2016年09月28日
アイデアよもやま話 No.3507 拡大する”一人企業” その3 女性”一人企業”による大活躍 ゞ丹枦な短期間での商品開発!

ネット社会を背景に、”一人企業”は今やかなり普及しているようです。

そうした中、”一人企業”について2つの番組で取り上げていました。

そこで、番組を通して5回にわたってご紹介します。

3回目は、女性”一人企業”による大活躍の中で、驚異的な短期間での商品開発についてです。

 

ちょっと古い情報ですが、3月8日(火)放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)のテーマは「“革命児が家電を変える!」で女性”一人企業”による大活躍について取り上げていたのでご紹介します。

 

以下の家電が今話題になっています。

USBの差込口の付いたスーツケース、スマホを使って色や明るさを変えることが出来る電球、そして透明なタッチパネルのパソコンのキーボード、このキーボードは隙間にゴミが溜まることもないし、ガラス製なのでさっと拭くことが出来ます。

こうした17種類の家電は2015年7月1日に設立された株式会社UPQ(アップ・キュー)というベンチャー企業の製品です。

全て昨年6月に開発を始め、わずか2ヵ月で完成させたといいます。

しかも、31歳の女性社長、中澤 優子さんがたった一人で開発したというのですから驚きです。

 

では、中澤さんはどのように次々と短期間で新製品を生み出すことが出来たのでしょうか。

東京都八重洲にあるヤマダ電機の新しい店舗、コンセプトラビ東京にUPQの売り場があります。

当初は、インターネットでの販売が中心でしたが、その注目度の高さに大手家電量販店も取り扱うようになりました。

その魅力について、ある一般消費者である男性は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「アップルみたいに統一感を持たせて、見た瞬間にどこの会社か分かるようなブランディングされてらっしゃるんで・・・」

 

また、別な男性は、次のようにおっしゃっています。

「シンプルだから、機能がいっぱいついているより特化しているのがいいですよね。」

 

さて、UPQは電気の街、秋葉原、ある会社の一画を間借りしてオフィス代わりにして活動しています。

社員は中澤さん一人だけです。

中澤さんは、中央大学経済学部を卒業後、携帯電話が作りたくてカシオ計算機株式会社に入社しました。

しかし、カシオが携帯電話から撤退したため退職、UPQを立ち上げたのです。

中澤さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「チャンスは逃したくないという想いとモノづくり、電気の通ったモノづくりに戻れるなら絶対努力しても損はないと思ったの。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、前準備があったにしてもわずか2ヵ月で17種類もの家電を開発したという事実にはビックリです。

やはり携帯電話をはじめモノづくりをしたいという強烈な想いとアイデア、そしてバイタリティを中澤さんが持ち合わせていたことが背景にあったと思います。

 

次回は、その驚異的な開発スピードの謎についてご紹介します。


 
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2016年09月27日
アイデアよもやま話 No.3506 拡大する”一人企業”その2 画期的な商品開発も可能に!

ネット社会を背景に、”一人企業”は今やかなり普及しているようです。

そうした中、”一人企業”について2つの番組で取り上げていました。

そこで、番組を通して5回にわたってご紹介します。

2回目は、”一人企業”でも可能な画期的な商品開発についてです。

 

7月26日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”一人企業”での画期的な商品開発について取り上げていたのでご紹介します。

 

”一人企業”という新たな働き方は広がりを見せています。

元ソニーの技術者、野口 不二夫さんもその一人です。

野口さんは、ソニーの電子書籍端末「リーダー」(2010年発売)の開発責任者を務めていました。

ソニーの技術陣の中でもトップクラスの実績を誇っていた人物なのです。

ところが2年前、56歳の時に退職し、たった一人で起業しました。

仕事の拠点は自宅とシェアオフィスです。

野口さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「人をいっぱい雇ってしまうと、その人のために仕事を作らないといけない場合があるので、それをやっていると非常に動きが悪くなるだろうなと思った時に、参考にしたのがハリウッド映画の作り方なんですけども。」

 

イメージしたのは、企画ごとに一流のスタッフを集めるハリウッド方式です。

ソニー時代に手掛けた製品を超えることが新たな目標です。

 

長野県安曇野市、野口さんは独立後最大のプロジェクトに乗り出していました。

訪れたのは、かつてソニーのパソコン部門だったVAIO株式会社です。

ちなみに、VAIOの赤羽副社長はソニー時代の元同僚です。

共同で取り組んでいるのは、これまでにない電子楽譜の試作機です。

まるで紙の楽譜のように折り畳ねる電子楽譜、2つの端末をつなぐ部分にはVAIOの高い技術が使われ、見た目は1枚の板のような美しい仕上がりです。

商品名「GVIDO(グヴィド)」で価格は未定ですが、2017年初旬に発売予定といいます。

 

ある日、野口さんは、寺田倉庫本社(東京都品川区)へ世界的指揮者で作曲家でもある鈴木 優人さんを訪ねました。

野口さんは世界レベルの音楽家に電子楽譜の使い勝手を試してもらいに来たのです。

早速、電子楽譜を見ながら演奏してもらうことにしました。

ピアノを弾きながらでも電子楽譜に触れるだけでスムーズにページがめくれます。

 

鈴木さんも違和感がないと使い勝手に満足されたようです。

更に、電子楽譜には書き込みと消去も出来るので、演奏の際に役立つと好評でした。

野口さんは確かな手ごたえを感じていました。

 

実は、野口さんに電子楽譜の開発を持ちかけたのは寺田倉庫の寺田 保信会長でした。

寺田さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「野口さんに会ったのは1年前ぐらいですけど、やっぱりこれ(電子楽譜の開発)はプロに一緒に入ってもらってやんなきゃダメだなと。」

「電子ペーパーのパッドを開発していたのはソニーでこの方(野口さん)しかいないんですから。」

 

これまでにない電子楽譜は野口さんや音楽に造詣の深い寺田さんなど、プロ同士の関わりで生まれていたのです。

6月上旬にはフランス・カンヌで開かれた国際音楽産業見本市「midem 2016」に試作機を出品し、世界各国の音楽関係者から高い評価を得ました。

 

野口さんは、7月下旬に南青山のシェアオフィス「FARO」で、年内にも始まる量産化に備え、PRのためのチームを新たに立ち上げました。

野口さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「本当にこれを成功させないといけない。」

「自分が経験したモノづくりを大きな会社でなくても出来ることを証明してみたい。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

野口さんのように、大企業の第一線で活躍されていた技術者の方々は沢山いらっしゃると思います。

そうした方々の中には、勤務先の枠を超えて何かのきっかけでこれまでにない画期的な製品のアイデアに接する機会があると思います。

そうした中から、是非野口さんのように新事業にチャレンジする方々がどんどん現れて来て欲しいと思います。

こうした動きが結果的に国レベルの経済の活性化につながるからです。

 

よく言われているように、テクノロジーの世界は大変なスピードで進化しています。

そして、そうした進化がこれまではビジネスとして成立しなかった事業を可能にしていくのです。

また、そうした新しいテクノロジーを活用した新しいサービスや製品づくりを展開していくには、小回りの利く小さな組織、すなわちプロジェクトチームが有効なのです。

そして、その核の一つとして期待出来るのが”一人企業”だと思うのです。


 
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2016年09月26日
アイデアよもやま話 No.3505 拡大する”一人企業” その1 プロジェクトチーム化で可能に !

ネット社会を背景に、”一人企業”は今やかなり普及しているようです。

そうした中、”一人企業”について2つの番組で取り上げていました。

そこで、番組を通して5回にわたってご紹介します。

1回目は、”一人企業”を可能にするプロジェクトチーム化についてです。

 

7月26日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”一人企業”での巨大ビジネスについて取り上げていたのでご紹介します。

 

働き方が多様化している中、個人で大企業並みに大きな事業をいくつもこなす人が増えています。

起業というとハードルが高そうですが、特別な才能がなくても出来るといいます。

高木 克人さん(43歳)は2つの会社を経営する社長で、年商は合わせて6000万円といいます。

事業は徐々に1年半前くらいから軌道に乗ってきたといいます。

以前は楽天の営業マンだった高木さんは4年前、40歳を目前にネット通販関連ビジネスの立ち上げを決意しました。

しかし、高木さんの仕事場は今でも自宅とシェアオフィスだけです。

ネット会議は声を出せる飲食コーナーで行います。

ある日のネット会議では、ある企業から依頼されたホームページのデザイン会議で、相手は主婦のデザイナーです。

高木さんの2つの会社の社員は高木さんのみです。

各分野のプロとプロジェクトごとにチームを作って仕事をすることが成功の秘訣だといいます。

高木さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「例えば会社を辞めた人の中で優秀な人が集まって、ネットワークを築いて組織化したいなと思いますね。」

「私には能力があまりないのでネットワークですね、みんなで考えてやっている。」

「私は商談しているだけなので、たまに。」

 

7月中旬、高木さんが訪れたのは、コンサルティング依頼を受けた名古屋市の企業です。

依頼者は創業55年の老舗ふとん店です。

高木さんは主婦のデザイナーと協力して作り上げたホームページのデザインを提案しに来たのです。

依頼者には今回の提案を満足してもらえたようでした。

高木さんは、今の仕事のスタイルに手ごたえを感じていました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

大企業と言えども、個々の新しい開発や業務については小規模のプロジェクトチーム化を取り入れて進められているのが一般的です。

そう考えると、“一人企業”でも事業のアイデア次第でプロと言われる人たちとプロジェクトチームを組むことによって、アイデアをかたちにすることが出来るのです。

勿論、“一人企業”である以上、今回ご紹介した高木さんの活動は、アイデアだけでなくプロデューサー、兼プロジェクトリーダーと言えます。

こうした位置づけで考えると、“一人企業”でもアイデア次第でいくつものプロジェクトを立ち上げると、場合によってはいくつもの企業を経営することも可能になるのです。

 

こうしたことを容易に出来るようにした背景は、冒頭にお伝えしたようにネット社会なのです。

インターネットを通して、様々なスキルと持った人たちと結びつくことが出来、またラインなどを使えば、無料でコミュニケーション出来ます。

また、必要な情報についてもクラウド化しておけば、関係者が容易に情報を共有化しておくことが出来ます。

更には、出来上がったサービスや商品の販売についても、楽天やヤフーなどのネット通販を通して容易に販売ルートを作り上げることが出来ます。

また、こうした情報はネットを通して不特定多数の人たちにオープンになります。

ですから、以前よくいわれていたように、仮に提供するサービスや商品に1万人に一人の人が興味を持ってくれたとしても、1000万人規模では1000人の人に情報が伝わるのです。

そして、こうした中で、たとえ数人の人だけが購入してくれたとしても、購入者の満足度次第でその良さはネットを通して拡散していくというのが今の“一人企業”を取り巻く枠組みなのです。

 

ということで、アイデアとそれを達成したいという強い意欲のある方々は、老若男女を問わず、“一人企業”に挑戦してみていただきたいと思います。


 
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2016年09月25日
No.3504 ちょっと一休み その561 『現代の忍者 その1 武術を超えた技!』

私が子どもの頃、空前の忍者ブームで漫画やテレビ番組、あるいは映画でもよく取り上げられていました。

ですから、私も並外れた能力の忍者にあこがれていた時期がありました。

そうした中、7月7日(木)放送の「いま忍者 初見良昭八十四歳」(NHKBSプレミアム)で驚くべき実際の忍術について取り上げていました。

そこで3回にわたってご紹介します。

1回目は、武術を超えた技についてです。

                         

戦国の世に暗躍した忍者たちの使命は、敵の情報を奪い、主のもとに必ず生きて帰ることでした。

忍者は遠い昔に滅びたと思われています。

しかし、21世紀の今でも忍者は存在しているのです。

初見 良昭さんもその一人です。

900年の歴史を持つといわれている戸隠流忍法第43代宗家です。

初見さんは修行の果てに忍術を核とした武道を作り上げました。

84歳になった今も多くの弟子たちを育てています。

 

千葉県北西部に位置する人口15万人の野田市、この町の一画に毎日多くの外国人が訪れています。

彼らの目的地は初見さんの建てた武神館道場です。

84歳の初見さんが屈強な外国人の男性たちを手玉に取っています。

何人でかかっても初見さんに適いません。

弟子の8割は外国人といいます。

年間延べ1万人以上がこの道場を訪れています。

 

