2020年08月07日
アイデアよもやま話 No.4715 アイデア方程式 低コスト輸送×?=魚の睡眠輸送!

4月30日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)で魚の睡眠輸送について取り上げていたのでご紹介します。

 

新鮮な魚を新鮮なまま食卓に届ける、それは水産業界の長年の課題でした。

そんな課題をズバッと解決したある画期的なアイデアがあります。

 

生きた魚を眠らせて運ぶ画期的な輸送技術が評判を呼んでいます。

誕生したのは1998年、それまで魚の輸送は冷凍や氷詰めが主流でした。

しかし、どうしても鮮度が落ちてしまいます。

水槽付きの専用車ではコストがかかります。

誰もが安くて新鮮な魚を楽しめる方法はないか、そう考えたのが水産コンサルタント会社の社長です。

ある日、社長は腰を痛め、針治療を受けていました。

その時、頭の中に浮かんだのが以前目にしたことのある中国の針麻酔でした。

閃いたのはその時です。

「そうか、魚も針麻酔で眠らせれば、鮮度を落とさずに運べるかもしれない!」

 

以来、社長は本を読み漁り、水族館に通い詰め、魚が眠るツボを研究、試した魚は2000匹以上、試行錯誤の末、ついに魚の運動機能を麻痺させるツボを発見しました。

こうして誕生したのが、魚を生きたまま低コストで運べる睡眠輸送です。

魚にもストレスがかからないため、身が新鮮で美味しいと評判になりました。

水産業界に革命を起こした魚の睡眠輸送は針麻酔をヒントに生まれていました。

 

ということで、今回のアイデア方程式は低コスト輸送×針麻酔=魚の睡眠輸送でした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

この針麻酔による魚の睡眠輸送は誰が発明したのか、番組では伝えていなかったのでネット検索したところ、有限会社おさかな企画(大分県)の卜部俊郎社長であることが分かりました。

なお、この発明は2005年8月に特許を取得しています。

 

鮮度を落とさずに低コストで魚を輸送出来ないかという長年の水産業界の課題とたまたま腰を痛めて受けた針治療から連想された中国の針麻酔、そしてそこから魚の針麻酔に応用した魚の睡眠輸送が閃いたというわけです。

 

というわけで、ここでも前回のアイデア方程式でもお伝えしたように、卜部社長に日頃から強い課題意識があったからこそ、たまたま受けた針治療をきっかけに魚の睡眠輸送へとアイデアが展開されていったのです。

 

さて、ここで疑問がいくつか湧いてきたので以下にまとめてみました。

・魚の針麻酔はどのくらいの時間効き目があるのか

・麻酔の効く時間は針麻酔の方法によって調整出来るのか

以前、アイデアよもやま話 No.4367 魚を眠らせたまま長時間運搬出来る魔法の水でお伝えした別な魚の輸送方法と比べて、どちらの方法が魚の新鮮さの維持、および低コストでの輸送において優れているのか

 

こうした輸送に伴うアイデアの中からの取捨選択、あるいは優れた方法の組み合わせにより、鮮度を落とさずに低コストで魚を輸送する最善の方法を実現させることが出来ると思うのです。

一方、アイデアよもやま話 No.945 “魔法の水”で魚が急成長!では魚を急成長させる”魔法の水”についてご紹介しました。

また、アイデアよもやま話 No.4664 クロマグロ減少に救世主!?ではクロマグロの養殖技術についてご紹介しました。

こうした魚の成長、養殖、あるいは輸送に関する様々な優れたアイデアの組み合わせにより、より新鮮で美味しい魚を低コストで国内外の食卓に届けることが出来るようになると大いに期待出来ます。

 

ここであらためて思うのは、常にアイデアをより閃き易くする状態にしておくためには好奇心を持つことがとても重要であるということです。(参照:No.56 好奇心が大切!

アイデアは既存の要素の組み合わせなのですから、好奇心が旺盛であればあるほど、アイデアが閃くうえでの要素が増えるというわけです。

ということで、卜部社長も好奇心旺盛な人物であると容易に想像出来ます。


 
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2020年08月06日
アイデアよもやま話 No.4714 アイデア方程式 クルマのバッテリー×?=ポット型浄水器!

4月23日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)でポット型浄水器について取り上げていたのでご紹介します。

 

ミネラルウオーターやアルカリイオン水など、最近では様々な飲料水がありますが、手軽に美味しい水と言えば、やはり浄水器です。

その誕生にも閃きがありました。

 

いつでも手軽に美味しい水が飲める便利なポット型浄水器、誕生したのは1970年代のドイツでした。

開発したのはガソリンスタンドに出入りしていた自動車関連商品の営業マンです。

当時、クルマのバッテリーには高額な蒸留水が使われていました。

この営業マンはある日、化学メーカーの研究者からイオンで水のミネラル分を除去する装置の話を聴き、閃きました。

「そうか、その方法を応用すれば、バッテリー用の水も安く製造出来るかもしれない。」

 

早速この営業マンはバッテリー用浄水フィルターを独自開発、更にこのフィルターを家庭用に応用出来ないかと知恵を絞っていました。

閃いたのは、コーヒーマシンにお湯を注いでいた時のことです。

「そうだ、このポットにフィルター機能を付ければいい。」

「それなら持ち運べて家庭用には便利だ。」

 

この閃きから誕生したのがポット型浄水器第1号、「ウォーターフィルター」です。

今では様々なタイプも登場し、世界60ヵ国以上で販売されています。

ポット型浄水器はバッテリー用の技術とコーヒーマシンをヒントに生まれていました。


ということで、今回のアイデア方程式はクルマのバッテリー×コーヒーマシン=ポット型浄水器でした。

化学の技術をバッテリー用に応用し、更には家庭用の浄水器へと転換、アイデア次第で一つの技術が何度でも光り輝くのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず、番組を通してポット型浄水器誕生までの経緯を以下にまとめてみました。

・1970年代、クルマのバッテリーには高額な蒸留水が使われていた

・自動車関連商品の営業マンは、たまたま化学メーカーの研究者からイオンで水のミネラル分を除去する装置の話を聴き、その方法を応用すれば、バッテリー用の水も安く製造出来るかもしれないと閃いた

・早速この営業マンはバッテリー用浄水フィルターを独自開発した

・更にこのフィルターを家庭用に応用出来ないかと知恵を絞っていた

・ある日、コーヒーマシンにお湯を注いでいた時に、このポットにフィルター機能を付ければいいと閃いた

・その結果、持ち運べて家庭用に便利なポット型浄水器誕生につながった

 

アイデアは問題意識や課題意識を持つ人、あるいは好奇心の旺盛な人の中から生まれるのです。

今回ご紹介した自動車関連商品の営業マンは、クルマのバッテリーには高額な蒸留水が使われているので何とか安くならないかという問題意識を持っていたので化学メーカーの研究者からの話でバッテリー用の水も安く製造出来ると閃いたのです。

そこから更に家庭用に便利なポット型浄水器誕生につながったのです。

 

ここで久しぶりにアイデアに関する2つの基本的な考え方を以下にお伝えします。

 

アイデアは既存の要素の組み合わせである

アイデアは存在し、発見するものである

 

ということで、今回ご紹介した事例でも分かるように、アイデアは“無から有”を生み出すのではなく、既存の様々な要素の組み合わせにより発見するものなのです。

ですから、その気になれば誰でもアイデアを生み出すことが出来るのです。

 

今、いろいろな立場でいろいろな問題や課題を抱え、その解決に悩んでいる方々は多いと思います。

しかし、アイデアは必ずどこかに存在しているという前向きな意識を持って“ネバーギブアップ”精神でアイデアを発見するまで諦めずに取り組み続ければいずれ発見することが出来るのです。


 
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2020年08月05日
アイデアよもやま話 No.4713 コロナ禍で生まれる医療従事者への様々な支援!

4月16日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でコロナ禍で生まれる医療従事者への様々な支援について取り上げていたのでご紹介します。 

 

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京・中央区)が作っているのは医療用のフェースシールドです。

大野 秀晃社長は次のようにおっしゃっています。

「こちら(フェースシールド)は飛沫を防ぐものですので、医療従事者の方が着けていただいて患者さんに接しますと、あるいは手術を行いますと、飛沫があっても防ぐかたちでございます。」

 

医療現場からの訴えを受け、まずは500個の無償配布を始めました。

今回活用したのが3Dプリンター、ジャパン・メディカル・カンパニーは通常乳児用のヘルメット型の医療器具を製造・販売していますが、そのノウハウを生かしてフェースシールドの柄の部分を制作、そこにコクヨから無償提供されたクリアファイルを取り付ければ完成です。

 

今後は、広く寄付を募りながら無償提供を続けたいとしています。

大野秀晃社長は次のようにおっしゃっています。

「我々がこれを作ることによって、命をかけて命を守っている人が少しでも前向きに仕事が出来れば、今回の無償提供の意味があるんじゃないかと思っています。」

 

このフェースシールドをいち早く使い始めた東京慈恵会医科大学 医学部外科・統括責任者の大木 隆生教授は次のようにおっしゃっています。

「ちゃんとした製品で、視野もよくて、ちゃんと防護されているものがこういうクライシスの中にあって、医療崩壊にもつながりかねない勘所の一つがタイムリーにこうやって供給されたのは本当にありがたいと思っていますし、感謝しております。」

 

ちなみに、大木教授については、アイデアよもやま話 No.4701 新型コロナウイルス対策に必要な発想の転換!でもお伝えしたことがあります。

 

他にも医療器具の支援を表明する企業は相次いでいます。

日産自動車は4月16日、フェースシールドを4月から月に2500個のペースで生産すると発表、ANAホールディングスも医療用ガウンの製作を支援することを発表しました。

大木 隆生教授は次のようにおっしゃっています。

「これから日本がコロナと闘っていくうえで、丸腰では闘えない、武器が必要。」

「それによって私たち医療者が守られ、院内感染が防げて、新型コロナウイルスとの多くの世界の指導者が言っているように戦争に打ち勝つことが出来る。」

 

国保旭中央病院(千葉県旭市)では、医療従事者たちを食で支えようという取り組みが始まっています。

この病院の敷地内にあるレストラン、キッチン ツナグでは、病院内で働く医療従事者向けの日替わり弁当を販売しています。

その価格は400円と、採算度外視、格安の秘密は無償で地元の農家などから食材をもらっているからといいます。

売り上げは弁当の容器などに充てています。

この医療従事者を支える取り組みを始めたキッチン ツナグの豊田維さんは次のようにおっしゃっています。

「いつ病院さんのお世話になるか分からない。」

「その時に(病院が)通常業務が出来ていないようではかなり難しいですよね。」

「危ない状況になると思うんで、そうなる前に何か仕事として支援しようというのが最初の話でした、僕らの。」

 

メインは消化のいい野菜料理が中心です。

豊田さんは飲食業界でも医療従事者を支える機運を高めたいと話します。

「レストランだったり農業でなくてもいいんですが、地域医療というところで、自分の一番身近な医療機関に対して、差し入れ感覚でも構わないんで何かしてあげたらいいかなって、そういう想いはあります。」

「僕らだけじゃなくて、それぞれの地域で広めていけたらなと思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これまでお伝えしてきたように、コロナ禍で多数の感染者を看護する多くの医療機関、および医療従事者は資金的、あるいは労働環境などで大変な状況に追い込まれています。

そうした中、今回ご紹介したフェースシールドや食の提供など、医療従事者への様々な支援は多くの医療従事者の方々にとってきっと精神的にも大きな励みになっていると思います。

 

こうしたある業界の企業やその従事者の方々が何らかの理由で大変な状況に追い込まれた時に、お互いに支援の手を差し伸べるという社会のあり方はとても健全だと思います。

新型コロナウイルスによって求められる「3密」の回避などの行動変容により個人と社会を分断する作用が働きますが、だからこそ“心のつながり”がより一層求められるのです。

 

新型コロナウイルス以前には当たり前だった普通の暮らしが当たり前に出来なくなり、“新たな生活様式”が求められる中で私たちはいろいろなストレスを抱えている状況にあります。

そうした中、“心のつながり”の大切さを再認識し、自分の出来ることを行動に移すことは人間としてとても大切だと思います。


 
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2020年08月04日
アイデアよもやま話 No.4712 コロナショックでも中小企業が出勤人数を減らせない事情!

4月14日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でコロナショックでも中小企業が出勤人数を減らせない事情について取り上げていたのでご紹介します。 

 

4月7日の緊急事態宣言の発令に伴い、西村経済再生担当大臣は在宅勤務、あるいはテレワークの推進に向けて、次のようにおっしゃっています。

「出勤者の数を最低7割減らすことを徹底してあらためてお願いしたい。」

 

一方、日本商工会議所の三村明夫会頭は次のようにおっしゃっています。

「テレワークの難しい、例えば(従業員)50人以下の(中小)企業は現在テレワークは14%くらいしかやってないわけですね。」

「彼ら(中小企業)に対してどうするのか。」

 

大企業とは違い、中小企業の多くは簡単には出勤人数を減らせない事情を抱えています。

有限会社坪川製箱所(東京・葛飾区)は従業員10人の段ボール工場、梱包用のダンボールの他、段ボール製のお盆や枕なども作っています。

政府が出勤人数の7割減少を求めた後でも、こちらの企業ではオフィス部門の人数を5人から4人に減らすに止まりました。

専務の坪川恵子さんは次のようにおっしゃっています。

「小さい町工場は価格競争の面では大手さんにはかなわないので、いかに早くお客さんがどうしても急ぎで欲しいというものに早く対応していかないと厳しいのかなというところはあります。」

 

オフィス部門で出勤を大幅には減らせないのには他にも事情があります。

注文の9割はファックス、手書きでくることも多いといいます。

更に、ハンコ文化など、日本式の慣習が在宅勤務への移行を阻んでいるようです。

坪川専務は次のようにおっしゃっています。

「(取引先は)昔ながらの中小企業が多いです。」

「パソコンがないというところもありますからね。」

「難しいですね、テレワーク。」

 

一方、自動車部品メーカー、屏風浦工業(神奈川・綾瀬市)では約40人がオフィス部門で働いていますが、テレワークをしているのは経理担当のわずか3人のみ、設計などを担当する部門ではテレワークは難しいといいます。

組田龍司社長は次のようにおっしゃっています。

「お客様との機密保持契約の関係で、データを個人の家に持ち帰ることは禁止されているんですね。」

「ネットの環境がセキュリティ面で万全な状態をつくらない限り、ハッキング的なものが怖いですから、(テレワークが)出来ない環境を持っていますね。」

「そういった作業が出来る環境にかけるお金がないというのが中小企業の実態だと思いますよ。」

 

大企業のように大幅にテレワークに切り替えることが難しい中小企業、そこでこの企業ではこれまで午前8時から午後6時までだったオフィス部門の勤務時間を人の接触を減らすため、日中と夜間帯の2つに分けるなどの対策を行っています。

更に、組田龍司社長は次のようにおっしゃっています。

「不特定多数の人との接触を避けることをメインに、運転が出来る方については、公共交通機関を使わないで欲しいということで、会社のクルマを貸し出しています。」

「で、後は免許を持っていない方も中にはいらっしゃるんですよ。」

「そこらへんは管理職、あるいは経営層の人間が持ち回りで送り迎えをしようということで、朝晩送り迎えしています。」

 

政府の専門家会議のメンバーで日本医師会の常任理事、釜萢敏さんは次のようにおっしゃっています。

「現状で出てきているデータを見ると、まだ不十分と言わざるを得ないですね。」

「都市封鎖というような方法を取らないという選択の中で今やっていますので、あくまでも国民の皆さんの理解と協力を得て、そこ(接触を8割減)まで落そうということですから、大変厳しいとは思いますけど、何とか実現して欲しいと思っています。」

 

政府もこうした企業の実情に合わせ、ハンコによる承認の撤廃や株主総会のオンライン化の推奨など、規制改革を進める考えを示しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

新型コロナウイルス対策の基本である「3密」(密閉・密集・密接)の回避は国や地方自治体、企業、そして個人、すなわち国全体に社会のあり方の変革を迫っています。

一方で、持続可能な社会の実現、およびそれに伴う企業に求められるSDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)、そしてDX、すなわちデジタルトランスフォーメーション(*)の推進といったような動きがあります。

 

* 2018年に経済産業省が「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」では、DXの定義を「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と、より明確かつ具体的に示しています。

 

そして、新型コロナウイルス対策の基本である「3密」の回避を突き詰めていくと、こうした動きにつながっていくことに気付きます。

例えば、満員電車は“密接”の象徴と言えますが、在宅勤務の普及により改善されることが新型コロナウイルスにより実証されています。

同様に新型コロナウイルスに伴うこうした行動変容は移動に伴うエネルギー消費の削減につながっています。

 

ということで、新型コロナウイルスは図らずも持続可能な社会の実現、SDGsの達成、そしてDXの流れを加速させる絶好のチャンスを与えてくれているという前向きな解釈が出来るのです。

そして、この絶好のチャンスを生かすために、国、企業には以下の役割が考えられます。

(国)

・国自らがハンコ文化などから脱却する制度設計を実施し、DXを体現する

・そのために必要な法改正を実施する

・DXに取り組む中小企業に対し、補助金を給付する

(企業)

・国による法改正を積極的に生かし、DXを最大限に生かしたビジネスプロセスに転換する

・業務プロセス支援アプリの開発メーカーは、法改正を最大限に生かし、かつセキュリティにも考慮した、中小企業でも容易に導入出来るようなアプリを開発し、提供する

・不動産関連企業は、在宅勤務が困難なケースへの対応やリモートオフィスの需要に応えるスペースサービスを提供する

・中小企業はこうしたアプリを導入し、生産性の向上や人手不足の解消に積極的に取り組む

 

ということで、私たち一人ひとりは新型コロナウイルスの感染拡大に恐れおののくのではなく、前向きな意識で新型コロナウイルスとの共存を図り、“新しい生活様式”の創造に向けて邁進すべきだと思うのです。


 
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2020年08月03日
アイデアよもやま話 No.4711 声が小さくなるメガホン!

