&mall”には現在三井不動産が展開する商業施設のテナントを中心に200のショップが出店、1年後には400に倍増させる予定です。

三井不動産は、国内外で114の商業施設を展開、会員の数はおよそ1千万人に達し、テナントが売り上げる総額は年間1兆1700億円に上ります。

しかし、品切れなどによる販売ロスがなければ、売り上げが更に1割以上増える見込みと見られ、EC参入には失った販売機会を拾い上げる狙いがあります。

三井不動産の広川 義浩常務執行役員は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「お客様がリアル店舗で来店されて、欠品やサイズが合わなくて買えなかったりすることが起きてまして、リアル施設と共生型のECを作ることが欠品など応えられると・・・」

 

実際に店舗に来店して購入したい商品のサイズが合わず、“&mall”を使って望みのサイズが見つかって注文すると自宅に届けられ、その店の売り上げとして評価されます。

また、画面に表示されたQRコードを経由すれば、お客が後で購入した場合も店の売り上げになるなど、リアル店舗での接客が反映されるように工夫されています。

お客にファミリー層の多いナノ・ユニバースのららぽーと豊洲店では、大きいサイズが特に品切れになりやすく、“&mall”への期待が高まります。

こちらのお店の足立 洋平さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「お取り寄せをしないといけないというケースになった場合に、わざわざもう一度ご来店いただかなくてもご自宅に配送が出来るという。」

「お店での売り上げに入ってきますので、スタッフにとってのモチベーションにもなりますし、そういったところでスタッフもやりがいを感じられる取り組みなのかなと。」

 

また、“&mall”にはお客が商業施設の店舗を訪れる前に在庫を確認出来る機能や店員のコーディネートを見られる機能もあります。

店舗に足を運んでもらうための仕掛けが多く盛り込まれています。

 

三井不動産は、テナントの売り上げを伸ばすことでEC、リアル店舗のかたちに係わらず収益につなげる狙いです。

三井不動産の広川常務執行役員は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ECモールが加わることによって、よりお客様が来やすい、より楽しんでいただけるショッピング環境が拡充されるのかな。」

「リアル(店舗)との共生にこだわって、リアルを成長させるととも“&mall”を発展させていきたいなと。」

 

番組コメンテーターで野村不動産のチーフ・マーケット・エコノミストの木下 智夫さんは次のようにおっしゃっています。

「(不動産会社の三井不動産はなぜ今リアルとネットの融合を図ろうとしているのかという問いに対して、)三井不動産の今回の試みは小売店舗用不動産の収益性に対する危機感を反映するんじゃないかと思うんです。」

「実は、アメリカでは小売り用店舗が不振に転じています。」

「商業不動産の価格上昇率を2015年9月と2017年9月で比較してみると、概ね好調は維持されているものの(アパートなど他の商業用不動産に比べて)小売り用に関してはもう伸びなくなってしまっているというところなんです。」

「(その理由について、)この2年間の間にアメリカでは小売店舗を巡る環境が大きく悪化してきたんです。」

「インターネットを通じた販売が増えて、やはり小売店舗の売り上げが圧迫されて、最近では百貨店が閉店するようなケースも相次いでいる状況ですね。」

「アメリカでこういった状況が起きているわけなんですが、いずれは日本にも来る可能性が高い。」

「日本でもやはりネットを通じた販売がどんどん増える傾向がありますから、そうすると今後不安になるわけなんですが、三井不動産の試みはこういった将来の課題に対して今から手を打っていこうということで、大変注目される動きだと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

実は私もファッションの量販店やアウトレットなどで気に入った洋服のサイズや色が見つからず、購入しなかったことが何度かあります。

また、どうしても購入したいと思った時には多少サイズが合わなくても購入してしまったこともあります。

 

そこで、この番組を通して、あらためてAI(人工知能)やロボットなどの技術革新が進む中で今後の販売スタイルが満たすべき要件について考えた結果を以下にまとめてみました。

・顧客は出来れば実際に商品を見て、手に取ったり試着した後で購入したいこと

・顧客はリアル店舗を訪れる際には、顧客はあらかじめ在庫を確認出来ること

・実際に店舗に行かなくても気に行った商品を購入出来ること

・実際に試着出来なくても、ネット上などバーチャル空間で試着したイメージを確認出来ること

・LやMなど個々のメーカーの洋服のサイズに関係なく、自分の実際の身長や胴回りなどのサイズにフィットする洋服を容易に見つけられること

・あらかじめサイズや色の好みなどを登録した会員に対しては、お好みの商品を提案出来ること

・訪れたリアル店舗で気に入った商品が品切れでも他のリアル店舗、あるいはECサイトなどでその商品を探し出して提供すること

 

以上、まとめてみましたが、今はネット販売からリアル店舗へという流れと、リアル店舗からネット販売へのという流れが相互に行きかっている状況だと思います。

そして、今回ご紹介した三井不動産のきめ細かな取り組みはECというかたちを取ったリアル店舗からネット販売へという流れの一つの典型例だと思います。

しかし、三井不動産の取り組みも関連するリアル店舗という枠内でのことです。

ですから、顧客の立場に立った販売スタイルの進化型は、いくつかの販売企業、およびメーカーが在庫などの情報を共有することによって、より一層顧客が満足出来るようなサービスの提供につながっていくと期待出来ます。


 
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2018年01月17日
アイデアよもやま話 No.3915 自宅で”人間ドック”が受けられる!?

昨年11月1日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で自宅で受けられる”人間ドック”について取り上げていたのでご紹介します。

 

医療費の抑制が叫ばれる中、予防医療が重要となっていますが、病気を早期に発見するための検診はあまり受けられていないというのが実情です。

例えば、日本ではがんが死因のトップとなっていますが、がん検診の受診率は約4割と低いのです。

受診しないのはなぜかということですが、時間がない、更に費用負担が大きいということなどが理由として挙げられています。

こうした中、時間が無くても受診出来る、安くて手軽な検診サービスが続々と登場しています。

 

昨年11月1日、ハルメク・ベンチャーズ株式会社により都内で発表されたのは、自宅で人間ドックと同等の検診が受けられるという製品です。

松尾 尚英執行役員は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今の血液と尿を調べることによって現状の体の変化を調べて病気のリスクを調べる。」

「人間ドックで調べるような検査が出来ると。」

 

2万1348円で購入可能で、自分の血液と尿、生活チェックリストを送るだけでがんと糖尿病などの生活習慣病18種類の病気のチェックが出来るといいます。

細い針が出る器具で指を刺し、採取した血液をろ過すると、血液中に含まれる成分、透明な血漿が取り出せます。

すぐに処理をすることで、その後の検査の精度が安定するといいます。

一方、採取した尿は雑菌を増やさないように真空状態で保存します。

結果は送ってから2,3週間ほどで送られてきます。

病気のリスクは血液中の腫瘍マーカーなどから判定していて、精度は実際の人間ドックとほぼ変わらないといいます。

この製品は昨年11月1日からネットで販売されていますが、既に従業員向けに導入している企業もあるといいます。

 

さて、簡易的な検診に今大企業も注目しています。

日本生命保険相互会社(東京都千代田区)では昨年10月、企業や個人の健康管理をサポートする専門部署を立ち上げました。

サービスの一つががんの早期発見を目的とした簡易検診です。

わずかな唾液を検体として提出するだけでがん検診が出来るサービス「サリバチェッカー」です。

現役の医師が運営する株式会社サリバテックが開発したもので、日本生命が普及の後押しを担っています。

日本生命保険・ヘルスケア事業開発部の神谷 佳典部長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「病気(がん)になられた方を早期発見をしまして、早めに治療に入っていただくと。」

「こういった予防・早期発見の領域でもサービスを提供していくと。」

 

検診は現在、都内の4つの医療施設で実施されています。

その一つ、大泉中央クリニック(東京都練馬区)では、唾液の分泌を促す梅干しも用意されています。

ストローを使って口に溜まった唾液を採取します。

採取した唾液はすぐに冷凍保存します。

この検体を研究施設(山形県鶴岡市)で分析、体の中にがんがあると唾液内の代謝物質の濃度が上昇します。

この施設では複数の代謝物質の濃度を組み合わせた独自の「がんリスク値」を算出します。

検診では、がん患者と非がん患者、そして自分のリスク値を比較し、自分の数値ががん患者と同じくらい高い場合はがんの可能性が高いとして医師から精密検査を進められます。

調べられるのは、大腸がん、肺がん、乳がんなど5種類のがんです。

がんを患うと400万円ほどの治療費がかかる(完治まで5年間の場合)と言われていますが、この検査を受けたある50代の女性はがん検診と治療を含め数万円で済んだといいます。

 

広がる簡易検診ですが、今後の動向に注目です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したがん検診が出来るサービス「サリバチェッカー」は実際に医療機関に行く必要があります。

一方、”自宅で受けられる人間ドック”は2万1348円と低価格で精度は実際の人間ドックとほぼ変わらないといいます。

しかも、自分の血液と尿、生活チェックリストを送るだけでがんと糖尿病などの生活習慣病18種類の病気のチェックが出来るといいます。

ですから、医療費の抑制が求められる中、国はこうしたサービスを積極的に活用すべきだと思います。

その結果、こうした検査を受ける側はわざわざ医療機関に出向かなくてもいつでも自分の好きな時間に自宅で検査のための必要物を用意して医療機関に送付すれば、結果は2,3週間ほどで送られてくるといいます。

ですから、こうした検査を受ける人たちが増えることが期待出来、その結果、早期発見、早期受診が可能になり、国全体として医療費の抑制につながるのです。

ということで、”自宅で受けられる人間ドック”は予防医療の大きな柱の一つになると期待出来そうです。

ちなみに、私も毎年がん検診の案内が送られてきますが、わざわざ病院に行くのがおっくうでついつい検査を受けそびれています。

でも自宅で簡単に検査出来るのであれば、必ず検査を受けると思います。

 

ということで、国民にとって予防医療が受けやすいように、あるいは病気になっても受診しやすいようにという観点から、国は今回ご紹介した検査方法に限らず、AIやロボットなどの先進技術を医療分野に積極的に活用する方策を検討すべきだと思います。


 
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2018年01月16日
アイデアよもやま話 No.3914 急速に広がるカーシェアリング!

昨年10月28日(土)放送の「おはよう日本」(NHKテレビ)で急速に広がるカーシェアリングについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

今、自動車メーカー各社にとって目が離せない動きはカーシェアリングです。

1台のクルマを複数の個人などで共同で利用する仕組みで急速に広がりつつあります。

新車を販売するメーカーにとっては逆風にもなりかねない状況ですが、カーシェアリングをチャンスと捉えて新たな戦略販売に乗り出すメーカーも出てきています。

 

カーシェアリング最大手のタイムズ24では、会員になると24時間自由に利用することが出来ます。

料金は15分206円からで、ガソリン代や保険料も含まれています。

この会社は本業の駐車場経営の強みを生かし、全国およそ1万ヵ所に拠点を設けています。

今後も利用者は増え続けると見込んでいます。

タイムズカープラスの渡邉 倫也広報担当は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「気軽に使えるというところで、今まで歩いていた方たちが新たに車を利用するようになっていると考えておりますので、新たな需要を掘り起こしているのではないかなと思います。」

 

カーシェアリングの利用は企業にも広がっています。

神奈川県青葉区の不動産会社、東急リバブルでは、一昨年12月から全国の営業現場でカーシェアリングの利用を始めました。

社員が仕事に応じて、自由に車種や場所を選んでインターネットで予約します。

ある営業担当員の方は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ネットで全部管理されているので、使う時におっくうになることもないですし、すごく使い易いシステムで良いと思います。」

 

最大の狙いはコスト削減です。

現在、営業車が全国に600台ありますが、1ヵ月の維持費は1台当たり7万円に上ります。

営業が増える週末は車が足りなくなりますが、これに営業車を増やすのではなく、カーシェアリングを活用することで対応しています。

東急リバブル総務課の鈴木 大吾課長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「カーシェアリングの料金は、実際に使った時間だけの請求になりますので、コストメリットがあると考えております。」

 

こうしたカーシェアリングの本格的な普及は、自動車メーカーにとって新車の販売低迷につながりかねません。

ところが、ホンダはあえて都内で独自にカーシェアリングに参入しています。

ホンダカーシェアリング事業部の妹尾 高史課長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「“ホンダの車の使い勝手ってこうなんだ”とか“新進性ってこういう機能があるのか”だとかそういうものにまず触れて体験していただくというのが必要かなというふうに考えております。」

「ホンダのファンになっていただくというのが一番の狙いになります。」

 

現在、会員はおよそ1万人に上ります。

“ファンづくり”のために2つの特徴を打ち出しました。

貸し出す車は全て新車とし、いずれもその車種の中で最高グレードのものにしました。

更にまとまった時間乗車して魅力を知ってもらうため、利用は一般的な15分刻みではなく、最低8時間からとしました。

その分、料金は3780円からと安くしました。

 

カーシェアリングの利用をきっかけに、実際にホンダの車を購入した人もいます。

購入した男性(42歳)は、他社のサービスも使い、比較したうえで購入を決断したといい、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「まず驚いたのは、(借りた車が)ほぼ新車。」

「乗っていて車の楽しさは一番いい。」

 

国内の自動車市場が頭打ちになる中、いかに販売を伸ばしていくか、自動車メーカーの模索が始まっています。

ホンダカーシェアリング事業部の妹尾課長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「「車離れ」は進んでいる。」

「車に関心を持っていただくということがまず一番大事かと思いますので、お客様が車を買いたいと思われた時に、“あっホンダ”っていうところを想起していただければ、そこが一番いいかなと思います。」

 

なお、カーシェアリングを巡っては、トヨタ自動車や日産自動車も試験的に東京や横浜などでサービスに乗り出しているということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそもカーシェアリングを利用する際には、自家用車と違って利用の際には一般的に借りるクルマの置いてある場所まで行き、使い終えたら元の場所に戻しに行く必要があります。

ですから、毎日のように子どもの送り迎えや買い物に使う場合には自家用車の保有が一般的だと思います。

一方、ドライブなどでめったにクルマを必要としない人にとってはカーシェアリングやレンタカーを使う方が多少不便でもコスト的に見合うと思います。

 

さて、遅くとも数年後という近い将来には完全自動運転車が登場してきます。

そうなると、カーシェアリングでもスマホの操作によって予約が出来るだけでなく、決まった場所で、決まった時間から完全自動運転車を利用出来るようになり、どこで乗り終えて駐車してもクルマは勝手に必要な場所に移動してくれるようになります。

ですから、完全自動運転車と駐車場経営を本業とカーシェアリングのタイムズ24のような企業はとても相性がよくなります。

一方、クルマの利用者は、こうした環境でクルマを気軽に利用出来るようになると用途に応じてスポーツタイプやファミリータイプなどシェアするクルマの車種を選ぶことも出来るようになります。

ですから、個人や企業などを問わず、自家用車を所有している既存のクルマユーザーもこうした環境でクルマを気軽に利用出来るようになると高いお金を払ってまでクルマを所有する必要がなくなります。

ですから、完全自動運転車の到来により、クルマはこれまでとは全く異なる新たな時代を迎えるようになるのです。

クルマを提供する側とユーザーとの間を介在する人手が一切不要になるので、カーシェアリングとレンタカー、あるいはタクシーの垣根もなくなってしまうかもしれません。

更には、完全自動運転車は自分の乗りたい場所から行きたい目的地まで運んでくれるのですから、バスの乗客も取り込んでしまう可能性を秘めています。

 

ということで、カーシェアリングが急速に広がりつつあるといいますが、完全自動運転車の到来により、自動車はこれまでとは全く異次元の新たな時代を迎えるようになると思うのです。


 
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2018年01月15日
アイデアよもやま話 No.3913 動き出した所有者不明の土地対策!