初見さんは、殴ったり蹴ったりしていません。

相手に軽く触れ、指先を取るだけで、手を握りもしません。

相手は自分から倒れ込んでいるように見えます。

初見さんは、こうしたご自身の動きについて、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「空間ができれば、どんな大きな奴でも指で要を取ればコントロール出来る。」

 

カナダから修行に来た女性は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「宗家の動きは常に変わるので真似出来ません。」

「技術を超えた何かがある気がします。」

「それが何なのかを知りたいのです。」

 

また、南アフリカから修行に来た男性は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「私の動きは宗家に見抜かれている。」

「宗家に少し触れられただけで自分から倒れてしまう。」

「まるで自分自身と戦っているみたいだ。」

 

小柄な老人による神業の数々、まさに達人です。

 

初見忍術は、戸隠流忍法を核として、その他に様々な古武術が合わさって出来ています。

初見さんを語るのに欠かせない人がいます。

高校、大学と柔道に打ち込んできた初見さんは自分の強さに自信を持っていました。

しかし、27歳の時に出会った一人の男性に全く歯が立たず、弟子入りしたのです。

師匠の高松 寿嗣さんは、戦前国の内外で多くの他流試合に勝利し、最後の実践忍者と呼ばれた人物です。

初見さんは、師匠の高松さんに最初に出会った時の様子を次のようにおっしゃっています。

「まずね、自分が座っていたら先生が部屋に入ってきたわけですね。」

「お楽にお楽にって言っても、立てないんですよ、身体が固まっちゃって。」

「こんな恐ろしいというか、恐ろしいというよりも何というかなあ。」

「それで先生のところに15年通いました。」

 

戸隠流忍法を始め数々の忍法を初見さんに伝えた高松さんは、忍術の本質は護身術であると教えました。

その考えが初見忍術の原点になっています。

 

初見さんが30代の時、空前の忍者ブームで雑誌やテレビなど様々なメディアから引っ張りだこだった初見さんは、睡眠不足が健康を蝕んでいきました。

自立神経失調症で5年間病気をしたのですが、病を克服した初見さんから様々な欲が消えました。

相手を打ち負かそうという闘争心が無くなり、初見さんは力に頼ることが無くなりました。

自分からは攻撃しない、最小限の動きで身をかわし、相手を操るのです。

倒れた相手を押さえつけたりもしない、指先で軽く触れているだけです。

でも相手は全く動けないのです。

初見さんがたどり着いた力に頼らない境地です。

それを象徴するのが女性の忍者です。

女という漢字の成り立ちから、女性の忍者は“くの一”と呼ばれるようになったといいます。

初見さんは、“弱と示して強に出る”というのが武道の極意で、その典型的な例が女性という動物だといいます。

 

ある日、女優の武田 梨奈さんが初見さんの道場を訪れてきました。

竹田さんは、空手歴15年、全日本チャンピオンになった経験もあります。

その竹田さんが、初見さんの忍術の一端に触れ、次のような感想をおっしゃっています。

「普通の空手の稽古だとボコボコにされても耐えられるんですけど、そういう気持ちになれないです。」

「本当に殺されると思っています。」

「ここにいると本当に怖いんですよ。」

「でもみんな笑顔なのがまた怖いんです。」

 

「私が親指を何されたか分からない、一瞬すぎて、(でも)触られた瞬間に身体全体が抵抗すら出来ない、それされた瞬間に怖くて何も出来なくなってしまったの。」

「軽くパンチしてみてと言われても手が出ないというか、普通だったらパンチすぐ出来るのに出来ない。」

「親指触られただけで怖くなったの初めてだったので、でも何が怖かったと言われたら正直分からない。」

「未知の世界でした。」

 

竹田さんの今回の体験は、竹田さんに大きなヒントを与えました。

それは空手にはない相手の力を利用するアクションです。

 

一方、空手歴40年、世界の空手家を代表する一人、日本空手協会総本部師範でもあり、武道の道を追求する中 達也さんは以前から初見さんの技を見てみたいと思っていました。

居ると思った場所に初見さんが居ない、この初見さんの虚実の秘密を知りたいと中さんは初見さんを訪ねました。

空間や時間を自由自在に操っているような、相手を完全にコントロールしているように見えることについての中さんの問いに対して、初見さんは次のように答えられております。

「壁を透明にしちゃうことが大事ですね。」

 

ちょっとこの言葉は理解しがたいのですが、目標が無い、確かに初見さんの相手である弟子の方々は殴る目標を見失ったかのようにバランスを崩しています。

そこに居たはずの初見さんがまるで居なくなったかのようです。

これは初見さんのおっしゃる透明なのでしょうか。

中さんが体験した虚の世界、それは武道を突き詰めた先にある高みだったのです。

 

中さんは、初見さんから実際に体験させられた虚の世界についての感想を次のようにおっしゃっています。

「自分でここ何年間かずっとテーマにしていることがそのままだったので。」

「虚と実の間、間というのは空間であり時間であり時空になってくるわけです。」

「対象がいないんです。」

「心が起きないんです。」

「例えば、突こうという心が起きないんです。」

「だから逃げようと思う気持ちも起きてないんです。」

「だから、みんなコントロールされちゃっているんです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

初見さんの到達した武術を超えた技についてとても興味が湧いてきましたが、番組の中で語られる方々の内容からは尋常ではない恐怖心も感じられます。

機会があれば、是非初見忍術を体験してみたいと思います。

また、初見忍術とボクサーやプロレスラーが試合をしたらどうなるだろうかと想像されます。

 

一方で、忍術の本質は人を殺すことではなく護身術であるということについては救われます。

戦国の世に暗躍した忍者たちの使命は、敵の情報を奪い、主のもとに必ず生きて帰ることを考えれば、やたらと敵を殺すのではなく、“護身”が本質であるというのはとても理解出来ます。


 
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2016年09月24日
プロジェクト管理と日常生活 No.455 『築地市場移転に思う その4 埋没費用に囚われるな』

小池都知事は都知事選で公約の一つに掲げていた都政の透明化の一環として築地市場移転計画の見直しを表明されていました。

そうした状況を反映して、連日のように関連記事が報道されています。

プロジェクト管理の観点からそうした記事の中から5回にわたって私の感じたことをお伝えします。

4回目は、囚われるべきでない埋没費用についてです。

なお、埋没費用についてはプロジェクト管理と日常生活 No.191 『原発推進派が固執する埋没費用』を参照下さい。

 

小池都知事が築地市場から豊洲新市場への移転時期の延期を決断した理由として挙げていたのは、安全性の懸念以外にも不透明な費用の増加、および情報公開の不足がありました。

小池都知事は、移転に伴う事業費が当初の3926億円から5884億円に増加したことに疑問を持たれたのです。

 

そこで、今回はプロジェクト管理の観点から既に使用済の費用、すなわち埋没費用(Sunk Cost)について取り上げます。

当初の予定通り11月7日に移転すべきであるという推進派の中には、既に移転事業のために莫大な投資をしているので今更途中で止めるわけにはいかないという声が上がっていました。

 

しかし、いくらこれまで莫大な投資がなされていても、現時点での客観的な評価をもとに移転時期を延期してでも安全性の最終評価を待ってから移転させた方が良い、あるいは長期的に見れば、既にかなり工事が進んでいても設計の一部変更をして作り直した方が良い、という決断が下された場合には過去の投資の多寡、すなわち埋没費用の大きさに囚われてはいけないのです。

 

特に小池都知事が指摘されているように、誰がどのような過程で決定したのか分からない状態で事業費が当初予算から大幅に増えたことについてはきちんと精査し、その結果を情報公開する必要があるのです。

 

本来、これまでの都知事や都議会が築地市場移転に伴う事業予算の増加などについて説明責任を果たし、情報公開をしていれば今回のような問題は起きなかったのです。

このようなこれまでの体質は、当然東京オリンピック・パラリンピック開催プロジェクトにおいても同様の問題をはらんでいます。

ですから、今回の問題を契機に都政の透明性の改善が図られることを東京都民は期待していると思います。


 
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2016年09月23日
アイデアよもやま話 No.3503 ドラッグ・リポジショニング その2 抗がん剤の効果を再び引き出してくれる薬!

今、iPS細胞による再生医療など、医療分野で新たな治療法がどんどん進化しつつあります。

そうした中、7月31日(日)放送の「サイエンスZERO」(NHKEテレ東京)で創薬革命(ドラッグ・リポジショニング)について取り上げていました。

そこで2回にわたってご紹介します。

2回目は、抗がん剤の効果を再び引き出してくれる薬についてです。

 

去年、世界初のがん治療法が日本から発信されました。

抗がん剤ドセタキセルが効きにくくなったがん細胞をある既存薬で再び効くようにさせるというのです。

研究されたのは、男性では胃がんに次いで罹患率が高い前立腺がん、その治療で問題となっているのが抗がん剤に対する耐性です。

一度耐性が付くと、抗がん剤の効果がなくなり、治療を断念せざるを得ません。

そうした中、抗がん剤の効果を再び引き出してくれる薬がドラッグ・リポジショニングで見つかったのです。

それがC型肝炎の薬、リバビリンです。

 

このドラッグ・リポジショニングでがんの症状が劇的に改善した患者がいます。

ある男性(82歳)は11年前前立腺がんと慶応義塾大学病院(東京都新宿区)で診断されました。

骨に転移があり、当初余命4年と考えられていたほど、症状は深刻でした。

この男性は抗がん剤を10年近く続けましたが、耐性が付き効果が得られなくなっていました。

本当にがんの治療に効果があるのか、この男性は早速薬の併用を開始しました。

薬を投与する前は太ももの付け根の骨にがんの転移が見えたのですが、薬を投与して6ヵ月後なんとがんが消えたのです。

抗がん剤が再び効くようになったのです。

 

そのメカニズムは以下の通りです。

ガン細胞は、急激なスピードで分裂し、増殖していきます。

抗がん剤はこの増殖を抑えてがん細胞を増やさない作用があります。

ところが、抗がん剤を使い続けると、増殖出来ないがん細胞は分裂のスピードを落とします。

その代わり、自分の周りにガードを作って抗がん剤を受け付けないようにします。

これが耐性です。

そこで効果を発揮するのがリバビリン、これを投与すると不思議なことにガードが壊れ、急速な分裂をする状態に戻します。

こうして再び抗がん剤が効くようになるというのです。

 

この療法の開発に携わった慶応義塾大学病院泌尿器科の小坂 武雄医師は、治療が長期間にわたる抗がん剤治療ではドラッグ・リポジショニングが効果的だと考えています。

小坂さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「もともとがんが効いていた頃のがん細胞と効かなくなったがん細胞を比較して、もとの時に効くようになると、そういった治療は非常に有効なんじゃないかなと考えております。」

 

なお、リバビリンについては現在臨床試験中といいます。

 

こうしたドラッグ・リポジショニングについて、堀本さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「もともと抗がん剤の開発というのは非常に時間もかかり、お金もかかり、かつそれが開発されたとしてもそれぞれ個人によって効く薬、効かない薬がありますのでそういう枠組みから外れたかたちで今、薬が効かなくなった状態を効くようにする新しいコンセプトで作られたドラッグ・リポジショニングだと思っています。」

「(今後ドラッグ・リポジショニングの研究はどのように進んでいくのかという問いに対して、)希少疾患はお薬がありませんので、そういうものに対して我々のアプローチを使った既存薬の発見を試みていこうと思っています。」

「もし、それが出来ましたら現実に無くて困っていらっしゃる方にお薬が届けられると。」

「非常に壮大な希望ですけども、それに向かって仕事をしていきないなと思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

抗がん剤の効果がなくなってしまったのを再び引き出してくれる薬もドラッグ・リポジショニングで開発出来るのですから、ドラッグ・リポジショニングの可能性はどこまで広がるのかとても期待したくなります。

 

病院に入院して大手術を受けなくても、薬だけの自宅療養で病気が治せるようになれば、患者の金銭的な負担、あるいは長期の入院が不要になり、しかも医療費の軽減は健康保険行政の負担も軽くなります。

ですから、ドラッグ・リポジショニングに限らず、あらゆる医療技術は手術ではなく薬を通しての治療を目指して欲しいと願います。

そういえば、再生医療のiPS細胞についても、薬が将来のiPS細胞による医療法の一つのかたちとして目指していると記憶しています。


 
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2016年09月22日
アイデアよもやま話 No.3502 ドラッグ・リポジショニング その1 既存薬を別の疾患薬として利用!