4月13日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で声が小さくなるメガホンについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

どこで全力熱唱しても声が小さくしか聞こえないメガホンですが、その仕組みは柔らかく、口にピッタリとはまるメガホンと中にある羽根です。

この羽根がメガホンの壁になって音を何回も反射することで、声がだんだん小さくなるというのです。

また、先端についている管を耳に着けて、正確に自分の声を聞くことでボイストレーニングにもなります。

更に、メガホンの付け根に入っている、樹脂でできたフィルターがあることで、呼吸するのに負荷がかかり、エクササイズ効果もあります。

減音にボイストレーニング、更にエクササイズまでこなす一石三鳥のこのメガフォン、商品名「UTAET(ウタエット) EX+」、価格は4378円で販売中です。

 

以上は、2019年10月17日放送の内容でした。

 

これが今、売れに売れています。

このメガホンを開発した株式会社ドリームの浅山 智幸さんは次のようにおっしゃっています。

「新型コロナウイルスの感染拡大で外出の自粛が求められている中、自宅で巣ごもりによる運動不足であったりとか、ストレス解消出来るものはないですかと問い合わせが殺到しております。」

「特にカラオケにも行けない昨今、大声で歌っても近所に迷惑をかけずに消音が出来る「ウタエット」が役に立っているようです。」

「巣ごもりだからといって、本当に閉じこもっているわけではなく、自宅にいながら体を動かして、この新型コロナウイルスを乗り越えて、いつまでも元気に過ごしていただきたいと願っております。」

 

カラオケ好きにも、そうでない人にも良いストレス解消法になりそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

カラオケは単に好きな歌を歌って楽しむだけでなく、大声を出すことによるストレス発散という効用もあるのです。

しかし、そのカラオケも店内のみならず往復の交通機関などでの新型コロナウイルスの感染リスクがある中、躊躇されます。

一方、自宅で大声を出すと、家族や隣近所にその声が聞こえてしまうことが気になります。

そうした中、今回ご紹介した、声が小さくなるメガホン、「ウタエット」は自宅で周りを気にすることなく思いっきり大声を出すことが出来るのですから、問い合わせが殺到している状況はなるほどと思えます。

 

経済全体は新型コロナウイルスの影響で委縮しており、大変な状況ですが、一方で「3密」や移動制限という状況下で今回ご紹介したような新たな需要を喚起する商品やサービスが脚光を浴びてくるのです。

ですから、新型コロナウイルスの影響によるマイナス面を整理していくと、必ず新たなビジネスの芽が芽生えてくるのです。

なぜならば、人間心理として、新型コロナウイルスのようにいろいろとマイナスの要素が出てくると必ずそれを打ち消そうという心理が強く働くからです。


 
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2020年08月02日
No.4710 ちょっと一休み その732 『新型コロナウイルスによるアメリカでの死者数の多さに思うこと』

4月29日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルスによるアメリカでの状況について取り上げていたのでご紹介します。 

 

4月29日時点で新型コロナウイルスによるアメリカでの死者数は5万8300人を越え、ベトナム戦争でのアメリカ人の死者数を上回りました。

ジョンズ・ホプキンス大学の調べによるもので、感染者数は100万人を越えて、世界最多となりましたが、トランプ大統領はツイッターで次のように主張していると報じられています。

「世界のどの国よりも検査をしているからだ。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

なお、7月9日(木)付けネットニュース(こちらを参照)では以下のように報じています。

 

ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると(日本時間7月9日午前現在)、アメリカで新型コロナウイルスの感染が確認された人数は300万人を超えた。

アメリカの死者数は13万2000人を超えた。

 

こうした情報からアメリカにおける新型コロナウイルスによる感染者数、および死者数について以下のことが言えます。

・死者数は7月9日時点で、既にベトナム戦争での死者数の2倍を超えている

・これまで感染者数、および死者数において、世界一で推移している

 

アメリカが新型コロナウイルスによりこうした多くの感染者数、および死者数をもたらしている最大の原因はトランプ大統領による経済優先政策、およびトランプ大統領の危機感の弱さにあると思います。

それにしても、ベトナム戦争当時、アメリカ国内では若者を中心に反戦運動が高まりましたが、ベトナム戦争での死者数よりも今回の新型コロナウイルスによる死者数の方が既に2倍以上に達しているという事実には驚きます。

 

ちなみに、7月9日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では、7月9日時点の世界の感染者数は1200万人超、国内の感染者数は2万699人、死者数は892人と報じています。

 

また、人口100万人あたりの新型コロナウイルス感染者数【国別】(7月28日現在)のトップ4は以下の通りです。(詳細はこちらを参照)

1位 アメリカ

2位 ブラジル

3位 サウジアラビア

4位 南アフリカ

 

そして、人口100万人あたりの新型コロナウイルス死者数【国別】(7月28日現在)のトップ4は以下の通りです。(詳細はこちらを参照)

1位 イギリス

2位 イタリア

3位 フランス

4位 アメリカ

 

こうしてみると、日本は新型コロナウイルスによる感染被害の国別比較でみると、非常に被害が少ないことが分かります。

しかし、現在、日本も新型コロナウイルスの第2波到来と見られており、今後感染状況がどのように推移していくか誰も予測出来ないような状況です。

 

私たちは国家間の戦争こそ最も多くの死者数をもたらすと思ってしまいがちですが、過去のウイルスによる死者数を紐解くとビックリするような死者数なのです。

プロジェクト管理と日常生活 No.651 『新型コロナウイルス対策にも言える早期リスク対応策の必要性!』でもお伝えしたように、スペイン風邪では1918年〜1919年にわたって世界で4000万人が死亡、日本では38万人が死亡したといいます。

更に、ウィキペディアには以下の記述があります。

 

14世紀には黒死病(ペスト)がヨーロッパで大流行した。このときの流行では当時のヨーロッパ総人口の約3分の1にあたる、およそ2500万人から3000万人もの死者を出したとされる。その後もペストは合わせて3回のパンデミックを引き起こすこととなる。

 

このようにウイルスと人類との闘いは、ペストのように1種類のウイルスだけで長期にわたって人類に壊滅的な被害をもたらしているのです。

新型コロナウイルスとの闘いも2〜3年は続くとの専門家の予測もあります。

ということで、人類とウイルスとの闘いは今後とも国家間の戦争以上の人類最大の脅威をもたらすのです。

こうした状況において、新型コロナウイルスの特効薬とも言えるワクチンの実用化間近と以前お伝えしましたが、残念ながら副作用の有無やどこまで有効性があるのかなど、疑問点が残されています。

ですから、私たち一人ひとりは新型コロナウイルスとの闘いに際し、長期戦を覚悟し、ストレスを適度に発散させるかたちで、持続可能な“新たな生活様式”を見出していくことが求められるのです。


 
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2020年08月01日
プロジェクト管理と日常生活 No.652 『国の新型コロナウイルス対策に抜けているプロジェクト管理的な発想』

4月7日、新型コロナウイルスへの取り組みで安倍総理は緊急事態宣言を発令しました。

そして、この緊急事態宣言にあたり、国と東京都との間で、休業要請の対象業種、あるいは休業に伴う損失補償の扱いに溝が生じていると報じられていました。(詳細はこちらを参照)

そうした中、4月8日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でこうした国と東京都との間に生じた溝を回避する交渉術の活用について取り上げていたのでご紹介します。

 

こうした意見の溝が埋まらないような状況の背景について、番組コメンテーターで東京大学教授の渡辺 安虎さんは次のようにおっしゃっています。

「交渉の研究というのがあるんですよね。」

「で、交渉の研究で知られていることは、交渉している人たちの間で状況認識が異なっていたり、先延ばししてもあまり問題ないと思っていると、中々合意が出来ないということが知られていて、これ国と都の場合、国と自治体の間でそもそも状況認識が異なっているのが非常に大きな問題ですし、先延ばししてもいいと思っているのであれば、それも大きな問題だということで、そもそもこれみんな見ているわけですよね。」

「こういうメッセージを国民に送ってもいいのか。」

「(どうすれば合意に至ることが出来るのかという問いに対して、)非常に残念ではあるんですけども、一つの歩み寄りのシナリオとしては、感染がどんどん進んでいくと。」

「感染が拡大することによって、状況認識がより一致して、もう先延ばしは出来ないというふうに考えることはあります。」

「(感染拡大にだけはなってはいけないという指摘に対して、)そうならないようになるべく、お互いに話し合って状況認識を一致させるというふうにしていただきたいと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

渡辺教授は、国と東京都が合意出来ない理由について、交渉術の観点から以下の2点を挙げているのです。

・状況認識が異なる

・先延ばししても良い

 

確かに新型コロナウイルスのように、これまで経験したことのない、全国規模で大きな影響を与える問題について、時々刻々と変化していくような状況下で素早く適切な判断を下し、実行に移していくといった対応を続けることはとても大変だと思います。

 

しかし、だからこそきちんとした組織体制の整備が必要なのです。

その狙いは、まず国と各自治体が共通認識を持つことです。

その上で、国と各自治体の役割を明確にし、新型コロナウイルスの終息に向けて各々のやるべき作業を確定し、政府内に事務局を設けて、その進捗管理をするべきなのです。

ところが、現実には、緊急事態宣言の際だけでなく、今回の観光需要喚起策の一環として国が推進する“GO TO キャンペーン”でも国と東京都の間の認識のズレが報じられています。

更に“GO TO キャンペーン”に対して、日本医師会からも反対の声が上がっています。
日本医師会の中川会長は7月22日の記者会見で、7月23日からの4連休を「我慢の4連休」と位置づけ、不要不急の外出や県境を越える移動を避けるよう呼びかけたと報じられています。(詳細はこちらを参照)

これは、組織体制が曖昧のまま、国と自治体、あるいは日本医師会がそれぞれ異なった認識のもとでそれぞれが作業を進めているからなのです。

ということで、遅ればせながら、今からでもきちんとした組織体制、および国と自治体との役割分担を明確にして新型コロナウイルスへの対応をしていただきたいと思います。

 

また、渡辺教授は“先延ばししても良い”という認識が合意を遅らせると交渉術の観点から指摘していますが、確かに期限がないと中々決まらず、時間だけがどんどん進んでいってしまう傾向があります。

そこで、どの作業をいつまでに完了させるかといったマスタースケジュール的な発想が必要になります。

 

こうして見てくると、交渉術の活用というよりも、新型コロナウイルス対策を重要な国家プロジェクトの一つとして規定し、プロジェクト管理的な考え方に沿って、国として一元的な管理をすることを新型コロナウイルス対策の基本として取り組むべきだと思うに至りました。

 

なお、新型コロナウイルス対策における国と自治体とのぎくしゃくした関係で被害を被るのは私たち国民なのです。

ですから、国民はこの国家プロジェクトのユーザーとして、国や自治体の対策の是非を見極め、各種アンケートなどを通して、ユーザーとしての要求や意見をしっかり伝えていくことが求められるのです。


 
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2020年07月31日
アイデアよもやま話 No.4709 今気になる”タッチレスグッズ”!

4月13日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”タッチレスグッズ”について取り上げていたのでご紹介します。 

 

ニューヨークの街では、新型コロナウイルスへの警戒感が急速に高まっています。

マスクだけでなく、ゴム手袋をする人の姿もあります。

街を歩いている、ある男性は次のようにおっしゃっています。

「(共用部分は)ウイルスが付着しているかもしれない。」

 

新型コロナウイルスは、ドアの取っ手やエレベーターのボタンなどに多く使われているプラスチックやステンレスの表面では2〜3日生存すると言われています。

そこで登場したのが「ハイジーン ハンド」です。(予定価格 25ドル 約2700円)

ハイジーンは清潔という意味です。

重くて丈夫なつくりをしています。

なので、重いドアを開けることが出来ます。

他にもエレベーターのボタンを押したり、銀行のATMで暗証番号を入力したり出来る他、スマホのスクロールやクリックも出来ます。

この「ハイジーン ハンド」の素材は真ちゅう製で抗ウイルス効果が高いとされる銅が7割含まれています。

この商品を開発したのは、サバイバルグッズを作る企業、スタッドギアのCEO、アビー・ゴールドスティーンさんです。

ゴールドスティーンさんは次のようにおっしゃっています。

「ニューヨークで新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた時、薬局に行きました。」

「薬を受け取り、サインをする時、ペンを触りたくない」と思ったのがきっかけです。」

 

ゴールドスティーンさんはクラウドファンディングで製作資金を集めようとしたところ、わずか3時間で目標(5000ドル 約54万円)を達成、出荷を予定する5月に向けて生産は順調に進んでいるということです。

 

日本でもSNSなどで多く見かけるのは電車のつり革や手すりを持つのが怖いという声、そこで三重県亀山市の金属加工会社、有限会社ギルドデザインが4月下旬に発売するのが「純銅削り出しアシストフック」(1680円(税別))です。

アメリカ製の「ハイジーン ハンド」と似ていますが、角を丸くしたことで、日本の電車やバスの手すりにかけても安定するのが特徴です。

更にプラスチックや他の金属に比べて抗ウイルス効果がより高いとされる銅99.9%の製品です。

新型コロナウイルスの影響で工場の稼働率が落ち込んでいるため、このタッチレス製品に活路を見出します。

 

また、自動ドアのセンサーなどを手掛けるオプテックス株式会社が開発したのは、手のイラストが描かれた「クリーンスイッチ」(価格6万6000円)です。

これは触らずに手をかざすだけでドアを開閉出来るタッチレススイッチです。

従来のタッチ式自動ドアへ後付けすることが可能で、既に食品工場への導入が決まっているといいます。

オプテックス エントランス事業本部の御影池 太朗さんは次のようにおっしゃっています。

「(手を)接触させたくないという、今回コロナの件でそういうお話は多くなっていまして、全体的に非接触というカテゴリーの商品のご注文は多くなっていますね。」

 

一方、大手電機メーカーのNEC、本社の入り口で試験的に導入を始めたのは、マスクをしたままでも顔認証が出来る、タッチレスのゲートです。

元々顔だけでゲートが開くタッチレスですが、認証にはマスクを外す必要がありました。

マスクの取り外しも感染拡大のリスクがあることから、これまで培ってきた顔の一部が隠れていても認証出来る技術を導入、マスクを着けているかどうかを判別したうえで、着けている場合はマスクで隠れていない部分だけで人物を特定出来るといいます。

NEC デジタルプラットフォーム事業部の山田 道孝さんは次のようにおっしゃっています。

「出来るだけマスクに触らないようにすることが出来るという意味で非接触、それによって衛生的にも良くなるというふうに考えています。」

 

顔認証の精度を更に高め、9月までに販売を開始したいということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

まず、新型コロナウイルスは、ドアの取っ手やエレベーターのボタンなどに多く使われているプラスチックやステンレスの表面では2〜3日生存すると言われているのは要注意です。

以前、No.4674 ちょっと一休み その726 『新型コロナウイルスをペンキに例えたテレビ番組のご紹介』でお伝えしたように、今は「家から一歩外へ出たら、そこは全て「ペンキぬりたての世界」だと思ってください」という世界なのです。

そして、新型コロナウイルス対策として個人で出来ることの基本は「3密」(密閉・密集・密接)を回避すること、およびうがいや手洗いの徹底です。

一方、新型コロナウイルスの影響で売り上げの減少に悩まされている企業においては「3密」対策関連の商品やサービスの開拓が大きなテーマであり、こうした個人や企業の取り組みが「新しい生活様式」を生み出していくのです。

 

そこで、「3密」回避とこれらに関連する企業の取り組みを以下にまとめてみました。

(密閉)

・電車やバスなどの車内、あるいは店内やイベント会場などでの空気の入れ替え

(密集)

・店内やイベント会場などでの定員数の大幅な削減

・オンラインライブの活用

(密接)

・マスクの着用

・店内やイベント会場などでのソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保

・今回ご紹介した「ハイジーン ハンド」や「純銅削り出しアシストフック」、および「クリーンスイッチ」のような商品開発

・今回ご紹介したタッチレスゲートのような商品開発

・スーパーやコンビニなどでの飛沫防止パネル(ガード)の設置

・店員によるフェイスシールドの使用

 

しかし、今は「家から一歩外へ出たら、そこは全て「ペンキぬりたての世界」だと思ってください」という世界なのですから、あらゆる商品に対して抗菌効果を持たせ、どんなモノに手で触れても感染しない世界になって欲しいと思います。

同様により多くの施設において空気感染しないような空調設備を設置して欲しいと思います。

残る密集については、やはりライブやコンサート、あるいはスポーツ観戦などをオンライン中継で代替し、これまで味わえなかったような楽しみ方を追求していただきたいと思います。


 
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2020年07月30日
アイデアよもやま話 No.4708 中小の自動車部品メーカーの生き残りを賭けた取り組み!

4月3日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で「”クルマの未来”についていけ」をテーマに取り上げていたのでご紹介します。

 

新型コロナウイルスの影響で工場が停止することもあり、逆風の自動車業界ですが、そもそも電気自動車(EV)などは新しいクルマづくりにも直面しており、特に中小の部品メーカーは大変な状況です。

そこで地方で始まった、生き残りを賭けた取り組みを番組で取材しました。

 

1月下旬、ものづくりが盛んな浜松市で開かれた自動車部品メーカー向け勉強会に、地元の約30社が参加して次世代の主力、EVのモーターの構造などについて、専門家からレクチャーを受けました。

主催したのは一昨年静岡県と浜松市が設立した次世代自動車センターです。

このセンターは、大手メーカーのスズキ、ヤマハ発動機と連携し、約300の中小部品メーカーの支援を行っています。

その目的は、未来の自動車産業を見据えた部品メーカーの供給体制の構築、将来自動車のエンジンがモーターに代わることで、既存の約4割の部品が使われなくなるとされる中、地域が一体となって生き残るすべを見出そうというのです。

次世代自動車センターの望月 英二センター長は次のようにおっしゃっています。

「次世代自動車に向かって部品が変わってくると、(従来の)サプライチェーンが変わる可能性があるんですよね。」

「(地元が)一緒になって開発する体制をつくる・・・」

 

特に力を入れているのは、次世代のクルマづくりでも通用する“強み”の再発見です。

地元企業が持つ埋もれた技術を発掘しようとしています。

活動をきっかけに新たな挑戦を始めた企業も出ています。

自動車部品メーカー、株式会社コーリツ(愛知県刈谷市)は長年エンジンの動力をタイヤに伝えるシャフトと呼ばれる部品を手掛けてきました。

エンジンのないEVが主流になれば、需要が無くなると危惧していました。

しかし、センターの担当者に相談する中でシャフトを作る際に用いる金属に溝を入れる技術がEVのモーターの主軸づくりに応用出来ると分かったのです。

会社では早速試作品の開発に着手、3年以内にはEVを手掛けるメーカーへの納入を目指しています。

コーリツの寺尾 尚広営業課長は次のようにおっしゃっています。

「実は埋もれていた技術が“売れる技術”だったというところは、今回初めて気づきがあったところで、やってみて良かったなと。」

 

地域一帯で生き残ろうというこの取り組み、地元の自動車メーカーも期待しています。

スズキ自動車の鈴木 修会長は次のようにおっしゃっています。

「“小さな滴”が50個あれば、“大きな滴”になりますね。」

「どんどんやって下さい。」

「新しい血が生まれます。」

「新しい命が生まれますよ。」

 

こうした背景には地元の危機感があると思います。

クルマのつくり方が抜本的に変われば、地域の雇用が失われることも心配されます。

今回の取り組み、部品メーカーの生き残りの一つのヒントになると思います。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

なお、7月2日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で株の時価総額でテスラがトヨタを追い抜いた意味について報じていましたが、この事実は、近い将来、EVがガソリン車に取って代わる時代を迎えることの象徴だと言えます。

そして、世界中の既存のガソリン自動車メーカー、および自動車部品メーカーはこの事実にひと際危機感を抱いていると容易に想像出来ます。

また将来、自動車のエンジンがモーターに代わることで、既存の約4割の部品が使われなくなるという予測は既存の自動車部品メーカーにとってまさに脅威です。

 

そうした中、静岡県と浜松市が設立した次世代自動車センター主催の浜松市で開かれた自動車部品メーカー向け勉強会は、まさにこうした危機感の表れです。

 

しかし、考えてみれば、自動車産業に限らず、多くの産業はEV化の波同様に、技術革新によりその波に乗り切れなかった企業は衰退し、一方でうまくその波を乗り切れた企業は生き残っていくのです。

 

番組でも取り上げていた自動車部品メーカー、コーリツは自社の持つ既存の技術をEVのモーターの主軸づくりに応用し、3年以内にはEVを手掛けるメーカーへの納入を目指しています。

こうしたチャレンジ精神旺盛な企業は、単に生き残っていくだけでなく、新たな飛躍の可能性を秘めているのです。

 

番組でも指摘しているように、より多くの自動車部品メーカーが次世代のクルマづくりでも通用する“強み”を再発見し、生き残っていって欲しいと思います。


 
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2020年07月29日
アイデアよもやま話 No.4707 ロケットの洋上打ち上げで宇宙ビジネス拡大へ!