昨年10月25日(水)放送の「ニュース7」(NHKテレビ)で所有者不明の土地対策について取り上げていたのでご紹介します。 

 

相続されても登記が変更されていないため、所有者が分からなくなっている土地が社会問題となっていますが、その対策案が国から示されました。

地域のイベントや防災など、公共性の高い事業であれば供託金を収めたうえでNPOや企業が5年簡に限り利用出来るようにするとしています。

 

さいたま市の住宅街にある所有者不明の土地、広さはおよそ150屐⊂なくとも40年以上放置された状態だといいます。

近所の住民は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「本当に危ないんですよね。」

「壊れて落ちてこういうもの(がれき)がね。」

「困るなんてものじゃないですよ。」

 

ところが、地元住民も行政も手を付けることが出来ません。

現在の法律では、原則として所有者全員の了解がなければこうした土地を買収することなどが出来ないためです。

影響は各地に広がっています。

東日本大震災の被災地では住宅の高台移転を進めた際、登記が明治時代のままの土地が見つかり、復興事業が遅れる要因となりました。

更に、リニア中央新幹線の建設用地でも所有者不明の土地が見つかり、相続人を探すなどの対応に追われています。

 

国は対策に乗り出そうとしています。

昨年10月25日に開かれた専門家会議では、国土交通省が新たな案を示しました。

その仕組みは、所有者が見つからない土地でもNPOや企業が利用出来るとしています。

所有者が見つかった場合に備え、賃料を供託金というかたちで法務局に預ければ、5年間に限り土地を利用出来るようにするというのです。

ただ、対象になるのは公共性の高い事業です。

イベントや防災のスペース、更にコンテナを使った簡易的な商業施設などへの利用が想定されています。

5年経っても所有者が見つからない場合は利用期間の延長を可能にするということです。

今回の対策案について、専門家で早稲田大学法務研究科の山野 章夫教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「土地の所有権についての見方を変えていく重要な契機になる。」

「いろいろな工夫をした用い方が考えられるのではないかと。」

「国民の土地という重要な財産に係わることですから、慎重に進めていかなければならない。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

確かに所有者不明の土地と言えども、所有者にとっては重要な財産です。

しかし、所有者不明の状態が何十年も続いていれば、誰が所有者であるかを法的に明らかにすることはとても困難になってきます。

一方で、国レベルでの土地の有効活用という観点からすれば、こうした所有者不明のまま放置されている土地を何十年にもわたって活用しない状態は問題です。

 

こうした観点からすると、公共性の高い事業であれば供託金を収めたうえでNPOや企業が5年簡に限り利用出来るようにするという対策案はとても望ましいと思います。

しかし、こうした対策案をいつまでも続けるというのは現実的ではないと思います。

例えば、こうした対策の実施を50年間続け、それまでにまだ所有者が明らかにならない場合は供託金とともに国の資産にするというように、時効を設けるべきだと思います。


 
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2018年01月14日
No.3912 ちょっと一休み その629 『地球規模で対処すべき地球温暖化問題の対応策』

昨年11月5日(日)放送の「安藤忠雄の対談〜この国の行く末〜」(BSフジ)のゲストは小泉 進次郎衆議院議員でした。

今回は、番組での建築家、安藤忠雄さんと小泉議員のお二人の対談を通して地球規模で対処すべき地球温暖化問題の対応策についてご紹介します。

 

(安藤さん)

「随分ね、地球の全体の状況は変わってきてますよ。」

「人口は増えていくし、資源はない、エネルギーがない、食料がないという時代の中で日本の国がやっぱり考えて乗り越えていかないかんと思いますね。」

「例えば、温暖化って言っても今、東京でも37℃がありましたよね。」

「信じられないでしょ。」

「それは人間の力だけではどうしようもないけれども、せめて抵抗しないと。」

(小泉さん)

「この温暖化ってのは既に日本の農業のあり方も変えつつあって、必ずしも悪い面ばかりが出てるわけではないんです。」

「勿論対応するのは大変なんです。」

「だけど、一つの例を挙げると北海道。」

「北海道は今お米でいうと“ゆめぴりか”ですよね。」

「ぱっと出ますでしょ。」

「これは数十年前だったら考えられなかったんですよ。」

「北海道で出来るお米っていうのは美味しくない。」

「それでなんて言われていたかというと“ねこまたぎ”って言われてたんですよ。」

「猫が食べない、猫がまたいで行く。」

「それが“ゆめぴりか”に変わったんです。」

「しかも、“ゆめぴりか”だったら、高いお金を払ってでも買う。」

「そういう環境の変化ってのは、実は北海道の環境の変化もあるんです。」

「これから予測は出ていて、これからも日本列島を北からずうっと見ていくと、恐らくこれからは北海道っていうのが大規模にお米も含めて適地になって、それで更にいうと、今青森県てりんごで有名ですよね。」

「これから(青森県だけでなく)北海道全域でりんごの産地にもなるだろうと、将来的には。」

「で、みかんとか柑橘系、これも北限がどんどん上がって、恐らくこれから数十年後には東北でみかんていうことになっていく可能性があるって言われてるんです。」

「だから、これから逆に言うと今ものすごい暑い沖縄とか九州とか、そういった所では国産のバナナも多く出てくるんじゃないかなと。」

「あとはコーヒー豆も含めてですね。」

「こうやって地球環境の変化に耐え得る強い農業、強い林業、これを作っていこうというのがやっぱり環境と無縁じゃないですよ。」

(安藤さん)

「悪いことばかりじゃないけれども、悪いことも多い。」

「例えば、北海道でもシャケが中々帰ってこないですね。」

「なぜかというと、温暖化で帰る道が分からない。」

「まぐろは少なくなる。」

(小泉さん)

「サンマも最近獲れないとかね。」

(安藤さん)

「日本海に魚がいない。」

「稚魚から獲っていきますからね。」

「だから私は昔から日本海は何とか海洋牧場にしませんかと。」

「日本海全域を海洋牧場にすることによって、日本とロシアと北朝鮮と韓国と中国とみんなで話し合いながらあのエリアを全部海洋牧場にして稚魚は獲らないルールをとか。」

「それを通して、いわゆる地球環境のことを北朝鮮も韓国も中国もみんな日本も勿論考えていくというふうなことに日本が手を挙げるべきだと言ってるんですね。」

「全てのことにいわゆる日本人が意識を変えていかないかんと。」

「その意識というのはアジアから地球全体で人間が生きているんだということを考えないと。」

「地球規模を考えていく。」

「この間も講演会した、大学で。」

「地球儀持ってますかと、ない。」

「地球儀なかったら、地球って立体ですからね。」

「で、立体の中でどういうふうに、地球という中で自分たちが生きているということを考えないかんと。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

お二人のおっしゃるように、地球の温暖化は日本にとって良いことも悪いことももたらします。

しかし、番組では触れておりませんでしたが、地球の温暖化は地球規模で異常気象や巨大台風の増加、あるいは海面上昇などによる被害をもたらします。

そして、こうした被害は私たちの暮らしそのものに大きな影響を与えます。

やはりメリットはあるものの全体としてはディメリットの方が大きいと専門家は考えているのです。

だからこそ、IPCC(気候変動における政府間パネル)などで専門家が警鐘を鳴らしているのです。

 

また、地球温暖化は地球規模の問題なので、地球規模での対応策が求められるのです。

例えば、いくら日本など一部の国々が一生懸命に地球温暖化問題に取り組んでも、特にアメリカや中国という2大CO2排出国がその気にならなければこの問題は解決出来ないのです。

幸いにして、中国は報道で見る限り、習近平政権が強力なリーダーシップを発揮してCO2排出量削減に向けて取り組みつつあります。

一方、アメリカではトランプ大統領がシェールガスやシェールオイルの生産による雇用の創出を優先させるなど国際社会とは逆行する動きを見せています。

 

こうした中で、日本においてはトランプ大統領と親交の深い安倍総理はトランプ大統領を説得していただきたいと思います。

同時に、今の状態では地球温暖化はある程度進行してしまうと見られているので、そのことを前提に小泉さんのおっしゃるように地球環境の変化に耐え得る強い農業、強い林業の推進、あるいは安藤さんのおっしゃるようにロシアなどの周辺国と共同で日本海全域を海洋牧場にするというような対応策を率先して進めて欲しいと思います。


 
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2018年01月13日
プロジェクト管理と日常生活 No.522 『建築家、安藤忠雄さんの提案する津波対策!

東日本大震災以降、津波対策として防潮堤があちこちの海岸に建設されてきています。

津波のリスク対応策としては、高い防潮堤を建設したり、公共インフラを海岸線から離れた高台に移転するなど、いろいろなアイデアがあります。

しかし、中でも防潮堤は一般的に高さがあり、周辺住民は日々塀のような取り囲まれた中で暮らしているように感じ、景観上からもなんとかならないものかと思っていました。

そうした中、11月5日(日)放送の「安藤忠雄の対談〜この国の行く末〜」(BSフジ)の冒頭で、安藤さんは津波対策について次のようにおっしゃっていました。

「私は本当は津波対策では、1m行って50cm、50m行く、また1m上がって50m行くような防潮堤がいいということなんですよ、段状の。」

「それならば海が見えるから。」

「と思ってたんですけども、あんまり相手にされなかったね。」

「海が見えるし、自然なかたちになるじゃないですか。」

 

以上、番組の一部をご紹介してきました。

 

安藤さんのお考えの通りの防潮堤だと、かなりのスペースが必要になると思われますが、何十年あるいは何百年という長い周期で発生する大津波のために周辺住民が日々高い防波堤に囲まれて暮らすのはどうかと思われます。

防潮堤に限らす、様々な公共施設の建設には機能性からだけでなく、景観など人々の暮らし易さの観点も含めて検討していただきたいと思います。

 

なお、こうした基本的な考え方はリスク対応策を検討するうえでとても大切だと思うのです。


 
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2018年01月12日
アイデアよもやま話 No.3911 画期的なフイルム状の太陽電池!

太陽光発電については、これまで何度となくお伝えしてきました。

そうした中、昨年11月30日(木)付け読売新聞の朝刊記事でフイルム状の太陽電池について取り上げていたのでご紹介します。 

 

太陽光のエネルギーを効率よく電気に変えるペロブスカイト太陽電池は、作製が簡単で価格も安く、次世代の太陽電池として実用化が期待されています。

ちなみに、この電池は特殊な結晶構造を鉛やヨウ素などの化合物を材料に使った太陽電池で、ペロブスカイトはこの結晶構造の名称で、ロシアの鉱物学者ペロブスキーに由来しています。

ノーベル賞級の発明と評されるこの電池は、40歳代半ばで富士フィルムの技術者から研究者に転身した、桐蔭横浜大学の宮坂 力特任教授が生み出しました。

 

この電池はシリコン太陽電池と違って、曲がった壁や屋根にも設置出来るので今までより太陽光を使える場所が増えるといいます。

宮坂さんが最初に論文で発表した2009年当時、太陽光を電気に変える変換効率は3.8%でした。

2012年にイギリスの大学との共同研究で10.9%を達成し、短期間で急上昇させて世界の注目を集めました。

現在の変換効率はシリコン太陽電池の約25%に対し、ペロブスカイト太陽電池は韓国チームの研究で22.1%、宮坂研究室で21.6%まで上がり、開発から10年ほどでシリコンの性能に迫りました。

ただシリコンに比べて熱や湿気に弱く、結晶に鉛が使われているため、環境面の心配があります。

それでも「実用化の競争が激しい分、挑戦のし甲斐がある」と宮坂さんは意欲を燃やしています。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

画期的なフィルム状のペロブスカイト太陽電池ですが、熱や湿気に弱く、結晶に鉛が使われているなど、環境面の課題があります。

しかし、こうした課題を解決出来れば、様々な形状の屋根や壁に設置することが出来ます。

また、太陽光を電気に変える変換効率もシリコン太陽電池に近づいているといいます。

更に、価格も安いといいますから、記事にある通り、次世代の太陽電池として実用化が期待出来ると思います。

ですから、天候に左右され、発電量が不安定であるという弱点を蓄電するバッテリーとの組み合わせでカバーすれば、少なくとも原発再稼働は不要となります。

更に、現行のメガソーラーは一定の土地を占有し、景観上も望ましくありません。

 

ということで、是非ペロブスカイト太陽電池の開発を加速させ、早期の製品化を実現させていただきたいと思います。


 
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2018年01月11日
アイデアよもやま話 No.3910 IoTの具体的なかたち ― ブロックチェーン!