今、iPS細胞による再生医療など、医療分野で新たな治療法がどんどん進化しつつあります。

そうした中、7月31日(日)放送の「サイエンスZERO」(NHKEテレ東京)で創薬革命(ドラッグ・リポジショニング)について取り上げていました。

そこで2回にわたってご紹介します。

1回目は、既存薬の別の疾患薬としての利用についてです。

                                 

様々な病気や怪我を治してくれる薬、ところが今、新薬の開発がとても難しくなっています。薬の材料になる化合物が出尽くし、新薬の数が頭打ちになっているのです。

そうした中、今、薬の世界に革命が起きています。

それがドラッグ・リポジショニングです。

既存の薬を全く別の疾患の薬として利用することが可能になったのです。

糖尿病の薬ががんに効くという研究をはじめ、薬の新たな効能探しが続々と始まっているのです。

製薬会社もドラッグ・リポジショニングに乗り出しています。

 

ではなぜ既存薬が他の疾患に効くのでしょうか。

明らかになってきたのが、遺伝子と薬の意外な関係です。

こうして、世界初となるがんの治療法まで誕生しようとしています。

10年近く治らなかったがんがドラッグ・リポジショニングでなんと消えてしまったのです。

ドラッグ・リポジショニングが創薬の常識を覆そうとしているのです。

まさに、創薬革命です。

 

このドラッグ・リポジショニング、日本国内だけでなく世界各地で研究が進んでおり、関連論文数はここ数年で毎年倍増しています。

新薬を開発するには、長い場合には開発期間が15年もかかり、開発費も1000億円もかかってしまうといいます。

しかし、結果的に新薬として販売されるのはわずか3万分の1の確率といいます。

そうした中、開発費や開発期間を大幅に減少させることが出来るのがドラッグ・リポジショニングなのです。

既存薬が他の疾患に効く理由について、産業技術総合研究所の創薬分子プロファイリングセンター副研究センター長の堀本 勝久さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「元々既存薬の中に他の疾患に対する効能が隠されていたということですね。」

「一つだけではなくいろいろな効能が秘められていたということです。」

 

「(ドラッグ・リポジショニングの発見の偶然性について、)偶然に頼ってきた研究を現在必然に持って行こうと研究を一生懸命しております。」

「それは遺伝子に着目するということです。」

「昔から薬と遺伝子の関係というのは言われていたわけですけども、最先端の技術を使いまして深い関係にあるということがよく分かってきました。」

 

身体の細胞の中には2万数千の遺伝子がありますが、普段そのほとんどは眠っています。

そこへ「起きろ」という伝達物質が来ると、ここで初めて遺伝子が自分の活動を開始します。これを「遺伝子の発現」といいます。

ところが、病気になって周囲の環境が変わると、特定の遺伝子の発現量が極端に増えたり、減ったりしてしまいます。

こうした発現量の違いが病気の本質だといいます。

そして、遺伝子の異常な発現を元に戻すのが薬というのです。

 

では、どうしたら遺伝子の発現を捉えることが出来るのでしょうか。

そこにも最新の技術が活躍しています。

薬を探す鍵となる遺伝子の発現量を測定する機器が次世代シークエンサーです。

特殊な酵素を振りかけて遺伝子を一つ一つ撮影します。

白くなっているのが発現している遺伝子、こうして2万数千個全ての遺伝子の様子が分かるようになったのです。

がん患者のドラッグ・リポジショニングを進める東京大学ヒトゲノム解析センターの柴田 龍弘教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「このシークエンサーを使いますと、我々がまだ知らなかったような新しい遺伝子についても全て網羅的に調べることが出来ます。」

「全体像が分かりますと、正常な細胞とがん細胞ではどこが違うかということも分かってきます。」

「これまで予想もつかなかった新しい細胞の状態、病気の状況というのがそれで理解出来るんですね。」

 

実際に遺伝子の発現量の違い測定するにはヒートマップを使います。

次世代シークエンサーで得られたデータをスーパーコンピューターで解析して数値データを色で表します。

番組で紹介したヒートマップでは、縦軸に遺伝子が並んでいて横軸にある病気の人と健常者を並べて比較すると、発現量が少ないほど赤、発現量が多いほど白で表わされています。

 

このヒートマップに薬の開発のヒントが隠されています。

ある遺伝子が同じ色の場合、病気も健常もほぼ同じ発現量なので病気には関係しません。

一方、別な遺伝子で色が違う場合、病気と健常で発現量に差があるので、病気の原因の可能性があると判断出来るのです。

こうして健常者と病気の人で発現量の違う遺伝子が病気の原因と考えられています。

この遺伝子に働く化合物を探すのがドラッグ・リポジショニングなのです。

 

では、ここからどのように沢山の薬の中からドラッグ・リポジショニングで抽出するのかが次の問題です。

産業技術総合研究所の創薬分子プロファイリングセンター(東京都江東区)では、薬探しにパソコンを使っています。

コネクティビィティマップ、通称Cmapと呼ばれる遺伝子発現のデータベースです。

なんと薬はこのサイトで見つけられているのです。

ハーバード大学などによる運営サイトで、薬の材料となる1309種類の化合物がどの遺伝子の発現に係わっているのかが公開されています。

例えば、大腸がんに効く薬を探したい場合、大腸がん患者の発現量が異常な遺伝子の名前を入力すると、10秒ほどで大腸がんを抑制する可能性のある化合物のリストが表示されます。

選ばれたのは305種類、頭痛薬アスピリンもランクイン、アメリカでは大腸がんの薬として既に実用化されています。

 

こうした状況を初めて目にした時を思い出して、堀本さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(Cmapは)遺伝子の発現量と病気とそれに対する薬というものが、全く違う3つのものをつないだわけですから、素晴らしいアイデアだったし、他にすることがないくらいの完成度で発表されたので非常に驚きであり、学者として非常に悔しい思いをしました。」

 

「(パソコンで薬として使えるのかという問いに対して、)そうはいきません。」

「今日お見せしましたのは(Cmapで検索された)候補薬でありまして、この後臨床試験を経て、それに合格した化合物だけがドラッグ・リポジショニングされたと見なすことが出来ます。」

「(実際の成果について、)私どもの研究室で5種類くらいの疾患につきまして候補薬が上がってきております。」

「まだまだ実用化に向けて時間がかかると思いますけれども。」

 

「一つの薬が複数の効能を示すということは沢山の原因遺伝子に作用しているということが考えられますので、複数の遺伝子をターゲットにした方がいいのではないかと思います。」

 

以下は、ドラッグ・リポジショニングの具体例の一部です。

・糖尿病の薬、メトホルミンががんの治療に効果がある

・高脂血症の薬、スタチンが脳梗塞の発症を抑制する

・心不全の薬、カルペリチドが肺がんの転移を抑制する

・狭心症の薬、シデナフィルが男性の性的機能不全に治療に効果がある

・胃潰瘍の薬、レパミピドがドライアイに効く

・C型肝炎の薬、リバビリンが抗がん剤の作用を取り戻す・

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

遺伝子の発現量の違いが病気の本質であり、遺伝子の異常な発現を元に戻すのが薬というアイデアはこれまでにない病気や薬に対する全く新しい解釈であり、とても驚きです。

また、ドラッグ・リポジショニングにより開発された薬は、これまでよりも開発期間は短く、開発費用も低く抑えられるのですから、病気により効き易い薬を、より早く、より低価格で私たちは入手出来るようになるのです。

ですから、ドラッグ・リポジショニングはまさに創薬革命と言えます。


 
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2016年09月21日
アイデアよもやま話 No.3501 海から離れた場所でのプラスチックゴミを減らす取り組み!

海に漂う5ミリ以下になった小さなプラスチックゴミ、マイクロプラスチックについては、以前プロジェクト管理と日常生活 No.449 『東京湾の魚の6〜8割がマイクロプラスチックを保有している!?』でもお伝えしました。

そうした中、7月18日(月)放送のニュース(NHK総合テレビ)で海から離れた場所でのプラスチックゴミを減らす取り組みについて取り上げていたのでご紹介します。

 

マイクロプラスチックは有害物質が付きやすく、生態系に影響を与える恐れが指摘されています。

海を守るために何が出来るのか、海から少し離れた場所でも取り組みが始まっています。

 

京都の観光地、保津峡では地元の子どもたちがペットボトルなどのゴミを回収しています。

およそ60km先にある大阪湾に流れ出て海が汚れるのを防ぐのが狙いです。

 

自然界では分解されないプラスチック、紫外線や波などの影響で砕かれた小さなかけら、マイクロプラスチックが今、地球規模の問題になっています。

マイクロプラスチックは石油から出来ているため、油に溶けやすい有害物質のPCBなどが付きやすくなっています。

魚などが餌と間違えると、有害物質を体内に取り込むことになります。

食物連鎖の過程でこれが繰り返されると、有害物質の濃度が高くなり、生態系に影響が出る可能性があるのです。

 

プラスチックゴミを効率的に減らそうという取り組みも始まっています。

大阪商業大学の原田 禎夫准教授はスマホを使ったアプリを開発しました。

川などで見つけたら、写真とゴミの量、そして位置情報を送信します。

どこにどれくらいプラスチックゴミがあるか一目で分かる仕組みです。

 

京都府亀岡市でこのアプリを使った結果、地域を流れる3本の川のうち1本にゴミが集中していることが分かり、自治体が集中的に清掃活動を行いました。

自治会による清掃活動に参加した方は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「亀岡のあるお店のレジ袋が大阪湾で見つかっている。」

「支流の上流のゴミを減らさないと、海のゴミは減らない。」

 

また、海洋汚染を研究している東京農工大学の高田 秀重教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「私たち自身が毎日使うプラスチックの管理の仕方を考えなければいけないということで、海に近くても遠くても皆さんに関心を持ってもらいたい問題だと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

「フライパン上のゆでカエル」に例えられるように、プラスチックゴミも徐々に徐々に海に蓄積されていくと食物連鎖に大きな影響をもたらし、取り返しのつかない状態になってしまいます。

ですから、啓蒙活動や今回ご紹介したような活動への取り組みが求められます。

同時に、環境に影響を与えないような石油由来ではない素材を原料にしたプラスチックの開発が早急に求められるのです。


 
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2016年09月20日
アイデアよもやま話 No.3500 これから必要性を増す環境発電!

これまで何度となく様々な発電方式についてご紹介してきました。

そうした中、7月14日(木)付け読売新聞の夕刊記事で環境発電について取り上げていたのでご紹介します。

 

自動車の振動やコンピューターの熱など、利用されていない微弱なエネルギーから電気を取り出す「環境発電」の研究が盛んになっています。

電源や電池交換が不要なデジタル装置が実現すれば、あらゆる機器をインターネットにつなげデータを活用するIoT(Internet Of things)の導入に弾みがつきます。

 

手の中に納まる小さなスイッチを押すと、約100個のLEDが一斉に光りますが電池は見当たりません。

鉄とガリウムの合金、コイル、磁石などでできたスイッチそのものが電気を起こしているのです。

 

開発したのは、金沢大学の上野 敏幸准教授(43歳)です。

周囲の磁界が変化すると磁性を持つ金属がわずかに伸び縮みする「磁歪」という現象を応用したのです。

スイッチを押す力で合金が縮むと、逆に磁界の方が変化し、電磁誘導の原理でコイルに電流が流れるのです。

長さ16ミリ、幅6ミリの合金で約0.1ワットの電力を瞬間的に生み出せるのです。

家電のリモコンや自動車のセンサーなどに応用でき、企業と協力して3年以内の実用化を目指すといいます。

 

記事ではこの他に廃熱を使った発電に使える、異なる金属や半導体を張り合わせ、その間に温度差があると電気が流れる「熱電子交換素子」についても取り上げていました。

 

このように、私たちの身の回りには、振動、光、音、電波、体液(糖分など)、熱などのエネルギー源があります。

こうした環境発電の歴史は古く、電波をエネルギー源にして音を出す「鉱石ラジオ」はその先駆けといいます。

また、太陽光発電を利用した電卓や腕時計は既に普及しています。

こうした環境発電の普及の背景には、電子部品の消費電力が下がり、わずかな電力でも応用出来る可能性が広がったことがあるといいます。

 

以上記事の内容をご紹介してきましたが、冒頭でもお伝えしたように、これから本格的なIoTの時代を迎えます。

それに伴い、従来のリモコンなどに加えて多くの機器で電力が消費されるようになります。

ですから、それぞれの機器の消費電力を出来るだけ抑えること、およびそれぞれの機器の消費電力に見合った出力の電源や電池不要の環境発電の両方の必要性がどんどん高まっていくことが見込まれます。


 
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2016年09月19日
アイデアよもやま話 No.3499 参考にすべきソフトバンクのAIの業務への活用!