4月3日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でロケットの洋上打ち上げ について取り上げていたのでご紹介します。 

 

昨年5月、ベンチャー企業、インターステラテクノロジズ株式会社(北海道広尾郡)により北海道でロケットが打ち上げられました。

従来こうしたロケットの開発や打ち上げは国などが行ってきましたが、近年民間によるロケットの打ち上げビジネスが拡大してきています。

というのも、インターネットの通信や気象の観測などに使われる小型の人工衛星を比較的小さなロケットで打ち上げられる需要が急速に高まっているからなのです。

しかし、ロケットが打ち上げられる発射場は限られています。

国内で宇宙空間に打ち上げ実績のあるのは3ヵ所しかないのです。

宇宙にロケットを飛ばしたいと考える企業のニーズに対し、施設の不足が懸念されるようになっています。

 

そうした中、注目されているのが広大な海です。

洋上でのロケット打ち上げに乗り出すベンチャー企業、ASTROCEAN株式会社(アストロオーシャン 東京都中央区)が現れました。

茨城県沖、80kmの海上で2月に船上に設けた発射台からロケットを打ち上げる実験が行われました。

ロケットは目標の高さ4kmに無事到達、貴重なデータを取ることが出来ました。

この実験を主導したASTROCEANの森 琢磨社長は、元々石油などを掘削する会社に勤めていましたが、海底の掘削に使うリグと呼ばれる設備が石油価格の低迷で余っているのを目の当たりにし、何かに転用出来ないか、思いついた用途がロケットの発射場でした。

森さんはこのアイデアの事業化に向けて2018年に起業、今は比較的小さなロケットを船の上から打ち上げ、技術の蓄積を進めています。

森さんは次のようにおっしゃっています。

「打ち上げられる場所と回数を増やしたいと。」

「宇宙業界全体でもっといろんなチャレンジが出来る環境をつくりたいと思っています。」

 

海の上での打ち上げには、陸に比べて大きなメリットがあるといいます。

小型ロケットを研究する千葉工業大学の和田 豊准教授はこれまで陸上の発射施設でロケットを打ち上げてきましたが、様々な課題を感じていました。

ロケットの打ち上げ前には多くの関係者との調整が必要です。

現地の自治体や上空を行き来する飛行機の運航に係わる航空管制センター、更に沿岸の漁業者など調整には1年かかることもあるといいます。

それが洋上からの打ち上げになると、調整の相手や時間が大幅に減らせるのです。

千葉准教授は次のようにおっしゃっています。

「格段に調整する方々とのやり取りが少なくなります。」

「飛躍的にロケットの打ち上げ機会は増えていくんじゃないかと思っています。」

 

広大な海を発射場へと変える森さんの構想、実用化に向けて課題となっているのが水深の深い海域で船を安定させることです。

森さんは今、ゼネコン大手の大林組と船を係留するための新たな錨を開発しています。

一般的な錨では水深が深くなるほど船が波や風の影響を受け易くなるからです。

開発しているのはサクションアンカー(吸引式錨)と呼ばれる特殊な錨です。

錨の中は空洞になっていて、その空洞から水を吸い上げることによって錨を海底により強く食い込ませることが出来ます。

この錨を使うことで、深い海でも船をより安定させることが出来るといいます。

事業化に向けて企業との商談も始まりました。

森さんが訪ねたのは国内で初めて民間単独で始めたロケットを宇宙空間に到達させたベンチャー企業、インターステラテクノロジーズです。

この会社ではロケットを発射する施設を北海道に所有していますが、今後打ち上げの頻度を高めるため他にも打ち上げ場を確保したいと考えてます。

そこで目を付けたのが海での打ち上げです。

インターステラテクノロジズの稲川 貴大社長は次のようにおっしゃっています。

「洋上打ち上げで船で出て行って打ち上げることが出来れば、時期に係わらず打ち上げが出来る、いろんな条件を避けることが出来るという、ロケットを打ち上げるタイミングの可能性をすごく広げるんですよね。」

 

森さんは今年度中に洋上での打ち上げでロケットを宇宙空間まで到達させ、事業化への足掛かりにしたいと考えています。

森さんは次のようにおっしゃっています。

「ロケットの打ち上げ数を世界で日本が一番になるようにしたい。」

「世界から日本で人工衛星を打ち上げたい企業がいっぱい日本に集まればいいなと思っています。」

 

ロケットの打ち上げ需要が高まる中、各国が今この洋上打ち上げに注目しています。

中国では日本に先駆けて昨年6月に洋上からの打ち上げに成功しています。

一方、アメリカでは上空を飛ぶ飛行機からロケットを打ち上げる技術の開発が進むなど、世界各地で新たな発射方法の開発が進んでいます。

宇宙ビジネスも大競争時代に入りつつあるようですが、その中で日本は勝ち残っていけるのかというところで、宇宙産業が日本でも発展していくか、今が正念場です。

日本は高性能な衛星やロケットを製造する技術はありますが、産業としての規模はアメリカなどに後れを取っています。

今後、ロケットを打ち上げる回数が増えれば、それだけビジネス拡大への可能性が高まります。

洋上打ち上げが定着するかどうか、今後も注目したいと思います。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

以前にもお伝えしたように、資本主義社会においては絶えず企業家は事業の拡大を目指し、そして投資機関は新たな投資先を探し求めています。

そして、今や地球上ではグローバル化が進み、経済のニューフロンティアとして宇宙にも関心が向けられつつあります。

ですから、官民を問わず、ロケット打ち上げという新たな需要を満たすために、ロケット打ち上げビジネスは今後飛躍的に伸びていくと見込まれます。

 

ところが、現状では、いろいろな制約からこれまでのような陸上での打ち上げを大幅に増やしていくことは困難な状況にあります。

そうした中、今回ご紹介した洋上のロケット打ち上げは陸上に比べて大きなメリットがあるというのです。

一方、アメリカでは上空を飛ぶ飛行機からロケットを打ち上げる技術の開発が進んでいるといいます。

このように世界的に新たな発射方法の開発が進んでいますので、ロケット打ち上げビジネスは戦国時代を迎えつつあると言えます。

いずれ、最も安全、かつ低コストのロケット打ち上げビジネスに収束していくと思いますが、是非ASTROCEANにはその先駆者としてこの戦国時代を勝ち抜いていただきたいと思います。

また、ロケット本体のビジネスについても同様のことが言えます。

ですから、インターステラテクノロジーズにもこのニューフロンティアでの闘いを勝ち残っていただきたいと思います。

 

ちなみに、森さん(当時、石油会社勤務)は政府主催の宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S−Booster2018」で最優秀賞を受賞しています。(詳細はこちらを参照)


 
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2020年07月28日
アイデアよもやま話 No.4706 いよいよ気球による宇宙遊覧の実用化が間近に!

以前、アイデアよもやま話 No.3260 風船で宇宙撮影!で、風船にカメラをつけて上空30kmまで飛ばし、宇宙撮影に成功したとお伝えしました。

そうした中、たまたまネット記事でこの発明者、岩谷圭介さんが新たに気球による宇宙遊覧の実用化を目指していると報じていたのでご紹介します。

 

岩谷さんは現在、宇宙バルーンの研究開発を専業とする株式会社岩谷技研を立ち上げており、内閣府主催の宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト、「宇宙ビジネスアイデアコンテスト2019」(「S−Booster 2019」詳細はこちらを参照)に応募し、「風船宇宙旅行プロジェクト」が審査員特別賞を受賞しました。(詳細はこちらを参照)

このプロジェクトは有人気球を高度2万5000mで飛行させ、宇宙遊覧を楽しむ宇宙旅行を提案しており、なんと来年には一人100万円での事業化を目指しているというのです。

なお、岩谷技研ではこれまで100回以上の打ち上げ実績があり、安全性が高く、魚を乗せて高度2万5000mの飛行に成功しています。

 

以上、ネット記事の一部をご紹介してきました。

 

これまで何度となくご紹介して来た空中ドローン、および前回ご紹介した海中ドローンと、空と海でのドローンについてお伝えしましたが、宇宙においても今回ご紹介した気球による宇宙遊覧だけでなく宇宙エレベーター(参照:アイデアよもやま話 No.4204 宇宙エレベーター開発の近況!)の研究も進められています。

気球による宇宙遊覧よりも宇宙エレベーターの方がより安心感がありますし、より多くの乗客が楽しめます。

しかし、残念ながら宇宙エレベーターの実用化は2050年を目指しているといいますからまだかなり先のことになります。

ところが、気球による宇宙遊覧は来年には一人100万円で楽しむことが出来るようになるかも知れないというのです。

一人100万円とはかなり高額ですが、それでも一生に一度は宇宙から地球を眺めてみたいというのは多くの人たち共通の大きな夢だと思います。

しかも気球での遊覧ですから、ロケットに搭乗するのに比べれば安心感もあります。

とは言うものの、もし気球が割れてしまったらどうなるのかといったような不安感もあります。

 

いずれにしても、実際に気球による宇宙遊覧サービスの予約が開始されれば世界中から多くの人たちが殺到することは間違いないと思います。

勿論、私も他のことを節約してでも予約して宇宙遊覧を体験してみたいと強く願っております。


 
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2020年07月27日
アイデアよもやま話 No.4705 「水の底」は巨大市場!?

4月13日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で巨大市場と言われる「水の底」について取り上げていたのでご紹介します。 

 

海底で人類が見たことのある領域はテニスコートに針1本分と例えられるほどわずかで、ほぼ未知の世界なのです。

人類未踏の新たな産業を興そうするベンチャー企業があります。

神奈川県藤沢市であるプロジェクトが動いていました。

海に投入したものが水中ドローンです。

空ではなく海中を漂う、そして深く潜る、深海250m、海底のリアルな姿を映し出します。

それを見ているのは、新江ノ島水族館の飼育員たち、エサを探して海底を歩いている魚の姿が見えます。

展示飼育部の八巻 鮎太さんは次のようにおっしゃっています。

「深海にどんな生物がいるかというのを観察してどんな生き方をしているのかというのを調べる。」

「網なんかで獲ると、生き物は撮れるんですけども、それはどういうかたちで生きていたかは分かりませんので、そういったのを実際に見ることが出来るのは水中ドローンの強みだと思いますね。」

 

従来は、こうした深海調査をコストや規模の面で自前でする手段がありませんでしたが、水中ドローンの登場で頻繁に行うことが可能になったといます。

この水中ドローン、約20kgと2人いれば使える手軽さです。

これを開発したのが、ベンチャー企業、株式会社フルデプス(東京・台東区)の創業者、伊藤 昌平社長(33歳)です。

伊藤社長は次のようにおっしゃっています。

「深海を自分の作ったロボットで見たいというのが最初のきっかけでしたね。」

 

海へのこだわりは子ども時代からでした。

たまたま好きになったのが深海魚でした。

筑波大学でロボットを研究していた2009年、小さい頃図鑑で見ていた深海魚とテレビで再会しました。

伊藤社長は次のようにおっしゃっています。

「深海生物が(テレビに)映っていた時に、いつも通り面白いなと思ったんですが、何で写しているんだろう、じゃあそれだったら自分で作ろう。」

 

深海を調査する水中ドローンの開発を始めると、意外な事実が分かってきました。

深海に限らず、陸の近くや浅い海を含め、海底は全て「未知の世界」だったのです。

伊藤社長は次のようにおっしゃっています。

「水中ドローンだったりを使って簡単に、当たり前に水中のことを分かるような状況を作り出せれば、人の役に立てるんじゃないのか・・・」

 

フルデプスの拠点を訪ね、中に入るとまず目に飛び込んで来たのがオフィスの1階に設置してある実験用のプールです。

いつでも実験が出来るようにしてあるのです。

水中ドローンを操作する手元をよく見ると、ゲーム用のコントローラーです。

右側のレバーを上げると浮上し、下げると沈みます。

勿論、旋回も出来ます。

2時間も練習すれば、自由自在に動かせるようになるといいます。

カメラはフルハイビジョンの高精細、推進機は7基搭載しています。

ただ、意外にも開発で一番難しかったポイントについて、伊藤社長は次のようにおっしゃっています。

「水中は電波が通らないといったところに課題があるんですけども、有線で船と陸とつなげて使用します。」

「(潮の)流れですね。」

「ケーブルがたわんでいって、ロボット自体が引っ張られて浮いてしまう。」

 

波の抵抗を受けない、かつ極細で切れにくいケーブルを開発、このケーブルだからこそ、水中ドローンが自在に動けるのだといいます。

 

3月下旬、伊藤社長が向かったのは、神戸市の水道用に建設された、100年以上の歴史がある立ヶ畑ダムです。

伊藤社長は次のようにおっしゃっています。

「昨今、潜水士さんの担い手不足といいますか、人手不足が問題になっていまして、どうしても水中の作業は過酷なので、どんどん人が減ってきていて、これを水中ドローンで機械化出来ないか。」

 

ダムや港などの水中インフラに欠かせない老朽化の点検、これまでは潜水士が全部目で確認するという、膨大な作業でした。

しかし、水中の様子をドローンが先に確認し、補修が必要な時だけ潜水士が潜れば、人手不足を解消出来、コストも削減出来ます。

その他、魚の養殖施設で育ち具合をチェックするなど、漁業の現場でも活躍し始めています。

更に、将来は海底の姿をデータ化することで、海の産業革命を起こそうとしています。

伊藤社長は次のようにおっしゃっています。

「グーグルのストリートビューを海底で完成させるというのが私の一つの夢でございます。」

「水質だったり、海流だったり、環境情報ですね。」

「資源はどのくらいあるのか、どのくらい汚れているのか、今後も人が海と付き合い続けていくかぎり、(水中ドローンは)必ず必要なんじゃんないのかと思って・・・」

 

これまで海底を見るには、大掛かりな機材が必要だったそうですが、今回取り上げた水中ドローンはかなりコンパクトで、更に月20万円からレンタルが出来るということで、水の底がグッと身近になりそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今や、若い人たちを中心にテレビゲームはすっかり暮らしの中に溶け込んでいます。

そうした中、今回ご紹介した水中ドローンはゲーム用のコントローラーで操作出来るといいます。

ですから、テレビゲームに慣れている人たちはすぐに水中ドローンを簡単に操作出来るようになるはずです。

また、これまで海底を見るには大掛かりな機材が必要でしたが、フルデプスで開発された水中ドローンはかなりコンパクトで、更に月20万円からレンタルが出来るといいます。

 

一方、水中ドローンには以下のような用途が挙げられます。

・鉱物資源の有無などの深海調査

・水質や海流など、環境情報の提供

・ダムや港などの水中インフラの老朽化の点検

・魚の養殖施設での育ち具合のチェック

・グーグルのストリートビューの海底版

・レジャー施設などでの、自ら水中ドローンを操作しての海中散歩

・個人で楽しめる簡易的な水中ドローンのレンタル/販売

 

こうしてまとめてみると、人手不足の解消、あるいはコスト削減の手段として、深海調査や水中インフラの老朽化の点検やなどのサービスは企業からの引き合いが期待出来ます。

また、水中ドローンによる海中散歩は、個人向けサービスとして、オンライン操作であれば、国内外の綺麗な海中の風景を自宅に居ながらにしてリアルタイムで散歩気分で味わうことが出来るので多くの個人客からの引き合いが期待出来ると思います。

 

なお、水中ドローンより一足先に空中ドローンは既に空中において、水中ドローンと同様の分野で普及が進んでいます。

ただし、水中ドローンはケーブルが必要なのでその分制約を伴います。

しかし、海中、あるいは水中は陸上に比べて私たちの目の届かない場所なので、その分好奇心も湧いてきます。

中でもグーグルのストリートビューの海底版の作業を進めれば、これまで未発見だった沈没船など思わぬ多くの発見が期待出来そうです。

しかもこうした映像をリアルタイムで公開すれば、多くの閲覧者の獲得が期待出来ます。

 

ということで、海底はまだ“ニューフロンティア”であり、従って水中ドローンにはビジネスとしていろいろな面で期待期待出来そうです。


 
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2020年07月26日
No.4704 ちょっと一休み その731 『元気をもたらす”逆さ文字”』

アンビグラム、耳慣れない言葉ですが、語を与えられた形式だけでなく、異なる方向からも読み取れるようにしたグラフィカルな文字を意味します。(ウィキペディアより)

そうした中、4月26日(日)放送の「サンデーLIVE!!」(テレビ朝日)で“逆さ文字”について取り上げていたのでご紹介します。

 

元プロテニスプレーヤー、松岡 修造さんがアンビグラム作家、野村 一晟(いっせい)さん(29歳)の指導のもと、上下逆にしても「できる」になるアンビグラムづくりに挑戦しました。

まずは、紙の端に「できる」と書き、紙をひっくり返して、その上に「できる」と書きます。

野村さんは「“で”がひっくり返って“る”になればいい」と指導します。

次に、上下に並んだ“で”と“る”の似ているところを探します。

そして、似ている部分は太く書き、似ていない部分は細く書きます。

そして、逆さにしてみると、“で”が“る”のようにも見えます。

この要領で作っていくと、「できる」のアンビグラムが完成します。

 

野村さんはこれまでに3500点以上のこうしたアンビグラム作品を創ってきました。

そのスタートは、美術を専攻していた大学3年生の時でした。

野村さんは次のようにおっしゃっています。

「初めて作ったのは、友達や家族の名前で、プレゼントしたらすごく喜んでくれたんですよ。」

「この文字は人を感動させる力があるなと思いまして。」

「オリンピックでは、選手の名前をひっくり返すと「おめでとう」とか「最強」とか、そんな言葉にして皆さんを応援出来たらなと思っております。」

 

既に東京2020に向けて、様々なアンビグラムを考えています。

例えば、“夢”をひっくり返すと“金”と読めるというような具合です。

 

一方、今のコロナ禍において、元気になって欲しいということから「JAPAN」をひっくり返すと「SMILE」になるアンビグラムも作られました。

そして、この売り上げは医療従事者に寄付されるそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

誰でもアンビグラムを目にすると、多少なりともビックリすると思います。

そして、例えば自分の名前と自分にとってとても意味のある、あるいは価値のある言葉を使ったアンビグラムを見れば、その言葉に対してとても強く印象付けられます。

同時に元気をもらうことが出来ます。

 

一方、アンビグラムを創る側の人にとっても、アンビグラムを創るにあたって、人であれ、モノであれ、その対象についての洞察が必要ですし、アンビグラム創りそのものが優れた頭の体操になります。

 

ということで、アンビグラムは創る側にとっても、見せてもらう側にとってもとても素晴らしいアイデアだと思います。

 