昨年11月16日(木)付け読売新聞の朝刊一面記事で耳慣れない“ブロックチェーン”という言葉を目にしました。

記事を読んでみると、IoT(モノのインターネット)を基盤としたこれからの社会の構築にとても重要な考え方だと思ったのでご紹介します。

 

みずほ銀行、日本郵船、NTT東日本の3社は総務省と共同で、“ブロックチェーン”と呼ばれる新たなIT(情報技術)を使った情報共有の実験を2017年2月にも始めるといいます。

住所や電話番号など登録情報の変更を1ヵ所に届けると、全ての社のシステムに反映されるというのです。

ちなみに、“ブロックチェーン”の技術は既にビットコインなど仮想通貨で活用されているといいます。

1つの組織が集中して管理する仕組みに比べて情報が改ざんされにくい特徴があります。

 

“ブロックチェーン”の導入により、大手企業が情報を管理するシステム維持管理費用を軽減する効果もあり、利用者が支払う手数料やサービス料などの値下げが期待出来ます。

また、引越しなどの際の利用者の手続きが便利になるとも期待されています。

 

総務省は、“ブロックチェーン”の技術が様々な分野で活用出来るとみて、今後企業が導入し易いように情報共有の方法について課題を整理する方針だといいます。

住所などの個人情報だけでなく、自動車の分野でも応用出来ると考えています。

例えば、自動車の修理や点検の情報を、中古販売店や整備工場などが“ブロックチェーン”により共有出来ます。

一方、消費者は中古車を購入する際に、自動車の状態を確認し易くなります。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

“ブロックチェーン”の基本的な考え方は、これまで何度となくお伝えしてきたIoTの具体的な姿、すなわちモノの情報の共有化です。

記事の内容を参考に、“ブロックチェーン”の基本要件を以下にまとめてみました。

・管理者やユーザーの利便性向上に必要な情報を各企業、あるいは国や自治体をまたいで共有すること

・多くのコンピューターがそれぞれ分散して情報管理すること

・こうした情報は相互に検証されたうえで、情報の整合性を維持すること

・一部のコンピューターが故障しても全体への影響を与えないこと

・サイバー攻撃からの防御力が非常に高いこと

 

なお、“ブロックチェーン”の基本的な考え方は、様々な分野に応用出来ます。

なぜならば、私たちの暮らしは全てモノや人とそれらに関連する情報によって成り立っているからです。

ですから、全てのモノや人に関連する情報が“ブロックチェーン”によってつながり、それらを縦横無尽に効果的に活用することによって、これまでの仕組みは簡素化され、国も企業や人も一段と生産性の高い活動が出来るようになると期待出来るのです。

 

しかし一方で、とても重要な課題もあります。

それは情報漏えいに伴う情報の不正使用に対する完璧な対応策の確立です。

この課題の十分な対応策を実施せずに“ブロックチェーン”を推し進めれば、社会は大混乱に陥ってしまうリスクを常にはらんでいるのです。


 
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2018年01月10日
アイデアよもやま話 No.3909 最近注目されている”CSV”!

アイデアよもやま話 No.843 近江商人の教え!などで、これまで“三方良し”という近江商人の教えについてご紹介してきました。

そうした中、昨年10月23日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でこの教えに通じる、最近注目されている”CSV”について取り上げていたのでご紹介します。 

 

CSR(企業の社会的責任 Corporate Social Responsibility)という言葉はよく耳にしますが、最近はCSV(共有価値の創造 Creating Shared Value)も注目されています。

CSVは本業を通じて社会問題を解決することで企業の発展と社会貢献の両方を目指すことを意味しています。

こうした中、食品卸の大手が本業の「食」を通じて地域を活性化しようという取り組みを始めました。

 

人口およそ5万人の山梨県富士吉田市で、町のいたるところで目にするのが「うどん」の文字で、60軒以上のうどん店が点在しています。

この地域で食べられている「吉田のうどん」は山梨で有名な「ほうとう」とは全くの別物です。

硬くて腰の強い麺と醤油と味噌を合わせた濃いつゆが特徴です。

地元で長年愛されている「吉田のうどん」は、市販のつゆはほとんどなく、地元以外での知名度は高くありませんでした。

しかし、昨年「吉田のうどん」を全国に広めるかもしれない新商品が登場しました。

お湯で薄めるだけで調理出来る濃縮だし「吉田のうどんだしMAX」です。

この商品の開発を支援したのが食品卸大手の伊藤忠食品株式会社(ISC)です。

新商品はあるイベントをきっかけに誕生したといいます。

伊藤忠食品経営戦略部の福万 由希子さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「年に1回、商業高校フードグランプリを開催させていただきまして、商品開発に必要な知識を学んでいただけるように当社もサポートしています。」

 

伊藤忠食品が2012年から開催している「商業高校フードグランプリ2017」は、商業高校の科目に商品開発が採用されたことを受けて、本業を生かした教育支援としてスタートしました。

地元の食材から名産品を生み出し、地域経済に貢献することも目的です。

うどんだしでフードグランプリに参加したのが山梨県立ひばりが丘高校のうどん部です。

うどん部部長で3年生の中野 吏希矢さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「うどん部で作っているのが吉田うどん専門フリーペーパー「うどんなび」です。」

「今回は6万5000部発行させてもらいました。」

 

「吉田のうどん」を広める活動をしてきたうどん部は、伊藤忠食品の仲介で地元メーカー「テンヨ武田」とうどんだしを共同で開発しました。

市内などに11店舗を展開する地元のスーパー、セルバの本店(山梨県富士吉田市)の売り場にはっぴを着たうどん部のメンバーの姿が見えました。

店員として活動していたのです。

 

順調に進んだように見える商品開発ですが、支援してきた福万さんと生徒とで意見が合わない場面もあったといいます。

 

地域の食を生かす取り組みは大阪でも見られます。

堺泉酒造(大阪府堺市)は、酒造りの伝統が途絶えていた堺市で44年ぶりに誕生した酒蔵です。

地酒の販売を担う伊藤忠食品からある提案を受けた社長の西條 裕三さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今、甘酒が非常に売れているじゃないですか。」

「甘酒と何かを合わせたものが出来たら非常にいいのになという話をした時に、伊藤忠食品の皆さん方が「これをやろうやな」という話が出てきたもんで・・・」

「なぜこんなにうまく出来るのかなというくらいにびっくりしますね。」

 

小さな酒蔵の経営を安定させるため、甘酒を使った新商品の開発して出来上がったのは「べっぴんさん 甘酒ノンオイルドレッシング」です。

製造は地元の醤油メーカー、大醤(大阪・堺市)が担当、地域一丸となって新商品を生み出しました。

 

地元の堺市立堺高等学校に伊藤忠食品の営業マンや全国展開する外食チェーンの担当者が集まりました。

そこへ運ばれてきたのは、商業研究会の生徒たちが試作したドレッシングを使った料理です。

実は、甘酒を使ったドレッシングというアイデアを出したのは酒井高校の生徒たちだったのです。

更に、若者ならではの常識に囚われない食べ方も考案していました。

たまごかけご飯にドレッシング、意外な組み合わせに思いますが、試食した方々の感想は上々でした。

外食チェーンの担当者も甘酒ドレッシングの可能性を高く評価しました。

 

伊藤忠食品は、地域の「食」を支援する取り組みを本業の発展にもつなげたいといいます。

高垣 晴雄社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「いい食品づくりをして、我々も協力させていただきながらそれを流通に乗せていくと。」

「(社会との共有価値を創る)CSVの活動とか社会貢献のCSRの活動とかいうのをきちんと拡大しながらグッドカンパニー(良い会社)になっていきたいなと思います。」

 

実は、この企業のCSVは最近の流行のように聞こえますが、番組コメンテーターで日経ビジネス編集委員の山川 龍雄さんは日本には昔からこの考え方はあるといいます。

それは“三方良し”で、山川さんは次のように解説されております。

「これは近江商人の経営哲学なんですけど、売り手良し、買い手良し、世間良しといいます。」

「つまり、売り手である自分だけが幸せではなくて、買い手であるお客さんだとか世間、これは地域社会ですね、こういうのがみんなハッピーになってはじめて会社というのは長期的に成長出来るという話なんですが、今日はVTRにあった伊藤忠は創業者が近江商人、まさに江戸時代に出てきた伊藤忠兵衛さんなんです。」

「そこから来てますから、会社としてはそれが一つの社訓に近いかたちになっている。」

「恐らく、この取り組みもそういう一環ではないかなと思いますね。」

「(最近のいろんな企業の問題を見ていると、“三方良し”のバランスが崩れているように思えるという状況に対して、)神戸製鋼だとか日産もそうですし、商工中金だとか不祥事がいろいろと相次いでいますが、売り手のところでものすごく力が入り過ぎてしまって、買い手や世間を忘れていないかって、日本には古くからこういう良い教えがあるので、そこにもう1回原点に立ち返るべきではないかなと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそもCSR(企業の社会的責任)とCSV(共有価値の創造)の違いについてですが、CSRは本業とは別に社会貢献活動を目指すものですが、CSVは本業を通じて社会問題を解決することで企業の発展と社会貢献の両方を目指すことだといいます。

ですから、どちらも社会貢献につながる企業活動ですが、企業の立ち位置からすると、CSRは社会という視点から、そしてCSVは本業という視点からの活動だと言えます。

 

そして、今回ご紹介したように、CSVには本業を通して、あるいは本業の延長線上で、商業高校などの学校や地域の地元企業を巻き込んで様々な支援をする中で、相互にWinWin関係を築き、企業のビジネス拡大の可能性を広げるだけでなく、若い人たちの人材育成、あるいは地元経済の活性化に結び付く可能性を秘めています。

ですから、CSVの本質はまさに“三方良し”に通じると思います。

 

さて、この基本的な考え方は企業だけでなく国や個人にとっても適用出来ます。

そこでこのCSV、あるいは“三方良し”の考え方の反面教師ではないかと思われるのがアメリカのトランプ大統領の「アメリカファースト」です。

アメリカのような大国こそ、自国のみならず交流のある相手国、あるいは世界的な貢献のバランスの上に立って世界をリードすべきだと思うのですが、アメリカの大統領が「アメリカファースト」を声高に唱えているのでは身も蓋もありません。

トランプ大統領がこのまま「アメリカファースト」を唱え続けていては、世界各国からアメリカが尊敬されることはありませんし、アメリカの輝かしい将来もないどころか、凋落の一途をたどることも危惧されます。

こうした事態そのものが世界経済や世界平和にとっても悪影響をもたらすのです。

ですから、世界的な見地から、トランプ大統領が「アメリカファースト」から方向転換して「世界各国の共存共栄」を唱えるか、あるいは「世界各国の共存共栄」を唱える方に次期アメリカ大統領になっていただきたいと思います。

 

また、個人の観点でも、「自分ファースト」を前面に打ち出すような人は尊敬されることはないし、たとえ親しい人が出来たとしてもいずれ去っていきます。

ですから、私たち一人一人が“三方良し”の基本的な考え方に則り、人や社会と接することにより、お互いに周りの人から尊敬され、社会全体もお互いに暮らしやすくなるのです。

そういう意味で、近江商人が唱えた“三方良し”は国や、企業、あるいは個人のあり方をとても簡潔に表現した分かりやすい言葉だと思います。


 
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2018年01月09日
アイデアよもやま話 No.3908 50以上の言語を翻訳出来る翻訳機の登場!

昨年10月23日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で50以上の言語を翻訳出来る翻訳機について取り上げていたのでご紹介します。 

 

昨年1月から9月までの訪日外国人の数は1年前と比べて約18%増えていると推計されています。(日本政府観光局)

このままのペースでいくと年間2800万人に達して過去最高となる可能性が出てきています。

そんな外国人の方々が日本に来て困っていることについてのアンケート調査結果があります。(日本政策投資銀行 公益財団法人日本交通公社調べ 2017年)

そのランキングは以下の通りです。

1.英語の通用度

2.母国語の通用度

3.旅行代金

 

言葉が通じないという悩みが上位を占めているのです。

2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、訪日外国人の数が増々増えていくのが確実な中、実に50以上の言語を翻訳出来るという新商品、手のひらサイズの「POCKETALK(ポケトーク)」が発表されました。

ちなみに、価格は2万6784円で昨年12月14日発売といいます。

操作は、タップを押して話しかけるだけと簡単です。

 

翻訳機能ですが、驚くのは対応する言語で、英語やフランス語は勿論アラビア語からスワヒリ語など50以上の言語に翻訳出来ることです。

例えばインドなら、ヒンディ語だけでなくベンガル語などにも対応しています。

日本語から外国語への一方通行だけでなく、双方向での翻訳が出来るのが特徴です。

Wi−Fi環境があれば利用可能で、更に専用のSIMカードを搭載すれば61ヵ国まで使用出来ます。

 

番組では、実際に「ポケトーク」を使って成田空港で訪日外国人に母国語でコミュニケーションを試みましたが、その結果は翻訳機能を十分に果たしていました。

なので、「ポケトーク」があればほとんどの日常会話は可能だといいます。

 

「ポケトーク」を開発したソースネクスト株式会社は、パソコンソフトやアプリを販売してきた企業です。

なぜ今回翻訳機に参入するのかについて松田 憲福社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「我々としてはやはり2020年に大きなイベントがあって、そこには沢山のお客様が海外からみえるわけですから、インバウンドにどんどん対応しなければいけない。」

「会話をするにあたって、ソフトウェアだけではどうしても出来ないことがいっぱいありますよね。」

「そういう意味では、翻訳機という専用機によって皆さんが会話出来ないと厳しいなと我々は判断したと。」

 

通訳や翻訳ビジネス市場は年々伸び、2017年度は2900億円に拡大する見込みといいます。

そこでソースネクストは2020年までに50万台を販売する目標です。

訪日外国人と日本人の言葉の壁を突き破れるでしょうか。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組冒頭の調査でも分かるように、訪日外国人の最大の悩みは言葉が通じないことです。

そして、既に多くの翻訳機が普及していますが、対応する言語が50以上の超小型の通訳デバイスの市販化はこれからの外国人とのコミュニケーションのあり方を一変させる画期的な第一歩と言えます。

 

こうした翻訳機は、AIやビッグデータの活用により、どんどん翻訳の精度が上がっていくとともに、対応する言語も将来的には地球上のあらゆる言語に広がっていくと期待出来ます。

また、当然翻訳スピードも短くなっていきます。

 

2年後の東京オリンピック・パラリンピックまで後2年ですが、その時に今回ご紹介したような翻訳機が低価格で販売されていれば、訪日外国人にとっても、迎え入れる日本人にとってもスムーズなコミュニケーションを図るうえでとてもありがたい存在となります。

また、こうした翻訳機は、一度購入すれば海外旅行するたびに役立ちますし、そうした旅行客を迎え入れる側にとってもとても便利です。

ですから、今回ご紹介した「ポケトーク」に限らず、いろいろな役立つ商品にとって、2年後の東京オリンピック・パラリンピックは世界に向けて絶好の宣伝の場となるはずです。

 

さて、言語は話したり聞いたりするだけでなく、読むというケースもあります。

ですから、将来の専用デバイス、あるいはスマホにはあらゆる言語をカバーする翻訳や通訳の機能を兼ね備えた機能が搭載されるようになることは間違いありません。

そうした時代の言語教育はどうなるのか、あるいは不要になるのか別な意味で興味が湧いてきます。

もし、英語などの外国語教育に費やされる時間がAIなどの先進技術に向けられるようになれば、技術立国を目指す日本にとってはとても画期的なことだと思います。


 
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2018年01月08日
アイデアよもやま話 No.3907 老朽化マンションの寿命を大幅に伸ばす新技術!