9月13日(火)、「大塚商会ビジネスソリューションフェア2016 in 横浜」に行ってきました。

そこで、今回ご紹介したいのは「「Pepper」と「IBM Watson」の融合が創り出す新たな世界」をテーマにした講演、中でもソフトバンクでのAI(人工知能)の業務への活用についてです。

 

ソフトバンクは、コミュニケーションロボット「Pepper(ペッパー)」を手掛け、さらにはアメリカのIBMが開発したAIシステム「IBM Watson(ワトソン)」とも提携しました。

更に、今年7月25日にはIoT(Internet Of Things)の中核となる可能性を秘めたチップ大手ARMを3.3兆円で買収すると発表しました。

また、以前アイデアよもやま話 No.3427 ソフトバンクの株主総会に出席して感じたこと その1 技術的特異点が人類進化のきっかけになる!?などでご紹介したように孫社長は技術的特異点((Technological Singularity))を見据えた新たなフロンティアを目指して果断にチャレンジすると表明されています。

 

こうした背景の中で、ソフトバンクグループの中山五輪男首席エヴァンジェリストさんによる講演を興味津々で拝聴しました。

中山さんは、「Pepper」と「Watson」について、それぞれの事例紹介をされていましたが、今回ご紹介したいのは、ソフトバンクでのAIの業務への活用についてです。

なお、一部の情報についてはネット検索した結果も参考にしております。

 

ソフトバンクでは社内で「IBM Watson」を用いた業務支援システム「SoftBank BRAIN」を提供し始めました。

その背景には、生産性2倍、売り上げ2倍というような常識的にはとても達成出来そうにない社内目標が掲げられていることがあるといいます。

こうした一見不可能な目標の達成には“飛び道具”、すなわちAIなどの活用が必須というわけです。

ここにはソフトバンクは「SoftBank BRAIN」や「Pepper」の活用でビジネス革命を起こそうという本気度がうかがえます。

 

SoftBank BRAIN」は、「IBM Watson」が持つ情報と自社のデータを組み合わせ、スマホなどから利用することで業務を効率的にこなすシステムになるといいます。

中山さんは講演中に、実際にご自身のスマホで「SoftBank BRAIN」に参考になりそうな客先への説明資料や福利厚生関連などいくつか質問を問いかけていましたが、瞬時に最も適した説明資料など的確な答えが返ってきました。

なお、「SoftBank BRAIN」が導入されるまでは、こうした社内の問い合わせ窓口業務にかなりの人数と時間が割かれていたといいます。

 

ソフトバンクでは現在、「SoftBank BRAIN」を自社内で検証中であり、検証が終わり次第顧客に提案していくとしているようです。

 

以前から、日本の産業の中でも特にサービス業の生産性は相対的に低いと言われてきましたが、「SoftBank BRAIN」のようなシステムの活用により一気に生産性向上を図ることが出来ると期待されます。

 

SoftBank BRAIN」をきっかけに、AIやビッグデータ、あるいはIoTをフル活用することによって、日本の産業が一気に生産性を向上出来る方向に進んで欲しいと思います。

しかし、当然のことながら、現状のままでの「SoftBank BRAIN」の導入では効果はほとんど期待出来ません。

現在の業務の見直しや既存情報の整理なども合わせて行う必要があります。

ですから、今のうちから「SoftBank BRAIN」のようなシステムの活用を睨んで、各企業は前準備を進めておくことをお勧めします。

こうした流れに乗り遅れることは、間違いなくビジネス戦線からの脱落の危機を迎えると経営層の方々はお考えになられた方が賢明です。

 

最後に、9月14日付け時事通信のネットニュースよると、東京都は9月14日、働き方改革の一環として、10月中旬から全職員を夜8時までに退庁させる取り組みを始めると発表しました。

東京都では、これまでお伝えしてきたように築地移転問題で多くの人たちから信頼感を失っています。

是非、小池都知事にはこうした機会を逆手に取って、「SoftBank BRAIN」のようなシステムや「Pepper」を導入して大幅に生産性を向上させて夜8時といわず6時か7時には帰宅出来るようにし、合わせて都職員の意識も改革し、他の自治体の手本となるように頑張って欲しいと思います。

これまでの小池都知事の一連の行動からすると、こうした期待感も持てそうです。

また、こうした取り組みが成功すれば、これまでの経済的な損失も10年くらいで挽回出来るはずです。


 
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2016年09月18日
No.3498 ちょっと一休み その560 『プログラミング教育の小中高での試行開始!』

今や、4歳くらいの幼児がスマホを使いこなしてゲームを楽しむような時代になっています。

そうした中、9月5日(月)付け読売新聞の朝刊で「プログラミング教育 今月試行」という見出しの記事がありましたのでご紹介します。

 

総務省は9月から、コンピューターを使ったプログラミング教育の授業を全国の小中高校など約20校で試行します。

プログラミング教育は2020年度から小学校で必修となることが決まっており、指導方法などの課題を洗い出す考えです。

 

プログラミング教育は、情報技術(IT)分野の人材育成などが狙いで、2020年度に小学校で必修となり、中学校、高校でも2021年度以降に拡充されます。

モデル校では、放課後や土日を使ったプログラミング教育の課外授業も行います。

 

総務省は、モデル校での取り組みをインタ−ネット上に蓄積し、効果的な指導法を確立する材料としたい考えです。

総務省では2017年度までにモデル校を倍増し、プログラミングの能力に秀でた児童や生徒向けの授業も実験的に行います。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

江戸時代には、教育といえば読み・書き・そろばんといわれていましたが、教育の内容も時代ととも変わってきています。

そして、これからの時代は増々テクノロジーが重要性を増していき、そのベースはAI(人工知能)、ロボット、ビッグデータ、そしてIoT(Interenet Of Things)だと思います。

また、こうしたテクノロジーもその一つ一つの要素はプログラムで構成されているのです。

ですから、遅ればせながらですが、プログラミング教育を小中高で推進していくことは理に適っていると思います。


 
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2016年09月17日
プロジェクト管理と日常生活 No.454 『築地市場移転に思う その2 重大決定時に無視出来ない依存関係』

小池都知事は都知事選で公約の一つに掲げていた都政の透明化の一環として築地市場移転計画の見直しを表明されていました。

そうした状況を反映して、連日のように関連記事が報道されています。

プロジェクト管理の観点からそうした記事の中から5回にわたって私の感じたことをお伝えします。

3回目は、重大決定時に無視出来ない依存関係についてです。

 

1回目で、築地市場から豊洲新市場への移転プロジェクトの初期段階で行われるべき調査結果の最終報告が豊洲新市場への移転後に計画されていることの不可思議さ、および移転時期を11月7日から延期することが決定されたことについてお伝えしました。

 

一方、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて選手村や競技会場と都心を結ぶ道路として整備される環状2号線は、全長約14kmのうち約450mが築地市場跡地に整備され、一部が地下化されることになっています。

都によると、地下化は換気塔や照明などを設置する必要があり、通常の道路整備より時間がかかり、このため移転延期は大会前の開通を困難にしかねないといいます。

要するに、今回の築地市場の移転時期延期の決定が大会開催に伴う道路の整備に大きな影響を与えかねないというのです。

 

このように、あるプロジェクトを進める上で、このプロジェクトの進捗遅れが他のプロジェクトに影響を与えたり、あるいは他のプロジェクトの進捗遅れがこのプロジェクトに影響を与えたり、というプロジェクト間の関係を依存関係があるといいます。

一般的なプロジェクト開発において、管理項目の一つとしてこうした依存関係の有無を把握し、問題が発生しないように管理することが必要なのです。

 

小池都知事は今回の移転時期延長の決定に際して、道路の開通が大会に間に合わない可能性に関して「どのような工法で工事出来るか検討する」と、開通と移転延期を両立させる意思を示したといいます。

小池都知事が今回の決定に際して、どの程度のフィージビリティスタディ(実現可能性調査)をされたか分かりませんが、もし今回の移転延期の決定により、大会開催に大きな影響を与えるようなことになれば、小池都知事は責任を問われることになります。

 

このように、特に東京オリンピック・パラリンピック開催のような国家プロジェクトと依存関係のある築地市場移転プロジェクトの進捗を左右するような決定に際しては細心の注意を払う必要があるのです。


 
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2016年09月16日
アイデアよもやま話 No.3497 迷惑メールのブラックリスト、携帯各社で共有化!

迷惑メール対策については以前、プロジェクト管理と日常生活 No.451 『求められるAIによる迷惑メ−ル対策!』などでお伝えしたことがありますが、その後も私自身その処理に大変迷惑しております。

そうした中、9月7日(水)付けのネットニュースで迷惑メールのブラックリストを携帯電話各社で共有化する動きがあると報じられていたのでご紹介します。

 

NTTドコモなど携帯電話大手各社などは9月7日、携帯事業者が運営するメールアドレス(キャリアメール)を使った迷惑メールを防止するため、来月1日から携帯事業者間で迷惑メールアドレスなどの送信者情報の提供を受け付けた上で共有すると発表しました。

迷惑メールのブラックリストを各社で共有し、迷惑メールを減らすことで、LINEなどの対話アプリに押されているキャリアメールの利便性向上を図るといいます。

 

迷惑メールを受け取った人が、迷惑メールの件名や本文、送信者のメールアドレスなどを各携帯会社の迷惑メール専用のメールアドレスに転送すると、各社が情報共有して利用停止などの措置を講じるのです。

 

これまでは、ドコモの利用者宛てにソフトバンクのキャリアメールの迷惑メールが来た場合は、ドコモは送信者の利用停止などは出来なかったのが、情報共有することで別の携帯会社でも対策がとれるといいます。

 

以上、記事の内容をご紹介してきましたが、こうした動きは、過渡的な対策として、とても有効だと思います。

 

迷惑メールに限らず、ネット上の詐欺サイトなどについてもブラックリストをプロバイダー間、あるいはセキュリティソフト会社間で共有し、被害の防止対策として活用して欲しいと思います。

同時に、特に悪質な迷惑メールの送信者や詐欺サイトの提供者については、実際に被害が生じなくてもブラックリストとして公表するだけでなくし、不正行為として取り締まれるようになって欲しいと思います。


 
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2016年09月15日
アイデアよもやま話 No.3496 便利な自動野菜栽培システム!

7月8日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で自動野菜栽培システムについて取り上げていました。

そこで、関連ネット情報も合わせてご紹介します。

 

これまでの水耕栽培キットのような電気や機械器具も使わずに自然な循環機能だけで自動的に有機野菜を簡単育ててくれる自動野菜栽培システム(SoBiC)が既に開発されています。

このシステムを開発したネイチャーダイン株式会社の中島 啓二社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「趣味のレベルで(家庭菜園を)ずっとやってたんですけども、やっぱりなかなか収穫が出来なくて、だいたい水やりができずに枯らしちゃうんですね。」

「太陽光を使えば、自動的に給水出来ると思って、仕組みを作ってきたんですね。」

 

この装置の秘密は、パイプにつながった黒い筒で、ここに太陽光が当たると空気が膨張して貯水タンクの水を押し出します。

そして、光が当たっていない時は空気が収縮して水を吸い出す仕組みです。

つまり、日中は貯水タンクから苗に給水され、夜間は土でろ過された水が貯水タンクに戻ります。

自然のリズムで水が循環する仕組みなのです。

なお、ペットボトルの水は2週間〜1ヵ月に1回の頻度で足せばいいといいます。

 

育てられる野菜はスイカ、トマトなど11種類で、2〜3ヵ月で収穫出来るといいます。

価格は、6300円でインターネットで販売中です。

(補足: ネイチャーダインに確認した結果、7月末で試験販売を締め切り、正式販売は来春からといいます。)

 

以上、番組の内容を中心にご紹介してきましたが、以下にネイチャーダインに直接問い合わせた結果をお伝えします。

土に肥料を混ぜていますが、その肥料が無くなり次第補充が必要になります。

また、自動野菜栽培システム本体はアルミで囲まれているのでキラキラし、カラスなどによる被害はほとんどないといいます。

また、対象とする野菜の種類も増やしていく意向といいます。

 

さて、これまで何度かお伝えしてきたように、これからの社会のあり方として持続可能性、そして地産地消、あるいは自給自足が望ましいと考えます。

今回ご紹介した自動野菜栽培システムは、食に関する自給自足をどこでも無理なく実現する一つのあり方と位置付けられます。

ですから、こうしたシステムがどんどん普及出来るように低価格化、そして容易な取り扱いを追求して欲しいと思います。


 
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2016年09月14日
アイデアよもやま話 No.3495 耕作放棄地の再生で防災・雇用へ!