なお、アンビグラムは1970年代に誕生したとされていますが、その歴史や種類など詳細についてはウィキペディアを参照して下さい。


 
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2020年07月25日
プロジェクト管理と日常生活 No.651 『新型コロナウイルス対策にも言える早期リスク対応策の必要性!』

4月7日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルス対策にも言える早期リスク対応策の必要性について取り上げていたのでご紹介します。 

 

4月7日、緊急事態宣言が発令されましたが、新型コロナウイルス対策を巡り、番組コメンテーターで東京大学教授の渡辺 安虎さんは次のようにおっしゃっています。

「今回は経済のことを考えて非常事態宣言が出るのにちょっと時間がかかったというような印象があるんですけども、その背景にある考え方として強い感染対策というのは経済に悪影響だというような考え方が背景にあるんだと思うんですよね。」

「ただ、私は必ずしもそう考える必要はないんだと思うんですよね。」

「経済に悪影響といった時、短期はそうかもしれないですけども、結局コロナ感染対策をきちんとすることこそが長期的な経済対策なんだろうというように思うんですね。」

「なぜかというと、10日程前(番組放送時点)にMITの経済学者が書いた論文にあるんですけども、これ1918年のスペイン風邪(*)の時のデータを使って分析しているんですね。」

「その当時、なるべく早く強い対策を打ったところが、そして長期間打ったところがパンデミックが終わった後の(経済)成長がはるかに高かったということがその論文では書かれているんですね。」

「当時とは時代背景とか産業の構造などが違うところがあるんですけども、我々学ぶことがあるんではないかなと。」

「(なるべく長く家に閉じこもるとかそういう対策を打ったということなのかという問いに対して、)そうですね。」

「(歴史に学ぶことは大切だと思うが、より大きく縮んだ方が、その後より高く飛べるということなのかという問いに対して、)そうですね、そのように思いますね。」 


1918年〜1919年にわたって世界で4000万人が死亡、日本では38万人が死亡

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

現在、緊急事態宣言が発令されてから既に4ヵ月近く経っています。

しかし、新型コロナウイルスが収束していく気配は依然感じられません。

それどころか、第2波が第1波以上の感染規模で到来しているのではないかと思われるほどです。

そうした中、渡辺教授は歴史的な教訓として、スペイン風邪を引き合いになるべく早く強い対策を打ったところが、そして長期間打ったところがパンデミックが終わった後の経済成長がはるかに高かったということを指摘されているのです。

 

新型コロナウイルスの感染者の潜伏期間は2週間程度といいます。

ですから、仮に2週間程度、国民の一切の活動を食糧の確保など必要最小限に絞って制限を加えれば、ほぼ終息させることが出来ます。

しかし、アイデアよもやま話 No.4701 新型コロナウイルス対策に必要な発想の転換!でもお伝えしたように、新型コロナウイルスにおけるパンデミック対策のゴールは世界規模で集団免疫を獲得することなのです。

ですから、集団免疫を獲得しない限り、新型コロナウイルスを終息させることは出来ないのです。

そして、集団免疫実現の決定版はワクチンの実用化です。

そこで、現代的な早期リスク対応策として考えられるのは、ワクチンの実用化の目途を把握しつつ、それまでは「3密」(密閉・密集・密接)回避などの感染拡大防止対策、感染者受け入れ施設の完備、および最小限の経済への影響とをバランスさせた国レベルの一元管理による長期間にわたる総合的な対策を推進することなのです。

こうした対策と併せて重要なことは国民への正確な情報提供、すなわち状況の“見える化”です。


 
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2020年07月24日
アイデアよもやま話 No.4703 誇るべきスパコン世界一の「富岳」!

6月23日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でスパコン世界一の「富岳」について取り上げていたのでご紹介します。 

 

番組で、咳をした際の飛沫の動きをコンピューターで再現した映像が紹介されました。

新型コロナウイルスなどの対策で使われています。

このシミュレーションを可能にしたのが日本のスーパーコンピューター(スパコン)「富岳」です。

この「富岳」、1秒当たりの計算速度などが世界一となりました。

 

6月23日に開かれた会見で、理化学研究所の松本 紘理事長は次のようにおっしゃっています。

「世界のトップに立ったからといって慢心することなく、今後も更に「富岳」の力を引き出せるような努力をして参る所存でございます。」

 

神戸市にある理化学研究所 計算科学研究センター内の真っ白で無機質な部屋に整然と並べられているのが「富岳」です。

理化学研究所と富士通が開発しました。

性能を競う世界ランキングで1位になりました。

1秒間の計算回数は41.5京回と、前回1位だったアメリカのスパコンの約3倍です。

「富岳」は高さ2mのラックと呼ばれる装置、432個が接続され、コンピューターの頭脳に当たるCPU(中央演算処理装置)が搭載されています。

通常のパソコンに搭載されるCPUは1つですが、「富岳」には約16万個搭載されています。

このCPUは富士通が独自で設計・開発しました。

スパコン開発に詳しい、日本経済新聞のAI量子エディター、生川 暁さんは「富岳」の性能について次のようにおっしゃっています。

「勿論、数は重要だと思うんですが、やっぱりそれをうまくネットワークで結んで制御するところにはものすごく高度な技術が使われていると。」

 

「富岳」は、国費1100億円が投入された国家プロジェクトです。

菅官房長官は、6月23日に開かれた会見の場で次のようにおっしゃっています。

「大変喜ばしいことであり、わが国が直面する様々な課題の解決に資する成果が生み出されることを大いに期待をしたい。」

 

この「富岳」で実際に何が出来るようになるのでしょうか。

実は、新型コロナウイルスへの対策で既に活用されています。

オフィスや病院などで咳をした時に飛沫がどれほど飛ぶかを「富岳」で計算し、シミュレーションしたCG映像を番組で取り上げていました。

元々、「富岳」は来年に運用を開始する計画でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、前倒しで4月から使用を開始しました。

日本のスパコンと言えば、2011年に同じく世界一の性能となった「京」が知られています。

しかし、その後の開発競争ではアメリカや中国の企業が相次いで世界一の記録を塗り替える米中、2強体制になりました。

今回、「富岳」で日本がトップに返り咲くのは9年ぶりのことです。

そして、「富岳」最大の特徴について、理研計算科学研究センターの松岡 聡センター長は次のようにおっしゃっています。

「アプリケーションで最高の性能を出すことを目標として、その結果として今回世界一の四冠が達成出来たと。」

 

今回、単純な計算速度の他に、AIの学習性能やビッグデータの処理性能を示す部門など4つの部門で1位を獲得、また消費電力も少なく、実用性の高さが特徴です。

今後、「富岳」をいかにビジネスや研究の場で活用するかが重要です。

最も期待される分野の一つが薬の開発です。

生川さんは次のようにおっしゃっています。

「例えば、薬の候補となる物質を試すようなシミュレーションや実験をする時に、「京」だったら1年くらいかかる計算を「富岳」では場合によっては数日で出来てしまう。」

 

「富岳」を支える半導体技術、かつては日本の電機メーカーの独壇場でしたが、その後国際競争に敗れ、今はその陰もありません。

半導体は自動運転技術の開発や災害や温暖化などの予想、そして軍事技術の開発などでも欠かせない技術です。

今回、富士通が高性能な半導体の開発に成功したことには大きな意味があるといいます。

生川さんは次のようにおっしゃっています。

「やっぱり半導体のような重要な技術を台湾、韓国とか、アメリカやヨーロッパも含めて海外にばかりに頼っていていいのかっていう議論はある。」

「日本の半導体の復権につなげられるかとか、そういうことを期待する声も勿論あると。」

 

会見に出席した富士通の時田 隆仁社長は次のようにおっしゃっています。

「今回の開発を通じて、あらためて日本の技術力の強さ、そしてものづくりの強さを世界に示すことが出来たのではないかと考えております。」

 

来年にはアメリカが「富岳」の性能を超えるスパコンを投入する見通しです。

また量子コンピューターといった新しい仕組みを使った開発も進んでいて、競争が一層激しくなりそうです。

 

なお、「スパコン」世界ランキングは以下の通りです。

            (1秒間の計算速度)

1 富岳(日本)     41京5530兆回

2 サミット(アメリカ) 14京8600兆回

3 シエラ(アメリカ)   9京4640兆回

4 神威太湖之光(中国)  9京3014兆回

5 天河2号(中国)    6京1444兆回

 

解説キャスターで日経ビジネスの編集委員、山川 龍雄さんは次のようにおっしゃっています。

「何といっても、実用性、使い勝手を重視している、それを重視しながらスペックでもトップに立ったというのは凄いと思います。」

「今やっているのは、既存の薬の中からどれがコロナに効くのかとかというスクリーニングをやって、ここでも何か発見出来たら凄いことだし、自然災害が日本でしょっちゅう起きているので、こういうとこでもいろんな貢献をしてもらいたいと思いますけど。」

「やっぱりスパコンというのは使われてなんぼの世界ですから、今度は使われ方でナンバーワンを目指してもらいたいですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

次に、6月29日(月)放送の「時論公論」(NHK総合テレビ)でもスパコン「富岳」について取り上げていたのでご紹介します。

なお、今回のスピーカーは科学担当の解説委員、水野 倫之さんです。

 

高性能の「富岳」が実現した背景には先代の「京」の反省がありました。

「京」は当時の民主党政権の事業仕分けで「2位じゃ駄目なんでしょうか」と追及されて、事業凍結の可能性もありました。

その後、世界一の計算速度を目指すあまり、使い勝手の悪いスパコンとなり、利用が広がらなかったのです。

具体的には、CPUの開発で日本独自の使用にこだわって作り込んだため、使えるアプリが限られ、ガラパゴス化してしまいました。

「京」はその後、世界一こそ獲得しましたが、特に企業の利用は100社あまりに止まってしまいました。

そこで「富岳」は「京」を教訓に、使い勝手の良さが当初から開発目標となりました。

「富岳」という名前も富士山のようにすそ野が広い、つまり利用が広がるようにとの願いが込められています。

それを実現するために、CPUについては、日本独自ではなく、世界でも広く使われているイギリスの方式を取り入れました。

こうすることで、パソコンで使うパワーポイントさえも「富岳」で動かせるということで、アプリの開発も進むと見られています。

こうした使い勝手の良さに加えて、日本が得意な超微細な加工技術を駆使し、配線の間隔がわずか10億の7mという高密度の回路を持つCPUが完成して、速さも実現し、今回4冠が達成されたというわけです。

 

では世界一の性能で何が可能になるのか、それをイメージするためにまずは先代「京」の成果を見ます。

東日本大震災では周期が長い地震動で超高層ビルが大きく揺れましたが、今後予想される南海トラフ地震ではどうなるのか、「京」のシミュレーションの結果、高さ60mの最上階の揺れ幅は最大6mに達することが分かり、その後の防災対策に生かされています。

また医療分野では、CT(コンピュータ断層撮影法)のデータをもとに患者の心臓を17万以上の要素に分解して正確に再現することに成功、心臓の病気でどんな手術方法を選択すればその後の病状が良くなるのか、事前にシミュレーション出来るようになり、実際に臨床で生かされています。

更にモノづくりの分野では、従来のスパコンで描き出したクルマの空力特性のシミュレーションで滑らかに見える空気の流れも「京」では空気を20億の要素に分けて計算することで、実際には細かく波打っていることが分かります。

この結果をもとに、メーカーは車体のデザインを変えて燃費を改善することが可能になりました。

 

「富岳」も同じように地震、津波などの防災や医療、それに産業利用に加え、宇宙の進化の解明など、基礎的な研究にも利用していくことが決まっていますが、計算速度は「京」の40倍あります。

「京」で1年かかっていたシミュレーションが「富岳」だと数日で可能で、しかもより詳細に出来るようになるわけで、来年度からの本格運用に向けて大きな期待が寄せられているわけです。

 

では、この世界一の性能を最大限に生かしていくためには何が求められるのか、様々ありますが、まずは「京」では広がらなかった民間利用の拡大に力を入れること、そして緊急を要するような、国民的な課題解決に向けて素早く研究テーマを選定し、利用出来る体制をあらかじめつくっておくこと、この2点が重要になると思います。

「富岳」の利用は大学や研究機関が多くなると見られますが、文部科学省は当面は全体の利用額の15%程度を民間に振り向ける考えを示しています。

しかし、利用が広がらなかった「京」でも民間利用は最大14%はあったわけです。

まずは、この民間枠の目標を最初からもっと高く掲げる必要があると思います。

そして「京」の成果を紹介するなどして、これまでスパコンを使う機会や技術がなかった企業に対して利用を積極的に呼びかけていくことが求められます。

また、緊急を要するテーマをいかに早く選定して「富岳」を利用し、研究成果を出していくかも課題になります。

その点、今回新型コロナウイルス対策で文部科学省と理研がまだ調整中だった「富岳」を4月から急きょ動かして研究を開始したのは妥当な判断です。

既に成果も得られ始めており、今後の運用の参考になると思います。

オフィスのシミュレーションで、マスクをせずに咳をすると、正面の人には飛沫がかかりますが、隣や斜め前の人にはあまり飛ばないという計算結果を数週間で分析し、発表することが出来ました。

更に2000以上ある他の病気の治療薬の中から新型コロナウイルスに効く可能性のある薬を見つけ出す研究についても間もなく成果を発表出来るということです。

ただ、こうした対応は異例で、今回「富岳」が調整中だったため利用枠を容易に確保出来たものです。

通常、研究テーマは原則、応募で、専門家でつくる委員会が審査して数ヵ月かけて選定されます。

利用枠は数ヵ月先までほぼ埋まっている状況です。

今後、今回のような緊急の課題が出て来た場合に同じような手続きをしていては間に合わないわけで、民間を含め、既に決まっている利用枠の一部を制限して速やかに利用することなどが想定されます。

ただ、利用を予定していた企業などには大きな影響が出てくるわけで、来年度からの本格運用を前にこうした緊急避難的な利用についてのルールづくりを急ぐ必要があると思います。

 

スパコンはアメリカと中国が激しい競争を繰り広げていまして、「富岳」の1位も数年以内には取って代わられるのは確実で、順位にこだわることはあまり意味がありません。

ただ、今回のような緊急課題でスピーディに様々な提案が出来ることが分かれば、巨額の国費をかけることについても国民の納得は得られると思います。

今回の1位をきっかけに、その性能を最大限活かしていけるような体制つくりを急いで欲しいと思います。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回、2つの番組を通してご紹介したスパコン「富岳」ですが、「京」の開発時の教訓を生かして開発を進めた結果、単純な計算速度、実際のアプリを入れた際のシミュレーションのし易さ、ビッグデータの処理性能、AIの学習性能の4つの部門で2位に圧倒的な差を付けて1位を獲得し、消費電力も少ないといいます。

ですから、実用性の観点で非常に優れているのです。

こうしたことから、「富岳」はまさに世界に誇れる技術力の成果と言えます。

 

今後、他の既存の技術との組み合わせにより、いろいろな分野の研究の場での活用が大いに期待出来ます。

とりあえず、今は新型コロナウイルスがパンデミック状態に陥っているので、ワクチンや治療薬の早期開発への活用で最大限に貢献していただきたいと思います。

 

なお、富士通は「富岳」の開発に際し、高性能な半導体の開発にも成功したといいますから、この成果は半導体技術における日本の復権でもあるわけです。

そして、半導体は自動運転技術など様々な開発に欠かせない技術です。

 

ということで、今後ともスパコンに限らず、量子コンピューター、AI、ロボット、IoT、半導体などの先端技術分野においては常に世界のトップを目指すべく、“日の丸企業”には活躍していただきたいと願います。

同時に、こうしたスパコン、あるいは量子コンピューターの利用を必要とする企業が大小を問わずタイムリーに利用出来るような環境を整備することも求められます。

なぜならば、こうした活用により企業の研究開発競争力を格段に高める可能性があるからです。


 
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2020年07月23日
アイデアよもやま話 No.4702 ベストな新型コロナウイルス対策とは・・・

以前、新型コロナウイルスとの闘い方には以下の3つがあるとお伝えしました。(参照:アイデアよもやま話 No.4625 新型コロナウイルスとの闘い その5 3つの闘い方

・ワクチン:開発に1年以上

・集団免疫:獲得前に多数の死者が出る恐れ

・行動変容:「3密」(密閉・密室、密接)の回避などで暮らしや経済に影響

 

しかし、これまでPCR検査、治療薬、ワクチン、そしてその他の対策といったようにお伝えしてきた中から少し細かいレベルで新型コロナウイルスによる感染者発生から終息に至るまでの対策の選択肢について私なりに以下にまとめてみました。

・感染状況の把握

感染状況検査(PCR検査、抗原検査、抗体検査)による感染者数、および回復者数の把握、およびそれらの割合

死亡者数とその割合

感染者数の予測(参照:アイデアよもやま話 No.4658 注目の”K値”で第2波を察知可能!?

医療逼迫度の把握(参照:アイデアよもやま話 No.4701 新型コロナウイルス対策に必要な発想の転換!

・感染拡大リスクの対応策

行動変容

治療薬の開発

ワクチンの開発

集団免疫

国民の行動抑制ガイド(「3密」(密閉・密集・密接)の回避など)

業種ごとの感染対策ガイドの発行

統計データのトラッキング

“K値”や医療逼迫度などの指標、およびその管理限界値を設定

毎日これらの実際の指標データを追跡し、管理限界値に達した場合、必要に応じて以下のような対策を実施する

感染者用治療施設、および医療関係者の確保

・感染拡大後のコンティンジェンシープラン

感染者用の治療施設、および医療関係者の更なる拡充

  更なる国民の行動抑制

ロックダウン(都市封鎖)

経済的な影響を受けた、あるいは受ける可能性の大きい国民や企業などへの経済支援

 

こうしてまとめてみると、ベストな新型コロナウイルス対策が浮かんできます。

それは、以下の通りです。

・業種ごとに感染対策ガイドを発行

・ガイドに従わないで感染者を出した企業には一定期間休業を要請

・感染状況の把握

  感染者数や死亡者などの数値把握

“K値”による感染拡大予測

医療逼迫度の把握

・上記の指標の管理限界値を設定

・管理限界値を超えた場合に、国民の行動抑制や医療施設などの拡充を要請する

・更に、感染の急拡大の際には緊急事態宣言を発令し、国民による行動変容以外に企業などにも更なる規制を求める

・ワクチンの早期開発

・治療薬の早期開発

・国民や企業などへ給付金や消費税減税などによる経済支援

 

いずれにしても、新型コロナウイルス対策のゴールは世界規模で集団免疫を獲得することなのです。

そして、ゴールに至るまでのプロセスは、出来るだけ死亡者数を少なく、一方で経済的な影響を少なくすることが求められるのです。

 

さて、緊急事態宣言の解除後、日本の国全体で毎日、毎日感染者数の増減に一喜一憂しているように見えます。

しかし、新型コロナウイルス対策のゴールは世界規模で集団免疫を獲得することである以上、経済的な影響を少なくしつつ、徐々に集団免疫を獲得していくのがベストな対策だと思います。

ですから、日々発生する感染者数とその受け皿である医療体制とのバランスを持たせつつ進めることが必要です。

ということで、前回もお伝えしたように、医療の現場で医療崩壊が進みつつある状況は由々しき事態と受け止めるべきなのです。

医療体制がしっかりしていてこそ、感染者数の増加に不安を感じることなく、日常生活を送ることが出来るのです。

ということで、医療機関や医療関係者が経営を安定させつつ、多くの企業が日々の経済活動にまい進出来るような体制を整備することが国の喫緊の課題と言えます。

仮に現状のまま、第2波、第3波を迎えるようなことがあれば、多くの医療機関はいろいろな面で破たんしてしまう可能性が大きいのです。

そうなれば、国全体の危機に直面してしまいます。

こうした状況は絶対に避けなければならないのです。

一方、極端な話、感染者数や死亡数は減少しても、行動制限などいろいろと生活に制限を加えることで、感染による死亡者数以上に経済苦で自殺者数が急増してしまっては元も子もなくなってしまいます。

要するに、いかに新型コロナウイルスの感染防止対策と経済対策とのバランスを取るかがとても求められているのです。

今、国内ではこうした観点で意見が二分していますが、何とか突破口を見出さなければなりません。

そのヒントは、やはり“新しい生活様式”をベースとしたサステナブル(持続可能)な経済活動の創造だと思うのです。

言い換えれば、今は新型コロナウイルスの影響で国家レベルでとても大変な状況にありますが、だからこそこれまでとは全く異なる大胆な対策を打ち出すことが可能なのです。

まさに“ピンチこそチャンス”と受け止め、国を挙げて新型コロナウイルスと共存出来るサステナブルな“新しい生活様式”をベースとした“国づくり”にまい進すべき時なのです。


 
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2020年07月22日
アイデアよもやま話 No.4701 新型コロナウイルス対策に必要な発想の転換!