昨年10月16日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で老朽化マンションの寿命を大幅に伸ばす新技術について取り上げていたのでご紹介します。

 

不動産経済研究所は昨年10月16日に2017年度上半期の首都圏マンションの平均販売価格が前年同期比で5.9%上昇し、バブル期以来の高水準になったと発表しました。

価格の上昇が続いているマンションですが、分譲と賃貸を合わせて都内に建っているマンションはおよそ13万3000棟に上るといいます。

古くから建っているマンションも多いのですが、全体の2割のマンションは古い耐震基準のままで現在の基準を満たしていないといいます。

こうした老朽化マンションを再生する新たな方法が登場しています。

そのキーワードは“超寿命化”です。

 

東京都大田区のとあるマンションは、解体前は築50年以上の賃貸物件でした。

しかし、現在の耐震基準を満たしておらず、オーナーは建て替えを希望、ただ現行の法律に合わせて建て替えを行うと現行の6階建てが3階程度に抑えなければいけなくなるといいます。

そこで、次に考えたのは耐震補強工事でしたが、三井不動産レッツ資産活用部の宮田 敏雄さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「よく見る筋交いのような耐震補強の場合ですと、いかにも耐震補強したと分かる美観状の問題と眺望上の問題が出てくるということがございますので、せっかく耐震補強しても賃貸マンションとしての資産価値が全くないという状態になってしまいます。」

 

そこで三井不動産が提案した新しい手法がリファイニング工事です。

これは、内装を新しくするリフォームや建物の一部に手を加え、間取りのアレンジや耐震補強をするリノベーションとは違います。

建物の構造を保つために必要な骨組み以外は全て解体し、新たな壁などを加えることで建物全体の耐震性能を上げ、寿命を延ばすというのです。

更に、残した骨組みも日本で初めてという画期的な方法で補強しています。

この方法について、青木茂建築工房の青木 茂社長は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「鉄筋に皮膜を作って錆びないようにするという一つの工法なんですね。」

「鉄筋が錆びないことが前提なんですね。」

「そうしますと50年くらいは錆びないだろうということを想定してやっている。」

「古い建物を壊そうと言っても、そうは簡単に壊れないんですよね。」

「大変なエネルギーがかかるんですよ。」

「それが再生出来るというのは、資産的な面でも環境的な面でもすごくメリットが多い。」

 

古いコンクリートの表面をきれいにしたうえで、中の鉄筋部分に薬品を直接注入するという「リハビリカプセル」工法です。

これでコンクリートの寿命、ひいては建物の寿命を大幅に伸ばせるのだといいます。

一見大掛かりに見える一連のリファイニング工事ですが、建て替えに比べるとコストは30%安く、工期も1年近く短くなるといいます。

これで耐震基準をクリア出来るだけでなく、現行の法律に適していることを示す「検査済証」を受け取ることが出来ます。

そのため新たな資産として認められ、銀行から融資を受けることも可能だといいます。

また部屋を借りるお客にとっても、新築物件より安く借りることが出来るメリットがあります。

オーナーとお客の双方にメリットがあると言われるこの新たな手法ですが、老朽化マンションへの対策は加速するのでしょうか。

 

番組コメンテーターでA.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんは、次のようにおっしゃっています。

「(中古物件を生かすという動きについて、)流通物件における中古(マンション)の比率はまだ15%で、それに対してアメリカは8割、イギリスは9割なんです。」

「なので、これだけ日本も成熟してきているので新しいものがいいものだという価値観からそろそろ卒業してもいいのかなと思います。」

「(もう少し中古を見直すべきかという問いに対して、)そうですね。」

「人口減少社会です。」

「で、リノベーションでかなり私的なデザインマンションも手に入るようになりました。」

「耐震補強とか安全基準をクリアするかたちで、かつ3割ローコストで出来るということだとすると、こういう手法をもっともっと生かしていくというのが一つ大事なポイントだと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

首都直下型地震に関心が寄せられている中、都内の2割のマンションは古い耐震基準のままで現在の基準を満たしていないと状況は無視出来ません。

そうした中、老朽化マンションの寿命を延ばす新しい手法「リファイニング工事」、および日本で初めてという「リハビリカプセル」工法により建て替えに比べるとコストは30%安く、工期も1年近く短くなり、外観も損なわず、現行の耐震基準もクリア出来るので、資産価値も下がらないといいます。

ですから、こうした工法は画期的と言えます。

 

一方、日本の流通物件における中古マンションの比率はまだ15%で、アメリカは8割、イギリスは9割といいますから、この数字だけからみると、日本のマンションの寿命は“もったいない精神”においてアメリカやイギリスに比べてはるかに劣っていると言わざるを得ません。

省エネ対策の一つとして、一つのモノを出来るだけ長く使い続けることはとても大切です。

ですから、何でもかんでも古くなったから作り替えるという考えは捨てた方がいいと思います。

勿論、古くなったエアコンや冷蔵庫をいつまでも使い続けるよりも最新型に買い替えた方が電力消費の観点から省エネになるというような例外もありますが。


 
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2018年01月07日
No.3906 ちょっと一休み その628 『小泉進次郎さんが政治家になったきっかけとは!』

昨年11月5日(日)放送の「安藤忠雄の対談〜この国の行く末〜」(BSフジ)のゲストは小泉 進次郎衆議院議員でした。

今回は、番組を通して小泉 進次郎さんが政治家になったきっかけについてご紹介します。

 

激務の合間をぬい、子どもたちと向き合った父(小泉 純一郎元総理)、それが小泉 進次郎さんの原点になっているといいます。

(小泉さん)

「これは間違いなくうちの親父がいなかったら今の自分はないですし、政治家になろうという想いもなかったんじゃないかと率直に思うんですね。」

「その中でやっぱり大きかったのは、まず一つはうちの親父がものすごく愛情深かったこと、親として、僕よく言うんですけど、政治家として小泉純一郎は真似出来ないし、真似しない方がいい。」

「これは同じこと出来ませんから。」

「だけど父親、小泉純一郎は、いつかもし自分が父親になることがあったら真似したいと思いますね。」

「(具体的には、)一番やっぱり強烈に覚えているのは中学校2年生の時の学校の三者面談があったんです。」

「この時に最初で最後、うちの親父が三者面談に来てくれたんです。」

「それで先生が「実はお父さん、進次郎君にはもっと教室の中でリーダーシップを取ってもらいたいんです。そうすればクラスはもっとまとまりますから、お父さんからも進次郎君にそう言って下さい。」ってなことを言ったんです。」

「この先生は面倒くさいことを言うなと思ったんです。」

「僕はそんな役目をクラスの中でやる気はないのにね。」

「ヤダと思っているのに、親父はなんて言うかなとそう思ったんです。」

「そしたらね、うちの親父は「先生、私は進次郎はそのままでいいと思います。私も父親が政治家だったから父親の政治家として私を持っている進次郎の気持ちはよく分かります。恐らく政治家の息子ということで良いことやっても悪いことやっても目立っちゃう。だからあんまり前に出るのは止めようと思ってるでしょ。私は、進次郎はそのままでいいと思います。」って言ってくれたんですね。」

「あまりの衝撃に、バッと親父の顔を見たんです。」

「それはなんでかというと、政治家で忙しいから毎日家にはいないんです。」

「週1回会えたらいいかな。」

「だけど、その肝心な時になんで自分が思っていることをそっくりそのまま分かるんだろうっていう、その衝撃。」

「ちゃんと自分て見てくれているんだ、見られているんだ、愛されているんだっていう、この想いをちゃんと持たせてくれると、子どもって不思議なもんで自分に自信持つんです。」

「今の世の中に親子の関係とかいろんな問題ありますけど、根底にこれがあるから親が歩んでいる道を自ら選択をするというところに行き着いたと思うんです。」

「もしもそういう想いがなかったら、ただでさえ世の中のイメージが悪い政治の世界に自分から行くっていうことはなかったと思います。」

「「継げ」と言われたんではなくて、自分からやりたいっていうことを言えた最大の理由だと思いますね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

小泉 進次郎さんお話から、小泉 純一郎元総理に対して父親としてとても尊敬しており、そしてとても信頼していることが伺われます。

同時に、小泉元総理が政治家としてとても多忙な中で、子どもたちに対してとても愛情深く接しておられたことが分かります。

こうした幼い頃からの父親との係わりがご自身の政治家としての原点になっていることが理解出来ます。

いずれ日本をリードする総理大臣として期待されている小泉 進次郎さんですが、その小泉 進次郎さんは父親である小泉元総理が文字通り“生みの親”と言えます。

また、世襲議員が多い中で、自ら政治家を目指すようになったという小泉 進次郎さんには総理になれるかどうかはともかくとして国民のため、そして世界平和のために今後とも活躍していただきたいと思います。

 

さて、子どもにとって幼い頃に最も身近で影響力のある存在は両親です。

小泉 進次郎さんのお話からは母親からの影響については触れられておりませんでしたが、子どもは間違いなく両親の影響を最も大きく受けて育ちます。

ですから、現在の子育て世代が次世代の日本社会のあり方に大きく影響を与えているということを忘れてはならないのです。

残念ながら、かく言う私は孫を持つ70歳近くになってようやくこうした考え方が出来るようになった次第です。


 
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2018年01月06日
プロジェクト管理と日常生活 No.522 『建築家、安藤忠雄さんの提案する津波対策!

東日本大震災以降、津波対策として防潮堤があちこちの海岸に建設されてきています。

津波のリスク対応策としては、高い防潮堤を建設したり、公共インフラを海岸線から離れた高台に移転するなど、いろいろなアイデアがあります。

しかし、中でも防潮堤は一般的に高さがあり、周辺住民は日々塀のような取り囲まれた中で暮らしているように感じ、景観上からもなんとかならないものかと思っていました。

そうした中、11月5日(日)放送の「安藤忠雄の対談〜この国の行く末〜」(BSフジ)の冒頭で、安藤さんは津波対策について次のようにおっしゃっていました。

「私は本当は津波対策では、1m行って50cm、50m行く、また1m上がって50m行くような防潮堤がいいということなんですよ、段状の。」

「それならば海が見えるから。」

「と思ってたんですけども、あんまり相手にされなかったね。」

「海が見えるし、自然なかたちになるじゃないですか。」

 

以上、番組の一部をご紹介してきました。

 

安藤さんのお考えの通りの防潮堤だと、かなりのスペースが必要になると思われますが、何十年あるいは何百年という長い周期で発生する大津波のために周辺住民が日々高い防潮堤に囲まれて暮らすのは毎日圧迫感を感じてしまいます。

ですから、防潮堤に限らす、様々な公共施設の建設には機能性からだけでなく、景観など人々の暮らし易さの観点も含めて検討していただきたいと思います。

 

なお、こうした基本的な考え方はリスク対応策を検討するうえでとても大切だと思うのです。


 
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2018年01月05日
アイデアよもやま話 No.3905 テロ対策ボラード!

道路や広場などに設置して 自動車の進入を阻止したりする目的で設置される、地面から突き出した杭、すなわちボラードを私たちは日頃あちこちで見かけます。

そうした中、昨年10月11日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でテロ対策ボラードについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

猛スピードで突っ込んでくるトラックを新たに開発された車止めでブロックする実証実験で、車両は大破し、突入を阻止しました。

海外で人ごみに向かってクルマが突っ込むテロ事件が相次ぐ中、日本の企業が開発したこのテロ対策用の車止めに注目が集まっています。

コーエイ工業株式会社(神奈川県小田原市)は従業員およそ100人で、高速道路のゲートなどを手掛けています。

この会社が新たに製造に乗り出したのがテロ対策用に開発した車止め「ボラード」です。

コーエイ工業の松永 英史さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「車両総重量7トン、時速80kmのトラックも阻止する強度がございます。」

「需要の高まりを我々感じているところでございます。」

「1ヵ月に40〜50件ほどのペースでお問い合わせいただいております。」

 

電動式で、2秒以内に昇降が可能、緊急時に力を発揮します。

フランスのニースやスペインのバルセロナなど、人ごみに車両が突っ込むテロ事件が相次いでいます。

日本でも危機感が強く、隅田川花火大会では会場に入る道を警察車両で封鎖する措置が取られました。

車両を使ったテロで有効なのが頑丈な車止めです。

実験でトラックは大破しましたが、「ボラード」はほとんど無傷、驚異的な防御力を誇ります。

性能が認められ、既にアメリカの国務省が導入、日本でも空港や大使館、発電所など活用の場が広がっています。

価格は6本で3500万円(工事費別)です。

 

愛知県豊田市にある次世代のモデル都市、とよたエコフルタウンでは、未来の交通システムの実験として都市向けの「ボラード」を活用しています。

バスが近づくとカメラとセンサーで車両を確認し、自動で「ボラード」が下がります。

許可された車両だけを通行させることが出来ます。

また、速度の速いクルマを検知すると「ボラード」が上がり、道幅を狭くします。

徐行を促し、歩行者を守る仕組みです。

3年後にオリンピック、パラリンピックを控えた日本ですが、テロ対策の一環として「ボラード」の注目は更に高まりそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した「ボラード」は、確かにテロ対策用に空港や大使館、発電所などでの活用が期待出来ます。

しかし、海外でのテロ活動を見ると、人の集まるところ、場所を選びません。

だからといって、テロ活動の可能性のありそうな場所全てに「ボラード」を設置するのではとてもコストがかかってしまいます。

ですから、技術的に実用的なものが出来るかどうかはともかく、必要に応じてどこにでも設置出来る移動式の「ボラード」が開発されれば、世界中から引き合いがあり、テロ対策としてとても有効だと思います。

 

と、ここまで書いてきて、例えば銃乱射事件や地下鉄サリン事件のようなケースはどう対応するのかと思い浮かんできました。

こうして考えていくと、やはりテロ対策は、銃保持の禁止やサリンなどの薬物の厳重な管理など、一つひとつテロの芽を摘んでいくしかないように思われます。


 
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2018年01月04日
アイデアよもやま話 No.3904 「自動ドローン」が農業の働き方を変える!?