耕作放棄地の有効利用については、太陽光発電の設置といった試みが進められています。

そうした中、6月30日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で耕作放棄地の再生について取り上げていたのでご紹介します。

 

農家の高齢化や後継者不足のため全国各地で増え続けている耕作放棄地ですが、荒れたまま放置された農地は保水機能を失い、土砂災害が起きやすくなるとされています。

そうした中、岐阜県恵那市の山間部で耕作放棄地を農地として再生させ、防災と雇用につなげる取り組みが続いています。

 

農業生産法人、有限会社東野では山間に広がる畑でにんにくを栽培しています。

会社で栽培している畑の広さは約12ヘクタール、その半分余りは耕す人がいなくなり、荒廃した耕作放棄地です。

実は、社長の伊藤 仁午さん(61歳)の本業は建設業です。

農業に参入したきっかけは、16年前の災害でした。

2000年の東海豪雨では、恵那市は2日間で307ミリの雨が降り、山間部の上矢作地区では土砂崩れが起きるなど、大きな被害が出ました。

当時、災害復旧工事にあたった伊藤さんは、被災地を回る中、いたるところで耕作放棄地の被害を目の当たりにしました。

伊藤さんは、この時の想いを番組の中で次のようにおっしゃっています。

「建設業をやっている中で、この地域に入った時にこれはなんとかしないといけないだろうと、農地をもう一度復旧させて災害に強い農山村が出来ないだろうかと。」

 

荒れた農地は保水機能を失い、崩れやすくなっています。

伊藤さんは、こうした農地を少しでも減らそうと考え、8年前に企業が農業に参入出来る制度が導入されたのに合わせて農業生産法人を立ち上げました。

選んだ作物はにんにくです。

荒れた土地でも栽培しやすく、市場での需要が見込めるからです。

そして、耕作放棄地を借り受けては次々とにんにく畑に変えてきました。

地元の農家の人たちもこの取り組みを歓迎しています。

現在はにんにくの加工品で売上を伸ばし、経営も安定しています。

 

防災の視点で始めた耕作放棄地の再生が地域の雇用も生み出しています。

従業員はパートも含めて25人、全員が地元採用です。

幼い子どものいる人も働き易いように子ども連れでの出勤も認めています。

以下はここで働く男女2人の従業員の声です。

「ここに来れば、他のお母さんたちも子どもを連れてきているので、みんなで仲良く出来るし、ありがたいですね、働いている身としては。」

 

「事務員に預けて安心して営業にも行けるし、この仕事でなければ多分仕事を転々としなければ駄目だったのかなと思います。」

「嫁一人じゃ(子どもを)看られないと思うんで。」

 

また、伊藤さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「地域のためにしっかりやることを考えてさえおれば、どうしなくても継続的に地域の保全が出来るというふうに考えております。」

「農業生産法人、企業が農地をしっかりと管理していく、これが僕は大切だと思います。」

 

放置すれば地域に災害をもたらしかねない耕作放棄地、使われなくなった農地に人の手を加えることで新たな役割を生み出すことが可能になるのかもしれません。

 

この農業生産法人には各地の農協などが視察に訪れているほか、4年前からはJICA(国際協力機構)の研修先にもなり、毎年中南米の政府関係者などが研修に訪れているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、耕作放棄地の荒廃が単に土地の放置にとどまらず地域に災害をもたらしかねないということは知りませんでした。

今回ご紹介した耕作放棄地の再生によるにんにくの栽培は、地元の雇用をもたらし、しかも防災にもつながると期待されています。

ですから、国内外でこうした取り組みが広がっていくことは太陽光発電の設置に比べてもいろいろな面でとても理に適っていると思います。


 
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2016年09月13日
アイデアよもやま話 No.3494 世界的な課題、食品ロスの削減!

まだ食べられる食品を捨ててしまう食品ロスについてはこれまで何度となくお伝えしてきました。

そうした中、6月24日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で食品ロスについて取り上げていたのであらためてご紹介します。

 

国内で1年間に出た食品ロスは約632万トンといいます。(2013年度推計)

これは世界中で行われている途上国などへの食料援助量の約2倍に相当します。

食品ロスは日本だけでなく各先進国の間でも共通の課題になっています。

今年5月に行われたG7の環境相会合でも2030年までに世界全体の1人当たりの食品廃棄量を半減することを目指し、各国が強調して取り組むことで一致しました。

食品ロスを減らすことは食べ物がもったいないからということにとどまらず、企業にとってはコストの削減、消費者にとっても無駄な支出を減らすことにつながります。

 

こうした中、企業、消費者の間で意識を変えて向き合おうという動きが新たに起きています。

群馬県のある豆腐メーカーは今、日持ちしない豆腐を余分に製造しないよう新たな試みを始めています。

これまでこのメーカーは毎日のように多くの商品を廃棄してきました。

小売りからの注文には必ず応えなければならないため、商品を多めに作らざるを得なかったのです。

少しでもこのロスを無くそうと、経験や勘を頼りに計画を立ててきましたが、見込みが外れることも多く、こうしたコストが重荷になっていました。

 

そこで、こちらの豆腐メーカーがタッグを組んだのが日本気象協会(東京都豊島区)です。

日本気象協会では今、蓄積した気象データをもとに企業活動を支援するサービスを行っています。

まず選んだのは夏によく売れる寄せ豆腐です。

日本気象協会は過去1年間の気温の変化と販売数の関係を徹底的に分析し、一つの傾向を導き出しました。

寄せ豆腐は熱さが続いた日よりも前の日に比べ気温が大きく上がった時に需要が伸びていました。

“暑くなった”と感じることがポイントだったのです。

こうした新たに作られた需要予測では、食べたくなる度合いを寄せ豆腐指数として表しました。

豆腐メーカーはこのデータを参考にして翌日、翌々日の生産量を見直します。

その結果、昨年度は寄せ豆腐の食品ロスが約30%も減少し、およそ1000万円のコスト削減につながりました。

 

一方、消費者の間でもこれまで捨ててしまっていた食品を大切にして見直していこうという取り組みが広がっています。

その一つが、以前アイデアよもやま話 No.3267 ”食品ロス”への新たな取り組み その3 ”サルベージパーティ”で楽しく”食品ロス”を削減!でもご紹介したサルベージパーティです。

ちなみに、サルベージとは「救い出す」という意味です。

何人かで持ち寄った台所や冷蔵庫に眠っていた食品をプロの料理人にアドバイスをもらい、一味違った料理を作ってみんなで楽しもうというのです。

 

また、食品ロスを減らしたいという消費者とメーカーを結びつけようという動きも出ています。

ある主婦が最近買い集めているのは賞味期限が近づいたり、パッケージが傷ついたりしている食品などです。

きっかけとなったのは、アイデアよもやま話 No.3266 ”食品ロス”への新たな取り組み その2 買い物をして支援につなげる通販サイト! でもご紹介した通販サイトKURADASHIです。

加工食品を中心に5割から9割ほど割安で販売されています。

こちらの主婦は、こうした商品を手にする中で食品ロスへの理解が深まっていったといいます。

 

この通販サイトの運営会社、グラウクス株式会社(東京都渋谷区、代表取締役 関藤 竜也)がこのサービスを始めるにあたって、課題だったのはメーカーから商品を集めることでした。

食品メーカーの中には値下げして販売することはブランドイメージの低下につながると抵抗感を示すところもあるといいます。

そこで、このサイトでは売り上げの一部が慈善団体などに寄付される仕組みにして社会貢献にもつながるようにしました。

現在、企業の数は当初の100社から250社に増えています。

関藤さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「協賛したいただけるメーカーさんは立派な企業だという見え方を作るのも非常に大切なことだなと(思います)。」

「メリットがある、ディメリットが無いような流れを作る必要があるというふうに考えています。」

 

こうした動きの背景には、もったいないという感覚に加えて、環境問題やコストへの消費者の意識の高まりがあると見られています。

 

食品ロスに関する課題を解決するため、食品ロスを生み出す原因になっている商慣習を変革していこうという動きも出ています。

それは3分の1ルール(参照:アイデアよもやま話 No.2330 厳しすぎる食品の賞味期限の「3分の1ルール」! )と呼ばれている商慣習です。

そもそもは、消費者に新鮮な食品を届けるためでしたが、食品ロスを減らそうと食品業界はルールを緩和し、一部で廃棄のタイミングを遅らせています。

 

食品ロスは販売のチャンスを逃したくないメーカーや小売りが消費者の新鮮さを求める強い意識に応えようとした結果だと指摘されています。

食品を廃棄すれば、原材料費などは無駄になりますし、廃棄費用も必要です。

これらの費用は最終的には価格に上乗せされ、私たち消費者の負担になります。

ですから、今日使うことが分かっているのに賞味期限が長い食品を選ぶ必要があるのかなど、買い物の時に考えてみるなど、消費者も今の消費のあり方を見直すことも必要ではないかと番組では指摘しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、今や食品ロスは世界的な関心事であり、G7でも取り上げられたように世界共通の課題なのです。

そこで、食品ロス問題を解決した場合のメリットを以下にまとめてみました。

・メーカーの製造コストの削減

・廃棄食品の廃棄費用の削減

・食品の値下げ

・地球環境悪化の抑制

・地球温暖化の抑制

 

こうしてみると、食品ロスを無くすことは、消費者にとっても、メーカーにとっても、そして地球にとってもそれぞれメリットがあるのです。

ですから、私たちはそれぞれの立場で食品ロスの削減に全力で取り組むことが求められているのです。

なお、番組では触れられていませんでしたが、メーカーによる食品の賞味期限を延ばす取り組みや冷蔵庫の中の食品の賞味期限の見える化も食品ロスを減らす有効な手段だと思います。

 

食品ロスは単に食べ物が“もったいない”という一言では片づけられないのです。


 
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2016年09月12日
アイデアよもやま話 No.3493 複数のAIの併用が更にAIを進化させる!

先週5回にわたってAI(人工知能)の活用事例をご紹介してきました。

考えてみれば、一口にAIと言っても開発されたAIごとにそのアルゴリズムは異なり、またディープラーニング(深層学習)に使うビッグデータの対象や量も異なります。

ですから、同じ問いかけをしてもAIごとにその解答は異なると考えられます。

なので、特に重要な案件については、種類の異なるいくつかのAIに問いかけてみることが必要だと思います。

 

例えば、AIの活用事例の最初にご紹介した経営判断支援、あるいは株式投資における銘柄の選定や売買タイミングでは、最低でも2つの異なるAIを活用し、その結果を比較して異なるAIを競い合わせ、それぞれのAIの優れた能力をお互いに反映させることによってAIは更なる進化を遂げると思います。

また、こうした複数のAIの併用により、AIの暴走を防ぐことも期待出来ると思うのです。


 
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2016年09月11日
No.3492 ちょっと一休み その559 『人類滅亡後の地球では何が起こる?』

これまで、No.3408 ちょっと一休み その545 『気になる超未来の地球とは その2 19億年後、そして28億年後の地球の未来とは・・・』No.3486 ちょっと一休み その558 『現在の火星は超未来の地球の姿?』で予測される未来の地球についてご紹介してきました。

そうした中、6月5日(日)付けのギズモード・ジャパン配信のネットニュースで人類滅亡後の地球では何が起こるか、3億年後までシミュレーションを取り上げていたのでご紹介します。

 

記事によるシミュレーション結果は以下の通りです。

■ 人間がいなくなってたった数時間で、世界中の明かりはほとんど消えてしまいます。

これは、多くの発電所が火力で動いていて、常に燃料を補充し続ける必要があるからです。

なので風力発電所は潤滑剤の効果がなくなるまで、太陽光発電所はソーラーパネルにほこりがたまるまでは動き続け、水力発電所は数カ月から数年くらい持つかもしれません。

■ 2〜3日くらいすると、地下鉄が水没してしまいます。

地下水を排出するシステムが人間なしでは動かせないためです。

■ 10日後くらいには、ペットや家畜が餓死してしまいます。

ただ大型犬は野生化して、小型犬や他の動物を襲うようになり、狼と交配していきます。

■1ヵ月後には原子力発電所の冷却水が蒸発し、福島やチェルノブイリどころではない放射能災害が起こります。

1年後には人工衛星が落ち始めます。

■ 25年もすると、ほとんどの都市では道路も建物も植物に覆われ、ドバイやラスベガスのような砂漠の中の都市は砂に埋もれます。

■ 300年後には、ビルや橋など建造物の金属が腐食して倒壊し始めます。

1万年後には、人間の痕跡は石でできた建造物だけになります。

ピラミッドや万里の長城、米国大統領の顔を刻んだラッシュモア山などですが、これらも数十万年で消えていきます。

 