6月11日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルス対策における発想の転換の必要性について取り上げていたのでご紹介します。 

 

番組の「コロナに思う」コーナーで、東京慈恵会医科大学 医学部外科・統括責任者の大木 隆生教授は次のようにおっしゃっています。

「私は外科医で、感染症の専門家ではありませんが、今回のパンデミックに関して多くの勉強をして、そこから見えて来たものがありますので、それをご紹介させていただきたいと思います。」

「まず冒頭に申し上げたいのは、このパンデミックにおけるゴールはただ一つ、それは世界規模で集団免疫を獲得するというものであります。」

「そして、そこに至るルートはワクチンを待つか、あるいは自然感染で集団免疫を獲得するかということは念頭に置いておいていただきたいと思います。」

「さて、この3ヵ月間(番組放送時点)の経験から分かったことは、日本では一見、感染爆発が起こったかのように思いますが、これを他国のグラフと一緒に並べてみますと、実は日本では感染爆発、あるいはオーバーシュートが起こってないということが明らかであります。」

「もう1つ分かったことは、日本におけるコロナ感染症の死亡率が極めて低いということであります。」

「死亡率は5.3%と言われています。」

「これは欧米の10〜20%に比べて低い値ではありますが、それでも5.3%は怖い病気と感じてしまいます。」

「しかし、最近行われた慶応大学病院における熱のない患者さんに対するPCR検査、あるいは巨人軍関係者に対する検査で、慶応大学では2.7%の陽性、巨人軍では坂本選手を含む1%にコロナ感染者がいることが判明しました。」

「これらをもとに、日本における真の感染者数を逆算しますと、130万人から390万人規模で既に感染者がいるということになり、そうしますと、死亡率は(死亡者が)900人ですから5.3%ではなくて0.02〜0.06%と、季節性インフルエンザと同レベルで、過度に恐れる病気ではないということが明らかになりました。」

「これらのことを念頭に発想の転換をし、政策の変更をしてもいいのではないかと思うわけです。」

「今まで慈恵医大を含めて、コロナ患者さんを引き受けた病院は軒並み赤字になっていますが、それではコロナ患者さんのたらい回しということになりかねませんので、ここは政府に思い切って(コロナ患者さんを受け入れた)病院に財政支援をし、医療体制を強化する、そうすればコロナによる医療崩壊が一層防げて、一層安心して経済を回すことが出来ると思います。」

「このような前提で経済を今よりも自由に回し、そして人々の生活においては手指衛生やマスク着用など、基本的な感染対策をするというサステナブルな政策を取って、しかもそれが取れるのは日本の特権ではないかと感じております。」

「ただし、それを野放図にやりますと、感染爆発・医療崩壊ということになりますから、このようなウオッチすることが必要です。」

 

ここで大木教授は大木リミッターという概念、すなわち医療逼迫度という数式を示しました。

医療逼迫度=重症患者数/ICU(集中治療室)ベッド数

 

続けて、大木教授は次のようにおっしゃっています。

「これは従来の感染者数に着目したものではなく、医療崩壊が起こるか、起こらないかで、50%をラインにリミッターをかける、この分母のICUベッド数、これは是非国の支援を得て、分母を大きくする。」

「感染者数が増えることに一喜一憂するのではなく、肝心なこういった指標をモニターしながら、そして皆さんにおいては、従来のようなロックダウンとか非常事態宣言とかそういうものではなく、サステナブルな、持続可能な政策、コロナとの闘いは長丁場であります。」

「このような政策を取って、もし運悪く感染してしまったら、その時は強化された医療が全力で国民の皆さんを守りたいと思います。」

 

なお、大木教授は日本での死亡率が低いと話していましたが、それに関連して結核の予防接種、BCGのうち日本から広がった「日本株」のBCGを摂取している国や地域(台湾、イラク、ナイジェリアなど)では、他の種類のBCGを使っている国よりも新型コロナウイルスによる人口10万人あたりの死者数が少なくなっています。

大木教授は日本株のBCGと死者数の少なさとの因果関係は実証されていないとしつつ、こうした点にも関心を寄せているということでした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

大木教授のお話を伺って、新型コロナウイルス対策に対して新たな道が開ける思いになりました。

そこで以下にお話の要旨をまとめてみました。

(新型コロナウイルス対策のゴール)

・パンデミックにおけるゴールはただ一つ、それは世界規模で集団免疫を獲得することである

 

(方針)

・ゴールに至るルートはワクチンを待つか、あるいは自然感染で集団免疫を獲得するかである

 

(現状認識)

・日本では感染爆発、あるいはオーバーシュートが起こってない

・日本におけるコロナ感染症の死亡率が極めて低く、季節性インフルエンザと同レベルである

・国全体が感染者数の増減に一喜一憂している

・従って、主に感染者数に着目した指標で感染状況を監視している

・現状の新型コロナウイルス対策はサステナブル(持続可能)とは言い難い

 

(対策)

・コロナ患者を受け入れた病院に財政支援をし、医療体制を強化する

・人々の生活においては手指衛生やマスク着用など、基本的な感染対策をするというサステナブルな政策を取る

・感染者数に着目するのではなく、医療逼迫度という指標で監視し、50%をラインにリミッターをかけ、50%を超えたら分母のICUベッド数を大きくする

医療逼迫度=重症患者数/ICUベッド数

 

(効果)

・医療崩壊が一層防げて、安心して経済を回すことが出来る

 

こうしてまとめてみると、一つ疑問が出てきました。

それは、医療逼迫度を重症患者数だけに着目していいのかということです。

最近の傾向は、全感染者数に対する無症状感染者数、および軽症患者数の割合がとても多くなって来ていることです。

ですから、現実には、重症患者以外の感染者用の受け入れ施設も必要です。

この点について、是非大木教授のお考えをお聴きしてみたいところです。

しかし、大木教授の基本的な考え方は、感染者への取り組みと経済活動とのバランスを持たせる、まさにサステナブルな新型コロナウイルス対策と言えます。

 

なお、7月9日(木)付けネットニュース(詳細はこちらを参照)では、以下のように報じています。

 

東京都を中心に新型コロナの新規感染者数が増加するなか、ネット上ではある医療機関の対応に注目が集まっている。東京女子医大で夏のボーナス(夏季一時金)を支給しないと労組に回答し、看護師約400人が退職を希望していると言われている問題だ。

 

しかし、この東京女子医大の問題をはじめ医療機関が経営的に切迫している問題をぶつけられても、政府はいまだに対応をとろうとはしていない。

 

大木教授の提言からだけでなく、この記事からも分かるように、まさに医療の現場では医療崩壊が進みつつあるのです。

こうした現状について、とても残念なことに国の認識はとても甘すぎると思うのです。

国には、こうした発想の転換による新型コロナウイルス対策を早急に検討するとともに、並行してワクチン、および治療薬の開発を推進していただきたいと思います。


 
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2020年07月21日
アイデアよもやま話 No.4700 スウェーデンの揺らぐコロナ対策!

一部で報じられているように、スウェーデン政府は集団免疫という独自の取り組みで新型コロナウイルスの早期終息を目指してきました。

そうした中、6月16日(火)放送の「国際報道2020」(NHKBS1)でスウェーデンの揺らぐコロナ対策について取り上げていたのでご紹介します。

 

新型コロナウイルスの感染者が5万人を越えたスウェーデン、検査件数を増やしたこともあり、新たに感染が確認される人は1日に1000人を上回ることもあります。

人口100万人当たりの死者数は478人、隣国のデンマーク(102人)やノルウェー(44人)と比べると際立って多くなっています。(出典:欧州疾病予防管理センター(6月14日現在))

中でもクラスターと呼ばれる感染者の集団が発生しているのが高齢者施設です。

亡くなった人の実に半数近くが施設に入所している人でした。

背景には施設で働くスタッフに感染を防ぐための防護服が不足していたことや予防のための知識が十分でなかったことなどがあると見られています。

更に一部の地域では医療崩壊を防ぐために病院で受け入れる患者を年齢などによって選別したのではないかという批判も上がっています。

ウオメ大学のイングヴェ・グクタフソン教授は次のようにおっしゃっています。

「高齢者を差別するなんてとんでもない事例です。」

「患者を診察もしないで、生きるべきか死ぬべきかを決めるということですからね。」

「誤った診断によって、死なずに済んだ数百の命が失われたのです。」

 

厳しい制限措置を取らなかったスウェーデン、それでも経済への深刻な影響も浮き彫りになっています。

スウェーデンの中央銀行は、GDPが前年度比で10%近く減少するという見方も示しています。

EU域内などからの入国は制限していませんが、航空便の運航が大きく減少したこともあって、観光客は激減、その影響はサービス業を中心に広がっています。

あるレストランでは、夏には大勢の観光客で賑わうということですが、売り上げが90%以上減ったといいます。

一方、素朴で大胆なデザインが観光客に人気の雑貨店でも店を訪れる客はほとんどおらず、今後の見通しも立たないといいます。

 

こうした状況について、ロンドン支局長の向井 麻里さんは次のようにおっしゃっています。

「(スウェーデンというと、福祉の手厚い国というイメージがあるが、高齢者施設で多くの人が亡くなっていることについて、)世界でも有数の高福祉国家のスウェーデンでも高齢化が進み、財政面や制度面など様々な課題が出てきています。」

「そうした状況の中で、高齢者施設で感染拡大が起きてしまったわけです。」

「政府も早い段階で問題を認識し、施設への外部からの訪問を禁じるなど、必要な対策は取っていました。」

「ただ施設のスタッフなどは自由に出入りしていたこと、また防護服が足りなかったことなど、複数の要因が重なり、結果として感染を抑え込むことが出来ませんでした。」

「加えて、感染した高齢者が医療機関から治療を拒否されるという、言わば命の選別が行われるケースまであったことに国民の間には大きな衝撃が広がっています。」

 

「(世界各国が今感染拡大の第2波に対する警戒を強めているが、今後スウェーデンとしてはどう対応しようとしているのかという問いに対して、)スウェーデン政府がこれまでの対策を大きく変えることはないと見られています。」

「対策の責任者は、一部に不備があったことは認めていますが、基本方針は間違っていないという姿勢を貫いています。」

 

感染対策の責任者、テグネルさんは次のようにおっしゃっています。

「高齢者施設などではより良い方法があったかもしれないが、感染防止戦略はおおむね機能していた。」

「次に大きな感染が起きても同じような対策を実施するつもりだ。」

 

向井さんは、続けて次のようにおっしゃっています。

「ただ、国民の受け止めには変化が見られます。」

「多くの人が亡くなる状況にこのままの対策でいいのか、疑問や不安の声が聞かれるようになっています。」

「こうした声を反映し、この数週間で8ポイントから10ポイント下落しました。」

「そもそもスウェーデンの対策は、政府と国民の信頼関係が前提となっていますが、ここにきてその信頼関係が揺らいでいるようにも見えます。」

「信頼関係が一旦崩れてしまえば、政府の対策そのものが問われる事態になりかねず、世界から注目されるスウェーデン独自の対策は正念場を迎えていると言えそうです。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

スウェーデン政府は他の国々と異なり、意図的に集団免疫による新型コロナウイルスの早期終息を目指してきました。

また、亡くなった半数近くが高齢者施設の入居者だといいます。

その背景には以下のことが挙げられています。

・施設で働くスタッフに感染を防ぐための防護服が不足していたこと

・予防のための知識が十分でなかったこと

・一部の地域では医療崩壊を防ぐために病院で受け入れる患者を年齢などによって選別していたこと

 

このことは何を意味しているのでしょうか。

以下は私個人の見解です。

・集団免疫を目指すのであれば、当然ある期間大量の感染者数をもたらすので、それに応えるだけの十分な医療体制を前もって準備しておくべきであった

・しかし、そうした準備が不十分で、しかも高齢者施設で働くスタッフなどの知識が不十分だったことから、高齢者施設の入居者を中心に他国に比べて多くの死者数をもたらしてしまった

・こうした状況に、国民の間にこのままの対策でいいのか、疑問や不安の声が聞かれるようになり、政府と国民の間の信頼関係が揺らいでいるようである

・しかし、感染対策の責任者は「これまでの感染防止戦略はおおむね機能していた」、また「次に大きな感染が起きても同じような対策を実施するつもりだ」と発言している

・こうした政府の方針のまま、第2波を迎えれば、更に死者数は増え、国民との信頼関係も破たんする可能性が多くなる

 

ただし、ロックダウンを続けていた他の欧州諸国を見ると、人口あたりの死者数がスウェーデンより多い国があるという状況については、スウェーデン以上に啓もう活動、あるいは医療体制が不備だったのではないかと思われます。

 

ということで、新型コロナウイルスに対してどのような取り組みをしようとも、国民に対する啓もう活動、および医療崩壊を起こさないように感染者を受け入れる十分な医療体制が必須なのです。

特に、スウェーデンのように集団免疫による新型コロナウイルスの早期終息を目指そうとするならば、なおさらだと思うのです。

 

最後に、スウェーデンの集団免疫対策に対して、賛成派、反対派の意見の一例についてご紹介します。

賛成派はこちら、反対派はこちらを参照下さい。


 
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2020年07月20日
アイデアよもやま話 No.4699 新型コロナウイルスワクチンの実用化が間近に!

6月25日(木)、7月2日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルスワクチンの開発状況について取り上げていました。

また、7月3日 ()付け(こちらを参照)、および7月6日 ()付けネットニュース(こちらを参照)でも同様のテーマを取り上げていたのでこれらを併せてご紹介します。

 

大阪大学発ベンチャー企業、アンジェス株式会社は開発中の新型コロナウイルスワクチンの安全性や効果を調べるため、国内で初めて人に投与する治験を始めると発表しました。

なお、アンジェスは20万人分のDNAワクチンの生産体制を早急に整えるとしています。

大阪市立大病院のほか大阪大医学部附属病院でも治験を行いますが、人数は2施設合わせて数十人程度、順調に進めば9月中に結果が出るといいます。

アンジェスでは、その後、大規模な治験に移行し、年内には治験を終え、厚生労働省の製造販売承認取得を目指すとしています。

 

“日の丸ワクチン”に取り組んでいるのは、塩野義製薬、第一三共、タカラバイオ(=アンジェス)など6社です。

塩野義は2019年12月に66億円で買収したバイオベンチャーUMNファーマを拠点にコロナワクチンの開発に乗り出しており、他の国内メーカーより先行していると言われています。(厚生労働省の幹部)

それでも欧米勢に比べて周回遅れの感があるといいます。(関係者)

一方、「DNAワクチン(*)は、新型コロナに限らず、これまで世界中で承認された事例はない」(同)とされています。

 

* 病原体を構成する成分の設計図であるDNAをワクチンにしたもの。

遺伝子ワクチンとも呼ばれる。

筋肉内に投与すると、DNAの指示に従って病原体の一部であるタンパク質を合成し、そのタンパク質に対する免疫が作成され疾患の治療に寄与するものである。

 

そもそもバイオワクチンの成功の確率は1割以下といわれています。

アンジェスのDNAワクチンは、富士フイルムホールディングスのアビガンの二の舞になりはしないかとの見方もあります。

というのは、治療薬候補「アビガン」の治験が遅れ、7月以降にずれ込むことがわかったのです。

6月中に終了する予定だったのが、足元で新型コロナの感染者数が急減し、治験の参加者数が目標に届かず、治験の進捗次第では、承認手続きが更に遅れる可能性があるというのです。(詳細はこちらを参照)

それでも、アンジェスでは年内には治験を終え、厚生労働省の製造販売承認取得を目指すとしています。


なお、7月18日付けネット記事(こちらを参照)では「アビガン」の最新状況について以下のように報じています。


富士フイルムホールディングスなどは、「アビガン」の臨床試験(治験)を月内(7月)にもクウェートで始める。最大1千人程度の参加者を集める大規模な治験で、新型コロナ薬としての効果や副作用を確かめる。有効なデータが得られれば日本での承認申請に利用することも検討。国産の治療薬としての量産を急ぐ。


ですから、治験参加者を海外に求めて、少しでも早く治験の完了を急いでいるのです。

 

一方、アメリカの製薬大手、ファイザーとドイツのビオンテックは共同開発している新型コロナウイルスのワクチン候補を24人の健康な被験者に2回投与したところ、感染した人に通常見られる水準を超える抗体が確認出来たことを明らかにしました。

7月下旬にも最大3万人が参加する最終段階の治験を始めます。

 

以上、2つのテレビ番組と2つのネットニュースの内容を併せてご紹介してきました。

 

ちなみに、新型コロナウイルスの治療薬として期待されているアビガンの最新状況ですが、7月10日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で以下のように報じています。

 

藤田医科大学は、臨床研究として軽症もしくは無症状の感染者88人に対してアビガン投与した場合と非投与の場合を比較、6日目までにウイルスが消える割合や熱が下がるまでの日数を検証しました。

回復が早い傾向は見られたものの、統計的に明らかな差は確認出来なかったとしています。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

一方、4月22日(水)付け(こちらを参照)、および5月2日(土)付け(こちらを参照)のネットニュースでイギリスでのワクチン開発について取り上げていたので併せてご紹介します。

 

イギリスのマット・ハンコック保健相は4月21日、イギリス・オックスフォード大学が開発した新型コロナウイルス向けワクチンの臨床試験が4月23日に始まると発表しました。

政府は「全力をあげて」ワクチン開発を推進していると話しています。

 

他のほとんどの開発チームが安全性を実証する数百人規模の小規模な試験からスタートしなければならない中で、同大学のジェンナー研究所はワクチン開発で好発進を切りました。