昨年10月10日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「自動ドローン」の農業での活用について取り上げていたのでご紹介します。 

 

今、ドローンが様々な用途で活躍し始めていますが、今回新たにドローンを使った米農業の支援システムが登場しました。

このシステムはお掃除ロボットのように完全に自動で田んぼを飛び回って、農家の労力を大幅に減らそうというものです。

このドローンには水車状の歯車が装着されており、農薬やモミの量をここで正確にコントロールしています。

こうした仕掛けを持っているのは世界でうちだけというドローンを開発したのはベンチャー企業の株式会社ナイルワークスです。

柳下 洋社長は自社の専門分野であるAI(人工知能)をドローンで生かそうと考え、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「3次元空間を自由に動ける時に、荷物を配達したり設備を点検するのではなく、作物がどういう状態かを鳥やチョウチョや虫の視点から作物を見て、その知見を使って農業を効率化しようと思ったわけです。」

 

「上から見ることで、これだけ植物がよく分かるんだということに人類が気付いた時に新しい農業がそこから生まれる。」

 

ナイルワークスが目指すのは、農業の働き方改革です。

ドローンが稲の30cm上を完全に自動で飛行し、薬剤を散布します。

飛行するエリアはアプリで管理されていますが、11種類のセンサーによって飛行の水平位置の誤差はわずか2cmといいます。

更に特徴的なのは、カメラで稲を撮影し、稲を1株単位で診断していて、成長状態に合わせて肥料や農薬散布の提案をしてくれるといいます。

このドローンの価格は350万円で2018年5月に全国の農家に対して試験的に販売し、2019年には500台の販売を目指します。

この事業の拡大に向けて、今回ナイルワークスは第三者割当増資を実施し、産業革新機構や住友商事、JA全農などの企業や団体から総額8億円の支援を受け、更に開発を進めるといいます。

産業革新機構の浜辺 哲也専務は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「こういうベンチャー投資でもって日本の未来を切り開いていくということが役割でございますので。」

「高齢化とか就業人口が減っているという問題がある中で、今回ナイルワークスがドローンを使うことによって圧倒的に農業の生産性が上がるということを期待しています。」

 

さて、自動運転やドローンにはAIやIoT(モノのインターネット)が欠かせないですが、番組コメンテーターで日本総研の理事長、高橋 進さんは、こういったものが実際にサービスになっていく流れについて次のようにおっしゃっています。

「例えばドローンの話でいうと、まずドローンを飛ばしていろんなデータを得るとか、畑のデータとか作物のデータとか虫のデータ、天候のデータ、GPSのデータ、いろんなデータが必要ですよね。」

「まずこうしたデータを取るわけですよ。」

「次にそのデータをコンピューターに送り、ここでいろんなデータを整理してビッグデータにする。」

「で、どのデータとどの現象がくっ付いているとかということを学習させて、そして最後はAIを使ってソリューションする、答えを出す。」

「今回の場合はナイルワークスという企業が答えを出したんですね。」

「そして、それをもう1回ドローンで実際に農薬散布だとかいろんなことに実装してみると、実際にやってみると。」

「で、多分1回ではうまくいかなくて、こういうプロセスを何回か繰り返すことで本当にいいサービスが生まれてくると。」

「これAIとかITの場合はだいたいどんなことをやってもこういうプロセスになるということなんですね。」

「ところが今回の場合はナイルワークスというベンチャーがAIを利用した解析をクリアしたわけですけども、日本全体でみると実はデータを集めるところもいいし、社会実装も出来るんだけども、AIを使った解析がものすごくまだ弱いんですよ。」

「結局、日本の中に人材がいないんですよ。」

「だから外国の企業と組んだり、得意なベンチャーと組んだりするわけですけどもね。」

「ただ、私は日本の企業に「ちょっと忘れてませんか」って言いたいのは、実は日本の大学なんですよ。」

「日本の企業は日本の大学は駄目だと思っている人が多いんですけども、ITとかAIの世界では結構日本の大学はそれなりに進んだものを持っていて、ものによってはMIT(マサチューセッツ工科大学)より凄いというところもあるんです。」

「だから、ちょっと日本の企業はもう1回日本の大学を発掘してもらいたいという気がするんですけどね。」

「産学連携、実は「足元に宝は眠ってます」とちょっと強調したいんですけどね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

 

今回ご紹介したドローンを使った米農業の支援システムは、稲を1株単位で診断して、成長状態に合わせて肥料や農薬散布の提案をしてくれるといいます。

この支援システムが実際の米農業に係わる作業時間のどのくらいの割合を占めているか分かりませんが、農業の働き方改革に貢献することは間違いないと思います。

 

しかし、米農業の作業にはこの他にも田植えや稲刈りなどがあります。

ですから、こうした作業もAIやロボットの活用による支援システムを開発することにより、本来目指すべき農業の働き方改革が実現出来ると思います。

ということで、AIを専門分野とするナイルワークスには、ロボット関連企業と協業して、米農業の全プロセスをカバーする支援システムの開発を進めていただきたいと思います。


 
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2018年01月03日
アイデアよもやま話 No.3903 永守日本電産会長の想い その3 買収に成功する3つの条件とは!

日本電産株式会社(京都市南区)の創業者、永守重信会長(73歳)については、これまでNo.3744 ちょっと一休み その601 『ある日本の資産家に見る望ましいお金の使い方』などでお伝えしてきました。

そうした中、昨年の10月18日(水)付け読売新聞の朝刊記事で売り上げ10兆円を目指す日本電産の取り組みについて取り上げていました。

記事では、永守重信会長がご自身の想いを語られておりましたので3回にわたってご紹介します。

3回目は、買収に成功する3つの条件についてです。

 

日本電産は高性能モーターを開発する一方、経営不振の企業を買収して再建し、成長してきた。

日本では企業買収は全体の2%しか成功していない。

10%がまあまあ、88%は失敗です。

うちは56回買収して56連勝中ですけどね。

当然、秘密はある。

買収には成功する条件が3つある。

まず安く買うこと。

高く買うから、減損処理で苦しめられる。

2番目は、買収は作業全体の2割に過ぎない。

それを認識すること。

再建や事業再編を、誰がどう進めるのか。

見通しがないまま買って、部下任せにするから失敗する。

最後は、社風。

どんなにいい会社でも、水と油の会社を買ってはいけない。

買収は時間がかかるんですよ。

長いのは狙ってから16年かけた。

平均でも5年かけている。

 

倒産しそうな会社は原因がある。

職場が汚いとか、社員同士あいさつしないとか、資材を高く買っているとか、役員が平日にゴルフしているとか、共通点がある。

それを改善することが大事です。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

永守会長の考える買収に成功する3つの条件は以下通りです。

1.安く買うこと

2.買収は作業全体の2割に過ぎないことを認識すること

3.社風の違いを認識すること

 

日本では企業買収は全体の2%しか成功していない状況下において、日本電産がこれまで56回買収して56連勝中という成果に裏打ちされた買収の3つの条件はとても重みを感じます。

安く買うことや社風の違いの認識は一般的ですが、特に買収にはとても期間や労力がかかることについては見落としがちだと思います。

 

なお、永守会長は倒産しそうな会社の原因についても触れられておりますが、買収において倒産しそうでも独創的な技術を持った会社に目をつけて安く買収し、その後に倒産しそうな原因の排除は出来ると考えられているのではないでしょうか。


 
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2018年01月02日
アイデアよもやま話 No.3902 永守日本電産会長の想い その2 利益を出す人が一番偉い!?

日本電産株式会社(京都市南区)の創業者、永守重信会長(73歳)については、これまでNo.3744 ちょっと一休み その601 『ある日本の資産家に見る望ましいお金の使い方』などでお伝えしてきました。

そうした中、昨年の10月18日(水)付け読売新聞の朝刊記事で売り上げ10兆円を目指す日本電産の取り組みについて取り上げていました。

記事では、永守重信会長がご自身の想いを語られておりましたので3回にわたってご紹介します。

2回目は、利益を出す人が一番偉いという考え方についてです。

 

創業者の存在が大きい会社では、ユニクロの「ファーストリテイリング」も、ソフトバンクグループも後継の育成が難問だ。

 

うちははっきりしている。

儲けてくれる人、利益貢献が高い人が一番偉い。

2番目、会社に良い変化を与えてくれる人。

考課基準はこれしかない。

僕の後継者だって一緒です。

誰が一番利益を出すか。

 

経営者はね、「夢」を語るだけじゃダメなんです。

かたちに出来なければ。

経営を45年やって分かるが、良い経営者は半分は素質だね。

残る半分が育成。

激しい環境が人を育てる。

 

それにしても、日本には経営力を持った人材が少ない。

経営のプロの育成システムがないから。

アメリカは20代で経営する。

優秀な人ほど大企業には行かず、ベンチャー企業に行く。

日本は一流大学出てもヒラから始めて主任、課長。

50歳でようやく役員になっても経営なんか出来ないよ。

経営者は、カネ集めから、営業から全て自分でみないといけない。

部下に偉そうに指示はするけど自力で出来ないとか、英語は出来るけど自分で問題解決が出来ない、なんていう人材は多いけどね。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

従来の日本的な感覚からすると、“利益を出す人が一番偉い”というドライな考え方にはちょっと抵抗を感じてしまいます。

しかし、企業の本質は“売り上げを上げて、利益を出し続ける”ことです。

ですから、永守会長のおっしゃるように、経営者は「夢」を語るだけではダメで、成果を出し続けることが求められるのです。

すると、最もその成果を出すうえで、貢献しているのは利益を出す社員ということになります。

しかし、日本的な感覚では、いくら売り上げを伸ばしている営業マンでも横柄で人をあごで使うような傲慢な人柄であれば、その営業マンを単純に評価出来ません。

一方、売り上げには直接貢献していなくても、チームワークを良くしたり、あるいは仕事の仕方を改善したりして生産性の向上に貢献している社員もおります。

そこで、永守会長は会社に良い変化を与えてくれる人を2番目に偉いとしているのです。

そして、考課基準はこの2つしかないと言い切っておられます。

ですから、先ほどの営業マンは“会社に良い変化を与える”という考課基準ではマイナスになってしまいます。

 

さて、以前私の働いていた職場でも、遅くまで残業していた社員は、それほど成果に結びつかなくても比較的良い評価をされるという風潮がありました。

一方、多少優れた成果を出しても、就業時間を過ぎるとさっさと帰宅してしまうような社員はあまり良い評価をされない傾向がありました。

 

今や、技術革新のスピードが速く、しかも中国などの新興国の追い上げによる国際的なビジネスの競争が厳しい環境において、日本の企業が競争に勝ち残っていくためには、AIやロボット、あるいはIoTなどのテクノロジーを駆使した生産性の向上、および一人一人の社員の能力の向上が必須だと思います。

そして、その精神的なよりどころは、自分の仕事を通して、どのような社会の実現に貢献したいのかという強い想いだと思います。

勿論、それなりの収入も必要ですが


 
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2018年01月01日
アイデアよもやま話 No.3901 永守日本電産会長の想い その1 日本の働き方は根本から間違っている!?

明けましておめでとうございます。

このブログをご覧いただいている皆さまにとって、少しでも何らかのかたちで参考になればという想いで今年も発信していく所存です。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

日本電産株式会社(京都市南区)の創業者、永守重信会長(73歳)については、これまでNo.3744 ちょっと一休み その601 『ある日本の資産家に見る望ましいお金の使い方』などでお伝えしてきました。

そうした中、昨年の10月18日(水)付け読売新聞の朝刊記事で売り上げ10兆円を目指す日本電産の取り組みについて取り上げていました。

記事では、永守重信会長がご自身の想いを語られておりましたので3回にわたってご紹介します。

1回目は、根本から間違っている日本の働き方についてです。

 

私たちは今、大変革の時代を生きています。

技術革新で、全てのモノに通信機能が付いたモーターが載るようになる。

暮らしは一変するでしょう。

 

一人1台の「マイ・ドローン」で通勤する日も遠くない。

2050年にはロボットが人口の3倍になると見る専門家もいる。

クルマも、欧州や中国が電気自動車(EV)に重心を移し、動力の主役はエンジンからモーターに変わろうとしている。

世界では、モーターによる電力消費量が全体の半分近くを占めるほどになっている。

 

さて、母の教えにより「ハードワーク」を守ってきた永守会長は、2015年に突然「残業ゼロ」を打ち出しました。

会社が成長し、連結売上高1兆円を達成した直後でした。

「朝まで働け」とか言っていたのに、全く逆の「残業ゼロ」を言い出したので戸惑った社員もいたかもしれません。

しかし、永守会長は7年ほど前から1兆円企業になったらやろうと決めていました。

 

2000年代に入って、海外企業の買収を進めてきました。

そこで驚いたのは、欧米の社員は残業しません。

ドイツ企業なんかは1ヵ月も夏休みを取る。

それでもしっかり利益を出す。

生産性が違うんだね。

日本の働き方は根本的に間違っていると思い知った。

時間ではない、中身が濃くないとダメだと。

 

10兆円企業を目指しています。

だから、今の働き方だと1兆円レベルで行き詰まると思った。

1日は24時間しかないんだから。

そこで「残業ゼロ」。

最初は上司による定時退社の声かけから始めたら、あっという間に残業が3割減り、今は半分近くになった。

 

生産性を倍にするため2020年までに、システム投資などを1000億円行う。

残業の削減で浮いた経費は、半分をボーナスで社員に還元し、残りの半分を教育投資に向ける計画だ。

 

敷地内に研修センターを作って教育する。

英語力とか専門知識にために。

能力が上がれば実績も上がる。

給料は減らない。

5年かけてそうする。

 