それでも5000万年後にはまだガラスやプラスチック片が残っていますが、1億年後にはそれすら消え去ります。

 

3億年後とかにまた知的生物が登場しても、人間がいたことに気づかないようです。

ということは、逆に過去には全く違う知的生物とか文明が地球上にあったかもしれないのでしょうか。

 

以上、記事の内容をご紹介してきましたが、約46億年という地球の悠久の歴史からすると、約700万年の人類の歴史はとても短く思えます。

また、これまでの地球の歴史の中で、惑星の衝突、あるいは火山の大噴火や氷河期などその都度、生物は絶滅の危機を迎えたり、大変な状況の中を潜り抜けてきました。

そして今、人類は自らの活動により地球温暖化や地球環境の破壊をもたらしつつあります。

更に、核兵器の保有により地球上を破壊しつくすほどの力を秘めています。

そして、核兵器の廃絶をしないかぎり、常に核戦争勃発のリスクを抱えているのです。

 

それでも地球の悠久の歴史からみると、例え核戦争が勃発して人類が地球上から生滅しても今回ご紹介したように地球の持つ壮大な治癒力で何億年後かには人類が生存した形跡さえほとんど消し去ってしまうのです。

そして、記事でも触れているように、もしかしたら何億年か前には知的生物が生存していたかもしれませんし、人類のいなくなった何億年後かには新たな知的生物が繁栄しているかもしれないのです。

 

このように考えてくると、平家物語の出だしにある“諸行無常”、そして松尾芭蕉の唱えた“不易流行”という言葉が浮かんできました。

人類と言えどもいずれ消滅する生物のはかなさ、そして消滅する一方で姿、かたちは変われど新たな生物の誕生、そして消滅という循環。繰り返しです。

                                

たまには、こうした地球の悠久の歴史の中で、私たち人類を見つめ直すことがあってもいいのではないでしょうか。

また、このような視点から新たな価値観が生まれてくると思うのです。


 
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2016年09月10日
プロジェクト管理と日常生活 No.453 『築地市場移転に思う その2 不十分なユーザー要求の把握』

小池都知事は都知事選で公約の一つに掲げていた都政の透明化の一環として築地市場移転計画の見直しを表明されていました。

そうした状況を反映して、連日のように関連記事が報道されています。

プロジェクト管理の観点からそうした記事の中から5回にわたって私の感じたことをお伝えします。

2回目は、不十分なユーザー要求の把握についてです。

 

前回、築地市場から豊洲新市場への移転プロジェクトの初期段階で行われるべき調査結果の最終報告が豊洲新市場への移転後に計画されていることの不可思議さ、および移転時期を11月7日から延期することが決定されたことについてお伝えしました。

なお、小池知事が築地市場移転延期の理由として挙げていたのは、安全性の懸念以外にも不透明な費用の増加、および情報公開の不足がありました。

 

さて、今回ご紹介するのは築地市場移転プロジェクトにおける不十分なユーザー要求についてです。

一般的にプロジェクト開発では、まず計画を立案し、ユーザーの要求を把握し、それに基づいて要件を定義します。

そして、その要件定義に基づいて設計・開発を進めます。

ですから、最初のユーザー要求の把握はプロジェクトの成否を決定するうえでとても重要な作業なのです。

ところが、驚いたことに、8月28日(日)放送の「新報道2001」により以下の状況が伝えられていました。

・移転先の豊洲新市場では、これまでよりも店舗面積が狭くなる

これまで置いておけた魚の2割も置けなくなる店舗が出てくる

更に新店舗の1区画の幅は、店員が作業しにくくなるほど作業面積も狭くなる

また、1区画ではマグロを切る大きな機械を置くスペースもなくなる

・現在、1区画の家賃(諸経費を含む)は月10万円だが、移転後の家賃は未だ不明という

・豊洲新市場での“ろ過海水”に対して業者から不安の声が上がっている

冷凍の魚を溶かしたり、洗ったりするにはどうしても海水が必要で、今は築地市場の脇からくみ上げた海水をろ過した“ろ過海水”を使っている

しかし、豊洲新市場で使う“ろ過海水”は土壌汚染処理をした土地の護岸から採られる水である

この水について、東京都は昨年4月に行われた水質検査の結果では問題ないとしているが、取水した海水がどの程度安全なのか確かめられるまでは心配だという業者の声がある

 

更に、9月26日に行われた築地市場の仲卸の総代の投票の結果、86人中72人という多数が築地市場移転に対して慎重・延期派だったといいます。

 

こうしてみてくると、豊洲新市場での最大のユーザーと言えるここで働く業者の方々の多数の声を当初の段階でしっかりと把握していたのかとても疑問に思います。

家賃一つ取っても、未だに不明というのはとても理解しがたいです。

このような状況では、多くの業者の方々は移転後の商売がどうなるのかとても不安を感じられていると思います。 

 

ということで、築地市場移転はプロジェクトとしてみると“プロジェクトのイロハ”をほとんど無視したかたちで進められてきたと言わざるを得ません。

 



 
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2016年09月09日
アイデアよもやま話 No.3491 AIの活用事例 その5 新たな保険商品の開発!

最近、AI(人工知能)の活用事例が次々に報道されています。

そこで、そうした中から5回にわたってご紹介します。

5回目は、AIを活用した新たな保険商品の開発についてです。

 

9月7日(水)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でAIを活用した新たな保険商品の開発について取り上げていたのでご紹介します。

 

生命保険大手の第一生命は大手電機メーカーの日立製作所と連携してAIで将来の健康状態を予測し、保険に加入出来る人の幅を広げるなど、最先端のITを活用した新たな保険商品やサービスを目指すことになりました。

 

発表によりますと、第一生命はこれまでの1千万人の契約者が加入時に提出した健康診断の結果やその後の病歴などのデータを日立製作所が持つAIで解析し、健康診断の結果から将来発症する病気やその重症度をより正確に予測出来るシステムの開発を目指します。

これによって、現在は持病が理由で生命保険や医療保険の契約が出来ない人も加入出来るようにしたり、新たな保険商品の開発につなげたりしたいとしています。

 

生命保険業界では、住友生命も通信業界大手のソフトバンクと提携して、契約者の保険状態や運動への取り組みに応じ、保険料を割り引く保険商品の開発を進めていて、最先端のITを活用して新たな保険商品やサービスの開発を目指す動きが広がり始めています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

今回ご紹介した事例でもお分かりのように、AIは単独ではそのパワーを発揮出来ないのです。

インプット、すなわちビッグデータ(大量の関連情報)があってこそいろいろな分析が出来て、しかもより精度の高い予測が可能になるのです。

こうした予測が、今まで生命保険や医療保険の契約が出来なかった人の加入、および新たな保険商品やサービスの提供を可能にするのです。

このように見てくると、将来的にはIoT(Internet Of Things)を取り入れて、例えば腕時計型のセンサーを契約者の身に付けてもらって、リアルタイムの健康管理により発病リスクを捉え、防止策を提示するようなサービスへとつながっていくと思われます。

 

このようなシステムによって保険会社は、保険による損失を抑制でき、契約者も病気になる可能性が低くなります。

まさに、WinWinの関係です。

あらゆる分野で、このようなかたちでAIやロボット、ビッグデータ、あるいはIoTなどの技術が活用されていくことが望まれます。


 
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2016年09月08日
アイデアよもやま話 No.3490 AIの活用事例 その4 白黒が一瞬でカラーに!

最近、AI(人工知能)の活用事例が次々に報道されています。

そこで、そうした中から5回にわたってご紹介します。

4回目は、白黒の写真を一瞬でカラー写真にしてしまうAIについてです。

 

8月5日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で白黒を一瞬でカラーにしてしまう技術について取り上げていたのでご紹介します。

 

早稲田大学の飯塚 里志研究員助教は、AI技術を使って白黒の写真を自動でカラー化する技術を開発しました。

白黒の写真データを読み込むとほんの数秒で自動的にカラー化します。

以前ご紹介したディープラーニング(深層学習)の技術を使い、AIに230万枚の画像を繰り返し読み込ませて、カラー化するうえで手掛かりとなる特徴をひたすら学習させました。

風景などシーン全体と細かい部分の二つに分けて認識させることが精度のカギとなっています。

飯塚さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「何度も繰り返し、一番いい結果が出るような構造を考えるのが難しかった。」

 

番組では、元のカラー写真を白黒に変換したものを今回ご紹介しているカラー化技術でカラー化したものと元のカラー写真とを比べていましたが、それほど違和感がありませんでした。

 

ただし、今はまだ花や服など種類が多様なものや人工的なもの、また画質が劣化した写真の再現は難しく、今後改良が必要だといいます。

 

ただ、このシステムは写真だけでなく映画にも使えるそうで、2時間の映画なら半日あればカラー化出来るといいます。

 

飯塚さんや他の開発チームメンバーの一人は、チャップリンの映画や「七人の侍」をカラー化したいとおっしゃっています。

 

なお、従来白黒写真をカラー化するためには、必ず人を介さなければならなくて、そのために膨大な資金と時間がかかっていたといいます。

今回ご紹介したカラー化技術の精度は60%程度ですが、今アメリカや中国などでも開発競争が進んでいて、精度を上げることが今後の課題といいます。

ちなみに、報道関係のアーカイブなどからこのカラー化技術への引き合いがかなりあるといいます。

 

今回ご紹介したカラー化技術で、私が小さい頃の白黒テレビからカラーテレビへの転換期を思い出しました。

白黒テレビとカラーテレビではその色合いから受けるインパクトがまるで違います。

カラー画像の鮮やかさは白黒画像と比べものになりません。

そして、一昔前までは白黒画像をカラー画像に自動的に変換するなど思いもつきませんでした。

ところが、AIやビッグデータなどの組み合わせ、そしてディープラーニング(深層学習)により、カラー化の精度向上、およびカラー化変換時間の短縮などがどんどん進んでいます。

恐らくここ10年くらいのうちにかなりの変換精度でチャップリンの映画や「七人の侍」のカラー化が実現されているのではないでしょうか。

確かに白黒映画には白黒映画なりの良さがありますが、それでも是非昔の白黒の名画をカラー化したかたちで観てみたいと思います。


 
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2016年09月07日
アイデアよもやま話 No.3489 AIの活用事例 その3 酪農の効率化!

最近、AI(人工知能)の活用事例が次々に報道されています。

そこで、そうした中から5回にわたってご紹介します。

3回目は、AIによる酪農の効率化についてです。

 

8月5日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIによる酪農の効率化について取り上げていたのでご紹介します。

 

牛の健康管理にAIを活用することで効率的な搾乳などにつながるという取り組みが8月5日から本格的にスタートしました。

これは農業のITベンチャーが手がけるもので、生産性が大幅にアップするといいます。

ここ10年で4割も減っている酪農家ですが、その救世主として期待されています。

 

北海道の帯広市、市の中心部にある帯広信用金庫で記者会見が開かれました。

政府系金融機関の日本政策金融公庫などは、帯広市のベンチャー企業、株式会社ファームノートに3億円の融資をすると発表しました。

日本政策金融公庫が北海道のベンチャー企業に融資するのは極めて異例だといいます。

ファームノートの小林 晋也社長は、記者会見の場で次のようにおっしゃっています。

「我々は全ての牛をインターネットにつなげ、人工知能を活用して最適な牛の管理を出来るようにしようと。」

 

帯広市からおよそ40km離れた鹿追町にファームノートの取り組みで進化したカントリーホーム風景という名の牧場があります。

150万平方メートルで東京ドーム32個分の広大な土地を持ちます。

生産した牛乳などを加工・販売する6次産業の実践をしています。

この牧場では、およそ500頭の牛を飼育しています。

こちらの牛の首には装置のようなものが取り付けられています。

これはファームノートが開発した1台約3万円のウェアラブル端末です。

このウェアラブル端には、加速度センサーが入っていて、牛の活動量を測定しています。

牛が動いている、休んでいる、一定の間隔で餌を食べているなどの様子を判別します。

ウェアラブル端末で測定したデータはインターネットのクラウド上に送られます。

そして、得られたデータは発情を示しているのか、病気の状態を示しているのかなどをAIは瞬時に分析し、その結果を牧場の従業員のスマホなどに通知することで、従業員は牧場のどこにいても牛の変化を知ることが出来るのです。