これまでに手がけた臨床試験で、同様の予防接種(新型コロナとは違う別のコロナウイルスに対して昨年行われたものを含む)が人間に無害であることを証明していたからです。

 

オックスフォード大学の研究者チームは5月末までに、6000人以上を対象とした新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を他に先駆けて行う予定になっています。

安全性だけでなく、有効性も実証したい考えです。

 

同大学の研究者によると、効果が確認されて当局の緊急承認が得られれば、最初の数百万回分のワクチンは9月までに利用出来るようになる可能性があります。

公表されている他のいかなるワクチン研究よりも数カ月は先を行きます。

 

同大学のジェンナー研究所が開発するワクチンは、身近なウイルスの遺伝子コードを改変する技術を用いています。

従来のワクチンは弱体化させたウイルスによって免疫反応を引き起こすが、この研究所が使用する技術では別のウイルスを非活性化したうえで新型コロナウイルスを模倣します。

この“無害な偽物”を体内に注射することで免疫を誘導する仕組みです。

この免疫が新型コロナと戦い、体を保護するのです。

 

こうしたオックスフォード大学の取り組みについて、「とてつもなく迅速な臨床プログラムだ」と、様々なワクチン開発プログラムに資金援助しているビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団でワクチンプログラムのディレクターを務めるエミリオ・エミニさんは語る一方で、どれが最も効果的なワクチンとなりうるかは、臨床試験のデータが利用可能となるまではわからないと言います。

いずれにしても複数のワクチンが必要になる、とエミニさんは主張しています。

子どもや高齢者のような集団で他より効果を発揮するものもあれば、費用、投与量で違いが出てくる可能性もあるからです。

複数のワクチンを製造すれば、製造上のボトルネックを回避するのにも役立つといいます。

 

以上、2つのネットニュースの内容を併せてご紹介してきました。

 

ということで、いくつかのテレビ番組やネットニュースの内容をご紹介してきました。

 

新型コロナウイルスの早期終息に向けて、最も重要なことはワクチン、および治療薬です。

そして、治療薬については、7月15日より3日間にわたってお伝えしましたが、他にも並行していろいろな治療薬の開発が進行中のようです。

そうした中でも、アメリカの製薬会社、ギリアド・サイエンシズが開発した新型コロナウイルスの治療薬、レムデシビルは実用化間近のようです。

 

一方、新型コロナワクチン開発の状況については、国内では大阪大学発ベンチャー企業、アンジェスを中心にご紹介してきました。

なお、“日の丸ワクチン”に取り組んでいるのは、塩野義製薬、第一三共、タカラバイオ(=アンジェス)など6社といいます。

しかし、欧米勢に比べて周回遅れの感があるといいますから、官民一体でスピードを上げて取り組んでいただきたいと思います。

 

また海外の動きについては、アメリカの製薬大手、ファイザーとドイツのビオンテックによる共同開発、およびイギリス・オックスフォード大学の取り組みについてご紹介しましたが、オックスフォード大学の研究者チームは5月末までに6000人以上を対象とした新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を他に先駆けて行う予定で、効果が確認されて当局の緊急承認が得られれば、最初の数百万回分のワクチンは9月までに利用出来るようになる可能性があるといいます。

公表されている他のいかなるワクチン研究よりも数カ月は先を行くということですが、5月25日(月)付けネットニュースでは、イギリス・オックスフォード大学の研究チームは、感染率の低下によってワクチン効果の有無を検証することがますます困難になるだろうと指摘したと報じています。(詳細はこちらを参照)

 

開発メーカーや研究機関はそれぞれいろいろな課題に取り組まれていると思いますが、大きなネックの一つとして、アビガンやオックスフォード大学の研究者チームの治験の遅れに象徴されるように、治験をスムーズに進めるためには必要な回復した感染者、すなわち治験の参加者数が目標に届かないという悩みがあります。

ところが皮肉なことに積極的に集団免疫を進めるスウェーデンのような一部の国を除き、多くの国々はこうした悩みがある一方、新型コロナウイルスの感染防止に必死に取り組んでいるのです。

まさにジレンマです。

 

なお、ワクチンの種類によって子どもや高齢者のような集団で他より効果を発揮するものもあれば、費用、投与量で違いが出てくる可能性もあるので複数のワクチンが必要になります。

そこで、複数のワクチンを製造すれば、製造上のボトルネックを回避するのにも役立つとエミニさんは主張しています。

そこで、ワクチンや治療薬開発の治験に必要な参加者数を確保するために、世界各国が協力して必要な分だけ回復した感染者を確保する仕組みが必要だと思います。



*7月24日(金)追記


7月22日(水)付けネットニュース(こちらを参照)では、イギリス・オックスフォード大学の研究チームの進めているワクチン開発の最新状況を取り上げていたので、以下にその要約をお伝えします。
・イギリスのオックスフォード大学は、開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンについて、「強い免疫反応が見られた」と発表した
・大学の発表によると、ワクチンをヒトに投与した結果、ウイルスの働きを弱める「抗体」と、感染した細胞を攻撃する「キラーT細胞」による「強い免疫反応が見られた」という
・ワクチンは、早ければ9月にも実用化される可能性がある
・共同開発するアストラゼネカは7月21日、日本でも大量のワクチンを供給したいとしていて、日本政府と協議を進めている
・一方で、日本で緊急事態として治験が免除されなかった場合は、供給が遅れる可能性がある


ということで、このワクチンが実際に国内外を問わず多くの未感染の人たちに投与され、その効果が発揮されれば、新型コロナウイルスのパンデミックから解放され、一気に終息に向けて動き出すと大いに期待出来るのです。


 
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2020年07月19日
No.4698 ちょっと一休み その720 『ウイルスは生物ではない!?』

新型コロナウイルスの影響でパンデミック状態が続いています。

そうした中、6月1日(月)放送の「グッド!モーニング」(テレビ東京)の「池上 彰のニュース検定」コーナーでウイルスについて分かり易く解説していたのでご紹介します。

 

池上 彰さんは次のようにおっしゃっています。

「新型コロナウイルスの感染拡大で人々は日常生活の中でもウイルスの存在を警戒するようになりました。」

「ウイルスは細菌よりも更に小さく、体に入ると病気を引き起こします。」

「新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザやはしか、水ぼうそうなど数多くのウイルスがあります。」

「人類が長い間闘っている敵なのです。」

 

ウイルスは細菌と違って、自力で増殖したり、子孫を残したりすることが出来ません。

このため、“生き物”とは呼べないという考え方もあります。

元々ウイルスが潜んでいる動物は決まっていて、インフルエンザウイルスならカモ、エイズウイルスはチンパンジーだと見られています。

そして、今回の新型コロナウイルスはコウモリだという見方が有力です。

ウイルスは外に出てしまうと、感染力を失います。

動物の体内で感染力を維持しているのです。

池上 彰さんは次のようにおっしゃっています。

「ウイルスは決まった動物の体内にいる限り、問題を引き起こしません。」

「共存しているのです。」

「しかし、問題は違う動物に移った際、病気になる可能性が高まることです。」

「例えば、インフルエンザウイルスは通常はカモの体内にいますが、ニワトリや人に移ると病気を引き起こします。」

「更にウイルス自体が非常に毒性の強いものに変異する恐れがあるのです。」

「今回の新型コロナウイルスは、コウモリから何らかの生き物を経由したうえで人に感染した可能性が高いと見られています。」

「動物から移ったばかりのウイルスに対して、人間は免疫を持っていません。」

「防御する力が弱いのです。」

「私たちはウイルスという敵が体の中に入らないように最大限注意する必要があるのです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

また、「グッド!モーニング」と一部内容が重複しますが、3月28日(土)放送の「ウイルス VS 人類〜未知なる敵と闘うために」(BS1)でもウイルスについて説明していたのでご紹介します。

 

中村 幸司解説委員は次のようにおっしゃっています。

「人の体に入って感染症を引き起こすものとしてはウイルスとか細菌といったものがあります。」

「で、ウイルスは殻のようなものと遺伝情報というものだけで、構造が非常に簡単なので、大きさは小さく、細菌よりも非常に小さくなっています。」

「特殊な顕微鏡で見ないとこのウイルスは見えないぐらい小さいです。」

「で、ウイルスは人の体に入りますけれども、自分自身だけでは増殖することが出来ないため、人の体の細胞の力を借りて体の中で増殖します。」

「自分だけでは増殖出来ないことから、ウイルスは生物ではないというふうに一般には見なされています。」

「ウイルスが増殖しますと、これを排除しようとして体の温度は上げる、発熱することで排除しようとします。」

「それだけではなく、体の免疫というものが働いてこのウイルスを攻撃しようとします。」

「ただ、出会ったことのないウイルスに対しては、免疫は十分に働くことが出来ません。」

「このため、新しいウイルスの出現は感染が一気に広がって、あるいは重症化するということで警戒が必要だというふうに考えられているのです。」

 

以上、番組の内容のごく一部をご紹介してきました。

 

また、ウィキペディアによると、ウイルスの定義は以下の通りです。

ウイルス(ラテン語: virus)は、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。

生命の最小単位である細胞やその生体膜である細胞膜も持たないので、小器官がなく、自己増殖することがないので、非生物とされることもある。

 

また、その特徴は以下の通りです。

ウイルスは細胞を構成単位とせず、自己増殖は出来ないが、遺伝子を有するという、非生物・生物両方の特性を持っている。

自然科学・生物学上、生物・生命の定義を厳密に行うことはできていないため、便宜的に細胞を構成単位とし、代謝し、自己増殖できるものを生物と呼んでおり、ウイルスは「非細胞性生物」あるいは「生物学的存在」と見なされている。

感染することで宿主の恒常性に影響を及ぼし、病原体としてふるまうことがある。

ウイルスを対象として研究する分野はウイルス学と呼ばれる。

 

以上、ウィキペディアよりウイルスの定義、およびその特徴をご紹介してきました。

 

さて、ここまでの情報から特に気になったことを以下にまとめてみました。

・ウイルスは、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなること

・生命の最小単位である細胞やその生体膜である細胞膜も持たないので、小器官がなく、自己増殖することがないこと

・一方、遺伝子を有するので非生物・生物両方の特性を持っていること

・ウイルスは決まった動物の体内にいる限り、問題を引き起こさず、共存していること

・しかし、違う動物に移った際、病気になる可能性が高まること

・出会ったことのないウイルスに対しては、免疫は十分に働くことが出来ず、感染が拡大すること

・しかし、体の免疫作用が働くと、ウイルスを攻撃し、感染の拡大を防ぐことが出来ること

 

これまで生物の定義、あるいはウイルスの定義、ウイルスと細菌の違いなどについて考えたこともありませんでしたが、ウイルスが自己増殖出来ず、一方で遺伝子を有するという、非生物・生物両方の特性を持っていることに新鮮な驚きを覚えました。

 

また、ウイルスは決まった動物の体内にいる限り共存しており、他の動物に移った時のみ病気になる可能性が高まるというのは、根本的なウイルスへの対応策を検討する際の一つの大きなヒントのなるのではなかと思いました。

というのは、ウイルスと共存出来る動物と共存出来ない動物、あるいは人類との違いを明らかに出来れば、最先端の医療技術によって人類をウイルスと共存出来る体質に変えることが出来る可能性が出てくるからです。

もし、将来的にこうした医療技術が実用化されれば、人類はウイルス感染の悩みから永遠に解放されようになります。

ですから、これは人類の歴史に残る第一級の発明になると思います。


 
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2020年07月18日
プロジェクト管理と日常生活 No.651 『サイバー攻撃による世界的な損失額は10年後には90兆ドルに達する!?』

これまでサイバー攻撃については、プロジェクト管理と日常生活 No.646 『北朝鮮のサイバー強盗団による日本での外貨荒稼ぎ!』プロジェクト管理と日常生活 No.647 『巧妙化が進むサイバー攻撃!』などでお伝えしてきました。

そうした中、日経ビジネス関連のネットニュース(こちらを参照)でサイバー攻撃による世界的な損失額について取り上げていたので以下にその一部ご紹介します。 

 

IoTやAIなどの普及は、サイバー攻撃者にとって、攻撃対象となる窓口の増加を意味する。「新しい技術の誕生」は、「新しい課題の誕生」と同意だ。

 

サイバー空間では、攻撃者が圧倒的に優位に立つ。世界経済フォーラムの統計によると、サイバー攻撃による世界的な損失額は、2030年には90兆ドルに達すると見込まれている。

 

こうした攻撃に備えるサイバーセキュリティ対策のレベル向上で有用なのは、実践的なサイバー攻撃対応訓練だ。ロシア最大の商業銀行ズベルバンクの子会社でサイバーセキュリティ企業のバイ・ゾーンは、国際サイバー犯罪に対抗するグローバルオンライン訓練プロジェクト「サイバー・ポリゴン」を実施している。このプロジェクトは世界経済フォーラムの活動の一環であり、国際刑事警察機構(ICPO)と共同開発を行っている。CEOのサマルツェフ氏は「サイバーセキュリティの知識があっても“実戦”の経験がなければ高度化する国際サイバー犯罪には対峙できない」と指摘する。

 

訓練の結果についてサマルツェフ氏は、「参加者が情報共有した結果、単独での対応と比べて7倍近く効率的に対応できた」と説明。同訓練の有用性とともに、情報共有の重要性を強調した。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず、サイバー攻撃による世界的な損失額は、2030年には90兆ドル(1ドル107円換算で、9630兆円 日本の国家予算の約94倍)と、兆の次の位の京に達するほどと見込まれていることにビックリです。

皮肉を込めて言えば、2030年にはサイバー攻撃は世界で最も大規模な産業になっているかもしれないのです。

しかも、サイバー空間では攻撃者が圧倒的に優位に立つというのですから、北朝鮮のサイバー強盗団をはじめ、この産業への参入が後を絶たないことは容易に想像されます。

 

では、こうしたリスクに対してどのような対応策が考えられるかですが、プロジェクト管理と日常生活 No.647 『巧妙化が進むサイバー攻撃!』でもお伝えしましたが、今回は更に以下の対応策を加えたいと思います。

・最先端のスパコン、あるいは量子コンピューター、そしてAIといったようなサイバー攻撃に必要なモノがサイバー攻撃組織に入手されないように世界規模で厳重に管理すること

サイバー攻撃組織に関する情報提供者には高額の報酬を与えること


 
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2020年07月17日
アイデアよもやま話 No.4697 新型コロナウイルス治療薬の実用化が間近に!

前々回、前回と新型コロナウイルス治療薬に挑む日本企業の最前線について2回にわたってご紹介してきました。

そうした中、6月30日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で実用化間近な新型コロナウイルス治療薬、レムデシビルについて取り上げていたのでご紹介します。

 

アメリカの製薬会社、ギリアド・サイエンシズは、新型コロナウイルスの治療薬として日本政府が特例承認したレムデシビルについて、先進国政府向けの価格を1人あたり約25万円にすると発表しました。

ただ日本では新型コロナウイルスの治療費が公費で負担されていて、患者の負担はありません。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

また、7月2日(木)付けネットニュース(こちらを参照)では以下のように報じています。

 

レムデシビルについて、アメリカ政府は9月末までの生産分の92%を買い上げたと発表しました。

約55万人への投与量のうち、50万人分を米国が買い占めたことになります。

 

レムデシビルは、1人の治療に平均6.25本分が必要とされます。

アメリカの買い占めにより、世界でレムデシビル不足が起きるとの懸念が広がっています。

 

ギリアドはAFPの取材に、インド、パキスタン、エジプトの製薬会社9社にレムデシビルのジェネリック医薬品(後発医薬品)の生産ライセンスを無償で提供しており、発展途上国127ヵ国に供給されると説明しています。

その他の国については、まず規制当局の承認・認可と罹患(りかん)率に基づいて、レムデシビル供給の優先度が決まります。

次に、重症度に基づいて判断し、最も緊急性の高い患者に優先的に提供されると述べています。

 

レムデシビルはアメリカ国内の工場の他、北米や欧州、アジアの提携企業でも生産して「供給の規模を拡大する」としています。

 

米ジョージタウン大学(Georgetown University)の保健法の専門家マシュー・キャバノー(Matthew Kavanagh)氏は、「世界各国は直ちに、レムデシビルをはじめとするCOVID-19治療薬に対し(特許技術を政府機関や第三者が自由に使えるようにする)『強制実施権』を発動するための協調した取り組みを発表し、開発元の製薬会社が必要な治療薬の生産を阻止出来ないようにするべきだ」と語っています。

 

以上、記事の一部をご紹介してきました。

 

この2つの情報を以下にまとめてみました。

アメリカの製薬会社、ギリアド・サイエンシズが開発中の新型コロナウイルス治療薬、レムデシビルは実用化間近であること

レムデシビルについて、アメリカ政府は9月末までの生産分の92%を買い上げ、約55万人への投与量のうち、50万人分をアメリカが買い占めたことになること

・アメリカの買い占めにより、世界でレムデシビル不足が起きるとの懸念が広がっていること

・ギリアドはインド、パキスタン、エジプトの製薬会社9社へのジェネリック医薬品の生産ライセンスの無償提供により発展途上国127か国に供給されると説明していること

・その他の国については、まず規制当局の承認・認可と罹患(りかん)率に基づいて、レムデシビル供給の優先度を決めること

・次に、重症度に基づいて判断し、最も緊急性の高い患者に優先的に提供されること

・レムデシビルはアメリカ国内の工場の他、北米や欧州、アジアの提携企業でも生産して「供給の規模を拡大する」としていること

レムデシビルについて、先進国政府向けの価格を1人あたり約25万円にすると発表したが、日本政府は特例承認し、新型コロナウイルスの治療費が公費で負担されているので患者の負担はないこと

 

こうしてまとめてみると、レムデシビルはアメリカの製薬会社、ギリアド・サイエンシズにより開発されたことから、国内の感染者数の多さからも自国優先でアメリカ政府により9月末までの生産分の92%が買い上げられたことは致し方ないと思います。

一方、途上国、あるいは他の先進国に対する対応について、ジョージタウン大学の保健法の専門家、マシューさんが指摘されていますが、新型コロナウイルスの治療薬、あるいはワクチンの提供方法については一つのあるべき姿を示していると思います。

そして、アイデアよもやま話 No.4695 新型コロナウイルス治療薬に挑む日本企業の最前線 その1 武田薬品の取り組み!でご紹介した武田薬品、そして今回ご紹介したギリアドの取り組みもこうしたあるべき姿をベースに新薬開発を進めて来たと思われます。

 

なお、レムデシビルの最新状況ですが、7月13日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で以下のように報じています。

 

7月13日、ギリアドはレムデシビルについて、死亡率を大きく低下させたと発表しましたが、この報道について解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田 洋一さんは次のようにおっしゃっています。

「死亡率が変化したわけですよね。」

「62%も死亡率が減った、そこにマーケットは大きく反応したのですが(株価が上昇)、実際のレベルはどのくらいだったのかを見てみたいと思います。」

「14日目の死亡率ですが、投与した場合は7.6%、投与しなかった場合は12.5%、こういう数字なんですね。」

「そこで、やっぱりマーケットは大きな数字が出てくるとそこに反応するというのが今起きている現象だと思います。」

「メディア業界もついつい見出しが大きくなりそうな方を取っちゃうんですよね。」

「そこは僕ら(報道陣)もちょっと反省しないといけないと思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

ということで、治療薬として期待のかかるレムデシビルは実用化が間近といいますが、冷静に見ると、その効果は確かにあるようですが、それほど劇的な効果とまでは言えないようです。

それでも、レムデシビルの投与により、これまで100人の感染者のうち13人ほどが亡くなっていたのが8人ほどに抑えて5人ほどが助かると期待出来るのですから、投与する価値は十分にあると思います。

 

ワクチンの実用化が達成出来るまでは、治療薬で感染者の回復を目指すしかありません。

ですから、引き続きより効果のある治療薬、そしてワクチンの実用化を期待したいと思います。


 
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2020年07月16日
アイデアよもやま話 No.4696 新型コロナウイルス治療薬に挑む日本企業の最前線 その2 花王の取り組み!