アメリカは定時で帰るけど、夜間にMBA(経営学修士)を取りに行く。

技術系も経営を学んで経営者になっていく。

日本でもそんな費用の一部を会社が出してもいい。

とにかく早く帰って、自分の能力を上げて欲しい。

 

一時期、「灘高―東大―ハーバード大」に象徴される「きら星」のような人材を採った。

残念ながら幻想だったね。

創業以来6000人を採用してきたが、学歴と仕事の成果に相関関係はない。

だから教育だ。

教育で人はガラッと変わる。

ただね、時間で働く方が楽だと思う。

「残業ゼロ」は楽をさせるためじゃない。

あくまで飛躍への手段です。

 

これまでは能力が劣る人も長い時間働けば戦えた。

しかし、もう延長戦(残業)はない。

世の中の受けはいいけど、社員は生産性を倍にする方がきついよ。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

記事を通して分かる永守会長の「残業ゼロ」の狙いは明確です。

今後増々需要の高まるEV用など様々なモーターの生産を増強するためには、これまでのような残業に依存する働き方では間に合わず、労働生産性を格段に向上させた働き方が求められる、そのためにはこれまでとは根本的に異なる働き方を目指すということです。

そこで社員に向けては、分かりやすく10兆円企業の達成、および「残業ゼロ」を目指すと説いているのだと思います。

「残業ゼロ」は決して社員を楽にさせるためではないのです。

ですから、労働の成果を残業という労働時間でカバーしてきた社員にとっては、「残業ゼロ」はむしろきつい働き方を求められます。

一方、労働の成果を残業ではなく労働の質によって成し遂げてきた社員にとっては能力を更に向上させるうえで一層恵まれた環境を提供されることになります。

ですから、こうした働き方に対する考え方の違いによって、社員の能力の差別化が強まるものと予想されます。

 

永守会長の考えるその具体的な手段は以下の通りです。

・1000億円のシステムなどの投資

・研修センターの建設

・就業時間外での社員の自発的な研修

・残業の削減により浮いた経費は、社員へのボーナス、および教育投資に充当

 

この基本的な考え方は、どの企業にとっても当てはまる、これからの企業が目指すべきものだと思われます。

 

さて、記事からは読み取れませんが、もし「残業ゼロ」でも帰宅してからもほとんどの時間を自己研さんに費やすのでは、その本質はこれまでの「会社人間」と変わりがありません。

趣味や家族との団らんなど、“ワークライフバランス”の取れた暮らしこそが長い目で見れば、社員にとっても会社にとっても望ましいものと思われます。


 
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2017年12月31日
No.3900 ちょっと一休み その627 『日本人のほぼ半数は1ヵ月に1冊も本を読まない!』

11月5日(日)放送の「安藤忠雄の対談〜この国の行く末〜」(BSフジ)のゲストは小泉 進次郎衆議院議員でした。

番組の中で読書の大切さに関する話題の中で、最近本を読まない人が増えているということを示す具体的な数字にビックリしました。

全国の16歳以上の男女3000人を対象とした、2013年度 文化庁 国語に関する世論調査によると、1ヵ月の読書量が1〜2冊という人が34.5%、1冊も読まないという人が47.5%という結果でした。

 

これに対して、安藤さんと小泉さんは次のようなやり取りをされていました。

(安藤さん)

「子ども時代に読書しなかったら、(大人になっても)中々読書は出来ないですよ。」

(小泉さん)

「新聞も同じですよ。」

「最近、若い、10代、20代の子に「新聞読んでる?」って聞くと、読んでないでしょ。」

「今の時代、情報はスマホで足りる。」

(安藤さん)

「新聞から得るって(面で)いっぺんに全部あるじゃないですか、いろいろなものが。」

「スマホというのはこの中(点)ですからね。」

(小泉さん)

「関心のあるものしか引かなくなりますからね。」

「生まれた時からテクノロジーとかデジタルなものに接している世代、デジタルネイティブとか言いますけど、触れさせていく環境って大変そうと思いますね。」

「僕は本とか読んだりしてて、時々たった一文の中に「俺が言いたかったことってこれだ」っていう表現が見つかる時とかある。」

「その言葉が見つかる瞬間って、自分の中ではモヤモヤとあった気持ちや感情、想いをまるで言語化してくれたような気持ちになって、それだけでも本当に読書の意味って僕はあると思っているんで。」

「よく何百ページある本で、全部覚えていることなんてないんです。」

「たった一語でもいい、たった一文でもいいから、この言葉と出会えてよかったっていうのが僕の本の読み方だし、これは実は人との会話とか人との出会いもそうで、今日も安藤さんの「子どもの時に子どもする」という、このことは僕はずっと忘れないですよ。」

(安藤さん)

「(小泉進次郎さんのスピーチでも私たちの心に響くフレーズがあるのではという問いに対して、)と思います。」

「それは自分の心の中から考えられているからパッと出るわけでしょ。」

「だけどお役人の書いたやつを読んでる人もいますよね。」

「あれでは中々こっち側に伝わってこない。」

「やはり自分の心を伝えるのが言葉ですから。」

「中々そうなっていないのがマズいな。」

(小泉さん)

「(本の思い出について、)子どもの頃、畳の部屋でうちの兄と並んで布団を敷いて寝てて、その間に本当に川の字ですよね、うちの親父が来て、それで本を読んでくれて、その間に僕らが寝て、気付いたらうちの親父はいないというのが僕が小学校ぐらいかな、あったんですけど、その時にずうっと読まれていて覚えているのは、一つは「ファーブル昆虫記」、あと強烈に覚えているのは「一杯のかけそば」。」

「「一杯のかけそば」を寝ながらうちの親父が僕ら兄弟に読んでくれるんですよ。」

「段々読んでいる親父が涙声になってくるんですよ。」

「子ども心に親が泣いているところを見てはいけない、気付いてはいけないという想いが働いて、寝たふりをしたことを今でも覚えていますよ。」

「そういう記憶って強烈に残ってますね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず、全国の16歳以上の男女3000人を対象とした世論調査(2013年度)によると、日本人のほぼ半数は1ヵ月に1冊も本を読まないという現実はちょっと問題だと思います。

その理由として、安藤さんは子ども時代に読書する習慣を身に付けていなかったとおっしゃっていますが、その通りだと思います。

 

では、子ども時代に読書する習慣を身に付けるきっかけは、というと両親など自分の周りの大人が自分の興味のありそうな本を読んでくれた、などがあると思います。

そうした中から、成長とともに自分の好きなジャンルが生まれて、自発的に読書するようになるというようなことではないかと思います。

こうした状況と並行して、家族や友人との会話や学校の授業、あるいはテレビドラマや映画鑑賞など、日々の暮らしから刺激を受けて、徐々にいろいろなことを知り、自分なりに理解して、その理解を深めるために読書だけでなく新聞などを読むようになったりするというのが一般的な成長プロセスではないかと思います。

ちなみに私の場合、5、6歳の頃、小学校の先生だった親戚のおばさんが私の家に泊まりにきた時、朝目が覚めた時におばさんの寝ていた布団に潜り込んで源義経など歴史上の人物の話をしてもらったことを今でもとてもよく覚えています。

このおばさんはとても話が上手でとても臨場感のある話しっぷりだったのです。

このことがその後の私の歴史好きに影響を与えたことは間違いありません。

 

では、中でもなぜ読書が特に重要かというと、私は以下のように思います。

・読書は自分のペースで読み進めることが出来る

・読書は成長に合わせて読むと、そのたびごとに理解が深まる

・読書により世界中の歴史上の優れた人物の考え方や生き方に容易に触れることが出来る

・読書は、歴史や経済、社会など、あらゆるジャンルの知識を系統的に、しかも深く理解するうえでとても役立つ

 

ということで、読書は大人になっても自分を成長させるうえでとても重要だと思いますが、現実に優れた人物との出会いや優れた芸術などに触れることも無視出来ません。

まさに、“百聞は一見に如かず”です。

また、読書や新聞などの世界だけに閉じこもっていては、理屈だけで現実の世界を知らず、“井の中の蛙大海を知らず”になってしまいます。

ですから、子どもの時には、友達と大いに遊び、あるいは部活動に参加し、親友を見つけたり、そうした中からいろいろな経験を積んで、現実の世界の中から好奇心や感動することの素晴らしさなどを徐々に身に付けていき、大人になる準備をしていくのだと思います。

こうしたことが、まさに安藤さんのおっしゃる“子どもの時に子どもする”だと思うのです。

 

では、こうして大人になった後の読書との触れあいですが、今や情報源はかつての新聞や雑誌など紙の媒体、あるいはテレビやラジオのみならず、ネット上には無限というほどの情報で溢れています。

ですから、ある情報に接したら、その情報を鵜呑みにするのではなく、必要に応じて様々な情報から何が真実なのかを見極めて、自分なりに考えることがとても大切だと思います。

こうした中で、やはり読書はとても有効な手段だと思います。

多くの人たちがピンポイントでネットから情報を得て、それを鵜呑みにするだけでは、健全な社会からは程遠い社会になってしまうと危惧されます。

最近、”フェイクニュース”という言葉をよく耳にしますが、私たち一人ひとりが一つひとつの情報にしっかりと向き合えば、”フェイクニュース”に惑わされることもなく、”フェイクニュース”自体が居場所を失ってしまうと思うのです。


 
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2017年12月30日
プロジェクト管理と日常生活 No.521 『中小企業の後継者不足の課題の対応策 その3 スマートグラスの活用!』

最近、高齢化の進行に伴う中小企業の後継者不足について話題に取り上げられることが多くなってきました。

そこで、中小企業の後継者不足の課題とその対応策について、プロジェクト管理の中の課題管理の観点から3回にわたってお伝えします。

9月16日(土)放送の「ミライダネ!」(テレビ東京)でスマートグラスの活用について取り上げていました。

そこで、3回目では番組を通して熟練技の後継者不足という課題とその対応策についてスマートグラスに焦点を当ててお伝えします。

 

東京都立川のオフィスビル、ここでも後継者不足の問題を抱えています。

直面しているのがビルの空調や電気設備などの点検作業です。

ビル内に籠った熱を外に逃がすダクトの点検は特に経験がものを言います。

モーターの熱や微妙な音の違いを聞き分けて不調を発見しなければならない時もあります。

この道20年の南谷 禎さん(48歳)と2年目の若手、若林 大暉さん(24歳)、この二人は全国で約6000ヵ所のビルや施設を管理するオリックス・ファシリティーズの社員です。

研修期間中は、ベテラン社員がマンツーマンで若手社員を指導します。

1人前になるまでに最低でも4年かかるといいます。

しかし今、若手の育成を急いでいるといいます。

ベテランの南谷さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「急激にベテランの方の多くが定年になっているというのは、経験が必要な職場なので、そういう経験の伝承が難しいところ。」

「自分で考えてどう動いてもらえるか。」

 

ベテランの定年退職が相次ぎ、指導者が不足、若手の若林さんには早く1人前になってもらいたいところですが、若林さんはまだ一人での作業には自信がなさそうです。

 

ところが、ある日の点検作業はメガネをかけた若林さん一人です。

若林さんがメガネを通して見ている映像ですが、実は離れた場所にいる南谷さんも同じ映像を見ているのです。

使っているのはスマートグラスです。

内蔵のカメラで南谷さんも映像を共有し、指示を送っているのです。

これなら南谷さんは移動しなくても全国各地の若手社員に指導が出来ます。

更に、このスマートメガネには便利な機能があります。

画面の中に文字や記号を書き込める赤ペン機能があり、指示を細かく正確に伝えるのに役立ちます。

指示通りに動いていた若林さんにここで変化が出てきました。

指示もないのに気になった部分を自主的に点検していました。

自信が芽生えたようです。

若林さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「分かる方に一番近くで自分と同じ目線で見て教えてもらえるということはとても大きなことだと思うんで南谷さんを目指したいと思います。」

 

なお、今回ご紹介したスマートグラスですが、私たちの暮らしが劇的に変わるかもしれない使い方があるようです。

スマートグラスをかけた番組レポーターの澤田 南さんがやってきたパン屋さんで、他の人が離れた場所から赤ペン機能を使って買って来て欲しいパンを丸で囲って指定していました。

例えば外出が難しい高齢者が誰かにお使いを頼む場合にこのような使い方が当たり前になるかもしれません。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

前回では、遠からず熟練技術者の後継者不足の対応策としてロボットが活躍する時代を迎えるとお伝えしましたが、それでもやはりマンツーマンでの技術の伝承が必要な部分は当分残ると思われます。

そうした時の対応策として、今回ご紹介したスマートグラスのような技術は一人の熟練技術者が複数の若手後継者に効率よく技術の継承をするうえでとても有効だと思います。

更に、こうした一つ一つの具体的な継承技術をビッグデータとして蓄積することで熟練技術の継承の効率化がより一層図られると期待出来ます。


 
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2017年12月29日
アイデアよもやま話 No.3899 最新のデジタル漫画事情!

10月14(土)放送の「マツコ会議」(日本テレビ)で最新のデジタル漫画事情について取り上げていたのでご紹介します。

 

デジタル化により、いろいろな分野で作業の効率化が図られていますが、漫画制作の世界も例外ではありません。

デジタルマンガ制作にかかる初期投資はパソコン代など約20万円で、それ以外の費用をかけずに描けるといいます。

また、髪の毛の長さを約0.08mmまで細い線まで描けるのです。

更に、線を引くだけで簡単にコマ割りが出来るのです。

こうした様々なデジタル技術の進歩やインターネットにより以下のようなメリットがあるといいます。

・従来のアナログ作業だと3分かかる作業が3秒ほどで出来ること

・メールでのやり取りで作業が出来るので、デジタルアシスタント(デジアシ)がわざわざ作家のお宅に訪ねる必要がなくなったこと

・作家の家は6畳一間の広さでも十分であること

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

このように見てくると、漫画制作の才能のある人にとっては、若くてもユーチューブなどにアップすることにより自費出版するためのハードルがとても低くなっていると思われます。

 

さて、番組の内容はともかく、とても驚いたことがありました。

デジタルマンガ専門学校の東京デザイナー学院(水道橋)に在学中の韓国出身の男性は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「自分は出版マンガの方が好きなんですけど、韓国の場合は今出版業界自体がほぼなくなって、みんなWebに行っちゃったんです。」

「韓国の場合はもうWebマンガしか残っていないですから、みんなスマホでマンガを見る時代になっているんです。」

「これ(スマホの画面のスクロールによりマンガを読み進む様子)を見たら理解し易いと思います。」

「自分は日本のページをめくるようなマンガを描きたいから日本に残りたい感じがあるんです。」

 

今や、韓国ではWebマンガしか残っていないということですが、中国のような新興国や途上国でもかつての日本などが歩んできたマンガの世界とは違い、いきなりWebでマンガが制作され、それをスマホで読むということが当たり前の時代を迎えているようです。

 

このように、技術の進歩の激しい時代においては、様々な分野でこれまで先進国が経てきた作業プロセスをたどる必要がなくなり、一足飛びに資金がそれほどかからず、作業時間も短くて済むような作業プロセスでこれまでと同等、あるいはこれまで以上の成果を得ることが出来るような時代を迎えているのです。

日本に限らず、先進国でビジネスに係わる人たちはこうした技術革新に伴う新興国や途上国のビジネスの動きを的確に把握し、対応していかなければやがて技術革新の波に乗り遅れてしまうと危惧されます。


 
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2017年12月28日
アイデアよもやま話 No.3898 みんなが得する“みな得フードシエアリング”!