 

牛の乳は発情後に妊娠・出産させることで搾乳することが出来るようになるのです。

しかし、牛の数が多くなればなるほど管理が難しくなり、これまでは搾乳の機会を逃していたこともありました。

しかし、この仕組みを使えば、誰でも効率良く牧場経営が出来るようになるといいます。

更に、これまで手書きの台帳で牛の餌や体調の管理をしていましたが、クラウド上に自動的に情報を蓄積することも出来るようになります。

 

小林社長は、この取り組みを続けることにより更に牧場は進化すると考えており、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「僕らが目指しているのは、(牧場経営を)自動的にコンサルティングしてくれるような仕組み、次こうだよ、次ああじゃない、こうした方がいいよ、ということを次々にアドバイスしてくれるような存在を僕らは作ろうと。」

 

そして、番組の最後に、番組コメンテーターであるモルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミストのロバート・A・フェルドマンさんは次のようにおっしゃっています

「これ(AIによる酪農の効率化)は(経済)活性化のチャンスだと思いますが、やっぱりいろんな既に存在している部品を新しく組み合わせて新しいことが出来るという、これまでの典型的な例ですけども、今の業界の一番大きな問題は後継者ですしね。」

「で、後継者の代わりになる新しい人に入ってもらうことは、やっぱりこの機械がすごいサポートになりますね。」

「で、反対するのはやっぱり既得権益ですけども、ITの波に乗らない会社、組織は消えてしまう例がいっぱいありますから、この歴史を考えてこの技術に反対しないで欲しいね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、まず驚くのは酪農家がここ10年で4割も減っている現状です。

その背景には仕事の厳しさやそれに見合う収入の少なさがあると思います。

このような状況が続けば、いずれ日本の酪農業は消滅の危機を迎えてしまいます。

しかし、今回ご紹介したように人手に代わってAIやIoT(Internet Of Things)などテクノロジーの活用により作業効率の大幅な向上が見込まれるのです。

そして、作業効率の大幅な向上は収入アップにつながります。

ですから、酪農家の集約化による酪農家ごとの規模の拡大、およびAIなどのテクノロジーの活用という酪農業の量の拡大と質の向上という、これまでとは異次元のやり方に変革することにより日本の酪農業は復活すると期待出来ます。

この基本的な考え方は農業など他の産業の復活においても通用すると思います。


 
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2016年09月06日
アイデアよもやま話 No.3488 AIの活用事例 その2 患者の命を救う!

最近、AI(人工知能)の活用事例が次々に報道されています。

そこで、そうした中から5回にわたってご紹介します。

2回目は、患者の命を救うAIについてです。

 

以前、アイデアよもやま話 No.3477 新たながん検査法で期待される早期発見!で期待される早期発見!で新たながん検査法についてご紹介しました。

そうした中、6月26日(日)放送の「サイエンスZERO」(NHK総合テレビ)でAIを活用したがん検査法を取り上げていたのでご紹介します。

 

アメリカのベンチャー企業ががんを検知するAIを開発しました。

人間の脳を模した学習システム、すなわちディープラーニングを使ってがん患者のX線画像を大量に見せて、がん患者に現れる特徴を学習させました。

ある人の胸を3方向から見たX線画像からがんの可能性があるかどうかを探していきます。

すると、がんの可能性があると判断したわずか1ミリにも満たない箇所が赤く光って表示されるのです。

この判断は、人間並みの精度を誇っていて、しかも医師と違って疲れることがありません。

 

一方、8月4日(木)放送のニュース番組(NHK総合テレビ)で白血病患者の命を救ったAIについて取り上げていたのでご紹介します。

 

東京大学医科学研究所に導入され、2000万件もの医学論文を学習したAIが60代の女性患者の命を救っていたことが分かりました。

専門の医師でも難しい特殊な白血病と見抜き、治療法の変更も提案しました。

専門家は、AIが患者の命を救った国内初のケースではないかと話しています。

この女性(66歳)は、昨年1月に急性骨髄性白血病と診断されました。

抗がん剤を組み合わせる標準的な治療を数ヵ月間受けましたが、容体は悪化し、その原因も分かりませんでした。

この女性を救ったのがアメリカのIT企業、IBMが開発したAIを備えた「ワトソン」です。

入院していた東京大学医科学研究所の附属病院には膨大な遺伝子情報を分析するスーパーコンピューターがあります。

IBMを協同で「ワトソン」にがん研究の論文を学習させることで、がん患者の診断に役立てる臨床研究を進めています。

東京大学医科学研究所の宮野 悟教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(「ワトソン」は)2500万を超える論文の情報、1500万を超える薬の特許の情報、そして生命のメカニズムの情報を持っています。」

 

診断が極めて難しく、治療法も多岐にわたる白血病、この女性患者の遺伝子の変化のデータが「ワトソン」に入力され、分析が行われました。

その仕組みは、以下の通りです。

この女性患者の遺伝子の変化の情報に「ワトソン」が読み込んだ2000万件以上の医学論文、それぞれから関係するものを選び出します。

更に、複数の論文を分析することで、病気の根本的な原因となった遺伝子の重要な変化を突き止めます。

この結果、「ワトソン」はこの女性患者が二次性白血病という別ながんにかかっていることを見抜きました。

診断にかかった時間はわずか10分ほど、抗がん剤の種類を代えることも提案し、女性患者の命を救いました。

東京大学医科学研究所の附属病院の東條 有伸医師は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「「ワトソン」が題してくる答えは非常にレスポンスが早いということ。」

「いろいろな根拠ですとか情報を含めて提示してくれるということはなかなか人工知能でないと出来ないのかなと実感しています。」

 

こうして、この女性患者は昨年9月に退院するまでに体調が回復しました。

こうしたケースでは、論文や遺伝子の情報が膨大になるため、専門の医師でも病名を突き止めることが難しい現実があります。

専門家は、AIが人の命を救った国内初のケースではないかと話しています。

 

「ワトソン」はこの他にも二人のがん患者の病名を突き止めるなど、合わせて41人の治療に役立つ情報を提供したということです。

 

医療分野でのAIの活用は、アメリカで先行していて、既に複数の病院で白血病や脳腫瘍の治療の支援に使われています。

日本での今後の活用について、宮野教授は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「患者さんがよりよい状態になっていく確度を上げていくことが出来ると私は確信しております。」

「人知を超えた医療の世界が「ワトソン」のような技術によって開けていくと思います。」

 

以上、2つのテレビ番組を通して患者の命を救うAIについてご紹介してきました。

患者の病状と膨大な学術論文や過去の治療事例の情報と結びつくことによって、短時間で正確な病名の特定や治療法を提示してくれる、このことこそ人知を超えた新たな医療の世界を実現してくれるAIの素晴らしい活用法の一つだと思います。


 
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2016年09月05日
アイデアよもやま話 No.3487 AIの活用事例 その1 経営判断支援!

最近、AI(人工知能)の活用事例が次々に報道されています。

そこで、そうした中から5回にわたってご紹介します。

1回目は、AIを活用した経営判断支援についてです。

 

以下に、6月2日(木)放送の「ニュースウオッチ9」(NHK総合テレビ)によるAIを活用した経営判断支援についてご紹介します。

 

コンピューターに人間の知能のような働きをさせるAIの技術は急速に進歩して、会話の出来るロボットや自動車の自動運転、更には小説を書くものまで出て来ています。

このAIについて、6月2日に企業の経営判断に活用しようという新たな使い方が公開されました。

 

日立製作所が公開したAIの技術では、2019年を目途に企業の経営判断の実用化を目指す方針です。

コンピューターが人から指示を受けなくてもネット上の情報など自ら集めて分析し、企業の幹部が難しい経営判断を行う際に支援出来るようにすることを目指しています。

 

今回の公開の場では、デモンストレーションとして「国は再生可能エネルギーを導入すべきかどうか」という質問を入力しました。

これに対するAIの回答の一部は次の通りです。

「私は議題に賛成である。エネルギー対策、地球温暖化対策、経済成長の観点から意義が大きく、将来に向けて導入の拡大が求められている。」

 

120万件の新聞記事から情報を集めて分析し、およそ2分で判断を支援するための考え方を導き出します。

この経営判断支援システムを開発した日立製作所の柳井 孝介主任研究員は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今回の人工知能は、経営判断に必要な情報を集めてくる位置づけとして考えています。」

「これからどんどん企業の経営の場に人工知能、またそれに類する技術が使われるようになってくると思います。」

 

今回ご紹介したAIによる経営判断支援システムに接し、あらためて思ったのはAIは飽くまでも経営判断に関する様々な情報、あるいはそこから得られる提案を提供してくれるに留まり、最終判断は人間であるということです。

ですから、AIは経営判断する立場の人間にとって、第三者として中立的な立場から相談に乗ってくれる良き相談相手、あるいはコンサルタントなのです。

こうしてみてくると、AIは人間の知的能力を飛躍的に伸ばすことの出来るかけがえのない存在になり得ると大いに期待出来るように思えてきます。

          

一方で、AIの限界も見えてきます。

それは、AIは飽くまでもネット上に公開されている情報がベースになっているので、ネット上で公開されていない情報は情報源として含まれていないということです。

そういう意味では、AIの情報源は限られており、従って万能ではないのです。

また、こうしたAIの有効性の限界を逆手にとって、遭えて間違った情報をネット上に公開するというような情報戦略を取る国や企業も現れてくると見込まれます。

ですから、こうしたAIの活用に当たり、常にこうしたAIの限界を意識しておくことがとても重要になるのです。


 
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2016年09月04日
No.3486 ちょっと一休み その558 『現在の火星は超未来の地球の姿?』

No.3408 ちょっと一休み その545 『気になる超未来の地球とは その2 19億年後、そして28億年後の地球の未来とは・・・』で超未来の地球についてお伝えしましたが、そうした中、5月31日(火)放送の「視点・論点」で「スーパーマーズ・火星が地球に最接近」をテーマに取り上げていました。

番組の内容で、現在の火星が以前ご紹介したような超未来の地球の姿を暗示しているような箇所があったので、以下にご紹介します。

 

火星に液体の水はありません。

もし、現在の火星に水を運んだならば、薄い大気のせいでたちまち蒸発してしまうでしょう。

今は冷たく、乾いた気候の火星ですが、35億年よりも昔は暖かく、水蒸気が多かったと考えられています。

火星の表面には水が流れて作られた地形が今でも数多く残されています。

40億年昔には地表面の5分の1が海であったとも考えられています。

こうした地形の他にも火星表面で採掘された岩石や鉱物の分析から、かつて火星には多量の液体の水があったことが分かっています。

 

NASAが火星に送り込んだ最先端のロボット、「キュオリシティ」は様々な分析装置を搭載して、火星表面を移動し、探索を続けています。

これまでの探索からクレーターに流れ込んできた河川の川底が残されていることを発見し、イエローナイフワンと呼ばれる干上がった湖では塩分の少ない中性の水が溜まっていたことを突き止めました。

こうした火星の探査結果から火星にはかつて生命が住む環境があったことが明らかになっています。

では、はたして火星に生命は生まれたのでしょうか。

私たちはまだその答えを知りません。

 

2020年には、いよいよ火星からサンプルを持ち帰る計画がNASAとヨーロッパ宇宙機関の共同で進められています。

また、日本は2022年に火星の月であるホボスに探査機を送り込み、貴重なサンプルを持ち帰ると計画しています。

 

以上、「視点・論点」の内容の一部をご紹介しましたが、いかがでしょうか。

今後とも火星探査が続けられていくと、ひょっとしたら何らかの生命体の化石、あるいは形跡が発見されるかもしれません。

そう考えると、とてもワクワクしてきます。


 
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2016年09月03日
プロジェクト管理と日常生活 No.452 『築地市場移転に思う その1 不可思議な計画』

小池都知事は都知事選で公約の一つに掲げていた都政の透明化の一環として築地市場移転計画の見直しを表明されていました。

そうした状況を反映して、連日のように関連記事が報道されています。

プロジェクト管理の観点からそうした記事の中から5回にわたって私の感じたことをお伝えします。

1回目は、不可思議な計画についてです。

 

プロジェクト開発に限らずどのような業務を進めるうえでも、マスタースケジュールを作り、それに則って作業を進めるのは常識です。

ところが、最近の報道記事を見ていると、築地市場移転プロジェクトの進め方は一般的なプロジェクト計画とはかけ離れていることが目についたのでプロジェクト管理の観点からお伝えします。