前々回まで2回にわたってPCR検査関連の記事についてご紹介してきましたが、前回、今回と新型コロナウイルス治療薬に挑む日本企業の最前線について2回にわたってご紹介します。

2回目は、6月2日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)を通して、花王の取り組みについてのご紹介です。 

 

今回は、製薬会社ではない意外な日本企業、花王株式会社(東京・中央区)の挑戦です。

洗剤やスキンケア商品などを手掛ける花王は、商品開発の一環としてウイルスや菌の独自研究を続けてきたのですが、新型コロナウイルスの封じ込めにつながるある発見が今、期待を集めています。

神奈川県川崎市、羽田空港からほど近いところにある花王の安全性科学研究所では、洗剤などの商品開発のため、微生物やウイルスの研究を独自にしています。

新型コロナウイルスの問題を受け、3月から急きょ研究に乗り出したのです。

開発グループリーダーの森本 拓也さんは次のようにおっしゃっています。

「こちらが今回発見したVHH抗体になります。」

「新型コロナウイルスの感染を抑制する能力があることを確認出来ています。」

 

新型コロナウイルスを抑えるという、このVHH抗体、意外なところから発見したといいます。

森本さんは次のようにおっしゃっています。

「花王は衛生に係わる様々な商品を世の中にお届けをしています。」

「その中で、菌やウイルスの研究はこれまでずっと行ってきています。」

「アルパカがつくる抗体の遺伝子の情報を用いまして見つけることが出来ました。」

 

ラクダ科の一種、アルパカが持つ固有の抗体を調べたところ、今回の発見につながったということです。

スパイクタンパク質という突起を持つ新型コロナウイルスが人の肺の細胞と結合することで感染します。

VHH抗体はこのスパイクタンパク質にくっつく性質があり、ウイルスをブロックしてくれるのです。

花王は北里大学などと共同で新型コロナウイルスを使い、抗体の実験をしてきました。

感染の危険があるため、実験はロボットを使って行われました。

試験機器の中央の、人の生きた細胞が入った試験官にウイルスとVHH抗体を注入して、反応を確認します。

5日後、試薬を使って細胞を青く色づけました。

VHH抗体を混ぜた試験官は青く染まりましたが、ウイルスだけの方は反応しませんでした。

ウイルスのみの試験官では、細胞は死滅してしまい、残骸しか残っていません。

しかし、VHH抗体を混ぜた方は、青く染まった細胞が正常に残っています。

抗体がウイルスの細胞への感染を防いだということです。

 

このVHH抗体にはどんな可能性が秘められているのでしょうか。

森本さんは次のようにおっしゃっています。

「VHH抗体ですけども、治療薬とか検査薬に使うのに有望なものが得られていると考えてはいます。」

「新型コロナウイルスに関しては、変異体が出て来ているという情報もあると思いますけども、(ウイルスの)変異に対しても迅速に対応出来る特徴があると考えます。」

 

しかし、なぜ花王がこうした分野の研究に取り組むのでしょうか。

長谷部 佳宏専務は次のようにおっしゃっています。

「花王はですね、元々モノを洗うということが本業でして、モノを洗うことは人にとって危害があるもの、菌とかウイルスとか、そういうものを落とす研究を大切にしているわけです。」

「実は、製薬会社さんではなくて、(ウイルスの研究は)我々の方が本業かもしれないと思っているわけです。」

 

製薬会社と異なるアプローチに、専門家である日経バイオテクの坂田 亮太郎編集長は次のようにおっしゃっています。

「今回の花王の事例は非常に示唆に富むと考えております。」

「これまでの常識なら花王がウイルスを撃退する抗体を発見するというのは誰も考え付かなかったと思います。」

「新型コロナウイルスの脅威はまだまだ過ぎ去ったわけではありませんので、どんなアイデア、どんな技術が生かせるかはまだまだ全然分かっておりません。」

「未曾有の危機を前に、自分なら何が出来るか、目の前の課題を自分事と捉えて行動した結果が今回の成果だったと言えると思います。」

 

花王は今後、製薬会社などと連携し、治療薬の開発をサポートするとしています。

なお、花王によりますと、既に製薬会社や研究機関などから今回発見した抗体で、新薬の開発を進めたいという要望が寄せられているということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

洗剤やスキンケア商品などを手掛ける花王は、商品開発の一環としてウイルスや菌の独自研究を続けてきたといいますが、こうした事実は知りませんでした。

しかし、その花王が新型コロナウイルスの問題を受け、3月から急きょ研究に乗り出したというのはこうした事実からうなずけます。

そして、3ヵ月ほどで、ラクダ科の一種、アルパカが持つ固有の抗体を調べたところ、VHH抗体の発見につながったというのですからとても短期間での発見と言えます。

 

花王には既に製薬会社や研究機関などから今回発見した抗体で、新薬の開発を進めたいという要望が寄せられているということですので、是非共同で早期の治療薬の開発を目指して取り組んでいただきたいと思います。

 

さて、ダチョウは驚異的な免疫力を持っており、怪我をしても傷の直りが早いといいますが、アイデアよもやま話 No.1283 ダチョウが人類を救う?で、ダチョウに無毒化したインフルエンザウイルスを注射して抗体を大量生産する取り組みについてお伝えしました。

ということは、このアイデア同様に、ダチョウやアルパカに無力化した新型コロナウイルスを注射して抗体を大量生産する研究をする価値はあると思います。

もし、この研究が成果をあげれば、回復した感染者の血液を収集するよりもはるかに効率よく抗体を大量生産出来るようになります。

ちなみに、今回、花王はアルパカが持つ固有の抗体を調べて今回の発見につなげたといいますから、アルパカもダチョウと同様に驚異的な免疫力を持っているのではないかと思われます。


 
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2020年07月15日
アイデアよもやま話 No.4695 新型コロナウイルス治療薬に挑む日本企業の最前線 その1 武田薬品の取り組み!

前々回、前回とPCR検査関連の記事についてご紹介してきました。

今回、次回と新型コロナウイルス治療薬に挑む日本企業の最前線について2回にわたってご紹介します。

1回目は、6月1日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)を通して、武田薬品の取り組みについてのご紹介です。。 

 

感染再拡大の懸念が高まる中、急がれるのが新型コロナウイルスの治療薬の開発です。

今日(6月1日)から2夜連続でその最前線についてお伝えします。

世界で激しさを増す開発競争に日本から名乗りを上げたが国内トップ企業の武田薬品工業株式会社(東京・日本橋)です。

カギを握るのが新型コロナウイルス肺炎から回復した患者の血液のある成分なのです。

新薬開発の現場を番組が独占取材しました。

 

アメリカでは今、回復した患者から血液を集める活動が始まっています。

採取されたのは、血しょうと呼ばれる血液の成分、実はこの血しょうが世界中で新薬の開発につながると注目されているのです。

日本で血しょうに目を付けたのが武田薬品工業です。

 

コロナウイルスに感染すると、多くの人がウイルスと闘う抗体を体内で獲得します。

武田薬品は回復患者の血液を採取、この抗体を含んだ血しょうを世界中から集めます。

血液から赤血球を除いているため、色は薄い黄色です。

この集めた血しょうから抗体を取り出し、コロナウイルスの治療薬をつくろうというのです。

生産は、昨年約6兆円で買収したアイルランドの製薬会社のアメリカの工場です。

社運を賭けた一大プロジェクト、買収の成果も問われています。

武田薬品で新型コロナウイルスの治療薬をつくる特命プロジェクトのメンバー、柏谷 祐司さんは次のようにおっしゃっています。

「武田薬品はグローバルな企業なので、アメリカとかヨーロッパの患者さんを救う、すごくそれも価値があって、グローバルカンパニーとしての使命は、日本の企業に勤めているというところに立ち返ると、やはり日本の患者さんに何か貢献したい。」

 

実は、武田薬品は今回、治療薬の開発のスピードを上げるため、世界のライバルメーカーにも共同開発を呼びかけて来たのです。

患者のために、今は利益を度外視しているといいます。

5月15日、柏谷さんは国立国際医療研究センター(東京・新宿区)に向かっていました。

こちらの医療機関で新薬の安全性などを確認する治験が出来ないか、相談に来たのです。

打合せの結果について、柏谷さんは次のようにおっしゃっています。

「前向きなコメントをいただいていますので、これから詳細を詰めて進めていって、更に進めていきたいと。」

 

そしてこの日、プロジェクトに大きな進展があり、柏谷さんは次のようにおっしゃっています。

「治験薬の製造がアメリカの工場で始まりました。」

「こちらの血しょうはオーストリアで採血された血しょうになります。」

 

治療薬のカギを握る血しょうがアメリカの工場に集まってきました。

武田薬品は、まずは治験用の薬を生産、7月から日米欧で治験を始め、安全性や効果を確認していくとしています。

クリストフ・ウェバー社長兼CEOは次のようにおっしゃっています。

「日本が迅速な承認プロセスを取るなら、年末までに患者に使ってもらえます。」

「どれだけ頑張っても年末です。」

「薬の数は、最初は限定的になります。」

 

武田薬品が総力を挙げて挑む治療薬、新型コロナウイルスを制圧出来るのでしょうか。

日経バイオテクの坂田 亮太郎編集長は次のようにおっしゃっています。

「感染者が回復をした際に獲得する抗体を使うと、新しい患者さんに効くということが分かってきているので、今回もそれを活用するということになっています。」

「薬の原料となる感染者の血液から収集しないといけませんので、回復者の協力が不可欠だということです。」

「いかに(血しょうを)確保するかということが課題になってくると思います。」

 

現在、この治療薬のもととなる回復患者からの血しょうの提供は、日本国内では制度上難しくて、実施されていないといいます。

今後、この治療方法が有効だと示された場合は、国内で血しょうを調達出来るかどうかというのも課題になっていきそうです。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

番組を通して、新型コロナウイルスの治療薬を石油に例えると、回復患者の血液が原油、そしてその中の血しょうに含まれる抗体が石油と言えるのではないかと思いました。

今や、新型コロナウイルスの感染はパンデミック(世界的な大流行)状態にあります。

まさに人類共通の危機です。

そして、その根本的、かつ最も効果的な解決策は明らかです。

すなわち、ワクチンと治療薬の開発です。

 

さて、 “企業は社会の公器”と言われていますが、世界中の関連メーカーはまさにその本領を発揮すべき時なのです。

そうした中、今回ご紹介した武田薬品は治療薬の開発のスピードを上げるため、世界のライバルメーカーにも共同開発を呼びかけて来たといい、患者のために今は利益を度外視しているといいます。

武田薬品に限らず、こうした姿勢の企業は尊敬に値すると思います。

 

なお、新薬の開発期間は9〜17年といわれています。

そして、人にとって有効で安全なものかどうかを調べる臨床試験(治験)は3〜7年かかるといいます。

更に、治験後の承認申請と審査期間は1〜2年といいます。

 

更に、世界中の感染者を救うための治療薬の開発には、それ相当の原油に相当する回復患者の血液を収集しなければなりません。

ですから、血液の収集には世界各国の協力が必要となります。

 

ということで、新型コロナウイルスを少しでも早く終息させるために、世界各国の関連企業が協力してワクチン、および治療薬の開発、および回復患者の血液の収集に取り組んでいただきたいと思います。

同時に、治験後の審査を担当する厚生労働省には、特例で少しでも期間を短くしていただきたいと思います。


 
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2020年07月14日
アイデアよもやま話 No.4694 実用化が進む”25分検査”!

前回、日本発の全自動PCR検査装置についてご紹介しました。

そうした中、6月25日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で実用化が進む”25分検査”について取り上げていたのでご紹介します。 

 

結果をより早く出すため、製薬大手の塩野義製薬株式会社が実用化を目指しているのは、舌から取る唾液を使って新型コロナウイルスに感染しているかが分かる新たな検査です。

番組では、塩野義製薬と共同で開発を進める日本大学で実際にその様子を見せてもらいました。

日本大学文理学部化学科の標 正靖教授は次のようにおっしゃっています。

「大きな間口の容器に患者さん本人が唾を吐くだけなので、非常にどなたでも出来ると。」

 

採取した唾液を特殊な薬品と混ぜ、95℃で2分間加熱処理し、その唾液を薄い茶色の検査試薬に入れます。

それを37℃で20分間専用の機械で反応させれば結果が判明、感染していなければ液体は薄い茶色のまま、感染していれば透明になり、ウイルスと試薬がつまった黒い塊が出来ます。

結果が分かるまでの時間はわずか25分、PCR検査よりも劇的に短いうえ、検査精度はPCR検査と変わらないといいます。

標橋擬は次のようにおっしゃっています。

「空港の検疫のように人が1日何万人と来るところで活用出来るんじゃないかと。」

「今の抑制された経済活動がある意味緩和されるということで、メリットは大きいんじゃないかなと。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

前回ご紹介した全自動PCR検査装置は既に実用化されていますが、1台の装置だけで2〜3時間のうちに12人分のPCR検査をこなせるといいます。

これに対して、今回ご紹介した検査装置はわずか25分で結果が判明するといいます。

ですから、検査結果が出るまでの時間だけで比較すれば、進化版と言えます。

ただ、実用化までどのくらいの期間を要すかは不明です。

また、同時にどのくらいの検査をこなせるのか、あるいは検査費用、操作性などの比較で総合的にどの検査方法を採用するのかといった検討が求められます。

 

いずれにしても、ワクチンや治療薬の実用化、および大量の導入まではまだまだ時間がかかりそうなので、それまでは「3密」の回避、およびより多くのPCR検査、および抗体検査(*)を実施し、感染者、あるいは過去に感染している人を特定し、新型コロナウイルスに立ち向かうしかないのです。


* PCR検査:ウイルスの遺伝子を高感度で検出する手法

抗体検査 :既に感染を経て体にウイルスに対する免疫が備わったかを診る血液検査


 
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2020年07月13日
アイデアよもやま話 No.4693 ようやく日本のPCR検査が画期的に変わる!?

6月30日(火)放送の「TBSニュース」(TBSテレビ)で日本発の全自動PCR検査装置について取り上げていたのでご紹介します。 

 

日本のPCR検査が画期的に変わるかもしれません。

画期的な全自動PCR検査装置を開発した日本のメーカー、プレシジョン・システム・サイエンス株式会社(PSS)の田島 秀二社長は次のようにおっしゃっています。

「(この装置の)蓋を閉めて、ボタンを押していただければ、全自動で結果が出ると。」

 

保健所などの公的機関が行う従来の方法だと、検体と試薬を混ぜる作業などは一つひとつ手作業です。

結果が出るまでの6時間ほどかかり、技術を持つ人材も必要です。

それがこの装置を使えば、12本のノズルが同時に動き、検体からウイルスの遺伝子を抽出、その遺伝子の入った容器に試薬を注入します。

遺伝子が増幅されるのを待って結果が判明、この1台の装置だけで2〜3時間のうちに12人分のPCR検査をこなせるといいます。

従来の方法と比べると、時間も人手も圧倒的に少なく済みます。

しかし、日本の企業が開発したこの全自動PCR検査装置は日本では普及せず、海外では引っ張りだこだというのです。

この装置を導入しているフランスの政府からこの企業に感謝状が届いています。

またイタリアでは、感染の中心地だったロンバルディア州の州政府がこの装置のメーカーをオフィシャルメーカーに指定し、病院への配備を進めました。

PCR検査に追われる世界の現場で大きく貢献している日本生まれの全自動PCR検査装置、5年前にEUで認可されて以降、既に50ヵ国で500台以上導入されています。

フランスの検査部門の責任者は次のようにおっしゃっています。

「感染の拡大を抑えられた国は最初から大量の検査を行えるようにしていました。」

「この装置は検査を大量に実施することが可能です。」

 

また検査技師の一人は次のようにおっしゃっています。

「日本の検査機関がこの機械を使わずにどうやって作業しているのか想像もつきません。」

 

この全自動PCR検査装置が日本で普及していないのはなぜなのでしょうか。

安倍総理はたびたび検査能力の目標を掲げていましたが、検査を受けられないまま重症化したり、亡くなったりする人が相次ぐ中、PCR検査の不足が指摘され続けてきました。

実はこの頃、PSSは国内での販売を目指して動いていました。

ただ日本でこの装置を売り込むためには、まず装置とセットで使う試薬について厚生労働省(厚労省)から保険適用の承認を得る必要がありました。

PSSの田島 秀二社長は次のようにおっしゃっています。

「いろいろ考え方がコピット(新型コロナウイルス)に関しては厚労省さんも自分でお持ちになって、ガイドラインじゃないけど、そういうある指針をおっしゃって、それを勉強させていただきながら、「じゃあ手続きとしてこうやって行こう」というのを我々なりに段取りをつけて、・・・」

 

1ヵ月半かけて検査の精度を示すデータを集め、厚労省に提出、遂に6月、検査試薬への保険適用が認められました。

ようやく日本でもこの全自動PCR検査装置を使うことが出来るようになったのです。

田島社長は次のようにおっしゃっています。

「(結果判明が)何日後、ひどくなると1週間後ということじゃなくて、症状が出ている患者さんを目の前にして、これ(検査装置)に乗せれば1時間、1時間半でデータが出るわけですから、やっぱり現場で使えるような装置だということが非常に大事だと思います。」

 

なお、人口1000人あたりのPCR検査の実施数(6月28日時点 イギリス「Our World Data」より)は以下の通りです。

アメリカ   92

イタリア   88

カナダ    70

シンガポール 64

韓国     24

フィリピン   6

日本      4

 

各国と比べてみると未だに日本は世界の中で圧倒的に低いことが分かります。

世界で活躍する日本生まれの全自動PCR検査装置の導入を早期に進める選択肢はなかったのか、厚労省に取材してみると、以下のような答えが返ってきました。

「全自動装置が日本の検査現場のニーズに合っているかどうかは分からない。」

「(実際に検査現場のニーズを吸い上げたのかどうかについては、)何をどこまでやるかだと思う。」

「地方の現場でそれぞれ判断してもらうのが適切だった。」

 

今後の導入についてもこれまで通り各現場の判断に任せる考えだといいます。

今後、第2波、第3波に備え、検査体制は十分に確保出来るのでしょうか。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

新型コロナウイルス対策に取り組むうえで、まず感染者数を把握することが基本です。

しかし、日本では多くの人がPCR検査を受けるとなると、医療機関に多くの人が殺到して、そこで医療機関で感染が広がってしまうという懸念がありました。

そこで、早期にクラスター(感染者集団)を見つけて、クラスターをつぶしていくということが当初の方針でした。(参照:アイデアよもやま話 No.4621 新型コロナウイルスとの闘い その1 日本がパンデミックにまでならない理由!