11月2日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で耳慣れない言葉ですが“みな得フードシエアリング”について取り上げていたのでご紹介します。 

 

東京都港区にある、自然栽培の食材にこだわっている食べ物屋「食や」ですが、どうしても残る料理が出てしまうのが飲食店の宿命です。

そこでオーナーが利用しているのが「TABETE」というアプリです。

飲食店が余分に作り過ぎたり、予約のキャンセルなどで余った料理をアップ、それを見た登録者は処分価格で食べられるというシステムです。

みんなが得するからみな得フードシエアリング”です。

ちなみに、ある日「食や」が1300円の弁当を800円でアップしたところ、すぐにお客がやって来ました。

「食や」のオーナー、梶本 亮さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ありがたいお話しなんですけども、うちの経営の問題もありますけれども、社会的な問題も、やっぱりフードロスは・・・」

 

現在は15店舗、登録者1100人でテスト運営中ですが、他にも同じような仕組みが広がりつつあるといいます。

「TABETE」を運営する株式会社コークッキングのCEO、川越 一麿さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ちょっとしたお得感を「食べ物を助けに行く」、フードレスキューと言ってるんですけども、そのフードロスの削減だったり、気軽な社会貢献につながっていればいいなと。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

前回は企業の余った在庫処分をするビジネスモデルをご紹介しましたが、今回ご紹介したのは飲食店の余った料理の有効活用と言えます。

国内のみならず世界的にこうした飲食店での余った料理の有効活用は共通の課題だと思います。

一方、こうした取り組みとネットの活用はとても相性がいいと思います。

もし、自宅付近、あるいは出先など、自分のいる場所の近くのファミレスやレストラン、あるいはコンビニから「TABETE」のようなアプリで情報発信していれば、少しでも安く食べたい、あるいは買いたいと思っている消費者にとってもメリットがあります。

 

ということで、究極的には、あらゆる商品の過剰在庫において、その商品を提供する側と商品を購入する側との利害が一致するようなシステムの世界的な普及が進めば、アイデアよもやま話 No.843 近江商人の教え!でもお伝えしたように、まさに「三方良し」なのです。


 
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2017年12月27日
アイデアよもやま話 No.3897 企業の余った在庫約22兆円分を処分するビジネスモデル!

これまで賞味期限や消費期限の切れた食品が廃棄されてしまうフードロスについては何度となくお伝えしてきましたが、フードロス以外にもこうした資源の廃棄問題があります。

10月9日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で企業の余った在庫処分をするビジネスモデルについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

メーカーが余分に作った製品や返品されたりして余っている在庫の価値を試算した結果、なんと22兆円に上るというのです。(オークファン推計)

その多くは安売りをすると市場価格が崩れてしまうという恐れから廃棄されているのが実情だといいます。

こうした余った在庫を企業も助かるかたちで市場に再び戻すための新たなビジネスモデルが注目を集めています。

 

有明海を臨む長崎県南島原市で創業して45年の地元企業、株式会社山一で作っているのは島原名産の手延べそうめんです。

ほとんどが職人の手作業によって作られます。

6束で1000円ほどの高級そうめんとして、全国の百貨店やギフトショップで販売されています。

しかし、毎年秋になると悩みの種があります。

山一の陣野 一人取締役は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(倉庫にある大量の商品を指して、)夏場に売れ残った商品の在庫になります。」

「値段を下げた状態で販売してしまうと、市場で自分たちの値段を崩してしまうという結果になりますので、それだけは避けたいと思っています。」

 

欠品を防ぐため、多めに製造するのが食品メーカーの宿命なのです。

毎年、市場価格にして2500万円分以上の在庫を廃棄しているといいます。

 

こうしたメーカーの在庫を買い取るビジネスを展開しているのが株式会社シナビズ(東京都品川区)です。

シナビズでは、BtoBの業者向けオークションサイトを運営しています。

メーカーから余った在庫や返品された商品などを買い取り、サイトでオークションにかけてリサイクル店などに販売、ものによってはサイトを通さず業者と直接取引もしています。

扱うのは家電製品からアパレル、食品など様々です。

そんなシナビズの大きな特徴は、買い取り方にあります。

メーカーからの要望を細かく聴くのです。

例えば、山一を訪れたシナビズの執行役員の藤井 厚さんに対して、山一の陣野さんは、以下のように要望を伝えます。

「既存の販路とかぶらないこと、もう一点は安い値段で市場に出回らないこと。」

 

他にも、雑貨メーカーから買い取ったアロマが楽しめる扇風機ではネット販売はNG、あるいは住宅設備の業者限定の商品や海外向け販売業者限定など、メーカーの要望に合わせた売り先を見つけるのです。

 

そして、山一のそうめんを購入したのはキングダムのチェーン店でした。

ブランド品や貴金属を買い取り販売しているリサイクルショップです。

その運営会社が1万食分を購入しました。

条件の一つ、山一の販売先とはかぶりません。

そして、限定の販促品としてお客に無料配布したのです。

安い価格で市場に出ないことが条件でしたが、無料だとブランド価値は下がらないのです。

 

一方、メーカー側の反応ですが、山一の陣野さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「下手に値段を付けて販売される方がどうかなと思いますので、誰も損しない、非常に良い選択肢かなと思っています。」

 

そんなシナビズのもう一つの特徴はサイトに出品する際の値目付けにあります。

他社よりもリーズナブルな価格で出品出来ているといいます。

どう値付けしているのか、担当者が見ているのは社内システムです。

ここに商品名や品番を打ち込むと、これまでネットで取り引きされた平均価格が表示されます。

実は、シナビズの親会社はオークション価格の比較サイトを運営しており、過去10年分、約680億件の取引データを参考に相場に合った根付けが可能なのです。

 

2年前にこの事業を立ち上げたシナビズの武永 修一社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「絶対に生産者である以上、破棄する商品は一定数出てくる。」

「そういうところで、ブランド価値を毀損(きそん)せずにいかに最適な価格、最適なタイミングで商品を売れるかというのを事前に取り決めすることが出来るのが一つ大きな強みですね。」

 

そんなシナビズが新たに立ち上げたのがオタメシというサイトです。

今度は一般消費者向けに企業の余った在庫を販売します。

そこにはある特徴があります。

購入金額の3%が慈善団体に寄付される仕組みです。

しかも寄付する先を選ぶことが出来ます。

化粧品メーカーのちゅらら(東京都薬袋徳)が出品しているのはパッケージを変更する前の、品質には問題のない在庫商品です。

寄付付きだったことがオタメシを選んだ理由の一つだったといいます。

ちゅららのシニアマネージャー、齊藤 光貴さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「何か売るにしても一つ大きな理由付けがあった方が会社としても動きやすいというのもあります。」

 

7月に開設後、売り上げは毎月倍々の勢いで増えています。

試算では22兆円に上るという企業の余った在庫には更なる可能性があるといいます。

シナビズの武永社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(在庫や返品は)まだ22兆円、これはまだ日本だけですからね。」

「海外に直すと、全世界のGDPの数パーセントが多分毎年毀損しているので、そういった意味で終わりがない規模感はあるかなと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

22兆円に上るという企業の余った在庫が試算される中で、今回ご紹介した企業の在庫処分のビジネスモデルは資源の有効利用の観点からとても理に適ったものだと思います。

そこで、このビジネスモデルにおけるポイントを以下にまとめてみました。

・生産する以上、売れ残って破棄する商品は必ずといっていい程出てくること

・一方、何らかの目的でこうした安い売れ残り商品を求めている企業が存在すること

・売れ残った商品の廃棄を防ぎたい企業と安い商品を探している企業との要望に応えるサイトがあれば、広く両者の要望を満たすことが出来、その結果として商品の廃棄をしなくて済むようになること

・単なるオークションサイトの立ち上げだけでなく、在庫問題を抱えている企業やその在庫商品を購入する可能性のある企業への積極的な働きかけにより、在庫処分の可能性がより高まること

・購入金額の一定割合を慈善団体に寄付するというような包括的な理由付けがオークションサイトに個人の利用者としての取り込みなど、新たな在庫問題解決の道を切り開くこと

・他社よりもリーズナブルな価格の値付けがこうしたオークションサイトの活性化に結び付くこと

 

さて、そもそも商品を作り過ぎなければ、余った在庫は発生しないのです。

過剰在庫問題解決の根本的な解決策は、商品の作り過ぎをしないことなのです。

ですから、商品の作り過ぎを全く防ぐことは出来ないまでも、AI(人工知能)やビッグデータの活用により商品のより適正な生産計画が出来れば、これまでよりもかなり商品の作り過ぎを防ぐことが出来るようになると期待出来ます。


ということで、武永社長のおっしゃるように、全世界のGDPの数パーセントが毎年過剰在庫として毀損しているので、適正な生産計画、および過剰在庫の活用を目的としたシステムを世界展開すれば、国際的な資源の有効活用、および個々の企業、あるいは一般消費者にメリットをもたらすことに大いに貢献出来ると大いに期待出来ます。


 
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2017年12月26日
アイデアよもやま話 No.3896 微生物から生活習慣病の治療薬!

前回、ゲノム編集の技術を利用し、がんや肝炎の治療にも使われる高価な薬の成分を含む卵をニワトリに産ませる研究についてご紹介しましたが、今回ご紹介するのは10月8日(日)放送の「未来の起源」(TBSテレビ)で取り上げていた放線菌から生活習慣病の治療薬を作り出す研究開発についてです。 

 

北里大学薬学部である天然資源を使って薬の開発を行っているのが、微生物薬品製造学教室の大城 太一さん(38歳)です。

その資源とは放線菌やカビなどの微生物です。

今回、微生物から見つけ出して合成したのがピリピロペン誘導体で、肝臓の脂肪の蓄積を強力に抑えるといいます。

ピリピロペン誘導体がコレステロールの吸収に係わる酵素の働きを抑制することで、肝臓への脂肪の蓄積を抑えるのです。

将来的には脂肪肝だけでなく、動脈硬化にも効果のある生活習慣病の治療薬の開発が期待されています。

 

なお、大城さんにとって研究の原動力とは、「大学アカデミックから薬を開発してみたい」ということだといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した、微生物から見つけ出して合成して出来るピリピロペン誘導体に対して、あらためてアイデアを既存の要素の組み合わせであるという言葉を思い出します。

ピリピロペン誘導体により、コレステロールの吸収に係わる酵素の働きを抑制したり、将来的には脂肪肝だけでなく、動脈硬化にも効果のある生活習慣病の治療薬の開発が期待出来るといいますが、今後こうした微生物の更なる合成によりいろいろ治療薬の開発が期待出来そうです。


 
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2017年12月25日
アイデアよもやま話 No.3895 高価な薬の成分を含む卵で薬を安価に!

10月8日(日)付けのネットニュース(こちらを参照)で高価な薬の成分含む卵について取り上げていたのでご紹介します。

 

遺伝子を自在に改変出来るゲノム編集の技術を利用し、がんや肝炎の治療にも使われる高価な薬の成分を含む卵をニワトリに産ませることに、産業技術総合研究所関西センター(大阪府)などが成功しました。

 

薬を安価に作る新手法で、共同研究する企業が来年中にも、まず研究用試薬として従来の半額程度の値段で販売する予定です。

将来は、薬を現在の1割以下の価格に抑えることを目指すといいます。

 

なお、この薬の成分は、免疫に関係するたんぱく質の一種「インターフェロンβ(ベータ)」で、悪性皮膚がんや肝炎の治療薬のほか、ウイルス研究用の試薬としても使われます。

ただ、これまでは生産には大規模な培養施設が必要で、成分自体の価格も数マイクロ・グラム(マイクロは100万分の1)あたり3万〜10万円と高価でした。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

ゲノム編集については、これまで何度かお伝えしてきましたが、今回ご紹介したように、ゲノム編集の技術を利用して高価な薬の成分を含む卵をニワトリに産ませて安価な薬を作るというのはゲノム編集の健全な利用方法だと思います。

今後とも、こうした方法で高価な薬の成分が安価になれば、高齢化に伴う医療費の増加を食い止める効果的な手段の一つになると期待出来そうです。


 
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2017年12月24日
No.3894 ちょっと一休み その626 『”子どもの時に子どもする”ことの大切さ!』

11月5日(日)放送の「安藤忠雄の対談〜この国の行く末〜」(BSフジ)のゲストは小泉 進次郎衆議院議員でした。

この対談の中で、安藤さんは次のようにおっしゃっています。

「10歳くらいまでに子どもの時に子どもしてもらった方がいいと思うんですよ。

”子どもの時に子どもする”というのは、大きな声を張り上げて走り回って絵本読んで。

「我々の時はまだ好きなことやってましたよ。」

「今、中々みんなこれをお母さんが全部コントロールしてるじゃない。」

「この塾へ行く、こっち行って下さいと言うんじゃなしに、子どもの時に子どもして、考えるトレーニングを子どもの時にしたら、好奇心のある子どもが出来ると思うんですけどね。」

 