 

8月28日(日)放送の「新報道2001」を見ていてビックリしました。

まず、これまでの築地市場移転計画の経緯は以下のとおりです。

1935年 築地市場海上

1972年 大井への移転計画

1986年 築地の再整備計画

1996年 移転検討

2001年 豊洲への移転決定

2014年 豊洲新市場建設着工

今年7月  小池都知事による移転の再検討の発言

8月26日 小池知事による総合精査実施の発言  

 11月7日 豊洲新市場の開場予定

 

なお、他の報道記事によると、新たな移転時期は、豊洲新市場の土壌の安全性について、地下水の水質のモニタリング調査の最終結果が来年1月中旬に公表されるのを踏まえて判断され、5月の連休明けが有力と見られています。

 

そもそも1996年に移転の検討がなされた際に、その一環として土壌の安全性について調査し、その結果に基づいて2001年に豊洲への移転の可否が決定されるべきだったのです。

ちなみに、こうした調査はフィージビリティスタディ(実現可能性調査)と言われています。

こうしたプロジェクトの初期段階で行われるべき調査結果の最終報告がなぜ豊洲新市場への移転後に計画されているのでしょうか。

誰の責任において、どのような理由でこうした計画が決められたのかそのプロセスにとても興味が湧きます。

こうした極めて非常識な手順が踏まれている計画の背景には、以下の2つが考えられます。

1.安全性を無視してでも早く移転を完了させたい見えない力が働いていること

2.これまで築地市場移転プロジェクトに関する進捗状況関連の情報が公開されてこなかったこと

 

明確な理由の説明もないまま当初の予定通り、11月7日に豊洲への移転が完了した後で、来年1月になって土壌の安全面に問題があることが発覚したらいったいどうするのでしょうか。

 

築地移転計画は不可思議と思うしかありません。

小池都知事が安全面に問題ありとして、11月7日の移転を延期し、来年1月のモニタリング調査結果を踏まえて移転の可否を決定すると明言されたことに救われます。

また、小池都知事が情報公開を重んじていることについても今後の都政に期待が持てます。

情報公開によって、何か問題やリスクがあれば早期に都民の目に触れ、今回のような問題は起きずに済んだ可能性が高いのです。

そういう意味で築地市場移転に関係してきたこれまでの都知事や都議会の責任は重いと思います。


 
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2016年09月02日
アイデアよもやま話 No.3485 大空への最新チャレンジ その3 パラシュート無しでのスカイダイビング!

8月20日(土)放送の「王様のブランチ」(TBSテレビ)でワクワクするような大空への最新チャレンジについて取り上げていたので3回にわたってご紹介します。

3回目は、パラシュート無しでのスカイダイビングについてです。

 

プロのスカイダイバー、ルーク・エイキンスさん(42歳)は16歳の頃に初めて単独のスカイダイビングを行い、以来26年のスカイダイビングのキャリアの中で飛行回数18000回以上の超ベテラン、この世界のレジェンドです。

 

ルークさんは、高いところからだけでなく、これまで地上約140mほどしかないラスベガスのホテル、マンダレイベイの屋上からパラシュートでダイブしています。

更には、ウイニングスーツ(参照:アイデアよもやま話 No.1637 夢を実現した「空飛ぶ人間」たち!)での編隊飛行までこなす大空の達人です。

 

そんなルークさんの最新チャレンジが7月30日、アメリカ・カリフォルニア州で行われました。

高度7600mからのパラシュート無しでのスカイダイビングです。

ちなみに、ルークさんは、パラシュートの着用義務を解除されたといいます。

この時の最高落下速度は193km/h、落下時間は約2分間です。

気になる着地方法ですが、着地前に身体を反転させて背中からネットを目がけて着地したのです。

このネットの大きさは30m四方で、地上61mに設置されていました。

なお、実際の着地地点はネットのかなり端の箇所でしたが、無傷での生還で大空での新たな伝説の誕生となりました。

ルークさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「2年かけて訓練したよ。」

「限界にずっと挑戦してきたからね。」

 

ルークさん、次回はもっとネットの真ん中に着地したいといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

普通の人はパラシュート無しでのスカイダイビングなど思いもしません。

スカイダイビング18000回以上の超ベテランであり、ウイニングスーツでの編隊飛行の経験もあるルークさんだからこそ、パラシュート無しでのスカイダイビングをやってみようと思いついたのだと思います。

そのルークさんでさえ、そのために2年の訓練を要したのです。

一見無謀な挑戦も、その成功の裏には目的を確実に達成するための様々なアイデアや大変な努力があるのです。


 
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2016年09月01日
アイデアよもやま話 No.3484 大空への最新チャレンジ その2 進化したフライボード!

8月20日(土)放送の「王様のブランチ」(TBSテレビ)でワクワクするような大空への最新チャレンジについて取り上げていたので3回にわたってご紹介します。

2回目は、進化したフライボードについてです。

 

今や国内でもあちこちのビーチで体験出来るようになった、水圧で空を飛ぶ人気マリンアクティビティ、フライボードですが、より自由に空を飛びたいとフライボードの開発者、フランキー・ザパタさんはNEWフライトマシンを開発しました。

なんとより自由に空を飛ぶためにホースを無くしてしまったのです。

元々フライボードは水上バイクにホースを接続し、そこからの水圧で空を飛びますが、進化版のフライボードエアではジェットエンジンの推進力で浮遊しているのでホースが必要なくなり、より空中での自由度がアップしたのです。

気になるこのフライボードエアのスペックは次の通りです。

 最高速度   150km/

 最高飛行高度 1万フィート(約3000m)

 連続飛行時間 10分間

 

今年4月30日には地中海に面したフランスの港町、ソ−セ・レ・パンを舞台に開発者のフランキーさん自ら最長飛行距離の記録に挑戦、大勢の人が見守る中、ホバーボードでの世界最長飛行距離2252.4mでギネス世界記録に認定されました。

 

今のところ商品化の予定は未定ですが、将来新たなアクティビティや交通手段として世界の空を飛び回る日が来るかもしれません。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

以前、ホースのついたフライボードの実演を観たことありますが、奇想天外な乗り物にビックリしました。

そして、その時にはホースがちょっと邪魔だなとは感じました。

しかし、ホースが無くても乗れるようになれば便利だとは思いませんでした。

今にして思えば、ホース無しのフライボードなど出来るはずがないという既成観念に囚われていたのです。

それを見事に開発者自ら覆してくれました。

 

実際に自分が進化版のフライボードエアに乗っている姿を創造するだけでワクワクしてきます。


 
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2016年08月31日
アイデアよもやま話 No.3483 大空への最新チャレンジ その1 ナウシカのメーヴェを実現!

8月20日(土)放送の「王様のブランチ」(TBSテレビ)でワクワクするような大空への最新チャレンジについて取り上げていたので3回にわたってご紹介します。

1回目は、ナウシカのメーヴェが実現されたことについてです。

 

メディア・アーティストの八谷 和彦さん(50歳)は、インターネットが普及し始めた頃にメールを運ぶピンクのクマがかわいいと人気を博したメールソフト「ポストペット」の開発をはじめ、様々な先端技術を使ったアート作品を発表する作家で、東京芸術大学先端芸術表現科准教授でもあります。

 

その八谷さんが、メーヴェ制作のきっかけについて番組の中で次のようにおっしゃっています。

「人生で1機だけオリジナルの飛行機を作るとしたら何がいいかなと思って、自分も欲しくてみんなが欲しいのは「風の谷のナウシカ」の“メーヴェ”かなと思って、どこまでアニメやマンガの中のものに近づくことが出来るかと考えて作り始めたって感じです。」

 

まず紙飛行機で“メーヴェ”の形状で実際に飛ばせることを確信し、次のステップでは2003年に2分の1のサイズで模型飛行機を300万円かけて作り、飛行に成功しました。

そして、プロジェクトを始めて3年ほどの2006年にゴムで飛ばすグライダータイプの“メーヴェ”で初飛行しました。

ここまでは順調だったのですが、そこから先が長くて10年近くかかってしまいました。

そもそも現実には存在しない架空の乗り物、“メーヴェ”を作り出すということはイチから新たな飛行機を開発するということ、それには時間は勿論随分お金もかかったようです。

トータルでは1億円ほどといいますが、八谷さんは都心のマンションを買うよりは安いと考えています。

 

更に“メーヴェ”を操るために。八谷さんはハンググライダーの講習を修得、そしてもう一つ訓練として行っていたのがカポエイラというブラジルの格闘技でボディバランスを鍛えました。

小さい飛行機は風に弱いので、風に合わせて即座に対応しなければいけないので、カポエイラでやっていた臨機応変の動きが役立ったといいます。

 

こうして製作期間13年の末、今年7月31日に初の公開飛行を成し遂げたのです。

なお、八谷さんの製作した“メーヴェ”のスペックは以下の通りです。

 最高速度:   100km/

 航続距離:   約20km

 最大飛行時間: 約18分間

 

今後は海外で飛行するのが八谷さんの夢だといいます。

 

そもそも普通の人はアニメの世界の乗り物を実際に自分で実現させようと思うことはまずありません。

それを実現させてしまうところが、アーティスト、八谷さんの凄いところだと思います。

八谷さんの作られた“メーヴェ”は誰でも簡単に操縦することは出来ないようですが、実際に飛行しているところだけでも観てみたいと思います。

海外で飛行すれば、きっと実際に観た人の多くはビックリするはずです。

 

アイデアをかたちにする原点は、こういうものを作りたいという強烈な想いであるとあらためて思いました。


 
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2016年08月30日
アイデアよもやま話 No.3482 スマホが有機ELで激変!

有機ELについては、これまでアイデアよもやま話 No.2993 ニッポンの素材力 その3 有機ELの液体化が新たな照明革命をもたらす!?などで何度かご紹介してきました。

そうした中、6月23日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でスマホが有機ELで激変することについて取り上げていたのでご紹介します。

 

今のスマホのディスプレーは液晶が使われていますが、早ければ来年にもアップルで有機ELが採用されると言われています。

そうなると、スマホの画面を曲げてみたり、折り畳んでみたりすることが出来るようになるといいます。

今の液晶画面はガラスをベースにしているディスプレーを落とすと割れてしまい易いのですが、有機ELになるとプラスチック化されることでこうしたリスクも減るといいます。

 

世界の有機EL市場は2020年には現在の約2倍の3兆円ほどに急拡大するという予測があります。

ということで、近い将来、世界中のスマホのディスプレーに有機ELが採用されると見込まれていますが、日本企業にとっても大きなチャンスが生まれると見られています。

 

化学メーカーの宇部興産ではスマホが有機ELに代わることをチャンスと捉えていました。

ポリイミドフィルムはプラスチックの一種で薄くても丈夫な性質を持っています。

その中でも宇部興産のフィルムには大きな特徴があります。

500℃の高温で10分ほど加熱しても砕けないのです。

電子回路を焼き付ける際、その温度は400℃以上とされ、通常のフィルムでは形状を保てませんが、宇部興産は500℃を超える高熱に耐えうるフィルムを開発したのです。

宇部興産はこのフィルムを30年以上前から生産してきましたが、アップルがスマホに有機ELを採用すると事業の大きな拡大に期待を持てるのです。

 

そして、液晶が有機ELに代わると次のような違いも出てきます。

液晶ではバックライトが点灯することで映像が映し出されていました。

これが有機ELに代わるとフィルムに付着させた発光材料が自ら点灯し、映像を映し出すのです。

その発光材料を製造しているのは出光興産の子会社、出光電子材料です。

電気を流すことで発光材料が自ら光ります。

従来の液晶に比べて消費電力を最大3分の1まで抑えられる可能性があるといいます。

出光興産は発光材料の生産能力をこれまでの2.5倍に引き上げます。

 

このように、スマホが有機ELに代わることを睨み、様々な日本企業が動き出しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、早ければ来年にも液晶から有機ELに代わったスマホが市販化される見込みです。

有機ELの特性を生かしたスマホが実際にどんなメリットがあるのかとても興味が湧きます。

スマホを折り曲げられたり、折り畳めたり、そして使用時間がどのくらい長くなるのか、また価格はどうなるのか気になるところです。

今後とも新しいテクノロジーの活用によって、スマホはこのようにどんどん進化していくのです。

同様に、スマホの関連メーカーの栄枯盛衰があるのも世の常なのです。

ですから、日本メーカーには今後ともこうしたテクノロジーの変化の波に乗って生き残っていって欲しいと思います。


 
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