要するに、もし医療機関で感染防止対策が十分に整備され、大量のPCR検査対象者を受け入れるだけのキャパシティを持ち合わせていれば当初からPCR検査を実施出来たわけです。

しかし、今や感染経路不明の感染者数の割合が半数近くと無視出来ないことから感染者の特定が必須の状況です。

それでも安倍総理がたびたび検査能力の目標を掲げていたにも係わらず、人口1000人あたりのPCR検査の実施数(6月28日時点)は各国と比べてみると未だに日本は世界の中で圧倒的に低い状況なのです。

しかも日本生まれの全自動PCR検査装置は5年前にEUで認可されて以降、既に50ヵ国で500台以上導入されている一方、国内ではようやく今年6月に検査試薬への保険適用が認められたという状況なのです。

 

更に、この装置の導入を国内で早期に進める選択肢はなかったのかについて、番組が厚労省に取材した結果をみると、国がリーダーシップを取って積極的に導入を推進する意図はなく、各自治体にお任せのように読み取れます。

本来、こうした装置の導入推進こそ国の果たすべき役割だと思います。

こうした状況だけ見ても、安倍総理、および厚労省の新型コロナウイルスの感染被害に対する危機感の低さが疑われます。

5年前にEUで認可されていた全自動PCR検査装置がせめて1月末にでも国内で導入が進められていれば、感染されたうちの何人かの方々の命が救われたのではないかととても残念に思います。

 

新型コロナウイルスのパンデミック状態はまだまだ当分続きそうです。

せめて、第2波、第3波の到来に備えて、より多くの人たちがPCR検査を受けられるように体制を整えて欲しいと思います。


 
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2020年07月12日
No.4692 ちょっと一休み その729 『マスクは今やファッション!?』

6月16日(火)放送の「国際報道2020」(NHKBS1)でファッション化が進むマスクについて取り上げていたのでご紹介します。

 

EU、ヨーロッパ連合は6月15日以降、域内の国同士で入国制限の緩和が本格化しています。

オーストリアではこれまでテロ防止策の一環として、屋外でのマスク着用が制限されていました。

しかし今、ヨーロッパではマスクはファッションアイテムの一つになりつつあって、業界に変化をもたらしています。

オーストリアの首都、ウィーンの老舗、帽子ブランドの工房では世界中から人気のある帽子ですが、最近作り始めたのが手作りのマスクです。

この工房の創業は1903年、マドンナさんやブラッド・ピットさんなど、ハリウッドスター御用達です。

デザイナーのクラウス・ミュールバウアーさんは顔の魅力を引き出すことを心がけてデザインします。

一枚一枚、帽子職人が手作業で仕上げています。

値段は日本円で3000円程と高めですが、初めて店頭に並べた60枚のマスクは2時間で完売、一時は帽子づくりを中断して、マスクづくりに専念していました。

ミュールバウアーさんは次のようにおっしゃっています。

「色は6〜8種類用意し、帽子や服、肌や目の色に合わせられるようにしました。」

「人々の日常生活に溶け込めるものにしたいのです。」

 

マスクで経営悪化を免れた店もあります。

外出制限で服が売れず、起死回生に考案したのが、服と同じ素材やデザインのマスクの販売でした。

既に900枚ほどが売れる人気商品となりました。

この服飾店オーナー、ヘルベルト・リーガーさんは次のようにおっしゃっています。

「(マスク文化が)残ればいいですね。」

「私にとってはいいビジネスだから。」

「ウイルスの状況がどうなるか分かりませんが。」

 

今後、マスクをする人たちがヨーロッパの日常風景となるのか、“新しい生活様式”への適用が課題となりそうです。

 

以上番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

国内でも新型コロナウイルス感染の発生以来マスク不足で大騒ぎになり、まだその供給は十分とは言えない状況が続いています。

そうした中、仕事や買い物などで人ごみに出かける際のマスクの着用は今や常識になりつつあります。

一方で、マスク不足を補うために自前でマスクを作る人たちも増えています。

また、マスク着用の常態化とともに、若い人たちを中心にファッショナブルなマスクの需要も高まっていると思います。

ですから、今回ご紹介したEUでの動きと同様に、国内のファッションメーカーにおいても、これまでのファッションで使用していた生地を生かしたマスクを製造・販売することによって、売り上げの落ち込みを多少なりともカバー出来ると期待出来ます。

 

ファッションも文化の重要は柱の一つです。

ですから、ファッション業界においては、ファッショナブルなマスクを製造して一時的に凌ぎ、何とか新型コロナウイルスの被害を乗り切っていただきたいと思います。

同時に、新型コロナウイルス対策とファッションを結びつけたアイデアで、マスク以外の新たな需要を創造していただきたいと思います。


 
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2020年07月11日
プロジェクト管理と日常生活 No.648 『ダムの活用による新たな水害対策!』

6月24日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でダムの活用による新たな水害対策について取り上げていたのでご紹介します。

 

6月24日、気象庁は7月から9月までの3ヵ月予報を発表しました。

今年の夏は全国的に暖かい空気に覆われやすく、厳しい暑さになる恐れがあります。

熱中症への警戒が必要です。

一方、降水量はほぼ平年並みの見通しですが、梅雨の終わりにかけては例年大雨になりやすく、気象庁は洪水など災害への対策を呼びかけました。

昨年は台風などの豪雨が日本各地に甚大な被害をもたらしましたが、その水害対策に今月からあるものが利用出来るようになり、その効果が期待されています。

 

昨年10月に台風19号が上陸した時の多摩川、住宅街に濁流が今にも溢れ出しそうでした。

多摩川のすぐ近く、武蔵小杉では浸水被害が発生、日本各地で河川が氾濫し、甚大な被害をもたらしました。

通常、こうした河川の氾濫を抑えるために活用されるのが治水ダムです。

治水ダムは大雨が予測されると事前に水を放水し、雨水を溜めこんで川が氾濫しないように水の量を抑える役割を持っています。

しかし、神奈川県にある城山ダムでは事前に放水していたのに台風19号による大雨で溜めこめる水が限界に達し、緊急放流をする事態になりました。

既存の治水ダムだけでは限界があることが露呈されました。

そこで政府は6月から新たな水害対策の運用を開始しました。

それは利水ダムというダムの利用です。

6月4日の会見で、菅官房長官は次のようにおっしゃっています。

「利水ダムは各省の縦割り行政の弊害もあり、水害対策にはほとんど使えなかった。」

 

実は、治水ダムと利水ダムなど全国には合計1470基のダムがありますが、水害対策として使えるのはおよそ3割の治水ダムのみでした。

利水ダムは主に発電や農業用水などのために使われますが、以下のように管轄する省が違うため縦割り行政で水害対策には使われてきませんでした。

治水ダム     :国土交通省

利水ダム(発電用):経済産業省

利水ダム(農業用):農林水産省

 

今回、利水ダム、620基を活用することでこれまでの治水能力を倍増することが出来たといいます。

実際に多摩川には2つ(白丸調整池、小河内ダム)ありますが、どちらも利水ダムのため治水出来る水の量はゼロでした。

しかし、今回の対策で生活用水などに利用される小河内ダムが災害時に治水ダムとして活用出来るようになりました。

6月4日の会見で、菅官房長官は次のようにおっしゃっています。

「拡大出来た容量は建設に50年、5000億円以上かけた八ッ場ダム、50個分に相当いたします。」

 

しかし、小河内ダムを管轄する東京都水道局浄水部の浄水課長、柿沼 誠さんは次のようにおっしゃっています。

「かなり早い時期に放流したことがございませんので、河川内に立ち入られている方への安全確保、これまでも十分やってきましたけども、より一層気を付けていかないといけないと・・・」

 

大雨が予測される3日前に放水する運用のため、放水する日が晴れていた場合、下流に遊びに来ていた人がいる可能性があり、周知をより一層徹底する必要があります。

こうした手間やコストをどこが負担するかもこれから協議するということで、安全な運用には課題が残っています。

 

梅雨で大雨のシーズンを迎えましたが、もしも避難をするようなことになったら、今年は特に新型コロナウイルスの問題があるので避難所の「3密」問題が気になります。

それを避けるためにも、利水ダムの活用は大きいと番組では指摘しています。

解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田 洋一さんは次のようにおっしゃっています。

「多摩川を例にとってみると、去年二子玉川のとこで氾濫しちゃったじゃないですか。」

「だけど、実際は田園調布の辺りでもギリギリで間一髪だったんですよ。」

「(そうした中で利水ダムを活用出来るようになって、もっと容量が増えるというのはとても重要ではという指摘について、)具体的にみると、小河内ダム(1億8540万㎥)の中で、今回洪水対策で使えるようになったら(洪水調節容量は)3558万㎥なんですね。」

「これどのくらいなのかというと、八ッ場ダム(約9000万㎥)の4割に相当する水の保水の力が出てきて、かなり大きいんじゃないかな。」

「(新たなダムを造らなくても利水ダムを利用すれば、これだけの容量を生み出すことが出来るという指摘に対して、)縦割り行政を打破するメリットってこんなに大きいんですよ。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

また、6月30日(火)放送の「TBSニュース」(TBSテレビ)でも同様のテーマについて取り上げていたので、一部重複しますがご紹介します。 

 

水害を防ぐためのダムの運用が今シーズンから変わりました。

農業など利水のために溜めている水も大雨の予測に基づいて事前に放流することになりました。

ただ、空振りすれば、一転水不足になる恐れもあり、管理者は難しいかじ取りを迫られています。

 

福岡県朝倉市にある寺内ダムは治水と利水の両方を目的とした多目的ダムです。

このダムも新しい運用の対象です。

九州地方整備局河川部の島元 尚徳低潮線保全官は次のようにおっしゃっています。

「今のダムで洪水調整容量だけでは足りなかったので、洪水調節容量以外でも利水容量があって、そこの部分を活用することによって安全度が上がるということがございまして。」

 

3年前の7月の九州北部豪雨、当時寺内ダムには危機が迫っていました。

想定の約3倍にあたる毎秒888トンもの水が流れ込んできたのです。

水資源機構 寺内ダム管理所の石橋 一恭所長は次のようにおっしゃっています。

「緊急放流、もしくは異常洪水時防災操作と言わしていただいていますが、・・・」

 

「(これほどの水が入ってくると、大量の水を出さなければダムが溢れてしまいますが、)それは計画以上規模以上なので、それをすると下流で被害が起こる可能性が非常に高くなります。」

 

実際には、満水まであと数十センチというところで、雨脚が弱まり、緊急放流は見送られました、

こうした危険な運用を余儀なくされていた背景には、利水部分を先に出すことが想定されていなかったからです。

水不足に陥れば、農家や事業者に補償もしなければなりません。

島元保全官は次のようにおっしゃっています。

「利水を使うということは、水位が回復しなかったらどうするんだと。」

「当然、あなたたちが考えているスキームも大事かもしれんけど、我々の飲み水のための渇水だったり、農業で田んぼが干上がったりすると、それはそれで問題になってくる。」

 

この問題は長らく手つかずのままでしたが、ここ数年豪雨災害が頻発していることを受けて、国が枠組みを整備しました。

いつ、どれぐらい水を出すか、また空振りに終わった時の補償が決められています。

ただ、どれぐらい水を出せば、ダムの水位をどこまで下げられるかは機械が計算してくれますが、最終的な水位を決めるのは人間、すなわちダムの管理者です。

数日後の下流の水害を防ぎながら、水不足も避けられる水位をどこに設定するか、葛藤は常につきまといます。

この利水ダムの事前放流は今シーズンから全国の1級河川とその支流にあるダムが対象です。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

2つの番組を通して、ダムの活用による新たな水害対策についてご紹介してきましたが、これまで治水の役割のなかった利水ダムを治水にも活用するというアイデアはとても効率的、かつ効果的だと思います。

また、タイミング的にも6月開始というのはこれから本格的な豪雨や台風のシーズンを迎える時期なので理に適っていると思いました。

 

しかし、残念ながら出鼻を挫かれたと言うか、7月4日、九州付近に梅雨前線が停滞した影響で、熊本、鹿児島両県は記録的な大雨に見舞われました。

熊本県南部を流れる球磨川が氾濫し、人吉市や八代市、球磨村などで冠水や土砂崩れが相次ぎました。

 

今回ご紹介した新たな水害対策がこの記録的な大雨にどの程度役だったのか分かりませんが、現実に大きな被害に見舞われたので、関係機関には再発防止策に努めていただきたいと思います。

 

なお、水害対策の一環としての緊急放水については、以下のような懸念事項があります。

・大雨が予測される3日前に放水する運用のため、放水する日が晴れていた場合、下流に遊びに来ていた人がいる可能性があり、周知をより一層徹底する必要がある

・緊急放水の際に、最終的な水位を決めるのはダムの管理者だが、数日後の下流の水害を防ぎながら、水不足も避けられる水位をどこに設定するかといった課題が残っている

・一方で、緊急放水に係わる手間やコストをどこが負担するかもこれから協議する必要がある

・周辺住民が緊急避難をすることになった場合、今年は特に新型コロナウイルの問題があるので避難所の「3密」問題対策も必要になる

 

ということで、新たな水害対策は、一言で言えば事前の緊急放水なのですが、それに伴ういくつかの懸念事項があるのです。

更に、今年は特に新型コロナウイルス対策も必要なので、避難所の「3密」回避対策も求められます。

 

いずれにしても、地球温暖化の進行とともにより多くの集中豪雨や巨大台風の襲来は今後とも避けられそうもありません。

ですから、被災地域の周辺住民の被害が少しでも緩和されるように、引き続き国による大雨や土砂崩れのリスク対応策の検討が求められるのです。


 
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2020年07月10日
アイデアよもやま話 No.4691 教育の機会は長期の経済対策!

4月7日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルスの影響下における教育の重要性について取り上げていたのでご紹介します。

 

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため続いていた学校の休校を巡り、番組コメンテーターで東京大学教授の渡辺 安虎さんは次のようにおっしゃっています。

「これ(休校)、非常に大きな問題だと思うんですね。」

「教育の機会というのは長期の経済対策だと思うんです。」

「つまり、小中高といった非常に学べる時に数ヵ月にわたって教育を受けられない、生涯ずうっとそのことが人的(?)に響く可能性がある。」

「これは長期的には非常にインパクトが大きいですね。」

「非常にリターンがあると思いますね。」

「あらゆるかたちでサポートしていただければ。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

渡辺教授の指摘される“教育の機会は長期の経済対策”という言葉で思い出したことがあります。

スキルや特技がなく、ただ経済的に困っている人にある程度のお金を給付することは一時しのぎにはなりますが、使い果たしてしまえばそれでおしまいです。

その後については、また経済的に困った状態が続いてしまいます。

しかし、経済的に困っている人に教育を受ける機会を与えれば、そこで学んだことを生かして自分で稼ぐ道が開けるのです。

そして、その後は失業しない限りは経済的に自立した生活を送ることが出来るのです。

 

特に今後はAIやロボット技術の急速な発展により、あらゆる分野での自動化が進み、単純作業はどんどんAIやロボットにシフトする傾向にあります。

一方、人の係わる労働は新しいアイデアを創造するといった頭脳集約型にどんどんシフトしていきます。

ですから、学校の授業もこれまで以上に高度な内容で行われるようになるのです。

そうした中、新型コロナウイルスの影響で前代未聞の学校の休校が余儀なくされました。

そこで一部の学校では積極的にオンライン授業が始められました。

オンライン授業の実施にあたっては、設備の準備や関連する技術における教師への教育が必要となります。

しかし、一度設備が完備されれば、新型コロナウイルスによる第2波、第3波の被害が出ても授業の継続が可能になります。

更に、オンライン授業にはこれまでなかった大きなメリットがあります。

これまで以下のようにAIを活用した学習、あるいは優れた教師によるとても分かり易い授業についてお伝えしてきました。

アイデアよもやま話 No.4240 AIによる勉強革命!

アイデアよもやま話 No.4534 大手予備校で授業にAIを本格導入!

アイデアよもやま話 No.4544 3年待ちの人気家庭教師!

 

従来の授業は、たまたま担任になった先生から習うことが一般的でしたが、オンライン授業であれば、生徒は自分に合ったAIや特定の教師による授業をオンラインで受けることが出来るのです。

なお、ここで言うところの特定の教師とは、自分の通う学校内というだけでなく、学習塾や予備校の教師も含めています。

ですから、オンライン授業は、従来の教師の役割も大きく変える可能性を秘めているのです。

すなわち、教師は直接教えるのではなく、生徒の学習意欲を高めたり、生徒が学習内容を理解出来ない時のみ、アドバイスするといった役割に徹するようになるのです。

 

ということで、オンライン授業の開始は、将来的には学校、学習塾、予備校といった垣根を取り払い、生徒にとっては最善の学習の場が提供され、教師にとってもゆとりのある、教える側としての新たな役割を果たせるようになると大いに期待出来るのです。


 
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2020年07月09日
アイデアよもやま話 No.4693 両面で焼く”焼き鳥”!

3月27日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で両面で焼く”焼き鳥”について取り上げていたのでご紹介します。 

 

倖生工業株式会社(千葉県千葉市中央区)で開発した、”焼き鳥”を両面で焼く機器について、製造部の陶山 由木夫部長は次のようにおっしゃっています。

「(普通、焼き鳥を焼くと、煙が立ち上りますが、)縦に焼くことによって、表と裏を同時に焼くので、早く焼けるし、煙もなく焼けるし、美味しく焼けるという、新しい焼き器なんですよ。」

 

焼き方は簡単です。

かごの穴に串の先端を差し込み、上の串の部分には筒をかぶせ、後は焼き台にかごを入れるだけです。

両面から焼き鳥をしっかり焼くので、焼き時間はたったの3分です。

しかも筒があるので串も焦げず、火に油が当たらないので煙も出ません。

こうして、焼いている間何もしないので、焼き鳥の素人でも上手に焼くことが出来ます。

 

この機器を使って焼くとどれほど楽か、従来の横焼きとの比較をしてみると、焼いている間の手間と時間の差は明らかです。

焼き時間の速さですが、1時間に400本焼けるといいます。

これまでお店ですと、焼き鳥を焼くのに一人の人が付きっ切りで焼いていましたが、この機器だとセットして、焼いている間に飲み物の用意など、他の作業をすることが出来ます。

外食業界の人手不足にも役立つ、立てて焼く焼き鳥器、商品名は「焼鳥 立て焼きカゴセット」で価格は41万7000円(税別)からです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これまで焼き鳥と言えば、煙を濛々とさせる中、手拭いで汗をぬぐいながらうちわをパタパタさせて焼くというのが風物詩でした。

そうした中、今回ご紹介した焼き鳥器は、焼き鳥の串を縦にして焼くことにより、焼き時間を短くし、しかも焼いている間人手を介さないで済むというのですから、まさに“コロンブスの卵”的なアイデアです。

ただ、気になるのは税込み約46万円という価格の高さです。

しかし、人手不足の中、ほぼ専任で焼き鳥を焼く人を置いているお店からの引き合いはかなり期待出来ると思います。


 
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