この”子どもの時に子どもする”という言葉に小泉さんもとても共感され、次のようにおっしゃっています。

「”子どもの時に子どもする”って、これ大事な言葉ですね。」

「これから特に本当に子どもの時の教育って大事になってきますから、その時に好奇心をしっかりと育む。」

「そして、学びたいとか知りたい、そういうことが自然と湧いてくるような子どもの時の教育に力を入れないといけないという想いで今子ども向けのことをしっかりやる国にしなければいけないということを言っているので、今日、安藤さんの今のお話聴いていて、よく生涯現役とか言うじゃないですか。」

「安藤さんは“生涯子ども”してるんですかね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

結局、安藤さんが言わんとしていることは、子どもの時に子どもが自分で考える習慣を身に付けさせ、好奇心のある人に育って欲しいということだと思います。

それに対して、小泉さんは国政の立場から、学びたいとか知りたいということが自然と湧いてくるような子どもの時の教育が重要だとおっしゃっています。

 

以前にもお伝えしたように、これからAI(人工知能)の活用がどんどん広がっていくにつれて、AIを使って何をさせるかという想像力や創造力が求められるのです。

ですから、これまで主流だった、単に何かを暗記したり物事を理解したりする能力だけではAIに取って代わられてしまい、人の活動の場はどんどん減少する傾向が続きます。

ですから、安藤さんのおっしゃるように”子どもの時に子どもする”、あるいは小泉さんのおっしゃるように“生涯子ども”するということが私たちにはこれから求められ続けると思うのです。

行動を伴う作業についてはどんどんロボットに置き換わっていきますから、これからはAIに何かを言い付ける好奇心や創造性がある限り、何歳になっても“生涯子ども”することが出来るような時代を私たちは迎えようとしているのです。


 
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2017年12月23日
プロジェクト管理と日常生活 No.520 『中小企業の後継者不足の課題とその対応策 その2 熟練技を再現するロボット!』

最近、高齢化の進行に伴う中小企業の後継者不足について話題に取り上げられることが多くなってきました。

そこで、中小企業の後継者不足の課題とその対応策について、プロジェクト管理の中の課題管理の観点から3回にわたってお伝えします。

9月16日(土)放送の「ミライダネ!」(テレビ東京)で熟練技を再現するロボットについて取り上げていました。

そこで、2回目では番組を通して熟練技術者の後継者不足という課題とその対応策についてロボットに焦点を当ててお伝えします。

 

全国の町工場や中小企業の約8割が後継者不足に陥っています。

このピンチを救うのがロボットなのです。

創業50年を超える東亜金属工業株式会社(福岡県北九州市)の工場では、職人たちが素早い手付きで洗面台の蛇口になる金属材料を磨いています。

東亜金属工業は研磨を専門とした会社で、洗面台の金具や高級自転車の部品の研磨を得意としています。

研磨のポイントは力加減だといいます。

この職人技がこの会社を支えてきました。

しかし、この職人技が今、危機にあるというのです。

製造部長の銀羽 直樹さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「人材の確保が難しいという時代に突入しておりますけども、実際にうちにもそういう波が来ておりまして、求人を出してもなかなか応募が来ない。」

「人材が大手企業さんに流出している。」

 

深刻な後継者不足で大切な技術が途絶えてしまうかもしれない、この窮地を救うべく一人の男性がやってきて、工場で職人の作業の様子を注意深く観察します。

この男性は世界的なロボットメーカー、株式会社安川電機 ロボティクス技術部の安藤 慎悟さん(47歳)で、職人が素早く研磨する熟練の技をロボットで再現しようとしているのです。

安川電機の技術力が一目で分かる動画があります。

それは、創立100周年記念に2015年に制作された、居合の達人が竹を刀で切る動作を再現したロボットの動きです。

更に、このロボットは細長い台の上に置かれたインゲンを真っ二つに切り裂きます。

 

安川電機が作っているのは、人間の腕のように緻密な動きが出来るロボットなのです。

安川電機(北九州市八幡西区)にはいったいどのような技術があるのでしょうか。

8枚のモニターが並んだスペースでは、イルカが泳ぐ映像に合わせてこれらのモニターがくねくね動いています。

実は、ロボットが裏でモニターを動かしていたのです。

まるで人間の腕のような滑らかな動きですが、その秘密について、人事総務部の岡林 千夫さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「人間の肩から手頸の間に動く部分が7ヵ所あります。」

「それと全く同じ構造で作ったのがこのロボットです。」

 

ですから、人の代わりにいろいろな作業が出来るのです。

部品の移動やネジを締めるのもお手のものです。

安川電機のロボットは自動車メーカーなどに採用され、溶接や組み立てなどの作業を行っています。

 

ではどのようにしてこうしたロボットは動いているのでしょうか。

岡林さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「まず、人がロボットに動きを教えます。」

「そうするとロボットは同じ動きを何回でも繰り返してくれます。」

 

まず、ロボットの腕の高さや左右の位置など、作業の流れを数値で入力します。

そのデータを制御装置を介してロボットに覚えさせるのです。

わずか15秒の動きを記憶させるのに1ヵ月かかることもあるといいます。

 

そんな安川電機で始まった新たな挑戦が東亜金属工業の研磨職人の技をロボットで再現するというミッションです。

しかし、リーダーの安藤さんの表情には不安の色が出ています。

安藤さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「これまでの産業用ロボットは、基本的にはロボットの位置を出来るだけ速く正確に動かすという。」

「(ところが、)研磨は力加減のコントロールが必要で難しい。」

 

これまでの技術では研磨職人の微妙な力加減まで再現することが出来ないというわけです。

そこで安藤さんが工夫したのが力センサーの活用です。

これを使って、ベテラン職人が研磨する際の力加減を数値化しようと考えたのです。

数値化したデータをグラフ化してみると、ベテラン職人は微妙に力を入れたり抜いたりしていることが分かりました。

そこで、こうした数値化した動きをロボットに学習させてベテラン職人の技に近づけようとするのです。

これまで1ヵ月近くかかっていた入力時間がセンサーを使えばゼロになります。

しかも入力後、わずか5分で研磨作業に入れます。

こうしてロボットに研磨作業をさせてみると、その結果は素人目にはベテラン職人との違いが分かりません。

しかし、力加減のグラフを見てみると、ロボットは力の強弱が大きく、ベテラン職人に比べて微妙な力の調節が出来ていないことが分かりました。

研磨の仕上げが甘いと、その後に行うメッキ加工がはがれ易くなるといいます。

そこで安藤さんが再挑戦した結果、微妙な力加減が出来、グラフで見る限りかなりベテラン職人の動きに近づいてきました。

東亜金属工業のベテラン職人はこの結果について、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「実際はもっと早く加工するので、それが出来るようになればもっと近く再現していただけるんじゃないかと。」

 

「職人さんで上手な人が一人いれば、ロボットにその技術をコピーして教えていけるので、それが本当に現実になれば画期的になると思います。」

 

しかし、開発者の安藤さんはまだまだ納得出来ない様子で、次のようにおっしゃっています。

「今日やってみて、いろいろ分かったこともあって、やはりベテラン職人はちょっと力を抜いているとか細かな動きをしているので、これから試作して実験を重ねていきたいと思っています。」

 

後継者不足の切り札になるのか、来年の実用化を目指しています。

 

さて、安藤さんは10年後の未来について、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「技術の担い手がいない状況をロボットで食い止めていきたいと思っているんですけど、多分全てロボットに代わるかというとそうは考えてなくて、やっぱり大事な技術は人から人に伝承して、ロボットはその手助けをする、そういうのが10年後の理想の姿かなと思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通してあらためて感じたのは、AI(人工知能)、ロボット、センサー、IoT(モノのインターネット)、こうした技術の組み合わせによって近い将来、これまで人が操作してきたほとんどの作業はロボットに取って代えることが出来るという確信です。

また、東亜金属工業のベテラン職人のおっしゃっているように、ロボットには大きなメリットがあります。

ロボットに優れた職人さんの技術をコピーして教えれば、どのロボットもまんべんなく優れた職人さんと同じレベルの技術で働くことが出来ます。

しかも、IoTによりいずれかのロボットで問題点や改善点が発見されて、その対応が完了と同時に使用しているソフトを更新することにより速やかに全てのロボットへの対応が出来ます。

 

このように考えていくと、将来の職人像はこれまでとは全く異なります。

少しでも多くの職人に時間をかけてベテラン職人の技を教え込むのではなく、少数精鋭で優れた職人を育成し、その技術をコピーしてロボットに教え込むというイメージです。

しかも、ロボットは24時間、365日を通して休みなく正確に働くことが出来るので休憩時間や休日は必要なく、過労死に至るような過酷な労働問題も発生しません。

更に、AIの進歩とともに、肝心の優れた職人もAIに取って代わる時代がやってくるかもしれません。

 

こうしてみると、今は新たな産業革命の時代の入り口に立っているという実感がじわじわと湧いてきます。

また同時に、AIやロボットなどの技術の進歩の先で、こうした技術と人との住み分けはどのようになるのかという疑問も湧いてきます。

 

ということで、今回は熟練技術者という作業レベルでの中小企業の後継者不足という課題の対応策としてロボットを取り上げました。

しかし、この対応策は中小企業に限らず大企業においても適用されます。

ですから、遠からずこれまで以上に人の働く場はロボットに取って代わられるので、どのように働く機会のなくなる人たちに対して収入の確保をするかというのが大きな課題となってくると思われます。


 
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2017年12月22日
アイデアよもやま話 No.3893 「アルファ碁ゼロ」が 「アルファ碁」に100戦全勝の意味するもの!

これまで「アルファ碁」についてはアイデアよもやま話 No.3344 人工知能が囲碁トップ棋士に勝利!などでお伝えしました。

そうした中、10月19日(木)付け読売新聞の朝刊記事で「アルファ碁」に100戦全勝した「アルファ碁ゼロ」について取り上げていたのでご紹介します。

 

アメリカ・グーグル傘下のイギリスのグーグル・ディープマインド社は、囲碁の世界トップ棋士を次々と破った人工知能(AI)の「アルファ碁」を上回る「アルファ碁ゼロ」を開発したことを明らかにしました。

AIのプログラムを改善し、従来の「アルファ碁」と違ってプロ棋士らの対戦データ(棋譜)を一切学ばず、自分自身の対局を繰り返して打ち方を独学するのです。

わずか3日間の学習で従来の「アルファ碁」に100戦全勝しました。

研究結果が10月19日のイギリスの科学誌ネイチャーに掲載されました。

 

従来の「アルファ碁」は、10万局以上のプロ棋士らの棋譜などを学んだ上で、自己対局を繰り返して勝率の高い手を学習しました。

昨年3月には、世界トップクラスの強豪、韓国のイ セドル九段に圧勝しました。

また「アルファ碁」の改良版は、今年9月、世界最強と称される中国人棋士、柯 潔九段を3戦全勝で退けました。

 

ディープマインド社は、「アルファ碁ゼロ」を開発するにあたり、従来の「アルファ碁」では別々だったネットワークを統合するなど、自己対局のみで効率的に学べる新技術を導入しました。

囲碁のルール以外は一切教えず、3日間で自己対局を重ねた結果、「アルファ碁ゼロ」は李九段を倒した当時の「アルファ碁」を100戦全勝で一蹴しました。

その後、約40日間の学習後は、「アルファ碁」の改良版にも89勝11敗で圧勝しました。

 

ディープマインド社のチームは、「この技術は、人間の知識の限界に制約されず、従来の「アルファ碁」より強力」としています。

同社の研究チームは、この技術の応用が期待される分野として、創薬に役立つたんぱく質の構造解析や新素材の開発、省エネ研究などを挙げています。

 

「アルファ碁ゼロ」は、囲碁の世界で人間が長年積み上げてきた知識が文字通り「ゼロ」でも、それを上回る実力を数日で身に付けられるというAIの可能性を示しました。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず、記事の内容から「アルファ碁」から「アルファ碁ゼロ」への改善点を以下にまとめてみました。

・AIのプログラムを改善し、プロ棋士らの対戦データ(棋譜)を一切学ばず、囲碁のルールのみを教えて自分自身の対局を繰り返して打ち方を独学したこと

・「アルファ碁」では別々だったネットワークを統合するなど、自己対局のみで効率的に学べる新技術を導入したこと

 

ここで注目すべきは、これまでは囲碁だけでなく将棋においても、ルールは教えずにこれまでの対戦結果を出来るだけ参考にして対戦方法を決定していたのに対し、「アルファ碁ゼロ」には囲碁のルールのみを教えて自分自身の対局を繰り返して打ち方や指し方を独学させたことです。

しかも、その結果、「アルファ碁ゼロ」は約40日間の学習後に「アルファ碁」の改良版に89勝11敗で圧勝したのです。

この事実は今後のAI開発、および応用のあり方にとってとても重要だと感じました。

 

「アルファ碁ゼロ」の基本的な考え方である、ルールを教えるだけで後は独学で学ばせる方式を社会の様々な分野に応用したらどうなるか考えてみました。

例えば、今最も危機的な状況にある北朝鮮とアメリカとの武力衝突の可能性を限りなくゼロにするための対応策を考える際に、以下のようなルールを定めます。

(ルール)

・武力衝突を起こさない

・相互の国民への影響を最小限に食い止める

・これまで以上に両国、あるいは北朝鮮の周辺国の暮らしが良くなること

 

この3つのルールを満たし、相互の保有兵器などの軍事力などいくつかの重要な前提条件をパラメーターとしてインプットして対応策を求めらたどんな答えをAIは出してくるだろうかと想像してみました。

「アルファ碁ゼロ」は「アルファ碁」と違って、人間の過去の経験を一切反映しないのですから純粋に論理的な帰結としての答えが返ってきます。

ですから、常識や過去の実績に囚われる人間では思いつかないような答えが期待出来ます。

 

一方、AIも所詮はゼロから物事を考えることは出来ないのです。

私たち人間が何か考えて欲しいことをAIにインプットすることによりAIは稼働し始めるのです。

ただし、AIが自身の出した答えをそのまま無条件に実施に移すとなるとそれは問題です。

やはりAIの答えを受けて最後にその答えに基づいてどう決断し、どう行動に移すかを決定するのは人間でなければなりません。

これが大原則です。

しかし、今開発中の全自動車のようにAIに全て運転を任せるという動きもあります。

そして、全自動車だからこそ運転免許不要で、高齢者でも身体の不自由な方でも誰でもが自動車で移動することが出来るようになります。

 

ということで、AIに対して何をどこまで任せるかという観点での議論が今後増々求められてくると思います。


 
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